JP2024066349A - 梅風味のコンニャク食品の製造方法 - Google Patents

梅風味のコンニャク食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低カロリーで且つ、長く噛む事で満足感が得られるコンニャク食品であって、トリメチルアミン臭が低減された、梅らしい赤色系の色を発色できる梅風味のコンニャク製品の製造方法を提供する【解決手段】コンニャク又はコンニャクを含有する食材を薄片状に加工して薄片体とする薄片加工工程と、前記薄片加工工程により得られた前記薄片体を、中心温度が最大氷結晶生成帯に30分以上とどまるように冷凍する緩慢凍結工程と、さらに24時間以上かけて前記薄片体の中心部まで完全に凍結させる完全凍結工程と、前記完全凍結工程において冷凍された前記薄片体を常温で解凍する常温解凍工程と、解凍された前記薄片体から水分を除去する液切り工程と、前記液切り工程により得られた前記薄片体に酸性調味液又は梅酢で味付けする味付け工程と、前記味付け工程により得られた前記薄片体を乾燥する乾燥工程と、を有する梅風味のコンニャク食品の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、梅風味のコンニャク食品の製造方法に関する。
新型コロナウイルスの流行により仕事のあり方が変化し、リモートワーク、すなわち在宅での勤務が増加した。職場ではないため、他人に見られる事がなく、また家族が寝た後の仕事等で、つまみ食いをしながらのデスクワークによるエネルギーの過剰摂取が起こっている。また、通勤をしないため歩く時間も短く、運動不足による体重の増加が問題視されるようになっている。そのため食べる機会の増加や、深夜時間帯に食べても、低カロリーで且つ、長く噛む事で満足感が得られる、さらに食べた物が、胃の中で水分を吸収し、より満足感をえられる食品が求められる時代となった。
そこで、食物繊維の含有量が多く、低カロリーでありつつ、味及び食感についても満足感が得られる凍みコンニャク食品が提案されている。例えば、特開2020-96552号公報には、コンニャク、あるいはコンニャクを含有する食材を薄片状に加工して薄片体とする薄片加工工程と、前記薄片加工工程により得られた前記薄片体を冷凍する冷凍工程と、前記冷凍工程において冷凍された前記薄片体を解凍する解凍工程と、前記解凍工程により得られた前記薄片体に味付けを施す味付け工程と、前記味付け工程により得られた前記薄片体を乾燥する乾燥工程により製造したコンニャク由来食品が開示されている(特許文献1)。
特開2020-96552号公報
コンニャクは、魚が腐敗した時の臭いの原因となる「トリメチルアミン臭」がする。通常この臭いを少なくするために、従来では湯で洗う、茹でる、塩でもみ流水洗浄をする等の面倒な工程が必要となる。トリメチルアミンは、加水分解もせず、オゾンでの分解も遅く取り除きにくい物質である。水に対しては、5.90×10mg/lと比較的良く溶ける性質があるが、コンニャクから水分を取り除く事は困難であるため、トリメチルアミン臭が残ってしまうという問題があった。
また、コンニャクの製造時に凝固剤として添加される水酸化カルシウムは、強アルカリで強い苦みがある。この苦みを低減させるために、従来の製造方法では湯で晒す等の工程が必要があるが、完全に取り除くことは難しかった。また、コンニャクに梅風味を付与しようとしても、梅干しらしい色の元となるアントシアニンは、酸性では赤色を示すが、強アルカリのコンニャクにおいては青紫色から緑色となるため、コンニャク製品において梅らしい赤色系の色を再現することは困難であった。
