JP2024509265A - 赤血球増加症を処置するための組成物および方法 - Google Patents

赤血球増加症を処置するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本実施形態は、赤血球増加症およびその関連する症候群を予防または処置するための、グリシン輸送体阻害剤、例えば、GlyT1阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくはプロドラッグ、あるいはその医薬組成物を使用する方法を対象とする。一部の実施形態では、本開示は、対象における赤血球増加症を処置する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体1(GlyT1)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。

Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、2021年3月12日に出願された米国特許仮出願第63/160,412号および2021年5月7日に出願された米国特許仮出願第63/185,464号からの優先権の利益を主張する。前述の出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
分野
本明細書に開示される実施形態は、グリシン輸送体阻害剤、例えば、限定されるものではないが、GlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、水和物、プロドラッグ、またはその医薬組成物を用いて、赤血球増加症を予防または処置するための方法および使用を対象とする。
背景
赤血球増加症は、総血液体積における増加が典型的には伴う、患者の赤血球カウント、ヘモグロビンおよび総赤血球体積における増加によって特徴付けられる疾患である。赤血球増加症は、体液喪失または摂取の減少に続発する相対的多血症(relative erythrocytosis)から識別することができるが、それは、赤血球増加症は総血液体積の増加を生じるが、相対的多血症は生じないからである。赤血球増加症の2つの基本的なカテゴリーが典型的には認識される:赤色細胞前駆物質に固有の因子に起因し、原発性家族性先天性赤血球増加症(PFCP)および真性赤血球増加症(PV)の診断が含まれる原発性赤血球増加症、ならびに赤色細胞前駆物質にとって外部の因子によって引き起こされる二次性赤血球増加症。
赤血球増加症を処置するための有効な治療に対する、高い満たされていない必要性が存在する。したがって、本開示の目的は、赤血球増加症を処置、予防、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減するための方法を提供することである。本明細書に記載される、グリシン輸送体阻害剤、例えば、限定されるものではないが、GlyT1阻害剤の方法および使用は、他と同様に、これらの必要性を満たす。
出願の概要
一部の実施形態では、本開示は、対象における赤血球増加症を処置する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体1(GlyT1)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、対象における赤血球増加症を予防、処置またはその進行速度および/または重症度を低減する方法であって、方法が、1種もしくは1種より多くのグリシン輸送体1(GlyT1)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは1種より多くのGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、対象における赤血球増加症の1つまたは1つより多くの合併症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、方法が、1種もしくは1種より多くのGlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは1種より多くのGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、赤血球増加症の1つまたは複数の合併症は、肺塞栓症、一過性虚血性発作、一過性視覚欠損、深部静脈血栓症、脾腫、肝腫、骨髄線維症および急性骨髄性白血病からなる群から選択される。一部の実施形態では、骨髄線維症は、低リスク骨髄線維症、中等度リスク骨髄線維症、高リスク骨髄線維症、原発性骨髄線維症、本態性血小板血症後の骨髄線維症および真性赤血球増加症後の骨髄線維症からなる群から選択される。一部の実施形態では、赤血球増加症は、原発性赤血球増加症である。一部の実施形態では、原発性赤血球増加症は、真性赤血球増加症である。一部の実施形態では、原発性赤血球増加症は、純粋多血症(pure erythrocytosis)である。一部の実施形態では、原発性赤血球増加症は、原発性家族性赤血球増加症である。
一部の実施形態では、赤血球増加症が二次性赤血球増加症である。一部の実施形態では、二次性赤血球増加症が、低酸素症、中枢低酸素プロセス、肺疾患、右から左心肺血管短絡(先天性または後天性)、心臓疾患、心不全、一酸化炭素中毒、喫煙者の多血症、高高度居住環境、腎疾患、腎臓移植、高酸素親和性を有するヘモグロビン異常症、赤血球2,3,-DPGの減少したレベル、ビスホスホグリセリン酸ムターゼ欠損症、メトヘモグロビン血症、遺伝性ATP増加、酸素感知経路遺伝子変異、腫瘍、薬物誘発二次性赤血球増加症、副腎皮質分泌過多および特発性赤血球増加症からなる群から選択される障害に関連する。一部の実施形態では、肺疾患が、慢性肺疾患、間質性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ピックウィック症候群、肺気腫、肺線維症、睡眠時無呼吸、低換気症候群および肥満低換気症候群からなる群から選択される。一部の実施形態では、心臓疾患が、チアノーゼ性心臓疾患および先天性心臓疾患からなる群から選択される。一部の実施形態では、腎疾患が、局部腎低酸素症、腎動脈狭窄症、嚢胞、多発性嚢胞腎臓疾患、水腎症、ネフローゼ症候群、びまん性実質疾患、バーター症候群、末期腎疾患、長期の血液透析および腎移植後の多血症からなる群から選択される。一部の実施形態では、酸素感知経路遺伝子変異が、EpoR、VHL、HIF2AおよびPHD2からなる群から選択される。一部の実施形態では、腫瘍が、エリスロポエチンまたはエリスロポエチン関連因子の過剰な産生を有する腫瘍である。一部の実施形態では、腫瘍が、腎細胞癌、腎腫瘍、肝細胞癌、褐色細胞腫、小脳血管芽細胞腫、子宮平滑筋腫、卵巣癌、髄膜腫、副甲状腺癌および副甲状腺腺腫からなる群から選択される。一部の実施形態では、薬物関連の二次性赤血球増加症が、エリスロポエチン投与、アンドロゲン投与、タンパク質同化ステロイド投与、合成テストステロン投与、タンパク質注射、ゲンタマイシン投与およびメチルドパ投与からなる群から選択される。一部の実施形態では、赤血球増加症が相対的赤血球増加症である。一部の実施形態では、相対的赤血球増加症が、ガイスベック症候群、偽性赤血球増加症またはストレス多血症からなる群から選択される。一部の実施形態では、赤血球増加症がチュヴァシ赤血球増加症である。
一部の実施形態では、本開示は、赤血球増加症を有する対象におけるヘム合成を阻害する方法であって、GlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、またはGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、ヘム合成が、用量依存的様式で阻害される。一部の実施形態では、本開示は、赤血球増加症を有する対象におけるヘモグロビン合成を阻害する方法であって、GlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、またはGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、ヘモグロビン合成が、用量依存的様式で阻害される。一部の実施形態では、本開示は、赤血球増加症を有する対象における赤血球合成を阻害する方法であって、GlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、またはGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、赤血球合成が、用量依存的様式で阻害される。一部の実施形態では、本開示は、赤血球増加症を有する対象における赤血球カウントを減少させる方法であって、GlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、またはGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、赤血球カウントが、用量依存的様式で減少される。一部の実施形態では、対象が、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘマトクリットレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いヘマトクリットレベルを有する。一部の実施形態では、対象が、少なくとも48%であるヘマトクリットレベルを有する。一部の実施形態では、対象が、少なくとも49%であるヘマトクリットレベルを有する。一部の実施形態では、対象が、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球量レベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高い赤血球量レベルを有する。一部の実施形態では、対象が、平均正常予測値を少なくとも25%上回る赤血球量レベルを有する。一部の実施形態では、対象が、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球カウントよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高い赤血球カウントを有する。一部の実施形態では、対象が、5.1×1012/Lよりも高い赤血球カウントを有する。一部の実施形態では、対象が、5.3×1012/Lよりも高い赤血球カウントを有する。一部の実施形態では、対象が、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘモグロビンレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%、または50%高いヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、対象が、16.0g/dLよりも高いヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、対象が、16.5g/dLよりも高いヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを48%未満に減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルが16g/dL未満に減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の鉄レベルが維持される。一部の実施形態では、対象の貯蔵された鉄レベルが増加される。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏の発生率を減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少される。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)改善する。一部の実施形態では、対象が、脾臓サイズの増加を有する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを低減させる。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減させる。
一部の実施形態では、対象が、Janusキナーゼ2(JAK2)における変異を有する。一部の実施形態では、JAK2における変異が、JAK2 V617Fエクソン14変異である。一部の実施形態では、JAK2における変異が、JAK2エクソン12変異である。一部の実施形態では、JAK2における変異が、機能獲得型変異である。一部の実施形態では、対象のJAK2酵素活性が増加する。一部の実施形態では、対象が、Tetメチルシトシンジオキシゲナーゼ2(TET2)または核因子赤血球系2(NFE2)における変異を有する。一部の実施形態では、対象が、VHL、EPO、EPOR、ELG1、EPAS1、HIF2AおよびBPGMからなる群から選択される遺伝子における変異を有する。一部の実施形態では、対象が、ヘモグロビンB(HBB)およびヘモグロビンA(HBA)からなる群から選択される高酸素親和性バリアントを有する。
一部の実施形態では、対象が、ヒドロキシウレアに対する不適切な応答を有する。一部の実施形態では、対象が、ヒドロキシウレアに対して不耐性である。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての対象の必要性を低減させる。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての対象の必要性を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減させる。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての対象の必要性を排除させる。一部の実施形態では、方法は、対象における血栓塞栓性事象のリスクを低減させる。一部の実施形態では、血栓塞栓性事象が動脈血栓症である。一部の実施形態では、血栓塞栓性事象が静脈血栓症である。一部の実施形態では、方法は、対象における霧視のリスクを低減させる。一部の実施形態では、方法は、対象における霧視のリスクを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減させる。一部の実施形態では、方法は、対象における頭痛のリスクを低減される。一部の実施形態では、対象における頭痛のリスクが少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減される。一部の実施形態では、対象のクオリティオブライフが増加する。一部の実施形態では、方法は、対象のクオリティオブライフを少なくとも1%(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%)増加させる。
一部の実施形態では、方法は、追加の活性薬剤および/または支持療法を対象に投与することをさらに含む。一部の実施形態では、追加の活性薬剤および/または支持療法が、ヒドロキシウレア(例えば、Droxia(登録商標)、Hydrea(登録商標))、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ-2b(例えば、Intron(登録商標)A)、ルキソリチニブ(例えば、Jakafi(登録商標))、ブスルファン(例えば、Busulfex(登録商標)、Myleran(登録商標))、放射線処置、ヘプシジン模倣物(例えば、PTG-300)、マトリプターゼ-2阻害剤、フェロポルチン阻害剤、JAK阻害剤、BET阻害剤、MDM2阻害剤およびHDAC阻害剤からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式I
Figure 2024509265000001
[式中、Arは、非置換または置換のアリールまたは1、2もしくは3個の窒素原子を含有する6員ヘテロアリールであり、ここで、置換アリール基および置換ヘテロアリール基は、ヒドロキシ、ハロゲン、NO、CN、(C~C)-アルキル、ハロゲンによって置換された(C~C)-アルキル、ヒドロキシによって置換された(C~C)-アルキル、(CH)n-(C~C)-アルコキシ、ハロゲンによって置換された(C~C)-アルコキシ、NR、C(O)R、SO2R10および-C(CH)=NORからなる群から選択される1個もしくは1個より多くの置換基によって置換されているか、あるいは(C~C)-アルキルによって必要に応じて置換されているNおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5員芳香族複素環によって置換されており;Rは、水素または(C~C)-アルキルであり;Rは、水素、(C~C)-アルキル、(C~C)-アルケニル、ハロゲンによって置換された(C~C)-アルキル、ヒドロキシによって置換された(C~C)-アルキル、(C~C)-アルコキシもしくはハロゲンによって必要に応じて置換された(CH2)n-(C~C)-シクロアルキル、CH(CH)-(C~C)-シクロアルキル、(CHn+1-C(O)-R、(CHn+1-CN、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、(CHn+1-O-(C~C)-アルキル、(CH-ヘテロシクロアルキル、(CH-アリールまたは(CH-5もしくは6員ヘテロアリールであって、酸素、硫黄もしくは窒素からなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する(CH-5もしくは6員ヘテロアリールであり、ここで、アリール、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールは、非置換であるか、またはヒドロキシ、ハロゲン、(C~C)-アルキルおよび(C~C)-アルコキシからなる群から選択される1個もしくは1個より多くの置換基によって置換されており;R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、(C~C)-アルキル、(C~C)-アルコキシまたはO-(C~C)-シクロアルキルであり;Rは、NO、CN、C(O)RまたはSO10であり;RおよびRは、それぞれ独立して、水素または(C1~C6)-アルキルであり;Rは、水素、(C~C)-アルキル、(C~C)-アルコキシまたはNRであり;R10は、ハロゲンによって必要に応じて置換された(C~C)-アルキル、(CH-(C~C)-シクロアルキル、(CH-(C~C)-アルコキシ、(CH-ヘテロシクロアルキルまたはNRであり;nは、0、1または2である]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000002
の式を有する化合物であるビトペルチンもしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式II、
Figure 2024509265000003
[式中、Rは、イミダゾリル、チアゾリル、ピリジル、オキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、キノリニル、イソキサゾリル、ピロロイミダゾイルおよびチアジアゾールからなる群から選択されるヘテロアリールを表し、ここで、前記ヘテロアリールは、-OH、-NR、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C10)シクロアルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C12)アルコキシアルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C14)アリールおよびベンジルから選択される1個もしくは1個より多くの置換基によって必要に応じて置換されており;R、RおよびAは、独立して、Hまたは(C~C)アルコキシを表し、ここで、前記アルキルは、1個もしくは1個より多くの-OH、(C~C)アルコキシ、-NRまたはハロゲンによって必要に応じて置換されており;Qは、-(CH-(式中、n=1、2、3または4である)または-(CH-O-(式中、m=2、3または4である)を表し;Zは、(C~C14)アリール、(C~C)アルキルまたは(C~C)シクロアルキルを表し;RおよびRは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C14)アリール、(C~C14)アリールオキシ、(C~C)アルコキシ、(3~10員)ヘテロシクロアルキルまたは(C~C)シクロアルコキシを表し;ここで、RおよびRは、1個もしくは1個より多くの-OH、(C~C)アルコキシ(aIkoxy)、-NRまたはハロゲンによって必要に応じて置換されており;Yは、-R、-(CH)o-R、-C(Rまたは-CH(R(式中、0=1、2または3である)を表し;Rは、H、(C~C14)アリール、(C10)アルキル、(C~C10)シクロアルキル、(C~C18)ビシクロアルキル、(C~C18)トリシクロアルキル、(3~10員)ヘテロシクロアルキル、(5~10員)ヘテロアリール、-C(=O)NRまたは-C(=O)OR(式中、前記R基は、1個もしくは1個より多くのX基によって必要に応じて置換され得る)を表し;X=-OH、(C~C)アルコキシ、-NR1112、-SO10、-C(=O)R10、ハロゲン、シアノ、(C~C)アルキル、(C~C10)アルコキシアルキル、(5~10員)ヘテロアリール、(C~C14)アリール、(C~C14)アリールオキシ、ベンジルまたは(C1~C)ヒドロキシアルキルであり;RおよびRは、独立して、H、(C~C)アルキル、(C~C8)シクロアルキル、(5~10員)ヘテロシクロアルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル(hydroxyalky)、(5~10員)ヘテロアリールまたは(C~C10)アルコキシアルキルを表し;RおよびRは、1個もしくは1個より多くのX基によって必要に応じて置換されていてもよく;あるいはRおよびRは、それらが結合し得る窒素と一緒に、1個もしくは1個より多くのX基によって必要に応じて置換された(3~10員)ヘテロシクロアルキル基を形成してもよく;R10は、(C~C)アルキル、(C~C)シクロアルキル、(3~10員)ヘテロシクロアルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(5~10員)ヘテロアリールまたは(C~C10)アルコキシアルキルを表し;R11およびR12は、独立して、H、(C~C)アルキル、(C~C)シクロアルキル、(5~10員)ヘテロシクロアルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(5~10員)ヘテロアリールまたは(C~C10)アルコキシアルキルを表す]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。ある特定のそのような実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000004
の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。他のそのような実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000005
の式を有する化合物であるPF-3463275もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式III、
Figure 2024509265000006
[式中、Zは、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル(CycloaIkVl)、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ハロC1~4アルキル、フェニル、ハロC1~4アルコキシ、ハロフェニル、C1~4アルキルスルホキシ、C1~4アルキルスルホニル、ブロモおよびクロロからなる群から選択され;Zは、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、フェニル、ハロC1~4アルキル、ハロC1~4アルコキシ、ハロフェニル、C1~4アルコキシC1~4アルキルおよびC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;Zは、水素、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ハロC1~4アルキル、ハロC1~4アルコキシおよびC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;Zは、水素、ハロゲン、C1~3アルキル、ハロC1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、フェニル、ハロC1~4アルコキシ、ハロフェニル、C1~4アルコキシC1~4アルキルおよびC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;Zは、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、フェニル、ハロC1~4アルキル、ハロC1~4アルコキシ、ハロフェニル、C1~4アルコキシC1~4アルキルおよびC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;ここで、Z~Zの1個より多くが、メトキシである場合、ZおよびZのみがメトキシであり、RおよびRは、独立して、水素、および1個もしくは1個より多くの基Yで必要に応じて置換されたC1~4アルキルから選択されるか;あるいはRおよびR4は、それらが結合する窒素原子と一緒に、基Y’で必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和のA、5、6または7員炭素環を形成し;Yは、C1~4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロC1~4アルコキシおよびC3~5シクロアルキルからなる群から選択され;Y’は、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ハロC1~4アルコキシ、C3~5シクロアルキルおよびC5~10アリールからなる群から選択されるか、あるいはY’は、A、5、6または7員炭素環上の2個の原子の間に-CH2-または-CH2-CH2-架橋を形成し;RおよびRは、独立して、1個もしくは1個より多くの基Xで必要に応じて置換されたC1~4アルキルであるか;あるいは、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒に、1個もしくは1個より多くの基X’で必要に応じて置換された飽和の5もしくは6員炭素環を形成し、RおよびR6が、それらが結合する炭素原子と一緒に5員の飽和炭素環を形成する場合において、その環は、必要に応じて、O、NおよびS(O)m(式中、m=0、1または2である)から選択される追加のヘテロ原子の群をさらに含んでいてもよく;Xは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロC1~4アルキル、ハロC1~4アルコキシおよびC5~10アリールからなる群から選択され;X’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、ハロC1~4アルキル、ハロC1~4アルコキシおよびC5~10アリールからなる群から選択され;ここで、R、R、RおよびRは、すべて同時に非置換メチルではなく;ただし、同時に、Zがプロピルオキシであり、Zがクロロであり、Z=Z=Z=Hであり、かつRおよびRが両方ともメチルである場合、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に、2-メチルピロリジン基を形成せず;同時に、Zがメチルであり、Zがメトキシであり、Z=Z4=Z5=Hであり、かつRおよびRが両方ともメチルである場合、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に、ピロリジン基を形成しない]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。ある特定のそのような実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000007
の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式IV、
Figure 2024509265000008
[式中、Zは、(CH、O、S、SO、SOまたはN-Rであり;nは、0、1または2であり;Xは、水素、ハロゲン、(C1~6)アルキルオキシ(alkyioxy)、(C3~6)シクロアルキルオキシ、(C6~12)アリールオキシ、(C6~12)アリール、チエニル、SR、SOR、SO、NR、NHR、NH、NHCOR、NSO、CN、COOR、およびハロゲン、(C6~12)アリール、(C1~6)アルキルオキシまたは(C6~12)アリールオキシで必要に応じて置換された(C1~4)アルキルから独立して選択される1~3個の置換基を表すか;あるいは隣接する位置の2個の置換基は、一緒に、縮合(C5~6)アリール基、縮合(C5~6)シクロアルキル環またはO-(CH-Oを表し;mは、1または2であり;Yは、水素、ハロゲン、(C1~4)アルキルオキシ、SR、NR、およびハロゲンで必要に応じて置換された(C1~4)アルキルから独立して選択される1~3個の置換基を表し;Rは、COORまたはCONRであり;RおよびR6は、(C1~4)アルキルであり;R、RおよびRは、独立して、水素または(C1~4)アルキルであり;R、RおよびRは、独立して、水素、(C1~4)アルキル、(C6~12)アリールまたはアリールアルキルである]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。ある特定のそのような実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000009
の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式V、
Figure 2024509265000010
[式中、nは、1~3の整数であり;RおよびRは、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルから独立して選択され、ここで、前述の環は、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、一置換アミノまたは二置換アミノから独立して選択されるR、RまたはRで必要に応じて置換されているか;あるいはRおよびRは、同じ炭素原子に結合する場合、組み合わされて、シクロアルキルまたは単環式の飽和ヘテロシクリルを形成して、スピロ環を与えることができ、ここで、シクロアルキルまたは単環式の飽和ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、フルオロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、ヒドロキシ、一置換アミノまたは二置換アミノから独立して選択されるR、RまたはRで必要に応じて置換され得るか;あるいはRおよびRは、ピペラジン環の2および5位または3および6位の炭素原子に結合する場合、組み合わされて、-C~C-アルキレン鎖を形成することができ、ここで、アルキレン鎖中の炭素原子の1個は、-NR-、-O-、-S(O)n-(式中、Rは、水素またはアルキルであり、nは、0~2である)によって必要に応じて置き換えられ、さらに、アルキレン鎖中の1もしくは2個の水素原子は、1もしくは2個のアルキルで必要に応じて置換され得;R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、フルオロまたはフルオロアルキルであり;ArおよびArは、独立して、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここで、前述の環のそれぞれは、R、RまたはRで必要に応じて置換され、Rは、アルキル、-C=C-R(式中、Rは、アリールまたはヘテロアリールである)、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであり、RおよびRは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルから独立して選択され、ここで、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ(carbpxy)、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから独立して選択されるR、RまたはRで必要に応じて置換され、ただし、式Vの化合物は、2-(4-ベンズヒドリルピペラジン-l-イル)酢酸、2-(4-((4-クロロフェニル)(フェニル)メチル)ピペラジン-l-イル)酢酸、2-((2R,5S)-4-((R)-(4-(lH-テトラゾール-5-イル)フェニル)(3-ヒドロキシフェニル)メチル)-2,5-ジメチルピペラジン-l-イル)酢酸または2-((2R,5S)-4-((R)-(4-シアノフェニル)(3-ヒドロキシフェニル)メチル)-2,5-ジメチルピペラジン-l-イル)酢酸ではない]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。ある特定のそのような実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000011
の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式VI、
Figure 2024509265000012
[式中、Aは、一般式N-Rの基、一般式N+(O-)Rの基または一般式N+(R’)Rの基を表し(式中、Rは、水素原子、または1個もしくは1個より多くのフッ素原子で必要に応じて置換された直鎖状もしくは分枝状の(C~C)アルキル基、または(C~C)シクロアルキル基、または(C~C)シクロアルキル(C~C)アルキル基、または1個もしくは2個のヒドロキシル基もしくはメトキシ基で必要に応じて置換されたフェニル(C~C)アルキル基、または(C~C)アルケニル基、または(C~C)アルキニル基のいずれかを表し;R’は、直鎖状もしくは分枝状の(C~C)アルキル基を表す);Xは、水素原子、またはハロゲン原子およびトリフルオロメチル、直鎖状もしくは分枝状の(C1~C4)アルキルおよび(C~C)アルコキシ基から選択される1個もしくは1個より多くの置換基を表し;Rは、水素原子、またはハロゲン原子およびトリフルオロメチル、(C~C)アルキル基もしくは(C~C)アルコキシ基、または一般式NRのアミノ基(式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子または(C~C)アルキル基をそれぞれ表すか、あるいは、それらを持つ窒素原子とともに、ピロリジン環、ピペリジン環またはモルホリン環、あるいは上記の記号Xについて定義される原子または基で必要に応じて置換されたフェニル基を形成する)から選択される1個または1個より多くの置換基のいずれかを表す]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。ある特定のそのような実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000013
の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式VII、
Figure 2024509265000014
[式中、Rは、-(CH-R1a(式中、nは、独立して、0~6であり、R1aは、(1)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシで置換されているC1~6アルキル、(2)R2a、R2bおよびR2cで置換されたフェニル、(3)非置換であるか、またはC1~6アルキル、1~6個のハロゲン、ヒドロキシもしくは-NR1011で置換されているC3~6シクロアリル、(4)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシもしくは-NR1011で置換されている-O-C1~6アルキル、(5)-CO2R(式中、R9は、(a)水素、(b)非置換であるか、または1~6個のフルオロで置換されている-C1~6アルキル、(c)ベンジル、および(d)フェニルから独立して選択される)、(6)-NR1011(式中、R10およびR11は、(a)水素、(b)非置換であるか、またはヒドロキシ、1~6個フルオロもしくは-NR1213(式中、R12およびR13は、独立して、水素および-C1~6アルキルから選択される)で置換されている-C1~6アルキル、(c)非置換であるか、またはヒドロキシ、1~6個のフルオロもしくは-NR1213で置換されている-C3~6シクロアルキル、(d)ベンジル、(e)フェニルから独立して選択される)、ならびに(7)-CONR1011からなる群から選択される)であり;R2は、(1)R2a、R2bおよびR2cで置換されているフェニル、(2)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシ、-NR1011、フェニルまたは複素環で置換されているC1~8アルキル(ここで、フェニルまたは複素環は、R2a、R2bおよびR2cで置換されている)、(3)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシもしくは-NR1011で置換されているC3~6シクロアルキル、および(4)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシもしくは-NR1011で置換されている-C1~6アルキル-(C3~6シクロアルキル)からなる群から選択され;R2a、R2bおよびR2cは、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)非置換であるか、または(a)1~6個のハロゲン、(b)フェニル、(c)C3~6シクロアルキル、もしくは(d)-NR1011で置換されている-C1~6アルキル、(4)非置換であるか、または1~6個のハロゲンで置換されている-O-C1~6アルキル、(5)ヒドロキシ、(6)-SCF、(7)-SCHF、(8)-SCH、(9)-CO、(10)-CN、(11)-SO、(12)-SO-NR1011、(13)-NR1011、(14)-CONR1011、および(15)-NOからなる群から独立して選択され;Rは、(1)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシルもしくは-NR1011で置換されているC1~6アルキル、(2)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシルもしくは-NR1011で置換されているC3~6シクロアルキルからなる群から選択され、RおよびRは、(1)水素、および(2)非置換であるか、またはハロゲンもしくはヒドロキシルで置換されているC1~6アルキルからなる群から独立して選択されるか、あるいはRおよびRは、一緒になって、C3~6シクロアルキル環を形成し;Aは、(1)-O-、および(2)-NR10-からなる群から選択され;mは、ゼロまたは1であり、ここで、mがゼロである場合、Rはカルボニルに直接結合する]
