JP2517245B2 - 複合エステルの製造方法 - Google Patents

複合エステルの製造方法

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JP2517245B2 JP61254403A JP25440386A JP2517245B2 JP 2517245 B2 JP2517245 B2 JP 2517245B2 JP 61254403 A JP61254403 A JP 61254403A JP 25440386 A JP25440386 A JP 25440386A JP 2517245 B2 JP2517245 B2 JP 2517245B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は低揮発性で高可塑性を有する可塑剤、潤滑
油、或は共重合用モノマーとして使用可能な複合エステ
ル類の製造方法に関するものである。
[従来技術] 本明細書で複合エステルとは下の一般式[I]で表す
ジカルボン酸(HOCOACOOH)と、ジオール(HOXOH)と、
一官能性アルコール(ROH)[以下夫々ジカルボン酸、
ジオール及び一官能性アルコールの残基を夫々A、X、
及びRで表す]よりなるエステルをいう。
ROCOACOOXOCOACOOR [I] その構造式の物質は既に潤滑油の製造に於て検討され
ており、例えば米国特許2703811号には化学量論量のジ
カルボン酸とジオールとモノアルコールを反応させて得
られる生成物としてこのような複合エステルが記載され
ている。即ち2モルのジカルボン酸と1モルのジオール
と2モルの1官能性モノアルコールを脱水エステル化反
応させ、目的物が得られると記載されているが、この反
応生成物中の前記した複合エステルの生成割合は50%に
も満たない事が判明した。上記米国特許の複合エステル
生成物は RO(COACOOXO)nCOOR [II] で記載される複合エステルオリゴマーとの混合物として
得られ、当然の事としてn=1の複合エステル[I]
(構造的にビス構造を有するのでビス化合物と別称する
こととする)で記載されるビス化合物が最も多量に得ら
れることは事実であるが、n=2,n=3,n=4に相当する
オリゴマーが副生し、n=2以上のオリゴマーは数は少
ないが、分子量が大きくなる為に生成物中のn=1のビ
ス化合物の重量割合は50%を越える事はない。この様な
事実に基いて、ビス化合物を主として製造する目的で以
前にエステル交換法でジカルボン酸のジエステルとジオ
ールとの間で脱アルコールを行って生成物を得ることを
試み、反応でジエステル量が少なくとも4モル量程度以
上ないとビス化合物の量が半分にならず、3モル、2モ
ルと少なくなるに従って高分子量のエステル類の割合が
増加することを見いだし、本願発明者はこのことを特開
昭60−45547に記載した。
一方、本願発明者はジカルボン酸、ジオール及びモノ
アルコールを反応させて脱水エステル化反応を行ってエ
ステルアルコール[III]とジカルボン酸ジエステル[I
V]の混合物を作り、これらの化合物間で脱アルコール
を行ってエステル交換反応を行うと ROCOACOOXOH[III]+nROCOACOOR[IV]→[II]+ROH の式で表される目的の複合エステル[II]を製造しうる
ことを見出し、その製造方法を特開昭61−76442に記載
した。
[発明が解決しようとする問題点(1)] 上記の生成した複合エステルの一官能性アルコールと
の逆反応によって生じ得るエステルアルコール ROCOACOOXOH [III] で示される化合物はR、Xの種類によっては高分子量低
揮発性には成るが、ポリ塩化ビニールの安定剤がこの物
質に対して触媒として働き、共存する可塑剤のエステル
基との間でのエステル交換が起こって低揮発性アルコー
ルが生成し、揮発量の増大を来すので、エステルアルコ
ール[III]を含む複合エステルは可塑剤として使用す
ることは不適当であり可塑剤中からは出来るだけエステ
ルアルコールを除去する必要が有る。
[問題を解決する手段(1)] 本発明者はこれらの製造方法の研究結果から更に以下
に述べる方法の検討を行った結果、これらの特開昭60−
