JP5136871B2 - 運転支援装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、現在の走行速度(車速)で走行前方にあるカーブに進入したときに、そのカーブを安全に通過できない状態を判定すると、車両の運転者に警告を発する技術について提案されている。
また、特許文献2では、車両の走行前方にあるカーブに対し安全に通過できない状態を判定すると、車両の運転者に警告を発する車両用カーブ走行警告装置において、運転者に不快感を与えないような警告とするために、車両が減速状態にあるとき警告の発生を緩和させ、また警告音の発生中に車両が安全な走行状態に移行したとき直ちに警告音の発生を停止させ、さらに警告レベルが前回の警告レベルと同じであるとき同一内容の警告の発生を行わないようにする、という技術が提案されている。
このため、運転者にとって、カーブに対する不要な警告を行ってしまう可能性がある。また、運転者にとって、そのときに必要な車両制御であるかどうかあいまいであった。
であるにもかかわらず、不要な運転支援を行う可能性がある。
このような運転者に対する運転支援の不都合は、カーブ以外にも、例えば、高架頂上、明るさに関する悪条件地点、高速道路の下り坂、高速道路の分岐・合流地点等の各種の特定状況(特定地点)に対しても該当する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記運転支援手段は、前記苦手地点の手前で、前方に苦手地点が存在することを警告する、ことを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記運転支援手段は、警告、運転操作の補助、車両制御のうちの少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の運転支援装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記運転操作の補助、又は車両制御は、判定された苦手地点の走行中に行う、ことを特徴とする請求項3に記載の運転支援装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、苦手地点の走行中における車両操作情報を取得する車両操作情報取得手段、を更に備え、前記第1及び第2の苦手地点判定手段は、前記車両操作情報取得手段で取得した車両操作情報を含めて判定し、前記苦手地点記憶手段は、前記苦手地点の判定に使用された車両操作情報を苦手地点に関する情報に含めて記憶する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の運転支援装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、車両前方の視界度を判定する視界度判定手段を備え、前記第1及び第2の苦手地点判定手段は、前記視界度判定手段で判定した視界度を含めて判定し、前記苦手地点記憶手段は、前記苦手地点の判定の際に使用された視界度を苦手地点に関する情報に含めて記憶する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の運転支援装置を提供する。
(1)実施形態の概要
ある特定のカーブを走行する場合に感ずる緊張感や苦手意識は各運転者毎に異なり、また特定の運転者にとっても、カーブ毎に異なるものである。
そこで、運転者がカーブを走行する毎に、緊張度が高くかつ運転操作が不安定であったカーブをその運転者の苦手カーブとして判定し、そのカーブを走行した際の緊張度(生体情報)、走行したカーブの道路構造、環境情報(カーブ情報、視界情報)、走行状態・運転操作状況を苦手カーブデータとして記憶しておく。
そして、カーブに近づいた場合、記憶済みの苦手カーブと同様なカーブか否かを判断する。例えば、過去の緊張度や速度などの(記憶済みの)条件よりも現在の状況が同等以上である場合には、その条件に合わせて、カーブに進入する手前で事前に告知や警告をすることで進入速度を低下させるなどの判断を促す。また過去の条件よりも低い場合は告知や警告を行わないことで煩わしくない運転者支援を行う。
さらに、過去の緊張度や速度などの条件よりも現在の状況が同等以上の場合で、告知や警告を無視してカーブに進入した場合には、過去の不安定な運転操作(急ハンドル、急ブレーキなど)を安定化させるように補助する(ハンドル操舵負荷を加える、自動減速など)ように運転操作支援や制御を行う。
図1は、本実施形態における運転支援装置の構成を表したものである。
この図1に示すように、運転支援装置は、各種プログラムやデータに従って運転支援装置全体を制御するECU(電子制御装置)10を備えており、ECU10には現在位置検出装置11、生体情報取得装置12、環境情報取得装置13、車両情報取得装置14、画像入力装置15、データ記憶部16、プログラム記憶部17、入力装置18、音声出力装置19、表示装置20、車両制御装置21、通信装置22が接続されている。
なお、現在位置検出装置11は、GPS受信装置による現在位置検出を補足する装置として、地磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ、ジャイロセンサ、車速センサ等を備えるようにしてもよい。ジャイロセンサと車速センサについては、後述する車両情報取得装置14の車速センサ144、ジャイロセンサ145と兼用するようにしても、別個備えるようにしてもよい。
車両が走行を開始すると、所定時間間隔で心拍数と発汗量を検出してECU10に供給するようになっている。
車間距離・相対速度測定装置131は、車両前方、後方に配置されたミリ波レーダやレーザレーダ等で構成され、前方車両との車間距離や相対速度、後方車両との車間距離や相対速度が検出されるとともに、対向車の有無が判断される。
画像処理装置132は、後述する画像入力装置15で撮像された車外画像の画像処理を行い、前方の視界(雨、雪、霧等の天候、及び、車両前方に存在するカーブの見通しの良さ(視界を遮る障害物))の検出を行うようになっている。
また、環境情報取得装置13は、天候を判断するためのセンサとして、画像処理装置132の画像処理による場合に加えて(又は代えて)、ワイパーの稼働状態を検出するワイパーセンサ、車幅灯のオン状態を検出する車幅灯センサ、ヘッドランプのオン状態を検出するヘッドランプセンサを備えている。
ハンドルセンサ141は、ハンドルの操舵角、ハンドル操作量、ハンドル操作トルク、ハンドル操作状況を検出する。
ブレーキセンサ142は、ブレーキを踏み込む速度、ブレーキの踏力、ブレーキ操作状況を検出する。
アクセルセンサ143は、アクセルを踏み込む速度、アクセルの踏力等を検出する。
ジャイロセンサ145は、車両の加速度を検出する。
画像入力装置15で撮像した車外画像は、画像処理装置132に供給されて、視界度判定に使用される。
記録媒体には、記録内容に応じて異なる媒体を使用するようにしてもよい。
道路情報は、現在位置検出装置11で検出された車両の現在位置と道路情報とのマップマッチングにより現在走行中の道路及び該道路上の位置を検出するのに使用される。
