JP2023540195A - 多層コーティング系製造のための2ウェットコーティング法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、基材に第1のコーティング材料組成物を適用する工程(工程(1))、工程(1)で形成された第1のコーティング膜を硬化させる前に第2のコーティング材料組成物を第1のコーティング膜に適用して第2のコーティング膜を形成する工程(工程(2))、第1及び第2のコーティング膜を一緒に硬化させる工程(工程(3))を少なくとも含む、多層コーティング系を基材上に製造する方法に関するものであり、ここで、第1及び第2のコーティング材料組成物のうちの1つは、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に、少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)を架橋剤として含み、そしてこれら2つの組成物の残りのコーティング材料組成物は、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に、如何なる架橋剤も含まないが、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含み、そして本発明は、本発明の方法により得ることができる基材上の多層コーティング系、及びアミノ樹脂(AR)の移動性架橋剤としての使用方法に関するものである。

Description

本発明は、基材に第1のコーティング材料組成物を適用する工程(工程(1))、工程(1)で形成された第1のコーティング膜を硬化させる前に第2のコーティング材料組成物を第1のコーティング膜に適用して第2のコーティング膜を形成する工程(工程(2))、第1及び第2のコーティング膜を一緒に硬化させる工程(工程(3))を少なくとも含む、多層コーティング系を基材上に製造する方法に関するものであり、ここで、第1及び第2のコーティング材料組成物のうちの1つは、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に、少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)を架橋剤として含み、そしてこれら2つの組成物の残りのコーティング材料組成物は、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に、如何なる架橋剤も含まないが、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含み、そして本発明は、本発明の方法により得ることができる基材上の多層コーティング系、及びアミノ樹脂(AR)の移動性架橋剤としての使用方法に関するものである。
典型的な自動車のコーティングプロセスでは、少なくとも4つの層:電着塗装被覆(e-coat)、プライマー、ベースコート及びクリアコートを、好適な基材の金属表面に適用する。e-coat及びプライマー層は、一般に、基材表面に適用して硬化させる。その後、ベースコート配合物を溶媒と共に適用し、そして溶媒を高温プロセスでフラッシュオフ(flashed off)する。ベースコートを適切に調整した後、次にクリアコートを適用する。その後、コーティングした基材表面を、140℃を超える温度でオーブンに通して、ベースコートとクリアコートを硬化させる。
この慣習的なプロセスは適切であり、且つ自動車産業において世界的に商業利用されているものであるが、改善の余地は大きい。ひとつには、これらのコーティングの製造に必要なエネルギー、材料、又は時間が低減されれば、使用が大規模であることから、大きな経済的利益がもたらされるであろう。特に、車両製造者にとっては、高温工程の数と処理時間とが低減されることは有利であろう。加えて、これらの工程を実施する温度が下がることも有益であろう。さらに、「軽量」な車両の開発が望まれている。自動車の車体を大幅に軽量化する手段の1つは、より重い金属部品を、より軽いプラスチック部品に置き換えることである。しかし、慣習的なプロセスにおいて軽量プラスチックを使用することは課題となっている。多くの軽量プラスチック基材は130℃より高い硬化温度で物理的に変形するからである。そのため、ベースコートとクリアコートの硬化温度を下げることで、車両の軽量化に必要なプラスチック及び他の熱に弱い基材を使用することが可能となる。さらに、2成分(2K)系(1成分が硬化性樹脂/ポリマーを含有し、そして他の成分が硬化性樹脂のための架橋剤を含有する)では典型的であるように、分解したり早期に硬化したりせずに長期間安定である1成分(1K)系を採用することが有益であろう。このような2K系では、反応性の種、すなわち架橋剤を、適用の直前まで隔離しておく必要がある。
WO2018/019685A1は、基材と、その上に適用された、溶媒系コーティング材料組成物からの2つのコーティング層とを含む、低温硬化複合コーティングを開示している。組成物はそれぞれ、OH官能性樹脂、架橋剤、及び触媒を含む。第1の溶媒系ベースコート組成物中に存在する触媒は、第2の溶媒系クリアコート組成物中に存在する構成成分の架橋反応を触媒し、そして第2の組成物中に存在する触媒は、第1の組成物中に存在する構成成分の架橋反応を触媒する。架橋は、触媒のそれぞれが、それぞれの隣接する層へ移行した後にのみ起こる。WO2018/019686A1は、基材と、その上に適用された2つのコーティング層を含む同様の低温硬化複合コーティングに関するものである。しかしながら、一方のコーティング層、すなわちクリアコート層のみが、第2組成物としての溶媒系コーティング材料組成物から適用され、他方のコーティング層、すなわちベースコート層は、第1の組成物としての水系コーティング材料組成物から適用される。同様に、US2019/031910A1も、基材とその上に適用された2つのコーティング層とを含む低温硬化複合コーティングに関するものである。WO2018/019685A1、WO2018/019686A1及びUS2019/031910A1に開示された第1及び第2のコーティング材料組成物のそれぞれは、架橋剤及び触媒の両方の存在を必要とする。
WO2019/020324A1は、非極性触媒を含む極性組成物から調製された第1の層と、極性触媒を含む非極性組成物から調製された第2の層とを含む、基材上の二重コーティングを開示している。WO2019/020324A1に開示された極性組成物及び非極性組成物は、架橋剤及び触媒の両方の存在を必要とする。
このように、エネルギー、材料、及び硬化時間の低減を可能とするが、それにもかかわらず良好な機械的及び光学的特性を示す、自動車産業用に使用される基材上の多層コーティングを提供するためのさらなる改善された方法が必要とされている。
WO2018/019685A1 WO2018/019686A1 US2019/031910A1 WO2019/020324A1
従って本発明の基礎となる目的は、特に、材料、硬化時間及び温度の低減を可能とするが、それにもかかわらず、得られた多層コーティングした基材が良好な機械的及び光学的特性を示す、自動車産業用に使用される基材上の多層コーティングを提供するための、さらなる改善された方法を提供することである。
この目的は、本出願の特許請求の範囲の主題、及び本明細書に開示されたその好ましい実施形態、すなわち本明細書に記載された主題により、解決された。
本発明の第1の主題は、少なくとも工程(1)、(2)、及び(3)を含む、基材上に多層コーティング系を製造する方法、すなわち、
(1) 任意に事前コーティングされた基材に、第1のコーティング材料組成物を適用し、そして任意に事前コーティングされた基材上に、第1のコーティング膜を形成する工程、
(2) 第1のコーティング膜を硬化させる前に、工程(1)の後に得られた基材上に存在する第1のコーティング膜に、第2のコーティング材料組成物を適用し、そして第1のコーティング膜に隣接する第2のコーティング膜を形成する工程、
(3) 第1及び第2のコーティング膜を一緒に硬化させる工程であって、硬化した第2のコーティング膜が、形成された多層コーティング系の最外層である、硬化させる工程
を含む方法であり、
ここで、第1及び第2のコーティング材料組成物は互いに異なり、第1のコーティング材料組成物は、架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P1)を含み、そして第2のコーティング材料組成物は、架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P2)を含み、
ここで、第1及び第2のコーティング材料組成物のうちの1つは、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に、ポリマー(P1)及びポリマー(P2)の両方の架橋性官能基と架橋することができる架橋性官能基を有する架橋剤としての少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)をさらに含み、そしてこれら2つのコーティング材料組成物の残りは、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に如何なる架橋剤も含まないが、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含み、この触媒は、アミノ樹脂(AR)の官能基とポリマー(P1)及びポリマー(P2)両方の官能基との間の架橋反応を触媒するのに好適である。
本発明のさらなる主題は、本発明の方法によって得ることができる、基材上の多層コーティング系である。
本発明のさらなる主題は、架橋性官能基を有するアミノ樹脂(AR)の使用方法であり、このアミノ樹脂は、
第1のコーティング材料組成物又は第2のコーティング材料組成物のどちらかに存在し、その両コーティング材料組成物は互いに異なり、その第1のコーティング材料組成物は、アミノ樹脂(AR)の架橋性官能基と架橋することができる架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P1)を含み、そしてその第2のコーティング材料組成物は、アミノ樹脂(AR)の架橋性官能基とやはり架橋することができる架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P2)を含み、ここで、アミノ樹脂(AR)が存在していない第1及び第2のコーティング材料組成物より選択されるコーティング材料組成物は、如何なる架橋剤も含まないが、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含み、この触媒は、アミノ樹脂(AR)の官能基とポリマー(P1)及びポリマー(P2)両方の官能基との間の架橋反応を触媒するのに好適であり、この使用方法は、
そのアミノ樹脂が存在する第1及び第2のコーティング材料組成物より選択される1つのコーティング材料組成物より得られたコーティング膜から、これら2つのコーティング材料組成物の残りのコーティング材料組成物より得られたコーティング膜に、少なくとも部分的に移行するためのものであり、移行は、第1のコーティング材料組成物より得られたコーティング膜に第2のコーティング材料組成物を適用し、その後前記第1のコーティング膜を硬化させて第1のコーティング膜に隣接した第2のコーティング膜を形成した後に起こり、さらにこの使用方法は、少なくとも架橋触媒(CLC1)によって好ましくは触媒されたポリマー(P1)及びポリマー(P2)の両方の架橋性官能基との後続する架橋のためのものである。
