JP2517386B2 - 分析要素の製造方法 - Google Patents

分析要素の製造方法

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  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [従来技術とその欠点] ドライケミストリーはその簡便性、即時性から近年臨
床検査分野に急速に普及してきた。ドライケミストリー
に於いては、小病院、医院等での使い易さを考慮する
と、較正操作を不要とすることが望ましい。較正操作不
要とは、病院等で使用される際に標準液等でシステム
を、正確な測定値が得られるよう調整する必要の無いこ
とを言う。このことが望まれる理由として次のことが挙
げられる。ドライケミストリーを用いて有利な点の一つ
は、測定が必要な時にすぐに測定できることである。つ
まりドライケミストリーを用いるのが有利なのは、一定
数以上の検体を集めて一度に多量に測定するのでなく、
必要に応じて、場合によってはそれが1検体であっても
測定する場合である。このことにより測定の即時性が向
上し、より効果的な医療行為が為されることになる。し
かしながらそのような測定をする場合、較正操作が問題
となる。即ち、このようなばらばらの測定要求が検査者
に来た場合、較正をいつ、あるいはどのような時間間隔
で行うか、極端な場合測定要求が1日に1件か2件(小
病院では可能性が高い)でも較正操作を行うのか、較正
自身もコストがかかるので、大きな問題となる。従っ
て、較正操作不要ということが、即時性が向上したより
効果的な医療行為そのものに大きな意味を持ってくるの
である。較正操作不要と言うことは、上記のように使用
する側にとっては大変好ましいことだが、その分析要素
を製造する側にとっては大変な負担となる。なぜなら、
分析要素は通常ロット生産されるが、生産ロットは材料
のロット差、工程変動などの影響をうけて性能のロット
間差を持つからである。
日常較正操作を要しないドライケミストリーのシステ
ムでは、通常、システムが内蔵検量線なるものを持つ。
検量線とは分析アナライト量と測定される発色等(変
色、蛍光も含める)の光学濃度(以下、ODと略記する)
との関係を示すグラフまたは式のことで、一般に較正操
作で作られる。ドライケミストリーで較正操作不要とす
るには、これを予め製造者側で作成し、システムに記憶
させておく必要がある。これを内蔵検量線と呼ぶ。
内蔵検量線を持つシステムでは、出荷される分析要素
の特性がこの内蔵検量線からずれないこと、出荷後分析
要素が経時変化して内蔵検量線からずれないことが、品
質保証の上で重要なポイントとなる。内蔵検量線からず
れないとは、出荷される分析要素の実際の検量線(これ
を実検量線と呼ぶことにする)が内蔵検量線と同一であ
ることを意味する。工業製品には一般にばらつきがあ
り、規格が設けられているが、この考え方で、検量線が
同一であるとは、実検量線と内蔵検量線の差が規格内で
あることを意味する。勿論この規格は、その範囲で変動
しても実用上問題を生じない狭い幅であることが要求さ
れる。
検量線は直線の場合が多く、分析アナライトの量(濃
度、活量、活性値等)をx軸に、発色等のODをy軸にと
ると y=ax+b なる一次の直線式で表される場合が多い。この式で、a
は分析アナライトの量に対してのODの変化しやすさを表
しているので、aを感度値と呼ぶことにする。この式
で、bは分析アナライトの量がゼロのときのブランク値
を表しているので、bをブランク値と呼ぶことにする。
ドライケミストリーでは一般に分析要素の反射光学濃
度を測定するため、検量線が直線にならないことが多
い。この場合、反射測光と透過測光の関係式により検量
線を直線にすることができる。しかし、それでも検量線
が直線にならない場合が稀ではない。これは複数層中で
の複雑な反応のため反応収率等が1にならないからと考
えられる。検量線がやや湾曲した曲線の場合でも、便宜
的に検量線を直線に近似し、感度値、ブランク値という
2つの要素で、検量線を表現出来る。特に同種の製品の
場合にはこの近似が成り立つ。これは、層構成や反応原
理が同じなら、湾曲の度合いが変わらないためと考えら
れる。
