JP2024513073A - 静電気防止ポリアミド組成物及びそれを含む物品 - Google Patents

静電気防止ポリアミド組成物及びそれを含む物品 Download PDF

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Abstract

本明細書では、ポリアミド組成物、及びそのようなポリアミド組成物を含む成形品、例えば携帯電子機器部品について記述される。ポリアミド組成物は、ポリアミドポリマーと、炭素繊維、カーボンナノチューブ、又はそれらの任意の組み合わせを含む導電性材料と、最大500ミクロンの平均長さを特徴とする三次元構造を有するガラス充填剤とを含み、前記ガラス充填剤は、少なくとも20重量%のガラスフレークを含む。ポリアミド組成物及び成形品は、ほぼ等方的な成形収縮、少ない反り、及びほぼ等方的なCLTE(線熱膨張係数)を示し、また静電気防止性(ESD)である。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月6日出願の米国仮特許出願第63/171216号及び2021年8月5日出願の欧州特許出願第21189881.6号に基づく優先権を主張するものであり、これらの出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
本発明は、静電気防止ポリアミド組成物に関し、また、そのようなポリマー組成物を含むか又はそれから製造された物品、例えば成形品、特に携帯電子機器部品に関する。
半結晶性ポリアミドは優れた機械的特性と加工性を備えているため、優れた機械的性能が求められる様々な用途に適している。ポリアミド成形品はエンジニアリング分野、特に電子部品及び自動車分野の部品に広く使用されている。軽量でありながらも高い機械的強度を備えた成形品に対する需要のため、これらの物品は、一般的に充填剤、特に繊維状充填剤によって強化されている。ポリフタルアミドは、特に高いガラス転移温度Tgと高い融解温度Tmに起因する高温性能が評価されている。
しかしながら、半結晶性ポリアミドは結晶化の結果として異方性の成形収縮を示し、ガラス繊維のような繊維状の強化充填剤はこの影響を増幅する。加えて、線熱膨張係数「CLTE」又は吸湿による膨張などの寸法安定性も異方性であり、これは半結晶性ポリマーの形態及び強化充填剤の高いアスペクト比に起因する。
ポリアミドは、ほとんどのプラスチック樹脂と同様、絶縁材料である。実際、プラスチック樹脂は、典型的には電流を容易には通しにくく、他の公知の絶縁材料と比較して一般的にかなり安価であるため、電気絶縁材料としての使用が検討されることが多い。多くの公知のプラスチックは、少なくともある程度の電気絶縁の有効性を付与するのに十分な耐久性と耐熱性を備えているものの、そのようなプラスチックの多くは、材料の表面に静電荷が蓄積するため問題がある。
そのような表面電荷の蓄積は、様々な理由から望ましくない場合がある。そのような材料は非常に急速に放電することがあり、環境によっては電子部品に損傷を与えたり、又は火災若しくは爆発を引き起こしたりする場合がある。突発的な静電気放電が、材料を使用する人を困らせることもある。
突然の静電気の放電が問題にならない場合であっても、ちりは典型的には静電気を帯びた材料に引き寄せられ、蓄積することになる。更に、静電気は敏感な電子部品又はデバイスなどに干渉する可能性がある。
抵抗率は、表面抵抗率と体積抵抗率を含むものとして定義することができる。体積抵抗率が適切な範囲にある場合、電荷が(通常は表面に沿って)放散できる代替経路が提供される。実際、表面抵抗率は、典型的には静電気防止(「ESD」)ポリマー材料の主な焦点である。
表面抵抗率は、室温で材料の表面で測定される電気抵抗測定値(典型的にはΩ毎スクウェア又は「Ω/sq」で測定される)である。表面抵抗率が約10Ω/sq以下の場合、組成物の表面には絶縁能力がほとんどなく、一般的に導電性であるとみなされる。そのような組成物は、ブリードオフの速度が速すぎるため、一般的には不十分な静電気防止ポリマー材料である。
表面抵抗率が1012Ω/sqよりも大きい場合、組成物の表面は一般的には絶縁体であるとみなされる。特定の用途では、表面が静電荷を放散させるのに必要な量の導電性を持たないため、そのような組成物も静電気防止材料としては不十分である。典型的には、表面抵抗率が約10~1012Ω/sqである場合、表面に接触した電荷はすぐに放散又は「減衰」する。表面抵抗率と体積抵抗率の評価に関する追加の情報は、米国標準試験法D257の中で見ることができる。ポリマー組成物は、導電性添加剤を添加することによって導電性にすることができる。これらの導電性添加剤としては、炭素繊維、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、又はグラファイトを挙げることができる。これらの導電性添加剤には、界面活性剤、塩、導電性有機ポリマー、及び導電性無機ポリマーも含まれ得る。
したがって、本発明の目的は、静電気防止(ESD)特性及び適切な寸法安定性を有するポリアミドベースの物品、好ましくは成形品を製造するために使用されるポリアミド組成物を提供することである。この特性の組み合わせのため、そのような物品は電子用途に適しており、特に、寸法公差が厳しく、且つ最適な機能のためにESD特性が必要とされる携帯電子機器部品に適している。
本発明は、寸法公差が非常に厳しいポリアミドベースの成形品(携帯電子機器の部品など)における異方性成形収縮及び寸法変化(少ない反り)の問題を解決する。「反り」とは、成形中の樹脂の異方性収縮によって引き起こされ得る1つ以上の方向への成形された部品の変形を意味する。
また、本発明は、動作中に発生する静電荷を蓄積するポリアミドベースの物品又は機器における静電気の放散が不十分であるという問題を、これらの静電荷のゆっくりとした放散を促進することによって解決する。導電性材料がなければ、ポリアミドベースの物品又は機器は絶縁性になり、電荷の放散は起こらないであろう。他方で、導電性材料が多すぎると、ポリアミドベースの物品又は機器の抵抗率が低すぎ(導電性が高すぎ)、その結果、物品又は機器が接地されて、その性能が阻害される可能性がある。
本発明の第1の態様は、ポリアミドポリマーと、導電性材料と、平均長さが最大500ミクロンであることを特徴とする三次元構造を有するガラス充填剤とを含むポリアミド組成物に関する。
ポリアミド組成物は、
・少なくとも20重量パーセント(wt%)のポリアミドポリマーと、
・炭素繊維、カーボンナノチューブ、又はそれらの任意の組み合わせを含む、1重量%より多く20重量%までの導電性材料と、
・最大500ミクロンの平均長さを特徴とする三次元構造を有する20重量%~60重量%のガラス充填剤であって、少なくとも20重量%のガラスフレークを含むガラス充填剤と、
を含み、
これらの重量%はポリアミド組成物の総重量基準である。
特定のポリアミド組成物は、
・少なくとも20重量パーセント(wt%)のポリアミドポリマーと、
・炭素繊維、カーボンナノチューブ、又はそれらの任意の組み合わせを含む、1重量%より多く20重量%までの炭素ベースの導電性材料と、
・ガラスフレークからなる30重量%~55重量%のガラス充填剤と、
を含み、
これらの重量%はポリアミド組成物の総重量基準である。
ポリアミド組成物は、ガラス充填剤とは異なる任意選択的な強化剤、及び/又は任意選択的な添加剤、例えば熱安定剤、潤滑剤、耐衝撃性改良剤、UV安定剤、顔料などを更に含んでいてもよい。
本発明の第2の態様は、本発明によるポリアミド組成物の製造方法に関し、前記方法は、ポリアミドポリマー、導電性材料、ガラス充填剤、ガラス充填剤とは異なる任意選択的な強化剤、及び任意選択的な添加剤、例えば熱安定剤、潤滑剤、耐衝撃性改良剤、UV安定剤、顔料などを溶融ブレンドすることを含む。
本発明の第3の態様は、本発明によるポリアミド組成物を含む、又はそれから製造される成形品に関する。
本発明の第4の態様は、本発明によるポリアミド組成物を含む、又はそれから製造される電子機器部品、好ましくは携帯電子機器部品に関する。
本発明の第5の態様は、携帯電子機器部品などの成形品を製造するための本発明によるポリアミド組成物の使用に関する。
本発明の別の態様は、ポリアミドポリマーを導電性材料、ガラス充填剤、及び任意選択的に添加剤とブレンドして成形組成物を形成してから成形組成物を成形、好ましくは射出成形して成形品を形成することを含む、ポリアミドベースの成形品の表面抵抗率又は体積抵抗率を低減し、成形収縮及び/又は反りも低減するための方法に関する。
本発明の様々な態様、利点及び特徴は、詳細な説明及び実施例を参照することにより、より容易に理解及び認識されるであろう。
定義
本明細書において、いくつかの用語は、以下の意味を有することが意図される。
本明細書で使用される場合、ポリアミドは、通常、少なくとも1種の芳香族又は脂肪族飽和二酸と、少なくとも1種の脂肪族飽和又は芳香族第一級ジアミン、ラクタム、アミノ酸、又はこれらの異なるモノマーの混合物との間の重縮合によって得られる。
本明細書で使用される場合、ポリフタルアミド(PPA)は、通常、ポリマー鎖中の繰り返し単位の二酸部分の少なくとも55モル%がテレフタル酸及び/又はイソフタル酸であり、ジアミンが脂肪族である、少なくとも1種の二酸と少なくとも1種のジアミンとの間の重縮合によって得られる。
本明細書で使用される場合、脂肪族ポリアミドポリマーは、アミド結合(-NH-CO-)を有し且つ芳香族基を含まない繰り返し単位を少なくとも50モル%含む。言い換えると、重縮合によってポリアミドの繰り返し単位を形成する二酸部分と、ジアミン、ラクタム、又はアミノ酸部分の両方が芳香族基を含まない。
本明細書で使用される場合、「半結晶性」ポリアミドは、20℃/分の加熱速度で示差走査熱量計を使用して測定される、1グラム当たり少なくとも5ジュール(J/g)の融解熱(「ΔH」)を備える。同様に、本明細書で使用される場合、アモルファスポリアミドは、20℃/分の加熱速度で示差走査熱量計を使用して測定される5J/g未満のΔHを備える。ΔHは、ASTM D3418に従って測定することができる。いくつかの実施形態では、ΔHは、少なくとも20J/g、又は少なくとも30J/g、又は少なくとも40J/gである。
本明細書で使用される場合、ポリアミド組成物中のポリアミドについての「ガラス転移温度」Tg、及び「融解温度」Tmに言及するとき、Tg及びTmは、別段の明記がない限り好ましくはASTM D3418に従って測定される。
本明細書で使用される「ナノ」という用語は、三次元構造、例えばチューブ、シート、フレーク、ディック(dics)、球状、又は任意の他の三次元構造に関連しており、少なくとも1つの寸法が約0.1マイクロメートルよりも小さく(<100ナノメートル)、最長寸法から最短寸法へのアスペクト比が約50:1~約5000:1である構造を指す。ナノ三次元構造の寸法は、動的光散乱(DSL)及び/又は走査型電子顕微鏡(SEM)により得られる顕微鏡写真での直接測定によって決定することができる。
本明細書において、要素の群からの1つの要素の選択は、
- その群からの2つの要素の選択又は数個の要素の選択、
- 1つ以上の要素が除かれている要素の群からなる要素の部分群からの1つの要素の選択、
も明示的に記述する。