カーブ情報は、各道路情報に対応する道路中に存在するカーブの情報で、各カーブの曲率、勾配、カント、道路周辺物が格納されている。
生体情報記憶メモリ163には、生体情報として、心拍センサ121、発汗センサ122の検出値から判断される緊張度(Level)が保存される。
視界情報記憶メモリ165には、車間距離・相対速度測定装置131、画像処理装置132における検出データ、取得データから判定される視界度(Level)が保存される。
車両情報処理プログラム174は、ハンドルセンサ141、ブレーキセンサ142、アクセルセンサ143、車速センサ144、ジャイロセンサ145の検出値を車両情報として取得し、RAMの所定領域に格納するプログラムである。
警告・車両制御判定プログラム176は、苦手カーブについて警告及び車両制御を行うプログラムである。
この音声出力装置19は、オーディオ用のスピーカと兼用するようにしてもよい。
なお、表示装置20は、ナビゲーション機能に基づいて車両周辺や経路探索された走行経路周辺の地図や、探索経路、周辺施設案内画面などが表示される場合には、当該表示画面上に苦手カーブに対する警告を表示するようにしてもよい。
また、車両制御装置21は、ハンドルを回転する方向(カーブの方向)に力をくわえることで該当するカーブの方向に沿って車両を移動(旋回)させる等の車両制御を行う装置である。
図3は、苦手カーブ記憶処理の動作を表したフローチャートである。
この苦手カーブ記憶処理は、車両の走行開始により実行され走行中実行が継続されるが、イグニッションオンにより実行され、イグニッションオフにより終了するようにしてもよい。
ついで、ECU10は、取得した自車位置と進行方向とから、車両の前方にカーブが存在するか否かについて、地図DB161の道路データから判断する(ステップ2)。
一方、車両前方にカーブを検出すると(ステップ2;Y)、ECU10は、該当するカーブ情報(カーブ曲率、カーブカント、勾配)を地図DB161から取得し、RAMの所定エリアに保存する(ステップ3)。
図4、5は、視界度の決定方法について概念的に表したものである。
ECU10は、カーブ情報(カーブ曲率、勾配、カーブカント)と道路周辺建物や、現在の時刻、天候などから、道路の見え方を予測し、初期視界度のレベルを設定する。
すなわち、ECU10は、カーブ情報と道路周辺建物から、図4(a)〜(c)に示すようにカーブ形状を予測し、そのレベル(形状レベル)を1〜3、…と決定する。
カーブ形状による形状レベル1、2、3、…の決定は、各形状レベルに対応してカーブ曲率、勾配、カーブカントの範囲が、予めデータ記憶部16に格納され、または視界情報処理プログラム175中に規定されている。
例えば、決定したカーブ形状が図4(a)に示す形状レベルが1である場合に、車外の環境が夕方で(暗い場合)、雨であれば、図4(d)に示すように、レベルを1だけアップし、初期視界度のレベルを2とする。
時刻と天候に対するレベルアップ値(0、+1、+2、…)との関係は、データ記憶部16に格納され、又は視界情報処理プログラム175中に規定されている。
具体的に、形状レベル1で、天候等により初期視界度レベル2である場合(図4(d)の場合)を例に、視界度レベルの決定について説明する。
すなわち、ECU10は、カーブ情報から予測した形状レベル1の道路形状(図4(a))を基準として、ステレオカメラの画像によるカーブの内側がどの程度見えなくなっているかを判断する。
図5(c)に示されるように、形状レベル1の視界範囲と比較して、カーブ内側の約3割が遮蔽されて見えない場合には、レベルアップ量1(+1)、すなわち、初期視界度レベル2に1を加えたレベル3が最終的なレベルとなる。
例えば、図5(a)に示した例の場合、建造物や崖、道路形状によってカーブ内側の5割が遮蔽されることでレベル4(図5(d))となるが、図5(e)に示されるように、更に、前方を走行するトラック等によって更にカーブ内側の視界範囲(図中Zで表す領域)が狭められている場合には、1レベルアップして最終的にはレベル5となる。
運転者の緊張度は、例えば、心拍数99以下の場合に緊張度は正常、心拍数100以上が緊張度が高いと規定されている。具体的には、心拍数99までがレベル0、100〜109がレベル1、110〜119がレベル2、…と規定されている。
発汗量も同様に、発汗量に応じたレベルが決められており、心拍によるレベルと発汗量によるレベルの高い方が緊張度のレベルとなる。
なお、苦手カーブはカーブに対する運転操作の苦手度なので、視界情報は別要因と考えられるため、苦手カーブか否かの判定には視界情報は考慮されない。
この図6に示されるように、苦手カーブの判定条件として、緊張度が高いこと(レベル1以上)、ハンドル操作量が所定基準値よりも大きいこと、ハンドル操作状況が所定基準値よりも急又は左右であること、アクセル踏力が所定基準値よりも強いこと、ブレーキ踏力が所定基準値よりも強いこと、ブレーキ操作状況が所定基準値よりも急であること、カーブ曲率が所定基準値よりも急であること、カーブカントが所定基準値よりも大きいこと、及び勾配が所定基準値よりも大きいことが条件となる。
ここで、各判定項目に対する基準値は、各項目毎に予め決められており、データ記憶部又は苦手カーブ記憶プログラム中に規定されている値が使用される。
例えば、緊張度がレベル3以上(心拍の場合には120以上)である場合には苦手カーブと判定される。
また、緊張度がレベル2(心拍で110〜119)である場合には、その他の判定項目が1つ以上条件を満たしている場合に、苦手カーブと判定される。
さらに、緊張度がレベル1(心拍で100〜109)の場合には、その他の判定項目が2つ以上条件を満たしている場合に、苦手カーブと判定される。
具体的には、緊張度が低い場合には、R−R間隔が増加し、R−R間隔のばらつきが増加し、HF/LFが大きくなる。
逆に緊張度が高い場合には、R−R間隔が減少し、R−R間隔のばらつきが減少し、HF/LFが小さくなる。
なお、HFとLFの範囲としては、例えば、HF=0.15〜0.45HZ、LF=0.04〜0.15HZとされる。
カーブ走行が終了していなければ(ステップ8;N)、ECU10は、ステップ4に戻って、車両情報、視界情報、及び生体情報の検出を継続する。なお、ステップ3にもどらないのは、カーブ情報については、走行によって変化しないためである。
カーブ走行が終了した場合には(ステップ8;Y)、当該カーブは、運転者にとって運転操作に対する苦手なカーブには該当しないので、処理をリターンする。
この運転支援処理は、車両の走行開始により実行され走行中実行が継続されるが、イグニッションオンにより実行され、イグニッションオフにより終了するようにしてもよい。
また、運転支援処理は、苦手カーブ判定処理(図3)と並行して実行される。
ついで、ECU10は、取得した自車位置と進行方向とから、車両の前方にカーブが存在するか否かについて、地図DB161の道路データから判断する(ステップ12)。
一方、車両前方にカーブを検出すると(ステップ12;Y)、ECU10は、該当するカーブ情報(カーブ曲率、カーブカント、勾配)を地図DB161から取得し、RAMの所定エリアに保存する(ステップ13)。
