JP2024049705A - アレイ基板の製造方法、アレイ基板、及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】平面視で重畳する電極と遮光部との位置合わせ精度を向上する。【解決手段】アレイ基板21の製造方法は、複数のスイッチング素子23の上層側に遮光膜42を成膜し、遮光膜42の上に、画素PX間を行き交う光を遮るための複数の遮光部32のレイアウトパターンに対応する第1レジストパターン60を形成し、遮光膜42を第1レジストパターン60をマスクとしてエッチングしてパターニングし、複数の遮光部32の上層側に透明電極膜44を成膜し、透明電極膜44の上に、開口25Sを有し所定の基準電位が印加される共通電極25のレイアウトパターンに対応する第2レジストパターン61を形成し、透明電極膜44を第2レジストパターン61をマスクとして第1腐食剤によってエッチングして共通電極25を形成し、パターニングされた遮光膜42を共通電極25をマスクとして第2腐食剤によってエッチングして、遮光膜42のうち開口25Sとの重畳部42Aを除去する。【選択図】図20

Description

本明細書に記載の技術は、アレイ基板の製造方法、アレイ基板、及び表示装置に関する。
従来、液晶表示装置の主要部品である液晶パネルは、一対の基板間に液晶層を封入した構成をなしており、一方の基板(アレイ基板、アクティブマトリクス基板)には、マトリクス状に配置される画素電極、及びスイッチング素子が形成される。また他方の基板(CF基板、対向基板)には、カラーフィルタ、及び混色を防ぐための遮光部(ブラックマトリクス)が形成される。
このアレイ基板の画素電極と、CF基板のブラックマトリクスとの位置合わせの困難度は、液晶パネルが高精細化し、画素ピッチが小さくなるほど増大する。特許文献1には、この対処法として、ブラックマスク(遮光部)を画素電極に対してセルフアライメントな関係で、駆動基板(アレイ基板)に形成する方法が開示されている。
特許文献1に記載の遮光部の形成方法は、透明導電膜をレジストを介してエッチングすることで画素電極を形成する。次に、その上層に遮光膜を成膜することで、透明導電膜が除去された部分に遮光膜を埋め込む。そして、当該レジストを除去して、レジストと共にその上層の遮光膜の不要部分を除去することで、遮光部を形成する。このようにすれば、遮光部用のフォトマスク、ひいては画素電極用のフォトマスクと遮光部用のフォトマスクとの間の位置合わせが不要となる。また遮光部は、位置合わせする相手である画素電極をマスクとしてエッチングされるため、セルフアライメントな関係となり、位置合わせ精度を向上できるとされている。
特開平7-128688号公報
しかしながら、特許文献1に記載の遮光部の形成方法は、レジスト上に遮光膜を成膜するため、遮光膜の成膜に際して、真空引きが必要となるスパッタリング法やCVD(chemical vapor deposition)法を使用しにくい。また、遮光部が電極と平面視で重畳しない位置に形成される場合に適用可能であり、両者が重畳する位置関係にある場合には適用できない。例えば液晶分子を基板の主面方向(水平方向)を含む方向にスイッチングさせるFFS(Fringe Field Switching)モード、IPS(In Plane Switching)モードの場合、アレイ基板には一般に、画素電極だけでなく、基準電位が印加される共通電極も形成される。この共通電極に対して、遮光部を平面視で重畳する位置に形成しつつ、共通電極と遮光部との位置合わせ精度を向上することは難しいのが実情である。例えばFFSモードで作動する超高精細機種(例えば、1000ppi超のヘッドマウントディスプレイ用液晶パネル)では、共通電極に対する遮光部の位置ズレが1μm生じた場合であっても、電界方位が乱れたり、遮光効率が低下して混色が生じ、ひいては表示品位が低下してしまう。
本願明細書に記載の技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、平面視で重畳する電極と遮光部との位置合わせ精度を向上することを目的とする。
(1)本願明細書に記載の技術に関わるアレイ基板の製造方法は、複数の画素がマトリクス状に配列されたアレイ基板の製造方法であって、絶縁性基板の上層側に、前記複数の画素を構成する複数のスイッチング素子を形成し、前記複数のスイッチング素子の上層側に遮光膜を成膜し、前記遮光膜の上に、隣り合う前記画素の間を行き交う光を遮るための複数の遮光部のレイアウトパターンに対応する第1レジストパターンを形成し、前記遮光膜を前記第1レジストパターンをマスクとしてエッチングしてパターニングし、前記複数の遮光部の上層側に透明電極膜を成膜し、前記透明電極膜の上に、複数の開口を有し所定の基準電位が印加される共通電極のレイアウトパターンに対応する第2レジストパターンを形成し、前記透明電極膜を前記第2レジストパターンをマスクとして第1腐食剤によってエッチングして、前記共通電極を形成し、前記パターニングされた遮光膜を前記共通電極をマスクとして第2腐食剤によってエッチングして、前記パターニングされた遮光膜のうち前記複数の開口との重畳部を除去する。
(2)また、上記アレイ基板の製造方法は、上記(1)に加え、前記第1レジストパターンは、前記共通電極の前記複数の開口と重畳する拡張部を有していてもよい。
(3)また、上記アレイ基板の製造方法は、上記(1)または(2)に加え、前記重畳部は、平面に視て前記開口内に向かう突出部であってもよい。