45547及び特開昭61−76442の二つの製造技術を利用する
事によって最も優れた方法となる事を見いだし本発明を
完成するに至った。
本発明の反応過程を遂次記載すると、少量の一官能性
アルコールの存在下主としてジカルボン酸とジオールを
等モル反応させ、部分的に一官能性アルコールでエステ
ル化された化合物を含むエステルカルボン酸 HOCOACOOXOH を生成し、これを過剰量のジカルボン酸中でジカルボン
酸と反応させて部分的に一官能性アルコールでエステル
化されたものを含む複合酸 HOCOACOOXOCOACOOH を生成し、次いで複合酸と一官能性アルコールとで脱水
エステル化を行って複合エステル ROCOACOOXOCOACOOR [I] を生成する。副反応としてこの反応で中間に出来る上記
のエステルカルボン酸同志が反応し、これに更に一官能
性アルコールが反応すると HOCOACOOXOH→HO(COACOOXO)nX→[II] のようにポリマー酸またはオリゴマー酸を経て最終的に
は複合エステルのオリゴマー[II]が副生する。この反
応を防止する為にはジカルボン酸の過剰量を使用するこ
とが必要となる。
一方、一官能性アルコールの存在はオリゴマーの生成
を抑制することになるが過剰量のアルコールを使用する
と前述のエステルアルコール ROCOACOOXOH [III] とジカルボン酸ジエステル ROCOACOOR [IV] が生成する。工業的に副生成物が出来る方法は良い方法
では無いが、副生するジカルボン酸ジエステル[IV]は
第一に記載した本願発明者による特開昭60−45547の方
法でジオールとの間のエステル交換法で複合エステルに
し、また部分的に副生するエステルアルコール[III]
は前記の本願発明者による特開昭61−76442の方法でジ
カルボン酸ジエステルとの間でのエステル交換法を利用
して[II]とする事にした。
このように過剰量のジカルボン酸にジオールを添加し
て、上記のようにエステルカルボン酸 HOCOACOOXOH、 これがジカルボン酸と反応した複合酸 HOCOACOOXOCOACOOH を生成すると思われる脱水エステル化反応を開始し、反
応の初期には一官能性アルコールを加えないか又は抑制
された量、例えばジカルボン酸の当量に対して化学量論
量の1/2未満の一官能性アルコールを加え、順次化学量
論量未満である必要量の一官能性アルコールを反応系に
加えて上記複合酸と一官能性アルコールの間で脱水エス
テル化反応を行い、一官能性アルコールを反応が略90%
進行した反応末期に最終的には僅かに過剰量となるよう
に加えて複合エステル ROCOACOOXOCOACOOR を生成する反応を進め、その逆反応 ROCOACOOXOCOACOOR+ROH→ROCOACOOXOH+ROCOACOOR によるエステルアルコール[III]の生成を最小限にし
ながら充分に低酸価に、即ち反応が進行した状態にす
る。
それでも副生してしまうエステルアルコール[III]
はジカルボン酸と一官能性アルコールとの間で副生する
ジカルボン酸ジエステルとエステル交換反応させること
によって生成を防止する。即ち、脱水エステル化反応の
触媒のチタン触媒の助けをかり減圧下に加熱して脱アル
コールしエステル交換反応を行うと副生したエステルア
ルコール[III]も目的物である複合エステルにする事
が出来る。
上記のエステルアルコールの除去が重要なのは、前に
述べた通りである。即ち、特に ROCOACOOXOH [III] で示される化合物はR、Xの種類によっては高分子量低
揮発性には成るが、ポリ塩化ビニールの安定剤がこの物
質に対して触媒として働き、共存する可塑剤のエステル
基との間でのエステル交換が起こって低揮発性アルコー
ルが生成し、揮発量の増大を来すので、エステルアルコ
ール[III]を含む複合エステルは可塑剤として使用す
ることは不適当であるからである。従って可塑剤中から
は出来るだけエステルアルコールを除去する必要が有
る。
即ち本発明は一官能性アルコールの初期の添加量を抑
えることによるエステルアルコールの生成防止という技
術に、更に前記した2つの技術、即ち特開昭60−45547
及び特開昭61−76442をも利用する事によって、工業的