すなわち、ECU10は、前方に存在するカーブのカーブ曲率、カーブカント、及び勾配のそれぞれが、苦手カーブの記憶値よりも大きいか否かを判断し、いずれか1つでも大きい場合には苦手カーブと同じと判断する。
すなわち、ECU10は、車両前方に存在するカーブに対する車外環境を考慮した視界レベルが、苦手カーブとして視界情報記憶メモリ165に格納されている視界レベルと比較し、普通(同レベル)、悪い(レベルが高い)、良い(レベルが低い)のいずれか判断する。
このように、前方に存在するカーブの視界が悪いと前方カーブに対する視界度のレベルが上がり、苦手カーブの視界レベルより高くなれば、警告のための閾値が低下し、結果として警告がされやすくなる。
図8は、警告をするか否かについての判定項目とその条件について表したものである。
ECU10は、図8に例示されるように、生体情報記憶メモリ163に記憶されている緊張度のレベル、車両速度が車両情報記憶メモリ144に記憶されている車速、視界情報記憶メモリ165に記憶されている視界度のレベル(ステップ17〜19で変更した値)の3項目よりも、現状の3項目の値の方が大きいか否かを判断する(ステップ21)。
但し、1項目だけでも現状値が大きければ警告を行うと判断するようにし、また、いずれか2項目以上現状値が大きい場合に警告を行うと判断するようにしてもよい。
警告を行うと判断した場合(ステップ21;Y)、ECU10は、前方に存在するカーブが運転者にとって運転操作上の苦手なカーブであることを音声出力装置19及び表示装置20から音声及び画像により警告する(ステップ22)。
警告は、例えば「進行方向に苦手なカーブが存在します。注意しながら通過してください。」等の警告音声とテキスト表示により行われる。苦手カーブまでの距離を警告において伝えるようにしてもよい。
なお、この苦手カーブに対する警告はカーブに車両が進入する前に行われる。
これにより、運転者にとっての不要な警告が防止される。
なお、前方に存在するカーブのカーブ情報は走行によって変化しないので、ステップ14に戻るようにしてもよい。
さらに、ECU10は、ステップ17と同様に現時点での視界度を判定(ステップ25)し、視界が悪い場合にはステップ18と同様に閾値(この場合には運転支援閾値)を低下させ(ステップ26)、視界が良い場合にはステップ19と同様に運転支援閾値を増加する(ステップ27)。
また、ECU10は、現時点における車両情報を、ステップ15と同様に検出する(ステップ29)。
図9は、運転支援の必要性と支援内容についての判定項目とその条件について表したものである。
この図に示すように、運転支援の判定項目として、生体情報について緊張度が規定され、車両情報について横滑り検知、車両速度、ハンドル操作トルク、ハンドル操作状況、アクセル踏力、ブレーキ操作状況が規定され、視界情報について視界度が規定されている。
また、各判定項目について、運転支援をしない場合の判断条件、危険度が小であるとの判断条件、危険度が中であるとの判断条件、危険度が大であるとの判断条件について規定されている。
なお、見通しのよい直線道路を走行中の心拍数を複数回(S回)測定し、その平均値+s(例えば10)までの範囲を「平常運転時」の値としてもよい。例えば、心拍数の平均値が60であれば、心拍数70までが平常運転時となる。測定する直線道路は異なる道路とし、直線道路の判定は道路データとのマップマッチングによる。
ハンドル操作トルク、ハンドル操作状況、アクセル踏力、ブレーキ操作状況について、適正か否かについては、各項目毎の適正値が予め規定されている。
その他、記憶データは、苦手カーブ記憶データとしてカーブ情報記憶メモリ162、生体情報記憶メモリ163、車両情報記憶メモリ164、視界情報記憶メモリ165に保存されているデータを意味する。
そして、「同様」の範囲は記憶値をTとしたとき、T−t%≦「同様」<Tが該当する。t%=t×T/100で、例えば、5%が採用されする。
また、「同じか高い」の範囲は、T≦「同じか高い」である。
本実施形態では、全8項目のうち7項目まで支援無し条件を満たしている場合には運転支援を行わない。
一方、危険度小、中、大については、全8項目までのうち、2項目以上満たしている場合に、大きい方の危険度が決定される。
但し、危険度小の判断に関し、横滑り検知無しの場合判断対象から除かれ(満たしたことにならず)、横滑り検知小の場合には満たしたことになる。例えば、車両速度が記憶データと同様で、横滑り検知無しの場合には、危険度小とは判定されず、車両速度が記憶データと同様で横滑り検知小の場合には危険度小と判定される。
例えば、生体情報、車両情報、視界情報全てが満たされている危険度を決定するようにしてもよい。この場合、車両情報については、6項目のうちの2項目を満たす場合に車両情報が満たされているものとする。
また、生体情報1つと、他の7項目のうちのいずれか1つ(2つ以上とすることも可)を満たしている危険度を決定するようにしてもよい。
一方、危険度小と判断した場合、ECU10は、警告を行う(ステップ31)。
この場合の警告は、ステップ22におけるカーブ進入前の警告と同様に、音声出力装置19及び表示装置20から音声及び画像(テキスト)で警告する。但し、この場合の警告は苦手カーブ内での警告なので、カーブ進入前に注意を喚起する警告(ステップ22)と警告の内容が異なる。
例えば、「苦手カーブの走行中です。前方と運転操作に充分注意して走行ください。」との警告を音声及び画像(テキスト表示)により行う。
例えば、判定項目の条件を満たしているのが視界度と緊張度である場合には「前方に充分注意して落ち着いて走行してください。」と警告し、緊張度と車両速度である場合には「落ち着いて、速度を抑えながら走行してください。」と警告する。
このように条件を満たした判定項目に対応した警告を行うことで、運転者自信が気づいていない苦手意識箇所が指摘され、その点に集中しながら苦手カーブを通過することができる。
例えば、運転補助として、カーブで曲がる方向と反対側へのハンドルの操作をしにくく(ハンドルを重く)する等の運転操作補助をする。
この運転補助においても、ECU10は、警告と同様に、条件を満たした判定項目に応じて運転操作補助をするようにしてもよい。例えば、車速の条件を満たした場合には、速度を落としたり、加速しにくくしたり、アクセルの抵抗を大きくしたりしてもよい。
すなわち、ECU10は、ハンドルを回転する方向(カーブの方向)に力をくわえることで該当するカーブの方向に沿って車両を移動(旋回)させる等の車両制御を行う。
この場合、移動方向とその程度は、車速やカーブ情報(曲率、カント、勾配)を考慮して決定する。
カーブが終了していなければ、ECU10は、ステップ24に戻り、運転支援の判定と運転支援についての処理を継続する。
一方、カーブが終了していればECU10は、処理をリターンする。
また、苦手カーブは、運転者にとって運転操作の苦手として現れるのに対応して、運転操作に対応した車両情報(速度、ハンドル操作、アクセル操作、ブレーキ操作)を苦手カーブか否かの判定に用いることで、その運転者にとっての苦手カーブをより正確に検出することができる。
