JP2024065297A - 医療用装置、および洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】追加給水管路内を洗浄する作業を軽減することができる医療用装置、および洗浄方法を提供する。【解決手段】医療用装置100は、歯科用の医療用装置である。医療用装100置は、歯科用インスツルメント30に水を供給する給水管路と、給水管路に配置され、水の流れを変更する複数の弁40と、他端に歯科用スケーラ31を接続した供給管路21b(追加供給管路)の一端を装着することで第1分岐給水管路52と供給管路21bとを接続する着脱部1gと、給水管路に洗浄用の液体を供給する洗浄装置110と、複数の弁の開閉を制御する制御部160と、を備える。制御部160は、着脱部1gに供給管路21bの一端が装着される場合、洗浄装置110から供給管路21bに洗浄用の液体が供給されるように複数の弁の開閉を制御する。【選択図】図7

Description

本開示は、医療用装置、および洗浄方法に関するものである。
医療用装置の一例として、歯科用診療装置では、歯科用インスツルメントに給水管路を経由して水が供給される。給水管路を経由して供給された水は、歯科用インスツルメントから口腔内の歯牙の切削箇所をスプレーするなどに利用される。歯科用インスツルメントの使用後には、給水管路内に水が残留する。給水管路内に水が長時間にわたって残留すると、給水管路内に雑菌が増殖するので給水管路内を洗浄することが求められる。
たとえば、特許第4348075号公報(特許文献1)には、減菌剤を添加された処置液を供給管路(給水管路)に流して供給管路を洗浄する歯科用診療装置が記載されている。
特許第4348075号公報
歯科用診療装置では、あらかじめ診療装置本体に装着されている歯科用インスツルメント以外に、使用する際、診療装置本体に装着する歯科用インスツルメントも存在する。追加で装着する歯科用インスツルメントには追加給水管路を経由して水が供給され、使用後には水が追加給水管路内に残留するので追加給水管路内も洗浄することが求められる。しかし、追加給水管路内を洗浄するには、診療装置本体に追加供給管路の一端が装着されていることを確認する作業が必要など煩雑であった。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、追加給水管路内を洗浄する作業を軽減することができる医療用装置、および洗浄方法を提供することである。
本開示の医療用装置は、歯科用の医療用装置である。医療用装置は、歯科用インスツルメントに水を供給する供給管路と、供給管路に配置され、水の流れを変更する複数の弁と、他端に歯科用インスツルメントを接続した追加供給管路の一端を装着することで供給管路と追加供給管路とを接続する着脱部と、供給管路に洗浄用の液体を供給する洗浄装置と、複数の弁の開閉を制御する制御部と、を備える。制御部は、着脱部に追加供給管路の一端が装着される場合、洗浄装置から追加供給管路に洗浄用の液体が供給されるように複数の弁の開閉を制御する。
本開示の洗浄方法は、歯科用インスツルメントに水を供給する供給管路と、供給管路に配置され、水の流れを変更する複数の弁と、他端に歯科用インスツルメントを接続した追加供給管路の一端を装着することで供給管路と追加供給管路とを接続する着脱部と、供給管路に洗浄用の液体を供給する洗浄装置と、複数の弁の開閉を制御する制御部と、を備える、歯科用の医療用装置の管路を洗浄する洗浄方法である。洗浄方法は、着脱部に追加供給管路の一端が装着されているか否かを判断するステップと、着脱部に追加供給管路の一端が装着されていると判断した場合、洗浄装置から追加供給管路に洗浄用の液体が供給されるように複数の弁の開閉を制御するステップと、を含む。
本開示によれば、着脱部に追加供給管路の一端が装着される場合、洗浄装置から追加供給管路に洗浄用の液体が供給されるように複数の弁の開閉を制御するので、追加給水管路内を洗浄する作業を軽減することができる。
本開示の一実施の形態における医療用装置の構成を概略的に示す斜視図である。 歯科用インスツルメントを追加で装着するための着脱部の一例を示す概略図である。 追加で装着する歯科用インスツルメントの一例を示す概略図である。 追加で装着する歯科用インスツルメントに用いる媒体導管の断面斜視図である。 図1に示すトレーテーブルと、媒体導管と、歯科用インスツルメントとを概略的に示す斜視図である。 図5に示す歯科用インスツルメントに用いる媒体導管の断面斜視図である。 本開示の一実施の形態における医療用装置の管路構成を概略的に示す図である。 本開示の一実施の形態における医療用装置の制御ブロック図である。 本開示の一実施の形態における医療用装置において電源投入時にフラッシング動作を説明するためのフローチャートである。 歯科用インスツルメントを追加で装着した場合の管路の洗浄を説明するためのタイミングチャート図である。
以下、本開示の実施の形態について図に基づいて説明する。
まず、本開示の一実施の形態における医療用装置の構成について説明する。本実施の形態では医療用装置の一例として歯科用診療装置について説明する。
図1は、本開示の一実施の形態における医療用装置100の構成を概略的に示す斜視図である。医療用装置100は、診療装置本体10と、媒体導管20と、歯科用インスツルメント30とを備えている。媒体導管20と、歯科用インスツルメント30とはインスツルメントセットを構成している。当該インスツルメントセットは診療装置本体10に着脱自在に接続可能に構成されている。
診療装置本体10は、診療台1と、スピットン2と、照明装置3と、照明装置用アーム4と、トレーテーブル5と、トレーテーブル用アーム6を備えている。診療台1は、患者が着座または仰臥した状態で診療を受けることができるように構成されている。診療台1は、基台1aと、座板1bと、背板1cと、ヘッドレスト1dと、アームレスト1eとを備えている。座板1bは基台1a上に昇降自在に設置されている。背板1cは座板1bの一端に起伏自在に取り付けられている。なお、背板1cに歯科用インスツルメント30を格納する構成としてもよい(図2(a)参照)。ヘッドレスト1dは背板1cの上端に傾動自在に取り付けられている。アームレスト1eは座板1bの側方に設置されている。
スピットン2は診療台1の側方に設置されている。スピットン2は、胴部2aと、ベースン2bと、コップ給水栓2cとを備えている。胴部2aの上端にベースン2bが設置されている。ベースン2bにコップ給水栓2cから伸びた給水筒が設置されている。照明装置3は、照明装置用アーム4を介してスピットン2に接続されている。照明装置3はたとえば無影灯である。
トレーテーブル5は、トレーテーブル用アーム6を介して基台1aに接続されている。トレーテーブル5は、診療器具、薬品および歯科用インスツルメント30(診療用ハンドピース)を置いたり、保持したりするために使用される。また、トレーテーブル5は、診療台1および歯科用インスツルメント30などの操作を設定するための操作設定部5aを備えている。
