JP2023184174A - 連結車両の制御装置、連結車両の制御方法、および連結車両の制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】トレーラの進行方向の制御性を高めることができるようにした連結車両の制御装置を提供する。【解決手段】PU52は、ユーザインターフェース80の操作によって入力されるトレーラの進行方向の指令に、実際の進行方向を近づけるように、トラクタの操舵系60を操作する。PU52は、ユーザインターフェース80の操作によって入力される車速に応じて連結車両の車速を制御する。その際、PU52は、ユーザインターフェース80の操作によって入力されるトレーラの進行方向の指令に応じて車速を小さい側に制限する。【選択図】図2
Description
本発明は、連結車両の制御装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、連結車両の後退制御をアシストする制御装置が記載されている。この制御装置は、曲率半径が小さい経路を連結車両が走行している場合には、連結車両を経路に沿って走行させる制御を維持するために車速の絶対値を制限する。
上記制御装置では、連結車両の走行経路に応じて車速の絶対値を制限することによって、トレーラの進行方向を所望の方向に維持しうる。ただし、連結車両の経路自体は、トレーラの進行方向を直接的に定める変数ではない。そのため、トレーラの進行方向を制御するうえでの制御性が必ずしも高くない。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.トラクタと、前記トラクタによって牽引されるトレーラと、を備える連結車両に適用され、前記連結車両は、運転者が目標仮想操舵角を指示するためのインターフェースを備え、前記目標仮想操舵角は、仮想操舵角の目標値であり、前記仮想操舵角は、前記トレーラと前記トラクタとの連結箇所の進行方向を示す変数であり、目標仮想操舵角取得処理、仮想操舵角制御処理、および車速制限処理を実行するように構成され、前記目標仮想操舵角取得処理は、前記目標仮想操舵角を取得する処理であり、前記仮想操舵角制御処理は、前記仮想操舵角を前記目標仮想操舵角に制御すべく前記連結車両の操舵系を操作する処理を含み、前記車速制限処理は、前記仮想操舵角制御処理の実行中に、前記連結車両の車速の絶対値を小さい側に制限する処理であって且つ、前記目標仮想操舵角を入力として前記車速の絶対値を小さい側に制限する仮想操舵角依存処理を含む連結車両の制御装置である。
1.トラクタと、前記トラクタによって牽引されるトレーラと、を備える連結車両に適用され、前記連結車両は、運転者が目標仮想操舵角を指示するためのインターフェースを備え、前記目標仮想操舵角は、仮想操舵角の目標値であり、前記仮想操舵角は、前記トレーラと前記トラクタとの連結箇所の進行方向を示す変数であり、目標仮想操舵角取得処理、仮想操舵角制御処理、および車速制限処理を実行するように構成され、前記目標仮想操舵角取得処理は、前記目標仮想操舵角を取得する処理であり、前記仮想操舵角制御処理は、前記仮想操舵角を前記目標仮想操舵角に制御すべく前記連結車両の操舵系を操作する処理を含み、前記車速制限処理は、前記仮想操舵角制御処理の実行中に、前記連結車両の車速の絶対値を小さい側に制限する処理であって且つ、前記目標仮想操舵角を入力として前記車速の絶対値を小さい側に制限する仮想操舵角依存処理を含む連結車両の制御装置である。
車速の絶対値が低い場合には高い場合よりも仮想操舵角を目標仮想操舵角に制御する制御性を高めやすい。そこで上記構成では、目標仮想操舵角を入力として車速の絶対値を小さい側に制限する。これにより、目標仮想操舵角への制御性を高めやすいように車速の絶対値を制限することができる。
2.前記仮想操舵角依存処理は、前記目標仮想操舵角に応じて前記車速の絶対値を小さい側に制限する処理であって且つ、前記目標仮想操舵角が示す、前記トレーラの直進方向に対する前記進行方向のなす角度の絶対値が大きい場合の前記車速の絶対値が前記なす角度の絶対値が小さい場合の前記車速の絶対値以下となるようにする処理を含む上記1記載の連結車両の制御装置である。
トレーラの旋回制御はトレーラの直進制御よりも難易度が高い。そして、トレーラの旋回制御の難易度は車速の絶対値が高い場合に低い場合よりも大きくなる。そこで、上記構成では、仮想操舵角依存処理を実行する。仮想操舵角依存処理は、目標仮想操舵角に応じて車速の絶対値を制限する処理である。そのため、仮想操舵角依存処理は、トレーラの旋回半径が第1の半径の場合の車速の絶対値を旋回半径を第1の半径よりも大きい第2の半径の場合の車速の絶対値未満とする処理を含む。これにより、トレーラの旋回制御の制御性を高めることができる。
3.車速制限処理は、前記目標仮想操舵角の変化速度の絶対値に応じて前記車速の絶対値の大きさを制限する処理であって、前記変化速度の絶対値が大きい場合の前記車速の絶対値が前記変化速度の絶対値が小さい場合の前記車速の絶対値以下となるようにする変化速度依存処理を含む上記1または2記載の連結車両の制御装置である。
車速の絶対値が大きい場合に目標仮想操舵角の変化速度を大きくするうえで要求される操舵系の動作速度は、車速の絶対値が小さい場合に目標仮想操舵角の変化速度を大きくするうえで要求される操舵系の動作速度よりも大きくなる傾向がある。一方、操舵系の動作速度には限界がある。そこで、上記構成では、変化速度依存処理を実行する。変化速度依存処理は、目標仮想操舵角の変化速度の絶対値に応じて車速の絶対値を制限する処理であることから、目標仮想操舵角の変化速度の絶対値が大きい場合に車速の絶対値をより小さい側に制限する処理を含む。これにより、目標仮想操舵角の変化速度の絶対値が大きい場合であっても、仮想操舵角の目標仮想操舵角への追従性が低下することを抑制できる。
4.仮想操舵角取得処理を実行するように構成され、前記仮想操舵角取得処理は、前記仮想操舵角を取得する処理であり、前記仮想操舵角制御処理は、フィードバック処理を含み、前記フィードバック処理は、フィードバック制御によって、前記仮想操舵角を前記目標仮想操舵角に近づける処理であり、前記車速制限処理は、前記仮想操舵角と前記目標仮想操舵角との差の絶対値に応じて前記車速の絶対値を制限する処理であって且つ、前記差の絶対値が大きい場合の前記車速の絶対値が前記差の絶対値が小さい場合の前記車速の絶対値以下となるようにする偏差依存処理を含む上記1~3のいずれか1つに記載の連結車両の制御装置である。
仮想操舵角を目標仮想操舵角に近づけるフィードバック制御の制御性は、車速の絶対値が低い場合に高い場合よりも高くなる。そこで、上記構成では、偏差依存処理を実行する。偏差依存処理は、仮想操舵角と目標仮想操舵角との差の絶対値に応じて車速の絶対値を制限する処理であることから、仮想操舵角と目標仮想操舵角との差の絶対値が大きい場合には、車速の絶対値を小さい側に制限する処理が含まれる。これにより、フィードバック制御の制御性を高めることができる。
5.前記偏差依存処理は、前記仮想操舵角と前記目標仮想操舵角との差の絶対値が閾値以上となる場合の前記車速の絶対値を前記差の絶対値が前記閾値未満の場合に取り得る前記車速の絶対値の最大値よりも小さい第1速度以下に制限する処理と、前記差の絶対値が前記閾値以上の状態から前記閾値未満の状態に移行した時点から所定期間において前記車速の絶対値を前記第1速度以下に制限する処理と、を含む上記4記載の連結車両の制御装置である。