検量線の感度値とブランク値は、工程変動、原材料の
変動等の影響で変動するが、特にブランク値は原材料の
変動の影響を強く受ける。原材料は純粋なものが望まれ
るが、現実には色々な不純物を含んでいるのが普通であ
る。例えば (1)骨ゼラチンは元々カルシウム(Ca)とともに骨を
形成していたため、Caを含む。骨ゼラチンをCa分析要素
に用いると、この不純物としてのCaがブランク値に大き
く影響する。
(2)発色剤として用いられるジアゾニウム塩は不安定
なため、精製の過程で一部分解して、可視部に吸収をも
つ色素を含むことが多い。ビリルビンの測定にジアゾニ
ウム塩を用いる場合、この不純物としての色素がブラン
ク値に影響する。
(3)中間生成物として過酸化水素を利用する酸化還元
系の発色系を用いる場合、原材料に含まれると見られる
酸化物らしきものによりブランク値に影響が出る場合が
ある。
これらはいずれもブランク値の変動因子となるので、
ブランク値を一定にするためには原材料を良く精製し、
高い純度で用いることが考えられる。しかし、原材料の
高純度化は原材料の値段を引き上げ、コスト高を招く。
だからといって精製しないままでは検査規格値を度々外
れ、結果としてコスト高を招いてしまう。材料コストを
引き上げることなく、検量線のブランク値を一定にする
方法が望まれた。
[解決しようとする技術的課題] 本発明の技術的課題は、水浸透性層を有し、該水浸透
性層に水性液体中の特定成分の存在下に、光学的に検出
し得る物質を生成する、試薬組成物を含む多層分析要素
を製造において、原材料の精製等によるコスト上昇を招
くことなく、ドライケミストリーに用いる乾式化学分析
要素の検量線のブランク値を一定にすることである。
また、原材料の精製、選別を特に厳密にしなくても、
生産ロット間で検量線のブランク値が一定な乾式化学分
析要素を製造する方法を実現することである。
[技術的課題の解決手段] 上記課題は、支持体上に塗布組成物を塗布するかまた
は多孔性層に含浸組成物を含浸させる工程と、前記塗布
または含浸された層を乾燥する工程から成る、多層分析
要素の製造方法において、前記塗布組成物または含浸組
成物に下記物質の少なくとも一つを添加する工程を含む
事を特徴とする、多層分析要素の製造方法により、解決
された。
(1)分析要素の持つ発色反応系で生成される光学的に
検出可能な物質と同じ物質、例えば色素(生成色素と呼
ぶことにする)、 (2)分析要素の持つ発色反応系で生成される光学的に
検出可能な物質とは別の、光学的に検出可能な物質、例
えば色素(別色素と呼ぶことにする)。
これらの物質を、本明細書ではカブリ剤と呼ぶ。
生成色素の具体例としては、 1)ロイコ色素の酸化体として生成した色素(例えば米
国特許4,089,747号、特開昭59−193352号等に記載され
たようなアリールイミダゾールロイコ色素)、 2)ジアゾニウム塩からカップリングにより生成したジ
アゾ色素、例えばビリルビンとジアゾニウム塩とのカッ
プリング反応生成物 3)酸化された水素供与体とカプラーとのカップリング
により生成したアゾメチン色素(例えば4−アミノアン
チピリン類と、フェノール類またはナフトール類)また
はケトメチレン色素 4)還元型補酸素(例えばNADH,NADPH)と電子伝達剤
(例えばジアホラーゼ)の存在下で生成するホルマザン
色素 5)例えばp−ニトロフェノール、o−クロロ−p−ニ
トロフェノール、p−ニトロアニリンのような、解離ア
ニオンが可視光を吸収する物質 6)有色金属錯塩、例えばオルトクレゾールフタレイン
コンプレキソンのカルシウム錯体 等を、用いることができる。
光学的に検出し得る物質は、色素以外、例えばNADHの
ように紫外線を吸収する物質であってもよい。
別色素の具体例としては、Ponseau 3R,2,2′−ビス
{3−カルボキシ−1−(4−スルホフェニル)ピラゾ
リン−5−オン}トリメチンオキソノール、N−{4−
(4′,4″−ジアニリノジフェニルメチレン)ベンゾ}
アニリニウムクロリド、2−p−ジメチルアミノフェニ
ルアゾ−3−メチルベンゾチアゾリウムメチル硫酸、1
−メチル−2−[2′−メチル−4′−{N−(2″−
クロロエチル)−N−エチルアミノ}スチリル]−3,3
−ジメチルインドレニニウムクロリド、N−(1−エト
