JP2515915B2 - ポリアミド樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂の製造方法

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は構成成分単位のモノマーまたはその塩の水溶
液から低次縮合物をつくり、これを溶融押出機を用いて
高重合度化するポリアミド樹脂の製造方法に関するもの
であり、特に高温雰囲気下で使用されるコネクター、コ
イルボビン等の薄肉成形品に適したポリアミド樹脂の製
造方法に関するものである。
<従来の技術> ポリアミドはエンジニアリングプラスチックとしての
優れた特性を利用して、自動車分野、電気・電子分野等
で幅広く使用されてきており、コネクター、コイルボビ
ン等の薄肉成形品用の材料としても多く使われている。
従来、これらの成形品はガラス繊維で強化したナイロ
ン6、ナイロン66が使用されてきたが(特開昭59−1614
61)、近年の技術革新による自動車のエンジンルームの
温度上昇やマイクロエレクトロニクスの進展に伴い、さ
らに高温雰囲気下での使用に耐え得る極薄肉成形品の材
料が要求されてきた。しかしながら、ナイロン6やナイ
ロン66の融点(Tm)はそれぞれ220℃、260℃でありガラ
ス繊維で強化した場合でも熱変形温度の限界はそれぞれ
融点どまりである。
最近、これらの高温雰囲気下での使用に耐え得るコポ
リアミド樹脂組成物として、テレフタル酸およびイソフ
タル酸含有コポリアミド樹脂組成物またはそれらのガラ
ス強化品が数多く提案されている(特開昭59−161428、
特開昭59−155426、特開昭59−53536、特開昭62−15613
0)。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、これらのテレフタル酸、イソフタル酸
含有のコポリアミド樹脂組成物はテレフタル酸成分単位
が多くなると溶融粘度が高くなり通常の溶融重合法では
吐出不可能だったり、ポリマ融点がポリマの熱分解温度
に近いため溶融重合時に分解や劣化を起こしたりしてい
た。また、ナイロン塩より重合物に至るまで固体状態で
重合反応させる方法は重合物の組成が安定しないなどの
問題がある。
以下の状況に鑑み本発明者らは、高温雰囲気下での使
用に充分耐え得る高い剛性と耐熱性を有し、安価でかつ
流動性の良いポリアミド樹脂組成物を製造する方法につ
いて鋭意検討した。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、[NH2]リッチの低次縮合物を作り、溶融押出機で
高重合度化する際ジカルボン酸成分を添加することによ
って、安定した高重合度化ポリマが得られ上記の課題が
効率よく達成されることを見い出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は 反復成分 で表される構造単位を必須成分として含み、場合により
下記(II)および/または(III)の反復成分を含むポ
リアミドを製造するに当たり、(I)〜(III)を構成
するモノマ成分単位のトータルモル数に対して0.3〜10
モル%のジアミン成分を過剰に仕込み、150〜300℃、5k
g/cm2−G以上、20kg/cm2−G以下の条件下で、1%濃
硫酸溶液の25℃における相対粘度(ηr)が1.01〜1.6
を満足する[NH2]リッチの低次縮合物をつくり、5kg/c
m2−G以上、20kg/cm2−G以下の状態で吐出し、該低次
縮合物を溶融押出機で高重合度化する際、不足のジカル
ボン酸成分を添加することを特徴とするポリアミド樹脂
の製造方法。
(式中Rは炭素数7〜18の脂肪族基、R′は炭素数4〜
18の脂肪族基または であり、nは5〜18の整数を表す。) 本発明のポリアミド樹脂とは(I)炭素数7〜18の脂
肪族アルキレンジアミンのモノマーとテレフタル酸のモ
ノマーから合成される脂肪族アルキレンテレフタルアミ
ド単位、(II)炭素数7〜18の脂肪族アルキレンジアミ
ンのモノマーとイソフタル酸のモノマーから合成される
脂肪族アルキレンイソフタルアミド単位または炭素数7
〜18の脂肪族アルキレンジアミンのモノマーと炭素数4
〜18の脂肪族アルキレンジカルボン酸のモノマーとから
形成される縮合物、(III)ラクタム類のモノマーまた
は炭素数5〜18の脂肪酸アミノカルボン酸のモノマー単
位から形成され(I)が必須成分である縮合物である。
炭素数7〜18の脂肪族アルキレンジアミンの具体例とし
ては、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタ
ン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,1
1−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,1
4−ジアミノテトラデカン、1,16−ジアミノヘキサデカ
ン、1,18−ジアミノオクタデカンなどを例示することが
できる。また、炭素数4〜18の脂肪族アルキレンジカル
ボン酸成分の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、プラシリ