より正確に苦手カーブを認識できることに加え、苦手カーブと認定された際の状況(検出値)よりも低い場合には警告や運転支援を行わないので、運転者にとって煩わしい警告等が少なくなる。
その結果、苦手カーブに進入した後において、警告や運転支援が不要になる場合もあり得る。
第2実施形態では、第1実施形態で説明したカーブに対する運転支援と同様に、運転者にとって苦手な高架頂上に対する運転支援を行うものである。
すなわち、運転者の個人特性として取得した生体情報に基づいて、高架頂上に対する運転支援を行う。
第2実施形態において、運転支援装置は、苦手カーブ記憶データ162に代えて、苦手高架頂上記憶データを備えている。
なお、第2実施形態の説明において添え字aを付した番号、例えば162aは、第1実施形態における同一の番号の構成に対応する(以下、他の実施形態を含めて同じ)。
生体情報記憶メモリ163aには、第1実施形態と同様に、生体情報として、心拍センサ121、発汗センサ122の検出値から判断される緊張度(Level)が保存される。
視界情報記憶メモリ165aには、車間距離・相対速度測定装置131、画像処理装置132における検出データ、取得データから判定される視界度(Level)が保存される。
図11は、苦手高架頂上記憶処理の動作を表したフローチャートである。
この苦手高架頂上記憶処理は、第1実施形態と同様に、車両の走行開始により実行され走行中実行が継続されるが、イグニッションオンにより実行され、イグニッションオフにより終了するようにしてもよい。後述する第3実施形態の苦手明暗条件記憶処理、及び第4実施形態の苦手高速道路区間処理も同様である。
なお、第2実施形態、第4実施形態の各処理動作説明では、第1実施形態と同様な動作に対しては同一のステップ番号と各実施形態を表す添え字a〜cを付して表示することとし、各動作の同一部分については一部省略して説明する。
また、ECU10は、車両情報として、車両速度、車両加速度、ブレーキ踏力、及びブレーキ操作状況を検出してRAMの所定エリアに保存する(ステップ4a)。
図12、図13は、第2実施形態における視界度の決定方法について概念的に表したものである。
ECU10は、高架頂上情報(上り勾配率、下り高倍率、頂上高さ)と道路周辺物や、現在の時刻、天候などから、道路の見え方を予測し、初期視界度のレベルを設定する。
すなわち、ECU10は、高架頂上情報と道路周辺建物から、図12(a)〜(c)…に示すように高架頂上形状を予測し、そのレベル(形状レベル)を1〜3、…と決定する。
高架頂上形状による形状レベル1、2、3、…の決定は、各形状レベルに対応して上り勾配率、下り高倍率、頂上高さの範囲が、予めデータ記憶部16に格納され、または視界情報処理プログラム175中に規定されている。
例えば、決定した高架頂上形状が図12(a)に示す形状レベルが1である場合に、車外の環境が夕方で(暗い場合)、雨であれば、図12(d)に示すように、レベルを1だけアップし、初期視界度のレベルを2とする。
時刻と天候に対するレベルアップ値(0、+1、+2、…)との関係は、データ記憶部16に格納され、又は視界情報処理プログラム175中に規定されている。
具体的に、形状レベル1で、天候等により初期視界度レベル2である場合(図12(d)の場合)を例に、視界度レベルの決定について説明する。
すなわち、ECU10は、高架頂上情報から予測した形状レベル1の道路形状(図12(a))を基準として、ステレオカメラの画像により前方車両を確認できる程度から最終的な視界度レベルを判断する。
そして、図13(c)に示されるように、形状レベル1の視界範囲と比較して、車両前方の一部を確認できる場合には、レベルダウン量1(−1)、即ち初期視界度レベル2に−1を加えたレベル1が最終的な視界度レベルとなる。
また、第2実施形態においても第1実施形態と同様に、車両を除き、樹木や看板等の、高架頂上までの視界を遮蔽物が存在する場合には、遮蔽する割合に応じて視界度レベルをアップするようにしてもよい。
なお、苦手高架頂上は高架頂上に対する運転操作の苦手度なので、視界情報は別要因と考えられるため、苦手高架頂上か否かの判定には視界情報は考慮されない。
この図14に示されるように、苦手高架頂上の判定条件として、緊張度が高いこと(レベル1以上)、ブレーキ踏力が所定基準値よりも強いこと、ブレーキ操作状況が所定基準値よりも急であること、上り勾配率が所定基準値よりも急であること、下り勾配率が所定基準値よりも急であること、頂上の高さが所定基準値(例えば、5m)以上であることが条件となる。
ここで、各判定項目に対する基準値は、各項目毎に予め決められており、データ記憶部又は苦手高架頂上記憶プログラム中に規定されている値が使用される。
なお、頂上の高さは、高架開始点から高架頂上までの高さである。
高架頂上走行が終了していなければ(ステップ8a;N)、ECU10は、ステップ4aに戻って、車両情報、視界情報、及び生体情報の検出を継続する。なお、ステップ3aにもどらないのは、高架頂上情報については、走行によって変化しないためである。
高架頂上走行が終了した場合には(ステップ8a;Y)、当該高架頂上は、運転者にとって運転操作に対する苦手な高架頂上には該当しないので、処理をリターンする。
この第2実施形態及び後述する第3、第4実施形態における運転支援処理は、車両の走行開始により実行され走行中実行が継続されるが、イグニッションオンにより実行され、イグニッションオフにより終了するようにしてもよい。また、運転支援処理は、各実施形態における苦手高架頂上判定処理(図11)等と並行して実行される。
なお、以上のステップ11a〜13aの処理を、苦手高架頂上記憶処理のステップ1〜3aと共通化するようにしてもよい。
すなわち、ECU10は、前方に存在する高架頂上の勾配率、頂上高さのそれぞれが、苦手高架頂上の記憶値よりも大きいか否かを判断し、いずれか1つでも大きい場合には苦手高架頂上と同じと判断する。
すなわち、ECU10は、車両前方に存在する高架頂上に対する車外環境を考慮した視界レベルが、苦手高架頂上として視界情報記憶メモリ165に格納されている視界レベルと比較し、普通(同レベル)、悪い(レベルが高い)、良い(レベルが低い)のいずれか判断する。
このように、前方に存在する高架頂上の視界が悪いと前方高架頂上に対する視界度のレベルが上がり、苦手高架頂上の視界レベルより高くなれば、警告のための閾値が低下し、結果として警告がされやすくなる。
図16は、警告をするか否かについての判定項目とその条件について表したものである。
ECU10は、図16に例示されるように、生体情報記憶メモリ163aに記憶されている緊張度のレベル、車両速度が車両情報記憶メモリ144aに記憶されている車速、視界情報記憶メモリ165aに記憶されている視界度のレベル(ステップ17a〜19aで変更した値)の3項目よりも、現状の3項目の値の方が大きいか否かを判断する(ステップ21a)。
但し、1項目だけでも現状値が大きければ警告を行うと判断するようにし、また、いずれか2項目以上現状値が大きい場合に警告を行うと判断するようにしてもよい。
