JP2008024183A - 操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両のヨー方向の減衰特性を変化させて、車両の収斂性を向上することができる操舵装置を提供すること。
【解決手段】前後輪操舵車1の旋回中における前後輪操舵車1の旋回中心位置を車両前後方向に移動させる前輪操舵装置21および後輪操舵装置22と、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態か切り戻し状態かを判断する操舵状態判断部とを備える操舵装置2であって、前輪操舵装置21および後輪操舵装置22は、操舵状態判断部により、切り戻し状態であると判断されると、切り込み状態であると判断されるよりも、旋回中心位置を車両前後方向において後方に移動させる。これにより、前後輪操舵車1のヨー方向における減衰特性が向上し、この前後輪操舵車1の収斂性が向上する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、操舵装置に関し、更に詳しくは、車両の旋回中におけるこの車両の旋回中心を車両前後方向に移動させることができる車両の操舵装置に関する。
従来の車両には、前輪の操舵角のみならず後輪の操舵角をも変更することができる前後輪操舵車や、4輪独立して制駆動力を付与することができる4輪独立駆動車などがある。ここで、車両は、この車両の旋回中心を基準に旋回することとなる。前輪のみ操舵可能な前輪操舵車における旋回中心は、車速や前輪の操舵角で決められる位置(基準旋回中心)となる。しかし、これら前後輪操舵車や4輪独立駆動車における旋回中心は、車両前後方向における任意の位置とすることができる。つまり、これら前後輪操舵車や4輪独立駆動車では、車両の旋回中における旋回中心の位置を基準旋回中心に対して車両前後方向における前方あるいは後方に移動させることができる。
そこで、従来の操舵装置では、例えば特許文献1に示すように、この旋回中心を車両前後方向における任意の位置とすることができる特性を用いたものがある。この特許文献1に示す操舵装置(車両の前後操舵角制御装置)では、車両の旋回初期には、目標旋回中心位置を車両後端の延長線上とし、以降、旋回の進行とともに目標旋回中心位置を徐々に車両前方に移動させる。これにより、旋回初期における車両後端外側の張り出し量を制限し、また、運転者に違和感を感じさせることなく旋回中の車両の横滑り角と内輪差を小さくすることができるものである。
特開2001−334951号公報
ところで、従来の操舵装置では、車両の旋回中における旋回中心位置の車両前後方向への移動に伴いこの車両のヨー方向の減衰特性が変化する。例えば、旋回中心位置が車両前後方向において前方よりも後方に位置すると、この減衰特性が向上するので、車両の収斂性が向上する。しかしながら、上記特許文献1に示す操舵装置では、車両の旋回中における旋回中心位置の車両前後方向において移動させることで、車両のヨー方向の減衰特性を変化させ、車両の収斂性を向上させる旨が開示されていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両のヨー方向の減衰特性を変化させて、車両の収斂性を向上することができる操舵装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、車両の旋回中における当該車両の旋回中心位置を車両前後方向に移動させる旋回中心位置移動手段と、車両の旋回中における操舵状態が切り込み状態か切り戻し状態かを判断する操舵状態判断手段と、を備える操舵装置であって、前記旋回中心位置移動手段は、前記操舵状態判断手段による判断に応じて、前記旋回中心位置を車両前後方向に移動させることを特徴とする。
この発明によれば、旋回中心位置移動手段は、操舵状態判断手段による判断に応じて、旋回中心位置を車両前後方向に移動させるため、車両の旋回中における操舵状態が切り込み状態か切り戻し状態か否かで、車両のヨー方向の減衰特性を変化させることできる。従って、車両の旋回中において車両のヨー方向の減衰特性を向上させることできる。これにより、車両の旋回中における車両の収斂性を向上させることができる。
また、この発明では、上記操舵装置において、前記旋回中心位置移動手段は、前記操舵状態判断手段により前記切り戻し状態であると判断されると、前記切り込み状態であると判断されるよりも、前記旋回中心位置を車両前後方向において後方に移動させることを特徴とする。
また、この発明では、上記操舵装置において、前記旋回中心位置移動手段は、前記切り戻し状態における切り戻し位置に応じて前記旋回中心位置の後方への移動量を変更することを特徴とする。
また、この発明では、上記操舵装置において、前記切り戻し位置とは、運転者が操作するステアリング装置のステアリング操舵角であり、前記旋回中心位置移動手段は、前記切り戻し状態におけるステアリング操舵角の絶対値の増加に伴い前記旋回中心位置の後方への移動量を増加することを特徴とする。
これらの発明によれば、旋回中心位置移動手段は、切り込み状態である場合よりも切り戻し状態である場合に、旋回中心位置を車両前後方向において後方に移動させる。また、旋回中心位置移動手段による旋回中心位置の後方への移動量は、切り戻し状態における切り戻し位置に応じて変更、例えば切り戻し状態におけるステアリング操舵角の増加に伴い増加する。従って、車両の旋回中における操舵状態が切り戻し状態の場合に、車両の旋回中における操舵状態が切り込み状態の場合よりも車両のヨー方向の減衰特性を向上させることできる。これにより、操舵状態が切り戻し状態における車両の収斂性を向上させることができる。