歯科用インスツルメント30には、たとえばエアタービンハンドピース(ハイスピードハンドピース)32、マイクロモーターハンドピース(ロースピードハンドピース)33、スリーウェイシリンジ34等が含まれる。これらの歯科用インスツルメント30は、トレーテーブル5に設けられたドクター側のハンドピースホルダ5bに係止されている。なお、スピットン2には、アシスタント側のハンドピースホルダ2dが設けてあり、バキュームシリンジなどが係止されている。
歯科用インスツルメント30は、媒体導管20を介して、あらかじめ(たとえば、製造時や設置時など)診療装置本体10に接続されている。具体的には、ドクター側のハンドピースホルダ5bに係止されている歯科用インスツルメント30は、トレーテーブル5の下部から延びる媒体導管20で診療装置本体10に接続され、アシスタント側のハンドピースホルダ2dに係止されている歯科用インスツルメント30は、スピットン2の側面から延びる媒体導管で診療装置本体10に接続されている。
歯科用インスツルメント30は、あらかじめ診療装置本体10に接続されているエアタービンハンドピース32などのインスツルメント以外に、使用する際に診療装置本体に装着する歯科用インスツルメントも存在する。図2は、歯科用インスツルメント30を追加で装着するための着脱部1gの一例を示す概略図である。診療台1には、図2(a)のように背板1cの下部に蓋1fが設けてあり、矢印方向に蓋1fを開けることができる。蓋1fを開けると、診療台1には、図2(b)のように歯科用インスツルメント30を追加で装着するための着脱部1gが設けてある。
着脱部1gに対して、追加する歯科用インスツルメント30から延びる媒体導管21の端部に設けてあるアダプタ21eを挿し込むことで、追加する歯科用インスツルメント30を診療装置本体に装着することができる。追加した歯科用インスツルメント30を診療装置本体から取り外す場合、アダプタ21eに設けてある取り外しボタン21fを押しながらアダプタ21eを着脱部1gから引き抜く。
なお、図2に示す診療台1では、背板1cの上部に歯科用インスツルメント30(たとえば、エアタービンハンドピース32A、スリーウェイシリンジ34Aなど)を格納することができるとともに、背板1cの下部に歯科用インスツルメント30を追加で装着するための着脱部1gを有している。もちろん、診療台1は、図1のように、背板1cの上部ではなく、歯科用インスツルメント30をハンドピースホルダ5bに係止する構成でもよく、その場合であっても背板1cの下部に歯科用インスツルメント30を追加で装着するための着脱部1gを有している。
図3は、追加で装着する歯科用インスツルメントの一例を示す概略図である。追加する歯科用インスツルメント30は、図3に示すように歯科用スケーラ31である。歯科用スケーラ31は、歯周治療において歯肉縁上歯石,歯肉縁下歯石を確実かつ効率的に除去するためのインスツルメンツである。歯科用スケーラ31には、圧電素子などでチップを超音波振動させる超音波スケーラと、圧縮空気でチップを振動させるエアスケーラとがある。歯科用スケーラ31がエアスケーラの場合、エアを供給するための管路が必要になる。歯科用スケーラ31は、超音波スケーラであってもエアスケーラであっても、使用時に発生する熱の冷却と除去された削片をポケットから洗い流すために先端から注水することができる。
図4は、追加で装着する歯科用インスツルメントに用いる媒体導管の断面斜視図である。図3および図4を参照して、媒体導管21は、診療装置本体10から電気、エア、水等の作用媒体を歯科用スケーラ31に供給するように構成されている。媒体導管21は、可撓性を有している。媒体導管21は先端に歯科用スケーラ31に係合するための係合部21Xを備えている。媒体導管21は、外装21aと、水を供給する供給管路21b(追加供給管路)と、水を排出する排出管路21c(追加排出管路)と、駆動用エアを供給する給気管路21d(追加エア供給管路)とを含んでいる。なお、図4では図示していないが、媒体導管21には、歯科用スケーラ31に電気を供給する配線も含まれている。
歯科用スケーラ31の媒体導管21では、歯科用スケーラ31をベースン2bにセットすることなく管路洗浄を行うために排出管路21cを設けてある構成とする。もちろん、歯科用スケーラ31をベースン2bにセットして管路洗浄を行う構成であれば、媒体導管21に排出管路21cを設けなくてもよい。外装21aは管形状を有している。外装21aの内部に供給管路21b、排出管路21c、および給気管路21dが配置されている。外装21aの材質はたとえばシリコーンである。供給管路21b、排出管路21c、および給気管路21dの各々は、たとえば2層構造であり、この2層構造の内側層の材質はフッ素樹脂であり、外側層の材質はウレタンである。
供給管路21bは、一端を図2(a)に示す着脱部1gに装着することで、診療装置本体10内の供給管路と接続され、他端に接続してある歯科用スケーラ31に水を供給することができる。また、排出管路21cは、一端を図2(a)に示す着脱部1gに装着することで、診療装置本体10内の排出管路と接続され、他端に接続してある歯科用スケーラ31から水を排出することができる。なお、供給管路21bと排出管路21cとは後述するように歯科用スケーラ31の近傍において弁を介して接続されている。給気管路21dは、一端を図2(a)に示す着脱部1gに装着することで、診療装置本体10内の給気管路と接続され、他端に接続してある歯科用スケーラ31にエアを供給することができる。
次に、エアタービンハンドピース32などの歯科用インスツルメント30に接続される媒体導管20について説明する。図5は、図1に示すトレーテーブル5と、媒体導管20と、歯科用インスツルメント30とを概略的に示す斜視図である。図6は、図5に示す歯科用インスツルメント30に用いる媒体導管20の断面斜視図である。媒体導管20は、診療装置本体10から電気、エア、水等の作用媒体を歯科用インスツルメント30に供給するように構成されている。図5においては、見やすくするため、媒体導管20および歯科用インスツルメント30は1つずつ図示されている。また、図5においては、説明の便宜のため、媒体導管20から歯科用インスツルメント30が取り外された状態が図示されている。
媒体導管20は、診療装置本体10と、歯科用インスツルメント30とに接続されている。具体的には、複数の媒体導管20の一部はスピットン2と歯科用インスツルメント30とを接続し、複数の媒体導管20の他部をなすドクター側のハンドピースホルダ5bはトレーテーブル5の下部に配置され、トレーテーブル5と歯科用インスツルメント30とを接続している。また、媒体導管20は、可撓性を有している。媒体導管20は先端に歯科用インスツルメント30に係合するための係合部20Xを備えている。図5中矢印で示されるように、係合部20Xは歯科用インスツルメント30の一端から歯科用インスツルメント30の内部に挿入されている。このようにして、媒体導管20は歯科用インスツルメント30に着脱自在に接続されている。
図5および図6を参照して、エアタービンハンドピースを例として説明する。歯科用インスツルメント30は、歯牙のエナメル質である象牙を切削する際に発生する熱を抑制するために発熱箇所へ水を噴射させる機能や、水等を噴射させて粉塵を吹き飛ばす機能を備える。媒体導管20は、外装20aと、水を供給する供給管路20bと、水を排出する排出管路20cと、駆動用エアを供給する給気管路20dと、駆動用エアを排気する排気管路20fを含んでいる。
