JP2512089Y2

JP2512089Y2 - 筆記具の外装体

Info

Publication number: JP2512089Y2
Application number: JP9020790U
Authority: JP
Inventors: 淳石黒
Original assignee: Pentel Co Ltd
Current assignee: Pentel Co Ltd
Priority date: 1990-08-29
Filing date: 1990-08-29
Publication date: 1996-09-25
Anticipated expiration: 2005-08-29
Also published as: JPH0447575U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）筆記具本体の筆記部を突出するように筆記具本体に装
着する筆記具の外装体であって、筆記具本体に対する環
状の当接部を有し、外装体の内部空間と筆記具本体の空
気孔との連通性をこの当接部により遮断してなるものに
関する。ここで、筆記具の一例としては、ボールペン、
小管式筆記具、樹脂ペン、アイライナー、リップカラー
などを例示できる。

（従来の技術）上述した種の外装体は、例えば、実開昭60-178177号
公報に開示されている。「リフィールに於ける空気孔の
やや後方部に周縁肩部が曲面を呈する外面段部を設ける
と共に該リフィールを収納する軸筒又は口金等の内孔部
に上記リフィールの外面段部に気密に当接する曲面状の
内面段部を設け」ているものである。その他にも、当接
部として、筆記具本体との間で、係合関係を満足するの
ではなく、圧入関係を満足するようにしたものもある。

（考案が解決しようとする課題）外装体には、装飾性あるいは高級感付与を求められる
ことも多い。これに対し、当然的に考えられるのは、金
属製部品を使用することである。めっきなどの適宜表面
処理も容易にできる。

しかし、金属製部品の使用は、往々にして、成形上の
問題と価格の問題を生じるだけでなく、所期の狙いであ
る外装体の内部空間と筆記具本体の空気孔との連通性の
遮断を阻害するものとなり、ペン先及び筆記具本体内の
インキが次第に乾燥して筆跡がかすれたりするものとな
ったり、また、筆記具本体への傷つけの原因にもなった
りする。

本考案は、このようなことに鑑み、特に、金属製の筒
部材を使用する場合について好適なものを提供すること
を目的とする。筒部材であれば、押出成形によるもの
や、プレス成形によるものなど、比較的安価に利用でき
る。めっきなども勿論容易であるし、製品の軽量化のた
めに薄肉のものも容易に準備できる。しかし、筒部材は
開口端が微小な凹凸を有するものとなりがちであり、こ
の開口端の内縁部を当接部にすると、外装体の内部空間
と筆記具本体の空気孔との連通性の確実な遮断を阻害す
るものとなり、また、その鋭角的な形状により筆記具本
体を傷つける原因にもなってしまい、これらを克服する
ための十分な整形は、安価である利点を無くしてしま
う。

（課題を解決するための手段）本考案は、筆記具本体の筆記部を突出するように筆記
具本体に装着する筆記具の外装体であって、筆記具本体
に対する環状の当接部を有し、外装体の内部空間と筆記
具本体の空気孔との連通性をこの当接部により遮断して
なるものにおいて、外装体の少なくとも一部を金属製の
筒部材とし、この筒部材に環状の内方変形突出部を設
け、この内方変形突出部をして前記当接部としてなる筆
記具の外装体を要旨とする。

（実施例）第１図、第２図に一例を示す。

参照符号Ａは筆記具本体を示す。内部にインキ吸蔵体
（図示省略）を収容した一般的な水性インキ使用のボー
ルペン体を意識して図示してあるが、勿論、一時的イン
キ溜め部材を使用して所謂生インキ式のものなど、構造
も含めて種類は適宜のものであってよい。尚、参照符号
１は空気孔の開口部を示す。