また、この発明では、上記操舵装置において、前記旋回中心位置移動手段は、前記操舵状態判断手段により前記切り込み状態であると判断されると、前記切り戻し状態であると判断されるよりも、前記旋回中心位置を車両前後方向において前方に移動させることを特徴とする。
また、この発明では、上記操舵装置において、前記旋回中心位置移動手段は、前記切り込み状態における切り込み位置に応じて前記旋回中心位置の前方への移動量を変更することを特徴とする。
また、この発明では、上記操舵装置において、前記切り込み位置とは、運転者が操作するステアリング装置のステアリング操舵角であり、前記旋回中心位置移動手段は、前記切り込み状態おけるステアリング操舵角の絶対値の増加に伴い前記旋回中心位置の前方への移動量を増加することを特徴とする。
これらの発明によれば、旋回中心位置移動手段は、切り戻し状態である場合よりも切り込み状態である場合に、旋回中心位置を車両前後方向において前方に移動させる。また、旋回中心位置移動手段による旋回中心位置の前方への移動量は、切り込み状態おける切り込み位置に応じて変更、例えば切り込み状態におけるステアリング操舵角の増加に伴い増加する。従って、車両の旋回中における操舵状態が切り込み状態の場合に、車両の旋回中における操舵状態が切り戻し状態の場合よりも旋回中心位置が車両前後方向において前方に位置するので、操舵状態が切り込み状態における車両の回頭性を向上させることができる。
この発明にかかる操舵装置は、旋回中心位置移動手段が車両の旋回中における操舵状態に応じて旋回中心位置を車両前後方向に移動させるので、車両の旋回中における車両の収斂性を向上させることができるという効果を奏する。また、車両の旋回中における車両の回頭性を向上させることができるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施例では、前後輪操舵車にこの発明にかかる操舵装置を用いる場合について説明するが、この発明はこれに限定されるものではない。この発明にかかる操舵装置は、例えば、4輪独立して制駆動力を付与することができる4輪独立駆動車に用いても良く、車両の旋回中における当該車両の旋回中心位置を車両前後方向に移動させることができる車両であればいずれの車両にも用いることができる。
図1は、この発明にかかる操舵装置を備える前後輪操舵車の構成例を示す図である。図2は、制御装置の構成例を示す図である。図3は、目標旋回中心位置マップを示す図である。図1に示すように、前後輪操舵車1は、左右の前輪11がドライブシャフト13に回転自在に連結されており、左右の後輪12がドライブシャフト14に回転自在に連結されている。ここで、ドライブシャフト13には、エンジン15からの駆動力が伝達される。従って、エンジン15からの駆動力は、ドライブシャフト13を介して左右の前輪11に伝達され、この左右の前輪11から路面に伝達される。これにより、前後輪操舵車1は、車両前後方向に前進あるいは後進することができる。なお、この前後輪操舵車1においては、エンジン15の駆動力を図示しないプロペラシャフトを介してドライブシャフト14に伝達しても良い。
この前後輪操舵車1は、この発明にかかる操舵装置2を備える。この操舵装置2は、左右の前輪11および左右の後輪12の操舵を行うものである。操舵装置2は、前輪操舵装置21と、後輪操舵装置22と、制御装置23と、ステアリング装置24とにより構成されている。
前輪操舵装置21は、前後輪操舵車1の旋回中心位置Oを車両前後方向に移動させる旋回中心位置移動手段の一部を構成するものである。この前輪操舵装置21は、左右の前輪11を操舵し、前輪操舵角θ1を変更するものである。この前輪操舵装置21は、ステアリングアーム21aと、前輪操舵機構21bと、前輪操舵角センサ21cと、操舵トルクセンサ21dとにより構成されている。
ステアリングアーム21aは、両端部が左右の前輪11のそれぞれに揺動自在に連結されている。
前輪操舵機構21bは、運転者によりステアリング装置24に入力された操舵力に応じて、ステアリングアーム21aを移動させることで、左右の前輪11の前輪操舵角θ1を変更するものである。この前輪操舵機構21bは、操舵特性変更手段であり、減衰力制御手段およびアシスト力制御手段でもある。この前輪操舵機構21bは、ステアリング装置24のステアリング減衰力の制御およびこのステアリング装置24に入力される運転者による操舵力を補助するアシスト力の制御を行うものである。この前輪操舵機構21bは、図示は省略するが前輪用モータと、前輪用減速機と、前輪操舵機構本体とにより構成されている。
前輪用モータは、アシスト力を発生するものである。前輪用減速機は、前輪用モータと連結されており、この前輪用モータの発生したアシスト力を前輪操舵機構本体に伝達するものである。前輪操舵機構本体は、運転者によりステアリング装置24に入力された操舵力および前輪用モータの発生したアシスト力が伝達されることで、ステアリングアーム21aを移動させるものである。なお、前輪用モータの駆動制御は、制御装置23により行われる。
前輪操舵角センサ21cは、左右の前輪11の前輪操舵角θ1を検出するものである。この検出された前輪操舵角θ1は、制御装置23に出力される。
