JP2506836B2 - 動圧型流体軸受装置 - Google Patents
動圧型流体軸受装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はハードディスク装置，ポリゴンスキャナー装
置等の高速回転する主軸部に用いられる潤滑剤を用いた
スラスト方向の動圧型流体軸受装置に関するものであ
る。
置等の高速回転する主軸部に用いられる潤滑剤を用いた
スラスト方向の動圧型流体軸受装置に関するものであ
る。
従来の技術 近年、ビデオヘッド回転アッセンブリ、ハードディス
ク装置、ポリゴンスキャナー装置等の回転主軸部には、
玉軸受に代わって回転精度の高い動圧型流体軸受を用い
る動きがあり、その中でもエアー動圧軸受よりも焼け付
き等の故障の少なさと低速から高速までの幅広い回転数
での軸受剛性の高さの点で優れるオイル、グリス等の潤
滑流体を用いた動圧型流体軸受が用いられている。
ク装置、ポリゴンスキャナー装置等の回転主軸部には、
玉軸受に代わって回転精度の高い動圧型流体軸受を用い
る動きがあり、その中でもエアー動圧軸受よりも焼け付
き等の故障の少なさと低速から高速までの幅広い回転数
での軸受剛性の高さの点で優れるオイル、グリス等の潤
滑流体を用いた動圧型流体軸受が用いられている。
以下ハードディスク装置に用いられた従来のスラスト
方向の流体軸受装置の一例について説明する。
方向の流体軸受装置の一例について説明する。
第６図〜第９図は従来の動圧型流体軸受装置を搭載し
たハードディスク装置の断面図である。第６図において
は１はベース部材、２はベース部材に焼ばめ等の方法に
より固定された軸、2A,2Bはヘリングボーン溝である。2
Cは軸端部であり軸２に対して直角かつ平面に仕上げら
れており、周溝2Dと、混入異物を蓄えるための凹穴2Eを
有している。３はハブで軸受穴3Aを有しラジアル軸受を
構成すると共に空所3Bと通気穴3C,3Dを有している。４
はスラスト軸受部材で第７図におけるスパイラル溝4A
と、ネジ13等により固定するための切欠き4Bを有してい
る。第６図において空所3Bの中にはヘリカル溝5Aを内周
に有するリング状部材５がシールリング６とＣリング９
と共に組み込まれている。又スパイラル溝4A,ヘリカル
溝5A近傍には低粘度なグリス等によりなるスラスト潤滑
剤が流入されている。８は２個のヘリングボーン溝2A,2
Bに注油されたオイル等のラジアル潤滑剤であり、10は
モータロータ、11はモータステータ、12は信号と磁気的
に、または光学的に記録再生できるディスクである。14
はアースブラシである。
たハードディスク装置の断面図である。第６図において
は１はベース部材、２はベース部材に焼ばめ等の方法に
より固定された軸、2A,2Bはヘリングボーン溝である。2
Cは軸端部であり軸２に対して直角かつ平面に仕上げら
れており、周溝2Dと、混入異物を蓄えるための凹穴2Eを
有している。３はハブで軸受穴3Aを有しラジアル軸受を
構成すると共に空所3Bと通気穴3C,3Dを有している。４
はスラスト軸受部材で第７図におけるスパイラル溝4A
と、ネジ13等により固定するための切欠き4Bを有してい
る。第６図において空所3Bの中にはヘリカル溝5Aを内周
に有するリング状部材５がシールリング６とＣリング９
と共に組み込まれている。又スパイラル溝4A,ヘリカル
溝5A近傍には低粘度なグリス等によりなるスラスト潤滑
剤が流入されている。８は２個のヘリングボーン溝2A,2
Bに注油されたオイル等のラジアル潤滑剤であり、10は
モータロータ、11はモータステータ、12は信号と磁気的
に、または光学的に記録再生できるディスクである。14
はアースブラシである。
以上のように構成された動圧型流体軸受装置について
以下第６図〜第９図を用いて動作を説明する。まずモー
タステータ11に通電がされると、モータロータ10が、ハ
ブ3,ディスク12,スラスト軸受部材4,リング状部材5,シ
ールリング6,Cリング７と共に回転を始める。これによ
