JP2024515243A - ピリジニル置換されたオキソイソインドリン化合物 - Google Patents

ピリジニル置換されたオキソイソインドリン化合物 Download PDF

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    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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Abstract

式(I):TIFF2024515243000053.tif39153[式中、R1、R2、R4、R6、mおよびnは、本開示中で定義される]の化合物またはその塩を開示する。また、Heliosタンパク質を阻害するための当該化合物、および当該化合物を含む医薬組成物の使用方法も開示する。これらの化合物は、ウイルス感染症および増殖性疾患(例えば、がん)の治療に有用である。

Description

(関連出願)
本出願は、2021年4月6日出願の米国仮出願番号第202111016193号および2021年5月17日出願の米国仮出願番号第202111022098号の優先権を主張するものであって、その全てを参照により本明細書に組み込むものである。
(説明)
本発明は、総じてHeliosタンパク質を阻害するピリジニル置換オキソイソインドリン化合物に関する。本発明は、ピリジニル置換オキソイソインドリン化合物、当該化合物を含む組成物、およびそれらの使用方法を提供する。さらに本発明は、増殖性疾患(例えばがん)、およびウイルス感染症の治療に有効な、本発明に記載の少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物に関するものである。
制御性T細胞(Treg)は、激しい免疫応答および炎症反応に対する抑制作用および免疫不応答性を維持することにより、自己寛容および免疫恒常性を維持するために必須の役割を担っている。安定な免疫不応答の抑制作用を示す表現型の維持により、Tregは過剰な免疫応答を抑え、自己免疫疾患を予防または軽減している。ヒトの腫瘍組織内にTregが存在していることは数多く報告されている。研究では、Tregの数と、腫瘍内へのT細胞の浸潤および生存率の間には明らかな負の相関が示され(Curiel et al., 2004, Nat. Med. 10:942-949;Viguier et al., 2004, J Immuno. 1173:1444-1453;Beyer et al., 2006, Blood 108:804-811;Zou et al., 2006, Nat. Rev. Immunol. 6:295-307)、Tregが効果的な抗腫瘍免疫構築を阻害するために潜在的に重要な役割を担っていることが暗に意味される。これまでの証拠では、齧歯動物およびヒトにおいて、Foxp3+CD25+CD4+Tregが優位に腫瘍内に浸潤し、腫瘍細胞に対する免疫応答を見かけ上阻害することが示されている。一度特異的な抗原により活性化されると、Tregはインビトロで抗原非特異的に振る舞い、見過ごすことでキラーT細胞を抑制する(Takahashi et al., 1998, Int Immunol. 10:1969-80;Thornton et al., 1998, J Exp. Med. 188:287-96)。Foxp3+CD25+CD4+Tregは、見かけ上、CD4+ヘルパーT細胞、CD8+T細胞、ナチュラルキラー細胞、およびナチュラルキラーT細胞を含む広範囲の抗腫瘍免疫応答を抑制することができる(Tanaka et al., 2017, Cell Research 27:109-118)。腫瘍内のCD25+CD4+Tregが減少すると、腫瘍部分のサイトカインの環境が変化し、定着腫瘍が退縮する(Yu et al., 2005, J Exp Med. 201:779-91)。さらに、Tregが欠損したCD4+T細胞の移植は、T細胞を含むTregの移植と比較して著しく抗腫瘍免疫応答を増加させる(Antony et al., 2005, J Immunol 174:2591-601)。腫瘍由来の自己抗原または腫瘍関連抗原のいずれかにより活性化された、腫瘍に浸潤したTregは、同様に特異的な抗腫瘍免疫応答を抑制し得る。Tregの分化を制御するために鍵となる因子の活性を調節することが、がんおよびウイルス感染症などの特定の疾患を治療するための有望な戦略であることを意味する。
FoxP3+CD4 Tregは非常に安定である。炎症、感染症または自己免疫性疾患が拡大した後も、その表現型が安定であるかを確かめるため、この遺伝的メカニズムを理解するための研究がなお行われている。Tregの安定な免疫抑制の表現型の維持に関与する転写因子(TF)が、この研究に用いられ得る。TFのイカロスファミリーメンバーであるHelios(IKZF2)遺伝子は、負の選択を受けた胸腺細胞、ならびに抑制性分化系列のCD4およびCD8T細胞により選択的に発現することに基づいて、他のイカロスファミリーメンバーと異なる。Heliosは2つの制御性T細胞系譜、FoxP3+CD4+およびLy49+CD8+Tregにより発現し、これらは自己寛容を維持するために必須の系譜である(Kim et al., 2015, Science 350:334-339;Sebastian et al., 2016, J Immunol 196:144-155)。興味深いことに、最近の研究で、Heliosは定常状態におけるTregの活性には不要であるが、炎症中のFoxP3+CD4 Tregの遺伝子プログラムの制御には、安定な表現型を維持し、抑制機能を強化するために必須であることが示唆された(Thornton et al., 2010, J Immunol. 184:3433-3441;Kim et al., 2015)。Heliosの発現は、Tregが強い炎症反応に対して免疫抑制的かつ免疫不応答性の表現型を維持するために非常に重要であることが示された。IL-2Rα-STAT5経路を活性化することは、Tregが残存し、その安定性を確保するために重要な関連因子であることが示された(Kim et al., 2015)。Heliosは、主要なリンパ球内因性阻害活性を発揮することで、FoxP3のフォークヘッドドメインを有さないScurfyマウスから得た高活性化自己応答性T細胞の存在下、自己免疫疾患を予防するためにFoxP3+ CD4 Tregの表現型の維持において不可欠な役割を担っている。Helios-/-/Scurfy骨髄(BM)(Helios+以外)/+/Scurfy BM細胞で再構成した骨髄キメラは素早く自己免疫を構築した(Kim et al., 2015)。これらの結果により、Heliosは自己応答性T細胞の選択、分化、および機能発現に重要であることが示された。Tregによる免疫抑制は、抗腫瘍免疫応答を妨げ得る。FoxP3+CD4 Treg中のHeliosが選択的に欠損していることにより、Tregが不安定となり、腫瘍内CD4 TregがエフェクターT細胞(Teff)へと変化する。腫瘍内Tregが不安定になると、Tregが変換され、Tregの抑制作用が減少する結果として腫瘍内のTeff細胞数が増加し得る。さらに、Heliosが欠損した腫瘍内Treg中でIL-2応答不良が観測された。これは活性化Tregの数の減少をもたらし、また、腫瘍内Teff活性の増加に寄与し得る。腫瘍細胞および浸潤した免疫細胞間の相互作用は、炎症性メディエーター(TNF-α、IL-6、IL-17、IL-1、およびTGF-βなど)の分泌を促し、局所的炎症環境を形成する(Kim et al., 2015)。
また、Helios欠損Tregの系統的不安定性は、FoxP3発現の低下によっても引き起こされ、その結果炎症性サイトカインが生産され、エフェクターT細胞が得られる。腫瘍組織の微小環境内でのHelios欠損Tregからエフェクター細胞への変化は、Teffの表現型を支配する遺伝子の発現の増加と関連している(Yates et al., 2018, PNAS, 2018, 115:2162-2167)。Helios欠損により不安定な表現型となるのは腫瘍微小環境(TME)内のみで、末梢リンパ器官では起こらない(Nakagawa et al., 2016, PNAS 113:6248-6253)。慢性的炎症TMEでは、TregのHelios欠損により、TFおよびエフェクターサイトカインに関するヘルパーT細胞が増加し、ヘルパーT細胞の分化に関して抑制的な遺伝子プログラムを大幅に軽減し得る。自己抗原に対して高い親和性を有するTregの亜集団において、GITR/PD-1発現の増加および自己抗原に対する応答性の増加が示され、これらのHelios欠損Tregの遺伝子変異が如実に現れている。これらが組み合わさってTME内でTregからTeffに変化が促進され、TregによるT細胞受容体(TCR)への関与および共刺激因子受容体の発現が増加する。これはTreg変換の主な特徴である遺伝子発現の変異は、免疫環境によって異なることを示唆する(Yates et al., 2018)。
FoxP3+CD4 Treg内のHelios発現減少は、メモリーTregを腫瘍抗原特異的な自己応答性T細胞受容体を発現するTeff細胞に変化させ得る。腫瘍増殖による慢性的炎症症状において、変化後のTreg特性は選択的に誘起され得る。Helios欠損Tregは、自己ペプチド/MHCに対する高い親和性に重きを置いたTCRを発現し、これはTME中でのTregの安定した活性化を促進し得る(Yates et al., 2018)。CD4 Treg中のTCRの自己反応性が、従来のT細胞と比較して増加した点から、TME内のTregが介在する抑制効果を抑えることに伴って、Tregの変化は極めて強力なエフェクターCD4 T細胞を生産し得る。また、全身のTreg集団に影響せずに、腫瘍内TregをTeff細胞に選択的に変換する方法であれば、さらに効果的な戦略となる。Tregの量および様々な免疫反応に応答する機能的安定性を維持するために鍵となる因子として、Heliosは、現在の腫瘍免疫治療を強化する戦略と薬理学的に関連し得る。TregからTeffへの変化が炎症性腫瘍微小環境に限られ得るため、Heliosを標的とした抗体または低分子ベースの薬剤は、Treg依存性がんの免疫治療の改善に繋がり得る。重要なのは、Helios欠損Tregの変化が腫瘍の局所的炎症環境内のみで起こることである。この方法は全身のTregの減少に関連した自己免疫性副作用を起こさない可能性がある。それ故、腫瘍内TregのHelios依存性制御を特異的に抑制する戦略は、がんの免疫治療を向上させる重大な裏付けとなる。さらに、Foxp3+Tregの除去は、ワクチンにより誘起された抗腫瘍T細胞応答を強めることも報告されている(Nishikawa et al., 2010, Int. J. Cancer 127:759-767)。これはHeliosレベルの減少が、がんワクチンの効力の強化に有効となり得ることを示唆している。
ウイルス感染中の抗腫瘍免疫治療は、過剰な炎症によって引き起こされたTreg細胞の免疫反応を制限する上、効果的な抗ウイルスT細胞応答を阻害する可能性があり、ウイルスの存続を助長する(Schmitz et al., 2013, PLOS Pathogens 9:e1003362)。マウスにリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスを慢性的に感染させた結果、Foxp3+Tregが著しく増殖した。これは特定の感染媒体が、Tregの活性化および増殖により宿主の免疫応答を回避し得る、潜在的なメカニズムがあることを暗に意味する(Punkosdy et al., 2011, PNAS 108:3677-3682)。慢性ウイルス関連疾患の罹患中は、活性化TregのHeliosレベルが減少することで、治療効果が得られうる。
Heliosタンパク質の阻害剤として有用な化合物が必要とされている。
(本発明の要約)
本発明は、細胞中のHeliosタンパク質レベルおよびHelios活性レベルを低下させ、および/またはHelios発現レベルを抑制するのに有用な、式(I)のピリジニル置換オキソイソインドリン化合物またはその塩を提供する。
また、本発明は、式(I)の化合物および/またはその医薬的に許容される塩;ならびに医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
また、本発明は、Heliosタンパク質の活性が減少することにより疾患または障害を治療する方法を提供し、当該方法は式(I)の化合物および/またはその医薬的に許容される塩を患者に投与することを特徴とする。
また、本発明は、式(I)の化合物および/またはその塩の製造に用いる方法および中間体を提供する。
また、本発明は、治療に用いるための式(I)の化合物および/またはその医薬的に許容される塩を提供する。
また、本発明は、Tregの分化を制御するために、細胞中のHeliosタンパク質レベルおよびHelios活性レベルを減少させ、および/またはHelios発現レベルを抑制する、特定の疾患(がんおよびウイルス感染症など)の治療のための医薬の製造に用いる、式(I)の化合物および/またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
式(I)の化合物および式(I)の化合物を含む組成物は、ウイルス感染症および様々な増殖性疾患(例えばがん)の処置、予防または治療に用いられてもよい。これらの化合物を含む医薬組成物は、様々な処置部位における疾患または障害(例えばウイルス感染症およびがん)の進行の治療、予防または抑制に有用である。
本発明の上記およびその他の特徴は、開示に伴い範囲を広げて記載される。
出願人は、Heliosタンパク質およびそれに対応するE3ユビキチンリガーゼ複合体(Cullin4-Cereblon、CUL4-CRBN)の相互作用を促進することにより、Heliosタンパク質を阻害する、置換オキソイソインドリン化合物を発見した。これらの化合物は、Tregの分化を制御するために、細胞中のHeliosタンパク質レベルおよびHelios活性レベルを減少させ、および/またはHelios発現レベルを抑制する。これらの化合物は、特定の疾患(がんおよびウイルス感染症など)の治療に有用である。これらの化合物は、望ましい安定性、バイオアベイラビリティ、治療指数、およびそれらのドラッグアビリティに重要な毒性値を有する、有用な医薬を提供する。
本発明の第1態様は、少なくとも1つの式(I):
Figure 2024515243000002

[式中、
R1は、-NH2または-NH(CH3)であり;
各R2は、独立して、F、Cl、-CN、C1-4アルキル、-CH2F、-CHF2、-CF3、-OCH3またはシクロプロピルであり;
各R4は、独立して、F、Cl、-CH3、-CH2F、-CHF2、-CF3または-OCH3であり;
R6は、水素、C1-2アルキルまたはC1-2フルオロアルキルであり;
mは、0、1、2または3であり;および
nは、0、1、2または3であるが;
但し、R6が水素である場合、mは、1、2または3である]
の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R1が、-NH2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R1が-NH(CH3)である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R2が、独立して、F、Cl、-CN、-CH3、-CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH2F、-CHF2、-CF3、-OCH3またはシクロプロピルである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R2が、独立して、F、Cl、-CN、-CH3、-CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH2CH2CH3、-CH2F、-CHF2または-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R2が、独立して、F、Cl、-CN、-CH3、-CH2CH3、-CH2F、-CHF2または-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R2が、独立して、F、Cl、-CN、-CH3または-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R2が、独立して、-CN、-CH3または-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R2が、独立して、F、-CN、-CH3または-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R2が、独立して、F、-CNまたは-CH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、nが、0、1または2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、nが、0または1である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、nが、1または2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、nが、0である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、nが、1である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、nが、2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R2が、独立して、-CN、-CH3または-CF3であり;およびnが、0、1または2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。この態様に含まれるものは、nが1または2である化合物である。
一態様は、各R2が、独立して、-CN、-CH3または-CF3であり;およびnが、0または1である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。この態様に含まれるものは、nが1である化合物である。
一態様は、各R2が、独立して、-CN、-CH3または-CF3であり;およびnが、2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R2が、独立して、-CNまたは-CH3であり;およびnが、1または2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。この態様に含まれるものは、nが1である化合物である。またこの態様に含まれるものは、nが2である化合物である。
一態様は、各R2が、-CH3であり;およびnが、1または2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。この態様に含まれるものは、nが1である化合物である。またこの態様に含まれるものは、nが2である化合物である。
一態様は、各R4が、独立して、F、Cl、-CH3、-CH2F、-CHF2または-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R4が、独立して、F、-CH3、-CH2F、-CHF2または-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R4が、独立して、F、-CH3、-CHF2または-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R4が、独立して、Fまたは-CH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、各R4がF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。この態様に含まれるものは、mが1である化合物である。またこの態様に含まれるものは、mが2である、化合物である。
一態様は、各R4が-CH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。この態様に含まれるものは、mが1である化合物である。またこの態様に含まれるものは、mが2である、化合物である。
一態様は、mが、0、1または2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、mが、0または1である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、mが、1または2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、mが、1、2または3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、mが、1である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、水素であり;およびmが、1、2または3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、水素であり;およびmが、1または2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、水素であり;およびmが、1である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、水素であり;およびmが、2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、水素であり;およびmが、3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、水素であり;mが、1であり;およびR4が、F、Cl、-CH3、-CH2F、-CHF2または-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。この態様に含まれるものは、R4が、F、-CH3、-CHF2または-CF3である、化合物である。またこの態様に含まれるものは、R4が、F、-CH3または-CF3である、化合物である。さらに、この態様に含まれるものは、R4が、Fまたは-CH3である、化合物である。
一態様は、R6が、水素であり;mが、1であり;およびR4が、Fである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、水素であり;mが、1であり;およびR4が、-CH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、水素であり;mが、1または2であり;およびR4が、Fまたは-CH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、C1-2アルキルまたはC1-2フルオロアルキルである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、C1-2アルキル、-CH2F、-CF2H、-CF3または-CH2CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、C1-2アルキル、-CH2F、-CF2Hまたは-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、C1-2アルキルまたは-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、C1-2アルキルである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、-CH3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、-CH2F、-CF2H、-CF3または-CH2CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、-CH2F、-CF2Hまたは-CF3である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、C1-2アルキルまたはC1-2フルオロアルキルであり;およびmが、0である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、C1-2アルキル、-CH2F、-CF2H、-CF3または-CH2CF3であり;およびmが、0である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、C1-2アルキル、-CH2F、-CF2Hまたは-CF3であり;およびmが、0である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、C1-2アルキルまたは-CF3であり;およびmが、0である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、C1-2アルキルであり;およびmが、0である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、-CH3であり;およびmが、0である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、-CH2F、-CF2H、-CF3または-CH2CF3であり;およびmが、0である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R6が、-CH2F、-CF2Hまたは-CF3であり;およびmが、0である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R1が、-NH2または-NH(CH3)であり;各R2が、独立して、-CN、-CH3または-CF3であり;各R4は、独立して、Fまたは-CH3であり;R6が、水素または-CH3であり;mが、0または1であり;および、nが、1または2であるが;但し、R6が水素である場合、mは1である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R1が-NH2であり;各R2が、独立して、-CN、-CH3または-CF3であり;R4が、Fまたは-CH3であり;R6が、水素または-CH3であり;mが、0または1であり;および、nが、1または2であるが;但し、R6が、水素である場合、mは1である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R1が-NH(CH3)であり;各R2が、独立して、-CNまたは-CH3であり;R4が、Fまたは-CH3であり;R6が、水素または-CH3であり;mが、0または1であり;およびnが、1または2であるが;但し、R6が、水素である場合、mは1である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R1が-NH2であり;各R2が、独立して、-CN、-CH3または-CF3であり;各R4が、独立して、Fまたは-CH3であり;R6が、-CH3であり;mが、1であり;および、nは、1または2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。この態様に含まれるものは、各R2が、-CH3である、化合物である。
一態様は、R1が-NH2であり;各R2が、独立して、-CNまたは-CH3であり;R4が、Fまたは-CH3であり;R6が、水素であり;mが、1であり;および、nが、1または2である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、R1が-NH2または-NH(CH3)であり;各R2が、独立して、-CH3であり;R4が、Fであり;R6は、水素または-CH3であり;mが、0または1であり;およびnは、1または2であるが;但し、R6が水素である場合、mは、1である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000003

である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000004

である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000005

である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000006

である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000007
である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000008

である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000009

である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000010

である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000011

である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000012

である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000013

である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000014

である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、以下の構造:
Figure 2024515243000015