驚くべきことに、本発明の方法により、本発明の方法で使用され且つ適用されるコーティング材料組成物の各々に架橋剤を組み込む必要がなくなることが見出された。むしろ、少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)を、使用される2つのコーティング材料組成物のうちの1つに組み込むことが単に必要である。驚くべきことに、前記アミノ樹脂(AR)は、本発明のウェット・オン・ウェット法を介して両方のコーティング膜を適用した後に、第1のコーティング膜から第2のコーティング膜へ、又はその逆で、部分的に移行できることが見出された。同様に、少なくとも、如何なるアミノ樹脂(AR)も含有しないコーティング材料組成物は少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含有するので、前記架橋触媒(CLC1)も、本発明のウェット・オン・ウェット法を介して両方のコーティング膜を適用した後に、その触媒が含まれていたコーティング材料組成物より得られたコーティング膜から他のコーティング膜へ移行することができる。このように、本発明の方法により、両方のコーティング膜をウェット・オン・ウェットで適用すると、元来別々のコーティング膜に含有されていたアミノ樹脂(AR)及び架橋触媒(CLC1)の両方を移行させることが可能となる。
驚くべきことに、本発明の方法により、適用されたあらゆるコーティング膜を一緒に硬化させる硬化工程が、110℃未満、特に100℃未満の温度で、30分未満、又はさらに25分未満などの比較的短い時間で実施できることが見出された。驚くべきことに、コーティング膜の少なくとも1つは、如何なる架橋剤も含有しないコーティング材料組成物を利用して適用されているが、適用されたあらゆるコーティング膜の有効な硬化がこのような低温で実施できる。特に驚くべきことに、これらの温度でこのような効果的な硬化を可能とするために、特にアミノ樹脂(AR)の十分な移行が生じる。
また、驚くべきことに、本発明の方法は、第1のコーティング材料組成物がプライマーコーティング材料組成物であり、且つ第2のコーティング材料組成物がトップコートコーティング材料組成物である場合、特に前記トップコート組成物が実際にはベースコート材料組成物に相当する場合には、クリアコートコーティング材料組成物をさらに適用する必要なく、硬化工程(3)を行えば十分であることも見出された。これは、基材が例えば車両のエンジンルームの一部である場合に特に有用であり、OEMプロセスでは、この部分に如何なるクリアコート層も適用しないことが好ましい。しかしながら本発明の方法により、例えば、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含有するプライマーコーティング材料組成物を使用することができ(この架橋触媒は、ウェット・オン・ウェット適用の実施後に形成されたコーティング膜からベースコート層に移行することができ、このベースコート層は、少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)を含有する第2のコーティング材料組成物としてベースコーティング材料組成物を使用して得られたものである)、クリアコーティング組成物を追加で適用する必要がない。この場合、前記ベースコーティング材料組成物がトップコート材料組成物として機能するからである。
発明の詳細な説明
本発明の意味における用語「含む」は、例えば本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々に関連して、好ましくは「からなる」の意味を有する。本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々に関して、そこに存在する必須の成分に加えて、以下に特定され、且つ本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々に任意に含まれるさらなる成分の1つ以上が、そこに含まれることが可能である。これらのあらゆる成分は、各場合において、以下に特定されるように、それらの好ましい実施形態において存在することができる。
本発明の方法の特定の工程における「その使用前又はそれらの使用前」という用語は、本発明の意味において使用されるコーティング材料組成物のいずれかに存在するアミノ樹脂(AR)及び架橋触媒(CLC1)に関連して、好ましくは、特定の構成成分、すなわち(AR)又は(CLC1)が、本発明の方法の特定の工程においてそれぞれのコーティング材料組成物を使用する前に、それぞれのコーティング材料組成物中に構成成分として存在し、且つ、特定の工程のいずれかにおいてこれらそれぞれのコーティング材料組成物のいずれかを適用するときに、そこに(まだ)存在するか、又はまだ存在することを意味する。しかしながら、これらの構成成分のいずれかは、それぞれのコーティング材料組成物を適用して得られたコーティング膜から、上に適用されたさらなるコーティング膜及び/又は既に下に存在しているコーティング膜へ移行することができる。
本発明の方法
本発明の方法は、少なくとも工程(1)、(2)、及び(3)を含む、基材上に多層コーティング系を製造及び提供するための方法である。しかしながらこの方法は、工程(1a)及び(2a)などの追加の任意の工程をさらに含んでもよい。
方法の工程(1)
本発明の方法の工程(1)では、任意に事前コーティングされた基材に第1のコーティング材料組成物を適用し、そしてその任意に事前コーティングされた基材上に第1のコーティング膜を形成する。任意に事前コーティングされた基材上に形成されたこの第1のコーティング膜は、この段階では硬化していないコーティング膜である。
本発明の方法は、自動車車体又はその部品、及びそれぞれの金属基材のコーティングに特に好適であるが、ポリマー基材などのプラスチック基材にも好適である。従って、好ましい基材は、自動車車体又はその部品である。
本発明によって使用される金属基材としての好適なのは、慣用的に使用され且つ当業者に既知のあらゆる基材である。本発明によって使用される基材は、好ましくは金属基材であり、より好ましくは鋼、好ましくは裸鋼、冷延鋼(CRS)、熱延鋼、亜鉛めっき鋼、例えば溶融亜鉛めっき鋼(HDG)、合金亜鉛めっき鋼(例えば、Galvalume、Galvannealed又はGalfan)及びアルミめっき鋼からなる群より選択される鋼、アルミニウム及びマグネシウム、及びZn/Mg合金及びZn/Ni合金からなる群より選択される。特に好適な基材は、製造用自動車の車両ボディの一部又は完全なボディである。
好ましくは、熱可塑性ポリマーをプラスチック基材として使用する。好適なポリマーはポリ(メタ)アクリレートであり、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルクロリド、ポリカーボネート及びポリビニルアセテートを含むポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びポリブタジエン、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル-エチレン-プロピレン-ジエン-スチレンコポリマー(A-EPDM)、ASA(アクリロニトリル-スチレン-アクリル酸エステルコポリマー)及びABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー)、ポリエーテルイミド、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、TPUを含むポリウレタン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物が含まれる。ポリカーボネート及びポリ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明によって使用される基材は、好ましくは、少なくとも1つの金属ホスフェート、例えば亜鉛ホスフェートで前処理された基材である。リン酸塩処理によるこの種の前処理は、通常、基材が洗浄された後、且つ基材が電着塗装被覆される前に行われ、特に、自動車産業で慣用的に行われている前処理工程である。
上記で概説したように、使用される基材は、事前コーティングされた基材、すなわち、少なくとも1つの硬化したコーティング膜を有する基材であってよい。工程(1)で使用される基材は、硬化した電着塗装コーティング層で事前コーティングすることができる。
基材には、例えば、少なくとも1つの追加の事前コーティングとして、少なくとも1つの硬化したプライマーコーティング膜も提供することができる。用語「プライマー」は、当業者に既知である。プライマーは、典型的には、硬化した電着塗装コーティング層が基材に提供された後に、適用される。硬化したプライマーコーティング膜も存在する場合、硬化した電着塗装コーティング膜は、硬化したプライマーコーティング膜の下に、好ましくは隣接して存在する。
方法の任意の工程(1a)
好ましくは、本発明の方法は、工程(1)の後且つ工程(2)の前に行われる工程(1a)をさらに含む。前記工程(1a)において、工程(1)の後に得られた第1のコーティング膜を、好ましくは1~20分の期間、より好ましくは1.5~15分の期間、特に2~10分の期間、最も好ましくは3~6分の期間フラッシュオフした後、工程(2)において第2のコーティング材料組成物を適用する。好ましくは、工程(1a)は、40℃を超えない温度で、より好ましくは18~30℃の範囲の温度で行う。
本発明の意味における「フラッシュオフ」という用語は乾燥させることを意味し、溶媒及び/又は水の少なくとも一部をコーティング膜から(すなわち、形成されているコーティング層から)蒸発させた後、次のコーティング材料組成物を適用する、及び/又は硬化を行う。フラッシュオフによる硬化は、行われない。
方法の工程(2)
本発明の方法の工程(2)では、第1のコーティング膜を硬化させる前に、工程(1)の後に得られた基材上に存在する第1のコーティング膜に、第2のコーティング材料組成物を適用し、そして第1のコーティング膜に隣接する第2のコーティング膜を形成する。このように、第1及び第2のコーティング材料組成物の両方を、ウェット・オン・ウェットで適用する。
方法の任意の工程(2a)
好ましくは、本発明の方法は、工程(2)の後且つ工程(3)の前に行われる工程(2a)をさらに含む。前記工程(2a)において、工程(2)の後に得られた第2のコーティング膜を、好ましくは1~20分の期間、より好ましくは2~15分の期間、特に3~12分の期間フラッシュオフした後、硬化工程(3)を行う。好ましくは、工程(2a)は、40℃を超えない温度で、より好ましくは18~30℃の範囲の温度で行う。
好ましくは、工程(1a)及び工程(2a)の両方を行う。好ましくは、工程(2a)の場合に使用するフラッシュオフ時間は、工程(1a)の場合に使用するフラッシュオフ時間を超える。
方法の工程(3)
本発明の方法の工程(3)において、第1及び第2のコーティング膜を一緒に硬化させる、すなわち同時に一緒に硬化させる。硬化した第2のコーティング膜は、工程(3)の後に得られる形成された多層コーティング系の最外層を表す。
得られた各硬化コーティング膜は、コーティング層を表す。よって工程(3)の実施後、任意に事前コーティングされた基材上に第1及び第2のコーティング層が形成され、第2の層は、形成された多層コーティング系の最外層である。
好ましくは、工程(3)は、110℃未満、好ましくは105℃未満、特に80~105℃又は80~100℃の範囲の基材温度で、5~45分、好ましくは10~35分の期間行う。基材温度は、熱電対で測定される。
第1及び第2のコーティング材料組成物及びそこから得られた第1及び第2のコーティング膜
工程(1)及び(2)で使用される第1及び第2のコーティング材料組成物は、互いに異なる。第1のコーティング材料組成物は、架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P1)を含み、そして第2のコーティング材料組成物は、架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P2)を含む。
