JPH1048193A - 体液中のマグネシウム測定用試験片 - Google Patents

体液中のマグネシウム測定用試験片

Info

Publication number
JPH1048193A
JPH1048193A JP11495897A JP11495897A JPH1048193A JP H1048193 A JPH1048193 A JP H1048193A JP 11495897 A JP11495897 A JP 11495897A JP 11495897 A JP11495897 A JP 11495897A JP H1048193 A JPH1048193 A JP H1048193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
test piece
magnesium
measuring
calcium
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11495897A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3809484B2 (ja
Inventor
Hitoshi Furuta
仁志 古田
Shinzo Yoshida
真三 吉田
Junji Yoshioka
潤治 吉岡
Hisashi Ashida
久 芦田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkray Inc
Original Assignee
KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KDK Corp, Kyoto Daiichi Kagaku KK filed Critical KDK Corp
Priority to JP11495897A priority Critical patent/JP3809484B2/ja
Publication of JPH1048193A publication Critical patent/JPH1048193A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3809484B2 publication Critical patent/JP3809484B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定レンジ全域で良好な測定精度を有し、バ
ックグラウンド値も低い、共存するカルシウムの影響も
一切受けない、保存もきく、血清・血漿中のマグネシウ
ムを短時間に測定するための、使用が簡便な乾式試験片
を得る。 【解決手段】 試薬成分として以下の成分〜を含有
させる。 o−クレゾールフタレインコンプレキソン O,O’−ビス(2−アミノフェニル)エチレングリ
コール−N,N,N’,N’−四酢酸 pH8.5〜11.0に緩衝するpH緩衝剤 アルブミン高濃度検体に対しては、さらにイオン性界面
活性剤を加える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体試料、特に血清・血
漿といった体液中のマグネシウムを簡便に測定するため
の乾式の試験片に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内においてマグネシウムはカルシウ
ムに次いで含有量の多い2価金属であり、種々の生体内
の反応に深く関与する重要な必須元素である。血清・血
漿中のマグネシウム濃度はカルシウム濃度と拮抗的に変
動し、中枢神経系や心臓の機能不全時、あるいは腎不
全、急性膵炎時などにその変動が観察されることから、
マグネシウムの測定は重要な検査項目の一になりつつあ
る。
【0003】2価金属キレート指示薬を用いて液体試料
中のマグネシウム濃度を比色定量・測定する方法は従来
から種々知られている。最も利用されている金属キレー
ト指示薬はキシリジルブル−Iである。また、(株)同
仁化学カタログ第19版(平成6年5月31日発行)に
よると、エリオクロームブラックT,カルシクローム,
カルボキシアルセナゾ,カルマガイト,クロロホスホナ
ゾIII,メチルチモールブルー,O−クレゾールフタ
レインコンプレキソン,スパンズ,キシレノールオレン
ジ等もマグネシウムの比色定量が可能であると記載され
ている。
【0004】上記の先行技術で使用されている金属キレ
ート指示薬において、ホルマザン誘導体を除くいずれの
指示薬も、キレート作用機能部分がアリルアゾ構造であ
り、色素部分はナフトール構造である。
