JP2024051436A - 揚げ物用バッターミックス、及び揚げ物の製造方法 - Google Patents

揚げ物用バッターミックス、及び揚げ物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024051436A
JP2024051436A JP2022157610A JP2022157610A JP2024051436A JP 2024051436 A JP2024051436 A JP 2024051436A JP 2022157610 A JP2022157610 A JP 2022157610A JP 2022157610 A JP2022157610 A JP 2022157610A JP 2024051436 A JP2024051436 A JP 2024051436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
batter
deep
frying
fried food
ingredients
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022157610A
Other languages
English (en)
Inventor
駿介 小田原
Shunsuke Odawara
晃貴 中川
Akitaka Nakagawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Showa Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Sangyo Co Ltd filed Critical Showa Sangyo Co Ltd
Priority to JP2022157610A priority Critical patent/JP2024051436A/ja
Publication of JP2024051436A publication Critical patent/JP2024051436A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Grain Derivatives (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Abstract

【課題】揚げ物の具材と衣間のぬめりが少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感得られる揚げ物用バッターミックス、及び具材と衣間のぬめりが少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感が得られる揚げ物の製造方法を提供する。【解決手段】液体材料と混合して揚げ物用バッターを調製するための揚げ物用バッターミックスであって、セルロースナノファイバーを0.1~10質量%含有することを特徴とする揚げ物用バッターミックス、並びに液体材料、及び液体材料以外のバッター材料からなるバッターを用いて、揚げ種を調製する工程、及び前記揚げ種を油ちょう、又はノンフライ調理する工程を含む揚げ物の製造方法であって、前記液体材料以外のバッター材料が、セルロースナノファイバーを0.1~10質量%含有することを特徴とする揚げ物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、揚げ物の製造に用いるバッターミックス、及び揚げ物の製造方法に関し、特に、揚げ物の具材と衣間のぬめりが少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感が得られる揚げ物用バッターミックス、及び具材と衣間のぬめりが少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感が得られる揚げ物の製造方法に関する。
一般に、トンカツ、チキンカツ、鮭フライ、天ぷら、フリッター、から揚げ等のバッターを用いる揚げ物は、畜肉類、魚介類、野菜類等の具材に、小麦粉等の穀粉類及び/又は澱粉類を含むバッターを付着させたものに、必要に応じてパン粉やブレッダーを付着させて油ちょうして製造される。これらの揚げ物において、バッター材料によっては、具材と衣間にぬめりが生じたり、具材と衣間の結着性が低く、揚げ物から衣が剥がれたりする場合があり、揚げ物の食感や外観が損なわれる原因になっている。