である、式(I)の化合物 またはその塩を提供する。
一態様は、下記の化合物:2-アミノ-6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(1);2-アミノ-6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(2);2-アミノ-6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(3);3-(5-(6-アミノ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(4);3-(5-(6-アミノ-4-(トリフルオロエチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(5);3-(4-フルオロ-5-(4-メチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(6);3-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(7);3-((S)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(8);3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(9);2-アミノ-6-((3S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(10);2-アミノ-6-((3R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(11);3-((S)-5-(4,5-ジメチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(12);3-((R)-5-(4,5-ジメチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(13);6-((3S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチル-2-(メチルアミノ)ニコチノニトリル(14);6-((3R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチル-2-(メチルアミノ)ニコチノニトリル(15);3-((S)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(16);3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(17);3-(5-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(18);3-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(19);3-(5-(6-アミノ-3-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(20);3-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(21-22);2-アミノ-6-((3R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(23);3-((R)-5-(6-アミノ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(24);3-((R)-5-(6-アミノ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(25);3-((R)-5-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(26);3-((R)-5-(6-アミノピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(27);(R)-3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン28);3-((R)-5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(29);または3-((S)-5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(30)である、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、化合物が、3-((R)-5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
一態様は、化合物が、3-((S)-5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである、式(I)の化合物またはその塩を提供する。
本発明は、その本質、または不可欠な特性から離れることなく、その他の特定の形態で実施されてもよい。本発明は、本明細書に記載の本発明の態様および/または実施態様のあらゆる組み合わせを包含する。本発明のありとあらゆる実施態様は、更なる実施態様を説明するために、いずれの他の実施態様と組み合わせてもよいことが理解される。また、実施形態の個々の要素は、更なる実施態様を説明するために、あらゆる実施態様からのありとあらゆる他の要素と組み合わされることを意味することが理解される。
本発明の特徴および有用性は、以下の詳細な記載を読むことで、当業者にさらに容易に理解され得る。明瞭にするために、別の実施態様の文脈の前後に記載される本発明のある特徴を、組み合わせて1つの実施態様を形成してもよいと理解される。逆にまた、簡潔にするために単一の実施態様の文脈に記載される本発明の種々の特徴を、組み合わせてそのサブコンビネーションを形成してもよい。ここで例示または好適として特定される実施態様は、実例を意図とするものであり、制限を目的とするものではない。
本明細書において特に断りが無い限り、単数形で表される語句は複数も含み得る。例えば、「a」および「an」は「1」、または「1以上」のいずれを指してもよい。
本明細書で用いるフレーズ「化合物および/またはその塩」は、少なくとも1つの化合物、少なくとも1つの化合物の塩、またはその組み合せをいう。例えば、式(I)の化合物および/またはその塩は、1つの式(I)の化合物;2つの式(I)の化合物;1つの式(I)の化合物の塩;1つの式(I)の化合物および1つ以上の式(I)の化合物の塩;および2つ以上の式(I)の化合物の塩を含む。
特に断りが無い限り、原子価が満たされていないいずれの原子にも、原子価を満たすために十分な水素原子が含まれると見なされる。
本明細書に記載の定義は、引用により本願明細書に組み込まれたあらゆる特許、特許出願および/または特許出願公報に記載の定義に優先する。
本発明を記載するのに使用される種々の用語の定義が以下に列挙される。これらの定義は、(特定の場合で限定されない限り)個々に、またはより大きなグループの一部として、明細書を通して使用される用語に適用される。
本明細書を通して、その基および置換基は、安定した部分および化合物を提供するように当業者により選択され得る。
当該分野にて使用される慣習に従って、
Figure 2024515243000016
は、部分または置換基のコアまたは骨格構造への結合点である結合を表すために、本願明細書の構造式にて使用される。
本明細書で用いる用語「ハロ」および「ハロゲン」は、F、Cl、Br、およびIをいう。
用語「シアノ」とは基-CNをいう。
用語「アミノ」とは基-NH2をいう。
用語「オキソ」とは基=Oをいう。
本明細書で使用される用語「アルキル」とは、例えば、1~12個の炭素原子、1~6個の炭素原子および1~4個の炭素原子を有する、分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基をいう。アルキル基の例は、以下に限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピルおよびi-プロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、およびt-ブチル)、およびペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、2-エチルブチル、3-メチルペンチル、および4-メチルペンチルが挙げられる。記号「C」の後に数字が下付きで示される場合、その下付き文字は特定の基が含有し得る炭素原子の数をより具体的に限定する。例えば、「C1-4アルキル」は、1~4個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖のアルキル基を意味する。
本明細書で使用される用語「フルオロアルキル」とは、1つ以上のフッ素原子で置換された、分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包むことを意図する。例えば、「C1-4フルオロアルキル」とは、1つ以上のフッ素原子で置換された、C1、C2、C3、およびC4アルキル基を包むことを意味する。フルオロアルキル基の代表例は、以下に限定されないが、-CF3および-CH2CF3が挙げられる。
本発明は、本発明の化合物に含まれる原子の全ての同位体を含有することを意図する。同位体には、原子番号が同一であるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、以下に限らないが、水素の同位体にはジュウテリウム(D)およびトリチウム(T)が含まれる。炭素の同位体には13Cおよび14Cが含まれる。同位体で標識された本発明の化合物は、一般に当業者に公知の従来の技法、または本明細書に記載されているものと類似の方法により、他で用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて製造することが出来る。
本明細書で使用されるフレーズ「医薬的に許容される」とは、通常の医学的判断の範囲内において、ヒトおよび動物の組織と過度な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題、もしくは合併症を起こすことなく接触させるのに適しており、合理的なベネフィット/リスク比をもたらす、化合物、物質、組成物、および/または投与剤形のことを示す。
式(I)の化合物は塩を形成し得て、その塩もまた本発明の範囲である。特に断りが無い限り、発明に関する化合物への言及はその1つ以上の塩への言及を含むと理解される。用語「塩」は、無機および/または有機の酸および塩基により形成される酸塩および/または塩基塩を表す。さらに、用語「塩」には、例えば式(I)の化合物が、塩基性部分(例えばアミンまたはピリジンまたはイミダゾール環)および酸性部分(例えばカルボン酸)の両方を有する場合には、双性イオン(分子内塩)が含まれ得る。医薬的に許容される(すなわち、無毒かつ生理学的に許容される)塩とは、例えば、カチオンが塩の毒性または生物活性に有意に寄与しないような許容される金属塩およびアミン塩が好ましい。しかしながら、その他の塩も、例えば、製造過程で使用され得る単離または精製のステップにおいて有用な場合もあり、それ故、その他の塩も本発明の範囲であると考えられる。式(I)の化合物の塩は、例えば、式(I)の化合物を一定量の酸または塩基(例えば1当量)と反応させることで、溶媒中、例えば塩を沈殿させるか、または水溶液を次いで凍結乾燥させることにより形成してもよい。
酸付加塩の例として、酢酸塩(例えば、酢酸またはトリハロ酢酸(例えば、トリフルオロ酢酸)から製造される酢酸塩)、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタノエート、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩(塩酸から調製)、臭化水素酸塩(臭化水素から調製)、ヨウ化水素酸塩、マレイン酸塩(マレイン酸から調製)、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩(メタンスルホン酸から調製)、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩(例えば硫酸から調製)、スルホン酸塩(例えば本明細書に記載のもの)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(例えばトシレート)、ウンデカン酸塩などが挙げられる。
塩基塩の例として、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム、リチウム、およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)、バリウム、亜鉛、およびアルミニウム塩、有機塩基塩、例えば、有機アミン(例えばトリアルキルアミン(例えば、トリエチルアミン)、プロカイン、ジベンジルアミン、N-ベンジル-β-フェネチルアミン、1-エフェナミン、N,N'-ジベンジルエチレン-ジアミン、デヒドロアビエチルアミン、N-エチルピペリジン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン)、または類似の医薬的に許容されるアミン、およびアミノ酸塩(例えば、アルギニン、リシン)などが挙げられる。塩基性含窒素基は、試薬(例えば低級アルキルハライド(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチルクロライド、ブロマイドおよびアイオダイド)、ジアルキル硫酸塩(例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、長鎖ハライド(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、アラルキルハライド(例えば、ベンジルおよびフェネチルの臭化物)、およびその他の基)により四級化されていてもよい。
式(I)の化合物は、非晶質固体または結晶固体として提供され得る。式(I)の化合物は、凍結乾燥により固体として提供され得る。
さらに、式(I)の化合物の溶媒和物(例えば、水和物)も本発明の範囲であると考えられるべきである。用語「溶媒和物」とは、式(I)の化合物と1つまたはそれ以上の有機または無機溶媒分子との物理的結合を意味する。この物理的結合は水素結合を含む。場合によっては、例えば1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合に、溶媒和物を単離することが可能である。「溶媒和物」は溶液相および分離可能な溶媒和物の両方を含む。溶媒和物の例として、水和物、エタノレート、メタノレート、イソプロパノレート、アセトニトリル溶媒和物、および酢酸エチル溶媒和物が挙げられる。溶媒和の方法は当該分野にて公知である。
プロドラッグの様々な形態は当該分野にて周知であり、Rautio, J. et al., Nature Review Drug Discovery, 17, 559-587 (2018)に記載されている。
加えて、式(I)の化合物は、調製された後、単離され、精製され、式(I)の化合物を99%以上の量で含有する(「実質的に純粋な」)組成物として得られ、次にそれを本明細書に記載されるように使用または製剤化される。かかる「実質的に純粋な」式(I)の化合物もまた、ここで本発明の一部であると考えられる。
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度にまで単離しても、効果的な治療剤に製剤化しても分解しない、十分に強固な化合物であることを意図とする。本発明は安定な化合物を具現化するものとする。
用語「Helios阻害剤」は、Tregの分化を調整するために、細胞中のHeliosタンパク質レベルおよびHelios活性レベルを下げ、および/またはHelios発現レベルを抑制する薬剤をいう。Helios阻害剤は、可逆性または不可逆性の阻害剤であり得る。
本明細書で用いる、「Helios」タンパク質は、ジンクフィンガータンパク質のイカロス(Ikaros)ファミリーメンバーであるタンパク質をいう。ヒトでは、HeliosはIKZF2遺伝子によってコードされる。また、Heliosは、イカロスファミリージンクフィンガー2、ANF1A2、ZNF1A2、ZNFN1A2、ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、2、およびイカロスファミリージンクフィンガータンパク質2としても知られる。このタンパク質ファミリーのメンバーには、イカロス、Helios、Aiolos、Eos、およびPegasusが挙げられる。本明細書で用いるHeliosタンパク質は様々なアイソフォームを含み、以下に列記のアイソフォーム1~5を含む。
Figure 2024515243000017
Figure 2024515243000018
Figure 2024515243000019
Figure 2024515243000020
Figure 2024515243000021
上記「Helios」のアイソフォーム1、2、4、6、および7は、デグロンである、FHCNQCGASFTQKGNLLRHIKLH(配列番号:6)(太字下線部分)を含む。デグロンは、タンパク質分解率を調整する役割を果たすタンパク質の一部である。
本明細書で用いる「Eos」タンパク質は、IKZF4遺伝子によってコードされ、また、イカロスファミリージンクフィンガー4、ZNFN1A4、ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、4、イカロスファミリージンクフィンガータンパク質4、およびKIAA1782としても知られている。「Eos」タンパク質には、以下2つのヒトアイソフォーム1(Q9H2S9-1)および2(Q9H2S9-2)によってコードされるアイソフォームが含まれる。
Figure 2024515243000022

