JP2501853Y2 - スロ―アウエイ式正面フライス - Google Patents

スロ―アウエイ式正面フライス

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JP2501853Y2
JP2501853Y2 JP1988028392U JP2839288U JP2501853Y2 JP 2501853 Y2 JP2501853 Y2 JP 2501853Y2 JP 1988028392 U JP1988028392 U JP 1988028392U JP 2839288 U JP2839288 U JP 2839288U JP 2501853 Y2 JP2501853 Y2 JP 2501853Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は平面切削のみならず凹部加工等の切削を円
滑に行うことができ、しかもスローアウエイチツプの経
済性を向上させることができるスローアウエイ式正面フ
ライスに関する。
「従来の技術」 第16図は四角形板状のスローアウエイチツプ(以下、
チップと略称する)が着脱自在に装着された一般的なス
ローアウエイ式正面フライス(以下、正面フライスと略
称する)の一例を示すものであり、図中符号1は工具本
体を示す。この工具本体1はフライス盤等の主軸に取り
付けられ、回転軸O回りに回転する円柱状をなす取付部
2と、この取付部2の先端部に形成された頭部3とから
構成されている。この頭部3は厚肉円板状のものであ
り、その先端外周部には四角形板状をなすチツプ4が着
脱自在に装着されている。
このチツプ4の主切刃5は工具本体1の先端側に向か
うにしたがって漸次工具本体1の回転軸Oに接近するよ
うに回転軸Oに対して45°傾斜しており、いわゆるコー
ナ角が45°とされている。
「考案が解決しようとする課題」 ところで、上記のような正面フライスで平面切削を行
う場合、フライス盤等の使用機械のパワー、被削材の硬
度、および切削熱による被削材の歪等の制約のために、
主切刃5の全長の1/2〜1/3程度しか使用できないのが現
状である。したがって、廃棄処分される使用済のチツプ
4の主切刃5には未使用の部分が残っており、このため
非常に不経済であるという問題があった。
また、上記制約を解消することができたとしても、主
切刃5の全長で切削すると主切刃5の端部に欠けが生じ
易いという問題もあった。
ところで、切削加工に用いられるチップとしては、上
述のような四角形平板状のものの他に、例えば特開昭48
−65578号公報に記載されているような八角形平板状の
ものがある。しかしながら、この公報においては、かか
る八角形のチップに関しては、これをバイトのような旋
削工具に用いることが記載されているだけであって、上
述のような正面フライスに装着することについては説明
されておらず、ましてや正面フライスにどのように装着
すれば最も効率的にチップを使用できるかについては示
唆すらなされていない。
そこで、この考案は、このような八角形のチップを用
いて上記問題点を解決するためになされたもので、切刃
に欠けを生じさせることなくその全長を使用することが
でき、したがって、チップを極めて経済的に使用するこ
とができる正面フライスを提供することを目的としてい
る。
「課題を解決するための手段」 この考案の正面フライスは、回転軸回りに回転する工
具本体の先端外周部にチップ取付座を設け、各チップ取
付座にチップを着脱自在に装着してなる正面フライスに
おいて、上記チップを、略正八角形板状のポジチップと
するとともに、そのすくい面とされる正八角形をなす一
方の面の各稜線部に切刃を形成し、かつ、この一方の面
を工具回転方向側に向けて、上記切刃のうち一の切刃が
工具本体の先端外周側に位置して先端側に向かうに従い
内周側に向かって傾斜するように、またこの一の切刃の