警告を行うと判断した場合(ステップ21a;Y)、ECU10は、前方に存在する高架頂上が運転者にとって運転操作上の苦手な高架頂上であることを音声出力装置19及び表示装置20から音声及び画像により警告する(ステップ22a)。
警告は、例えば「進行方向に苦手な高架頂上が存在します。注意しながら通過してください。」等の警告音声とテキスト表示により行われる。苦手高架頂上までの距離を警告において伝えるようにしてもよい。
なお、この苦手高架頂上に対する警告は高架頂上に車両が進入する前に行われる。
これにより、運転者にとっての不要な警告が防止される。
なお、前方に存在する高架頂上の高架頂上情報は走行によって変化しないので、ステップ14aに戻るようにしてもよい。
さらに、ECU10は、ステップ17aと同様に現時点での視界度を判定(ステップ25a)し、視界が悪い場合にはステップ18aと同様に閾値(この場合には運転支援閾値)を低下させ(ステップ26a)、視界が良い場合にはステップ19aと同様に運転支援閾値を増加する(ステップ27a)。
図17は、運転支援の必要性と支援内容についての判定項目とその条件について表したものである。
この図に示すように、運転支援の判定項目として、生体情報について緊張度が規定され、車両情報について車両速度、アクセル踏力、ブレーキ操作状況が規定され、視界情報について視界度が規定されている。
また、各判定項目について、運転支援をしない場合の判断条件、危険度が小であるとの判断条件、危険度が中であるとの判断条件、危険度が大であるとの判断条件について、第1の実施形態と同様に規定されている。
本実施形態では、全5項目のうち4項目まで支援無し条件を満たしている場合には運転支援を行わない。
一方、危険度小、中、大については、全5項目までのうち、2項目以上満たしている場合に、大きい方の危険度が決定される。
例えば、生体情報、車両情報、視界情報全てが満たされている危険度を決定するようにしてもよい。この場合、車両情報については、5項目のうちの2項目を満たす場合に車両情報が満たされているものとする。
また、生体情報1つと、他の4項目のうちのいずれか1つ(2つ以上とすることも可)を満たしている危険度を決定するようにしてもよい。
一方、危険度小と判断した場合、ECU10は、警告を行う(ステップ31a)。
この場合の警告は、ステップ22aにおける高架頂上進入前の警告と同様に、音声出力装置19及び表示装置20から音声及び画像(テキスト)で警告する。但し、この場合の警告は苦手高架頂上内での警告なので、高架頂上進入前に注意を喚起する警告(ステップ22a)と警告の内容が異なる。
例えば、「苦手高架頂上の走行中です。前方と運転操作に充分注意して走行ください。」との警告を音声及び画像(テキスト表示)により行う。
例えば、判定項目の条件を満たしているのが視界度と緊張度である場合には「前方に充分注意して落ち着いて走行してください。」と警告し、緊張度と車両速度である場合には「落ち着いて、速度を抑えながら走行してください。」と警告する。
このように条件を満たした判定項目に対応した警告を行うことで、運転者自信が気づいていない苦手意識箇所が指摘され、その点に集中しながら苦手高架頂上を通過することができる。
例えば、運転補助として、高架頂上で曲がる方向と反対側へのハンドルの操作をしにくく(ハンドルを重く)する等の運転操作補助をする。
この運転補助においても、ECU10は、警告と同様に、条件を満たした判定項目に応じて運転操作補助をするようにしてもよい。例えば、車速の条件を満たした場合には、速度を落としたり、加速しにくくしたり、アクセルの抵抗を大きくしたりしてもよい。
すなわち、ECU10は、アクセル操作やブレーキの操作に対する車両制御を行う。
この場合の制御対象と制御程度は、車速や高架頂上情報を考慮して決定する。
一方、高架頂上が終了していればECU10は、処理をリターンする。
また、苦手高架頂上は、運転者にとって運転操作の苦手として現れるのに対応して、運転操作に対応した車両情報(速度、アクセル操作、ブレーキ操作)を苦手高架頂上か否かの判定に用いることで、その運転者にとっての苦手高架頂上をより正確に検出することができる。
より正確に苦手高架頂上を認識できることに加え、苦手高架頂上と認定された際の状況(検出値)よりも低い場合には警告や運転支援を行わないので、運転者にとって煩わしい警告等が少なくなる。
その結果、苦手高架頂上に進入した後において、警告や運転支援が不要になる場合もあり得る。
第3実施形態では、運転者にとって苦手な、逆光や明暗等の走行明暗条件に対する運転支援を行うものである。
すなわち、運転者の個人特性として取得した生体情報に基づいて、走行明暗条件に対する運転支援を行う。
第3実施形態において、運転支援装置は、苦手カーブ記憶データに代えて、苦手走行明暗条件記憶データを備えている。
生体情報記憶メモリ163bには、第1実施形態と同様に、緊張度(Level)が保存される。
車両情報記憶メモリ164bには、車両速度、車両加速度、ハンドル操作トルク、ハンドル操作状況、アクセル踏力、アクセル操作状況、ブレーキ踏力、ブレーキ操作状況が保存される。
図19は、苦手高架頂上記憶処理の動作を表したフローチャートである。
ECU10は、第1実施形態のステップ1と同様に、自車位置と進行方向を取得する(ステップ41)と共に、車両前方の画像を取得する(ステップ42)。
図20は走行明暗条件判定項目について表したものである。
走行明暗条件としては、図20(a)に示されるように、車両前方の明暗環境として、「明暗差強」の場合でトンネル入口、トンネル出口、高架橋下、トンネル出口の逆光、又は高架下の逆光の場合、「明るすぎ」の場合で逆光、霧の場合、「暗すぎ」の場合でトンネル内、高架橋下、夜間、霧等の場合が規定されている。
図21は、逆光判定処理の処理動作について表したフローチャートである。
ECU10は、自車位置と進行方向を取得する(ステップ51)。なお、この場合の自車位置と進行方向についてはステップ41で取得した情報を使用するようにしてもよい。
本実施形態では、天候情報を通信を使用して外部から取得するが、車両外部の撮像画像や水滴センサ、湿度センサ等の各種センサを使用して天候を検出するようにしてもよい。
そしてECU10は、算出した太陽の位置から逆光か否かを判断し(ステップ55)、逆光であれば(ステップ55;Y)「逆光」フラグ記憶してメインルーチンにリターンする。
一方、逆光でない場合(ステップ55;N)、及び日照がない場合(ステップ53;N)には、「その他」フラグを記憶してメインルーチンにリターンする。
図22は、第3実施形態で取得する道路情報について表したものである。
この図22に示されるように、ECU10は、道路情報として、道路種別(高速道路、国道、県道等)、道路形状(直線、カーブ、交差点等)、道路形態(一般舗装道路、高架道路等)、施設(無し、トンネル、高架等)、車線数(片側1車線、片側2車線等)、起伏(平坦路、勾配上り、勾配下り等)、などを取得する。
さらにECU10は、第1実施形態と同様にして生体情報(心拍、発汗量)を検出し、運転者の緊張度を検出する(ステップ46)。