上記構成では、上記絶対値が閾値以上の状態から閾値未満の状態に移行した時点から所定期間においては、車速の絶対値を第1速度以下に制限する処理を継続する。これにより、閾値未満の状態から閾値以上の状態に再度移行して車速の絶対値を再度第1速度以下に制限するハンチング現象が生じることを抑制できる。
6.ヒッチ角を取得するヒッチ角取得処理を実行するように構成され、ヒッチ角は、前記トラクタの前後方向と前記トレーラの前後方向とのなす角度であり、前記車速制限処理は、前記ヒッチ角に応じて前記車速の絶対値を制限する処理であって且つ、前記ヒッチ角とジャックナイフヒッチ角との差の絶対値が小さい場合の前記車速の絶対値が前記ヒッチ角と前記ジャックナイフヒッチ角との差の絶対値が大きい場合の前記車速の絶対値以下となるようにするヒッチ角依存処理を含み、前記ジャックナイフヒッチ角は、ジャックナイフが生じるヒッチ角である上記1~5のいずれか1つに記載の連結車両の制御装置である。
ヒッチ角がジャックナイフヒッチ角となると、トレーラの操舵制御ができなくなる。そこで、上記構成では、ヒッチ角依存処理を実行する。ヒッチ角依存処理は、ヒッチ角に応じて車速の絶対値を制限する処理であることから、ジャックナイフヒッチ角とヒッチ角との差の絶対値が小さい場合に、車速の絶対値を小さい値に制限する処理を含む。これにより、ジャックナイフヒッチ角とヒッチ角との差の絶対値が小さい場合に、ヒッチ角の制御の制御性を高めることができる。したがって、ヒッチ角がジャックナイフヒッチ角となることを抑制できる。
7.車速制御処理を実行するように構成され、前記車速制御処理は、前記車速を制御すべく前記トラクタの駆動系を操作する処理であり、前記車速制限処理は、前記車速制御処理によって制御される前記車速の絶対値を小さい側に制限する処理である上記1~6のいずれか1つに記載の連結車両の制御装置である。
上記構成では、車速制限処理を実行することにより、車速制御処理による車速の制御によって、トレーラの制御性が低下することを抑制できる。
8.受付処理を実行するように構成され、前記受付処理は、前記運転者による前記車速の絶対値の指示を受け付ける処理であり、前記車速制限処理は、前記車速の絶対値の上限値を算出する処理であり、前記車速制御処理は、前記連結車両の実際の車速の絶対値が前記上限値以下となる条件で、前記運転者によって指示された前記車速に近づけるように制御する処理を含む上記7記載の連結車両の制御装置である。
8.受付処理を実行するように構成され、前記受付処理は、前記運転者による前記車速の絶対値の指示を受け付ける処理であり、前記車速制限処理は、前記車速の絶対値の上限値を算出する処理であり、前記車速制御処理は、前記連結車両の実際の車速の絶対値が前記上限値以下となる条件で、前記運転者によって指示された前記車速に近づけるように制御する処理を含む上記7記載の連結車両の制御装置である。
上記構成では、受付処理を実行することにより、連結車両の車速を極力、運転者の意向に沿った車速に制御できる。
9.前記車速制御処理は、目標車速設定処理、および操作処理を含み、前記目標車速設定処理は、前記指示された車速の絶対値、前記上限値およびデフォルト車速の絶対値のうちの最小値を目標車速の絶対値とする処理であり、前記操作処理は、前記車速の絶対値が前記目標車速の絶対値に近づくように前記連結車両の駆動系を操作する処理である上記8記載の連結車両の制御装置である。
9.前記車速制御処理は、目標車速設定処理、および操作処理を含み、前記目標車速設定処理は、前記指示された車速の絶対値、前記上限値およびデフォルト車速の絶対値のうちの最小値を目標車速の絶対値とする処理であり、前記操作処理は、前記車速の絶対値が前記目標車速の絶対値に近づくように前記連結車両の駆動系を操作する処理である上記8記載の連結車両の制御装置である。
上記構成によれば、デフォルト車速の絶対値によって、上記上限値によっては表現できないファクターを考慮することができる。
10.前記仮想操舵角制御処理を前記連結車両の後退制御時に実行するように構成されている上記1~9のいずれか1つに記載の連結車両の制御装置。
10.前記仮想操舵角制御処理を前記連結車両の後退制御時に実行するように構成されている上記1~9のいずれか1つに記載の連結車両の制御装置。
連結車両の後退制御は前進制御以上に難易度が高い。そのため、仮想操舵角制御処理および車速制限処理によって、難易度の高い後退制御の制御性を高めることができる。
11.上記1~10のいずれか1つに記載の連結車両の制御装置における前記各処理を実行する工程を有した連結車両の制御方法である。
11.上記1~10のいずれか1つに記載の連結車両の制御装置における前記各処理を実行する工程を有した連結車両の制御方法である。
12.上記1~10のいずれか1つに記載の連結車両の制御装置における前記各処理をコンピュータに実行させる連結車両の制御プログラムである。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
「連結車両の構成」
図1に示すように、連結車両10は、トラクタ20およびトレーラ30を有している。トラクタ20は、前輪22および後輪24を備える。前輪22は右前輪および左前輪の2輪を含み、後輪24は右後輪および左後輪の2輪を含む。また、図1には、トレーラ30として、箱型のトレーラを例示する。トレーラ30は、車輪32を有している。車輪32は、右車輪および左車輪の2輪を含む。
「連結車両の構成」
図1に示すように、連結車両10は、トラクタ20およびトレーラ30を有している。トラクタ20は、前輪22および後輪24を備える。前輪22は右前輪および左前輪の2輪を含み、後輪24は右後輪および左後輪の2輪を含む。また、図1には、トレーラ30として、箱型のトレーラを例示する。トレーラ30は、車輪32を有している。車輪32は、右車輪および左車輪の2輪を含む。
トレーラ30は、ボールジョイント40を介してトラクタ20の後部に連結されている。ボールジョイント40は、トレーラ30を、トラクタ20に対して軸42を中心として回転可能に連結する部材である。軸42は、トラクタ20の高さ方向に沿って延びる。
図2に、トラクタ20が備える部材の一部を示す。図2に示すように、トラクタ20は、制御装置50を備えている。制御装置50は、制御対象としての連結車両10の制御量を制御すべく、操舵系60、駆動系62、および制動系64を操作する。制御量は、車速、走行方向、およびヒッチ角等である。ヒッチ角は、トラクタ20の前後方向とトレーラ30の前後方向とのなす角度である。
操舵系60は、転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを含む。転舵輪は、たとえば、図1に示す前輪22である。なお、操舵系60に転舵アクチュエータを操作する転舵制御装置を含めてもよい。その場合、「制御装置50が操舵系60を操作する」とは、制御装置50が転舵制御装置に指令信号を出力することを意味する。
駆動系62は、車両の推力生成装置としての、内燃機関および回転電機の2つのうちの少なくとも1つを含む。なお、駆動系62に、内燃機関および回転電機を制御対象とする駆動制御装置を含めてもよい。その場合、「制御装置50が駆動系62を操作する」とは、制御装置50が駆動制御装置に指令信号を出力することを意味する。
制動系64は、摩擦力によって車輪の回転を減速させる装置と、車輪の動力を電気エネルギに変換することによって車輪の回転を減速させる装置との2つのうちの少なくとも1つを含む。なお、電気エネルギに変換することによって車輪の回転を減速させる装置は、駆動系の回転電機と共有されていてもよい。なお、制動系64に、車輪の回転を減速させる装置を制御対象とする制動制御装置を含めてもよい。その場合、「制御装置50が制動系62を操作する」とは、制御装置50が制動制御装置に指令信号を出力することを意味する。
