JP2510130B2 - 抵抗溶接機の二次ケ―ブル劣化判定装置 - Google Patents

抵抗溶接機の二次ケ―ブル劣化判定装置

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JP2510130B2 JP15050094A JP15050094A JP2510130B2 JP 2510130 B2 JP2510130 B2 JP 2510130B2 JP 15050094 A JP15050094 A JP 15050094A JP 15050094 A JP15050094 A JP 15050094A JP 2510130 B2 JP2510130 B2 JP 2510130B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗溶接機二次ケーブ
ルの断線劣化を検出し、適切な交換時期を予測判定でき
る装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体組立ライン等に設置されて
いる抵抗溶接機、とりわけスポットロボット溶接機で
は、スポット溶接ガンは、ロボットアームに取り付けら
れて、溶接部位に応じて反転したり旋回したり激しく運
動する。そこでスポット溶接ガンに接続される二次ケー
ブルは、細線を数多く束ねた構造にして柔軟性をもたせ
ているが、溶接時に、絶えず振り回され捻じられ、更に
は熱疲労が加わるため、徐々に断線劣化していき、その
後、急速に完全断線へと進んでいく。
【0003】ところで抵抗溶接機の電源には、大きく分
けて単相交流式(50又は60Hz)と三相インバータ直
流式(700 〜1000Hzに周波数を変換して整流するもの)
の2種類がある。単相交流式は、本体は安価であるもの
の電源設備が大がかりになるので、一部の簡易型を除い
ては現在は殆ど使われなくなっている。それに対して三
相インバータ直流式は、本体価格は高価であるが電源設
備は安価で済み、また周波数が高くなるので溶接トラン
スを小形化できる。そして交流式よりも直流式の方が電
流密度が高く、より高品質の溶接が可能となる。特に、
現在多くなってきているアルミニウムやメッキを施した
材料は、導電性が良いので、より短時間に通電加熱する
必要があり、この点でも直流式は優れている。このよう
な理由から、現在は三相インバータ直流式が主流となっ
ている。
【0004】抵抗溶接機の二次ケーブルには、往復のケ
ーブルをそれぞれ別々のホース内に収めた2本式のもの
と、キックレスと呼ばれる往復のケーブルを同一ホース
内に収めたものがある。キックレスは、溶接通電時に生
じる電磁反発力と吸引力が打ち消し合い、キック力が外
部に現れ難く、そのためキックレスは、構造上、往復の
ケーブルが均等に劣化するので管理がし易い利点があ
る。しかし、スポットロボット溶接機の多くは、往復の
ケーブルが離れて配置されるため、2本式が多用されて
いる。使用するケーブルの長さや太さはまちまちであ
り、公称抵抗値は規定されているものの、バラツキが大
きい。従って、ケーブル寿命は、使用する実際のケーブ
ルや使用状態、使用環境などによって大きく変化し、一
概に設定することはできない。
【0005】抵抗溶接機の二次ケーブル監視装置として
は、例えば実公昭54−37780号公報に記載された
装置がある。これは、二次ケーブルの新品時のインピー
ダンスに対する使用途中のインピーダンスの増加率を自
動的に監視し、予め設定しておいた増加率のレベルを超
えたときに警報を出す二次ケーブル監視装置である。具
体的には、溶接電流による監視すべき二次ケーブルの両
端間電圧をケーブル信号電圧EC に変換し、前記電圧E
C の出力を用いて前記ケーブルにおけるインピーダンス
増加の管理限界値を設定する警報レベル設定器と、溶接