第1及び第2のコーティング材料組成物のうちの1つ、すなわち正確に1つは、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に、少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)を架橋剤として含み、そしてこれら2つのコーティング材料組成物の残りは、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に如何なる架橋剤も含まないが、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含む。少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)は、ポリマー(P1)及びポリマー(P2)の両方の架橋性官能基と架橋することができる架橋性官能基を有する。このように、アミノ樹脂(AR)は、ポリマー(P1)及び(P2)の各々とは異なることが明らかである。少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)は、アミノ樹脂(AR)の官能基と、ポリマー(P1)及びポリマー(P2)の両方の官能基との間の架橋反応を触媒するのに好適である。
本発明の意味において、「如何なる架橋剤も含まない」という用語は、好ましくは、本発明の方法における使用の前に、それぞれのコーティング材料組成物中に架橋剤が存在しないことを意味する。これは、このような架橋剤が、本発明により使用されるコーティング材料組成物のいずれにも意図的に添加されないことを意味する。しかしながら、例えば組成物中に存在するいくつかの成分を調製するために使用されたそのような架橋剤の任意の残存物が、そこに(まだ)存在することは否定されない。よって好ましくは、「如何なる架橋剤も含まない」コーティング材料組成物中に存在する任意の架橋剤の量は、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、各場合において、1.0質量%未満又は0.5質量%未満、最も好ましくは0.1質量%未満又は0.05質量%未満、又は0.01質量%未満である。
好ましくは、工程(1)又は(2)におけるその使用前に少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)を架橋剤として含む第1及び第2のコーティング材料組成物より選択されるコーティング材料組成物は、工程(1)又は(2)におけるその使用前に、如何なる架橋触媒も全く含まないか、又は工程(1)又は(2)におけるその使用前に、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)と同一の又は異なる少なくとも1つの架橋触媒(CLC2)を含み、その量は、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)の量よりも少なく、この架橋触媒(CLC1)は、前記2つのコーティング材料組成物の残りに存在するものであり、この残りは、工程(1)又は(2)におけるその使用前に、前記コーティング材料組成物の総質量に基づいて如何なる架橋剤も含まないものである。
少なくとも1つの架橋触媒(CLC2)が少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)を含むコーティング材料組成物中に存在する場合、工程(1)又は(2)におけるその使用前に如何なる架橋剤も含まない第1及び第2のコーティング材料組成物より選択されるコーティング材料組成物中に存在する少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)の、前記少なくとも1つの架橋触媒(CLC2)に対する相対質量比は、コーティング材料組成物のそれぞれの総質量に基づいて、各場合において、少なくとも5:1、より好ましくは少なくとも4:1、なおより好ましくは少なくとも3:1である。
好ましくは、第1のコーティング材料組成物が、工程(1)におけるその使用前に、架橋剤としての少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)、及び少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)と同一の又は異なる任意の少なくとも1つの架橋触媒(CLC2)を含み、そして第2のコーティング材料組成物が、工程(2)におけるその使用前に、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含み、又は第2のコーティング材料組成物が、工程(2)におけるその使用前に、架橋剤としての少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)、及び少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)と同一の又は異なる任意の少なくとも1つの架橋触媒(CLC2)を含み、そして第1のコーティング材料組成物が、工程(1)におけるその使用前に、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含む。
好ましくは、第1のコーティング材料組成物は、1K(1成分)コーティング材料組成物である。好ましくは、第2のコーティング材料組成物は、1K(1成分)コーティング材料組成物である。
好ましくは、第1のコーティング材料組成物は、溶媒系、すなわち有機溶媒(複数可)ベースの、又は水系、すなわち水性の、コーティング材料組成物であり、そして第2のコーティング材料組成物は、溶媒系又は水系、好ましくは溶媒系の、コーティング材料組成物である。
本発明により使用されるコーティング材料組成物のいずれかに関連する「水性(aqueous)」又は「水系(waterborne)」という用語は、本発明の目的のために好ましくは、溶媒として及び/又は希釈剤としての水が、本発明により使用されるコーティング材料組成物の各々に存在するあらゆる溶媒及び/又は希釈剤の主要な構成成分として、本発明の電着塗装コーティング組成物の総質量に基づいて、好ましくは少なくとも35質量%の量で存在することを意味すると理解される。有機溶媒は、より少ない割合で、好ましくは<20質量%の量で、追加的に存在してよい。
本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々には、好ましくは、組成物が水系である場合、各場合において、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、少なくとも40質量%、より好ましくは少なくとも45質量%、非常に好ましくは少なくとも50質量%、より特に少なくとも55質量%の水画分が含まれる。
本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々には、好ましくは、組成物が水系である場合、各場合において、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、<20質量%の、より好ましくは0~<20質量%の範囲の、非常に好ましくは0.5~20質量%又は17.5質量%又は15質量%又は10質量%の範囲の有機溶媒の画分が含まれる。このような有機溶媒の例には、複素環式、脂肪族、又は芳香族炭化水素、一価又は多価アルコール、特にメタノール及び/又はエタノール、エーテル、エステル、ケトン及びアミド、例えば、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、ブタノール、エチルグリコール及びブチルグリコール及びそれらのアセテート、ブチルジグリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、イソホロン、又はそれらの混合物が含まれる。
本発明により使用されるコーティング材料組成物のいずれかに関連する「溶媒系」という用語は、本発明の目的のために好ましくは、溶媒として及び/又は希釈剤としての有機溶媒(複数可)が、本発明により使用されるコーティング材料組成物の各々に存在するあらゆる溶媒及び/又は希釈剤の主要な構成成分として、本発明の電着塗装コーティング組成物の総質量に基づいて、好ましくは少なくとも35質量%の量で存在することを意味すると理解される。水は、より少ない割合で、好ましくは<20質量%の量で、追加的に存在してよい。
本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々には、好ましくは、組成物が溶媒系である場合、各場合において、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、少なくとも40質量%、より好ましくは少なくとも45質量%、非常に好ましくは少なくとも50質量%、より特には少なくとも55質量%の有機溶媒(複数可)画分が含まれる。当業者に知られているあらゆる慣習の有機溶媒を有機溶媒として使用することができる。「有機溶媒」という用語は、特に1999年3月11日の理事会指令1999/13/ECから、当業者に公知である。このような有機溶媒の例には、複素環式、脂肪族、又は芳香族炭化水素、一価又は多価アルコール、特にメタノール及び/又はエタノール、エーテル、エステル、ケトン及びアミド、例えば、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、ブタノール、エチルグリコール及びブチルグリコール及びそれらのアセテート、ブチルジグリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、イソホロン、又はそれらの混合物が含まれる。
本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々には、好ましくは、組成物が溶媒系である場合、各場合において、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、<20質量%の、より好ましくは0~<20質量%の範囲の、非常に好ましくは0.5~20質量%又は17.5質量%又は15質量%又は10質量%の範囲の水の画分が含まれる。
本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々の固形分含量は、互いに独立して、各場合において、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、好ましくは5~45質量%、より好ましくは5~40質量%、非常に好ましくは7.5~40質量%、より特に7.5~35質量%、最も好ましくは10~35質量%又は15~30質量%の範囲である。固形分含量、言い換えれば不揮発性画分は、後述する方法によって判定する。
好ましくは、第1のコーティング材料組成物はベースコート材料コーティング組成物であり、そして第2のコーティング材料組成物はクリアコートコーティング材料組成物である、又は第1のコーティング材料組成物はプライマー材料コーティング組成物であり、そして第2のコーティング材料組成物はトップコートコーティング材料組成物である。1つ目の場合、ベースコート材料コーティング組成物は、好ましくは水系又は溶媒系であり、そしてクリアコートコーティング組成物は、好ましくは溶媒系である。2つ目の場合、プライマー材料コーティング組成物は、好ましくは水系又は溶媒系、特に溶媒系であり、そしてトップコートコーティング組成物は、好ましくは溶媒系又は水系、特に溶媒系である。
本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々は、OEMコーティング組成物としても再仕上げ用途としても使用することができ、好ましくはOEM用途である。
「ベースコート」、「ベースコート」又は「ベースコーティング」という用語は当業者に知られており、例えば、Roempp Lexikon,paints and printing inks,Georg Thieme Verlag、1998年、第10版、第57頁に定義されている。従ってベースコートは、中間コーティング組成物としてベースコートを使用することによって着色及び/又は光学効果を与えるために、特に自動車塗装及び一般工業塗装の着色において使用される。これは一般に、金属又はプラスチック基材に、金属基材の場合は金属基材に適用された電着塗装コーティング層の上に適用されたプライマー層に、又は再塗装の場合は基材としても機能する既存のコーティング膜に適用される。特に環境影響からベースコート膜を保護するために、少なくとも1つのクリアコート膜が追加で適用される。「クリアコート」、「クリアコート」又は「クリアコーティング」という用語も当業者には知られており、基材に適用される多層コーティング構造の透明な最外層を表している。