の化合物およびその薬学的に許容される塩、ならびにその個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーもしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。ある特定のそのような実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000015
の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式VIII、
Figure 2024509265000016
[式中、Rは、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ORまたはSR10で1~5回独立して置換されたフェニルであり、ここで、C~CアルキルおよびC~Cシクロアルキルは、Rで1~10回必要に応じて置換されており;Rは、Hであり;RおよびR4は、それぞれ独立して、HまたはCHであり;Rは、(1)水素、(2)Rで1~11回必要に応じて置換されているC~Cアルキル、(3)gem-ジアルキル、および(4)gem-ジハロからなる群から選択されるか;あるいは同じ炭素上の2個のR置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒に、Rで1~10回必要に応じて置換された3、4もしくは5員シクロアルキルを形成してもよく;あるいはそれらが結合する環の隣接する炭素上の2個のR置換基は、一緒に、Rで1~10回必要に応じて置換された3、4、5もしくは6員シクロアルキルを形成してもよく;Rは、
Figure 2024509265000017
(式中、E、F、およびGは、それぞれ独立して、窒素または炭素であり、R6aは、ハロゲンもしくは重水素で1~5回必要に応じて置換されているC~Cアルキルである)であり;Rは、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)重水素、(4)gem-ジアルキル、(5)gem-ジハロ、(6)-OR、-NR1112、-NR11C(O)10、-S(O)10、-CN、-NO2、-C(O)10、-C(O)NR1112またはNR11C(S)R10、および(7)オキソまたはチオからなる群から選択され;Rは、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~CシクロアルキルもしくはC~Cシクロアルキルアルキル(ここで、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~CシクロアルキルおよびC~Cシクロアルキルアルキルのそれぞれは、独立して、Rで1~11回必要に応じて置換されている)、または(4)-OR、-NR1112、-NR11C(O)10、-S(O)10、-CN、-NO2、-C(O)10、-C(O)NR1112もしくは-NR11C(S)R10からなる群から選択され;Rは、水素、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、-C(O)NR1112および-C(O)10からなる群から選択され、ここで、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cシクロアルキルアルキルのそれぞれは、Rで1~11回必要に応じて置換されており;R10は、水素、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cシクロアルキルアルキルのそれぞれは、R7において定義される置換基で1~11回必要に応じて置換され、アリールまたはヘテロアリールは、Rで1~10回必要に応じて置換されており;R11およびR12は、水素、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択され、ここで、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cシクロアルキルアルキルのそれぞれは、Rにおいて定義される置換基で1~11回必要に応じて置換され、アリールまたはヘテロアリールは、Rで1~10回必要に応じて置換されているか、あるいはR11およびR12は、それらが結合する窒素と一緒になって、Rで1~11回必要に応じて置換された飽和もしくは部分的に飽和の単環式もしくは縮合二環式の複素環を形成し;Aは、
Figure 2024509265000018
であり;Xは、Nであり;Yは、Nであり;pは、1または2であり;mは、0であり;ただし、Rは、(a)1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、または(b)5-メチルイソキサゾール-4-イルではあり得ない]
の化合物、またはその酸化物、化合物もしくはその酸化物の薬学的に許容される塩、またはその個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーである。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、以下:
Figure 2024509265000019
Figure 2024509265000020
Figure 2024509265000021
のいずれかから選択される化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式IX
Figure 2024509265000022
[式中、Rは、フェニル、またはO、NもしくはSから独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の単環式ヘテロアリールを表し、ここで、フェニルまたはヘテロアリールは、1個もしくは1個より多くのRで必要に応じて置換されており;Rは、アリール、5もしくは6員の単環式ヘテロアリール、または8~10員の二環式ヘテロアリールを表し、単環式もしくは二環式ヘテロアリールは、O、NもしくはSから独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有し、ここで、アリールまたはヘテロアリールは、1個もしくは1個より多くのRで必要に応じて置換されており;Rは、ハロゲン、C1~4-アルキルまたはC3~6-シクロアルキルであり、ここで、C1~4-アルキルまたはC3~6-シクロアルキルは、1個もしくは1個より多くのハロゲンで必要に応じて置換されており;Rは、ハロゲン、-CN、C1~4-アルキル、C3~6-シクロアルキル、-C1~3-アルキル-C3~6-シクロアルキルまたは-O-C1~6アルキルであり、ここで、C1~4-アルキル、C3~6-シクロアルキル、-C1~3-アルキル-C3~6-シクロアルキルまたは-O-C1~6-アルキルは、1個もしくは1個より多くのハロゲンで必要に応じて置換されている]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、あるいは化合物の互変異性体もしくは立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前述のいずれかの混合物である。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式X
Figure 2024509265000023
[式中、Rは、a)O、NおよびS(O)rからなる群から独立して選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の単環式ヘテロアリール、b)O、NおよびS(O)rからなる群から独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の単環式の部分的に飽和のヘテロシクロアルキル、ならびにc)O、NおよびS(O)からなる群から独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する9もしくは10員の二環式ヘテロアリール(式中、rは、0、1または2である)からなる群から選択され;ここで、前記基a)、b)およびc)のそれぞれは、C1~4-アルキル-、C1~4-アルキル-O-、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、C3~6-シクロアルキル-およびC3~6-シクロアルキル-O-からなる群から独立して選択される1個もしくは1個より多くの置換基で必要に応じて置換され、置換基の場合では、窒素環原子に結合し、前記置換基は、C1~4-アルキル-、C1~4-アルキル-CO-、C3~6-シクロアルキル-およびC3~6-シクロアルキル-CO-からなる群から選択され、ここで、前記C1~4-アルキル-、C1~4-アルキル-O-、C1~4-アルキル-CO-、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、C3~6-シクロアルキル-、C3~6-シクロアルキル-CO-またはC3~6-シクロアルキル-O-の置換基のそれぞれは、フルオロ、-CF、-CHF、-CHFおよび-CNからなる群から独立して選択される1個もしくは1個より多くの置換基によって置換されていてもよく;Rは、水素、C1~4-アルキル-、C1~4-アルキル-O-、-CNおよびC3~6-シクロアルキル-からなる群から選択され、ここで、前記C1~4-アルキル-、C1~4-アルキル-O-およびC3~6-シクロアルキル-基のそれぞれは、フルオロ、-CF、-CHF、-CHFおよび-CNからなる群から独立して選択される1、2、3もしくはそれより多くの置換基で必要に応じて置換されていてよく;Rは、C1~6-アルキル-O-、C3~6-シクロアルキル-O-、モルホリノ、ピラゾリル、ならびに環員子として1個の酸素原子および必要に応じてO、NおよびS(O)(ここで、s=0、1または2である)からなる群から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する4~7員の単環式ヘテロシクロアルキル-O-からなる群から選択され、ここで、前記C1~6-アルキル-O-および前記C3~6-シクロアルキル-O-は、フルオロ、-CF、-CHF、-CHF、-CN、C1~4-アルキル-、C3~6-シクロアルキル-、C1~6-アルキル-O-およびC3~6-シクロアルキル-O-からなる群から独立して選択される1、2、3個もしくはそれより多くの置換基で必要に応じて置換されていてもよく;Rは、水素であるか;あるいはRおよびRは、それらが結合するフェニル基の環原子と一緒に、4、5もしくは6員の単環式の部分的に飽和のヘテロシクロアルキル、またはそのそれぞれがO、NおよびS(O)(ここで、s=0、1または2である)からなる群から独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールを形成してもよく、ここで、一般式(I)においてRが結合する前記フェニル基の環炭素原子に直接結合する1個の環酸素原子が存在しなければならず;ここで、前記ヘテロシクロアルキル基は、フルオロ、-CF、-CHF、-CHF、-CN、C1~4-アルキル-、C3~6-シクロアルキル-、C1~6-アルキル-O-、C3~6-シクロアルキル-O-、オキセタニル-O-、テトラヒドロフラニル-O-およびテトラヒドロピラニル-O-からなる群から独立して選択される1、2、3個もしくはそれより多くの置換基で必要に応じて置換されていてもよく;Rは、水素であり;Rは、水素、C1~4-アルキル-SO-、C3~6-シクロアルキル-SOおよび-CNからなる群から選択され;Rは、水素であるか;あるいはa)RおよびRまたはb)RおよびRの対の一方は、それらが結合するフェニル基の環原子と一緒に、O、NおよびS(O)(ここで、u=0、1または2である)からなる群から独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の部分的に飽和の単環式ヘテロシクロアルキル基を形成し、ここで、一般式(I)においてRが結合する前記フェニル基の環炭素原子に直接結合する1個の-SO-員子が存在しなければならず、ここで、前記ヘテロシクロアルキル基は、フルオロ、-CF、-CHF、-CHF、-CN、C1~4-アルキル-、C1~6-アルキル-O-およびC3~6-シクロアルキル-O-からなる群から独立して選択される1、2、3個もしくはそれより多くの置換基で必要に応じて置換されていてもよい]の化合物またはその薬学的に許容される塩である。ある特定のそのような実施形態では、GlyT1阻害剤(GlyT1 inibitor)は、式
Figure 2024509265000024
を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式XI
Figure 2024509265000025
の化合物
[式中、Rは、ハロゲン、-OR1’、-SR1”、シクロアルキル、環式アミド、ヘテロシクロアルキル、アリール、または酸素、硫黄および窒素からなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロアリールであり;R1’およびR1”は、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、-(CH-シクロアルキルまたは-(CH-アリールであり;Rは、-S(O)-低級アルキル、-S(O)NH-低級アルキル、NOまたはCNであり;
Figure 2024509265000026
は、
Figure 2024509265000027
Figure 2024509265000028
からなる群から選択される、1または2個の追加のN原子を有する芳香族または部分的に芳香族の二環式アミンであり、芳香族または部分的に芳香族の二環式アミンの追加のN環原子のうち1個は、そのオキシドの形態
Figure 2024509265000029
で入手可能であり得;R~R10は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、=O、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、低級アルコキシ、CN、NO、NH、アリール、酸素、硫黄および窒素からなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロアリール、-NH-低級アルキル、-N(低級アルキル)、環式アミド、-C(O)-環式アミド、S-低級アルキル、-S(O)-低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルコキシ、ヒドロキシによって置換された低級アルキル、-O-(CH-低級アルコキシ、-O(CHC(O)N(低級アルキル)、-C(O)-低級アルキル、-O-(CH-アリール、-O-(CH-シクロアルキル、-O-(CH-ヘテロシクロアルキル、-C(O)O-低級アルキル、-C(O)-NH-低級アルキル、-C(O)-N(低級アルキル)、2-オキシ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-イルまたは3-オキサ-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イルであり;R、R’、R’’およびR’’’は、それぞれ独立して、水素または低級アルキルであるか;あるいは群e)中のR’およびR’’’は、-(CH-と一緒になって6員環を形成し;R1、R1’、R1’’およびR~R10について定義されるすべてのアリール-、シクロアルキル-、環式アミド、ヘテロシクロアルキル-または5もしくは6員ヘテロアリール基は、非置換であるか、またはヒドロキシ、=O、ハロゲン、低級アルキル、フェニル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、および低級アルコキシからなる群から選択される1個もしくは複数の置換基によって置換されており;n、m、o、p、q、r、sおよびtは、それぞれ独立して、1または2であり;xは、0、1または2であり;かつyは、1または2である]またはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。
ある特定の実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。
ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、またはGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、治療有効量で投与される。
本特許のファイルは、カラーで描かれた少なくとも1つの図面/写真を含む。カラー図面/写真を伴う本特許のコピーは、請求および必要な手数料の納付により、特許庁によって提供される。
図1A~Gは、真性赤血球増加症のエリスロポエチン(EPO)誘発多血症マウスモデルにおけるビトペルチンの効果を示す。図1Aは、真性赤血球増加症のマウスモデルにおけるGlyT1阻害剤ビトペルチンの潜在的効果を評価するために使用した実験戦略の概略画像を示す。図1Aに記載される実験戦略を使用して測定したさまざまなパラメーターは、以下の通りである:体重変化(図1B)、マウスにおけるGlyT1阻害剤の最後の投与の6時間後の血漿中の薬物レベル(図1C);脾臓インデックス(図1D);ヘマトクリットレベルにおける変化(図1E);赤血球レベルにおける変化(図1F);およびヘモグロビンレベルにおける変化(図1G)。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。
図2A~Hは、真性赤血球増加症のダルベポエチン(darbepoietin)-アルファ(DPO)誘発多血症マウスモデルにおけるビトペルチンの効果を示す。図2Aは、真性赤血球増加症のマウスモデルにおけるGlyT1阻害剤ビトペルチンの潜在的効果を評価するために使用した実験戦略の概略画像を示す。図2Aに記載される実験戦略を使用して測定したさまざまなパラメーターは、以下の通りである:体重変化(図2B)、ヘマトクリットレベルにおける変化(図2C);赤血球レベルにおける変化(図2D);ヘモグロビンレベルにおける変化(図2E);網状赤血球-ヘモグロビン当量(RET-He)レベル(図2F);平均赤血球ヘモグロビン(MCH)レベル(図2G);および平均赤血球容積(MCV)レベル(図2H)。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。
図3Aおよび図3Bは、真性赤血球増加症のマウスモデルにおけるGlyT1阻害剤、例えば、ビトペルチンの潜在的効果を評価するために使用することができる実験戦略の概略画像を示す。図3Aは、Jak2-V617F変異を含む真性赤血球増加症の骨髄移植マウスモデルを調製するために使用することができる実験戦略の概略画像を示す。図3Bは、図3Aに記載されるJak2-V617F変異を含む真性赤血球増加症マウスモデルにおけるGlyT1阻害剤、例えば、ビトペルチンの効果を評価するために使用することができる実験戦略の概略画像を示す。 同上。
出願の詳細な説明
他に定義されない限り、すべての技術用語および科学用語は、開示される実施形態が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書で使用される場合、「a」または「an」という用語は、文脈が明確に他を指示しない限り、「少なくとも1つ」または「1つまたは1つより多く」を意味する。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、数値が、開示される実施形態の実行に著しくは影響を及ぼさないであろう概算および小さな変動であることを意味する。数値限定が使用される場合、文脈によって他が指示されない限り、「約」は、数値が±10%変化することができ、開示される実施形態の範囲内のままであることを意味する。
「アシル」という用語は、当技術分野で認識されており、一般式のヒドロカルビルC(O)-、好ましくはアルキルC(O)-によって表される基を指す。
本明細書で使用される場合、「アシルアミノ」という用語は、アシル基(例えば、-O-C(=O)-Hまたは-O-C(=O)-アルキル)によって置換されたアミノ基を意味する。アシルアミノの例は、-NHC(=O)Hまたは-NHC(=O)CHである。「低級アシルアミノ」という用語は、低級アシル基(例えば、-O-C(=O)-Hまたは-O-C(=O)-C1~6アルキル)によって置換されたアミノ基を指す。低級アシルアミノの例は、-NHC(=O)Hまたは-NHC(=O)CHである。
「アシルオキシ」という用語は、当技術分野で認識されており、一般式のヒドロカルビルC(O)O-、好ましくはアルキルC(O)O-によって表される基を指す。
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、1個または1個より多くの二重炭素-炭素結合および2~20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル基を意味し、限定されるものではないが、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニルなどを含む。一部の実施形態では、アルケニル鎖は、2~10個の炭素原子の長さ、2~8個の炭素原子の長さ、2~6個の炭素原子の長さ、または2~4個の炭素原子の長さである。
「アルコキシ」、「フェニルオキシ」、「ベンゾキシ」および「ピリミジニルオキシ」という用語は、酸素原子を通して結合した、それぞれ必要に応じて置換された、それぞれ、アルキル基、フェニル基、ベンジル基またはピリミジニル基を指す。例えば、「アルコキシ」という用語は、1~20個の炭素原子の直鎖状または分枝状の-O-アルキル基を意味し、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、t-ブトキシなどを含む。一部の実施形態では、アルコキシ鎖は、1~10個の炭素原子の長さ、1~8個の炭素原子の長さ、1~6個の炭素原子の長さ、1~4個の炭素原子の長さ、2~10個の炭素原子の長さ、2~8個の炭素原子の長さ、2~6個の炭素原子の長さ、または2~4個の炭素原子の長さである。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、直鎖状または分枝状の飽和炭化水素基を意味する。アルキル基は、1~20、2~20、1~10、2~10、1~8、2~8、1~6、2~6、1~4、2~4、1~3、または2もしくは3個の炭素原子を含有することができる。アルキル基の例としては、限定されるものではないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル)、ペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4-ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4-トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2-メチル-1-ペンチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチルなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アルキルアミノ」という用語は、1~6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されたアミノ基を意味する。アルキルアミノの例は、-NHCHCHである。
本明細書で使用される場合、「アルキレン」または「アルキレニル」という用語は、二価のアルキル連結基を意味する。アルキレン(またはアルキレニル)の例は、メチレンまたはメチレニル(-CH-)である。
本明細書で使用される場合、「アルキルチオ」という用語は、1~6個の炭素原子を有する-S-アルキル基を意味する。アルキルチオ基の例は、-SCHCHである。
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、1個または1個より多くの三重炭素-炭素結合および2~20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル基を意味し、限定されるものではないが、アセチレン、1-プロピレン、2-プロピレンなどを含む。一部の実施形態では、アルキニル鎖は、2~10個の炭素原子の長さ、2~8個の炭素原子の長さ、2~6個の炭素原子の長さ、または2~4個の炭素原子の長さである。
「アミド」という用語は、本明細書で使用される場合、基
Figure 2024509265000030
(式中、それぞれのR30は、独立して、水素またはヒドロカルビル基を表すか、あるいは2個のR30は、それらが結合するN原子と一緒になって、環構造中に4~8個の原子を有する複素環を完成させる)を指す。
本明細書で使用される場合、「アミジノ」という用語は、-C(=NH)NHを意味する。
「アミン」および「アミノ」という用語は、当技術分野で認識されており、非置換および置換アミンの両方、ならびにそれらの塩、例えば、
Figure 2024509265000031
(式中、それぞれのR30は、独立して、水素またはヒドロカルビル基を表すか、あるいは2個のR30は、それらが結合するN原子と一緒になって、環構造中に4~8個の原子を有する複素環を完成させる)によって表すことができる部分を指す。
本明細書で使用される場合、「アミノアルコキシ」という用語は、アミノ基によって置換されたアルコキシ基を意味する。アミノアルコキシの例は、-OCHCHNHである。
本明細書で使用される場合、「アミノアルキル」という用語は、アミノ基によって置換されたアルキル基を意味する。アミノアルキルの例は、-CHCHNHである。
本明細書で使用される場合、「アミノスルホニル」という用語は、-S(=O)NHを意味する。
本明細書で使用される場合、「アミノアルキルチオ」という用語は、アミノ基によって置換されたアルキルチオ基を意味する。アミノアルキルチオの例は、-SCHCHNHである。
本明細書で使用される場合、「両親媒性」という用語は、別個の疎水性領域および親水性領域を有する三次元構造を意味する。両親媒性化合物は、好適には、疎水性要素および親水性要素の両方の存在を有する。
本明細書で使用される場合、「動物」という用語は、限定されるものではないが、ヒト、および非ヒト脊椎動物、例えば、野生動物、飼育動物および家畜を含む。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、単環式、二環式または多環式(例えば、2、3または4個の縮合環を有する)の芳香族炭化水素を意味する。一部の実施形態では、アリール基は、6~20個の炭素原子、または6~10個の炭素原子を有する。アリール基の例としては、限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、インデニル、テトラヒドロナフチルなどが挙げられる。アリール基の例としては、限定されるものではないが、
Figure 2024509265000032
Figure 2024509265000033
が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「アリールアルキル」という用語は、アリールによって置換されたC1~6アルキルを意味する。
本明細書で使用される場合、「アリールアミノ」という用語は、アリール基によって置換されたアミノ基を意味する。アリールアミノの例は、-NH(フェニル)である。
本明細書で使用される場合、「アリーレン」という用語は、アリール連結基、すなわち、分子中で、1個の基を別の基に連結するアリール基を意味する。
「カルバメート」という用語は、当技術分野で認識されており、基
Figure 2024509265000034
(式中、R29およびR30は、独立して、水素またはヒドロカルビル基、例えば、アルキル基を表すか、あるいはR29およびR30は、介在する原子と一緒になって、環構造中に4~8個の原子を有する複素環を完成させる)を指す。
本明細書で使用される場合、「カルバモイル」という用語は、-C(=O)NHを意味する。
本明細書で使用される場合、「炭素環」という用語は、環の一部としてO、SまたはN原子を必要に応じて含有する、5または6員の飽和または不飽和の環式環を意味する。炭素環の例としては、限定されるものではないが、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンタ-1,3-ジエン、フェニル、および上記で列挙された複素環のいずれかが挙げられる。
「カルボシクリルアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、炭素環基で置換されたアルキル基を指す。
「カーボネート」という用語は、当技術分野で認識されており、基-OCO-R30(式中、R30は、ヒドロカルビル基を表す)を指す。
「カルボキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、式-COHによって表される基を指す。
本明細書で使用される場合、「担体」という用語は、化合物とともに投与される希釈剤、アジュバントまたは賦形剤を意味する。薬学的担体は、液体、例えば、水および油であり得、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などを含む。薬学的担体はまた、生理食塩水、アカシアガム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、ウレアなどであり得る。加えて、補助剤、安定剤、増粘剤、滑沢剤および着色剤を使用することができる。
本明細書で使用される場合、「化合物」という用語は、本明細書に記載される化合物の立体異性体、互変異性体および同位元素のすべてを意味する。
本明細書で使用される場合、「含むこと(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」、「含む(comprises)」および「含んだ(comprised)」などの含むこと(comprising)の任意の形態)、「有すること(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」などの有すること(having)の任意の形態)、「含むこと(including)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(include)」などの含むこと(including)の任意の形態)、または「含有すること(containing)」(ならびに「含有する(contains)」および「含有する(contain)」などの含有すること(containing)の任意の形態)という用語は、包括的または非限定的であり、追加の列挙されていない要素または方法のステップを排除しない。
本明細書で使用される場合、「接触させること(contacting)」という用語は、in vitro系またはin vivo系において、2つの要素を一緒にすることを意味する。例えば、GlyT1輸送体阻害剤を個体または患者または細胞のGlyT1輸送体と「接触させること」には、個体または患者、例えば、ヒトへの化合物の投与を含むだけでなく、例えば、GlyT1輸送体を含有する細胞調製物または精製された調製物を含有する試料に化合物を導入することを含む。
本明細書で使用される場合、「シアノ」という用語は、-CNを意味する。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、非芳香族の環式炭化水素を意味し、最大で20個の環形成炭素原子を含有する、環化したアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基を含む。シクロアルキル基は、単環式または多環式の環系、例えば、縮合環系、架橋環系およびスピロ環系を含み得る。一部の実施形態では、多環式の環系は、2、3または4個の縮合環を含む。シクロアルキル基は、3~15、3~10、3~8、3~6、4~6、3~5、または5もしくは6個の環形成炭素原子を含有することができる。シクロアルキル基の環形成炭素原子は、オキソまたはスルフィドによって必要に応じて置換され得る。シクロアルキル基の例としては、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカルニル、アダマンチルなどが挙げられる。また、シクロアルキル環に縮合した(シクロアルキル環と共通する結合を有する)1個または1個より多くの芳香環を有する部分、例えば、ペンタン、ペンテン、ヘキサンなどのベンゾまたはチエニル誘導体(例えば、2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イルまたは1H-インデン-2(3H)-オン-1-イル)がシクロアルキルの定義に含まれる。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキルアルキル」という用語は、シクロアルキルによって置換されたC1~6アルキルを意味する。
本明細書で使用される場合、「ジアルキルアミノ」という用語は、1~6個の炭素原子をそれぞれ有する2個のアルキル基によって置換されたアミノ基を意味する。
本明細書で使用される場合、「ジアザミノ」という用語は、-N(NHを意味する。
「エステル」という用語は、本明細書で使用される場合、基-C(O)OR30(式中、R30は、ヒドロカルビル基を表す)を指す。
「エーテル」という用語は、本明細書で使用される場合、別のヒドロカルビル基に酸素を通して連結されたヒドロカルビル基を指す。したがって、ヒドロカルビル基のエーテル置換基は、ヒドロカルビル-O-であり得る。エーテルは、対称または非対称のいずれかであり得る。エーテルの例としては、限定されるものではないが、複素環-O-複素環およびアリール-O-複素環が挙げられる。エーテルは、「アルコキシアルキル」基を含み、これは、一般式アルキル-O-アルキルによって表され得る。
本明細書で使用される場合、「表面的に両親媒性の」または「表面的な両親媒性」という用語は、構造または分子の反対の面または別々の領域に、極性(親水性)および非極性(疎水性)側鎖の分離をもたらすコンフォメーションを採用する極性および非極性側鎖を有する化合物を意味する。
本明細書で使用される場合、「グリシン輸送体」または「GlyT」という用語は、細胞の細胞膜を横断するグリシンの輸送を促進する膜タンパク質を指す。グリシン輸送体の非限定的な例としては、グリシン輸送体1(GlyT1)およびグリシン輸送体2(GlyT2)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「GlyT1」または「GlyT1輸送体」という用語は、グリシン輸送体1としても公知のナトリウムおよび塩化物依存性のグリシン輸送体1を意味し、ヒトにおいて、SLC6A9遺伝子によってコードされるタンパク質であり(Kim KM, Kingsmore SF, Han H, Yang-Feng TL, Godinot N, Seldin MF, Caron MG, Giros B (Jun 1994). “Cloning of the human glycine transporter type 1: molecular and pharmacological characterization of novel isoform variants and chromosomal localization of the gene in the human and mouse genomes”. Mol Pharmacol. 45 (4): 608-17;Jones EM, Fernald A, Bell GI, Le Beau MM (Nov 1995). “Assignment of SLC6A9 to human chromosome band 1p33 by in situ hybridization”. Cytogenet Cell Genet. 71 (3): 211)、これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「GlyT2」または「GlyT2輸送体」という用語は、グリシン輸送体2としても公知のナトリウムおよび塩化物依存性のグリシン輸送体2を意味し、ヒトにおいて、SLC6A5遺伝子によってコードされるタンパク質であり(Morrow JA, Collie IT, Dunbar DR, Walker GB, Shahid M, Hill DR (November 1998). “Molecular cloning and functional expression of the human glycine transporter GlyT2 and chromosomal localisation of the gene in the human genome”. FEBS Lett. 439 (3): 334-40)、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「GlyT1阻害剤」という用語は、GlyT1輸送体の活性を阻害または遮断する化合物を意味し、GlyT1の任意のアイソフォームの活性を阻害する化合物を含む。GlyT1阻害剤の非限定的な例が、本明細書に提供される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、特異的GlyT1阻害剤であり、これは、その阻害剤が、GlyT2と比較して、GlyT1に対してより高い阻害剤活性を有することを意味する。一部の実施形態では、阻害剤は、GlyT2と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の選択性で、または約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の選択性でGlyT1を阻害する。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、GlyT1を阻害するが、GlyT2の活性を阻害しないか、またはそれを著しくは阻害しない。GlyT2の活性を著しくは阻害しないGlyT1阻害剤は、その場合、GlyT2の活性を5%、4%、3%、2%または1%未満阻害する。GlyT1阻害剤の選択性は、当技術分野において公知のアッセイ、例えば、公開された学術論文(B. N. Atkinson, S. C. Bell, M. De Vivo, L. R. Kowalski, S. M. Lechner, V. I. Ognyanov, C.-S. Tham, C. Tsai, J. Jia, D. Ashton and M. A. Klitenick, ALX 5407: A Potent, Selective Inhibitor of the hGlyT1 Glycine Transporter, Molecular Pharmacology December 2001, 60 (6) 1414-1420)に記載されるアッセイに基づいて決定され、これは、その全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「GlyT2阻害剤」という用語は、GlyT2輸送体の活性を阻害または遮断する化合物を意味し、GlyT2の任意のアイソフォームの活性を阻害する化合物を含む。一部の実施形態では、GlyT2阻害剤は、非特異的阻害剤であり、これは、GlyT1の活性も阻害または遮断することができることを意味する。一部の実施形態では、GlyT2阻害剤は、特異的GlyT2阻害剤であり、これは、その阻害剤が、GlyT1と比較して、GlyT2に対してより高い阻害剤活性を有することを意味する。一部の実施形態では、阻害剤は、GlyT1と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の選択性で、または約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の選択性でGlyT2を阻害する。一部の実施形態では、GlyT2阻害剤は、GlyT2活性を阻害するが、GlyT1の活性を阻害しないか、またはそれを著しくは阻害しない。GlyT1の活性を著しくは阻害しないGlyT2阻害剤は、その場合、GlyT1の活性を5%、4%、3%、2%または1%未満阻害する。GlyT2阻害剤の選択性は、当技術分野において公知のアッセイ、例えば、公開された学術論文(B. N. Atkinson, S. C. Bell, M. De Vivo, L. R. Kowalski, S. M. Lechner, V. I. Ognyanov, C.-S. Tham, C. Tsai, J. Jia, D. Ashton and M. A. Klitenick, ALX 5407: A Potent, Selective Inhibitor of the hGlyT1 Glycine Transporter, Molecular Pharmacology December 2001, 60 (6) 1414-1420)に記載されるものに基づくアッセイに基づいて決定され、これは、その全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「グアニジノ」という用語は、-NH(=NH)NHを意味する。
本明細書で使用される場合、「ハロ」という用語は、ハロゲン基を意味し、限定されるものではないが、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。
本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシ」という用語は、-O-ハロアルキル基を意味する。ハロアルコキシ基の例は、OCFである。
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、1個または1個より多くのハロゲン置換基を有するC1~6アルキル基を意味する。ハロアルキル基の例としては、限定されるものではないが、CF、C、CHF、CHF、CCl、CHCl、CHCFなどが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、最大で20個の環形成原子(例えば、C)を有し、硫黄、酸素または窒素などの少なくとも1個のヘテロ原子の環員子(環形成原子)を有する芳香族複素環を意味する。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、少なくとも1個または1個より多くのヘテロ原子の環形成原子を有し、そのそれぞれは、独立して、硫黄、酸素または窒素である。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、3~20個の環形成原子、3~10個の環形成原子、3~6個の環形成原子、または3~5個の環形成原子を有する。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、2~14個の炭素原子、2~7個の炭素原子、または5もしくは6個の炭素原子を含有する。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、1~4個のヘテロ原子、1~3個のヘテロ原子、または1もしくは2個のヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基は、単環式および多環式(例えば、2、3または4個の縮合環を有する)系を含む。ヘテロアリール基の例としては、限定されるものではないが、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル(インドール-3-イルなど)、ピロリル(pyrroyl)、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリニル、ピラニル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、トリアゾリル、チアントレニル、ピラゾリル、インドリジニル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、キサンテニル、2H-ピロリル、ピロリル、3H-インドリル、4H-キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラニル、フェノキサジニル基などが挙げられる。好適なヘテロアリール基としては、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、5-アミノ-1,2,4-トリアゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、3-アミノ-1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、ピリジンおよび2-アミノピリジンが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール基によって置換されたC1~6アルキル基を意味する。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリールアミノ」という用語は、ヘテロアリール基によって置換されたアミノ基を意味する。ヘテロアリールアミノの例は、-NH-(2-ピリジル)である。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリーレン」という用語は、ヘテロアリール連結基、すなわち、分子中で、1個の基を別の基に連結するヘテロアリール基を意味する。
「ヘテロ原子」という用語は、本明細書で使用される場合、炭素または水素以外の任意の元素の原子を意味する。例示的なヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄である。
本明細書で使用される場合、「複素環」または「複素環式環」という用語は、その任意の環が飽和または不飽和であり得る、5~7員の単環式もしくは二環式、または7~10員の二環式の複素環式の環系を意味し、これは、炭素原子ならびにN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子から構成され、ここで、NおよびSヘテロ原子は、必要に応じて酸化されていてもよく、Nヘテロ原子は、必要に応じて4級化されていてもよく、上記に定義された複素環式環のいずれかがベンゼン環に縮合した任意の二環式基を含む。1個の酸素もしくは硫黄、1~3個の窒素原子、または1個の酸素もしくは硫黄を、1または2個の窒素原子と組み合わせて含有する環が特に有用である。複素環式環は、任意のヘテロ原子または炭素原子で結合され得、これは、安定な構造の作出をもたらす。複素環基の例としては、限定されるものではないが、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル(oxopyrrolodinyl)、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾイル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホンおよびオキサジアゾリルが挙げられる。モルホリノは、モルホリニルと同じである。
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、最大で20個の環形成原子を有する非芳香族複素環を意味し、環化したアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基を含み、ここで、1個または1個より多くの環形成炭素原子は、O、NまたはS原子などのヘテロ原子によって置き換えられている。ヘテロシクロアルキル(Hetercycloalkyl)基は、単環式または多環式(例えば、縮合系、架橋系またはスピロ系)であり得る。一部の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、1~20個の炭素原子、または3~20個の炭素原子を有する。一部の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、3~14個の環形成原子、3~7個の環形成原子、または5もしくは6個の環形成原子を含有する。一部の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、1~4個のヘテロ原子、1~3個のヘテロ原子、または1もしくは2個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、0~3個の二重結合を含有する。一部の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、0~2個の三重結合を含有する。ヘテロシクロアルキル基の例としては、限定されるものではないが、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、2,3-ジヒドロベンゾフリル、1,3-ベンゾジオキソール、ベンゾ-1,4-ジオキサン、ピペリジニル、ピロリジニル、イソキサゾリジニル、オキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、ピロリジン-2-オン-3-イルなどが挙げられる。加えて、ヘテロシクロアルキル基の環形成炭素原子およびヘテロ原子は、オキソまたはスルフィドによって必要に応じて置換され得る。例えば、環形成S原子は、1または2個のオキソによって置換され得る(S(O)またはS(O)を形成する)。別の例について、環形成C原子は、オキソによって置換され得る(カルボニルを形成する)。また、非芳香族複素環式環に縮合した(非芳香族複素環式環と共通する結合を有する)1個または1個より多くの芳香環を有する部分がヘテロシクロアルキルの定義に含まれ、限定されるものではないが、インドレン、イソインドレン、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン-5-イル、5,6-ジヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン-7(4H)-オン-5-イル、イソインドリン-1-オン-3-イルおよび3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン-3イル基などの複素環のピリジニル、チオフェニル、フタルイミジル、ナフタルイミジルおよびベンゾ誘導体を含む。ヘテロシクロアルキル基の環形成炭素原子およびヘテロ原子は、オキソまたはスルフィドによって必要に応じて置換され得る。
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキルアルキル」という用語は、ヘテロシクロアルキルによって置換されたC1~6アルキルを指す。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」という用語は、-OH基を意味する。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシアルキル」または「ヒドロキシルアルキル」という用語は、ヒドロキシル基によって置換されたアルキル基を意味する。ヒドロキシルアルキルの例としては、限定されるものではないが、-CHOHおよび-CHCHOHが挙げられる。
本明細書で使用される場合、互換的に使用される「個体」または「患者」という用語は、任意の動物を意味し、哺乳動物、例えば、マウス、ラット、他のげっ歯動物、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類、例えばヒトを含む。
本明細書で使用される場合、「阻害活性」という語句、例えば、酵素または輸送体活性は、酵素または輸送体、例えば、GlyT1輸送体の活性を任意の測定可能な量、低減することを意味する。
本明細書で使用される場合、「それを必要とする」とう語句は、動物または哺乳動物が特定の方法または処置についての必要性を有すると特定されていることを意味する。一部の実施形態では、特定は、診断の任意の手段によってであり得る。本明細書に記載される方法および処置のいずれかでは、動物または哺乳動物は、それを必要とし得る。一部の実施形態では、動物または哺乳動物は、特定の疾患、障害もしくは状態が広がった環境にあるか、またはその環境へ進んでいる。
本明細書で使用される場合、「in situでゲル化可能」という語句は、眼の外部において眼または涙液との接触の際にゲルを形成する低粘度の液体だけでなく、眼への投与の際に粘度またはゲルの堅さの実質的な増加を示す半流動体およびチキソトロピーゲルなどのより粘性の液体を包含することを意味する。
本明細書で使用される場合、「X~Yの整数」という語句は、終点を含む任意の整数を意味する。例えば、「X~Yの整数」という語句は、1、2、3、4または5を意味する。
「低級」という用語は、化学部分、例えば、アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアルコキシと併せて使用される場合、置換基中に10またはそれよりも少ない非水素原子、好ましくは6個またはそれよりも少ない非水素原子が存在する基を含むことを意味する。「低級アルキル」は、例えば、10個またはそれよりも少ない炭素原子、好ましくは、6個またはそれよりも少ない炭素原子を含有するアルキル基を指す。ある特定の実施形態では、それらが、単独で、または他の置換基と組み合わせて、例えば、記述において、ヒドロキシアルキルおよびアラルキル(この場合では、例えば、アルキル置換基中の炭素原子をカウントする場合に、アリール基内の原子はカウントされない)が出現するかにかかわらず、本明細書に定義されるアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアルコキシ置換基は、それぞれ、低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニルまたは低級アルコキシである。
本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、げっ歯動物(すなわち、マウス、ラットまたはモルモット)、サル、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタまたはヒトを意味する。一部の実施形態では、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用される場合、「N-アルキル」という用語は、アミン基で置換されたアルキル鎖を指す。非限定的な例としては、限定されるものではないが、
Figure 2024509265000035
などが挙げられる。アルキル鎖は、直鎖状、分枝状、環状、またはそれらの任意の組合せであり得る。一部の実施形態では、アルキルは、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3または1~2個の炭素を含む。
本明細書で使用される場合、「ニトロ」という用語は、-NOを意味する。
本明細書で使用される場合、「n員」(ここで、nは整数である)という用語は、典型的には、部分中の環形成原子の数を記載し、ここで、環形成原子の数がnである。例えば、ピリジンは、6員ヘテロアリール環の例であり、チオフェンは、5員ヘテロアリール環の例である。
本明細書で使用される場合、「眼科的に許容される」という語句は、処置された眼もしくはその機能に対して、または処置される対象の全体的な健康に対して、持続性の有害な効果を有さないことを意味する。しかしながら、軽い刺激または「刺痛」感などの一過性の効果は、薬物の局所点眼に伴って一般的なものであり、そのような一過性の効果の存在は、本明細書に定義される「眼科的に許容される」という議論において、組成物、製剤または成分(例えば、賦形剤)と矛盾しないことが認識されるであろう。
本明細書で使用される場合、「必要に応じて置換された」という語句は、置換基が必要に応じたものであることを意味し、したがって、非置換および置換された原子および部分の両方を含む。「置換された」原子または部分は、指定された原子または部分上の任意の水素が、指定された原子または部分の通常の価数は超えず、置換が安定な化合物をもたらすという条件で、示された置換基からの選択で置き換えることができることを示す。例えば、メチル基が必要に応じて置換されている場合、炭素原子上の3個の水素原子を、置換基で置き換えることができる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という語句は、妥当な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触する使用に好適である、化合物、材料、組成物および/または剤形を意味する。一部の実施形態では、「薬学的に許容される」は、連邦もしくは州政府の規制機関によって承認されていること、または米国薬局方もしくは動物、より具体的にはヒトにおける使用のための他の一般に認識されている薬局方によって列挙されていることを意味する。
「薬学的に許容される塩」は、非毒性の、生物学的に耐えられる、またはそうでなければ対象への投与に生物学的に好適な、本明細書に表される化合物の遊離酸または遊離塩基の塩を意味することが意図される。一般に、S.M. Berge, et al., “Pharmaceutical Salts,” J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19を参照されたい。好ましい薬学的に許容される塩は、過度の毒性、刺激またはアレルギー反応がなく、薬理学的に有効で、対象の組織との接触に好適なものである。本明細書に記載される化合物は、十分な酸性基、十分な塩基性基、両方の種類の官能基、またはそれぞれの種類の1つより多くを持つことができ、したがって、いくつかの無機もしくは有機塩基ならびに無機および有機酸と反応して、薬学的に許容される塩を形成する。
アミンなどの塩基性基を含有する本明細書に記載される化合物について、薬学的に許容される塩は、当技術分野において利用可能な任意の好適な方法、例えば、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、ホウ酸、亜リン酸など、または有機酸、例えば、酢酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸、乳酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、イセチオン酸、コハク酸、吉草酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ピラノシジル酸、例えば、グルクロン酸もしくはガラクツロン酸、アルファ-ヒドロキシ酸、例えば、マンデル酸、クエン酸もしくは酒石酸、アミノ酸、例えば、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸、芳香族酸、例えば、安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、ナフトエ酸もしくはケイ皮酸、スルホン酸、例えば、ラウリルスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸、あるいは本明細書の例として示されるものなどの酸の任意の適合性の混合物、および本技術における技能の通常のレベルを考慮して等価物または許容される置換物として見なされる任意の他の酸およびそれらの混合物による遊離塩基の処理によって調製され得る。
カルボン酸基などの酸性基を含有する本明細書に記載される化合物について、塩基付加塩は、当技術分野において利用可能な任意の好適な方法、例えば、ニートまたは好適な不活性溶媒中のいずれかで、十分な量の所望の塩基によるそのような化合物の処理によって調製され得る。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、限定されるものではないが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、亜鉛もしくはマグネシウムの塩、または他の金属塩;有機アミノ塩、例えば、アルキル、ジアルキル、トリアルキルまたはテトラアルキルアンモニウム塩が挙げられる。
薬学的に許容される塩の他の例としては、限定されるものではないが、カンシル酸塩、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキシン-1,6-ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩およびマンデル酸塩が挙げられる。他の好適な薬学的に許容される塩の列挙は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th Edition, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985に見出される。
中性形態の化合物は、好ましくは、塩を塩基または酸と接触させること、および従来の様式で親化合物を単離することによって再生される。化合物の親形態は、極性溶媒における溶解度などのある特定の物理的性質においてさまざまな塩の形態とは異なるが、そうでなければ、塩は、本出願の目的のために、化合物の親形態と等価である。
本明細書で使用される場合、「フェニル」という用語は、-Cを意味する。フェニル基は、非置換であり得るか、または1、2もしくは3個の好適な置換基で置換され得る。
「多環の」、「多環」および「多環式」という用語は、2個またはそれより多くの原子が2個の隣接する環と共通している、例えば、環が「縮合環」である、2個またはそれより多くの環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび/またはヘテロシクリル)を指す。多環の環のそれぞれは、置換または非置換であり得る。ある特定の実施形態では、多環のそれぞれの環は、環中に3~10個の原子、好ましくは5~7個の原子を含有する。
本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」という用語は、公知の直接作用する薬物の誘導体を意味し、この誘導体は、薬物と比較して増強された送達特性および治療的価値を有し、酵素または化学プロセスによって活性薬物に変換される。プロドラッグを作製するための一般的な方法は、生理学的条件下で加水分解されて所望の分子を生じる1個または1個より多くの選択された部分を含めることである。ある特定の実施形態では、プロドラッグは、宿主動物の酵素活性によって変換される。例えば、芳香環上にニトロ基を有するプロドラッグは、in vivoで、レダクターゼによって還元されて、対応する活性化合物の所望のアミノ基を生じ得る。別の例では、親化合物中のヒドロキシル、カーボネートまたはカルボン酸などの官能基は、エステルとして存在し、これは、エステラーゼによって切断され得る。加えて、親化合物中のアミン基は、限定されるものではないが、カルバメート、N-アルキル化またはN-アシル化形態で存在する(Simplicio et al, “Prodrugs for Amines,” Molecules, (2008), 13:519-547)。ある特定の実施形態では、上記に表される製剤中の本明細書に記載される化合物の一部またはすべてが、対応する好適なプロドラッグで置き換えられ得る。
本明細書で使用される場合、「精製された」という用語は、単離された場合、単離物は、単離物の重量で、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の本明細書に記載される化合物を含有することを意味する。
本明細書で使用される場合、「第4級アンモニウム塩」という語句は、1個または1個より多くの第3級アミン部分を有する開示される化合物の誘導体であって、ここで、親化合物中の少なくとも1個の第3級アミン部分が、アルキル化(およびカチオンは、Cl、CHCOOおよびCFCOOなどのアニオンによって釣り合わされる)、例えば、メチル化またはエチル化を介して第3級アミン部分を第4級アンモニウムカチオンに変換することによって修飾される。
本明細書で使用される場合、「セミカルバゾン」という用語は、=NNHC(=O)NHを意味する。
本明細書で使用される場合、「可溶化剤」という語句は、薬物のミセル溶液または真の溶液の形成をもたらす剤を意味する。
本明細書で使用される場合、「溶液/懸濁液」という用語は、活性薬剤の第1の部分が、溶液中に存在し、活性薬剤の第2の部分が、液体マトリックス中の懸濁液において、特定の形態で存在する、液体組成物を意味する。
本明細書で使用される場合、「実質的に単離された」という語句は、それが形成または検出される環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されている化合物を意味する。
「置換された」という用語は、骨格の1個または1個より多くの炭素上の水素を置き換える置換基を有する部分を指す。「置換」または「で置換された」が、そのような置換が置換された原子および置換基の容認される価数に従うこと、ならびに置換が、例えば、転位、環化、脱離などによる転換を自発的に受けない安定な化合物をもたらすことを条件として、黙示的であることが理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、有機化合物のすべての容認される置換基を含むことが企図される。広い態様では、容認される置換基としては、非環式および環式の、分枝および非分枝の、炭素環式および複素環式の、芳香族および非芳香族の、有機化合物の置換基が挙げられる。容認される置換基は、1個または1個より多くであり得、適切な有機化合物について同じまたは異なり得る。本出願の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/またはヘテロ原子の価数を満足する本明細書に記載される有機化合物の任意の容認される置換基を有し得る。
置換基としては、本明細書に記載される任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメートなど)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分が挙げられ得る。当業者には、置換基が、適切な場合に、それ自体が置換され得ることが理解されるであろう。「非置換」として具体的に述べられない限り、本明細書における化学部分への言及は、置換された変形を含むことが理解される。例えば、「アリール」基または部分への言及は、黙示的に、置換および非置換の変形の両方を含む。
「スルフェート」という用語は、当技術分野で認識されており、基-OSOHまたはその薬学的に許容される塩を指す。
「スルホンアミド」という用語は、当技術分野で認識されており、一般式
Figure 2024509265000036
(式中、R29およびR30は、独立して、水素またはヒドロカルビル、例えば、アルキルを表すか、あるいはR29およびR30は、介在する原子と一緒になって、環構造中に4~8個の原子を有する複素環を完成させる)によって表される基を指す。
「スルホキシド」という用語は、当技術分野で認識されており、基-S(O)-R30(式中、R30は、ヒドロカルビルを表す)を指す。
「スルホネート」という用語は、当技術分野で認識されており、基SOHまたはその薬学的に許容される塩を指す。
「スルホン」という用語は、当技術分野で認識されており、基-S(O)-R30(式中、R30は、ヒドロカルビルを表す)を指す。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という語句は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医によって、組織、系、動物、個体もしくはヒトにおいて求められる生物学的または医薬応答を誘発する活性化合物または医薬品の量を意味する。治療効果は、処置される障害または所望の生物学的効果に依存する。そのため、治療効果は、障害に関連する症状の重症度および/もしくは障害の進行の阻害(部分的または完全)の減少であり得るか、または障害もしくは副作用の処置、治癒、予防もしくは排除を改善し得る。治療応答を誘発するために必要な量は、対象の年齢、健康、サイズおよび性別に基づいて決定することができる。最適な量は、処置に対する対象の応答のモニタリングに基づいて決定することもできる。
「チオアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、チオール基で置換されたアルキル基を指す。
「チオエステル」という用語は、本明細書で使用される場合、基-C(O)SR30または-SC(O)R30(式中、R30は、ヒドロカルビルを表す)を指す。
「チオエーテル」という用語は、本明細書で使用される場合、酸素が硫黄で置き換えられているエーテルに対する等価物である。
本明細書で使用される場合、「処置する(treat)」、「処置された(treated)」または「処置すること(treating)」という用語は、治療的処置および予防的測定の両方を意味し、ここで、目的は、所望されない生理学的条件、障害もしくは疾患を遅らせる(少なくする)こと、または有益な臨床結果もしくは所望される臨床結果を得ることである。有益な臨床結果または所望される臨床結果としては、限定されるものではないが、症状の軽減;状態、障害もしくは疾患の程度の減少;状態、障害もしくは疾患の状態の安定化(すなわち、悪化しない);状態、障害もしくは疾患の進行の開始の遅延もしくはその減速;検出可能もしくは検出不能にかかわらず、状態、障害もしくは疾患の状態の回復、または緩和(部分的または全体的かにかかわらず);患者によって必ずしも認識されない少なくとも1つの測定可能な身体的パラメーターの回復;あるいは状態、障害もしくは疾患の強化または改善が挙げられる。処置は、過度の副作用のレベルなしで、臨床的に著しい応答を誘発することを含む。処置は、処置を受けていない場合に予想される生存と比較して、生存を延ばすことも含む。そのため、「赤血球増加症の処置」または「赤血球増加症を処置すること」は、赤血球増加症または本明細書に記載される他の状態に関連する一次現象または二次症状のいずれかを軽減または回復させる活動を意味する。
「ウレア」という用語は、当技術分野で認識されており、一般式
Figure 2024509265000037
(式中、R29およびR30は、独立して、水素またはヒドロカルビル、例えば、アルキルを表すか、あるいはR29の出現が、R30および介在する原子と一緒になって、環構造中に4~8個の原子を有する複素環を完成させる)によって表され得る。
本明細書におけるさまざまな場所で、化合物の置換基は、群または範囲で開示され得る。実施形態が、そのような群および範囲のメンバーのそれぞれおよびすべての個々の下位組合せを含むことが具体的に意図される。例えば、「C1~6アルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、Cアルキル、CアルキルおよびCアルキルを個々に開示することが具体的に意図される。
可変部が1より多く現れる化合物について、それぞれの可変部は、可変部を定義するマーカッシュ群から選択される異なる部分であり得る。例えば、構造が、同じ化合物において同時に存在する2個のR基を有して記載される場合、2個のR基は、Rについて定義されたマーカッシュ群から選択される異なる部分を表すことができる。別の例では、必要に応じて複数の置換基が、例えば、
Figure 2024509265000038
の形態で指定される場合、置換基Rが、環上でs回出現することができ、Rがそれぞれの出現において異なる部分であり得ることが理解される。上記の例では、可変部Tが、水素を含むと定義される場合、例えば、TがCH、NHなどである場合、任意のHは、置換基で置き換えられ得る。
明確にするために別々の実施形態の文脈において記載される本明細書に記載されるある特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできることがさらに認識される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において記載されるさまざまな特徴は、別々に、または任意の好適な下位組合せにおいて提供することもできる。
本実施形態が、適用可能な場合、化合物の立体異性体、ジアステレオマーおよび光学立体異性体、ならびにそれらの混合物の使用を包含することが理解される。加えて、化合物の立体異性体、ジアステレオマーおよび光学立体異性体、ならびにそれらの混合物が、実施形態の範囲内であることが理解される。非限定的な例として、混合物は、ラセミ体であってもよく、または混合物は、他のものに対して同等でない割合の1つの特定の立体異性体を含んでいてもよい。加えて、化合物は、実質的に純粋な立体異性体、ジアステレオマー、および光学立体異性体(エピマーなど)として提供することができる。
本明細書に記載される化合物は、不斉であり得る(例えば、1個または1個より多くの立体中心を有する)。すべての立体異性体、例えば、エナンチオマーおよびジアステレオマーは、他に指示されない限り、実施形態の範囲内に含まれることが意図される。非対称的に置換された炭素原子を含有する化合物は、光学活性形態またはラセミ形態で単離することができる。光学活性な出発材料からの光学活性形態の調製方法は、当技術分野において公知であり、例えば、ラセミ混合物の分割による、または立体選択的合成による。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体は、本明細書に記載される化合物にも存在し得、すべてのそのような安定な異性体が本明細書に提供される。化合物のシスおよびトランス幾何異性体はまた、本実施形態内に含まれ、異性体の混合物としてまたは別々の異性体形態として単離することができる。立体異性または幾何異性が可能な化合物が、具体的にR/Sまたはシス/トランス配置に言及することなく、その構造または名称で指定される場合、それは、すべてのそのような異性体が企図されることを意図する。
一部の実施形態では、組成物は、化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを含み、これは、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%、または100%のエナンチオマー純粋であり、このことは、組成物中の1つのエナンチオマーの他に対する比が、少なくとも90:1、少なくとも95:1、少なくとも98:1、もしくは少なくとも99:1であること、または完全に他に対して1つのエナンチオマーの形態であることを意味する。ある特定の実施形態では、1つのエナンチオマーが富化された化合物は、他のエナンチオマーを実質的に含まず、ここで、実質的に含まないとは、議論の物質が、例えば、組成物または化合物の混合物中で、他のエナンチオマーの量と比較して、10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満を構成することを意味する。例えば、組成物または化合物の混合物が、98グラムの第1のエナンチオマーおよび2グラムの第2のエナンチオマーを含有する場合、98モルパーセントの第1のエナンチオマーおよび2%のみの第2のエナンチオマーを含有すると言われるであろう。
ある特定の実施形態では、1つのエナンチオマーが富化された化合物は、他のエナンチオマーを実質的に含まず、ここで、実質的に含まないとは、議論の物質が、例えば、組成物または化合物の混合物中で、他のエナンチオマーの量と比較して、10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満を構成することを意味する。例えば、組成物または化合物の混合物が、98グラムの第1のエナンチオマーおよび2グラムの第2のエナンチオマーを含有する場合、98モルパーセントの第1のエナンチオマーおよび2%のみの第2のエナンチオマーを含有すると言われるであろう。
化合物のラセミ混合物の分割は、例えば、キラルHPLC、光学的に活性な塩を形成する有機酸であるキラル分割酸を使用する分別再結晶を含む、当技術分野において公知の多数の方法のいずれかによって行うことができる。分別再結晶法の好適な分割剤としては、限定されるものではないが、光学的に活性な酸、例えば、DおよびL形態の酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、ならびにβ-カンファースルホン酸などのさまざまな光学的に活性なカンファースルホン酸が挙げられる。分別結晶化法に好適な他の分割剤としては、限定されるものではないが、立体異性体的に純粋な形態のα-メチルベンジルアミン(例えば、SおよびR形態、またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサンなどが挙げられる。ラセミ混合物の分割は、光学的に活性な分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)で充填されたカラムにおいて溶出させることによって行うこともできる。好適な溶出溶媒の組成は、当業者によって決定することができる。
化合物はまた、互変異性形態を含んでいてもよい。互変異性形態は、プロトンの移動と一緒に、隣接する二重結合による単結合の交換から生じる。互変異性形態は、同じ経験式および全電荷を有する異性体のプロトン化状態であるプロトトロピー互変異性体を含む。プロトトロピー互変異性体の例としては、限定されるものではないが、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、アミド-イミド酸対、エナミン-イミン対、ならびに限定されるものではないが、1H-および3H-イミダゾール、1H-、2H-および4H-1,2,4-トリアゾール、1H-および2H-イソインドール、ならびに1H-および2H-ピラゾールを含む複素環式系の2つまたはそれより多くの位置をプロトンが占め得る場合の環状形態が挙げられる。互変異性形態は、平衡にあり得るか、または適切な置換によって1つの形態に立体的に固定され得る。
グリシン輸送体阻害剤、例えば、GlyT1阻害剤は、それらの薬学的に許容される塩を含んで(例えば、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤)、水和物および溶媒和物、ならびに無水形態および非溶媒和形態として存在することもできる。「水和物」は、水分子との組成物として存在する化合物である。組成物は、化学量論量の水、例えば、一水和物または二水和物を含むことができ、または無秩序な量の水を含むことができる。「溶媒和物」は、水以外の溶媒、例えば、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテルなどを水と置き換えることを除いて、類似の組成物である。例えば、メタノールまたはエタノールは、「アルコラート」を形成することができ、これは再び、化学量論または非化学量論であり得る。そのような溶媒和物または水和物の混合物も調製することができる。そのような溶媒和物または水和物の起源は、結晶化の溶媒、調製もしくは結晶化の溶媒中の固有のもの、またはそのような溶媒の付随物に由来し得る。
本出願の化合物は、それらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグを含んで、さまざまな多形体、偽多形体、またはアモルファス状態として存在し得る。「多形体」という用語は、本明細書で使用される場合、同じ化合物の異なる結晶形態、および同じ化合物の水和物、溶媒和物または塩などの偽多形体を含む他の固体状態の分子形態を指す。異なる結晶多形体は、結晶化プロセスにおける温度、圧力または変数の変化の結果として、格子中の分子の異なるパッキングに起因して異なる結晶構造を有する。多形体は、それらの物理的性質、例えば、X線回折特性、安定性、融点、溶解度、またはある特定の溶媒中での解離の速度において、互いに異なる。そのため、結晶多形体の形態は、製薬業界において好適な剤形の開発における重要な態様である。
化合物は、中間体または最終化合物において出現するすべての同位元素の原子を含むこともできる。同位元素としては、同じ原子数を有するが、異なる質量数を有する原子が挙げられる。例えば、水素の同位元素としては、三重水素および重水素が挙げられる。
一部の実施形態では、化合物またはその塩は、実質的に単離されている。部分的な分離は、例えば、化合物が富化された組成物を含み得る。実質的な分離は、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%の化合物またはその塩を含有する組成物を含み得る。化合物およびそれらの塩を単離するための方法は、当技術分野においてルーチン的である。
開示される化合物は好適であるが、他の官能基を、類似の結果の予想で、化合物に導入することができる。特に、チオアミドおよびチオエステルは、非常に類似する性質を有することが予期される。芳香環の間の距離は、化合物の幾何学的なパターンに影響を及ぼし得、必要に応じて置換され得るか、またはアミノ酸、ジカルボン酸もしくはジアミンを含み得る長さが異なる脂肪族鎖を導入することによってこの距離を変更することができる。化合物内の単量体の間の距離およびその相対的な方向は、追加の原子を有する代理でアミド結合を置き換えることによって変更することもできる。そのため、ジカルボニルによるカルボニル基の置き換えは、単量体間の距離、および2つのカルボニル部分のanti配置を選ぶジカルボニル単位の傾向を変更し、化合物の周期性を変更する。ピロメリット酸無水物は、単純なアミド連結に対するさらに別の代替を表し、これは、化合物のコンフォメーションおよび物理的性質を変更することができる。固相有機化学の最近の方法(E. Atherton and R. C. Sheppard, Solid Phase Peptide Synthesis A Practical Approach IRL Press Oxford 1989)は、ここに、5,000ダルトンに近い分子量を有するホモ分散性化合物の合成を可能にする。他の置換パターンが、同様に有効である。
化合物は、プロドラッグと称される誘導体も含む。
アミン官能基を含有する化合物は、N-オキシドを形成することもできる。アミン官能基を含有する化合物への本明細書での言及は、N-オキシドも含む。化合物がいくつかのアミン官能基を含有する場合、1個または1個より多くの窒素原子が酸化されて、N-オキシドを形成することができる。N-オキシドの例としては、第3級アミンまたは窒素含有複素環の窒素原子のN-オキシドが挙げられる。N-オキシドは、過酸化水素または過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)などの酸化剤による対応するアミンの処理によって形成することができる(Advanced Organic Chemistry, by Jerry March, 4th Edition, Wiley Interscienceを参照されたい)。
これにより、群内の任意の下位範囲または下位範囲の組合せを含む任意のそのような群の任意の個々のメンバーに但し書きを付けるか、またはそれを除く権利を留保することによって、これは、範囲に従って、または任意の同様の様式で特許請求の範囲に記載され得、本開示の完全な尺度未満は、任意の理由のために特許請求の範囲に記載され得る。さらに、これにより、特許請求の範囲に記載された群の任意の個々の置換基、アナログ、化合物、リガンド、構造もしくはそれらの群、またはその任意のメンバーに但し書きを付けるか、またはそれを除く権利を留保することによって、本開示の完全な尺度未満は、任意の理由のために特許請求の範囲に記載され得る。本開示全体を通して、さまざまな特許、特許出願および刊行物が参照される。これらの特許、特許出願および刊行物の開示は、それらの全体が、本開示の日の時点で当業者に公知である現況技術をより完全に記載するために、参照により本開示に組み込まれる。引用された特許、特許出願および刊行物ならびに本開示の間に任意の不一致が存在する場合に、本開示が支配する。
便宜上、本明細書、実施例および特許請求の範囲で用いられるある特定の用語が、ここに集められる。他に定義されない限り、本開示で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。
さまざまな化合物およびその塩の実施形態が提供される。可変部が具体的に列挙されていない場合、可変部は、他に言及されたものまたは文脈によって示されたものを除いて、本明細書に記載される任意の選択肢であり得る。
一部の実施形態では、化合物は、添付される例示的な非限定的な特許請求の範囲、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグに記載される通りである。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式I、
Figure 2024509265000039
[式中、
Arは、非置換または置換のアリールまたは1、2もしくは3個の窒素原子を含有する6員ヘテロアリールであり、ここで、置換アリール基および置換ヘテロアリール基は、ヒドロキシ、ハロゲン、NO、CN、(C~C)-アルキル、ハロゲンによって置換された(C~C)-アルキル、ヒドロキシによって置換された(C~C)-アルキル、(CH)n-(C~C)-アルコキシ、ハロゲンによって置換された(C~C)-アルコキシ、NR、C(O)R、SO2R10および-C(CH)=NORからなる群から選択される1個もしくは1個より多くの置換基によって置換されているか、あるいは(C~C)-アルキルによって必要に応じて置換されているNおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5員芳香族複素環によって置換されており;
は、水素または(C~C)-アルキルであり;
は、水素、(C~C)-アルキル、(C~C)-アルケニル、ハロゲンによって置換された(C~C)-アルキル、ヒドロキシによって置換された(C~C)-アルキル、(C~C)-アルコキシもしくはハロゲンによって必要に応じて置換された(CH2)n-(C~C)-シクロアルキル、CH(CH)-(C~C)-シクロアルキル、(CHn+1-C(O)-R、(CHn+1-CN、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、(CHn+1-O-(C~C)-アルキル、(CH-ヘテロシクロアルキル、(CH-アリールまたは(CH-5もしくは6員ヘテロアリールであって、酸素、硫黄もしくは窒素からなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する(CH-5もしくは6員ヘテロアリールであり、ここで、アリール、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールは、非置換であるか、またはヒドロキシ、ハロゲン、(C~C)-アルキルおよび(C~C)-アルコキシからなる群から選択される1個もしくは1個より多くの置換基によって置換されており;
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、(C~C)-アルキル、(C~C)-アルコキシまたはO-(C~C)-シクロアルキルであり;
は、NO、CN、C(O)RまたはSO10であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素または(C1~C6)-アルキルであり;
は、水素、(C~C)-アルキル、(C~C)-アルコキシまたはNRであり;
10は、ハロゲンによって必要に応じて置換された(C~C)-アルキル、(CH-(C~C)-シクロアルキル、(CH-(C~C)-アルコキシ、(CH-ヘテロシクロアルキルまたはNRであり;
nは、0、1または2である]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000040
の式を有する化合物であるビトペルチンもしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式II、
Figure 2024509265000041
[式中、
は、イミダゾリル、チアゾリル、ピリジル、オキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、キノリニル、イソキサゾリル、ピロロイミダゾイルおよびチアジアゾールからなる群から選択されるヘテロアリールを表し、ここで、前記ヘテロアリールは、-OH、-NR、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C10)シクロアルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C12)アルコキシアルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C14)アリールおよびベンジルから選択される1個もしくは1個より多くの置換基によって必要に応じて置換されており;
、RおよびAは、独立して、Hまたは(C~C)アルコキシを表し、ここで、前記アルキルは、1個もしくは1個より多くの-OH、(C~C)アルコキシ、-NRまたはハロゲンによって必要に応じて置換されており;
Qは、-(CH-(式中、n=1、2、3または4である)または-(CH-O-(式中、m=2、3または4である)を表し;
Zは、(C~C14)アリール、(C~C)アルキルまたは(C~C)シクロアルキルを表し;
およびRは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C14)アリール、(C~C14)アリールオキシ、(C~C)アルコキシ、(3~10員)ヘテロシクロアルキルまたは(C~C)シクロアルコキシを表し;ここで、RおよびRは、1個もしくは1個より多くの-OH、(C~C)アルコキシ、-NRまたはハロゲンによって必要に応じて置換されており;
Yは、-R、-(CH)o-R、-C(Rまたは-CH(R(式中、0=1、2または3である)を表し;
は、H、(C~C14)アリール、(C1~10)アルキル、(C~C10)シクロアルキル、(C~C18)ビシクロアルキル、(C~C18)トリシクロアルキル、(3~10員)ヘテロシクロアルキル、(5~10員)ヘテロアリール、-C(=O)NRまたは-C(=O)OR(式中、前記R基は、1個もしくは1個より多くのX基によって必要に応じて置換され得る)を表し;
X=-OH、(C~C)アルコキシ、-NR1112、-SO10、-C(=O)R10、ハロゲン、シアノ、(C~C)アルキル、(C~C10)アルコキシアルキル、(5~10員)ヘテロアリール、(C~C14)アリール、(C~C14)アリールオキシ、ベンジルまたは(C1~C)ヒドロキシアルキルであり;
およびRは、独立して、H、(C~C)アルキル、(C~C8)シクロアルキル、(5~10員)ヘテロシクロアルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(5~10員)ヘテロアリールまたは(C~C10)アルコキシアルキルを表し;RおよびRは、1個もしくは1個より多くのX基によって必要に応じて置換されていてもよく;
あるいはRおよびRは、それらが結合し得る窒素と一緒に、1個もしくは1個より多くのX基によって必要に応じて置換された(3~10員)ヘテロシクロアルキル基を形成してもよく;
10は、(C~C)アルキル、(C~C)シクロアルキル、(3~10員)ヘテロシクロアルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(5~10員)ヘテロアリールまたは(C~C10)アルコキシアルキルを表し;
11およびR12は、独立して、H、(C~C)アルキル、(C~C)シクロアルキル、(5~10員)ヘテロシクロアルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(5~10員)ヘテロアリールまたは(C~C10)アルコキシアルキルを表す]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000042
の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000043
の式を有する化合物であるPF-3463275もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式III、
Figure 2024509265000044
[式中、
は、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ハロC1~4アルキル、フェニル、ハロC1~4アルコキシ、ハロフェニル、C1~4アルキルスルホキシ、C1~4アルキルスルホニル、ブロモおよびクロロからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、シアノ、C1~4アルキル、フェニル、ハロC1~4アルキル、ハロC1~4アルコキシ、ハロフェニル、C1~4アルコキシC1~4アルキルおよびC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、ハロC1~4アルキル、ハロC1~4アルコキシおよびC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、C1~3アルキル、ハロC1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、フェニル、ハロC1~4アルコキシ、ハロフェニル、C1~4アルコキシC1~4アルキルおよびC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;Zは、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4アルキルチオ、フェニル、ハロC1~4アルキル、ハロC1~4アルコキシ、ハロフェニル、C1~4アルコキシC1~4アルキルおよびC3~6シクロアルキルからなる群から選択され;
ここで、Z~Zの1個より多くが、メトキシである場合、ZおよびZのみがメトキシであり、RおよびRは、独立して、水素、および1個もしくは1個より多くの基Yで必要に応じて置換されたC1~4アルキルから選択されるか;あるいはRおよびR4は、それらが結合する窒素原子と一緒に、基Y’で必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和のA、5、6または7員炭素環を形成し;
Yは、C1~4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロC1~4アルコキシおよびC3~5シクロアルキルからなる群から選択され;
Y’は、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ハロC1~4アルコキシ、C3~5シクロアルキルおよびC5~10アリールからなる群から選択されるか、あるいはY’は、A、5、6または7員炭素環上の2個の原子の間に-CH2-または-CH2-CH2-架橋を形成し;
およびRは、独立して、1個もしくは1個より多くの基Xで必要に応じて置換されたC1~4アルキルであるか;あるいは、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一緒に、1個もしくは1個より多くの基X’で必要に応じて置換された飽和の5もしくは6員炭素環を形成し、RおよびR6が、それらが結合する炭素原子と一緒に5員の飽和炭素環を形成する場合において、その環は、必要に応じて、O、NおよびS(O)m(式中、m=0、1または2である)から選択される追加のヘテロ原子の群をさらに含んでいてもよく;
Xは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~4アルコキシ、ハロC1~4アルキル、ハロC1~4アルコキシおよびC5~10アリールからなる群から選択され;X’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、ハロC1~4アルキル、ハロC1~4アルコキシおよびC5~10アリールからなる群から選択され;ここで、R、R、RおよびRは、すべて同時に非置換メチルではなく;
ただし、同時に、Zがプロピルオキシであり、Zがクロロであり、Z=Z=Z=Hであり、かつRおよびRが両方ともメチルである場合、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に、2-メチルピロリジン基を形成せず;同時に、Zがメチルであり、Zがメトキシであり、Z=Z4=Z5=Hであり、かつRおよびRが両方ともメチルである場合、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一緒に、ピロリジン基を形成しない]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000045
の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式IV、
Figure 2024509265000046
[式中、
Zは、(CH、O、S、SO、SOまたはN-Rであり;
nは、0、1または2であり;
Xは、水素、ハロゲン、(C1~6)アルキルオキシ、(C3~6)シクロアルキルオキシ、(C6~12)アリールオキシ、(C6~12)アリール、チエニル、SR6、SOR6、SO、NR、NHR、NH、NHCOR、NSO、CN、COOR、およびハロゲン、(C6~12)アリール、(C1~6)アルキルオキシまたは(C6~12)アリールオキシで必要に応じて置換された(C1~4)アルキルから独立して選択される1~3個の置換基を表すか;あるいは隣接する位置の2個の置換基は、一緒に、縮合(C5~6)アリール基、縮合(C5~6)シクロアルキル環またはO-(CH-Oを表し;mは、1または2であり;
Yは、水素、ハロゲン、(C1~4)アルキルオキシ、SR、NR、およびハロゲンで必要に応じて置換された(C1~4)アルキルから独立して選択される1~3個の置換基を表し;
は、COORまたはCONRであり;
およびR6は、(C1~4)アルキルであり;R、RおよびRは、独立して、水素または(C1~4)アルキルであり;
、RおよびRは、独立して、水素、(C1~4)アルキル、(C6~12)アリールまたはアリールアルキルである]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000047
の式を有する化合物であるORG-25935もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式V、
Figure 2024509265000048
[式中、
nは、1~3の整数であり;
およびRは、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルから独立して選択され、ここで、前述の環は、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、一置換アミノまたは二置換アミノから独立して選択されるR、RまたはRで必要に応じて置換されているか;あるいは
およびRは、同じ炭素原子に結合する場合、組み合わされて、シクロアルキルまたは単環式の飽和ヘテロシクリルを形成して、スピロ環を与えることができ、ここで、シクロアルキルまたは単環式の飽和ヘテロシクリルは、アルキル、アルコキシ、フルオロ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、ヒドロキシ、一置換アミノまたは二置換アミノから独立して選択されるR、RまたはRで必要に応じて置換され得るか;あるいは
およびRは、ピペラジン環の2および5位または3および6位の炭素原子に結合する場合、組み合わされて、-C~C-アルキレン鎖を形成することができ、ここで、アルキレン鎖中の炭素原子の1個は、-NR-、-O-、-S(O)n-(式中、Rは、水素またはアルキルであり、nは、0~2である)によって必要に応じて置き換えられ、さらに、アルキレン鎖中の1もしくは2個の水素原子は、1もしくは2個のアルキルで必要に応じて置換され得;
、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、フルオロまたはフルオロアルキルであり;ArおよびArは、独立して、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルであり、ここで、前述の環のそれぞれは、R、RまたはRで必要に応じて置換され、Rは、アルキル、-C=C-R(式中、Rは、アリールまたはヘテロアリールである)、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであり、RおよびRは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリルから独立して選択され、ここで、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから独立して選択されるR、RまたはRで必要に応じて置換され、ただし、式Vの化合物は、2-(4-ベンズヒドリルピペラジン-l-イル)酢酸、2-(4-((4-クロロフェニル)(フェニル)メチル)ピペラジン-l-イル)酢酸、2-((2R,5S)-4-((R)-(4-(lH-テトラゾール-5-イル)フェニル)(3-ヒドロキシフェニル)メチル)-2,5-ジメチルピペラジン-l-イル)酢酸または2-((2R,5S)-4-((R)-(4-シアノフェニル)(3-ヒドロキシフェニル)メチル)-2,5-ジメチルピペラジン-l-イル)酢酸ではない]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000049
の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式VI、
Figure 2024509265000050
[式中、
Aは、一般式N-Rの基、一般式N+(O-)Rの基または一般式N+(R’)Rの基を表し(式中、Rは、水素原子、または1個もしくは1個より多くのフッ素原子で必要に応じて置換された直鎖状もしくは分枝状の(C~C)アルキル基、または(C~C)シクロアルキル基、または(C~C)シクロアルキル(C~C)アルキル基、または1個もしくは2個のヒドロキシル基もしくはメトキシ基で必要に応じて置換されたフェニル(C~C)アルキル基、または(C~C)アルケニル基、または(C~C)アルキニル基のいずれかを表し;
R’は、直鎖状もしくは分枝状の(C~C)アルキル基を表す);
Xは、水素原子、またはハロゲン原子およびトリフルオロメチル、直鎖状もしくは分枝状の(C1~C4)アルキルおよび(C~C)アルコキシ基から選択される1個もしくは1個より多くの置換基を表し;
は、水素原子、またはハロゲン原子およびトリフルオロメチル、(C~C)アルキル基もしくは(C~C)アルコキシ基、または一般式NRのアミノ基(式中、RおよびRは、互いに独立して、水素原子または(C~C)アルキル基をそれぞれ表すか、あるいは、それらが持つ窒素原子とともに、ピロリジン環、ピペリジン環またはモルホリン環、あるいは上記の記号Xについて定義される原子または基で必要に応じて置換されたフェニル基を形成する)から選択される1個または1個より多くの置換基のいずれかを表す]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000051
の式を有する化合物であるSSR-504734もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式VII
Figure 2024509265000052
[式中、
は、-(CH-R1a(式中、nは、独立して、0~6であり、R1aは、
(1)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシで置換されているC1~6アルキル、
(2)R2a、R2bおよびR2cで置換されたフェニル、(3)非置換であるか、またはC1~6アルキル、1~6個のハロゲン、ヒドロキシもしくは-NR1011で置換されているC3~6シクロアリル、
(4)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシもしくは-NR1011で置換されている-O-C1~6アルキル、
(5)-CO2R
(式中、R9は、
(a)水素、
(b)非置換であるか、または1~6個のフルオロで置換されている-C1~6アルキル、
(c)ベンジル、および
(d)フェニル
から独立して選択される)、
(6)-NR1011
(式中、R10およびR11は、
(a)水素、
(b)非置換であるか、またはヒドロキシ、1~6個のフルオロもしくは-NR1213(式中、R12およびR13は、水素および-C1~6アルキルから独立して選択される)で置換されている-C1~6アルキル、
(c)非置換であるか、またはヒドロキシ、1~6個のフルオロもしくは-NR1213で置換されている-C3~6シクロアルキル、
(d)ベンジル、
(e)フェニル
から独立して選択される)、ならびに
(7)-CONR1011
からなる群から選択される)であり;
は、
(1)R2a、R2bおよびR2cで置換されているフェニル、
(2)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシ、-NR1011、フェニルまたは複素環で置換されているC1~8アルキル(ここで、フェニルまたは複素環は、R2a、R2bおよびR2cで置換されている)、
(3)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシもしくは-NR1011で置換されているC3~6シクロアルキル、および
(4)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシもしくは-NR1011で置換されている-C1~6アルキル-(C3~6シクロアルキル)
からなる群から選択され;
2a、R2bおよびR2cは、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)非置換であるか、または
(a)1~6個のハロゲン、
(b)フェニル、
(c)C3~6シクロアルキル、もしくは
(d)-NR1011
で置換されている-C1~6アルキル、
(4)非置換であるか、または1~6個のハロゲンで置換されている-O-C1~6アルキル、
(5)ヒドロキシ、
(6)-SCF
(7)-SCHF
(8)-SCH、(9)-CO
(10)-CN、
(11)-SO
(12)-SO-NR1011
(13)-NR1011
(14)-CONR1011、および
(15)-NO
からなる群から独立して選択され;
は、
(1)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシルもしくは-NR1011で置換されているC1~6アルキル、
(2)非置換であるか、または1~6個のハロゲン、ヒドロキシルもしくは-NR1011で置換されているC3~6シクロアルキル
からなる群から選択され、
およびRは、
(1)水素、および
(2)非置換であるか、またはハロゲンもしくはヒドロキシルで置換されているC1~6アルキル
からなる群から独立して選択されるか、あるいはRおよびRは、一緒になって、C3~6シクロアルキル環を形成し;
Aは、
(1)-O-、および
(2)-NR10
からなる群から選択され;
mは、ゼロまたは1であり、ここで、mがゼロである場合、Rはカルボニルに直接結合する]
の化合物およびその薬学的に許容される塩、ならびにその個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーもしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000053
の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式VIII、
Figure 2024509265000054
[式中、
は、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、ORまたはSR10で1~5回独立して置換されたフェニルであり、ここで、C~CアルキルおよびC~Cシクロアルキルは、Rで1~10回必要に応じて置換されており;
は、Hであり;
およびR4は、それぞれ独立して、HまたはCHであり;
は、
(1)水素、
(2)Rで1~11回必要に応じて置換されているC~Cアルキル、
(3)gem-ジアルキル、および
(4)gem-ジハロ
からなる群から選択されるか;あるいは
同じ炭素上の2個のR置換基は、それらが結合する炭素原子と一緒に、Rで1~10回必要に応じて置換された3、4もしくは5員シクロアルキルを形成してもよく;あるいは
それらが結合する環の隣接する炭素上の2個のR置換基は、一緒に、Rで1~10回必要に応じて置換された3、4、5もしくは6員シクロアルキルを形成してもよく;
は、
Figure 2024509265000055
(式中、E、F、およびGは、それぞれ独立して、窒素または炭素であり、R6aは、ハロゲンもしくは重水素で1~5回必要に応じて置換されているC~Cアルキルである)であり;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)重水素、
(4)gem-ジアルキル、
(5)gem-ジハロ、
(6)-OR、-NR1112、-NR11C(O)10、-S(O)10、-CN、-NO2、-C(O)10、-C(O)NR1112またはNR11C(S)R10、および
(7)オキソまたはチオ
からなる群から選択され;
は、(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~CシクロアルキルもしくはC~Cシクロアルキルアルキル
(ここで、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、C~CシクロアルキルおよびC~Cシクロアルキルアルキルのそれぞれは、独立して、Rで1~11回必要に応じて置換されている)、または
(4)-OR、-NR1112、-NR11C(O)10、-S(O)10、-CN、-NO2、-C(O)10、-C(O)NR1112もしくは-NR11C(S)R10
からなる群から選択され;
は、水素、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、-C(O)NR1112および-C(O)10からなる群から選択され、ここで、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cシクロアルキルアルキルのそれぞれは、Rで1~11回必要に応じて置換されており;
10は、水素、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cシクロアルキルアルキルのそれぞれは、R7において定義される置換基で1~11回必要に応じて置換され、アリールまたはヘテロアリールは、Rで1~10回必要に応じて置換されており;
11およびR12は、水素、C~Cアルキル、C~Cシクロアルキル、C~Cシクロアルキルアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群からそれぞれ独立して選択され、ここで、C~Cアルキル、C~CシクロアルキルおよびC~Cシクロアルキルアルキルのそれぞれは、Rにおいて定義される置換基で1~11回必要に応じて置換され、アリールまたはヘテロアリールは、Rで1~10回必要に応じて置換されているか、あるいはR11およびR12は、それらが結合する窒素と一緒になって、Rで1~11回必要に応じて置換された飽和もしくは部分的に飽和の単環式もしくは縮合二環式の複素環を形成し;
Aは、
Figure 2024509265000056
であり;
Xは、Nであり;
Yは、Nであり;
pは、1または2であり;
mは、0であり;
ただし、Rは、(a)1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、または(b)5-メチルイソキサゾール-4-イルではあり得ない]
の化合物、またはその酸化物、化合物もしくはその酸化物の薬学的に許容される塩、またはその個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーである。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、以下:
Figure 2024509265000057
Figure 2024509265000058
Figure 2024509265000059
のいずれかから選択されるか、もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、
Figure 2024509265000060
の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式IX、
Figure 2024509265000061
[式中、
は、フェニル、またはO、NもしくはSから独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の単環式ヘテロアリールを表し、ここで、フェニルまたはヘテロアリールは、1個もしくは1個より多くのRで必要に応じて置換されており;
は、アリール、5もしくは6員の単環式ヘテロアリール、または8~10員の二環式ヘテロアリールを表し、単環式もしくは二環式ヘテロアリールは、O、NもしくはSから独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有し、ここで、アリールまたはヘテロアリールは、1個もしくは1個より多くのRで必要に応じて置換されており;
は、ハロゲン、C1~4-アルキルまたはC3~6-シクロアルキルであり、ここで、C1~4-アルキルまたはC3~6-シクロアルキルは、1個もしくは1個より多くのハロゲンで必要に応じて置換されており;
は、ハロゲン、-CN、C1~4-アルキル、C3~6-シクロアルキル、-C1~3-アルキル-C3~6-シクロアルキルまたは-O-C1~6アルキルであり、ここで、C1~4-アルキル、C3~6-シクロアルキル、-C1~3-アルキル-C3~6-シクロアルキルまたは-O-C1~6-アルキルは、1個もしくは1個より多くのハロゲンで必要に応じて置換されている]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、あるいは化合物の互変異性体もしくは立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前述のいずれかの混合物である。
ある特定の実施形態では、式IXの化合物は、式IX(a):
Figure 2024509265000062
の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または互変異性体の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または前述のいずれかの混合物によって表され得る。
ある特定の実施形態では、式IXの化合物は、式IX(b):
Figure 2024509265000063
の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または互変異性体の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または前述のいずれかの混合物によって表され得る。
ある特定の実施形態では、式IXの化合物は、以下のいずれかから選択される化合物、その立体異性体もしくは立体異性体混合物、またはその薬学的に許容される塩である。
Figure 2024509265000064
Figure 2024509265000065
Figure 2024509265000066
Figure 2024509265000067
Figure 2024509265000068
Figure 2024509265000069
Figure 2024509265000070
Figure 2024509265000071
Figure 2024509265000072
Figure 2024509265000073
Figure 2024509265000074
Figure 2024509265000075
