JP2024043656A - ドライバー支援装置、ドライバー支援システム及びドライバー支援方法 - Google Patents

ドライバー支援装置、ドライバー支援システム及びドライバー支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】運転者の認知機能の低下要因を推定することができるドライバー支援装置、ドライバー支援システム及びドライバー支援方法を提供する。【解決手段】ドライバー支援装置は、運転者による車両の運転行動と、運転中の生体情報と、車両の挙動のうち少なくとも1つを検知する運転状態検知部と、運転状態検知部の検知結果に基づいて、運転者の認知機能の高さを示す数値を算出する認知機能スコア算出部と、算出された数値を、1以上の異なる脳機能に関連する認知機能特性として分析する認知機能特性分析部と、認知機能スコア算出部が算出した同じ運転者に対する数値と認知機能特性分析部の分析結果とを時系列で記憶する認知機能記憶部と、記憶内容に基づいて、運転者の認知機能の低下を引き起こす複数の変動要因の中の主要因を推定する認知機能低下要因推定部と、推定結果又は推定結果に応じた情報をもとに運転者を支援するドライバー支援部と、を備える。【選択図】図5

Description

本開示は、ドライバー支援装置、ドライバー支援システム及びドライバー支援方法に関する。
交通事故を人的要因別で分析すると、前方不注意(漫然運転、脇見を含む)や安全不確認といった「発見の遅れ」が約8割を占めている(非特許文献1)。すなわち、運転における「認知、判断、操作」の認知の部分が主要因となっている。運転に関連した認知機能低下に影響を与える要因として、眠気、アルコール・薬物、加齢、認知症、高次脳機能障害を含む精神神経疾患が挙げられる(非特許文献2)。従って、様々な要因で生じる運転中の認知機機能低下を防ぐことができれば、交通事故を減らすことができると考えられる。また、人間の認知機能や運転者の認知機能、運転中のドライバーの行動分析等については、非特許文献3~非特許文献24に示すように、様々な観点から研究が進められている。
特許文献1には、飲酒や居眠りなどによって運転能力が低下した状態を検知し、ドライバーに運転能力の低下を知らせる運転走行支援装置が開示されている。また、特許文献2には、認知機能が低下したときに行われやすい交通違反を検知し、ドライバーの運転可否を判定できる認知症リスクの判定システムが開示されている。
特開2009-101714号公報 特開2019-124975号公報
交通事故総合分析センター:"交通事故統計表データ:人的要因別・事故類型別 全事故件数(1当)-車両"、2020 三村將、藤田佳男:"安全運転と認知機能"、日本老年医学会雑誌、vol.55、No.2、pp.191-196、2018 鈴木隆雄監修:"基礎からわかる軽度認知障害(MCI)-効果的な認知症予防を目指して-"、p.7-8、p.34、pp.111-123、p.225、医学書院、2015 日本神経学会:"認知症疾患診療ガイドライン2017" 、医学書院、pp.19-22、2017 飯田真也、加藤徳明、蜂須賀研二、佐伯覚:"高齢者の運転能力の判定"、日本老年医学会雑誌、vol.55、No.2、pp.202-207、2018 上村直人:"認知症の自動車運転能力評価とその課題"、国際交通安全学会誌、vol.42、 No.3、pp.12-22、2018 浦上克哉:"認知症と運転"、自動車技術、vol.71、No.12、pp.90-95、2017 福田亮子、原田文雄、奥村太作:"超高齢社会を支える車のあり方:その人らしさに深く寄りそう車を目指して"、Cognitive Studies、25(3)、pp。259-278,2018.09 高木伸哉、山田啓一:"車両挙動とドライバの反応時間の関係について"、自動車技術会論文集、VOL.43、No.5、pp.1131-1137、2012 李博、張暁林、佐藤誠:車間距離計測のための車載単眼カメラを用いたピッチ角推定、映像情報メディア学会誌、vol.69、No.4、pp.J169-J176、2015 上坂竜規、野田雅文、目加田慶人、出口大輔、井手一郎、村瀬洋:"ドライバの視線情報を利用した運転行動予測"、電子情報通信学会技術研究報告. MI、 医用画像 111(49)、 105-110、 2011-05-12 山崎彬人、ポンサトーン・ラクシンチェラーンサク、小竹元基:"車載カメラを用いたドライバの顔向き推定による注視領域抽出"、自動車技術会論文集、VOL.48、No.5、pp.1113-1119、2017 高木雅成、 藤吉弘亘:"SIFT特徴量を用いた交通道路標識認識"、電気学会論誌C、vol.129、No.5、pp.824-831、2009 デイビット・W・エビ―、リサ・J・モルナー、ポーラ・S・カトージ著(堀川悦夫、峯とも子編訳):"高齢者のモビリティ(運転可否判断から移動支援まで)"、京都大学学術出版、pp.15-33、2020 松浦常夫:"高齢ドライバーの安全心理学"、東京大学出版会、pp.48-62、2017 伊佐治和美、津留直彦、和田隆広、土居俊一、金子弘:"接近離間状態評価指標を用いたブレーキ開始タイミングの解析"、自動車技術会論文集、vol.41,No.3、pp.593ー598、2010 中川剛、他:"自動車運転における体調管理"、DENSO TECHNICALREVIEW、vol.21、2016 渡邉 修:"認知機能と自動車運転"、日本交通科学学会誌、vol.17、No.2、pp。3-10、2017 北村憲康:"安全運転寿命"、企業開発センター交通問題研究室、pp.44-46、pp.60-65、pp.133-136、2009 村田厚生、森若誠:"危険予知課題における運転者の視覚情報処理特性-運転初心者と運転熟練者の比較-"、人間工学、Vol.46、No.6、pp.393-397、2010 中田大貴、芝崎学:"認知機能と環境ストレス"、日本生気象学会雑誌 、56(1)、3-11、2019 櫻井美由紀、岩崎祥一:"高齢者における日中の注意喚起と認知失敗傾向"、応用心理学研究、Vol.42、No.3、pp.185-193、2017 宮島 千代美, 武田 一哉:"運転行動データベースの構築とその応用"、 Vol.55、No.1、pp.20-25、2011 稲垣 具志, 原田 憲武, 柏 祐樹, 竹平 誠治, 小早川 悟:"ドライブレコーダデータに基づく高齢ドライバーの運転行動と個人特性に関する基礎分析"、Vol.5、No.2、pp.A_208-A216、2019
特許文献1や特許文献2にあっては、認知機能が低下した要因の推定までは行っていなかった。
本開示は、運転者の認知機能の低下要因を推定することができるドライバー支援装置、ドライバー支援システム及びドライバー支援方法を提供することを目的とする。
なお、本開示は既出願(特願2021-052309)の改良発明を開示するものである。そのため、本明細書では、既出願の記載内容を適宜引用する。
本開示に係るドライバー支援装置は、運転状態検知部と、認知機能スコア算出部と、認知機能特性分析部と、認知機能記憶部と、認知機能低下要因推定部と、ドライバー支援部とを備える。運転状態検知部は、運転者による車両の運転行動と、当該運転者の運転中の生体情報と、車両の挙動のうち少なくとも1つを検知する。認知機能スコア算出部は、運転状態検知部が検知した情報に基づいて、運転者の認知機能が高いか低いかを示す数値を算出する。認知機能特性分析部は、認知機能スコア算出部が算出した数値を、1以上の異なる脳機能に関連する認知機能特性として分析する。認知機能記憶部は、認知機能スコア算出部が算出した同一の運転者に対する数値と認知機能特性分析部の分析結果とを時系列で記憶する。認知機能低下要因推定部は、認知機能記憶部の記憶内容に基づいて、運転者の認知機能の低下を引き起こす複数の変動要因の影響度を算出し、主要因となるものを推定する。ドライバー支援部は、認知機能低下要因推定部による推定結果、または推定結果に応じた情報をもとに運転者を支援する。
本開示に係るドライバー支援装置によれば、運転者の認知機能の低下要因を推定することができる。
図1Aは、加齢に伴う認知機能特性の低下の様子を説明する図である。 図1Bは、時間に伴う認知機能特性の低下の様子を説明する図である。 図2は、実施形態のドライバー支援装置が判定する認知機能特性について説明する図である。 図3は、実施形態に係るドライバー支援装置のハードウエア構成の一例を示すハードウエアブロック図である。 図4は、実施形態に係るドライバー支援装置が搭載された車両のコックピットの一例を示す外観図である。 図5は、実施形態に係るドライバー支援装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 図6は、運転状態検知部が検知する情報の一例を説明する図である。 図7は、認知機能スコア算出部が認知機能レベルの評価スコアを算出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図8は、異なる脳機能に関連する認知機能特性と、運転中に発生する運転行動との関連を説明する図である。 図9は、ドライバー支援装置が、認知機能特性に応じて行う支援内容の一例を説明する第1の図である。 図10は、ドライバー支援装置が、認知機能特性に応じて行う支援内容の一例を説明する第2の図である。 図11は、認知機能が低下する要因の一例を説明する図である。 図12は、認知機能の経時変化の一例を示す図である。 図13Aは、認知機能低下の要因分析の一例を示す第1の図である。 図13Bは、認知機能低下の要因分析の一例を示す第2の図である。 図14は、認知機能が低下した状態を識別する方法の一例を示す図である。 図15は、運転者の認知機能レベルの経時変化の一例を示す図である。 図16は、認知機能レベルの変動に応じた情報提示内容の一例を示す図である。 図17は、認知機能低下の主要因が加齢要因である場合に、運転者に提示する情報の一例を示す図である。 図18は、認知機能低下の主要因が体調要因である場合に、運転者に提示する情報の一例を示す図である。 図19は、認知機能低下の主要因がスキル要因である場合に、運転者に提示する情報の一例を示す図である。 図20は、認知機能の低下への加齢要因の影響度を算出する方法の一例を示す図である。 図21は、認知機能の低下の要因推定を行う別の方法の一例を示すフローチャートである。 図22は、本実施形態のドライバー支援装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。 図23は、ドライバー支援装置が動作モードの変更を行う際に、認知機能が低下した主要因に係る情報提示を行う機能を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、本開示に係るドライバー支援装置の実施形態について説明する。
(認知機能特性の説明)
図1Aと図1Bと図2とを用いて、運転者の認知機能特性について説明する。図1Aは、加齢に伴う認知機能の低下の様子を説明する図である。図1Bは、時間に伴う認知機能の低下の様子を説明する図である。特に、図1Bは、図1Aよりも短い時間に伴う認知機能低下の様子を説明する図である。図1Aは年単位の変動、図1Bは運転している時間の変動として例示する。図2は、実施形態のドライバー支援装置が判定する認知機能特性について説明する図である。
図1Aに示すように、認知機能は、年齢とともに低下することがある(非特許文献3)。また、図1Bに示すように、日々の生活においても時間とともに変動する(非特許文献22)。認知機能が高いか低いかを数値化したものを、ここでは認知機能レベルの評価スコアEと呼ぶ。適切な評価手法によって算出された認知機能レベルの評価スコアEが第1の閾値Th1を上回っている場合、即ち認知機能レベルの評価スコアEが領域R1にある場合、認知機能が安全運転を保てる状態であると判定される。そして、認知機能レベルの評価スコアEが第1の閾値Th1を下回って、第1の閾値Th1よりも小さい第2の閾値Th2を上回っている場合、即ち認知機能レベルの評価スコアEが領域R2にある場合、認知機能は安全運転を継続することに支障がある「要注意」状態であると判定される。更に、認知機能レベルの評価スコアEが第2の閾値Th2よりも小さい場合、即ち認知機能レベルの評価スコアEが領域R3にある場合、運転を継続することが難しいほど認知機能レベルが低下した「危険」状態であると判定される。運転者の認知機能特性は、MMSE(Mini-Mental State Examination)などのように医師による認知機能検査によって測定されることもある(非特許文献3)が、ここでは運転中に時間変動する認知機能を数値化することを想定している。
なお、漫然運転を行っている場合や、脇見をしている場合、又は一時的に注意力が低下している場合にも、図1Bのように認知機能が低下する。また、加齢によって認知機能が低下している場合、あるいは軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)になっている場合であっても、図1A、図1Bに示すのと同様の認知機能が評価でき、変動も観測される。
本実施形態のドライバー支援装置10は、運転者の認知機能の数値化を行う。そして、数値化された値に基づいて、認知機能特性の状態を分析する。更に、分析結果に基づいて、適切な運転支援を行う。
なお、認知機能は、それぞれ異なる脳部位(脳機能)に関連する複数の異なる認知機能に分類することができる(非特許文献3)。本実施形態のドライバー支援装置10では、非特許文献3を参考にして、図2に示す複数の異なる認知機能を評価の対象とする。具体的には、記憶力80と、遂行力81と、注意力82と、情報処理力83と、視空間認知力84である。それぞれの認知機能が低下することによる運転への影響については、非特許文献2、非特許文献5、非特許文献6,非特許文献7に記載されている。なお、認知機能の評価対象として図2では5つを選択しているが、1つだけでもよいし、2つ以上の任意の組み合わせであってもよい。また、ここに記載されていない認知機能を評価対象としてもよい。