【0005】これらの金属キレート指示薬で生体試料中
のマグネシウムを比色定量する場合、いずれの指示薬を
使用する場合でも、共存するカルシウムの影響を回避す
るためにカルシウムに対してのマスキング剤を添加する
必要がある。
【0006】マグネシウムとカルシウムの共存下でのカ
ルシウムの選択的マスキング剤としては、O,O’−ビ
ス(2−アミノメチル)エチレングリコール−N,N,
N’,N’−四酢酸(略名GEDTA)がよく用いられ
るが、その他には、トランス−1,2−ジアミノシクロ
ヘキサン−N,N,N’,N’,−テトラ酢酸(略名C
yDTA)、O,O’−ビス(2−アミノフェニル)エ
チレングリコール−N,N,N’,N’−四酢酸(略名
BAPTA)などが知られている。
【0007】その他の2価金属、たとえば鉄・銅・亜鉛
をマスキングするために、トリエタノールアミンやシア
ン化化合物を添加する方法もまた公知である。
【0008】これらの組み合わせによるマグネシウム測
定用試薬成分を調製することは、当業者にとってはもは
や容易に考え得ることであり、数多くのマグネシウム測
定用試薬成分が考案・実施されている。例えば、最も汎
用されている組み合わせはキシリジルブルーIとGED
TAの組み合わせであり、多くの試薬キットが市販され
ている。特許では、クロロホスホナゾIIIとGEDT
AまたはBAPTAの組み合わせ(特開平4−1204
64号)、アルセナゾIとGEDTAまたはBAPTA
の組み合わせ(欧州特許597900号)、ホルマザン
誘導体を使用する方法(特開平5−11908号)等が
開示されている。
【0009】また米国特許5397710号は、血球分
離能を備えた全血用乾式試験片に関するものであり、そ
こに開示の組み合わせは、指示薬がエリオクロムブラッ
クT,カルマガイト,マゴン,クロロホスホナゾII
I,ヒドロキシナフトールブルー,アルセナゾI,スパ
ンズ等で、マスキング剤はGEDTAを使用している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】さて、乾式試験片とい
ったドライ化試薬は、臨床的診断において従来の液系試
薬よりも迅速で、簡単で、安価なため、多用されてい
る。試験片を使用して液体試料中の対象物質を臨床的診
断する際、その試料は多くの場合希釈されない血清・血
漿又は尿などであり、分析対象物質はかなりの高濃度で
含まれている場合が多い。マグネシウムの場合も例外で
はなく、血清・血漿の場合はヒトの正常値でも1.8〜
2.0mg/dl、異常高濃度の場合では5.0〜6.
0mg/dlに達する場合もある。試験片は、これらの
異常値をも測定できる性能を有していなければならな
い。
【0011】つまり、異常値をも測定できる性能を有す
るマグネシウム測定用乾式試験片を金属キレート指示薬
を用いて作製する場合、試料中のマグネシウム濃度(異
常値を含めた、目標とする測定レンジ上限濃度)に対し
て必要十分量のキレート指示薬を試薬成分としてあらか
じめ含ませる必要がある。
【0012】ところが、前述のキレート指示薬をそのよ
うに必要十分量添加した場合には、マグネシウムと錯体
を形成していないフリーで末発色の状態でも、かなりの
着色が認められることが判明した。すなわち、初期値に
おいて試薬のバックグラウンドの濃い着色を示してしま
う(以下、バックグラウンド値が高いと表現する)ため
に、マグネシウム低濃度試料の測定精度が悪くなるとい
う欠点を有していた。
【0013】生体試料、特に血清・血漿のマグネシウム
濃度は極めて恒常性が高く、正常値はごく狭い範囲内に
限られている。疾病の診断においては、その狭い範囲か
らのわずかなズレの検出が重要であるために、測定精度
の悪さは致命的欠点であった。
【0014】また更に本発明者らは、従来のマグネシウ
ムキレート指示薬とカルシウムマスキング剤の考えられ
る試薬成分の組み合わせをドライ化加工し、種々のマグ
ネシウム測定用試験片を作製したが、先行技術と全く同
じ組み合わせを含めた全ての組み合わせにおいて、カル
シウムの影響を必ず受けてしまうことが判明している。
【0015】そして、そのように得られた乾式試験片の
保存安定性についても、冷蔵保存状態(摂氏4〜8度条
件下)でも不安定なものが多かった。
【0016】よって本発明の目的は、バックグラウンド
値が低く、広い測定レンジ全域で良好な測定精度を有
し、カルシウムの影響も一切受けず、しかも保存安定性
の良い、乾式のマグネシウム測定用試験片を提供するこ
とである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、金属キレ