操舵トルクセンサ21dは、ステアリング装置24を介して前輪操舵機構21bに伝達される運転者による操舵力を検出するものである。この検出された操舵トルクTは、制御装置23に出力される。
後輪操舵装置22は、前後輪操舵車1の旋回中心位置を車両前後方向に移動させる旋回中心位置移動手段の一部を構成するものである。この後輪操舵装置22は、左右の後輪12を操舵し、後輪操舵角θ2を変更するものである。この後輪操舵装置22は、ステアリングアーム22aと、後輪操舵機構22bと、後輪操舵角センサ22cとにより構成されている。
ステアリングアーム22aは、両端部が左右の後輪12のそれぞれに揺動自在に連結されている。
後輪操舵機構22bは、運転者によりステアリング装置24に入力された操舵力に応じて、ステアリングアーム22aを移動させることで、左右の後輪12の後輪操舵角θ2を変更するものである。この後輪操舵機構22bは、図示は省略するが後輪用モータと、後輪用減速機と、後輪操舵機構本体とにより構成されている。
後輪用モータは、左右の後輪12の後輪操舵角θ2を調整するのに必要な後輪操舵力を発生するものである。後輪用減速機は、後輪用モータと連結されており、この後輪用モータの発生した後輪操舵力を後輪操舵機構本体に伝達するものである。後輪操舵機構本体は、後輪用モータの発生した後輪操舵力が伝達されることで、ステアリングアーム22aを移動させるものである。なお、後輪用モータの駆動制御は、制御装置23により行われる。
後輪操舵角センサ22cは、左右の後輪12の後輪操舵角θ2を検出するものである。この検出された後輪操舵角θ2は、制御装置23に出力される。
制御装置23は、操舵装置2を制御するものであり、特に前輪操舵装置21の前輪操舵機構21bにおけるアシスト力および後輪操舵装置22の後輪操舵機構22bにおける後輪操舵力を制御することで、旋回中心位置移動手段である前輪操舵装置21および後輪操舵装置22による前後輪操舵車1の旋回中心位置を制御するものである。この制御装置23は、図2に示すように、操舵装置2が備えられた前後輪操舵車1の各所に取り付けられたセンサから、各種入力信号が入力される。入力信号としては、例えば、前輪操舵角センサ21cにより検出された左右の前輪11の前輪操舵角θ1、操舵トルクセンサ21dにより検出された操舵力、後輪操舵角センサ22cにより検出された左右の後輪12の後輪操舵角θ2、ステアリング操舵角センサ24cにより検出されたステアリング操舵角θ、車速センサ3により検出された車速V、ヨーレートセンサ4により検出された自転速度、横加速度センサ5により検出された横加速度などがある。
この制御装置23は、これら入力信号と、記憶部23cに予め格納されているステアリング操舵角θおよび前後輪操舵車1の旋回中心位置とに基づいた目標旋回中心位置マップなどの各種マップとに基づいて各種出力信号を出力する。出力信号としては、例えば、アシスト力を発生する前輪操舵機構21bの図示しない前輪用モータの前輪用モータ駆動制御を行う信号、後輪操舵力を発生する後輪操舵機構22bの図示しない後輪用モータの後輪用モータ駆動制御を行う信号などがある。
また、制御装置23は、上記入力信号や出力信号の入出力を行う入出力部(I/O)23aと、処理部23bと、ステアリング操舵角θと目標旋回中心位置OTとに基づく目標旋回中心位置マップなどの各種マップなどを格納する記憶部23cとにより構成されている。処理部23bは、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成されている。この処理部23bは、少なくとも旋回中心位置算出部23dと、操舵状態判断部23eと、目標旋回中心位置算出部23fと、操舵力制御部23gとを有している。処理部23bは、前後輪操舵車1の操舵方法、特に操舵装置2の制御方法などに基づくプログラムをメモリにロードして実行することにより、この前後輪操舵車1の操舵方法、特に操舵装置2の制御方法などを実現させるものであっても良い。また、記憶部23cは、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能なメモリ、あるいはRAM(Random Access Memory)のような読み書きが可能なメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
処理部23bの旋回中心位置算出部23dは、旋回中心位置算出手段であり、前後輪操舵車1の旋回中におけるこの前後輪操舵車1の旋回中心位置Oを算出するものである。この旋回中心位置算出部23dは、前後輪操舵車1の車速Vと、前後輪操舵車1のヨーレートと、前後輪操舵車1の横加速度と、前後輪操舵車1の前輪操舵角度θ1および後輪操舵角θ2(ステアリング操舵角センサ24cにより検出されたステアリング操舵角に基づいて推定される前輪操舵角θ1および後輪操舵角θ2でも良い)と、予め記憶部23cに格納されている前後輪操舵車1の車両モデル(例えば、重心位置、ホイールベースなど)とに基づいて前後輪操舵車1の旋回中心位置Oを算出する。