本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々に存在するあらゆる成分のwt%(質量%)単位の割合及び量は、各場合において、各コーティング組成物の総質量に基づいて、100質量%になるように加算される。
ポリマー(P1)及び(P2)
第1のコーティング材料組成物は、架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P1)を含む。第2のコーティング材料組成物は、架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P2)を含む。
ポリマー(P1)及び(P2)は、同一、又は互いに異なるものとすることができる。これらポリマーの各々は、アミノ樹脂(AR)とは異なる。
ポリマー(P1)及び(P2)は、膜形成バインダーとして機能する。本発明の目的のために、用語「バインダー」は、DIN EN ISO4618(ドイツ版、日付:2007年3月)に準拠して、コーティング材料組成物の不揮発性構成成分であり、膜形成に関与すると理解される。よって、これに含有される顔料及び/又はフィラーは、「バインダー」という用語に包含されない。好ましくは、少なくとも1つのポリマーは、それぞれのコーティング材料組成物の主要なバインダーである。本発明の意味における主要なバインダーとして、コーティング材料組成物中に他のバインダー成分が存在しない場合、コーティング材料組成物の総質量に基づいてより高い割合で存在するバインダー成分を指すことが好ましい。
「ポリマー」という用語は、当業者に知られており、本発明の目的のために、重付加物、重合化物及び重縮合物を包含する。「ポリマー」という用語には、ホモポリマー及びコポリマーの両方が含まれる。
ポリマー(P1)及び(P2)の各々は、アミノ樹脂(AR)の架橋性官能基と架橋することができる、すなわちアミノ樹脂(AR)の架橋性官能基との架橋反応を可能とする、架橋性官能基を有する。ポリマー(P1)及び(P2)の架橋性基は、互いに同一又は異なっていてよい。当業者に既知の如何なる一般的な架橋性官能基も存在してよい。ポリマー(P1)及び(P2)の各々の架橋性官能基は、互いに独立して、第1級アミノ基、第2級アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、カルボキシル基及びカルバメート基からなる群より選択される。好ましくは、ポリマー(P1)及び(P2)の各々は、官能性ヒドロキシル基(OH-基)及び/又はカルバメート基、特にヒドロキシル基を有する。
ポリマー(P1)及び(P2)の各々は、好ましくは、互いに独立して、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリ(メタ)アクリレート及び/又は前記ポリマーの構造単位のコポリマー、特にポリウレタン-ポリ(メタ)アクリレート及び/又はポリウレタンポリウレア、及びこれらのハイブリッドポリマーからなる群より選択される。特に、ポリマー(P1)及び(P2)の各々は、好ましくは、互いに独立して、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート及び/又は前記ポリマーの構造単位のコポリマーからなる群より選択される。本発明の文脈における用語「(メタ)アクリル」又は「(メタ)アクリレート」は、各場合において、「メタクリル」及び/又は「アクリル」又は「メタクリレート」及び/又は「アクリレート」の意味を含む。
好ましいポリウレタンは、例えば、ドイツ特許出願DE19948004A1、第4頁第19行~第11頁第29行(polyurethane prepolymer B1)、欧州特許出願EP0228003A1、第3頁第24行~第5頁第40行、欧州特許出願EP0634431A1、第3頁第38行~第8頁第9行、及び国際特許出願WO92/15405、第2頁第35行~第10頁第32行目に記載されている。
好ましいポリエステルは、例えば、DE4009858A1の第6欄53行目~第7欄61行目及び第10欄24行目~第13欄3行目又はWO2014/033135A2の第2頁24行目~第7頁10行目及び第28頁13行目~第29頁13行目に記載されている。同様に好ましいポリエステルは、例えばWO2008/148555A1に記載されているような、樹枝状構造を有するポリエステルである。これらは、クリアコートだけでなく、特に水性ベースコートにおいても使用することができる。
好ましいポリウレタン-ポリ(メタ)アクリレートコポリマー(例えば、(メタ)アクリル化ポリウレタン))及びそれらの調製は、例えば、WO91/15528A1、第3頁第21行目~第20頁第33行目、及びDE4437535A1、第2頁第27行目~第6頁第22行目に記載されている。
好ましいポリ(メタ)アクリレートは、水及び/又は有機溶媒中におけるオレフィン性不飽和モノマーの多段階フリーラジカル乳化重合によって調製できるものである。例えば、シード-コア-シェルポリマー(SCSポリマー)が特に好ましい。このようなポリマー又はこのようなポリマーを含有する水性分散体は、例えば、WO2016/116299A1から公知である。特に好ましいシード-コア-シェルポリマーは、好ましくは100~500nmの平均粒子径を有するポリマーであり、これは、水中のオレフィン性不飽和モノマーの3つの好ましくは異なるモノマー混合物(A1)、(B1)及び(C1)の連続的なフリーラジカル乳化重合によって調製することができ、ここで、混合物(A1)は、25℃で0.5g/l未満の水への溶解度を有する少なくとも50質量%のモノマーを含有し、混合物(A1)から調製されるポリマーは10~65℃のガラス転移温度を有し、そして混合物(B1)は、少なくとも1つの多価不飽和モノマーを含有し、混合物(B1)から調製されるポリマーは-35~15℃のガラス転移温度を有し、そして混合物(C1)から調製されるポリマーは-50~15℃のガラス転移温度を有し、ここで、i.まず混合物(A1)が重合し、ii.次いでi.で形成されたポリマーの存在下で混合物(B1)が重合し、そしてiii.次いでii.で形成されたポリマーの存在下で混合物(C1)が重合する。3つの混合物はすべて、好ましくは互いに異なる。
好ましいポリウレタン-ポリウレアコポリマーは、ポリウレタン-ポリウレア粒子、好ましくは40~2000nmの平均粒子径を有するものであり、各々反応した形態のポリウレタン-ポリウレア粒子は、アニオン性基及び/又はアニオン性基に変換することができる基を含有する少なくとも1つのイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーと、2つの第1級アミノ基及び1つ又は2つの第2級アミノ基を含有する少なくとも1つのポリアミンとを含有する。好ましくは、このようなコポリマーは、水性分散体の形態で使用される。このようなポリマーは、原則として、例えば、ポリイソシアネートとポリオール及びポリアミンとの慣習の重付加によって調製できる。
特に、ポリマー(P1)及び(P2)の各々はヒドロキシル官能性であり、そしてより好ましくは15~200mgKOH/gの範囲、より好ましくは20~150mgKOH/gのOH価を有する。最も好ましいのは、対応するヒドロキシル官能性ポリウレタン-ポリ(メタ)アクリレートコポリマー、ヒドロキシル官能性ポリエステル、ヒドロキシル-ポリ(メタ)アクリレートコポリマー及び/又はヒドロキシル官能性ポリウレタン-ポリウレアコポリマーである。
好ましくは、少なくとも1つのポリマー(P1)は、第1のコーティング材料組成物中に、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、10~50質量%の範囲、より好ましくは12~45質量%の量で存在する。
好ましくは、少なくとも1つのポリマー(P2)は、第2のコーティング材料組成物中に、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、10~50質量%の範囲、より好ましくは12~45質量%の量で存在する。
アミノ樹脂(AR)
好ましくは、第1のコーティング材料組成物又は第2のコーティング材料組成物のどちらかに存在する架橋剤として使用される少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)は、アミノプラスト樹脂、より好ましくはメラミン樹脂、さらにより好ましくはメラミンホルムアルデヒド樹脂、特にヘキサメトキシメチルメラミンホルムアルデヒド樹脂である。アミノプラスト樹脂は一般に、ホルムアルデヒドと、メラミン、尿素、及び/又はベンゾグアナミンなどのアミノ基及び/又はアミド基担持物質との縮合生成物をベースとするものである。
少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)は、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)によって好ましくは少なくとも触媒作用されると、OH-基などの両ポリマー(P1)及び(P2)の架橋性官能基と反応する、架橋性官能基を含有する。
好適なメラミンホルムアルデヒド樹脂を調製するための好適なアルデヒドの例には、メラミンのトリアジン環からペンダント状に結合している窒素原子に結合したC~C基をもたらすものが含まれ、このC~Cアルコール基が窒素結合水素原子の代わりとなる。好適なアルデヒドの具体例には、限定するものではないが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロプアルデヒド(propaldehyde)、ブチルアルデヒド、及びそれらの組み合わせが含まれる。ホルムアルデヒドが特に好ましい。好ましくは、アミノ樹脂(AR)として用いられる少なくとも1つのメラミン樹脂は、ホルムアルデヒド樹脂、より好ましくはモノマーメラミンホルムアルデヒド樹脂、さらにより好ましくはヘキサメトキシアルキルメラミンホルムアルデヒド樹脂、特に、ヘキサメトキシメチルメラミンホルムアルデヒド樹脂、ヘキサメトキシブチルメラミンホルムアルデヒド樹脂、ヘキサメトキシ(メチル及びブチル)メラミンホルムアルデヒド樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択されるヘキサメトキシアルキルメラミンホルムアルデヒド樹脂である。
アルデヒド及びメラミンは、典型的には、アルデヒドとメラミンとの化学量論比が5.4:1~6:1、好ましくは5.7:1~6:1、より好ましくは5.9:1~6:1で反応させる。別の言い方をすれば、メラミン中の反応部位、すなわちイミノ基は、アルデヒドとメラミンとの反応の結果、部分的に反応させることも、完全に反応させることも可能である。理論的には、アルデヒドとメラミンとの比が5.4:1であれば、アルデヒドとメラミンとの反応後、そしてその後のエーテル化におけるアルコールとの反応などの任意のさらなる反応の前に、得られた生成物のアルキロール基の含有量は、反応前にメラミン中に存在する反応性部位の総数に基づいて約90%となる。同様に、アルデヒドとメラミンとの比が5.7:1であれば、アルキロール基の含有量は約95%となり、アルデヒドとメラミンとの比が5.9:1であれば、アルキロール基の含有量は約99%となり、そしてアルデヒドとメラミンとの比が6:1であれば、アルキロール基の含有量は約100%となり、これらはすべてアルコールとの反応などの任意のさらなる反応の前であり、且つすべて反応前にメラミン中に存在する反応性部位の総数に基づくものである。アルデヒドとメラミンとの反応後に未反応であるメラミンからの反応部位は、得られた生成物中にイミノ基として残る。
好ましくは、アミノ樹脂(AR)として用いられるメラミン樹脂は、反応前にメラミン中に存在する反応性部位の総数に基づいて、各場合において、10%以下(約5.4:1のアルデヒドとメラミンとの比に相当)、より好ましくは約5%以下(約5.7:1のアルデヒドとメラミンとの比に相当)、なおより好ましくは約3%以下、さらにより好ましくは約1%以下(約5.9:1のアルデヒドとメラミンとの比に相当)のイミノ基の含有量を有する。メラミン樹脂中の基の残りは、もしある場合は、好ましくはアルコキシアルキル基である。