記憶力80は、新しい経験を保存して、その経験を意識や行為の中に再生する認知機能である(非特許文献4)。運転行動に照らすと、記憶力80は、例えば、標識に記載された情報を保持する能力、どこに行くのか記憶しておく能力等に反映される(非特許文献5)。
遂行力81は、目的をもって、計画を立てて物事を実行し、その結果をフィードバックしながら進めていく認知機能である(非特許文献4)。運転行動に照らすと、遂行力81は、例えば、アクセル、ブレーキを正しく踏む能力、複数の情報処理を行う能力等に反映される(非特許文献5)。
注意力82は、周囲の刺激を受容・選択し、それに対して一貫した行動をするための基盤となる認知機能である(非特許文献4)。運転行動に照らすと、注意力82は、例えば、標識や信号など周囲の環境に注意を向ける能力等に反映される(非特許文献5)。
情報処理力83は、一定の時間内に指定された作業を遂行する認知機能である(非特許文献3)。運転行動に照らすと、情報処理力83は、例えば、運転中に危険を見つけ出し、対応する能力等に反映される(非特許文献15)。
視空間認知力84は、目で見た情報を処理して空間の状態を把握する認知機能である。運転行動に照らすと、視空間認知力84は、例えば、前方車両との距離感を正しく保つ能力やカーブなどの際に車線からはみ出さないようにする能力等に反映される(非特許文献5)。
これらの認知機能は、いずれも、図1A、図1Bに示したように、加齢や時間とともに変動することが知られている(非特許文献3)。即ち、図2に示すように、前記した各認知機能は、第1の閾値Th1及び第2の閾値Th2との大小関係によって、各認知機能の程度を評価することが可能である。なお、図2は横軸を正規化して示したものであり、各認知機能に対する第1の閾値Th1及び第2の閾値Th2は、必ずしも同じ値ではない。
(ドライバー支援装置の全体構成)
図3と図4を用いて、ドライバー支援装置10の全体構成を説明する。図3は、実施形態に係るドライバー支援装置のハードウエア構成の一例を示すハードウエアブロック図である。図4は、実施形態に係るドライバー支援装置が搭載された車両のコックピットの一例を示す外観図である。
ドライバー支援装置10は、車両30の運転者の認知機能レベルの評価スコアEを算出して、当該運転者の認知機能の低下に応じた運転支援を行う。
ドライバー支援装置10は、ECU(Electronic Cotrol Unit)11と、センサコントローラ12,21と、ステアリング制御装置13と、駆動力制御装置14と、制動力制御装置15と、GPSレシーバ22と、地図データベース24と、表示デバイス25と、操作デバイス26と、通信インタフェース27とを備える。
ECU11は、例えばCPU(Central Processing Unit)11a、RAM(Random Access Memory)11b、及びROM(Read Only Memory)11cを備えたコンピュータとして構成されている。なお、ECU11に、HDD(Hard Disk Drive)等から構成される記憶装置11dが内蔵されていてもよい。また、ECU11は、各種センサ等と検出信号及び各種情報の送受信が可能なI/O(Input/Output)ポート11e,11fを備えている。I/Oポート11eは、車両30の走行制御に係る情報が流れるバスライン16と接続されて、車両30の各種走行支援を行う制御システムに係る情報の入出力を制御する。I/Oポート11fは、車両30の情報系に係る情報が流れるバスライン28に接続されて、運転者の運転行動の検知に係る情報、及び運転者に提示される情報の入出力を制御する。
ECU11のRAM11b、ROM11c、記憶装置11d、及びI/Oポート11e,11fは、内部バス11gを介してCPU11aと各種情報の送受信が可能に構成されている。
ECU11は、ROM11cにインストールされているプログラムをCPU11aが読み出して実行することにより、ドライバー支援装置10が行う各種処理を制御する。
なお、本実施形態のドライバー支援装置10で実行されるプログラムは、予めROM11cに組み込まれて提供されてもよいし、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
さらに、本実施形態のドライバー支援装置10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることによって提供するように構成してもよい。また、本実施形態のドライバー支援装置10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供、又は配布するように構成してもよい。
記憶装置11dには、運転者の認知機能レベルの評価スコアEを算出するためのテーブル等が記憶されている。詳しくは後述する。
センサコントローラ12は、車両30の挙動を検出するためのセンサ出力を取得してECU11に受け渡す。センサコントローラ12には、例えば、アクセルポジションセンサ12aと、ブレーキ踏力センサ12bと、操舵角センサ12c等が接続されている。なお、センサコントローラ12に接続されるセンサは、これらの例に限定されるものではなく、その他のセンサが接続されてもよい。
アクセルポジションセンサ12aは、車両30のアクセルの踏み込み度合(アクセル開度)を検出する。
ブレーキ踏力センサ12bは、車両30のブレーキペダルに対する踏力、即ちブレーキペダルの踏み込み力を検出する。
操舵角センサ12cは、車両30のステアリングホイールの操舵方向及び操舵量を検出する。
また、バスライン16には、ステアリング制御装置13と、駆動力制御装置14と、制動力制御装置15とが接続されている。こられの制御装置は、センサコントローラ12が取得した各種センサ情報、及びセンサコントローラ21が取得した各種センサ情報に基づいて、互いに協働することによって車両30の挙動を制御する、所謂ADAS(Advanced Driver Assistаnce System)システムを形成する。
ステアリング制御装置13は、ECU11の指示に基づいて、車両30の操舵角を制御する。
駆動力制御装置14は、ECU11の指示に基づいて、車両30の駆動力を制御する。具体的には、ECU11の指示に基づいて、車両30のエンジンのアクセル開度を制御する。
制動力制御装置15は、ECU11の指示に基づいて、車両30の制動力を制御する。ステアリング制御装置13と、駆動力制御装置14と、制動力制御装置15とは互いに協働することによって、車両30の自動走行を可能とする。
なお、車両30に搭載されるADASシステムは、前記した装置に限定されるものではなく、その他の装置が搭載されてもよい。
センサコントローラ21は、周囲カメラ21aと、ドライバーモニタカメラ21bと、測距センサ21c等と接続されて、これらのセンサ出力をECU11に受け渡す。ECU11は、取得された情報に基づいて、車両30の周囲環境のセンシングと、運転者の生体信号の検出とを行う。なお、センサコントローラ21に接続されるセンサは、これらの例に限定されるものではなく、その他のセンサが接続されてもよい。
周囲カメラ21aは、車両30の周囲の異なる方向に向けて設置されて、車両30の周囲の画像情報を取得する。
ドライバーモニタカメラ21bは、車両30のインスツルメントパネルに設置されて、運転中の運転者の顔面を含む画像を取得する。なお、ドライバーモニタカメラ21bは、運転者の足元に設置されて、運転者のアクセル操作やブレーキ操作を監視してもよい。
測距センサ21cは、車両30の周囲の異なる方向に向けて設置されて、車両30の周囲の障害物までの距離を測定する。測距センサ21cは、例えば、近距離の測距を行う超音波センサや、中長距離の測距を行うミリ波レーダ、LiDAR(Light Detectiоn and Ranging)等である。
GPSレシーバ22は、GPS(Global Positioning System)衛星から発信されたGPS信号を取得して、車両30の現在位置の測位と進行方向の算出とを行う。また、ECU11は、特定された車両30の現在位置と進行方向とを地図データベース24と照合(マップマッチング)することによって、車両30が走行している道路と進行方向とを特定する。なお、GPS信号及び地図データベースを用いて車両の現在位置及び進行方向を特定する方法は、カーナビゲーションシステムにおいて広く実用化されているため、詳細な説明は省略する。
表示デバイス25は、車両30の走行状態に係る情報や運転者に対する情報提示等の情報表示を行う。表示デバイス25は、例えば、図4に示すセンターモニタ25aや、インジケータ25bや、計器25c等である。各表示デバイス25の内容は後述する(図4参照)。なお、表示デバイス25は、運転者の視覚のみならず、聴覚や触覚に対して情報を提示するデバイス、例えばスピーカや振動装置であってもよい。
操作デバイス26は、車両30に対する各種操作情報を取得する。操作デバイス26は、例えばセンターモニタ25aの表示面に積層されたタッチパネルや、インスツルメントパネルに設置された物理スイッチ等である。
通信インタフェース27は、車両30と車外の携帯端末(例えば、予め登録されたスマートフォンやウェアラブル端末等)とを無線通信で接続する。通信インタフェース27は、車両30から携帯端末に対して、例えばドライバー支援装置10が算出した認知機能レベルの評価スコアEを送信する。
次に、図4を用いて、ドライバー支援装置10が搭載された車両30のコックピットの概略構成を説明する。
車両30のセンタークラスターには、表示デバイス25の一例であるセンターモニタ25aが設置される。センターモニタ25aは走行中の視認性を高めるために、できるだけ上方に設置される。ドライバー支援装置10は、センターモニタ25aに、認知機能レベルの評価スコアEや、当該評価スコアEに基づく運転支援内容等を表示する。
ステアリングホイール31のスポークの上端部には、当該上端部に沿って表示デバイス25の一例であるインジケータ25bが設置される。インジケータ25bは、例えば棒状の導光体で形成されて、一端から入射させた入射光に応じた色で発光する。ドライバー支援装置10は、インジケータ25bを、認知機能レベルの評価スコアEに基づく運転支援内容に応じた色で発光させる。インジケータ25bは、運転中の運転者の周辺視領域に設置されて、視線をインジケータ25bに向けることなく、当該インジケータ25bの発光色を認識可能とされる。これによって、運転者は、運転支援内容を容易に認識することができる。
また、車両30のメータークラスタには、表示デバイス25の一例である計器25cが設置される。計器25cは、例えば、速度計やエンジン回転数計、燃料計、水温計等である。
さらに、車両30のメータークラスタには、ドライバーモニタカメラ21bが設置される。ドライバーモニタカメラ21bは、メータークラスタ内に、運転中の運転者の眼球が存在する領域(アイレンジ)を漏れなく撮像できるように設置される。
(ドライバー支援装置の機能構成)
図5を用いて、ドライバー支援装置10の機能構成を説明する。図5は、実施形態に係るドライバー支援装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
ドライバー支援装置10のECU11は、当該ECU11に格納された制御プログラムをRAM11bに展開して、CPU11aに動作させることによって、図5に示す走行環境検出部40と、運転者特定部41と、運転状態検知部42と、認知機能スコア算出部43と、認知機能特性分析部44と、認知機能記憶部45と、認知機能低下要因推定部46と、ドライバー支援部60とを機能部として実現する。なお、ドライバー支援部60は、認知機能特性出力部47と、支援内容決定部48と、支援内容表示部49と、支援情報提示部50と、運転支援制御部51とを機能部とを備える。ドライバー支援装置10は、これらの機能の一部または全てを、専用ハードウエアによって実現してもよい。
走行環境検出部40は、車両30が走行している道路の周囲環境の状態を検出する。道路の周囲環境の状態とは、例えば、進行方向前方の道路形状、車線数、制限速度、交差点までの距離、交差点の形状、先行車有無と車間距離、対向車の有無と存在位置、歩行者の有無と存在位置等の情報である。これらの情報は、例えば、周囲カメラ21aが撮像した画像と測距センサ21cが取得した情報との分析、及び、GPS信号から取得した車両30の現在位置と地図データベース24との照合によって得ることができる。
運転者特定部41は、車両30を運転している運転者を特定する。運転者特定部41は、例えば、ドライバーモニタカメラ21bが撮像した運転者の顔画像を、予め登録された運転者の顔画像と照合することによって、現在運転している運転者を特定する。照合結果が得られない場合は、新たな運転者であるとして、新規登録を行わせる。
運転状態検知部42は、運転者による車両30の運転行動と、当該運転者の運転中の生体情報と、車両30の挙動のうち少なくとも1つを検知する。
認知機能スコア算出部43は、運転状態検知部42が検知した情報に基づいて、運転者の認知機能が高いか低いかを示す評価スコアEを算出する。なお、評価スコアEは、本開示における数値の一例である。
認知機能特性分析部44は、認知機能スコア算出部43が算出した認知機能レベルの評価スコアEを、1以上の異なる脳機能に関連する認知機能特性として分析する。なお、1以上の異なる脳機能に関連する認知機能特性とは、例えば、前記した記憶力80、遂行力81、注意力82、情報処理力83、視空間認知力84等である。