り２個のヘリングボーン溝2A,2Bのポンピング作用によ
り無接触で回転する。またスパイラル溝4Aのポンピング
作用によりスラスト軸受部材は浮上して無接触で回転す
る。そして図示しないヘッド等によりディスク12は信号
の記録再生を行なう。尚、Ｃリング９は軸２の周溝2Dに
係合して回転体の抜け防止を行なっている。また、リン
グ状部材のヘリカル溝5Aは、スパイラル溝4A,ヘリカル
溝5A近傍に注入されたスラスト潤滑剤７をヘリカル溝5A
のポンピング作用によりスパイラルグループ側に圧送す
ることにより潤滑剤の流出を防止している。シールリン
グ６もスラスト潤滑剤７の流出を防止している。またア
ースブラシ14は回転体に発生した静電気を固定体側に流
出し、軸受油膜の静電破壊を防止している。
以下第６図〜第９図を用いて動作を説明する。まずモー
タステータ11に通電がされると、モータロータ10が、ハ
ブ3,ディスク12,スラスト軸受部材4,リング状部材5,シ
ールリング6,Cリング７と共に回転を始める。これによ
り２個のヘリングボーン溝2A,2Bのポンピング作用によ
り無接触で回転する。またスパイラル溝4Aのポンピング
作用によりスラスト軸受部材は浮上して無接触で回転す
る。そして図示しないヘッド等によりディスク12は信号
の記録再生を行なう。尚、Ｃリング９は軸２の周溝2Dに
係合して回転体の抜け防止を行なっている。また、リン
グ状部材のヘリカル溝5Aは、スパイラル溝4A,ヘリカル
溝5A近傍に注入されたスラスト潤滑剤７をヘリカル溝5A
のポンピング作用によりスパイラルグループ側に圧送す
ることにより潤滑剤の流出を防止している。シールリン
グ６もスラスト潤滑剤７の流出を防止している。またア
ースブラシ14は回転体に発生した静電気を固定体側に流
出し、軸受油膜の静電破壊を防止している。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では次のような問題点
があった。
があった。
（１） 第８図においてスラスト軸受部材4,リング状部
材５が高速回転（例えば1800rpm以上）すると、ヘリカ
ル溝5Aがスラスト潤滑剤を強力に撹拌し、スラスト潤滑
剤を図中7A,7B,7Cに示すように飛散，流出させることが
あった。これによりスラスト軸受に潤滑剤の不足が生じ
て浮上量が減少したり、飛散したスラスト潤滑剤がラジ
アル潤滑剤に混入してラジアル潤滑剤としての性能を変
えることがあった。
材５が高速回転（例えば1800rpm以上）すると、ヘリカ
ル溝5Aがスラスト潤滑剤を強力に撹拌し、スラスト潤滑
剤を図中7A,7B,7Cに示すように飛散，流出させることが
あった。これによりスラスト軸受に潤滑剤の不足が生じ
て浮上量が減少したり、飛散したスラスト潤滑剤がラジ
アル潤滑剤に混入してラジアル潤滑剤としての性能を変
えることがあった。
（２） この種の動圧型流体軸受装置においては低温か
ら高温まで使用できてしかも軸受の回転摩擦トルクが小
さく、温度変化の少ないものが要求されるが、その要求
性能を満たすためにラジアル潤滑剤７およびスラスト潤
滑剤８は共に粘度が低いものを使用する。しかしその場
合、高温においては潤滑剤の粘度が低下しスラスト軸受
のスパイラル溝4Aの浮上量が不足し、こすれて摩耗する
ことがあった。
ら高温まで使用できてしかも軸受の回転摩擦トルクが小
さく、温度変化の少ないものが要求されるが、その要求
性能を満たすためにラジアル潤滑剤７およびスラスト潤
滑剤８は共に粘度が低いものを使用する。しかしその場
合、高温においては潤滑剤の粘度が低下しスラスト軸受
のスパイラル溝4Aの浮上量が不足し、こすれて摩耗する
ことがあった。
本発明は従来の問題点に鑑みスラスト潤滑剤の流出が
なく充分な浮上量が得られる動圧型流体軸受装置を提供
するものである。
なく充分な浮上量が得られる動圧型流体軸受装置を提供
するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の第１の発明は、