歯科用インスツルメント30の媒体導管20では、歯科用インスツルメント30をベースン2bにセットすることなく管路洗浄を行うために排出管路20cを設けてある構成とする。もちろん、歯科用インスツルメント30をベースン2bにセットして管路洗浄を行う構成であれば、媒体導管20に排出管路20cを設けなくてもよい。外装20aは管形状を有している。外装20aの内部に供給管路20b、排出管路20c、給気管路20d、および排気管路20fが配置されている。外装20aの材質はたとえばシリコーンである。供給管路20b、排出管路20c、給気管路20d、および排気管路20fの各々は、たとえば2層構造であり、この2層構造の内側層の材質はフッ素樹脂であり、外側層の材質はウレタンである。なお、エアタービンハンドピースにおいては、駆動用エアを供給する給気管路や駆動用エアを排気する排気管路を設けることが必須であるが、マイクロモーターハンドピースや、超音波ハンドピース等においては、排気管路は必要ではない。
次に、医療用装置100の管路および装置構成について説明する。図7は、本開示の一実施の形態における医療用装置100の管路構成を概略的に示す図である。図8は、本開示の一実施の形態における医療用装置100の制御ブロック図である。医療用装置100は、管路を流れる媒体を制御するため弁40をさらに備えている。弁40は、水を供給する供給管路20b,21bから歯科用インスツルメント30、および、水を排出する排出管路20c,21cを経由して診療装置本体10のいずれかに水を流すように構成されている。弁40は、媒体導管20,21の内部に配置されていてもよく、また歯科用インスツルメント30の内部に配置されていてもよい。さらに、弁40は、媒体導管20,21、歯科用インスツルメント30および診療装置本体10の少なくともいずれかに分離して配置されていてもよい。
本実施の形態では、弁40は、供給用開閉弁40a,41a、供給管路開閉弁40b,41b、排出用開閉弁40cを含んでいる。供給用開閉弁40a,41a、供給管路開閉弁40b,41bおよび排出用開閉弁40cはそれぞれ電磁弁であってもよい。供給用開閉弁40a,41aは診療装置本体10内の水元(水道水)50aから歯科用インスツルメント30に繋がる主給水管路(媒体供給部)51と媒体導管20,21の水を供給する供給管路20b,21bとの間に配置されている。供給管路開閉弁40bは媒体導管20の水を排出する排出管路20cが接続された水を供給する供給管路20bの接続部分と歯科用インスツルメント30との間に配置されている。供給管路開閉弁40bは、望ましくは媒体導管20の歯科用インスツルメント30との係合部20X(接続部)に設けられている。
供給用開閉弁41a(追加供給用開閉弁)は診療装置本体10内の水元50aから歯科用スケーラ31に繋がる主給水管路51と供給管路21bとの間に配置されている。供給管路開閉弁41b(追加供給管路開閉弁)は媒体導管21の水を排出する排出管路21c(追加排出管路)が接続された水を供給する供給管路21b(追加供給管路)の接続部分と歯科用スケーラ31との間に配置されている。供給管路開閉弁41bは、望ましくは媒体導管21の歯科用スケーラ31との係合部21X(接続部)に設けられている。排出用開閉弁40cは、排水部(媒体排出部)140と媒体導管20の水を排出する排出管路20c,21cとの間に配置されている。供給管路20b,21bと排出管路20c,21cとの分岐部は、媒体導管20,21に配置される供給管路開閉弁40b,41bの上流側直前に設けられている。
医療用装置100は、供給用開閉弁40a,41aを開とし、供給管路開閉弁40b,41bを閉とし、排出用開閉弁40cを開とすることで、媒体導管20,21a内の水を供給管路20b,21bから排出管路20c,21cを経由して診療装置本体10の排水部140から排出するように構成されている。なお、供給管路開閉弁40bに代えて、歯科用インスツルメント30(たとえば、スリーウェイシリンジ34)内に設けられている開閉弁を用いてもよい。
また、医療用装置100は、供給用開閉弁40a,41aおよび各ハンドピース側に設けられた供給管路開閉弁40b,41bの開閉を制御して、水元(水道水)50aから供給管路20b,21bを経由して各ハンドピースに水を供給するように構成されている。
さらに、図7を参照して、本実施の形態に係る医療用装置100の管路構成について説明する。なお、図7では、歯科用スケーラ31の媒体導管21の一端(アダプタ21e)が、診療装置本体10の着脱部1gに装着されている状態の管路構成が図示されている。
診療装置本体10は、給水管路50(供給管路20b,21bを含む)と、エア供給管路60(給気管路20dを含む)と、排水用管路70(排出管路20c,21cを含む)と、洗浄装置110と、流量計120と、ベースン2bと、排水部140と、制御部160と、水温検知センサ168と、水質監視用検出器170とを備えている。
給水管路50は、主給水管路51と、歯科用スケーラ31に給水される第1分岐給水管路52と、エアタービンハンドピース32に給水される第2分岐給水管路53と、マイクロモーターハンドピース33に給水される第3分岐給水管路54と、スリーウェイシリンジ34に給水される第4分岐給水管路55と、コップ給水栓2cに給水する第5分岐給水管路56とを含んでいる。第1分岐給水管路52、第2分岐給水管路53、第3分岐給水管路54、第4分岐給水管路55および第5分岐給水管路56はそれぞれ主給水管路51から分岐している。なお、第4分岐給水管路55は、好ましくは、第1分岐給水管路52、第2分岐給水管路53、第3分岐給水管路54などに比べて水をより多く供給することができる。
主給水管路51は、診療用の水の水元(水道水)50aに接続されている。主給水管路51には、上流側から順に、手動の元弁51a、給水元電磁弁51b、除菌フィルタ51c、流量計120およびウォーマタンク51d等が設けられている。主給水管路(媒体供給部)51は、媒体導管20,21の供給管路20b,21bに水を供給するように構成されている。
主給水管路51には流量計120が取り付けられている。流量計120は主給水管路51を流れる水の流量を計測するためのものである。流量計120は、主給水管路51と洗浄装置110との接続部分よりも下流側に配置されている。
また、主給水管路51には水質監視用検出器170が取り付けられている。水質監視用検出器170は、診療装置本体10および水を供給する供給管路20b,21bの少なくともいずれかに滞留する水の水質を監視するための検出器である。したがって、水質監視用検出器170は、媒体導管20,21の水を排出する排出管路20c,21cに取り付けられてもよい。供給用開閉弁40a,41aおよび供給管路開閉弁40b,41bは、水質監視用検出器170の出力に応じて自動的に作動するように構成されていてもよい。
さらに、主給水管路51には水温検知センサ168が取り付けられている。水温検知センサ168は主給水管路51から供給管路20b,21bに供給される水の温度を検知するためのものである。水温検知センサ168は、供給管路20b,21bが分岐する手前の位置に設ける。これにより、供給管路20b,21bの各々に水温検知センサ168に設ける必要がなく、1つの水温検知センサ168で供給管路20b,21bの各々に供給される水の温度をまとめて検知することができる。