認知機能記憶部45は、認知機能スコア算出部43が算出した同一の運転者に対する評価スコアEと、認知機能特性分析部44の分析結果と、を時系列で記憶する。
認知機能低下要因推定部46は、認知機能記憶部45の記憶内容に基づいて、運転者の認知機能の低下を引き起こす複数の変動要因の影響度を算出し、主要因となるものを推定する。また、認知機能低下要因推定部46は、認知機能記憶部45の現在に対応する記憶内容と、所定の過去の時点に対応する記憶内容とを比較することによって、認知機能の変動要因を推定する。
ドライバー支援部60は、認知機能低下要因推定部46による推定結果、または当該推定結果に応じた情報をもとに運転者を支援する。
認知機能特性出力部47は、認知機能特性分析部44による分析結果の情報を出力する。また、認知機能特性出力部47は、認知機能低下要因推定部46による推定結果を出力する。なお、認知機能特性出力部47は、本開示における出力部の一例である。
支援内容決定部48は、認知機能特性分析部44が算出した認知機能特性と、閾値との比較に基づいて、車両30が有する複数の機能の中から、運転者の認知機能特性の更なる低下を抑制するための情報提供を支援する機能を有効にするか、低下した認知機能特性に関連付いた運転動作を支援する機能を有効にするかを決定する。また、支援内容決定部48は、認知機能低下要因推定部46が推定した認知機能低下の主要因に応じて、運転者に対して提示する情報の内容を決定する。
支援内容表示部49は、支援内容決定部48が決定した情報を、例えばセンターモニタ25aに表示する。
支援情報提示部50は、支援内容決定部48が、運転者の認知機能特性の更なる低下を抑制するための情報提供を支援する機能を有効にすると決定した場合に、当該情報提供を行う。なお、運転者の認知機能特性の更なる低下を抑制するための情報提供を支援する機能を有効にすることを、以降の説明でトレーニングモードと呼ぶ。
運転支援制御部51は、支援内容決定部48が、認知機能特性に関連付いた運転動作を支援する機能を有効にすると決定した場合に、当該機能を作用させる。なお、認知機能特性に関連付いた運転動作を支援する機能を有効にすることを、以下の説明で運転支援モードと呼ぶ。
(運転状態検知部の作用)
図6を用いて、運転状態検知部42の詳細な作用を説明する。図6は、運転状態検知部が検知する情報の一例を説明する図である。一般的な運転行動の分析例は、非特許文献23や非特許文献24などにまとめられている。検知する情報の例としては、運転者の運転行動や車両の挙動、運転者の生体情報があり、走行環境の例として、道路形状や天候および時間帯などを想定する。
運転状態検知部42は、図3に示したドライバーモニタカメラ21bが撮像した運転者の顔面を含む画像を画像解析することによって、運転者の生体情報を検知する。具体的には、運転者の視線方向、顔の向き、体動(顔の位置の変化)、瞬目の回数、間隔等を検知する。なお、検知する生体情報及びその検知方法は、前記した内容に限定されるものではない。例えば、運転者の心拍、体温、呼吸状態等を検知してもよい。運転者の状態、車両情報、操作情報、生体情報を検知するための具体的な方法としては、非特許文献8にまとめられている方法を使用してもよいし、他の方法を使用してもよい。
また、運転状態検知部42は、図3に示したアクセルポジションセンサ12a、ブレーキ踏力センサ12b、操舵角センサ12c、測距センサ21cの出力、及び図3に非図示の、車両30が備える各種センサ(車速センサ、シフトポジションセンサ等)の出力に基づいて、車両30の挙動を検知する。具体的には、車速、車間距離、車線逸脱の有無、急加速、急減速、走行軌跡等の車両30の挙動を検知する。道路に対する車両位置の変位、操舵角の変位、ペダル反応時間など車両挙動の測定方法については、非特許文献9に記載された方法を使用してもよいし、他の方法を使用してもよい。車間距離の計測方法は、非特許文献10に記載の方法がある他、一般的なADASシステムで検知している情報を使うことでも実現できる。なお、検知する車両30の挙動は、前記した内容に限定されるものではない。
また、運転状態検知部42は、検出された運転者の生体情報と、車両30の挙動と、車両30が走行している道路環境とに基づいて、運転者の運転行動を検知する。具体的には、注視点の分布状態、脇見の有無、左右確認の有無、後方確認の有無、一時停止の有無、標識の遵守、信号の遵守、連続運転時間等の運転行動を検知する。なお、検知する運転者の運転行動は、前記した内容に限定されるものではない。
注視点の分布状態は、計測された視線方向を分析することによって得ることができる。なお、注視点とは、視線方向が所定時間以上停留した点である。注視点が広範囲に分布している場合、運転者は広い範囲に注意を払っていると推定される。一方、注視点が狭い範囲に集中している場合、運転者に注意が特定の範囲に引きつけられていると推定される。視線がどこを向いているかを検知する方法としては、例えば非特許文献11、又は非特許文献12に記載されている方法を使用してもよいし、他の方法を使用してもよい。
脇見の有無は、計測された視線方向及び顔の向きを分析することによって得ることができる。脇見の有無を検出する方法としては、例えば非特許文献12に記載された方法を使用してもよいし、他の方法を使用してもよい。
左右確認の有無は、左右確認を行うべき場所において、顔の向きが左右に動いたか、視線が安全確認すべき方向に向いているかを判定することによって確認することができる。なお、左右確認を行うべき場所であることは、GPS信号から取得した車両30の現在位置と地図データベース24とを照合することによって、例えば、左右確認が必要な交差点の手前を走行していることを特定することができる。また、例えば非特許文献12に記載された技術を使うことで、歩行者を確認しているかを検知してもよいし、他の方法を使用してもよい。
後方確認の有無は、後方確認を行うべき場所において、顔が後方を向いたか、又はルームミラーやバックミラーの方向を向いたかを判定することによって確認することができる。後方確認の有無は、例えば非特許文献12に記載された技術を使うことで確認してもよいし、他の方法を使用してもよい。なお、後方確認を行うべき場所であることは、例えば、車両30のシフトポジションがリバースポジションに入ったことによって推定することができる。
一時停止の有無は、一時停止を行うべき場所において、車両30が停止したかを判定することによって確認することができる。なお、一時停止を行うべき場所であることは、周囲カメラ21aが一時停止の標識を検出したことによって特定することができる。標識認識の手法としては、例えば非特許文献13に記載された手法を使用してもよいし、他の方法を使用してもよい。
標識の遵守は、周囲カメラ21aが検出した標識の内容と、検知された車両30の挙動とが整合しているかによって判定することができる。
信号の遵守は、周囲カメラ21aが検出した信号の状態と、検知された車両30の挙動とが整合しているかによって判定することができる。
連続運転時間は、例えばイグニッションがONになってからの経過時間によって特定することができる。
車両30の走行環境は絶えず変化するため、前記した検知対象を検知し続けるのは、計算機の負荷が高くなるため望ましくない。そのため、運転状態検知部42は、車両30の走行環境に基づいて、当該走行環境において発生すると予想される、運転者による車両30の運転行動と、当該運転者の運転中の生体情報と、車両30の挙動のうち少なくとも1つを検知する。
具体的には、運転状態検知部42は、走行環境検出部40が検出した走行環境に基づいて、当該走行環境で発生することが予想される生体情報と、車両30の挙動と、運転行動とを推定し、少なくとも推定された情報のみを検知することによって、検知対象を絞り込む。
図6の横軸は走行環境検出部40が検出する走行環境の一例を示し、縦軸は前記した各検知対象を示している。そして、図6に付した丸印は、検出された走行環境において検知すべき検知対象を示している。
例えば、車両30が交差点の手前を走行していることが検出された場合、運転状態検知部42は、交差点において発生すると予想される運転者の挙動に係る情報を検知する。例えば、生体情報として、視線方向と顔の向きを検知する。また、車両30の挙動として、車速と急加速、急減速、走行軌跡を検知する。そして、運転者の運転行動として、注視点の分布状態、左右確認の有無、一時停止の有無、標識の遵守、信号の遵守を検知する。なお、図6に付した丸印は一例を示すものであって、この例に限定されるものではない。
走行環境に応じた検知対象の推定を毎回行うと計算負荷が高くなるため、例えば、図6のマップを記憶装置11dに記憶しておき、運転状態検知部42は、当該マップを参照して検知対象を選択すればよい。
(認知機能の算出方法)
図7を用いて、認知機能スコア算出部43が認知機能レベルの評価スコアEを算出する方法を説明する。図7は、認知機能スコア算出部が認知機能レベルの評価スコアを算出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
走行環境検出部40は、車両30の走行環境を検出する(ステップS11)。
運転状態検知部42は、走行環境検出部40が検出した走行環境に基づいて、認知機能を算出するために検知する情報を選択する(ステップS12)。
運転状態検知部42は、ステップS12で選択した情報を検知する(ステップS13)。
認知機能スコア算出部43は、運転状態検知部42が検知した情報に基づいて、走行環境検出部40が検出した走行環境に適合するイベント毎に、当該イベントの発生頻度を加算する(ステップS14)。
認知機能スコア算出部43は、所定時間が経過したかを判定する(ステップS15)。所定時間が経過したと判定される(ステップS15:Yes)とステップS16に進む。一方、所定時間が経過したと判定されない(ステップS15:No)とステップS11に戻る。なお、所定時間は任意に設定してよいが、例えば1分単位で判定を行う。
ステップS15において、所定時間が経過したと判定されると、認知機能スコア算出部43は、認知機能レベルの評価スコアEを算出する(ステップS16)。なお、例えば、ステップS14で算出されたイベント毎の発生頻度が評価スコアEとされる。なお、例えば、注視点の分布状態は頻度では表現できないため、分布範囲の広さを表す数値を評価スコアEとすればよい。また、頻度で表現できないその他の情報についても、情報毎に設定した算出方法に基づいて評価スコアEを算出すればよい。
認知機能記憶部45は、評価スコアEを年月日および運転者と関連付けて記憶する(ステップS17)。その後、認知機能スコア算出部43は、図7の処理を終了する。
認知機能記憶部45は、ステップS16で算出した評価スコアEを、年月日および運転者と関連付けて、記憶装置11d(図3参照)に記憶する(ステップS17)。その後、認知機能スコア算出部43は、図7の処理を終了する。
なお、ステップS14において、イベントの発生頻度を加算しているが、望ましい運転行動を行ったことが検出された場合は、累積されたイベントの発生頻度を減算するようにしてもよい。
(認知機能の分析)
図8を用いて、認知機能特性分析部44が行う認知機能レベルの評価スコアEの分析方法について説明する。図8は、異なる脳機能に関連する認知機能特性と、運転中に発生する運転行動との関連を説明する図である。
認知機能特性分析部44は、図8に示すように、検知される運転行動の種類とその発生頻度とに基づいて、異なる脳機能に関連する認知機能毎に、その低下度合を分析する。それぞれの認知機能が低下することによる運転への影響については、非特許文献2、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7に記載されている。また、情報処理速度の低下による影響については、非特許文献14、非特許文献15に示されている。なお、図8に示した運転行動は一例であり、これと異なる対応表を用いてもよい。
例えば、記憶力80が低下すると、標識に記載された情報保持が困難になったり、どこに行くのか忘れて道に迷ってしまったり(非特許文献5)、車をぶつけたり困ったりした過去の経験を忘れたりする(非特許文献6)。道路標識や交通法令が分からなくなることもある(非特許文献2)。認知機能特性分析部44は、認知機能スコア算出部43が算出した評価スコアEの中から、例えば、標識を遵守した頻度と信号を遵守した頻度等に基づいて、記憶力80の評価スコアEaを算出する。標識認識の手法としては、例えば非特許文献13に記載された手法を使用してもよいし、他の手法でもよい。また、その標識の内容にあった運転行動をとったかどうかに基づいて、標識の内容を認識したものと判定してもよい。
遂行力81が低下すると、アクセルとブレーキの踏み間違いが発生したり、複数の情報処理が困難になる(非特許文献5)。また、予定の経路を通れないときに次にとるべき行動の判断ができなくなったり(非特許文献6)、状況に応じた臨機応変な対応などがとれなくなる(非特許文献2)。カーナビの操作ができなくなることもある(非特許文献6)。認知機能特性分析部44は、認知機能スコア算出部43が算出した評価スコアEの中から、例えば、急加速、急減速の発生頻度等に基づいて、遂行力81の評価スコアEbを算出する。
注意力82が低下すると、標識や信号など周囲の環境に注意を向けることができなくなる(非特許文献5)。信号を見落したり、人が出てくることに気づかなかったりする(非特許文献6)。また、車線変更時に周囲への注意を配分できずに危険な操作になったり、右左折時に歩行者やバイクに気づかなかったりする(非特許文献5)。注意が散漫になると、車内もしくは車外の出来事に気を取られてしまい(非特許文献14)、脇見となる。認知機能特性分析部44は、認知機能スコア算出部43が算出した評価スコアEの中から、例えば、注視点の分布状態と、標識を遵守した頻度と信号を遵守した頻度等に基づいて、注意力82の評価スコアEcを算出する。視線がどこを向いているか検知する方法としては、例えば非特許文献11、又は非特許文献12に記載されている方法を用いればよく、その動きから標識や歩行者など注目すべき点を見ているかどうかを評価できる。また、図8に示された運転行動例の、周囲の安全確認が不十分かどうか、標識等を見落しているかどうか、のそれぞれに対して算出した評価スコアEに重みづけをして、注意力82の評価スコアEcを算出してもよい。重みづけの係数は、予め決めておいた係数を使ってもよいし、認知機能との相関関係を逐次学習していくようにしてもよい。
情報処理力83が低下すると、混雑した道路や、車の流れが速い道路において危険を見つけるのに時間を要して対応が遅れたりする(非特許文献15)。また、のろのろ運転やためらい運転、不意の操作ミスが増える(非特許文献14)。認知機能特性分析部44は、認知機能スコア算出部43が算出した評価スコアEの中から、例えば、運転操作であるブレーキの反応時間等に基づいて、情報処理力83の評価スコアEdを算出する。例えば、非特許文献16の方法を利用して、ブレーキタイミングを評価して算出する。
視空間認知力84が低下すると、前方車両との距離感にズレが生じたり、カーブの際に車線がはみ出したりする(非特許文献5)。また、自分の車の大きさと対象物の関係が把握しにくくなる(非特許文献7)。認知機能特性分析部44は、認知機能スコア算出部43が算出した評価スコアEの中から、例えば、車間距離の平均値、車線逸脱の回数等に基づいて、視空間認知力84の評価スコアEeを算出する。道路に対する車両位置の変位、操舵角の変位、ペダル反応時間など車両挙動の測定には、例えば非特許文献9の方法を用いる。車間距離の計測方法には、非特許文献10の方法がある他、一般的なADASシステムで検知している情報を使って算出してもよい。
なお、各認知機能レベルの評価スコアEa,Eb,Ec,Ed,Eeの算出は、例えば、予め作成した運転状態の検知結果と評価スコアEa,Eb,Ec,Ed,Eeとの関係を示すテーブルに基づいて行うのが効率的である。
認知機能特性分析部44は、このようにして算出された評価スコアEa,Eb,Ec,Ed,Eeを、前記した第1の閾値Th1、第2の閾値Th2と比較することによって、運転者の各認知機能の程度を評価する。
本実施形態のドライバー支援装置10は、評価スコアEa,Eb,Ec,Ed,Eeが、第1の閾値Th1よりも大きい場合に、運転者の認知機能は正常な状態、即ち安全な状態であると判定する。また、評価スコアEa,Eb,Ec,Ed,Eeが、第1の閾値Th1よりも小さく、尚且つ第1の閾値Th1よりも小さい第2の閾値Th2よりも大きい場合に、ドライバー支援装置10は、該当する認知機能は、運転に注意が必要な要注意状態であると判定する。さらに、評価スコアEa,Eb,Ec,Ed,Eeが、第2の閾値Th2よりも小さい場合には、ドライバー支援装置10は、該当する認知機能は、安全運転の継続が困難な、危険な状態であると判定する。
なお、認知機能特性分析部44は、認知機能スコア算出部43が現時点で算出した認知機能のみを分析してもよいし、認知機能記憶部45が運転者と関連付けて記憶した、過去の認知機能を含めて分析してもよい。過去の認知機能を含めて分析を行うことによって、認知機能が回復傾向にあるのか、低下傾向にあるのかを推定することができる。そして、回復傾向にある認知機能に対して、積極的にトレーニングモードを機能させるようにしてもよい。また、認知機能の長期的な低下傾向が見られた場合には、更なる低下を防止するためにトレーニングモードを機能させてもよい。
また、車両30の走行環境によっては、認知機能スコア算出部43及び認知機能特性分析部44が分析対象とするイベントがコンスタントに発生しない場合もある。したがって、対象とする全ての認知機能に係る評価スコアEa,Eb,Ec,Ed,Eeが、全て同時に得られるとは限らない。
(認知機能レベルの評価スコアに応じた支援内容の決定方法)
図9と図10を用いて、ドライバー支援装置10が、認知機能特性に応じて行う支援内容の決定方法について説明する。図9は、ドライバー支援装置が、認知機能特性に応じて行う支援内容の一例を説明する第1の図である。図10は、ドライバー支援装置が、認知機能特性に応じて行う支援内容の一例を説明する第2の図である。
支援内容決定部48は、図9に示すように、運転者が運転に注意が必要な状態(要注意レベル)にある場合に、運転者の認知機能の更なる低下を抑制するための情報提供を支援する。即ち、情報提供による運転支援(トレーニングモード)を機能させる。これは、運転者の認知機能は完全に低下した状態ではないため、該当する認知機能に係るトレーニングを行いながら運転を継続させることによって、低下した認知機能を正常なレベルまで回復させられる可能性があるためである。例えば、一時的な認知機能低下であれば、運転支援を受けながらの認知機能回復が期待される。また、慢性的な認知機能低下であり、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)と言われるような状態である場合には、こうしたトレーニングによって認知機能を回復させることができる可能性がある。このトレーニングモードによって、車両の運転に必要な認知機能を回復させることで、安全な運転を継続させることが期待できる。
また、支援内容決定部48は、図9に示すように、運転者の認知機能が危険なレベルにある場合に、車両30が備える運転支援機能のうち、該当する認知機能を支援する機能を動作させる。即ち、運転支援機能による運転支援(運転支援モード)を機能させる。
なお、ドライバー支援装置10は、複数の認知機能特性の状態を評価するため、複数の認知機能が要注意レベルであると判定される可能性がある。このような場合、支援内容決定部48は、いずれの認知機能に対してトレーニングモードを有効にして、いずれの認知機能に対して運転支援モードを有効にするかを決定する。なお、支援内容決定部48は、いずれか1つの認知機能に対してのみトレーニングモードを有効にする。これは、複数の認知機能に対するトレーニングモードを同時に機能させると、提示される情報が多くなるため、運転者の困惑を招く可能性があるためである。そして、支援内容決定部48は、認知機能が要注意レベルであると判定された複数の認知機能のうち、トレーニングモードを機能させた認知機能以外の認知機能を支援する運転支援モードを機能させる。また、支援内容決定部48は、複数の認知機能が危険レベルであると判定された場合は、該当する複数の認知機能に係る運転支援モードを機能させる。
次に、図10を用いて、各認知機能に係るトレーニングモード及び運転支援モードの具体的な内容を説明する。
記憶力80が要注意レベルまで低下した際に、支援内容決定部48は、トレーニングモードとして、例えば、標識の内容を認識して、当該内容を伝えるメッセージを出力する機能、詳細なルートガイダンスを行う機能等を動作させる。これによって、低下していると推定された運転者の記憶力80の回復を補助する。また、記憶力80が危険レベルまで低下した際に、支援内容決定部48は、車両30が備える、例えば交通標識認識機能を動作させる。また、認識した交通標識の内容、例えば制限速度に基づいて、車両30の上限速度を設定してもよい。これによって、不注意によるうっかりミスを低減することができる。
遂行力81が要注意レベルまで低下した際に、支援内容決定部48は、トレーニングモードとして、例えば、早めのブレーキを推奨するメッセージを出力する機能等を動作させる。これによって、低下していると推定された運転者の遂行力81の回復を補助する。また、遂行力81が危険レベルまで低下した際に、支援内容決定部48は、車両30が備える、例えば追突警報機能や車間距離保持機能、又は急発進防止機能等を動作させる。これによって、運転者の運転動作の一部の遂行を補助することができる。
注意力82が要注意レベルまで低下した際に、支援内容決定部48は、トレーニングモードとして、例えば、運転環境に係るガイダンスや運転行動に係るガイダンスを出力する機能を動作させる。これによって、低下していると推定された運転者の注意力82の回復を補助する。また、注意力82が危険レベルまで低下した際に、支援内容決定部48は、車両30が備える、例えば歩行者検知機能や車間距離保持機能等を動作させる。これによって、運転者が注意を払うべき領域の一部を車両30に代行させることができる。
情報処理力83が要注意レベルまで低下した際に、支援内容決定部48は、トレーニングモードとして、例えば、自動車の速度を低下させて運転者が歩行者等の注意に余裕を持つように促したり、休憩を促すメッセージを出力する機能等を動作させる。これによって、低下していると推定された運転者の情報処理力83の回復を補助する。また、情報処理力83が危険レベルまで低下した際に、支援内容決定部48は、車両30が備える、例えば車間距離保持機能や衝突警報等を動作させる。これによって、運転者が行うべき情報処理の一部を車両30に代行させることができる。
視空間認知力84が要注意レベルまで低下した際に、支援内容決定部48は、トレーニングモードとして、例えば、運転環境に係るガイダンスを出力する機能等を動作させる。これによって、低下していると推定された運転者の視空間認知力84の回復を補助する。また、視空間認知力84が危険レベルまで低下した際に、支援内容決定部48は、車両30が備える車間距離保持機能や車線逸脱防止機能、又は駐車アシスト機能等を動作させる。これによって、運転者が行うべき視空間認知の一部を車両30に代行させることができる。
なお、ドライバー支援装置10は、各種支援モードが機能している場合も認知機能の算出を連続して実行する。そして、認知機能が正常なレベルに回復した場合は、機能している支援モードの動作を停止する。
(認知機能の経時変化)
図11と図12を用いて、認知機能の経時変化について説明する。図11は、認知機能が低下する要因の一例を説明する図である。図12は、認知機能の時系列変化の一例を示す図である。
運転者の認知機能は常に一定ではなく、様々な要因によって変化する。例えば、図11に示す加齢要因90、体調要因91、スキル要因92等によって変化する。
加齢要因90は、認知機能が変化する要因のうち、運転者の加齢に伴う要因である。運転者は、年をとるのに応じて、脳機能の低下を招く。これによって、認知機能の低下が発生する可能性がある。一般に、加齢要因90に係る身体機能の低下は、非常に長い時間に亘って進行するため、例えば、現在の認知機能と、数か月前や数年前の認知機能とを比較することによって、加齢要因90による認知機能の低下が進行していると推定することができる。
体調要因91は、認知機能が変化する要因のうち、運転者の体調に伴う要因である。疲労が残っていると、注意機能や遂行機能に影響が表れやすい(非特許文献18)。また、疲労により注意の範囲が狭くなったり、記憶力が減衰したり(非特許文献19)、眠気によって集中力をもって注意を維持することが難しくなる(非特許文献19)ことなどが該当する。体調要因91の具体例として、うつ病や精神疾患等の病気に係る要因、体調不良やストレス、眠気等の身体状態に係る要因、意識の脇見や考え事等の精神活動に係る要因があげられる。体調要因91に起因する認知機能の変化は、1週間や数日の間隔で変動することが多いため、比較的短期間の認知機能の変化をモニタすることによって、体調要因91による認知機能の低下が発生していると推定することができる。
スキル要因92は、認知機能が変化する要因のうち、運転者の運転スキルに伴う要因である。運転初心者は、熟練者に比べて危険予知の上で重要なエリアを注視する時間が長くなる傾向がある(非特許文献20)など、処理しなければならない情報が多く存在する道路環境では、情報処理力や注意力が低下する可能性がある。スキル要因92に伴う認知機能の変化が発生していることは、例えば、特定の運転行動(例えば交差点の右左折時の運転行動、追い越し時の運転行動、車庫入れ時の運転行動)を観測することによって推定することができる。また、スキル要因92に係る認知機能は、運転環境(例えば道路環境、天候、時刻(昼夜))によっても変化する。
なお、運転者の認知機能は、加齢要因90と体調要因91とスキル要因92のいずれか1つによって変動するものではなく、複数の要因の組み合わせで変動する。また、ここに示した以外の要因も存在する。例えば、運転環境が高温になると、頭がぼーっとするなど環境が認知機能に影響する(非特許文献21)など、様々な要因で認知機能は変動する。本実施形態のドライバー支援装置10は、その中の主要因を推定するものである。また、運転者の認知機能の変動要因は、これらの他にも考えられるが、本実施形態のドライバー支援装置10は、運転者の認知機能の変動が、加齢要因90と、体調要因91と、スキル要因92とによってもたらされるものとする。なお、ここでは要因として3つを選択しているが、ここに記載されていない要因を評価対象としてもよい。また、別の考え方で認知機能低下要因を分解してもよい。さらに、注目したい1つの要因だけに注目してもよいし、2つ以上の任意の組み合わせであってもよい。
次に、図12を用いて、運転者の認知機能が変動する様子を定性的に説明する。図12のグラフG1は、ある運転者の認知機能レベルの評価スコアEの時系列変化の一例を示すグラフである。グラフG1から、時刻ta付近と時刻tc付近において、評価スコアEが低下して、前記した第2の閾値Th2を下回っている。即ち、時刻ta付近と時刻tc付近において、事故のリスクが大きくなっていることが読み取れる。