軸とリング状部材とスラスト軸受部材を有し、スラスト
軸受部材とリング状部材の内周面とに潤滑剤を有し、リ
ング状部材の内周面に遠心力で潤滑剤をスラスト軸受部
材に送り込むためのテーパを設けたものである。
軸とリング状部材とスラスト軸受部材を有し、スラスト
軸受部材とリング状部材の内周面とに潤滑剤を有し、リ
ング状部材の内周面に遠心力で潤滑剤をスラスト軸受部
材に送り込むためのテーパを設けたものである。
さらに本発明の第２の発明は軸と軸先端に段付フラン
ジ部材を有し、段付フランジ部材の先端面と対向するス
ラスト軸受部材を有し、その対向部に潤滑剤を保持し、
段付フランジ部材の先端面の直径を軸の外径よりも大と
するものである。
ジ部材を有し、段付フランジ部材の先端面と対向するス
ラスト軸受部材を有し、その対向部に潤滑剤を保持し、
段付フランジ部材の先端面の直径を軸の外径よりも大と
するものである。
作用 本発明の第１の発明の作用はリング状部材と軸との間
の潤滑剤をテーパ部での遠心力によりスラスト軸受側へ
送り込み流出を防止するものである。
の潤滑剤をテーパ部での遠心力によりスラスト軸受側へ
送り込み流出を防止するものである。
本発明の第２の発明の作用は、スラスト軸受径を軸径
より大とし、充分な浮上量を得るものである。
より大とし、充分な浮上量を得るものである。
実施例 以下本発明の一実施例の動圧型流体軸受装置について
図面を参照しながら説明する。第１図〜第５図はハード
ディスク装置に搭載した動圧型流体軸受装置である。第
１図において、21はベース部材、22はベース部材に焼バ
メ等の方法により固定された軸、22A,22Bはラジアル軸
受の圧力発生を行うヘリングボーン溝である。23は回転
部材としてのハブで、軸受穴23Aを有し、ラジアル軸受
を構成すると共に空所23B、通気穴23C、23Dを有してい
る。24は段付フランジ部材であり軸22の上端部に固定さ
れている。段付フランジ部材24は軸22より径大なる円筒
部24Aとフランジ部24Bを有しており、ハブ23の空所23B
には円筒部24Aに対向するテーパ面を有するリング状部
材26がシールリング27と共に設けられている。25はスパ
イラル溝25Aを有するスラスト軸受部材であり、段部25B
においてネジ28等により固定され、またスパイラル溝25
Aの中央には混乱異物等を蓄えるための凹穴25Cを有して
いる。29はスパイラル溝25A、リング状部材26の内径部
分に注入されたスラスト潤滑剤、30は２個のヘリングボ
ーン溝22A,22Bに注入されたラジアル潤滑剤、31はハブ2
3の下面に設けられたモータロータでありモータステー
タ32をスラスト方向に約１〜２キログラムの力で吸引し
ている。
図面を参照しながら説明する。第１図〜第５図はハード
ディスク装置に搭載した動圧型流体軸受装置である。第
１図において、21はベース部材、22はベース部材に焼バ
メ等の方法により固定された軸、22A,22Bはラジアル軸
受の圧力発生を行うヘリングボーン溝である。23は回転
部材としてのハブで、軸受穴23Aを有し、ラジアル軸受
を構成すると共に空所23B、通気穴23C、23Dを有してい
る。24は段付フランジ部材であり軸22の上端部に固定さ
れている。段付フランジ部材24は軸22より径大なる円筒
部24Aとフランジ部24Bを有しており、ハブ23の空所23B
には円筒部24Aに対向するテーパ面を有するリング状部
材26がシールリング27と共に設けられている。25はスパ
イラル溝25Aを有するスラスト軸受部材であり、段部25B
においてネジ28等により固定され、またスパイラル溝25
Aの中央には混乱異物等を蓄えるための凹穴25Cを有して
いる。29はスパイラル溝25A、リング状部材26の内径部
分に注入されたスラスト潤滑剤、30は２個のヘリングボ
ーン溝22A,22Bに注入されたラジアル潤滑剤、31はハブ2
3の下面に設けられたモータロータでありモータステー
タ32をスラスト方向に約１〜２キログラムの力で吸引し
ている。