揚げ物の具材と衣間の結着性等の課題に係る技術開発は、これまでも種々進められている。例えば、特許文献1では、具材と衣の結着性が良好で、且つ具材が軟らかくジューシーなフライ食品を得るための、バッター液用粉末組成物を提供することを目的とし、乾燥卵白、乾燥卵黄及び油脂加工澱粉を含有するバッター液用粉末組成物であって、前記乾燥卵白の含有量が30~60%、乾燥卵白1部に対する乾燥卵黄の含有量が0.1~0.7部であることを特徴とするバッター液用粉末組成物が開示されている。また、特許文献2では、バッターを調製する際に、水分への分散性に優れ、ダマが出来難く、かつ揚げ種との結着性を良好にし、揚げ物の食感を良好にすることができる油脂加工澱粉組成物を提供することを目的とし、油脂加工澱粉、油脂及び乳化剤を含み、前記油脂及び前記乳化剤の合計量に対する前記油脂の含有割合が22~97質量%であり、前記油脂及び前記乳化剤の合計量が前記油脂加工澱粉100質量部に対して0.05~17質量部である、油脂加工澱粉組成物が開示されている。
特開2014-082994号公報 特開2022-032448号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2等の技術では、揚げ物において、具材と衣間にぬめりが生じることについては解決できない場合がある。具材と衣間のぬめりは、特に、ボリューム感を向上させるにあたり、具材にバッターを付着させ易くしたり、パン粉を付着させ易くしたりするためにバッターの粘度を上昇させる目的で、バッター材料に増粘剤を配合する場合に生じやすい。
したがって、本発明の目的は、揚げ物の具材と衣間のぬめりが少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感が得られる揚げ物用バッターミックス、及び具材と衣間のぬめりが少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感が得られる揚げ物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、バッターに配合する素材を種々検討した結果、揚げ物用バッターミックスに、セルロースナノファイバーを所定量配合することで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、上記目的は、液体材料と混合して揚げ物用バッターを調製するための揚げ物用バッターミックスであって、セルロースナノファイバーを0.1~10質量%含有することを特徴とする揚げ物用バッターミックスによって達成される。また、上記目的は、液体材料、及び液体材料以外のバッター材料からなるバッターを用いて、揚げ種を調製する工程、及び前記揚げ種を油ちょうする工程を含む揚げ物の製造方法であって、前記液体材料以外のバッター材料が、セルロースナノファイバーを0.1~10質量%含有することを特徴とする揚げ物の製造方法によって達成される。なお、本発明において、「揚げ物」は、畜肉類及び畜肉加工品類、魚介類及び水産加工品類、野菜類等の具材に、小麦粉等の穀粉類及び/又は澱粉類を含むバッターを付着させたものに、必要に応じてパン粉を付着させて油ちょう、又はノンフライ調理(すなわち、油ちょう以外の加熱方法による揚げ物様の調理)したものである。具体的には、トンカツ、チキンカツ、鮭フライ、天ぷら、フリッター、から揚げ等のことをいう。また、「バッター」は、小麦粉等の穀粉類及び/又は澱粉類、並びにその他の副資材を含むバッター材料に水等の液体材料を加えて均一にした揚げ物の製造に用いる流体を意味し、「揚げ物用バッターミックス」は、液体材料と混合してバッターを調製するための液体材料以外のバッター材料を意味する。
本発明の揚げ物用バッターミックス、及び揚げ物の製造方法を用いることにより、具材と衣間のぬめりが少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感が得られる揚げ物を製造することができる。
[揚げ物用バッターミックス]
本発明の揚げ物用バッターミックスは、液体材料と混合して揚げ物用バッターを調製するための揚げ物用バッターミックスであって、セルロースナノファイバーを0.1~10質量%含有することを特徴とする。これにより、具材と衣間のぬめりが少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感が得られる揚げ物を製造することができる。本発明において、セルロースナノファイバー(CNFとも称する)は、パルプ等のセルロース原料を、必要に応じて化学的または酵素的な前処理を行った後、機械的に解繊して微細化したもので、繊維幅(繊維径):1~500nm、例えば数nm~数十nm、繊維長:100μm以下、例えば1μm以下、アスペクト比(繊維長/繊維径):10以上のものである。セルロースナノファイバーの繊維径及び繊維長は、例えば、原子間力顕微鏡(AFM)または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、各繊維を観察した結果から得ることができる。セルロースナノファイバーの平均アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は、通常50以上であり、上限は特に限定されないが、通常は1000以下である。本発明の揚げ物用バッターミックスにおいて、セルロースナノファイバーの含有量は、0.3~7質量%であることが好ましく、0.5~5質量%であることがさらに好ましく、1~3質量%であることが特に好ましい。