ン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデ
カン二酸などを例示できる。これらの脂肪族アルキレン
ジカルボン酸成分のうちアジピン酸、セバシン酸、ウン
デカン二酸、ドデカン二酸が好ましい。また、ラクタム
類の具体例としてはε−カプロラクタム、ξ−エナント
ラクタム、η−カプリルラクタム、ω−ラウロラクタム
などを例示することができる。炭素数5〜18の脂肪族ア
ミノカルボン酸成分としては具体的に6−アミノカプロ
ン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸
などを例示することができる。
本発明のポリアミドは(I)を必須成分として含むポ
リアミドであり、(I)が単独であっても良いし、
(I)/(II)、(I)/(III)および(II)/(II
I)の2元共重合ポリアミドまたは(I)/(II)/(I
II)の3元共重合ポリアミドを含むものである。
ここで用いられるポリアミドの重合度については特に
制限がなく、通常1%硫酸溶液の25℃における相対粘度
(ηr)が1.5〜5.0にあるものを任意に用いることがで
きる。
本発明の150℃〜300℃、5kg/cm2−G以上、20kg/cm2
−G以下の条件下でつくる低次縮合物とは、上記記載の
ポリアミドの原料の水溶液を加圧重合釜に仕込み、撹拌
条件下で150℃〜300℃に加熱する。反応温度は150℃〜3
00℃にする必要があり、好ましくは180℃〜280℃であ
る、反応温度が150℃よりも低いと反応時間が長くなり
好ましくない、逆に反応温度が300℃よりも高いと低次
縮合物の粘度が高くなりすぎたり、あるいは析出し吐出
ができなくなるので好ましくない。
本発明の低次縮合物をつくるときの圧力とは、その時
の低次縮合物と水の混合物による平衡圧力を意味し、内
温の上昇にしたがって圧力も上昇するので、系内は5kg/
cm2−G以上20kg/cm2−G以下の一定圧力に保つように
操作される。低次縮合物は少量の水の存在により、顕著
な凝固点降下を与えるために、150℃〜300℃の温度で溶
融状態のまま重合釜から吐出する事ができる。したがっ
て、釜内圧力は5kg/cm2−G以上20kg/cm2−G以下、好
ましくは5〜18kg/cm2−Gに保つ必要がある。
本発明の[NH2]リッチの低次縮合物とは、通常のポ
リアミド重合ではモノマーおよび塩中に含まれるトータ
ルCOOH基量とトータルNH2基量が等量になるように原料
仕込みするのが一般的であるが、本発明では原料仕込時
にジアミン成分を大過剰にして[NH2]リッチの低次縮
合物を積極的に作ることに主眼を置いたものである。即
ち構成成分のモノマー単位のトータルモル数に対して0.
3〜10モル%過剰にジアミン成分を仕込むことを意味す
る。ここでいうジアミン成分とは炭素数6〜18の脂肪族
アルキレンジアミンであるが、本ポリアミドを構成する
ジアミン成分を添加するのが好ましい。ジアミン成分の
添加量は0.3〜10モル%、好ましくは0.5〜8モル%の範
囲にあることが必要である。添加量が0.3モル%より少
ないと溶融押出しによる高重合度化条件が狭くなり、安
定した運転が不可能になるので好ましくない。また、10
モル%よりも多くなると溶融押出機での高重合度化が難
しくなるので好ましくない。
本発明の低次縮合物の相対粘度(ηr)は1.01〜1.6
であることが必要であり、好ましくは1.01〜1.5、より
好ましくは1.01〜1.4の範囲であることが必要である。
相対粘度が1.01よりも低いと溶融押出し高重合度化工程
で組成比が変動する原因になったり、高重合度化不充分
となり好ましくない。また、相対粘度が1.6よりも大き
いと低次縮合物の溶融粘度が高くなりすぎ吐出不良を起
こしたり、あるいは低次縮合物が析出したりして吐出不
良を起こすので好ましくない。
本発明の低次縮合物を作る装置については特に制限が
なく、バッチ反応釜、または1〜4槽式の連続反応装置
など公知のものを使用できる。
本発明の該低次縮合物を溶融押出機で高重合度化する
方法とは、ベント口付き溶融押出機を用いて、減圧また
は窒素ガス雰囲気下で溶融押出しすることによって高重
合度化する方法である。
本発明によれば、[NH2]リッチの低次縮合物にジカ
ルボン酸成分を添加して溶融押出しすることよって、非
常に効率よく安定した高重合度化ポリマを得ることがで
きる。ジカルボン酸成分としてはアジピン酸、セバシン
酸等の脂肪族ジカルボン酸またはテレフタル酸、イソフ
タル酸等の芳香族ジカルボン酸を挙げることができる
が、好ましくはイソフタル酸、テレフタル酸であり、特
に好ましくはテレフタル酸である。ジカルボン酸の添加
量は低次縮合物の過剰[NH2]に相当するモル数または
[NH2]−20×10-5mol/gになるようにするのが好まし
い。ジカルボン酸の添加量が低次縮合物の[NH2]より
も多くなったり、[NH2]−20×10-5mol/gよりも少なく
なると良好な高重合度化ペレットが得られなくなるので
好ましくない。また、本発明によれば、溶融押出し工程
で良好な高重合度化ペレットを得るにはリン系触媒の存
