JP2507613B2 - フィ―ドフォワ―ド制御装置 - Google Patents

フィ―ドフォワ―ド制御装置

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JP2507613B2
JP2507613B2 JP1173560A JP17356089A JP2507613B2 JP 2507613 B2 JP2507613 B2 JP 2507613B2 JP 1173560 A JP1173560 A JP 1173560A JP 17356089 A JP17356089 A JP 17356089A JP 2507613 B2 JP2507613 B2 JP 2507613B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、各種のプロセス計装システムに利用される
フィードフォワード制御装置に係わり、特にフィードバ
ック制御系に対し適切な外乱補償を行って外乱の影響を
抑制するフィードフォワード制御装置に関する。
(従来の技術) この種のフィードフォワード制御装置は、第4図に示
すようにフィードバック(以下、FBと呼ぶ)制御系とフ
ィードフォワード(以下、FFと呼ぶ)制御系とで構成さ
れ、前者のFB制御系は、偏差演算手段1にて現在の目標
値SVnから制御対象2の現在のプロセス変数値PVnを減算
し、得られた偏差enを位置形PI調節演算手段3に導入
し、ここで位置形PI調節演算を行なって調節信号を得た
後、加算手段4を介して制御対象2に印加する構成とな
っている。
一方、後者のFF制御系は、フィードフォワード制御モ
デル5を備え、このフィードフォワード制御モデル5に
は外乱信号DnにFFゲインkを乗算してFF制御信号を得る
係数手段5aおよびこのFF制御信号に進みまたは遅れを持
たせて外乱補償の時間的タイミングを合せた外乱補償信
号を得る進み/遅れ演算手段5bを有し、この進み/遅れ
演算手段5bで得られた外乱補償信号を前記加算手段4に
加えて、いわゆる外乱補償を行った操作信号MVnを得、
この操作信号MVnを用いて制御対象2に対し外乱の補償
を行なった制御を実行する構成である。
ところで、上記制御系における外乱補償の伝達関数と
して、例えば操作信号MVnを印加したときのプロセス変
数間の伝達関数GP(s)は分母系列で表現すると、 GP(s)=KP/(1+TP1・s +TP2・s2+……+TPn・sn) ……(1) となる。
また、外乱が加わったときのプロセス変数間の伝達関
数GD(s)は同じく分母系列で表現すると、 GD(s)=KD/(1+TD1・s +TD2・s2+……+TDn・sn) ……(2) となる。上式においてKPはP制御パラメータ、KDはD制
御パラメータ、TPiはプロセス時定数、TDiは外乱時定
数、siはラプラス演算子である。
従って、前記両伝達関数GP(s)、GD(s)からフィ
ードフォワード制御モデルGF(s)は、 GF(s)={GD(S)/GP(S)} =(KD/KP)・{(1+TP1・s+TP2・s2+…… +TPn・sn)/(1+TD1・s+TD2・s2+…… +TDn・sn)} ……(3) =k・f(S) ……(4) k=KD/KP ……(5) f(S)=(1+TP1・s+TP2・s2+…… +TPn・sn)/(1+TD1・s +TD2・s2+……+TDn・sn) ……(6) となる。従って、この制御装置では、前記位置形PI調節
演算手段3のPI調節演算出力に前記フィードフオワード
制御モデル5の出力を外乱補償信号として加算し、外乱
による影響を抑制するものである。
(発明が解決しようとする課題) しかし、以上のようなFF制御系を用いた場合、実プロ
セスでは、制御対象1の動作特性を正確に近似できない
こと、非線形性を有すること、さらにはその特性が時々
刻々変化すること等から次のような点が問題となってい
る。
、常時,FB制御系にFF制御系出力を加算結合する構成
であるので、例えばFB制御,FF制御ともに制御出力の変
化が小さくなったとき、フィードフォワード制御モデル
5に静的および動作誤差が発生し、或いはノイズ等の影
響を受けるため、かかるFF制御出力を外乱補償信号とし