尚、本実施例における具体的寸法としては軸22の直径
５ミリメートル，スラスト軸受径（円筒部24Aの径）は
６ミリメートル，スラスト潤滑剤としては約20センチポ
アズのグリス，ラジアル潤滑剤としては同程度の粘度の
オイルを採用している。
５ミリメートル，スラスト軸受径（円筒部24Aの径）は
６ミリメートル，スラスト潤滑剤としては約20センチポ
アズのグリス，ラジアル潤滑剤としては同程度の粘度の
オイルを採用している。
以上のように構成された動圧型流体軸受装置について
第１図〜第４図を用いてその動作を説明する。第１図に
おいて、モータステータ32に通電されると回転磁界が生
じこれによりモータロータ31はハブ23,スラスト軸受部
材25,リング状部材26,シールリング27,ネジ28およびデ
ィスク33と共に回転を始める。これにより２個のヘリン
グボーン溝、22A,22Bのポンピング作用によりラジアル
潤滑剤30の圧力が高められ無接触で回転すると共にスパ
イラル溝25Aのポンピング作用によりスラスト潤滑剤29
の圧力が高められモータロータ31の吸引力に打ち勝ちス
ラスト軸受部材25は段付フランジ部材24の上端部から一
定量（約５ミクロンメータ）浮上し無接触で回転する。
第３図において段付フランジ部材24のフランジ部24Bの
下端面は空所23Bの中にあってハブ23等の回転体の抜け
防止の働らきをしている。またリング状部材26の内周の
テーパ面は円筒部24Aとの間に保持されたスラスト潤滑
剤29に第４図に示すように遠心力（mrw2）の分力＝mrw2
×sinθの力を与え、この力によりスラスト潤滑剤29を
スラスト軸受部材25側に運搬し、流出を防止している。
しかも高速回転中でも従来のようにヘリカル溝がスラス
ト潤滑剤29を強力に撹拌しはね飛ばす事がなく、安定か
つ長期に潤滑剤を保持することができる。シールリング
27はこの遠心力により、スラスト潤滑剤29がスラスト軸
受部材25とリング状部材26の間から流出することを防止
している。
第１図〜第４図を用いてその動作を説明する。第１図に
おいて、モータステータ32に通電されると回転磁界が生
じこれによりモータロータ31はハブ23,スラスト軸受部
材25,リング状部材26,シールリング27,ネジ28およびデ
ィスク33と共に回転を始める。これにより２個のヘリン
グボーン溝、22A,22Bのポンピング作用によりラジアル
潤滑剤30の圧力が高められ無接触で回転すると共にスパ
イラル溝25Aのポンピング作用によりスラスト潤滑剤29
の圧力が高められモータロータ31の吸引力に打ち勝ちス
ラスト軸受部材25は段付フランジ部材24の上端部から一
定量（約５ミクロンメータ）浮上し無接触で回転する。
第３図において段付フランジ部材24のフランジ部24Bの
下端面は空所23Bの中にあってハブ23等の回転体の抜け
防止の働らきをしている。またリング状部材26の内周の
テーパ面は円筒部24Aとの間に保持されたスラスト潤滑
剤29に第４図に示すように遠心力（mrw2）の分力＝mrw2
×sinθの力を与え、この力によりスラスト潤滑剤29を
スラスト軸受部材25側に運搬し、流出を防止している。
しかも高速回転中でも従来のようにヘリカル溝がスラス
ト潤滑剤29を強力に撹拌しはね飛ばす事がなく、安定か
つ長期に潤滑剤を保持することができる。シールリング
27はこの遠心力により、スラスト潤滑剤29がスラスト軸
受部材25とリング状部材26の間から流出することを防止
している。
第３図においてフランジ部24Bとリング状部材26の間
の隙間は約0.2ミリメートル以下に設定されており、ヘ
リングボーン溝22A近傍に注油された余剰量のラジアル
潤滑剤30がこの隙間からスラスト潤滑剤に混入しようと
した場合に、回転するリング状部材26の潤滑剤に遠心力
mrw2を与え、これにより図中30A,30Bに示すように混入
しようとした潤滑剤をはね飛ばすことにより混入を防止
する。この隙間は約0.5ミリメートル以上では充分に混
入防止することができない。
の隙間は約0.2ミリメートル以下に設定されており、ヘ