アミノ樹脂(AR)として用いられるメラミン樹脂は、好ましくは、アルキロール基、より好ましくはメチロール基及び/又は他のアルキロール基、例えばブチロール基を含有する。好ましいブチロール基は、n-ブチロール基である。メチロール基又はメチロール基とブチロール基との混合物も可能である。最も好ましいのはメチロール基である。
アミノ樹脂(AR)として用いられるメラミン樹脂に存在するアルキロール基の少なくとも一部は、少なくとも1つのアルコールとのさらなる反応によりアルキル化され、窒素結合したアルコキシアルキル基を生成する。特に、窒素結合したアルキロール基のヒドロキシル基をアルコールとエーテル化反応させて、窒素結合したアルコキシアルキル基を生成してもよい。アルコキシアルキル基は、両ポリマー(P1)及び(P2)の架橋性官能基、例えばOH-及び/又はカルバメート基との架橋反応に利用できる。アルデヒド/メラミン反応後にアミノ樹脂(AR)として用いられるメラミン樹脂に存在する残りのイミノ基は、アルキル化に用いるアルコールと反応しない。残存するイミノ基の一部は、別のメラミンからの窒素結合したアルキロール基のヒドロキシル基と反応して架橋ユニットを形成する。しかし、残りのイミノ基の大部分は未反応のままである。
上記に概説したように、アミノ樹脂(AR)として用いられるメラミン樹脂のアルキロール基は、部分的にアルキル化される。「部分的にアルキル化される」とは、十分に少ない量のアルコールをメラミン樹脂と反応させて、アルキロール基の不完全なアルキル化をもたらす反応条件下で、メラミン樹脂にアルキロール基の一部を残すことを意味する。メラミン樹脂は、部分的にアルキル化される場合、典型的には、反応前にメラミン中に存在する反応性部位の総数に基づいて、各場合において、少なくとも約7%、より好ましくは約10%~約50%、さらにより好ましくは約15%~約40%の量でアミノプラスト中にアルキロール基を残すのに十分な量のアルコールでアルキル化される。典型的には、メラミン樹脂は、反応前にメラミン中に存在する反応性部位の総数に基づいて、各場合において、約40~約93%、より好ましくは約50~約90%、さらにより好ましくは約60~約75%のアルコキシアルキル基を得るために部分的にアルキル化される。このように、部分的にアルキル化される場合、メラミン樹脂は、典型的には、少なくとも1つのアルコールで、アルコール中のヒドロキシル基とメラミン樹脂中のアルキロール基の化学量論量約0.5:1.0~約0.93:1.0、より好ましくは約0.60:1.0~約0.9:1.0、さらにより好ましくは約0.6:1~約0.85:1.0で、アルキル化される。
好ましくは、メラミン樹脂のメチロール基などのアルキロール基の少なくとも一部、より好ましくは一部のみが、少なくとも1つのアルコールとの反応によってエーテル化される。この目的のために、如何なる一価アルコールも用いることができ、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、さらにベンジルアルコール及び他の芳香族アルコール、環状アルコール、例えばシクロヘキサノール、グリコールのモノエーテル、及びハロゲン置換又は他の置換アルコール、例えば3-クロロプロパノール及びブトキシエタノールが挙げられる。特に、アミノ樹脂(AR)として用いられるメラミン樹脂に、部分的に、メタノール及び/又はブタノールが用いられ、最も好ましくはメタノール及び/又はn-ブタノールが用いられる。
好ましくは、アミノ樹脂(AR)として用いられるメラミン樹脂は、メラミンアルデヒド樹脂、特にメラミンホルムアルデヒド樹脂であり、アルキロール基、好ましくはメチロール基及び/又はブチロール基を、架橋性官能基として、アルデヒドとの反応前にメラミン中に存在する反応性部位の総数に基づいて、好ましくは少なくとも90%の量で有し、そして好ましくは、アルデヒドとの反応前にメラミン中に存在する反応性部位の総数に基づいて、各場合において、10%以下、より好ましくは5%以下、なおより好ましくは3%以下、特に1%以下のイミノ基の含有量を有する。
メラミン樹脂としてのメラミンホルムアルデヒド樹脂には、少なくとも1つのメチロール基(-CHOH)及び/又は少なくとも1つの一般式-CHOR(式中、Rは、1~20個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子、より好ましくは1~4個の炭素原子を有するアルキル鎖である)のアルコキシメチル基、及びそれらの組み合わせが含まれ、この樹脂が特に好ましい。最も好ましくは、ヘキサメトキシメチルメラミン(HMMM)及び/又はヘキサメトキシブチルメラミン(HMBM)であり、(HMMM)が特に好ましい。メトキシブチル基及びメトキシメチル基の組み合わせを含むメラミン樹脂も、メラミン樹脂として好適である。
メラミン樹脂のアルキロール基及びアルコキシアルキル基(例えば、HMMMのCHOCHエーテル基)は特に、例えば、ポリマー(P1)及び(P2)(例えばOH-官能性及び/又はカルバメート官能性ポリマー)のOH-基及び/又はカルバメート基と反応性であり、それは特に、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)、例えば強酸触媒、例えば架橋触媒(CLC1)として用いられるブロックされていないスルホン酸によって触媒された場合である。
好ましくは、架橋剤として使用される少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)は、最大数平均分子量1500g/モルを有する。好ましくは、架橋剤として使用される少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)は、200~1500g/モルの範囲、より好ましくは250~1000g/モル、特に300~700g/モルの数平均分子量を有する。数平均分子量は、「方法」のセクションに開示する方法によって判定する。
好ましくは、少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)は、第1及び第2のコーティング材料組成物の1つに、コーティング材料組成物の総質量に基づいて10~40質量%の範囲、より好ましくは12~35質量%の量で存在する。
架橋触媒(CLC1)及び(CLC2)
好ましくは、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)は、第1及び第2のコーティング材料組成物の1つに、コーティング材料組成物の全固形分含量に基づいて5~40質量%の範囲、より好ましくは7.5~35質量%の量で存在する。
架橋触媒(CLC1)及び(CLC2)は、同一、又は互いに異なるものとすることができる。
好ましくは、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)はスルホン酸、例えばブロックされていないスルホン酸である。好ましくは、少なくとも1つの架橋触媒(CLC2)(存在する場合)も、スルホン酸、例えばブロックされていないスルホン酸である。
架橋触媒(CLC1)、及び好ましくは架橋触媒(CLC2)も、アミノ樹脂(AR)の官能基、例えばアルキロール基及びアルコキシメチル基と、ポリマー(P1)及びポリマー(P2)両方の官能基、例えばこれらのポリマーのOH-基との間の架橋反応を触媒するのに好適である。
ブロックされていないスルホン酸の例は、パラ-トルエンスルホン酸(pTSA)、メタンスルホン酸(MSA)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、ジノニルナフタレンジスルホン酸(DNNDSA)、及びこれらの混合物である。特に、架橋触媒(CLC1)としても、架橋触媒(CLC2)としても、DDBSAが好ましい。
少なくとも1つの架橋触媒(CLC2)が、少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)を追加的に含有する第1及び第2のコーティング材料組成物の1つに存在する場合、これは、それぞれのコーティング材料組成物の全固形分含量に基づいて、各場合において、1~10質量%の範囲、より好ましくは1.5~5質量%の量で存在する。
コーティング材料組成物のさらなる任意の成分
少なくとも第1のコーティング材料組成物は、好ましくは、少なくとも1つの顔料及び/又はフィラーを含む。好ましくは、第1のコーティング材料組成物のみが、少なくとも1つの顔料及び/又はフィラーを好ましくは含む。好ましくは、第2のコーティング材料組成物は、如何なる顔料も含まない。
「顔料」という用語は、例えばDIN55943(日付:2001年10月)から当業者には公知である。本発明の意味における「顔料」は、好ましくは、例えば、それらを囲む媒体、例えば本発明により用いられるコーティング材料組成物の1つなどに実質的に、好ましくは完全に不溶である、粉末又はフレークの形態の成分を指す。顔料は、好ましくは、着色剤及び/又は磁気的、電気的及び/又は電磁気的特性を理由に顔料として使用することができる物質である。顔料は、好ましくはその屈折率において「フィラー」とは異なり、顔料の屈折率は≧1.7である。「フィラー」という用語は、例えばDIN55943(日付:2001年10月)から当業者には公知である。本発明の目的のための「フィラー」は、好ましくは、例えば、適用媒体、例えば本発明により用いられるコーティング材料組成物の1つなどに実質的に、好ましくは完全に不溶であり、特に体積を増大させるために用いられる成分である。本発明の意味における「フィラー」は、好ましくはその屈折率において「顔料」とは異なり、フィラーの屈折率は<1.7である。
当業者に既知の如何なる慣用的なフィラーも使用してよい。好適なフィラーの例は、カオリン、ドロマイト、カルサイト、チョーク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、グラファイト、シリケート、例えばマグネシウムシリケート、特にフィロシリケートに対応するもの、例えばヘクトライト、ベントナイト、モンモリロナイト、タルク及び/又はマイカ、シリカ、特にフュームドシリカ、水酸化物、例えば水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム、又は有機フィラー、例えば織物繊維、セルロース繊維、ポリエチレン繊維又はポリマー粉体である。さらなる詳細については、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag、1998年、第250頁以下、「Fillers」を参照されたい。
当業者に既知の如何なる慣用的な顔料も使用してよい。好適な顔料の例として、無機及び有機着色顔料が挙げられる。好適な無機着色顔料の例として、白色顔料、例えば亜鉛白、硫化亜鉛又はリトポン、黒色顔料、例えばカーボンブラック、鉄マンガンブラック又はスピネルブラック、有彩顔料、例えば酸化クロム、酸化クロム水和物グリーン、コバルトグリーン又はウルトラマリングリーン、コバルトブルー、ウルトラマリンブルー又はマンガンブルー、ウルトラマリンバイオレット又はコバルトバイオレット及びマンガンバイオレット、赤色酸化鉄、カドミウムスルホセレニド、モリブデートレッド又はウルトラマリンレッド、酸化鉄ブラウン、混合ブラウン、スピネル相及びコランダム相又はクロムオレンジ、又は酸化鉄イエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、硫化カドミウム、硫化カドミウム亜鉛、クロムイエロー又はビスマスバナデートが挙げられる。さらなる無機着色顔料は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、特にベーマイト、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、及びこれらの混合物である。好適な有機着色顔料の例として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アントラキノン顔料、ベンズイミダゾール顔料、キノアクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、インダントロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、アゾメチン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料又はアニリンブラックが挙げられる。