基端側に隣接して工具外周側に位置する他の一の切刃が
工具回転方向側からみて上記回転軸に略平行となるよう
に、さらに上記一の切刃と、この一の切刃の内周側に連
なり上記工具本体の先端側に位置する切刃と、この先端
側に位置する切刃のさらに内周側に連なり、上記工具本
体の先端内周側に位置して工具先端側に向かうに従い外
周側に向けて傾斜する切刃との上記回転軸回りの回転軌
跡が、上記工具本体の先端部の回転軌跡を包含するよう
に配置したものである。
上記チップは、互いに隣合う切刃どうしの間に副切刃
やコーナー刃を形成することで厳密な正八角形とならな
くても良い。また、上記他の一の切刃が回転軸を含む平
面に対し−5°〜+5°の角度をなすように位置させ、
基端側に位置する切刃に連続する側面をチップ取付座の
壁部に当接させるとともに、この壁部を少なくとも基端
側の切刃の外周側端縁から外周側の部分が工具本体の基
端側に向けて開放されるように形成しても良い。
「作用」 この考案の正面フライスでは、チップが略正八角形板
状であるから、チップの大きさに比して切刃の長さが短
く、このような切刃のうち一の切刃が工具本体の先端外
周側に位置して先端側に向かうに従い内周側に向かって
傾斜するように、またこの一の切刃の基端側に隣接して
工具外周側に位置する他の一の切刃が工具回転方向側か
らみて記回転軸に略平行となるように配置されているか
ら、上記一の切刃によりその全切刃長さを用いて切削加
工を行っても、切削抵抗による負荷は従来のチップの全
切刃長の一部を使用する場合と同程度で済む。しかも、
切刃どうしは互いに鈍角に交叉するからその交叉部に欠
けが発性しにくく、したがって、工作機械や被削材等の
使用条件が従来と同じであっても、切刃の全長を用いた
切削加工を何ら支障なく行うことができる。一方、従来
のチップにおいてその全切刃長を使用するような切り込
み量の切削加工に対しては、上記一の切刃とこれに隣接
する上記他の一の切刃とを用いることで対応することが
できる。
このように、上記正面フライスでは、チツプの主切刃
を構成する各切刃のそれぞれの全切刃長を用いて切削す
ることにより、未使用の切刃部分をなくするとともに、
各切刃の摩耗の度合を考慮して、8つの切刃をまんべん
なく使用することができるので非常に経済的である。
さらに、上記チップは、該チップに形成された切刃の
うち、上記一の切刃と、この一の切刃の内周側に連なり
上記工具本体の先端側に位置する切刃と、この先端側に
位置する切刃の内周側に連なり上記工具本体の先端内周
側に位置する切刃との上記回転軸回りの回転軌跡が、上
記工具本体の先端部の回転軌跡を包含するように配置さ
れており、このためこれら3つの切刃によって切削され
る加工面と工具本体の先端部とが干渉することがない。
従って、少なくとも上記工具本体の先端外周側に位置す
る一の切刃による切り込み深さまで、あるいは上記工具
本体の先端内周側に位置する切刃による切り込み深さま
では、工具本体をその回転軸方向に送り出して被削材を
掘り込むような加工を行うことができるので、そこから
工具本体を回転軸と直交する方向に移動することによ
り、従来、エンドミルに頼らざるを得なかった凹部加工
を被削材に施すことが可能となる。
さらに、上記他の一の切刃を工具本体の回転軸を含む
平面に対して−5°〜+5°の角度をなすように位置さ
せた状態で、基端側に位置する切刃に連続する側面が当
接されるチップ取付座の壁部を、少なくとも基端側の切
刃の外周側端縁から外周側の部分が工具本体の基端側へ
向けて開放されるように形成すれば、掘込み加工の際の
切屑の排出スペースを大きく確保することができ、その
排出を円滑に行うことができる。
また、上記スローアウエイチップをポジチップとし、
上記一の切刃のアキシャルレーキ角0〜25°とするとと
もに逃げ角を5〜30°とすることにより、少なくともこ