セルロースナノファイバーを揚げ物に利用する技術としては、例えば、特開2021-141827号公報に、衣の破裂を防止し、かつ食感に優れたフライ食品を提供することを目的とし、セルロースナノファイバーを含むフライ食品が開示されている。特開2021-141827号公報においては、「セルロースナノファイバーは、フライ食品の中種に含まれていてもよいし、衣材に含まれていてもよいし、中種及び衣材の双方に含まれていてもよい。油ちょう中の破裂を防止できることからは、中種に含まれることが好ましい。」とされており(段落[0012])、フライ食品における具材と衣間のぬめりや、結着性の課題については一切記載されていない上、実施例においては、クリームコロッケの中種にセルロースナノファイバーが配合された例のみが開示されている(段落[0050]~[0062])。すなわち、特開2021-141827号公報には、具材と衣間のぬめり少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感が得られる揚げ物を製造する目的で、セルロースナノファイバーを揚げ物用バッター材料に使用することは一切開示されていない。また、その他のセルロース系素材を揚げ物用組成物に利用する技術としては、例えば、特開2006-211928号公報に、油ちょうまたは半油ちょうの後、冷凍又はチルド状態で保存してから、加熱または再油ちょうを行うという場合にも、衣のサクサク感等の食感や外観が損なわれることを防止できるとともに、揚げ種に対する衣の結着性を高く保つこができる、冷凍揚げ物用衣用改質剤、プリミックス及びバッター液を提供することを目的として、エーテル化度が0.3~0.8であって、かつ、1%水溶液粘度が5~1000mPa・sのカルボキシメチルセルロース・ナトリウムからなることを特徴とする冷凍揚物衣用の改質剤が開示されている。しかしながら、後述する実施例に示す通り、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の他のセルロース系素材では、本発明の効果は得られない。
セルロースナノファイバーは、具体的には、パルプ等のセルロース原料からセルロースの精製処理(化学的又は酵素的な前処理)を行って得られた、未変性のセルロース、又はカルボキシル化したセルロース(酸化セルロースとも呼ぶ)、カルボキシメチル化したセルロース、リン酸エステル基を導入したセルロースのようなアニオン変性セルロース、カチオン化したセルロースなどの変性セルロースを、機械装置を用いた解繊処理を行うことによって得ることができる。微細繊維の平均繊維長と平均繊維径は、酸化処理、解繊処理により調整することができる。解繊に用いる装置は特に制限はないが、例えば、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などのタイプの装置が挙げられる。セルロース原料としては、特に制限はないが、例えば、パルプ、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、等の植物性材料、ホヤ類等の動物性材料、藻類、酢酸菌等の微生物由来の材料が挙げられ、植物性材料が好ましい。本発明において、セルロースナノファイバーは、市販品を適宜用いることができる。なお、セルロースナノファイバーは「増粘剤」の用途として使用される場合があるが、本発明においては、「増粘剤」には含まれないこととする。
本発明の揚げ物用バッターミックスにおいて、セルロースナノファイバー以外の材料は、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はない。例えば、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、全粒粉、デュラム小麦粉等の小麦粉、米粉、大麦粉、大豆粉、そば粉、ライ麦粉、ホワイトソルガム粉、トウモロコシ粉、これらの穀粉を加熱処理した加熱処理穀粉等の穀粉類;コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、甘藷澱粉等の澱粉、及びこれらの澱粉に物理的、化学的な加工を単独又は複数組み合わせて施した加工澱粉、これらの澱粉及び/又は加工澱粉に食用油脂等を混合することによって、澱粉粒の表面に微量の食用油脂を付着させた油脂加工澱粉等が挙げられる。