Figure 2024515243000023
上記「Eos」タンパク質アイソフォーム1および2は、デグロンである、FHCNQCGASFTQKGNLLRHIKLH(配列番号:6)(太字下線部分)を含み、これは「Helios」タンパク質のデグロンと同一である。
本明細書で用いる「Ikaros」タンパク質は、IKZF1遺伝子によってコードされる。また、イカロス(Ikaros)は、イカロスファミリージンクフィンガー1、ZNFN1A1、ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、1、イカロスファミリージンクフィンガータンパク質1、IK1、リンパ系転写因子LyF-1、Hs.54452、PPP1R92、タンパク質ホスファターゼ1、調節サブユニット92、PRO0758、CVID13、およびCLL関連抗原KW-6としても知られる。イカロスタンパク質は、アミノ酸配列Q13422-1、Q13422-2、Q13422-3、Q13422-4、Q13422-7、およびQ13422-8によってコードされたアイソフォームを含む。また、イカロスタンパク質は、アミノ酸配列Q13422-5およびQ13422-6によってコードされたアイソフォーム含む。
本明細書で用いる「Aiolos」タンパク質は、IKZF3遺伝子によってコードされる。また、Aiolosタンパク質は、イカロスファミリージンクフィンガー3、ZNFN1A3、ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、3、イカロスファミリージンクフィンガータンパク質3、およびAIOとしても知れられる。Aiolosタンパク質はアミノ酸配列Q9UKT9-1、Q9UKT9-3、Q9UKT9-4、Q9UKT9-6、Q9UKT9-7、Q9UKT9-8、Q9UKT9-9、およびQ9UKT9-14によってコードされたアイソフォームを含む。また、Aiolosタンパク質はアミノ酸配列Q9UKT9-2、Q9UKT9-5、Q9UKT9-10、Q9UKT9-11、Q9UKT9-12、およびQ9UKT9-13、Q9UKT9-15、およびQ9UKT9-16によってコードされたアイソフォームも含む。
本明細書で用いる「Pegasus」タンパク質は、イカロスファミリージンクフィンガー5、ZNFN1A5、ジンクフィンガータンパク質、サブファミリー1A、5、およびイカロスファミリージンクフィンガータンパク質5としても知られる。Pegasusは、IKZF5遺伝子によってコードされる。
本明細書で用いる用語「接触」は、インビトロまたはインビボでの指定された部分に引き合わせることをいう。例えば、Heliosタンパク質と式(I)の化合物を「接触」させることには、本発明の化合物をHeliosタンパク質を持つ個体または患者(例えばヒト)に投与すること、ならびに、例えば、細胞を含むサンプルまたはHeliosタンパク質を含む精製物に式(I)の化合物を導入することが含まれる。
本明細書で用いる用語「治療する」および「治療」は、症状、合併症、病状、または疾患に関する生化学的兆候の進行、発症、重症化または再発を好転、軽減、改善、阻害、遅延または抑制する目的で、対象に実施する任意の介入、方法または活性薬の投与をいう。これに対して、「予防」または「防止」は、疾患の発生を防ぐために、罹患していない対象に投与することをいう。「治療する」および「治療」は予防または防止を含まない。
「治療上の有効量」とは、細胞中のHeliosタンパク質レベルおよびHelios活性レベルを下げ、および/またはHelios発現レベルを抑制するのに効果的な、またはウイルス感染症および増殖性疾患(例えばがん)の治療または予防に効果的な、本発明の化合物単体の量、または特許請求の範囲の化合物を組み合わせた量、あるいは本発明の化合物を他の活性成分と組み合わせた量が含まれることを意図する。
本明細書で用いる用語「細胞」は、インビトロ、エクスビボまたはインビボの細胞を指すことを意図する。一部の実施態様において、エクスビボ細胞は、生物(例えば哺乳類)から摘出した組織サンプルの一部であり得る。一部の実施態様において、インビトロ細胞は、細胞培養中の細胞であり得る。一部の実施態様において、インビボ細胞は、生物(例えば哺乳類)中の生きた細胞である。
用語「患者」は、治療または予防的治療のいずれかを受けるヒトおよびその他の哺乳類の対象を含む。
用語「対象」は、ヒトまたはヒト以外の任意の動物を含む。例えば、本明細書で開示の方法および組成物は、がんを患う対象の治療に用いられる。ヒト以外の動物には、あらゆる脊椎動物、例えば、哺乳類および非哺乳類(ヒト以外の霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、トリ、両生類、爬虫類など)が含まれる。ある実施態様において、対象はヒトである。
本明細書で用いるフレーズ「医薬的に許容される担体」とは、医薬的に許容される物質、組成物または、ビークルを意味し、例えば、液体増量剤または固体増量剤、希釈剤、賦形剤、加工助剤(例えば滑沢剤、タルクマグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは亜鉛、またはステアリン酸)、または溶媒封入剤が挙げられ、それらはある臓器、または体の一部から異なる臓器へ、または異なる体の一部への特定の化合物の運搬または送達に関与する。各担体は製剤中の他の成分(すなわち、投与方法および投与形態の性質によるアジュバント、賦形剤またはビークル(例えば希釈剤、防腐剤、増量剤、流動調整剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、風味剤、香料、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および調剤用薬)を含む)と相溶し得るという意味、かつ患者にとって有害でないという意味において「許容され」なければならない。
用語「医薬組成物」は、本発明の化合物と、少なくとも1つの別の医薬的に許容される担体を組み合わせて含む組成物を意味する。
(有用性)
式(I)の化合物は、がんの治療に有用である。
ある実施態様において、本発明は、Heliosタンパク質の活性に関連した複数の疾患または障害の治療および/または予防において、同時、別々または連続で用いる、式(I)の化合物および/またはその医薬的に許容される塩、その立体異性体またはその互変異性体と、別の治療剤との組み合わせ医薬を提供する。当該組み合わせ医薬は、Tregの分化を調整するために細胞中のHeliosタンパク質レベル、Helios活性レベルおよび/またはHelios発現レベルを下げるために用いられる。
式(I)の化合物および少なくとも1つの式(I)の化合物を含む医薬組成物は、Heliosタンパク質の活性と関連する任意の疾患または症状の治療または予防に有用である。その疾患または病状にはウイルス感染症およびその他の感染症(例えば、皮膚感染症、GI感染症、***症、泌尿性器感染症、全身性感染症)、および増殖性疾患(例えばがん)が挙げられる。式(I)の化合物および少なくとも1つの式(I)の化合物を含む医薬組成物を、動物、好ましくは哺乳類(例えば、実験用動物、ネコ、イヌ、ネズミ、ラット)、およびより好ましくはヒトに投与し得る。この化合物または医薬組成物を患者に送達するために、任意の投与方法が用いられ得る。ある実施態様において、式(I)の化合物または少なくとも式(I)の化合物を含む医薬組成物は経口投与される。他の実施態様において、式(I)または少なくとも式(I)の化合物を含む医薬組成物は非経口投与される。
式(I)の化合物は、Treg分化を制御するために、選択的に細胞中のHeliosタンパク質レベルおよびHelios活性レベルを下げ、および/またはHelios発現レベルを抑制し得る。例えば、式(I)の化合物は、Treg分化を制御するために、選択的にHeliosタンパク質レベルおよびHelios活性レベルを下げ、および/またはHelios発現レベルを抑制する必要がある対象または細胞中のHelios活性レベルを下げ、および/またはHelios発現レベルを阻害するために用いられ、式(I)の化合物またはその塩は阻害量投与され得る。
ある態様において、式(I)の化合物は、免疫腫瘍薬剤の投与前に連続的に投与される。別の態様において、式(I)の化合物は免疫腫瘍薬剤と同時に投与される。また別の態様において、式(I)の化合物は、免疫腫瘍薬剤の投与後に続けて投与される。
別の態様において、式(I)の化合物は、免疫腫瘍薬剤と共に製剤化されてもよい。
免疫腫瘍薬剤には、例えば、低分子薬、抗体、またはその他の生物学的分子が含まれる。生物学的免疫腫瘍薬剤の例には、以下に限らないが、がんワクチン、抗体、およびサイトカインが含まれる。ある態様において、抗体とはモノクローナル抗体である。別の態様において、モノクローナル抗体とはヒト化抗体またはヒト抗体である。
ある態様において、免疫腫瘍薬剤とは、T細胞上の(i)(共刺激を含む)刺激受容体のアゴニスト、または(ii)(共阻害性を含む)阻害性シグナルのアンタゴニストであり、両方とも結果として(しばしば免疫チェックポイントレギュレーターとして称される、)抗原特異的T細胞応答を増幅する。
特定の刺激分子および阻害分子は、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)に属す。共刺激受容体、または共抑制性受容体に結合する、膜結合リガンドの、ある重要なファミリーはB7ファミリーであり、これには、B7-1、B7-2、B7-H1(PD-L1)、B7-DC(PD-L2)、B7-H2(ICOS-L)、B7-H3、B7-H4、B7-H5(VISTA)、およびB7-H6が含まれる。共刺激受容体、または共抑制性受容体に結合する、膜結合リガンドの別のファミリーは、同種TNF受容体ファミリーに結合するTNFファミリー分子であり、これにはCD40およびCD40L、OX-40、OX-40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4-1BBL、CD137(4-1BB)、TRAIL/Apo2-L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fn14、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、4月、BCMA、LTβR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TL1A、TRAMP/DR3、EDAR、EDA1、XEDAR、EDA2、TNFR1、リンホトキシンα/TNFβ、TNFR2、TNFα、LTβR、リンホトキシンα1β2、FAS、FASL、RELT、DR6、TROY、NGFRが含まれる。
ある態様において、T細胞応答は、本発明の式(I)の化合物および1つ以上の下記との組み合わせにより刺激され得る。(i)T細胞活性化を阻害するタンパク質のアンタゴニスト(例えば、免疫チェックポイント阻害剤);例えばCTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG-3、TIM-3、ガレクチン9、CEACAM-1、BTLA、CD69、ガレクチン1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM-1、およびTIM-4、および(ii)T細胞活性化を刺激するタンパク質のアゴニスト;例えばB7-1、B7-2、CD28、4-1BB(CD137)、4-1BBL、ICOS、ICOS-L、OX40、OX40L、GITR、GITRL、CD70、CD27、CD40、DR3およびCD28H
がん治療のために、式(I)の化合物と組み合わせられ得る別の薬剤には、NK細胞上の抑制性受容体のアンタゴニスト、またはNK細胞上の活性化受容体のアゴニストが含まれ得る。例えば、式(I)の化合物は、例えばリリルマブといったKIRのアンタゴニストと組み合わされ得る。
組み合わせ治療に用いる、さらに別の薬剤には、マクロファージまたは単球を阻害または激減させる薬剤を含み、以下に限定されないが、CSF-1Rアンタゴニスト、例えばRG7155(WO11/70024、WO11/107553、WO11/131407、WO13/87699、WO13/119716、WO13/132044)またはFPA-008(WO11/140249;WO13169264;WO14/036357)を含むCSF-1Rアンタゴニスト抗体が挙げられる。
別の態様において、式(I)の化合物は、ポジティブな共刺激受容体を結合させるアゴニスティック薬剤、抑制性受容体を介したシグナル伝達を減衰させるブロッキング剤、アンタゴニスト、および抗腫瘍T細胞の頻度を全身的に増加させる1つ以上の薬剤、腫瘍微小環境において、異なる免疫抑制経路を克服する薬剤(例えば、抑制性受容体の関与(例えばPD-L1/PD-1相互作用)のブロック、Treg細胞の激減または阻害(例えば抗CD25モノクローナル抗体(例えばダクリズマブ)の使用、または体外での抗CD25ビーズの枯渇による)、IDOのような代謝酵素の阻害、またはT細胞アナジーまたはT細胞の枯渇の回復/阻止)、および自然免疫活性化および/または腫瘍部分の炎症を引き起こさせる薬剤の1つ以上を用いて使用され得る。
ある態様において、免疫腫瘍薬剤とは、CTLA-4アンタゴニスト、例えばアンタゴニスティックCTLA-4抗体である。適切なCTLA-4抗体には、例えばヤーボイ(イピリムマブ)、またはトレメリムマブが挙げられる。
別の態様において、免疫腫瘍薬剤とは、PD-1アンタゴニスト、例えば、アンタゴニスティックPD-1抗体である。適切なPD-1抗体には、例えば、オプジーボ(ニボルマブ)、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)、またはMEDI-0680(AMP-514;WO2012/145493)が挙げられる。免疫腫瘍薬剤には、PD-1結合への特異性は疑問視されているが、ピディリズマブ(CT-011)もまた挙げられ得る。PD-1受容体をターゲットとした別のアプローチには、IgG1のFc部分を融合させたPD-L2(B7-DC)の細胞外ドメインからなる組み換えタンパク質があり、AMP-224と称される。
別の態様において、免疫腫瘍薬剤は、PD-L1アンタゴニスト、例えばアンタゴニスティックPD-L1抗体が含まれる。適切なPD-L1抗体には、例えば、MPDL3280A(RG7446;WO2010/077634)、デュルバルマブ(MEDI4736)、BMS-936559(WO207/005874)、およびMSB0010718C(WO2013/79174)が挙げられる。
別の態様において、免疫腫瘍薬剤は、LAG-3アンタゴニスト、例えばアンタゴニスティックLAG-3抗体である。適切なLAG3抗体には、例えば、BMS-986016(WO10/19570、WO14/08218)、またはIMP-731またはIMP-321(WO08/132601、WO09/44273)が挙げられる。
別の態様において、免疫腫瘍薬剤は、CD137(4-1BB)アゴニスト、例えばアゴニスティックCD137抗体である。適切なCD137抗体には、例えば、ウレルマブおよびPF-05082566(WO12/32433)が挙げられる。
別の態様において、免疫腫瘍薬剤は、GITRアゴニスト、例えばアゴニスティックGITR抗体である。適切なCD137抗体には、例えばBMS-986153、BMS-986156、TRX-518 (WO06/105021, WO09/009116)およびMK-4166(WO11/028683)が挙げられる。
別の態様において、免疫腫瘍薬剤は、IDOアンタゴニストである。適切なIDOアンタゴニストには、例えば、INCB-024360(WO206/122150、WO07/75598、WO08/36653、WO08/36642)、インドキシモド、またはNLG-919(WO09/73620、WO09/1156652、WO11/56652、WO12/142237)が挙げられる。
別の態様において、免疫腫瘍薬剤は、OX40アゴニスト、例えばアゴニスティックOX40抗体である。適切なOX40抗体には、例えば、MEDI-6383またはMEDI-6469が挙げられる。
別の態様において、免疫腫瘍薬剤は、OX40Lアンタゴニスト、例えばアンタゴニスティックOX40抗体である。適切なOX40Lアンタゴニストには、例えば、RG-7888(WO06/029879)が挙げられる。
別の態様において、免疫腫瘍薬剤は、CD40アゴニスト、例えばアゴニスティックCD40抗体である。さらに別の実施態様において、免疫腫瘍薬剤はCD40アンタゴニスト、例えばアンタゴニスティックCD40抗体である。適切なCD40抗体には、例えば、ルカツムマブまたは、ダセツズマブが挙げられる。
別の態様において、免疫腫瘍薬剤は、CD27アゴニストであり、例えば、アンタゴニスティックCD27抗体である。適当なCD27抗体には、例えばバルリルマブが挙げられる。
別の態様において、(B7H3に対する)免疫腫瘍薬剤は、MGA271(WO11/109400)である。
組み合わせ治療は、逐次的方法でこれらの治療薬の投与を含むことが意図される、即ち各治療薬は種々の異なる時点で投与され、ならびにこれらの治療薬または少なくとも2つの治療薬が、実質的に同時的手法で投与される。実質的な同時投与とは、例えば、各治療薬の比が定まった単一剤形、または各治療薬それぞれの単一剤形を患者に投与することにより達成され得る。各治療薬の連続的または実質的な同時投与とは、例えば、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路および粘膜の膜組織を介する直接吸収などの任意の適切な経路により実施され得るが、これらに限定されるものではない。治療薬は、同一経路または異なる経路により投与され得る。例えば、選択された組み合わせにおける第1治療薬は静脈内注射により投与され得るが、この組み合わせの内の別の治療薬は経口投与されてもよい。あるいは、例えば、全ての治療薬が経口投与されても、または全ての治療薬が静脈注射により投与されてもよい。上記の治療薬の投与を、更に他の生物学的活性成分および非薬物療法(例えば、手術または放射線治療)と合わせて、組み合わせ治療を行なうことも出来る。 この組み合わせ治療が更に非薬剤処置を含む場合、治療薬および非薬剤治療の組み合わせに関する共同作用から生じる有用な効果が達成される限り、非薬剤処置はいずれの適切な時点でも行なうことが出来る。例えば、好適な症例では、この有用な効果は、非薬物処置が、治療薬の投与から一時的に、おそらく数日または数週間、休止される場合であっても達成される。
式(I)の化合物の化合物で治療されてもよいがんのタイプには、以下に限らないが、脳腫瘍、皮膚がん、膀胱がん、卵巣がん、乳がん、胃がん、膵臓がん、前立腺がん、結腸がん、血液がん、肺がんおよび骨がんが挙げられる。そのようながんのタイプの例には、神経芽腫、腸がん(例えば直腸がん、結腸がん、家族性大腸腺腫症および遺伝性非ポリポーシス大腸がん)、食道がん、***がん、喉頭がん、下咽頭がん、舌がん、唾液腺がん、胃がん、腺癌、甲状腺髄様がん、甲状腺乳頭がん、腎臓がん、腎実質がん、卵巣がん、頸がん、子宮体がん、子宮内膜がん、絨毛がん、膵臓がん、前立腺がん、精巣がん、乳がん、泌尿器がん、黒色腫、脳腫瘍(例えば神経膠芽腫、星細胞腫、髄膜腫、髄芽腫および末梢性神経外胚葉性腫瘍)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、成人T細胞白血病リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、肝細胞がん、胆嚢がん、気管支がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、多発性骨髄腫、基底細胞腫、奇形腫、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、精上皮腫、横紋筋肉腫、頭蓋咽頭腫、骨肉腫、軟骨肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、ユーイング肉腫および形質細胞腫。
Heliosタンパク質に関する疾患、障害または病状の治療に、1つ以上の別の医薬品または治療方法(例えば、抗ウイルス薬、化学療法剤またはその他の抗がん剤、免疫エンハンサー、免疫抑制剤、放射線、抗腫瘍および抗ウイルスワクチン、サイトカイン療法(例えば、IL2およびGM-CSF)、および/またはチロシンキナーゼ阻害剤)が、式(I)の化合物と適宜組み合わせて用いられ得る。上記薬剤は、本化合物と単一の投与形態で組み合わせ得るか、または薬剤を同時、または順に異なる投与形態で投与され得る。
適切な化学療法剤またはその他の抗がん剤には、例えばアルキル化剤(以下に限らないが、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホン酸、ニトロソウレア類およびトリアゼンを含む)、例えばウラシルマスタード、クロルメチン、シクロホスファミド(シトキサン(登録商標))、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレン-メラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、およびテモゾロミドが含まれる。
黒色腫の治療において、式(I)の化合物と組み合わせて用いる適切な薬剤には、ダカルバジン(DTIC)が挙げられ、適宜その他の化学療法剤(例えばカルムスチン(BCNU)およびシスプラチン);DTIC、BCNU、シスプラチンおよびタモキシフェンから成る「Dartmouthレジメン」;シスプラチン、ビンブラスチン、およびDTIC、テモゾロミドまたはヤーボイTMの組み合わせ)と共に用いる。また式(I)の化合物は、黒色腫の治療において、免疫療法薬(例えばサイトカイン(インターフェロンα、インターロイキン2、および腫瘍壊死因子(TNF)など))とも組み合わせられ得る。
また式(I)の化合物は、黒色腫の治療において、ワクチン療法とも組み合わせて用いられ得る。抗黒色腫ワクチンは、ウイルスにより引き起こされる疾患(例えばポリオ、麻疹、およびムンプス)を予防するために用いられる抗ウイルスワクチンと幾つかの点で類似している。弱毒化させた黒色腫細胞または抗原と呼ばれる黒色腫細胞の一部を患者に注射して体の免疫系を刺激し、黒色腫細胞を破壊してもよい。
腕または脚に限定された黒色腫もまた、1つ以上の式(I)の化合物を含む薬剤を組み合わせて、温熱灌流療法を用いて処理され得る。この治療プロトコルでは、一時的に疾患部位の四肢の循環系を体の他の循環系から独立させ、該当四肢の動脈に高濃度の化学療法剤を注入することで、内臓に曝せば深刻な副作用を起こし得る高用量を腫瘍部位に投与する。通常、この治療では体液を38.9℃~40℃に加温させる。メルファランがこの化学療法において最も頻繁に用いられる薬である。これには腫瘍壊死因子(TNF)と呼ばれる別の薬剤も用いられ得る。
適切な化学療法剤またはその他の抗がん剤には、例えば、代謝拮抗剤(以下に限らないが葉酸アンタゴニスト、ピリミジン類似体、プリン類似体およびアデノシンデアミナーゼ阻害剤など)、例えばメトトレキサート、5-フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、およびゲムシタビンが挙げられる。
適切な化学療法剤またはその他の抗がん剤にはさらに、例えば、ある自然生成物およびそれらの誘導体(例えば、ビンカアルカロイド、抗腫瘍抗生物質、酵素、リンホカインおよびエピポドフィロトキシン)、例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、シタラビン、パクリタキセル(タキソール)、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシンC、L-アスパラギナーゼ、インターフェロン(特にIFNα)、エトポシド、およびテニポシドが挙げられる。
その他の細胞障害性薬剤には、ナベルビン、CPT-11、アナストロゾール、レトロゾール、カペシタビン、ラロキシフェン、およびドロロキシフェンが含まれる。
また、適切な細胞障害性薬剤には、例えば、エピポドフィロトキシン;抗悪性腫瘍酵素;トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロン;白金配位複合体(例えばシスプラチンおよびカルボプラチン);生物反応修飾物質;成長阻害剤;抗ホルモン治療剤;ロイコボリン;テガフール;および造血成長因子がある。
その他の抗がん剤には、抗体医薬、例えばトラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、共刺激分子に対する抗体(例えばCTLA-4、4-1BBおよびPD-1)、またはサイトカインに対する抗体(IL-1OまたはTGF-β)が挙げられる。
またその他の抗がん剤には、免疫細胞移動を遮断する抗がん剤、例えばケモカイン受容体(例えばCCR2およびCCR4)に対するアンタゴニストも挙げられる。
またその他の抗がん剤には、免疫系を増強させる抗がん剤、例えばアジュバントまたは養子T細胞移植も挙げられる。
抗がんワクチンには、樹状細胞ワクチン、合成ペプチドワクチン、DNAワクチンおよび組み換えウイルスワクチンが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、少なくとも1つのシグナル伝達阻害剤(STI)を適宜含み得る。「シグナル伝達阻害剤」は、がん細胞の正常機能においてシグナル伝達経路中の1つ以上の重要なステップを選択的に阻害し、それによりアポトーシスを引き起こす薬剤である。適切なSTIには、以下に限らないが、(i)bcr/ablキナーゼ阻害剤(例えば、STI 571(GLEEVEC(登録商標)));(ii)上皮細胞増殖因子(EGF)受容体阻害剤(例えば、キナーゼ阻害剤(IRESSA(登録商標)、SSI-774))および抗体(Imclone:C225[Goldstein et al., Clin. Cancer Res., 1:1311-1318 (1995)]、およびAbgenix:ABX-EGF);(iii)her-2/neu受容体阻害剤(例えばファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI)(例えば、L-744,832[Kohl et al., Nat. Med., 1(8):792-797 (1995)]);(iv)AktファミリーキナーゼまたはAkt経路阻害剤(例えば、ラパマイシン(例えば、Sekulic et al., Cancer Res., 60:3504-3513 (200)参照));(v)細胞周期キナーゼ阻害剤(例えば、フラボピリドールおよびUCN-O1(例えば、Curr. Med. Chem. Anti-Canc. Agents, 3:47-56 (203)参照));および(vi)ホスファチジルイノシトールキナーゼ阻害剤(例えば、LY294002(例えば、Vlahos et al., J. Biol. Chem., 269:5241-5248 (1994)参照))が挙げられる。あるいは、少なくとも1つのSTIおよび少なくとも1つの式(I)の化合物は、別々の医薬組成物に配合され得る。本発明の特定の実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物および少なくとも1つのSTIが同時または順に患者に投与され得る。言い換えれば、少なくとも1つの式(I)の化合物が初めに投与され得るか、少なくとも1つのSTIが初めに投与され得るか、または少なくとも1つの式(I)の化合物および少なくとも1つのSTIが同時に投与され得る。さらに、1つ以上の式(I)の化合物および/またはSTIが用いられる場合、化合物は任意の順で投与され得る。
さらに本発明は、患者の慢性ウイルス感染症を治療する、少なくとも1つの式(I)の化合物、適宜少なくとも1つの化学療法剤、および適宜少なくとも1つの抗ウイルス薬を医薬的に許容される担体中に含む医薬組成物を提供する。
また、有効量の上記医薬組成物を投与することにより、患者の慢性ウイルス感染症を治療する方法を提供する。
本発明の特定の実施態様において、少なくとも1つの式(I)の化合物および少なくとも1つの化学療法剤が同時または順に患者に投与される。言い換えれば、少なくとも1つの式(I)の化合物が初めに投与され得るか、少なくとも1つの化学療法剤が初めに投与され得るか、または少なくとも1つの式(I)の化合物および少なくとも1つの化学療法剤が同時に投与され得る。さらに、1つ以上の式(I)の化合物および/または化学療法剤が用いられる場合、化合物は任意の順で投与され得る。同様に、あらゆる抗ウイルス薬またはSTIは、式(I)の化合物の投与と比較して、任意の時点で投与され得る。
本組み合わせ治療を用いて治療され得る慢性ウイルス感染症には、以下に限らないが、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、水痘帯状疱疹ウイルス、コクサッキーウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により引き起こされる疾患が挙げられる。
式(I)の化合物と組み合わせた使用が検討される適切な抗ウイルス薬には、ヌクレオシド系およびヌクレオチド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、プロテアーゼ阻害薬およびその他の抗ウイルス薬が含まれ得る。
適切なNRTIの例には、ジドブジン(AZT);ジダノシン(ddl);ザルシタビン(ddC);スタブジン(d4T);ラミブジン(3TC);アバカビル(1592U89);アデホビルピボキシル[ビス(POM)-PMEA];ロブカビル(BMS-180194);BCH-I0652;エムトリシタビン[(-)-FTC];β-L-FD4(β-L-D4Cとも称され、名称はβ-L-2',3'-ジデオキシ-5-フルオロ-シチジンである);DAPD、((-)-β-D-2,6-ジアミノ-プリンジオキソラン);およびロデノシン(FddA)が挙げられる。代表的で適切なNNRTIには、ネビラピン(BI-RG-587);デラビルジン(BHAP、U-90152);エファビレンツ(DMP-266);PNU-142721;AG-1549;MKC-442(1-(エトキシ-メチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-(2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン);および(+)-カラノリドA(NSC-675451)およびBが挙げられる。代表的で適切なプロテアーゼ阻害剤には、サキナビル(Ro 31-8959);リトナビル(ABT-538);インジナビル(MK-639);ネルフィナビル(AG-1343);アンプレナビル(141W94);ラシナビル(BMS-234475);DMP-450;BMS-2322623;ABT-378;およびAG-1549が挙げられる。その他の抗ウイルス薬には、ヒドロキシ尿素、リバビリン、IL-2、IL-12、ペンタフシドおよびYissum Project No.11607が挙げられる。
組み合わせ治療は、逐次的方法でこれらの治療薬の投与を含むことが意図される、即ち各治療薬は種々の異なる時点で投与され、ならびにこれらの治療薬または少なくとも2つの治療薬が、実質的に同時的手法で投与される。実質的な同時投与とは、例えば、各治療薬の比が定まった単一剤形、または各治療薬それぞれの単一剤形を患者に投与することにより達成され得る。各治療薬の連続的または実質的な同時投与とは、例えば、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路および粘膜の膜組織を介する直接吸収などの任意の適切な経路により実施され得るが、これらに限定されるものではない。治療薬は、同一経路または異なる経路により投与され得る。例えば、選択された組み合わせにおける第1治療薬は静脈内注射により投与され得るが、この組み合わせの内の別の治療薬は経口投与されてもよい。あるいは、例えば、全ての治療薬が経口投与されても、または全ての治療薬が静脈注射により投与されてもよい。上記の治療薬の投与を、更に他の生物学的活性成分および非薬物療法(例えば、手術または放射線治療)と合わせて、組み合わせ治療を行なうことも出来る。この組み合わせ治療が更に非薬剤処置を含む場合、治療薬および非薬剤治療の組み合わせに関する共同作用から生じる有用な効果が達成される限り、非薬剤処置はいずれの適切な時点でも行なうことが出来る。例えば、好適な症例では、この有用な効果は、非薬物処置が、治療薬の投与から一時的に、おそらく数日または数週間、休止される場合であっても達成される。