電流に比例した電流電圧信号EI を発生して、二次ケー
ブルが新品もしくは同等時のケーブル信号電圧EC と前
記EI とを比較して前記ケーブルのインピーダンスの変
化を判別する比較器とからなる構成である。ここで溶接
電流信号電圧EI は、溶接機一次側に挿入した変流器あ
るいは溶接機二次側に挿入した二次電流検出用のトロイ
ダル・コイルなどの信号を用いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】自動車関連の組立工程
などで用いられているスポットロボット溶接機は、ティ
ーチング機能を有し、予めスポット溶接位置と溶接電流
が教え込まれていて、24時間フル稼働している。そこ
で、断線が生じる虞れのある溶接機二次ケーブルの劣化
度合いを正確に把握し、完全断線の時期を予測して、完
全断線の直前に交換することは、稼働効率の向上、並び
にケーブル経済性の点で極めて重要である。
【0007】また前記のように抵抗溶接機の電源には単
相交流式と三相インバータ直流式があり、それら両方、
特に現在主流となっている直流式にも対応できるような
二次ケーブル劣化判定装置の開発が必要となる。
【0008】ところが上記のように、溶接機二次側にト
ロイダル・コイルを挿入して二次電流を検出する構成で
は、直流式の電源には対応できない。また従来の装置で
は、溶接電流を検出するために、電圧検出用とは別の測
定ケーブルを接続する必要がある。接続するケーブル本
数の増加は、接続不良の可能性の増加や溶接作業の邪魔
になりがちなので、極力抑制することが重要である。ま
た従来装置では、二次ケーブルの抵抗値の増加が制限値
を超えた時に初めて警報が発せられるが、それまでは何
の異常も検知されないので、装置が正常に動作している
のか、電圧検出用の測定ケーブルの接続忘れや接続不良
がないか等のチェックが行えない。更に二次ケーブルは
激しく振り回されたり捻じれたりするので、電圧検出用
の測定ケーブルの接続が外れたり、断線が生じることも
あり、そのような事態を的確に把握することができな
い。
【0009】本発明の目的は、電流検出のためのケーブ
ルが不要であり、直流式の電源にも対応でき、適切に管
理限界を予測判定でき、更には正常動作の確認を常時行
えるようにした抵抗溶接機の二次ケーブル劣化判定装置
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、抵抗溶接機の
一対の二次ケーブルのそれぞれの電圧降下を検出する電
圧検出部と、それらの測定電圧と設定限界値とを比較し
て劣化を検出する2チャンネル構成の劣化検出部と、前
記測定電圧を用いて正常動作の確認を行う動作確認部と
を備えている抵抗溶接機の二次ケーブル劣化判定装置で
ある。ここで電圧検出部は、一対の二次ケーブルのそれ
ぞれの両端間に接続した入力回路、及び該入力回路の増
幅出力を整流する整流回路とからなる。また劣化検出部
は、最大溶接電流を設定する共通の溶接電流設定器と、
各二次ケーブルの初期抵抗値をそれぞれ設定する初期抵
抗設定器と、各二次ケーブルの許容限界値を割増率でそ
れぞれ設定する限界値設定器と、それらによって設定し
た各限界電圧と前記の各測定電圧とをそれぞれ入力とす
る比較器と、測定電圧が限界電圧を超えたときの比較器
からの比較結果をそれぞれ計数するアラームカウンタと
を具備している。そして、動作確認部は、最小溶接電流
値以下の電流によって二次ケーブルに発生する電圧をト
リガレベルとするトリガレベル設定器と、そのトリガレ
ベルと前記の両測定電圧をそれぞれ入力とする2個の比
較器と、両比較器出力の論理積をとるアンドゲートと、
該アンドゲートの出力によって通電中表示を行う通電中
表示灯とを具備している。
【0011】劣化検出部の2個の比較器の出力に接続し
た警報出力部を設ける。該警報出力部は、両比較器の出