ート指示薬成分としてo−クレゾールフタレインコンプ
レキソン(略名OCPC)を用い、カルシウムのマスキ
ング剤としてO,O’−ビス(2−アミノフェニル)エ
チレングリコール−N,N,N’,N’−四酢酸(略名
BAPTA)を用い、さらに、pH8.5〜11.0に
緩衝するpH緩衝剤を併用し、乾式試験片の試薬成分と
することで、上記の問題を全て解決できるマグネシウム
測定用試験片が作製できることを発見した。
【0018】
【発明の実施の形態】OCPCを用いてカルシウム又は
マグネシウムを測定する技術は既に公知の方法である
が、OCPCとBAPTAを選択的に組み合わせること
により、マグネシウムの特異的測定に応用した技術は従
来なかったものである。本発明者らは、試薬成分とし
て、金属キレート指示薬成分としてOCPCを、カルシ
ウムに対するマスキング剤としてBAPTAを使用して
試験片を作製したとき、マグネシウム測定の感度を下げ
ることなく、カルシウムの影響を完全に遮断できること
を見い出した。
【0019】OCPCとBAPTAは両者とも2価金属
に対するキレート剤であるために、マグネシウムとカル
シウムの両者に対して反応する。しかし、マグネシウム
に対してはBAPTAよりOCPCの方がはるかに強固
にキレート化し、カルシウムに対してはOCPCよりB
APTAの方がはるかに強固にキレート化する。本発明
はこの原理を応用し、OCPCとBAPTAとの組み合
わせを特異的に選択することにより完成されたものであ
る。
【0020】乾式試験片はその試薬部分の呈色を光学的
に測定されるが故に、試薬部分のバックグラウンドの着
色の度合いが低いことが好ましいことは当然である一
方、キレート指示薬濃度が不十分であると測定レンジ上
限付近の測定が不能となるために、高濃度に添加する必
要がある。しかし先述のように、あまりに過剰に添加す
ると試薬部分のバックグラウンド値が高くなってしま
う。ところが、本発明で使用されるOCPCは高濃度に
添加しても他のキレート指示薬と比較してもバックグラ
ウンド値が非常に低く、試験片にするために大量に添加
しても反応前は淡い桃色で、無色に近い。よって、測定
精度は保たれ、精密度の高い試験片を完成できる。
【0021】OCPCによるマグネシウム測定時の感度
は、反応系のpHが高ければ高いほど(アルカリ性であ
るほど)高くなる。しかし、OCPCはマグネシウムが
存在しなくてもアルカリ性側になると発色してしまう。
つまり乾式試験片へ加工する際には、感度を上げるため
に強アルカリ性側にするとバックグラウンド値が高くな
り、中性付近へすると感度が落ちるという問題が生じ、
そのため現在まで実用化は見送られていた。しかし本発
明では、反応系をpH8.5〜11.0に緩衝するpH
緩衝剤を使用することで、感度の低下もなく、バックグ
ラウンドの低い試験片を得られた。これは同時に、試験
片作製中の雰囲気中に含まれる炭酸ガスの影響によるp
Hの低下も抑えられる。
【0022】pH緩衝剤は、pH8.5〜11.0の範
囲で使用でき、かつ乾燥させても成分が揮発しないもの
であれば、この種の試験片で公知公用の緩衝剤の中から
任意で使用できる。具体例を挙げれば、ホウ酸−水酸化
ナトリウム緩衝剤、炭酸水素ナトリウム−炭酸ナトリウ
ム緩衝剤、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝剤、CHE
S緩衝剤、CAPSO緩衝剤等である。pHは8.5〜
11.0の範囲であればマグネシウムの測定が十分可能
であるが、より好ましくは9.5〜10.0の範囲がよ
い。
【0023】OCPCを含めた一般の金属キレート反応
系において、体液特に血清・血漿試料中のマグネシウム
を測定する場合、試料中のタンパク質、特にアルブミン
の影響を受けることも知られている。これはマグネシウ
ムがアルブミンに吸着される性質によるものであるが、
血清・血漿中のマグネシウムのうち、アルブミンに吸着
するマグネシウムの割合は約30%とほぼ一定してお
り、測定時には数値化して容易にキャンセルされるため
に実用上は通常問題ない。
【0024】しかし、まれに起こりうる極端なアルブミ
ン高濃度の試料の場合、影響を無視できない場合も生じ
てくる。本発明では、イオン性界面活性剤を更に添加す
ることにより、極端なアルブミン高濃度値の試料を含む
複数検体間のばらつきを抑え、回避することが可能にな
った。イオン性界面活性剤の例として、アニオン系界面
活性剤ではドデシル硫酸ナトリウム、カチオン系ではテ
トラデシルトリメチルアンモニウムブロミドが具体例と
して挙げられるが,同様の作用を有するイオン性界面活