キシ−6−ジエチルアミノ−3−オキサジニリデン)−
ジエチルアンモニウムクロリド、2−{4′−(2″,
4″−ジシアノフェニラゾ)−N−エチルアニリノ}エ
チルジメチルアモニウムメチル硫酸、1−{3′−(ジ
メチルアンモニオ)プロピル}アミノアントラキノンジ
メチル硫酸が挙げられる。分析要素中で分析反応を妨害
せず、分析要素の保存中の安定性を悪くしないものが好
ましい。カーボンブラック等の光吸収性顔料でもよい。
これらの色素は、大河原ほか編、講談社発行(1988年)
色素ハンドブックの記載から選ぶことができる。
本発明の好ましい実施形態は次の通りである。即ち、
コスト高にならない程度に精製された材料または選定さ
れたロットの材料を用いて、予備試験を行ってブランク
値を求める。予備試験は溶液による湿式法でもよいし、
試験用の多層分析要素を少量作製してもよい。内蔵検量
線のブランク値との差を求め、これを埋め合わせる量の
カブリ剤(先に定義した)をいずれかの塗布組成物また
は含浸組成物に添加して多層分析要素を製造する。
本発明の実施に当たっては、前述から明らかなように
内蔵検量線のブランク値は、コスト高にならない程度に
精製又は選定された材料で製造された多層分析要素のブ
ランク値の変動領域より充分高く、例えば1.5ないし3
倍程度に、設定されていることが必要である。もし、設
定された内蔵検量線のブランク値が、多層分析要素の予
想されるブランク値の変動領域と大差ない場合には、本
発明の方法を適用しても効果がない。
本発明は種々の乾式分析要素に適用できる。例えば、
特公昭53−21,677号、同特開昭55−164,356号、特開昭6
0−222,769号(特願昭59−79158号)等に記載されたも
のに適用できる。本発明は、例えば次のような層構成を
有する分析要素の製造に適用できる。
(1)水不浸透性・光透過性支持体上に試薬組成物を含
む液体展開層を有するもの。
(2)支持体(同上)上に試薬層と液体展開層を、この
順に有するもの。
(3)支持体(同上)上に検出層、試薬層、液体展開層
をこの順に有するもの。
(4)支持体(同上)上に試薬層、光反射層、液体展開
層をこの順に有するもの。
(5)支持体(同上)上に検出層、試薬層、光反射層、
液体展開層をこの順に有するもの。
(6)支持体(同上)上に検出層、光反射層、試薬層、
液体展開層をこの順に有するもの。
上記(1),(2)または(4)において、支持体と
液体展開層(以下、展開層と言う)または試薬層との間
に吸水層を設けたもの、上記(2)ないし(4)におい
て試薬層と検出層または展開層との間に血球ろ過層を設
けたもの、上記(4)ないし(6)において光反射層と
検出層、試薬層もしくは展開層との間、試薬層と検出層
との間、または試薬層と展開層の間に、さらに血球ろ過
層や妨害物除去層を設けたもの、上記(1)ないし
(6)において支持体が水浸透性であるもの、同じく支
持体を有しないもの等にも、本発明が適用できる。検出
層は一般に、被検成分の存在下で生成した色素等が拡散
し、光透過性支持体を通して光学的に検出され得る層
で、通常、親水性ポリマーにより構成される。吸水層は
一般に、被検成分の存在下で生成する色素が実質的に拡
散しない層で、通常、膨潤しやすい親水性ポリマーによ
り構成される。
水浸透性層の少なくとも一つが多孔性層である場合に
は、分析要素は支持体を有しなくてもよい。
展開層は付与(点着)された単位面積当たりにほぼ均
一な量の試料液を、隣接する水浸透性層に対して供給す
るものが好ましい。有用な展開層は、特開昭55−164,35
6号(米国特許第4,292,272号)に記載された織物や、特
開昭60−222769号に記載された編物のような繊維材料か
ら成るものである。織物等には特開昭57−66359号に記
載されたようなグロー放電処理を施してもよい。展開層
には、展開面積、展開速度等を調節するため親水性高分
子あるいは界面活性剤を含有させてもよい。
展開層を接着し積層するための接着層を、試薬層、光
反射層、過層、吸水層、検出層等の層の上に設けても
よい。接着層は一般に、水で膨潤したときに多孔性層を
接着することができるような親水性ポリマー、例えばゼ
ラチン、ゼラチン誘導体等からなる。接着層の塗布組成
物に前記カブリ剤を添加してもよい。