の一の切刃の切れ味を向上させることができ、切削抵抗
を低減することができる。ここで、上記アキシャルレー
キ角が0°を越えて負角側になると、このような切れ味
向上が図られなくなる。また逆にアキシャルレーキ角が
25°を上回ったり、あるいは逃げ角が30°を上回ったり
すると、十分な刃先角を確保できずに切刃の強度が劣化
してしまい、上述した欠け防止効果が損なわれるおそれ
が生じる。さらに逃げ角が5°を下回ると逃げ面摩耗が
促進され、やはりチップ寿命の短縮を招く結果となる。
「実施例」 第1図ないし第11図はこの考案のスローアウエイ式正
面フライスの一実施例を示すものであり、図中符号10は
工具本体を示す。この工具本体10はフライス盤等の主軸
に取り付けられ、回転軸O回りに回転する円柱状をなす
取付部12と、この取付部12の先端部に形成された頭部13
とから構成されている。この頭部13は厚肉円板状のもの
であり、その先端外周部は先端内周部より一段先端側に
盛り上がった円環堤状に形成されていて、この先端外周
部に第2図に示すように、凹状をなすチツプポケツト14
が周方向に等間隔で3つ形成されている。
各チツプポケツト14の回転方向を向く壁面には凹溝状
をなすチツプ取付座15が形成されており、このチツプ取
付座15には第3図および第4図に示すように、シート部
材16が止めねじ17により固定されている。このシート部
材16の上面にはチツプ20が、その上面21と上記チツプポ
ケツト14の底面に形成された凹部22の壁面23との間に設
けられ、クランプネジ24によって上記凹部22内に締め込
まれるくさび部材25により着脱自在に固定されている。
上記チツプ20は、上下面が互いに平行になされた外観
略八角形板状をなすもので、すくい面とされる上面21と
側面とが互いに鋭角をなして交叉するポジチップとさ
れ、上面21の8つの稜線部に互いに鋭角をなして交叉す
る切刃30a〜30hが形成され、さらに、各切刃30a…どう
しの交叉部に副切刃31が形成されたものである。そし
て、このチップ20は、符号30aで示す一の切刃を工具本
体10の先端外周側に位置させて、そのコーナー角が略45
°となるように先端側に向かうに従い内周側に向かって
傾斜させるとともに、この一の切刃30aの基端側に隣接
して工具外周側に位置する他の一の切刃30bの工具回転
方向側からみて回転軸Oに略平行とさせ、切刃30aを単
独で主切刃とするか、あるいはこれと切刃30bとを合わ
せて主切刃30abとして工具本体10に配置され、内周側に
位置する切刃30fと基端側に位置する切刃30dとに連続す
る側面をチップ取付座15の壁面15aに当接させて位置決
め固定されている。さらに、この状態でチップ20は、第
1図ないし第5図、あるいは第8図に示されるように、
工具本体10の先端外周側に位置する上記一の切刃30a
と、この一の切刃10aの工具内周側に連なり工具本体10
の先端側に位置する切刃30hと、この切刃30hのさらに内
周側に連なり、工具本体10の先端内周側に位置して先端
側に向かうに従い外周側に傾斜する切刃30gとの上記回
転軸O回りの回転軌跡が、工具本体10の堤状に盛り上が
った先端外周部の回転軌跡を包含するように、すなわち
工具本体10の上記先端外周部の回転軌跡よりも切刃30a,
30h,30gの回転軌跡が、それぞれ工具本体10の先端外周
側、先端側、先端内周側に一段拡がるように配置されて
いる。
上記構成の正面フライスにより切刃30aを単独で主切
刃として切削加工を行う場合には、第5図に示すよう
に、工具本体10を回転軸O回りに回転させつつ、被削材
Aにチツプ20の切刃30aをその全切刃長を用いて図中二
点鎖線L1まで切り込み、回転軸Oと直交する方向に移動
させることにより、被削材Aを切除する。また、これ以
上の深い溝を加工する場合には、切刃30aに切刃30bを加
えた主切刃30abを用いて、上記二点鎖線L1までの切込み
に次いで工具本体10をさらに切刃30bの全切刃長分だけ
下方に図中二点鎖線L2まで切り込み、回転軸Oと直交す
る方向に移動させることにより、切刃30a,30b、副切刃3
1によりさらに被削材Aを切削する。そして、上記工程
を所定回数繰り返すことにより、所望の深さの溝Mを形
成する。
上記正面フライスにあっては、チップ20が略八角形板
状をなし、チップ20の大きさに比して切刃30a…の長さ
が短いから、上記のように切刃30aの全長を用いた平面
切削を行っても、切削抵抗による負荷は従来のチップの
全切刃長の一部を用いる場合と同程度で済む。しかも、
各切刃30a…が互いに鋭角をなして交叉しているから、
切刃30a…の端部に欠けが生じにくい。したがって、工
作機械や被削材等の条件が従来と同じであっても、切刃
30aの全長を用いた切削加工を何ら支障なく行うことが
できる。これによって、未使用の切刃部分をなくするこ
とができるとともに、各切刃30a〜30hの摩耗の度合を考
慮して、チツプ20を適宜回転させることにより、8つの
切刃30a〜30hをまんべんなく使用することができるの
で、非常に経済的である。
しかも、チップ20が略正八角形状であるので、チップ
20を回転させて装着したときの姿勢および位置を一定と
することができ、これによって主切刃とされる切刃30a
…の位置およびそのアキシャルレーキ角やラジアルレー
キ角を一定とすることができる。
さらに、上記スローアウエイ式正面フライスでは、第
7図に示すように、装着されるチツプ20を従来の四角形
状のチツプ4の内接円に外接するような八角形状に形成
すれば、チツプ4の一辺に対応する切り込み量と同じ切
り込み量lを、チツプ20の互いに隣接する二辺を用いる
ことにより実現することができる。このため、上記一の
切刃30aとこれに隣接する他の一の切刃30bとを主切刃30
abとして用いることにより、このような深い切込み量に
も十分に対応することが可能となる。また、これに加え
てチップ20を略正八角形状に形成することにより、図中
斜線で示す部分が不必要となるので、チツプ20の材料費
を軽減することができる。
また、上記正面フライスでは、切刃30aに作用する切
削抵抗によってチップ20がチップ取付座15の壁面15a・1
5aによって強く締め付けられるので、チップ20のクラン
プ強度がより高くなる。
加えて、上記正面フライスでは、工具本体10の先端外
周側に位置する上記一の切刃30aと、その内周側に連な
り工具先端側に位置する切刃30hと、そのさらに内周側
に連なり、工具本体10の先端内周側に位置して先端側に
向かうに従い外周側に傾斜する切刃30gとの回転軸O回
りの回転軌跡が、工具本体10の先端外周部の回転軌跡を
包含するようになされており、しかもチップ30がポジチ
ップとされているから、切刃30gの逃げ面に正の逃げ角
を設けることによって、エンドミルにおけるような凹部
の掘込み加工も行うことができる。
すなわち、まず、第8図(イ)に示すように、工具本
体10を回転させつつ回転軸O方向へ送り、チツプ20の切
刃30a,30g,30hを用いて被削材Aにリング状の溝Mを掘
り込む。次に、工具本体10を回転軸Oと直交する方向へ
移動させることにより、切刃30gで図中斜線で示す中央
部Cを除去し、被削材Aの表面に第9図に示すような長
円状の凹部Bを形成することができる。ここで、上記正
面フライスでは、上述のように切刃30a,30h,30gの回転
軌跡が工具本体10先端部の回転軌跡を包含するようにな
されており、このため上記溝Mの掘り込みや中央部Cの
除去に際して、第8図(イ)に示すように、これら3つ
の切刃30a,30h,30gによって切削される被削材Aの加工
面と工具本体10の先端部とが干渉することがない。従っ
て、このように、上記正面フライスでは、従来、エンド
ミルに頼らざるを得なかった凹部加工も何ら支障なく行
うことができ、マシニングセンタ等の工具にも適用する
ことができる。
ところで、上記正面フライスにおいては、工具本体10
を回転軸O方向へ送って掘り込む加工を行う場合の切屑
の処理が問題となる。つまり、工具本体10を回転軸Oと
直交する方向へ送る場合には断続切削となるから、チッ
プポケット14に収納された切屑は工具本体10が一回転す
る毎に外部に排出されるが、掘込み加工の場合には連続
加工となり、しかも、切刃30a,30h,30gの全体によって
幅の広い大きな切屑が生成される。このため、特に、第
5図に示すような深い溝を加工する場合には切屑の逃げ
場が上方にしかなく、チップ取付材15の壁部が切屑の流
出を阻害して切屑詰まりを発生することが懸念される。
そこで、工具本体10の外周側に位置する上記他の一の
切刃30bを工具本体の回転軸を含む平面に対して−5°
〜+5°の角度をなすように位置させた状態で、基端側
に位置する切刃30dが当接されるチップ取付座15の壁部
を、少なくとも切刃30dの外周側端縁Pから外周側の部
分が工具本体10の基端側へ向けて開放されるように形成
すれば、切屑がチップ取付座15の外周端縁に引っ掛かる
ようなことがなく、しかも、切屑の排出スペースが大き
いから、基端側へ向けて円滑に排出することができる
(第8図(ロ)参照)。なお、この場合、チップ取付座
15の壁部の外周端縁の位置を切刃30dの外周端縁Pの位
置と一致させても良い。
さらに、切刃30bを回転軸Oを含む平面に対して平行
に位置させることによって、掘込み加工において工具本
体10を回転軸O方向へ送る際に、切刃30bがいわゆるさ
らに刃の役割を果たすから、凹部の側壁を平滑に仕上げ
ることができる。
一方、チップ20を、そのすくい面となる上面21と側面
とが鋭角をなして交叉するポジチップとし、かつ、主切
刃となる上記一の切刃30aのアキシャルレーキ角を0〜2
5°とするとともに逃げ角を5〜30°として配置すれ
ば、切刃30aまたは主切刃30abの切れ味を向上させるこ
とができ、切削抵抗の低減を図ることができる。この場
合、上記アキシャルレーキ角が0°を越えて負角側にな
ると、このような切れ味向上が図られなくなり、また逆
にアキシャルレーキ角が25°を上回ったり、あるいは逃
げ角が30°を上回ったりすると、十分な刃先角を確保で
きずに切刃の強度が劣化してしまって上述したチップ20
の欠け防止効果が損なわれるおそれが生じる。さらに逃
げ角が5°を下回ると逃げ面摩耗が促進され、やはりチ
ップ寿命の短縮を招く結果となる。この場合、切刃30c
の逃げ角も正となるので、第11図に示すように、被削材
Aの裏面の面取加工も行うことかできる。
「他の実施例」 第12図ないし第15図はこの考案のスローアウエイ式正
面フライスの他の実施例を示すものであり、第1図ない
し第4図に示したものと同一の部分には同一符号を付し
てその説明を省略する。
第12図ないし第15図に示すスローアウエイ式正面フラ
イスが第1図ないし第4図に示すものと異なる点はチツ
プ20の取付構造である。
すなわち、頭部13の外周部に形成された凹溝状をなす
チツプ取付座40には、チツプ20が取付ねじ41により着脱
自在に固定されている。この固定状態を詳しく説明する
と、第15図に示すように、チツプ20の中央部には貫通孔
42が形成されており、この貫通孔42の上部には上方に向
かうにしたがって漸次拡径するテーパ部43が形成されて
いる。
一方、取付座40には円形状をなす座ぐり部44が形成さ
れており、この座ぐり部44の奥には雌ねじ部45が形成さ
れている。
また、上記取付ねじ41は、頭部46に上記テーパ部43に
係合する係合部47が形成され、この係合部47の下端部に
上記座ぐり部44に係合する円柱部48が形成され、さらに
この円柱部48の下端部に上記雌ねじ部45に螺合する雄ね
じ部49が形成されたものである そして、上記チツプ取付座40にはチツプ20がその貫通
孔42のテーパ部43に取付ねじ41の係合部47を係合させる
と共に、円柱部48の下端部を座ぐり部44に係合させ、さ
らに雄ねじ部49を雌ねじ部45に螺合させることにより着
脱自在に固定されている。
上記構成の正面フライスでは、前記実施例と同様の効
果を得ることができるのは勿論であるが、次のような新
たな効果を得ることができる。
すなわち、上記構成の正面フライスでは、隣接する複
数の切刃を主切刃として切削加工を行うことができるか
ら、従来の四角形状のチツプ4が装着されたものに比
べ、切削時にチツプ20に作用する荷重が大きくなりがち
である。このため、切削抵抗が取付ねじ41のその係合部
47を介して伝わり、雄ねじ部49を折曲しようとする。し
かし、この雄ねじ部49の上端部に形成された円柱部48が
チツプ取付座40が形成された座ぐり部44に係合して雄ね
じ部49の折曲を防止しており、チツプ20の着座安定性を
より一層向上させることができる。
「考案の効果」 以上説明したように、この考案のスローアウエイ式正
面フライスによれば、工具本体の先端外周部に装着され
るスローアウェイチップを、略正八角形板状のポジチッ
プとするとともに、そのすくい面とされる正八角形をな
す一方の面の各稜線部に切刃を形成し、かつ、この一方
の面を工具回転方向側に向けて、上記切刃のうち一の切
刃が上記工具本体の先端外周側に位置して先端側に向か
うに従い内周側に向かって傾斜するように、またこの一
の切刃の基端側に隣接して工具外周側に位置する他の一
の切刃が工具回転方向側からみて上記回転軸に略平行と
なるように、さらに上記一の切刃と、この一の切刃の内
周側に連なり上記工具本体の先端側に位置する切刃と、
この先端側に位置する切刃の内周側に連なり上記工具本
体の先端内周側に位置して先端側に向かうに従い外周側
に向けて傾斜する切刃との上記回転軸回りの回転軌跡
が、上記工具本体の先端部の回転軌跡を包含するように
配置したものであるから、チップの大きさに比して切刃
の長さが短く、このため、その全切刃長を用いて切削加
工を行っても、切削抵抗による負荷は従来のチップの全
切刃長の一部を使用する場合と同程度で済む。しかも、
切刃どうしが互いに鋭角をなして交叉しているから、そ
れらの交叉部に欠けが生じにくい。したがって、工作機
械や被削材等の条件が同じであっても切刃の全長を用い
た切削加工を何ら支障なく行うことができ、未使用の切
刃部分をなくすとともに、各切刃の摩耗の度合を考慮し
て、チツプを適宜回転させることにより、8つの切刃を
まんべんなく使用することができるので、非常に経済的
であるという優れた効果を得ることができる。
その一方で、従来のチップの全切刃長を使用するよう
な深い切り込み量の切削加工に対しても、上記一の切刃
に加えて他の一の切刃をも主切刃として使用することに
より、対応することが可能である。
また、工具本体の先端外周側、先端側、先端内周側に
位置する切刃の回転軌跡が、工具本体先端部の回転軌跡
を包含するようになされているので、これらの切刃によ
って切削される加工面に工具本体が干渉することがな
く、このため平面切削のみならず凹部加工等のあらゆる
種類の加工を行うことができ、さらにマシニングセンタ
の工具等にも応用できる。
さらに、工具本体の外周側に位置する上記他の一の切
刃を工具本体の回転軸を含む平面に対して−5°〜+5
°の角度をなすように位置させた状態で、基端側に位置
する切刃に連続する側面が当接されるチップ取付座の壁
部を、少なくとも基端側の切刃の外周側端縁から外周側
の部分が工具本体の基端側へ向けて開放されるように形
成すれば、掘込み加工の際の切屑の排出スペースを大き
く確保することができ、その排出を円滑に行うことがで
きる。
また、上記スローアウエイチップをポジチップとし、
かつ、上記一の切刃のアキシャルレーキ角を0〜25°と