(医薬組成物)
また、本発明は、治療上有効量の1以上の式(I)の化合物を含み、1以上の医薬的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤、および適宜上述した1以上のさらなる治療剤と共に製剤化される医薬組成物も提供する。
式(I)の化合物は、いずれかの適切な経路により、好ましくはそのような経路に適応する医薬組成物の形態、および予定される治療に効果的な投薬量で投与されてもよい。式(I)の化合物および式(I)の化合物の組成物は、本明細書に記載のあらゆる用途のために、任意の適切な方法(例えば、経口投与(例えば錠剤、カプセル(それぞれ徐放性製剤または時限放出型製剤を含む)、丸剤、粉末剤、顆粒剤、エリキシル、チンキ剤、懸濁液(ナノ懸濁液、マイクロ懸濁液、噴霧乾燥分散液を含む)、シロップ、およびエマルジョン);舌下投与;口腔投与;非経口投与(例えば皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射、または点滴技法(例えば、無菌注射剤水溶液または非水溶液または懸濁液));経鼻膜への投与を含む経鼻投与(例えば吸入スプレー);局所投与(例えばクリーム製剤または軟膏の形態);または直腸投与(例えば坐薬形態))により投与され得る。これらは単体で投与されてもよいが、一般には選択された投与経路および標準的な薬学的基準を基に選ばれた医薬担体と共に投与される。
経口投与用として、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、液体カプセル、懸濁液、または液体の形態であってもよい。医薬組成物は、好ましくは特定の活性成分量を有する投与単位剤形で製剤化される。例えば、医薬組成物は、約0.1から1000mg、好ましくは約0.25から250mg、より好ましくは約0.5から100mgの範囲の活性成分量を含む錠剤またはカプセルとして提供されてもよい。ヒトまたはその他の哺乳類に投与する適切な1日用量は、患者の病状およびその他の要因によって大幅に変更されてもよいが、慣用的方法を用いて決定され得る。
本明細書で検討される医薬組成物はいずれも、例えば、許容され、かつ適切ないずれかの経口製剤を介して経口的に運搬され得る。経口製剤の例として、以下に限らないが、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性および油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、ハードおよびソフトカプセル、液体カプセル、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。経口投与用の医薬組成物は、経口投与用の医薬組成物を製造する分野で公知のいずれかの方法に従って製造され得る。医薬的に飲みやすい製剤を提供するために、本発明に記載の医薬組成物は、甘味剤、風味剤、着色剤、粘滑剤、抗酸化剤、および防腐剤から選択される少なくとも1つの物質を包含し得る。
錠剤は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物および/または少なくとも1つの医薬的に許容されるその塩と、少なくとも1つの毒性がなく医薬的に許容される、錠剤の製造に適切な添加剤を混合することで製造され得る。添加剤の例として、以下に限らないが、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、およびリン酸ナトリウム)、造粒剤および崩壊剤(例えば、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ、およびアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、およびアラビアガム)、および滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびタルク)が挙げられる。さらに、錠剤は被膜されていないか、または不快な薬物の嫌な味をマスキングするため、またはその消化管での活性成分の崩壊および吸収を遅延させ、より長期間にわたって活性成分の効果を持続させるために、公知の技術で被膜され得る。水可溶性味マスキング材料の例として、以下に限らないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。時間遅延材料の例として、以下に限らないが、エチルセルロースおよび酢酸酪酸セルロースが挙げられる。
ハードゼラチンカプセルは、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物および/または少なくとも1つのその塩を、少なくとも1つの不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびカオリン)と混合することにより製造され得る。
ソフトゼラチンカプセルは、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物および/または少なくとも1つの医薬的に許容されるその塩を、少なくとも1つの水可溶性担体(例えば、ポリエチレングリコール)、および少なくとも1つの油性媒体(例えば、ピーナツ油、液体パラフィン、およびオリーブ油)と混合することにより製造され得る。
水性懸濁液は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物および/または少なくとも1つの医薬的に許容されるその塩を、少なくとも1つの水性懸濁液の製造に適切な添加剤を混合することにより製造され得る。水性懸濁液の製造に適切な添加剤の例としては、以下に限らないが、例えば、懸濁化剤(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、およびアラビアガム)、分散剤または湿潤剤(例えば、天然に存在するフォスファチド(例えばレシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(例えばポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、およびエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えばポリエチレンソルビタンモノオレエート)が挙げられる。また、水性懸濁液は、少なくとも1つの防腐剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エチルおよびn-プロピルp-ヒドロキシ安息香酸)、少なくとも1つの着色剤、少なくとも1つの風味剤、および/または少なくとも1つの甘味剤(以下に限らないが、例えば、スクロース、サッカリン、およびアスパルテーム)を包含し得る。
油性懸濁液は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物および/または少なくとも1つの医薬的に許容されるその塩を、植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、およびココナッツ油)、または鉱油(例えば液体パラフィン)のいずれかに懸濁することにより製造され得る。また、油性懸濁液は、少なくとも1つの濃化剤(例えば、蜜蝋、固形パラフィン、およびセチルアルコール)を包含し得る。飲みやすい油性懸濁液を提供するために、少なくとも1つの既に上記に記載の甘味剤、および/または少なくとも1つの風味剤が油性懸濁液に添加され得る。油性懸濁液は、さらに少なくとも1つの防腐剤(以下に限らないが、例えば、抗酸化剤(例えば、ブチルヒドロキシアニソール、およびα-トコフェロール)を包含し得る。
分散性粉末および顆粒は、例えば、少なくとも1つの式(I)の化合物および/または少なくとも1つの医薬的に許容されるその塩を、少なくとも1つの分散剤および/または湿潤剤、少なくとも1つの懸濁化剤、および/または少なくとも1つの防腐剤を混合することにより製造され得る。適切な分散剤、湿潤剤、および懸濁化剤は既に上記に記載されている。防腐剤の例として以下に限らないが、例えば、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)が挙げられる。さらに、分散性粉末および顆粒は、また、少なくとも1つの賦形剤(以下に限らないが、例えば、甘味剤、風味剤、および着色剤)を包含し得る。
少なくとも1つの式(I)の化合物および/または少なくとも1つの医薬的に許容されるその塩のエマルジョンは、例えば、水中油型エマルジョンとして製造され得る。式(I)の化合物を含むエマルジョンの油相は、既知の方法で既知の成分から構成されてもよい。該油相は以下に限らないが、例えば、植物油(例えば、オリーブ油および落花生油)、鉱油(例えば液体パラフィン)、およびその混合物により提供され得る。油相は乳化剤のみを包含するものであってもよいが、少なくとも1つの乳化剤と脂肪または油、または脂肪および油の両方の混合物を包含してもよい。適切な乳化剤には、以下に限らないが、例えば、天然に存在するフォスファチド(例えば大豆レシチン)、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル(例えばソルビタンモノオレエート)、および部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)が挙げられる。好ましくは、親水性乳化剤が、安定化剤として作用する親油性乳化剤と共に含まれる。また、油および脂肪の両方を包含することも好ましい。併せて、乳化剤は、安定化剤と共に、または無しで、いわゆる乳化ワックスを作り上げ、およびそのワックスは、油および脂肪と共にクリーム製剤の油性分散相を形成する、いわゆる乳化軟膏基剤を作り上げる。エマルジョンはまた、甘味剤、風味剤、防腐剤、および/または抗酸化剤を包含し得る。本発明の製剤中での使用に適切な乳化剤およびエマルジョン安定化剤には、単体またはワックスと一緒になったTween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリセリル;または当該分野に公知の他の物質が挙げられる。
式(I)の化合物および/または少なくとも1つの医薬的に許容されるその塩は、例えば、いずれの医薬的に許容され、かつ適切な注射形態を介して静脈内、皮下内、および/または筋肉内に運搬され得る。注射形態の例として、以下に限らないが、例えば、許容されるビークルおよび溶媒(例えば、水、リンゲル液、および塩化ナトリウム等張液)を含む無菌水溶液、無菌水中油型マイクロエマルジョン、および水性または油性懸濁液が挙げられる。
非経口投与用製剤は、水性または非水性等張無菌注射液または懸濁液の形態であってもよい。これらの溶液および懸濁液は、経口投与用の製剤中での使用について記載される1つ以上の担体または希釈剤を用いるか、または他の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いることにより、無菌粉末または顆粒から調製されてもよい。該化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、ピーナツ油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム溶液、トラガカントガム、および/または様々な緩衝液に溶解させてもよい。その他のアジュバントおよび投与方法は、医薬分野において公知であり、広く知られている。また、その活性成分は適切な担体(例えば、生理食塩水、デキストロース、または水)、またはシクロデキストリン(すなわちCaptisol)、可溶化共溶媒(すなわちプロピレングリコール)、または可溶化ミセル(すなわちTween 80)との組成物として、注射により投与されてもよい。
また、無菌注射製剤とは、毒性がなく、非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射溶液または懸濁液(例えば1,3-ブタンジオール中の溶液)であってもよい。許容されるビークルおよび溶媒のうち、使用されてもよいものは、水、リンゲル液、および塩化ナトリウム等張液である。さらに、無菌不揮発油は、溶媒または懸濁媒体として慣例的に用いられている。このために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、いずれの無菌不揮発油が用いられてもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射製剤として使用される。
無菌注射水中油型マイクロエマルジョンは、例えば以下によって製造され得る。1)少なくとも1つの式(I)の化合物を油相(例えば、ダイズ油およびレシチンの混合物)に溶解し、2)式(I)を含有する油相を、水およびグリセロールの混合物と組み合わせ、3)その組み合わせたものを処理してマイクロエマルジョンを形成する。
無菌水性懸濁液または無菌油性懸濁液は、当業者に公知の方法に従って製造され得る。例えば、無菌水溶液または無菌水性懸濁液は、毒性がなく、非経口的に許容される希釈剤または溶媒(例えば1,3-ブタンジオール)を用いて調製され得て、無菌油性懸濁液は、無菌の毒性のない許容される溶媒または懸濁媒体(例えば、無菌不揮発油(例えば、合成モノグリセリドまたはジグリセリド)、および脂肪酸(例えばオレイン酸)を用いて製造され得る。
医薬的に許容される担体は、十分に当業者の専門技術内である多くの要因に従って処方される。これらの要因には、以下に限らないが、処方される活性剤のタイプおよび性質、その活性剤を含有する組成物が投与される患者、その組成物の意図された投与経路、および目標とされる治療指標が挙げられる。医薬的に許容される担体には、水性および非水性の両方の液体媒体、ならびに様々な固体および半固体の投与剤形を包含する。そのような担体は、活性剤に加え、多くの異なる成分および添加剤を包含することができ、かかる付加的な成分は様々な理由で、例えば、当業者に公知の活性剤、結合剤などの安定化の理由で製剤中に含まれる。適当な医薬的に許容される担体、およびそれを選択する際の要因の説明は、入手が容易な様々な文献、例えば、Allen, L. V. Jr. et al. Remington:The Science and Practice of Pharmacy (2 Volumes), 22nd Edition (2012), Pharmaceutical Pressに記載される。
本発明の医薬組成物に使用され得る医薬的に許容される担体、アジュバント、およびビークルには、以下に限らないが、イオン交換体、アルミナ、アルミニウムステアレート、レシチン、自己乳化ドラッグデリバリーシステム(SEDDS)(例えば、d-α-トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート)、医薬剤形に用いられる界面活性剤(例えば、Tween、ポリエトキシ化ヒマシ油(例えばCREMOPHOR界面活性剤(BASF)、またはその他の類似するポリマーデリバリーマトリックス)、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝液物質(例えば、ホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、プロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム)、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂)が挙げられる。また、シクロデキストリン(例えば、α-、β-、およびγ-シクロデキストリン、または化学的に修飾された誘導体(例えば、2-および3-ヒドロキシプロピルシクロデキストリンを含むヒドロキシアルキルシクロデキストリン、またはその他の可溶化誘導体))も、本明細書に記載の式の化合物の運搬を増進するために効果的に使用されてもよい。
本発明の医薬的に活性な化合物は、患者(例えば、ヒトおよびその他の哺乳類)に投与する薬剤を調製するために、従来の薬学の方法に従って処理され得る。医薬組成物は、従来の製薬操作(例えば滅菌処理)に供されてもよく、および/または従来のアジュバント(例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液など)を包含してもよい。錠剤および丸剤は、加えて腸溶性被覆剤を用いて調製され得る。また、そのような組成物は、アジュバント(例えば湿潤剤、甘味剤、風味剤、および芳香剤)も包含し得る。
治療のために、本発明の活性化合物は、通常意図された投与経路に適切な1つ以上のアジュバントと組み合わせられる。経口投与される場合、該化合物は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、マグネシウムオキシド、リン酸および硫酸のナトリウム塩およびカルシウム塩、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/またはポリビニルアルコールと混合されてもよく、次いで簡便な投与用に錠剤化またはカプセル化されてもよい。そのようなカプセルまたは錠剤は放出制御製剤を包含してもよく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中に活性化合物を分散して提供されてもよい。
本発明の化合物および/または組成物を用いて病状を治療するために投与される化合物の量、および投与計画は、様々な要因(例えば、年齢、体重、性別、患者の病状、疾患のタイプ、疾患の危篤度、投与経路および投与頻度、および利用される特定の化合物)に依存する。それ故、投与計画は大幅に変更されてもよいが、標準的方法を用いて規定通りに決定され得る。1日用量は、約0.001から100mg/体重kg、好ましくは約0.0025から約50mg/体重kgの間、および最も好ましくは約0.005から10mg/体重kgの間が適切であり得る。1日用量は1日に1から4回投与され得る。その他の投与計画として、週に1回および2日に1回のサイクルが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの式(I)の化合物および/または少なくとも1つの医薬的に許容されるその塩、およびいずれの医薬的に許容される担体、アジュバント、およびビークルから選択される添加剤を適宜包含する。本発明の別の組成物には、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはそのプロドラッグ、および医薬的に許容される担体、アジュバント、またはビークルを包含する。
また本発明は、例えば、Heliosタンパク質関連疾患または障害、および本明細書に記載のその他の疾患の治療または予防において有用な医薬キットを含み、それには治療上有効量の式(I)の化合物を含む医薬組成物を包含する、1つ以上の容器を含む。そのようなキットには、さらに、所望により、1つ以上の様々な従来の医薬キットの構成要素(例えば、1つ以上の医薬的に許容される担体を含む容器、別の容器)が含まれ、それらは当業者にとって容易に明らかである。投与すべき成分量、投与指針、および/または成分の混合指針を示す、添付文書またはラベルのいずれかでの説明書もキットに含まれ得る。
本発明の化合物の投与計画は、既知の要因(例えば特定の薬剤の薬力学特性およびその投与方法および投与経路;レシピエントの種、年齢、性別、健康状態、病状、および体重;症状の性質および範囲;併用治療の種類;治療の頻度;投与経路、患者の腎臓および肝臓の機能、および所望の効果)により当然異なる。
一般的なガイダンスでは、各活性成分の1日経口用量は、意図した効果を得るために用いる際、約0.001~約5000mg/日、好ましくは約0.01~約1000mg/日、最も好ましくは約0.1~約250mg/日の間の範囲となる。静脈内投与における定速注入の最も好ましい用量は、約0.01~約10mg/kg/分の範囲である。式(I)の化合物は、1日1回の用量で投与され得るか、または1日の総用量を2回、3回、または4回に分割した用量を投与され得る。
本化合物は一般に、意図した投与形態(例えば、経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、およびシロップ剤)に対して適切に選択され、適切な医薬希釈剤、賦形剤、または(本明細書で医薬担体と総称される)担体との混合物で投与され、従来の薬学的基準と一致するものである。
投与に適切な剤形(医薬組成物)は、投与単位あたり約1mg~約200mgの活性成分を包含し得る。これらの医薬組成物において、活性成分は、通常、組成物の総重量の約0.1~95%の重量で存在する。
典型的な経口投与用のカプセルには、少なくとも1つの式(I)の化合物(250mg)、ラクトース(75mg)、およびステアリン酸マグネシウム(15mg)が含まれる。この混合物は60メッシュで篩過され、No.1のゼラチンカプセルに充填される。
典型的な注射製剤は、少なくとも1つの式(I)の化合物(250mg)を無菌状態でバイアルに加え、無菌状態で凍結乾燥および密閉することで製造される。使用の際は、バイアルの内容物を生理食塩水(2mL)と混合し、注射製剤を調製する。
本発明は、治療上有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物を活性成分として、単体、または医薬担体との組み合わせで含む医薬組成物をその範囲に含む。式(I)の化合物は、単体、式(I)の他の化合物との組み合わせ、または1つ以上の他の治療剤(例えば、抗がん剤またはその他の医薬活性物質)との組み合わせで適宜使用され得る。
選択される投与経路に関わらず、適切な水和形態で使用され得る式(I)の化合物および/または本発明の医薬組成物は、当業者には公知の従来の方法により医薬的に許容され得る投薬形態にて製剤化される。
式(I)の医薬組成物中の活性成分の実際の投与量レベルは、患者に対して毒性がなく、特定の患者、組成物および投与様式に対して治療効果を得るために有効な活性成分の量を含むように変更され得る。
選択される投与量レベルは、用いる式(I)の特定の化合物あるいはそのエステル、塩またはアミドの活性、用いる特定の化合物の投与経路、投与時間、***または代謝速度、吸収の速度および程度、治療期間、用いる特定化合物と組み合わせて使用される他の薬剤、化合物および/または物質、治療する患者の年齢、性別、体重、症状、健康状態、ならびに既往歴、および医学分野では公知の要素を含む、様々な要素に依存する。
当分野における通常の技術常識を有する医師または獣医は、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定でき、かつ処方することができる。例えば、医師または獣医は、治療効果を得るために、医薬組成物中で用いる式(I)の化合物の投薬量を、必要量よりもより低いレベルにて開始することができ、効果が得られるまで徐々に投与量を増大させることができる。
一般的に、式(I)の化合物の適切な1日用量とは、治療効果を得るために有効な最低用量の化合物量である。そのような有効用量は、一般的に、上記の要素によって決定される。一般的に、患者への式(I)の化合物の用量は、経口、静脈内、脳室内および皮下投与では、約0.01~約50mg/kg 体重/日である。
所望により、活性化合物の効果的な1日用量は、2回、3回、4回、5回、6回またはそれ以上に分割した投与量で、1日を通して適当な間隔で、適宜単位投与形態で投与され得る。本発明のある態様において、投薬は1日1回である。
式(I)の化合物を単独で投与することは可能であるが、医薬製剤(組成物)として化合物を投与することが好ましい。
上記のその他の治療剤は、式(I)の化合物と組み合わせて使用する場合、例えば、米医薬品便覧(PDR)に記載の量、または当業者によって定められた量で使用されてもよい。本発明の方法において、その他の治療剤は、本発明の化合物の投与の前、同時、または後に投与されてもよい。
(製造方法)
本発明の化合物は、有機合成の分野の当業者に公知の、多くの方法によって製造され得る。本発明の化合物は下記の方法を、有機合成化学の技術において公知の合成方法を用いて、または該当業者に評価されているそれらの類似合成方法を用いて合成出来る。好ましい方法としてはこれらに限定されないが、下記の方法が挙げられる。本明細書で引用する全ての文献はその全てが援用される。
本発明の化合物は、このセクションに記載の反応および技術を用いて製造されうる。該反応は、用いる試薬および物質に適した溶媒中で実施され、もたらされる変換に適切である。また、以下に記載の合成方法の説明において、提示した反応条件(溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験時間およびワークアップ方法を含む)は全て、該反応の標準である条件となるように選択されていると理解され、それは当業者によって容易に認識されるべきである。分子の様々な部分に存在する官能基が、提示された試薬および反応に適合しなければならないことは、有機合成の分野の当業者により理解される。反応条件に適合する置換基がそのように制限されることは当業者にとっては容易に明白であり、代替方法が用いられなくてはならない。該反応は本発明の所望の化合物を得るために、合成ステップの順序の変更またはある特定の反応過程を異なるものに選択する判断が必要な場合もある。また、この分野のあらゆる合成経路計画における、もう1つの重要な検討対象は、本発明に記載の化合物に存在する反応性官能基の保護に用いる適切な保護基の選択であると認識される。熟練した実験者に対し、多くの保護基の代替案を記載している権威ある文献としてGreeneおよびWuts著のProtective Groups In Organic Synthesis(Fourth Edition,Wiley & Sons,2007)が挙げられる。
式(I)の化合物は次のスキームに示した方法を参照に製造されうる。スキームに示されるように、最終生成物は式(I)と同じ構造式を持つ化合物である。適当な置換基に適切な試薬を選択することで、式(I)のいずれの化合物も該スキームにより製造され得ると理解される。溶媒、温度、圧力およびその他の反応条件は当業者によって容易に選択され得る。出発物質は市販であるか、または当業者によって容易に製造される。化合物の構成成分は、本明細書に記載の通りに定義される。
本発明に記載の化合物の一般的な合成ルートをスキーム1~2に図示した。ここで置換基R1、R2、R4およびR6は、上述で定義したものであるか、または最終置換基に変換され得る前の官能基である。置換基Xは、脱離基(例えば、ハライド(好ましくは、I、Br、またはCl)またはトリフラート)である。置換基Mは、適切なカップリングパートナー(例えば、ボロン酸、ボロン酸エステルまたはスタンナン)である。置換基Rは、カルボン酸保護基(例えば、tert-ブチル、メチル、エチルまたはベンジル)である。スキーム1に示すように、本発明の化合物の一般的な製造方法は、適切な置換フッ化アリール1から開始され得る。適切な求核剤、例えば、Mが、MgBrまたはLiであり得る中間体2で処理すると、3のような置換されたアリールハライドが生成され得る。ハロゲン化、好ましくは、臭素化は、3を、N-ブロモスクシンイミドなどの試薬で処理して臭化物4を得ることによって達成できる。炭酸カリウムのような塩基性条件下で、4を、アミン5で処理すると、二級臭化物の最初の置換が起こり、その後続いて環化してラクタム6が得られる。
Figure 2024515243000024
Mがスタンナンである場合、6は、スティルカップリング反応により、適切な触媒(例えば、Pd(PPh3)4またはビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)/CuI)を用いて、適切に置換されたヘテロ環7と結合して、8を提供し得る。あるいは、当業者に周知の条件により、6を、ボロン酸またはボロン酸エステル9に変換することもできる。ボロン酸またはボロン酸エステル9は、適切なパラジウム触媒(例えば、Pd(PPh3)4または1,1'-ビス(ジホスフィニルフェリノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)を用いて、適切な塩基(例えば、炭酸セシウム、リン酸カリウムまたは炭酸水素ナトリウム)の存在下で、8を提供し得る。
中間体8においてどの酸保護基Rを選択するかにより、化合物11に変換するために必要な条件は異なる(スキーム2)。例えば、Rが、メチル、エチルまたはベンジルである場合、8の塩基誘起環化は、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中、適切な塩基(例えば、LiHMDS)を用いて、直接8から11に変換するのが好ましい。Rが、tert-ブチルである場合、12の酸誘起環化は、適切な溶媒(例えば、アセトニトリル)中、適切な酸(例えば、ベンゼンスルホン酸)を用いて直接8から11に変換するのが好ましい。他のケースでは、初めに特定の酸保護基Rに対して適切な条件を用いて対応する遊離カルボン酸8を生成する、2つのステップを用いる方法が好ましい。これらは有機合成の分野の当業者に周知の方法である。例えば、Rが、tert-ブチルである場合、適切な酸(例えば、トリフルオロ酢酸または塩酸)を用いた酸加水分解が好ましい。Rが、メチル、エチル、またはベンジルである場合、適切な塩基(例えば、LiOH)を用いた塩基加水分解が好ましい。他のケースにおいて、Rが、ベンジルである場合、パラジウム触媒の水素化分解作用により脱保護する方が良い。一度カルボン酸が生成すると、塩化チオニル/ジメチルホルムアミドまたはカルボニルジイミダゾール/ジメチルアミノピリジンの作用により活性化して、ペンダント基の第一級アミンにより分子内攻撃され、11が得られうる。
Figure 2024515243000025
(実施例)
下記の実施例は、特定の本発明の実施態様を説明するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。化学的略語および記号、ならびに科学的略語および記号は、特に断りが無いない限り、その通常の慣用的な意味をもつ。実施例および本明細書の各所に用いられる、さらなる略語は上記で定義される。共通の中間体は、一般に1つ以上の実施例の製造に有用である。実施例の化合物は、それらが製造される実施例およびステップにより特定され(例えば、「1-A」は実施例1のステップAを表す)、または化合物が実施例の表題化合物である場合のみ、実施例により特定される(例えば、「1」は実施例1の表題化合物を表す)。ある場合には、中間体または実施例の別の製造方法が記載される。合成分野に熟練の化学者は頻繁に、1つ以上の検討(例えば、より短い反応時間、より安価な出発物質、操作および精製の容易さ、より高い収率、触媒の容易さ、毒性試薬の回避、特殊な機器での利用可能性、およびステップ数の削減など)に基づいて、望ましい代替製造方法を考案しうる。代替的な製造方法を記載する意図は、本発明の実施例をさらに製造し易くするためである。場合によっては、概説した実施例および請求項におけるいくつかの官能基は、当業者に公知の生物学的等比体積置換(例えば、カルボン酸基をテトラゾールまたはホスフェート部分と置換)により置換されてもよい。
Figure 2024515243000026