に不利なジカルボン酸ジエステルは副生するものの、目
的物である複合エステルを製造する方法としては優れた
方法となるものと考える。本発明はポリオール1モルに
対して少なくも2.5モル以上3.5〜5モル量のジカルボン
酸と上記の抑制された量の一官能性アルコールとともに
チタン触媒を使用して脱水エステル化反応を開始し、必
要量の一官能性アルコールを添加して(反応の末期に添
加量を増加させる)脱水エステル化反応を行って、カル
ボン酸ジエステルと共に複合エステルを製造する方法に
関するものである。
[発明が解決しようとする問題点(2)] 複合エステル製造技術はその製品中の純分であるビス
化合物[I]の生成割合を如何に多くするかで良し悪し
が決り、ビス化合物を多くするためにジカルボン酸の量
を増やす必要があるが、3成分中のジカルボン酸の使用
量を少なくする為には、ジカルボン酸無水物を使用して
選択的に半エステルとする方法しかなく、その場合でも
オリゴマーが副生して生成物の粘度が上昇する。ジカル
ボン酸を多量に使用すれば当然そのジエステルを除去
し、或いは再利用することが必要となり、ジカルボン酸
を多量に使用することは好ましい方法ではなく、従って
多量に使用するのは意味がないと考えてきた。しかし、
既述の方法と併用して副生するジエステルも複合エステ
ルにする事によって、製造原単位を上げ品質的にも遜色
のない製品を得る事が出来ることがわかった。
[発明が解決しようとする問題点(3)] アルコールを用いた酸のエステル化反応は、脱水反応
で水の除去に比例してエステル化が進行するが、この反
応を促進する為には通常アルコールの過剰量が使用され
る。アルコール不足では酸が残りエステルの酸価は下が
らず、更に酸価の高い状態で商品にする時には、電気特
性や耐水性耐薬品性等の物性が悪くなり、特に低酸価に
する為の技術が要求される。複合エステル類はその他の
高分子量ポリエステルと同様に酸価が高いとアルカリ洗
浄で酸の除去を試みても、酸との間で出来る塩が乳化剤
となって、油水分離が悪く、またアルカリ塩が油中に分
散して除去されず、従ってアルカリ洗浄及び熱水洗浄を
繰り返しても低酸価にならなかったり、またなる場合で
も非常に時間がかかり難しい。この様な現象をなくして
容易に低酸価エステルにする為には当然製造時に低酸価
エステル混合物にする事が必要である。
本発明者はこの問題について研究を進め、チタン触媒
でも可溶性のチタン触媒に比較して固体ポリチタン酸類
触媒は低酸価にする機能を備えている事を見いだして、
このことを特願昭60−219140、特願昭60−280220及び特
願昭61−132618に記載した。即ち固体ポリチタン酸触媒
ではアルコールの吸着は非常に速く反応の律速は、酸吸
着にあるので、酸の濃度の一次に比例して酸価が下が
る。一方可溶性アルコキシチタン類ではアルコールの種
類で異なるがアルコール吸着も律速になり二次以上の反
応となる為に、最終的には酸価の下がりかたは時間がた
っても予想以上には下がらない。アルコールの使用量は
当然反応速度を支配するのでアルコールの濃度を高くし
て低酸価にしたいのであるが、複合エステル系ではチタ
ン触媒によるエステル交換反応が起こり、下式で示され
る逆反応も進行して生成物中にはエステルアルコール
[III]が生成する。
ROCOACOOXOCOACOOR[I]+ROH→ROCOACOOXOH[IIII]
+ROCOACOOR この反応は特にエステル化反応の末期に相当する比較
的酸価の低い状態で起こり易く、従って反応速度を上げ
ることは好ましいが、しかしながら反応速度を上げる為
に過剰のアルコールを反応の当初から添加してエステル
アルコールが出来やすい様な状態で反応をおこなうこと
は好ましくない。また低酸価の良品質のエステルを得る
為には必ず多少はこの様な反応がおこるので一旦生成し
たエステルアルコール[III]を再び元に戻す事がどう
しても必要である。
[問題を解決する手段(2)(3)] 製造の具体的な方法は既に述べた技術を使用する事を
前提にするならば、非常に容易に上記の問題が解決でき
ることが判明した。
即ちジカルボン酸の大過剰中にジオールを入れ、場合
によっては一部の一官能性アルコールを入れて脱水エス