また、副資材としては、例えば、デキストリン、オリゴ糖、ぶどう糖、ショ糖、マルトース等の糖質類;植物性油脂、動物性油脂、加工油脂、粉末油脂等の油脂類;卵白粉、卵黄粉、全卵粉等卵由来粉末;小麦たん白、乳たん白、大豆たん白等のたん白素材;重曹(炭酸水素ナトリウム)、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム等のガス発生剤、及び酒石酸、酒石酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等の酸性剤を含むベーキングパウダー等の膨張剤;キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、グァーガム、タマリンドガム、ジェランガム、及びカラギーナン等の増粘剤;食塩、グルタミン酸ナトリウム、粉末醤油等の調味料;酵母エキス、畜肉又は魚介由来エキス等のエキス類;グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤;その他、かぼちゃ粉、色素、香料、香辛料、酵素、種々の品質改良剤等が挙げられる。本発明の揚げ物用バッターミックスにおいて、穀粉類及び/又は澱粉類の含有量は、60質量%より多いことが好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。また、パン粉付けの揚げ物においては、油脂加工澱粉を含むことが好ましく、油脂加工澱粉の含有量は、本発明の揚げ物用バッターミックス中に30質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
上述の通り、揚げ物における具材と衣間のぬめりは、特に、ボリューム感を向上させるにあたり、具材にバッターを付着させ易くしたり、パン粉を付着させ易くしたりするためにバッターの粘度を上昇させる目的で、バッター材料に増粘剤を配合する場合に生じやすい。したがって、上記の具材と衣間のぬめりの少なさと良好な結着性及びボリューム感を両立できるという発明の効果をより発揮させられる点で、本発明の揚げ物用バッターミックスは、増粘剤を、さらに含むことが好ましい。前記増粘剤としては、特に制限はなく、上述した増粘剤を適宜使用することができる。前記増粘剤として、揚げ物における良好なボリューム感及び結着性が得られる観点からキサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、カラギーナンからなる群より選択される1種類以上を用いることが好ましく、2種類以上を用いることがより好ましく、キサンタンガム及び/又はローカストビーンガムを用いることがさらに好ましい。本発明の揚げ物用バッターミックスにおいて、前記増粘剤の含有量は、本発明の効果を阻害しない限り、特に制限はない。揚げ物用バッターミックスの質量に基づいて0.1~1.0質量%であることが好ましく、0.2~0.8質量%であることがより好ましく、0.3~0.6質量%であることがさらに好ましい。
本発明の揚げ物用バッターミックスを用いる揚げ物は、バッターを用いる揚げ物であれば特に制限はなく、例えば、トンカツ、チキンカツ、鮭フライ、天ぷら、フリッター、から揚げ等が挙げられる。ぬめり抑制効果が大きいことから、前記揚げ物は特にパン粉付きの揚げ物が好ましい。
[揚げ物の製造方法]
本発明の揚げ物の製造方法は、液体材料、及び液体材料以外のバッター材料からなるバッターを用いて、揚げ種を調製する工程、及び前記揚げ種を油ちょう、又はノンフライ調理する工程を含む揚げ物の製造方法であって、前記液体材料以外のバッター材料が、セルロースナノファイバーを0.1~10質量%含有することを特徴とする。揚げ物を製造する際に、前記液体材料以外のバッター材料に、所定の含有量でセルロースナノファイバーを含有させることで、具材と衣間のぬめりが少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感が得られる揚げ物を製造することができる。本発明の揚げ物の製造方法において、前記バッターは、常法に従って用いることができる。例えば、まず、前記液体材料以外のバッター材料を適切な加水率で、水、だし汁、スープ、牛乳、ジュース類、液卵(全卵、卵黄、卵白等)等の液体材料と混合してバッターを調製する。次いで、畜肉類及び畜肉加工品類、魚介類及び水産加工品類、野菜類を必要に応じて加工成形した具材を準備し、前記バッターに具材を浸漬する、又は前記バッターを具材に塗布する等により前記バッターを具材に付着させ、必要に応じて、さらにパン粉やブレッダー等を付着させ揚げ種を調製する。前記バッターを付着させる前に、必要に応じて具材に打ち粉をまぶしてもよい。