分取HPLC方法1:XBridge C18, 200mm x19mm, 粒径:5μm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(10 mM酢酸アンモニウムを含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(10 mM 酢酸アンモニウムを含む);グラジエント:15% Bで0分間保持、25分間かけて15~50% B、その後100% Bで6分間保持;流量:20 mL/分;カラム温度25℃。フラクションの回収は、MSシグナルにより開始された。
実施例1
2-アミノ-6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル
Figure 2024515243000027

製造例1A:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-4-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
0℃のtert-ブチル(S)-4,5-ジアミノ-5-オキソペンタン酸塩酸塩(2.162 g, 6.06 mmol)/アセトニトリル(30 ml)の懸濁液に、DIPEA(3.018 ml, 17.28 mmol)を加えた。20分間撹拌した後、反応混合物を、4-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-メチル安息香酸メチル(2.650 g, 8.22 mmol)/MeCN(10 mL)の溶液で処理した。反応混合物を、0℃で5分間撹拌した。氷浴を外して、反応混合物を室温に戻し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を60℃に加温し、終夜温度を維持した。反応混合物を、濃縮し、EtOAcに溶解し、水で2回洗い、次いで1.5M K2HPO4で洗い、さらにブラインで洗い、MgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。この物質を、シリカゲルを用いて精製し、30~100% EtOAc/Hexで溶出した。得られた物質を、エーテル(8mL)でトリチュレートし、表題の生成物を、収率33.7%で得た。1H NMR(400 MHz, CHLOROFORM-d) δ 7.70(d, J=8.1 Hz, 1H), 7.56(d, J=8.1 Hz, 1H), 6.23(br s, 1H), 5.31(br s, 1H), 4.92(dd, J=8.6, 6.4 Hz, 1H), 4.55-4.47(m, 1H), 4.45-4.36(m, 1H), 2.41(s, 3H), 2.41-2.14(m, 4H), 1.45(s, 9H).
製造例1B:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
乾燥させたフラスコに、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-4-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(300 mg, 0. 730 mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(278 mg, 1.094 mmol)および酢酸カリウム(214 mg, 2.188 mmol)を加え、窒素で通気した。固体を、ジオキサン(10 mL)に懸濁し、撹拌しながら窒素を通気させて5分間脱気した。反応混合物を、Pd(dppf)Cl2(16.02 mg, 21.88 μmol)で処理した。フラスコを、5分間脱気して、密閉し、窒素下で18時間60℃に加熱した。反応混合物を、EtOAcで希釈し、ブラインで洗い、MgSO4上で乾燥した。濃縮し、ISCOによる40gのシリカゲルカラムで精製し、0~40%B/DCM(ここで、B=15%EtOH/EtOAc+0.1%TEA)で溶出し、収率99%で生成物を得た。MS(ES):m/z = 459.3 [M+H]+.
実施例1:
マイクロ波用バイアル(2 mL)に、2-アミノ-6-ブロモ-4-メチルニコチノニトリル(12 mg, 0.057mmol)、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(28.5 mg, 0.062 mmol)、Pd(dtbpf)Cl2(1.106 mg, 1.698 μmol)、ジオキサン(1.5 mL)およびK3PO4水溶液(0.075 mL, 0.226 mmol)を加えた。バイアルを密閉し、空気を窒素で置換した。反応混合物を、120℃で15分間、マイクロ波で加熱した。室温まで冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗い、有機層を分離し、濃縮した。得られた残留物を、1 mLのPhSO3H溶液(1.44 g/40 mL)/MeCNに溶解し、120℃で10分間、マイクロ波で加熱した。この物質を、濃縮乾固し、残留物をDMSO(1.9 mL)に溶解し、分取HPLC法1で精製し、表題化合物を収率49 %で得た。MS(ES):m/z = 390.3 [M+H]+. 1H NMR(500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.03(s, 1 H) 7.66(d, J=7.63 Hz, 1 H) 7.53(d, J=7.93 Hz, 1 H) 6.91(s, 2 H) 6.78(s, 1 H) 5.18(br dd, J=13.43, 5.19 Hz, 1 H) 4.52(br d, J=17.09 Hz, 1 H) 4.35(br d, J=17.40 Hz, 1 H) 2.91-3.01(m, 1 H) 2.65(br d, J=16.78 Hz, 1 H) 2.47(br dd, J=13.12, 4.27 Hz, 1 H) 2.43(s, 3 H) 2.33(s, 3 H) 2.03-2.10(m, 1 H).
実施例2
2-アミノ-6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル
Figure 2024515243000028

製造例2A:メチル 4-ブロモ-2-(ブロモメチル)-5-メチルベンゾエート
室温で4-ブロモ-2,5-ジメチル安息香酸(5.0 g, 21.82 mmol)の溶液に、SOCl2(31.66 mL, 436 mmol)を加え、2時間撹拌した。LCMSを用いて、酸クロライドの生成を確認した後、濃縮乾固した。メタノール(30 mL)を室温で加え、0.5時間撹拌した後、再び濃縮乾固した。得られたメチルエステルに、CCl4(180 mL)を加えた後、1-ブロモピロリジン-2,5-ジオン(4.08 g, 22.92 mmol)、さらにAIBN(0.108 g, 0.654 mmol)を加えた。得られた混合物を、一晩撹拌しながら80℃に加熱した。室温まで冷却後、混合物を濃縮し、EtOAcに溶解し、ブラインで洗い、MgSO4上で乾燥した。LCMSにより、2つの主要ピークが認められた。得られた位置異性体の混合物(5.4 g)を、次工程に使用した。
製造例2B:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-6-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
4-ブロモ-2-(ブロモメチル)-5-メチル安息香酸メチル(5.4 g, 16.76 mmol)/アセトニトリル(100 mL)の懸濁液に、tert-ブチル(S)-4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノエート塩酸塩(4.00 g, 16.76 mmol)を加えた後、ヒューニッヒ塩基(5.84 mL, 33.52 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を、40℃の浴に入れ、その温度で6日間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗い、MgSO4上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を、ISCO[120gカラム]で精製し、0~100%のEtOAc/DCMで溶出し、目的の化合物(2.80g)を得た。さらに、2つの別の副生成物(メチル(S)-5-(((1-アミノ-5-(tert-ブトキシ)-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)アミノ)メチル)-4-ブロモ-2-メチルベンゾエートおよびtert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(((2-((R)-1-アミノ-5-(tert-ブトキシ)-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)-6-ブロモ-3-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)アミノ)-5-オキソペンタノエート)を単離した。MS(ES):m/z = 411.0 [M+H]-. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 7.70 (d, J=6.44 Hz, 2 H) 6.31 (br s, 1 H) 5.36 (br s, 1 H) 4.90 (dd, J=8.68, 6.34 Hz, 1 H) 4.51 (d, J=16.98 Hz, 1 H) 4.41 (d, J=16.98 Hz, 1 H) 2.51 (s, 3 H) 2.21-2.43 (m, 3 H) 2.12-2.19 (m, 1 H) 1.44 (s, 9 H).
製造例2C:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(6-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
40mLの耐圧バイアルに、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-6-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(600 mg, 1.458 mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(556 mg, 2.188 mmol)、酢酸カリウム(430 mg, 4.376 mmol)を加え、窒素で洗った。固体を、ジオキサン(20 mL)に懸濁し、撹拌しながら窒素流を用いて5分間脱気した。反応混合物を、Pd(dppf)Cl2(32.02 mg, 0.044 mmol)で処理し、5分間脱気した。バイアルを密閉し、窒素下で95℃に3時間加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、EtOAcで希釈し、ブラインで洗い、MgSO4上で乾燥した。ろ液を濃縮し、ISCOによる40gシリカゲルカラムで精製し、(0%~40%B/DCM、ここでB=15%EtOH/EtOAc+0.1%TEA)で溶出し、標題化合物を95%の収率で得た。MS(ES):m/z = 459.3 [M+H]+.
実施例2:
マイクロ波用のバイアル(2 mL)に、2-アミノ-6-ブロモ-4-メチルニコチノニトリル(12mg, 0.057mmol)、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(6-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(28.5 mg, 0.062 mmol)、Pd(dtbpf)Cl2(1.106 mg, 1.698 μmol)、ジオキサン(1.5 mL)およびK3PO4水溶液(0.075 mL, 0.226 mmol)を加えた。バイアルを密閉し、空気を窒素で置換した。反応混合物を、120℃で15分間、マイクロ波で加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を、EtOAcで希釈し、ブラインで洗い、有機層を分離し、濃縮した。得られた残留物を、1 mLのPhSO3H/MeCN溶液(1.44 g/40 mL)に溶解し、120℃で10分間マイクロ波加熱した。混合物を、濃縮乾固し、残留物をDMSO(1.7 mL)に溶解し、分取HPLC法1で精製し、表題化合物を収率35 %で得た。 MS(ES):m/z = 390.3 [M+H]+. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.97-11.02 (m, 1 H) 7.65 (s, 1 H) 7.55 (s, 1 H) 6.76 (s, 1 H) 5.13 (dd, J=13.31, 5.18 Hz, 1 H) 4.39-4.51 (m, 1 H) 4.28-4.39 (m, 1 H) 2.87-2.98 (m, 1 H) 2.58-2.65 (m, 1 H) 2.51 (d, J=1.74 Hz, 3 H) 2.42-2.46 (m, 1 H) 2.41 (br s, 3 H) 2.39-2.40 (m, 1 H) 1.99-2.06 (m, 1 H)
実施例3
2-アミノ-6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル
Figure 2024515243000029