制御装置50は、制御量を制御すべく、舵角センサ70によって検出される転舵輪の転舵角α1を参照する。転舵角α1は、右旋回および左旋回のうちのいずれか一方の符号が正、他方の符号が負となる値である。転舵角α1は、タイヤの切れ角である。なお、たとえば操舵系60がラックアンドピニオン機構を備える場合、舵角センサ70をピニオン角を検出するセンサとしてもよい。ただし、その場合、制御装置50がピニオン角をタイヤの切れ角に変換する処理を実行する。以下では、説明の便宜上、タイヤの切れ角が上記変換する処理によって得られたものであっても、舵角センサ70の検出値と見なす。
また制御装置50は、ヒッチ角センサ72によって検出されるヒッチ角βを参照する。ヒッチ角βは、トラクタ20の後方から前方に進む方向とトレーラ30の後方から前方に進む方向とのなす角度に応じて正、負の双方の符号を取り得る。たとえば、トラクタ20の後方から前方に進む方向に対してトレーラ30の後方から前方に進む方向が反時計回りに180°未満ずれる場合のヒッチ角βの符号を、正としてもよい。また、制御装置50は、車輪速センサ74によって検出される車輪速度ωw1~ωw4を参照する。車輪速度ωw1,ωw2は、それぞれ、右側の前輪22の回転速度、および左側の前輪22の回転速度である。車輪速度ωw3,ωw4は、それぞれ、右側の後輪24の回転速度、および左側の後輪24の回転速度である。
制御装置50は、制御量の制御を、ユーザインターフェース80の操作状態に応じて設定する。ユーザインターフェース80は、自動運転および手動運転の2つのうちのいずれか1つを選択する等、ユーザの意思を制御装置50に伝達するためのものである。
制御装置50は、PU52および記憶装置54を備えている。PU52は、CPU、GPU、およびTPU等の少なくとも1つを備えるソフトウェア処理装置である。記憶装置54には、後退アシストプログラム54aが記憶されている。後退アシストプログラム54aは、PU52に、後退アシスト処理を実行させる指令を規定するプログラムである。後退アシスト処理は、連結車両10の後退走行において転舵輪の転舵処理を自動で行う処理である。後退アシストプログラム54aは、運転者による後退運転の負荷を軽減するためのプログラムである。
すなわち、連結車両10の後退走行においては、トラクタ20の転舵角α1が同一であっても、トレーラ30の挙動は、ヒッチ角βに応じて変化する。そのため、後退制御には、高い運転技能が要求される。後退アシストプログラム54aによる後退アシスト処理は、トラクタ20の転舵角α1を制御することによって運転者をアシストする処理である。ただし、後退アシスト処理は、トレーラ30の操舵に対する指示を運転者に委ねる。これは、トレーラ30の操舵をも制御装置50が設定する場合には、制御装置50に対する要求が高くなるためである。運転者に一部の指示をゆだねることにより、比較的簡素な処理によって後退制御を実行することが可能となる。
「後退アシスト処理における操舵」
図3に後退アシスト処理における操舵に関する処理の手順を示す。図3に示す処理は、PU52が後退アシストプログラム54aをたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、各処理のステップ番号を表現する。
図3に後退アシスト処理における操舵に関する処理の手順を示す。図3に示す処理は、PU52が後退アシストプログラム54aをたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、各処理のステップ番号を表現する。
図3に示す一連の処理において、PU52は、まず、後退アシストモードであるか否かを判定する(S10)。PU52は、後退アシストモードであると判定する場合(S10:YES)、ユーザインターフェース80に入力された目標仮想操舵角α2*を取得する(S12)。目標仮想操舵角α2*は、仮想操舵角α2の目標値である。本実施形態では、一例として、トレーラ30の前後方向に対するボールジョイント40の進行方向のなす角度によって、仮想操舵角α2を定義する。目標仮想操舵角α2*は、トレーラ30の操舵に対する運転者の指示を示す変数である。
次にPU52は、ヒッチ角センサ72によって検出されたヒッチ角βを取得する(S14)。また、PU52は、舵角センサ70によって検出された転舵角α1を取得する(S16)。
そして、PU72は、転舵角α1およびヒッチ角βを入力として、仮想操舵角α2を算出する(S18)。ここで、図4に基づき、仮想操舵角α2を転舵角α1およびヒッチ角βから算出する理由を説明する。
図4は、本実施形態で用いる連結車両10のモデルを示す。図4に示すモデルは、トラクタ20の一対の前輪22を前輪C0として且つ、トラクタ20の一対の後輪24を後輪B1とする。すなわち、トラクタ20について2輪モデルを採用している。また、トレーラ30の一対の車輪32を車輪B2とする。前輪C0およびヒッチ点C1によって定まる線と、ヒッチ点C1および車輪B2によって定まる線とのなす角が、ヒッチ角βである。ヒッチ点C1は、図1の軸42部分に相当する。また、前輪C0の速度である前輪速度VC0は、転舵角α1の方向に進むベクトルとしている。転舵角α1は、前輪C0の進む方向と、前輪C0およびヒッチ点C1によって定まる線とのなす角度として定量化されている。車速Vの方向は、前輪C0およびヒッチ点C1によって定まる線に平行である。また、車速Vの方向と、図4のx方向とのなす角は、角度θ1である。また、車輪B2とヒッチ点C1とを結ぶ線とx方向とのなす角は、角度θ2である。また、距離l1は、前輪C0および後輪B1間の長さである。また、距離h1は、後輪B1およびヒッチ点C1間の長さである。距離l2は、ヒッチ点C1および車輪B2間の長さである。
上述した定義によれば、車輪B2からヒッチ点C1に進む方向に対するヒッチ点C1の速度VC1の方向が仮想操舵角α2となる。ヒッチ点C1から前輪C0に進む方向に対するヒッチ点C1の速度VC1の方向のなす角度γ1を用いると、仮想操舵角α2は、「-(β-γ1)」となる。
図4に示すモデルにおいて、前輪C0の座標(xc0,yc0)、後輪B1の座標(xb1,yb1)およびヒッチ点C1の座標(xc1,yc1)を用いると、以下の式(c1)~(c3)が成立する。
VC0・cosα1=VB1 …(c1)
xc0=xb1+l1・cosθ1 …(c2)
xc1=xb1-h1・cosθ1 …(c3)
上記の式(c2),(c3)の両辺を微分した式および式(c1)を用いると、以下の式(c4)が得られる。
xc0=xb1+l1・cosθ1 …(c2)
xc1=xb1-h1・cosθ1 …(c3)
上記の式(c2),(c3)の両辺を微分した式および式(c1)を用いると、以下の式(c4)が得られる。
h1・tanα1+l1・tanγ1=0 …(c4)
上記の式(c4)によれば、角度γ1が転舵角α1によって表現できる。したがって、仮想操舵角α2は、以下の式(c5)にて表現される。
上記の式(c4)によれば、角度γ1が転舵角α1によって表現できる。したがって、仮想操舵角α2は、以下の式(c5)にて表現される。
α2=-β-arctan{(h1/l1)・tan(α1)} …(c5)
すなわち、仮想操舵角α2は、ヒッチ角βおよび転舵角α1から求めることができる。