て加算したのでは、FB制御系の出力を乱し、制御精度の
低下を招く問題がある。
、また、位置形PI調節演算手段3の演算出力と外乱補
償信号とを位置形信号として加算合成する場合、各サン
プリング周期ごとに全体の操作信号を直接計算する方式
であるので、各制御系の出力の小さい領域であっても調
節演算をして操作信号とする必要があり、いわゆる不感
帯を設けることが難しく、この点からFF制御の実用上か
ら大きな障害となっいた。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、外乱補償
信号の変化の大きさに応じてFF制御系を停止してFB制御
のみとし、或いはFF制御系を生かしてFB制御系と組合せ
ることにより、制御精度および安定性の向上を図り、限
界制御を実現しうるフィードフォワード制御装置を提供
することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 先ず、請求項1に対応する発明は上記課題を解決する
ために、少なくとも速度形(積分)調節演算を行った
後、位置形信号に変換するPI(Pは比例)またはPID
(Dは微分)調節演算出力を操作信号として前記制御対
象に印加して制御するフィードバック制御系にフィード
フォワード制御系を設けてなるフィードフォワード制御
装置であって、前記FF制御系として、外乱信号にFFゲイ
ンを乗算して外乱補償信号を得るフィードフォワード制
御モデルおよびこのフィードフォワード制御モデルで得
られた外乱補償信号を速度形信号に変換する信号変換手
段を設け、かつ、予め所定の不感帯域が設定され前記信
号変換手段で変換された速度形信号のうちあるレベル以
下の小さな速度信号をカットし、あるレベル以上の大き
な速度形信号のとき先行的に打ち消すために当該速度形
信号の大きさに応じた所定の信号を出力する不感帯設定
手段を設け、この不感帯設定手段の出力を少なくとも前
記速度形I調節演算出力に加算する構成である。
次に、請求項2に対応する発明は、FF制御系として、
外乱信号にFFを乗算して得られた外乱補償信号を静特性
補償分と動特性補償分とに分離するフィードフォワード
制御モデルの他、このフィードフォワード制御モデルか
らの静特性補償分信号を速度形信号に変換した後、この
速度形変換信号を予め定めた所定の静特性不感帯域を通
過させる静特性不感帯設定手段および前記フィードフォ
ワード制御モデルからの動特性補償分信号を速度形信号
に変換した後、この速度形変換信号を予め定めた所定の
動特性不感帯域を通過させる動特性不感帯設定手段を設
け、これら両不感帯設定手段の出力を少なくとも前記速
度形I調節演算出力に加算するようにした構成である。
さらに、請求項3に対応する発明は、FF制御系とし
て、外乱信号にFFゲインを乗算して得られた外乱補償信
号を静特性補償分と動特性補償分とに分離するフィード
フォワード制御モデルの他、このフィードフォワード制
御モデルからの静特性補償分信号を速度形信号に変換し
た後、この速度形変換信号を予め定めた所定の静特性不
感帯域を通過させて前記速度形I調節演算出力に加算す
る静特性不感帯設定手段および前記フィードフォワード
制御モデルからの動特性補償分信号を予め定めた所定の
動特性不感帯域を通過させて前記位置形信号変換後の出
力に加算するる動特性不感帯設定手段を設けた構成であ
る。
(作用) 従って、請求項1に対応する発明は以上のような手段
を講じたことにより、フィードフォワード制御モデルで
得られた外乱補償信号を信号変換手段で速度形信号に変
換するので、後段側に不感帯設定手段を設けることが可
能となる。そして、この不感帯設定手段にて前記信号変
換された速度形信号が不感帯域内にあれば零を出力して
FB制御系のみとし、一方、不感帯域外にあればその速度
形信号の大きさに応じて外乱補償信号を出力して少なく
とも速度形I調節演算出力に加算し,いわゆるFB制御系
とFF制御系とを組み合わせてFF制御を実行するものであ
る。
次に、請求項2に対応する発明は、フィードフォワー
ド制御モデルで静特性補償分と動特性補償分とに分離
し、それぞれ個別に速度形信号に変換して不感帯設定手
段を設ければ、特に厳密さを要求される静特性補償側の