リングボーン溝22A近傍に注油された余剰量のラジアル
潤滑剤30がこの隙間からスラスト潤滑剤に混入しようと
した場合に、回転するリング状部材26の潤滑剤に遠心力
mrw2を与え、これにより図中30A,30Bに示すように混入
しようとした潤滑剤をはね飛ばすことにより混入を防止
する。この隙間は約0.5ミリメートル以上では充分に混
入防止することができない。
次にスラスト軸受の浮上量は軸受の直径が大きな設計
要因であるが、本発明のように低粘度な潤滑剤を用いる
場合に充分な浮上量を得るためにはこの軸受の直径を大
きくとる必要がある。しかし従来の構成では軸径を大き
くするとラジアル軸受の摩擦トルクの増大につながるた
めスラスト軸受径を大きくとることは困難であった。本
発明では段付フランジ部材24の円筒部24Aの直径を軸22
の直径より大にすることにより、あまり摩擦トルクを上
げずして、かつ充分な浮上量を得ることができる。
要因であるが、本発明のように低粘度な潤滑剤を用いる
場合に充分な浮上量を得るためにはこの軸受の直径を大
きくとる必要がある。しかし従来の構成では軸径を大き
くするとラジアル軸受の摩擦トルクの増大につながるた
めスラスト軸受径を大きくとることは困難であった。本
発明では段付フランジ部材24の円筒部24Aの直径を軸22
の直径より大にすることにより、あまり摩擦トルクを上
げずして、かつ充分な浮上量を得ることができる。
また、第１図においてスラスト潤滑剤29には合成潤滑
油に増ちょう剤と、グラファイト、またはカーボン、ま
たは、銅、アルミ等の金属微粒子を混入してグリス化し
た潤滑剤を使っており、この導電性グリスを介してスラ
スト軸受部材25およびリング状部材26との間で接地効果
を持ち、ハブ23,ディスク33の回転中に生じた静電気を
固定側に流すので従来アースブラシが不要となり動圧型
流体軸受装置として非常に薄く構成できる。この場合、
テーパを有するリング状部材26があることによりスラス
ト軸受部の導電性潤滑剤は充分な量が保持され、安定し
た接地効果を持つ。このリング状部材26が導電性物質か
らなる場合はさらに接地抵抗は小さくなる。
油に増ちょう剤と、グラファイト、またはカーボン、ま
たは、銅、アルミ等の金属微粒子を混入してグリス化し
た潤滑剤を使っており、この導電性グリスを介してスラ
スト軸受部材25およびリング状部材26との間で接地効果
を持ち、ハブ23,ディスク33の回転中に生じた静電気を
固定側に流すので従来アースブラシが不要となり動圧型
流体軸受装置として非常に薄く構成できる。この場合、
テーパを有するリング状部材26があることによりスラス
ト軸受部の導電性潤滑剤は充分な量が保持され、安定し
た接地効果を持つ。このリング状部材26が導電性物質か
らなる場合はさらに接地抵抗は小さくなる。
また第１図においてスラスト軸受部材25はネジ28によ
り固定しても、ソリが生じないよう1.5ミリメートル以
上の厚さを有するが、装置全体を薄くするためスラスト
軸受部材25には段部25Bが設けられておりネジ28の頭部
はこの段部にかくれ、軸受装置はさらに薄く構成するこ
とができる。
り固定しても、ソリが生じないよう1.5ミリメートル以
上の厚さを有するが、装置全体を薄くするためスラスト
軸受部材25には段部25Bが設けられておりネジ28の頭部
はこの段部にかくれ、軸受装置はさらに薄く構成するこ
とができる。
以上のように本実施例によれば、スラスト潤滑剤の飛
散がなく、ラジアル軸受潤滑剤のスラスト部への混入が
なく、充分な浮上量が得られアースブラシが不要で薄型
の動圧型流体軸受装置が得られる。
散がなく、ラジアル軸受潤滑剤のスラスト部への混入が
なく、充分な浮上量が得られアースブラシが不要で薄型
の動圧型流体軸受装置が得られる。
尚第１図において２個のヘリングボーン溝は、ハブ23
の軸受穴Ａ内周面に設けられても同じである。
の軸受穴Ａ内周面に設けられても同じである。
尚第１図においてスパイラル溝25Aは段付フランジ部