本発明により製造される分析要素は光反射層を有して
もよい(例えば、試薬層と検出層の間、または試薬層と
展開層の間)。光反射層は、検出層、試薬層等に生じた
検出可能な変化(色変化、発色等)を光透過性を有する
支持体側から反射測光する際に、展開層に点着供給され
た被検液の色、特に試料が全血である場合のヘモグロビ
ンの赤色、ビリルビンの黄色等を遮蔽するとともに光反
射層または背景層として機能する。光反射層は、親水性
ポリマーをバインダーとして、酸化チタン等の光反射性
微粒子が分散された水浸透性の層であることが好まし
い。
本発明により製造される分析要素の試薬層等の水浸透
性層には、光学的に検出し得る物質、例えば染料を生成
し得る組成物を含む。ロイコ色素の酸化によって染料を
生成する組成物(例として、米国特許4,089,747号、特
開昭59−193352号等に記載されたようなアリールイミダ
ゾールロイコ色素)、ジアゾ色素をカップリングにより
生成するジアゾニウム塩、酸化されたときに他の化合物
とカップリングによって染料を生成する化合物を含む組
成物(例えば、4−アミノアンチピリン類と、フェノー
ル類またはナフトール類)、還元型補酵素と電子伝達剤
の存在下で染料を生成することのできる化合物から成る
もの、金属と有色の錯塩を形成し得る化合物等を、用い
ることができる。また、酵素活性を測定する分析要素の
場合に、例えばp−ニトロフェノールのような有色物質
を浮遊しうる自己顕色性基質を、試薬層や展開層に含む
ことができる。
試薬組成物は酵素を含むものでもよく、特開昭62−27
9859号明細書第18ページから第20ページに記載されたも
のを用いることができる。
試薬組成物は、全部を親水性ポリマーを結合剤とする
無孔性層に含ませてもよい。親水性ポリマーとして例え
ば、ゼラチンおよびこれらの誘導体(例えばフタル化ゼ
ラチン)、セルロース誘導体(例えばヒオロキシエチル
セルロース)、アガロース、アクリルアミドまたはメタ
アクリルアミド重合体(各種ビニル性モノマーとの共重
合体を包含)等が利用できる。カブリ剤は、このような
試薬組成物を含む無孔性層を形成するための塗布液に添
加してもよい。
試薬組成物は全部または一部を多孔性層に含んでもよ
い。被検成分の存在下に発色を生ずる試薬組成物又はそ
の一部を多孔性層に含有させるには、試薬組成物の適当
な溶液または分散液を予め含浸させた多孔性展開層を、
他の水浸透性層、例えば試薬層の上に特開昭55−164356
号のような方法で接着させる方法も有用である。
カブリ剤の全部または一部は多孔性層に含まれてもよ
い。それ故、上記の多孔性層に予め含浸させる試薬組成
物の溶液または分散液にカブリ剤を添加してもよいし、
試薬組成物とは別の含浸組成物に添加し、これを多孔性
層に含浸してもよい。
試薬素生物を含まない多孔性層を他の水浸透性層(例
えば接着層、吸水層)の上に前記特開昭55−164356号の
ような方法で接着させた後、試薬組成物の溶液または分
散液を多孔性層に塗布して含浸させてもよい。カブリ剤
は、接着された多孔性層に含浸させる試薬組成物(溶液
または分散液)に添加してもよいし、試薬組成物とは別
の含浸組成物に加えてもよい。
親水性ポリマーを結合剤とし試薬組成物を含む均一層
を塗布した後、試薬組成物を含まない多孔性層を特開昭
55−164356号のような方法で接着させることによって、
試薬組成物を多孔性層に実質的に含有させることができ
る。この際、試薬組成物を含む塗布液にカブリ剤を添加
してもよい。
試薬層の塗布、その他の無孔性水浸透性層を構成する
ための組成物の塗布や、多孔性層への試薬組成物の塗布
には、公知の方法を利用でき、例えばディップ塗布、ド
クター塗布、ホッパー塗布、カーテン塗布、押し出し塗
布、多層押し出し塗布等を適宜選択して用いる。
塗布された層の乾燥には公知の方法を用いることがで
きるが、特願昭53−96065号、同63−96066号に記載され
た方法は有利である。含浸された層の乾燥についても同
様である。
試薬組成物を、異なる無孔性層、異なる多孔性層、又
は多孔性層と無孔性層(例えば検出層)に、分けて含有
させもよい。例えば被検成分と試薬との反応により中間
体を生成する組成物を多孔性層に、生成した中間体と反