図3には、上記の式(c5)を記載しているが、実際には、記憶装置54にマップデータを記憶しておくことにより、PU52は、S18の処理において、仮想操舵角α2をマップ演算してもよい。マップデータは、ヒッチ角βおよび転舵角α1を入力変数として且つ、仮想操舵角α2を出力変数とする。
すなわち、仮想操舵角α2は、ヒッチ角βおよび転舵角α1から求めることができる。
図3には、上記の式(c5)を記載しているが、実際には、記憶装置54にマップデータを記憶しておくことにより、PU52は、S18の処理において、仮想操舵角α2をマップ演算してもよい。マップデータは、ヒッチ角βおよび転舵角α1を入力変数として且つ、仮想操舵角α2を出力変数とする。
ここで、マップデータとは、入力変数の離散的な値と、入力変数の値のそれぞれに対応する出力変数の値と、の組データである。また、マップ演算は、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれかに一致する場合、対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とする処理とすればよい。また、マップ演算は、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれにも一致しない場合、マップデータに含まれる複数の出力変数の値の補間によって得られる値を演算結果とする処理とすればよい。また、これに代えて、マップ演算は、入力変数の値がマップデータの入力変数の値のいずれにも一致しない場合、マップデータに含まれる複数の入力変数の値のうちの最も近い値に対応するマップデータの出力変数の値を演算結果とする処理としてもよい。
次に、PU52は、仮想操舵角α2を制御量として且つ目標仮想操舵角α2*を制御量の目標値とするフィードバック制御による操作量としての目標転舵角α1*を算出する(S20)。操作量は、たとえば、制御量とその目標値との差を入力とする比例要素の出力値であってもよい。また、たとえば、操作量は、同差を入力とする積分要素の出力値および比例要素の出力値の和であってもよい。また、たとえば、操作量は、同差を入力とする比例要素の出力値、積分要素の出力値および微分要素の出力値の和であってもよい。
次に、PU52は、転舵角α1を制御量として且つ目標転舵角α1*を目標制御量とするフィードバック制御のための操作量を算出する(S22)。そしてPU52は、操作量に応じて操舵系60を操作する(S24)。
なお、PU52は、S24の処理を完了する場合と、S10の処理において否定判定する場合と、には、図3に示す一連の処理を一旦終了する。
「後退アシスト処理における車速の制御」
図5に、後退アシスト処理における車速の制御に関する処理の手順を示す。図5に示す処理は、PU52が後退アシストプログラム54aをたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。
「後退アシスト処理における車速の制御」
図5に、後退アシスト処理における車速の制御に関する処理の手順を示す。図5に示す処理は、PU52が後退アシストプログラム54aをたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。
図5に示す一連の処理において、PU52は、まず後退アシスト制御モードであるか否かを判定する(S30)。PU52は、後退アシスト制御モードであると判定する場合(S30:YES)、ユーザ設定車速Vuを取得する(S32)。ユーザ設定車速Vuは、ユーザインターフェース80の入力操作によって運転者によって指示される連結車両10の車速Vの絶対値である。次に、PU52は、連結車両10の現在の状態に応じた車速の絶対値の上限値Vthを算出する(S34)。
そして、PU52は、ユーザ設定車速Vu、上限値Vthおよびデフォルト値Vdのうちの最小値に「-1」を乗算した値を目標車速V*に代入する(S36)。「-1」を乗算するのは、後退時の車速Vの符号を負としているためである。デフォルト値Vdは、安定余裕度から予め定められる車速の絶対値の上限値である。後退アシスト制御モードにおける安定余裕度は、車速Vの絶対値が大きくなるほど小さくなる。そのため、安定余裕度が一定値以上となるようにデフォルト値Vdが設定されている。また、デフォルト値Vdには、操舵系60の応答特性が加味されている。
次にPU52は、車速Vを取得する(S38)。車速Vは、PU52によって、車輪速センサ74によって検出される車輪速度ωw1~ωw4の少なくとも1つを入力として算出される。車速Vは、たとえば、車輪速度ωw3,ωw4の平均値であってもよい。次にPU52は、車速Vを制御量として且つ目標車速V*を制御量の目標値とするフィードバック制御のための操作量を算出する(S40)。操作量は、連結車両10の駆動力である。ただし、駆動力の符号は正および負の双方となりうる。連結車両10の後退時において駆動力の符号が正である場合、駆動力は、連結車両10の制動力を示す。PU52は、操作量に応じて駆動系62および制動系64を操作する(S42)。
なお、PU52は、S42の処理を完了する場合と、S30の処理において否定判定する場合と、には、図5に示す一連の処理を一旦終了する。
図6および図7に、S34の処理の詳細を示す。
図6および図7に、S34の処理の詳細を示す。
図6に示すように、PU52は、目標仮想操舵角α2*を取得する(S50)。次にPU52は、目標仮想操舵角α2*を入力として、角度依存制限値Vth1を算出する(S52)。角度依存制限値Vth1は、仮想操舵角α2を制御量として且つ目標仮想操舵角α2*を制御量の目標値とする制御の制御性を維持するうえで要求される車速Vの絶対値の上限値を定める変数である。PU52は、目標仮想操舵角α2*の絶対値が大きい場合の角度依存制限値Vth1を、目標仮想操舵角α2*の絶対値が小さい場合の角度依存制限値Vth1以下とする。この処理は、記憶装置54に予めマップデータを記憶しておくことにより、PU52によって角度依存制限値Vth1をマップ演算する処理としてもよい。ここで、マップデータは、目標仮想操舵角α2*の絶対値を入力変数として且つ、角度依存制限値Vth1を出力変数とするデータである。なお、マップデータに含まれる出力変数の値は、マップデータに含まれる入力変数の値に応じて単調強減少することとしてもよい。
次にPU52は、目標仮想操舵角α2*の変化速度を取得する(S54)。目標仮想操舵角α2*の変化速度は、互いに異なるタイミングで取得された目標仮想操舵角α2*の2個以上のサンプリング値を入力として、PU52によって算出される。次に、PU52は、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値を入力として、速度依存制限値Vth2を算出する(S56)。速度依存制限値Vth2は、目標仮想操舵角α2*の変化に対する実際の仮想操舵角α2の追従遅れを抑制するための車速Vの上限値である。PU52は、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値が閾値Dth未満であるか閾値以上であるかによって、速度依存制限値Vth2の値を2つの値の何れかに設定する。ここで、閾値Dth未満のときの速度依存制限値Vth2は、閾値Dth以上であるときの速度依存制限値Vth2よりも大きい。
これは、仮想操舵角α2の変化速度の絶対値は、車速Vの絶対値が小さい方が大きくしやすいことに鑑みた設定である。
図8に、トラクタ20の転舵角α1の変化速度と仮想操舵角α2の変化速度との関係の車速Vへの依存を示す。詳しくは、図8(a)は、ヒッチ角βが「-40°」であって且つ転舵角α1が「-20°」の場合を示す。図8(b)は、ヒッチ角βが「-40°」であって且つ転舵角α1が「0°」の場合を示す。図8(c)は、ヒッチ角βが「-40°」であって且つ転舵角α1が「20°」の場合を示す。図8において、転舵角α1の変化速度の実現可能範囲は、その大きさが「DA1」以下の範囲である。
図8に、トラクタ20の転舵角α1の変化速度と仮想操舵角α2の変化速度との関係の車速Vへの依存を示す。詳しくは、図8(a)は、ヒッチ角βが「-40°」であって且つ転舵角α1が「-20°」の場合を示す。図8(b)は、ヒッチ角βが「-40°」であって且つ転舵角α1が「0°」の場合を示す。図8(c)は、ヒッチ角βが「-40°」であって且つ転舵角α1が「20°」の場合を示す。図8において、転舵角α1の変化速度の実現可能範囲は、その大きさが「DA1」以下の範囲である。
図8に示すように、いずれの場合であっても、車速Vの絶対値が小さい場合の方が転舵角α1の変化速度が操舵系60によって実現可能な範囲において仮想操舵角α2の変化速度が取り得る値の領域が大きくなっている。
図6に戻り、PU52は、ヒッチ角βを取得する(S58)。また、PU52は、ジャックナイフヒッチ角βthを取得する(S60)。本実施形態においてジャックナイフヒッチ角βthは、転舵角α1の最大値に応じて定まる固定値とする。
すなわち、図4に示したモデルによれば、ヒッチ角βの1階の時間微分値は、以下の式にて表現される。
dβ/dt
=-(V/l2)・sinβ
-{V/(l1・l2)}・(l2+h1・cosβ)・tanα …(c6)
ここで、ジャックナイフ現象が生じる場合、転舵角α1を最大値α1thとしたところで、ヒッチ角βを変化させることができない。したがって、上記の式(c6)におけるヒッチ角βの時間微分値をゼロとして且つ、転舵角α1に最大値α1thを代入したときのヒッチ角βを、ジャックナイフヒッチ角βthと見なす。ただし、転舵角α1が正および負の双方の値を取り得ることから、上記の式(c6)には、「α1th」と「(-1)・αth」との双方を代入しうる。そのため、ジャックナイフヒッチ角βthは、実際には2つの値を取る。それら2個のジャックナイフヒッチ角βthは、記憶装置54に予め記憶されている。そしてPU52は、S60の処理においては、転舵角α1の符号および転舵角α1の変化速度の符号に応じて、2個の値のうちのヒッチ角βとの差の絶対値が小さくなる方の値を選択する。
dβ/dt
=-(V/l2)・sinβ
-{V/(l1・l2)}・(l2+h1・cosβ)・tanα …(c6)
ここで、ジャックナイフ現象が生じる場合、転舵角α1を最大値α1thとしたところで、ヒッチ角βを変化させることができない。したがって、上記の式(c6)におけるヒッチ角βの時間微分値をゼロとして且つ、転舵角α1に最大値α1thを代入したときのヒッチ角βを、ジャックナイフヒッチ角βthと見なす。ただし、転舵角α1が正および負の双方の値を取り得ることから、上記の式(c6)には、「α1th」と「(-1)・αth」との双方を代入しうる。そのため、ジャックナイフヒッチ角βthは、実際には2つの値を取る。それら2個のジャックナイフヒッチ角βthは、記憶装置54に予め記憶されている。そしてPU52は、S60の処理においては、転舵角α1の符号および転舵角α1の変化速度の符号に応じて、2個の値のうちのヒッチ角βとの差の絶対値が小さくなる方の値を選択する。
PU52は、ジャックナイフヒッチ角βthとヒッチ角βとの差の絶対値を入力としてヒッチ角依存制限値Vth3を算出する(S62)。ヒッチ角依存制限値Vth3は、ジャックナイフ現象が生じることを抑制するための車速Vの制限値である。PU52は、上記差の絶対値が小さいときのヒッチ角依存制限値Vth3を、上記差の絶対値が大きい時のヒッチ角依存制限値Vth3以下とする。この処理は、記憶装置54にマップデータを予め記憶した状態で、PU52によって、ヒッチ角依存制限値Vth3をマップ演算することによって実現してもよい。ここで、マップデータは、上記差の絶対値を入力変数として且つ、ヒッチ角依存制限値Vth3を出力変数とするデータである。なお、マップデータに含まれる出力変数の値は、マップデータに含まれる入力変数の値に応じて単調強増加することとしてもよい。
次に、PU52は、図7に示すように、目標仮想操舵角α2*と仮想操舵角α2との差の絶対値Δを取得する(S70)。差の絶対値Δは、PU52によって、目標仮想操舵角α2*と仮想操舵角α2とを入力として算出される。次のPU52は、制限フラグFが「1」であるか否かを判定する(S72)。制限フラグFは、差の絶対値Δが大きいことに起因して車速Vを小さい側に制限している場合に「1」となる。また、制限フラグFは、同制限をしていない場合に「0」となる。
PU52は、制限フラグFが「0」であると判定する場合(S72:NO)、差の絶対値Δが閾値Δth以上であるか否かを判定する(S74)。この処理は、仮想操舵角α2を制御量として且つ目標仮想操舵角α2*を制御量の目標値とするフィードバック制御において、制御量とその目標値との乖離が大きいか否かを判定する処理である。PU52は、閾値Δth以上であると判定する場合(S74:YES)、制限フラグFに「1」を代入する(S76)。
一方、PU52は、制限フラグFが「1」であると判定する場合(S72:YES)、差の絶対値Δが閾値Δthよりも小さいか否かを判定する(S78)。PU52は、閾値Δthよりも小さいと判定する場合(S78:YES)、カウンタCを「1」だけ増加させる(S80)。カウンタCは、差の絶対値Δが閾値Δth以上の状態から閾値Δth未満の状態に切り替わってからの継続時間を計時する。一方、PU52は、閾値Δth以上であると判定する場合(S78:NO)、カウンタCを初期化する(S82)。
PU82は、S80,S82の処理を完了する場合、カウンタCが閾値Cth以上であるか否かを判定する(S84)。この処理は、差の絶対値Δが閾値Δth以上の状態から閾値Δth未満の状態に切り替わってからの継続時間が、所定時間以上であるか否かを判定する処理である。PU84は、閾値Cth以上であると判定する場合(S84:YES)、制限フラグFに「0」を代入して且つカウンタCを初期化する(S86)。
PU52は、S76,S86の処理を完了する場合と、S74,S84の処理において否定判定する場合と、には、制限フラグFの値を入力として、偏差依存制限値Vth4を算出する(S8)。PU52は、制限フラグFが「0」の場合、偏差依存制限値Vth4に、第0速度V0を代入する。一方、PU52は、制限フラグFが「1」の場合、偏差依存制限値Vth4に、第1速度V1を代入する。第1速度V1は、第0速度V0よりも小さい。第1速度V1は、仮想操舵角α2が目標仮想操舵角α2*から大きく乖離している場合にその状態を解消するための車速Vの制限値である。
そして、PU52は、角度依存制限値Vth1、速度依存制限値Vth2、ヒッチ角依存制限値Vth3、および偏差依存制限値Vth4のうちの最小値を、上限値Vthに代入する(S90)。
なお、PU52は、S90の処理を完了する場合、図5のS34の処理を完了する。
「本実施形態の作用および効果」
PU52は、後退アシスト制御中に、目標仮想操舵角α2*の絶対値、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値、差の絶対値Δ、およびヒッチ角βとジャックナイフヒッチ角βthとの差の絶対値に応じて、上限値Vthを設定した。車速Vの絶対値が小さい場合の方が大きい場合よりも、仮想操舵角α2およびヒッチ角βを所望の値に近づける制御をしやすい。そのため、本実施形態によれば、後退アシスト制御の制御性を高めることができる。