(4)また、上記アレイ基板の製造方法は、上記(1)から(3)のいずれか1つに加え、前記第2レジストパターンは、前記重畳部を除去した後に剥離されてもよい。
(5)また、上記アレイ基板の製造方法は、上記(4)に加え、前記第1腐食剤は蓚酸を主成分とする薬液であり、前記第2腐食剤は燐酸、硝酸、及び酢酸を混合した薬液であってもよい。
(6)また、上記アレイ基板の製造方法は、上記(1)から(3)のいずれか1つに加え、前記第2レジストパターンは、前記透明電極膜をエッチングして前記共通電極を形成した後、前記重畳部を除去する前に剥離されてもよい。
(7)また、上記アレイ基板の製造方法は、上記(6)に加え、前記第1腐食剤は蓚酸を主成分とする薬液であり、前記第2腐食剤はオゾン水であってもよい。
(8)また、上記アレイ基板の製造方法は、上記(7)に加え、前記重畳部を除去した後、前記共通電極の上に絶縁膜が成膜されてもよい。
(9)また、上記アレイ基板の製造方法は、上記(1)から(8)のいずれか1つに加え、前記複数のスイッチング素子の上層側に、前記複数のスイッチング素子と接続される複数の画素電極をマトリクス状に形成し、前記遮光膜を前記複数の画素電極の上層側に成膜してもよい。
(10)また、上記アレイ基板の製造方法は、上記(1)から(9)のいずれか1つに加え、前記アレイ基板は、ヘッドマウントディスプレイに用いられる表示パネルのアレイ基板であってもよい。
(11)また、上記アレイ基板の製造方法は、上記(10)に加え、前記表示パネルは、液晶パネルであってもよい。
(12)本願明細書に記載の技術に関わるアレイ基板は、絶縁性基板の上層側に設けられ、複数の画素を構成する複数のスイッチング素子と、前記複数のスイッチング素子の上層側にマトリクス状に配列され、前記複数のスイッチング素子と接続される複数の画素電極と、前記複数の画素電極の上層側に設けられ、隣り合う前記画素の間を行き交う光を遮るための複数の遮光部と、前記複数の遮光部上に設けられ、複数の開口を有し、所定の基準電位が印加される共通電極と、を備え、前記複数の遮光部は、前記共通電極と重畳しており、前記絶縁性基板の主面方向について、前記複数の遮光部の外周縁部と、前記複数の開口の開口縁部との最短距離は0.001μm以上、1μm未満である。
(13)本願明細書に記載の技術に関わる表示装置は、上記(12)のアレイ基板を有する表示パネルを備える、ヘッドマウントディスプレイ用の表示装置である。
(14)また、上記表示装置は、上記(13)に加え、前記表示パネルが液晶パネルであってもよい。
本願明細書に記載の技術によれば、平面視で重畳する電極と遮光部との位置合わせ精度を向上できる。
実施形態1に係るヘッドマウントディスプレイの使用状態を示す概略斜視図 ヘッドマウントディスプレイの液晶表示装置、レンズ部、及び使用者の眼球の光学的関係を示す概略側面図 液晶表示装置の概略平面図 アレイ基板の表示領域の等価回路図 ゲート配線、ソース配線、TFT、及び画素電極(網掛状)のレイアウトパターンを示す平面図 図5に共通電極のレイアウトパターンを追加し、共通電極を網掛状に示す平面図 図5に第1遮光部のレイアウトパターンを追加し、第1遮光部を網掛状に示す平面図 図5に共通電極、第1遮光部、及び第2遮光部のレイアウトパターンを追加し、第2遮光部を網掛状に示す平面図 共通電極と近接する第2遮光部周辺を拡大した図8の拡大平面図 液晶パネルを図8のI-I線位置で切断した断面図 液晶パネルを図8のII-II線位置で切断した断面図 液晶パネルを図8のIII-III線位置で切断した断面図 第2遮光膜が成膜された状態を示す断面図(図9及び図17のIV-IV線位置で切断したアレイ基板の製造工程) 第1レジストパターンが形成された状態を示す断面図(図9及び図17のIV-IV線位置で切断したアレイ基板の製造工程) 第1レジストパターンの拡張部を示す平面図 第2遮光膜がパターニングされた状態を示す断面図(図9及び図17のIV-IV線位置で切断したアレイ基板の製造工程) パターニングされた第2遮光膜の重畳部を示す平面図 第2透明電極膜が成膜された状態を示す断面図(図9及び図17のIV-IV線位置で切断したアレイ基板の製造工程) 第2レジストパターンが形成された状態を示す断面図(図9及び図17のIV-IV線位置で切断したアレイ基板の製造工程) 共通電極が形成された状態を示す断面図(図9及び図17のIV-IV線位置で切断したアレイ基板の製造工程) パターニングされた第2遮光膜の重畳部がエッチングされた状態を示す断面図(図9及び図17のIV-IV線位置で切断したアレイ基板の製造工程) 第2レジストパターンが剥離された状態を示す断面図(図9及び図17のIV-IV線位置で切断したアレイ基板の製造工程) 比較例1に係るアレイ基板を示す断面図 比較例2に係るアレイ基板を示す断面図 評価実験1において撮影された電子顕微鏡写真(エッチング時間が28秒の場合) 実施形態2に係るアレイ基板の製造工程において、第2レジストパターンが剥離された状態を示す断面図 実施形態2に係るアレイ基板の製造工程において、パターニングされた第2遮光膜の重畳部がエッチングされた状態を示す断面図 評価実験2において撮影された電子顕微鏡写真(エッチング時間が270秒の場合)
<実施形態1>