性剤であればいずれの化合物を使用してもよいことは当
業者ならば明らかであろう。
【0025】本発明の試薬成分を含むマグネシウム測定
用試験片のうち、好ましく適用できる形態は、本発明の
試薬成分を含む検出部位と、該検出部位の土台となる水
不透過性支持体から形成されてなる、一般的な試験片で
ある。検出部位は、支持体上に積層される水溶性のバイ
ンダー層と水不溶性の多孔性素材からなる試料保持層と
により構成される。本発明の試薬成分は、該バインダー
層か該試料保持層の片層のみか、又は両層にまたがって
存在させる。
【0026】検出部位全体に対して、OCPCは乾燥重
量%で0.05〜0.3%の範囲で含まれることが好ま
しい。
【0027】カルシウムをマスキングするためのBAP
TAは、共存が予想されるカルシウムの濃度に対して充
分量添加しておけばよい。血清・血漿を測定する場合で
あれば、検出部位全体に対して、BAPTAは乾燥重量
%で0.3〜5.0%の範囲で含まれることが好まし
い。
【0029】アルカリ性側へ緩衝するpH緩衝剤は、検
出部位全体中で乾燥重量%で0.3〜5.0%が好まし
い。
【0030】バインダー層が試薬成分を含む場合、この
バインダー層は、検出部位の製造時においては試料保持
層のラミネート時の接着剤になると同時に、試薬成分を
むらなく均一に存在させ、また測定時には発色を均一に
保つための層である。
【0031】試料は血清・血漿といった水性の液体なの
で、バインダー層の材質は水溶性ポリマーを使用し、マ
グネシウムやカルシウムが実質的に含有されないもので
あれば任意のものが使用できる。具体例を挙げれば、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどである。
試薬成分を含む水溶液中へこれらポリマーを添加し、水
溶液が適度な粘度になるように調製して塗布液を得る。
塗布液状態での濃度は、ポリアクリルアミドであれば
4.0〜6.0重量%、ポリビニルピロリドンであれば
10〜15重量%である。適度な粘度に調製するために
使用されるポリマーの量は、検出部位全体に対し、その
種類により乾燥後の重量%で0.5〜20%の範囲内で
大きく変化する。上記のバインダー層には試薬成分を含
まず、下記に示す試料保持層にのみ試薬成分を含浸形態
で存在させることもできる。
【0032】試料保持層は、試料の適用時には試料を検
出部位面に均一に横方向に展延させ、試料を保持しつつ
試薬と試料を反応させ、反応後の試薬を光学的に検出で
きる態勢にする目的で使用されるものである。試料保持
層に使用する不溶性の多孔性素材は、セルロースあるい
はガラス繊維製の濾紙、メンブレンフィルター、天然繊
維や化学繊維よりなる織物生地などを、必要に応じて洗
浄・乾燥して使用する。好ましい具体例としては、織物
生地を用い、これを湿らせた状態,又は乾燥したままの
状態でバインダー層上に圧着・ラミネートさせる。試料
保持層となる水不溶性の多孔性素材の乾燥時の重量%
は、検出部位全体に対して65〜95%を占める。
【0033】検出部位の土台として使用される水不透過
性支持体は、この種の乾式試験片で使用されるポリエチ
レンテレフタレートやポリスチレンなどのプラスチック
からなる、厚さ50μmから1mm、好ましくは100
μmから300μmの白色のフィルムで、表面を粗面処
理したものが用いられる。
【0034】バインダー層のもととなる塗布液は、水不
透過性支持体上に濡れ厚さ50μm〜300μmの範囲
で均一に塗布する。好ましくは濡れ厚さ100〜200
μmの範囲がよく、塗布方法は公知の方法を用いればよ
い。塗布されたバインダー層は、40〜60℃の温風に
より送風乾燥させる。
【0035】試料保持層をバインダー層上へラミネート
する際、バインダー層中の試薬成分がポリマーごと試料
保持層へ移動することもあり、本発明において定義され
る検出部位においては、両者が明確に分離していない場
合もあり得る。いずれにせよ、検出部位中の試料保持層
とバインダー層の両者には任意に、本発明で使用される
OCPCとBAPTAの組み合わせと、pH緩衝剤を含
む。
【0036】高濃度アルブミン試料に対してイオン性界
面活性剤を添加する際、検出部位全体の中でイオン性界
面活性剤の量は、乾燥重量%で0.3〜20%が好まし
い。界面活性剤の添加が乾燥重量%で1.0%までは、
アルブミン影響回避効果が如実に現れるが、1.0%を
過ぎたあたりからは、界面活性剤を添加する量に対して
回避効果がそれほど大きく現れない。しかし、添加すれ
ばするほど効果はあるので、飽和するまで(乾燥重量%
で20%)添加しても差し支えはない。