するとともに逃げ角を5〜30°として配置することによ
り、主切刃の切れ味を向上させることができ、切削抵抗
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第11図はこの考案の正面フライスの一実施
例を示すものであり、第1図は正面フライスの側面図、
第2図は同平面図、第3図は第1図におけるIII矢視
図、第4図は第3図におけるIV矢視図、第5図は正面フ
ライスを用いて被削材を切削している状態を示す側断面
図、第6図は切削加工された被削材の平面図、第7図は
チツプの平面図、第8図(イ)は正面フライスを用いて
被削材を切削している状態を示す側断面図、第8図
(ロ)は上記正面フライスの変更例を示す側断面図、第
9図は切削加工された被削材の平面図、第10図は第8図
(ロ)のX方向矢視図、第11図は被削材を切削している
状態を示す側断面図、第12図ないし第15図はこの考案の
他の実施例を示すものであり、第12図は正面フライスの
側面図、第13図は同平面図、第14図は第12図におけるXI
V方向矢視図、第15図はチツプの取付構造を示す側断面
図、第16図は従来の正面フライスの一例を示す側面図で
ある。 10……工具本体、15……チップ取付座、15a……壁面、2
0……スローアウエイチップ、30a,30b,30f……切刃、30
ab……主切刃。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−85817(JP,A) 特開 昭48−65578(JP,A) 特公 昭56−23723(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸回りに回転する工具本体の先端外周
    部にチップ取付座を設け、各チップ取付座にスローアウ
    ェイチップを着脱自在に装着してなるスローアウェイ式
    正面フライスにおいて、上記スローアウェイチップを、
    略正八角形板状のポジチップとするとともに、そのすく
    い面とされる正八角形をなす一方の面の各稜線部に切刃
    を形成し、かつ、この一方の面を工具回転方向側に向け
    て、上記切刃のうち一の切刃が上記工具本体の先端外周
    側に位置して先端側に向かうに従い内周側に向かって傾
    斜するように、またこの一の切刃の基端部に隣接して工
    具外周側に位置する他の一の切刃が工具回転方向側から
    みて上記回転軸に略平行となるように、さらに上記一の
    切刃と、この一の切刃の内周側に連なり上記工具本体の
    先端側に位置する切刃と、この先端側に位置する切刃の
    内周側に連なり上記工具本体の先端内周側に位置して先
    端側に向かうに従い外周側に向けて傾斜する切刃との上
    記回転軸回りの回転軌跡が、上記工具本体の先端部の回
    転軌跡を包含するように配置したことを特徴とするスロ
    ーアウェイ式正面フライス。
  2. 【請求項2】上記スローアウェイチップを、上記他の一
    の切刃が上記回転軸を含む平面に対し−5°〜+5°の
    角度をなすように位置させ、基端側に位置する切刃に連
    続する側面を上記チップ取付座の壁部に当接させるとと
    もに、この壁部を少なくとも基端側の切刃の外周側端縁
    から外周側の部分が工具本体の基端側に向けて開放され
    るように形成したことを特徴とする請求項1に記載のス
    ローアウェイ式正面フライス。
  3. 【請求項3】上記スローアウェイチップを、上記一の切
    刃のアキシャルレーキ角を0〜25°とするとともに逃げ
    角を5〜30°として配置したことを特徴とする請求項1
    に記載のスローアウェイ式正面フライス。
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