力にそれぞれ接続したラッチ・ノーマル動作切り換え可
能なラッチ回路と、両ラッチ回路にそれぞれ接続したア
ラーム表示灯と、両ラッチ回路の出力の論理和をとるオ
アゲートと、該オアゲートの出力で動作するブザーとを
具備している。また電圧検出部の両方の整流回路の出力
に接続したレコーダ出力部を設けるのが望ましい。該レ
コーダ出力部は、各整流出力をそれぞれ平滑可能な平滑
回路と、両平滑回路の出力をそれぞれ直流増幅する出力
増幅器とからなり、各平滑回路は、電源周波数が低いと
きに時定数を増加させるスイッチ機構を有する。更に、
動作確認部のアンドゲートの出力に打点数カウンタを接
続するのがよい。
【0012】
【作用】まず初めに溶接電流と二次ケーブルの初期値を
設定しておき、この積を初期電圧とし、良否の判定条件
として二次ケーブル劣化による電圧増加率の許容限界値
を設定する。溶接電流の設定は2チャンネル共通で、初
期抵抗値と限界値は、それぞれ独立に設定する。判定結
果は、限界値を超えた時に2チャンネルで独立にその回
数を計数する。この計数値によって二次ケーブルの交換
時期を予測する。また溶接の都度、両方の二次ケーブル
から検出した電圧の論理積をとって通電中表示灯を点灯
させ、それによって動作が正常に行われていることを確
認する。
【0013】
【実施例】図1は本発明に係るスポットロボット溶接機
の二次ケーブル劣化判定装置の全体構成を示すブロック
図である。本装置は、スポットロボット溶接機の一対の
二次ケーブル10a,10bのそれぞれの電圧降下を検
出する電圧検出部12と、それらの測定電圧と設定限界
値とを比較して劣化を検出する2チャンネルの劣化検出
部14と、前記測定電圧を用いて正常動作の確認を行う
動作確認部16とを備えている。ここでは抵抗溶接機の
電源は交流式の例であって、溶接トランス18の二次側
に二次ケーブル10a,10bを接続し、それにスポッ
ト溶接ガン19を接続してある。このスポット溶接ガン
19がロボットアームによって反転あるいは旋回するよ
うに動かされて、所望の溶接部位でスポット溶接を行
う。本装置が2チャンネル構成となっているのは、スポ
ットロボット溶接機で多く使用されている2本式ケーブ
ルの場合、往路と復路とで二次ケーブルの長さが異な
り、また二次ケーブルの使用状態も異なるため、劣化の
度合いが違うし、管理限界に近づいた時に別々に交換す
る方が経済性の点でも好ましいからである。
【0014】一対の二次ケーブル10a,10bのそれ
ぞれの両端間に検出用ケーブル20を接続して電圧検出
部12に導く。電圧検出部12は、両方の二次ケーブル
における電圧降下をそれぞれ差動増幅する入力回路22
a,22b、及び両入力回路22a,22bの増幅出力
をそれぞれ整流する整流回路24a,24bとからな
る。これによって、二次ケーブル10a,10bのそれ
ぞれの電圧降下を増幅、整流した測定電圧が得られる。
【0015】劣化検出部14は、溶接電流(マルチスポ
ット溶接の場合は、最大溶接電流)を設定する共通の溶
接電流設定器26と、各二次ケーブルの初期抵抗値をそ
れぞれ設定する初期抵抗設定器28a,28bと、各二
次ケーブルの限界値を割増率でそれぞれ設定する限界値
設定器30a,30bと、それらによって設定した両限
界電圧と前記の両測定電圧とをそれぞれ入力とする比較
器32a,32bと、測定電圧が限界電圧を超えたとき
にその結果をそれぞれ計数するアラームカウンタ34
a,34bとを具備している。溶接電流設定器26は共
通であるが、それ以外はそれぞれ2個ずつ同様の回路が
設けられた2チャンネル構成である。
【0016】動作確認部16は、溶接電流(マルチスポ
ット溶接の場合は、最小溶接電流)以下の電流によって
新品時に二次ケーブルに発生する電圧をトリガレベルと
するトリガレベル設定器36と、そのトリガレベルと前
記の両測定電圧をそれぞれ入力とする2個の比較器38