Figure 2024509265000076
Figure 2024509265000077
Figure 2024509265000078
Figure 2024509265000079
Figure 2024509265000080
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式X、
Figure 2024509265000081
[式中、
は、
a)O、NおよびS(O)rからなる群から独立して選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の単環式ヘテロアリール、
b)O、NおよびS(O)rからなる群から独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の単環式の部分的に飽和のヘテロシクロアルキル、ならびに
c)O、NおよびS(O)からなる群から独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する9もしくは10員の二環式ヘテロアリール
(式中、rは、0、1または2である)からなる群から選択され;
ここで、前記基a)、b)およびc)のそれぞれは、C1~4-アルキル-、C1~4-アルキル-O-、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、C3~6-シクロアルキル-およびC3~6-シクロアルキル-O-からなる群から独立して選択される1個もしくは1個より多くの置換基で必要に応じて置換され、置換基の場合では、窒素環原子に結合し、前記置換基は、C1~4-アルキル-、C1~4-アルキル-CO-、C3~6-シクロアルキル-およびC3~6-シクロアルキル-CO-からなる群から選択され、
ここで、前記C1~4-アルキル-、C1~4-アルキル-O-、C1~4-アルキル-CO-、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、C3~6-シクロアルキル-、C3~6-シクロアルキル-CO-またはC3~6-シクロアルキル-O-の置換基のそれぞれは、フルオロ、-CF、-CHF、-CHFおよび-CNからなる群から独立して選択される1個もしくは1個より多くの置換基によって置換されていてもよく;
は、水素、C1~4-アルキル-、C1~4-アルキル-O-、-CNおよびC3~6-シクロアルキル-からなる群から選択され、
ここで、前記C1~4-アルキル-、C1~4-アルキル-O-およびC3~6-シクロアルキル基のそれぞれは、フルオロ、-CF、-CHF、-CHFおよび-CNからなる群から独立して選択される1、2、3個もしくはそれより多くの置換基で必要に応じて置換されていてよく;
は、C1~6-アルキル-O-、C3~6-シクロアルキル-O-、モルホリノ、ピラゾリル、ならびに環員子として1個の酸素原子および必要に応じてO、NおよびS(O)(ここで、s=0、1または2である)からなる群から独立して選択される1もしくは2個のヘテロ原子を有する4~7員の単環式ヘテロシクロアルキル-O-からなる群から選択され、
ここで、前記C1~6-アルキル-O-および前記C3~6-シクロアルキル-O-は、フルオロ、-CF、-CHF、-CHF、-CN、C1~4-アルキル-、C3~6-シクロアルキル-、C1~6-アルキル-O-およびC3~6-シクロアルキル-O-からなる群から独立して選択される1、2、3個もしくはそれより多くの置換基で必要に応じて置換されていてもよく;
は、水素であるか;あるいは
およびRは、それらが結合するフェニル基の環原子と一緒に、4、5もしくは6員の単環式の部分的に飽和のヘテロシクロアルキル、またはそのそれぞれがO、NおよびS(O)(ここで、s=0、1または2である)からなる群から独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールを形成してもよく、ここで、一般式(I)においてRが結合する前記フェニル基の環炭素原子に直接結合する1個の環酸素原子が存在しなければならず;
ここで、前記ヘテロシクロアルキル基は、フルオロ、-CF、-CHF、-CHF、-CN、C1~4-アルキル-、C3~6-シクロアルキル-、C1~6-アルキル-O-、C3~6-シクロアルキル-O-、オキセタニル-O-、テトラヒドロフラニル-O-およびテトラヒドロピラニル-O-からなる群から独立して選択される1、2、3個もしくはそれより多くの置換基で必要に応じて置換されていてもよく;
は、水素であり;
は、水素、C1~4-アルキル-SO-、C3~6-シクロアルキル-SOおよび-CNからなる群から選択され;
は、水素であるか;あるいは
a)RおよびRまたはb)RおよびRの対の一方は、それらが結合するフェニル基の環原子と一緒に、O、NおよびS(O)(ここで、u=0、1または2である)からなる群から独立して選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5もしくは6員の部分的に飽和の単環式ヘテロシクロアルキル基を形成し、ここで、一般式(I)においてRが結合する前記フェニル基の環炭素原子に直接結合する1個の-SO-員子が存在しなければならず、
ここで、前記ヘテロシクロアルキル基は、フルオロ、-CF、-CHF、-CHF、-CN、C1~4-アルキル-、C1~6-アルキル-O-およびC3~6-シクロアルキル-O-からなる群から独立して選択される1、2、3個もしくはそれより多くの置換基で必要に応じて置換されていてもよい]
の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、式Xの化合物は、以下のいずれかから選択される化合物、その立体異性体もしくは立体異性体混合物、またはその薬学的に許容される塩である。
Figure 2024509265000082
Figure 2024509265000083
Figure 2024509265000084
Figure 2024509265000085
Figure 2024509265000086
例えば、式Xの化合物は、以下のいずれかのジアステレオマー混合物もしくは単一ジアステレオマー、またはその薬学的に許容される塩であり得る。
Figure 2024509265000087
Figure 2024509265000088
Figure 2024509265000089
Figure 2024509265000090
Figure 2024509265000091
Figure 2024509265000092
Figure 2024509265000093
ある特定の実施形態では、式Xの化合物は、式
Figure 2024509265000094
を有する化合物またはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に開示される方法および使用の一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、式XI
Figure 2024509265000095
の化合物
[式中、
は、ハロゲン、-OR1’、-SR1”、シクロアルキル、環式アミド、ヘテロシクロアルキル、アリール、または酸素、硫黄および窒素からなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロアリールであり;
1’およびR1”は、それぞれ独立して、水素、低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、-(CH-シクロアルキルまたは-(CH-アリールであり;
は、-S(O)-低級アルキル、-S(O)NH-低級アルキル、NOまたはCNであり;
Figure 2024509265000096
は、
Figure 2024509265000097
Figure 2024509265000098
からなる群から選択される、1または2個の追加のN原子を有する芳香族または部分的に芳香族の二環式アミンであり、芳香族または部分的に芳香族の二環式アミンの追加のN環原子のうち1個は、そのオキシドの形態
Figure 2024509265000099
で入手可能であり得;
~R10は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、=O、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、低級アルコキシ、CN、NO、NH、アリール、酸素、硫黄および窒素からなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員ヘテロアリール、-NH-低級アルキル、-N(低級アルキル)、環式アミド、-C(O)-環式アミド、S-低級アルキル、-S(O)-低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、ハロゲンによって置換された低級アルコキシ、ヒドロキシによって置換された低級アルキル、-O-(CH-低級アルコキシ、-O(CHC(O)N(低級アルキル)、-C(O)-低級アルキル、-O-(CH-アリール、-O-(CH-シクロアルキル、-O-(CH-ヘテロシクロアルキル、-C(O)O-低級アルキル、-C(O)-NH-低級アルキル、-C(O)-N(低級アルキル)、2-オキシ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-イルまたは3-オキサ-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イルであり;
R、R’、R’’およびR’’’は、それぞれ独立して、水素または低級アルキルであるか;あるいは
群e)中のR’およびR’’’は、-(CH-と一緒になって6員環を形成し;
R1、R1’、R1”およびR~R10について定義されるすべてのアリール-、シクロアルキル-、環式アミド、ヘテロシクロアルキル-または5もしくは6員ヘテロアリール基は、非置換であるか、またはヒドロキシ、=O、ハロゲン、低級アルキル、フェニル、ハロゲンによって置換された低級アルキル、および低級アルコキシからなる群から選択される1個もしくは複数の置換基によって置換されており;
n、m、o、p、q、r、sおよびtは、それぞれ独立して、1または2であり;
xは、0、1または2であり;かつ
yは、1または2である]
またはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態(emodiment)では、式XIの化合物またはその(thereof)薬学的に許容される塩は、式XI(a)
Figure 2024509265000100
の化合物またはその(therof)薬学的に許容される塩、式XI(b)
Figure 2024509265000101
の化合物またはその薬学的に許容される塩、式XI(c)
Figure 2024509265000102
の化合物またはその薬学的に許容される塩、式XI(d)
Figure 2024509265000103
の化合物またはその薬学的に許容される塩、式XI(e)
Figure 2024509265000104
の化合物またはその薬学的に許容される塩、式XI(f)
Figure 2024509265000105
の化合物またはその薬学的に許容される塩、式XI(g)
Figure 2024509265000106
の化合物またはその薬学的に許容される塩、あるいは式XI(h)
Figure 2024509265000107
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態では、式XIの化合物は、以下のいずれかから選択される化合物、その立体異性体もしくは立体異性体混合物、またはその薬学的に許容される塩である。
Figure 2024509265000108
Figure 2024509265000109
本明細書に開示されるある特定の方法および使用では、対象は、それを必要とする対象である。
本明細書に開示される使用および方法の一部の実施形態では、グリシン輸送体阻害剤、例えば、GlyT1阻害剤(例えば、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、またはグリシン輸送体阻害剤、例えば、GlyT1阻害剤(例えば、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩は、治療有効量で投与される。
一部の実施形態では、化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグは、本明細書に記載される化合物から選択される。本明細書に提供される化合物のいずれかは、薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグとして、および/または本明細書で引用される特許または特許出願公開に記載される医薬組成物の一部として、調製することができる。
本明細書に記載される化合物は、ある特定の原子の周囲で特定の立体化学、例えば、シスまたはトランスを示し得るが、化合物は、逆の方向またはラセミ混合物で作製することもできる。そのような異性体またはラセミ混合物は、本開示に包含される。加えて、化合物は、表中にまとめて示されるが、任意の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグは、表から選択することができ、本明細書に提供される実施形態において使用することができる。
本明細書に記載される化合物は、本明細書において引用された特許または特許出願公開に記載される方法に従って作製することができる。
化合物は、GlyT1輸送体を阻害するために使用することができる。そのため、一部の実施形態では、化合物は、GlyT1輸送体を阻害する化合物またはGlyT1阻害剤と称され得る。
本明細書に記載される化合物は、それらが活性である任意の経路によって、任意の従来の様式で投与することができる。投与は、全身、局所、または経口であり得る。例えば、投与は、限定されるものではないが、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、経口、頬側、舌下もしくは眼科経路、または膣内、吸入によって、デポー注射によって、またはインプラントによってであり得る。投与の方法は、標的にされるか、もしくは処置される状態または疾患に依存し得る。投与の具体的な経路の選択は、所望の臨床反応を得るために臨床医に公知の方法に従って、臨床医により選択または調整され得る。
一部の実施形態では、処置を必要とする領域に局部的に、1種または1種より多くの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することが望ましくあり得る。これは、例えば、限定ではないが、外科手術の間の局部注入、局所適用によって、例えば、外科手術後の創傷ドレッシングと併せて、注射によって、カテーテルの手段によって、坐剤の手段によって、またはインプラントの手段によって、達成されてもよく、ここで、インプラントは、サイラスティック膜などの膜、または繊維を含む、多孔性、非多孔性またはゼリー状材料のものである。
本明細書に記載される化合物は、単独で、または他の医薬品と組み合わせて(共にまたは順次)のいずれかで投与することができる。例えば、化合物は、赤血球増加症の処置などのための他の薬物と組み合わせて投与することができる。他の医薬品または医薬の例は、当業者に公知であり、限定されるものではないが、本明細書に記載されるものが挙げられる。
投与のための手段および方法は、当技術分野において公知であり、技術者は、ガイダンスのためにさまざまな薬理学の参考文献を参照することができる(例えば、Modern Pharmaceutics, Banker & Rhodes, Marcel Dekker, Inc. (1979);およびGoodman & Gilman’s The Pharmaceutical Basis of Therapeutics, 6th Edition, MacMillan Publishing Co., New York (1980)を参照されたい)。
投与される化合物の量は、治療的に有効な量である。投与される投薬量は、処置される対象の特性、例えば、処置される特定の動物、年齢、体重、健康、もしあれば併用処置の種類、および処置の頻度に依存し、当業者によって(例えば、臨床医によって)容易に決定され得る。プロタミンについての標準の投薬を、上記の因子に応じて使用および調整(すなわち、増加または減少)することができる。具体的な投薬レジメンの選択は、所望の臨床反応を得るために臨床医に公知の方法に従って、臨床医により選択または調整または用量設定され得る。
特定の疾患、状態または障害の処置および/または予防において有効な本明細書に記載される化合物の量は、疾患、状態または障害の特質および程度に依存し、標準の臨床技法によって決定され得る。加えて、in vitroまたはin vivoアッセイを、最適な投薬量範囲を特定するのを助けるために必要に応じて用いてもよい。組成物中で用いられる正確な用量は、投与の経路および障害の重篤度にも依存し、開業医の判断およびそれぞれの患者の状況に従って決定されるべきである。しかしながら、経口投与のための好適な投薬量範囲は、一般に、体重1キログラムあたり約0.001ミリグラム~約200ミリグラム、体重1キログラムあたり約0.01ミリグラム~約100ミリグラム、体重1キログラムあたり約0.01ミリグラム~約70ミリグラム、体重1キログラムあたり約0.1ミリグラム~約50ミリグラム、体重1キログラムあたり0.5ミリグラム~約20ミリグラム、または体重1キログラムあたり約1ミリグラム~約10ミリグラムである。一部の実施形態では、経口用量は、体重1キログラムあたり約5ミリグラムである。
一部の実施形態では、静脈内(i.v.)投与のための好適な投薬量範囲は、体重1kgあたり約0.01mg~約500mg、体重1kgあたり約0.1mg~約100mg、体重1kgあたり約1mg~約50mg、または体重1kgあたり約10mg~約35mgである。投与の他の方法の好適な投薬量範囲は、当業者に公知であるように、前述の投薬量に基づいて算出することができる。例えば、鼻腔内、経粘膜、皮内、筋肉内、腹腔内、皮下、硬膜外、舌下、大脳内、膣内、経皮投与、または吸入による投与のための推奨される投薬量は、体重1kgあたり約0.001mg~約200mg、体重1kgあたり約0.01mg~約100mg、体重1kgあたり約0.1mg~約50mg、または体重1kgあたり約1mg~約20mgの範囲内である。有効用量は、in vitroまたは動物モデル試験系から導かれた用量応答曲線から外挿してもよい。そのような動物モデルおよび系は、当技術分野において周知である。
ある特定の実施形態では、投与されるグリシン輸送体阻害剤は、GlyT1阻害剤、例えば、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤である。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤のための好適な投薬量範囲は、約5mg/日~200mg/日である。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、5mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、10mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、15mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、20mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、25mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、30mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、35mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、40mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、45mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、50mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、55mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、60mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、65mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、70mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、75mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、80mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、85mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、90mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、95mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、100mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、105mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、110mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、115mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、120mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、125mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、130mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、135mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、140mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、145mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、150mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、155mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、160mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、165mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、170mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、175mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、180mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、185mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、190mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、195mg/日で投与される。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、200mg/日で投与される。
ある特定の実施形態では、投与されるグリシン輸送体阻害剤は、GlyT1阻害剤、例えば、ビトペルチン、その薬学的に許容される塩、またはビトペルチンのプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、ビトペルチンである。一部の実施形態では、ビトペルチンのための好適な投薬量範囲は、約5mg/日~200mg/日である。一部の実施形態では、ビトペルチンは、5mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、10mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、15mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、20mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、25mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、30mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、35mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、40mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、45mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、50mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、55mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、60mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、65mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、70mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、75mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、80mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、85mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、90mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、95mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、100mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、105mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、110mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、115mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、120mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、125mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、130mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、135mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、140mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、145mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、150mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、155mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、160mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、165mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、170mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、175mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、180mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、185mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、190mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、195mg/日で投与される。一部の実施形態では、ビトペルチンは、200mg/日で投与される。
本明細書に記載される化合物は、注射による、例えば、ボーラス注射または持続注入による非経口投与のために製剤化することができる。一部の実施形態では、化合物は、約15分~約24時間の期間にわたる皮下の持続注入によって投与することができる。注射のための製剤は、単位剤形中に、例えば、アンプル中または複数回投与容器中に、必要に応じて添加された保存剤とともに、存在し得る。組成物は、油媒体もしくは水性媒体中の懸濁液、溶液またはエマルションの形態などをとることができ、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤などの製剤化剤を含有することができる。一部の実施形態では、注射物質は、短時間作用型、デポー、またはインプラントの形態、および皮下または筋肉内に注射されるペレット形態である。一部の実施形態では、非経口剤形は、溶液、懸濁液、エマルション、または乾燥粉末の形態である。
経口投与のために、本明細書に記載される化合物は、当技術分野において周知の薬学的に許容される担体と化合物を組み合わせることによって製剤化することができる。そのような担体は、化合物を、処置される患者による経口摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、エマルション、液剤、ゲル剤、シロップ剤、カシェ剤、ペレット剤、粉剤、顆粒剤、スラリー剤、ロゼンジ剤、水性または油性懸濁剤などとして製剤化することを可能にする。経口使用のための医薬調製物は、例えば、固体賦形剤を添加すること、必要に応じて得られた混合物を粉砕すること、および所望により好適な補助剤を添加した後、顆粒の混合物を処理して、錠剤または糖衣錠のコアを得ることによって、得ることができる。好適な賦形剤としては、限定されるものではないが、増量剤、例えば、限定されるものではないが、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトールを含む糖;セルロース調製物、例えば、限定されるものではないが、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびポリビニルピロリドン(PVP)が挙げられる。所望により、限定されるものではないが、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤を添加することができる。
経口投与される組成物は、薬学的に口当たりが良い調製物を提供するために、1種または1種より多くの必要に応じた薬剤、例えば、甘味剤、例えば、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリン;香味剤、例えば、ペパーミント、ウィンターグリーンの油、またはチェリー;着色剤;および保存剤を含有することができる。また、錠剤または丸剤の形態の場合、組成物は、消化管での崩壊および吸収を遅らせるためにコーティングされていてもよく、それにより、長期間にわたる持続的な作用を提供する。浸透圧的に活性な駆動化合物を取り囲む選択的な透過性膜も、経口で投与される化合物のために好適である。経口組成物は、標準の媒体、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含むことができる。そのような媒体は、好適には、医薬グレードのものである。
糖衣錠のコアは、好適なコーティングが提供され得る。この目的のために、濃縮された糖溶液を使用することができ、これは、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を必要に応じて含有することができる。染料または顔料を、活性化合物の用量の異なる組合せを特定または特徴付けるために、錠剤または糖衣錠のコーティングに添加することができる。
経口で使用され得る医薬調製物は、限定されるものではないが、ゼラチンで作られたプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤、例えば、グリセロールまたはソルビトールで作られた密封された軟カプセル剤を含む。プッシュフィットカプセルは、増量剤、例えば、ラクトース、結合剤、例えば、デンプン、および/または滑沢剤、例えば、タルクもしくはステアリン酸マグネシウム、ならびに必要に応じて安定剤との混合物中に活性成分を含有することができる。軟カプセル剤では、活性化合物は、好適な液体、例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液状ポリエチレングリコール中に溶解または懸濁され得る。加えて、安定剤を添加することができる。
頬側投与のために、組成物は、例えば、従来の様式で製剤化された錠剤またはロゼンジ剤の形態をとることができる。
吸入による投与のために、本明細書に記載される化合物は、好適な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスの使用による、加圧パックまたは噴霧器からのエアロゾルスプレー提示の形態で送達することができる。加圧エアロゾルの場合では、投薬量単位は、測定された量を送達するためのバルブを提供することによって決定することができる。吸入具または吸入器における使用のための例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物および好適な粉末基剤、例えば、ラクトースまたはデンプンの混合粉末を含有して製剤化することができる。
本明細書に記載される化合物は、例えば、従来の坐剤基剤、例えばカカオバターまたは他のグリセリドを含有する、直腸組成物、例えば、坐剤または停留かん腸に製剤化することもできる。本明細書に記載される化合物は、経膣組成物、例えば、膣クリーム、坐剤、ペッサリー、膣リングおよび子宮内避妊器具に製剤化することもできる。
経皮投与では、化合物は、プラスターに適用することができ、または、結果として生物体に供給される経皮治療系によって適用することができる。一部の実施形態では、化合物は、クリーム剤、液剤、粉剤、液状エマルション、液状懸濁剤、半固体、軟膏、ペースト剤、ゲル剤、ゼリー剤および泡状物質中に、またはそのいずれかを含有するパッチ中に存在する。
本明細書に記載される化合物は、デポー調製物として製剤化することができる。そのような長時間作用型製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)によって、または筋肉内注射によって投与することができる。デポー注射は、約1~約6か月、またはそれよりも長い間隔で投与することができる。そのため、例えば、化合物は、好適なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)、またはイオン交換樹脂を用いて、あるいは難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として、製剤化することができる。
一部の実施形態では、化合物は、放出制御システムにおいて送達することができる。一実施形態では、ポンプが使用されてもよい(Langer, supra;Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng., 1987, 14, 201;Buchwald et al., Surgery, 1980, 88, 507;Saudek et al., N. Engl. J. Med., 1989, 321, 574を参照されたい)。一部の実施形態では、ポリマー材料を使用することができる(Medical Applications of Controlled Release, Langer and Wise (eds.), CRC Pres., Boca Raton, Fla. (1974);Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance, Smolen and Ball (eds.), Wiley, New York (1984);Ranger et al., J. Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem., 1983, 23, 61を参照されたい;またLevy et al., Science, 1985, 228, 190;During et al., Ann. Neurol., 1989, 25, 351;Howard et al., J. Neurosurg., 1989, 71, 105も参照されたい)。さらに別の実施形態では、放出制御システムは、肝臓などの本明細書に記載される化合物の標的に近接して設置することができ、そのため、全身用量のごく少量のみを必要とする(例えば、Goodson, in Medical Applications of Controlled Release, supra, vol. 2, pp. 115-138 (1984)を参照されたい)。Langer, Science, 1990, 249, 1527-1533による総説で議論された他の放出制御システムを使用してもよい。