歯科用スケーラ31の第1分岐排水管路72と、エアタービンハンドピース32の第2分岐排水管路73と、マイクロモーターハンドピース33の第3分岐排水管路74は、合流して排水用管路70となり、排出用開閉弁40c(メインチューブフラッシング電磁弁)を経て第1主排水管路71からベースン2bに排水される。
スリーウェイシリンジ34の第2主排水管路75は、排出用開閉弁40d(主管路フラッシング電磁弁)を経てベースン2bに排水される。
第1分岐給水管路52は着脱部1gと接続されており、当該着脱部1gに歯科用スケーラ31のメインチューブ(媒体導管21)の一端(アダプタ21e)を装着することで、第1分岐給水管路52と歯科用スケーラ31の供給管路21bとを接続している。歯科用スケーラ31の供給管路21bの他端は歯科用スケーラ31に接続されている。第1分岐給水管路52には、スケーラ注水電磁弁52a(供給用開閉弁41a)が設けられている。歯科用スケーラ31に給水する供給管路21bには、スケーラ注水切替電磁弁52b(供給管路開閉弁41b)が設けられている。
歯科用スケーラ31の排出管路21cの一端(アダプタ21e)は、診療装置本体10の外側に設けた着脱部1gに装着することで、第1分岐排水管路72と歯科用スケーラ31の排出管路21cとを接続している。歯科用スケーラ31の排出管路21cの他端は、スケーラ注水切替電磁弁52b(供給管路開閉弁41b)の手前で歯科用スケーラ31の供給管路20bに接続される。
歯科用スケーラ31の排出管路21cと供給管路21bとの接続部分と歯科用スケーラ31との間にスケーラ注水切替電磁弁52bが配置されている。つまり、スケーラ注水切替電磁弁52bは、歯科用スケーラ31の排出管路21cと供給管路21bとの接続部分よりも下流側に配置されている。具体的にはスケーラ注水切替電磁弁52b(供給管路開閉弁41b)は、望ましくは媒体導管21の歯科用スケーラ31との係合部21X(接続部)に設けられている。
第2分岐給水管路53はエアタービンハンドピース32のエアタービンメインチューブ22(媒体導管20)を介してエアタービンハンドピース32に接続されている。エアタービンハンドピース32の供給管路20bの一端は、診療装置本体10の内部に設けた第2メインチューブ着脱部10a2において第2分岐給水管路53と接続している。エアタービンハンドピース32の供給管路20bの他端は、エアタービンハンドピース32に接続されている。第2分岐給水管路53には、エアタービン注水電磁弁53a(供給用開閉弁40a)が設けられている。エアタービンハンドピース32に給水する供給管路20bには、エアタービン注水切替電磁弁53b(供給管路開閉弁40b)が設けられている。
エアタービンハンドピース32の排出管路20cと供給管路20bとの接続部分とエアタービンハンドピース32との間に、エアタービン注水切替電磁弁53bが配置されている。つまり、エアタービン注水切替電磁弁53bは、エアタービンハンドピース32の排出管路20cと供給管路20bとの接続部分よりも下流側に配置されている。具体的にはエアタービン注水切替電磁弁53b(供給管路開閉弁40b)は、望ましくは媒体導管20のエアタービンハンドピース32(歯科用インスツルメント30)との接続部(係合部20X)に設けられている。
第3分岐給水管路54はマイクロモーターハンドピース33のマイクロモーターメインチューブ23(媒体導管20)を介してマイクロモーターハンドピース33に接続されている。マイクロモーターハンドピース33の供給管路20bの一端は、診療装置本体10の内部に設けた第3メインチューブ着脱部10a3において第3分岐給水管路54に接続されている。マイクロモーターハンドピース33の供給管路20bの他端はマイクロモーターハンドピース33に接続されている。第3分岐給水管路54には、マイクロモーター注水電磁弁54a(供給用開閉弁40a)が設けられている。マイクロモーターハンドピース33に給水する供給管路20bには、マイクロモーター注水切替電磁弁54b(供給管路開閉弁40b)が設けられている。
マイクロモーターハンドピース33の排出管路20cと供給管路20bとの接続部分と、マイクロモーターハンドピース33との間に、マイクロモーター注水切替電磁弁54bが配置されている。つまり、マイクロモーター注水切替電磁弁54bは、マイクロモーターハンドピース33の排出管路20cと供給管路20bとの接続部分よりも下流側に配置されている。具体的にはマイクロモーター注水切替電磁弁54b(供給管路開閉弁40b)は、望ましくは媒体導管20のマイクロモーターハンドピース33(歯科用インスツルメント30)との接続部(係合部20X)に設けられている。
第4分岐給水管路55はスリーウェイシリンジ34のスリーウェイシリンジメインチューブ24(媒体導管20)を介してスリーウェイシリンジ34に接続されている。スリーウェイシリンジ34の供給管路20bの一端は、診療装置本体10の第4メインチューブ着脱部10a4において第4分岐給水管路55に接続されている。スリーウェイシリンジ34のスリーウェイシリンジメインチューブ24の供給管路20bの他端(第2端)はスリーウェイシリンジ34に接続されている。スリーウェイシリンジ34には、手動開閉弁(給水用操作レバー)34bが備えられ、この手動開閉弁(給水用操作レバー)34bの押圧操作によってこの手動開閉弁(給水用操作レバー)34bが開き、スリーウェイシリンジ34の先端ノズル部34cから注水される構成である。
スリーウェイシリンジ34のスリーウェイシリンジメインチューブ24の水を排出する排出管路20cの一端(第1端)は、診療装置本体10の内部に設けた第4メインチューブ着脱部10a4において第2主排水管路75に接続されている。スリーウェイシリンジ34の排出管路20cの他端は、スリーウェイシリンジ34の供給管路20bに接続されている。なお、スリーウェイシリンジ34においては、供給管路20bと排出管路20cの分岐部は、媒体導管20のスリーウェイシリンジ34との接続部近傍に配設されることが望ましい。
第1主排水管路71には、排出用開閉弁40c(メインチューブフラッシング電磁弁)が設けられている。排出用開閉弁40c(メインチューブフラッシング電磁弁)は、第1分岐排水管路72、第2分岐排水管路73および第3分岐排水管路74が第1主排水管路71に合流する合流部分と、ベースン2bとの間に配置されている。つまり、排出用開閉弁40c(メインチューブフラッシング電磁弁)は、第1分岐排水管路72、第2分岐排水管路73および第3分岐排水管路74が第1主排水管路71に合流する合流部分よりも下流側に配置されている。
第2主排水管路75には、排出用開閉弁40d(主管路フラッシング電磁弁)が設けられている。第2主排水管路75は、ベースン2bに接続されている。ベースン2bは、エアタービンメインチューブ22、マイクロモーターメインチューブ23、スリーウェイシリンジメインチューブ24のそれぞれの水を排出する排出管路20c、媒体導管21の水を排出する排出管路21cから排出されるように構成されている。