応して染料等を与える組成物(指示薬)を無孔性層に含
んでもよい。
試薬組成物には必要に応じ、活性化剤、緩衝剤、硬膜
剤、界面活性剤等を含有させることができる。本発明の
分析要素の試薬層に含有させることができる緩衝剤の例
としては、炭酸塩、ホウ酸塩、燐酸塩やBiochemistry誌
第5巻 第2号、497ページより477ページ(1966年)
に記載されているグッド(Good)の緩衝剤などを挙げる
ことができる。
[実施例1] 1.色素溶液の調製 o−クレゾールフタレインコンプレクソン63.7mgを、
0.02N−NaOH溶液中に溶解し、これにCaとして10mg/mLを
含むCaCl2水溶液0.4mLを添加した。CaCl2水溶液の濃度
は(株)日立製作所製7050形分析機を用いて予め検定し
た。
2.分析要素の製作 ゼラチン下塗りしてある厚さ180μmのポリエチレン
テレフタレート無色透明平滑フィルム上に、下記組成
(a)の液を、各成分の乾燥後の被覆量が記載の通りに
なるように塗布し、乾燥した(指示薬層を形成)。
(a) 脱イオンゼラチン 16.8 g/m2 界面活性剤(ポリオキシエチレン(n=10)ノニルフェ
ニルエーテル) 1.1 g/m2 3−シクロヘキシルアミノプロパン−1−スルホン酸2.
8 g/m2 o−クレゾールフタレインコンプレクソン 0.15g/m2 δ−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸 0.56g/m2 色素溶液(前記1.により調製したもの) 7.1mg/m2 (希NaOH溶液でpHを10.6に調整した) その上に、下記組成(b)の液を各成分の乾燥後の被
覆量が記載の通りになるように塗布し、乾燥した(接着
層を形成)。
(b) 脱イオンゼラチン 1.46g/m2 界面活性剤(ポリオキシエチレン(n=10)ノニルフェ
ニルエーテル) 0.10g/m2 酸化チタン 0.85g/m2 (希NaOH溶液でpHを10.6に調整した) 上記接着層の表面を約25℃の水で一様に湿らせ(約30
g/m2の割合)、50デニール相当のPET紡績糸をトリコッ
ト編物布地(36ゲージ:厚さ約250μm)を圧着し、乾
燥させて、布地を接着させた。
次にこのトリコット編み物布地の上から、別に調製し
ておいた下記組成物(c)を、下記成分被覆量(distri
bution parameter)になるようにエタノール溶液として
塗布し、乾燥させて、展開層とした。
(c) 成分被覆量/m2 ポリビニルピロリドン(平均分子量36万) 4.1g/m2 ポリオキシエチレン−p−ノニルフェニルエーテル(オ
キシエチレン単位平均40) 8.6g/m2 くえん酸 0.6g/m2 溶媒:エタノール 実施例1で用いた脱イオンゼラチンのカルシウム含有
量は7ppmであった。
[比較例1] 色素溶液の添加を省略した他は、実施例1と同様にし
て分析要素を製作した。
[実施例2] カルシウム含有量が22ppmの脱イオンゼラチンを用い
かつ色素溶液の量を2.4mg/m2とした他は、実施例1と同
様にして分析要素を製作した。
[比較例2] 色素溶液の添加を省略した他は、実施例2と同様にし
て分析要素を製作した。
[測定例1] 実施例1、2、比較例1、2の各分析要素を用いてモ
ニトロールIxのカルシウム濃度を測定した結果を、第1
表に示す。標準液の点着、加温、光学測定には富士写真
フイルム(株)製フジドライケム5000アナライザを用い
た。
第1表から明らかなように、本発明の製造方法を用い
て製作された分析要素は、ゼラチン中のカルシウム含有
量が変化しても、カルシウム濃度の測定値の変動が僅か
であった。これに対し比較例の分析要素の間では、カル
シウム濃度測定値がゼラチンのカルシウム含有量により
変動した。
[実施例3] ゼラチン下塗りしてある厚さ180μmのポリエチレン
テレフタレート無色透明平滑フィルム上に、下記組成
(a)の液を、各成分の乾燥後の塗布量が記載の通りに
なるように塗布し、乾燥した(吸水層を形成)。
(a) ポリビニルアルコール(平均分子量36万) 22.0 g/m2 ポリオキシエチレン−p−ノニルフェニルエーテル(オ