在が不可欠であり、添加量は低次縮合物に対して0.05〜
2wt%が好ましく、より好ましくは0.1〜1.2wt%であ
る。添加量が0.05wt%よりも少ないと良好な高重合度化
ペレットが得られず、2wt%より多くても効果が上がら
ず好ましくない。リン系化合物の具体例としてはH3P
O4、H3PO3、H3PO2、H4P2O7、NaH2PO4・2H2O、Na2HPO4
12H2O、Na3PO4・12H2O、NaH2PO4・H2O、Na4P2O7・10H
2O、Na2H2P2O7・6H2O、Na5P3O10、C6H5P(OH)、C6H5
PO(ONa)、C6H5PO(OH)、Mn(H2PO2、(C6H5
O)3Pなどを挙げることができる。好ましくはH3PO4、H4
P2O7である。リン化合物の添加方法については特に制限
がなく、低次縮合物を作るとき、あるいは低次縮合物に
予めブレンドし溶融押出しする方法などが簡便で適して
いる。
本発明によって得られるポリアミド樹脂は変性ポリオ
レフィンとブレンドすることが好ましい。
変性ポリオレフィンとはエチレン、プロピレン、ブテ
ン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、イソ
ブチレン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエ
ン、2,5−ノルボルナジエン、5−エチリデンノルボル
ネン、5−エチル−2,5−ノルボルナジエン、5−
(1′−プロベニル)−2−ノルボルネン、ブタジエ
ン、イソプレン、スチレンの内から選ばれた少なくとも
1種のオレフィンをラジカル重合して得られるポリオレ
フィンにカルボン酸塩、カルボン酸エステル塩、カルボ
ン酸金属基、カルボン酸無水物基、カルボン酸アミド
基、イミド基、アミノヒドロキシエチル基の内から選ば
れた少なくとも1種の官能基を有する単量体成分(以
下、官能基含有成分と称する)を導入して得られる変性
ポリオレフィンである。
官能基含有成分の例を挙げると、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン
酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、
シトラコン酸、グルタコン酸およびこれらのカルボン酸
金属塩、マレイン酸水素メチル、イタコン酸水素メチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジ
メチル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロー〔2,2,
1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、エンドビシク
ロ−〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水
物などのα,β−不飽和カルボン酸誘導体ならびにここ
で記したα,β−不飽和カルボン酸、そのエステル、そ
の無水物、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)ア
クリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル
などのエポキシ含有不飽和化合物にアンモニア、メチル
アミン、エチルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミ
ン、ドデシルアミン、オレイルアミン、ステアリルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリ
ン、ナフチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、メチルエチアミン、ジブチルアミン、ジステアリル
アミン、ジシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシ
ルアミン、メチルアニリン、フェニルナフチルアミン、
メラミン、エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパ
ノール、ジエタノールアミン、モルホリン、α−アミノ
−2−ピロリドン、α−アミノ−ε−カプロラクタム、
α−モノメチルアミノ−ε−カプロラクタム、α−モノ
エチルアミノ−ε−カプロラクタム、α−モノベンジル
アミノ−ε−カプロラクタム、末端アミノ基のナイロン
オリゴマー等を付加せしめて得られるN−置換アミド化
合物、N−置換イミド化合物、N−置換ヒドロキシエチ
ル化合物などである。
これらの官能基含有成分を導入する方法は、特に制限
はなく、主成分のオレフィン類と混合して共重合せしめ
たり、ポリオレフィンにラジカル開始剤を用いてグラフ
ト導入するなどの方法を用いることができる。官能基含
有成分の導入量は通常、変性ポリオレフィン全体に対し
て、0.001〜40モル%、好ましくは0.01〜35モル%の範
囲内であるのが適当である。官能基含有成分量が0.001
モル%に満たないと変性ポリオレフィンと共重合ポリア
ミドの親和性が不足し、耐衝撃性付与効果が不十分にな