そこで本発明は、低カロリーで且つ、長く噛む事で満足感が得られるコンニャク食品であって、トリメチルアミン臭が低減された、梅らしい赤色系の色を発色できる梅風味のコンニャク製品の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決すべく提供される本発明の梅風味のコンニャク食品の製造方法は、コンニャク又はコンニャクを含有する食材を薄片状に加工して薄片体とする薄片加工工程と、前記薄片加工工程により得られた前記薄片体を、中心温度が最大氷結晶生成帯に30分以上とどまるように冷凍する緩慢凍結工程と、さらに24時間以上かけて前記薄片体の中心部まで完全に凍結させる完全凍結工程と、前記完全凍結工程において冷凍された前記薄片体を常温で解凍する常温解凍工程と、解凍された前記薄片体から水分を除去する液切り工程と、前記液切り工程により得られた前記薄片体に酸性調味液又は梅酢で味付けする味付け工程と、前記味付け工程により得られた前記薄片体を乾燥する乾燥工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、トリメチルアミン臭が低減され、梅らしい赤色系の色を発色できる梅風味のコンニャク製品の製造方法を提供することができる。本発明により製造されたコンニャク製品は、グミよりも噛みごたえのある梅風味の菓子、珍味、おつまみ等とすることができる。
本発明の実施形態に係る梅風味のコンニャク食品の製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係る梅風味のコンニャク食品の製造方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施形態の梅風味のコンニャク食品の製造方法の製造フローである。具体的には、ステップ1の薄片加工工程、ステップ2の緩慢凍結工程、ステップ3の完全凍結工程、ステップ4の常温解凍工程、ステップ5の液切り工程、ステップ6の味付け工程、ステップ7の乾燥工程を有している。以下、各工程についてさらに詳細に説明する。
(ステップ1:薄片加工工程)
ステップ1の薄片加工工程は、コンニャク又はコンニャクを含有する食材を薄片状に加工して薄片体とする工程である。ここで、本実施形態において使用されるコンニャクは、従来の製造方法により製造されるコンニャクを使用することができる。また、コンニャクを含有する食材については、例えば、コンニャクマンナンを糊化したした後、別途食材を添加し混合した混合物に水酸化カルシウム水溶液等の塩基性の液体を添加することによって凝固させたものを挙げることができる。なお、本実施形態において使用されるコンニャクの原料は、生芋をすりおろしたものを使用することができるが、不純物が入りやすく灰色の色も付きやすいため、精製されたこんにゃく粉(精粉)を使用することが好ましい。
薄片加工工程は、例えば、糊化したコンニャクマンナンを任意の形状に成形したものを塩基性の液体で凝固させることもできるが、従来公知の製法で製造した板コンニャクを任意の厚さにスライスすることにより薄片体を形成することが好ましい。スライスする方法や手段は特に限定されないが、例えばコンニャク突き機のような機械で押し出して加工することもできる。
なお、薄片加工工程において形成する薄片体の厚みは任意に設定することができるが、5~10mm程度であることが好ましい。長さも特に限定されないが、短時間で噛み切れてしまわない、また誤嚥に繋がりにくい適度な長さとして、長さ80mm程度(幅10~15mm)程度とすることが好ましい。短時間で噛み切れず、咀嚼に一定時間を要するサイズとすれば満足感を得やすく、満腹中枢等への刺激も大きくなり、ダイエットを目的とする者に満足が得やすい。種の無い梅干し様の大きさにする事で、梅干し感を強く出来るが、梅干しより硬く、飲み込みにくいので誤嚥を起こす可能性が高く好ましくない。
ステップ1の薄片加工工程で得られた薄片体は、次のステップ2の緩慢凍結工程に供される。
(ステップ2:緩慢凍結工程)
ステップ2の緩慢凍結工程は、ステップ1の薄片加工工程において得られた薄片体を緩慢凍結処理する工程である。ここで緩慢凍結とは、中心温度が最大氷結晶生成帯に30分以上とどまるように薄片体の冷凍することをいい、最大氷結晶生成帯は、-5~-20℃とすることが好ましい。