ベースン2bと排水部140とは接続管路141により接続されている。排水部140は、媒体導管20の排出管路20c,21cから水が排出されるように構成されている。ベースン2bとコップ給水栓2cとは給水筒900により接続されている。本実施の形態の医療用装置100は、給水筒900を経由してコップ給水栓2cからの水がベースン2bに供給されるとともに、第1主排水管路71および第2主排水管路75からの水が排水される。
エアタービンハンドピース32およびマイクロモーターハンドピース33は、ホルダーに設けられたセンサ(図示せず)によりハンドピースが診療装置本体10のホルダーから取上られたことが検出され、フートスイッチ(図示せず)の操作がなされると、供給用開閉弁40aおよび供給管路開閉弁40bが開、排出用開閉弁40cが閉となり、当該ハンドピースの先端部分に設けた注水口から注水する。つまり、制御部160は、使用されるハンドピースに水を供給する際には、供給用開閉弁40aおよび供給管路開閉弁40bを開き、排出用開閉弁40cを閉じる制御を行う。
歯科用スケーラ31は、媒体導管21の他端を着脱部1gに装着し、フートスイッチ(図示せず)の操作がなされると、供給用開閉弁41aおよび供給管路開閉弁41bが開、排出用開閉弁40cが閉となり、当該ハンドピースの先端部分に設けた注水口から注水する。つまり、制御部160は、使用される歯科用スケーラ31に水を供給する際には、供給用開閉弁41aおよび供給管路開閉弁41bを開き、排出用開閉弁40cを閉じる制御を行う。なお、制御部160は、媒体導管21の他端が着脱部1gに装着されているか否かについて、歯科用スケーラ31と接続した電気配線との導通チェック、または着脱部1gに設けたセンサにより検出することができる。
一方、各歯科用インスツルメント30のフラッシング(洗浄)時においては、少なくともいずれかのハンドピース(インスツルメント)に対応する供給用開閉弁40aが開となり、供給管路開閉弁40bが閉となり、排出用開閉弁40cが開となって、供給管路20bから排出管路20cおよび排水用管路70を経由してベースン2bに水が排出される。また、歯科用スケーラ31のフラッシング(洗浄)時においては、供給用開閉弁41aが開となり、供給管路開閉弁41bが閉となり、排出用開閉弁40cが開となって、供給管路21bから排出管路21cおよび排水用管路70を経由してベースン2bに水が排出される。
スリーウェイシリンジ34に接続される第4分岐給水管路55には、供給用開閉弁40aは設けられていない。また、スリーウェイシリンジ34の供給管路20bには、供給管路開閉弁40bは設けられていない。スリーウェイシリンジ34は、グリップ部34aに給水用操作レバー34bを備えている。ドクターまたはアシスタントによる給水用操作レバー34bの押圧操作によってスリーウェイシリンジ34の先端ノズル部34cからの注水がなされ、給水用操作レバー34bの押圧操作がなされない限りスリーウェイシリンジ34の注水はなされない。つまり、スリーウェイシリンジ34には、給水用操作レバー34bの操作により開閉する開閉弁が設けられている。したがって、スリーウェイシリンジメインチューブ24の供給管路20bには、供給管路開閉弁40bは設けられていないが、排出管路20cおよび第2主排水管路(排水用管路)75が設けられているので媒体導管20の供給管路20bから排出管路20cおよび第2主排水管路(排水用管路)75を経由してベースン2bに管路内の水が排出される。
また、第5分岐給水管路56はコップ給水栓2cに接続されている。第5分岐給水管路56には、コップ給水弁56aが設けられている。コップ給水弁56aはたとえば電磁弁である。コップ給水栓2cに設けられたセンサ(図示せず)によりコップ給水栓2cの下のコップ(図示せず)の存在が検出されると、コップ給水弁56aが開となって、コップ給水栓2cから給水筒900を経由してコップに給水がなされる。
エア供給管路60は、主エア供給管路61と、第1分岐エア供給管路62と、第2分岐エア供給管路63と、第3分岐エア供給管路64と、第4分岐エア供給管路65とを含んでいる。第1分岐エア供給管路62、第2分岐エア供給管路63、第3分岐エア供給管路64および第4分岐エア供給管路65はそれぞれ主エア供給管路61から分岐している。
主エア供給管路61は、コンプレッサー(不図示)による圧縮空気源としてのエア元60aに接続されている。主エア供給管路61には、上流側から順に、手動の元弁61aおよび除菌フィルタ61b等が設けられている。
第1分岐エア供給管路62は着脱部1gと接続されており、当該着脱部1gに歯科用スケーラ31のメインチューブ(媒体導管21)の一端(アダプタ21e)を装着することで、第1分岐エア供給管路62と歯科用スケーラ31の給気管路21dとを接続している。歯科用スケーラ31の給気管路21dの他端は歯科用スケーラ31に接続されている。第1分岐エア供給管路62には、第1エアタービン駆動エア電磁弁62aが設けられている。
第2分岐エア供給管路63はエアタービンメインチューブ22(媒体導管20)を介してエアタービンハンドピース32に接続されている。第2分岐エア供給管路63には、エアタービン駆動エア電磁弁63aが設けられている。エアタービンメインチューブ22は給気管路20dを有している。エアタービンメインチューブ22の給気管路20dの一端は、診療装置本体10の内部に設けた第2メインチューブ着脱部10a2において第2分岐エア供給管路63に接続されている。エアタービンメインチューブ22の給気管路20dの他端(第2端)はエアタービンハンドピース32に接続され、エアタービンハンドピースヘッド(不図示)に設けたタービン(不図示)を回転させたり、別途不図示の射出口からエアを噴射させたりすることができる。
第3分岐エア供給管路64はマイクロモーターメインチューブ23(媒体導管20)を介してマイクロモーターハンドピース33に接続されている。第3分岐エア供給管路64には、マイクロモーターチップエア電磁弁64aが設けられている。マイクロモーターメインチューブ23は給気管路20dを有している。マイクロモーターメインチューブ23の給気管路20dの一端は、診療装置本体10の内部に設けた第3メインチューブ着脱部10a3において第3分岐エア供給管路64に接続されている。マイクロモーターメインチューブ23の給気管路20dの他端はマイクロモーターハンドピース33に接続され、別途不図示の射出口からエアを噴射させることができる。
第4分岐エア供給管路65はスリーウェイシリンジメインチューブ24(媒体導管20)を介してスリーウェイシリンジ34に接続されている。スリーウェイシリンジ34は給気管路20dを有している。スリーウェイシリンジメインチューブ24の給気管路20dの一端は、診療装置本体10の内部に設けた第4メインチューブ着脱部10a4において第4分岐エア供給管路65に接続されている。スリーウェイシリンジメインチューブ24の給気管路20dの他端はスリーウェイシリンジ34に接続されている。