る傾向がある。一方、官能基含有成分量が40モル%を越
えるとゲル化などの幅反応が起こりやすくなる傾向があ
る。
本発明で特に有用な変性ポリオリフィンの具体例とし
てはエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、およびこ
れらの共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てを
ナトリウム、リチウム、亜鉛、カルシウム、カリウムな
どと塩にしたもの、エチレン/(メタ)アクリル酸メチ
ル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エチル共重
合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エチル−g−無水
マレイン酸共重合体(“g"はグラフトを表わす。以下同
じ)、エチレン/(メタ)アクリル酸メチル−g−無水
マレイン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレ
イミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−フ
ェニルマレイミド共重合体およびこれら共重合体の部分
ケン化物、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸
共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸
共重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−
g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/
ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共重合体、
エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジエン−g−無
水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン−g−N
−フェニルマレイミド共重合体、エチレン/ブテン−1
−g−N−フェニルマレイミド共重合体、スチレン/ブ
タジエン−g−無水マレイン酸共重合体、スチレン/無
水マレイン酸共重合体などを挙げることができる。
変性ポリオレフィンの配合量は共重合ポリアミド100
重量部に対して0〜100重量部であり、好ましくは5〜9
0重量部の範囲内である。配合量が100重量部を越えると
成形品の耐熱性が不足するので好ましくない。
本発明における上記変性ポリオレフィン配合ポリアミ
ドは更に充填剤を添加することが好ましい。
充填剤とは、ガラス製の繊維あるいはビーズ、タル
ク、カオリン、ウオラストナイト、マイカ、、シリカ、
アルミナ、ケイソウ土、クレー、セッコウ、ベンガラ、
グラファイト、二酸化チタン、酸化亜鉛、銅、ステンレ
スなどの粉状または板状の無機系化合物、他のポリマー
繊維(炭素繊維)などであり、好ましくはガラス繊維で
ある。ガラス繊維として特に好ましいのは直径3〜20μ
m程度のガラスチョプドストランド、ガラス糸などであ
る。かかる充填剤の配合割合は共重合ポリアミド100重
量部に対して0〜100重量部の範囲にあることが必要で
あり、好ましくは5〜90重量部の範囲、特に好ましくは
10〜90重量部である。充填剤の配合量が100重量部を越
えると溶融時の流動性が悪くなり、成形品を射出成形す
る事が困難となるばかりでなく、成形品外観が悪くなる
ので好ましくない。
本発明の共重合ポリアミドに充填剤および変性ポリオ
レフィンを配合する方法については特に制限がなく、公
知のいずれの方法も使用することができる。配合方法の
具体的例としてはポリアミドのペレットに変性ポリオレ
フィンおよび充填剤をドライブレンドし、これを単軸ス
クリューまたは二軸スクリュー押出機で溶融混練する方
法などが挙げられる。
また、本発明で得られるポリアミド樹脂組成物にはそ
の成形性や物性を損なわない限りにおいて、任意の工程
において、他の成分たとえば顔料、染料、耐熱剤、触
媒、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、結晶核剤、帯電防止
剤、可塑剤、他の重合体などを添加することができる。
<実施例> 以下に実施例を示し本発明をさらに詳しく説明する。
なお、実施例および比較例中の諸特性は次の方法で測定
した。
1)融点(Tm) DSC(PERKIN−ELMER7型)を用い、サンプル8〜10mg
を昇温速度20℃/minで測定して得られた融解曲線の最大
値を示す温度をTmとした。
2)ポリアミドの末端基濃度[NH2] ポリアミド1gを100mlのフェノール/エタノール(50/
50wt比)混合溶液に溶かし、1/50Nの塩酸水溶液で滴定
して求めた。
3)ポリアミドの末端基濃度[COOH] ポリアミド0.5gを50mlの熱ベンジルアルコールに溶か
し、1/50N−KOHのメタノール溶液で滴定して求めた。