処理部23bの操舵状態判断部23eは、操舵状態判断手段である。この操舵状態判断部23eは、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態か切り戻し状態かを判断する。ここで、切り込み状態とは、前後輪操舵車1の旋回中に、この前後輪操舵車1の旋回方向にさらに旋回しようとしている状態をいう。また、切り戻し状態とは、前後輪操舵車1の旋回中にこの前後輪操舵車1が直進状態に戻ろうとしている状態をいう。この操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角θに基づいたステアリング操舵角速度ωに基づいて前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態か切り戻し状態かを判断する。
処理部23bの目標旋回中心位置算出部23fは、目標旋回中心位置算出手段であり、前後輪操舵車1の旋回中におけるこの前後輪操舵車1の目標旋回中心位置OTを算出するものである。この目標中心位置算出部23fは、目標旋回中心位置OTをステアリング操舵角θと、記憶部23cに格納されている目標旋回中心位置マップとに基づいて算出する。ここで、目標旋回中心位置マップは、前後輪操舵車1の車速Vに応じて複数個設定されている。これは、同一ステアリング操舵角θであっても、前後輪操舵車1の車速Vに応じて旋回中心位置Oが変化するためである。従って、目標旋回中心位置OTは、ステアリング操舵角θと、前後輪操舵車1の車速Vと、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態か切り戻し状態かの判断とで算出される。
この各目標旋回中心位置マップは、図3に示すように、ステアリング操舵角θと、目標旋回中心位置OT(基準旋回中心位置OBに対する車両前後方向における移動量L)とにより構成されている。ステアリング操舵角θが0度であると、目標旋回中心位置OTは基準旋回中心位置OBとなる。ここで、基準旋回中心位置OBとは、任意の車速Vで旋回中の前後輪操舵車1において、後輪操舵装置22を備えず左右の後輪12の後輪操舵角θ2が一定、すなわち後輪操舵角θ2が常に0である場合の旋回中心位置をいう。つまり、基準旋回中心位置OBは、任意の車速Vで旋回中の前後輪操舵車1を前輪操舵車と仮定した場合における旋回中心位置である。
ここで、前後輪操舵車1のステアリング操舵角θがプラスである場合を前後輪操舵車1の右旋回時、マイナスである場合を前後輪操舵車1の左旋回時とする。ステアリング操舵角θがプラスあり、このステアリング操舵角θに基づくステアリン操舵角速度ωがプラスである場合は、前後輪操舵車1が右旋回中にこの前後輪操舵車1がこの右旋回方向にさらに旋回しようとしている状態であり、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態である。一方、ステアリング操舵角θがプラスあり、このステアリング操舵角θに基づくステアリン操舵角速度ωがマイナスである場合は、前後輪操舵車1が右旋回中にこの前後輪操舵車1が直進状態に戻ろうとしている状態であり、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り戻し状態である。また、ステアリング操舵角θがマイナスあり、このステアリング操舵角θに基づくステアリン操舵角速度ωがマイナスである場合は、前後輪操舵車1が左旋回中にこの前後輪操舵車1がこの左旋回方向にさらに旋回しようとしている状態であり、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態である。一方、ステアリング操舵角θがマイナスあり、このステアリング操舵角θに基づくステアリン操舵角速度ωがプラスである場合は、前後輪操舵車1が左旋回中にこの前後輪操舵車1が直進状態に戻ろうとしている状態であり、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り戻し状態である。
この各目標旋回中心位置マップは、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態(+θで+ω、あるいは−θで−ω)である場合、目標旋回中心位置OTが基準旋回中心位置OBあるいは後方側旋回中心位置ORよりも車両前後方向において前方の前方側旋回中心位置OFとなる。また、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り戻し状態(+θで−ω、あるいは−θで+ω)である場合、目標旋回中心位置OTが基準旋回中心位置OBあるいは前方側旋回中心位置OFよりも車両前後方向において後方の後方側旋回中心位置ORとなる。つまり、各目標旋回中心位置マップを用いることで、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態(+θで+ω、あるいは−θで−ω)である場合は、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り戻し状態(+θで−ω、あるいは−θで+ω)である場合よりも、目標旋回中心位置OTが車両前後方向において前方に算出されるように設定されている。前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り戻し状態(+θで−ω、あるいは−θで+ω)である場合は、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態(+θで+ω、あるいは−θで−ω)である場合よりも、目標旋回中心位置OTが車両前後方向において後方に算出されるように設定されている。