歯科用スケーラ31は、媒体導管21の他端を着脱部1gに装着し、フートスイッチ(図示せず)の操作がなされると、第1エアタービン駆動エア電磁弁62aが開き、給気管路21dからエアが供給される。エアタービンハンドピース32は、フートスイッチ(図示せず)の操作がなされると、エアタービン駆動エア電磁弁63aが開き、給気管路20dからヘッドに内蔵されたタービン(不図示)に駆動エアが供給される。
また、マイクロモーターハンドピース33は、フートスイッチ(図示せず)の操作がなされると、マイクロモーターチップエア電磁弁64aが開き、給気管路20dからチップエアが供給され、噴射口(不図示)からエアを噴射させることができる。
第4分岐エア供給管路65には、上記のような電磁弁は設けられていない。スリーウェイシリンジ34は、グリップ部34aにエア用操作レバー(図示せず)を備えている。ドクターまたはアシスタントによるエア用操作レバーの押圧操作によって先端ノズル部34cからエアの噴出がなされる。エア用操作レバーは、給水用操作レバー34bと並設されている。ドクターまたはアシスタントによってエア用操作レバーおよび給水用操作レバー34bが選択的に、あるいは、同時に押圧操作される。
主給水管路51には、洗浄装置110が接続されている。洗浄装置110を薬液洗浄装置とする場合、薬液洗浄装置は、薬液ボトル110aと、薬液ポンプ110bとを含んでいる。薬液ボトル110aには、たとえば、過酸化水素水、次亜塩素酸ナトリウム等の薬液が充填されている。薬液ポンプ110bは、薬液ボトル110aの薬液を適量ずつ主給水管路51に供給するように構成されている。薬液ボトル110aには薬液量検出部111が取り付けられている。薬液量検出部111は、薬液ボトル110aの薬液量を検出可能なセンサである。制御部160は、たとえば、前回電源OFFからの経過時間に応じて、薬液ポンプ110bから主給水管路51に供給する薬液量を設定してもよい。具体的に、一日程度の短期休暇の場合、前回電源OFFからの経過時間が48時間以内と短いので、制御部160は、薬液量を少量または無と設定し、三日以上の長期休暇の場合、前回電源OFFからの経過時間が72時間以上と長いので、制御部160は、薬液量を多量と設定する。もちろん、制御部160は、ユーザの操作により、主給水管路51に供給する薬液量を自由に設定することができる。
制御部160は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)を備える。CPUは、ROM等に保存されている動作プログラムを実行することにより、医療用装置100全体を総括的に制御する。ROMは、CPUが実行するプログラムやその他のデータを記憶する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。制御部160には、洗浄装置110、薬液量検出部111、流量計120、駆動部161、表示部162、報知部163、管路洗浄スイッチ164、フラッシングスイッチ165、メインスイッチ166、ウォーマスイッチ167、水温検知センサ168、水質監視用検出器170が接続されている。
駆動部161は、各ハンドピース(インスツルメント)等の電磁弁等を駆動させたり、ウォーマタンク51dのヒータを駆動させたりするためのものである。表示部162は、トレーテーブル5等に設置されており、診療等に関する各種情報が表示される。報知部163は、洗浄装置110の薬液ボトル内の薬液量が薬液量検出部111によって少なくなったことが検出された場合、および、その他の装置での異常を検知した場合等において、その旨の報知を行うべく機能する。また、報知部163は、追加で歯科用スケーラ31が着脱部1gに装着されていることを報知したり、装着した歯科用スケーラ31が洗浄中であることを報知したりすることができる。
図8に示す管路洗浄スイッチ164、フラッシングスイッチ165およびメインスイッチ166は、診療装置本体10のトレーテーブル5(図1参照)等にそれぞれ設けられている。管路洗浄スイッチ164は、任意のタイミングで給水管路を洗浄する際にドクターおよびアシスタント等によって操作される。フラッシングスイッチ165は医療用装置100による診療に先立って電源投入時に自動的で給水管路を洗浄する場合に、あらかじめドクターおよびアシスタント等によって操作される。メインスイッチ166は医療用装置100を起動する際にドクターおよびアシスタント等によって操作される。制御部160は、水質監視用検出器170の出力に応じて自動的に供給用開閉弁40a、供給管路開閉弁40b、排出用開閉弁40c、および排出用開閉弁40dを作動させて給水管路を洗浄するように駆動部161を制御してもよい。なお、制御部160は、給水管路を洗浄する場合、診療時間の1~5分程度の前に洗浄が完了するように制御することが望ましい。
次に、本実施の形態に係る医療用装置100において、歯科用スケーラ31を含めたフラッシング動作について説明する。図9は、本開示の一実施の形態における医療用装置100において電源投入時にフラッシング動作を説明するためのフローチャートである。制御部160は、メインスイッチ166が押下され電源ONとなったか否かを判断する(ステップS101)。電源ONでない場合(ステップS101でNO)、制御部160は、処理をステップS101に戻す。
電源ONとなった場合(ステップS101でYES)、制御部160は、前回電源OFFからの経過時間に応じて薬液量を設定する(ステップS102)。前回電源OFFからの経過時間に応じて給水管路に残っている水の汚れの程度が異なり、制御部160は、前回電源OFFからの経過時間が長い場合、薬液量を多量と設定する。もちろん、前回電源OFFからの経過時間が短い場合、制御部160は、薬液量を無と設定して、水のみで給水管路の洗浄を行ってもよい。
次に、制御部160は、フラッシング動作を開始する(ステップS103)。フラッシング動作には、図7で説明したコップ給水栓2cに給水する第5分岐給水管路56の洗浄、スリーウェイシリンジ34に給水する第4分岐給水管路55の洗浄、エアタービンハンドピース32に給水する第2分岐給水管路53の洗浄、マイクロモーターハンドピース33に給水する第3分岐給水管路54の洗浄が順番に行われる。さらに、制御部160は、歯科用スケーラ31の媒体導管21(追加供給管路)の他端が着脱部1gに装着されているか否かを判断する(ステップS104)。なお、制御部160は、媒体導管21の他端が着脱部1gに装着されているか否かについて、歯科用スケーラ31と接続した電気配線との導通チェック、または着脱部1gに設けたセンサにより検出することができる。
媒体導管21(追加供給管路)の他端が着脱部1gに装着されている場合(ステップS104でYES)、制御部160は、供給管路開閉弁41b(追加供給管路開閉弁)を閉じる(ステップS105)。次に、制御部160は、供給用開閉弁41a(追加供給用開閉弁)を開く(ステップS106)。なお、制御部160は、他の管路の洗浄する際に既に排出用開閉弁40cを開いているので再度、排出用開閉弁40cを開く必要はないが、閉じている場合には開く。これにより、洗浄装置110から歯科用スケーラ31の供給管路21bに洗浄用の液体が供給されるので、供給管路21bに残っていた水が排出管路21cから排水部140に排出される。媒体導管21(追加供給管路)の他端が着脱部1gに装着されていない場合(ステップS104でNO)、制御部160は、ステップS105およびステップS106の処理をスキップする。