実施形態1に関わるアレイ基板21の構成及び製造方法について、図1から図25を参照して説明する。本実施形態では、アレイ基板21を備える表示装置として、ゴーグル型のヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head-Mounted Display)10HMD用の液晶表示装置10について例示する。なお、一部の図面にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で共通する方向となるように描かれている。また、Z軸方向については、図の上側を表側とし、下側を裏側とする。
ヘッドマウントディスプレイ10HMDは、図1に示すように、使用者の頭部10HDに装着される頭部装着器具10HMDaを備える。頭部装着器具10HMDaは、使用者の両方の眼を囲っている。
頭部装着器具10HMDaには、図2に示すように、画像を表示する液晶表示装置10と、液晶表示装置10に表示された画像を使用者の眼球10EYに結像させるレンズ部10REと、が内蔵されている。液晶表示装置10は、液晶パネル(表示パネル)11と、液晶パネル11に光を照射する照明装置であるバックライト装置12と、を備える。液晶パネル11のうちの、レンズ部10RE側の主面が、画像を表示する表示面11DSとされる。レンズ部10REは、液晶表示装置10と使用者の眼球10EYとの間に介在する。レンズ部10REの焦点距離を調整することで、使用者は、眼球10EYの水晶体10EYaを介して網膜10EYbに結像される像が、眼球10EYからの距離L2の位置に見かけ上存在する仮想ディスプレイ10VDに表示されている、と認識できる。この距離L2は、眼球10EYから液晶表示装置10までの実際の距離L1よりも遙かに大きい。これにより、使用者は、液晶表示装置10の画面サイズ(例えば0.数インチから数インチ程度)よりも遙かに大きな画面サイズ(例えば数十インチから数百インチ程度)の仮想ディスプレイ10VDに表示された虚像である拡大画像を視認することができる。
なお、頭部装着器具10HMDaに液晶表示装置10を1つ搭載し、その液晶表示装置10に右目用画像と左目用画像とを表示させることが可能である。それ以外に、頭部装着器具10HMDaに液晶表示装置10を2つ搭載し、一方の液晶表示装置10に右目用画像を、他方の液晶表示装置10に左目用画像を、それぞれ表示させることも可能である。
液晶パネル11には、図3に示すように、表示駆動を行うためのドライバ13と、フレキシブル基板14と、が実装されている。フレキシブル基板14には、ドライバ13に対して各種入力信号を外部から供給する制御回路基板(信号供給源)15が接続されている。バックライト装置12の構成は、既知の通りであり、例えば、LEDなどの光源や光源からの光に光学作用を付与することで面状の光に変換する光学部材などを有する。
液晶パネル11の主面のうちの中央側部分は、図3に示すように、画像を表示可能な表示領域(アクティブエリア)AAとされる。液晶パネル11の主面のうちの表示領域AAを取り囲む外周側部分は、平面に視て枠状をなす非表示領域(ノンアクティブエリア)NAAとされる。なお、図3では、一点鎖線が表示領域AAの外形を表しており、当該一点鎖線よりも外側の領域が非表示領域NAAとなっている。液晶パネル11は、一対の基板20,21を貼り合わせてなる。一対の基板20,21のうち、表側の基板が、対向基板(CF基板)20とされ、裏側の基板が、アレイ基板(アクティブマトリクス基板)21とされる。対向基板20及びアレイ基板21は、それぞれほぼ透明なガラス基板(絶縁性基板)20GS,21GSを有しており、各ガラス基板20GS,21GSの内面側に各種の膜が積層形成された構造を有する。なお、両基板20,21の外面側には、それぞれ偏光板が貼り付けられている。
アレイ基板21の表示領域AAには、図4に示すように、格子状をなす複数本ずつのゲート配線(走査配線)26及びソース配線(画像配線)27が配されている。ゲート配線26及びソース配線27の交差部位付近には、TFT(スイッチング素子、薄膜トランジスタ)23が1つずつ設けられている。ゲート配線26は、表示領域AAを横断する形でX軸方向に沿って延在し、各TFT23のゲート電極23Gに接続される。ソース配線27は、表示領域AAを縦断する形でY軸方向に沿って延在し、各TFT23のソース電極23Gに接続される。TFT23は、ソース電極23Sとドレイン電極23Dとに接続され、チャネルが形成される半導体部23Cを有する。
画素電極24は、TFT23のドレイン電極23Dに接続されている。TFT23がゲート配線26に供給される走査信号に基づいて駆動されると、画素電極24は、ソース配線27に供給される画像信号(データ信号)に基づいた電位に充電される。TFT23及び画素電極24は、複数ずつマトリクス状(行列状)に平面配置される。共通電極25には、所定の基準電位(共通電位)が印加される。
続いて、アレイ基板21の表示領域AAの平面レイアウトパターンについて、図5から図9を参照して説明する。画素電極24は、図5に示すように、Y軸方向に間隔を空けた2つのゲート配線26と、X軸方向に間隔を空けた2つのソース配線27と、により囲まれた領域に配置されている。画素電極24は、この領域の平面形状に合わせて、平面に視て縦長の方形状をなしている。ソース配線27は、部分的に拡幅され、その拡幅部分がTFT23のソース電極23Sを構成している。ゲート配線26のうち隣り合うソース配線27間の中央部分は、ゲート電極23Gを兼ねている。ドレイン電極23Dは、画素電極24と重畳し、ゲート電極23と近い位置(図5における画素電極24の下部)に設けられている。また、画素電極24とドレイン電極23Dとは、コンタクトホールによって層間接続されている(図11参照)。半導体部23Cは、一端部がソース電極23Sに接続され、他端部がドレイン電極23Dに接続されるように設けられている。半導体部23Cは、ソース電極23Sからドレイン電極23Dに至る過程でゲート電極23Gと重畳するように、略J字状に屈曲している。
共通電極25は、少なくとも表示領域AAのほぼ全域に形成されている。共通電極25は、図6に示すように、全ての画素電極24と重畳しており、各画素電極24と重畳する部分に1つずつ開口25Sを有する。各開口25Sは、縦長状をなし、Y軸方向に対して傾斜する方向に沿って延在している。開口25Sの開口縁部25S1の大部分は、画素電極24と重畳している。画素電極24が充電されると、画素電極24と共通電極25の開口縁部25S1との間には、アレイ基板21の主面に沿う成分に加えて、アレイ基板21の主面に対する法線方向の成分を含むフリンジ電界(斜め電界)が生じる。このフリンジ電界によって、液晶層22に含まれる液晶分子の配向状態が制御される。つまり、本実施形態に係る液晶パネル11は、動作モードがFFSモードの一種とされる。
アレイ基板21の表示領域AAには、複数の第1遮光部31、及び複数の第2遮光部32が設けられている。第1遮光部31は、図7に示すように、ゲート配線26より幅広にX軸方向に沿って延在している。第1遮光部31は、半導体部23Cの大部分に対して重畳している。第1遮光部31は、後述するように半導体部23Cに対して下層側に配置され(図10から図12)、バックライト装置12から照射される光を遮る。これにより、半導体部23Cに光が照射された場合に生じ得るTFT23の特性の変動を抑制できる。また第1遮光部31は、対向基板20の後述するスペーサ50と重畳する部分に、スペーサ50の大きさに合わせて円形状に膨出する膨出部31Aを有する。膨出部31Aは、スペーサ50及びその周辺領域を遮光して、スペーサ50を外部から視認されにくくするためのスペーサ遮光部としての機能も担っている。
第2遮光部32は、図8に示すように、Y軸方向に間隔を空けた2つの第1遮光部31間を跨ぐように、Y軸方向に沿う縦長状をなしている。第2遮光部32は、X軸方向、及びY軸方向に間隔を空けて複数設けられている。第2遮光部32は、ソース配線27に対して重畳し、ソース配線27に比べて幅広に形成されている。第2遮光部32は、異なる色を呈する画素PX間を行き交う光を遮ぎることで、当該画素PX間に生じる混色を抑制している。第2遮光部32は、遮光効率を向上するために、アレイ基板21のできるだけ上層(対向基板20に近い位置)に配置されることが好ましい。本実施形態に係る第2遮光部32は、TFT23及び画素電極24の上層側に設けられる共通電極25の直下に配置されている(図12)。
第2遮光部32は、共通電極25の隣り合う2つの開口25Sの間に形成され、開口25Sとは重畳していない。すなわち第2遮光部32は、開口25Sと重畳せず、共通電極25の開口25S以外の部分と重畳している。第2遮光部32の外周縁部32Aのうち、開口25Sの開口縁部25S1と近接する部分(図8において一点鎖線で囲んだ部分)は、後述する製造方法によって、開口25S内に突出しないように高精度に位置合わせされている。より詳しくは、第2遮光部32の外周縁部32Aと、共通電極25の開口縁部25S1とは略一致するように位置合わせされている。微視的には、両者のX-Y面(ガラス基板21GSの主面方向)についての最短距離L3(図24参照)は、少なくとも1μm未満となるように位置合わせされている。後述する評価実験1に示すように、当該最短距離L3は、製造方法に用いる材料等を調整することで0.1μm未満にすることが可能である。理論上は、当該最短距離L3は0μmとすることが可能であるが、実際には0.001μm以上、0.1μm未満に調整可能である。
次に、液晶パネル11の断面構成について図10から図12を参照して説明する。液晶パネル11は、一対の基板20,21間に配されて電界印加に伴って光学特性が変化する物質である液晶分子を含む液晶層22を有する。基板20,21間には液晶層22を貫く形で柱状のスペーサ(フォトスペーサ)50が設けられている。スペーサによって基板20,21間の間隔、すなわちセルギャップが面内にわたって一定に保持されている。
対向基板20の表示領域AAには、図10から図12に示すように、青色(B)、緑色(G)及び赤色(R)を呈する3色のカラーフィルタ28が設けられている。異なる色のカラーフィルタ28は、ソース配線27の延在方向(Y軸方向)に沿って延在し、ゲート配線26の延在方向(X軸方向)に隣り合うよう並んで配置されている。カラーフィルタ28は、アレイ基板21側の各画素電極24と平面に視て重畳し、その境界(色境界)はソース配線27と重畳している。X軸方向に沿って並ぶR,G,Bのカラーフィルタ28と、各カラーフィルタ28と対向する3つの画素電極24と、が液晶パネル11の3色の画素PXを構成している。そして、この3色の画素PXによって所定の階調のカラー表示を可能な表示画素が構成されている。
本実施形態に係る液晶パネル11は、上記したヘッドマウントディスプレイ10HMDに用いられるものであることから、極めて高い精細度となっており、液晶パネル11の画素密度は、例えば1200ppi程度とされる。またX軸方向についての画素PXの配列ピッチは、例えば7μm程度とされる。Y軸方向についての画素PXの配列ピッチは、例えばX軸方向の配列ピッチの3倍程度とされる。