【0037】検出部位にはこれら以外の成分、例えばカ
ルシウム以外の金属をマスキングするためのシアン化化
合物や、金属キレート指示薬の安定化剤なども添加可能
である。
【0038】上記のようにして得られる本発明の乾式試
験片の検出部位原反を水不透過性支持体と共に小片に裁
断し、指で持つための短冊状ベースフィルム上へ水不透
過性支持体側をフィルム側にして貼り付け、持ちやすい
試験片として完成させる。この状態の断面図を図1に示
す。このベースフィルムは単なる取っ手であり、本発明
の必須構成要素ではない。検出部位原反を不透過性支持
体と共にそのまま短冊状に裁断すれば、ベースフィルム
なしに本発明による試験片は得られる。
【0039】試験片の検出部位上へ液体試料を適当量点
着し、反応が終了した後に検出部位側、又は支持体側か
ら反射率を測定する(ただし、支持体側から測定する際
には、支持体と取っ手の材質が光透過性である必要があ
る)。波長は、マグネシウムとOCPCとのキレート錯
体の吸収ピークに近い波長であればよい。好ましくは5
65〜575nmである。
【0040】
【実施例】本発明の試薬成分を含むマグネシウム測定用
乾式試験片の作製手順と、得られた試験片を使用しての
測定結果を以下に示す。
【0041】●試薬成分溶液(塗布液)の調製 (処方) o−クレゾールフタレインコンプレキソン(同仁化
学);1.50mmol/L O,O’−ビス(2−アミノフェニル)エチレングリコ
ール−N,N,N’,N’−四酢酸四カリウム塩(同仁
化学);16mmol.L ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)(和光純薬);
300mmol/L ドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬);10.0重量% 10%ポリアクリルアミド(ナカライテスク);5.0
重量%
【0042】●検出部位の原反の形成 上記の溶液を厚さ200μmの白色ポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に厚さ120μm(ウエット状態)
に塗布し、45℃で15分間送風乾燥した。これに、
0.1重量%TritonX−100(ナカライテス
ク)の水溶液で均一に湿らせた厚さ約250μmの織物
生地を圧着し、再び45℃で15分間送風乾燥させた。
【0043】乾燥後の検出部位原反は1mあたり以下
の成分を含有することになる。 o−クレゾールフタレインコンプレキソン; 0.09% O,O’−ビス(2−アミノフェニル)エチレングリコール−N,N,N’,N ’−四酢酸四カリウム塩; 0.88% ホウ酸; 1.80% 水酸化ナトリウム; 0.78% ドデシル硫酸ナトリウム; 10.86% ポリアクリルアミド; 0.71% TritonX−100; 0.03% 織物生地; 84.86%
【0044】●試験片の作製 得られた試験片原反は5mm×7mmの小片に裁断し、
取っ手となる短冊状(5mm×80mm)の厚さ0.5
mmの白色ポリエチレンテレフタレート製のベースフィ
ルムの先端に両面テープで貼り付け、試験片とした。こ
の時点での検出部位付近の断面図は図1と同様である。
【0045】●測定操作 測定装置として、(株)京都第一科学の卓上反射率測定
装置スポットケムSP−4410を使用した。37℃に
温度調整されたテーブル上に試験片を乗せ、上から5.
0Aμlの血清試料を点着した。3分後に波長575n
mにおける反射率(R)を測定した。反射率(R)はク
ベルカームンクの式(※)によりK/S値に換算した。 ※クベルカームンクの式:K/S=(1−R)/2R
【0046】既知濃度試料を測定することにより、「K
/S値−マグネシウム濃度」間の検量線をあらかじめ作
製した。検量線を図2に示す。それをもとに試料中のマ
グネシウム濃度を算出した。
【0047】●同時再現性の確認 本発明の試験片における同時再現性を示すために、マグ
ネシウムの低濃度(試料1),正常濃度(試料2),高
濃度(試料3)の3種類の血清試料をそれぞれ12回ず
つ同時測定した結果を表1に示す。それぞれの試料で変
動係数が3%以内という、非常に良好な同時再現性を示
した。
【0048】●カルシウムの影響の確認 本発明の試験片においてカルシウムの影響を受けないこ
とを示すために、塩化カルシウムをマグネシウム正常値
血清及び高濃度血清へ添加し、マグネシウム測定値へ与
える影響を調べた。結果、図3に示すとおりに、カルシ
ウム添加濃度20mg/dlまで全く影響を受けないこ
とが分かった。