以降の本明細書の文章において、任意の説明は、特定の実施形態に関連して記載されているとしても、本開示の他の実施形態に適用可能であり、それらと交換可能である。そのように定義された各実施形態は、別段の指示がない限り又は明らかに適合性がない場合を除き、別の実施形態と組み合わせることができる。加えて、本明細書に記載の組成物、部品若しくは物品、プロセス、方法、又は使用の要素及び/又は特徴は、明示的又は暗示的に、あらゆる可能な方法で組成物、部品若しくは物品、プロセス、方法、又は使用の他の要素及び/又は特徴と組み合わせ得ることが理解されるべきであり、これは、本明細書の範囲から逸脱することなく行われる。
本明細書では、下限若しくは上限又は下限及び上限によって定義される変数の値の範囲の記述は、変数が、それぞれ下限を除いた若しくは上限を除いた又は下限及び上限を除いた値の範囲内で選択される実施形態も含む。端点による数値範囲の本明細書でのいかなる列挙も、列挙された範囲内に包含される全ての数並びに範囲の端点及び均等物を含む。
用語「含んでいる」(又は「含む」)は、「から本質的になっている」(又は「から本質的になる)」だけでなく、「からなっている」(又は「からなる」)も包含する。本明細書で使用される、組成物に関しての「~から本質的になる」は、組成物中に明示的に列挙されていない成分の含有量が1重量%未満、又は0.5重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.05重量%未満、又は0.01重量%未満であることを意味し、前記重量%は組成物の総重量基準である。
本明細書における単数形「1つの(a又はone)」の使用は、特に明記しない限り複数形を含む。
本発明によるポリアミド組成物が、ポリアミドポリマーと、導電性材料と、ガラス充填剤と、ガラス充填剤とは異なる任意選択的な強化剤と、任意選択的な添加剤とを含む場合、驚くべきことに、得られるポリアミド組成物から、適切な機械的性能を示しながらも静電気防止特性、改善された寸法安定性(CLTE)、並びに改善された収縮及び/又は反り特性を備えたポリアミドベースの成形品が得られることが見出された。
本発明によるそのようなポリアミド組成物を含むかそれから製造された成形品は、ほぼ等方性の成形収縮及び/又は少ない反り、並びにほぼ等方性のCLTE(線熱膨張係数)を示す。更に、体積抵抗率は、本発明によるそのようなポリアミド組成物を含むかそれから製造された成形品が静電気防止性(ESD)を持つような値である。この組み合わせのため、本発明によるポリアミド組成物は、寸法公差が厳しく且つ最適な機能のためにESD特性を必要とする電子用途に適している。好ましくは、本発明によるそのようなポリアミド組成物を含むかそれから製造される成形品は、電子機器部品である。
いくつかの実施形態では、ポリアミドベースの成形品又は電子機器部品は、少なくとも1・10+5Ω.cm、又は少なくとも1.5・10+5Ω.cm、及び/又は5・10+12Ω.cm以下、又は3・10+12Ω.cm以下、又は1・10+12Ω.cm以下の体積抵抗率(ASTM D257に従って測定)を有する。いくつかの実施形態では、ポリアミドベースの成形品又は電子機器部品は、1・10+5Ω.cmから5・10+12Ω.cmまでの体積抵抗率を有する。したがって、体積抵抗率は、特定の体積抵抗率を有する導電性材料を選択し、成形品の製造に使用されるポリアミド組成物中の導電性材料の含有量を変えることによって、少なくとも約7桁にわたって調整可能である。
いくつかの実施形態では、本発明によるポリアミドベースの成形品又は電子機器部品は、0.5%以下、又は0.47%以下、又は0.45%以下、又は0.44%の、ISO294(ASTM D955)に従って決定される横方向の成形収縮率(%)を有する。
いくつかの実施形態では、本発明によるポリアミドベースの成形品又は電子機器部品は、32%超、又は35%超、又は40%超、又は45%超、又は50%超、又は55%超、又は60%超の、横方向の成形収縮率に対する流れ方向の成形収縮率の比率を有し、流れ方向及び横方向の成形収縮率(%)は、ISO294(ASTM D955)に従って決定される。
いくつかの実施形態では、本発明によるポリアミドベースの成形品又は電子機器部品は、0.5以下、又は0.4以下、又は0.3以下、又は0.2以下、又は0.18以下の反りを有する。反りは、ポリアミド組成物を含む成形品又は電子機器部品の横方向のパーセント収縮率から流れ方向のパーセント収縮率を引いた絶対値であり、両方の%収縮率は、好ましくはASTM D955に従って決定される。
いくつかの実施形態では、20重量%の少なくとも1種のポリアミドポリマーと、1重量%より多く~20重量%までの導電性材料と、少なくともガラスフィラーとしての少なくとも20重量%のガラスフレークと、任意選択的な強化剤と、任意選択的な添加剤(例えば熱安定剤、潤滑剤、耐衝撃性改良剤、UV安定剤、顔料など)とを含有するポリアミド組成物を成形することによって得られる本発明によるポリアミドベースの成形品又は電子機器部品は、ガラスフレークがガラス繊維に置き換えられた同様の組成物と比較して少ない反り(%)を有する。
いくつかの実施形態では、本発明によるポリアミド組成物は、ポリアミドポリマー以外のポリマーを5重量%を超えて含まず、好ましくは2重量%を超えて含まず、より好ましくは1重量%を超えて含まない。
いくつかの実施形態では、本発明によるポリアミド組成物は、ポリアミドポリマーと、導電性材料と、ガラス充填剤と、ガラス充填剤とは異なる任意選択的な強化剤と、本明細書に記載の任意選択的な添加剤、例えば熱安定剤、潤滑剤、耐衝撃性改良剤、UV安定剤、顔料などとから本質的になる。ポリアミド組成物に関しての「~本質的になる」という用語は、組成物中に明示的に記載されていない成分の含有量が1重量%未満、又は0.5重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.05重量%未満、又は0.01重量%未満であることを意味し、前記重量%はポリアミド組成物の総重量基準である。
ポリアミドポリマー
ポリアミド組成物は、ポリアミド組成物の総重量を基準として少なくとも20重量%の少なくとも1種のポリアミドポリマーを含む。
ポリアミド組成物中のポリアミドポリマーは、半芳香族ポリアミドを含み得る。そのような場合、ポリアミド組成物中のポリアミドポリマーは、PA10T/10I;PA10T;PA6T/6I;PA6T;PA9T;PA12T;PA10T/66;PA6T/66;PA6,I;PA12I;PAMXD6;PAPXD10;及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される半芳香族ポリアミドを含み得る。
ポリアミド組成物中のポリアミドポリマーは、少なくとも1種のポリフタルアミドを含むか、又はそれらから本質的になることができる。そのような場合、ポリアミド組成物中のポリアミドポリマーは、PA10T/10I;PA10T;PA6T/6I;PA6T;PA9T;PA12T;PA10T/66;PA6T/66;PA6,I;PA12I;及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のポリフタルアミドを含むか、又はそれらから本質的になることができる。
ポリアミド組成物中のポリアミドポリマーは、脂肪族ポリアミドを含み得る。そのような場合、ポリアミド組成物中のポリアミドポリマーは、PA610;PA612;PA1010;PA12;PA510;PA66;PA1012;及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。
ポリアミド組成物中の少なくとも1種のポリアミドポリマーの含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%、又は少なくとも30重量%である。
ポリアミド組成物中のポリアミドポリマーの含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として最大89.9重量%、又は最大85重量%、又は最大80重量、又は最大75重量%、又は最大70重量%、又は最大65重量%であってよい。
いくつかの実施形態では、ポリアミド組成物は、上の記載による複数の別個のポリアミドポリマーを含み得る。そのような場合、別個のポリアミドポリマーの総含有量は、上に記載した範囲内にある。そのような実施形態の具体的な例は、ポリアミドポリマーがPA6,10とPAMDX6との組み合わせを含むか、又はそれらから本質的になる場合である。そのような実施形態の別の例は、ポリアミドポリマーがPA10T/10IとPAMDX6との組み合わせを含むか、又はそれらから本質的になる場合である。PAMXD6ポリマーは、アジピン酸とメタキシリレンジアミンとから製造されるポリマーである(特にSolvay Specialty Polymers U.S.A,L.L.C.からIXEF(登録商標)ポリアリールアミドとして市販されている)。
ポリアミド組成物中のポリアミドポリマーのうちの1つ(例えばPAMXD6ポリマー)は、ポリアミド組成物を製造する前に添加剤又は/及び導電性材料が混合されるマスターバッチを形成するためのポリマー担体であってもよい。そのような場合、マスターバッチポリマー担体として使用されるそのようなポリアミド(例えばPAMXD6)の重量含有量(wt%)は、他のポリアミドの重量含有量(wt%)よりも少なくあるべきであり、これらそれぞれの重量%は、ポリアミド組成物の総重量基準である。
ポリアミドポリマーは、少なくとも1種の半芳香族ポリアミドと少なくとも1種の脂肪族ポリアミドとを含み得る。そのような場合、ポリアミド組成物中の別個のポリアミドの合計重量を基準とした少なくとも1種の半芳香族ポリアミドの重量比は、ポリアミド組成物中の別個のポリアミドの合計重量を基準とした少なくとも1種の脂肪族ポリアミドの重量比よりも小さくてよい。
いくつかの実施形態では、ポリアミド組成物は芳香族ポリアミドを含まなくてもよい。
代替の実施形態では、ポリアミド組成物は脂肪族ポリアミドを含まなくてもよい。
ポリアミド組成物からは、PA6などの単一モノマーから製造されるポリアミドが除外されてもよい。
ポリアミド組成物からは、PA66など6個以下の炭素を含む2種のモノマーから製造されるポリアミドが除外されてもよい。
ポリアミドポリマーは、好ましくは半結晶性ポリアミドである。
ポリアミド組成物中のポリアミドポリマーの少なくとも一部は生物由来であってもよい。
ポリアミド組成物は、80℃未満のTg及び/又は250℃未満のTmを有する任意のポリアミドを含み得る。
或いは、ポリアミド組成物は、少なくとも80℃、少なくとも95℃、又は少なくとも100℃のTgを有するポリアミドポリマーを含み得る。
ポリアミドポリマーは、200℃以下、180℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、又は135℃以下のTgを有し得る。そのような場合、ポリアミドポリマーは、80℃~150℃、100℃~140℃、又は100℃~135℃のTgを有し得る。
ポリアミドポリマーは、少なくとも230℃、少なくとも260℃、又は少なくとも265℃の融解温度Tmを有し得る。ポリアミドポリマーは、360℃以下、350℃以下、又は340℃以下、又は330℃以下のTmを有し得る。そのような場合、ポリアミドポリマーは、230℃~360℃、260℃~350℃、又は265℃~330℃のTmを有し得る。Tg及びTmは、ASTM D3418に従って測定することができる。