この図14に示されるように、緊張度が高いこと(レベル1以上)、ハンドル操作量が所定基準値よりも大きいこと、ハンドル操作状況が所定基準値よりも急又は左右であること、アクセル踏力が所定基準値よりも強いこと、ブレーキ踏力が所定基準値よりも強いこと、ブレーキ操作状況が所定基準値よりも急であること、走行明暗条件が明暗差強、明るすぎ、又は暗すぎであることが苦手走行明暗条件の判定条件となる。
苦手高架頂上の判定は、図14の各判定項目の組み合わせにより、第1実施形態と同様に判定される。
一方、苦手明暗条件を満たさない場合(ステップ47;N)、及び、走行明暗条件を満たさない場合(ステップ43;N)、ECU10は、ステップ41に戻って処理を継続する。
ECU10は、苦手走行明暗条件記憶処理のステップ41〜46と同様に、自車位置、進行方向の取得(ステップ61)、前方画像取得(ステップ62)、走行明暗条件を満たすか否かの判断(ステップ63)、道路情報の取得(ステップ64)、車両情報の検出(ステップ65)、生体情報の検出による緊張度の検出(ステップ66)を行う。
なお、以上のステップ61〜66の処理を、苦手走行明暗条件記憶処理のステップ41〜46と共通化するようにしてもよい。
すなわち、ECU10は、道路情報の各項目、生体情報、車両情報の各項目、走行明暗条件のそれぞれが、苦手走行明暗条件の記憶値よりも大きいか否かを判断する。
一方、記憶した苦手走行明暗条件以上である場合(ステップ67;Y)、ECU10は、生体情報、車両情報、走行明暗条件に基づいて運転支援判定と支援の内容を決定する(ステップ68)。
この図に示すように、運転支援の判定項目として、生体情報について緊張度が規定され、車両情報について車両速度、ハンドル操作トルク、ハンドル操作状況、アクセル操作状況、ブレーキ操作状況が規定され、及び走行明暗条件が規定されている。
また、各判定項目について、運転支援をしない場合の判断条件、危険度が小であるとの判断条件、危険度が中であるとの判断条件、危険度が大であるとの判断条件について規定されている。
本実施形態では、全7項目のうち6項目まで支援無し条件を満たしている場合には運転支援を行わない。
一方、危険度小、中、大については、全7項目までのうち、2項目以上満たしている場合に、大きい方の危険度が決定される。
一方、ECU10は、危険度小と判断した場合に警告を行い(ステップ69)、危険度中と判断した場合に運転操作補助を行い(ステップ70)、危険度大と判断した場合に車両制御を行う(ステップ71)。
図27は、危険と判定された項目に応じた運転支援の内容を例示したものである。
図27に示されるように、危険度が小と判定された場合の警告として、ECU10は、例えば、速度低下の場合には速度低下の警告を、ハンドル操作の場合にはハンドル操作の警告の音声出力及び画像出力を行う。
ここで、ナイトビジョンは、遠赤外線カメラにより、車両進路上の歩行者や横断中の歩行者を検知し、画面上の表示とブザー音により運転者の注意を促すシステムである。
この場合、警告判定データを他の実施形態と同様に記憶しておく。
第4実施形態では、運転者の苦手箇所となる高速道路の下り坂又は分岐・合流地点(以下苦手高速道路という)に対する運転支援を行うものである。
すなわち、運転者の個人特性として取得した生体情報に基づいて、高速道路の下り坂又は分岐・合流地点に対する運転支援を行う。
記憶される苦手高速道路記憶データとしては、図28に示されるように、道路上情報として種別、道路形状(カーブ曲率)、舗装形態、施設、道路幅(車線数、幅員)、生体情報として緊張度、車両情報として車両速度、車両加速度、ハンドル操作トルク、ハンドル操作状況、アクセル踏力、アクセル操作状況、ブレーキ踏力、ブレーキ操作状況、環境情報として周辺車両(前方車両間距離、後方車両間距離、左方車両数、左方車両距離、右方車両数、右方車両距離が保存される。
図29は、苦手高速道路記憶処理の動作を表したフローチャートである。
ECU10は、自車位置と、進行方向を取得し(ステップ1c)、取得した自車位置と進行方向とから、車両の前方に高速道路の下り坂又は分岐・合流地点が存在するか否かについて、地図DB161の道路データから判断し(ステップ2c)、存在しなければ(ステップ2c;N)、ステップ1cに戻って引き続き高速道路の下り坂又は分岐・合流地点の検出を継続する。
図30は、高速道路の下り坂又は分岐・合流地点に対して取得する道路情報について表したものである。
取得する道路情報は、図30に示されるように、道路種別、道路形状、舗装形態、施設、道路幅等に関する各項目である。
図32は、検出する環境情報について表したものである。
環境情報としては、図32に示されるように、前後存在する車両の種別と車間距離、左右に存在する車両の数と距離が検出され、左右の車両については前方から順番にID(識別番号)を振って、それぞれ距離を測定する。
自車両周辺の他車両の種別と距離については、ミリ波レーダ、超音波センサ、撮像装置による撮像画像の画像処理、ステレオカメラ等により検出する。
苦手高速道路の判定は、図31の各判定項目の組み合わせにより、第1実施形態と同様に判定される。
高速道路の下り坂又は分岐・合流地点の走行が終了していなければ(ステップ8c;N)、ECU10は、ステップ4cに戻って、車両情報、視界情報、及び生体情報の検出を継続する。なお、ステップ3cにもどらないのは、高速道路情報については、走行によって変化しないためである。
高速道路の下り坂又は分岐・合流地点の走行が終了した場合には(ステップ8c;Y)、当該地点は、運転者にとって運転操作に対する苦手な高速道路の下り坂又は分岐・合流地点には該当しないので、処理をリターンする。
ECU10は、苦手高速道路記憶処理のステップ1〜3c(図29参照)と同様に、自車位置、進行方向の取得(ステップ11c)、車両の前方に高速道路の下り坂又は分岐・合流地点が存在するか否かの判断(ステップ12c)、道路情報の取得とRAMへの保存する(ステップ13c)を行う。
なお、以上のステップ11c〜13cの処理を、苦手高速道路記憶処理のステップ1〜3cと共通化するようにしてもよい。
すなわち、ECU10は、前方に存在する高速道路の種別、道路形状、舗装形態、施設、道路幅が、記憶されているいずれかの苦手高速道路の道路情報と同じであるか判断する。
本実施形態では、全項目が一致する場合に同じと判断するが、所定数以上の項目が一致している場合に同じであると判断するようにしてもよい。
次いでECU10は、環境情報(図32参照)を検出し、RAMに格納する(ステップ16c)。
図34は、走行環境判定の内容を表したものである。
すなわち、ECU10は、ステップ16cで検出した環境情報から、周辺車両の分布状況を加味して、走行環境が普通、悪い、良いの3段階で評価する。
評価方法については、例えば、評価の欄において+を1、±を0、−を−1として計算し、その合計値に従って評価する。合計値が高いほど、良くなり、低いほど悪いになる。
このように、走行環境が悪いと警告閾値が下がり、結果として警告がされやすくなる。
図35は、警告をするか否かについての判定項目とその条件について表したものである。