【0049】●保存安定性の確認 本発明の試験片を乾燥剤とともにガラス瓶中に密封し、
冷蔵状態(4℃)で保存した場合の安定性を調べた。図
4の横軸に示した日数(初期,6,12,18ヶ月)経
過した後に、保存後の試験片を利用してマグネシウム正
常値血清と高濃度血清を各6回ずつ測定した。6回の平
均を取りグラフを描いたところ、図4に示したとおり感
度の変化はほとんど認められず、非常に安定な試験片で
あることが確認された。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
従来の試薬成分を含む試験片と異なり、測定レンジ全域
で良好な測定精度を有し、バックグラウンド値が低く、
共存するカルシウムの影響も一切受けない、保存安定性
が良い、使用が非常に簡便な、体液中のマグネシウムを
短時間に測定するための乾式試験片を得ることができ
た。
【0051】
【図面の簡単な説明】
表1は、本発明で得られる試験片の同時再現性の結果を
示した表である。図1は、本発明の試験片の検出部位付
近の断面図である。図2は、本発明の試験片で実際に光
学測定する際の検量線である。図3は、本発明の試験片
に対するカルシウムの影響を示したグラフである。図4
は、本発明の試験片の保存安定性を示したグラフであ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】●同時再現性の確認 本発明の試験片における同時再現性を示すために、マグ
ネシウムの低濃度(試料1),正常濃度(試料2),高
濃度(試料3)の3種類の血清試料をそれぞれ12回ず
つ同時測定した結果を表1に示す。それぞれの試料で変
動係数が3%以内という、非常に良好な同時再現性を示
した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の試験片の検出部位付近の断面
図である。
【図2】図2は、本発明の試験片で実際に光学測定する
際の検量線を示したグラフである。
【図3】図3は、本発明の試験片に対するカルシウムの
影響を示したグラフである。
【図4】図4は、本発明の試験片の保存安定性を示した
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦田 久 京都府京都市南区東九条西明田町57番地 株式会社京都第一科学内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試薬成分として、少なくとも以下の成分
    〜を含有することを特徴とする、体液中のマグネシ
    ウム測定用試験片。 o−クレゾールフタレインコンプレキソン O,O’−ビス(2−アミノフェニル)エチレングリ
    コール−N,N,N’,N’−四酢酸 pH8.5〜11.0に緩衝するpH緩衝剤
  2. 【請求項2】 pH緩衝剤は、さらに好ましくはpH
    9.5〜10.0に緩衝する、特許請求の範囲第1項に
    記載の試験片。
  3. 【請求項3】 さらにイオン性界面活性剤を含有する、
    特許請求の範囲第1項に記載の試験片。
  4. 【請求項4】 水非透過性支持体と該支持体上に担持さ
    れた検出部位とからなる試験片であり、該検出部位は、
    水不溶性の多孔性素材からなる試料保持層と、水溶性ポ
    リマーからなるバインダー層とからなり、請求項1記載
    の試薬成分を該試料保持層とバインダー層の片層のみ
    か、又は両層にまたがって存在させることを特徴とす
    る、体液中のマグネシウム測定用試験片。
  5. 【請求項5】 さらにイオン性界面活性剤を含有する、
    特許請求の範囲第4項に記載の試験片。
  6. 【請求項6】 検出部位における各構成成分の乾燥重量
    %比率が以下のものである、特許請求の範囲第5項に記
    載の試験片。 ・o−クレゾールフタレインコンプレキソン;0.05
    〜0.3% ・O,O’−ビス(2−アミノフェニル)エチレングリ
    コール−N,N,N’,N’−四酢酸;03〜5.0 ・pH緩衝剤;03〜5.0 ・イオン性界面活性剤;03〜20% ・水溶性ポリマー;0.5〜20 ・水不溶性の多孔性素材;65〜95%
JP11495897A 1996-03-29 1997-03-27 体液中のマグネシウム測定用試験片 Expired - Lifetime JP3809484B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11495897A JP3809484B2 (ja) 1996-03-29 1997-03-27 体液中のマグネシウム測定用試験片