対向基板20には、バックライト装置12から照射される光等を遮るために、遮光部であるブラックマトリクス29が形成されている。ブラックマトリクス29は、図10に示すように、異なる色を呈する複数のカラーフィルタ28を仕切るように設けられる。ブラックマトリクス29は、遮光性を有する遮光性材料(例えばアクリルやポリイミドなどの感光性樹脂材料にカーボンブラックなどの顔料を含有させた材料等)からなる。ブラックマトリクス29は、少なくともY軸方向に沿ってほぼ直線状に延在しており、異なる色のカラーフィルタ28を挟むよう間隔を空けて複数設けられている。ブラックマトリクス29は、アレイ基板21のソース配線27と重畳配置されている。ブラックマトリクス29は、第2遮光部32、及び遮光性を有する金属製のソース配線27と共に、異なる色を呈する画素PX間に生じ得る混色を抑制する。また、カラーフィルタ28の上層側(液晶層22側)には、オーバーコート膜30が設けられている。さらに両基板20,21のうち、液晶層22に接する最内面(最上層)には、液晶層22に含まれる液晶分子を配向させるための配向膜がそれぞれ形成されているものとされる。
アレイ基板21には、図10から図12に示すように、下層側(ガラス基板21GS側)から順に、第1遮光膜からなる第1遮光部31、ベースコート膜35、半導体膜からなる半導体部23C、ゲート絶縁膜36、ゲート金属膜からなるゲート電極23G、及びゲート配線26、第1層間絶縁膜37、ソース金属膜からなるソース電極23S、ドレイン電極23D、及びソース配線27、第2層間絶縁膜38、平坦化膜39、第1透明電極膜からなる画素電極24、バンプ膜40、第3層間絶縁膜41、第2遮光膜42からなる第2遮光部32、第2透明電極膜44からなる共通電極25、並びに保護絶縁膜45が積層形成されている。
第1遮光部31は、ガラス基板21GS上に成膜された第1遮光膜からなる。半導体部23Cは、第1遮光部31の上層側にベースコート膜35を介して形成されている。ベースコート膜35によって、第1遮光部31と半導体部23Cとが絶縁されている。半導体部23Cは、半導体膜からなる。ゲート電極23G、及びゲート配線26は、ゲート金属膜からなる。ゲート金属膜は、半導体部23Cの上層側にゲート絶縁膜36を介して形成されている。ソース電極23S、ドレイン電極23D、及びソース配線27は、ソース金属膜からなる。ソース金属膜は、ゲート金属膜の上層側に第1層間絶縁膜37を介して形成されている。従ってTFT23は、トップゲート型のTFTである。
画素電極24は、ソース金属膜の上層側に、絶縁膜(第2層間絶縁膜38、及び平坦化膜39)を介して形成されている。画素電極24は、第1透明電極膜からなる。画素電極24の上には、絶縁膜であるバンプ膜40が形成されている。バンプ膜40は、コンタクトホール内を充填すると共に、対向基板20に形成されたスペーサ50を受けるようにZ軸方向に突出している。バンプ膜40は、ゲート配線26よりも広い幅でX軸方向に沿って延在し、スペーサ50との重畳位置では、スペーサ50を受けるようにさらに拡幅されている。バンプ膜40の平面形状は、大まかには第1遮光部31に倣っている。
バンプ膜40の上には、第3層間絶縁膜41が形成されている。第3層間絶縁膜41の上には、第2遮光膜42からなる第2遮光部32が形成されている。第3層間絶縁膜41によって、画素電極24と第2遮光部32との間、及び画素電極24と共通電極25との間が絶縁されている。第2遮光部32の上には、第2透明電極膜44からなる共通電極25が形成されている。共通電極25の上には、保護絶縁膜45が形成されている。
上記した第1遮光膜、及び第2遮光膜42は、例えばモリブデン(Mo)とタングステン(W)の合金金属材料からなる。第1遮光膜及び第2遮光膜42の材料は、同一であっても、異なっていても構わない。ベースコート膜35、ゲート絶縁膜36、第1層間絶縁膜37、第2層間絶縁膜38、第3層間絶縁膜41、及び保護絶縁膜45は、酸化シリコン(SiOx)、酸窒化シリコン(SiON)、窒化シリコン(SiNx)等の単層又はその積層である透明な無機絶縁材料からなる。平坦化膜39、及びバンプ膜40は、例えばアクリル樹脂(PMMA等)やポリイミド樹脂等の透明な有機絶縁材料からなる。なお、有機絶縁材料からなる各膜は、無機絶縁材料からなる各膜よりも膜厚が大きいのが通常である。半導体膜は、例えばアモルファスシリコン薄膜に金属材料を添加した多結晶シリコン薄膜からなる。ゲート金属膜及びソース金属膜は、銅(Cu)等の金属、合金の単層膜又はこれらの積層膜からなる。ゲート金属膜及びソース金属膜の材料は、同一であっても、異なっていても構わない。第1透明電極膜、及び第2透明電極膜44は、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明電極材料からなる。
続いて、アレイ基板21の製造方法について説明する。ガラス基板21GS上に、上記した積層順で第1遮光部31から第3層間絶縁膜41までを形成する工程は、既知のフォトリソグラフィー法と同じ製造工程を適宜用いることができる。以下では、第3層間絶縁膜41の形成後の製造工程について、図13から図22を参照して詳しく説明する。