a,38bと、両比較器38a,38bの出力の論理積
をとるアンドゲート40と、該アンドゲート40の出力
に応答して通電中表示を行う通電中表示灯42とを具備
している。またアンドゲート40の出力は、打点数カウ
ンタ44にも入力する。
【0017】更に、この実施例では、劣化検出部14の
両比較器32a,32bの出力を利用して各種の警報出
力を生じる警報出力部46と、電圧検出部12からの測
定電圧を外部のレコーダ等に出力にするレコーダ出力部
48とを設ける。
【0018】さて、スポットロボット溶接機では、通
常、一行程において異なる複数のポイントを順次溶接
(マルチスポット溶接)する作業が行われる。その場
合、溶接部位の状況等によって設定する溶接電流が異な
り、それら溶接部位と溶接電流とは予めスポットロボッ
ト溶接機に記憶させて(ティーチング機能)、それに従
って行われる。具体的に図2に示す一行程で6ポイント
を溶接する場合の例をとって説明する。ロボットアーム
に取り付けられているスポット溶接ガンは、一行程でポ
イント〜ポイントまでの6箇所を順次スポット溶接
していくとする。この例ではポイントが最も溶接電流
が多い。そこで溶接電流設定器26には、この最大溶接
電流値を設定する。また初期抵抗設定器28a,28b
には、二次ケーブル10a,10bの初期抵抗値(新品
時の抵抗値)を設定する。なお図2では縦軸を測定電圧
としているが、抵抗が一定であれば(初期値)、電圧は
電流に比例するので、測定電圧の大小は溶接電流の大小
として見ることができるのである。
【0019】前述のように、二次ケーブルは柔軟性をも
たせるために多数の細線を束ねた構造であり、使用過程
において徐々に断線劣化していき、その後急激に完全断
線へと進む。つまり劣化に伴って抵抗値が徐々に増大
し、測定電圧も増大することになる。この劣化(抵抗値
の増大)による電圧増加分が図2で斜線で示されている
部分である。そこで管理限界の判定条件として、限界値
設定器30a,30bで二次ケーブル劣化による電圧増
加率の許容限界を初期値を零としたパーセントで設定す
る。
【0020】比較器32a,32bでは、二次ケーブル
10a,10bで得られる測定電圧と、上記のようにし
て得られる許容限界値とを比較して、測定電圧が許容限
界値を超えた時に出力を生じ、それを各アラームカウン
タ34a,34bが別々に計数する。このアラームカウ
ンタ34a,34bの計数値によって二次ケーブルの交
換時期を予測するのである。使用条件などによって、あ
るいはノイズなどが重畳して、たまたま二次ケーブルの
測定電圧が許容限界電圧を超えることがおこるが、その
状態で直ちに使用不能となるわけではない。劣化が進む
とアラームカウンタ34a,34bの数値が急激に増加
するから、それをもって適切な交換時期を判定するので
ある。
【0021】図3に、劣化検出部14の溶接電流設定器
26、初期抵抗設定器28a,28b、及び限界値設定
器30a,30bの回路例(1チャンネル分)を示す。
溶接電流設定器26、初期抵抗設定器28a,28b、
及び限界値設定器30a,30bは、いずれも演算増幅
器による加算器で構成されており、それを縦続接続して
いる。そして各設定手段にデジタルスイッチS1 〜S7
を用いることで設定を容易にしている。溶接電流設定器
26に基準電圧VREF を入力し、この基準電圧をデジタ
ルスイッチS1 〜S3 の設定値に応じた入力抵抗Ri
帰還抵抗Rf の比率で出力電圧を加算する。溶接電流設
定器26の出力電圧は、前記のようにマルチスポット溶
接の場合には最大溶接電流に対応する値とする。初期抵
抗設定器28a,28bに溶接電流設定器26からの出
力電圧を入力し、デジタルスイッチS4 ,S5 の設定値
に応じた電圧を出力する。この出力電圧は、二次ケーブ
ルが新品のときの測定電圧(初期値)と等しくなるよう