また、グラフG2は、同じ運転者の加齢による認知機能の低下量を、グラフG1と同じ時間軸にプロットした例である。グラフG3は、同じ運転者の体調による認知機能の低下量を、グラフG1と同じ時間軸にプロットした例である。グラフG4は、同じ運転者のスキルによる認知機能の低下量を、グラフG1と同じ時間軸にプロットした例である。
グラフG2の縦軸は、加齢による認知機能の低下量を示しており、縦軸方向の下にいくほど、加齢による認知機能の低下量が大きくなることを示している。グラフG2によると、時刻tb以降において、運転者の加齢による認知機能の低下量が、安全運転に影響を与える閾値Thaを上回っていることがわかる。このような場合には、時刻tb以降において、運転者に対して日常的な注意を促すのが望ましい。
グラフG3の縦軸は、体調による認知機能の低下量を示しており、縦軸方向の下にいくほど、体調による認知機能の低下量が大きくなることを示している。グラフG3によると、時刻tc付近において、運転者の体調による認知機能の低下量が、安全運転に影響を与える閾値Thbを上回って、尚且つ極大になっていることがわかる。そして、グラフG3とグラフG1とを対比すると、時刻tc付近における認知機能の低下は、体調要因が主要因であることがわかる。このような場合には、時刻tc付近において、運転者に休憩させて回復を促すのが望ましい。
グラフG4の縦軸は、スキルによる認知機能の低下量を示しており、縦軸方向の下にいくほど、スキルによる認知機能の低下量が大きくなることを示している。グラフG4によると、運転者の運転スキルによる認知機能の低下量は、グラフG4に表示されている時間において、安全運転に影響を与える閾値Thcを上回っていることがわかる。これは、グラフG4に表示されている区間の道路環境が、運転者にとって苦手な道路環境であった可能性が高い。更に、時刻ta付近において、運転者のスキルによる認知機能の低下量が、安全運転に影響を与える閾値Thcを上回って、尚且つ極大になっていることがわかる。そして、グラフG4とグラフG1とを対比すると、時刻ta付近における認知機能の低下は、スキル要因が主要因であることがわかる。このような場合には、時刻ta付近において、苦手の道における注意を促すのが望ましい。
本実施形態のドライバー支援装置10は、このように、認知機能の低下の主要因が、加齢によるものか、体調によるものか、スキルによるものかを推定する。そして、認知機能の低下の主要因に応じて、適切な情報提示や運転支援を行って、認知機能の回復を促す。
(認知機能低下の主要因の推定)
図13Aと図13Bを用いて、認知機能低下の要因分析について説明する。図13Aは、認知機能低下の要因分析の一例を示す第1の図である。図13Bは、認知機能低下の要因分析の一例を示す第2の図である。
図12で説明したように、運転者の認知機能は、時間とともに絶えず変化する。図13Aは、現在(2022年4月)の認知機能と、1年前(2021年4月)の認知機能とを比較した例を示している。図13Aは、認知機能レベルの評価スコアEが、1年前は、第1の閾値Th1を上回る安全なレベルであったが、現在は、第1の閾値Th1と第2の閾値Th2の間、即ち要注意レベルであることを示している。
本実施形態のドライバー支援装置10の認知機能低下要因推定部46は、このように運転者の認知機能レベルの評価スコアEが低下した場合に、その主要因が、加齢要因(第1の変動要因)であるか、体調要因(第2の変動要因)であるか、またはスキル要因(第3の変動要因)であるかを推定する。
図13Bは、認知機能低下の要因分析を行った例を示している。認知機能低下要因推定部46は、1年前の加齢要因に係る認知機能の評価値と、現在の加齢要因に係る認知機能の評価値との比較を行う。その結果、加齢要因に係る認知機能は1年前に比べて低下していると判断される。即ち、図13Bに左向きの矢印で示すように、加齢要因(第1の変動要因)に係る認知機能は低下していると判断される。
また、認知機能低下要因推定部46は、1年前の体調要因に係る認知機能の評価値と、現在の体調要因に係る認知機能の評価値との比較を行う。その結果、体調要因に係る認知機能は1年前に比べて大きく低下して、安全運転に影響を与える閾値Thbを超えていると判断される。即ち、図13Bに左向きの長い矢印で示すように、体調要因(第2の変動要因)に係る認知機能は大きく低下していると判断される。
また、認知機能低下要因推定部46は、1年前のスキル要因に係る認知機能の評価値と、現在のスキル要因に係る認知機能の評価値との比較を行う。その結果、スキル要因に係る認知機能は1年前に比べて向上していると判断される。即ち、図13Bに右向きの短い矢印で示すようにスキル要因(第3の変動要因)に係る認知機能は向上していると判断される。なお、図13Bにおいて、閾値Tha、閾値Thb、閾値Thcは、便宜上同じ位置に表記しているが、実際は、これらの閾値は異なる値を有する。
認知機能低下要因推定部46は、図13Bの結果に基づいて、認知機能が低下した主要因は、左向きの矢印が最も長い、体調要因であると推定する。そして、支援内容決定部48は、例えば、「体調要因スコアが急激に低下しています。休憩しましょう。」等の、認知機能低下の主要因に係る情報提示を行う旨を決定する。支援内容表示部49は、当該情報を例えばセンターモニタ25aに表示することによって、運転者に対して、認知機能低下の主要因に応じた行動変容を促す。
図13Bの推定結果を図13Aに重畳して、現在の認知機能と1年前の認知機能とを比較すると、加齢要因と体調要因に係る認知機能が低下し、スキル要因は向上していることが分かる。そして、体調要因による認知機能の低下量は、加齢要因による認知機能の低下量よりも大きいことがわかる。なお、ここでは現在の認知機能と1年前の認知機能とを比較した例を示したが、比較する過去のタイミングは、1年前に限定されるものではない。
(認知機能の変動状態の識別)
図14を用いて、運転者の認知機能の変動状態の識別方法を説明する。図14は、認知機能が低下した状態を識別する方法の一例を示す図である。なお、図14は、本実施形態のドライバー支援装置10の認知機能低下要因推定部46が行う、運転者の認知機能の変動状態の識別処理の流れを示す。ここでは、認知機能の変動要因は、加齢要因と体調要因とスキル要因の3要因であるとする。
認知機能低下要因推定部46は、加齢要因による認知機能低下量が閾値Thaを下回るかを判定する(ステップS61)。加齢要因による認知機能低下量が閾値Thaを下回ると判定される(ステップS61:Yes)とステップS62に進む。一方、加齢要因による認知機能低下量が閾値Thaを下回ると判定されない(ステップS61:No)とステップS65に進む。
ステップS61において、加齢要因による認知機能低下量が閾値Thaを下回ると判定されると、認知機能低下要因推定部46は、スキル要因による認知機能低下量が閾値Thcを下回るかを判定する(ステップS62)。スキル要因による認知機能低下量が閾値Thcを下回ると判定される(ステップS62:Yes)とステップS63に進む。一方、スキル要因による認知機能低下量が閾値Thcを下回ると判定されない(ステップS62:No)とステップS64に進む。
ステップS62において、スキル要因による認知機能低下量が閾値Thcを下回ると判定されると、認知機能低下要因推定部46は、体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回るかを判定する(ステップS63)。体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回ると判定される(ステップS63:Yes)と、認知機能低下要因推定部46は、運転者の認知機能は正常である(状態1)と判断する(ステップS68)。一方、体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回ると判定されない(ステップS63:No)と、認知機能低下要因推定部46は、運転者の認知機能は体調要因によって低下している(状態2)と判断する(ステップS69)。
ステップS62において、スキル要因による認知機能低下量が閾値Thcを下回ると判定されないと、認知機能低下要因推定部46は、体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回るかを判定する(ステップS64)。体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回ると判定される(ステップS64:Yes)と、認知機能低下要因推定部46は、運転者の認知機能はスキル要因によって低下している(状態3)と判断する(ステップS70)。一方、体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回ると判定されない(ステップS64:No)と、認知機能低下要因推定部46は、運転者の認知機能は、体調要因とスキル要因とによって低下している(状態4)と判断する(ステップS71)。
ステップS61において、加齢要因による認知機能低下量が閾値Thaを下回ると判定されないと、認知機能低下要因推定部46は、スキル要因による認知機能低下量が閾値Thcを下回るかを判定する(ステップS65)。スキル要因による認知機能低下量が閾値Thcを下回ると判定される(ステップS65:Yes)とステップS66に進む。一方、スキル要因による認知機能低下量が閾値Thcを下回ると判定されない(ステップS65:No)とステップS67に進む。
ステップS65において、スキル要因による認知機能低下量が閾値Thcを下回ると判定されると、認知機能低下要因推定部46は、体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回るかを判定する(ステップS66)。体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回ると判定される(ステップS66:Yes)と、認知機能低下要因推定部46は、運転者の認知機能は加齢要因によって低下している(状態5)と判断する(ステップS72)。一方、体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回ると判定されない(ステップS66:No)と、認知機能低下要因推定部46は、運転者の認知機能は加齢要因と体調要因とによって低下している(状態6)と判断する(ステップS73)。
ステップS65において、スキル要因による認知機能低下量が閾値Thcを下回ると判定されないと、認知機能低下要因推定部46は、体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回るかを判定する(ステップS67)。体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回ると判定される(ステップS67:Yes)と、認知機能低下要因推定部46は、運転者の認知機能は加齢要因とスキル要因とによって低下している(状態7)と判断する(ステップS74)。一方、体調要因による認知機能低下量が閾値Thbを下回ると判定されない(ステップS67:No)と、認知機能低下要因推定部46は、運転者の認知機能は、加齢要因とスキル要因と体調要因とによって低下している(状態8)と判断する(ステップS75)。
(認知機能レベルの状態遷移)
図15を用いて、運転者の認知機能レベルの状態遷移例を説明する。図15は、運転者の認知機能レベルの経時変化の一例を示す図である。
本実施形態のドライバー支援装置10は、運転者の認知機能の変動を時系列で監視する。その結果、図15に示すような、認知機能の変動状態を示す遷移図が生成される。図15の縦軸は、変動前の認知機能の状態を示す。縦軸には、図14で説明した状態1から状態8がプロットされる。図15の横軸は、変動後の認知機能の状態を示す。横軸にも、図14で説明した状態1から状態8がプロットされる。
運転者の認知機能の状態は時間とともに変動するため、ドライバー支援装置10は、1時刻前の状態m(m=1~8)から、1時刻後の状態n(n=1~8)への推移を観測する。状態mから状態nへ推移したことがわかると、そのときの認知機能の変動要因の変化の様子が特定される。図15の各項目に記載した内容が、認知機能の変動要因の変化の様子を示している。便宜上、変動要因が悪化した箇所には小文字の識別子((a)~(c))を付して、変動要因が改善した箇所には大文字の識別子((A)~(C))を付している。
例えば、1時刻前の状態が状態2であり、現在の状態が状態7である場合、ドライバー支援装置10は、運転者の認知機能の変動要因のうち加齢要因とスキル要因とが悪化したと判断する。また、ドライバー支援装置10は、運転者の認知機能の変動要因のうち体調要因が改善したと判断する。
ドライバー支援装置10は、運転者に対して、図15に示す認知機能の変動状態に応じた情報提示を行うことによって、特に認知機能が悪化した場合の行動変容を促す。
(認知機能の変動に応じた情報提示)
図16を用いて、運転者の認知機能の変動に応じた情報の提示例を説明する。図16は、認知機能レベルの変動に応じた情報提示内容の一例を示す図である。
本実施形態のドライバー支援装置10は、図16に示すように、少なくとも、現在の状態m(m=1~8)に応じた情報を運転者に提示する。その際、ドライバー支援装置10は、認知機能が低下した主要因に係る情報と、どのような点に注意して運転すればよいかを提示する。また、図16には記載していないが、ドライバー支援装置10は、過去の認知機能レベルの状態と現在の認知機能レベルの状態とに応じた情報を提示するのが望ましい。例えば、認知機能の改善が見られた場合は、改善をもたらした変動要因に係る情報を提示することによって、運転者の行動変容の効果を伝達するのが望ましい。また、ドライバー支援装置10は、認知機能が悪化した状態が継続している場合は、より一層の注意喚起を行ったり、運転支援機能の動作を推奨したりするのが望ましい。