ECU10は、図35に例示されるように、道路情報が記憶されている苦手高速道路と同一か否か、生体情報記憶メモリ163cに記憶されている緊張度のレベル以上か、車両速度が車両情報記憶メモリ144cに記憶されている車速以上か(ステップ17c〜19cで変更した値による)否かを判断する(ステップ21c)。
但し、1項目だけでも現状値が大きければ警告を行うと判断するようにし、また、いずれか2項目以上現状値が大きい場合に警告を行うと判断するようにしてもよい。
警告を行うと判断した場合(ステップ21c;Y)、ECU10は、前方に存在する高速道路(高速道路の下り坂又は分岐・合流地点)が運転者にとって運転操作上の苦手な高速道路であることを音声出力装置19及び表示装置20から音声及び画像により警告する(ステップ22c)。
警告は、例えば「進行方向に苦手な高速道路の下り坂又は分岐・合流地点が存在します。注意しながら通過してください。」等の警告音声とテキスト表示により行われる。苦手高速道路までの距離を警告において伝えるようにしてもよい。
なお、この苦手高速道路に対する警告は高速道路の下り坂又は分岐・合流地点に車両が進入する前に行われる。
これにより、運転者にとっての不要な警告が防止される。
なお、前方に存在する高速道路の道路情報は走行によって変化しないので、ステップ14cに戻るようにしてもよい。
さらに、ECU10は、ステップ17cと同様に現時点での走行環境を判定(ステップ25c)し、走行環境が悪い場合にはステップ18cと同様に閾値(この場合には運転支援閾値)を低下させ(ステップ26c)、視界が良い場合にはステップ19cと同様に運転支援閾値を増加する(ステップ27c)。
図36は、運転支援の必要性と支援内容についての判定項目とその条件について表したものである。
この図36に示すように、運転支援の判定項目として、生体情報について緊張度が規定され、車両情報について車両速度、ハンドル操作トルク、ハンドル操作状況、アクセル踏力、アクセル操作状況、ブレーキ踏力、ブレーキ操作状況が規定され、視界情報について視界度が規定されている。
また、各判定項目について、運転支援をしない場合の判断条件、危険度が小であるとの判断条件、危険度が中であるとの判断条件、危険度が大であるとの判断条件について、第1の実施形態と同様に規定されている。
本実施形態では、全8項目のうち7項目まで支援無し条件を満たしている場合には運転支援を行わない。
一方、危険度小、中、大については、全8項目までのうち、2項目以上満たしている場合に、大きい方の危険度が決定される。
例えば、生体情報、車両情報、視界情報全てが満たされている危険度を決定するようにしてもよい。この場合、車両情報については、7項目のうちの2項目を満たす場合に車両情報が満たされているものとする。
また、生体情報1つと、他の7項目のうちのいずれか1つ(2つ以上とすることも可)を満たしている危険度を決定するようにしてもよい。
一方、ECU10は、危険度小と判断した場合に警告を行い(ステップ31c)、危険度中と判断した場合に運転操作補助を行い(ステップ32c)、危険度大と判断した場合に車両制御を行う(ステップ33c)。
図37は、危険と判定された項目に応じた運転支援の内容を例示したものである。
苦手高速道路が高速下り坂の場合、図37(a)に示されるように、警告の内容として、速度増加に対して速度が増加していることを警告し、ハンドル操作に対してハンドル操作について注意を促す警告をする。
運転操作支援の内容として、速度増加に対してアクセルの反力を強化及び/又はAT(自動変速装置)のシフトダウンを行い、ハンドル操作に対してハンドルトルクの反力を強化する。
また、車両制御の内容として、速度増加に対して速度を一定に維持するように制御し、ハンドル操作に対して車線逸脱しないように制御する。
運転操作支援の内容として、車間距離接近に対してアクセルの反力を強化及び/又はAT(自動変速装置)のシフトダウンを行い、周辺車両とハンドル操作に対してハンドルトルクの反力を強化する。
また、車両制御の内容として、車間距離接近に対して距離に応じてた安全速度に車速制御し、ハンドル操作に対して車線逸脱しないように制御する。
一方、高速道路が終了していればECU10は、処理をリターンする。
また、苦手高速道路の下り坂又は分岐・合流地点は、運転者にとって運転操作の苦手として現れるのに対応して、運転操作に対応した車両情報(ハンドル操作状況、アクセル操作状況、ブレーキ操作状況)を苦手高速道路の下り坂又は分岐・合流地点か否かの判定に用いることで、その運転者にとっての苦手高速道路の下り坂又は分岐・合流地点をより正確に検出することができる。
更に、苦手高速道路の下り坂又は分岐・合流地点と認定された際の状況(検出値)よりも低い場合には警告や運転支援を行わないので、運転者にとって煩わしい警告等が少なくなる。
その結果、苦手高速道路に進入した後において、警告や運転支援が不要になる場合もあり得る。
図38は、複数の実施形態を組み合わせて運転支援を行う場合の苦手情報記憶処理と、運転支援処理の処理動作について表したフローチャートである。
図38(a)に示されるように、ECU10は、まず苦手箇所を検出する(ステップ81)。
すなわち、ECU10は、検出対象とする苦手箇所に対応した項目を検出する。ECU10は、例えば、生体情報として運転者の緊張度を検出し、車両情報から車両の走行挙動(速度等)や運転者の運転操作状況を検出し、周辺環境情報から道路の形状や付帯施設や周辺車両状況や運転者の視界の度合いを検出する。
そして、運転者の緊張度、運転操作状況、道路の特徴をキーとして苦手な地点か否かを説明した実施形態と同様にして判断する。すなわち、カーブ、高架頂上、明るさに関する悪条件地点、高速道路の下り坂、高速道路の分岐・合流地点等の各種の特定状況(特定地点)に対する苦手地点か否かを判断する。
すなわち、ECU10は、苦手箇所記憶処理により記憶した苦手状を検出する(ステップ91)。
ここでECU10は、苦手地点に対して記憶したデータ(生体情報、車両情報等)と、現在のセンシング結果とを比較して、前方に存在する苦手箇所を検出する。すなわち、過去の走行において生体情報等から苦手とされた地点と似たような現在の環境、状況をステップ81と同様にして検出する。
例えば、説明した実施形態では、検出する生体情報として、脈拍数と発汗情報を検出するようにしたが、他の生体情報として瞳孔や脳波などの自律神経系の他の情報を検出し、その変化から交感神経系優位状態の場合に誤りによる経路外れと判断するようにしてもよい。
また、顔を撮像し、瞳孔の変化から判断するようにしてもい。すなわち、瞳孔が開く方向に変化している場合には、交感神経系優位の状態であると判断する。
本実施形態において、血圧センサは、例えば、人体において心臓の収縮に伴う血液の脈波が心臓から指先に到達するまでの脈波伝播時間(PWTT:Pulse Wave Transmit Time)と血圧との相関関係を利用して血圧測定を行うものである。