また、参照符号Ｂは外装体を示し、互いに着脱可能に
螺合する前部材２と後部材３とよりなっている。筆記具
本体Ａは、これら前部材２と後部材３との螺合着脱によ
り交換可能になっている。図示はしないが、筆記具本体
Ａは、後部材３の内孔に一体形成したり部材として収容
されたりする弾撥体によって図面右方から左方に向かう
弾撥力を付与されたり、あるいはまた、前部材２と後部
材３との螺合による挾着力を受けたりなどすることによ
りがたつきなく収容されている。

この筆記具本体Ａの筆記部を空気孔の開口部１も露出
するように突出している外装体Ｂの前部材２が金属製の
筒部材よりなっている。そして、第２図に拡大図示した
ように、次第に小径となる前部４の開口端５から離れた
ところに、かつ、その近傍に、環状の内方変形突出部６
が形成されている。この内方変形突出部６が、筆記具本
体Ａのテーパー状外壁と圧入当接し、従って、筆記具本
体Ａの前方抜け止めをして上述がたつきのない収容を満
足するとともに、外装体Ｂの内部空間と筆記具本体Ａの
空気孔との連通性を遮断するものとなっている。尚、本
例の前部材２は、開口端に微小凹凸を特に有するものと
なりがちなプレス成形によるものを意識して示してある
が、その他、例えば、押出成形によるものなどであって
もよい。また、第１図に一点鎖線で図示したのは、キャ
ップ装着の一例を示すものである。

以上、一例を通じて説明したが、要旨を変更しない範
囲で種々変更などなせる。例えば、空気孔の開口部１
は、内方変形突出部６より前方に位置すればよく、内方
変形突出部６が前部材２の開口端５から十分な距離を有
している場合など、前部材２によって覆われたものとす
ることもできる。また、前部材２の全体を金属製の筒部
材としたが、後部材３との螺合をする部分を合成樹脂の
射出成形品としておくなど、前部材２を複部材化し、そ
の一部を金属製の筒部材とすることもできるし、前部材
２が外装体Ｂの全部となるように、例えば、後部材３に
代えて筆記具本体Ａの後端部分を前部材２の後端に圧
入、螺合、凹凸嵌合などにより取り付けられるものとす
ることなどもできる。

（考案の効果）本考案の筆記具の外装体は、筆記具本体の筆記部を突
出するように筆記具本体に装着する筆記具の外装体であ
って、筆記具本体に対する環状の当接部を有し、外装体
の内部空間と筆記具本体の空気孔との連通性をこの当接
部により遮断してなるものにおいて、外装体の少なくと
も一部を金属製の筒部材とし、この筒部材に環状の内方
変形突出部を設け、この内方変形突出部をして前記当接
部としてなるので、金属製の筒部材を使用することによ
り、比較的安価で軽量でありながら高級感のあるものと
することが容易であり、また、内方変形突出部は外方か
らの押圧変形などによって容易に形成できるので、この
金属製の筒部材を使用する価格的利点を有効に発揮で
き、しかも、内方変形突出部の突出頂部分（筒部材内面
側表面）はなだらかな丸みのあるものとなるので、筆記
具本体を傷つけることも極力抑制できるし、外装体の内
部空間と筆記具本体の空気孔との連通性の確実な遮断も
確保でき、ペン先及び筆記具本体内のインキが次第に乾
燥して筆跡がかすれたりすることを極力抑制し得るもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部破断断面図、第２
図は第１図のII部拡大図。Ａ……筆記具本体、１……空気孔の開口部、Ｂ……外装
体、２……前部材（金属製の筒部材の一例）、３……後
部材、４……前部材の前部、５……開口端、６……内方
変形突出部。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】筆記具本体の筆記部を突出するように筆記
具本体に装着する筆記具の外装体であって、筆記具本体
に対する環状の当接部を有し、外装体の内部空間と筆記
具本体の空気孔との連通性をこの当接部により遮断して
なるものにおいて、外装体の少なくとも一部を金属製の
筒部材とし、この筒部材に環状の内方変形突出部を設
け、この内方変形突出部をして前記当接部としてなる筆
記具の外装体。