一般に薄片体を冷凍すると、薄片体をなすコンニャクに含まれている水分が膨張し、コンニャクの組織が破壊されるが、薄片体が5mm~10mm程度の厚さでは、凝固点降下を示す物質を多くは含まないので凍結速度が速くなり(急速凍結)、それにより氷の大きさが小さくなるため、後述する味付け工程において調味料が浸透しにくくなってしまう。これに対し中心温度が最大氷結晶生成帯に30分以上とどまるように薄片体の冷凍する緩慢凍結により、氷の大きさが大きくなり、解凍後は全体重量の40~60%の水が抜けるため、後述する常温解凍工程においてトリメチルアミンが抜けやすくなるとともに、コンニャクの中から、水酸化カルシウムが流出してコンニャク中の濃度が低下し、苦みを低減させることができる。また、多孔質となるため、味付け工程において調味料が浸透しやすくなる。加えて、弾力も強くなり、噛みごたえが向上する効果もある。
ステップ2の緩慢凍結工程により凍結された薄片体は、引き続きステップ3の完全凍結工程に供される。
(ステップ3:完全凍結工程)
ステップ3の完全凍結工程は、緩慢凍結工程後、さらに24時間以上かけて前記薄片体の中心部まで完全に凍結させる工程である。この工程により薄片体の中心部まで凍結し氷の結晶を形成させる。なお、温度は-18℃以下とすることが好ましい。
なお、48時間以上以上凍結する場合は、水分が蒸発してドリップが少なくなり、コンニャク特有のトリメチルアミン臭とにがり成分を排出しにくくなるため、バリア性の高いフィルムで包装してから凍結することが好ましい。
ステップ3の完全凍結工程により凍結された薄片体は、引き続きステップ4の常温解凍工程に供される。
(ステップ4:常温解凍工程)
ステップ4の常温解凍工程は、ステップ3で得られた冷凍薄片体を常温で解凍する工程である。常温解凍工程においては、完全凍結工程において固まった水分が解凍され、コンニャクの組織から抜け出し多孔質のコンニャク(凍みコンニャク)が得られる。
常温解凍することにより、薄片体の硬さが適度に保たれ、長時間の咀嚼に適した硬さにすることができる。食感としては、魚肉練り製品や食肉のような弾力性を有する食感に変貌させることができる。一方、加熱解凍では薄片体が、ゴム状に伸びて噛み切りにくく、歯切れが悪くなってしまうため好ましくない。
常温で解凍する方法としては、加熱されない限り特に制限はなく、衛生状態が保たれる環境で静置乾燥する方法、梅干し用セイロ等に重ならないようにして天日乾燥する方法又は、乾燥器による乾燥を行う方法が挙げられる。乾燥後は十分な液切りを行う。
一般的に常温解凍はいわゆるドリップが流出するとして避けられるが、本実施形態においては、冷凍薄片体内の氷の結晶を流出させることにより、コンニャク特有の臭いの原因となるトリメチルアミンが抜けやすくなるとともに、コンニャクの中から、水酸化カルシウムが流出してコンニャク中の濃度が低下し、苦みを低減させることができる。また、後述する味付け工程において調味液が浸透しやすくなるためむしろ好ましい。
ステップ4の常温解凍工程により解凍された薄片体は、引き続きステップ5の液切り工程工程に供される。
(ステップ5:液切り工程)
ステップ5の液切り工程は、解凍された薄片体の外部や内部に滞留している水を除去する工程である。液切りされる水にはトリメチルアミンや水酸化カルシウムが含まれるため、本工程によりコンニャク特有の臭いや苦味を除去することにもなる。
水を除去する方法は種々の方法を採用することができ、例えば、天日乾燥、自然乾燥、乾燥器での乾燥により行うことができるが、遠心分離により行われることが好ましい。遠心分離を併用することで、薄片体の内部の水分も短時間で除去することができ、後述する味付け工程において調味液がより浸透しやすくなる。
(ステップ6:味付け工程)
ステップ6の味付け工程は、常温解凍工程により得られた薄片体に味付けを施す工程である。味付けは、調味梅干し製造用の梅の味、エキス分、梅ポリフェノール、クエン酸等の有機酸がにじみ出た調味液又は梅干し製造時に発生する梅酢を元に調味液を作り、梅に含まれるクエン酸等の有機酸、梅ポリフェノールを含ませる事で梅干し特有の塩味、酸味と保存性を与える。