1つ以上の顔料及び/又はフィラーがコーティング材料組成物のいずれかに存在する場合、コーティング材料組成物中のその割合は、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、各場合において、好ましくは1.0~40.0質量%の範囲、好ましくは2.0~35.0質量%、特に好ましくは5.0~30.0質量%である。
本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々は、所望の用途に応じて、一般的に用いられる添加剤を1つ以上含有してよい。例えば、各コーティング材料組成物は、反応性希釈剤、光安定剤、酸化防止剤、脱気剤、乳化剤、滑り剤、重合阻害剤、可塑剤、フリーラジカル重合用開始剤、付着促進剤、流動制御剤、膜形成助剤、垂れ制御剤(SCA)、難燃剤、腐食防止剤、乾燥剤、殺生物剤及び/又はマット剤からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤を含んでよい。これらは、既知で慣用の割合で使用することができる。好ましくは、コーティング材料組成物の総質量に基づくそれらの含有量は、0.01~20.0質量%、より好ましくは0.05~15.0質量%、特に好ましくは0.1~10.0質量%、最も好ましくは0.1~7.5質量%、特に0.1~5.0質量%、及び最も好ましくは0.1~2.5質量%である。
本発明により用いられるコーティング材料組成物の各々は、少なくとも1つの増粘剤を任意に含有していてもよい。このような増粘剤の例は、無機増粘剤、例えば金属シリケート、例えばシート状シリケート、及び有機増粘剤、例えばポリ(メタ)アクリル酸増粘剤及び/又は(メタ)アクリル酸(メタ)アクリレートコポリマー増粘剤、ポリウレタン増粘剤及びポリマーワックスである。このような有機増粘剤は、バインダーとして使用されるポリマー(P1)及び(P2)に包含される。金属シリケートは、好ましくはスメクタイトの群より選択される。スメクタイトは、特に好ましくは、モンモリロナイト及びヘクトライトの群より選択される。特に、モンモリロナイト及びヘクトライトは、アルミニウム-マグネシウムシリケート及びナトリウム-マグネシウム及びナトリウム-マグネシウムフッ素-リチウムフィロシリケートからなる群より選択される。これらの無機フィロシリケートは、例えば、Laponite(登録商標)の商標で販売されている。ポリ(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸(メタ)アクリレートコポリマー増粘剤をベースとする増粘剤は、好適な塩基で任意に架橋され、そして又は中和される。このような増粘剤の例として、「アルカリ膨潤性エマルジョン」(ASE)、及びその疎水的に修飾された変形である「親水性修飾アルカリ膨潤性エマルジョン」(HASE)が挙げられる。好ましくは、これらの増粘剤はアニオン性である。対応する製品、例えばRheovis(登録商標)AS1130が市販されている。ポリウレタンベースの増粘剤(例えば、ポリウレタン会合性増粘剤)は、好適な塩基で任意に架橋及び/又は中和される。対応する製品、例えばRheovis(登録商標)PU1250が市販されている。好適なポリマーワックスの例は、エチレン-ビニルアセテートコポリマーをベースとする任意に修飾されたポリマーワックスである。対応する製品は、例えば、Aquatix(登録商標)8421の名称で市販されている。
少なくとも1つの増粘剤がコーティング材料組成物のいずれかに存在する場合、それは好ましくは、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、各場合において、多くとも10質量%、より好ましくは多くとも7.5質量%、最も好ましくは多くとも5質量%、特に多くとも3質量%、最も好ましくは2質量%以下の量で存在する。増粘剤の最小量は、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、各場合において、好ましくは0.1質量%である。
各コーティング材料組成物の調製は、慣用で既知の調製及び混合方法、及び混合ユニットを用いて、又は慣習のディゾルバー及び/又はスターラーを用いて、行うことができる。
本発明の多層コーティング系
本発明のさらなる主題は、本発明の方法によって得ることができる、基材上の多層コーティング系である。
本発明の方法に関連して本明細書に記載したあらゆる好ましい実施形態は、基材上の前述の本発明の多層コーティング系に関する好ましい実施形態でもある。
本発明の使用方法
本発明のさらなる主題は、架橋性官能基を有するアミノ樹脂(AR)の使用方法であり、このアミノ樹脂は、
第1のコーティング材料組成物又は第2のコーティング材料組成物のどちらかに存在し、その両コーティング材料組成物は互いに異なり、その第1のコーティング材料組成物は、アミノ樹脂(AR)の架橋性官能基と架橋することができる架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P1)を含み、そしてその第2のコーティング材料組成物は、アミノ樹脂(AR)の架橋性官能基とやはり架橋することができる架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P2)を含み、ここで、アミノ樹脂(AR)が存在していない第1及び第2のコーティング材料組成物より選択されるコーティング材料組成物は、如何なる架橋剤も含まないが、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含み、この触媒は、アミノ樹脂(AR)の官能基とポリマー(P1)及びポリマー(P2)両方の官能基との間の架橋反応を触媒するのに好適であり、この使用方法は、
そのアミノ樹脂が存在する第1及び第2のコーティング材料組成物より選択される1つのコーティング材料組成物より得られたコーティング膜から、これら2つのコーティング材料組成物の残りのコーティング材料組成物より得られたコーティング膜に、少なくとも部分的に移行するためのものであり、移行は、第1のコーティング材料組成物より得られたコーティング膜に第2のコーティング材料組成物を適用し、その後前記第1のコーティング膜を硬化させて第1のコーティング膜に隣接した第2のコーティング膜を形成した後に起こり、さらにこの使用方法は、少なくとも架橋触媒(CLC1)によって好ましくは触媒されたポリマー(P1)及びポリマー(P2)の両方の架橋性官能基との後続する架橋のためのものである。
本発明の方法及び本発明の基材上の多層コーティング系に関連して本明細書に記載されたあらゆる好ましい実施形態は、前述の本発明の使用方法に関しても好ましい実施形態である。
方法
1. 不揮発性画分
不揮発性画分(固体又は固形分含量)は、DIN EN ISO3251(日付:2008年6月)に準拠して測定する。これは、試料1gを事前に乾燥させたアルミ皿に量り取り、試料が入った皿を乾燥キャビネットで60分間130℃で乾燥させ、デシケーターで冷却してから、再び計量することを伴う。使用した試料の総量に対する残渣が、不揮発性画分に相当する。
2. 数平均分子量(M
平均ポリマー分子量(M、M及びM)をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定するために、完全に溶解したポリマー試料を多孔性カラム固定相で分画する。テトラヒドロフラン(THF)を溶離液として使用する。固定相は、Waters Styragel HR5、HR4、HR3、及びHR2カラムの組み合わせである。5ミリグラムの試料を1.5mLの溶出溶媒に加え、そして0.5μmフィルターを通してろ過する。ろ過後、100μlのポリマー試料溶液を、1.0ml/分の流速でカラムに注入する。分離は、溶離液中に形成されたポリマーコイルの大きさに応じて生じる。ポリマー試料の分子量分布、数平均分子量M、質量平均分子量M、及び最高ピークの分子量Mを、様々な分子量の一連の非分枝ポリスチレン標準を含むポリマー標準検証キットで生成された検量線を利用したクロマトグラフィーソフトウェアを使用して計算する(Polymer Standards Service社から入手可能)。多分散性指数(PDI)を、式M/Mによって判定する。
3. MEK摩擦試験
MEK摩擦試験は、ASTM D5402に準拠して行う。
4. Tukon硬度
コーティングした基材のTukonマイクロ硬度を評価するために、Wolpert Wilson Tukon2100装置を使用する。コーティングした基材をTukon圧子の下にある装置の段に置く。圧子は、ピラミッド型のダイヤモンドチップを使用して、コーティングした基材の表面に25gの荷重を18±0.5秒間適用する。この装置は、糸線接眼測微計(filar micrometer eyepiece)を有する顕微鏡も備える。圧痕完了後、顕微鏡を使用して痕の長さを測定する。装置により、次の式からKnoop硬度値(KHN)を算出する。
Figure 2023540195000001
式中:
0.025= 圧子に適用した荷重、kg
L= 圧痕の長対角線の長さ、mm、及び
= 圧子定数=7.028×10(-2)
5. 付着性(初期及び10日間水浸漬後)
付着性は、ASTM D3359に準拠して測定する。水浸漬条件は、ASTM D870(Standard Practice for Testing Water Resistance of Coatings Using Water Immersion(水浸漬を用いたコーティングの耐水性試験のための標準的な実施方法))に準拠して行う。
6. 外観
10日間水浸暴露した後、硬化したパネルを目視で評価し、コーティングの欠陥を評価する。パネルは暴露していない対照と比較し、2つの条件間の如何なる視覚的な違いも記録する(例えば、白化又は他の色の変化、膨れ、光沢、DOI、又は表面の滑らかさ/粗さ)。
7. MVSS(初期及び10日間水浸漬後)
MVSSは、SAE J1720-Quick Knife Adhesion(QKA)Test for Glass Bonding Systems(ガラス結合系のためのクイックナイフ付着(QKA)試験)に準拠して測定する。水浸漬条件は、ASTM D870(Standard Practice for Testing Water Resistance of Coatings Using Water Immersion(水浸漬を用いたコーティングの耐水性試験のための標準的な実施方法))に準拠して行う。
8. フリーザーグラベロ試験
フリーザーグラベロ試験は、SAE J400-Test for Chip Resistance of Surface Coatings(表面コーティングのチップ耐性試験)に準拠して測定する。
9. 層厚さ
乾燥層厚さは、ASTM D4138-Standard Practices for Measurement of Dry Film Thickness of Protective Coating Systems by Destructive, Cross-Sectioning Means(破壊、断面化法による保護コーティング系の乾燥膜厚測定のための標準的な実施方法)に準拠して測定する。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、その範囲を限定するものとして解釈されるものでない。
1. 第1のコーティング材料組成物として使用されるベースコート
1.1 溶媒系ベースコート組成物BC1