キシエチレン単位40) 0.28g/m2 硫酸亜鉛 1.8 g/m2 ナフタレンジスルホン酸ナトリウム 1.8 g/m2 界面活性剤(エアロゾルOT) 0.23g/m2 スルホサルチル酸 0.64g/m2 アラルダイト 0.74g/m2 上記ポリビニルアルコールにはロット1を用いた。
接着層表面を約25℃の水でほぼ一様に濡らした後、10
0S相当のPET紡績糸からなる厚さ約250μmのトリコット
編物生地を重ね合わせ、圧着、乾燥させて、接着させ
た。
編物布地の上から、下記組成(b)の液を塗布により
含浸し、乾燥した。
(b) ダイフィリン 19.0 g/m2 ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸 3.1 g/m2 ナフタレンジスルホン酸ナトリウム 0.74g/m2 ジ−2−エチルヘキシルスルホこはく酸ナトリウム0.4
g/m2 スルホサリチル酸・2水和物 7.42g/m2 2,4−ジクロロベンゼンジアゾニウムスルホサリチレー
ト 0.86g/m2 1,8−ジヒドロキシ−2−(2,4−ジクロロフェニラゾ)
−ナフタレン3,6−ジスルホン酸 12.3mg/m2 溶媒:水 [実施例4] 前記塗布組成物(a)中のポリビニルアルコールにロ
ット2を用い、塗布組成分(b)中の色素1,8−ジヒド
ロキシ−2−(2,4−ジクロロフェニラゾ)−ナフタレ
ン3,6−ジスルホン酸の量を5.3mg/m2とした以外は、実
施例2と同様とした。
[比較例3] 実施例1に同じ。但し色素の添加を省略した。
[比較例4] 実施例2に同じ。但し色素の添加を省略した。
[測定例2] 実施例3、4、比較例3、4の各分析要素を用いてモ
ニトロールIxのビリルビン濃度を測定した。標準液の点
着、分析要素の加温、光学測定には富士写真フィルム
(株)製フジドライケム5000アナライザを用いた。結果
を第2表に示す。
第2表から明らかなように、本発明の製造方法を用い
て製作された分析要素は、ポリビニルアルコール(PV
A)のロットが変っても、ビリルビン濃度の測定値の変
動が僅かであった。これに対し比較例の分析要素の間で
は、ビリルビン濃度測定値がPVAのロットにより大きく
変動した。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に無孔性または多孔性の水浸透性
    層を有し、該水浸透性層に水性液体中の特定成分の存在
    下に光学的に検出し得る物質を生成する試薬組成物を含
    む多層分析要素を製造する方法であり、かつ支持体の上
    に無孔性の水浸透性層を構成する塗布組成物を塗布する
    か又は多孔性層に含浸組成物を含浸させる工程と、この
    塗布又は含浸された層を乾燥する工程を含む方法におい
    て、 前記塗布組成物または含浸組成物に、前記光学的に検出
    し得る物質を添加する工程を含むことを特徴とする多層
    分析要素の製造方法。
  2. 【請求項2】前記支持体が水不浸透性である特許請求の
    範囲1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】水不浸透性支持体の上に少なくとも1の水
    浸透性層を有し、該水浸透性層のうち少なくとも1に、
    水性液体中の特定成分の存在下に光学的に検出し得る物
    質を生成する試薬組成物を含む分析要素の製造方法であ
    り、かつ支持体の上に少なくとも1の塗布組成物を塗布
    する工程と、塗布された層を乾燥する工程から少なくと
    も成る方法であって、前記塗布組成物のうち少なくとも
    1に前記光学的に検出し得る物質を添加する工程を含む
    ことを特徴とする多層分析要素の製造方法。
  4. 【請求項4】多孔性の水浸透性層を有し、該水浸透性層
    に、水性液体中の特定成分の存在下に光学的に検出し得
    る物質を生成する試薬組成物を含む多層分析要素を製造
    する方法であり、かつ多孔性層に含浸組成物を含浸させ
    る工程と、前記含浸された多孔性層を乾燥する工程を含
    む方法であって、前記含浸組成物に前記光学的に検出し
    得る物質を添加する工程を含むことを特徴とする多層分
    析要素の製造方法。
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