また、各目標旋回中心位置マップでは、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態における切り込み位置、すなわちステアリング操舵角θに応じて、目標旋回中心位置OTの前方への移動量が変化するように設定されている。この実施例では、切り込み状態におけるステアリング操舵角θの絶対値の増加に伴い目標旋回中心位置OTの前方への移動量が増加するように設定されている。また、各目標旋回中心位置マップでは、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り戻し状態における切り戻し位置、すなわちステアリング操舵角θに応じて、目標旋回中心位置OTの後方への移動量が変化するように設定されている。この実施例では、切り戻し状態におけるステアリング操舵角θの絶対値の増加に伴い目標旋回中心位置OTの後方への移動量が増加するように設定されている。なお、各目標旋回中心位置マップは、ステアリング操舵角θの絶対値の増加に伴い目標旋回中心位置OTの移動量が増加するが、例えば、同図に示すように、ステアリング操舵角θの絶対値が増加するほど、移動量の増加量が減少するようにしても良い。
つまり、各目標旋回中心位置マップでは、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態あるいは切り戻し状態かで、算出される目標旋回中心位置OTを車両前後方向において基準旋回中心位置OBよりも前方側に位置する前方側旋回中心位置OF、あるいは車両前後方向において基準旋回中心位置OBよりも後方側に位置する後方側旋回中心位置ORのいずれかとなるように設定されている。
処理部23bの操舵制御部23gは、上記旋回中心位置算出部23dにより算出された旋回中心位置Oが上記目標旋回中心位置算出部23fにより算出された目標旋回中心位置OTとなるように、前輪操舵機構21bによりアシスト力および後輪操舵機構22bにより後輪操舵力を発生させる。この実施例では、操舵制御部23gは、上記旋回中心位置Oと目標旋回中心位置OTとに基づいて、前輪操舵機構21bの図示しない前輪用モータの前輪用モータ駆動制御および後輪操舵機構22bの図示しない後輪用モータの後輪用モータ駆動制御を行う。
ステアリング装置24は、運転者により操作されるものであり、この運転者による操舵力を前輪操舵装置21の前輪操舵機構21bに伝達するものである。このステアリン装置24は、ステアリングホイール24aと、インターミディエートシャフト24bと、ステアリング操舵角センサ24cとにより構成されている。
ステアリングホイール24aは、運転者が回転させることで、前輪操舵機構21bに伝達する操舵力を与えるものである。このステアリングホイール24aは、インターミディエートシャフト24bの一端に連結されている。
インターミディエートシャフト24bは、ステアリングホイール24aを運転者が回転させたことで発生する操舵力を前輪操舵機構21bに伝達するものである。このインターミディエートシャフト24bは、回転自在に支持されており、他端が、この操舵力によりステアリングアーム21aを移動させることができるように前輪操舵機構21bに連結されている。
ステアリング操舵角センサ24cは、インターミディエートシャフト24bの回転角、すなわちステアリング操舵角を検出するものである。この検出されたステアリング操舵角θは、制御装置23に出力される。
車速センサ3は、車速検出手段であり、前後輪操舵車1の車速Vを検出するものである。この車速センサ3により検出された車速Vは、制御装置23に出力される。
ヨーレートセンサ4は、前後輪操舵車1の自転速度を検出するものである。このヨーレートセンサ4により検出されたヨーレートは、制御装置23に出力される。
横加速度センサ5は、前後輪操舵車1の車両前後方向と直交する車両横方向の加速度、すなわち横加速度を検出するものである。この横加速度センサ5により検出された横加速度は、制御装置23に出力される。
次に、前後輪操舵車1に備えられたこの実施例1にかかる操舵装置2を用いた前後輪操舵車1の操舵制御方法について説明する。図4は、この発明にかかる操舵装置の動作を示すフロー図である。図5は、操舵トルクと、ヨーレートと、旋回中心位置との関係を示す図である。なお、操舵装置2による操舵制御方法は、この操舵装置2の制御周期ごとに行われる。
まず、図4に示すように、制御装置23は、前後輪操舵車1が旋回中であるか否かを判断する(ステップST1)。ここでは、制御装置23は、例えば、ステアリング操舵角センサ24cにより検出されたステアリング操舵角θが所定角以上であるか否かを判断し、ステアリング操舵角θが所定角以上である場合に、車速センサ3により検出された車速Vと、前輪操舵角センサ21cにより検出された前輪操舵角θ1あるいは後輪操舵角センサ22cにより検出された後輪操舵角θ2とに基づいて、前後輪操舵車1が旋回中であるか否かを判断する。これは、前後輪操舵車1の軌道修正などの目的で運転者によりステアリング装置24が操作される場合があり、この場合に後述する前後輪操舵車1の操舵制御方法を実行させないためである。なお、制御装置23により前後輪操舵車1が旋回中でないと判断されると、この発明にかかる操舵装置2の1制御周期おける動作が終了し、次の制御周期に移行する。
次に、制御装置23の目標旋回中心位置算出部23fは、前後輪操舵車1が旋回中であると判断されると、車速Vを取得する(ステップST2)。ここでは、車速センサ3により検出され、制御装置23に出力された車速Vを取得する。
次に、制御装置23の目標旋回中心位置算出部23fは、上記取得した車速Vに応じた目標旋回中心位置マップを取得する(ステップST3)。ここでは、記憶部23cに格納されている複数の目標旋回中心位置マップから上記取得された車速Vに応じた目標旋回中心位置マップを取得する。
次に、制御装置23の操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角θを取得する(ステップST4)。ここでは、ステアリング操舵角センサ24cにより検出され、制御装置23に出力されたステアリング操舵角θを取得する。
次に、制御装置23の操舵状態判断部23eは、上記取得したステアリング操舵角θに基づいてステアリング操舵角速度ωを算出する(ステップST5)。
次に、制御装置23の操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角θがプラスであるか否かを判断する(ステップST6)。ここでは、操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角θがプラス、すなわち前後輪操舵車1が右旋回中であるか否かを判断する。
次に、制御装置23の操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角θがプラスであると判断されると、ステアリング操舵角速度ωがプラスであるか否かを判断する(ステップST7)。ここでは、操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角速度ωがプラス、すなわち右旋回中の前後輪操舵車1が右旋回方向にさらに旋回しようとしている状態であるか否かを判断する。
次に、制御装置23の操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角θがプラスであると判断され、ステアリング操舵角速度ωがプラスであると判断されると、切り込み状態であると判断する(ステップST9)。ここでは、操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角速度ωがプラス、すなわち右旋回中の前後輪操舵車1が右旋回方向にさらに旋回しようとしている状態であると判断する。
次に、制御装置23の目標旋回中心位置算出部23fは、上記操舵状態判断部23eにより切り込み状態であると判断されると、取得されたステアリング操舵角θおよび目標旋回中心位置マップに基づいて目標旋回中心位置OTを算出する(ステップST10)。ここでは、目標旋回中心位置算出部23fは、前後輪操舵車1の右旋回中における操舵状態が切り込み状態であるため、目標旋回中心位置OTを目標旋回中心位置マップの右上側においてステアリング操舵角θに応じて算出する。これにより、目標旋回中心位置OTは、ステアリング操舵角θに応じた前方側旋回中心位置OF(基準旋回中心位置OBより前方の位置)となる。
一方、制御装置23の操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角θがプラスであると判断され、ステアリング操舵角速度ωがマイナスであると判断されると、切り戻し状態であると判断する(ステップST11)。ここでは、操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角速度ωがマイナス、すなわち右旋回中の前後輪操舵車1が直進状態に戻ろうとしている状態であると判断する。
次に、制御装置23の目標旋回中心位置算出部23fは、上記操舵状態判断部23eにより切り戻し状態であると判断されると、取得されたステアリング操舵角θおよび目標旋回中心位置マップに基づいて目標旋回中心位置OTを算出する(ステップST12)。ここでは、目標旋回中心位置算出部23fは、前後輪操舵車1の右旋回中における操舵状態が切り戻し状態であるため、目標旋回中心位置OTを目標旋回中心位置マップの右下側においてステアリング操舵角θに応じて算出する。これにより、目標旋回中心位置OTは、ステアリング操舵角θに応じた前方側旋回中心位置OF(基準旋回中心位置OBより後方の位置)となる。
また、制御装置23の操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角θがマイナスであると判断されると、ステアリング操舵角速度ωがマイナスであるか否かを判断する(ステップST8)。ここでは、操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角速度ωがマイナス、すなわち左旋回中の前後輪操舵車1が左旋回方向にさらに旋回しようとしている状態であるか否かを判断する。
次に、制御装置23の操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角θがマイナスであると判断され、ステアリング操舵角速度ωがマイナスであると判断されると、切り込み状態であると判断する(ステップST9)。ここでは、操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角速度ωがマイナス、すなわち左旋回中の前後輪操舵車1が左旋回方向にさらに旋回しようとしている状態であると判断する。
次に、制御装置23の目標旋回中心位置算出部23fは、上記操舵状態判断部23eにより切り込み状態であると判断されると、取得されたステアリング操舵角θおよび目標旋回中心位置マップに基づいて目標旋回中心位置OTを算出する(ステップST10)。ここでは、目標旋回中心位置算出部23fは、前後輪操舵車1の左旋回中における操舵状態が切り込み状態であるため、目標旋回中心位置OTを目標旋回中心位置マップの左上側においてステアリング操舵角θに応じて算出する。これにより、目標旋回中心位置OTは、ステアリング操舵角θに応じた前方側旋回中心位置OF(基準旋回中心位置OBより前方の位置)となる。
一方、制御装置23の操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角θがマイナスであると判断され、ステアリング操舵角速度ωがプラスであると判断されると、切り戻し状態であると判断する(ステップST11)。ここでは、操舵状態判断部23eは、ステアリング操舵角速度ωがプラス、すなわち左旋回中の前後輪操舵車1が直進状態に戻ろうとしている状態であると判断する。
次に、制御装置23の目標旋回中心位置算出部23fは、上記操舵状態判断部23eにより切り戻し状態であると判断されると、取得されたステアリング操舵角θおよび目標旋回中心位置マップに基づいて目標旋回中心位置OTを算出する(ステップST12)。ここでは、目標旋回中心位置算出部23fは、前後輪操舵車1の左旋回中における操舵状態が切り戻し状態であるため、目標旋回中心位置OTを目標旋回中心位置マップの左下側においてステアリング操舵角θに応じて算出する。これにより、目標旋回中心位置OTは、ステアリング操舵角θに応じた前方側旋回中心位置OF(基準旋回中心位置OBより後方の位置)となる。
次に、制御装置23の旋回中心位置算出部23dは、旋回中心位置Oを算出する(ステップST13)。ここでは、旋回中心位置算出部23dは、車速センサ3により検出され制御装置23に出力された車速Vと、ヨーレートセンサ4により検出され制御装置23に出力されたヨーレートと、横加速度センサ6により検出され制御装置23に出力された横加速度と、前輪操舵角センサ21cにより検出された前輪操舵角度θ1および後輪操舵角センサ22cにより検出された後輪操舵角θ2(ステアリング操舵角センサ24cにより検出されたステアリング操舵角に基づいて推定される前輪操舵角および後輪操舵角でも良い)と、予め記憶部23cに格納されている前後輪操舵車1の車両モデル(例えば、重心位置、ホイールベースなど)などに基づいて旋回中心位置Oを算出する。
ここで、旋回中心位置Oが車両前後方向に移動することで、前後輪操舵車1のヨー方向における減衰特性が変化する。図5に示すように、運転者によるステアリング装置24への操舵力(操舵トルクT)の入力が停止されと、前後輪操舵車1の減衰力、この前後輪操舵車1のヨー方向における姿勢の減衰特性、すなわち前後輪操舵車1の収斂性が決定される。旋回中心位置Oが前方側旋回中心位置OFの場合は、旋回中心位置Oが基準旋回中心位置OB(同図点線)の場合よりも、前輪操舵装置21の減衰力が小さくなるため、減衰特性が低下し、収斂性が低下する。しかしながら、ステアリング装置24の切り込み時、すなわち前後輪操舵装置1の旋回中における操舵状態が切り込み状態において、旋回中心位置Oが車両前後方向における後方に位置する場合よりも車両前後方向における前方に位置する場合の方がこの前後輪操舵車1の回頭性を向上させることができる。
一方、旋回中心位置Oが後方側旋回中心位置ORの場合は、旋回中心位置Oが基準旋回中心位置OBの場合よりも、前輪操舵装置21の減衰力が大きくなるため、減衰特性が向上し、収斂性が向上する。つまり、前後輪操舵車1の減衰力は、旋回中心位置Oが車両前後方向における前方に位置する場合よりも車両前後方向における後方に位置する場合の方が増加し、減衰特性が向上する。従って、前後輪操舵装置1の収斂性は、旋回中心位置Oが車両前後方向における前方に位置する場合よりも車両前後方向における後方に位置する場合の方が向上することとなる。
次に、制御装置23の操舵制御部23gは、上記旋回中心位置算出部23dにより算出された旋回中心位置Oが上記目標旋回中心位置算出部23fにより算出された目標旋回中心位置OTとなるように、操舵制御を行う(ステップST14)。ここでは、操舵制御部23gは、算出された旋回中心位置Oが目標旋回中心位置OTとなるように、アシスト力および後輪操舵力を算出する。そして、操舵制御部23gは、上記旋回中心位置Oと目標旋回中心位置OTとに基づいて、前輪操舵機構21bの図示しない前輪用モータの前輪用モータ駆動制御および後輪操舵機構22bの図示しない後輪用モータの後輪用モータ駆動制御を行うことで、算出したアシスト力および後輪操舵力を前輪操舵機構21bおよび後輪操舵機構22bによりそれぞれ発生させる。なお、この前輪用モータが発生したアシスト力は、図示しない前輪操舵機構本体に、図示しない前輪用減速機を介して運転者による操舵力とともに伝達される。これにより、運転者は、実際に前後輪操舵車1の操舵に必要な操舵力よりも、少ない操舵力により前後輪操舵車1を操舵することができる。
以上のように、この発明にかかる操舵装置2では、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態である場合よりも切り戻し状態である場合に、旋回中心位置Oを車両前後方向において後方に移動させる。従って、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り戻し状態の場合に、この前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態の場合よりも前後輪操舵車1のヨー方向の減衰特性を向上させることできる。これにより、車両の旋回中、特に、操舵状態が切り戻し状態における前後輪操舵車1の収斂性を向上させることができる。また、前後輪操舵車1のヨー方向の減衰特性を向上、すなわち前後輪操舵車1の減衰力を増加させる減衰力調整装置やこの減衰力調整装置の制御が必要ないため、簡単な構成で、前後輪操舵車1の収斂性を向上させることができる。
また、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り戻し状態である場合よりも切り込み状態である場合に、旋回中心位置Oを車両前後方向において前方に移動させる。従って、前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り込み状態の場合に、この前後輪操舵車1の旋回中における操舵状態が切り戻し状態の場合よりも旋回中心位置Oが車両前後方向において前方に位置するので、車両の旋回中、特に、操舵状態が切り込み状態における前後輪操舵車1の回頭性を向上させることができる。
なお、上記実施例では、操舵装置2は、アシスト力および後輪操舵力を図示しないモータにより発生するもの(電動パワーステアリング)であるが、この発明はこれに限定されるものではなく。油圧によってアシスト力および後輪操舵力を発生するもの(油圧パワーステアリング)であっても良い。
以上のように、この発明にかかる操舵装置は、車両の旋回中心位置を車両前後方向において移動させることができる車両の操舵装置に有用であり、特に、車両のヨー方向の減衰特性を変化させて、車両の収斂性を向上するのに適している。
この発明にかかる車両走行制御装置の構成例を示す図である。 操舵装置の構成例を示す図である。 旋回中心位置マップを示す図である。 実施例1にかかる操舵装置の動作の一例を示すフロー図である。 操舵トルクと、ヨーレートと、旋回中心位置との関係を示す図である。
符号の説明
1 前後輪操舵車
11 前輪
12 後輪
13,14 ドライブシャフト
15 エンジン
2 操舵装置
21 前輪操舵装置(旋回中心位置移動手段)
21a ステアリングアーム
21b 前輪操舵機構
21c 前輪操舵角センサ
21d 操舵トルクセンサ
22 後輪操舵装置(旋回中心位置移動手段)
22a ステアリングアーム
22b 後輪操舵機構
22c 後輪操舵角センサ
23 制御装置
23a 入出力部
23b 処理部
23c 記憶部
23d 旋回中心位置算出部
23e 操舵状態判断部(操舵状態判断手段)
23f 目標旋回中心位置算出部
23g 操舵制御部
24 ステアリング装置
24a ステアリングホイール
24b インターミディエートシャフト
24c ステアリング操舵角センサ
3 車速センサ
4 ヨーレートセンサ
5 横加速度センサ

Claims (7)

  1. 車両の旋回中における当該車両の旋回中心位置を車両前後方向に移動させる旋回中心位置移動手段と、
    車両の旋回中における操舵状態が切り込み状態か切り戻し状態かを判断する操舵状態判断手段と、
    を備える操舵装置であって、
    前記旋回中心位置移動手段は、前記操舵状態判断手段による判断に応じて、前記旋回中心位置を車両前後方向に移動させることを特徴とする操舵装置。
  2. 前記旋回中心位置移動手段は、前記操舵状態判断手段により前記切り戻し状態であると判断されると、前記切り込み状態であると判断されるよりも、前記旋回中心位置を車両前後方向において後方に移動させることを特徴とする請求項1に記載の操舵装置。
  3. 前記旋回中心位置移動手段は、前記切り戻し状態における切り戻し位置に応じて前記旋回中心位置の後方への移動量を変更することを特徴とする請求項2に記載の操舵装置。
  4. 前記切り戻し位置とは、運転者が操作するステアリング装置のステアリング操舵角であり、
    前記旋回中心位置移動手段は、前記切り戻し状態におけるステアリング操舵角の絶対値の増加に伴い前記旋回中心位置の後方への移動量を増加することを特徴とする請求項3に記載の操舵装置。
  5. 前記旋回中心位置移動手段は、前記操舵状態判断手段により前記切り込み状態であると判断されると、前記切り戻し状態であると判断されるよりも、前記旋回中心位置を車両前後方向において前方に移動させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の操舵装置。
  6. 前記旋回中心位置移動手段は、前記切り込み状態における切り込み位置に応じて前記旋回中心位置の前方への移動量を変更することを特徴とする請求項4に記載の操舵装置。
  7. 前記切り込み位置とは、運転者が操作するステアリング装置のステアリング操舵角であり、
    前記旋回中心位置移動手段は、前記切り込み状態におけるステアリング操舵角との絶対値の増加に伴い前記旋回中心位置の前方への移動量を増加することを特徴とする請求項6に記載の操舵装置。
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