不感帯域を適切に設定でき、制御精度及び安定化を高め
ることができる。
さらに、請求項3に対応する発明は、フィードフォワ
ード制御モデルで静特性補償分と動特性補償分とに分離
するも、静特性側のみ速度形信号に変換して不感帯を通
し、動特性側では速度形信号に変換せずに不感帯を通し
て直接位置形調節演算出力に加えることにより、構成を
簡単にするものである。
(実施例) 以下、本発明の実施例を説明するに先立ち、本発明装
置で適用する速度形PID調節演算方式について説明す
る。先ず、一般的なPID調節演算方式におけるPIDアルゴ
リズムの基本式は、 MV=Kp{e+(1/TI)∫edt +TD(de/dt)+MV0} ……(7) で表される。但し、上式においてMVは操作信号、eは偏
差、Kpは比例ゲイン、TIは積分時間、TDは微分時間、MV
0は操作信号の初期値である。
ところで、前記(7)式の基本式を用いたディジタル
演算方式では、予めサンプリング周期τが定められ、こ
のサンプリング周期τ毎に必要なデータを取り込んで演
算を行うことになる。従って、現サンプリング時点をn
τ(nは整数)とし、その1つ前のサンプリング時点を
(n−1)τとすれば、制御系から得られる現サンプリ
ング時点の偏差はen,前回サンプリング時点の偏差はe
n-1で表わすことができる。
一方、ディジタル演算には2通りの演算方式があり、
その1つは位置形演算方式であり、他の1つは速度形演
算方式である。この位置形演算方式は各サンプリング周
期毎に全体の操作信号MVnを直接計算する方式であり、
速度形演算方式は今回のサンプリング周期毎に操作信号
の前回からの変化分ΔMVnのみを求めた後、この変化分
ΔMVnを前回の操作信号MVn-1に加えることにより、今回
の操作信号とする方式である。
従って、前記(7)式のPIDアルゴリズムの基本式に
基づいて位置形演算方式と速度形演算方式とを実行する
場合、前者の位置形演算方式では、 で表わされ、後者の速度形演算方式では、 ΔMVn=Kp{(en−en-1)+(τ/TI)en +(TD/τ)(en−2en-1+en-2)} ……(9a) MVn=MVn-1+ΔMVn ……(9b) で表わされる。
そこで、これら2つの演算式,つまり(8)式と(9
a),(9b)を含んだ(9)式とを比較してみると、
(9)式の速度形PIDアルゴリズムが積分項からΣがな
くなって演算が簡単になること、手動→自動の切換えに
際し、現時点の手動操作によって得られた操作信号を
(9b)式のMVn-1に代入し、しかる後、自動制御に切換
えて次のサンプリング時点からそのMVn-1に変化分ΔMVn
を加算すれば制御をそのまま続行でき、いわゆる手動−
自動切換えのバランスレス・バンプレス切換えが簡単に
行えること、積分項によるリセットワインドアップが容
易に行えること、操作信号の変化分のみを求めればよい
ので、ゲインを修正したり、他の信号との複合演算処理
が簡単に行えること等の特長を有し、計算機を用いたDD
C(Direct Digital Control)にはかかる速度形PID演
算方式が多用されている。
そこで、本発明装置においては、FB制御におけるPID
制御では速度形演算方式が有効であること、加えて速度
形演算方式を用いてFB制御出力を乱すところのFF制御出
力を適切に排除すること等により、従来の問題を改善す
ることにある。
以下、請求項1に係わる発明の一実施例について第1
図を参照して説明する。同図において11は現在の目標値
SVnから制御対象12の現在のプロセス変数値PVnを減算し
て偏差enを求める偏差演算手段、13は偏差enに基づいて
前記(9a)式の調節演算を実行し、得られた調節信号Δ
MVnを加算手段14を経由して速度形/位置形信号変換手
段15に導入する。この信号変換手段15は前記(9b)式の
演算,つまりMVn-1+ΔMVn′を実行して操作信号MVn
得た後、この操作信号MVnを制御対象12に印加し、偏差e
n=0(SVn=PVn)となるような制御を行う。なお、こ
れら構成要素11〜15はFB制御系を構成している。
一方、FF制御系は、外乱信号Dnに係数手段21aにてFF
ゲインkを乗算してFF制御信号を得た後、進み/遅れ演