に設定する。限界値設定器30a,30bは、初期値に
対する割増率を設定するようになっており、出力におい
て限界値設定用のデジタルスイッチS6 ,S7 が、零パ
ーセントのときの初期値に相当する電圧を常に加算する
よう、固定抵抗Rc を入力に接続している。このデジタ
ルスイッチS6 ,S7 に、ある数値を設定すると、その
数値に応じて割り増しした電圧を限界値設定器30a,
30bが出力する。
【0022】次に動作確認部16において、トリガレベ
ル設定器36は、例えば図2の一行程6ポイントのマル
チスポット溶接動作の場合、6ポイント全てを検出でき
るようにトリガレベルを設定する。即ち、トリガレベル
は最小溶接電流値であるポイントでの測定電圧より低
いレベルに設定する。但し、低すぎるとノイズなどの影
響による誤動作が生じる虞れがあるので、最小溶接電流
値による測定電圧(初期値)よりも若干低い値とする。
このトリガレベルと各測定電圧とを比較器38a,38
bで比較し、測定電圧が大きい場合に出力が生じる。両
方の比較器出力の論理積をアンドゲート40でとり、通
電中表示灯42及び打点数カウンタ44を駆動する。こ
れによって溶接通電中であることを、通電中表示灯42
のランプ点灯によって常に知らせることができると同時
に、打点数カウンタ44によって総溶接回数(抵抗溶接
機の稼働状況)も把握できる。
【0023】この種の装置では、それ本来の目的から、
二次ケーブル劣化が進行し限界値を超えたときに初めて
警報が発せられる。二次ケーブルの劣化が少ない間は当
然警報が出ないので、従来技術では、装置が正常に作動
しているか否か確認する手段がなかった。また二次ケー
ブルに接続されているはずの測定ケーブルが、何らかの
原因で外れてしまったような場合にも警報がでなくなっ
てしまうので、使用者は、二次ケーブルの完全断線が起
きるまで、装置や測定ケーブルの異常に気付かないこと
もありえる。それに対して本発明の装置では、溶接通電
毎に通電中表示灯42が点灯するので、これによって装
置などが正常に作動していることを常に確認できる。な
おアンドゲート40で2チャンネルの出力が一致したと
きのみ、通電中表示灯42が点灯するので、片方の測定
ケーブルが外れてしまったような場合にも点灯しなくな
り、異常を早期に発見できる。
【0024】更に本実施例の装置は、劣化検出部14の
2個の比較器32a,32bの出力に接続した警報出力
部46を有する。この警報出力部46の詳細を図4に示
す。警報出力部46は、両比較器32a,32bの出力
にそれぞれ接続したラッチ・ノーマル動作切り換え可能
なラッチ回路50a,50bと、ラッチ回路50a,5
0bにそれぞれ接続したアラーム表示灯52a,52b
と、両ラッチ回路50a,50bの出力の論理和をとる
オアゲート54と、該オアゲート54の出力で動作する
ブザー56、AC100V用出力端子58、及びリレー
接点60を具備している。ラッチモードでは、アラーム
が出た後、アラーム表示灯52a,52bを点灯し続
け、同時にブザー56も鳴り続ける。ノーマルモードで
は、アラームが出たとき(通電中のみ)アラーム表示灯
52a,52bが点灯し、ブザー56が鳴る。アラーム
表示灯52a,52bは、どちらのチャンネルでアラー
ムが出たかを表示し、ブザー56は2チャンネル共通な
ので、どちらかのチャンネルにアラームが出れば鳴動す
る。AC100V用出力端子58の出力は、回転警告灯
の駆動などに用いることができ、リレー接点60は、他
の制御機器や計測機器の制御に利用できる。
【0025】なおアラーム表示灯52a,52bは、前
述した初期抵抗設定器28a,28bによる初期抵抗の
設定にも利用できる。まず限界値設定器30a,30b
のデジタルスイッチS6 ,S7 による限界値(%)を0
%に設定し、実際に抵抗溶接機を作動させながら、例え