前記液体材料以外のバッター材料100質量部に対する液体材料の割合については、適度な粘度のバッターが得られれば特に制限はなく、例えば、前記揚げ物が、パン粉付き揚げ物であれば200~600質量部(水分として)が好ましく、特にトンカツ等の畜肉系のパン粉付き揚げ物の場合は200~300質量部が好ましい。また、天ぷら等の揚げ物の場合は、前記液体材料以外のバッター材料100質量部に対し、120~200質量部が好ましく、140~180質量部がさらに好ましい。また、から揚げ等の揚げ物の場合は、前記液体材料以外のバッター材料100質量部に対し、80~120質量部が好ましい。その後、得られる揚げ種を適切な温度のフライ油に投入し、適切な時間油ちょうする。本発明の製造方法において、前記油ちょうする工程に用いるフライ油は、特に制限はなく、市販の油脂を適宜用いることができる。一方、ノンフライ調理の場合は、上述のように調製した揚げ種を、必要に応じて、上記の液状油脂を噴霧等により付着させた後、例えば、市販のノンフライ調理器、オーブン、スチームコンベクションオーブン、電子レンジ等を用いて調理することができる。
本発明の揚げ物の製造方法において、前記液体材料以外のバッター材料の好ましい態様は、上述の揚げ物用バッターミックスの場合と同様である。したがって、前記液体材料以外のバッター材料は、増粘剤をさらに含むことが好ましく、前記増粘剤は、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、カラギーナンからなる群より選択される1種類以上を用いることが好ましく、2種類以上を用いることがより好ましく、キサンタンガム及び/又はローカストビーンガムであることがさらに好ましく、前記増粘剤の含有量は、揚げ物用バッターミックスの質量に基づいて、0.1~1.0質量%であることが好ましく、0.2~0.8質量%であることがより好ましく、0.3~0.6質量%であることがさらに好ましい。本発明の揚げ物の製造方法においては、前記バッターの調製の際、本発明の揚げ物用バッターミックスと、液体材料を混合して行なってもよく、前記液体材料以外のバッター材料として、上述の本発明の揚げ物用バッターミックスに含まれる各材料を、セルロースナノファイバーの含有量が、上記範囲になるように、それぞれ個別に、又は一部が予め混合されたものを用いて、液体材料と混合して行なってもよい。本発明の揚げ物の製造方法においては、容易にバッターを調製することができる点で、前記液体材料以外のバッター材料は、本発明の揚げ物用バッターミックスであることが好ましい。なお、本発明の揚げ物の製造方法を用いて製造される揚げ物については、上述の揚げ物用バッターミックスの場合と同様である。
なお、上述の本発明の揚げ物用バッターミックス、及び揚げ物の製造方法の説明から理解できるように、本発明は、揚げ物の製造に用いる揚げ物用バッターを調製するためのバッター材料に配合し、前記揚げ物の具材と衣間のぬめりを抑制し、結着性を向上させ、且つ揚げ物のボリューム感を向上させる揚げ物用改良剤であって、セルロースナノファイバーを含有することを特徴とする揚げ物用改良剤、及び揚げ物の具材と衣間のぬめりを抑制し、結着性を向上させ、且つ揚げ物のボリューム感を向上させる方法であって、前記揚げ物の製造に用いる揚げ物用バッターを調製するためのバッター材料にセルロースナノファイバーを含有させることを特徴とする方法にも関する。本発明の揚げ物用改良剤、及び本発明の方法の好ましい態様は、本発明の揚げ物用バッターミックス、及び揚げ物の製造方法の好ましい態様と同様である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
1.揚げ物用バッターミックスの調製
揚げ物としてトンカツを選定し、表1~表3に示した配合で、各材料を混合し、各揚げ物用バッターミックスを調製した。
2.トンカツの製造
各揚げ物用バッターミックス100gに、粘度が2000~4000mPa・sになるように水を加え、撹拌機を用いて攪拌し、バッターを調製した。バッターの粘度は、B型粘度計(東機産業株式会社製)を用い、ローターNo.3 回転数12rpm、測定時間1分間で測定した。厚さ13mm、質量110g±5gにカットした豚ロース肉の端をトングでつかんでバッターに浸した後、10回左右に振って余分なバッターを振り落とした。バッターが付着した豚ロース肉に10mmの焙焼式生パン粉をまぶした後、170℃のフライ油で5分間油ちょうし、トンカツを得た。
3.トンカツの評価
(1)ボリューム感(パン粉乗り)
油ちょう直後の各トンカツの外観を観察し、ボリューム感(バッターの付着量、パン粉乗りの度合い)を以下の評価基準に従って評価した。評価は、訓練を受けた専門パネル10名で行い、平均点を算出した。
5:バッター付着量が多くパン粉乗りが良く、非常に良好
4:バッター付着量が多くパン粉乗りがやや良く、良好
3:やや良好