血圧センサは、心臓の拍動時に発生する電位変化を検知して心臓の収縮タイミングを検知するための電極センサと、指先の血流量の変化を赤外線により検知して脈波が指先に到達したタイミング(脈拍)を捉えるための赤外線センサを備えており、これらセンサにより検知した脈波伝播時間に基づいた演算により血圧を測定する。
なお、特開2000−107141号公報に記載されるように、心臓からの距離の差を利用して、脈拍を計測する脈拍センサを両センサ部に配置するようにしてもよい。
また、生体情報、車両情報、及びカーブ情報のうちの2つから苦手カーブの判定をするようにしてもよい。
この場合、走行中における生態情報から緊張状態が検出された場合に、その検出された際の状況情報、例えば、生体情報(運転者の緊張度等)、車両情報(車両の走行挙動、運転者の運転操作状況等)、周辺環境情報(道路の形状、付帯施設、周辺車両、運転者の視界の度合い等)を記憶しておく。
そして、説明した実施形態と同様に、記憶した状況情報と一致または同様な状況を検出した場合に、現状の状況に応じて、警告、運転操作補助、車両制御等の運転支援を行う。
さらに、生体情報に基づいて、運転支援判定の判断を行うための、車速、曲率の閾値を変更するようにしてもよい。
また、車速に基づいて運転支援を行い、生体情報に基づいて転支援の車速の閾値を変更するようにしてもよい。
(1)運転者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前方に存在するカーブを検出するカーブ検出手段と、
前記生体情報に基づいて、前記検出したカーブに対する運転支援を行う運転支援手段と、
を具備したことを特徴とする運転支援装置。
(2)少なくとも車速を検出する車両情報検出手段、をさらに備え、
前記運転支援手段は、該車速及び前記カーブ検出手段で検出されたカーブの曲率に基づいて、少なくともカーブに対する警告を行い、前記生体情報に基づいて車速、曲率の閾値を変更する、ことを特徴とする請求項(1)に記載の運転支援装置。
(3)カーブの走行中であることを検出するカーブ走行検出手段と、
前記カーブの走行中における運転者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記取得した生体情報を使用して前記カーブが運転者にとって苦手なカーブか否かを判定する第1の苦手カーブ判定手段と、
前記第1の苦手カーブ判定手段で判定された苦手カーブのカーブ情報を苦手カーブ情報として記憶する苦手カーブ記憶手段と、
車両前方に存在するカーブを検出するカーブ検出手段と、
前記検出したカーブのカーブ情報と前記記憶された苦手カーブ情報と比較し、前記検出したカーブが苦手カーブに該当するか否かを判定する第2の苦手カーブ判定手段と、
前記第2の苦手カーブ判定手段で、苦手カーブと判定されたカーブに対して運転支援を行う運転支援手段と、
を具備したことを特徴とする運転支援装置。
(4)前記運転支援手段は、警告、運転操作の補助、車両制御のうちの少なくとも1つを行うことを特徴とする(3)に記載の運転支援装置。
(5)前記運転操作の補助、又は車両制御は、苦手カーブと判定されたカーブの走行中に行う、ことを特徴とする(4)に記載の運転支援装置。
(6)カーブの走行中における車両操作情報を取得する車両操作情報取得手段、を更に備え、
前記第1及び第2の苦手カーブ判定手段は、前記車両操作情報取得手段で取得した車両操作情報を含めて判定し、
前記苦手カーブ記憶手段は、前記苦手カーブの判定に使用された車両操作情報を苦手カーブ情報に含めて記憶する、
ことを特徴とする(3)、(4)又は(5)に記載の運転支援装置。
(7)車両前方の視界度を判定する視界度判定手段を備え、
前記苦手カーブ記憶手段は、前記苦手カーブの判定の際に判定した視界度を苦手カーブ情報に含めて記憶し、
前記第2の苦手カーブ判定手段は、前記車両操作情報取得手段で取得した車両操作情報を含めて判定する、
ことを特徴とする(3)から(6)のうちのいずれか1に記載された運転支援装置。
11 現在位置検出装置
12 生体情報センサ
121 心拍センサ
122 発汗センサ
13 環境情報取得装置
131 車間距離・相対速度測定装置
132 画像処理装置
14 車両情報取得装置
141 ハンドルセンサ
142 ブレーキセンサ
143 アクセルセンサ
144 車速センサ
145 ジャイロセンサ
15 画像入力装置
16 データ記憶部
17 プログラム記憶部
18 入力装置
19 音声出力装置
20 本実施形態装置
21 車両制御装置
22 通信装置
Claims (6)
- 予め決められた、カーブ、高架頂上、高速道路の下り坂、高速道路の分岐・合流地点のいずれかに該当する特定地点を走行中であることを検出する特定地点走行検出手段と、
前記検出した特定地点の走行中における運転者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記取得した生体情報を使用して前記検出した特定地点が運転者にとって苦手な苦手地点か否かを判定する第1の苦手地点判定手段と、
前記第1の苦手地点判定手段で判定された苦手地点の道路形状を記憶する苦手地点記憶手段と、
車両前方に存在する特定地点を検出する特定地点検出手段と、
前記特定地点検出手段で検出した車両前方に存在する特定地点の道路形状と前記苦手地点記憶手段に記憶された苦手地点の道路形状とを比較し、前記特定地点検出手段で検出した特定地点が苦手地点に該当するか否かを判定する第2の苦手地点判定手段と、
前記第2の苦手地点判定手段で、苦手地点と判定された特定地点に対して運転支援を行う運転支援手段と、
を具備したことを特徴とする運転支援装置。 - 前記運転支援手段は、前記苦手地点の手前で、前方に苦手地点が存在することを警告する、
ことを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。 - 前記運転支援手段は、警告、運転操作の補助、車両制御のうちの少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の運転支援装置。
- 前記運転操作の補助、又は車両制御は、判定された苦手地点の走行中に行う、ことを特徴とする請求項3に記載の運転支援装置。
- 苦手地点の走行中における車両操作情報を取得する車両操作情報取得手段、を更に備え、
前記第1及び第2の苦手地点判定手段は、前記車両操作情報取得手段で取得した車両操作情報を含めて判定し、
前記苦手地点記憶手段は、前記苦手地点の判定に使用された車両操作情報を苦手地点に関する情報に含めて記憶する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の運転支援装置。 - 車両前方の視界度を判定する視界度判定手段を備え、
前記第1及び第2の苦手地点判定手段は、前記視界度判定手段で判定した視界度を含めて判定し、
前記苦手地点記憶手段は、前記苦手地点の判定の際に使用された視界度を苦手地点に関する情報に含めて記憶する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の運転支援装置。
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