テル化反応を開始し、脱水量に見合って必要量の一官能
性アルコールを加えながら脱水エステル化反応を行う時
は、一官能性アルコールが低沸点のブタノールでも比較
的高温で脱水エステル化反応が進み、その結果反応速度
も速くエステル化が進行する。出来るだけ酸価を下げた
後、反応液を減圧加熱器に移し減圧下に過剰使用の一官
能性アルコールと更にエステル交換させることにより生
成するアルコールを除去する。エステル交換反応はチタ
ン触媒では何れの触媒でも良く、減圧度は高い方が良
く、温度は140−200℃の加熱が必要であるが温度が低い
とその速度は遅い。一官能性アルコールの大過剰の使用
は既に述べたエステルアルコール[III]を製造するこ
とになるが、大過剰に使用しなくてもポリチタン酸触媒
では充分に反応速度は早く、又アルコキシチタンの使用
でもアルコールの部分添加で反応温度を上げ反応速度が
はやくする事が出来る。特に過剰量のアルコールの反応
系への添加を水の留出が少なくなった反応の末期で酸が
80〜95%が反応した時に酸価を下げるのに必要最小限量
を部分的に加える事が必要である。
エステル交換反応は過剰量のアルコール除去後温度が
充分高く圧力が低ければ30分ないし1時間でも充分であ
って、生成するアルコールは少量ずつ蒸留されて除去さ
れる。この様にしてエステル化されたエステル混合物は
ジカルボン酸使用量に応じて副生するジエステルの量が
多く、複合エステルは分子量が小さくなる。
ポリチタン酸触媒でも極低酸価にする脱水エステル化
反応は可能な場合もあるが一般的には酸価が0.05以下に
なるまではチタネート又はアルコキシチタン触媒を用い
て低酸価にすることは難しい。従って、脱触媒の後に極
小量のアルカリと熱水を使用して洗浄すると、低酸価エ
ステルほど容易に低酸価の製品にすることができ、極低
酸価の高分子量エステルを作ることが出来る。次いで蒸
留によってジカルボン酸ジエステルを除去し、残留液と
して複合エステル[II]が得られる。この複合エステル
はビス化合物の含量が多くなるに従って低粘度になり、
その粘度に応じて例えば可塑剤として使用する場合の可
塑化効率が変わり、低粘度であるほど高可塑性となる。
可塑剤として使用する際にはジエステルとの混合物で
あっても良く、高沸点の複合エステル量に応じて揮発分
は少なくなり、従って複合エステルはジエステルとの混
合物として使用することも可能である。
一方多量に副生したジエステルはジオール類とチタン
触媒を使用して、直接エステル交換反応で複合エステル
にする事が出来る。本技術と先に記載した特開昭60−45
547の技術の差を再度述べると使用する一官能性アルコ
ールの使用量並びに反応の経路(順序)が異なる事にな
り、本方法は一官能性アルコールの使用が反応末期の低
酸価領域で最小限必要な過剰量、具体的には0.05〜0.5
モル量を使用する方法である。エステルアルコール[II
I]を生成するのに必要な量プラス低酸価にする為に必
要な量としての一官能性アルコールの大過剰量を使用す
る先行技術の場合と同様に、僅かではあるがエステルア
ルコールの生成が防止出来ず、従って部分的にエステル
アルコールをエステル交換させて除去する技術も利用し
て、複合エステルを製造する。
使用される触媒はアルコキシチタン類であっても良い
が、最も好ましくはポリチタン酸系触媒である。既に述
べた如くポリチタン酸系触媒は低酸価にする特長を有し
触媒活性もアルコキシチタンと同等またはそれ以上であ
る許りでは無く、反応終了後濾過して容易に触媒を除去
することが出来、その侭可塑剤として使用して差し支え
ない場合もある。
尚実施例に示すポリチタン酸触媒はポリチタン酸構造
を有するポリオールポリチタン酸触媒の製造方法に従っ
て、次の様にして作ったものである。
1モルのテトラブトキシチタンを3モルの2−エチル
ヘキサノールと1モル当量のペンタエリスリトールの混
合液中に加えて加熱し、ペンタエリスリトール1モル当
り4原子のチタン、更にチタン1原子当り3ケの2エチ
ルヘキサノールの割合で反応を加熱下に行って脱ブタノ
ールを充分に行い、次いで1.5モル量の水のブタノール
溶液を添加し、生成する2エチルヘキサノールを減圧下