2:バッター付着量が少なくパン粉乗りが若干悪く、やや不良
1:バッター付着量が少なくパン粉乗りが悪く、不良
(2)揚げ物の具材と衣間の結着性
油ちょう後、室温で30分間静置したトンカツを包丁で切断し、具材と衣間の結着性を目視観察し、以下の評価基準に従って評価した。評価は、訓練を受けた専門パネル10名で行い、平均点を算出した。
5:具材と衣部との間に隙間が全くなく、非常に良好
4:具材と衣部との間に隙間がほとんどなく、良好
3:具材と衣部との間に隙間が散見されるが、やや良好
2:具材と衣部との間に隙間が多く、やや不良
1:具材と衣部との間が完全に離れており、不良
(3)揚げ物の具材と衣間のぬめり
油ちょう後、室温で30分間静置したトンカツを包丁で切断し、喫食した際の具材と衣間のぬめりを、以下の評価基準に従って評価した。評価は、訓練を受けた専門パネル10名で行い、平均点を算出した。
5:内層がぬめらず、非常に良好
4:内層がほとんどぬめらず、良好
3:やや良好
2:内層が若干ぬめり、やや不良
1:内層がぬめり、不良
(4)揚げ物の衣の食感(歯切れ)
油ちょう後、室温で30分間静置したトンカツを包丁で切断し、喫食した際の衣の歯切れを、以下の評価基準に従って評価した。評価は、訓練を受けた専門パネル10名で行い、平均点を算出した。
5:衣がソフトで歯切れが良く、非常に良好
4:衣がソフトでやや歯切れが良く、良好
3:やや良好
2:衣が硬く若干歯切れが悪く、やや不良
1:衣が硬く歯切れが悪く、不良
評価結果を表1~表3に示した。
Figure 2024051436000001
Figure 2024051436000002
Figure 2024051436000003
表1~3に示した通り、セルロースナノファイバーを、0.1~10質量%含有する実施例1~17の揚げ物用バッターミックスを用いて製造したトンカツは、ボリューム感、具材と衣間の結着性、具材と衣間のぬめり、及び食感の評価が何れも良好であった。一方、油脂加工でん粉のみを用いた参考例の揚げ物用バッターミックスを用いて製造したトンカツでは、結着性、ぬめり、食感の評価は高いものの、ボリューム感の評価が非常に低かった、また、セルロースナノファイバーを含まず、増粘剤を含む比較例1及び比較例2、セルロースナノファイバーの代わりに、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)を含む比較例3、並びにヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む比較例4の揚げ物用バッターミックスを用いて製造したトンカツは、結着性、ぬめり、食感のいずれかの評価、特にぬめりの評価が低かった。セルロースナノファイバーの含有量については、セルロースナノファイバーの含有量が0.1質量%の実施例2の揚げ物用バッターミックスで、十分な結着性向上効果、及びぬめり抑制効果が得られ、且つセルロースナノファイバーの含有量が3.5質量%の実施例5と比較して、6質量%の実施例6、さらに10質量%の実施例7で、結着性、及びぬめりの評価が漸減していることから、揚げ物用バッターミックスにおけるセルロースナノファイバーの含有量は、0.1~10質量%である必要があることが示唆された。
また、増粘剤については、実施例8~17の結果から、特に0.1~1.0質量%の範囲で含有されていても上記効果が得られることが示唆された。
以上により、本発明の揚げ物用バッターミックスを用いることにより、具材と衣間のぬめりが少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感が得られる揚げ物を製造できることが示された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明により、具材と衣間のぬめりが少なく、結着性が良好で、且つ良好なボリューム感が得られる揚げ物を製造することができる。

Claims (7)

  1. 液体材料と混合して揚げ物用バッターを調製するための揚げ物用バッターミックスであって、
    セルロースナノファイバーを0.1~10質量%含有することを特徴とする揚げ物用バッターミックス。
  2. 増粘剤を、さらに含む請求項1に記載の揚げ物用バッターミックス。
  3. 前記増粘剤が、2種類以上である請求項2に記載の揚げ物用バッターミックス。
  4. 前記増粘剤の含有量が、0.1~1.0質量%である請求項2又は3に記載の揚げ物用バッターミックス。
  5. 液体材料、及び液体材料以外のバッター材料からなるバッターを用いて、揚げ種を調製する工程、及び
    前記揚げ種を油ちょう、又はノンフライ調理する工程を含む揚げ物の製造方法であって、
    前記液体材料以外のバッター材料が、セルロースナノファイバーを0.1~10質量%含有することを特徴とする揚げ物の製造方法。