導電性材料
ポリアミド組成物は、炭素繊維、カーボンナノチューブ、又はそれらの任意の組み合わせを含む少なくとも1種の導電性材料も、1重量%より多く20重量%まで含む。導電性材料は、ポリアミド組成物、及びポリアミド組成物から製造されるかポリアミド組成物が配合された物品又は機器に改善されたESDを付与する。
導電性材料は、好ましくは、2・10-2Ω.cm未満、又は1・10-2Ω.cm以下、又は5・10-3Ω.cm以下、又は3・10-3Ω.cm以下、又は2・10-3Ω.cm以下の体積抵抗率を有する。導電性材料は、好ましくは少なくとも1・10-4Ω.cmの体積抵抗率を有する。導電性材料は、1・10-4Ω.cmから20・10-4Ω.cmまでの体積抵抗率を有し得る。
導電性材料は、少なくとも0.1m/g、好ましくは10m/g以上、例えば10m/g~約500m/gの、標準的なBrunauer-Emmett-Teller(BET)測定法によって測定される比表面積(SSA)を有し得る。例えば、標準窒素システムを備えたMicro-metrics TriStar IIを用いるBET測定法を使用することができる。
導電性材料は、金属化炭素繊維、チョップド炭素繊維、ミルド炭素繊維、粒状のミルド/チョップド炭素繊維、カーボンナノチューブ、例えば単層カーボンナノチューブ(「SWCNT」)、二層カーボンナノチューブ(「DWCNT」)、多層カーボンナノチューブ(「MWCNT」)(入れ子になったSWCNTからなる)、及びそれらの任意の混合からなる群から選択される炭素ベースの構造を含むか、又はそれらから本質的になることができる。導電性材料は、好ましくは、チョップド炭素繊維、ミルド炭素繊維、粒状のミルド/チョップド炭素繊維、カーボンナノチューブ、及びそれらの任意の混合からなる群から選択される炭素ベースの構造を含むか、又はそれらから本質的になる。
好ましい炭素繊維としては、限定するものではないが、チョップド炭素繊維、ミルド炭素繊維、及び/又は粒状のミルド/チョップド炭素繊維が挙げられる。
ポリアミドと適合する好ましいチョップド炭素繊維は、ProcotexからCF.OS.U1-6mm、CF.OS.U2-6mm、CF.OS.A-6mm、CF.OS.I-6mmとして市販されており、7ミクロンの平均モノフィラメント径、6mmの平均長さ、15・10-4Ω.cmから20・10-4 までの体積抵抗率を有する。
好ましいミルド炭素繊維は、CF.LS-MLD80からCF.LS-MLD250としてProcotexから市販されており、7ミクロンの平均モノフィラメント径、80~250mmの中間長さ、15・10-4 Ω.cmから20・10-4 までの体積抵抗率を有する。
カーボンナノチューブは、ナノメートル又は分子サイズの導電性材料の一例である。好ましくは、カーボンナノチューブはMWCNTである。カーボンナノチューブ、及びカーボンナノチューブのロープなどのカーボンナノロープ(例えばSWNT又はMWNT、及びSWNT又はMWNTのロープ)は、高い機械的強度、導電性、及び高い熱伝導性を示す。
適切な多層CNT(MWCNT)としては、C純度が90%程度まで低い純度のNanocyl(登録商標)NC7000 MWCNTグレード、又はC純度が95%より大きいC純度のNanocyl(登録商標)NC3100 MWCNTグレードが挙げられ、いずれもNanocyl(Belgium)のものである。Nanocyl(登録商標)NC7000 MWCNTは、9.5ナノメートルの平均径、1.5ミクロンの平均長さ、250~300m/gのBET表面積、及び1・10-4Ω.cmの体積抵抗率を有する。カーボンナノチューブの他の適切な供給源は、Hyperion Catalysis InternationalのFRIBIL(登録商標)多層カーボンナノチューブである。これらのMWCNTは、約10ナノメートルの外径と10ミクロンを超える長さを有し得る。
カーボンナノチューブは、100以上の、直径に対する長さとして定義される平均アスペクト比を有し得る。カーボンナノチューブは、1000以上の平均アスペクト比を有することができる。カーボンナノチューブは、1ナノメートル(nm)から3.5nm又は4nm(ロープ)の平均径を有し得る。カーボンナノチューブは、少なくとも1μmの平均長さを有し得る。
導電性材料は、繊維、フレーク、粉末、微小球、ナノ粒子、ナノ繊維、ナノフレーク、ナノロープ、ナノリボン、ナノフィブリル、ナノニードル、ナノシート、ナノロッド、カーボンナノコーン、カーボンナノスクロール、ナノプレートレット、ナノドット、デンドライト、ディスク、又はその他の任意の三次元体からなる群から選択される他の三次元構造を、単独で又は組み合わせで更に含み得る。
代わりに又は追加的に、導電性材料は、金属フレーク、金属粉末、金属化ガラス球、金属化ガラス繊維、金属繊維、金属化ウィスカー、本質的に導電性のポリマー及び/又はグラファイトフィブリルから選択される少なくとも1種の材料を更に含み得る。
導電性材料は、好ましくは炭素ベースの構造のみから構成される。炭素ベースの構造は、一般に少なくとも90重量%の炭素を含む。C純度が90~95%である市販の工業グレードの炭素ベースの構造又はナノ構造は、前処理なしでポリアミドポリマーに直接分散させることができる。
炭素繊維及び/又はカーボンナノチューブに加えて、導電性材料は、カーボンナノファイバー、カーボンナノフレーク、カーボンナノロープ、カーボンナノリボン、カーボンナノフィブリル、カーボンナノニードル、カーボンナノシート、カーボンナノロッド、カーボンナノコーン、カーボンナノスクロール、カーボンナノオーム、導電性カーボンブラック粉末、グラファイトフィブリル、グラファイトナノプレートレット、ナノドット、グラフェン、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせから選択される炭素ベースの構造を更に含み得る。
導電性材料は、好ましくは、
・炭素繊維、カーボンナノチューブ(CNT)、例えばSWCNT、DWCNT、MWCNT、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される炭素ベースの構造、
・任意選択的な、カーボンナノチューブのロープ、カーボンブラック粉末、又はそれらの任意の組み合わせ
を含むか、又はそれらからなる。
ポリアミド組成物中の導電性材料の含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として1重量%超、又は少なくとも1.5重量%、且つ最大20重量%である。
導電性材料が炭素繊維を含む場合、ポリアミド組成物中の炭素繊維の含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として少なくとも6重量%、又は少なくとも8重量%、又は少なくとも10重量%である。そのような場合、炭素繊維の含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として最大20重量%、又は最大17重量%、又は最大15重量%である。炭素繊維の含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として6重量%~20重量%、又は8重量%~20重量%、又は10重量%~20重量%、又は6重量%~15重量%、又は8重量%~15重量%、又は10重量%~20重量%、又は10重量%~15重量%であってよい。
導電性材料がカーボンナノチューブを含む場合、ポリアミド組成物中のそれらの含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として1重量%超、又は少なくとも1.5重量%である。そのような場合、カーボンナノチューブ(CNT)の含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として最大8重量%、又は最大7重量%、又は最大6重量%、又は最大5重量%、又は最大4重量%、又は最大3重量%である。カーボンナノチューブの含有量は、ポリアミド組成物中に存在する場合、ポリアミド組成物の総重量を基準として1重量%より多く8重量%まで、又は1重量%より多く5重量%まで、又は1重量%より多く4重量%まで、又は1重量%より多く3重量%まで、又は1.5重量%~8重量%、又は1.5重量%~5重量%、又は1.5重量%~3重量%であってもよい。
導電性材料がカーボンブラック粉末を更に含む場合、ポリアミド組成物中のカーボンブラック粉末含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として0.1重量%、又は少なくとも0.5重量%、又は少なくとも1重量%であってよい。そのような場合、ポリアミド組成物中のカーボンブラック粉末の含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として最大10重量%である。
導電性材料が他の炭素ベースのナノ構造(カーボンナノチューブ以外)を更に含む場合、ポリアミド組成物中のそれらの含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として0.1重量%~5重量%、又は0.1重量%~4重量%、又は0.1重量%~3重量%、又は0.5重量%~5重量%、又は0.5重量%~4重量%、又は0.5重量%~3重量%、又は1重量%~8重量%、又は1重量%~5重量%、又は1重量%~4重量%、又は1重量%~3重量%、又は1.5重量%~8重量%、又は1.5重量%~5重量%、又は1.5重量%~3重量%であってよい。
ガラス充填剤
ポリアミド組成物は、平均長さが最大500ミクロン、又は最大450ミクロン、又は最大400ミクロン、又は最大350ミクロン、又は最大200ミクロン、又は最大250ミクロンであることを特徴とする三次元構造を有する少なくとも1種のガラス充填剤も20重量%~60重量%含有する。三次元構造を有するガラス充填剤については、その「長さ」は最も長い寸法とみなされる。重量%は、ポリアミド組成物の総重量基準である。
ガラス充填剤は、好ましくは、通常10+12Ω.cm超、又は5・10+12Ω.cm超の体積抵抗率を有する電気絶縁性充填剤である。
ガラス充填剤は好ましくは非繊維状である。「非繊維状」充填剤は、本明細書においては、長さ、幅、及び厚さを有し、長さと幅の両方がその厚さよりも大幅に大きい三次元構造を有するとみなされる。一般に、三次元構造を有するそのようなガラス充填剤は、最大3、又は最大2.5、又は最大2、又は最大1.5のアスペクト比を有し、アスペクト比は、平均幅及び平均厚さの最大に対する平均長さとして定義される。
三次元構造の寸法(長さ、幅、厚さ)は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって得られる顕微鏡写真を直接測定することによって決定することができる。
ガラス充填剤の三次元構造の平均寸法(すなわち、長さ、幅、及び厚さ)は、ポリアミド組成物に配合される前のガラス充填剤の平均長さとすることができ、或いはポリアミド組成物中のガラス充填剤の平均寸法とすることができる。