で加熱し充分に除去し高分子化高架橋化して、ポリチタ
ン酸構造を有するポリオールポリチタン酸を作り、更に
過剰量の水ブタノールとを80−85℃で1時間加熱撹拌し
て活性化して得られる固体ポリチタン酸触媒を使用し
た。
使用されるジカルボン酸、ジオール及び一官能性アル
コールは従来知られた何れの化合物でも良く、経済的な
理由からジカルボン酸はアジピン酸が使用されるが、コ
ハク酸、グルタール酸、アゼライン酸、スベリン酸等及
びそれらの混合物であっても良い。ジオールはエチレン
グリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジ
オール、1,3−または1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオールならびにネオペンチルグリコール等の2,2
−置換又は1,2−置換1,3−プロパンジオール又はジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリ
コール等が使用される。一官能性アルコールは最も普通
なものとしてブタノールまたは2−エチルエキサノール
が使われるが炭素数6から9の直鎖または側鎖を有する
オキソ法で作られるアルコールであっても良い。
以下に実施例を述べるが、三成分の組合せについては
実施例の記載に制限されるものではない。
実施例1 1,3−ブタンジオールビスオクチルアジペート 234gのアジピン酸(1.6モル)に1,3−ブタンジオール
36g(0.4モル)及び2−エチルヘキサノール208g(1.6
モル)及びポリチタン酸構造を有するポリオールポリチ
タン酸触媒0.8gを添加して共沸脱水エステル化装置に入
れて加熱し、少量のトルエンとともに脱水エステル化反
応を開始した。計算量の三分の一の水が出た時点から残
りの2−エチルヘキサノール104gを添加しながら反応を
行い、最後に過剰量58gを加えた。3時間後には略計算
量の水が留出し酸価は1.3となった。4.5時間後には酸価
は0.03までさがりエステル化反応を終った。反応液を減
圧加熱装置に移し過剰のオクタノールを蒸留し、更に1
時間3mmHgの減圧下で180℃で撹拌する事によって略定量
的量の2エチルヘキサノールを回収した。次いで0.2gの
苛性ソーダを含むアルカリ水溶液および熱水で洗浄し、
減圧下で蒸留し、150−180℃/0.3mmのジオクチルアジペ
ート(DOA)317gを回数し、残液として180gの1,3−ブタ
ンジオールビス2−エチレヘキシルアジペートを得た。
このものの20℃における粘度は70センチポイズで液体ク
ロマトグラフによる分析結果は約65%のビス化合物と式
[II]でn=2,3,の化合物及び極僅かな量のn=4の化
合物の混合物であった。重合度が1050の軟質用ポリ塩化
ビニール樹脂100部に対しジブチル錫マレエート2部ジ
ブチル錫マルカプタイド0.5部の安定剤とともに、50部
又は80部の前記可塑剤を添加して、160−165℃でロール
混練機で3分間混練し、次いで170−175℃で100気圧の
加圧下でプレス成形して、1mmのシートを作成した。こ
れらの50PHRと80PHRのシートのそれぞれの表面硬度を、
21℃48時間開放後測定し、標準としてDOPを使用して測
定される50PHRと80PHRのシートで得た値を結んで作られ
る基準線との距離の平均をもとめて、基準線に平行線を
引きDOP50PHRのものの硬度と同じ硬度を示す可塑剤の量
を求めた。この値を可塑化効率として以下記載する。そ
の値は45であった。即ち45部の可塑剤の使用でDOPを50
部使用したのと同じ効果がえられた。また100℃7週間
の加熱テストの結果は殆ど表面硬度は変わらず可塑剤と
して使用しても揮発性が無く、優れた性質を示した。
実施例2 1,4−ブタンジオールビスブチルアジペート アジピン酸292g(2モル)に1,4−ブタンジオール45g
(0.5モル)及び74gのブタノール(1モル)を加え0.8g
のポリチタン酸触媒を添加し脱水エステル化反応を開始
した。18ml(1モル)の水が出た時から、ブタノールを
脱水して生成する水の量に対応して残り148g(2モル)
を添加し50mlの水の留出する時に添加を終つた。更に65