第3層間絶縁膜41の形成後、スパッタリング法やCVD法等を用いて第2遮光膜42を成膜する(図13、第2遮光膜42の成膜工程S1)。成膜した第2遮光膜42の上に第1レジスト膜を塗布、露光、及び現像して、第1レジストパターン60を形成する(図14、第1レジストパターン60の形成工程S2)。第1レジストパターン60は、第2遮光部32のレイアウトパターンに対応しつつ、その一部に拡張部60Aを有する。拡張部60Aは、図15に示すように、開口25Sの開口縁部25S1と近接する部分に設けられ、第2遮光部32のレイアウトパターン(図8)より僅かに大きくなるように形成される部分である。既述したように、第2遮光部32は、共通電極25の開口25S内に突出せず、開口25Sと重畳しない平面形状を有するが、拡張部60Aは、後工程(共通電極の形成工程S6)で形成される開口25S内に突出し、開口25Sと重畳するものとなる。なお、第1レジスト膜の露光時に用いられるフォトマスクの形状は、第1レジストパターン60が拡張部60Aを含むように設計されているものとされる。
第1レジストパターンの形成工程S2の後、第1レジストパターン60をマスクとして第2遮光膜42をエッチングする。エッチングによって第2遮光膜42がパターニングされる(図16、第2遮光膜42のパターニング工程S3)。この際のエッチングに用いられる腐食剤は、特に限定されない。パターニングした遮光膜42は、第2遮光部32のレイアウトパターンに対応しつつ、その一部には、第1レジストパターン60の拡張部60Aに覆われて残存する部分42Aが含まれる。この残存部分42Aは、図17に示すように、後工程(共通電極25の形成工程S6)で形成される共通電極25の開口25Sと重畳する重畳部42Aとなる。なお本実施形態では、重畳部42Aは、平面に視て庇状に開口25S内に突出しているが、その形状は限定されない。
第2遮光膜のパターニング工程S3の後、第1レジストパターン60を剥離(除去)する。剥離後、パターニングした第2遮光膜42の上に、第2透明電極膜44を成膜する(図18、第2透明電極膜の成膜工程S4)。成膜した第2透明電極膜44の上に第2レジスト膜を塗布、露光、及び現像して、第2レジストパターン61を形成する(図19、第2レジストパターン61の形成工程S5)。第2レジストパターン61は、共通電極25のレイアウトパターンに対応している。次に、第2レジストパターン61をマスクとして第2透明電極膜44を第1腐食剤によってエッチングして、開口25Sを有する共通電極25を形成する(図20、共通電極25の形成工程S6)。第1腐食剤には、例えば蓚酸を主成分とする蓚酸系薬液が用いられる。
共通電極の形成工程S6の後、形成した共通電極25をマスクとして、パターニングされた第2遮光膜42を第2腐食剤によってエッチングする。エッチングによって、パターニングされた第2遮光膜42のうち、共通電極25の開口25Sと重畳する重畳部42Aのみが選択的に除去される(図21、重畳部42Aのエッチング工程S7)。これにより、第2遮光部32は、図8及び図9に示す平面形状となり、第2遮光部32は、開口25Sと確実に重畳しないように位置合わせされたものとなる。第2腐食剤には、第1腐食剤とは異なる腐食剤であって、共通電極25に比べて、第2遮光膜42をより選択的にエッチングできる腐食剤(第2遮光膜42の腐食速度が、第2透明電極膜44の腐食速度よりも大きい腐食剤)が用いられる。第2腐食剤には、例えば燐酸、硝酸、及び酢酸を混合したPAN系薬液が用いられる。
重畳部42Aのエッチング工程S7の後、第2レジストパターン61を剥離する(図22、第2レジストパターン61の剥離工程S8)。その後、共通電極25の上に、保護絶縁膜45を形成する。保護絶縁膜45の形成には、既知のフォトリソグラフィー法と同じ製造工程を適宜用いることができる。
続いて、上記したアレイ基板21の製造方法の作用効果について説明する。第2遮光膜42は、第2遮光膜42のパターニング工程S3において、共通電極25の開口25Sとの重畳部42Aを有するようにパターニングされる(図16)。この重畳部42Aは、重畳部42Aのエッチング工程S7において、共通電極25をマスクとしてエッチングされることで除去される(図21)。このように予め第2遮光膜42に重畳部42Aを形成し、後工程で位置合わせする相手である共通電極25をマスクとして重畳部42Aを除去すれば、共通電極25の開口25Sと、第2遮光部32とはいわゆるセルフアライメントな関係となる。これにより、第2遮光部32の外周縁部32Aのうち、開口25Sの開口縁部25S1と近接する部分(図8において一点鎖線で囲んだ部分)は、開口25S内に突出しないように高精度に位置合わせされたものとなる。
仮に重畳部42Aのエッチング工程S7が行われない場合、図22に示す比較例1に係るアレイ基板821のように、第2遮光部32の外周縁部32Aは、開口25S内に突き出てしまう。すなわち、第2遮光部32は、開口25Sと重畳する部分を含んでしまう。この場合、共通電極25の開口縁部25S1と、画素電極24との間に生じる電界方位が乱れてしまう。その結果、液晶層22に含まれる液晶分子の光学特性は設計通りに変化しなくなり、表示品位の低下を招く。
そこで、第2遮光部32の外周縁部32Aが、開口25S内に突き出ないように形成しようとすると、仮に重畳部42Aのエッチング工程S7を行わない場合、図24に示す比較例2に係るアレイ基板921に示すように、外周縁部32Aと開口縁部25S1との最短距離L3が1μm以上と大きくなり過ぎてしまうことがある。これは製造バラつきによって、第1レジストパターン60と第2レジストパターン61との間には、X-Y面方向について0.5μmから1.0μm程度の位置ズレが生じることに起因する。当該最短距離L3が1μm以上と大きくなり過ぎると、第2遮光部32の遮光効率が低下し、混色が生じてしまう。
その点、本実施形態では、重畳部42Aのエッチング工程S7によって、外周縁部32Aと開口縁部25S1との最短距離L3を少なくとも1μm未満にできる。当該最短距離L3は、製造方法に用いる材料等を調整することで、後述する評価実験1に示すように0.1μm未満にすることも可能である。