制御部160は、あらかじめ給水管路の洗浄に必要な時間(所定時間)が設定されており、当該所定時間を経過したか否かを判断する(ステップS107)。所定時間を経過していない場合(ステップS107でNO)、制御部160は、処理をステップS101に戻し、所定時間を経過するのを待つ。所定時間を経過した場合(ステップS107でYES)、制御部160は、フラッシング動作を終了する(ステップS108)。
制御部160は、歯科用スケーラ31の媒体導管21(追加供給管路)の他端が着脱部1gに装着されているか否かを判断する(ステップS109)。媒体導管21(追加供給管路)の他端が着脱部1gに装着されている場合(ステップS109でYES)、制御部160は、供給用開閉弁41a(追加供給用開閉弁)を閉じる(ステップS110)。次に、制御部160は、供給管路開閉弁41b(追加供給管路開閉弁)を開く(ステップS111)。なお、制御部160は、ステップS104で歯科用スケーラ31の媒体導管21(追加供給管路)の他端が着脱部1gに装着されているか否かの判断を記憶している場合、再度、ステップS109で判断を行わなくてもよい。
媒体導管21(追加供給管路)の他端が着脱部1gに装着されていない場合(ステップS109でNO)、制御部160は、ステップS110およびステップS111の処理をスキップする。次に、制御部160は、他の管路の供給用開閉弁40aを閉じる(ステップS112)。制御部160は、他の管路の供給管路開閉弁40bを開く(ステップS113)。最後に、制御部160は、排出用開閉弁40c,40dを閉じる(ステップS114)。
このように、医療用装置100では、電源ON時に媒体導管21(追加供給管路)の他端が着脱部1gに装着されていれば、供給用開閉弁41a(追加供給用開閉弁)および供給管路開閉弁41b(追加供給管路開閉弁)を制御して、媒体導管21(追加供給管路)を自動的に洗浄することができる。そのため、医療用装置100では、媒体導管21(追加供給管路)の有無を確認しることなく自動で媒体導管21(追加供給管路)を洗浄することができるので衛生的である。
次に、医療用装置100の稼働中に歯科用スケーラ31を追加した場合の給水管路の洗浄動作について説明する。図10は、歯科用インスツルメントを追加で装着した場合の管路の洗浄を説明するためのタイミングチャート図である。まず、図10に示すように、制御部160は、メインスイッチ166が押下され、電源がON状態である。つまり、医療用装置100は稼働中である。その後、ドクターまたはアシスタントが歯科用スケーラ31の媒体導管21(追加供給管路)の他端を着脱部1gに装着して歯科用スケーラ31を追加した場合、制御部160は、媒体導管21(追加供給管路)の装着の有無を示す装着フラグがOFF状態からON状態となる。制御部160は、歯科用スケーラ31と接続した電気配線との導通チェック、または着脱部1gに設けたセンサにより装着フラグのON状態、OFF状態を切り換える。
制御部160は、装着フラグがON状態となると追加した媒体導管21(追加供給管路)の洗浄を開始する。具体的に、制御部160は、供給管路開閉弁41b(追加供給管路開閉弁)をON状態(開状態)からOFF状態(閉状態)に状態を変更する。また、制御部160は、供給用開閉弁41a(追加供給用開閉弁)をOFFN状態(閉状態)からON状態(開状態)に状態を変更する。さらに、制御部160は、排出用開閉弁40cをOFFN状態(閉状態)からON状態(開状態)に状態を変更する。
制御部160は、あらかじめ歯科用スケーラ31の媒体導管21(追加供給管路)の洗浄に必要な洗浄期間(所定の期間)が設定されており、当該洗浄期間を経過した場合、洗浄を終了する。なお、洗浄期間は、たとえば、数十秒~1分程度にすることで、ドクターまたはアシスタントに診療の中断をさせることなく、追加した歯科用スケーラ31の媒体導管21を洗浄できる。
制御部160は、洗浄期間を経過した場合、装着フラグがON状態となる追加した媒体導管21(追加供給管路)の洗浄を終了する。具体的に、制御部160は、供給用開閉弁41a(追加供給用開閉弁)をON状態(開状態)からOFF状態(閉状態)に状態を変更する。また、制御部160は、供給管路開閉弁41b(追加供給管路開閉弁)をOFFN状態(閉状態)からON状態(開状態)に状態を変更する。さらに、制御部160は、排出用開閉弁40cをON状態(開状態)からOFF状態(閉状態)に状態を変更する。
さらに、医療用装置100では、稼働中に媒体導管21(追加供給管路)の他端を着脱部1gに装着した場合でも、供給用開閉弁41a(追加供給用開閉弁)および供給管路開閉弁41b(追加供給管路開閉弁)を制御して、媒体導管21(追加供給管路)を自動的に洗浄することができる。そのため、医療用装置100では、媒体導管21(追加供給管路)を使用する前に必ず洗浄するので衛生的である。
(変形例)
追加した媒体導管21(追加供給管路)の他端に接続する歯科用インスツルメントは、歯科用スケーラ31に限定されず、エアタービンハンドピース、マイクロモーターハンドピース等であってもよい。また、媒体導管21(追加供給管路)は、図4に示したように外装21aに、供給管路21b(追加供給管路)と、排出管路21c(追加排出管路)と、給気管路21d(追加エア供給管路)とを含む構成に限定されない。たとえば、媒体導管21(追加供給管路)は、供給管路21b(追加供給管路)、排出管路21c(追加排出管路)、および給気管路21d(追加エア供給管路)の管路に加え、駆動用エアを排気する排気管路を含む構成でもよい。逆に、媒体導管21(追加供給管路)は、供給管路21b(追加供給管路)、排出管路21c(追加排出管路)のみ含む構成でもよい。
媒体導管21(追加供給管路)の一端を装着する着脱部1gは、図2(b)のように背板1cの下部に設けられているが、診療装置本体10であれば何れの場所でもよく、たとえば、基台1a、座板1b、スピットン2などに設けてもよい。また、着脱部1gは、診療装置本体10に1つ設ける場合に限定されず、複数設けてもよく。複数の着脱部1gを、たとえば同じ背板1cの下部に設けても、一方を背板1cの下部に、他方をスピットン2のように異なる場所に設けてもよい。
医療用装置100は、稼働中に媒体導管21(追加供給管路)の他端を着脱部1gに装着した場合であっても、他の歯科用インスツルメント30が駆動状態のときは、供給用開閉弁41a(追加供給用開閉弁)および供給管路開閉弁41b(追加供給管路開閉弁)を制御せず、媒体導管21(追加供給管路)へ洗浄用の液体を供給しないようにしてもよい。他の歯科用インスツルメント30が駆動状態のときは、患者を診療中である可能性があるため、医療用装置100は、媒体導管21(追加供給管路)への洗浄用の液体の供給を禁止して、他の歯科用インスツルメント30による患者の診療を優先させることができる。なお、医療用装置100は、他の歯科用インスツルメント30の駆動が停止したとき、媒体導管21(追加供給管路)への洗浄用の液体の供給を開始して、媒体導管21(追加供給管路)の洗浄を早期に実施しつつ、歯科用スケーラ31の使用を早期に実現させる。医療用装置100は、媒体導管21(追加供給管路)への洗浄用の液体の供給中に、ユーザが他の歯科用インスツルメント30の駆動を行った場合、媒体導管21(追加供給管路)への洗浄用の液体の供給を優先させてもよい。これにより、医療用装置100は、媒体導管21(追加供給管路)の洗浄を早期に実施しつつ、歯科用スケーラ31の使用を早期に実現できる。