化合物が、そのような製剤中に、薬学的に許容される希釈剤、増量剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、疎水性媒体、水溶性媒体、乳化剤、緩衝剤、保水剤、保湿剤、可溶化剤、保存剤などとともに含有され得ることも当技術分野において公知である。医薬組成物は、好適な固相またはゲル相の担体または賦形剤を含むこともできる。そのような担体または賦形剤の例としては、限定されるものではないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、さまざまな糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリマー、例えば、ポリエチレングリコールが挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、限定されるものではないが、局所鎮痛薬(例えば、リドカイン)、バリアデバイス(例えば、GelClair)またはすすぎ剤(例えば、Caphosol)を含む薬剤と共に使用することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、媒体、特に、リポソーム中で送達することができる(Langer, Science, 1990, 249, 1527-1533;Treat et al., in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez-Berestein and Fidler (eds.), Liss, New York, pp. 353-365 (1989);Lopez-Berestein, ibid, pp. 317-327を参照されたい;一般に、同書を参照されたい)。
好適な組成物は、限定されるものではないが、経口の非吸収性組成物を含む。好適な組成物は、限定されるものではないが、生理食塩水、水、シクロデキストリン溶液、およびpH3~9の緩衝液も含む。
本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグは、限定されるものではないが、精製水、プロピレングリコール、PEG400、グリセリン、DMA、エタノール、ベンジルアルコール、クエン酸/クエン酸ナトリウム(pH3)、クエン酸/クエン酸ナトリウム(pH5)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンHCl(pH7.0)、0.9%の生理食塩水、および1.2%の生理食塩水、ならびにそれらの任意の組合せを含む多数の賦形剤を用いて製剤化することができる。一部の実施形態では、賦形剤は、プロピレングリコール、精製水およびグリセリンから選択される。
一部の実施形態では、製剤は、固体に凍結乾燥することができ、例えば、使用前に水で再構成することができる。
哺乳動物に(例えば、獣医学的使用のために動物に、または臨床使用のためにヒトに)投与される場合、化合物は、単離された形態で投与することができる。
ヒトに投与される場合、化合物は、無菌であり得る。式I~VIIIの化合物が静脈内投与される場合、水は、好適な担体である。生理食塩水溶液、ならびに水性デキストロースおよびグリセロール溶液を、特に注射可能溶液のために、液体担体として用いることもできる。好適な薬学的担体としては、賦形剤、例えば、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなども挙げられる。本組成物は、所望により、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含有することもできる。
本明細書に記載される組成物は、液剤、懸濁剤、エマルション、錠剤、丸剤、ペレット剤、カプセル剤、液体を含有するカプセル剤、散剤、持続放出製剤、坐剤、エアロゾル、スプレーの形態、または使用のために好適な任意の他の形態をとることができる。好適な薬学的担体の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, A.R. Gennaro (Editor) Mack Publishing Co.に記載されている。
一部の実施形態では、化合物は、ヒトへの投与のために適合した医薬組成物として、ルーチン手順に従って、製剤化される。典型的には、化合物は、無菌の等張水性緩衝液中の溶液である。必要な場合、組成物は、可溶化剤を含むこともできる。静脈内投与のための組成物は、注射の部位の痛みを和らげるために、局部麻酔薬、例えば、リドカインを必要に応じて含んでいてもよい。一般に、成分は、別々にまたは一緒に混合してのいずれかで、単位剤形において、例えば、活性薬剤の量を示すアンプルまたはサシェなどの密閉シールされている容器中の乾燥凍結乾燥粉末または無水濃縮物として、供給される。化合物が注入によって投与される場合、これは、例えば、無菌の医薬グレードの水または生理食塩水を含有する注入ボトルで、分注され得る。化合物が注射によって投与される場合、注射用の滅菌水または生理食塩水のアンプルを、成分が投与前に混合され得るように、提供することができる。
医薬組成物は、単位剤形であり得る。そのような形態では、組成物は、適切な量の活性構成成分を含有する単位用量に分割することができる。単位剤形は、包装された調製物、別個の量の調製物を含有する包装、例えば、パケット化錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の粉末であり得る。単位剤形は、カプセル剤、カシェ剤または錠剤それ自体でもあり得るか、またはこれは、適切な数のこれらの包装形態のいずれかであり得る。
一部の実施形態では、組成物は、液体の形態であり、ここで、活性薬剤(すなわち、本明細書に開示される表面的に両親媒性のポリマーまたはオリゴマーの1つ)が、溶液中、懸濁液中、エマルションとして、または溶液/懸濁液として存在する。一部の実施形態では、液体組成物は、ゲルの形態である。他の実施形態では、液体組成物は、水性である。他の実施形態では、組成物は、軟膏の形態である。
一部の実施形態では、組成物は、固体物品の形態である。例えば、一部の実施形態では、眼科用組成物は、固体物品であり、これは、眼における好適な場所、例えば、眼と眼瞼または結膜嚢との間に挿入され得、そこで、例えば、米国特許第3,863,633号;米国特許第3,867,519号;米国特許第3,868,445号;米国特許第3,960,150号;米国特許第3,963,025号;米国特許第4,186,184号;米国特許第4,303,637号;米国特許第5,443,505号;および米国特許第5,869,079号に記載されるように、活性薬剤を放出する。そのような物品からの放出は、通常、角膜の表面を浸す涙液を介して、または角膜それ自体に直接のいずれかで、角膜に対してであり、固体物品は、一般に、密接な接触にある。そのような方法における眼への埋め込みのために好適な固体物品は、一般に、主にポリマーで構成され、生体内分解性または非生体内分解性であり得る。1種または1種より多くの化合物を運ぶ眼インプラントの調製において使用することができる生体内分解性ポリマーとしては、限定されるものではないが、脂肪族ポリエステル、例えば、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド)、ポリ(イプシロン-カプロラクトン)、ポリ-(ヒドロキシブチレート)およびポリ(ヒドロキシバレレート)のポリマーおよびコポリマー、ポリアミノ酸、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、脂肪族ポリカーボネート、ならびにポリエーテルラクトンが挙げられる。好適な非生体内分解性ポリマーとしては、シリコーンエラストマーが挙げられる。
本明細書に記載される組成物は、保存剤を含有することができる。好適な保存剤としては、限定されるものではないが、水銀含有物質、例えば、フェニル水銀塩(例えば、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀)およびチメロサール;安定化二酸化塩素;第4級アンモニウム化合物、例えば、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムおよび塩化セチルピリジニウム;イミダゾリジニルウレア;パラベン、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンおよびブチルパラベン、ならびにそれらの塩;フェノキシエタノール;クロロフェノキシエタノール;フェノキシプロパノール;クロロブタノール;クロロクレゾール;フェニルエチルアルコール;EDTA二ナトリウム;ならびにソルビン酸およびその塩が挙げられる。
必要に応じて、1種または1種より多くの安定剤が、必要な場合に、化学安定性を増強するために組成物に含まれ得る。好適な安定剤としては、限定されるものではないが、キレート剤または錯化剤、例えば、カルシウム錯化剤のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などが挙げられる。例えば、適切な量のEDTA、またはその塩、例えば、二ナトリウム塩を、過剰のカルシウムイオンを錯体形成させるために組成物に含ませることができ、保管の間のゲル形成を防止することができる。EDTAまたはその塩は、好適には、約0.01%~約0.5%の量で含まれ得る。EDTA以外の保存剤を含有するこれらの実施形態では、EDTAまたはその塩、より具体的には、EDTA二ナトリウムは、約0.025重量%~約0.1重量%の量で存在することができる。
1種または1種より多くの抗酸化剤も組成物に含まれ得る。好適な抗酸化剤としては、限定されるものではないが、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ポリクオタニウム-1、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸、または当業者に公知の他の薬剤が挙げられる。そのような保存剤は、典型的には、約0.001重量%~約1.0重量%のレベルで用いられる。
一部の実施形態では、化合物は、少なくとも一部分において、許容される可溶化剤によって可溶化される。ある特定の許容される非イオン性界面活性剤、例えば、ポリソルベート80は、眼科的に許容され得るグリコール、ポリグリコール、例えば、ポリエチレングリコール400(PEG-400)およびグリコールエーテルのように、可溶化剤として有用であり得る。
溶液および溶液/懸濁液組成物のための好適な可溶化剤は、シクロデキストリンである。好適なシクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、アルキルシクロデキストリン(例えば、メチル-β-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン、ジエチル-β-シクロデキストリン)、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン(例えば、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)、カルボキシ-アルキルシクロデキストリン(例えば、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン)、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン(例えば、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)などから選択することができる。シクロデキストリンの眼科適用は、Rajewski et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, 1996, 85, 1155-1159に概説されている。
一部の実施形態では、組成物は、懸濁化剤を必要に応じて含有する。例えば、組成物が水性の懸濁液または溶液/懸濁液であるこれらの実施形態では、組成物は、懸濁化剤として1種または1種より多くのポリマーを含有することができる。有用なポリマーとしては、限定されるものではないが、水溶性ポリマー、例えば、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および水不溶性ポリマー、例えば、架橋カルボキシ含有ポリマーが挙げられる。
1種または1種より多くの許容されるpH調整剤および/または緩衝剤が、組成物に含まれ得、これは、酸、例えば、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸および塩酸;塩基、例えば、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウムおよびトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン;ならびに緩衝剤、例えば、クエン酸塩/デキストロース、重炭酸ナトリウムおよび塩化アンモニウムを含む。そのような酸、塩基および緩衝剤は、許容される範囲で組成物のpHを維持するために必要な量で含まれる。
1種または1種より多くの許容される塩、溶媒またはプロドラッグが、組成物の浸透圧を許容される範囲にするために必要な量で組成物に含まれ得る。そのような塩としては、限定されるものではないが、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムカチオン、および塩化物、クエン酸、アスコルビン酸、ホウ酸、リン酸、重炭酸、硫酸、チオ硫酸または重硫酸アニオンを有するものが挙げられる。一部の実施形態では、塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸アンモニウムが挙げられる。一部の実施形態では、塩は塩化ナトリウムである。
必要に応じて、1種または1種より多くの許容される界面活性剤、例えば、限定されるものではないが、非イオン性界面活性剤、または共溶媒が、組成物の構成成分の溶解度を増強するため、もしくは物理的安定性を付与するため、または他の目的のために組成物に含まれ得る。好適な非イオン性界面活性剤としては、限定されるものではないが、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油、例えば、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油;ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40;ポリソルベート20、60および80;ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン界面活性剤(例えば、Pluronic(登録商標)F-68、F84およびP-103);シクロデキストリン;または当業者に公知の他の薬剤が挙げられる。典型的には、そのような共溶媒または界面活性剤は、約0.01重量%~約2重量%のレベルで組成物中で用いられる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される1種または1種より多くの化合物で満たされた1個または1個より多くの容器を含む医薬パックまたはキットが提供される。必要に応じて、そのような容器に関連付けられるのは、医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形式の通知であり得、この通知は、本明細書に記載される状態、疾患または障害を処置するためのヒト投与のための製造、使用または販売の機関による承認を反映する。一部の実施形態では、キットは、本明細書に記載される1種より多くの化合物を含有する。一部の実施形態では、キットは、単一の注射可能剤形、例えば、針付き注射器などの注射デバイス内の単一用量で本明細書に記載される化合物を含む。
一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載される1種もしくは1種より多くの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、あるいはその医薬組成物を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、対象は、そのような処置を必要とする対象である。本明細書に記載されるように、一部の実施形態では、対象は、哺乳動物、例えば、限定されるものではないが、ヒトである。
一部の実施形態では、限定されるものではないが、対象における本明細書に記載される状態を含む赤血球増加症、またはそれらの関連する症候群、例えば、本明細書に記載されるものを処置および/または予防する方法の処置のための医薬の製造における使用のための、上記の1種もしくは1種より多くの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、あるいは上記の1種もしくは1種より多くの化合物を含む医薬組成物も提供される。一部の実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。
本実施形態は、GlyT1輸送体、例えば、細胞の表面に存在するものの阻害における、上記の1種もしくは1種より多くの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、あるいは上記の1種もしくは1種より多くの化合物を含む医薬組成物の使用も提供する。一部の実施形態では、化合物、その薬学的に許容される塩、またはその医薬組成物は、GlyT1輸送体の内部移行、輸送および/または分解を阻害する。
本明細書で使用される場合、「阻害」は、特異的な活性のいずれかの阻害を指し得る。GlyT1輸送体の活性は、限定されるものではないが、本明細書に記載される方法を含む当技術分野において公知の任意の方法によって測定することができる。
本明細書に記載される化合物は、GlyT1輸送体の阻害剤である。GlyT1輸送体活性を阻害する化合物の能力は、当技術分野において公知の任意のアッセイを使用して測定され得る。
一般に、GlyT1輸送体活性を阻害する化合物を試験するためのアッセイは、GlyT1輸送体の影響下で間接的または直接的な任意のパラメーター、例えば、機能的、物理的または化学的効果の決定を含む。
可能性がある阻害剤で処理されるGlyT1輸送体を含む試料またはアッセイは、阻害の程度を調べるために、阻害剤なしの対照試料と比較される。対照試料(阻害剤で未処理)は、100%の相対的なGlyT1輸送体活性値に割り当てられる。対照に対するGlyT1輸送体活性値が約80%、50%または25%である場合に、GlyT1輸送体の阻害が達成される。
GlyT1輸送体へのリガンド結合は、いくつかのフォーマットで試験することができる。結合は、溶液中、二重層膜中、固相に結合して、脂質単分子層中、またはベシクル中で行うことができる。例えば、アッセイでは、天然リガンドのその輸送体への結合は、候補モジュレーター、例えば、本明細書に記載される化合物の存在下で測定される。あるいは、候補モジュレーターの結合は、天然リガンドの存在下で測定されてもよい。多くの場合、天然リガンドの輸送体への結合と競合する化合物の能力を測定する競合アッセイが使用される。結合は、例えば、分光学的特性(例えば、蛍光、吸収、屈折率)の変化、水力学的(例えば、形状)変化、またはクロマトグラフもしくは溶解度の性質の変化を測定することによって試験することができる。
輸送体が細胞において発現された後、細胞は、適切な細胞プレートにおいて、適切な培地中で成長し得る。細胞は、例えば、384ウェルプレートにおいてウェルあたり5000~10000個細胞で蒔くことができる。一部の実施形態では、細胞は、ウェルあたり約1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000または10000個細胞で蒔かれる。プレートは、任意の数のウェルを有することができ、細胞の数は、それに応じて改変することができる。
本明細書に記載される適用における有用性を有する任意の医薬は、上記の組成物との併用療法、共投与または共製剤において使用することができる。したがって、本明細書に記載される化合物は、そのような治療薬が対象に投与される前、それと共に、またはその後のいずれかに投与され得る。
追加の医薬は、本明細書に記載される1種または1種より多くの化合物との併用療法(共製剤を含む)において投与され得る。
一部の実施形態では、処置に対する疾患または障害の応答はモニターされ、処置レジメンは、そのようなモニタリングを考慮して必要により調整される。
投与の頻度は、典型的には、投薬間隔、例えば、覚醒時間の間の1用量と次の間の期間は、約1~約24時間、約2~約12時間、約3~約8時間、または約4~約6時間である。一部の実施形態では、用量は、1日に1、2、3または4回投与される。適切な投薬間隔は、選択された組成物が対象および/または標的組織中で化合物の濃度を維持することができる(例えば、EC50(輸送体の活性を90%阻害する化合物の最低濃度)を上回る)時間の長さの一部の度合いに依存することが当業者に理解されるであろう。理想的には、濃度は、投薬間隔の少なくとも100%の間、EC50を上回ったままである。これが達成可能ではない場合、濃度は、投与間隔の少なくとも約60%の間、EC50を上回ったままでなければならないか、または投与間隔の少なくとも約40%の間、EC50を上回ったままでなければならないことが望ましい。
使用の方法
本出願は、対象における赤血球増加症を予防または処置する方法であって、1種もしくは1種より多くのグリシン輸送体阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは1種より多くのグリシン輸送体阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。ある特定の実施形態では、グリシン輸送体阻害剤は、GlyT1阻害剤、例えば、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤である。例えば、本出願は、対象における赤血球増加症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、ビトペルチン
Figure 2024509265000110
もしくはその薬学的に許容される塩、またはビトペルチンのプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
一部分では、本開示は、対象における赤血球増加症を処置する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、対象における赤血球増加症の1つもしくは複数の合併症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、赤血球増加症は、原発性赤血球増加症(例えば、真性赤血球増加症)である。一部の実施形態では、赤血球増加症は、二次性赤血球増加症である。一部の実施形態では、赤血球増加症は、相対的赤血球増加症である。一部の実施形態では、赤血球増加症は、チュヴァシ赤血球増加症である。「対象」、「個体」または「患者」という用語は、本明細書全体を通して互換可能であり、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかを指す。これらの用語は、哺乳動物、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、実験動物、家畜動物(ウシ、ブタ、ラクダなどを含む)、コンパニオン動物(例えば、イヌ、ネコ、他の飼育動物など)およびげっ歯動物(例えば、マウスおよびラット)を含む。特定の実施形態では、患者、対象または個体は、ヒトである。
本出願は、対象における赤血球増加症(例えば、真性赤血球増加症)を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、1種または1種より多くのグリシン輸送体阻害剤は、1種または1種より多くのGlyT1および/またはGlyT2阻害剤である。一部の実施形態では、1種または1種より多くのグリシン輸送体阻害剤は、1種または1種より多くのGlyT1阻害剤、例えば、本明細書に開示される1種または1種より多くのGlyT1阻害剤である。前述のある特定の実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。例えば、本出願は、対象における赤血球増加症(例えば、真性赤血球増加症)を予防、処置またはその進行速度および/または重症度を低減する方法であって、ビトペルチンもしくはその薬学的に許容される塩、またはビトペルチンのプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法を提供する。
本出願は、対象における赤血球増加症の処置のための製剤の製造における、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩の使用をさらに提供する。一部の実施形態では、1種または複数のグリシン輸送体阻害剤は、1種または複数のGlyT1および/またはGlyT2阻害剤である。一部の実施形態では、1種または複数のグリシン輸送体阻害剤は、1種または複数のGlyT1阻害剤、例えば、本明細書に開示される1種または複数のGlyT1阻害剤である。ある特定のそのような実施形態では、GlyT1阻害剤は、ビトペルチンもしくはその薬学的に許容される塩、またはビトペルチンのプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である。前述のある特定の実施形態では、製剤は、治療有効量で投与される。
赤血球増加症
赤血球増加症または多血症は、多くの場合に、過粘稠、および血栓症のリスクの増加をもたらす、異常に高いレベルの赤血球によって特徴付けられる疾患である。赤血球における増加は、赤血球量における増加(「絶対的赤血球増加症」)または血漿の体積における減少(「相対的赤血球増加症」)に起因し得る。絶対的赤血球増加症は、体液喪失または摂取の減少に続発する相対的赤血球増加症から識別することができるが、それは、絶対的赤血球増加症は総血液体積の増加を生じるが、相対的赤血球増加症は生じないからである。赤血球増加症の2つの基本的なカテゴリーが典型的には認識される:赤色細胞前駆物質に固有の因子に起因し、真性赤血球増加症および純粋多血症の診断が含まれる原発性赤血球増加症、ならびに赤色細胞前駆物質にとって外部の因子によって引き起こされる二次性赤血球増加症。
原発性赤血球増加症
原発性赤血球増加症は、例えば、真性赤血球増加症および純粋多血症が挙げられる種々の骨髄増殖症候群を指す。真性赤血球増加症は、著しい遺伝子構成成分を有する。例えば、チロシンキナーゼJAK2における活性化変異(JAK2V617F)は、成人におけるほとんどの原発性症例の原因となる。JAK2におけるいくつかの他の変異もまた記載されている(例えば、エクソン12、JAK2H538-K539delinsI)。これらおよびおそらくは他のJAK2変異は、EPO受容体を介してEPOに対する過敏性を引き起こすと考えられる。家族内集積は、遺伝的素因を示唆する。また、真性赤血球増加症のクローン性は、十分に確立されている。研究は、EPO、IL-3、SCF、GM-CSFおよびインスリン様成長因子(IGF)-1が挙げられる成長因子に対する骨髄性前駆細胞の過敏性もまた示唆しているが、他の研究は、プログラム細胞死における欠損を示している。純粋多血症としては、任意の他の促進因子の非存在下で、単離された上昇したRBC量を有する患者が挙げられる。
原発性家族性赤血球増加症は、EPOに対する赤血球系前駆物質の過敏性によって引き起こされる。いくつかの変異(およそ14)が、EPO受容体遺伝子(EPOR)において同定されている。同定されたEPOR変異のほとんどは、受容体のc末端細胞質受容体ドメインの短縮を引き起こす。これらの短縮された受容体は、ネガティブフィードバック調節の欠如に起因して、循環EPOに対する感受性が高まっている。
ある特定の態様では、本開示は、対象における赤血球増加症を処置する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、赤血球増加症は、原発性赤血球増加症である。一部の実施形態では、原発性赤血球増加症は、真性赤血球増加症である。一部の実施形態では、原発性赤血球増加症は、純粋多血症である。一部の実施形態では、原発性赤血球増加症は、原発性家族性赤血球増加症である。そのため、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、原発性赤血球増加症、例えば、真性赤血球増加症、純粋多血症もしくは原発性家族性赤血球増加症を処置、またはそのリスクを低減する際に使用され得る。
ある特定の態様では、本開示は、対象における赤血球増加症の1つもしくは複数の合併症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、赤血球増加症の1つまたは複数の合併症は、肺塞栓症、一過性虚血性発作、一過性視覚欠損、深部静脈血栓症、脾腫、肝腫、骨髄線維症および急性骨髄性白血病からなる群から選択される。一部の実施形態では、骨髄線維症は、低リスク骨髄線維症、中等度リスク骨髄線維症、高リスク骨髄線維症、原発性骨髄線維症、本態性血小板血症後の骨髄線維症および真性赤血球増加症後の骨髄線維症からなる群から選択される。
ある特定の態様では、本開示は、対象における赤血球増加症に関連する脾腫を処置する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、対象は、脾臓サイズの増加(例えば、脾腫)を有する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、赤血球増加症を有する対象における脾腫を低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも15%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも20%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも25%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも30%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも35%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも40%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも45%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも50%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも55%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも60%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも65%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも70%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも75%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも80%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも85%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも90%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも95%低減する。一部の実施形態では、方法は、対象の脾臓サイズを少なくとも100%低減する。
ある特定の態様では、本開示は、対象におけるJanusキナーゼ2(JAK2)変異に関連する赤血球増加症を処置する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、JAK2における変異は、JAK2 V617Fエクソン14変異である。一部の実施形態では、JAK2における変異は、JAK2エクソン12変異である。一部の実施形態では、JAK2における変異は、機能獲得型変異である。一部の実施形態では、対象のJAK2酵素活性は、増加する。
ある特定の態様では、本開示は、対象における遺伝子変異に関連する赤血球増加症を処置する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、対象は、Tetメチルシトシンジオキシゲナーゼ2(TET2)または核因子赤血球系(Nuclear Factor Erythroid)2(NFE2)における変異を有する。一部の実施形態では、対象は、VHL、EPO、EPOR、ELG1、EPAS1、HIF2AおよびBPGMからなる群から選択される遺伝子における変異を有する。一部の実施形態では、対象は、ヘモグロビンB(HBB)およびヘモグロビンA(HBA)からなる群から選択される高酸素親和性バリアントを有する。
二次性赤血球増加症
二次性赤血球増加症は、肺疾患、心臓疾患、高度の増加(高度における各1000mの増加につき、4%のヘモグロビン増加)、先天性メトヘモグロビン血症、およびEPO産生の増加を刺激する他の高酸素親和性ヘモグロビン異常症によって誘導される機能的低酸素症から生じ得る。二次性赤血球増加症は、良性および悪性EPO分泌病変に続発するEPO産生の増加からも生じ得る。二次性赤血球増加症はまた、良性家族性赤血球増加症であり得る。一部の実施形態では、二次性赤血球増加症は、遺伝子異常に起因する。例えば、風土性のロシア人集団において最初に認識された先天性赤血球増加症であるチュヴァシ赤血球増加症は、フォンヒッペル・リンダウ(VHL)遺伝子における変異を有し、これは、EPO合成の混乱した酸素依存的調節に関連する。新生児の二次性赤血球増加症は、かなり一般的であり、慢性もしくは急性胎児低酸素症または遅延臍帯結紮および臍帯の除去のいずれかから生じ得る。原発性赤血球増加症と同様、二次性赤血球増加症は、特に虚血事象が挙げられる多くの合併症に関連する。したがって、GlyT1阻害剤は、原発性赤血球増加症、例えば、真性赤血球増加症、もしくは二次性赤血球増加症を処置、またはそのリスクを低減する際に使用され得る。
ある特定の態様では、本開示は、対象における二次性赤血球増加症を処置する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、二次性赤血球増加症が、低酸素症、中枢低酸素プロセス、肺疾患、右から左心肺血管短絡(先天性または後天性)、心臓疾患、心不全、一酸化炭素中毒、喫煙者の多血症、高高度居住環境、腎疾患、腎臓移植、高酸素親和性を有するヘモグロビン異常症、赤血球2,3,-DPGの減少したレベル、ビスホスホグリセリン酸ムターゼ欠損症、メトヘモグロビン血症、遺伝性ATP増加、酸素感知経路遺伝子変異、腫瘍、薬物誘発二次性赤血球増加症、副腎皮質分泌過多および特発性赤血球増加症からなる群から選択される障害に関連する。一部の実施形態では、患者は、エリスロポエチン(EPO)レベルの上昇を有する。通常は慢性低酸素血症に対する二次性の応答としての、EPOレベルの上昇は、多くの場合、二次性赤血球増加症をもたらす。一部の実施形態では、患者におけるEPOレベルの上昇は、慢性低酸素血症に応答したものである。一部の実施形態では、二次性赤血球増加症は、関連する慢性低酸素血症である。
一部の実施形態では、二次性赤血球増加症は、肺疾患に関連する。一部の実施形態では、肺疾患が、慢性肺疾患、間質性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ピックウィック症候群、肺気腫、肺線維症、睡眠時無呼吸、低換気症候群および肥満低換気症候群からなる群から選択される。一部の実施形態では、肺疾患に関連する二次性赤血球増加症は、機能的低酸素症の結果として生じる。一部の実施形態では、肺疾患に関連する二次性赤血球増加症は、慢性低酸素血症の結果として生じる。一部の実施形態では、二次性赤血球増加症は、心臓疾患に関連する。一部の実施形態では、心臓疾患は、チアノーゼ性心臓疾患および先天性心臓疾患からなる群から選択される。一部の実施形態では、二次性赤血球増加症は、腎疾患に関連する。一部の実施形態では、腎疾患が、局部腎低酸素症、腎動脈狭窄症、嚢胞、多発性嚢胞腎臓疾患、水腎症、ネフローゼ症候群、びまん性実質疾患、バーター症候群、末期腎疾患、長期の血液透析および腎移植後の多血症からなる群から選択される。
一部の実施形態では、二次性赤血球増加症は、酸素感知経路遺伝子変異に関連する。一部の実施形態では、酸素感知経路遺伝子変異が、EpoR、VHL、HIF2AおよびPHD2からなる群から選択される。一部の実施形態では、二次性赤血球増加症は、腫瘍に関連する。一部の実施形態では、腫瘍が、エリスロポエチンまたはエリスロポエチン関連因子の過剰な産生を有する腫瘍である。一部の実施形態では、腫瘍が、腎細胞癌、腎腫瘍、肝細胞癌、褐色細胞腫、小脳血管芽細胞腫、子宮平滑筋腫、卵巣癌、髄膜腫、副甲状腺癌および副甲状腺腺腫からなる群から選択される。一部の実施形態では、二次性赤血球増加症は、薬物関連の二次性赤血球増加症である。一部の実施形態では、薬物関連の二次性赤血球増加症が、エリスロポエチン投与、アンドロゲン投与、タンパク質同化ステロイド投与、合成テストステロン投与、タンパク質注射、ゲンタマイシン投与およびメチルドパ投与からなる群から選択される。
一部の実施形態では、赤血球増加症が相対的赤血球増加症である。一部の実施形態では、相対的赤血球増加症が、ガイスベック症候群、偽性赤血球増加症またはストレス多血症からなる群から選択される。一部の実施形態では、赤血球増加症がチュヴァシ赤血球増加症である。
ある特定の一次の処置レジメンは、赤血球における望ましくない増加をもたらし得る。例えば、薬物ゲンタマイシンおよびメチルドパは、対象における赤血球の数の増加に関連付けられてきた。したがって、GlyT1阻害剤は、主に、あまりに多くの赤血球を産生するという所望されない効果を相殺するために、ゲンタマイシン、メチルドパ、もしくは赤血球の産生の増加をもたらす他の薬物のうち1種もしくは複数と併せて、またはそれと組み合わせて、使用され得る。ある特定の実施形態では、それらの望ましくない副作用を低減することによって、GlyT1阻害剤との併用療法は、より高い濃度のゲンタマイシン、メチルドパまたは関連薬物の使用を可能にし得る。
したがって、ある特定の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、赤血球生成を低減するため、およびまた、赤血球系前駆体、赤血球、またはそれら両方の形成を低減するために使用され得る。ある特定の実施形態では、赤血球生成または赤血球形成を低減する方法は、本明細書に記載されるように、赤血球カウントの増加、ヘモグロビンレベルの増加もしくは総赤血球体積の増加を有する、またはそれを有するリスクがある対象を処置するために使用され得る。
赤血球増加症のための治療
赤血球増加症を処置するためのこれまでに十分確立された既存の方法としては、定期的に予定される静脈切開(瀉血)を使用する処置が挙げられる。最初に診断されると、RBCレベルが正常範囲内(例えば、45%未満のヘマトクリット)になるまで、静脈切開は、通常、かなり頻繁、例えば、1週間に複数回の予定であり、その後、静脈切開は、患者のRBC形成速度に依存して、月に1回、または隔月に予定される。静脈切開は、骨髄におけるRBCの産生を抑制しないので、各静脈切開の効果は、患者が鉄欠乏になるまで、一過性である。