「本実施形態の作用および効果」
PU52は、後退アシスト制御中に、目標仮想操舵角α2*の絶対値、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値、差の絶対値Δ、およびヒッチ角βとジャックナイフヒッチ角βthとの差の絶対値に応じて、上限値Vthを設定した。車速Vの絶対値が小さい場合の方が大きい場合よりも、仮想操舵角α2およびヒッチ角βを所望の値に近づける制御をしやすい。そのため、本実施形態によれば、後退アシスト制御の制御性を高めることができる。
ここで、PU52は、上限値Vthを、目標仮想操舵角α2*の絶対値と、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値とに応じて設定した。そのため、運転者が目標仮想操舵角α2*の絶対値を増大させた場合に、連結車両10を減速させて、トレーラ30の旋回に備えることができる。また、PU52は、上限値Vthを、差の絶対値Δに応じて設定した。これにより、外乱によって仮想操舵角α2を制御量とする制御が乱される場合に、連結車両10を減速させて制御性を高めることができる。また、PU52は、上限値Vthを、ヒッチ角βとジャックナイフヒッチ角βthとの差の絶対値に応じて設定した。これにより、制御不能となるのに先立って連結車両10を減速させることにより、連結車両10が制御不能となる事態に陥ることを未然に抑制できる。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1,10,11]インターフェースは、ユーザインターフェース80に対応する。目標仮想操舵角取得処理は、S50の処理に対応する。仮想操舵角制御処理は、S20~S24の処理に対応する。車速制限処理は、S34,S36の処理に対応する。[2]S52の処理に対応する。[3]S56の処理に対応する。[4]仮想操舵角取得処理は、S70の処理に対応する。フィードバック処理は、S20~S24の処理に対応する。偏差依存処理は、S72~S88の処理に対応する。[5]S72~S88の処理に対応する。[6]ヒッチ角取得処理は、S58の処理に対応する。ヒッチ角依存処理は、S62の処理に対応する。[7]車速制御処理は、S38~S42の処理に対応する。[8]受付処理は、S32の処理に対応する。[9]目標車速設定処理は、S36の処理に対応する。操作処理は、S42の処理に対応する。[12]コンピュータは、PU52に対応する。
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1,10,11]インターフェースは、ユーザインターフェース80に対応する。目標仮想操舵角取得処理は、S50の処理に対応する。仮想操舵角制御処理は、S20~S24の処理に対応する。車速制限処理は、S34,S36の処理に対応する。[2]S52の処理に対応する。[3]S56の処理に対応する。[4]仮想操舵角取得処理は、S70の処理に対応する。フィードバック処理は、S20~S24の処理に対応する。偏差依存処理は、S72~S88の処理に対応する。[5]S72~S88の処理に対応する。[6]ヒッチ角取得処理は、S58の処理に対応する。ヒッチ角依存処理は、S62の処理に対応する。[7]車速制御処理は、S38~S42の処理に対応する。[8]受付処理は、S32の処理に対応する。[9]目標車速設定処理は、S36の処理に対応する。操作処理は、S42の処理に対応する。[12]コンピュータは、PU52に対応する。
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
「仮想操舵角依存処理について」
・S52の処理では、目標仮想操舵角α2*の絶対値に応じて角度依存制限値Vth1の大きさを3個以上の値のうちのいずれかに選択的に設定したが、これに限らない。たとえば、目標仮想操舵角α2*の絶対値が閾値以上であるか閾値未満であるかに応じて、角度依存制限値Vth1の大きさを2通りの値のいずれかに設定してもよい。
・S52の処理では、目標仮想操舵角α2*の絶対値に応じて角度依存制限値Vth1の大きさを3個以上の値のうちのいずれかに選択的に設定したが、これに限らない。たとえば、目標仮想操舵角α2*の絶対値が閾値以上であるか閾値未満であるかに応じて、角度依存制限値Vth1の大きさを2通りの値のいずれかに設定してもよい。
「変化速度依存処理について」
・S56の処理では、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値が閾値Dth以上であるか否かに応じて、速度依存制限値Vth2の大きさを2個の値のうちのいずれかに設定したが、これに限らない。たとえば、3個以上の値に設定してもよい。その場合、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値が大きい場合の速度依存制限値Vth2を、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値が小さい場合の速度依存制限値Vth2以下とする。この処理は、たとえば記憶装置54にマップデータが記憶された状態でPU52によって速度依存制限値Vth2をマップ演算することによって実現してもよい。ここで、マップデータは、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値を入力変数として且つ速度依存制限値Vth2を出力変数とするデータである。
・S56の処理では、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値が閾値Dth以上であるか否かに応じて、速度依存制限値Vth2の大きさを2個の値のうちのいずれかに設定したが、これに限らない。たとえば、3個以上の値に設定してもよい。その場合、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値が大きい場合の速度依存制限値Vth2を、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値が小さい場合の速度依存制限値Vth2以下とする。この処理は、たとえば記憶装置54にマップデータが記憶された状態でPU52によって速度依存制限値Vth2をマップ演算することによって実現してもよい。ここで、マップデータは、目標仮想操舵角α2*の変化速度の絶対値を入力変数として且つ速度依存制限値Vth2を出力変数とするデータである。
「偏差依存処理について」
・図7に示した処理においては、目標仮想操舵角α2*と仮想操舵角α2との差の絶対値が閾値Δth以上の状態から閾値Δth未満の状態に移行してから所定時間が経過するまで、偏差依存制限値Vth4を第1速度V1としたが、これに限らない。たとえば、目標仮想操舵角α2*と仮想操舵角α2との差の絶対値が閾値Δth以上の状態から閾値Δth未満の状態に切り替わったタイミングで偏差依存制限値Vth4に第0速度V0を代入してもよい。
・図7に示した処理においては、目標仮想操舵角α2*と仮想操舵角α2との差の絶対値が閾値Δth以上の状態から閾値Δth未満の状態に移行してから所定時間が経過するまで、偏差依存制限値Vth4を第1速度V1としたが、これに限らない。たとえば、目標仮想操舵角α2*と仮想操舵角α2との差の絶対値が閾値Δth以上の状態から閾値Δth未満の状態に切り替わったタイミングで偏差依存制限値Vth4に第0速度V0を代入してもよい。
・図7に示した処理では、PU52は、目標仮想操舵角α2*と仮想操舵角α2との差の絶対値が閾値Δth以上であるか否かに応じて、偏差依存制限値Vth4を2個の値のうちのいずれかに設定したが、これに限らない。たとえば、3個以上の値に設定してもよい。その場合、上記差の絶対値が大きい場合の偏差依存制限値Vth4を、上記差の絶対値が小さい場合の偏差依存制限値Vth4以下とする。この処理は、たとえば記憶装置54にマップデータが記憶された状態でPU52によって偏差依存制限値Vth4をマップ演算することによって実現してもよい。ここで、マップデータは、上記差の絶対値を入力変数として且つ偏差依存制限値Vth4を出力変数とするデータである。
「ヒッチ角依存処理について」
・S58~S62の処理では、ヒッチ角依存制限値Vth3を、3個以上の値のうちのいずれかに選択的に設定したが、これに限らない。たとえば、ジャックナイフヒッチ角βthとヒッチ角βとの差の絶対値が閾値以上であるか閾値未満であるかに応じて、ヒッチ角依存制限値Vth3の大きさを2通りの値のいずれかに設定してもよい。
・S58~S62の処理では、ヒッチ角依存制限値Vth3を、3個以上の値のうちのいずれかに選択的に設定したが、これに限らない。たとえば、ジャックナイフヒッチ角βthとヒッチ角βとの差の絶対値が閾値以上であるか閾値未満であるかに応じて、ヒッチ角依存制限値Vth3の大きさを2通りの値のいずれかに設定してもよい。
「車速制限処理について」
・上限値Vthを、角度依存制限値Vth1、速度依存制限値Vth2、偏差依存制限値Vth4、およびヒッチ角依存制限値Vth3の4つのうちの最小値を選択する処理によって定めることは必須ではない。たとえば、それら4つの値を算出した際に用いた変数を入力変数として且つ上限値Vthを出力変数とするマップデータを用いてマップ演算をしてもよい。
・上限値Vthを、角度依存制限値Vth1、速度依存制限値Vth2、偏差依存制限値Vth4、およびヒッチ角依存制限値Vth3の4つのうちの最小値を選択する処理によって定めることは必須ではない。たとえば、それら4つの値を算出した際に用いた変数を入力変数として且つ上限値Vthを出力変数とするマップデータを用いてマップ演算をしてもよい。
・上限値Vthを、角度依存制限値Vth1、速度依存制限値Vth2、偏差依存制限値Vth4、およびヒッチ角依存制限値Vth3の4つのうちの最小値としたが、これに限らない。たとえば、上限値Vthを、それら4つのうちの3つの最小値としてもよい。またたとえば、上限値Vthを、それら4つのうちの2つの最小値としてもよい。またたとえば、上限値Vthを、それら4つのうちの2つの最小値としてもよい。また、上限値Vthを、たとえば角度依存制限値Vth1とするなど、上記4つのうちのいずれかに設定してもよい。
「仮想操舵角制御処理について」
・仮想操舵角α2を制御量として且つ目標仮想操舵角α2*を制御量の目標値とするフィードバック制御の操作量としては、トラクタ20の前輪22の転舵角α1に限らない。たとえば下記「操舵系について」の欄に記載したように、前輪22を転舵させる装置と、後輪24を転舵させる装置とを備えた装置が操舵系の場合、トラクタ20のヨーレートの目標値を操作量としてもよい。その場合、PU52は、フィードバック制御によってヨーレートをその目標値に近づけるための操作量を、前輪22の転舵角と後輪24の転舵角とすればよい。
・仮想操舵角α2を制御量として且つ目標仮想操舵角α2*を制御量の目標値とするフィードバック制御の操作量としては、トラクタ20の前輪22の転舵角α1に限らない。たとえば下記「操舵系について」の欄に記載したように、前輪22を転舵させる装置と、後輪24を転舵させる装置とを備えた装置が操舵系の場合、トラクタ20のヨーレートの目標値を操作量としてもよい。その場合、PU52は、フィードバック制御によってヨーレートをその目標値に近づけるための操作量を、前輪22の転舵角と後輪24の転舵角とすればよい。
「車速制御処理について」
・たとえば後退アシスト処理において、運転者のアクセル操作およびブレーキ操作によって連結車両10の走行速度が制御されるようにしてもよい。ただし、その場合、後退アシスト処理には、車速Vが上限値Vthを超えないように制限する処理を含める。また、車速Vがデフォルト値Vdを超えないように制限する処理を含めてもよい。
・たとえば後退アシスト処理において、運転者のアクセル操作およびブレーキ操作によって連結車両10の走行速度が制御されるようにしてもよい。ただし、その場合、後退アシスト処理には、車速Vが上限値Vthを超えないように制限する処理を含める。また、車速Vがデフォルト値Vdを超えないように制限する処理を含めてもよい。
「デフォルト値について」
・下記「操舵系について」の欄に記載したように、操舵系が上記実施形態と相違する場合、対象とする操舵系に応じてデフォルト値を設定すればよい。ここで、操舵系が複数のアクチュエータを備える場合などには、目標ヨーレートに対して安定余裕度の観点から制限を設けてもよい。これにより、安定余裕度を維持するための車速の絶対値を設計しやすくなる。
・下記「操舵系について」の欄に記載したように、操舵系が上記実施形態と相違する場合、対象とする操舵系に応じてデフォルト値を設定すればよい。ここで、操舵系が複数のアクチュエータを備える場合などには、目標ヨーレートに対して安定余裕度の観点から制限を設けてもよい。これにより、安定余裕度を維持するための車速の絶対値を設計しやすくなる。
・デフォルト値Vdを、操舵系の応答特性のみから定めることは必須ではない。たとえば、ヒッチ角β、転舵角α1、車輪速度ωw1~ωw4の更新周期を加味して設定してもよい。またたとえば、ヒッチ角β、転舵角α1、車輪速度ωw1~ωw4の検出値を制御装置50が受信するまでの通信遅延時間を加味して設定してもよい。
「操舵系について」
・連結車両10の操舵系としては、前輪22を転舵させる装置に限らない。たとえば、前輪22を転舵させる装置と、後輪24を転舵させる装置とを備えた装置であってもよい。またたとえば、インホイールモータを備えた装置であってもよい。
・連結車両10の操舵系としては、前輪22を転舵させる装置に限らない。たとえば、前輪22を転舵させる装置と、後輪24を転舵させる装置とを備えた装置であってもよい。またたとえば、インホイールモータを備えた装置であってもよい。
「制御装置について」
・制御装置としては、PU52と記憶装置54とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理するたとえばASIC等の専用のハードウェア回路を備えてもよい。すなわち、制御装置は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶する記憶装置等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア実行装置や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。
・制御装置としては、PU52と記憶装置54とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理するたとえばASIC等の専用のハードウェア回路を備えてもよい。すなわち、制御装置は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶する記憶装置等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア実行装置や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。