ガラス繊維は、様々なタイプのガラスを形成するように調整することができるいくつかの金属酸化物を含むシリカ系ガラス化合物である。主な酸化物は、ケイ砂の形態のシリカであり、カルシウム、ナトリウム及びアルミニウムなどの他の酸化物は、融解温度を低下させ、結晶化を妨げるために組み込まれる。A、C、D、E、M、S、R、Tガラス又はそれらの混合などの任意のガラスタイプ、好ましくはC又はEガラスをガラス充填材に使用することができる。Cガラスはアルカリ成分を含み、高い耐酸性を有する。Eガラスはアルカリをほとんど含まないため、樹脂中での安定性が高く、導電性を持たない。
ガラス充填剤は、ポリアミド組成物の総重量を基準として少なくとも20重量%のガラスフレークを含む。
ガラス充填剤は、ポリアミド組成物の総重量を基準としてポリアミド組成物が20重量%~60重量%のガラスフレーク、好ましくは30重量%~55重量%のガラスフレークを含むように、ガラスフレークから本質的に構成されていてもよい。
ガラスフレークは、C又はEガラスを有するガラスフレークであってもよい。E又はCガラスを含む適切なガラスフレークは、NSGからGLASFLAKE(登録商標)として市販されている。E-ガラスフレークは、熱可塑性ポリマー製の精密部品の反りを防止し、寸法精度を向上させるのに特に有効である。同じくNSGから市販されている平均厚さ0.4~1ミクロンのFINEFLAKE(登録商標)ガラスフレークは、微細な薄い成形品に適している。ガラスフレークは粒状化されていてもよい。例えば、Eガラスを含むFLEKA(登録商標)粒状ガラスフレークがNSGから市販されている。
ガラスフレークは、0.4ミクロン~10ミクロンの平均厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、ガラスフレークは、0.4ミクロンから最大2ミクロン、又は最大1ミクロンの平均厚さを有し得る。
ガラス充填剤は、平均長さが最大500ミクロン、又は最大450ミクロン、又は最大400ミクロン、又は最大350ミクロン、又は最大200ミクロン、又は最大250ミクロンである限り、チョップドガラス繊維を更に含んでいてもよい。
共に平均長さが最大500ミクロン、又は最大450ミクロン、又は最大400ミクロン、又は最大350ミクロン、又は最大200ミクロン、又は最大250ミクロンであることを特徴とするガラスフレークとチョップドガラス繊維の両方をガラス充填剤が含む場合、それらの合計量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として60重量%を超えない。
更に、ガラス充填剤がガラスフレークとチョップドガラス繊維の両方を含む場合、ガラスフレークは、好ましくはガラス充填剤の50重量%を超える、又は60重量%を超える、又は70重量%を超える、又は80重量%を超える重量分率を占める(重量%単位での重量分率は、ガラスフレークとチョップドガラス繊維の合計重量基準である)。一例として、ポリアミド組成物中のガラスフレーク含有量が30重量%である場合、チョップドガラス繊維含有量は(ポリアミド組成物の総重量を基準として)30重量%未満である必要がある。
チョップドガラス繊維は、ガラス充填材中に存在する場合、通常5~20μm、好ましくは5~15μm、より好ましくは5~10μmの厚さを有し得る。チョップドガラス繊維は、少なくとも50ミクロン、又は少なくとも100ミクロン、又は少なくとも150ミクロン、又は少なくとも200ミクロン、又は少なくとも250ミクロンの平均長さを有し得る。チョップドガラス繊維は、100~500ミクロン、又は150~450ミクロンの平均長さを有し得る。
チョップドガラス繊維は、最大5、又は最大3、又は最大2.5、又は最大2、又は最大1.5のアスペクト比を有することができ、アスペクト比は、平均幅及び平均厚さの最大に対する平均長さとして定義される。
チョップドガラス繊維の形態は特に限定されない。チョップドガラス繊維は、円形の断面(「円形ガラス繊維」)又は非円形の断面(「扁平ガラス繊維」)を有することができる。適した扁平ガラス繊維の例には、限定するものではないが、卵形、楕円及び矩形断面を有するガラス繊維が挙げられる。
ガラス充填剤が扁平チョップドガラス繊維を更に含む場合、扁平ガラス繊維は、少なくとも15μm、好ましくは少なくとも20μm、より好ましくは少なくとも22μm、更に好ましくは少なくとも25μmの平均幅(断面最長寸法)を有する。加えて又は代わりに、いくつかの実施形態では、扁平チョップドガラス繊維は、最大で40μm、好ましくは最大で35μm、より好ましくは最大で32μm、更に好ましくは最大で30μmの平均幅(断面最長径)を有する。扁平チョップドガラス繊維は、15~35μm、好ましくは20~30μm、より好ましくは25~29μmの範囲の平均幅(断面最長径)を有し得る。扁平チョップドガラス繊維は、少なくとも4μm、好ましくは少なくとも5μm、より好ましくは少なくとも6μm、更に好ましくは少なくとも7μmの厚さ(断面最短径)を有し得る。加えて又は代わりに、扁平チョップドガラス繊維は、最大25μm、好ましくは最大20μm、より好ましくは最大17μm、更に好ましくは最大15μmの厚さ(断面最短径)を有し得る。扁平チョップドガラス繊維は、5~20μm、好ましくは5~15μm、より好ましくは7~11μmの範囲の厚さ(断面最短径)を有し得る。
扁平チョップドガラス繊維は、少なくとも2、好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、更に好ましくは少なくとも3であるガラス繊維の厚さ(断面における最短径)に対する幅(同じ断面における最長径)の比を有し得る。加えて又は代わりに、扁平チョップドガラス繊維は、最大8、好ましくは最大6、より好ましくは最大4のガラス繊維の厚さ(断面における最短径)に対する幅(同じ断面における最長径)の比を有し得る。扁平チョップドガラス繊維は、2~6、好ましくは2.2~4のガラス繊維の厚さ(断面における最短径)に対する幅(同じ断面における最長径)の比を有し得る。
ポリアミド組成物中のガラス充填剤含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%、又は少なくとも30重量%である。ガラス充填剤の含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として最大60重量%、又は最大55重量%、又は最大50重量%である。ポリアミド組成物中のガラス充填剤含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として20重量%~60重量%であり、或いは25重量%~60重量%、又は30重量%~60重量%、又は20重量%~55重量%、又は25重量%~55重量%、又は30重量%~55重量%、又は20重量%~50重量%、又は25重量%~50重量%、又は30重量%~50重量%であってよい。
ポリアミド組成物は、ポリアミド組成物の総重量を基準として少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%、又は少なくとも30重量%のガラスフレークを含む。ポリアミド組成物は、ポリアミド組成物の総重量を基準として最大60重量%、又は最大55重量%、又は最大50重量%のガラスフレークを含む。
ポリアミド組成物中のガラスフレーク含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として20重量%~60重量%、又は25重量%~60重量%、又は30重量%~60重量%、又は20重量%~55重量%、又は25重量%~55重量%、又は30重量%~55重量%、又は20重量%~50重量%、又は25重量%~50重量%、又は30重量%~50重量%であってよい。
任意選択的な強化剤
ポリアミド組成物は、上述したように、ガラス充填剤とは異なる少なくとも1種の任意選択的な強化剤を更に含み得る。
強化充填剤とも呼ばれる幅広く選択される強化剤が、本発明によるポリアミド組成物に任意選択的に添加され得る。それらは、繊維状強化剤及び粒子状強化剤から選択することができる。
任意選択的な強化剤は、無機充填剤(タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウムなど)、炭素繊維、合成ポリマー繊維、アラミド繊維、アルミニウム繊維、チタン繊維、マグネシウム繊維、炭化ホウ素繊維、ロックウール繊維、鋼繊維、ウォラストナイト、ガラスボール(例えば中空ガラス微小球)、及び本発明によるポリアミド組成物に使用されるガラス充填剤とは異なるガラス繊維から選択することができる。
粒子状強化剤は、無機充填剤(タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウムなど)又はガラスボール(例えば中空ガラス微小球)から選択することができる。
本明細書では、繊維状強化充填剤は、平均長さが幅及び厚さの両方よりも大幅に大きい、長さ、幅、及び厚さを有する三次元材料であるとみなされる。一般に、そのような材料は、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20又は少なくとも50のアスペクト比を有し、アスペクト比は、平均長さと、平均幅及び平均厚さの最大との間の比として定義される。
任意選択的な強化繊維(例えばガラス繊維)は、0.5mmを超える、好ましくは少なくとも1mmの、且つ最大50mmの平均長さを有するチョップドガラス繊維(ガラス充填剤とは異なる)であってよく、或いは連続ガラス繊維であってよい。任意選択的な強化ガラス繊維の平均長さは、ポリアミド組成物に配合される前の強化ガラス繊維の平均長さとすることができ、或いはポリアミド組成物中の強化繊維の平均長さとすることができる。
任意選択的なガラス繊維は、3mm~50mm、又は3mm~10mm、3mm~8mm、3mm~6mm、又は3mm~5mmの平均長さを有し得る。或いは、任意選択的なガラス繊維は、10mm~50mm、10mm~45mm、10mm~35mm、10mm~30mm、10mm~25mm、又は15mm~25mmの平均長さを有し得る。そのような場合、任意選択的なガラス繊維は、一般に5~20μm、好ましくは5~15μm、より好ましくは5~10μmの相当径を有し得る。
A、C、D、E、M、S、R、Tガラス、又はそれらの任意の混合などの全てのガラスタイプ、又はそれらの混合を使用することができる。E、R、S及びTガラス繊維は本技術分野で公知である。それらは、特に、Fiberglass and Glass Technology,Wallenberger,Frederick T.;Bingham,Paul A.(Eds.),2010,XIV,chapter 5,pages197-225に記載されている。R、S及びTガラス繊維は、ケイ素、アルミニウム及びマグネシウムの酸化物から本質的に構成される。特に、それらのガラス繊維は、典型的には62~75重量%のSiO、16~28重量%のAl及び5~14重量%のMgOを含む。他方、R、S及びTガラス繊維は10重量%未満のCaOを含む。
任意選択的なガラス繊維は、高弾性率ガラス繊維を含んでいてもよく、或いは高弾性ガラス繊維から構成されていてもよい。高弾性率ガラス繊維は、ASTM D2343に従って測定される、少なくとも76GPa、好ましくは少なくとも78GPa、より好ましくは少なくとも80GPa、最も好ましくは少なくとも82GPaの弾性率を有する。高弾性率ガラス繊維の例には、限定するものではないが、S、R、及びTガラス繊維が挙げられる。高弾性率ガラス繊維の市販の供給源は、それぞれTaishan及びAGYから提供されるS-1及びS-2ガラス繊維である。