4)ポリアミドの相対粘度ηr ポリアミド1gを98%濃硫酸に溶かし、100mlとした。
この溶液を25℃に保ち、ウベローベ粘度計で粘度測定を
行なった。
5)成形品外観 成形品の表面の肌荒れ、気泡、色調、光沢等を見た。
○:光沢があり表面が平滑である。
△:光沢は落ちるが表面が平滑である。
×:光沢もなく表面がザラザラである。
6)成形品の物性は次の方法で測定した。
引張り強度:ASTM−D638 曲げ強度:ASTM−D790 曲げ弾性率:ASTM−D790 Izod衝撃強度:ASTM−D256 熱変形温度(HDT)ASTM−D648 荷重4.6kgf/cm2 荷重18.6kgf/cm2 <実施例1> ドデカメチレンジアミン16.20kg、テレフタル酸12.45
kgおよびイオン交換水8.50kgを0.05m3のバッチ式重合釜
に仕込み(ジアミン成分単位およびジカルボン酸成分単
位のトータルモル数に対して4モル%ドデカメチレンジ
アミンを過剰仕込み)、窒素置換を充分行った後水蒸気
圧17.5kg/cm2−Gの加圧下で加熱を続けた。撹拌下3.5h
rかけて240℃に昇温した後、さらに30分間240℃〜245℃
で維持し反応を完結させた後、重合釜低部から差圧17.5
kg/cm2−Gで低次縮合物を水中に吐出した。この低次縮
合物の粘度はηr=1.17、融点は297℃、[COOH]=99
×10-5mol/g、[NH2]=145×10-5mol/gであり、55×10
-5mol/g[NH2]リッチの低次縮合物であった。得られた
低次縮合物を100℃で24hr真空乾燥した後、低次縮合物1
kgに対して36gのテレフタル酸をドライブレンドし、30m
mφのベント式二軸押出機で260℃〜335℃の温度条件で
溶融押出しをした。ポリマ粘度ηr=3.20、ポリマ融点
295℃の白色ペレットを得た。
このペレット100重量部に対して長さ3mm直径13μmの
ガラス繊維チョプドストランド43重量部および無水マレ
イン酸で変性したエチレン/プロピレン/ブテン−1共
重合体を25重量部をドライブレンドし、30mmφ単軸押出
機でポリマ融点+20℃の温度で溶融混合した。この混合
物を射出成形機により成形し、テストピースを作成し
た。得られたテストピースを評価した結果を表1に示
す。
<実施例2> 実施例1の方法に従って原料および仕込量、テレフタ
ル酸添加量および変性ポリオリフィン、ガラス繊維配合
量などを変えて評価した結果を表1に示す。
<比較例1> テレフタル酸5.89kg、66塩10.00kg、ヘキサメチレン
ジアミンの64.5wt%水溶液6.37kgおよびイオン交換水6.
36kgを用いて、実施例1の方法で低次縮合物を作った。
この低次縮合物の粘度はηr=1.16、融点は296℃、[C
OOH]=82×10-5mol/g、[NH2]=63×10-5mol/gであ
り、19×10-5mol/g[COOH]リッチの低次縮合物であっ
た。得られた低次縮合物を100℃で24hr真空乾燥した
後、300mmφのベント式二軸押出機で260℃〜320℃の温
度条件で溶融押出しをした。発泡が著しくペレット化が
できなかった。
<比較例2> テレフタル酸5.30kg、ヘキサメチレンジアミンの64.5
wt%水溶液5.73kg、66塩11.00kgおよびイオン交換水6.3
6kgを0.05m3のバッチ式重合釜に仕込み、窒素ガスで置
換した後水蒸気圧17.5kg/cm2−Gの加圧下で加熱を続け
た。245℃に達した後放圧を開始し、さらに最高到達温
度315℃まで加熱を続けた。次に、この最高到達温度を
保ち、放圧終了後100mmHgの減圧下で5〜10分維持し重
合を完結させた。このポリマを吐出した所、熱分解によ
る発泡が著しく、しかも不透明な白色ポリマであり、ほ
とんどカッテイングできなかった。
<発明の効果> 本発明で得られるポリアミド樹脂は特に高温雰囲気下
での使用に耐え得る高い剛性と耐熱性を有し、安価でか
つ流動性も良好であることから、コネクター、コイルボ
ビン等の薄肉成形品材料として適している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反復成分 で表される構造単位を必須成分として含み、場合により
    下記(II)および/または(III)の反復成分を含むポ
    リアミドを製造するに当たり、(I)〜(III)を構成
    するモノマ成分単位のトータルモル数に対して0.3〜10
    モル%のジアミン成分を過剰に仕込み、150〜300℃、5k
    g/cm2−G以上、20kg/cm2−G以下の条件下で、1%濃
    硫酸溶液の25℃における相対粘度(ηr)が1.01〜1.6
    を満足する[NH2]リッチの低次縮合物をつくり、5kg/c
    m2−G以上、20kg/cm2−G以下の状態で吐出し、該低次
    縮合物を溶融押出機で高重合度化する際、不足のジカル
    ボン酸成分を添加することを特徴とするポリアミド樹脂
    の製造方法。 (式中Rは炭素数7〜18の脂肪族基、R′は炭素数4〜
    18の脂肪族基または であり、nは5〜18の整数を表す。)
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