ばCH(チャンネル)1設定中であればCH1のアラー
ム表示灯52aが点灯するかしないかの限界点にデジタ
ルスイッチS4 ,S5を設定する。マルチスポット溶接
の場合は、最大電流のところでこの設定を行う。これに
よって、容易に二次ケーブルの初期抵抗値の設定が行え
る。
【0026】更に本装置では、電圧検出部12の両方の
整流回路24a,24bの出力に接続したレコーダ出力
部48を有する。このレコーダ出力部48は、図5に示
すように、両方の整流出力をそれぞれ平滑可能な平滑回
路62a,62bと、両平滑回路62a,62bの出力
をそれぞれ増幅する出力増幅器64a,64bとからな
り、各平滑回路62a,62bは、電源周波数が高いと
きには少ない時定数の平滑回路で平滑処理され、電源周
波数が低いときには整流出力のリップルを減らすため、
平滑回路の時定数を増加するスイッチ66を有する。こ
れによって溶接電流をレコーダ等を用いて外部で監視、
記録できるので、劣化状況の解析データが得られ、判定
基準の決定に利用できる。スイッチ66による周波数の
高低は、レコーダ出力部48からの直流出力をレコーダ
等外部監視装置で使用するとき、溶接機電源の種類によ
って切り換える。通常の電源周波数の場合は『低』と
し、インバータ式の周波数の高い場合には『高』とす
る。
【0027】三相インバータ直流式の溶接機電源の例を
図6に示す。三相交流入力を整流回路70で整流し、コ
ンデンサ72で平滑化してインバータ74でスイッチン
グする。スイッチング周波数は現在1kHz程度が主流で
ある。スイッチングは制御回路76で制御する。これを
溶接トランス78を介して二次側に伝送し、ダイオード
80で整流し、二次ケーブル82を通してスポット溶接
ガン84間に通電し、溶接を行う。上記本発明の装置
は、このような直流式の電源にも対応できる。両方の二
次ケーブル82のそれぞれの両端間に電圧検出用の測定
ケーブルを接続すればよい。本発明装置は、測定系に整
流回路を設けているので、従来の交流式にも使用できる
し、上記のような三相インバータ直流式の場合にも使用
でき、直流式の場合、測定ケーブル接続の際に極性を考
慮する必要もない。
【0028】
【発明の効果】本発明の装置は、溶接電流設定器によっ
て溶接電流を設定するので、溶接電流検出のための測定
ケーブルが不要となり、測定ケーブル本数が少なくなる
ため取り扱い易いし、ケーブル外れなどのトラブル発生
を極力回避できる。また交流式のみならず直流式の溶接
機電源にも対応できる。本発明では、限界値設定器によ
って二次ケーブル抵抗値の割増率を設定し、測定電圧と
比較して測定電圧がオーバーした回数を計数して劣化を
判定するため、適切な管理限界を予測判定でき、未だ使
用可能な二次ケーブルを交換したりする不適当な作業が
なくなるので、資材の節約、溶接機稼働効率の向上な
ど、経済性の点で優れている。更に本発明では溶接通電
中、通電中表示灯が点灯するため、正常動作の確認がで
き、装置の不具合や測定ケーブルの外れなどのトラブル
発生を迅速に検知でき、それらトラブルによって突然二
次ケーブルの完全断線が生じ溶接機がストップするとい
った異常事態の発生を回避できる。
【0029】また溶接電流設定器、初期抵抗設定器、限
界値設定器を、演算増幅器とデジタルスイッチなどで構
成できるので、誰でも簡単に使用可能となる。更に、警
報出力部によって各種の警報を生じさせることができる
し、レコーダ出力部によって二次ケーブルの劣化状況を
監視でき、必要なデータを集めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る二次ケーブル劣化判定装置の一実
施例を示すブロック図。
【図2】一行程6ポイントの場合の測定電圧の例を示す
説明図。
【図3】劣化判定部の部分詳細回路図。
【図4】警報出力部のブロック図。
【図5】レコーダ出力部のブロック図。
【図6】三相インバータ直流式溶接機電源の一例を示す
ブロック図。
【符号の説明】
10a,10b 二次ケーブル 12 電圧検出部 14 劣化検出部 16 動作確認部 18 溶接トランス 19 スポット溶接ガン 20 検出用ケーブル 22a,22b 入力回路 24a,24b 整流回路 26 溶接電流設定器 28a,28b 初期抵抗設定器 30a,30b 限界値設定器 32a,32b 比較器 34a,34b アラームカウンタ 36 トリガレベル設定器 38a,38b 比較器 40 アンドゲート 42 通電中表示灯 44 打点数カウンタ 46 警報出力部 48 レコーダ出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 久夫 埼玉県本庄市中央2丁目4番53号 富士 機工株式会社本庄工場内 (72)発明者 大沼 三郎 埼玉県本庄市中央2丁目4番53号 富士 機工株式会社本庄工場内 (56)参考文献 実開 平1−165178(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗溶接機の一対の二次ケーブルのそれ
    ぞれの電圧降下を検出する電圧検出部と、それらの測定
    電圧と設定限界値とを比較して劣化を検出する劣化検出
    部と、前記測定電圧を用いて正常動作の確認を行う動作
    確認部とを備え、 電圧検出部は、一対の二次ケーブルのそれぞれの両端間
    に接続した入力回路、及び該入力回路の増幅出力を整流
    する整流回路とからなり、 劣化検出部は、最大溶接電流を設定する共通の溶接電流
    設定器と、各二次ケーブルの初期抵抗値をそれぞれ設定
    する初期抵抗設定器と、各二次ケーブルの許容限界値を
    割増率でそれぞれ設定する限界値設定器と、それらによ
    って設定した各限界電圧と前記の各測定電圧とをそれぞ
    れ入力とする比較器と、測定電圧が限界電圧を超えたと
    きの比較器からの比較結果をそれぞれ計数するアラーム
    カウンタとを具備し、 動作確認部は、最小溶接電流値以下の電流によって二次
    ケーブルに発生する電圧をトリガレベルとするトリガレ
    ベル設定器と、そのトリガレベルと前記の両測定電圧を
    それぞれ入力とする2個の比較器と、両比較器出力の論
    理積をとるアンドゲートと、該アンドゲートの出力に応
    答して通電中表示を行う通電中表示灯とを具備している
    ことを特徴とする抵抗溶接機の二次ケーブル劣化判定装
    置。
  2. 【請求項2】 劣化検出部の2個の比較器の出力に接続
    した警報出力部を有し、該警報出力部は、両比較器の出
    力にそれぞれ接続したラッチ・ノーマル動作切り換え可
    能なラッチ回路と、両ラッチ回路にそれぞれ接続したア
    ラーム表示灯と、両ラッチ回路の出力の論理和をとるオ
    アゲートと、該オアゲートの出力で動作するブザーとを
    具備している請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 電圧検出部の両方の整流回路の出力に接
    続したレコーダ出力部を有し、該レコーダ出力部は、各
    整流出力をそれぞれ平滑可能な平滑回路と、両平滑回路
    の出力をそれぞれ直流増幅する出力増幅器からなり、各
    平滑回路は、電源周波数が低いときに時定数を増加させ
    るスイッチ機構を有する請求項1又は2記載の装置。
  4. 【請求項4】 動作確認部のアンドゲートの出力に接続
    した打点数カウンタを備えている請求項1乃至3記載の
    装置。
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