赤血球増加症を処置するための別のアプローチは、身体からの鉄の除去を増加させることによって血清中の利用可能な鉄の量を低減することによってRBC形成を低減することを試みる。鉄は、ほとんどすべての生物にとって重要な微量元素であり、特に、血液の成長および合成に関連する。鉄代謝のバランスは、この場合には、老化した赤血球のヘモグロビンからの鉄回収および食事中の鉄の十二指腸吸収のレベルで主に調節される。遊離鉄は、腸を介して、特に、特異的輸送系(DMT-1、フェロポルチン)を介して取り込まれ、血液循環中に移行され、それにより、適切な組織および臓器に運搬される(トランスフェリン、トランスフェリン受容体)。
ヒトの身体では、元素鉄は、とりわけ、酸素輸送、酸素取込み、細胞機能、例えば、ミトコンドリア電子伝達、認知機能などのために、最終的にはエネルギー代謝全体のために、非常に重要である。
鉄の取込みおよび貯蔵は、ヘプシジンによって調節される。ヘプシジンは、肝臓において産生され、腸での鉄取込みを制御するマスター鉄調節ホルモンとして機能し、また、他の臓器における鉄貯蔵を調節する。ヘプシジンは、鉄輸送分子フェロポルチンに結合し、その分解を引き起こすことによって、鉄取込みを制限する。ヘプシジン欠乏は、鉄過負荷を有する患者において頻繁に見出される病原性の特徴である。
患者における鉄レベルを減少させるための1つの方法は、ヘプシジンアゴニスト、例えば、ヘプシジン模倣物を使用する。動物モデルにおいて、高用量のヘプシジン模倣物が、赤血球生成を減少させることによって、ある特定の赤血球増加症、例えば、真性赤血球増加症を回復させることができることが示されている。しかし、ヘプシジンアゴニストの過剰投与は、真性赤血球増加症と同様、RBCの最適ではない産生の潜在的な悪化と共に、腸での鉄取込みおよびマクロファージ鉄リサイクルの抑制を引き起こし得る。加えて、ヘプシジンは、込み入った製造を要求するその複雑な構造、およびまたその限定的なin vivo作用持続時間に起因して、薬物としてのその使用が制限されている。
患者における鉄レベルを減少させる別の方法は、キレート剤の使用を含む。例えば、細菌シデロフォアであるデフェロキサミン(Desferal(登録商標)としても公知)は、キレート化療法において使用される確立された薬物である。デフェロキサミンは、キレーターとして血流中の鉄に結合し、尿および糞を介したその排除を増強する。鉄過負荷の発生を生じる、定期的な輸血を受けている患者における使用のためにライセンスが与えられた2種の追加の薬物が、デフェラシロクスおよびデフェリプロンである。キレート化療法を使用して鉄レベルを減少させる処置における不都合な点は、鉄キレート化療法が、毒性ポテンシャルを示すことが公知であることである。
本開示のある特定の実施形態は、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤を、投与することを必要とする対象に投与する方法であって、対象が赤血球増加症を有する、方法に関する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、対象の鉄レベルを維持しつつ、赤血球増加症を処置する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、対象の貯蔵された鉄レベルを増加させつつ、赤血球増加症を処置する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、鉄欠乏の発生率を減少させつつ、赤血球増加症を処置する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、対象の鉄レベルを維持しつつ、赤血球合成を低減する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、対象の貯蔵された鉄レベルを増加させつつ、赤血球合成を低減する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、鉄欠乏の発生率を減少させつつ、赤血球合成を低減する。
本開示のある特定の実施形態は、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤を、投与することを必要とする対象に投与する方法であって、対象が、赤血球増加症に関連する鉄欠乏を有する、方法に関する。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも15%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも20%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも25%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも30%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも35%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも40%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも45%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも50%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも55%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも60%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも65%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも70%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも75%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも80%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも85%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも90%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも95%減少させる。一部の実施形態では、方法は、鉄欠乏の発生率を少なくとも100%減少させる。
一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏をさらに改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも15%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも20%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも25%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも30%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも35%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも40%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも45%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも50%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも55%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも60%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも65%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも70%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも75%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも80%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも85%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも90%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも95%改善する。一部の実施形態では、方法は、対象における鉄欠乏を少なくとも100%改善する。
赤血球生成
赤血球生成は、赤血球(red blood cell)(赤血球(erythrocyte))がHSCから産生されるプロセスを一般に指し、赤血球系前駆細胞の形成を含む。赤血球生成は、注意深く順序付けられた一連の事象である。胎児肝細胞において最初に生じて、このプロセスは、小児および成人では骨髄によって引き継がれる。複数のサイトカインおよび成長因子が赤血球の増殖に割り当てられるが、主要な調節因子は、エリスロポエチン(EPO)である。赤血球発生は、最初、造血幹細胞を赤血球系前駆体へと発生するように専念させる幹細胞因子(SCF)によって調節される。引き続いて、EPOは、これらの前駆体の発生および終末分化を刺激し続ける。胎児では、EPOは、肝臓において見出される単球およびマクロファージによって産生される。誕生後、EPOは、腎臓において産生される;しかし、EpoメッセンジャーRNA(mRNA)およびEPOタンパク質は、脳および赤血球(RBC)においても見出され、これは、傍分泌および自己分泌機能の存在を示唆している。
赤血球生成は、EPO遺伝子の発現の増加がより高いレベルの循環EPOを産生する場合に、段階的に増大する。EPO遺伝子発現は、低酸素血症、遷移金属(Co2+、Ni2+、Mn2+)および鉄キレーターが挙げられる複数の因子によって影響を受けることが公知である。しかし、主要な影響は、酸素圧の減少、赤血球喪失、およびヘモグロビンの酸素親和性の増加という因子を含む、低酸素症である。例えば、EPO産生は、重症低酸素症では、1000倍も増加し得る。
赤血球生成は、ヘムの適切な生合成を要求し、赤芽球が成熟するにつれて、ヘムおよび鉄に対するそれらの需要は劇的に増加する。赤血球系細胞は、たくさんの鉄を細胞中に同時に吸収しながら、大量のヘムおよびヘモグロビンを合成する。グリシンは、ヘムおよびグロビン合成のための重要な初期基質の1つである。そのため、GlyT1阻害に起因するグリシンのレベルの低減は、ヘム合成における減少をもたらし得る。ある特定の態様では、本開示は、赤血球増加症を有する対象におけるヘム合成を阻害する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、ヘム合成は、用量依存的様式で阻害される。
一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、赤血球合成(赤血球生成としても公知)を低減し、赤血球の増加に関連する状態を処置するために使用され得る。一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、ヘムの形成を低減することによって、赤血球合成をモジュレートし得る。一部の実施形態では、本開示は、赤血球増加症を有する対象における赤血球合成を阻害する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、赤血球合成は、用量依存的様式で阻害される。一部の実施形態では、本開示は、赤血球増加症を有する対象における赤血球カウントを減少させる方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、赤血球カウントは、用量依存的様式で減少される。一部の実施形態では、単に非限定的な例として、GlyT1阻害剤は、所望の場合、赤血球カウント(red blood count)を低減するために、対象に直接投与され得る。これに関して、正常赤血球カウントは、典型的には、男性では1μl当たり約470万~約610万個の赤血球、女性では1μl当たり約420万~約540万個の赤血球の範囲である。高い赤血球カウントは、一般に、男性については血液1μl当たり約530万個よりも多くの赤血球、女性については血液1μl当たり約510万個よりも多くの赤血球として定義される。小児では、高い赤血球カウントのための閾値は、年齢および性別で変動する。赤血球カウントは、赤血球によって占有される血液体積の割合またはパーセンテージである、個人のヘマトクリット(即ち、血中血球容積(PCV)または赤血球体積分率(EVF))によっても反映され得る。正常ヘマトクリットは通常、男性については約49%、女性については約48%である。より高いヘマトクリット値は、より大きい数の赤血球を示す。重症の症例では、高い赤血球カウントは、他の問題の中でも、循環を損ない得、異常な凝固をもたらし得る。
一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、赤血球増加症を有する対象におけるヘモグロビン合成を低減し、赤血球の増加に関連する状態を処置するために使用され得る。一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、ヘムの形成を低減することによって、ヘモグロビン合成をモジュレートし得る。一部の実施形態では、本開示は、赤血球増加症を有する対象におけるヘモグロビン合成を阻害する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、ヘモグロビン合成は、用量依存的様式で阻害される。
赤血球カウントおよびヘマトクリット
本開示のある特定の実施形態は、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤を、投与することを必要とする対象に投与する方法であって、対象が、赤血球カウントの増加(例えば、多くの場合、臨床的または統計的に有意な量で、男性については血液1μl当たり約530万個よりも多くの赤血球、女性については血液1μl当たり約510万個よりも多くの赤血球)またはヘマトクリットの増加(例えば、多くの場合、臨床的または統計的に有意な量で、男性については約49%よりも高い、女性については約48%よりも高い)を有する、方法に関する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも48%であるヘマトクリットレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、少なくとも49%であるヘマトクリットレベルを有する。
一部の実施形態では、対象のヘマトクリットレベルは、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘマトクリットレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高い。一部の実施形態では、対象のヘマトクリットレベルは、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘマトクリットレベルよりも少なくとも10%高い。一部の実施形態では、対象のヘマトクリットレベルは、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘマトクリットレベルよりも少なくとも20%高い。一部の実施形態では、対象のヘマトクリットレベルは、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘマトクリットレベルよりも少なくとも30%高い。一部の実施形態では、対象のヘマトクリットレベルは、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘマトクリットレベルよりも少なくとも40%高い。一部の実施形態では、対象のヘマトクリットレベルは、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘマトクリットレベルよりも少なくとも50%高い。
一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球カウントよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高い赤血球カウントを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球カウントよりも少なくとも10%高い赤血球カウントを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球カウントよりも少なくとも20%高い赤血球カウントを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球カウントよりも少なくとも30%高い赤血球カウントを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球カウントよりも少なくとも40%高い赤血球カウントを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球カウントよりも少なくとも50%高い赤血球カウントを有する。一部の実施形態では、対象は、5.1×1012/Lよりも高い赤血球カウントを有する。一部の実施形態では、対象は、5.3×1012/Lよりも高い赤血球カウントを有する。
ある特定の実施形態では、そのような対象へのGlyT1阻害剤(例えば、ビトペルチン)の投与は、対象の赤血球カウントまたはヘマトクリットを低減する。正常赤血球カウントもしくはヘマトクリットよりも高い赤血球カウントもしくはヘマトクリットを有する対象、またはそのような状態を発生するリスクがある対象が挙げられる、対象における赤血球を低減する方法、および対象におけるヘマトクリットを低減する方法であって、本開示のGlyT1阻害剤(例えば、ビトペルチン)を対象に投与し、それにより、対象における赤血球カウントもしくはヘマトクリットを低減することを含む、方法もまた含まれる。
一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも15%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも20%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも25%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも30%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも35%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも40%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも45%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも50%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも55%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも60%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも65%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも70%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも75%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも80%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも85%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも90%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも95%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球レベルを少なくとも100%減少させる。
一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも15%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも20%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも25%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも30%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも35%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも40%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも45%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも50%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも55%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも60%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも65%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも70%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも75%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも80%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも85%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも90%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも95%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを少なくとも100%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘマトクリットレベルを48%未満まで減少させる。
対象の赤血球カウントまたはヘマトクリットを増加させる、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤によって改善または処置され得る多くの一般的な疾患または状態が存在する。1つの一般的な例示的な例として、高い赤血球カウントは、主に、不十分な心臓または肺機能によって引き起こされ得る低い酸素レベルを補償するために、赤血球産生における増加から生じ得る。また、高い赤血球カウントは、体積に関して比較的高いレベルの赤血球を作り出し得る、腎臓からのエリスロポエチン(EPO)の放出の増加(EPOは、赤血球産生を増強する)、骨髄による多すぎる赤血球の産生、赤血球の酸素運搬能力の障害(過剰産生をもたらす)、より高い高度での限定的な酸素供給に対する補償、および血漿(即ち、血液の液体構成成分)の喪失から生じ得る。
高い赤血球カウントに関連する状態のさらなる例としては、限定なしに、高高度での生活、喫煙、先天性心臓疾患、心臓の右側の不全(即ち、肺性心)、肺組織の瘢痕化および肥厚(即ち、肺線維症)、骨髄障害(例えば、真性赤血球増加症)、例えば重症の下痢または過剰な発汗からの脱水症、腎臓疾患/がん、一酸化炭素への曝露、タンパク質同化ステロイド使用、COPDまたは他の肺疾患、例えば、肺線維症、ならびに主に運動能力を増強するためのEPOドーピングが挙げられる。したがって、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、高い赤血球カウントもしくは体積を処置、またはそれを発生するリスクを低減するために使用され得るが、それは、これが、当技術分野で公知のこれらまたは任意の他の状態に関連するからである。
したがって、ある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、赤血球生成を低減するため、およびまた赤血球の形成を低減するために使用され得る。ある特定の実施形態では、赤血球生成または赤血球形成を低減する方法は、本明細書に記載され、当技術分野で公知のように、赤血球カウントの増加、ヘモグロビンレベルの増加もしくは総赤血球体積の増加を有する、またはそれを有するリスクがある対象を処置するために使用され得る。
赤血球量およびヘモグロビン
ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤を、投与することを必要とする対象に投与する方法であって、対象が、赤血球量の増加(例えば、多くの場合、臨床的または統計的に有意な量で、平均正常予測値を25%よりも大きく上回る)またはヘモグロビンレベルの増加(例えば、多くの場合、臨床的または統計的に有意な量で、男性については約16.5g/dLよりも高い、または女性については約16.0g/dLよりも高い)を有する、方法に関する。
一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球量レベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高い赤血球量レベルを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球量レベルよりも少なくとも10%高い赤血球量レベルを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球量レベルよりも少なくとも20%高い赤血球量レベルを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球量レベルよりも少なくとも30%高い赤血球量レベルを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球量レベルよりも少なくとも40%高い赤血球量レベルを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球量レベルよりも少なくとも50%高い赤血球量レベルを有する。一部の実施形態では、対象は、平均正常予測値を少なくとも25%超える赤血球量レベルを有する。
一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘモグロビンレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%または60%高いヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘモグロビンレベルよりも少なくとも10%高いヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘモグロビンレベルよりも少なくとも20%高いヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘモグロビンレベルよりも少なくとも30%高いヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘモグロビンレベルよりも少なくとも40%高いヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘモグロビンレベルよりも少なくとも50%高いヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘモグロビンレベルよりも少なくとも60%高いヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、16.0g/dLよりも高いヘモグロビンレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、16.5g/dLよりも高いヘモグロビンレベルを有する。
ある特定の実施形態では、そのような対象へのGlyT1阻害剤(例えば、ビトペルチン)の投与は、対象の赤血球量またはヘモグロビンレベルを低減する。正常赤血球量もしくはヘモグロビンレベルよりも高い赤血球量もしくはヘモグロビンレベルを有する対象、またはそのような状態を発生するリスクがある対象が挙げられる、対象における赤血球量を低減する方法、および対象におけるヘモグロビンレベルを低減する方法であって、本開示のGlyT1阻害剤(例えば、ビトペルチン)を対象に投与し、それにより、対象における赤血球量またはヘモグロビンレベルを低減することを含む、方法もまた含まれる。
一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも15%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも20%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも25%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも30%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも35%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも40%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも45%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも50%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも55%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも60%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも65%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも70%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも75%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも80%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも85%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも90%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも95%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球量を少なくとも100%減少させる。
一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも15%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも20%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも25%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも30%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも35%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも40%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも45%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも50%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも55%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも60%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも65%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも70%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも75%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも80%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも85%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも90%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも95%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを少なくとも100%減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを16g/dL未満に減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象のヘモグロビンレベルを16.5g/dL未満に減少させる。
赤血球増加症の合併症
ある特定の態様では、本開示は、対象における赤血球増加症の1つもしくは複数の合併症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)もしくはその薬学的に許容される塩、または1種もしくは複数のグリシン輸送体阻害剤(例えば、GlyT1阻害剤)のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、赤血球増加症の1つまたは複数の合併症は、血栓塞栓性事象である。一部の実施形態では、方法は、血栓塞栓性事象のリスクを低減する。一部の実施形態では、血栓塞栓性事象は、動脈血栓症である。一部の実施形態では、血栓塞栓性事象は、静脈血栓症である。一部の実施形態では、赤血球増加症の1つまたは複数の合併症は、霧視である。一部の実施形態では、方法は、霧視のリスクを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減する。一部の実施形態では、赤血球増加症の1つまたは複数の合併症は、頭痛である。一部の実施形態では、方法は、頭痛のリスクを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減する。
一部の実施形態では、赤血球増加症の1つまたは複数の合併症は、肺塞栓症、一過性虚血性発作、一過性視覚欠損、深部静脈血栓症、脾腫、肝腫、骨髄線維症および急性骨髄性白血病からなる群から選択される。一部の実施形態では、骨髄線維症は、低リスク骨髄線維症、中等度リスク骨髄線維症、高リスク骨髄線維症、原発性骨髄線維症、本態性血小板血症後の骨髄線維症および真性赤血球増加症後の骨髄線維症からなる群から選択される。
併用療法
ある特定の実施形態は、他の赤血球増加症ベースの治療剤または処置モダリティと組み合わせた本明細書に開示される1種または複数のGlyT1阻害剤の投与を含む、赤血球増加症を処置するための併用療法を含み得る。併用療法の例としては、限定なしに、ヒドロキシウレア(Hydroxyruea)(例えば、Droxia(登録商標)、Hydrea(登録商標))、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ-2b(例えば、Intron(登録商標)A)、ルキソリチニブ(例えば、Jakafi(登録商標))、ブスルファン(例えば、Busulfex(登録商標)、Myleran(登録商標))、放射線処置、ヘプシジン模倣物(例えば、PTG-300)、マトリプターゼ-2阻害剤、フェロポルチン阻害剤、JAK阻害剤、BET阻害剤、MDM2阻害剤およびHDAC阻害剤からなる群から選択される任意の1種または複数の追加の活性薬剤および/または支持療法が含まれた。
高リスク真性赤血球増加症患者のための一般的な治療としては、ヒドロキシウレアまたはインターフェロンが挙げられる。ヒドロキシウレアは、数十年にわたって使用され得る化学療法剤であるが、一部の研究は、それが、PVが急性骨髄性白血病へと転換するリスクを増加させ得ることを示唆している。加えて、多くの患者は、ヒドロキシウレアに対して良好に応答しないかまたはヒドロキシウレアに不耐性であり(粘膜皮膚潰瘍が主要な毒性である)、異なる治療を要求する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、ヒドロキシウレアに対する不適切な応答を有する対象またはヒドロキシウレアに対して不耐性である対象を処置する際に有用である。一部の実施形態では、対象は、ヒドロキシウレアに対する不適切な応答を有する。一部の実施形態では、対象は、ヒドロキシウレアに対して不耐性である。