  6. 揚げ物の製造に用いる揚げ物用バッターを調製するためのバッター材料に配合し、前記揚げ物の具材と衣間のぬめりを抑制し、結着性を向上させ、且つ揚げ物のボリューム感を向上させる揚げ物用改良剤であって、
    セルロースナノファイバーを含有することを特徴とする揚げ物用改良剤。
  7. 揚げ物の具材と衣間のぬめりを抑制し、結着性を向上させ、且つ揚げ物のボリューム感を向上させる方法であって、
    前記揚げ物の製造に用いる揚げ物用バッターを調製するためのバッター材料にセルロースナノファイバーを含有させることを特徴とする方法。
JP2022157610A 2022-09-30 2022-09-30 揚げ物用バッターミックス、及び揚げ物の製造方法 Pending JP2024051436A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022157610A JP2024051436A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 揚げ物用バッターミックス、及び揚げ物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022157610A JP2024051436A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 揚げ物用バッターミックス、及び揚げ物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024051436A true JP2024051436A (ja) 2024-04-11

Family

ID=90622613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022157610A Pending JP2024051436A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 揚げ物用バッターミックス、及び揚げ物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024051436A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4861889B2 (ja) 羽根つき餃子及びその製造法
JP5938609B2 (ja) バッター用プレミックス
JP4658024B2 (ja) 揚げ物用バッター
JP6530579B1 (ja) 揚げ物衣用ミックス
WO2017030081A1 (ja) 揚げ物用打ち粉ミックス
JP7051722B2 (ja) 水溶きタイプの竜田揚げ用ミックス
US20200154750A1 (en) Oil- or fat-processed starch, coating material for fried food using the same, food and method for producing the same
JP2012223146A (ja) 揚げ物用ミックス粉および揚げ物食品
JP7019136B1 (ja) 生地食品の製造方法及び生地食品のざらつきの低下方法
JP2024051436A (ja) 揚げ物用バッターミックス、及び揚げ物の製造方法
JP2004041011A (ja) 肉質改良材及びそれを用いた肉質の改良方法
JP7343965B2 (ja) 食材の加熱調理のための下処理用組成物、及び加熱調理食品の製造方法
TW202133732A (zh) 油炸食品用裹粉、油炸食品之製造方法及油炸食品之爆裂抑制方法
JP7218096B2 (ja) 揚げ物バッター用組成物、揚げ物用バッター、揚げ物及び揚げ物の製造方法
WO2020170880A1 (ja) ブレッダー粉
JP2004329093A (ja) フライ類用衣材
WO2021065930A1 (ja) 組成物
JPWO2020027306A1 (ja) パン粉ミックス
JP2020058295A (ja) 揚げ物の製造方法
JP7333165B2 (ja) から揚げ用ブレッダー及びから揚げの製造方法
JP7411309B2 (ja) アメリカンドッグ用ミックス粉
JP6962734B2 (ja) 揚げ衣用又は揚げ皮用組成物、及び揚げ物用改質剤、並びに、前記揚げ衣用又は揚げ皮用組成物或いは前記揚げ物用改質剤を用いた揚げ物
JP5345107B2 (ja) 電子レンジ調理用フライ様食品に使用するバッターおよびその製造方法
JP6744938B2 (ja) 固体状または液体状の調味料を含有する肉加工食品
JP3464631B2 (ja) 揚げ物用バッターミックス