医療用装置100は、稼働中に供給管路21bなどの水圧を監視しており、媒体導管21(追加供給管路)の他端を着脱部1gに装着した際に、監視している水圧が異常を示している場合、媒体導管21(追加供給管路)への洗浄用の液体の供給を禁止してもよい。また、医療用装置100は、媒体導管21(追加供給管路)の他端が着脱部1gに装着され、媒体導管21(追加供給管路)に洗浄用の液体を供給しているときに、監視している水圧が異常を示した場合、媒体導管21(追加供給管路)への洗浄用の液体の供給を中断してもよい。さらに、医療用装置100は、媒体導管21(追加供給管路)への洗浄用の液体の供給を禁止したり、中断したりした場合、その旨を表示部162に表示したり、報知部163のスピーカーから音を出したりしてユーザへ報知してもよい。これによって、医療用装置100は、不適切な洗浄を防止することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 診療台、2 スピットン、3 照明装置、4 照明装置用アーム、5 トレーテーブル、6 トレーテーブル用アーム、10 診療装置本体、20,21 媒体導管、20a 外装、20b,21b 供給管路、20c,21c 排出管路、20d,21d 給気管路、20f 排気管路、22 エアタービンメインチューブ、23 マイクロモーターメインチューブ、24 スリーウェイシリンジメインチューブ、30 歯科用インスツルメント、31 歯科用スケーラ、32 エアタービンハンドピース、33 マイクロモーターハンドピース、34 スリーウェイシリンジ、40 弁、40a,41a 供給用開閉弁、40b,41b 供給管路開閉弁、40c,40d 排出用開閉弁、50 給水管路、51 主給水管路、52 第1分岐給水管路、52a スケーラ注水電磁弁、52b スケーラ注水切替電磁弁、53 第2分岐給水管路、53a エアタービン注水電磁弁、53b エアタービン注水切替電磁弁、54 第3分岐給水管路、54a マイクロモーター注水電磁弁、54b マイクロモーター注水切替電磁弁、55 第4分岐給水管路、56 第5分岐給水管路、60 エア供給管路、70 排水用管路、71 第1主排水管路、72 第1分岐排水管路、73 第2分岐排水管路、74 第3分岐排水管路、75 第2主排水管路、100 医療用装置、110 薬液洗浄装置、111 薬液量検出部、120 流量計、140 排水部、160 制御部、170 水質監視用検出器。

Claims (9)

  1. 歯科用の医療用装置であって、
    歯科用インスツルメントに水を供給する給水管路と、
    前記給水管路に配置され、水の流れを変更する複数の弁と、
    他端に前記歯科用インスツルメントを接続した追加供給管路の一端を装着することで前記給水管路と前記追加供給管路とを接続する着脱部と、
    前記給水管路に洗浄用の液体を供給する洗浄装置と、
    前記複数の弁の開閉を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記着脱部に前記追加供給管路の一端が装着される場合は、前記洗浄装置から前記追加供給管路に前記洗浄用の液体が供給されるように前記複数の弁の開閉を制御する、医療用装置。
  2. 前記給水管路に接続され、前記給水管路から前記水を排出する排出管路をさらに備え、
    前記複数の弁は、前記給水管路と前記排出管路との接続部分と前記歯科用インスツルメントとの間に配置された供給管路開閉弁を含み、
    前記制御部は、
    前記洗浄装置から前記給水管路に供給された前記洗浄用の液体が前記排出管路を通って排出されるように前記供給管路開閉弁を閉じる、請求項1に記載の医療用装置。
  3. 前記着脱部は、追加排出管路の一端をさらに装着することで前記排出管路と前記追加排出管路とを接続することができ、
    前記追加供給管路および前記追加排出管路の他端には、前記歯科用インスツルメントが接続され、前記追加供給管路と前記追加排出管路との接続部分と前記歯科用インスツルメントとの間に追加供給管路開閉弁が配置されており、
    前記制御部は、
    前記着脱部に前記追加供給管路および前記追加排出管路の一端が装着されている場合、前記洗浄装置から前記追加供給管路に供給された前記洗浄用の液体が前記追加排出管路を通って排出されるように前記追加供給管路開閉弁を閉じる、請求項2に記載の医療用装置。
  4. 前記歯科用インスツルメントにエアを供給するエア供給管路をさらに備え、
    前記着脱部は、追加エア供給管路の一端をさらに装着することで前記エア供給管路と前記追加エア供給管路とを接続することができ、
    前記追加供給管路および前記追加排出管路の他端に接続される前記歯科用インスツルメントは、歯科用スケーラであり、
    前記歯科用スケーラは、前記追加エア供給管路の他端が接続される、請求項3に記載の医療用装置。
  5. 前記制御部は、前記医療用装置の電源投入時に前記給水管路を洗浄する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の医療用装置。
  6. 前記洗浄装置は、前記医療用装置の電源停止時から電源投入時までの期間の長さに応じて前記洗浄用の液体に含まれる薬液量を設定する、請求項5に記載の医療用装置。
  7. 前記制御部は、
    前記医療用装置の稼働中に、前記着脱部に前記追加供給管路の一端が装着された場合、前記洗浄装置から前記追加供給管路に前記洗浄用の液体が供給されるように前記複数の弁の開閉を制御する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の医療用装置。
  8. 前記制御部は、前記着脱部に前記追加供給管路の一端が装着されてから所定の期間、前記洗浄装置から前記追加供給管路に前記洗浄用の液体が供給されるように前記複数の弁の開閉を制御する、請求項7に記載の医療用装置。
  9. 歯科用インスツルメントに水を供給する給水管路と、前記給水管路に配置され、水の流れを変更する複数の弁と、他端に前記歯科用インスツルメントを接続した追加供給管路の一端を装着することで前記給水管路と前記追加供給管路とを接続する着脱部と、前記給水管路に洗浄用の液体を供給する洗浄装置と、前記複数の弁の開閉を制御する制御部と、を備える、歯科用の医療用装置の管路を洗浄する洗浄方法であって、
    前記着脱部に前記追加供給管路の一端が装着されているか否かを判断するステップと、
    前記着脱部に前記追加供給管路の一端が装着されていると判断した場合、前記洗浄装置から前記追加供給管路に前記洗浄用の液体が供給されるように前記複数の弁の開閉を制御するステップと、を含む、洗浄方法。
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