コンニャクは強アルカリ性食品であるが、上記調味液及び上記梅酢は強酸性であり、薄片体の重量よりも量が多ければ、薄片体を漬けても、調味液のpHを3前後の酸性に保つことができる。調味液又は梅酢に薄片体を漬け込むことにより、多孔質の薄片体の内部まで液が浸透し、梅風味の薄片体に味付けすることができる。凝固剤として用いられる水酸化カルシウム由来の苦味は梅干し用調味液等に含まれるクエン酸等で中和され、殆ど苦みを感じなくする事ができる。梅の酸には食品の保存性を高める効果があるため、別途、保存料を添加しなくても、保存性を保持することができる。また、pH影の影響を受けやすいアントシアニン系色素についても、シソの様な赤色の発色を維持することができる。
浸漬時間は、味の強弱により適宜設定されるが、数時間~1週間程度であることが好ましい。
なお、味付け工程では、上記梅干し用調味液又は梅酢の他、種々の調味料、例えば、砂糖、塩、味噌、醤油、みりん、酒、甘味料、ソース、ケチャップ、出汁(かつおエキス、昆布エキス)、香辛料などを添加することができる。また、梅肉加工品のフリーズドライ粉末、鰹節粉末、クエン酸等の酸味料粉末など粉末状のもの等を用いることもできる。
ステップ6の味付け工程により梅の風味が付与された薄片体は、引き続きステップ7の乾燥工程に供される。
(ステップ7:乾燥工程)
ステップ7の乾燥工程は、ステップ6の味付け工程により得られた薄片体を乾燥する工程である。乾燥工程においては、コンニャク由来食品の食感に応じて、乾燥工程において取得する薄片体の乾燥度を変化させる。乾燥工程においては、薄片体を天日干しや陰干し等の自然のエネルギーを利用した自然乾燥法により乾燥したり、熱風を食品に吹きつけて乾燥させる熱風乾燥法、湿度を下げた20~30度の低温の空気により乾燥させる低温乾燥法等により乾燥することができる。
前記乾燥工程は、前記薄片体の含有水分率が30%以下、水分活性が0.7以下に達した時点を目安に終了することが好ましい。
味付け工程の後に乾燥工程を設けることにより、コンニャクにしっかりと梅の風味が染みこんだ状態で、味を閉じ込めることができる。また、乾燥工程を味付け工程後に設けることにより、コンニャク食品を食べた手がべたついたりせず、食した後の手洗いも不要であるため、手軽に場所を選ばずに食することができる。
1.梅風味のコンニャク加工品の製造
市販の板コンニャクを5~7mm程度にスライスし、更に縦半分程度の幅に切り、食べやすい大きさにカットした。カットしたコンニャクは、ザルで水切りを行った。そしてそれらをトレイに出来るだけ他と接触しないように並べ、冷凍庫(日立社製)で弱冷(-15~-17℃)で24時間緩慢凍結を行った。その後引き続き内部まで完全凍結させるため、-18~-20℃で24時間完全凍結を行った。その後冷凍庫からコンニャクを取り出し、室温で6時間自然解凍した。その後、食材多目的脱水機(シロ産業社製M2244FH-212H)を用いて3分間液切りを行い、トリメチルアミンや水酸化カルシウムを含む水を脱水した。
別途、表1の原料を用いて酸性調味液を調製した。なお、調味梅干し用調味液には、食塩、砂糖、糖アルコール、本みりん、昆布エキス、アミノ酸系調味料、アルコール、クエン酸等の酸味料、ステビア、ビタミンB、及び梅干しからの溶出エキスを含有する。
水切りを行い多孔質となったコンニャクを上述の調味液に72時間浸漬し、コンニャク内部に調味液を浸透させた。
調味液からコンニャクを取り出し、天日乾燥を行った。コンニャクの含有水分率が30%以下、水分活性0.7以下になった時点で乾燥工程を終了し、所望の梅風味のコンニャク加工品を得た(実施例1)。
なお、比較対象として、緩慢凍結に代えて急速冷凍により凍結し、それ以外は実施例1と同様に製造したコンニャク食品(比較例1)、常温解凍に代えて98℃の熱湯に漬けての加熱解凍により解凍し、それ以外は実施例1と同様に製造したコンニャク食品(比較例2)を製造した。
2.評価試験
(1)物性評価
実施例1と比較例1で製造したコンニャク食品について目視観察を行い、多孔質の孔の大小を評価した。なお、比較例2は食感の評価を行うための比較例として製造したものであるため、評価の対象外とした。