中間体3A:5-ブロモ-4-フルオロ-3-ヒドロキシイソベンゾフラン-1(3H)-オン
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(7.07mL, 41.6mmol)/THF(150mL)の撹拌溶液に、ヘキサン中の2.5 M n-BuLi溶液(16mL, 40.0mmol)を、0℃で加えた。反応混合物を、0℃で30分間撹拌した。これに、無水THF(100 mL)中の4-ブロモ-3-フルオロ安息香酸(3.5 g, 15.98 mmol)の溶液を、-50℃で滴加した。反応混合物を、同じ温度で3時間撹拌した。無水DMF(2.48 mL, 32.0 mmol)を、-50℃で加え、反応混合物を、室温にして16時間撹拌した。反応混合物を、1.5 N HCl(100 mL)でクエンチした。反応混合物を、酢酸エチル(3 x 30 mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗い、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 120 g カラム, 0~50% EtOAc/石油-エーテル)で精製し、5-ブロモ-4-フルオロ-3-ヒドロキシイソベンゾフラン-1(3H)-オン(1.0g, 収率23%)を、黄色固体として得た。LCMS(方法A):保持時間 0.48分, [M+H]+ 245.1, 247.1;1H NMR (400 MHz, アセトニトリル-d3) δ 7.93 (dd, J = 8.0, 5.5 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.74 (br s, 1H), 5.94 (br s, 1H).
中間体3B:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
5-ブロモ-4-フルオロ-3-ヒドロキシイソベンゾフラン-1(3H)-オン(1.7 g, 6.88 mmol)およびtert-ブチル(S)-4,5-ジアミノ-5-オキソペンタノエート塩酸塩(1.67 g, 8.26 mmol)/DMF(30 mL)の撹拌溶液に、0℃でトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.65 g, 17.21 mmol)を加えた。反応混合物を、室温に昇温させて、48時間撹拌した。反応混合物を氷水(50 mL)で希釈し、得られた白色固体を濾過し、減圧下で乾燥して、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(1.6 g, 収率50 %)を、白色固体として得た。LCMS(方法A):保持時間 1.39 min、[M+H]+ 413.9、415.3;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.85 (dd, J = 8.0, 6.0 Hz, 1H), 7.59 (br s, 1H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.23 (br s, 1H), 4.77-4.59 (m, 3H), 2.26-2.13 (m, 3H), 2.08-1.96 (m, 1H), 1.34 (s, 9H).
中間体3C:tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-5-シアノ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
2-アミノ-6-クロロ-4-メチルニコチノニトリル(50 mg, 0.30 mmol)およびヘキサメチルジチン(0.093 mL, 0.45 mmol)/トルエン(2 mL)の攪拌溶液を、アルゴンで5分間パージした後、[1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(9.72 mg, 0.015 mmol)を加えた。反応混合物を、100℃で2時間撹拌し、室温まで冷却し、濾過した。ろ液を、減圧濃縮して、粗生成物を得た。[M+H]+ 298.2。粗生成物のジオキサン(2mL)溶液に、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(98 mg, 0.24 mmol)を加えた。反応混合物を、5分間アルゴンでパージし、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(16.60 mg, 0.024 mmol)を加え、反応混合物を100℃で16時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 80g カラム, 0~100% B(B = 15% EtOH/EtOAc、0.5%TEA)/クロロホルム)で精製し、tert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-5-シアノ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(60 mg, 40.7 %収率)を得た。LCMS(方法A):保持時間1.35分、[M+H]+ 468.3.
実施例3:
中間体3C(60 mg, 0.13 mmol)/酢酸(2 mL)の撹拌溶液に、ベンゼンスルホン酸(20.30 mg, 0.13 mmol)を加えた。反応混合物を、マイクロ波照射下で150℃に10分間加熱した。揮発成分を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、分取LC-MSで精製した(カラム:移動相A:水中0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル;グラジエント:20分かけて10~40%B、その後100%Bで5分間保持;流量:15mL/分)。目的のフラクションを、凍結乾燥し、2-アミノ-6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(15 mg, 収率29%)を得た。LCMS(方法G):保持時間 1.62 min, [M+H]+ 394.2;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.01 (br s, 1H), 8.01 (t, J=7.3 Hz, 1H), 7.70 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.06 (d, J=1.5 Hz, 1H), 6.99 (s, 2H), 5.14 (dd, J=13.3, 5.1 Hz, 1H), 4.74-4.38 (m, 2H), 3.05-2.85 (m, 1H), 2.75-2.57 (m, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.13-1.95 (m, 1H).
一般的方法2:ジオキサン(5 mL/mmol)中の中間体3B(1 eq.)およびアリールスタナン試薬(1 eq.)の撹拌溶液を、アルゴンで5分間パージした。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.1 eq.)を加え、反応混合物を100℃で16時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトパッドでろ過し、ろ液を減圧濃縮した。粗製物質を、マイクロ波用バイアルに移し、PhSO3H(2 eq.)および酢酸(5 mL/mmol)を加え、混合物をマイクロ波反応器内において150℃で10分間加熱した。混合物を濃縮し、残留物を、prep-HPLCで精製した。
実施例4
3-(5-(6-アミノ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000030

中間体4A:4-メチル-6-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2-アミン
6-ブロモ-4-メチルピリジン-2-アミン(75 mg, 0.382 mmol)およびヘキサメチルジチン(0.119 mL, 0.57 mmol)/トルエン(5 mL)の撹拌溶液を、アルゴンで5分間パージし、次いで[1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(12.4 mg, 0.02 mmol)を加えた。反応混合物を、100℃で2時間撹拌し、室温まで冷却し、濾過した。ろ液を、減圧濃縮し、4-メチル-6-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2-アミン(130 mg, 89 %収率)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.62分, [M+H]+ 273.1.
実施例4:
スティルカップリングおよび環化は、製造例4Aおよび製造例3Bを用いて、一般的方法2に従い行った。MS (ES):m/z = [M+H]+ 369.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 11.02 (s, 1H), 8.02 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.34 (s, 1H), 6.03 (s, 2H), 5.15 (dd, J = 5.0, 13.3 Hz, 1H), 4.66-4.57 (m, 1H), 4.49-4.38 (m, 1H), 3.02-2.85 (m, 1H), 2.62 (br d, J = 17.4 Hz, 1H), 2.49-2.40 (m, 1H), 2.22 (s, 3H), 2.07-1.98 (m, 1H).
実施例5
3-(5-(6-アミノ-4-(トリフルオロエチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000031

中間体5A:
トルエン(5 mL)中の6-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(75 mg, 0.382 mmol)およびヘキサメチルジチン(0.119 mL, 0.57 mmol)の攪拌溶液を、アルゴンで5分間パージした後、[1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(12.4 mg, 0.02 mmol)を加えた。反応混合物を、100℃で2時間撹拌し、室温まで冷却し、濾過した。ろ液を、減圧濃縮し、4-(トリフルオロメチル)-6-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2-アミン(130 mg, 89 %収率)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.92 min、[M+H]+ 327.1.
実施例5:
スティルカップリングおよび環化は、中間体5Aおよび中間体3Bを用いて一般的方法1に従って行った。MS(ES):m/z = [M+H]+ 423.3;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 11.02 (s, 1H), 8.05 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 6.78 (d, J = 11.8 Hz, 3H), 5.15 (dd, J = 5.0, 13.3 Hz, 1H), 4.68-4.57 (m, 1H), 4.52-4.39 (m, 1H), 2.99-2.82 (m, 1H), 2.67-2.58 (m, 1H), 2.48-2.39 (m, 1H), 2.12-1.93 (m, 1H).
実施例6
3-(4-フルオロ-5-(4-メチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000032

中間体6A:N,4-ジメチル-6-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2-アミン
トルエン(10 mL)中の6-クロロ-N,4-ジメチルピリジン-2-アミン(100 mg, 0.64 mmol)およびヘキサメチルジチン(0.199 mL, 0.96 mmol)の撹拌溶液を、アルゴンで5分間パージし、次いで[1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(20.8 mg, 0.032 mmol)を加えた。反応混合物を、100℃で2時間撹拌し、室温まで冷却し、濾過した。ろ液を減圧濃縮し、N,4-ジメチル-6-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2-アミン(250 mg, 収率55.0 %)を得た。LCMS(方法A):保持時間1.29分, [M+H]+ 287.1.
実施例6:
スティルカップリングおよび環化は、中間体6Aおよび中間体3Bを用いて一般的方法2に従って行った。MS (ES):m/z = [M+H]+ 383.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.03 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.72 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.58 (br s, 1H), 5.16 (dd, J = 13.1, 5.0 Hz, 1H), 4.82-4.40 (m, 3H), 2.89 (s, 3H), 2.75-2.63 (m, 1H), 2.64-2.57 (m, 1H), 2.46-2.41 (m, 1H), 2.36-2.28 (m, 3H), 2.06-2.00 (m, 1H). 19/19.
実施例7
3-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000033

中間体7A:3,4-ジメチル-6-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2-アミン
6-クロロ-3,4-ジメチルピリジン-2-アミン(75 mg, 0.48 mmol)およびヘキサメチルジチン(0.149 mL, 0.72 mmol)/トルエン(3 mL)の撹拌溶液を、アルゴンで5分間パージした後、[1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(15.6 mg, 0.024 mmol)を加えた。反応混合物を、100℃で2時間撹拌し、室温まで冷却し、濾過した。ろ液を、減圧濃縮し、3,4-ジメチル-6-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2-アミン(150 mg, 収率 55.0 %)を得た。LCMS(方法A):保持時間1.16分、[M+H]+ 287.2。
実施例7:
スティルカップリングおよび環化は、中間体7Aおよび中間体3Bを用いて一般的方法1に従って行った。 MS (ES):m/z = [M+H]+ 383.0;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.01 (br s, 1H), 8.05 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 5.81 (s, 2H), 5.14 (dd, J = 13.3, 5.1 Hz, 1H), 4.71-4.34 (m, 2H), 3.01-2.88 (m, 1H), 2.67-2.58 (m, 2H), 2.46-2.41 (m, 1H), 2.23 (s, 3H), 2.04 (s, 3H).
実施例8および9
3-((S)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンおよび3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000034
中間体8A:4-ブロモ-2-エチル安息香酸
4-ブロモ-2-フルオロ安息香酸(5g、22.83mmol)/無水THF(100mL)の溶液に、THF中の臭化エチルマグネシウム(22.83mL、68.5mmol)の1M 溶液を、-78℃で15分間加えた。反応混合物を、ゆっくりと室温に温め、窒素雰囲気下で12時間撹拌した。反応混合物を、MeOH(15 mL)を用いて滴加して、クエンチした。反応混合物を、減圧濃縮した。得られた残留物を、EtOAcおよび2M 塩酸水溶液の間に分配した。層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗い、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 80 g カラム, 0~30% EtOAc/石油-エーテル)で精製して、4-ブロモ-2-エチル安息香酸(4g, 収率76%)を得た。 LCMS(方法D):保持時間 2.49 min、[M+H]+ 228.8, 230.0;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.04 (br s, 1H), 7.71 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 8.0, 2.0 Hz, 1H), 2.92 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.15 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
中間体8B:メチル 4-ブロモ-2-エチルベンゾエート
4-ブロモ-2-エチル安息香酸(4.0 g, 17.46 mmol)およびCs2CO3(11.38 g, 34.9 mmol)/DMF(40 mL)の攪拌混合物に、ヨウ化メチル(2.18 mL, 34.9 mmol)を加えた。反応混合物を室温で14時間撹拌し、セライトパッドで濾過し、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 80 g カラム, 0~50% EtOAc/石油エーテル)で精製し、4-ブロモ-2-エチル安息香酸メチル(3.3 g, 78 %収率)を、無色油状物として得た。 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.76 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 3.91 (s, 3H), 2.99 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 1.26 (t, J = 7.5 Hz, 3H).
中間体8C:メチル 4-ブロモ-2-(1-ブロモエチル)安息香酸メチル
4-ブロモ-2-エチル安息香酸メチル(3.0 g, 12.34 mmol)/ベンゼン(40 mL)の撹拌溶液に、NBS(3.29 g, 18.51 mmol)、次いでAIBN(0.405 g, 2.47 mmol)を加えた。反応混合物を、85℃で15時間加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、EtOAcで希釈し、飽和10%チオ硫酸ナトリウム水溶液およびブラインで洗った。有機層を、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 40gカラム, 0~30%EtOAc/石油エーテル)で精製し、4-ブロモ-2-(1-ブロモエチル)安息香酸メチル(2.1 g, 収率53%)を、白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, chloroform-d) δ 7.96 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.49 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 6.28 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 3.95 (s, 3H).
中間体8D:tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
4-ブロモ-2-(1-ブロモエチル)安息香酸メチル(1.0 g, 3.11 mmol)およびH-Glu(OtBu)-NH2 HCl(0.754 g, 3.73 mmol)/アセトニトリル(30 mL)の撹拌溶液に、DIPEA(2.71 mL, 15.53 mmol)を加えた。得られた反応混合物を、85℃で15時間加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 40gカラム, 0~10%MeOH/DCM)で精製し、tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(650 mg, 収率51%)を、半固形物として得た。 LCMS(方法A):保持時間 1.45 min、[M+H]+ 411.3, 413.3.
中間体8E:tert-ブチル 5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
6-クロロ-3,4-ジメチルピリジン-2-アミン(200 mg, 1.28 mmol)およびヘキサメチルジチン(544 mg, 1.66 mmol)/トルエン(6 mL)の攪拌溶液を、アルゴンで5分間パージした後、[1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(83 mg, 0.13 mmol)を加えた。反応混合物を、100℃で2時間撹拌し、室温まで冷却し、濾過した。ろ液を、減圧濃縮して、粗生成物を得た。[M+H]+ 287.0。この粗生成物のジオキサン(4 mL)溶液に、tert-ブチル 5-アミノ-4-(5-ブロモ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(0.289 g, 0.70 mmol)を加えた。反応混合物を、アルゴンで5分間パージした。ビス(1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム(0)(0.063 g, 0.07 mmol)を加え、反応混合物を、100℃で16時間加熱した。反応混合物を、室温に冷却して、濾過して、濾液を減圧濃縮して、粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製して(SiO2, 80 g カラム, 0~100% B(B = 15% EtOH/EtOAc + 0.5%TEA)/クロロホルム)、tert-ブチル 5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(110 mg, 34.6 %収率)を得た。 LCMS(方法A):保持時間 1.40 min, [M+H]+ 453.3.
中間体8F:3-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
tert-ブチル 5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(110 mg, 0.243 mmol, 34.6 %収率)/アセトニトリル(5 mL)の撹拌溶液に、p-トルエンスルホン酸(84 mg, 0.442 mmol)を加えた。反応混合物を、マイクロ波照射下で30分間120℃に加熱した。揮発成分を、減圧除去し、粗生成物を分取HPLCで精製した(カラム:Hypersil gold c18(19 X 250 mm), 5 μm;移動相A:10 mM 酢酸アンモニウム/水、移動相B:ACN;流量:20 mL T/B%:0/20, 18/80, 19/100, 21/100, 22/20, 24/20)。目的のフラクションを凍結乾燥し、3-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを得た。 LCMS(方法D):保持時間 2.15 min、[M+H]+ 379.0.
実施例8および9:
3-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(100 mg)を、SFC分離(カラム:Welk-01(R,R)(250×4.6)mm, 5 μm;% CO2:45%;%共溶媒:5 mM 酢酸アンモニウム/メタノールおよびアセトニトリル(1:1);流量:4 g/分;温度:30℃;UV:237nm)に供し、保持時間2.64分で溶出した最初のピークのフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、3-((S)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(12 mg, 15%収率)を得た。LCMS(方法D):保持時間 2.112 min, [M+H]+ 379.0;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.10-10.71 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 8.12 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.69 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 5.73 (s, 2H), 4.93-4.67 (m, 2H), 2.85-2.71 (m, 2H), 2.25 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.51 (d, J=6.6 Hz, 3H)および保持時間4.03分で溶出した第2ピークフラクションを濃縮して、凍結乾燥して、3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(8mg,収率10)を得た。LCMS(方法D):保持時間 2.162 min, [M+H]+ 379.0;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.00-10.89 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.13 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 5.73 (s, 2H), 4.84-4.68 (m, 2H), 2.91-2.65 (m, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.51-1.46 (m, 3H).
実施例10および11
2-アミノ-6-((3S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリルおよび2-アミノ-6-((3R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル
Figure 2024515243000035

中間体10Aおよび11A:
トルエン(10 mL)中の2-アミノ-6-クロロ-4-メチルニコチノニトリル(300 mg, 1.790 mmol)および1,1,1,2,2,2-ヘキサメチルジスタナン(762 mg, 2.327 mmol)を、アルゴンで5分間パージした後、[1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(117 mg, 0.179 mmol)を加えた。反応混合物を100℃で2時間撹拌し、室温まで冷却し、濾過した。ろ液を減圧濃縮して、粗生成物を得た。[M+H]+ 298.0。粗生成物をジオキサンに溶解し、中間体8D(0.695 g, 1.689 mmol)を加えた。反応混合物を、アルゴンで5分間パージし、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム(0)(0.153 g, 0.169 mmol)を加えた。反応混合物を100℃に加熱し、16時間撹拌した。反応混合物を、室温まで冷却し、濾過し、濾液を減圧濃縮して、粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 80gカラム, 0~100%B(B=EtOAc中15%EtOH, 0.5%TEA)/クロロホルム)で精製し、tert-ブチル 5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-5-シアノ-4-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(200 mg, 0.431 mmol, 25.5%収率)を得た。 LCMS(方法A):保持時間 1.47 min, [M+H]+ 464.3.
実施例10および11:
アセトニトリル(10 mL)中のtert-ブチル 5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-5-シアノ-4-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(200 mg, 0.431 mmol)の撹拌溶液に、p-トルエンスルホン酸(164 mg, 0.863 mmol)を加えた。反応混合物を、マイクロ波照射下で30分間120℃に加熱した。揮発成分を減圧除去し、得られた粗生成物を、分取HPLC(Column:Hypersil gold c18(19 X 250 mm), 5 μm 移動相A-10 mM酢酸アンモニウム/水;移動相B:ACN;流量:20 mL T/B%:0/20, 18/80, 19/100, 21/100, 22/20, 24/20)により精製した。目的のフラクションを凍結乾燥し、ジアステレオマーの混合物として2-アミノ-6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリルを得た。LCMS(方法D):保持時間1.66分, [M+H]+ 390.2。ジアステレオマーを、SFCで分離して(カラム:Welk-01(R,R)(250×4.6)mm, 5 μm;%CO2:45%;%共溶媒:5 mM 酢酸アンモニウム/メタノールおよびアセトニトリル(1:1);流量:4 g/分;温度:30℃;UV:237nm)、保持時間2.28分で最初に溶出したアイソマーフラクションを、濃縮乾固して、凍結乾燥させて、2-アミノ-6-((3S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(20 mg, 12%収率)を得た。LCMS(方法D):保持時間 1.64分。[M+H]+ 390.0;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.01-10.72 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.19 (dd, J=8.0, 1.3 Hz, 1H), 7.76 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.92 (s, 2H), 4.94-4.68 (m, 2H), 2.65-2.58 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.14-1.91 (m, 2H), 1.51 (d, J=6.6 Hz, 3H);および、保持時間3.25分で溶出した第2のアイソマーフラクションを濃縮乾固して、凍結乾燥し、2-アミノ-6-((3R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(20 mg, 12%収率)を得た。LCMS(方法D):保持時間 1.66 min, [M+H]+ 390.0;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.01-10.72 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.20 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.78 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.90 (s, 2H), 4.84-4.70 (m, 2H), 2.84-2.67 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.14-1.91 (m, 2H), 1.49 (br d, J=6.6 Hz, 3H).
実施例12および13
3-((S)-5-(4,5-ジメチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンおよび3-((R)-5-(4,5-ジメチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000036