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11290896 1996-03-29
JP8-112908 1996-03-29
JP11495897A JP3809484B2 (ja) 1996-03-29 1997-03-27 体液中のマグネシウム測定用試験片

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1048193A true JPH1048193A (ja) 1998-02-20
JP3809484B2 JP3809484B2 (ja) 2006-08-16

Family

ID=26451965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11495897A Expired - Lifetime JP3809484B2 (ja) 1996-03-29 1997-03-27 体液中のマグネシウム測定用試験片

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3809484B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008209392A (ja) * 2007-02-01 2008-09-11 Tohoku Univ アスベストの着色判別法及びアスベストの含有率測定方法
JP2008216058A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Kobe Steel Ltd マグネシウム含有材の表面検査方法
WO2009116669A1 (ja) * 2008-03-21 2009-09-24 アークレイ株式会社 乾式検査用具、金属の測定方法、および乾式検査用具の製造方法
JP2016505824A (ja) * 2012-11-29 2016-02-25 アイデックス ラボラトリーズ インコーポレイテッドIDEXX Laboratories, Inc. 選択的にマグネシウムイオンを決定するための多層デバイス
JP2021036235A (ja) * 2019-03-29 2021-03-04 広島県 アスベスト検出剤、アスベスト検出キットおよびアスベスト検出方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4958500B2 (ja) * 2006-08-29 2012-06-20 関東化学株式会社 カルシウム濃度測定試薬および測定方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008209392A (ja) * 2007-02-01 2008-09-11 Tohoku Univ アスベストの着色判別法及びアスベストの含有率測定方法
JP2008216058A (ja) * 2007-03-05 2008-09-18 Kobe Steel Ltd マグネシウム含有材の表面検査方法
WO2009116669A1 (ja) * 2008-03-21 2009-09-24 アークレイ株式会社 乾式検査用具、金属の測定方法、および乾式検査用具の製造方法
JP5341765B2 (ja) * 2008-03-21 2013-11-13 アークレイ株式会社 乾式検査用具、アルミニウムの測定方法、および乾式検査用具の製造方法
JP2016505824A (ja) * 2012-11-29 2016-02-25 アイデックス ラボラトリーズ インコーポレイテッドIDEXX Laboratories, Inc. 選択的にマグネシウムイオンを決定するための多層デバイス
JP2021036235A (ja) * 2019-03-29 2021-03-04 広島県 アスベスト検出剤、アスベスト検出キットおよびアスベスト検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3809484B2 (ja) 2006-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3118029B2 (ja) ケトン体の検定のための組成物及び方法
JP5925026B2 (ja) クレアチニン測定用乾式試験片及びクレアチニン測定法
JP5985231B2 (ja) カルシウム測定用乾式試験片
FI80343C (fi) Testanordning.
US4753890A (en) Analytical element and method for determination of magnesium ions
JP3667370B2 (ja) 生物学的試料中の蛋白質の測定方法
JPH0664056B2 (ja) アンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素
JPS5849824B2 (ja) アスコルビン酸及びその塩を測定するための組成物および用具
HU176045B (en) Diagnostical composition for determining uric acid
US6436716B1 (en) Aldehyde test strip
JP4392164B2 (ja) グリコ化タンパク質の定量のための方法およびデバイス
JP3809484B2 (ja) 体液中のマグネシウム測定用試験片
JPH029310B2 (ja)
JPH0532040B2 (ja)
US5968833A (en) Test piece and method of use for measuring magnesium in biological fluid
JPS60235063A (ja) 総ビリルビン定量用試薬組成物、乾式要素及び方法
JP3779048B2 (ja) コリンエステラーゼ定量用乾式分析素子
JPH0575069B2 (ja)
JP2000055921A (ja) 尿素定量用試験片
JPS62102159A (ja) 塩化物濃度測定用試験片
JP2022085876A (ja) アルブミン測定用試験片
JP6580568B2 (ja) 塩素分析検査素子および安定化されたN,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン溶液
JPS61243364A (ja) アルブミン分析用乾式分析要素
JPS5844208B2 (ja) 検査用試験片
JPH04102059A (ja) 試験具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040304

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050401

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050705

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051101

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100602

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100602

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110602

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120602

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120602

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130602

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term