(情報提示例(加齢要因))
図17を用いて、加齢要因が主要因である場合の、運転者に対する情報提示例を説明する。図17は、認知機能低下の主要因が加齢要因である場合に、運転者に提示する情報の一例を示す図である。
ドライバー支援装置10は、認知機能低下の主要因が加齢要因である場合に、運転者に対して、加齢による認知機能低下がみられることを提示する。そして、運転者に対して、回復訓練を促す。その後、運転終了後には、運転者に対して、加齢要因による認知機能の低下の変化、即ち、日々の改善具合を知らせる。なお、加齢要因による認知機能の低下が改善されて、例えば数日間以上改善された状態が継続した場合は、加齢要因に係る情報提示を停止する。
具体的には、図17に示すように、加齢要因による認知機能の低下がみられない状態が継続した場合(図17の状態遷移A)には、加齢要因に係る情報提示は行わない。
加齢要因によって、認知機能が良好な状態から運転に影響を及ぼす状態に悪化した場合(図17の状態遷移B)には、「加齢要因スコアの低下がみられます。回復訓練の実施を推奨します。」等の情報提示を行う。これによって、加齢により認知機能が低下していることを運転者に認識させる。
加齢要因による認知機能の低下が改善した場合(図17の状態遷移C)には、「加齢要因スコアが改善しました。回復訓練の効果があったようです。」等の情報提示を行う。これによって、認知機能が改善したことを運転者に認識させる。
加齢要因による認知機能の低下が継続した場合(図17の状態遷移D)には、「加齢要因スコアの低下が続いています。回復訓練を継続しましょう。」等の情報提示を行う。これによって、加齢要因による認知機能の低下が改善しないことを運転者に認識させる。
なお、加齢要因による認知機能の低下を継続的に監視することによって、運転者に認知症リスクを判定することができる。したがって、加齢要因により認知機能の低下が継続する場合には、図17に示した各種情報提示に加えて、認知症のリスクがある旨を報知してもよい。
(情報提示例(体調要因))
図18を用いて、体調要因が主要因である場合の、運転者に対する情報提示例を説明する。図18は、認知機能低下の主要因が体調要因である場合に、運転者に提示する情報の一例を示す図である。
ドライバー支援装置10は、認知機能低下の主要因が体調要因である場合に、運転者に対して、体調不良であることと、それによって運転への影響があることを自覚させるメッセージを提示する。また、必要に応じて、休憩や運転の注意を促す。
具体的には、図18に示すように、体調要因による認知機能の低下がみられない状態が継続した場合(図18の状態遷移E)には、体調要因に係る情報提示は行わない。
体調要因によって、認知機能が良好な状態から運転に影響を及ぼす状態に悪化した場合(図18の状態遷移F)には、「体調要因スコアが低下しています。いつもより慎重に運転しましょう。」等の情報提示を行う。これによって、体調が悪化していることを運転者に認識させる。
体調要因による認知機能の低下が改善した場合(図18の状態遷移G)には、「体調要因スコアが改善しました。安全運転を続けてください。」等の情報提示を行う。これによって、認知機能が改善したことを運転者に認識させる。
体調要因による認知機能の低下が継続した場合(図18の状態遷移H)には、「体調要因スコアが低下しており、安全運転に影響があります。休憩をお薦めします。」等の情報提示を行う。これによって、体調要因による認知機能の低下が改善しないことを運転者に認識させる。
(情報提示例(スキル要因))
図19を用いて、スキル要因が主要因である場合の、運転者に対する情報提示例を説明する。図19は、認知機能低下の主要因がスキル要因である場合に、運転者に提示する情報の一例を示す図である。
ドライバー支援装置10は、認知機能低下の主要因がスキル要因である場合に、運転者に対して、運転への影響を自覚させるメッセージを提示する。
具体的には、図19に示すように、スキル要因による認知機能の低下がみられない状態が継続した場合(図19の状態遷移I)には、スキル要因に係る情報提示は行わない。
スキル要因によって、認知機能が良好な状態から運転に影響を及ぼす状態に悪化した場合(図19の状態遷移J)には、「運転スキルが低下ぎみです。過信せずに注意して運転しましょう。」等の情報提示を行う。これによって、運転スキルが低下していることを運転者に認識させる。また、自身の運転スキルを過信しないように注意を促す。
スキル要因による認知機能の低下が改善した場合(図19の状態遷移K)には、「運転スキルが改善しています。引き続き安全運転に心がけましょう。」等の情報提示を行う。これによって、認知機能が改善したことを運転者に認識させる。
スキル要因による認知機能の低下が継続した場合(図19の状態遷移L)には、「運転スキルが低下しています。安全運転のため、注意を心がけましょう。」等の情報提示を行う。これによって、スキル要因による認知機能の低下が改善しないことを運転者に認識させる。
なお、運転者の過去の認知機能の分析結果に基づいて、苦手な運転環境(交差点の右折、繁華街の走行、駐車行動等)がわかる場合には、予め苦手な道路である旨の情報提示を行ってもよい。また、苦手な道路を走行中に、運転支援によるサポートの実施を提案してもよい。更に、運転開始時に、運転者から目的地の情報を得て、苦手な道路を避けたルート変更の提案を行ってもよい。なお、スキル要因に係る運転者への情報提示は、運転開始前、運転中、運転開始後を問わずに行ってよい。
例えば、運転開始前に、ルート上に支援が必要な道路環境がある場合には、「特に右折の際に気を付けて下さい。」等の情報提示を行ってもよい。
また、運転中に支援が必要な道路環境がある場合には、「この先に合流があります。合流支援を動作させますか?」等の情報提示を行ってもよい。
また、運転終了後に、今回の運転を総括して、「〇〇交差点を右折する際は注意して下さい。」、「最近、交差点走行時の認知機能が低下する傾向にありますので、注意して下さい。」等の情報提示を行ってもよい。
なお、スキル要因は、そのとき走行している道路環境に応じて短期的に変動するのに加えて、当該運転者の運転の習熟度合に応じて、長期間に亘って変動する。したがって、図19に示す状態遷移は、若い頃(運転免許を取得した頃)の運転スキルに係る評価値と、現在の運転スキルに係る評価値とを比較してもよい。
(認知機能低下の要因の算出方法(加齢要因))
図20を用いて、認知機能の低下における加齢要因の影響を算出する方法を説明する。図20は、認知機能の低下への加齢要因の影響度を算出する方法の一例を示す図である。
ドライバー支援装置10の認知機能低下要因推定部46は、認知機能の変動要因である加齢要因、体調要因、スキル要因に係る評価値を、それぞれ独立した別の方法によって算出する。加齢要因に係る評価値は、例えば、同じ運転者の1年前の1か月間の認知機能の変動と、直近1か月間の認知機能の変動とを比較することによって、加齢要因による認知機能の変化を算出する。
具体的には、図20に示すように、現在(例えば2022年4月)の認知機能の変動と、1年前(例えば2021年4月)の認知機能の変動とを比較する。ある月の認知機能の変動は、例えば、当該月の日々の認知機能の評価結果を平均化することによって算出する。なお、運転しない日は認知機能の評価値を得ることができないため、運転を行った日の認知機能の評価値を、運転を行った日数で平均化すればよい。
図20に示す例は、現在の認知機能の平均値が、1年前に比べて低下していることを示している。このように、ドライバー支援装置10の認知機能低下要因推定部46は、長期に亘る認知機能の変動は、加齢要因に起因するものであると仮定して評価を行う。
(認知機能低下の要因の算出方法(体調要因))
ドライバー支援装置10の認知機能低下要因推定部46は、体調要因に係る評価値を、車両30に搭載されたドライバーモニタカメラ21bが計測した、運転者の瞬目の回数や視線の動き、あるいは運転者の体温等に基づいて算出する。また、図示しない、例えば車両30のステアリングに設置された心電図や脈波等を計測するセンサの出力に基づいて評価してもよい(非特許文献17)。
認知機能スコア算出部43は、これらの各種センサによって得られた情報から、運転者の認知機能レベルの評価スコアEを算出する。そして、認知機能低下要因推定部46は、このようにして算出された認知機能レベルの評価スコアEの変動が、運転者の体調要因によるものと判断する。
(認知機能低下の要因の算出方法(スキル要因))
ドライバー支援装置10の認知機能低下要因推定部46は、スキル要因に係る評価値を、運転操作の結果として現れる車両30の挙動に基づいて算出する。
例えば、運転行動の基本的な動作(直進走行やカーブの走行、ブレーキ操作等)について、平均的あるいは好ましい動作パターンと、運転者が実際に行った動作パターンとの差分量に基づいて、運転者のスキル要因に係る評価値を算出することができる。
より具体的には、車両30が走行している道路環境は、車両30が備えるカーナビゲーション装置や周囲カメラによって認識することができるため、交通環境(直進時、車線変更時、右左折時、駐車時等)毎に運転スキルに係る評価値を算出することができる。
(認知機能低下の要因の別の算出方法)
図21を用いて、認知機能の低下の要因の別の算出方法を説明する。図21は、認知機能の低下の要因推定を行う別の方法の一例を示すフローチャートである。
ドライバー支援装置10の認知機能低下要因推定部46は、認知機能の変動要因である加齢要因、体調要因、スキル要因に係る評価値を、前記した方法とは別の方法で算出してもよい。具体的には、認知機能を低下させる要因である加齢要因と体調要因とスキル要因とを比較すると、加齢要因は、長期間(例えば年単位)に亘って徐々に影響が現れるものであると考えられる。また、体調要因は、加齢要因と比べると、より短期間(例えば月単位、週単位)で影響が現れるものであると考えられる。そして、スキル要因は、そのときに走行している道路環境に応じて影響が現れるものと考えられる。したがって、認知機能に係る評価値の平均をとる期間をそれぞれの要因に応じた期間に設定することによって、簡易的に各要因が認知機能に与える影響度合を数値化することができる。
より具体的には、運転者の認知機能レベルについて、その最大値Lmaxと、各時刻tにおける認知機能レベルL(t)とを取得する。認知機能レベルL(t)は、前記した認知機能レベルの評価スコアEと等価である。認知機能低下要因推定部46は、取得した認知機能レベルL(t)の過去1分間(第3の所定期間)の平均値Lminute(t)(第3の平均値)と、過去1時間(第2の所定期間)の平均値Lhour(t)(第2の平均値)と、過去1か月(第1の所定期間)の平均値Lmоnth(t)(第1の平均値)とをそれぞれ算出する。そして、認知機能低下要因推定部46は、認知機能レベルの最大値Lmaxと、過去1か月の認知機能レベルの平均値Lmоnth(t)との差分値を、加齢要因による認知機能の変動量ΔLageであると推定する。また、認知機能低下要因推定部46は、過去1時間の認知機能レベルの平均値Lhour(t)と、過去1か月の認知機能レベルの平均値Lmоnth(t)との差分値を、体調要因による認知機能の変動量ΔLhealthであると推定する。更に、認知機能低下要因推定部46は、時刻tにおける認知機能レベルL(t)と、認知機能レベルの最大値Lmaxと加齢要因による認知機能の変動量と加齢要因による認知機能の変動量ΔLageと体調要因による認知機能の変動量ΔLhealthとの総和との差分値を、スキル要因による認知機能の変動量ΔLskillであると推定する。
以下、図21のフローチャートに沿って、認知機能の低下の要因推定を行う処理の流れを説明する。
認知機能低下要因推定部46は、運転者の認知機能レベルの最大値Lmaxを取得する(ステップS21)。具体的には、認知機能低下要因推定部46は、認知機能記憶部45が記憶した、該当する運転者の認知機能レベルL(t)の最大値を取得する。
認知機能スコア算出部43は、時刻tにおける認知機能レベルL(t)を算出する(ステップS22)。
認知機能低下要因推定部46は、認知機能レベルL(t)の過去1分間の平均値Lminute(t)を算出する(ステップS23)。
認知機能低下要因推定部46は、認知機能レベルL(t)の過去1時間の平均値Lhour(t)を算出する(ステップS24)。
認知機能低下要因推定部46は、認知機能レベルL(t)の過去1か月の平均値Lmоnth(t)を算出する(ステップS25)。
認知機能低下要因推定部46は、加齢要因による認知機能の変化を推定する(ステップS26)。具体的には、認知機能低下要因推定部46は、式(1)によって、加齢要因による認知機能の変動量ΔLageを推定する。なお、フローチャートには記載しないが、推定した加齢要因による認知機能の変動量ΔLageは、運転者を特定する情報と関連付けて、認知機能記憶部45に記憶しておく。
ΔLage=Lmоnth(t)-Lmax…(1)
認知機能低下要因推定部46は、体調要因による認知機能の変化を推定する(ステップS27)。具体的には、認知機能低下要因推定部46は、式(2)によって、体調要因による認知機能の変動量ΔLhealthを推定する。なお、フローチャートには記載しないが、推定した体調要因による認知機能の変動量ΔLhealthは、運転者を特定する情報と関連付けて、認知機能記憶部45に記憶しておく。
ΔLhealth=Lhour(t)-Lmоnth(t)…(2)