材24の上端面に設けられても同じである。
材24の上端面に設けられても同じである。
尚第１図〜第４図においてテーパ面はテーパ部材25の
内周面に設けられているが、第５図に示すように段付フ
ランジ部材34の上部にテーパ部34として設けてもよい。
一般に軸が回転する軸受ではこの方が確実に遠心力が得
られる。この場合、リング状部材にはテーパ面は不要で
ある。
内周面に設けられているが、第５図に示すように段付フ
ランジ部材34の上部にテーパ部34として設けてもよい。
一般に軸が回転する軸受ではこの方が確実に遠心力が得
られる。この場合、リング状部材にはテーパ面は不要で
ある。
発明の効果 以上述べたように、本発明の第１の発明によれば軸先
端近傍にリング状部材を設け、テーパ部による遠心力効
果により、高速回転でも安定してスラスト潤滑剤が保持
し潤滑剤切れのない動圧型流体軸受装置が構成できる。
端近傍にリング状部材を設け、テーパ部による遠心力効
果により、高速回転でも安定してスラスト潤滑剤が保持
し潤滑剤切れのない動圧型流体軸受装置が構成できる。
また本発明の第２の発明によれば、段付フランジ部材
の先端径を軸径より大とし、低粘度な潤滑剤でも充分大
きい浮上量を得ることができ、コスレのない信頼性の高
い動圧型流体軸受装置を得ることができる。
の先端径を軸径より大とし、低粘度な潤滑剤でも充分大
きい浮上量を得ることができ、コスレのない信頼性の高
い動圧型流体軸受装置を得ることができる。
第１図は本発明の一実施例の動圧型流体軸受装置の断面
図、第２図は第１図のスラスト軸受部材の詳細図、第３
図は第１図のスラスト軸受部の詳細図、第４図は同解説
図、第５図は第３図の変形応用例の説明図、第６図は従
来の動圧型流体軸受装置の断面図、第７図は第５図のス
ラスト軸受部材の説明図、第８図および第９図は第１図
のスラスト軸受部の詳細図である。 22……軸、23……ハブ（回転部材）、24……段付フラン
ジ部材、24A……円筒部、24B……フランジ部、25……ス
ラスト軸受部材、26……リング状部材、29……スラスト
潤滑剤、30……ラジアル潤滑剤。
図、第２図は第１図のスラスト軸受部材の詳細図、第３
図は第１図のスラスト軸受部の詳細図、第４図は同解説
図、第５図は第３図の変形応用例の説明図、第６図は従
来の動圧型流体軸受装置の断面図、第７図は第５図のス
ラスト軸受部材の説明図、第８図および第９図は第１図
のスラスト軸受部の詳細図である。 22……軸、23……ハブ（回転部材）、24……段付フラン
ジ部材、24A……円筒部、24B……フランジ部、25……ス
ラスト軸受部材、26……リング状部材、29……スラスト
潤滑剤、30……ラジアル潤滑剤。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−241519（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−94215（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−113817（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−126412（ＪＰ，Ｕ)
Claims (2)
- 【請求項１】軸と、前記軸の先端近傍の外周面に対向す
る内周面を有するリング状部材と、前記軸の先端面と対
向するスラスト軸受部材を有し、前記スラスト軸受部材
の端面および前記リング状部材の内周面と前記軸の先端
近傍の外表面とが対向する隙間に潤滑剤を有し、前記リ
ング状部材の内部面と前記軸の先端近傍の外周面のいず
れか一方又はその両方が、前記スラスト軸受部材に近付
くほど径が大きくなる方向のテーパを有する円錐面であ
ることを特徴とする動圧型流体軸受装置。 - 【請求項２】先端に段付フランジ部を有する軸と、前記
段付フランジ部の先端面に対向するスラスト軸受部材
と、前記軸と同軸であり前記段付フランジ部と前記スラ
スト軸受部材の間に位置するリング状部材と前記スラス