「コンピュータについて」
・後退アシストプログラム54a等の制御プログラムを実行するコンピュータとしては、連結車両10に搭載されたコンピュータに限らない。たとえば、連結車両10に搭載された上記PU52と、運転者の携帯端末との双方によって同コンピュータを構成してもよい。その場合、たとえば、S34の処理を携帯端末が実行してもよい。
・後退アシストプログラム54a等の制御プログラムを実行するコンピュータとしては、連結車両10に搭載されたコンピュータに限らない。たとえば、連結車両10に搭載された上記PU52と、運転者の携帯端末との双方によって同コンピュータを構成してもよい。その場合、たとえば、S34の処理を携帯端末が実行してもよい。
「車両について」
・連結車両としては、図1に例示した車両に限らない。
・連結車両としては、図1に例示した車両に限らない。
10…連結車両
20…トラクタ
22…前輪
24…後輪
30…トレーラ
32…車輪
40…ボールジョイント
42…軸
50…制御装置
20…トラクタ
22…前輪
24…後輪
30…トレーラ
32…車輪
40…ボールジョイント
42…軸
50…制御装置
本発明は、連結車両の制御装置、連結車両の制御方法、および連結車両の制御プログラムに関する。
Claims (12)
- トラクタと、前記トラクタによって牽引されるトレーラと、を備える連結車両に適用され、
前記連結車両は、運転者が目標仮想操舵角を指示するためのインターフェースを備え、
前記目標仮想操舵角は、仮想操舵角の目標値であり、
前記仮想操舵角は、前記トレーラと前記トラクタとの連結箇所の進行方向を示す変数であり、
目標仮想操舵角取得処理、仮想操舵角制御処理、および車速制限処理を実行するように構成され、
前記目標仮想操舵角取得処理は、前記目標仮想操舵角を取得する処理であり、
前記仮想操舵角制御処理は、前記仮想操舵角を前記目標仮想操舵角に制御すべく前記連結車両の操舵系を操作する処理を含み、
前記車速制限処理は、前記仮想操舵角制御処理の実行中に、前記連結車両の車速の絶対値を小さい側に制限する処理であって且つ、前記目標仮想操舵角を入力として前記車速の絶対値を小さい側に制限する仮想操舵角依存処理を含む連結車両の制御装置。 - 前記仮想操舵角依存処理は、前記目標仮想操舵角に応じて前記車速の絶対値を小さい側に制限する処理であって且つ、前記目標仮想操舵角が示す、前記トレーラの直進方向に対する前記進行方向のなす角度の絶対値が大きい場合の前記車速の絶対値が前記なす角度の絶対値が小さい場合の前記車速の絶対値以下となるようにする処理を含む請求項1記載の連結車両の制御装置。
- 車速制限処理は、前記目標仮想操舵角の変化速度の絶対値に応じて前記車速の絶対値の大きさを制限する処理であって、前記変化速度の絶対値が大きい場合の前記車速の絶対値が前記変化速度の絶対値が小さい場合の前記車速の絶対値以下となるようにする変化速度依存処理を含む請求項1記載の連結車両の制御装置。
- 仮想操舵角取得処理を実行するように構成され、
前記仮想操舵角取得処理は、前記仮想操舵角を取得する処理であり、
前記仮想操舵角制御処理は、フィードバック処理を含み、
前記フィードバック処理は、フィードバック制御によって、前記仮想操舵角を前記目標仮想操舵角に近づける処理であり、
前記車速制限処理は、前記仮想操舵角と前記目標仮想操舵角との差の絶対値に応じて前記車速の絶対値を制限する処理であって且つ、前記差の絶対値が大きい場合の前記車速の絶対値が前記差の絶対値が小さい場合の前記車速の絶対値以下となるようにする偏差依存処理を含む請求項1記載の連結車両の制御装置。 - 前記偏差依存処理は、
前記仮想操舵角と前記目標仮想操舵角との差の絶対値が閾値以上となる場合の前記車速の絶対値を前記差の絶対値が前記閾値未満の場合に取り得る前記車速の絶対値の最大値よりも小さい第1速度以下に制限する処理と、
前記差の絶対値が前記閾値以上の状態から前記閾値未満の状態に移行した時点から所定期間において前記車速の絶対値を前記第1速度以下に制限する処理と、を含む請求項4記載の連結車両の制御装置。 - ヒッチ角を取得するヒッチ角取得処理を実行するように構成され、
ヒッチ角は、前記トラクタの前後方向と前記トレーラの前後方向とのなす角度であり、
前記車速制限処理は、前記ヒッチ角に応じて前記車速の絶対値を制限する処理であって且つ、前記ヒッチ角とジャックナイフヒッチ角との差の絶対値が小さい場合の前記車速の絶対値が前記ヒッチ角と前記ジャックナイフヒッチ角との差の絶対値が大きい場合の前記車速の絶対値以下となるようにするヒッチ角依存処理を含み、
前記ジャックナイフヒッチ角は、ジャックナイフが生じるヒッチ角である請求項1記載の連結車両の制御装置。 - 車速制御処理を実行するように構成され、
前記車速制御処理は、前記車速を制御すべく前記トラクタの駆動系を操作する処理であり、
前記車速制限処理は、前記車速制御処理によって制御される前記車速の絶対値を小さい側に制限する処理である請求項1記載の連結車両の制御装置。 - 受付処理を実行するように構成され、
前記受付処理は、前記運転者による前記車速の絶対値の指示を受け付ける処理であり、
前記車速制限処理は、前記車速の絶対値の上限値を算出する処理であり、
前記車速制御処理は、前記連結車両の実際の車速の絶対値が前記上限値以下となる条件で、前記運転者によって指示された前記車速に近づけるように制御する処理を含む請求項7記載の連結車両の制御装置。 - 前記車速制御処理は、目標車速設定処理、および操作処理を含み、
前記目標車速設定処理は、前記指示された車速の絶対値、前記上限値およびデフォルト車速の絶対値のうちの最小値を目標車速の絶対値とする処理であり、
前記操作処理は、前記車速の絶対値が前記目標車速の絶対値に近づくように前記連結車両の駆動系を操作する処理である請求項8記載の連結車両の制御装置。 - 前記仮想操舵角制御処理を前記連結車両の後退制御時に実行するように構成されている請求項1記載の連結車両の制御装置。
- 請求項1記載の連結車両の制御装置における前記各処理を実行する工程を有した連結車両の制御方法。
- 請求項1記載の連結車両の制御装置における前記各処理をコンピュータに実行させる連結車両の制御プログラム。
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JP2022098166A JP2023184174A (ja) | 2022-06-17 | 2022-06-17 | 連結車両の制御装置、連結車両の制御方法、および連結車両の制御プログラム |
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JP2022098166A JP2023184174A (ja) | 2022-06-17 | 2022-06-17 | 連結車両の制御装置、連結車両の制御方法、および連結車両の制御プログラム |
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JP2022098166A Pending JP2023184174A (ja) | 2022-06-17 | 2022-06-17 | 連結車両の制御装置、連結車両の制御方法、および連結車両の制御プログラム |
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