認知機能低下要因推定部46は、スキル要因による認知機能の変化を推定する(ステップS28)。具体的には、認知機能低下要因推定部46は、式(3)によって、スキル要因による認知機能の変動量ΔLskillを推定する。なお、フローチャートには記載しないが、推定したスキル要因による認知機能の変動量ΔLskillは、運転者を特定する情報と関連付けて、認知機能記憶部45に記憶しておく。なお、スキル要因には、そのときに走行している道路環境の影響が大きいため、ドライバー支援装置10は、カーナビゲーションシステムや周囲カメラ等から、例えば過去1分間の道路環境に係る情報を取得して、取得した道路環境に係る情報も認知機能記憶部45に記憶しておくのが望ましい。
ΔLskill=Lminute(t)-(Lmax+ΔLage+ΔLhealth)…(3)
認知機能低下要因推定部46は、加齢要因による認知機能の変動量ΔLageの大きさと、体調要因による認知機能の変動量ΔLhealthの大きさと、スキル要因による認知機能の変動量ΔLskillの大きさとを比較することによって、認知機能レベルL(t)が低下した主要因を推定する(ステップS29)。その後、認知機能低下要因推定部46は、図21の処理を終了する。
(ドライバー支援装置が行う処理の流れ)
図22を用いて、本実施形態のドライバー支援装置10が行う処理の流れを説明する。図22は、本実施形態のドライバー支援装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
運転状態検知部42は、車両30のイグニッションスイッチがONであるかを判定する(ステップS41)。車両30のイグニッションスイッチがONであると判定される(ステップS41:Yes)とステップS42に進む。一方、車両30のイグニッションスイッチがONであると判定されない(ステップS41:No)とステップS41の判定を繰り返す。なお、車両30が電動者の場合、イグニッションスイッチがONであるかを判定する代わりに、メインスイッチがONであるかを判定すればよい。
ステップS41において、車両30のイグニッションスイッチがONであると判定されると、運転者特定部41は、運転者を特定する(ステップS42)。
認知機能スコア算出部43は、運転者に対して、運転前認知機能評価を行う(ステップS43)。運転前認知機能評価は、例えば、認知機能記憶部45が記憶した、当該運転者の過去の認知機能の評価結果を読み出して、運転者の認知機能の過去からの推移を取得する。また、運転者の体温や心電図や脈波等を測定するセンサの出力を取得することによって、運転開始前における運転者の体調情報に基づく認知機能の評価を行う。
認知機能特性出力部47は、運転者に対して、ステップS43で評価した結果を提示する(ステップS44)。
運転状態検知部42は、車両30の運転が開始されたかを判定する(ステップS45)。車両30の運転が開始されたと判定される(ステップS45:Yes)とステップS46に進む。一方、車両30の運転が開始されたと判定されない(ステップS45:No)と、ステップS45の判定を繰り返す。
認知機能スコア算出部43と認知機能特性分析部44とは、運転者に対して、運転中の認知機能評価を行う(ステップS46)。運転中の認知機能評価は、例えば、図7のフローチャートに沿って行われる。
認知機能記憶部45は、ステップS46における分析結果を、運転者を特定する情報と関連付けて記憶する(ステップS47)。
認知機能特性分析部44は、ステップS46で算出した認知機能レベルの評価スコアE(または認知機能レベルL(t))が要注意レベルまたは危険レベルであるかを判定する(ステップS48)。認知機能レベルの評価スコアEが要注意レベルまたは危険レベルであると判定される(ステップS48:Yes)とステップS49に進む。一方、認知機能レベルの評価スコアEが要注意レベルまたは危険レベルであると判定されない(ステップS48:No)とステップS51に進む。
ステップS48において、認知機能レベルの評価スコアEが要注意レベルまたは危険レベルであると判定されると、認知機能低下要因推定部46は、認知機能低下の主要因の推定を行う(ステップS49)。認知機能低下の主要因の推定は、例えば、図21のフローチャートに沿って行われる。
認知機能特性出力部47は、運転者に対して、認知機能低下の主要因に応じた情報を提示する(ステップS50)。提示する情報の例は、図16から図19で説明した通りである。なお、ステップS50において、認知機能特性出力部47は、運転者の認知機能の状態を、通信インタフェース27(図3参照)を介して、予め登録されたスマートフォンやウェアラブル端末等に出力してもよい。このようにして出力された情報を参照することによって、運転者の日々の健康管理や生活管理に役立てることができる。
運転状態検知部42は、車両30のイグニッションスイッチがOFFであるかを判定する(ステップS51)。車両30のイグニッションスイッチがOFFであると判定される(ステップS51:Yes)と、ドライバー支援装置10は、図22の処理を終了する。一方、車両30のイグニッションスイッチがOFFであると判定されない(ステップS51:No)とステップS46に戻る。
(認知機能低下時のトレーニングモード、運転支援モードの実行)
本実施形態のドライバー支援装置10は、トレーニングモードや運転支援モードに遷移する際に、認知機能が低下した主要因に係る情報提示を行ってもよい。図23は、ドライバー支援装置が動作モードの変更を行う際に、認知機能が低下した主要因に係る情報提示を行う機能を説明する図である。
ドライバー支援装置10の支援内容決定部48が、運転者の認知機能特性の更なる低下を抑制するためにトレーニングモードを動作させることを決定した場合に、支援情報提示部50は、運転者に対して、認知機能が低下した主要因を提示してもよい。
例えば、図23に示すように、認知機能のうち注意力が要注意レベルまで低下したことが検出された場合に、ドライバー支援装置10がトレーニングモードを起動することによって、運転者の注意力に係る機能改善を図ることを決定したとする。このとき、運転者の認知機能が、体調要因のために低下していた場合に、支援情報提示部50は、運転者に対して、例えば、「体調要因スコアが低下し、注意力が低下しています。回復トレーニングを開始します」等の、認知機能が低下した主要因に係る情報、即ち体調不良であることを自覚させて注意を促す情報を提示する。
また、ドライバー支援装置10の支援内容決定部48が、認知機能特性に関連付いた運転動作を支援するために運転支援モードを動作させることを決定した場合に、支援情報提示部50は、運転者に対して、認知機能が低下した主要因を提示してもよい。
例えば、図23に示すように、認知機能のうち注意力が要注意レベルまで低下したことが検出された場合に、ドライバー支援装置10が運転支援モードを起動することによって、運転者の注意力に係る認知機能の低下を補うことを決定したとする。このとき、運転者の認知機能が、体調要因のために低下していた場合に、支援情報提示部50は、運転者に対して、例えば、「体調要因スコアがさらに低下しています。注意力に関する運転支援をONにします。」等の、認知機能が低下した主要因に係る情報を提示する。
なお、ドライバー支援装置10は、トレーニングモードまたは運転支援モードに遷移するタイミングで、運転者に対して、認知機能が低下した主要因に係る情報を提示する。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、本実施形態のドライバー支援装置10は、運転者による車両の運転行動と、当該運転者の運転中の生体情報と、車両30の挙動のうち少なくとも1つを検知する運転状態検知部42と、運転状態検知部42が検知した情報に基づいて、運転者の認知機能が高いか低いかを示す数値を算出する認知機能スコア算出部43と、認知機能スコア算出部43が算出した数値を、1以上の異なる脳機能に関連する認知機能特性として分析する認知機能特性分析部44と、認知機能スコア算出部43が算出した同一の運転者に対する数値と認知機能特性分析部44の分析結果とを時系列で記憶する認知機能記憶部45と、認知機能記憶部45の記憶内容に基づいて、運転者の認知機能の低下を引き起こす複数の変動要因の影響度を算出し、主要因となるものを推定する認知機能低下要因推定部46と、認知機能低下要因推定部46による推定結果、または推定結果に応じた情報をもとに運転者を支援するドライバー支援部60と、を備える。したがって、運転者の認知機能の低下要因を推定することができる。
また、本実施形態のドライバー支援装置10において、認知機能低下要因推定部46は、認知機能記憶部45の現在に対応する記憶内容と、所定の過去の時点に対応する記憶内容とを比較することによって、認知機能の変動要因を推定する。したがって、認知機能に係る経時的な情報に基づいて、運転者の認知状態の変動を、容易かつ高精度に推定することができる。
また、本実施形態のドライバー支援装置10において、変動要因は、運転者の加齢要因90と、体調要因91と、スキル要因92との少なくとも1つを含む、を含む。したがって、運転者の認知機能の変動要因を、当該運転者の肉体的状態または精神的状態と関連付けて推定することができる。
また、本実施形態のドライバー支援装置10において、ドライバー支援部60は、認知機能低下要因推定部46の推定結果に応じた情報を、運転者の認知機能の低下を引き起こす主要因に係る過去の数値と、主要因に係る現在の数値とに応じた形態で出力する認知機能特性出力部47(出力部)を備える。したがって、認知機能が低下した場合に、低下量に応じた情報を提示することによって、運転者に、自身の状態を的確に認識させることができる。
また、本実施形態のドライバー支援装置10において、認知機能特性出力部47(出力部)は、加齢要因90が運転者の認知機能の低下を引き起こす主要因である場合に、運転者に対して、加齢による認知機能低下があることを示す情報、または加齢による認知機能低下の回復訓練に係る情報を出力する。したがって、加齢が原因で認知機能が低下していることを、運転者に確実に伝達することができる。
また、本実施形態のドライバー支援装置10において、認知機能特性出力部47(出力部)は、体調要因91が運転者の認知機能の低下を引き起こす主要因である場合に、運転者に対して、体調不良であることを自覚させて注意を促す情報、または休憩を促す情報を出力する。したがって、体調が原因で認知機能が低下していることを、運転者に確実に伝達することができる。
また、本実施形態のドライバー支援装置10において、認知機能特性出力部47(出力部)は、スキル要因92が運転者の認知機能の低下を引き起こす主要因である場合に、運転者に対して、苦手な道路状態であることを示す情報の出力、または苦手な道路を避けたルート変更の提案を行う。したがって、運転スキルが原因で認知機能が低下していることを、運転者に確実に伝達することができる。
また、本実施形態のドライバー支援装置10において、ドライバー支援部60は、認知機能特性分析部44が算出した認知機能特性と、閾値との比較に基づいて、車両30が有する複数の機能の中から、運転者の認知機能の更なる低下を抑制するための情報提供を支援する情報提供機能を有効にするか、低下した認知機能特性に関連付いた運転動作を支援する運転支援機能を有効にするか、を決定する支援内容決定部48を更に備えて、認知機能特性出力部47(出力部)は、支援内容決定部48が決定した支援機能が有効になったタイミングで、認知機能低下要因推定部46による推定結果、または当該推定結果に応じた情報を出力する。したがって、運転者に対して、トレーニングモードに遷移した理由、運転支援モードに遷移した理由を、確実に伝達することができる。
また、本実施形態のドライバー支援装置10において、ドライバー支援部60は、認知機能特性分析部44が算出した認知機能特性と、閾値との比較に基づいて、車両30が有する複数の機能の中から、運転者の認知機能の更なる低下を抑制するための情報提供を支援する情報提供機能を有効にするか、低下した認知機能特性に関連付いた運転動作を支援する運転支援機能を有効にするか、を決定する支援内容決定部48を更に備えて、支援内容決定部48は、認知機能低下要因推定部46におけるスキル要因の推定結果に応じて抽出された苦手な道路状態が走行ルート上にある場合に、運転者の支援を行う。したがって、運転者の苦手な道路を走行する場合に、運転のサポートを行うことができる。
また、本実施形態のドライバー支援装置10において、認知機能特性出力部47(出力部)は、認知機能低下要因推定部46の推定結果に応じた情報を、ドライバー支援装置10とネットワークで接続された機器に出力する。したがって、運転者の認知機能特性の推定結果の変動を、車外の携帯端末でモニタすることができる。これによって、運転者は、自身の健康管理に役立てることができる。また、運転者の認知機能特性の推定結果を病院に送信することによって、医者が運転者の生活管理を指導する際の一助とすることができる。
また、本実施形態のドライバー支援装置10において、認知機能低下要因推定部46は、過去1か月(第1の所定期間)に亘る評価スコアE(数値)の第1の平均値に基づいて、加齢要因90に係る認知機能の変動を推定して、第1の所定期間よりも短い過去1時間(第2の所定期間)に亘る評価スコアEの第2の平均値に基づいて、体調要因91に係る認知機能の変動を推定して、第2の所定期間よりも短い過去1分間(第3の所定期間)に亘る評価スコアEの第3の平均値に基づいて、スキル要因92に係る認知機能の変動を推定する。したがって、認知機能が変動した主要因を、簡単な計算処理で推定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、本開示は、以下のような構成をとってもよい。
(1)
運転者による車両の運転行動と、当該運転者の運転中の生体情報と、前記車両の挙動のうち少なくとも1つを検知する運転状態検知部と、
前記運転状態検知部が検知した情報に基づいて、前記運転者の認知機能が高いか低いかを示す数値を算出する認知機能スコア算出部と、