算手段21bにてFF制御信号に進みまたは遅れを持たせて
外乱補償の時間的タイミングをとって外乱補償信号Bn
出力するフィードフォワードモデル21の他、従来装置に
よる位置形の不合理を解消するために外乱補償信号Bn
速度形信号ΔBnに変換する位置形/速度形信号変換手段
22およびこの信号変換手段22で変換された速度形信号Δ
Bnのうちあるレベル以下の小さな信号をカットとし、あ
るレベル以上の大きな信号を先回りして打ち消すような
信号ΔFnを出力する不感帯設定手段23が設けられ、この
外乱補償信号ΔFnを加算手段14に加算する構成となって
いる。
次に、上記装置の動作を説明する。先ず、FB制御系に
おいては、偏差演算手段11からの偏差enを受けて速度形
PI調節演算手段13が前記(9a)式により、 ΔMVn=Kp{(en−en-1)+(τ/TI)en} なる調節演算を実行し調節信号ΔMVnを得る。そして、
この調節信号ΔMVnを加算手段14を経由してΔMVn′と
し、後続の速度形/位置形信号変換手段15に導入し、こ
こで前記(9b)式に基づき、 MVn=MVn-1+ΔMVn′ なる演算を行って位置形操作信号MVnを得た後、制御対
象12に印加してFB制御を実行する。
一方、外乱発生時、外乱信号Dnがフィードフォワード
制御モデル21に導入されると、この外乱信号DnにFFゲイ
ンkを乗算してFF制御信号を得た後、進み/遅れ演算手
段21bにて、 f(s)=(1+TP1・s)/(1+TD1・s) ……(1
0) なる演算を行って外乱補償のタイミング合せを行った外
乱補償信号Bnを出力する。但し、(10)式は前記(6)
式において伝達関数を1次近似した時の式である。
以上のようにしてフィードフォワード制御モデル21で
外乱補償信号Bnを求めた後、位置形/速度形信号変換手
段22に導き、ここで、 ΔBn/Bn−Bn-1 ……(11) なる演算を行なって差分,つまり外乱補償信号の変化分
である速度形信号ΔBnを求める。この(11)式から分か
るように、外乱補償信号Bnが変化しないときには、 Bn=Bn-1の関係が成立し、ΔBn=0となり、 また、外乱補償信号Bnが変化したとき Bn>Bn-1のときΔBn>0、Bn<Bn-1のときΔBn<0と
なり、 ΔBnは零を中心とした信号となっているので、このΔ
Bnを所定の大きさの不感帯をもって不感帯設定手段23を
通すことにより、FB制御系に影響を与えるFF制御出力の
場合にそれを消去することができる。
すなわち、本装置は、位置形/速度形信号変換手段22
にてΔBn=Bn−Bn-1なる演算を行なって外乱補償の変化
分,つまり速度形信号ΔBnを求める。このΔBnは、 、Bn=Bn-1のとき、 つまり変化のないとき………ΔBn=0 、Bn>Bn-1のとき、 つまり増加中のないとき……ΔBn>0 、Bn<Bn-1のとき、 つまり減少中のないとき……ΔBn<0 となり、ΔBnはBnが変化しないときは零とし、Bnが増減
変化したときその変化の大きさに比例して零を中心とし
て正負に変化する。
そこで、この速度形信号ΔBnを予め所定の大きさの不
感帯域を持たせて不感帯設定手段23に導入すれば、当該
速度形信号ΔBnなる変化の大きさが正負の不感帯域内に
ある場合にはΔFn=0を出力し、不感帯域外にある場合
にはΔFn=ΔBZnを出力する。つまり、不感帯の大きさ
をδとすると、 (イ) |ΔBn|≦δ…ΔFn=0 (ロ) |ΔBn|>δ…ΔFn=ΔBn となる。そして、この信号ΔFnを加算手段14に導入す
る。
そこで、この加算手段14では、先の速度形PI調節演算
手段13の速度形調節信号ΔMVnとΔFnとを用いて、 ΔMVn′=ΔMVn+ΔFn ……(12) なる演算を行なった後、位置形/速度形信号変換手段15
に導入し、 MVn=MVn-1+ΔMVn′ ……(13) の演算により位置形信号に変換し、この位置形信号MVn
を操作信号として制御対象12に加えることにより、en
0,つまりSVn=PVnとなるように制御する。
すなわち、本装置においては、外乱補償信号Bnの変化
分ΔBnが所定の大きさδ以内のとき、FF制御は作用しな
くなり、FB制御のみとなる。一方、前記(ロ)の場合に
はFF制御が機能し、FF制御とFB制御との組み合わにより