また、上記した第1レジストパターン60の形成工程S2において、第1レジストパターン60は、共通電極25の開口25Sと重畳する拡張部60Aを有するように形成される。これにより、第2遮光膜42のパターニング工程S3において、第2遮光膜42が確実に重畳部42Aを含んだ形でパターニングされるようになる。
また、第2遮光膜42の重畳部42Aは、図17に示すように、平面に視て開口25Sの開口縁部25S1から開口25S内に向かって突き出る突出部である。このようにすれば、重畳部42Aのエッチング工程S7において、重畳部42Aを短時間で除去できる。
また、第2遮光膜42の成膜工程S1において、第2遮光膜42は、特許文献1のようにレジスト膜が残存した状態で成膜されることがない。このため、第2遮光膜42の成膜に際して、真空引きが必要となるスパッタリング法やCVD法を使用しても懸念が生じることはない。
<評価実験1>
上記したアレイ基板21の製造方法による位置合わせ精度を評価するため、評価実験1を行った。評価実験1では、重畳部42Aのエッチング工程S7を行った後に、電子顕微鏡写真を撮影して、第2遮光部32の外周縁部32Aと、共通電極25の開口25Sの開口縁部25S1との最短距離L3を計測した。
<条件>
・第2透明電極膜44(共通電極25)の材料、膜厚:ITO、70nm
・第2遮光膜42(第2遮光部32)の材料、膜厚:MoとWの合金金属、50nm
・第3層間絶縁膜41の材料、膜厚:SiNx、80nm
・第1透明電極膜(画素電極24)の材料、膜厚:IZO、75nm
・平坦化膜39の材料、膜厚:有機絶縁材料、2000nm
・第1腐食剤:蓚酸系薬液
・第2腐食剤:PAN系薬液
・エッチング装置:枚葉式ウエットエッチング装置
・重畳部42Aのエッチング工程S7におけるエッチング時間:28秒、32秒、又は36秒
評価実験1の結果について説明する。重畳部42Aは、図25に示すように、使用したエッチング装置においてエッチング時間として設定可能な最短時間である28秒において、適切に除去されていることが確認された。この場合の第2遮光部32の外周縁部32Aと、共通電極25の開口25Sの開口縁部25S1との最短距離L3は、約0.08μmと非常に小さいことが測定された。またエッチング時間を32秒に長くすると、当該最短距離L3は約0.05μmと減少することが確認された。一方で、エッチング時間を36秒にさらに長くしても、当該最短距離L3は約0.05μmのまま維持されることが確認された。従って、エッチング時間が所定の閾値以上(例えば、評価実験1における32秒以上)になると、エッチング進度は飽和し、当該最短距離L3が一定値に安定することが確認できた。重畳部42Aのエッチング工程S7において、エッチング時間を所定の閾値以上に設定することで、第2遮光部32の外周縁部32Aと、共通電極25の開口25Sの開口縁部25S1とは、非常に高精度に位置合わせすることができる。
<実施形態2>
実施形態2に係るアレイ基板21の製造方法について、図26から図28を参照して説明する。本実施形態に係る製造工程は、重畳部42Aのエッチング工程S7、及び第2レジストパターン61の剥離工程S8の順番、並びに第2腐食剤の種類が実施形態1と異なる。実施形態1と同様の構成、及び作用効果についての重複説明は省略する。
本実施形態では、共通電極の形成工程S6の後、重畳部42Aのエッチング工程S7を行う前に、第2レジストパターン61の剥離工程S8を実行する(図26)。そして、第2レジストパターン61の剥離後、重畳部42Aのエッチング工程S7を実行する(図27)。当該工程S7においては、第2腐食剤としてオゾン水を用いる。その後、共通電極25の上に、保護絶縁膜45を形成する。
第2腐食剤としてオゾン水を用いると、第2遮光膜42がMo系金属材料からなる場合、第2遮光膜42を酸化エッチング可能となる。酸化エッチングによれば、共通電極25をエッチングせずに、第2遮光膜42の重畳部42Aをより確実に選択エッチングできる。このため、重畳部42Aのエッチング工程S7を行う前に、第2レジストパターン61を剥離しても支障が生じることはない。
このようにすれば、保護絶縁膜45を成膜する際に、通常前処理として行われるオゾン水洗浄処理によって、重畳部42Aのエッチング工程S7を実行できるようになる。その結果、第2遮光部32の外周縁部32Aと、共通電極25の開口25Sの開口縁部25S1とを、高精度に位置合わせするにあたって、追加で必要となる工程をなくすことができる。
<評価実験2>
上記したアレイ基板21の製造方法による位置合わせ精度を評価するため、評価実験2を行った。評価実験2では、オゾン水によって重畳部42Aのエッチング工程S7を行った後に、純水洗浄(20秒程度)、スピン乾燥(40秒程度)を順に行い、電子顕微鏡写真を撮影した。評価実験2において、評価実験1と重複する説明は省略する。
<条件>
・第2腐食剤:オゾン水(オゾン濃度 20ppm)
・エッチング装置:スピン洗浄装置
・重畳部42Aのエッチング工程S7におけるエッチング時間:180秒、270秒、又は360秒
評価実験2の結果について説明する。重畳部42Aは、図28に示すように、エッチング時間270秒において、適切に除去されていることが確認された。この場合の第2遮光部32の外周縁部32Aと、共通電極25の開口25Sの開口縁部25S1との最短距離L3は、約0.19μmと小さいことが測定された。エッチング時間を360秒と長くすると、第2遮光膜42の選択エッチングが進むため、当該最短距離L3は約0.31μmに増大することが確認された。一方で、エッチング時間が180秒では、重畳部42Aは完全に除去されず残存してしまうことが確認された。従って、実施形態2では、実施形態1に比べてエッチング速度が遅く、当該最短距離L3を所望の値に制御しやすいことが確認できた。これにより、第2遮光部32の外周縁部32Aと、共通電極25の開口縁部25S1とは、非常に高精度に位置合わせすることができる。
<他の実施形態>
本願明細書に記載の技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)アレイ基板21の層構成、及び各層の平面レイアウトパターンは、図示したものに限られない。例えば、TFT23はトップデート型やデュアルゲート型のTFTであっても構わない。
(2)本願明細書に記載の技術は、液晶パネル11以外の表示パネルにも適用可能である。例えば2つの基板20,21間に液晶層22以外の機能性有機分子(媒質層)を挟持した表示パネル等にも適用できる。
10…液晶表示装置(表示装置)、10HMD…ヘッドマウントディスプレイ、11…液晶パネル(表示パネル)、21…アレイ基板、21GS…ガラス基板(絶縁性基板)、23…TFT(スイッチング素子)、24…画素電極、25…共通電極、32…第2遮光部(遮光部)、32S…開口、32S1…開口縁部、42…第2遮光膜(遮光膜)、42A…重畳部、44…第2透明電極膜(透明電極膜)、45…保護絶縁膜(絶縁膜)、60…第1レジストパターン、60A…拡張部、61…第2レジストパターン、PX…画素

Claims (14)

  1. 複数の画素がマトリクス状に配列されたアレイ基板の製造方法であって、
    絶縁性基板の上層側に、前記複数の画素を構成する複数のスイッチング素子を形成し、
    前記複数のスイッチング素子の上層側に遮光膜を成膜し、
    前記遮光膜の上に、隣り合う前記画素の間を行き交う光を遮るための複数の遮光部のレイアウトパターンに対応する第1レジストパターンを形成し、
    前記遮光膜を前記第1レジストパターンをマスクとしてエッチングしてパターニングし、
    前記複数の遮光部の上層側に透明電極膜を成膜し、
    前記透明電極膜の上に、複数の開口を有し所定の基準電位が印加される共通電極のレイアウトパターンに対応する第2レジストパターンを形成し、
    前記透明電極膜を前記第2レジストパターンをマスクとして第1腐食剤によってエッチングして、前記共通電極を形成し、
    前記パターニングされた遮光膜を前記共通電極をマスクとして第2腐食剤によってエッチングして、前記パターニングされた遮光膜のうち前記複数の開口との重畳部を除去するアレイ基板の製造方法。
  2. 前記第1レジストパターンは、前記共通電極の前記複数の開口と重畳する拡張部を有する請求項1に記載のアレイ基板の製造方法。
  3. 前記重畳部は、平面に視て前記開口内に向かう突出部である請求項1または請求項2に記載のアレイ基板の製造方法。
  4. 前記第2レジストパターンは、前記重畳部を除去した後に剥離される請求項1または請求項2記載のアレイ基板の製造方法。
  5. 前記第1腐食剤は蓚酸を主成分とする薬液であり、前記第2腐食剤は燐酸、硝酸、及び酢酸を混合した薬液である請求項4に記載のアレイ基板の製造方法。
  6. 前記第2レジストパターンは、前記透明電極膜をエッチングして前記共通電極を形成した後、前記重畳部を除去する前に剥離される請求項1または請求項2記載のアレイ基板の製造方法。
  7. 前記第1腐食剤は蓚酸を主成分とする薬液であり、前記第2腐食剤はオゾン水である請求項6に記載のアレイ基板の製造方法。
  8. 前記重畳部を除去した後、前記共通電極の上に絶縁膜が成膜される請求項7に記載のアレイ基板の製造方法。
  9. 前記複数のスイッチング素子の上層側に、前記複数のスイッチング素子と接続される複数の画素電極をマトリクス状に形成し、
    前記遮光膜を前記複数の画素電極の上層側に成膜する請求項1または請求項2に記載のアレイ基板の製造方法。
  10. 前記アレイ基板は、ヘッドマウントディスプレイに用いられる表示パネルのアレイ基板である請求項1または請求項2に記載のアレイ基板の製造方法。
  11. 前記表示パネルは、液晶パネルである請求項10に記載のアレイ基板の製造方法。
  12. 絶縁性基板の上層側に設けられ、複数の画素を構成する複数のスイッチング素子と、
    前記複数のスイッチング素子の上層側にマトリクス状に配列され、前記複数のスイッチング素子と接続される複数の画素電極と、
    前記複数の画素電極の上層側に設けられ、隣り合う前記画素の間を行き交う光を遮るための複数の遮光部と、
    前記複数の遮光部上に設けられ、複数の開口を有し、所定の基準電位が印加される共通電極と、を備え、
    前記複数の遮光部は、前記共通電極と重畳しており、
    前記複数の遮光部の外周縁部と、前記複数の開口の開口縁部との最短距離は、前記絶縁性基板の主面方向について0.001μm以上、1μm未満であるアレイ基板。
  13. 請求項12に記載のアレイ基板を有する表示パネルを備える、ヘッドマウントディスプレイ用の表示装置。
  14. 前記表示パネルは液晶パネルである請求項13に記載の表示装置。
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