前記認知機能スコア算出部が算出した前記数値を、1以上の異なる脳機能に関連する認知機能特性として分析する認知機能特性分析部と、
前記認知機能スコア算出部が算出した同一の運転者に対する前記数値と前記認知機能特性分析部の分析結果とを時系列で記憶する認知機能記憶部と、
前記認知機能記憶部の記憶内容に基づいて、前記運転者の認知機能の低下を引き起こす複数の変動要因の影響度を算出し、主要因となるものを推定する認知機能低下要因推定部と、
前記認知機能低下要因推定部による推定結果、または当該推定結果に応じた情報をもとに前記運転者を支援するドライバー支援部と、
を備えるドライバー支援装置。
(2)
前記認知機能低下要因推定部は、前記認知機能記憶部の現在に対応する記憶内容と、所定の過去の時点に対応する記憶内容とを比較することによって、認知機能の変動要因を推定する、
前記(1)に記載のドライバー支援装置。
(3)
前記変動要因は、前記運転者の加齢要因と、体調要因と、スキル要因との少なくとも1つを含む、
前記(1)または(2)に記載のドライバー支援装置。
(4)
前記ドライバー支援部は、前記認知機能低下要因推定部の推定結果に応じた情報を、前記主要因に係る過去の数値と、前記主要因に係る現在の数値とに応じた形態で出力する出力部を更に備える、
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のドライバー支援装置。
(5)
前記出力部は、前記加齢要因が前記主要因である場合に、前記運転者に対して、加齢による認知機能低下があることを示す情報、または加齢による認知機能低下の回復訓練に係る情報を出力する、
前記(4)に記載のドライバー支援装置。
(6)
前記出力部は、前記体調要因が前記主要因である場合に、前記運転者に対して、体調不良であることを自覚させて注意を促す情報、または休憩を促す情報を出力する、
前記(4)または(5)に記載のドライバー支援装置。
(7)
前記出力部は、前記スキル要因が前記主要因である場合に、前記運転者に対して、苦手な道路状態であることを示す情報の出力、または苦手な道路を避けたルート変更の提案を行う、
前記(4)乃至(6)のいずれかに記載のドライバー支援装置。
(8)
前記ドライバー支援部は、
前記認知機能特性分析部が算出した認知機能特性と、閾値との比較に基づいて、前記車両が有する複数の機能の中から、前記運転者の認知機能の更なる低下を抑制するための情報提供を支援する情報提供機能を有効にするか、低下した前記認知機能特性に関連付いた運転動作を支援する運転支援機能を有効にするか、を決定する支援内容決定部を更に備えて、
前記出力部は、前記支援内容決定部が決定した支援機能が有効になったタイミングで、前記認知機能低下要因推定部による推定結果、または当該推定結果に応じた情報を出力する、
前記(4)乃至(7)のいずれかに記載のドライバー支援装置。
(9)
前記ドライバー支援部は、
前記認知機能特性分析部が算出した認知機能特性と、閾値との比較に基づいて、前記車両が有する複数の機能の中から、前記運転者の認知機能の更なる低下を抑制するための情報提供を支援する情報提供機能を有効にするか、低下した前記認知機能特性に関連付いた運転動作を支援する運転支援機能を有効にするか、を決定する支援内容決定部を更に備えて、
前記支援内容決定部は、前記認知機能低下要因推定部におけるスキル要因の推定結果に応じて抽出された苦手な道路状態が走行ルート上にある場合に、前記運転者の支援を行う、
前記(7)または(8)に記載のドライバー支援装置。
(10)
前記出力部は、前記認知機能低下要因推定部の推定結果に応じた情報を、前記ドライバー支援装置とネットワークで接続された機器に出力する、
前記(4)乃至(9)のいずれかに記載のドライバー支援装置。
(11)
前記認知機能低下要因推定部は、第1の所定期間に亘る前記数値の第1の平均値に基づいて、前記加齢要因に係る認知機能の変動を推定して、
前記第1の所定期間よりも短い第2の所定期間に亘る前記数値の第2の平均値に基づいて、前記体調要因に係る認知機能の変動を推定して、
前記第2の所定期間よりも短い第3の所定期間に亘る前記数値の第3の平均値に基づいて、前記スキル要因に係る認知機能の変動を推定する、
前記(3)乃至(10)のいずれかに記載のドライバー支援装置。
(12)
運転者による車両の運転行動と、当該運転者の運転中の生体情報と、前記車両の挙動のうち少なくとも1つを検知する運転状態検知部と、
前記運転状態検知部が検知した情報に基づいて、前記運転者の認知機能が高いか低いかを示す数値を算出する認知機能スコア算出部と、
前記認知機能スコア算出部が算出した前記数値を、1以上の異なる脳機能に関連する認知機能特性として分析する認知機能特性分析部と、
前記認知機能スコア算出部が算出した同一の運転者に対する前記数値と前記認知機能特性分析部の分析結果とを時系列で記憶する認知機能記憶部と、
前記認知機能記憶部の記憶内容に基づいて、前記運転者の認知機能の低下を引き起こす複数の変動要因の影響度を算出し、主要因となるものを推定する認知機能低下要因推定部と、
前記認知機能低下要因推定部による推定結果、または当該推定結果に応じた情報をもとに前記運転者を支援するドライバー支援部と、
を備えるドライバー支援システム。
(13)
運転者による車両の運転行動と、当該運転者の運転中の生体情報と、前記車両の挙動のうち少なくとも1つを検知する運転状態検知プロセスと、
前記運転状態検知プロセスが検知した情報に基づいて、前記運転者の認知機能が高いか低いかを示す数値を算出する認知機能スコア算出プロセスと、
前記認知機能算出プロセスが算出した前記数値を、1以上の異なる脳機能に関連する認知機能特性として分析する認知機能特性分析プロセスと、
前記認知機能スコア算出プロセスが算出した同一の運転者に対する前記数値と前記認知機能特性分析プロセスの分析結果とを時系列で記憶する認知機能記憶プロセスと、
前記認知機能記憶プロセスの記憶内容に基づいて、前記運転者の認知機能の低下を引き起こす複数の変動要因の影響度を算出し、主要因となるものを推定する認知機能低下要因推定プロセスと、
前記認知機能低下要因推定プロセスによる推定結果、または当該推定結果に応じた情報をもとに前記運転者を支援するドライバー支援プロセスと、
を備えるドライバー支援方法。
10 ドライバー支援装置
30 車両
40 走行環境検出部
41 運転者特定部
42 運転状態検知部
43 認知機能スコア算出部
44 認知機能特性分析部
45 認知機能記憶部
46 認知機能低下要因推定部
47 認知機能特性出力部(出力部)
48 支援内容決定部
49 支援内容表示部
50 支援情報提示部
51 運転支援制御部
60 ドライバー支援部
80 記憶力
81 遂行力
82 注意力
83 情報処理力
84 視空間認知力
90 加齢要因
91 体調要因
92 スキル要因
E,Ea,Eb,Ec,Ed,Ee 評価スコア(数値)
Th1 第1の閾値(閾値)
Th2 第2の閾値(閾値)
Tha,Thb,Thc 閾値

Claims (13)

  1. 運転者による車両の運転行動と、当該運転者の運転中の生体情報と、前記車両の挙動のうち少なくとも1つを検知する運転状態検知部と、
    前記運転状態検知部が検知した情報に基づいて、前記運転者の認知機能が高いか低いかを示す数値を算出する認知機能スコア算出部と、
    前記認知機能スコア算出部が算出した前記数値を、1以上の異なる脳機能に関連する認知機能特性として分析する認知機能特性分析部と、
    前記認知機能スコア算出部が算出した同一の運転者に対する前記数値と前記認知機能特性分析部の分析結果とを時系列で記憶する認知機能記憶部と、
    前記認知機能記憶部の記憶内容に基づいて、前記運転者の認知機能の低下を引き起こす複数の変動要因の影響度を算出し、主要因となるものを推定する認知機能低下要因推定部と、
    前記認知機能低下要因推定部による推定結果、または当該推定結果に応じた情報をもとに前記運転者を支援するドライバー支援部と、
    を備えるドライバー支援装置。
  2. 前記認知機能低下要因推定部は、前記認知機能記憶部の現在に対応する記憶内容と、所定の過去の時点に対応する記憶内容とを比較することによって、認知機能の変動要因を推定する、
    請求項1に記載のドライバー支援装置。
  3. 前記変動要因は、前記運転者の加齢要因と、体調要因と、スキル要因との少なくとも1つを含む、
    請求項1に記載のドライバー支援装置。
  4. 前記ドライバー支援部は、前記認知機能低下要因推定部の推定結果に応じた情報を、前記主要因に係る過去の数値と、前記主要因に係る現在の数値とに応じた形態で出力する出力部を更に備える、
    請求項3に記載のドライバー支援装置。
  5. 前記出力部は、前記加齢要因が前記主要因である場合に、前記運転者に対して、加齢による認知機能低下があることを示す情報、または加齢による認知機能低下の回復訓練に係る情報を出力する、
    請求項4に記載のドライバー支援装置。
  6. 前記出力部は、前記体調要因が前記主要因である場合に、前記運転者に対して、体調不良であることを自覚させて注意を促す情報、または休憩を促す情報を出力する、
    請求項4に記載のドライバー支援装置。
  7. 前記出力部は、前記スキル要因が前記主要因である場合に、前記運転者に対して、苦手な道路状態であることを示す情報の出力、または苦手な道路を避けたルート変更の提案を行う、
    請求項4に記載のドライバー支援装置。
  8. 前記ドライバー支援部は、
    前記認知機能特性分析部が算出した認知機能特性と、閾値との比較に基づいて、前記車両が有する複数の機能の中から、前記運転者の認知機能の更なる低下を抑制するための情報提供を支援する情報提供機能を有効にするか、低下した前記認知機能特性に関連付いた運転動作を支援する運転支援機能を有効にするか、を決定する支援内容決定部を更に備えて、
    前記出力部は、前記支援内容決定部が決定した支援機能が有効になったタイミングで、前記認知機能低下要因推定部による推定結果、または当該推定結果に応じた情報を出力する、
    請求項4に記載のドライバー支援装置。
  9. 前記ドライバー支援部は、
    前記認知機能特性分析部が算出した認知機能特性と、閾値との比較に基づいて、前記車両が有する複数の機能の中から、前記運転者の認知機能の更なる低下を抑制するための情報提供を支援する情報提供機能を有効にするか、低下した前記認知機能特性に関連付いた運転動作を支援する運転支援機能を有効にするか、を決定する支援内容決定部を更に備えて、
    前記支援内容決定部は、前記認知機能低下要因推定部におけるスキル要因の推定結果に応じて抽出された苦手な道路状態が走行ルート上にある場合に、前記運転者の支援を行う、
    請求項7に記載のドライバー支援装置。
  10. 前記出力部は、前記認知機能低下要因推定部の推定結果に応じた情報を、前記ドライバー支援装置とネットワークで接続された機器に出力する、
    請求項4に記載のドライバー支援装置。
  11. 前記認知機能低下要因推定部は、第1の所定期間に亘る前記数値の第1の平均値に基づいて、前記加齢要因に係る認知機能の変動を推定して、
    前記第1の所定期間よりも短い第2の所定期間に亘る前記数値の第2の平均値に基づいて、前記体調要因に係る認知機能の変動を推定して、
    前記第2の所定期間よりも短い第3の所定期間に亘る前記数値の第3の平均値に基づいて、前記スキル要因に係る認知機能の変動を推定する、
    請求項3に記載のドライバー支援装置。
  12. 運転者による車両の運転行動と、当該運転者の運転中の生体情報と、前記車両の挙動のうち少なくとも1つを検知する運転状態検知部と、
    前記運転状態検知部が検知した情報に基づいて、前記運転者の認知機能が高いか低いかを示す数値を算出する認知機能スコア算出部と、
    前記認知機能スコア算出部が算出した前記数値を、1以上の異なる脳機能に関連する認知機能特性として分析する認知機能特性分析部と、
    前記認知機能スコア算出部が算出した同一の運転者に対する前記数値と前記認知機能特性分析部の分析結果とを時系列で記憶する認知機能記憶部と、
    前記認知機能記憶部の記憶内容に基づいて、前記運転者の認知機能の低下を引き起こす複数の変動要因の影響度を算出し、主要因となるものを推定する認知機能低下要因推定部と、
    前記認知機能低下要因推定部による推定結果、または当該推定結果に応じた情報をもとに前記運転者を支援するドライバー支援部と、
    を備えるドライバー支援システム。
  13. 運転者による車両の運転行動と、当該運転者の運転中の生体情報と、前記車両の挙動のうち少なくとも1つを検知する運転状態検知プロセスと、
    前記運転状態検知プロセスが検知した情報に基づいて、前記運転者の認知機能が高いか低いかを示す数値を算出する認知機能スコア算出プロセスと、
    前記認知機能スコア算出プロセスが算出した前記数値を、1以上の異なる脳機能に関連する認知機能特性として分析する認知機能特性分析プロセスと、
    前記認知機能スコア算出プロセスが算出した同一の運転者に対する前記数値と前記認知機能特性分析プロセスの分析結果とを時系列で記憶する認知機能記憶プロセスと、
    前記認知機能記憶プロセスの記憶内容に基づいて、前記運転者の認知機能の低下を引き起こす複数の変動要因の影響度を算出し、主要因となるものを推定する認知機能低下要因推定プロセスと、
    前記認知機能低下要因推定プロセスによる推定結果、または当該推定結果に応じた情報をもとに前記運転者を支援するドライバー支援プロセスと、
    を備えるドライバー支援方法。
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