外乱の変化の影響を先回りして打消すように動作する。
従って、以上のような実施例の構成によれば、フィー
ドフォワード制御モデル21の出力である外乱補償信号に
ついて信号変換手段22で差分をとって速度形信号に変換
し、外乱補償信号の変化が無いか少ないときに不感帯設
定手段23にて零とし、外乱補償信号が不感帯域を越えて
増減したときにはその変化の大きさに比例して出力する
ようにしたので、FF制御出力がFB制御に影響を与えると
きにはFF制御出力を停止し、外乱の変化が大きいときに
は確実に外乱補償がなされるので、従来に比較しては制
御精度の向上を図ることができ、FF制御の特質を十分に
発揮させることができる。
次に、請求項2に係わる発明の実施例について第2図
を参照して説明する。この発明は静特性補償分と動特性
補償分とに分離し、静特性側の不感帯を厳密に設定し、
より制御精度および制御系の安定性を高めることにあ
る。
先ず、本発明装置の構成を説明する前に、フィードォ
ワード制御モデル21′において静特性補償分と動特性補
償分とに分離できることを証明する。前述した(3)式
〜(6)式からフィードフォワード制御モデルは、 GF(s)=k・f(s) で表わされるので、この式から、 GF(s)=k{1+〔f(s)−1〕} =k{1+〔(TP1−TD1)・s +(TP2−TD2)・s2+……… +(TPn−TDn)・sn〕/(1+TD1・s +TD2・s2+……+TDn・sn)} ……(14) となり、全く時間に関係しない前段下線の静特性補償分
と時間に関係する後段下線の動特性補償分とに分離でき
る。そして、(1)式と(2)式の伝達関数を1次近似
すると、前記(14)式は、 GF(s)=k{1+〔(TP1−TD1)・s〕/(1 +TD1・s)} ……(15) =k{1+〔(TP1・s〕/(1+TD1・s)−1〕)…
…(16) を得ることができる。
従って、請求項2に係わる発明はフィードフォワード
制御モデル21′を用いて静特性補償分と動特性補償分を
分離した後、これら各補償分ごとに不感帯設定手段を設
けて適切な不感帯を設定することにあり、以下、第2図
にてその構成を説明する。なお、同図において第1図と
同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
すなわち、この装置は、外乱信号Dnに係数手段21aにてF
Fゲインkを乗算して得られる静特性補償分Anを得、さ
らに静特性補償分Anを動特性補償手段21cを通して動特
性補償分Jnを得るフィードフォワード制御モデル21′ほ
か、各補償分ごとに位置形/速度形信号変換手段22a,22
bおよび不感帯設定手段23a,23bを設け、これら不感帯設
定手段23a,23bの出力を加算手段24にて加算し、さらに
この加算信号をFB制御系を構成する前記加算手段14へ導
入する構成である。
次に、この装置の動作について説明するに際し、先
ず、各不感帯設定手段23a,23bに不感帯を設定するが、
このとき不感帯設定手段23a側にはそのプロセス条件に
合せて出来るだけ厳密な不感帯を設定する。また、プロ
セスに応じては各不感帯設定手段23a,23bには同一の不
感帯を設定しても良い。
以上ようにして不感帯設定手段23a,23bに不感帯を設
定した後、外乱が発生した場合、その外乱信号Dnに係数
手段21aにてFFゲインkを乗算して静特性補償分Anと動
特性補償手段21cを経由して得た動特性補償分Jnとに分
離する。しかる後、静特性補償分Anは位置形/速度形信
号変換手段22aに導き、ここで ΔAn=An−An-1 ……(17) なる演算を行って静特性補償分Anの変化分、つまり速度
形信号ΔAnを求める。そして、この速度形信号ΔAnを静
特性不感帯設定手段23aに導入し、速度形信号ΔAnが不
感帯領域内の場合には零を出力して静特性補償を停止
し、それ以外の場合には速度形信号ΔAnの大きさに応じ
て信号ΔHnを加算手段24に導入する。
一方、動特性補償分Jnは同じく速度形信号変換手段22
bに導き、 ΔJn=Jn−Jn-1 ……(18) なる演算を行って動特性補償分Jnの変化分、つまり速度
形信号ΔJnを求める。そして、この速度形信号ΔJnを動