任意選択的なガラス繊維は、円形ガラス繊維又は扁平ガラス繊維を含んでいてもよく、或いはそれらから構成されていてもよい。適した扁平ガラス繊維の例には、限定するものではないが、卵形、楕円及び矩形断面を有するガラス繊維が挙げられる。
ポリアミド組成物が扁平ガラス繊維を更に含有する場合、扁平ガラス繊維は、少なくとも15μm、好ましくは少なくとも20μm、より好ましくは少なくとも22μm、更に好ましくは少なくとも25μmの断面最長径を有し得る。加えて又は代わりに、扁平ガラス繊維は、最大40μm、好ましくは最大35μm、より好ましくは最大32μm、更に好ましくは最大30μmの断面最長径を有し得る。いくつかの実施形態では、扁平ガラス繊維は、少なくとも4μm、好ましくは少なくとも5μm、より好ましくは少なくとも6μm、更に好ましくは少なくとも7μmの断面最短径を有し得る。加えて又は代わりに、扁平ガラス繊維は、最大25μm、好ましくは最大20μm、より好ましくは最大17μm、更に好ましくは最大15μmの断面最短径を有し得る。
任意選択的な扁平ガラス繊維は、少なくとも2、好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、更に好ましくは少なくとも3の、ガラス繊維の断面における最短径に対する同じ断面における最長径の比を有し得る。それに加えて又はその代わりに、扁平ガラス繊維のこの比は、最大8、好ましくは最大6、より好ましくは最大4であってよい。
任意選択的な繊維が円形ガラス繊維である場合、ガラス繊維は、2未満、好ましくは1.5未満、より好ましくは1.2未満、更に好ましくは1.1未満、最も好ましくは1.05未満の、ガラス繊維の断面における最短径に対する同じ断面における最長径の比を有し得る。当然のことながら、当業者であれば、ガラス繊維の形態(例えば、円形又は扁平)に関わらず、定義により、アスペクト比が1未満になり得ないことを理解するであろう。
任意選択的なガラス繊維は、E-ガラス繊維;ASTM D2343に従って測定される引張弾性率が少なくとも76GPaである高弾性率ガラス繊維;及びそれらの組み合わせからなる群から選択される円形又は扁平のガラス繊維であってよい。
ポリアミド組成物が、上記説明に従ってガラス充填剤及び少なくとも1種の任意の強化剤を含む場合、ガラス充填剤+任意選択的な強化剤の合計含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%、又は少なくとも25重量%、又は少なくとも30重量%である。追加の又は代わりの実施形態では、ガラス充填剤+任意選択的な強化剤の合計含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として最大60重量%、又は最大55重量%、又は最大50重量%である。いくつかの実施形態では、ガラス充填剤+任意選択的な強化剤の合計含有量は、ポリアミド組成物の総重量を基準として15重量%~60重量%、又は20重量%~60重量%、又は25重量%~60重量%、又は30重量%~60重量%、又は20重量%~55重量%、又は25重量%~55重量%、又は30重量%~55重量%、又は20重量%~50重量%、又は25重量%~50重量%、又は30重量%~50重量%である。
ポリアミドポリマーがガラス充填剤+任意選択的な強化剤を含む場合、ポリアミド組成物中のガラス充填剤+任意選択的な強化剤の合計重量を基準としたガラス充填剤の重量比は、ポリアミド組成物中のガラス充填剤+任意選択的な強化剤の合計重量を基準とした任意選択的な強化剤の重量比よりも大きい。
ポリアミド組成物は、好ましくは繊維状強化剤を含まない。
ポリアミド組成物からは、好ましくは、0.5mmを超える、又は1mmを超える平均長さを有するガラス繊維は除外される。
ポリアミド組成物からは、好ましくは、ガラス球又はボールが排除され、特に中空ガラスボールが排除される。
ポリアミド組成物からは、好ましくは上述したガラス充填剤とは異なる強化剤は排除される。
任意選択的な添加剤
任意選択的には、ポリアミド組成物は、強靭化剤、可塑剤、光安定剤、紫外線(「UV」)安定剤、熱安定剤、顔料、染料、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良剤、潤滑剤、造核剤、酸化防止剤、加工助剤、及びそれらの2種以上の任意の組み合わせからなる群から選択される添加剤を更に含み得る。
ポリアミド組成物が1種以上の任意選択的な添加剤を含む場合、添加剤の総濃度は、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、及び/又は少なくとも0.1重量%、又は少なくとも0.2重量%、又は少なくとも0.3重量%である。
特に、ポリアミド組成物は、少なくとも1種の耐衝撃性改良剤、熱安定剤、及び/又は潤滑剤を更に含み得る。
本明細書で有用な耐衝撃性改良剤は、降伏点及び破断点における十分な引張伸びなどの有用な特性をポリアミド組成物に付与する限り、特に限定されない。例えば、0℃未満のガラス転移温度を有する任意のゴム状低弾性率官能化ポリオレフィン耐衝撃性改良剤が本発明に適している。有用な耐衝撃性改良剤としては、ポリオレフィン、好ましくは官能化ポリオレフィン、特にSEBSやEPDMなどのエラストマーが挙げられる。
有用な官能化ポリオレフィン耐衝撃性改良剤は、Exxon Mobil Chemical Company製の、EXXELOR(商標)POとして入手可能なマレエート化ポリプロピレン及びエチレン-プロピレンコポリマー、並びにEXXELOR(登録商標)RTM.VA 1801などの、約0.6重量パーセントのペンダントコハク酸無水物基を含む無水マレイン酸官能化エチレン-プロピレンコポリマーゴム;DuPont Company製のメタクリル酸変性ポリエチレンであるSURLYN(登録商標)9920などの、SURLYN(登録商標)として入手可能なアクリレート変性ポリエチレン;並びにDow Chemical Company製の、アクリル酸変性ポリエチレンであるPRIMACOR(登録商標)1410 XTなどのPRIMACOR(登録商標);Kraton Polymersから入手可能な、KRATON(登録商標)FG1901又はFG1901Xなどの、SEBSが約2重量%の無水マレイン酸でグラフトされている無水マレイン酸変性スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)ブロックコポリマー;Crompton Corporationから入手可能な、1%の無水マレイン酸で官能化されたEPDMであるROYALTUF(登録商標)498などの、無水マレイン酸官能化エチレン-プロピレン-ジエンモノマー(EPDM)ターポリマーゴムを含めて、商業的供給源から入手可能である。
本発明の実施に使用することのできる他の望ましい官能化耐衝撃性改良剤としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、若しくはそれらのエステルなどの適切な反応性カルボン酸若しくはそれらの誘導体でグラフトされる又はそれらと共重合させられることによって反応性官能基が付与されており、且つASTM D-638に従って測定される約50,000psiまでの引張弾性率を有するであろうエチレン-高級アルファ-オレフィンポリマー及びエチレン-高級アルファ-オレフィン-ジエンポリマーが挙げられる。適切な高級アルファ-オレフィンとしては、C~Cアルファ-オレフィン、例えばプロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、及びスチレンが挙げられる。或いは、そのような単位を含む構造を有するコポリマーは、重合した1-3ジエンモノマーの適切なホモポリマー及びコポリマーの水素化によって得ることもできる。例えば、各種レベルのペンダントビニル単位を有するポリブタジエンは容易に得られ、これらは、エチレン-ブテンコポリマー構造を得るために水素化され得る。同様に、ポリイソプレンの水素化は、同等エチレン-イソブチレンコポリマーを提供するために用いられ得る。本発明で使用され得る官能化ポリオレフィンとしては、約0.5~約200g/10分の範囲のメルトインデックスを有するものが挙げられる。
好ましい実施形態では、ポリアミド組成物は帯電防止剤を含まない。
ポリアミド組成物の調製
本発明は、更に、上で詳述したポリアミド組成物の製造方法に関し、前記方法は、少なくとも1種のポリアミドポリマーと、導電性材料と、ガラス充填剤と、ガラス充填剤とは異なる任意選択的な強化剤と、他の任意の任意選択的な添加剤、例えば潤滑剤、UV安定剤、熱安定剤、耐衝撃性改良剤などとを溶融ブレンドすることを含む。
任意の溶融ブレンド法が、本発明に関連するポリマー系原料と非ポリマー系原料とを混合するために用いられ得る。
例えば、ポリマー系原料及び非ポリマー系原料は、一軸押出機若しくは二軸押出機、撹拌機、一軸若しくは二軸混錬機、又はバンバリーミキサーなどの、溶融ミキサーへ供給することができ、添加ステップは、全ての原料の同時添加又はバッチ式の漸次添加であってよい。ポリマー系原料及び非ポリマー系原料がバッチ式に徐々に添加される場合、ポリマー系原料及び/又は非ポリマー系原料の一部がまず添加され、次いで、十分に混合された組成物が得られるまで、その後に添加される残りのポリマー系原料及び非ポリマー系原料と溶融混合される。
任意選択的な強化剤が長い物理的形状(例えば、長い又は「エンドレス」繊維)を示す場合、強化された組成物を調製するために、延伸押出成形、長繊維ペレットを形成するための引抜成形、又は一方向複合材料テープを形成するための引抜成形を使用することができる。
物品及び用途
本発明の別の態様は、物品におけるポリアミド組成物の使用を提供する。
ポリアミド組成物は、望ましくは物品、好ましくは成形品に配合することができる。適切な成形品としては、電子機器部品、特に携帯電子機器部品が挙げられる。
物品は、特にモバイルエレクトロニクス、LEDパッケージング、電気及び電子部品(限定するものではないが、コンピューティング、データシステム、オフィス機器用の電源ユニット部品、及び表面実装技術と適合性を有するコネクタ並びに接点など)、医療機器部品;ミニサーキットブレーカー、コンタクター、スイッチ、及びソケット用の電気保護装置;自動車部品、及び航空宇宙部品(限定するものではないが、インテリアキャビン部品など)に使用することができる。
「携帯電子機器」という用語は、特に人が携行するか又は手で持って、様々な場所で便利に運んだり使用したりできるように設計された電子機器を指すことが意図されている。携帯電子機器の代表的な例は、携帯電子電話、携帯情報端末、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ラジオ、カメラ及びカメラアクセサリ、ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えばスマートウオッチ、スマートグラスなど)、電卓、音楽プレーヤー、全地球測位システム受信機、ポータブルゲームコンソール及びコンソールアクセサリ、ハードドライブ、並びにその他の電子記憶装置からなる群から選択され得る。好ましい携帯電子機器には、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、及びウェアラブルコンピューティングデバイス、例えば時計が含まれる。