ト軸受部材およびリング状部材と、前記スラスト軸受部
材およびリング状部材と一体に回転する回転部材とを有
し、前記スラスト軸受部材と前記段付フランジ部材の端
面の間隙には潤滑剤が保持され、前記段付フランジ部材
の端面の直径は、前記軸の外径よりも大であることを特
徴とする動圧型流体軸受装置。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62277613A JP2506836B2 (ja) | 1987-11-02 | 1987-11-02 | 動圧型流体軸受装置 |
| US07/264,883 US4892418A (en) | 1987-11-02 | 1988-10-31 | Hydrodynamic bearing device |
| KR1019880014308A KR910010155B1 (ko) | 1987-11-02 | 1988-11-01 | 동압형 유체 베어링장치 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62277613A JP2506836B2 (ja) | 1987-11-02 | 1987-11-02 | 動圧型流体軸受装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01120418A JPH01120418A (ja) | 1989-05-12 |
| JP2506836B2 true JP2506836B2 (ja) | 1996-06-12 |
Family
ID=17585859
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62277613A Expired - Fee Related JP2506836B2 (ja) | 1987-11-02 | 1987-11-02 | 動圧型流体軸受装置 |
Country Status (3)
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| US (1) | US4892418A (ja) |
| JP (1) | JP2506836B2 (ja) |
| KR (1) | KR910010155B1 (ja) |
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| JPH03113789A (ja) * | 1989-09-22 | 1991-05-15 | Asahi Optical Co Ltd | ディスク駆動装置 |
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1987
- 1987-11-02 JP JP62277613A patent/JP2506836B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1988
- 1988-10-31 US US07/264,883 patent/US4892418A/en not_active Expired - Lifetime
- 1988-11-01 KR KR1019880014308A patent/KR910010155B1/ko not_active IP Right Cessation
Also Published As
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| JPH01120418A (ja) | 1989-05-12 |
| KR910010155B1 (ko) | 1991-12-17 |
| US4892418A (en) | 1990-01-09 |
| KR890008472A (ko) | 1989-07-10 |
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |