JP2024048927A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1相断線時においてモータを適切に駆動可能なモータ制御装置を提供する。【解決手段】ECU40は、3相のモータ巻線11を有するモータの駆動を制御するものであって、駆動回路41と、制御部50と、を備える。駆動回路41は、スイッチング素子411~413を有する。制御部50は、エンコーダ13の検出値に基づくフィードバック制御によりスイッチング素子411~413のオンオフ作動を制御する駆動制御部55、および、モータ巻線11の断線故障を判定する異常判定部52を有する。駆動制御部55は、1相に断線故障が生じており、正常な2相を用いてモータ10を駆動する正常2相駆動を行う場合、正常2相駆動開始時の通電相である通電保持相への通電パターンとは異なるパターンでの通電を行った後に通電保持相に通電する始動前準備処理を行う。始動前準備処理においてリトライ条件が成立した場合、始動前準備処理を再度行う。【選択図】 図2

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
従来、モータの駆動を制御するモータ制御装置が知られている。例えば特許文献1では、各相の巻線の通電ラインにそれぞれ断線検出回路を設け、断線を検出している。
特開2004-129450号公報
1相に断線が生じていても、断線が生じている相である断線相をイナーシャで通過できれば、モータの駆動を継続することができる。特許文献1では、断線相の次に切り替えられる通電相を最初の通電相として設定することで、正常相を用いてモータを駆動している。しかしながら、正常な2相のうちの1相で通電を開始した場合、通電相のステータ突極とロータ凹部が対向し、通電相とロータの歯先が対向しない場合がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、1相断線時においてモータを適切に駆動可能なモータ制御装置を提供することにある。
本発明のモータ制御装置は、3相のモータ巻線(11)を有するモータ(10)の駆動を制御するものであって、駆動制御部(41)と、制御部(50)と、を備える。駆動回路は、モータ巻線の各相への通電のオンオフを切り替えるスイッチング素子(411~413)を有する。制御部は、モータの回転位置を検出する回転位置センサ(13)の検出値に基づくフィードバック制御によりスイッチング素子のオンオフ作動を制御する駆動制御部(55)、および、モータ巻線の断線故障を判定する異常判定部(52)を有する。
駆動制御部は、3相のうちの1相に断線故障が生じており、正常な2相を用いてモータを駆動する正常2相駆動を行う場合、正常2相駆動開始時の通電相である通電保持相への通電パターンとは異なるパターンでの通電を行った後に通電保持相に通電する始動前準備処理を行う。始動前準備処理においてリトライ条件が成立した場合、始動前準備処理を再度行う。これにより、1相断線時においてモータを適切に駆動することができる。
第1実施形態によるシフトバイワイヤシステムを示す斜視図である。 第1実施形態によるシフトバイワイヤシステムを示す概略構成図である。 第1実施形態によるECUを説明する回路図である。 第1実施形態によるモータを示す模式図である。 第1実施形態による通電相番号を通電相とが関連づけられたマップである。 第1実施形態による断線相と切替方向に応じた対向位置を説明する説明図である。 第1実施形態において、U相断線時において正転方向に駆動する場合の通電開始時の対向状態を示す模式図である。 第1実施形態において、正常2相でのモータ駆動を説明する説明図である。 第1実施形態による切替前準備処理における通電相の切り替えを説明する説明図である。 第1実施形態による切替前準備処理におけるロータの挙動を説明する説明図である。 第1実施形態によるレンジ切替処理を説明するフローチャートである。 第1実施形態によるレンジ切替処理を説明するタイムチャートである。 第2実施形態によるレンジ切替処理を説明するフローチャートである。 第3実施形態によるレンジ切替処理を説明するフローチャートである。 第3実施形態によるレンジ切替処理を説明するタイムチャートである。 第4実施形態によるレンジ切替処理を説明するフローチャートである。 第4実施形態によるレンジ切替処理を説明するタイムチャートである。 第4実施形態によるレンジ切替処理を説明するタイムチャートである。 第5実施形態によるレンジ切替処理を説明するフローチャートである。 第5実施形態によるレンジ切替処理を説明するタイムチャートである。 第5実施形態によるレンジ切替処理を説明するタイムチャートである。 第5実施形態によるレンジ切替処理を説明するタイムチャートである。 第6実施形態による起動時処理を説明するフローチャートである。 第6実施形態によるレンジ切替処理を説明するフローチャートである。 第6実施形態によるレンジ切替処理を説明するタイムチャートである。 第6実施形態によるレンジ切替処理を説明するタイムチャートである。 第6実施形態によるレンジ切替処理を説明するタイムチャートである。
(第1実施形態)
以下、本発明によるモータ制御装置を図面に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第1実施形態を図1~図12に示す。図1および図2に示すように、シフトバイワイヤシステム1は、モータ10、ディテント機構20、パーキングロック機構30、および、モータ制御装置としてのECU40等を備える。
モータ10は、図示しない車両に搭載されるバッテリ90から電力が供給されることで回転し、ディテント機構20の駆動源として機能する。モータ10は、例えばスイッチトリラクタンスモータである。
図3および図4に示すように、モータ10は、ステータ101、ロータ103、および、モータ巻線11等を有する。モータ巻線11は、U相コイル111、V相コイル112およびW相コイル113を有し、ステータ101の突極102に巻回される。コイル111~113は、結線部115で結線される。結線部115は、モータリレー91およびヒューズ92を経由してバッテリ90と接続される。
ロータ103は、突極を有し、ステータ101の径方向内側に回転可能に設けられている。ロータ103は、コイル111~113の通電相を切り替えることで回転駆動される。本実施形態では、ステータ101の突極数が12、ロータ103の突極数が8である。以下適宜、ロータ103の突極を凸部104、凸部間を凹部105とする。
エンコーダ13は、磁気式のロータリーエンコーダであって、ロータ103の回転位置を検出する。エンコーダ13は、磁気検出用のホール素子131、132、および、ロータ103と一体に回転するマグネット135等から構成される。ホール素子131、132は、ロータ103の回転に同期して、所定角度ごとにパルス信号を出力する。本実施形態では、ホール素子131、132がN極に対向しているときLo、S極に対向しているときHiの信号を出力する。
マグネット135は、円環状に形成されており、ロータ103と同軸に配置されている。マグネット135は、N極とS極とが円周方向に交互に等ピッチで着磁されている。本実施形態の着磁ピッチは7.5°である。この着磁ピッチは、モータ10の励磁1回あたりのロータ103の回転角度と同じである。すなわち、U相→UV相→V相→VW相→W相→WU相と通電相を切り替えていく1-2相励磁方式で6回の通電相の切り替えを行って一巡すると、ロータ103が機械角で7.5×6=45°回転する。
ホール素子131、132は、同一円周上であって、位相差が電気角90°となるように配置されている。本実施形態では、電気角90°は機械角の3.75°に対応しており、ホール素子131、132は48.75°の間隔を空けて配置されている。本実施形態では、ホール素子131の信号をA相、ホール素子132の信号をB相とする。なお、エンコーダ13は2相エンコーダであるが、3相エンコーダであってもよいし、検出信号に加え基準信号としてZ相信号を出力するものであってもよい。
図1に戻り、減速機14は、モータ10のモータ軸と出力軸15との間に設けられ、モータ10の回転を減速して出力軸15に出力する。これにより、モータ10の回転がディテント機構20に伝達される。出力軸センサ16は、例えばポテンショメータであって、出力軸15の回転位置を検出する(図2参照)。
ディテント機構20は、ディテントプレート21、ディテントスプリング25、および、ディテントローラ26を有し、減速機14から出力された回転駆動力をパーキングロック機構30へ伝達する。
ディテントプレート21は、出力軸15に固定され、モータ10により駆動される。ディテントプレート21のディテントスプリング25側には、2つの谷部211、212、および、谷部211、212を隔てる山部215が設けられる。
ディテントスプリング25は、弾性変形可能な板状部材であり、先端にディテントローラ26が設けられる。ディテントスプリング25は、ディテントローラ26をディテントプレート21の回動中心側に付勢する。
ディテントプレート21に所定以上の回転力が加わると、ディテントスプリング25が弾性変形し、ディテントローラ26が谷部211、212間を移動する。ディテントローラ26が谷部211、212のいずれかに嵌まり込むことで、ディテントプレート21の揺動が規制され、パーキングロック機構30の状態、および、自動変速機5のシフトレンジが決定される。
パーキングロック機構30は、パーキングロッド31、円錐体32、パーキングレバー33、軸部34、および、パーキングギア35を有する。パーキングロッド31は、略L字形状に形成され、一端311側がディテントプレート21に固定される。パーキングロッド31の他端312側には、円錐体32が設けられる。円錐体32は、他端312側にいくほど縮径するように形成される。ディテントローラ26がPレンジに対応する谷部211に嵌まり込む方向にディテントプレート21が回転すると、円錐体32が矢印Pの方向に移動する。
パーキングレバー33は、円錐体32の円錐面と当接し、軸部34を中心に揺動可能に設けられる。パーキングレバー33のパーキングギア35側には、パーキングギア35と噛み合い可能な凸部331が設けられる。ディテントプレート21の回転により、円錐体32が矢印P方向に移動すると、パーキングレバー33が押し上げられ、凸部331とパーキングギア35とが噛み合う。一方、円錐体32が矢印notP方向に移動すると、凸部331とパーキングギア35との噛み合いが解除される。
パーキングギア35は、図示しないドライブシャフトと接続しており、パーキングレバー33の凸部331と噛み合い可能に設けられる。パーキングギア35と凸部331とが噛み合うと、ドライブシャフトの回転が規制される。シフトレンジがP以外のレンジであるnotPレンジのとき、パーキングギア35はパーキングレバー33によりロックされず、ドライブシャフトの回転は、パーキングロック機構30により妨げられない。また、シフトレンジがPレンジのとき、パーキングギア35はパーキングレバー33によってロックされ、ドライブシャフトの回転が規制される。
本実施形態では、PレンジからnotPレンジへ切り替えるときのモータ10の回転方向を正転方向、notPレンジからPレンジへ切り替えるときのモータ10の回転方向を逆転方向とする。
図2および図3に示すように、ECU40は、駆動回路41、電流検出部45、電圧検出回路46、および、制御部50等を備える。駆動回路41は、3つのスイッチング素子411、412、413を有する。スイッチング素子411~413は、それぞれコイル111~113と対応して設けられ、対応する相の通電を切り替える。本実施形態では、スイッチング素子411~413は、コイル111~113とグランドとの間に設けられている。本実施形態のスイッチング素子411~413は、MOSFETであるが、IGBT等であってもよい。
電流検出部45は、スイッチング素子411~413のソースとグランドとを接続する集合配線に設けられ、コイル111~113に流れる電流の和を検出する。以下、電流検出部45にて検出される電流を、モータ電流Imとする。電流検出部45は、コイル111~113の電流を検出可能ないずれの箇所に設けてもよく、また相毎に設けるようにしてもよい。
電圧検出回路46は、コイル111~113とスイッチング素子411~413との間に接続され、各相の端子電圧を検出する。リレードライバ48は、モータリレー91のオンオフ作動を制御する。
制御部50は、マイコン等を主体として構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、RAM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。制御部50における各処理は、ROM等の実体的なメモリ装置(すなわち、読み出し可能非一時的有形記録媒体)に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
制御部50は、ドライバ要求シフトレンジに応じたシフト信号、ブレーキスイッチからの信号、アクセル開度および車速等に基づいてモータ10の駆動を制御することで、シフトレンジの切り替え等を制御する。
制御部50は、機能ブロックとして、信号取得部51、異常判定部52、および、駆動制御部55等を有する。信号取得部51は、エンコーダ13、出力軸センサ16、電流検出部45および電圧検出回路46等からの検出信号を取得する。異常判定部52は、断線異常等のシフトバイワイヤシステム1の異常を判定する。
駆動制御部55は、スイッチング素子411~413のオンオフ作動を制御することで、モータ10の駆動を制御する。本実施形態では、エンコーダカウント値に基づくフィードバック制御により、モータ巻線11の通電相を切り替えることでモータ10を駆動する。
図5に示すように、制御部50は、通電相番号と通電相とが対応づけられたマップが記憶されており、エンコーダ信号のパルスエッジが検出されるごとに通電相番号を1ずらし、通電相を切り替えることでモータ10を回転させる。モータ10を正方向に回転させる場合、通電相番号をエンコーダ信号のパルスエッジが検出されるごとに通電相番号を1増加させ、モータ10を逆方向に回転させる場合、通電相を1減少させる。通電相番号は、例えばエンコーダカウント値を12で除したときの余りと捉えることもできる。
本実施形態では、1相に断線異常が生じた場合、フィードバック制御による正常な2相への通電によりモータ10を駆動することで、レンジ切り替えを行う。例えばU相断線時、正常時にU相のみに通電される通電相番号2、3において、トルクが発生しないが、イナーシャでこの領域を通過させることでモータ10の駆動を継続可能である。
ここで、1相断線にてレンジ切り替えを行う場合、通電相とロータ103の凸部104とが対向する、所謂「1相1歯」の状態から切替駆動を開始することが望ましい。以下、U相の突極102とロータ103の凸部104とが1相1歯で対向している状態を「U相対向」、V相の突極102と凸部104とが1相1歯で対向している状態を「V相対向」、W相の突極102と凸部104とが1相1歯で対向している状態を「W相対向」とする。
図6に示すように、断線相とモータ10の回転方向に応じ、切替開始時のステータ101の突極102とロータ103の凸部104との対向位置関係が設定されている。U相断線にて切替方向が正転方向の場合、V相対向、逆転方向の場合、W相対向の状態からレンジ切り替えを開始する。V相断線にて切替方向が正転方向の場合、W相対向、逆転方向の場合、U相対向の状態からレンジ切り替えを開始する。W相断線にて切替方向が正転方向の場合、U相対向、逆転方向の場合、V相対向の状態からレンジ切り替えを開始する。以下、U相断線にて、切替方向が正転方向の例を中心に説明する。
図7に示すように、U相断線にて、正転方向に切り替える場合、V相通電にてV相対向の状態からレンジ切り替えを開始する。図8では、上段に通電相の切り替えを示し、下段には上段の通電相と対応するモータトルクを示した。図8に示すように、V相通電にてV相対向の状態から、VW相通電→W相通電と正常相への通電を切り替えることで、トルクを発生させてロータ103を回転させる。
U相断線が生じていない場合、W相通電に続き、WU相通電、U相通電、UV相通電となる。一方、U相断線時にはU相コイル111への通電ができないため、本来WU相通電となる領域ではW相通電が継続されてモータトルクが減少し、本来U相通電となる領域はモータトルクが0となる。この領域をイナーシャで通過すれば、UV相通電領域にてV相に通電されてモータトルクが増加するので、モータ10の回転が継続される。図7および図8では、通電相のコイルを実線、無通電相のコイルを破線とし、U相コイル111の図示を省略することで断線状態を示している。
ここで、レンジ切替前にV相通電のみを行う場合、V相通電時にロータ103の凹部105とV相の突極102とが対向する場合があり、この状態では、V相対向の状態からの駆動を開始することができない。V相の突極102とロータ103の凹部105とが対向している状態からV相通電→VW相通電、と通電相を切り替える場合、ロータ103が逆方向に回転する、または、イナーシャで通過させたい領域にて回転数が足りず、断線相を通過できない虞がある。
そこで本実施形態では、確実に図6に示した対向状態となるように、ステータ101とロータ103の位置を合わせる切替前準備処理を行う。切替前準備処理では、図9に示すように、1相通電、2相通電、1相通電を順に行うことで、切替開始時の通電相に1相1歯の状態で対向させる。
具体的には、U相断線にて切替方向が正転方向の場合、切替前準備としてW相通電、VW相通電、V相通電を行い、逆転方向の場合、切替前準備としてV相通電、VW相通電、W相通電を行う。V相断線にて切替方向が正転方向の場合、切替前準備としてU相通電、WU相通電、W相通電を行い、逆転方向の場合、切替前準備としてW相通電、WU相通電、U相通電を行う。W相断線にて切替方向が正転方向の場合、切替前準備としてV相通電、UV相通電、U相通電を行い、逆転方向の場合、切替前準備としてU相通電、UV相通電、V相通電を行う。以下、切替前準備における、最初の1相通電を通電ステータスST1、次の2相通電を通電ステータスST2、切替開始時の通電相への1相通電にて1相1歯状態の保持する状態を通電ステータスST3とする。
U相断線時にV相対向状態とするための切替前準備を図10に示す。まず、W相通電を行うことで、W相に凸部104が対向する。この状態から、VW相通電に切り替えると、ロータ103が回転し、V相およびW相に凸部104が対向する、所謂「2相2歯」の状態となる。2相2歯の状態からV相通電に切り替えることで、確実にV相対向の1相1歯の状態とすることができる。なお、W相通電時に、W相に凹部105が対向する、所謂「1相2歯」の状態となったとしても、VW相通電の後にV相通電を行うことで、V相通電時には、V相対向の1相1歯の状態とすることができる。
本実施形態のレンジ切替処理を図11のフローチャートに基づいて説明する。この処理は制御部50にて所定の周期で実行される。S101では、制御部50は、1相断線が検出されたか否か判断する。1相断線が検出されてないと判断された場合(S101:NO)、S102以降の処理をスキップする。なお、1相断線の検出は、本実施形態と別処理にて行われ、例えば電圧検出回路46の検出値等に基づいて判定されるが、検出方法の詳細は問わない。また、全相正常時は本処理とは別処理でレンジ切り替えが実施される。1相断線が検出されていると判断された場合(S101:YES)、S102へ移行する。
S102では、制御部50は、シフトレンジの切替要求があるか否か判断する。切替要求がないと判断された場合(S102:NO)、S103以降の処理をスキップし、スタンバイモードを継続する。切替要求があると判断された場合(S102:YES)、S103へ移行する。
S103では、駆動制御部55は、通電ステータスST1での通電を行う。例えばU相断線時であって、切替方向が正転方向の場合、W相に通電する。S104では、駆動制御部55は、通電ステータスST1での通電保持時間Xh1が経過したか否か判断する。通電保持時間Xh1が経過していないと判断された場合(S104:NO)、S103へ戻り、通電ステータスST1での通電を継続する。通電保持時間Xh1が経過したと判断された場合(S104:YES)、S105へ移行する。
S104では、駆動制御部55は、通電ステータスST2での通電を行う。例えばU相断線時は、切替方向によらず正常相のVW相への2相通電とする。S106では、駆動制御部55は、通電ステータスST2での通電保持時間Xh2が経過したか否か判断する。通電保持時間Xh2が経過していないと判断された場合(S106:NO)、S105へ戻り、通電ステータスST2での通電を継続する。通電保持時間Xh2が経過したと判断された場合(S106:YES)、S107へ移行する。
S107では、駆動制御部55は、通電ステータスST3での通電を行う。例えばU相断線時であって、切替方向が正転方向の場合、V相に通電する。S108では、駆動制御部55は、通電ステータスST3での通電保持時間Xh3が経過したか否か判断する。通電保持時間Xh3が経過していないと判断された場合(S108:NO)、S107へ戻り、通電ステータスST3での通電を継続する。通電保持時間Xh3が経過したと判断された場合(S108:YES)、S109へ移行し、切替前準備完了フラグをオンにする。なお、切替前準備完了フラグは、レンジ切替開始後の任意のタイミングでオフされる。
S110では、駆動制御部55は、断線相と回転方向に応じた所定の位置にて1相1歯での対向状態から、モータ10を駆動し、正常2相でのフィードバック制御によりレンジ切り替えを実施する。S111では、制御部50は、レンジ切り替えが完了したか否か判断する。レンジ切り替えが完了してないと判断された場合(S111:NO)、S109へ戻り、正常2相でのフィードバック制御を継続する。レンジ切り替えが完了したと判断された場合(S111:YES)、スタンバイモードに移行し、本処理を終了する。
本実施形態のレンジ切替処理を図12のタイムチャートに基づいて説明する。図12では、共通時間軸を横軸とし、上段から、モータ制御モード、1相断線検出状態、切替前準備完了フラグ、モータ回転角、通電相を示している。モータ回転角は、エンコーダカウント値から換算可能な値であって、実際の値を実線、目標値を一点鎖線とし、ディテントローラ26が谷部211の最底部にあるときをP、谷部212の最底部にあるときをnotPとして示した。後述の図15等も同様である。
図12では、通電ステータス切替によるロータ103の振動成分については記載を省略した。シフト切り替え時の通電相について、通電相番号を括弧書きで記載した。なお、通電相番号は、簡略化のため、切り替え時の番号とした。また、説明のため、シフト切替中における通電相の切り替えは、タイムスケールを拡大しており、モータ回転角の推移とは対応しない。
時刻x0にて1相断線が生じ、時刻x1にて異常が確定された後、時刻x2にてシフトレンジ切替要求が入力されると、切替前準備処理を行う。切替前準備処理では、通電ステータスST1、ST2、ST3の順で所定時間毎に通電相を切り替える。通電ステータスST1、ST2、ST3の通電相は、断線相および切替方向に応じて設定される。
なお、通電ステータスST2は2相通電であるので、ロータ103が安定しやすく、通電保持時間Xh2は相対的に短い時間でよい。また、通電ステータスST3では、1相1歯の状態にて確実に保持されることが望ましいため、相対的に長い時間に設定される。したがって、本実施形態は、Xh2≦Xh1≦Xh3に設定される。
時刻x3にて、切替前準備処理が完了すると、切替前準備完了フラグがオンされ、正常な2相を用いたフィードバック制御でのレンジ切り替えが実施される。時刻x4にて、目標到達判定範囲に到達すると、停止制御を行う。本実施形態の停止制御は、正常2相への固定相通電である。時刻x5にて、停止制御開始から所定時間が経過すると、全てのスイッチング素子をオフにし、スタンバイモードに移行する。
本実施形態では、1相断線時において、正常2相への通電によりモータ10を駆動する場合、駆動開始前の切替前準備処理として、1相通電、2相通電、1相通電を順に行う。これにより、切替開始時の通電相にロータ103の凸部104が対向した1相1歯の状態からモータ10の駆動を開始することができる。
以上説明したように、ECU40は、3相のモータ巻線11を有するモータの駆動を制御するものであって、駆動回路41と、制御部50と、を備える。駆動回路41は、モータ巻線11の各相への通電のオンオフを切り替えるスイッチング素子411~413を有する。制御部50は、モータ10の回転位置を検出するエンコーダ13の検出値に基づくフィードバック制御によりスイッチング素子411~413のオンオフ作動を制御する駆動制御部55、および、モータ巻線11の断線故障を判定する異常判定部52を有する。
駆動制御部55は、3相のうちの1相に断線故障が生じており、正常な2相を用いてモータ10を駆動する正常2相駆動を行う場合、正常2相駆動開始時の通電相である通電保持相への通電パターンとは異なるパターンでの通電を行った後に通電保持相に通電する切替前準備処理を行う。ここで、断線故障は、コイルに通電できない故障であって、ハーネスの断線や、スイッチング素子のオフ固着等が含まれる。
切替前準備処理を行うことで、正常2相駆動にてトルクが発生できるステータ101とロータ103との対向位置までロータ103を回転させることができる。これにより、1相断線時において、モータ10を適切に駆動することができる。
駆動制御部55は、通電前準備処理として、正常相の1相に通電する第1通電処理である通電ステータスST1、正常相の2相に通電する第2通電処理である通電ステータスST2、1相の通電保持相に通電する第3通電処理である通電ステータスST3の順で通電相を切り替える。これにより、ステータ101とロータ103との対向位置を所定の位置に適切に合わせることができる。
切替前準備処理における通電相は、断線相およびモータ10の回転方向に応じて設定され、通電ステータスST1の通電相は、通電相の切替順序からみて、断線相の前に通電される相である。これにより、ステータ101とロータ103との対向位置を適切に合わせることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態を図13に示す。以下の実施形態では、主に切替前準備処理が上記実施形態と異なるため、この点を中心に説明する。本実施形態のレンジ切替処理を図13のフローチャートに基づいて説明する。図13は、S106とS107の間にS120が追加されている点が図11と異なる。
通電ステータスST2の後に移行するS120では、制御部50は、雰囲気温度Hに応じて通電ステータスST3の通電保持時間Xh3を設定する。詳細には、雰囲気温度Hが第1判定閾値Hth1未満場合、通電保持時間Xp、雰囲気温度Hが第1判定閾値Hth1以上、第2判定閾値Hth2未満場合、通電保持時間Xq、雰囲気温度Hが第2判定閾値Hth2以上の場合、通電保持時間Xrとする。各値の大小関係は、Hth1<Hth2、Xp<Xq<Xrである。雰囲気温度Hは、モータ10の環境温度であって、モータ10そのものの温度であってもよいし、例えばトランスミッションの油温等、モータ10の近傍に配置される他の部品の温度としてもよい。
通電ステータスST13は、1相通電にて1相1歯の状態にて保持する。ここで、1相通電の場合、ロータ103が振動しやすい。また、雰囲気温度Hが低い場合、フリクションが大きく、ロータ103が揺れにくい。そこで、本実施形態では、雰囲気温度Hが低いほど、通電ステータスST3での通電保持時間Xh3を短くすることで応答性を向上可能である。なお、この例では、2つの判定閾値Hth1、Hth2を用いて通電保持時間Xh3を3段階に設定しているが、判定閾値は1以上であればよく、段階数は問わない。また、閾値判定に替えて、雰囲気温度Hに応じたマップや関数での演算により通電保持時間Xh3を設定してもよい。さらにまた、通電ステータスST3と同様、1相通電である通電ステータスST1の通電保持時間Xh1についても雰囲気温度Hに応じて可変としてもよい。
本実施形態では、切替前準備処理における通電時間は、モータ温度に応じて可変である。詳細には、モータ温度が低いほど、通電ステータスST3の通電時間が短くなるように設定される。これにより、モータ温度に応じて通電時間が適切に設定されるので、特に低温時の応答性向上に寄与する。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
第3実施形態を図14および図15に示す。本実施形態のレンジ切替処理を図14のフローチャートに基づいて説明する。S201~S204の処理は、図11中のS101~S104の処理と同様である。
通電ステータスST1での通電保持時間Xh1経過後に移行するS205では、制御部50は、振幅A1が振幅判定閾値Ath1以下か否か判断する。振幅A1は、例えば通電保持時間Xh1経過後からn個前のエンコーダカウント値の最大値と最小値の差分である。振幅A1の演算詳細は問わない。振幅判定閾値Ath1は、ロータ103が1相1歯の状態で保持されているとみなせる程度の値に設定される。後述の振幅A3および振幅判定閾値Ath3も同様である。振幅判定閾値Ath1、Ath3は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
振幅A1が振幅判定閾値Ath1以下であると判断された場合(S205:YES)、S207へ移行し、通電ステータスST2での通電を開始する。振幅A1が振幅判定閾値Ath1より大きいと判断された場合(S205:NO)、S206へ移行し、通電ステータスST1での通電を所定時間Xa延長する。その後、S207へ移行し、通電ステータスST2での通電を開始する。S207~S210の処理は、S105~S108の処理と同様である。
通電ステータスST3での通電保持時間Xh3経過後に移行するS211では、制御部50は、振幅A3が振幅判定閾値Ath3以下か否か判断する。振幅A3が振幅判定閾値Ath3以下であると判断された場合(S211:YES)、S213へ移行し、正常2相でのレンジ切り替えを実施する。振幅A3が振幅判定閾値Ath3より大きいと判断された場合(S211:NO)、S211へ移行し、通電ステータスST3での通電を所定時間Xc延長する。通電ステータスST1、ST3の延長時間は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。S213~S215の処理は、図11中のS109~S111の処理と同様である。
本実施形態のレンジ切替処理を図15のタイムチャートに基づいて説明する。ここでは、振幅判定閾値Ath1、Ath3が等しいものとして説明する。また、説明のため、1相通電での振動成分を強調して記載している。時刻x10~x12の処理は、図12の時刻x0~x2の処理と同様である。
時刻x12にて、通電ステータスST1での1相通電によりロータ103が振動するが、通電保持時間Xh1が経過した時刻x13での振幅A1が振幅判定閾値Ath1以下であるので、通電ステータスST1を延長せず、通電ステータスST2へ切り替える。通電ステータスST2では、2相通電のため、ロータ103の振動は比較的小さい。
通電ステータスST2の開始から通電保持時間Xh2が経過した時刻x14にて、通電ステータスST2から通電ステータスST3に切り替え、1相通電にすると、ロータ103が振動する。通電保持時間Xh3が経過した時刻x15での振幅A3が振幅判定閾値Ath3より大きいので、通電ステータスST3での通電を所定時間Xc延長する。この例では、通電ステータスST3を延長している間に振幅が振幅判定閾値Ath3以下に収束している。通電ステータスST3を所定時間Xc延長した後、正常2相でのレンジ切り替えを行う。時刻x16以降の処理は、図12中の時刻x3以降の処理と同様である。
本実施形態では、通電ステータスST1および通電ステータスST3の少なくとも一方において、通電保持時間が経過したときのモータ回転角の振幅A1、A3が振幅判定閾値Ath1、Ath3より大きい場合、通電時間を延長する。これにより2相通電と比較してステータ101とロータ103との対向状態が不安定になりやすい1相通電において、対向位置保持精度を高めることができる。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第4実施形態)
第4実施形態を図16~図18に示す。図16は、S206に替えてS231、232、S212に替えてS233、S234となっている点が図14と異なっている。通電ステータスST1にて、通電保持時間Xh1経過後に移行するS205において、振幅A1が振幅判定閾値Ath1より大きいと判断された場合(S205:NO)に移行するS231では、通電ステータスST1を延長する。
S232では、制御部50は、通電ステータスST1の延長開始からタイムアウト時間Xout1が経過したか否か判断する。タイムアウト時間が経過していないと判断された場合(S232:NO)、通電ステータスST1の延長を継続し、S205へ戻る。タイムアウト時間Xout1が経過したと判断された場合(S232:YES)、S207へ移行し、通電状態を通電ステータスST2に切り替える。
通電ステータスST3にて、通電保持時間Xh3経過後に移行するS211において、振幅A3が振幅判定閾値Ath3より大きいと判断された場合(S211:NO)に移行するS233では、通電ステータスST3を延長する。
S234では、制御部50は、通電ステータスST3の延長開始からタイムアウト時間Xout3が経過したか否か判断する。タイムアウト時間Xout3が経過していないと判断された場合(S234:NO)、通電ステータスST3の延長を継続し、S205へ戻る。タイムアウト時間Xout3が経過したと判断された場合(S234:YES)、S213へ移行する。
本実施形態のレンジ切替処理を図17および図18のタイムチャートに基づいて説明する。図17は、タイムアウト時間Xout3の前に振動が収束した場合を示している。時刻x20~時刻x25の処理は、図15中の時刻x10~時刻x15の処理と同様である。時刻x25にて振幅A3が振幅判定閾値Ath3より大きいので、通電ステータスST3での通電を延長する。
通電ステータスST3の延長開始時刻である時刻x25からタイムアウト時間Xout3が経過する前の時刻x26にて、振幅A3が振幅判定閾値Ath3より小さくなっているので、切替前準備完了フラグをオンにし、正常2相でのレンジ切り替えを行う。時刻x26以降の処理は、上述の例と同様である。
図18は、タイムアウト時間Xout3内に振動が収束しなかった場合を示している。時刻x30~時刻x35の処理は、図15中の時刻x10~時刻x15の処理と同様である。時刻x35にて振幅A3が振幅判定閾値Ath3より大きいので、通電ステータスST3での通電を延長する。
通電ステータスST3の開始時刻である時刻x35からタイムアウト時間Xout3が経過した時刻x36にて、振幅A3が振幅判定閾値Ath3より大きい状態が継続しているが、タイムアウトとして切替前準備フラグをオンにし、正常2相でのレンジ切り替えを行う。時刻x36以降の処理は上述の例と同様である。
切替前準備完了直前の通電ステータスST3は1相通電であるので、ロータ103が振動しやすく、対向位置が定まりにくい。そこで、タイムアウト時間Xout3が経過した場合、振動が収束しなくとも、ロータ103が所定の対向位置への移動が完了しているとみなし、切替前準備完了とする。これにより、適切にレンジ切り替えを開始することができる。
本実施形態では、駆動制御部55は、通電の延長開始からタイムアウト時間Xout1、Xout3が経過した場合、次の通電処理に移行する。詳細には、通電ステータスST1にてタイムアウト時間Xout1が経過した場合、通電ステータスST2へ移行し、通電ステータスST3にてタイムアウト時間Xout3が経過した場合、正常2相駆動でのレンジ切り替えを開始する。これにより、1相通電での振動が収まらない場合でも、適切に次の通電処理に切り替えることができる。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第5実施形態)
第5実施形態を図19~図22に示す。本実施形態では、切替開始前準備中に、切替開始準備が適切になされなかった場合、リトライを行う。本実施形態のレンジ切替処理を図19のフローチャートに基づいて説明する。
S301、S302の処理は、図11中のS101、S102の処理と同様である。切替要求があると判断された場合(S302:YES)、S303へ移行し、後述のリトライフラグをオフにする。
S304~S306の処理は、図14中のS203~S205の処理と同様である。振幅A1が振幅判定閾値Ath1以下であると判断された場合(S306:YES)、S308へ移行する。振幅A1が振幅判定閾値Ath1より大きいと判断された場合(S306:NO)、S307へ移行し、リトライフラグをオンにする。
S308~S312の処理は、図14中のS207~S211の処理と同様である。振幅A3が振幅判定閾値Ath3より大きいと判断された場合(S312:NO)、S314へ移行し、リトライフラグをオンにする。すでにオンである場合は、その状態を維持する。振幅A3が振幅判定閾値Ath3以下であると判断された場合(S312:YES)、S313へ移行する。
S313では、制御部50は、今回の通電ステータスST1での通電開始から、通電ステータスST3での通電が終了するまでの間に、モータ電圧Vmが電圧判定閾値Vth未満となる電圧低下が生じたか否か判断する。電圧低下に替えて、モータ電流Imが電流判定閾値Ith未満となる電流低下の有無を判定してもよい。電圧低下が生じていないと判断された場合(S313:NO)、S315へ移行する。電圧低下が生じたと判断された場合(S313:YES)、S314へ移行し、リトライフラグをオンにする。なお、ここでは説明のため、通電ステータスST3終了後に電圧低下の有無を判定しているが、本処理とは別途に電圧監視を行い、電圧低下が生じたタイミングでリトライフラグをオンにするようにしてもよい。
S315では、制御部50は、リトライフラグがオンか否か判断する。リトライフラグがオフであると判断された場合(S315:NO)、S319へ移行する。リトライフラグがオンであると判断された場合(S315:YES)、S316へ移行し、リトライカウンタCrをインクリメントする。
S317では、制御部50は、リトライカウンタCrがカウント判定閾値Cthより小さいか否か判断する。リトライカウンタCrがカウント判定閾値Cthより小さいと判断された場合(S317:YES)、S303へ戻り、リトライフラグをオフし、切替前準備をリトライする。リトライカウンタCrがカウント判定閾値Cth以上であると判断された場合(S317:NO)、S318へ移行する。
S318では、制御部50は、入力された切替要求が、PレンジからnotPレンジへの切り替えか否か判断する。PレンジからnotPレンジへの切り替えであると判断された場合(S303:YES)、S319以降の処理をスキップする。notPレンジからPレンジへの切り替えであると判断された場合(S318:NO)、S319へ移行し、リトライフラグをオフにし、切替前準備完了フラグをオンにする。S320、S321の処理は、図11中のS110、S111の処理と同様である。
すなわち本実施形態では、所定回数の切替前準備処理のリトライを行っても、リトライフラグがセットされている場合、P入れ側については正常2相駆動でのレンジ切り替えを行い、P抜き側はレンジ切り替えを行わない。ここで、リトライフラグがセットされている状態は、リトライ条件が成立している状態、と捉えることができる。なお、S318を省略し、レンジ切り替え方向によらず、所定のリトライ回数後に、正常2相駆動を行うようにしてもよい。
本実施形態のレンジ切替処理を図20~図22のタイムチャートに基づいて説明する。図20は、切替前準備処理中に電圧低下が生じた場合の例であって、共通時間軸を横軸とし、上段からモータ制御、1相断線検出状態、切替前準備完了フラグ、リトライフラグ、リトライカウンタ、モータ電圧、通電相を示している。図22も同様である。
時刻x40~時刻x42の処理は、図12中の時刻x0~時刻x2の処理と同様である。時刻x43にて、モータ電圧Vmが電圧判定閾値Vthを下回ると、リトライフラグがオンされる。
通電ステータスST3が終了した時刻44にて、リトライフラグがオンであるので、切替前準備処理のリトライを行う。時刻x44では、リトライフラグをオフにし、リトライカウンタをインクリメントする。時刻x44から時刻x45にて、再度、通電ステータスST1~ST3での通電を行う。
時刻x45にて、リトライでの通電ステータスST3が終了したとき、今回のリトライ中の電圧低下が検出されず、リトライフラグがオフであるので、切替前準備完了フラグがオンされ、正常2相でのレンジ切り替えを行う。時刻x45以降の処理は、図12中の時刻x3以降の処理と略同様である。なお、リトライカウンタは、レンジ切替開始後の任意のタイミングでリセットされる。図20では、切替前準備完了フラグをオフするタイミングにてリトライカウンタをリセットしているが、異なるタイミングであってもよい。
図21は、通電ステータスST3での振動が収束しなかった場合の例であって、共通時間軸を横軸とし、上段から、モータ制御、1相断線検出状態、切替前準備完了フラグ、リトライフラグ、リトライカウンタ、回転角度センサ、通電相を示している。時刻x50~時刻x52の処理は、図12中の時刻x0~時刻x2の処理と同様である。
時刻x53にて、通電ステータスST3が終了したとき、振幅A3が振幅判定閾値Ath3より大きいので、リトライフラグをオンにし、時刻x54にて、切替前準備処理のリトライを行う。時刻x54では、リトライフラグをオフにし、リトライカウンタをインクリメントする。なお、図21では、説明のため、時刻x53を紙面左側にずらして記載した。この例では、通電ステータスST1終了後の振幅A1が振幅判定閾値Ath1以下であるが、振幅A1が振幅判定閾値Ath1より大きい場合は、通電ステータスST1終了時にリトライフラグをセットする。
時刻x55では、リトライでの通電ステータスST3が終了したとき、振幅A1、A3が振幅判定閾値Ath1、Ath3以下であって、リトライフラグがオンされないので、正常2相でのレンジ切替を行う。時刻x55以降の処理は、図12中の時刻x3以降の処理と同様である。
図22は、リトライを行っても電圧低下が生じた場合の例である。図22では、notPレンジからPレンジへの切り替えであるものとする。時刻x60~時刻x64の処理は、図20中の時刻x40~時刻x44の処理と同様である。時刻x65にて、リトライ中にもモータ電圧Vmが電圧判定閾値Vthを下回ると、リトライフラグがオンされる。
時刻x66にて、リトライでの通電ステータスST3が終了したとき、リトライフラグがオンであるので、リトライフラグをオフにし、リトライカウンタをインクリメントする。ここで、カウント判定閾値Cthが2である場合、2回目のリトライは行わず、切替前準備完了フラグをオンにし、正常2相でのレンジ切り替えを行う。時刻x66以降の処理は、図12中の時刻x3以降の処理と略同様である。
本実施形態では、切替前準備処理中の電圧低下により、切替前準備処理が失敗している虞がある場合、切替前準備処理のリトライを行う。また、通電ステータスST1にて、振動が収束しなかった場合、通電ステータスST2、ST3と切り替えたとき、例えば凹部対向になる等、2相2歯、1相1歯と対向状態が切り替わらない虞があるため、切替前準備のリトライを行う。さらにまた、切替前準備処理として通電ステータスST3の開始から通電保持時間Xh3が経過しても振幅A3が振幅判定閾値Ath3より大きく、ロータ103が所定の対向状態となっていない場合、切替前準備処理のリトライを行う。これにより、適切な対向状態から正常2相でのレンジ切り替えを開始することができる。
本実施形態では、切替前準備処理においてリトライ条件が成立した場合、切替前準備処理を再度行う。制御部50は、通電ステータスST1および通電ステータスST3の少なくとも一方において、通電保持時間Xh1、Xh3が経過したときのモータ回転角の振幅A1、A3が振幅判定閾値Ath1、Ath3より大きい場合、リトライ条件が成立したと判定する。また、制御部50は、始動前切替準備中にモータ電圧Vmまたはモータ電流Imが判定閾値より小さくなった場合、リトライ条件が成立したと判定する。これにより、切替前準備処理の精度を向上することができる。
駆動制御部55は、リトライ回数が判定回数以上となった場合、正常2相駆動を開始する。これにより、振動が大きい場合等においても、モータ10の駆動を開始することができる。
ECU40は、シフトバイワイヤシステムに適用され、リトライ回数が判定回数以上、かつ、リトライ条件が成立している場合、正常2相駆動によるPレンジ以外のレンジからPレンジへの切り替えを許容し、PレンジからPレンジ以外のレンジへの切り替えを禁止する。これにより、シフトレンジを適切に切り替えることができる。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第6実施形態)
第6実施形態を図23~図27に示す。上記実施形態では、シフトレンジの切替要求があったときに、切替前準備処理を行う。本実施形態では、レンジ切替要求の前に、予め切替前準備処理を行う。
本実施形態の起動時処理を図23のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、イグニッションスイッチ等の車両の始動スイッチがオンされたときに実行される。S401では、制御部50は、初期駆動が完了したか否か判断する。初期駆動処理は、エンコーダ13とロータ103との相対位置を対応させるための通電処理である。初期駆動が完了していないと判断された場合(S401:NO)、この判断処理を繰り返す。初期駆動が完了したと判断された場合(S401:YES)、S402へ移行する。
S402の処理は、図11のS101の処理と同様であり、1相断線が検出されていないと判断された場合(S402:NO)、以降の処理をスキップし、1相断線が検出されていると判断された場合(S402:YES)、S403へ移行する。
S403~S408は、図11中のS103~S108と同様の切替前準備処理である。切替前準備処理が完了すると、制御部50は、S409にて切替前準備完了フラグをオンにし、S410にてスタンバイモードに移行し、本処理を終了する。また、本実施形態では、切替前準備処理が完了したときのエンコーダカウント値を初期値ENiとして、図示しないRAM等の記憶部に保持しておく。
本実施形態のレンジ切替処理を図24のフローチャートに基づいて説明する。S501、S502の処理は、図11中のS101、S102の処理と同様である。切替要求があると判断された場合(S502:YES)、S505へ移行し、切替要求がないと判断された場合(S502:NO)、S503へ移行する。
S503では、制御部50は、現在のエンコーダカウント値ENと初期値ENiの差である回転量ΔENが0か否か判断する。回転量ΔENが0であると判断された場合(S503:YES)、すなわち切替前準備処理が完了してからロータ103が動いていない場合、以降の処理をスキップする。回転量ΔENが0ではないと判断された場合(S503:NO)、すなわち切替準備完了からロータ103が動いている場合、S504へ移行し、切替前準備完了フラグをオフにする。
レンジ切替要求があると判断された場合(S502:YES)に移行するS505では、制御部50は、切替前準備完了フラグがオンか否か判断する。切替前準備完了フラグがオンであると判断された場合(S505:YES)、S516へ移行する。切替前準備完了フラグがオフであると判断された場合(S505:NO)、S506へ移行する。
S506では、制御部50は、回転量ΔENが回転量判定閾値ENthより小さいか否か判断する。回転量判定閾値ENthは、通電相が1つ切り替わったときの回転量に対応する値であって、例えばエンコーダカウント値の2カウント分とする。回転量ΔENが回転量判定閾値ENthより小さいと判断された場合(S507:YES)、S507へ移行する。回転量ΔENが回転量判定閾値ENth以上であると判断された場合(S507:NO)、S509へ移行する。
S508、S509の処理は、図11中のS107、S108の処理と同様であって、通電保持時間Xh3に亘り通電ステータスST3での通電を行う。通電ステータスST3にて、通電保持時間Xh3が経過したと判断された場合(S508:YES)、S515へ移行する。
S509~S514の処理は、図11中のS103~S108の処理と同様であって、回転量ΔENが回転量判定閾値ENth以上の場合、通電ステータスST1、ST2、ST3と切り替えることで、切替前準備処理を行う。通電ステータスST3にて、通電保持時間Xh3が経過したと判断された場合(S514:YES)、S515へ移行する。
S515~S517の処理は、図11中のS109~S111の処理と同様であって、正常2相でのレンジ切り替えを行う。レンジ切替が完了したと判断された場合(S517:YES)、S518へ移行し、切替前準備処理を行う。S518では、S509~S515と同様、通電ステータスST1、ST2、ST3と切り替えることで、切替前準備処理を行う。通電ステータスST3にて通電保持時間Xh3が経過した後、切替前準備完了フラグをオンにし、S519にてスタンバイモードとする。また、切替前準備完了時のエンコーダカウント値ENを初期値ENiとして保持する。
本実施形態のレンジ切替処理を図25~図27のタイムチャートに基づいて説明する。図25に示すように、時刻x70にてIGオンされ、初期診断等により1相断線が検出されると、初期駆動が終了した時刻x72から切替前準備処理として、通電ステータスST1、ST2、ST3の順に通電相を切り替える。切替前準備処理が完了した時刻x73にて、切替前準備完了フラグをオンにし、スタンバイモードとする。
図25の例では、スタンバイ中にロータ103が動いておらず、切替前準備完了フラグがオンの状態が継続される。時刻x74にてシフトレンジ切替要求が入力されたとき、切替前準備完了フラグがオンされているので、この状態から正常2相を用いたフィードバック制御でのレンジ切り替えが実施される。
時刻x75にて、目標到達判定範囲に到達すると、停止制御を行う。時刻x76にて停止制御が終了すると、次のレンジ切り替えに備えて切替前準備処理を行う。次回のレンジ切り替えは、回転方向が逆転方向となるので、U相断線の場合、V相→VW相→W相の順で通電する。切替前準備処理が終了した時刻x77にて、切替前準備完了フラグをオンに、スタンバイモードへ移行する。
図26では、時刻x80~時刻X83の処理は、図25中の時刻x70~時刻x73の処理と同様である。時刻x84にて、例えば振動等により、切替前準備完了時の停止位置からロータ103が動くと、切替前準備完了フラグがオフされる。
時刻x85にて、シフトレンジ切替要求が入力されたとき、切替前準備完了フラグがオフであるので、再度切替前準備処理を行う。図26の例では、切替前準備完了からの回転量ΔENが回転量判定閾値ENthより小さいので、切替前準備処理として、通電ステータスST3のみ、すなわちU相断線での正転であればV相通電を行う。
時刻x86にて、切替前準備処理が完了すると、切替前準備完了フラグがオンされ、正常2相を用いたフィードバック制御でのレンジ切り替えが実施される。時刻x86以降の処理は、図25中の時刻x74以降の処理と同様である。
図27では、時刻x90~時刻x93の処理は、図25中のx70~x73の処理と同様である。時刻x94にて、振動等により切替前準備完了時の停止位置からロータ103が動くと、切替前準備完了フラグがオフされる。
時刻x95にて、シフトレンジ切替要求が入力されたとき、切替前準備完了フラグがオフであるので、再度切替前準備処理を行う。図27の例では、切替前準備完了からの回転量ΔENが回転量判定閾値ENth以上であるので、時刻x92~時刻x93等の切替前準備処理と同様、通電ステータスST1、ST2、ST3の順に通電相を切り替える。
時刻x96にて、切替前準備処理が完了すると、切替前準備完了フラグがオンされ、正常2相を用いたフィードバック制御でのレンジ切り替えが実施される。時刻x96以降の処理は、図25中の時刻x74以降の処理と同様である。
本実施形態では、初期駆動完了後、および、レンジ切替完了時に切替前準備処理を行っておくことで、シフト要求後に切替前準備処理を行う場合と比較し、レンジ切り替えに要する時間を短縮することができる。
また、事前に切替前準備処理を行う場合、シフトレンジ切替要求が入力されるまでの間に、振動等によりロータ103が動き、ステータ101とロータ103との対向状態が変わってしまう虞がある。そのため、切替前準備処理完了後にロータ103が動いた場合には、レンジ切替前に、再度切替前準備処理を行う。
切替前準備完了後からのロータ103の回転量が小さく、通電ステータスST3で切替前準備完了時の対向状態に戻せる場合は、切替前準備処理を通電ステータスST3のみとすることで、通電ステータスST1からの通電を行う場合と比較し、切替前準備処理に要する時間を短縮することができる。また、ロータ103の回転量ΔENが回転量判定閾値ENth以上の場合は、通電ステータスST1~ST3の通電を行うことで、所定の対向状態からレンジ切り替えを開始することができる。
ここで、シフトレンジ切替要求入力から停止制御開始までの時間を応答時間とし、切替前準備完了からシフトレンジ切替要求の入力までにロータ103が動かなかった場合の応答時間をXr1、シフトレンジ切替要求入力までの回転量ΔENが回転量判定閾値ENthより小さい場合の応答時間をXr2、シフトレンジ切替要求入力までの回転量ΔENが回転量判定閾値ENth以上の場合の応答時間Xr3とすると、Xr1<Xr2<Xr3である。
本実施形態では、駆動制御部55は、3相のうちの1相に断線故障が生じており、正常な2相を用いてモータを駆動する正常2相駆動を行う場合、システム起動時、および、モータ10の停止制御後の少なくとも一方において、正常2相駆動開始時の通電保持相への通電とは異なる通電パターンでの通電を行った後に、通電保持相に通電する切替前準備処理を行う。これにより、モータ10の始動開始時に切替前準備処理を行う場合よりも、応答性を向上することができる。
切替前準備処理が完了した後、モータ10の駆動を開始するまでの間にモータ10が回転した場合、再度、切替前準備処理を行った後、正常2相駆動を行う。これにより、切替前準備処理完了からモータの駆動開始までに、振動等によりロータ103が動いた場合、再度切替前準備処理を行うことで、適切な対向状態から正常2相駆動を開始することができる。
また、切替前準備処理が完了してからモータ10の駆動を開始するまでのモータ10の回転量ΔENが回転量判定閾値ENthより小さい場合、モータ駆動開始前の切替前準備処理において、通電保持相以外への通電を省略する。これにより、モータ駆動開始前の切替前準備処理時間を短縮することができる。また上記実施形態と同様の効果を奏する。
実施形態では、エンコーダ13が「回転位置センサ」、エンコーダカウント値が「回転位置センサの検出値」、ECU40が「モータ制御装置」に対応する。また、切替前準備処理が「始動前準備処理」、通電ステータスST1が「第1通電処理」、通電ステータスST2が「第2通電処理」、通電ステータスST3が「第3通電処理」に対応し、通電ステータスST3での通電相が「通電保持相」に対応する。
(他の実施形態)
第1実施形態~第6実施形態は、例えば、切替前準備処理の実施タイミングによらず、雰囲気温度に応じて通電保持時間を可変する、リトライを行う前に通電ステータスの延長を行う、タイムアウトした場合、P入れを許容し、P抜きを禁止する、といった具合に、各実施形態の処理は適宜組み合わせて実施可能である。
上記実施形態では、通電前準備処理として、通電ステータスST1、ST2、ST3の順で通電相を切り替える。他の実施形態では、通電ステータスST1、ST2の一方を省略してもよい。
上記実施形態では、回転検出部はエンコーダである。他の実施形態では、例えばレゾルバ等のエンコーダ以外の回転位置を検出可能なセンサ等を用いてもよい。上記実施形態では、モータは、スイッチトリラクタンスモータである。他の実施形態では、モータは、スイッチトリラクタンスモータ以外のもの、例えばDCブラシレスモータ等であってもよい。また、モータ巻線の相数は、4相以上であってもよい。
上記実施形態では、ディテントプレートには2つの谷部が設けられる。他の実施形態では、谷部の数は2つに限らず、例えば、P、R、N、Dの各レンジに対応する4つの谷部が形成されていてもよい。また、ディテント機構やパーキングロック機構等は、上記実施形態と異なっていてもよい。
上記実施形態では、モータ制御装置はシフトバイワイヤシステムに適用される。他の実施形態では、モータ制御装置をシフトバイワイヤシステム以外の車載システム、または、車載以外のモータ駆動システムに適用してもよい。
本発明の特徴は、「前記制御部は、前記始動前準備処理中に電圧または電流が判定閾値より小さくなった場合、前記リトライ条件が成立したと判定する請求項1~4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。」、「前記駆動制御部は、リトライ回数が判定回数以上となった場合、前記正常2相駆動を開始する請求項1~5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。」としてもよい。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1・・・シフトバイワイヤシステム
10・・・モータ
11・・・モータ巻線
40・・・ECU(モータ制御装置)
41・・・駆動回路
411~413・・・スイッチング素子
50・・・制御部
52・・・異常判定部
55・・・駆動制御部

Claims (7)

  1. 3相のモータ巻線(11)を有するモータ(10)の駆動を制御するモータ制御装置であって、
    前記モータ巻線の各相への通電のオンオフを切り替えるスイッチング素子(411~413)を有する駆動回路(41)と、
    前記モータの回転位置を検出する回転位置センサ(13)の検出値に基づくフィードバック制御により前記スイッチング素子のオンオフ作動を制御する駆動制御部(55)、および、前記モータ巻線の断線故障を判定する異常判定部(52)を有する制御部(50)と、
    を備え、
    前記駆動制御部は、3相のうちの1相に断線故障が生じており、正常な2相を用いて前記モータを駆動する正常2相駆動を行う場合、前記正常2相駆動開始時の通電相である通電保持相への通電パターンとは異なるパターンでの通電を行った後に前記通電保持相に通電する始動前準備処理を行い、
    前記始動前準備処理においてリトライ条件が成立した場合、前記始動前準備処理を再度行うモータ制御装置。
  2. 前記駆動制御部は、前記始動前準備処理として、正常相の1相に通電する第1通電処理、正常相の2相に通電する第2通電処理、1相の前記通電保持相に通電する第3通電処理の順で通電相を切り替える請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記始動前準備処理における通電相は、断線相および前記モータの回転方向に応じて設定され、
    前記第1通電処理の通電相は、通電相の切替順序からみて、断線相の前に通電される相である請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記制御部は、前記第1通電処理および前記第3通電処理の少なくとも一方において、通電保持時間が経過したときのモータ回転角の振幅が振幅判定閾値より大きい場合、前記リトライ条件が成立したと判定する請求項2または3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記制御部は、前記始動前準備処理中に電圧または電流が判定閾値より小さくなった場合、前記リトライ条件が成立したと判定する請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  6. 前記駆動制御部は、リトライ回数が判定回数以上となった場合、前記正常2相駆動を開始する請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  7. シフトバイワイヤシステム(1)に適用され、
    前記リトライ回数が前記判定回数以上、かつ、前記リトライ条件が成立している場合、前記正常2相駆動によるPレンジ以外のレンジからPレンジへの切り替えを許容し、PレンジからPレンジ以外のレンジへの切り替えを禁止する請求項6に記載のモータ制御装置。
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