中間体12Aおよび13A:
中間体8D(350 mg, 0.764 mmol)/ジオキサン(8 mL)の溶液に、6-クロロ-N,3,4-トリメチルピリジン-2-アミン(130 mg, 0.764 mmol)を加えた後、3 Mリン酸カリウム水溶液(0.764 mL, 2.291 mmol)を加えた。反応混合物を、室温で、15分間窒素でパージした。PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加体(62.4 mg, 0.076 mmol)を窒素下で添加し、反応混合物を100℃で12時間加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、セライトパッドで濾過して、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 24gカラム, 0~10%MeOHDCM)で精製し、tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-(4,5-ジメチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(230 mg, 0.493 mmol, 64.6 %収率)を、オフホワイトの固体として得た。LCMS(方法A):保持時間1.81 min, [M+H]+ 467.4.
実施例12および13:
tert-ブチル 5-アミノ-4-(5-(4,5-ジメチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(200 mg, 0.429 mmol)/酢酸(1 mL)の撹拌溶液に、ベンゼンスルホン酸(67.8 mg, 0.429 mmol)を加えた。反応混合物を、マイクロ波照射下で30分間120℃に加熱した。揮発成分を減圧除去し、得られた粗生成物を、分取HPLCで精製した(カラム:X Select CSH C18(250×20 mm) 5 μm 移動相:A:10 mM 酢酸アンモニウム B:CAN T/B:0/20, 18/85, 20/100, 21/20, 23/20;流量:20 mL/分)。目的のフラクションを凍結乾燥し、ジアステレオマー混合物として3-(5-(4,5-ジメチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを得た。LCMS(方法A):保持時間:1.47分, [M+H]+ 393.4。ジアステレオマーを、SFCで分離して(カラム:Chiralpak IC(250×4.5 μm;% CO2:45%;%共溶媒:5 mM酢酸アンモニウム/メタノールおよびアセトニトリル(1:1);流量:4 g/分;温度:30℃;UV:237nm)、最初に溶出するアイソマーのフラクション(保持時間:8.65分で溶出)を濃縮乾固して、凍結乾燥し、3-((S)-5-(4,5-ジメチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(3 mg, 2%収率)を得て:LCMS(方法D):保持時間 1.743 min, [M+H]+ 393.4;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.07-10.81 (m, 1H), 8.35-8.12 (m, 2H), 7.71 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.03 (br d, J=4.0 Hz, 1H), 4.88-4.69 (m, 2H), 2.96 (d, J=4.5 Hz, 3H), 2.78-2.63 (m, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.03 (s, 4H), 1.49 (d, J=6.5 Hz, 3H)、保持時間11.18分で溶出した第2ピークのフラクションを濃縮し、凍結乾燥して、3-((R)-5-(4,5-ジメチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(3 mg, 2%収率)を得た。LCMS(方法D):保持時間 1.669 min, [M+H]+ 393.4;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.07-10.81 (m, 1H), 8.35-8.12 (m, 2H), 7.71 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.03 (br d, J=4.0 Hz, 1H), 4.88-4.69 (m, 2H), 2.96 (d, J=4.5 Hz, 3H), 2.78-2.63 (m, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.03 (s, 4H), 1.49 (d, J=6.5 Hz, 3H).
実施例14および15
6-((3S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチル-2-(メチルアミノ)ニコチノニトリルおよび6-((3R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチル-2-(メチルアミノ)ニコチノニトリル
Figure 2024515243000037
中間体14Aおよび15A:
中間体8D(200 mg, 0.436 mmol)/ジオキサン(8 mL)の溶液に、6-クロロ-4-メチル-2-(メチルアミノ)ニコチノニトリル(79 mg, 0.436 mmol)を加えた後、K3PO4(0.291 mL, 0.873 mmol 3 M水溶液)を加えた。反応混合物を、室温で15分間、窒素でパージした。Xphos Pd G4(37.6 mg, 0.044 mmol)を、窒素雰囲気下で加え、反応混合物を80℃で12時間加熱した。反応混合物を、室温に冷却して、セライトパッドを通して濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 24gカラム, 0~10%MeOHDCM)で精製し、tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-(シアノ-4-メチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(75 mg, 0.157 mmol, 36.0 %収率)を、オフホワイトの固体として得た。LCMS(方法A):保持時間 1.59 min、[M+H]+ 478.2.
実施例14および15:
tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-(5-シアノ-4-メチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(60 mg, 0.126 mmol)/アセトニトリル(3 mL)の溶液に、室温で、ベンゼンスルホン酸(19.87 mg, 0.126 mmol)を加えた。反応混合物を、マイクロ波反応器で45分間120℃に加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 24gカラム, 0~10%MeOH/DCM)で精製し、ジアステレオマー混合物として6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチル-2-(メチルアミノ)ニコチノニトリルをオフホワイトの固体として得た。LCMS(方法A):保持時間1.22分, [M+H]+ 404.1。ジアステレオマーを、SFC(Column Welk-01(R,R)(250*4.6)mm, 5 μm;% CO2:45%;%共溶媒:5mM 酢酸アンモニウム/メタノールおよびアセトニトリル(1:1);流量:4 g/分;温度 30℃;UV:237nm)で分離して、保持時間2.91分で最初に溶出したアイソマーフラクションを濃縮乾固し、凍結乾燥させて、6-((3S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチル-2-(メチルアミノ)ニコチノニトリル(6mg, 収率12%)を得て:LCMS(方法D):保持時間 2.071 min、[M+H]+ 404.2;1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 11.27-10.74 (m, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.28 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.77 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.12 (br d, J=4.5 Hz, 1H), 4.87 (q, J=6.2 Hz, 1H), 4.81-4.71 (m, 1H), 3.00 (d, J=4.5 Hz, 3H), 2.68 (s, 1H), 2.44 (s, 3H), 1.72 (s, 3H), 1.52 (d, J=7.0 Hz, 3H)、保持時間4.74 minで溶出した第2ピークのフラクションを濃縮して、凍結乾燥させて、6-((3R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチル-2-(メチルアミノ)ニコチノニトリル(8 mg, 16%収率)を得た。 LCMS(方法D):保持時間 2.063 min, [M+H]+ 404.2;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.08-10.87 (m, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.28 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.77 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.19-7.05 (m, 1H), 4.91-4.71 (m, 2H), 2.99 (d, J=4.5 Hz, 3H), 2.76-2.57 (m, 3H), 2.44 (s, 3H), 1.71 (s, 1H), 1.49 (d, J=6.8 Hz, 3H).
実施例16および17
3-((S)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンおよび3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000038
中間体16A:4-ブロモ-2-エチル-3-フルオロ安息香酸
4-ブロモ2,3-ジフルオロ安息香酸(2.0 g, 8.44 mmol)/テトラヒドロフラン(40 mL)の溶液を、-78℃に冷却し、臭化エチルマグネシウム(8.44 mL, 25.3 mmol)/THFの1 M溶液を滴加した。反応混合物を室温に戻し、窒素雰囲気下で12時間撹拌した。MeOH(15 mL)を、0℃で、滴加して反応をクエンチした。揮発成分を減圧除去し、残留物を、EtOAcおよび2M塩酸水溶液の間で分配した。層を分離して、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗い、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 40gカラム, 0~80%EtOAc/石油エーテル)で精製し、4-ブロモ-2-エチル-3-フルオロ安息香酸(1 g, 48 %収率)を得た。LCMS(方法A):保持時間 0.69分;[M-H]+ 245.1, 247.1;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 13.36 (s, 1H), 7.68-7.53 (m, 2H), 2.95 (qd, J = 7.4, 2.6 Hz, 2H), 1.24-1.06 (m, 3H).
中間体16B:メチル 4-ブロモ-2-エチル-3-フルオロベンゾエート
4-ブロモ-2-エチル-3-フルオロ安息香酸(0.7 g, 2.83 mmol)およびK2CO3(0.783 g, 5.67 mmol)/アセトン(15 mL)の撹拌混合物に、硫酸ジメチル(0.541 mL, 5.67 mmol)を室温で滴加した。反応混合物を、50℃で14時間撹拌し、セライトパッドでろ過した。ろ液を真空濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 24gカラム, 0~50% EtOAc/石油エーテル)で精製して、4-ブロモ-2-エチル-3-フルオロ安息香酸メチル(0.51 g, 69 %収率)を、無色油状物として得た。1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ 7.58-7.51 (m, 1H), 7.49-7.37 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.01 (qd, J = 7.4, 2.6 Hz, 2H), 1.23 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
中間体16C:メチル 4-ブロモ-2-(1-ブロモエチル)-3-フルオロベンゾエート
メチル 4-ブロモ-2-エチル-3-フルオロベンゾエート(0.515 g, 1.972 mmol)/DCE(10 mL)の攪拌溶液に、NBS(0.386 g, 2.170 mmol)、次いでAIBN(0.065 g, 0.394 mmol)を加えた。反応混合物を、85℃で15時間加熱した。反応混合物を、酢酸エチルで希釈して、飽和10% チオ硫酸ナトリウム溶液およびブライン溶液で洗った。有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、真空濃縮した。得られる残留物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(SiO2, 24 g カラム, 0~30% EtOAc/石油エーテル)、メチル 4-ブロモ-2-(1-ブロモエチル)-3-フルオロベンゾエート(0.6 g, 89 %収率)を、白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ 7.70-7.53 (m, 1H), 7.52-7.44 (m, 1H), 6.16-5.87 (m, 1H), 3.93 (s, 3H), 1.95 (dd, J = 7.0, 1.3 Hz, 3H).
中間体16D:tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
メチル 4-ブロモ-2-(1-ブロモエチル)-3-フルオロベンゾエート(0.86 g, 2.53 mmol)およびH-Glu(OtBu)-NH2 HCl(0.845 g, 3.54 mmol)/アセトニトリル(15 mL)の攪拌溶液に、DIPEA(1.325 mL, 7.59 mmol)を加えた。反応混合物を、85℃で15時間加熱した。揮発性成分を、減圧下で除去して、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2, 40 g カラム, 0~10% MeOH/DCM)により精製して、tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(0.23 g, 21 %収率)を、淡黄色固体として得た。LCMS(方法A):保持時間 1.19 min, [M+23H]+ 451.3, 453.4.
中間体16E:tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-ブロモ-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(350 mg, 0.815 mmol)/1,4-ジオキサン(20 mL)の攪拌溶液に、3,4-ジメチル-6-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2-アミン(232 mg, 0.815 mmol)を加えた。混合物を、アルゴンを用いて5分間パージして、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(57.2 mg, 0.082 mmol)を加えた。反応混合物を、100℃で16時間加熱して、室温に冷却して、酢酸エチルで希釈した。混合物を、ブライン溶液で洗い、有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過して、真空濃縮して、粗製化合物を得た。粗製化合物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(SiO2, 24 g カラム, 0~5% MeOH/DCM)、合わせた生成物フラクションを、減圧濃縮して、tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(270 mg, 70.4 %収率)を、淡褐色固体として得た。LCMS(方法A):保持時間 1.64 min;[M+H]+ 471.2 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.99 (t, J=6.9 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.47 (br s, 1H), 7.30-7.13 (m, 2H), 6.90 (s, 1H), 5.74 (br d, J=5.3 Hz, 2H), 4.89 (q, J=6.1 Hz, 1H), 4.50-4.37 (m, 1H), 2.31-2.19 (m, 6H), 2.04 (s, 3H), 1.55-1.45 (m, 3H), 1.37 (d, J=2.9 Hz, 9H).
実施例16および17:
tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(270 mg, 0.574 mmol)/アセトニトリル(10 mL)の攪拌溶液に、PTSOH(218 mg, 1.148 mmol)を加えた。反応混合物を、120℃で30分間のマイクロ波照射で加熱した。揮発成分を、減圧除去して、得られる粗生成物を、prep-HPLCにより精製して、極性有機溶媒法(セルロース-2 [250 x 4.6 mm]、10 mM 酢酸アンモニウム/MeOH、流量:23 mL/min(定組成グラジエント))、保持時間9.73分の最初のアイソマーフラクションを、濃縮乾固して、凍結乾燥させて、3-((S)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(60 mg, 27%収率)を得た。LCMS(方法G):保持時間 1.83 min;[M+H]+ 397.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.10-10.87 (m, 1H), 8.01 (t, J=7.3 Hz, 1H), 7.57 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.92 (d, J=2.0 Hz, 1H), 5.78 (s, 2H), 5.01 (q, J=6.5 Hz, 1H), 4.73 (br dd, J=12.3, 4.8 Hz, 1H), 2.82-2.67 (m, 1H), 2.64-2.55 (m, 2H), 2.23 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.54 (d, J=7.0 Hz, 3H)。保持時間13.96分で溶出した第2ピークのフラクションを、濃縮乾固して、凍結乾燥させて、3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(70 mg, 31%収率)を得た。LCMS(方法G):保持時間 1.84 min;[M+H]+ 397.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.07-10.89 (m, 1H), 8.01 (t, J=7.1 Hz, 1H), 7.58 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.91 (s, 1H), 5.79 (s, 2H), 4.89 (q, J=6.5 Hz, 1H), 4.80 (dd, J=12.6, 5.1 Hz, 1H), 2.94-2.78 (m, 1H), 2.73-2.59 (m, 2H), 2.22 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 1.51 (d, J=6.8 Hz, 3H).
方法A:ACQUITY UPLC(登録商標) BEH C18(3.0 x 50 mm), 1.7 μm;移動相A:95:5 水:アセトニトリル(2.5 mM NH4OAcを含む);移動相B:5:95 水:アセトニトリル(2.5 mM NH4OAcを含む);温度:40℃;グラジエント:2分かけて20%B~100%B;流量:0.7 mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm).
方法B:カラム:XBridge BEH XP C18(50 x 2.1)mm, 2.5 μm;移動相A:95:5 水:アセトニトリル(10 mM NH4OAcを含む);移動相B:5:95 水:アセトニトリル(10 mM NH4OAcを含む);温度:50℃;グラジエント:3分かけて0%B~100%B;流量:1.1 mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm).
方法D:カラム-Kinetex XB-C18(75 X 3 mm-2.6 μm);移動相A:5 mM NH4COOH/水;移動相B:アセトニトリル;グラジエント:3分かけて10 %B~50 %B;流量:1.0 mL/min; 4.1分間まで50%B~100%B;流量:1.0 mL/min;4.5分まで保持;4.5分~5.0分間90 %B;流量:1.5 mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm).
方法G:カラム-Kinetex XB-C18(75 X 3 mm-2.6 μm);移動相A:5 mM NH4CO2H/水;移動相B:アセトニトリル;グラジエント:4分かけて20%B~100%B;流量:1.0 mL/min;4.6分まで保持;流量:1.5 mL/min;4.7分まで保持;4.7分~5.0分まで20 %B;流量:1.0 mL/min;検出:MSおよびUV(220 nm).
実施例18
3-(5-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000039

実施例18を、一般的方法2を用いて6-クロロピリジン-2-アミンおよび中間体3Bから合成した。粗生成物を、分取LCMSにより精製して(カラム:Waters XBridge C18, 150 mm x 19 mm, 5μm粒径;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);グラジエント:10% Bで0分間保持、20分間かけて10~30% B、次いで5分間100% Bで保持;流量:20 mL/min. LCMS(方法B):保持時間 0.98 min、[M+H]+ 369.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.04 (s, 1H), 7.77 (br d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.74-7.68 (m, 1H), 6.93-6.87 (m, 1H), 5.17 (dd, J = 13.3, 5.1 Hz, 1H), 4.67 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 4.55-4.47 (m, 1H), 3.01-2.89 (m, 2H), 2.67-2.61 (m, 1H), 2.47-2.39 (m, 1H), 2.04 (s, 3H).
一般的方法4:
ハロゲン化アリール(1等量)、アリールボロン酸ピナコールエステル(1.0等量)、炭酸カリウム(1.5等量)、ジオキサン(4 mL/mmol)および水(0.4 mL/mmol)の混合物を、室温で5分間アルゴンによりパージした。[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(0.05 eq.)を加えて、反応混合物を、110℃で2時間加熱した。反応混合物を、室温で冷却して、EtOAcで希釈し、セライトパッドを通して濾過した。濾液を、ブライン溶液で洗い、無水Na2SO4で乾燥させて、濾過して、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。単離生成物を、アセトニトリルに溶解し、pTSA・H2O(2等量)を加えて、混合物を、マイクロ波の反応器内において120℃で1.5時間加熱した。反応混合物を、室温に冷却して、減圧濃縮して、粗生成物を、prep-HPLCにより精製して、目的の生成物を得た。
実施例19
3-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000040

中間体19Aおよび19B:6-ブロモ-3-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミンおよび6-ブロモ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミン
6-ブロモ-4-メチルピリジン-2-アミン(2.6 g, 13.90 mmol)/クロロホルム(100 mL)および水(100 mL)の溶液に、Selectfluor(2.462 g, 6.95 mmol)を加えた。反応混合物を、室温で48時間攪拌した。反応混合物を、DCM(200 mL)で希釈し、ブラインで洗い、無水Na2SO4上で乾燥させて、濾過して、減圧濃縮した。得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(SiO2, 80 g カラム, 0~30% EtOAc/石油エーテル)、中間体19A:6-ブロモ-3-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミン(600 mg, 19.6 %収率)を得た;LCMS(方法A):保持時間 1.21 min, [M+H]+ 207.1. 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 6.60 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 6.55 (s, 2H), 2.13 (d, J = 1.9 Hz, 3H);および中間体19B:6-ブロモ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミン(500 mg, 4.4 %収率);LCMS(方法A):保持時間1.14、[M+H]+ 207.1;1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 6.25 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 4.52-4.22 (m, 2H), 2.23 (d, J = 1.1 Hz, 3H).
実施例19:
実施例19を、一般的方法4を用いることにより、6-ブロモ-3-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミンおよびtert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-フルオロ-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(4-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル安息香酸から出発する実施例2に示した方法により合成した)を用いて合成した。粗生成物を、分取LCMSにより精製して(カラム:YMC EXRS 250 mm x 21 mm, 移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);グラジエント:10% Bで0分間保持、20分間かけて10~30% B、次いで5分間100% Bで保持;流量:20 mL/min。LCMS(方法D):保持時間 1.56 min;[M+H]+ 387.15;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.02 (s, 1H), 8.09-7.92 (m, 1H), 7.66 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.32-6.78 (m, 1H), 5.14(dd, J = 13.8, 5.8 Hz,1H), 4.74-4.33 (m, 2H), 2.98-2.86 (m, 1H), 2.68-2.56 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 22.09-2.05(m, 1H).
実施例20
3-(5-(6-アミノ-3-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000041