ベースコート組成物BC1は、表1.1に列挙する構成成分をこの順序で混合することにより調製したものであった。BC1は、如何なる架橋剤も含有せず、特にアミノ樹脂を含まないが、架橋触媒(Naxcat(登録商標)1270)を含有していた。BC1は、その総質量に基づいて、54.3質量%の全固形分含量を有していた。
Figure 2023540195000002
Naxcat(登録商標)1270は、市販のスルホン酸架橋触媒(イソプロピルアルコール中のドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA))であった。Naxcat(登録商標)1270はBC1中に、BC1の全固形分含量に基づいて25.46質量%の量で存在していた。
アクリル樹脂1は、BASF Corp社から入手可能なε-カプロラクトン修飾アクリル樹脂であり、73mgKOH/gのOH価及び11100g/モルの質量平均分子量を有していた。この樹脂を、75質量%の固形分含量を有する分散体の形態で使用した。
ポリエステル樹脂(星型)は、BASF Corp社から入手可能な分枝脂肪族星型ポリエステル樹脂であり、115mgKOH/gのOH価及び2000g/モルの質量平均分子量を有していた。この樹脂を、80質量%の固形分含量を有する分散体の形態で使用した。
エマルジョンマイクロゲルは、BASF Corp社から入手可能な分枝アクリルマイクロゲルエマルジョンであり、10mgKOH/gの酸価を有していた。このエマルジョンは、31質量%の固形分含量を有していた。
1.2 溶媒系ベースコート組成物BC2
ベースコート組成物BC2は、表1.2に列挙する構成成分をこの順序で混合することにより調製したものであった。BC2は、アミノ樹脂(Resimene(登録商標)747)を架橋剤として含有していたが、如何なる架橋触媒も含有していなかった。BC2は、その総質量に基づいて、59.3質量%の全固形分含量を有していた。
Figure 2023540195000003
Resimene(登録商標)747は、ヘキサメトキシメチルメラミン-ホルムアルデヒド樹脂(98質量%)であった。エマルジョンマイクロゲルは、BC1に関して本明細書で既に記載した通りである。
1.3 水性ベースコート組成物BC3
ベースコート組成物BC3は、表1.23に列挙する構成成分をこの順序で混合することにより調製したものであった。BC3は、アミノ樹脂(Resimene(登録商標)747)を架橋剤として含有していたが、如何なる架橋触媒も含有していなかった。BC3は、その総質量に基づいて、52.0質量%の全固形分含量を有していた。
Figure 2023540195000004
黒色顔料ペースト1は、黒色顔料8.7質量%、粉砕樹脂9.7質量%、有機溶媒2.7質量%、及び水78.9質量%からなるものであった。粉砕樹脂は、BASF社から入手可能な尿素及び芳香族アンカー基を有するMPEG安定化ポリウレタン-アクリル樹脂であった。
1.4 溶媒系ベースコート組成物BC4(比較例で使用)
ベースコート組成物BC4は、表1.4に列挙する構成成分をこの順序で混合することにより調製したものであった。BC4は、架橋剤として2種類のアミノ樹脂(Resimene(登録商標)755及びResimene(登録商標)764)を含有していた。さらに、BC4は、架橋触媒、すなわちブロック化スルホン酸触媒(アミンブロック化ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA))を含有していた。
Figure 2023540195000005
エマルジョンマイクロゲル、アクリル樹脂1、及びポリエステル樹脂(星型)は、BC1に関して既に記載した通りである。
2. 第2のコーティング材料組成物として使用されるクリアコート
2.1 溶媒系クリアコート組成物CC1
クリアコート組成物CC1は、表2.1に列挙する構成成分をこの順序で混合することにより調製したものであった。CC1は、アミノ樹脂(Resimene(登録商標)747)を架橋剤として含有していた。CC1は、その総質量に基づいて、57.9質量%の全固形分含量を有していた。
Figure 2023540195000006
カルバメートアクリル樹脂は、BASF Corp社から入手可能であり、0mgKOH/gのOH価及び4000g/モルの質量平均分子量を有していた。カルバメート当量は438g/モルであった。この樹脂を、70質量%の固形分含量を有する分散体の形態で使用した。
樹脂ブレンド中に存在するC36ジカルバメートは、2mmolのメチルカルバメート及び1mmolのC36ジオールから得ることができ、60質量%の固形分含量を有する分散体の形態で使用した。カルバメート当量は344g/モルであった。樹脂ブレンド中に存在するIPDI/HPC反応性中間体は、1モルのIPDI三量体及び3モルのヒドロキシプロピルカルバメートから得ることができ、38.5質量%の固形分含量を有する分散体の形態で使用した。カルバメート当量は374g/モルであった。使用した樹脂ブレンドは、合計で55質量%の固形分含量を有していた。
このようにCC1に存在するIPDI/HPC反応性中間体は、樹脂ブレンドに関して既に説明した通りである。
アクリル樹脂2は、BASF Corp社から入手可能であり、GMA-アクリル樹脂、すなわち27400g/モルの質量平均分子量を有するエポキシ樹脂であった。エポキシ当量は430g/モルであった。この樹脂を、60質量%の固形分含量を有する分散体の形態で使用した。
熱硬化性アクリル樹脂は、BASF Corp社から入手可能であり、182mgKOH/gのOH価及び4600g/モルの質量平均分子量を有するOH-官能性アクリル樹脂であった。この樹脂を、67.5質量%の固形分含量を有する分散体の形態で使用した。
BYK(登録商標)LP R23429は、BYK Chemie GmbH社から市販されているレオロジー添加剤である。
2.2 溶媒系クリアコート組成物CC2
クリアコート組成物CC2は、表2.2に列挙する構成成分をこの順序で混合することにより調製したものであった。CC2は、如何なる架橋剤も含有せず、特にアミノ樹脂を含んでいなかった。CC2は、その総質量に基づいて、55.0質量%の全固形分含量を有していた。
Figure 2023540195000007
Setalux(登録商標)10-9701は、市販されている。
Polycin(登録商標)M-365は、365mgKOH/g(100質量固形分)のOH価を有するヒマシ油ベースのポリオールである。
カルバメートアクリル樹脂、樹脂ブレンド(C36ジカルバメート50質量%/IPDI/HPC反応性中間体50質量%)、IPDI/HPC反応性中間体及び熱硬化性アクリル樹脂は、CC1に関して既に記載した通りである。
2.3 溶媒系クリアコート組成物CC3(比較例で使用)
クリアコート組成物CC3は、表2.3に列挙する構成成分をこの順序で混合することにより調製したものであった。CC3は、アミノ樹脂(Resimene(登録商標)747)を架橋剤として含有していた。さらに、CC3は、2種類の架橋触媒、すなわち架橋触媒としてブロック化スルホン酸触媒(アミンブロック化デシルベンゼンスルホン酸(DDBSA))及びNaxcat(登録商標)1270を含有していた。









































Figure 2023540195000008
カルバメートアクリル樹脂、樹脂ブレンド(C36ジカルバメート50質量%/IPDI/HPC反応性中間体50質量%)、IPDI/HPC反応性中間体、アクリル樹脂2及び熱硬化性アクリル樹脂は、CC1に関して既に記載した通りである。
3. 多層コーティング系の調製
3.1 ベースコート組成物BC1及びクリアコート組成物CC1を用いて得られた多層コーティング系IE1
寸法4インチ×12インチの冷間圧延鋼板試験パネルを基材として使用した。パネルはBondrite(登録商標)958リン酸亜鉛前処理剤で前処理し、そしてParcolene(登録商標)90ポストリンスですすいだ(両方ともHenkel社より入手可能)。パネルをBASF社のCathoguard(登録商標)800電着被覆の0.7~0.8ミルの層で電着コーティングし、そして350°F(176.7℃)の基材温度で20分間焼成した(baked)。パネルにBASF U28AW110灰色溶媒系プライマーの0.9~1.1ミルの層をスプレーし、265°F(129.4℃)で25分間焼成した。下塗りしたパネルにBC1をスプレーし、そして周囲条件で4分間フラッシュした。次いでCC1を適用し、周囲条件下で10分間フラッシュした。CCのフラッシュ後、パネルを210°F(98.9℃)で20分間焼成した。
BC1は、基材に適用する前に、n-ブチルアセテートで40cPに希釈し、固形分含量50.49質量%とした。CC1は、基材に適用する前に、n-ブチルアセテートで105cPに希釈した。
ベースコートBC1の硬化後の乾燥膜厚は0.6ミル(15.24μm)、及びクリアコートCC1の硬化後の乾燥膜厚は1.8ミル(45.72μm)であった。
3.2 ベースコート組成物BC2及びクリアコート組成物CC2を用いて得られた多層コーティング系IE2
寸法4インチ×12インチの冷間圧延鋼板試験パネルを基材として使用した。パネルはBondrite(登録商標)958リン酸亜鉛前処理剤で前処理し、そしてParcolene(登録商標)90ポストリンスですすいだ(両方ともHenkel社より入手可能)。パネルをBASF社のCathoguard(登録商標)800電着被覆の0.7~0.8ミルの層で電着コーティングし、そして350°F(176.7℃)の基材温度で20分間焼成した。パネルにBASF U28AW110灰色溶媒系プライマーの0.9~1.1ミルの層をスプレーし、265°F(129.4℃)で25分間焼成した。下塗りしたパネルにBC2をスプレーし、そして周囲条件で4分間フラッシュした。次いでCC2を適用し、周囲条件下で10分間フラッシュした。CCのフラッシュ後、パネルを210°F(98.9℃)で20分間焼成した。
BC2は、基材に適用する前に、n-ブチルアセテートで40cPに希釈した。CC2は、基材に適用する前に、n-ブチルアセテートで85cPに希釈した。
ベースコートBC2の硬化後の乾燥膜厚は0.6ミル(15.24μm)、及びクリアコートCC2の硬化後の乾燥膜厚は1.8ミル(45.72μm)であった。
3.3 ベースコート組成物BC3及びクリアコート組成物CC2を用いて得られた多層コーティング系IE3
寸法4インチ×12インチの冷間圧延鋼板試験パネルを基材として使用した。パネルはBondrite(登録商標)958リン酸亜鉛前処理剤で前処理し、そしてParcolene(登録商標)90ポストリンスですすいだ(両方ともHenkel社社より入手可能)。パネルをBASF社のCathoguard(登録商標)800電着被覆の0.7~0.8ミルの層で電着コーティングし、そして350°F(176.7℃)の基材温度で20分間焼成した。パネルにBASF U28AW110灰色溶媒系プライマーの0.9~1.1ミルの層をスプレーし、265°F(129.4℃)で25分間焼成した。下塗りしたパネルにBC3をスプレーし、そして140°F(60.0℃)で5分間フラッシュした。次いでCC2を適用し、周囲条件下で10分間フラッシュした。CCのフラッシュ後、パネルを210°F(98.9℃)で20分間焼成した。
BC3は、基材に適用する前に、80cPに希釈した。CC2は、基材に適用する前に、n-ブチルアセテートで85cPに希釈した。
ベースコートBC3の硬化後の乾燥膜厚は0.6ミル(15.24μm)、及びクリアコートCC2の硬化後の乾燥膜厚は1.8ミル(45.72μm)であった。
3.4 ベースコート組成物BC4及びクリアコート組成物CC3を用いて得られた多層コーティング系IE4(比較例)
寸法4インチ×12インチの冷間圧延鋼板試験パネルを基材として使用した。パネルはBondrite(登録商標)958リン酸亜鉛前処理剤で前処理し、そしてParcolene(登録商標)90ポストリンスですすいだ(両方ともHenkel社社より入手可能)。パネルをBASF社のCathoguard(登録商標)800電着被覆の0.7~0.8ミルの層で電着コーティングし、そして350°F(176.7℃)の基材温度で20分間焼成した。パネルにBASF U28AW110灰色溶媒系プライマーの0.9~1.1ミルの層をスプレーし、265°F(129.4℃)で25分間焼成した。下塗りしたパネルにBC4をスプレーし、そして140°F(60.0℃)で5分間フラッシュした。次いでCC3を適用し、周囲条件下で10分間フラッシュした。CCのフラッシュ後、パネルを210°F(98.9℃)で20分間焼成した。