特性不感帯設定手段23bに導入し、速度形信号ΔJnが不
感帯領域内の場合には零を出力して動特性補償を停止
し、それ以外の場合には速度形信号ΔJnの大きさに応じ
て信号ΔPnを加算手段24に導入する。この加算手段24で
は、この信号ΔPnと先の信号ΔHnとを加算合成した後再
度加算手段14に導入し、ここで ΔMVn′=ΔMVn+ΔHn+ΔPn ……(19) なる演算、つまり加算手段24の加算合成値をFB制御系の
速度PI調節演算手段13の速度形調節信号ΔMVnと加算合
成し、後続の位置形信号変換手段15に導入し、ここで得
られた位置形操作信号MVnを用いて制御対象12を制御す
る。
この実施例の構成によれば、フィードフォワード制御
モデル21′によって静特性補償分と動特性補償分の外乱
補償信号に分離し、それぞれ個別に速度形信号に変換し
た後、さらに個別に不感帯設定手段23a,23bを設けたの
で、制御系の用途,特性、さらにはユーザーの要望等を
考慮して設計でき、しかも静特性側の不感帯を厳密に設
定できることから第1図のものよりもより細かく不感帯
を設定でき、より制御精度および制御系の安定性を高め
ることができる。
さらに、請求項3に係わる発明の実施例について第3
図を参照して説明する。この発明は、フィードフォワー
ド制御モデル21′から得られた静特性補償分Anを位置形
/速度形信号変換手段22aに導き、ここで静特性補償分A
nの変化分,つまり速度形信号ΔAnを求めた後、、速度
形信号ΔAnを静特性不感帯設定手段23aに導入し、速度
形信号ΔAnが不感帯域内の場合に零を出力して静特性補
償を停止し、それ以外の場合には速度形信号ΔAnの大き
さに応じて信号ΔHnを加算手段14に導入する。そして、
加算手段14で加算合成した信号ΔMVn′を速度形/位置
形信号変換手段15で、 MVn=MVn-1+ΔMVn′ =MVn-1+ΔMVn+ΔHn ……(20) なる演算を行い、得られた演算出力を加算手段31に供給
する。
また、フィードフォワード制御モデル21′から得られ
る他方の動特性補償分Jnは速度形信号に変換することな
く所定の大きさの不感帯設定手段23bを経由して先の信
号MVnと加算手段31で加算合成して操作信号として制御
対象12に印加し、偏差en,つまりSVn=PVnとなるように
制御する。この実施例の構成によれば、動作特性側の信
号変換手段を必要としないので、構成の簡素化を実現で
きる。
なお、上記実施例では、調節演算手段13として速度形
PIを用いたが、速度形PIDを用いたものであってもよ
い。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々
変形して実施できる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば次に述べるような
種々の効果を奏する。
先ず、請求項1記載の発明によれば、外乱補償信号の
変化が所定レベル以下になったとき、FF制御出力を零と
しFF制御の機能を停止させてFB制御のみとし、しかも外
乱補償信号の変化が所定の大きさ以上の場合にはFF制御
を生かして外乱補償を行うので、従来に比較して大幅に
制御精度を向上させ得、FF制御の特質とFB制御の特質を
最適に組み合わせて限界制御を行うことができる。
次に、請求項2記載の発明においては、制御系の用
途,特性、さらにはユーザーの要望等を考慮しながら細
かく不感帯を設定でき、より制御精度および制御系の安
定性を高めることができ、不感帯のチューニングを容易
に行うことができ、かつ、限界制御を実現できる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、構成簡単にし
てFF制御の特質とFB制御の特質を最適に組み合わせて制
御できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図はそれぞれ本発明装置の実施例を説
明するための構成図、第4図は従来装置の構成図であ
る。 12……制御対象、13……速度形PI調節演算手段、14……
加算手段、15……位置型/速度形信号変換手段、21……
フィードフォワード制御モデル、22,22a,22b……位置形