限定されないが、本明細書において対象とする携帯電子機器の構成部品には、アンテナウインドウ、取付け部品、スナップ嵌め部品、相互可動式部品、機能素子、作動要素、トラッキング素子、調整素子、キャリア素子、フレーム素子、スイッチ、コネクタ、ケーブル、ハウジング、及び例えばスピーカー部品などの携帯電子機器で使用されるようなハウジング以外の任意の他の構造部品が含まれる。いくつかの実施形態では、機器の構成部品は、取付け穴又は他の締結デバイス(それ自体と、回路基板、マイクロホン、スピーカー、ディスプレイ、バッテリー、カバー、ハウジング、電気若しくは電子コネクタ、ヒンジ、無線アンテナ、カメラモジュール、スイッチ、又はスイッチパッドを含むが、それらに限定されない、携帯電子機器の別の構成部品との間のスナップフィットコネクタを含むが、それらに限定されない)を持った取付け構成部品のものであることができる。
携帯電子機器は、入力デバイスの少なくとも一部であることができる。
本発明の特定の態様は、電子機器、特に携帯電子機器用の静電気防止部品に関する。そのような静電気防止部品は、本明細書に記載のポリアミド組成物を含むか又はそれから製造された成形品であってよい。
携帯電子機器部品は、携帯電子機器のハウジングであってもよい。「携帯電子機器のハウジング」は、携帯電子機器の裏面カバー、前面カバー、アンテナハウジング、フレーム、及び/又は骨格のうちの1つ以上を指す。ハウジングは、単一の物品であり得るか、又は2つ以上の構成要素を含み得る。「骨格」は、機器の他の部品、例えば電子機器、マイクロプロセッサ、スクリーン、キーボード及びキーパッド、アンテナ、バッテリーソケットなどが取り付けられる構造部品を指す。骨格は、携帯電子機器の外部から見えない又は部分的に見えるにすぎない内部部品であり得る。ハウジングは、衝撃、並びに環境作用剤(液体、ちり等など)による汚染及び/又は損傷からの機器の内部部品の保護を提供し得る。カバーなどのハウジング部品は、スクリーン及び/又はアンテナなど、機器の外部に露出している特定の部品に対する実質的又は主要な構造支持と、その特定の部品の衝撃に対する保護とを提供することもできる。携帯電子機器のハウジングは、携帯電話ハウジング、アンテナハウジング、アンテナウインドウ、タブレットハウジング、ラップトップコンピュータハウジング、タブレットコンピュータハウジング、又は時計ハウジングからなる群から選択することができる。
電子機器部品には、例えば無線アンテナやカメラモジュールが含まれ得る。この場合に、無線アンテナは、WiFiアンテナ又はRFIDアンテナであることができる。いくつかのそのような実施形態では、無線アンテナの少なくとも一部分は、ポリアミド組成物上に配置される。加えて又は代わりに、無線アンテナの少なくとも一部をポリアミド組成物から置き換えることができる。
「携帯」電子機器部品に関する説明は、「携帯式」ではない、つまり人が携行したり手で持ったりしない電子機器の一部である電子機器部品(ハウジング、無線アンテナ、カメラモジュールなど)にも等しく適用される。
自動車部品の例としては、限定するものではないが、自動車電子部品、自動車照明部品(限定するものではないが、モーターエンドキャップ、センサー、ECUハウジング、ボビン及びソレノイド、コネクタ、回路保護/リレー、アクチュエータハウジング、Liイオン電池システム、及びヒューズボックスなど)、トラクションモーター及びパワーエレクトロニクス部品(限定するものではないが、電池パックなど)、電池ハウジングが挙げられる。
物品は、ポリアミド組成物から、熱可塑性樹脂に適した任意のプロセスによって、例えば押出、射出成形、ブロー成形、回転成形、オーバーモールド、又は圧縮成形によって成形することができる。
成形品又は(携帯)電子機器部品の好ましい形成には、ポリアミド組成物の射出成形又は押出成形などの適切な溶融加工方法が含まれ、射出成形が好ましい成形方法である。
いくつかの実施形態では、本発明による成形品又は(携帯)電子機器部品は、以下の特性のうちの少なくとも1つを有する。
本発明による成形品又は(携帯)電子機器部品は、少なくとも1・10+5Ω.cm、又は少なくとも1.5・10+5Ω.cmの体積抵抗率を有し得る。本発明による成形品又は(携帯)電子機器部品は、5・10+12Ω.cm以下、又は3・10+12Ω.cm以下の体積抵抗率を有し得る。そのような場合、成形品又は(携帯)電子機器部品は、1・10+5Ω.cmから5・10+12Ω.cmまでの体積抵抗率を有し得る。
本発明による成形品又は(携帯)電子機器部品は、ISO294(ASTM D955)に従って決定される、0.5%以下、又は0.47%以下、又は0.45%以下、又は0.44%以下の横方向の成形収縮率(%)を有し得る。
本発明による成形品又は(携帯)電子機器部品は、32%超、又は35%超、又は40%超、45%超、又は50%超、又は55%超、又は60%超の、横方向の収縮率に対する流れ方向の成形収縮率の比率を有し得る。この流れ方向及び横方向の成形収縮率(%)は、ISO294(ASTM D955)に従って決定される。
本発明による成形品又は(携帯)電子機器部品は、0.5以下、又は0.4以下、又は0.3以下、又は0.2以下、又は0.18以下の反りを有し得る。
ポリアミド組成物の使用
いくつかの実施形態では、ポリアミド組成物又は物品は、上述した携帯電子機器部品を製造するために使用することができる。
ポリアミド組成物の反り及び/又は成形収縮を低減するための方法
本発明の別の態様は、ポリアミドポリマー及び導電性材料をガラス充填剤及び任意選択的な成分とブレンドして成形組成物を形成し、その後成形組成物を成形、好ましくは射出成形して成形品を形成することを含む、ポリアミド組成物から製造された成形品の反り及び/又は成形収縮を低減するための方法に関する。ブレンドは、好ましくは上述した溶融ブレンドによって行われる。
ポリアミド組成物の体積抵抗率を低減するための方法
本発明の別の態様は、ポリアミドポリマー及びガラス充填剤及び任意選択的な成分を導電性材料とブレンドして成形組成物を形成し、その後成形組成物を成形、好ましくは射出成形して成形品を形成することを含む、ポリアミド組成物から製造される成形品の体積抵抗率を低減するための方法に関する。ブレンドは、好ましくは上述した溶融ブレンドによって行われる。
本発明は、これから、以下の実施例に関連して説明されるが、その目的は、例示的であるにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図しない。本実施例で用いるところでは、「E」は本発明の実施例実施形態を意味し、「CE」は反例を意味する。
実施例は、本発明によるポリアミド組成物の反り及び/又は成形収縮及びCLTEの改善(寸法安定性のため)、並びに体積抵抗率の減少を実証する。
原材料
サンプルを形成するために使用した原材料は以下に示す通りである:
・ポリアミド1(「PA1」):PA6,10(Tg=50~60℃、Tm=220℃)、Radipol DC40として、Radiciより
・ポリアミド2(「PA2」):PA10T/10I(Tg=105℃、Tm=295℃)、Vicnyl 6100として、Kingfaより
・ガラスフレーク(「GFla」):MEG160FY-M03、NEGより
・ガラス繊維(「GFib1」)-CSG3PA 扁平Eガラス繊維、Nittoboより
・ガラス繊維(「GFib2」)-HM435TM 円形S-1ガラス、Taishanより
・導電性材料(「CM1」):APPLY CARBONチョップド炭素繊維CF.OS.U1-6MM、Procotexより
・任意選択的な導電性材料(「CM2」):カーボンブラック濃縮物(30重量%のBlack Pearls800カーボンブラック、ポリマー担体としての70重量%のPAMXD6)、IXEF(登録商標)0316/0000;A15560として市販;Colloids Limitedより
・導電性材料(「CM3」):三菱ガス化学株式会社のポリマー担体:PAMXD6「7003」中の15重量%のHyperion Catalysis InternationalのFIBRIL(登録商標)多層カーボンナノチューブのマスターバッチ
・導電性材料(「CM4」):三菱ガス化学株式会社のポリマー担体:PAMXD6「7003」中の10重量%のNanocyl(登録商標)NC7000多層カーボンナノチューブのマスターバッチ
・導電性材料(「CM5」):粒状の300ミクロンのミルド炭素繊維、ProcotexからAPPLY CARBON CF MLD 300G U1リサイクル炭素繊維粒状物として市販;約300±40ミクロンの平均サイズ、約94重量%の炭素含有量、約7±2ミクロンのモノフィラメント繊維径、及び15・10-3Ω.mの平均体積抵抗率を特徴とする。
・添加剤:0.1重量%の潤滑剤(Baerlocherのステアリン酸カルシウムCeasit I)及び0.2重量%の熱安定剤(BASFのIrganox(登録商標)B1171)を含む添加剤パッケージ1(「AP1」)
・添加剤:0.1重量%の潤滑剤(ステアリン酸カルシウムCeasit I、Baerlocherより)、0.3重量%のUV安定剤(Chimassorb 944 LD、BASFより)、及び0.2重量%の熱安定剤(Irganox(登録商標)B1171、BASFより)を含む添加剤パッケージ2(「AP2」)
・任意選択的な添加剤:顔料/染料がポリアミド組成物に添加されてもよい。
試験方法
・引張特性 - ISO527
〇 引張弾性率、強度、及びひずみは、5つの射出成形したISOタイプ1a引張試験片(全長=170mm、ゲージ長=50mm、試験部分の幅=10mm、厚さ=4mm)で測定した。
・ノッチ付きアイゾット衝撃強さ - ASTM D256
○ ノッチ付きアイゾット衝撃強さは、厚さ3.2mm×幅12.7mm×長さ125mmの寸法を有する射出成形された5つの長方形の棒でJ/m単位で測定した。
・ノッチなしアイゾット衝撃強さ-ASTM D4812
○ ノッチなしアイゾット衝撃強さは、厚さ3.2mm×幅12.7mm×長さ125mmの寸法を有する射出成形された5つの長方形の棒でJ/m単位で測定した。
・場合によっては、アイゾット衝撃強さ特性(ノッチ付きアイゾット、ノッチなしアイゾット)は、10本の射出成形されたISOタイプ1Aバー(長さ80±2mm、幅10±0.2mm、厚さ4±0.2mm)を使用してISO180を使用してkJ/m単位で測定した。
・CLTE - ASTM E831
○ 寸法変化は、厚さ3.2mm×幅12.7mm×長さ12.0~13.0mmの寸法を有する射出成形された試験片で測定した。TMAを使用して、加熱速度5℃/分で0℃から50℃まで、流れ方向及び横方向のCLTEを測定した。
・成形収縮-ISO294(ASTM D955)
○ 成形収縮率(流れ方向の成形収縮率(%)及び横方向の成形収縮率(%))を、幅60mm×長さ60mm×厚さ2mmの寸法を有する5つの射出成形したプラークで測定した。