実施例20を、一般的方法4を用いて、6-ブロモ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミンおよびtert-ブチル(S)-5-アミノ-4-(4-フルオロ-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(4-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル安息香酸を用いて開始する実施例2に示した方法により合成した)を使用して合成した。粗生成物を、分取LCMSにより精製して(カラム:Waters XBridge C18, 150 mm x 19 mm, 粒径5μm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);グラジエント:10% Bで0分間保持、20分間かけて10~30% B、次いで5分間100% Bで保持;流量:20 mL/min. LCMS(方法B):保持時間 1.03 min, [M+H]+ 387.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.04 (s, 1H), 7.74-7.57 (m, 2H), 6.46 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 5.97 (s, 2H), 5.16 (dd, J = 5.0, 13.3 Hz, 1H), 4.65 (d, J = 17.5Hz, 1H), 4.52-4.42 (m, 1H), 3.03-2.86 (m, 1H), 2.68-2.59 (m, 1H), 2.49-2.41 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 2.12-1.99 (m, 1H).
実施例21および22
3-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000042
中間体21A:tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(3-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
無水DME(15 mL)中の中間体8D(1.0 g, 2.43 mmol)、酢酸カリウム(0.239 g, 2.43 mmol)およびBispin(0.617 g, 2.43 mmol)の混合物を、アルゴンガスで10分間、室温でパージした。PdCl2(dppf)-CH2Cl2付加物(0.159 g, 0.195 mmol)を、アルゴン雰囲気下において加えた。バイアルを、密閉して、混合物を、90℃で12時間加熱した。反応混合物を、室温で冷却して、セライトパッドを通して濾過して、濾液を、減圧濃縮した。残留物を、ジエチルエーテルに溶解して、セライトパッドを通して濾過した。濾液を減圧濃縮して、tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(3-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(1.0 g, 90 %収率)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.70 min、[M+H]+ 459.1.
21Bおよび22Bの製造例:tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート
tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(3-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(0.241 g, 0.527 mmol)/ジオキサン(10 mL)の溶液に、6-ブロモ-3-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミン(0.09 g, 0.44 mmol)、次いで炭酸水素ナトリウム(0.5 M 溶液, 2.195 mL, 1.097 mmol)を加えた。反応混合物を、窒素を用いて15分間室温でパージして、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.031 g, 0.044 mmol)を、窒素下で加えて、100℃で12時間加熱した。反応混合物を、室温で冷却して、セライトパッドを通して濾過して、減圧濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して(SiO2, 24 g カラム, 50~100% EtOAc/DCM)、tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(150 mg)を、ジアステレオマー混合物として得た。ジアステレオマーを、SFC(カラム Chiral Pak IG(250×4.6)mm, 5 μm;%CO2:45%;%共溶媒:5 mM 酢酸アンモニウム/メタノールおよびアセトニトリル(1:1);流量:4 g/min;温度:30℃;UV:237 nm)により分離して、保持時間3.4分で最初に溶出するアイソマーフラクションを濃縮乾固させて、tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(40 mg, 20 %収率)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.41, [M+H]+ 457.1。保持時間4.6分間で溶出する第2ピークのフラクションを濃縮して、tert-ブチル(4S)-5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(50 mg, 25 %収率)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.40, [M+H]+ 457.4.
実施例21:
(4S)-5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(0.04 g, 0.088 mmol)/アセトニトリル(10 mL)の攪拌溶液に、ベンゼンスルホン酸(0.028 g, 0.175 mmol)を加えた。反応混合物を、マイクロ波照射下において120℃で30分間加熱した。反応混合物を、室温で冷却して、減圧濃縮して、分取LCMSにより精製した(カラム:Waters XBridge C18, 150 mm x 19 mm, 5μm 粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);グラジエント:10% Bで0分間保持、20分間かけて10~30% B、次いで5分間100% Bで保持;流量:20 mL/min. LCMS(方法B):保持時間 1.19 min、[M+H]+ 383.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.95 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 8.07 (dd, J = 1.1, 8.1 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 4.4 Hz, 1H),4.82-4.67 (m, 2H), 2.93-2.79 (m, 1H), 2.71-2.59 (m, 2H), 2.26 (s, 3H), 2.05-1.96 (m, 1H), 1.48 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
実施例22:
(4S)-5-アミノ-4-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(0.04 g, 0.088 mmol)/アセトニトリル(10 mL)の攪拌溶液に、ベンゼンスルホン酸(0.028 g, 0.175 mmol)を加えた。反応混合物を、マイクロ波照射下において120℃で30分間加熱した。反応混合物を、室温で冷却して、減圧濃縮して、残留物を分取LCMSにより精製した(カラム:Waters XBridge C18, 150 mm x 19 mm, 粒径5μm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);グラジエント:10% Bで0分間保持、20分間かけて10~30% B、次いで5分間100% Bで保持;流量:20 mL/min. LCMS(方法B):保持時間 1.19 min, [M+H]+ 383.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.92 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.07 (dd, J = 1.1, 8.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 4.3 Hz, 1H),6.26 (br s, 2H), 4.83 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 4.74 (br dd, J = 4.3, 11.3 Hz, 1H), 2.83-2.71 (m, 1H), 2.64-2.55 (m, 2H), 2.25 (d, J = 1.5 Hz, 3H), 2.09 -1.96 (m, 1H), 1.50 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
実施例23
2-アミノ-6-((3R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル
Figure 2024515243000043
実施例23を、一般的方法4を用いて、2-アミノ-6-クロロ-4-メチルニコチノニトリルおよびtert-ブチル(S)-5-アミノ-4-((R)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(4-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル安息香酸を用いて開始する実施例2に示した方法により合成した)から合成した。粗生成物を、分取LCMSにより精製して(カラム:Waters XBridge C18, 150 mm x 19 mm, 5μm 粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);グラジエント:10% Bで0分間保持、20分間かけて10~30% B、次いで5分間100% Bで保持;流量:20 mL/min. LCMS(方法B):保持時間 1.19 min, [M+H]+ 408.0;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.00 (s, 1H), 8.17-7.85 (m, 1H), 7.73-7.52 (m, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.99 (s, 2H), 5.08-4.89 (m, 1H), 4.86-4.72 (m, 1H), 2.90-2.75 (m, 1H), 2.74-2.58 (m, 2H), 2.42 (s, 3H), 2.12-2.00 (m, 1H), 1.57-1.47 (m, 3H).
実施例24
3-((R)-5-(6-アミノ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000044

実施例24を、一般的方法4を用いて、6-クロロ-4-メチルピリジン-2-アミンおよびtert-ブチル(S)-5-アミノ-4-((R)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(4-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル安息香酸を用いて開始する実施例2に示した方法により合成した)から合成した。粗生成物を、分取LCMSにより精製して(カラム:Waters XBridge C18, 150 mm x 19 mm, 粒径5μm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);グラジエント:10% Bで0分間保持、20分間かけて10~30% B、次いで5分間100% Bで保持;流量:20 mL/min. LCMS(方法B):保持時間 1.20 min, [M+H]+ 383.2;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.00 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 8.01-7.84 (m, 1H), 7.71 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.96 (br d, J = 1.0 Hz, 1H), 6.71-6.54 (m, 1H), 4.99-4.91 (m, 1H), 4.87-4.78 (m, 1H), 2.86 (br dd, J = 4.4, 3.4 Hz, 1H), 2.75-2.62 (m, 2H), 2.47-2.44 (m, 1H), 2.34 (s, 4H), 1.94 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 1.53 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
実施例25
3-((R)-5-(6-アミノ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000045

実施例25を、一般的方法4を用いて、6-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミンおよびtert-ブチル(S)-5-アミノ-4-((R)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(4-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル安息香酸を用いて開始する実施例2に示した方法により合成した)から合成した。粗生成物を、分取LCMSにより精製して(カラム:Waters XBridge C18, 150 mm x 19 mm, 粒径5μm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);グラジエント:10% Bで0分間保持、20分間かけて10~30% B、次いで5分間100% Bで保持;流量:20 mL/min. LCMS(方法B):保持時間 1.39 min, [M+H]+ 438.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.99 (s, 1H), 8.13-7.95 (m, 1H), 7.65 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.15 (s, 1H), 6.79 (s, 2H), 4.98-4.88 (m, 1H), 4.86-4.77 (m, 1H), 2.85 (br s, 1H), 2.93-2.78 (m, 1H), 2.72-2.59 (m, 2H), 2.08-2.00 (m, 1H), 1.52 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
実施例26
3-((R)-5-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000046

実施例26を、一般的方法4を用いて、6-クロロ-5-メチルピリジン-2-アミンおよびtert-ブチル(S)-5-アミノ-4-((R)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(4-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル安息香酸を用いて開始する実施例2に示した方法により合成した)から合成した。粗生成物を、分取LCMSにより精製した(カラム:Waters XBridge C18, 150 mm x 19 mm, 5μm 粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);グラジエント:10% Bで0分間保持、20分間かけて10~30% B、次いで5分間100% Bで保持;流量:20 mL/min. LCMS(方法B):保持時間 1.07 min, [M+H]+ 383.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.01 (s, 1H), 7.90-7.77 (m, 1H), 7.74-7.61 (m, 2H), 6.86 (br dd, J = 5.5, 3.9 Hz, 1H), 4.96 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.84 (dd, J = 12.6, 5.1 Hz, 1H), 3.01-2.82 (m, 2H), 2.71-2.60 (m, 2H), 2.12-2.01 (m, 5H), 1.51 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
実施例27
3-((R)-5-(6-アミノピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000047

実施例27を、一般的方法4を用いて、6-クロロピリジン-2-アミンおよびtert-ブチル(S)-5-アミノ-4-((R)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(4-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル安息香酸を用いて開始する実施例2に示した方法により合成した)から合成した。粗生成物を、分取LCMSにより精製した(カラム:Waters XBridge C18, 150 mm x 19 mm, 粒径5 μm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);グラジエント:10% Bで0分間保持、20分間かけて10~30% B、次いで5分間100% Bで保持;流量:20 mL/min. LCMS(方法B):保持時間 1.01 min, [M+H]+ 369.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.95 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 7.81-7.62 (m, 2H), 7.22 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.04 (br d, J = 7.0 Hz, 1H), 6.97 (s, 1H), 6.78-6.72 (m, 1H), 4.93 (q, J = 6.5 Hz, 1H), 4.82 (dd, J = 12.4, 5.3 Hz, 1H), 2.91-2.83 (m, 1H), 2.75-2.60 (m, 2H), 2.36-2.32 (m, 1H), 1.52 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
実施例28
(R)-3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000048

実施例17(250 mg, 0.531 mmol)/アセトニトリル(4 mL)の攪拌溶液に、TFA(1 mL, 13.81 mmol)を加えた。反応混合物を、90℃で2時間加熱した。反応混合物を、減圧濃縮して、粗生成物を、分取SFCにより精製して(Chiral Pak IC(250 X 50)mm, 5 μm;%CO2:50%;%共溶媒:50 %の5 mM酢酸アンモニウム/ACN:MEOH(50:50);流量:300.0 g/min;温度:40℃;UV:240 nm)、保持時間6.9分で最初に溶出するアイソマーフラクションを、濃縮乾固させて、凍結乾燥させて、(R)-3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(15 mg, 7 %収率)を得た。LCMS(方法D):保持時間 1.28 min, [M+H]+ 397.1;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.97-10.89 (m, 1H), 7.99 (br d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.91 (s, 1H), 5.80 (s, 2H), 5.00 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 4.76-4.67 (m, 1H), 2.82-2.70 (m, 1H), 2.67-2.55 (m, 2H), 2.22 (s, 3H), 2.03 (s, 4H), 1.53 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
実施例29
3-((R)-5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000049

実施例29を、一般的方法4を用いて、6-クロロ-3-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミン およびtert-ブチル(S)-5-アミノ-4-((R)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタノエート(4-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル安息香酸を用いて開始する実施例2に示した方法により合成した)から合成した。粗生成物を、分取LCMSにより精製して(カラム:Waters XBridge C18, 150 mm x 19 mm, 粒径5 μm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);移動相B:95:5 アセトニトリル:水(0.1% トリフルオロ酢酸を含む);グラジエント:10% Bで0分間保持、20分間かけて10~30% B、次いで5分間100% Bで保持;流量:20 mL/min. LCMS(方法B):保持時間 1.18 min、[M+H]+ 401.3;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.98 (s, 1H), 7.95 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 4.90 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 4.80 (dd, J = 4.9, 12.9 Hz, 1H), 2.89-2.78 (m, 1H), 2.70-2.60 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.07-1.97 (m, 1H), 1.51 (d, J = 6.5 Hz, 3H).
実施例30
3-((S)-5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン
Figure 2024515243000050

30Aの製造例:3-フルオロ-4-メチル-6-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2-アミン
6-ブロモ-3-フルオロ-4-メチルピリジン-2-アミン(0.05 g, 0.24 mmol)およびヘキサメチルジチン(0.076 mL, 0.366 mmol)/トルエン(3 mL)の攪拌溶液を、アルゴンで5分間パージした後、[1,1'-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.016 g, 0.024 mmol)を加えた。反応混合物を、15時間100℃で攪拌して、室温に冷却して、濾過した。濾液を減圧濃縮して、3-フルオロ-4-メチル-6-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2-アミン(69 mg, 82 %収率)を得た。LCMS(方法A):保持時間 1.68, [M+H]+ 289.2.
実施例30:
スティルカップリングおよび環化を、中間体30Aおよび中間体16Dを用いて一般的方法2に従って達成した。LCMS(方法D):保持時間 1.17 min、[M+H]+ 401.3;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.94 (s, 1H), 7.94 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 6.31 (br s, 2H), 5.01 (q, J = 6.6 Hz, 1H), 4.72 (dd, J = 4.9, 11.9 Hz, 1H), 2.79-2.67 (m, 1H), 2.64-2.55 (m, 2H), 2.24 (s, 3H), 2.07-1.98 (m, 1H), 1.53 (d, J =6.8 Hz, 3H).
(生物学的アッセイ)
本発明の化合物の薬理学的特性は、多数の生物学的アッセイにより確認され得る。下記の生物学的アッセイを、本発明の化合物を用いて実施した。
Helios細胞分解アッセイ
試験化合物を超音波音響分注技術で予め添加した384ウェル細胞培養プレートに、Jurkat細胞を、1ウェルあたり80,000細胞/RPMI(40μL)+10%FBSで播種した。細胞を37℃および5%CO2で72時間インキュベートし、培養した。分析を円滑に進めるために、培養細胞を200rpmで5分間遠沈し、上清を除去した。細胞ペレットを剥がすためにプレートを振盪した後、細胞を固定用緩衝液(50μL、eBioScience FoxP3緩衝液セット、00-5523-00)に60分間室温で再懸濁した。遠心分離して上清を除去した後、細胞を透過用緩衝液(50μL、eBioScience FoxP3緩衝液セット、00-5523-00)中、10分間室温で透過処理した。透過処理後、細胞を遠沈し、上清を、Helios、イカロスおよびAiolosまたは対応するアイソタイプコントロールに対する蛍光標識抗体(20μL)/1倍の透過用緩衝液(Ikaros-Alexa488[Biolegend、Cat #368408、1:50]、Helios-PE[CST、Cat #29360、1:50]、Aiolos-Alexa647[Biolegend、Cat #371106、1:25])で置換し、染色反応を遮光して1時間室温でインキュベートした。次に、1倍の透過用緩衝液(30μL)を加え、細胞を遠心分離し、上清を除去した。染色細胞をフローサイトメトリー染色緩衝液(25μL、PBS+0.2%BSA)に再懸濁し、Intellicyt Ique Plusフローサイトメーターを用いて分析した。
Figure 2024515243000051

Claims (20)

  1. 式(I):
    Figure 2024515243000052

    [式中、
    R1は、-NH2または-NH(CH3)であり;
    各R2は、独立して、F、Cl、-CN、C1-4アルキル、-CH2F、-CHF2、-CF3、-OCH3またはシクロプロピルであり;
    各R4は、独立して、F、Cl、-CH3、-CH2F、-CHF2、-CF3または-OCH3であり;
    R6は、水素、C1-2アルキルまたはC1-2フルオロアルキルであり;
    mは、0、1、2または3であり;および
    nは、0、1、2または3であるが;
    但し、R6が、水素である場合、mは、1、2または3である]
    の化合物またはその塩。
  2. R1が-NH2である、請求項1記載の化合物またはその塩。
  3. R1が-NH(CH3)である、請求項1記載の化合物またはその塩。
  4. 各R2が、独立して、F、-CN、-CH3または-CF3である、請求項1~3のいずれか一項記載の化合物またはその塩。
  5. R6が、C1-2アルキル、-CH2F、-CF2H、-CF3または-CH2CF3である、請求項1~5のいずれか一項記載の化合物またはその塩。
  6. R6が、-CH3である、請求項1~5のいずれか一項記載の化合物またはその塩。
  7. R6が、C1-2アルキル、-CH2F、-CF2H、-CF3または-CH2CF3であり;および、mが0である、請求項1~5のいずれか一項記載の化合物またはその塩。
  8. R6が、-CH3であり;およびmが0である、請求項1~5のいずれか一項記載の化合物またはその塩。
  9. 各R4が、独立して、F、-CH3、-CHF2または-CF3である、請求項1~5のいずれか一項記載の化合物またはその塩。
  10. 各R4が、F、-CH3、-CHF2または-CF3であり;
    R6が、水素であり;および
    mが、1または2である、
    請求項1~5のいずれか一項記載の化合物またはその塩。
  11. 各R4が、Fまたは-CH3であり;
    R6が、水素であり;および
    mが、1または2である、
    請求項1~5のいずれか一項記載の化合物またはその塩。
  12. 各R4が、Fまたは-CH3であり;
    R6が、水素であり;および
    mが、1である、
    請求項1~5のいずれか一項記載の化合物またはその塩。
  13. 化合物が、下記の化合物:
    2-アミノ-6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(1);
    2-アミノ-6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-6-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(2);
    2-アミノ-6-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(3);
    3-(5-(6-アミノ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(4);
    3-(5-(6-アミノ-4-(トリフルオロエチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(5);
    3-(4-フルオロ-5-(4-メチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(6);
    3-(5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(7);
    3-((S)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(8);
    3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(9);
    2-アミノ-6-((3S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(10);
    2-アミノ-6-((3R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(11);
    3-((S)-5-(4,5-ジメチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(12);
    3-((R)-5-(4,5-ジメチル-6-(メチルアミノ)ピリジン-2-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(13);
    6-((3S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチル-2-(メチルアミノ)ニコチノニトリル(14);
    6-((3R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチル-2-(メチルアミノ)ニコチノニトリル(15);
    3-((S)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(16);
    3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(17);
    3-(5-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(18);
    3-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(19);
    3-(5-(6-アミノ-3-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(20);
    3-(5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(21-22);
    2-アミノ-6-((3R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-5-イル)-4-メチルニコチノニトリル(23);
    3-((R)-5-(6-アミノ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(24);
    3-((R)-5-(6-アミノ-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(25);
    3-((R)-5-(6-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(26);
    3-((R)-5-(6-アミノピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(27);
    (R)-3-((R)-5-(6-アミノ-4,5-ジメチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(28);
    3-((R)-5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(29);または
    3-((S)-5-(6-アミノ-5-フルオロ-4-メチルピリジン-2-イル)-4-フルオロ-3-メチル-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(30)
    である、請求項1またはその塩。
  14. 請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩;および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  15. がんの治療のための、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  16. 前記がんが、結腸がん、胃がん、膵臓がん、乳がん、前立腺がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、腎臓がん、頭頸部がん、リンパ腫、白血病および黒色腫から選択される、請求項13に記載の使用。
  17. Heliosタンパク質に、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を接触させることを特徴とする、細胞中のHeliosタンパク質レベル、Helios活性レベル、またはHelios発現レベルを減少させる方法。
  18. Heliosタンパク質が、配列番号1、2、3、4、または5のアミノ酸配列によってコードされている、請求項15に記載の方法。
  19. Eosタンパク質に、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を接触させることを特徴とする、細胞中のEosタンパク質レベル、Eos活性レベル、またはEos発現レベルを減少させる方法。
  20. Eosタンパク質が、配列番号7または8のアミノ酸配列によってコードされている、請求項17に記載の方法。
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