ml留出した時点で過剰量40gを滴下して加えた。この脱
水エステル化反応の反応温度は略180−200℃であった。
195〜200℃で加熱撹拌を続け6時間後に略計算量に近い
水が留出しその時の酸価は0.2であり、10時間後には0.0
5であった。反応液を25mmHg180℃で各熱撹拌を1時間行
って生成するブタノールを除去した。85℃で3mlの水を
加え1時間撹拌し次いで濾過して触媒残を除いた後、ご
く少量のアルカリを含む水及び熱水で洗浄し、減圧下蒸
留した。117−120℃/0.3mmHgでジブチルアジペート(DB
A)を260gを得、残液として165gの1,4−ブタンジオール
ビスブチルアジペートを得た。21℃における粘度は45セ
ンチポイズであった。可塑化効率は43であり可塑化塩化
ビニールシートの170℃3時間の加熱減量は3.2%で、僅
かに揮発性を有するが、DBA,DOA,DBP,およびDOPに比べ
ると非常に少なく高可塑性低揮発性であった。
実施例3 チオジグリコール ビスn−ヘキシルアジペート アジピン酸234g(1.6モル)にチオグリコール49g(0.
4モル)および32gのn−ヘキサノール(0.8モル)を加
え、0.8gのポリチタン酸触媒の存在下に脱水エステル化
反応を開始した。1モルの水が出た時点からヘキサノー
ル残分163g(1.6モル)及び過剰分として45g(0.4モ
ル)を添加しながら脱水エステル化反応を行った結果、
3時間後酸価が1.0に、3.5時間後には0.05になった。4
時間後減圧下蒸留を行って過剰分のヘキサノールを除い
た後、180−190℃/25mmHgで50分加熱撹拌し、生成する
ヘキサノールを除去してエステル交換反応を行った。水
3mlを加え70℃で1時間撹拌し活性白土10gを加えて濾過
し、次いで40mgの苛性ソーダを含む水及び燃水で洗浄
し、酸価を0.03とした。ジヘキシルアジペート(DHP)1
51−157℃/0.3mmHg282gを残留し残液としてチオジグリ
コール ビスn−ヘキシルアジペート164gを得た。21℃
における粘度は91センチポイズであり、可塑化効率は40
で非常に優れた可塑性と100℃7週間加熱した結果は対
揮発性、耐候性を示し好ましい可塑剤であった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 HO−X−OH 〔式中Xはジオール残基である〕のジオールと、このジ
    オール1モルに対して2.5モル量以上の式 HOCOACOOH 〔式中Aはジカルボン酸残基である〕のジカルボン酸と
    を、このジカルボン酸に対し最初は0から化学量論量の
    1/2以下の式 ROH 〔式中Rはアルコール残基である〕の一官能性アルコー
    ルの存在下で、チタン系触媒を使用して脱水エステル化
    反応を行ない、式 HOCOACOOXOH のエステルカルボン酸及び最初に一官能性アルコールが
    存在する時は少量のその一官能性アルコールとのエステ
    ルを生成し、このエステルカルボン酸と上記過剰量のジ
    カルボン酸とをその場で反応させて複合酸 HOCOACOOXOCOACOOH 及び最初に一官能性アルコールが存在する時は少量のそ
    の一官能性アルコールとのエステルを生成させ、一方、
    反応の完了近くまでは常にジカルボン酸量の化学量論量
    未満となるように一官能性アルコール ROH を添加しつつ上記複合酸と上記一官能性アルコールとを
    脱水エステル化反応させ、ジカルボン酸ジエステル ROCOACOOR とともに複合エステル ROCOACOOXOCOACOOR を製造する方法。
  2. 【請求項2】使用する触媒がアルコキシチタン類又はア
    ルコキシチタン類から製造される固体ポリチタン酸類で
    ある請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】脱水エステル化反応の極末期に過剰分の一
    官能性アルコールを添加してエステル化反応を行なう請
    求項1に記載の方法。
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