・反りは以下の通りに決定される:上で詳述したように、ASTM D955に従って、ポリアミド組成物を60mm×60mm×2mmの寸法を有するプラークへと射出成形した。反りは、横方向のパーセント収縮率から流れ方向のパーセント収縮率を引いた絶対値として計算した。
・体積抵抗率 - ASTM D257
○ 体積抵抗率は、寸法4インチ×4インチ×1/8インチ(長さ×幅×厚さ)又は60mm×60mm×2mm(長さ×幅×厚さ)の5つの射出成形したプラークで測定した。
・表面抵抗率 - ASTM D257
○ 表面抵抗率は、寸法4インチ×4インチ×1/8インチ(長さ×幅×厚さ)の5つの射出成形したプラークで測定した。
実施例1 - PA6,10を含むポリアミド組成物
この実施例では、PA1(PA6,10)を、炭素繊維、任意選択的なカーボンブラック濃縮物、添加剤パッケージ1、及びガラスフレーク(GFla)と混錬(溶融ブレンド)したポリアミド組成物の複数のサンプルを調製した。
サンプルE1及びE2は、44.7重量%のPA1と、10重量%の炭素繊維と、45重量%のガラスフレークとを含んでいた。サンプルE2は、更に10pphのカーボンブラック濃縮物を含んでいた一方で、サンプルE1はカーボンブラック濃縮物を含んでいなかった。
比較のために、89.7重量%のPA1と10重量%の炭素繊維を含むがガラスフレークを含まないサンプルCE0を調製した。49.7重量%のPA1と、50重量%のガラスフレークと、1pph又は10pphのカーボンブラック濃縮物とを含有する(ただし炭素繊維は含まない)サンプルCE1、CE2も調製した。サンプルCE3及びCE4は、44.7重量%のPA1と、50重量%のガラスフレークと、1pph又は10pphのカーボンブラック濃縮物を含んでいたが、サンプルE1及びE2で使用したものの半分の含有量である5重量%の炭素繊維を含んでいた。
溶融ブレンドは、Coperion(登録商標)ZSK-26同方向回転二軸押出機を使用して行い、混錬されたサンプルを、その後ASTM D3641に従って成形した。
表1にポリアミドの組成が示されており、以下の特性:組成物の表面抵抗率、体積抵抗率、衝撃特性を含む機械的特性、CLTE(0~50℃)特性(流れ方向及び横方向のppm)、及び成形収縮特性(流れ方向及び横方向のin/in%)も示されている。
表1に示されているように、サンプルE1、E2のポリアミド組成物に10重量%の炭素繊維を添加すると、炭素繊維を含まないサンプルCE1及びCE2、並びに同じ炭素繊維を5重量%含むサンプルCE3及びCE4と比較して、体積抵抗率だけでなく表面抵抗率も低下した。サンプルE1、E2は、体積抵抗率が10+5~5・10+12Ω・cmの範囲内にあるため、静電気防止性であった。
PA1に10重量%の炭素繊維のみを導入した場合も、サンプルE1、E2と比較してサンプルCE0で見られるように、ESD範囲内の体積抵抗率は達成されなかった。ESD材料を製造するためには、ガラスフレーク(絶縁充填剤)と炭素繊維との組み合わせが必要であった。
Figure 2024513073000001
サンプルE2のポリアミド組成物中の10重量%の炭素繊維とカーボンブラックとの組み合わせは、IXEF(登録商標)カーボンブラック濃縮物を含まず10重量%の炭素繊維を含むサンプルE1と比較して、体積抵抗率を5桁減少させた。ただし、10pphのIXEF(登録商標)カーボンブラック濃縮物を含むサンプルCE2(CM1なし)及びCE4(5重量%のCM1を含む)では、1pphのIXEF(登録商標)カーボンブラック濃縮物のみを含んでいたサンプルCE1(CM1なし)及びCE2(5重量%のCM1を含む)と比較して、この効果は観察されなかった。したがって、5・10+12Ω.cm以下の体積抵抗率(ESD体積抵抗率の範囲内)を達成するのに十分な量でPA1に基づく組成物中に炭素繊維が存在しない場合には、1~10pphのIXEF(登録商標)カーボンブラック濃縮物の添加は、ESDに適したものにするためにPA1に基づく組成物の体積抵抗率を低下させるには有効ではなかった。
サンプルCE3のポリアミド組成物に5重量%の炭素繊維を添加すると、炭素繊維を含まないサンプルCE1と比較して、体積抵抗率はわずかに減少したが、表面抵抗率は減少しなかった。いずれにせよ、サンプルCE3の体積抵抗率は依然として高すぎてESD体積抵抗率の範囲内には入らなかった。
更に、10重量%の炭素繊維を含むサンプルE1、E2の弾性率及び破断点引張応力は、5重量%の炭素繊維を含むサンプルCE3、CE4と比較して改善され、炭素繊維を含まないサンプルCE1、CE2よりも更に優れていた。
10重量%の炭素繊維を含むサンプルE1、E2の破断点引張伸び(%)は、炭素繊維を含まないサンプルCE1、CE2及び5重量%の炭素繊維を含むサンプルCE3、CE4と比較して、同じであるかそれよりも優れていた。
加えて、表1の全てのPA1に基づく組成物にガラスフレークを添加すると、成形収縮特性がより等方的になった。横方向に対する流れ方向の収縮率の比率は74%~82%であり、等方性収縮に非常に近かった。10重量%のCM1を添加したにもかかわらず、サンプルE1、E2におけるポリアミド組成物の横方向成形収縮は、サンプルCE1~CE4と比較して相対的に変化しないままであり、これは10重量%のCM1の添加が横方向成形収縮に悪影響を及ぼさなかったことを示している。
サンプルE2とサンプルE1、サンプルCE4とサンプルCE3、及びサンプルCE2とサンプルCE1を比較すると、カーボンブラックの存在により、PA1に基づく組成物の横方向の成形収縮がわずかに減少するようであった。
サンプルE1、E2で得られた結果は、PA1に基づく組成物に5重量%を超える炭素繊維(及び任意選択的なカーボンブラック)と45重量%のガラスフレークを添加することにより、寸法安定性を得ながらも(改善された成形収縮特性を維持しながらも)適切なESD材料を得ることができることを実証した。
実施例2 - PA10T/10Iを含むポリアミド組成物
この実施例では、PA2(PA10T/10I)を、炭素繊維、任意選択的なカーボンブラック濃縮物、添加剤パッケージ1、及びガラスフレーク(GFla)と混錬(溶融ブレンド)したポリアミド組成物の複数のサンプルを調製した。
サンプルE3及びE4は、44.7重量%のPA2と、10重量%の炭素繊維と、45重量%のガラスフレークとを含んでいた。サンプルE4は、更に10pphのカーボンブラック濃縮物を含んでいた一方で、サンプルE3はカーボンブラック濃縮物を含んでいなかった。
比較のために、49.7重量%のPA2と、50重量%のガラスフレークと、10pphのカーボンブラック濃縮物を含有する(ただし炭素繊維は含まない)サンプルCE5も調製した。
サンプルCE6及びCE7は、44.7重量%のPA2と、50重量%のガラスフレークと、1pph又は10pphのカーボンブラック濃縮物を含んでいたが、サンプルE3及びE4で使用したものの半分の含有量である5重量%の炭素繊維を含んでいた。
溶融ブレンドは、Coperion(登録商標)ZSK-26同方向回転二軸押出機を使用して行い、混錬されたサンプルを、その後ASTM D3641に従って成形した。
表2にサンプルE3、E4、CE5、CE6のポリアミドの組成が示されており、以下の特性:組成物の表面抵抗率、体積抵抗率、機械的特性、CLTE(0~50℃)特性、及び成形収縮特性も示されている。
反例3 - PA10T/10Iとガラス繊維とを含むポリアミド組成物
この反例では、PA2(PA10T/10I)を、添加剤パッケージ2及び30重量%のE-ガラス繊維(GFib1)又は55重量%のS1-ガラス繊維(GFib2)のいずれかと混錬(溶融ブレンド)した複数のサンプルCE8、CE9を調製した。これらの実施例では、ガラス繊維を使用して、ガラスフレークと比較した寸法の不安定さを(成形収縮測定と反りの計算によって)評価した。
サンプルCE8、CE9のポリアミドの組成及び特性も表2に示されている。
表2に示されているように、サンプルE3、E4のポリアミド組成物に10重量%の炭素繊維を添加すると、炭素繊維を含まないサンプルCE5並びに同じ炭素繊維を5重量%含むサンプルCE6及びCE7と比較して、体積抵抗率だけでなく表面抵抗率も低下した。サンプルE3、E4は、その体積抵抗率が10+5~5・10+12Ω.cmの範囲内にあったため、静電気防止性であった。サンプルCE5、CE6、及びCE7はESD材料ではなかった。
サンプルE4のポリアミド組成物中の10重量%の炭素繊維とカーボンブラックとの組み合わせは、カーボンブラックを含まず炭素繊維を10重量%含むサンプルE3と比較して体積抵抗率を1桁減少させた。しかしながら、この効果は、1pphのカーボンブラック濃縮物しか含んでいなかったサンプルCE6(5重量%のCM1を含む)と比較して、10pphのカーボンブラック濃縮物を含むサンプルCE7(5重量%のCM1を含む)では観察されなかった。したがって、PA2に基づく組成物の中に、5・10+12Ω.cm以下の体積抵抗率を達成するのに(ESD体積抵抗率の範囲内になるのに)十分な量で炭素繊維が存在しない場合は、1~10pphのカーボンブラック濃縮物の添加は、PA2に基づく組成物の体積抵抗率をESDに適したものにするのに有効ではなかった。サンプルCE6、CE7(5重量%のCM1を含む)で得られた体積抵抗率は、依然として高すぎてESD体積抵抗率の範囲内には入らなかった。
更に、10重量%の炭素繊維を含むサンプルE3、E4の弾性率は、5重量%の炭素繊維を含むサンプルCE6、CE7と比較して改善され、炭素繊維を含まないサンプルCE5よりも更に優れていた。
加えて、表2のサンプルCE5~CE7及びE3~E4では、ガラスフレークを添加すると成形収縮は等方性に近づいた。横方向に対する流れ方向の成形収縮率の比率は63%~78%の範囲であった。
10重量%のCM1を添加したにもかかわらず、サンプルE3におけるポリアミド組成物の横方向成形収縮は、サンプルCE5~CE7と比較して比較的変化しないままであった。このことは、炭素繊維の添加が横方向の成形収縮に悪影響を及ぼさなかったことを示している。
Figure 2024513073000002
他方で、表2に示されているように、サンプルCE8(55重量%のS1-ガラス繊維)及びCE9(30重量%のE-ガラス繊維)にガラス繊維を添加すると、成形収縮は異方性になった。横方向に対する流れ方向の成形収縮率の比率はそれぞれ13%と31%であった。表2のサンプルCE8(55重量%のS1-ガラス繊維)及びCE9(30重量%のE-ガラス繊維)の反りは、サンプルCE5~CE7及びE3~E4にガラスフレークを添加した場合に観察された反りよりも大きいことも観察された。
サンプルE3、E4で得られた結果は、PA2に基づく組成物に5重量%を超える炭素繊維(及び任意選択的なカーボンブラック)と45重量%のガラスフレークを添加することにより、寸法安定性(少ない反り及び改善された成形収縮特性)を得ながらも適切なESD材料を得ることができることを実証した。
実施例4 - PA6,10を含むポリアミド組成物
この実施例では、PA1(PA6,10)を、カーボンナノチューブ(マスターバッチ「CM3」又は「CM4」として)、カーボンブラック濃縮物「CM2」、添加剤パッケージ1、及びガラスフレーク(GFla)と混錬(溶融ブレンド)したポリアミド組成物の複数のサンプルを調製した。溶融ブレンドは、Coperion(登録商標)ZSK-26同方向回転二軸押出機を使用して行い、混錬されたサンプルを、その後ASTM D3641に従って成形した。