(2)色の評価
実施例1と比較例1で製造したコンニャク食品について目視観察を行い、アントシアニン系野菜色素の発色を評価した。なお、比較例2は食感の評価を行うための比較例として製造したものであるため、評価の対象外とした。
(3)味の評価
実施例1と比較例1で製造したコンニャク食品について官能評価を行い、梅特有の酸味、旨味について評価した。なお、比較例2は食感の評価を行うための比較例として製造したものであるため、評価の対象外とした。
(4)食感の評価
実施例1と比較例2で製造したコンニャク食品について官能評価を行い、噛みごたえについて評価した。なお、比較例1は多孔質の有無の評価を行うための比較例として製造したものであるため、評価の対象外とした。
3.結果
各評価試験の結果を表2に示す。各評価項目の結果は以下の通りである。
(1)物性評価
実施例1のコンニャク食品は製造工程中でも250gのこんにゃくから100mlのドリップが発生し、比較的大きな多孔質が多数形成されていた。これに対し、急速冷凍で冷凍した比較例1のコンニャク食品は、製造中もドリップの発生は少なく、解凍後も多孔質にならず、一般的な板コンニャクとさほど変わらなかった。
(2)色の評価
実施例1のコンニャク食品は、赤色を発色し梅干しを感じさせる色味を呈していた。これに対し、急速冷凍で冷凍した比較例1のコンニャク食品は、赤く発色せず青がかった紫色となり、美味しさを連想させる色とはならなかった。
(3)味の評価
実施例1のコンニャク食品は内部まで多孔質を形成していたため内部まで調味液が十分浸透し、梅干しに含まれるクエン酸等の酸味や旨みが感じられた。トリメチルアミン臭や水酸化カルシウム由来の苦味も感じられなかった。一方、比較例1で製造したコンニャク食品は、解凍後も多孔質にならなかったため調味液が内部まで浸透せず、また、水分もコンニャクに多く残っていたため味が付きにくく、一般的な板コンニャクと同等の臭い(トリメチルアミン臭)や水酸化カルシウム由来の苦味を感じ、目的とする梅風味が感じられなかった。
(4)食感の評価
実施例1で製造したコンニャク食品は、魚肉練り製品や食肉のような弾力性を有する食感であり、飲み込むまでに多くの咀嚼を要した。一方、解凍工程を加熱解凍で行った比較例2で製造したコンニャク食品は、歯切れが悪く、ゴム状に伸びて噛み切りにくく、引っ張った場合に粘りが強く伸びきっても切れなかった。また実施例1よりも固く感じ、食感的に実施例1よりも劣っていた。

Claims (5)

  1. コンニャク又はコンニャクを含有する食材を薄片状に加工して薄片体とする薄片加工工程と、
    前記薄片加工工程により得られた前記薄片体を、中心温度が最大氷結晶生成帯に30分以上とどまるように冷凍する緩慢凍結工程と、
    さらに24時間以上かけて前記薄片体の中心部まで完全に凍結させる完全凍結工程と、
    前記完全凍結工程において冷凍された前記薄片体を常温で解凍する常温解凍工程と、
    解凍された前記薄片体から水分を除去する液切り工程と、
    前記常温解凍工程により得られた前記薄片体に酸性調味液又は梅酢で味付けする味付け工程と、
    前記味付け工程により得られた前記薄片体を乾燥する乾燥工程と、
    を有することを特徴とする梅風味のコンニャク食品の製造方法。
  2. 前記最大氷結晶生成帯が、-5~-20℃である、請求項1に記載の梅風味のコンニャク食品の製造方法。
  3. 前記調味液又は前記梅酢が、さらに、調味料を含有する、請求項1又は2に記載の梅風味のコンニャク食品の製造方法。
  4. 前記液切り工程が、遠心分離により行われる、請求項1又は2に記載の梅風味のコンニャク食品の製造方法。
  5. 前記乾燥工程が、前記薄片体の含有水分率を30%以下、水分活性を0.7以下にする工程である、請求項1又は2に記載の梅風味のコンニャク食品の製造方法。
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