4. 多層コーティング系でコーティングした基材の特性
4.1 多層コーティング系IE1
表4.1に、「方法」のセクションで定義された方法によって測定及び/又は判定したいくつかの特性をまとめる。
Figure 2023540195000009
4.2 多層コーティング系IE2
表4.2に、「方法」のセクションで定義された方法によって測定及び/又は判定したいくつかの特性をまとめる。
Figure 2023540195000010
4.3 多層コーティング系IE3
表4.3に、「方法」のセクションで定義された方法によって測定及び/又は判定したいくつかの特性をまとめる。
Figure 2023540195000011
4.4 多層コーティング系IE4
調製後、そして3.4項に記載のように、IE1、IE2及びIE3の場合と同様に、210°F(98.9℃)で20分間焼成した後、得られたパネルに存在する多層コーティング系IE4は粘着性があり(硬化していない)、IE1、IE2及びIE3について成功したのと同じプロトコルによる試験には、適していないことがわかった。IE4とは対照的に、IE1、IE2及びIE3の各々は、210°F(98.9℃)で20分間焼成すると、優れた硬化を呈した(粘着性がない)。IE4の場合、十分な硬化は、285°F(140℃)で20分後、つまり顕著により高い焼成温度で初めて達成された。

Claims (15)

  1. 少なくとも工程(1)、(2)、及び(3)を含む、基材上に多層コーティング系を製造する方法であって、
    (1) 任意に事前コーティングされた基材に、第1のコーティング材料組成物を適用し、そして前記任意に事前コーティングされた基材上に、第1のコーティング膜を形成する工程、
    (2) 前記第1のコーティング膜を硬化させる前に、工程(1)の後に得られた基材上に存在する前記第1のコーティング膜に、第2のコーティング材料組成物を適用し、そして前記第1のコーティング膜に隣接する第2のコーティング膜を形成する工程、
    (3) 第1及び第2のコーティング膜を一緒に硬化させる工程であって、硬化した前記第2のコーティング膜が、形成された多層コーティング系の最外層である、硬化させる工程
    を含み、
    ここで、前記第1及び第2のコーティング材料組成物は互いに異なり、前記第1のコーティング材料組成物は、架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P1)を含み、そして前記第2のコーティング材料組成物は、架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P2)を含み、
    ここで、前記第1及び第2のコーティング材料組成物のうちの1つは、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に、ポリマー(P1)及びポリマー(P2)両方の架橋性官能基と架橋することができる架橋性官能基を有する架橋剤としての少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)をさらに含み、そしてこれら2つのコーティング材料組成物の残りは、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に如何なる架橋剤も含まないが、工程(1)又は(2)におけるその使用の前に、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含み、該触媒は、アミノ樹脂(AR)の官能基とポリマー(P1)及びポリマー(P2)両方の官能基との間の架橋反応を触媒するのに好適である、方法。
  2. さらなる工程(1a)及び/又はさらなる工程(2a)を含むことを特徴とし、工程(1a)を工程(1)の後且つ工程(2)の前に行い、そして工程(2a)を工程(2)の後且つ工程(3)の前に行う、すなわち、
    (1a) 工程(1)の後に得られた前記第1のコーティング膜を1~20分の間フラッシュオフし、その後工程(2)で前記第2のコーティング材料組成物を適用する工程、
    (2a) 工程(2)の後に得られた前記第2のコーティング膜を1~20分の間フラッシュオフし、その後硬化工程(3)を行う工程、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(1)又は(2)におけるその使用前に少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)を架橋剤として含む第1及び第2のコーティング材料組成物より選択されるコーティング材料組成物が、工程(1)又は(2)におけるその使用前に、如何なる架橋触媒も全く含まないか、又は工程(1)又は(2)におけるその使用前に、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)と同一の又は異なる少なくとも1つの架橋触媒(CLC2)を含むことを特徴とし、該架橋触媒の量は、コーティング材料組成物の総質量に基づいて、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)の量よりも少なく、この架橋触媒(CLC1)は、前記2つのコーティング材料組成物の残りに存在するものであり、この残りは、工程(1)又は(2)におけるその使用前に、前記コーティング材料組成物の総質量に基づいて如何なる架橋剤も含まないものである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第1のコーティング材料組成物が、工程(1)におけるその使用前に、架橋剤としての少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)、及び少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)と同一の又は異なる任意の少なくとも1つの架橋触媒(CLC2)を含み、そして前記第2のコーティング材料組成物が、工程(2)におけるその使用前に、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含み、又は前記第2のコーティング材料組成物が、工程(2)におけるその使用前に、架橋剤としての少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)、及び少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)と同一の又は異なる任意の少なくとも1つの架橋触媒(CLC2)を含み、そして前記第1のコーティング材料組成物が、工程(1)におけるその使用前に、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第1のコーティング材料組成物が溶媒系又は水系コーティング材料組成物であり、そして前記第2のコーティング材料組成物が溶媒系コーティング材料組成物であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記第1のコーティング材料組成物がベースコート材料コーティング組成物であり、そして前記第2のコーティング材料組成物がクリアコートコーティング材料組成物である、又は前記第1のコーティング材料組成物がプライマー材料コーティング組成物であり、そして前記第2のコーティング材料組成物がトップコートコーティング材料組成物であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程(3)を、110℃未満、好ましくは105℃未満の温度で、5~45分間、好ましくは10~35分間行うことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 存在する架橋剤として使用される少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)が、アミノプラスト樹脂、好ましくはメラミン樹脂、より好ましくはメラミンホルムアルデヒド樹脂、特にヘキサメトキシメチルメラミンホルムアルデヒド樹脂であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 架橋剤として使用される少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)が、最大数平均分子量1500g/モルを有し、好ましくは、200~1500g/モルの範囲、より好ましくは250~1000g/モル、特に300~700g/モルの数平均分子量を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 少なくとも1つのアミノ樹脂(AR)が、前記第1及び第2のコーティング材料組成物の1つに、前記コーティング材料組成物の総質量に基づいて10~40質量%の範囲、より好ましくは12~35質量%の量で存在することを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)がブロックされていないスルホン酸であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)が、前記第1及び第2のコーティング材料組成物の1つに、前記コーティング材料組成物の全固形分含量に基づいて5~40質量%の範囲の量で存在することを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. ポリマー(P1)及び(P2)のそれぞれが、ヒドロキシル基を架橋性官能基として有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の方法により得ることができる、基材上の多層コーティング系。
  15. 架橋性官能基を有するアミノ樹脂(AR)の使用方法であって、該アミノ樹脂が、
    第1のコーティング材料組成物又は第2のコーティング材料組成物のどちらかに存在し、その両コーティング材料組成物は互いに異なり、前記第1のコーティング材料組成物は、アミノ樹脂(AR)の架橋性官能基と架橋することができる架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P1)を含み、そして前記第2のコーティング材料組成物は、アミノ樹脂(AR)の架橋性官能基とやはり架橋することができる架橋性官能基を有する少なくとも1つのポリマー(P2)を含み、ここで、アミノ樹脂(AR)が存在していない前記第1及び第2のコーティング材料組成物より選択されるコーティング材料組成物は、如何なる架橋剤も含まないが、少なくとも1つの架橋触媒(CLC1)を含み、この触媒は、アミノ樹脂(AR)の官能基とポリマー(P1)及びポリマー(P2)両方の官能基との間の架橋反応を触媒するのに好適であり、該使用方法は、
    そのアミノ樹脂が、存在する前記第1及び第2のコーティング材料組成物より選択される1つのコーティング材料組成物より得られたコーティング膜から、これら2つのコーティング材料組成物の残りのコーティング材料組成物より得られたコーティング膜に、少なくとも部分的に移行するためのものであり、移行は、前記第1のコーティング材料組成物より得られたコーティング膜に前記第2のコーティング材料組成物を適用し、その後前記第1のコーティング膜を硬化させて前記第1のコーティング膜に隣接した第2のコーティング膜を形成した後に起こり、
    さらに、少なくとも架橋触媒(CLC1)によって好ましくは触媒されたポリマー(P1)及びポリマー(P2)の両方の架橋性官能基との後続する架橋のためのものである、使用方法。
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