サンプルE5及びE6には、導電性材料として2つの異なる量のカーボンナノチューブマスターバッチ「CM3」が含まれており、実際の重量含有率はそれぞれ2.25重量%と3重量%のCNTになった。サンプルE7及びE8には、導電性材料として2つの異なる量のカーボンナノチューブマスターバッチ「CM4」が含まれており、ポリマー担体としてのPAMXD6中の実際の重量含有率はそれぞれ1.5重量%及び2重量%のCNTになった。
比較のために、カーボンナノチューブを含まないサンプルCE10を調製した。
表3にポリアミドの組成が示されており、以下の特性:組成物の表面抵抗率、体積抵抗率、衝撃特性を含む機械的特性、CLTE(0~50℃)特性(流れ方向及び横方向のppm)、及び成形収縮特性(流れ方向及び横方向のin/in%)も示されている。
Figure 2024513073000003
表3に示されているように、サンプルE5~E8のポリアミド組成物に1.5~3重量%のカーボンナノチューブ(MWCNT)を添加すると、カーボンナノチューブを含まないサンプルCE10と比較して体積抵抗率が減少し、表面抵抗率も減少した。サンプルE5~E8は、体積抵抗率が10+5~5・10+12Ω.cmの範囲内にあるため、静電気防止性であった。サンプルCE10はESD材料ではなかった。
示されてはいないものの、ポリアミド組成物に1重量%未満のカーボンナノチューブ(MWCNT)を添加しても、体積抵抗率はESD材料を得るための最大値5・10+12Ω.cm未満に低下しなかった。
ESD材料を得るための10+5Ω.cmの最小体積抵抗率を達成するために、ポリアミド組成物に添加されるカーボンナノチューブの重量%を、(サンプルE6で使用した)CNT含有量の3重量%を超えて増加させ、例えば5重量%以下のCNT又は6重量%以下のCNTとすることで、体積抵抗率を少なくとも約2桁低下させることができた。
サンプルE5~E8で得られた結果は、PA1に基づく組成物に1.5~3重量%のカーボンナノチューブと50重量%のガラスフレークを添加することにより、寸法安定性(少ない反り及び改善された成形収縮特性)を得ながらも適切なESD材料を得ることができることを実証した。
実施例5 - PA10T/10Iを含むポリアミド組成物
この実施例では、PA2(PA10T/10I)を、導電性材料としての10重量%のミルド炭素繊維微粒子(「CM5」)、カーボンブラック濃縮物「CM2」、添加剤パッケージ1、及びガラスフレーク(GFla)と混錬(溶融ブレンド)したポリアミド組成物のサンプルE9を調製した。溶融ブレンドは、Coperion(登録商標)ZSK-26同方向回転二軸押出機を使用して行い、混錬されたサンプルを、その後ASTM D3641に従って成形した。
比較のために、ミルド炭素繊維を含まないサンプルCE11を調製した。
サンプルCE11及びE9のポリアミド組成及び特性は表4に示されている。
表4に示されているように、サンプルE9のポリアミド組成物に10重量%のミルド炭素繊維(粒子形態)を添加すると、ミルド炭素繊維を含まないサンプルCE11と比較して、体積抵抗率が10桁と大幅に減少した。サンプルE9は、その体積抵抗率が10+5~5・10+12Ω.cmの範囲内にあるため、静電気防止性であった。サンプルCE11はESD材料ではなかった。
Figure 2024513073000004
更に、ミルド炭素繊維を10重量%含むサンプルE9の引張弾性率及び引張強さは、ミルド炭素繊維を含まないサンプルCE11と比較して向上した。同様に、ノッチ付きアイゾット衝撃特性も、ミルド炭素繊維の添加により向上した。
加えて、10重量%のミルド炭素繊維の添加は、成形収縮や反りに悪影響を及ぼさず、逆にこれを向上させた。横方向の成形収縮(0.3%)は、サンプルCE11(0.43%)と比較してサンプルE9で大幅に改善された。横方向に対する流れ方向の成形収縮率の比率はサンプルCE11の70%と比較して90%であり、推定される反りの値は0.13(CE11)から0.03(E9)へと減少した。サンプルE9に10重量%のミルド炭素繊維を添加すると、成形収縮は等方性に近づいた。
サンプルE9で得られた結果は、PA2に基づく組成物に10重量%のミルド炭素繊維微粒子と50重量%のガラスフレークを添加することにより、寸法安定性(少ない反り及び改善された成形収縮特性)を得ながらも優れた機械的特性が維持された、適切なESD材料を得ることができることを実証した。
本発明の好ましい実施形態が示され且つ説明されてきたが、当業者によるその変更は、本発明の趣旨又は教示から逸脱することなく行われ得る。本明細書に記載される実施形態は、単なる例示であり、限定ではない。組成物、物品、及び方法の多くの変形及び変更が可能であり、それらは本発明の範囲内である。したがって、保護の範囲は、上で説明した記載に限定されず、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲は、特許請求の範囲の主題の均等物を全て含む。各々及び全ての特許請求の範囲は、本発明の実施形態として本明細書に組み込まれている。したがって、特許請求の範囲は、更なる説明であり、また本発明の好ましい実施形態への追加である。上記の文献の参照によるいかなる援用も、本明細書での明白な開示に反する主題が援用されないように限定される。
本明細書に引用される全ての特許出願及び刊行物の開示は、それらが本明細書に記載されるものを補完する例示的な手続上の又は他の詳細を提供する範囲で参照により本明細書によって援用される。参照により本明細書に組み込まれる任意の特許、特許出願、及び刊行物の開示が、ある用語が不明確になり得る程度にまで本出願の記載と矛盾する場合は、本記載が優先するものとする。

Claims (15)

  1. ・少なくとも20重量パーセント(wt%)のポリアミドポリマーと、
    ・炭素繊維、カーボンナノチューブ、又はそれらの任意の組み合わせを含む、1重量%より多く20重量%までの導電性材料と、
    ・最大500ミクロンの平均長さを特徴とする三次元構造を有する20重量%~60重量%のガラス充填剤であって、少なくとも20重量%のガラスフレークを含むガラス充填剤と、
    を含むポリアミド組成物であって、
    前記重量%が前記ポリアミド組成物の総重量基準である、ポリアミド組成物。
  2. 前記ポリアミドポリマーが、半芳香族ポリアミド、好ましくはポリフタルアミドを含む、請求項1に記載のポリアミド組成物。
  3. 前記ポリアミドポリマーが、PA10T/10I;PA10T;PA6T/6I;PA6T;PA9T;PA12T;PA10T/66;PA6T/66;PA6,I;PA12I;PAMXD6;PAPXD10;及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される半芳香族ポリアミドを含む、請求項1又は2に記載のポリアミド組成物。
  4. 前記ポリアミドポリマーが、PA610;PA612;PA10/10;PA12;PA510;PA66;PA10/12;及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される脂肪族ポリアミドを含む、請求項1に記載のポリアミド組成物。
  5. 前記ガラス充填剤が、円形若しくは扁平のチョップドガラス繊維を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  6. 前記ガラス充填剤が、前記ポリアミド組成物の総重量を基準として30重量%~55重量%のガラスフレークを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  7. 前記導電性材料が、チョップド炭素繊維、ミルド炭素繊維、粒状のミルド/チョップド炭素繊維、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、二層カーボンナノチューブ(SWCNT)、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  8. 前記導電性材料がカーボンブラック粉末を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  9. 前記導電性材料が、フレーク、粉末、微小球、ナノ粒子、ナノ繊維、ナノフレーク、ナノロープ、ナノリボン、ナノフィブリル、ナノニードル、ナノシート、ナノロッド、カーボンナノコーン、カーボンナノスクロール、ナノプレートレット、ナノドット、デンドライト、ディスク、又はその他の任意の三次元体からなる群から選択される炭素ベースの三次元構造を、単独で又は組み合わせで更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  10. 前記導電性材料が、ASTM D257に従って測定される2・10-2Ω.cm未満、又は1・10-2Ω.cm以下、又は5・10-3Ω.cm以下、又は3・10-3Ω.cm以下、又は1・10-3Ω.cmの体積抵抗率、好ましくはASTM D257に従って測定される1・10-4Ω.cmから20・10-4Ω.cmまでの体積抵抗率を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  11. 静電気防止性である、請求項1~10のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  12. 前記ポリアミドポリマーと、前記導電性材料と、前記ガラス充填剤と、前記ガラス充填剤とは異なる別の強化剤、強靭化剤、可塑剤、光安定剤、紫外線安定剤、熱安定剤、顔料、染料、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良剤、潤滑剤、造核剤、酸化防止剤、加工助剤、及びこれらの2種以上の任意の組み合わせからなる群から選択される任意選択的な添加剤とを溶融ブレンドすることを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のポリアミド組成物の製造方法。
  13. 請求項1~11のいずれか一項に記載のポリアミド組成物を含む成形品。
  14. 請求項1~11のいずれか一項に記載のポリアミド組成物を含む携帯電子機器部品。
  15. 以下の特性のうちの少なくとも1つを有する、請求項13に記載の成形品又は請求項14に記載の携帯電子機器部品:
    ・ASTM D257に従って測定される1・10+5Ω.cmから5・10+12Ω.cmまでの体積抵抗率;
    ・32%超、若しくは35%超、若しくは40%超、若しくは45%超、若しくは50%超、若しくは55%超、若しくは60%超の、横方向の成形収縮率に対する流れ方向の成形収縮率の比率(流れ方向及び横方向の前記成形収縮率(%)は、ISO294(ASTM D955)に従って決定される);
    ・0.5以下、若しくは0.4以下、若しくは0.3以下、若しくは0.2以下、若しくは0.18以下の反り、並びに/又は
    ・ISO294(ASTM D955)に従って決定される、0.5%以下、若しくは0.47%以下、若しくは0.45%以下、若しくは0.44%以下の横方向の成形収縮率(%)。
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