/速度形信号変換手段、23,23a,23b……不感帯設定手
段、31……加算手段。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御対象からのプロセス変数値と目標値と
    の偏差を零とするために少なくとも速度形I(積分)調
    節演算を行った後、位置形信号に変換したPI(Pは比
    例)またはPID(Dは微分)調節演算出力を操作信号と
    して前記制御対象に印加して制御するフィードバック制
    御系にフィードフォワード制御系を設けてなるフィード
    フォワード制御装置において、 前記フィードフォワード制御系は、外乱信号にフィード
    フォワードゲインを乗算して外乱補償信号を得るフィー
    ドフォワード制御モデルと、このフィードフォワード制
    御モデルによって得られた外乱補償信号を速度形信号に
    変換する信号変換手段と、予め所定の不感帯域が設定さ
    れ、前記信号変換手段で変換された速度形信号のうちあ
    るレベル以下の小さな速度信号をカットし、あるレベル
    以上の大きな速度形信号のうち先行的に打ち消すために
    当該速度形信号の大きさに応じた所定の信号を出力する
    不感帯設定手段とを備え、この不感帯設定手段の出力を
    少なくとも前記速度形I調節演算出力に加算することを
    特徴とするフィードフォワード制御装置。
  2. 【請求項2】制御対象からのプロセス変数値と目標値と
    の偏差を零とするために少なくとも速度形I(積分)調
    節演算を行った後、位置形信号に変換したPI(Pは比
    例)またはPID(Dは微分)調節演算出力を操作信号と
    して前記制御対象に印加して制御するフィードバック制
    御系にフィードフォワード制御系を設けてなるフィード
    フォワード制御装置において、 前記フィードフォワード制御系は、外乱信号にフィード
    フォワードゲインを乗算して得られた外乱補償信号を静
    特性補償分と動特性補償分とに分離するフィードフォワ
    ード制御モデルと、このフィードフォワード制御モデル
    からの静特性補償分信号を速度形信号に変換した後、こ
    の速度形信号を予め定めた所定の静特性不感帯域を通過
    させる静特性不感帯設定手段と、前記フィードフォワー
    ド制御モデルからの動特性補償分信号を速度形信号に変
    換した後、この速度形信号を予め定めた所定の動特性不
    感帯域を通過させる動特性不感帯設定手段とを備え、こ
    れら両不感帯設定手段の出力を少なくとも前記速度形I
    調節演算出力に加算することを特徴とするフィードフォ
    ワード制御装置。
  3. 【請求項3】制御対象からのプロセス変数値と目標値と
    の偏差を零とするために少なくとも速度形I(積分)調
    節演算を行った後、位置形信号に変換したPI(Pは比
    例)またはPID(Dは微分)調節演算出力を操作信号と
    して前記制御対象に印加して制御するフィードバック制
    御系にフィードフォワード制御系を設けてなるフィード
    フォワード制御装置において、 前記フィードフォワード制御系は、外乱信号にフィード
    フォワードゲインを乗算して得られた外乱補償信号を静
    特性補償分と動特性補償分とに分離するフィードフォワ
    ード制御モデルと、このフィードフォワード制御モデル
    からの静特性補償分信号を速度形信号に変換した後、こ
    の速度形信号を予め定めた所定の静特性不感帯域を通過
    させる静特性不感帯設定手段と、前記フィードフォワー
    ド制御モデルからの動特性補償分信号を予め定めた所定
    の動特性不感帯域を通過させる動特性不感帯設定手段と
    を備え、前記静特性不感帯設定手段の出力を少なくとも
    前記速度形I調節演算出力に加算し、また動特性不感帯
    設定手段の出力を前記位置形信号変換後の出力に加算す
    ることを特徴とするフィードフォワード制御装置。
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