赤血球増加症を処置するための別の十分に確立された方法としては、定期的に予定される静脈切開(瀉血)を使用する処置が挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に開示されるGlyT1阻害剤は、治療的静脈切開を要求する赤血球増加症を有する対象を処置する際に有用である。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも15%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも20%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも25%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも30%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも35%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも40%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも45%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも50%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも55%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも60%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも65%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも70%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも75%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも80%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも85%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも90%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも95%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を少なくとも100%低減する。一部の実施形態では、方法は、治療的静脈切開についての患者の必要性を排除する。
クオリティオブライフ
ある特定の態様では、本開示は、赤血球増加症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する(例えば、赤血球増加症の1つもしくは複数の合併症を処置、予防、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する)方法であって、有効量のGlyT1阻害剤(例えば、ビトペルチン)を、投与することを必要とする患者に投与することを含み、患者のクオリティオブライフを少なくとも1%(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%)増加させる、方法に関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも1%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも2%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも3%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも4%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも5%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも10%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも15%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも20%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも25%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも30%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも35%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも40%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも45%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも50%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも55%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも60%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも65%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも70%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも75%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも80%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも85%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも90%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも95%増加させることに関する。一部の実施形態では、方法は、患者のクオリティオブライフを少なくとも100%増加させることに関する。
一部の実施形態では、患者のクオリティオブライフは、European Organisation for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire-Core 30(EORTC QLQ-C30)を使用して測定される。一部の実施形態では、患者のクオリティオブライフは、Myeloproliferative Neoplasm Symptom Assessment Form(MPN-SAF)を使用して測定される。一部の実施形態では、患者のクオリティオブライフは、Pruritus Symptom Impact Scale(PSIS)を使用して測定される。一部の実施形態では、患者のクオリティオブライフは、Patient Global Impression of Change(PGIC)を使用して測定される。
例示
本発明はここまで一般に記載されてきたが、本発明のある特定の実施形態の例示のみを目的として含まれ、本発明を限定することを意図しない以下の実施例を参照して、より容易に理解される。
(実施例1)
化合物の合成
本明細書に開示される化合物は、周知の手順に従って、当技術分野において公知および開示のプロセスによって作製することができる。例えば、式Iの化合物、例えば、ビトペルチンは、米国特許第7,319,099号、同第9,877,963号および同第7,812,161号に提供される合成プロトコールに従って調製することができ、それらの内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。加えて、式IIの化合物、例えば、PF-3463275は、米国特許第8,124,639号に提供される合成プロトコールに従って調製することができ、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(実施例2)
エリスロポエチン(EPO)誘発二次性多血症マウスモデルにおけるGlyT1阻害剤の効果
EPO誘発二次性多血症モデルを使用して、真性赤血球増加症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する際のGlyT1阻害剤のin vivo薬力学的効果を評価した。エリスロポエチン(EPO)は、赤血球の産生を刺激し、50IUでの7日間にわたる毎日の投与後に、マウスにおいてヘマトクリットの増加を生じる。したがって、EPOモデルは、JAK2変異が多血症を駆動する真性赤血球増加症の血液学的パラメーターを模倣する。簡潔に述べると、30mg/kgのGlyT1阻害剤ビトペルチンまたはビヒクル対照を、野生型C57BL/6Jマウス(1群当たり10匹のマウス)に、1日目から15日目まで、毎日1回経口投与した。50IUのEPOを、8日目から14日目まで、腹腔内経路によって毎日投与して、真性赤血球増加症の病理学的プロセスと似た多血症を誘発した(図1A)。血液試料を、Sysmex XN-1000TM血液学分析器を使用するCBCパネル分析のために、8日目の最初のEPO投与前に、および15日目のGlyT1阻害剤の最後の投与の6時間後に、顎下から収集した。薬物濃度の生物分析を、最後の投与の6時間後に収集した血漿において実施した。すべてのマウスを計量し、人道的に安楽死させた。脾臓を計量し、脾臓インデックスを、脾臓の重量を全体重で除算することを介して計算した。
14日間の処置にわたって、GlyT1阻害剤処置による大幅な体重変化は観察されなかった(図1B)。最後の投与の6時間後の平均血漿薬物濃度は、30mg/kgのGlyT1阻害剤を投与したマウスにおいて、639±38ng/mLであった(図1C)。
脾臓インデックスは、正常マウスにおける0.39%から、EPOおよびビヒクルを投与したマウスにおける1.56%まで増加した。30mg/kgのGlyT1阻害剤の処置は、脾臓インデックスを1.26%に低減した(図1D)。一貫して、GlyT1阻害剤の処置は、ヘマトクリット(HCT%)、RBCカウントおよびヘモグロビンレベルを低減し(図1E;図1F;および図1G)、これは、GlyT1を阻害することが、真性赤血球増加症を処置するための潜在的な治療アプローチであることを示唆している。
(実施例3)
ダルベポエチン-アルファ(DPO)誘発二次性多血症マウスモデルにおけるGlyT1阻害剤の効果
ダルベポエチン-アルファ(DPO)は、EPOの長期持続性のアナログである。真性赤血球増加症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する際のGlyT1阻害剤のin vivo薬力学的効果をより長い期間にわたって調査するために、DPOを使用して、赤血球の産生を刺激し、JAK2変異が多血症を駆動する真性赤血球増加症の血液学的特徴を模倣した。
簡潔に述べると、C57BL/6Jマウスに、DPOを2週間にわたって10μg/kg/週で皮下投与して、真性赤血球増加症の病理学的プロセスと似た多血症を誘発した(図2A)。30mg/kgもしくは60mg/kgのGlyT1阻害剤ビトペルチンまたはビヒクル対照を、野生型C57BL/6Jマウス(ビヒクル群および30mg/kg群については1群当たり10匹のマウス;60mg/kg群については15匹のマウス)に、7日目~15日目まで、毎日1回経口投与した。60mg/kg群には、7日目に20mg/kgで、8~9日目に40mg/kgで、10~11日目に50mg/kgで、12~15日目に60mg/kgで投与した。血液試料を、Sysmex XN-1000TM血液学分析器を使用するCBCパネル分析のために、0日目の最初のDPO投与の前に、7日目のGlyT1阻害剤の最初の投与の前に、および15日目のGlyT1阻害剤の投与の6時間後に、顎下から収集した。
8日間の処置持続時間にわたって、ビトペルチンによる大幅な体重変化は観察されなかった(図2B)。ビトペルチンは、ヘマトクリット(HCT%)、RBCカウントおよびヘモグロビンレベル(HGB)を、用量依存的様式で低減した(図2C、D、E)。網状赤血球ヘモグロビン(RET-He)および平均赤血球ヘモグロビン(MCH)の有意な低減が、GlyT1阻害剤の処置で観察され(図2F、G)、これは、ビトペルチン処置が、赤血球前駆物質におけるヘモグロビンレベルを低減したことを示唆している。処置は、平均赤血球容積(MCV)を僅かに低減した(図2H)。この研究により、DPO誘発二次性多血症モデルにおける、赤血球前駆物質におけるヘモグロビン、およびヘマトクリットを低減することにおけるビトペルチンの効果が確認され、これは、GlyT1の阻害が、真性赤血球増加症を処置するための潜在的な治療アプローチであり得ることを示唆している。
(実施例4)
Jak2V617F骨髄移植マウスモデルにおけるGlyT1阻害剤の効果
GlyT1阻害剤の効果を、骨髄細胞中にJak2-V617F変異を含む真性赤血球増加症マウスモデルにおいて試験して、真性赤血球増加症の処置について、プラセボと比較したGlyT1阻害剤の効果を評価する。
Janusキナーゼ2の活性化変異(例えば、Jak2-V617F)は、すべての真性赤血球増加症患者のおよそ95%に存在する。増加したヘマトクリット、ヘモグロビン濃度、赤色細胞カウントおよび脾腫が、この疾患の際立った臨床的特徴である。
GlyT1阻害剤ビトペルチンを使用するグリシン取込みの阻害は、赤血球系細胞におけるヘム合成を制限し、赤血球系細胞拡大増殖および脾腫を阻害することによって、PV患者の疾患症状を軽減し得る。この研究は、PVの骨髄移植マウスモデルにおける疾患症状を低減することに関する、ビトペルチンの効果を評価する。
実験設計
4~8週齢の間の雄性BALB/cマウスが、実験に使用され得る。骨髄幹前駆体系列陰性のc-Kit陽性(本明細書で以後、LK細胞と呼ばれる)細胞を、BALB/cマウスから単離する。次いで、単離されたLK細胞を、同じレンチウイルス構築物からのGFP発現と一緒に、V617F変異を保有するJak2遺伝子(Jak2V617F)もしくは野生型Jak2(Jak2WT)をコードするレンチウイルスベクター、または空のベクター対照で形質導入する。およそ5×10または1×10個の形質導入されたLK細胞を、照射された(2線量の450ラド)BALB/cレシピエントマウス中に移植する(図3A)。Jak2V617F過剰発現骨髄細胞の、馴化した同系レシピエントマウス中への移植は、移植の15~18日後までに、末梢ヘマトクリット増加を伴うPV様疾患を忠実に再現する。
骨髄移植手順の3週間後、血液をレシピエントマウスから採取して使用し、末梢血中のGFP陽性細胞のパーセントによって決定される骨髄生着のレベルを決定する。マウスを、以下に概説するように、合計で10個の処置群に割り当てる。
Figure 2024509265000111
次の4週間の間に、処置群中のマウスは、ビヒクル、または30mg/kgもしくは60mg/kgのビトペルチンの毎日の経口投与を受ける。血液を、-1日目、2週目の最後、および4週目の最後に収集する。すべての群を、CBC分析(ヘマトクリット、ヘモグロビン、血清鉄、赤色細胞および血小板カウント)およびGFP発現を実施することによって、PV症状、および末梢血を介した生着のレベルについてモニタリングする。GFP発現は、フローサイトメトリーを使用して測定され得る。研究の最後に、マウスを人道的に安楽死させ、脾臓および骨髄病理学を分析する。すべての処置群からのコロニーアッセイにおける骨髄細胞の赤血球系コロニー産出を測定する(図3B)。ビトペルチンは、骨髄移植PVマウスモデルにおいて、投与の4週間後に、ヘマトクリットならびに他のPV症状、例えば、脾腫、RBCカウント、MCVおよびヘモグロビンを低減させると予測される。
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物および特許は、各個々の刊行物または特許が具体的かつ個々に参照により本明細書に組み込まれると示されるのと同様に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
主題の具体的な実施形態が考察されてきたが、上記明細書は、例示であり、限定ではない。多くのバリエーションが、本明細書および以下の特許請求の範囲の精査により、当業者に明らかになる。本発明の完全範囲は、等価物のその完全範囲と共に特許請求の範囲を参照して、また、そのようなバリエーションと共に本明細書を参照して、決定すべきである。

Claims (84)

  1. 対象における赤血球増加症を処置する方法であって、1種もしくは複数のグリシン輸送体1(GlyT1)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または前記1種もしくは複数のGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  2. 対象における赤血球増加症を予防、処置またはその進行速度および/または重症度を低減する方法であって、前記方法が、1種もしくは1種より多くのグリシン輸送体1(GlyT1)阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または前記1種もしくは1種より多くのGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその塩を含む医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  3. 対象における赤血球増加症の1つまたは1つより多くの合併症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、前記方法が、1種もしくは1種より多くのGlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または前記1種もしくは1種より多くのGlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  4. 前記赤血球増加症が原発性赤血球増加症である、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記原発性赤血球増加症が真性赤血球増加症である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記原発性赤血球増加症が純粋多血症である、請求項4に記載の方法。
  7. 前記原発性赤血球増加症が原発性家族性赤血球増加症である、請求項4に記載の方法。
  8. 前記赤血球増加症が二次性赤血球増加症である、請求項1または2に記載の方法。
  9. 前記二次性赤血球増加症が、低酸素症、中枢低酸素プロセス、肺疾患、右から左心肺血管短絡(先天性または後天性)、心臓疾患、心不全、一酸化炭素中毒、喫煙者の多血症、高高度居住環境、腎疾患、腎臓移植、高酸素親和性を有するヘモグロビン異常症、赤血球2,3,-DPGの減少したレベル、ビスホスホグリセリン酸ムターゼ欠損症、メトヘモグロビン血症、遺伝性ATP増加、酸素感知経路遺伝子変異、腫瘍、薬物誘発二次性赤血球増加症、副腎皮質分泌過多および特発性赤血球増加症からなる群から選択される障害に関連する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記肺疾患が、慢性肺疾患、間質性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ピックウィック症候群、肺気腫、肺線維症、睡眠時無呼吸、低換気症候群および肥満低換気症候群からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記心臓疾患が、チアノーゼ性心臓疾患および先天性心臓疾患からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  12. 前記腎疾患が、局部腎低酸素症、腎動脈狭窄症、嚢胞、多発性嚢胞腎臓疾患、水腎症、ネフローゼ症候群、びまん性実質疾患、バーター症候群、末期腎疾患、長期の血液透析および腎移植後の多血症からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  13. 前記酸素感知経路遺伝子変異が、EpoR、VHL、HIF2AおよびPHD2からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  14. 前記腫瘍が、エリスロポエチンまたはエリスロポエチン関連因子の過剰な産生を有する腫瘍である、請求項9に記載の方法。
  15. 前記腫瘍が、腎細胞癌、腎腫瘍、肝細胞癌、褐色細胞腫、小脳血管芽細胞腫、子宮平滑筋腫、卵巣癌、髄膜腫、副甲状腺癌および副甲状腺腺腫からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  16. 前記薬物関連の二次性赤血球増加症が、エリスロポエチン投与、アンドロゲン投与、タンパク質同化ステロイド投与、合成テストステロン投与、タンパク質注射、ゲンタマイシン投与およびメチルドパ投与からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  17. 前記赤血球増加症が相対的赤血球増加症である、請求項1または2に記載の方法。
  18. 前記相対的赤血球増加症が、ガイスベック症候群、偽性赤血球増加症またはストレス多血症からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記赤血球増加症がチュヴァシ赤血球増加症である、請求項1または2に記載の方法。
  20. 赤血球増加症の前記1つまたは複数の合併症が、肺塞栓症、一過性虚血性発作、一過性視覚欠損、深部静脈血栓症、脾腫、肝腫、骨髄線維症および急性骨髄性白血病からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  21. 前記骨髄線維症が、低リスク骨髄線維症、中等度リスク骨髄線維症、高リスク骨髄線維症、原発性骨髄線維症、本態性血小板血症後の骨髄線維症および真性赤血球増加症後の骨髄線維症からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 赤血球増加症を有する対象におけるヘム合成を阻害する方法であって、GlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または前記GlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法。
  23. 前記ヘム合成が、用量依存的様式で阻害される、請求項22に記載の方法。
  24. 赤血球増加症を有する対象におけるヘモグロビン合成を阻害する方法であって、GlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または前記GlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法。
  25. 前記ヘモグロビン合成が、用量依存的様式で阻害される、請求項24に記載の方法。
  26. 赤血球増加症を有する対象における赤血球合成を阻害する方法であって、GlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または前記GlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法。
  27. 前記赤血球合成が、用量依存的様式で阻害される、請求項26に記載の方法。
  28. 赤血球増加症を有する対象における赤血球カウントを減少させる方法であって、GlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または前記GlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法。
  29. 前記赤血球カウントが、用量依存的様式で減少される、請求項26に記載の方法。
  30. 前記対象が、前記GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘマトクリットレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いヘマトクリットレベルを有する、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記対象が、少なくとも48%であるヘマトクリットレベルを有する、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記対象が、少なくとも49%であるヘマトクリットレベルを有する、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記対象が、前記GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球量レベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高い赤血球量レベルを有する、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記対象が、平均正常予測値を少なくとも25%上回る赤血球量レベルを有する、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記対象が、前記GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象における赤血球カウントよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高い赤血球カウントを有する、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記対象が、5.1×1012/Lよりも高い赤血球カウントを有する、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記対象が、5.3×1012/Lよりも高い赤血球カウントを有する、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記対象が、前記GlyT1阻害剤の投与の前に健康な対象におけるヘモグロビンレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%または60%高いヘモグロビンレベルを有する、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記対象が、16.0g/dLよりも高いヘモグロビンレベルを有する、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記対象が、16.5g/dLよりも高いヘモグロビンレベルを有する、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記対象のヘマトクリットレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記対象のヘマトクリットレベルを48%未満に減少させる、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記対象の赤血球レベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記対象の赤血球量を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記対象のヘモグロビンレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記対象のヘモグロビンレベルを16g/dL未満に減少させる、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記対象の鉄レベルが維持される、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記対象の貯蔵された鉄レベルが増加される、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記対象における鉄欠乏の発生率を減少させる、請求項1~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 鉄欠乏の発生率を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項49に記載の方法。
  51. 前記対象における鉄欠乏を改善する、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記対象における鉄欠乏を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)改善する、請求項51に記載の方法。
  53. 前記対象が、脾臓サイズの増加を有する、請求項1~52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記対象の脾臓サイズを低減する、請求項1~53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記対象の脾臓サイズを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減する、請求項1~54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記対象が、Janusキナーゼ2(JAK2)における変異を有する、請求項1~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. JAK2における前記変異が、JAK2 V617Fエクソン14変異である、請求項56に記載の方法。
  58. JAK2における前記変異が、JAK2エクソン12変異である、請求項56に記載の方法。
  59. JAK2における前記変異が、機能獲得型変異である、請求項56に記載の方法。
  60. 前記対象のJAK2酵素活性が増加する、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記対象が、Tetメチルシトシンジオキシゲナーゼ2(TET2)または核因子赤血球系2(NFE2)における変異を有する、請求項1~60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記対象が、VHL、EPO、EPOR、ELG1、EPAS1、HIF2AおよびBPGMからなる群から選択される遺伝子における変異を有する、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記対象が、ヘモグロビンB(HBB)およびヘモグロビンA(HBA)からなる群から選択される高酸素親和性バリアントを有する、請求項1~62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記対象が、ヒドロキシウレアに対する不適切な応答を有する、請求項1~63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記対象が、ヒドロキシウレアに対して不耐性である、請求項1~64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 治療的静脈切開についての前記対象の必要性を低減する、請求項1~65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 治療的静脈切開についての前記対象の必要性を少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減する、請求項1~66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 治療的静脈切開についての前記対象の必要性を排除する、請求項1~67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記対象における血栓塞栓性事象のリスクを低減する、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 血栓塞栓性事象が動脈血栓症である、請求項69に記載の方法。
  71. 血栓塞栓性事象が静脈血栓症である、請求項69に記載の方法。
  72. 前記対象における霧視のリスクを低減する、請求項1~71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記対象における霧視のリスクを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減する、請求項72に記載の方法。
  74. 前記対象における頭痛のリスクを低減する、請求項1~73のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記対象における頭痛のリスクを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)低減する、請求項74に記載の方法。
  76. 前記対象のクオリティオブライフを増加させる、請求項1~75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記対象のクオリティオブライフを少なくとも1%(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%)増加させる、請求項1~76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 追加の活性薬剤および/または支持療法を前記対象に投与することをさらに含む、請求項1~77のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記追加の活性薬剤および/または支持療法が、ヒドロキシウレア(例えば、Droxia(登録商標)、Hydrea(登録商標))、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ-2b(例えば、Intron(登録商標)A)、ルキソリチニブ(例えば、Jakafi(登録商標))、ブスルファン(例えば、Busulfex(登録商標)、Myleran(登録商標))、放射線処置、ヘプシジン模倣物(例えば、PTG-300)、マトリプターゼ-2阻害剤、フェロポルチン阻害剤、JAK阻害剤、BET阻害剤、MDM2阻害剤およびHDAC阻害剤からなる群から選択される、請求項78に記載の方法。
  80. 前記GlyT1阻害剤が、
    Figure 2024509265000112
    [式中、
    Arは、非置換または置換のアリールまたは1、2もしくは3個の窒素原子を含有する6員ヘテロアリールであり、ここで、前記置換アリール基および前記置換ヘテロアリール基は、ヒドロキシ、ハロゲン、NO、CN、(C~C)-アルキル、ハロゲンによって置換された(C~C)-アルキル、ヒドロキシによって置換された(C~C)-アルキル、(CH)n-(C~C)-アルコキシ、ハロゲンによって置換された(C~C)-アルコキシ、NR、C(O)R、SO2R10および-C(CH)=NORからなる群から選択される1個もしくは1個より多くの置換基によって置換されているか、あるいは(C~C)-アルキルによって必要に応じて置換されているNおよびOから選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5員芳香族複素環によって置換されており;Rは、水素または(C~C)-アルキルであり;
    は、水素、(C~C)-アルキル、(C~C)-アルケニル、ハロゲンによって置換された(C~C)-アルキル、ヒドロキシによって置換された(C~C)-アルキル、(C~C)-アルコキシもしくはハロゲンによって必要に応じて置換された(CH2)n-(C~C)-シクロアルキル、CH(CH)-(C~C)-シクロアルキル、(CHn+1-C(O)-R、(CHn+1-CN、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、(CHn+1-O-(C~C)-アルキル、(CH-ヘテロシクロアルキル、(CH-アリールまたは(CH-5もしくは6員ヘテロアリールであって、酸素、硫黄もしくは窒素からなる群から選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含有する(CH-5もしくは6員ヘテロアリールであり、ここで、アリール、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールは、非置換であるか、またはヒドロキシ、ハロゲン、(C~C)-アルキルおよび(C~C)-アルコキシからなる群から選択される1個もしくは1個より多くの置換基によって置換されており;
    、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、(C~C)-アルキル、(C~C)-アルコキシまたはO-(C~C)-シクロアルキルであり;
    は、NO、CN、C(O)RまたはSO10であり;
    およびRは、それぞれ独立して、水素または(C1~C6)-アルキルであり;
    は、水素、(C~C)-アルキル、(C~C)-アルコキシまたはNRであり;
    10は、ハロゲンによって必要に応じて置換された(C~C)-アルキル、(CH-(C~C)-シクロアルキル、(CH-(C~C)-アルコキシ、(CH-ヘテロシクロアルキルまたはNRであり;nは、0、1または2である]
    の式を有する化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または前記化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である、請求項1~79のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記GlyT1阻害剤が、
    Figure 2024509265000113
    の式を有する化合物であるビトペルチンもしくはその薬学的に許容される塩、または前記化合物のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩である、請求項80に記載の方法。
  82. 前記医薬組成物が、薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項1~81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 前記対象が、それを必要とする対象である、請求項1~82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記GlyT1阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、または前記GlyT1阻害剤のプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩が、治療有効量で投与される、請求項1~83のいずれか一項に記載の方法。
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