JP2023154634A - 液晶組成物及び調光素子 - Google Patents

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雅美 門脇
Masami Kadowaki
尭 小森
Takashi Komori
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Abstract

【課題】 太陽光に対する安定性及びブルーライトの遮光性を両立でき、中庸な色調で意匠性の優れた液晶組成物を提供する。【解決手段】 (A)液晶成分及び(B)色素を含有する液晶組成物であって、標準光源D65における色度(x、y)が0.3000≦x≦0.3300及び0.3200≦y≦0.3500の範囲内であり、波長380~420nmの範囲における光学濃度の最大値が、波長550nmおける光学濃度の1.5倍以上であることを特徴とする液晶組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、調光用ゲストホスト型液晶組成物および調光機能を有する調光素子に関する
液晶に二色性色素を溶解させたゲストホスト型液晶組成物は、二色性色素の吸収異方性
により、光の透過率を制御することができるため、近年では窓ガラスや部屋の仕切りのよ
うな建築材料、車載部品、アイ・ウエア(eye-wear)などの調光素子への適用が
検討されている。このような調光素子は屋外使用も想定されるため、前記用途に用いられ
るゲストホスト型液晶組成物には、特許文献1や特許文献2に記載されているアントラキ
ノン系二色性色素が、光や熱に対する安定性の点で好ましいと考えられている。
一方で近年、太陽光に含まれている紫外線が皮膚の障害を引き起こすことに加えて、太
陽光に含まれているブルーライトも酸化ストレスや細胞障害の原因となることが、非特許
文献1などで明らかになったことから、ブルーライトの防護対策としてブルーライト吸収
化合物やフィルターが特許文献3などで提案されている。
特開2010-144041号公報 特開平11-5980号公報 特開2018-168140号公報
Free Radical Biology and Medicine 108(2017)300-310
従来、上記特許文献1及び特許文献2に記載の液晶組成物は、光に対する安定性が非常
に良好なものの、ブルーライトに対する遮光性が十分でないという問題があった。ブルー
ライトに対する遮光性を改善するためには、上記特許文献1及び特許文献2に記載の液晶
組成物に特許文献3に記載されたブルーライト吸収フィルターなどを併用する方法が考え
られるが、この方法ではブルーライト吸収フィルターの着色により、液晶調光素子の意匠
性や機能を損なうという別の問題があった。すなわち、液晶調光素子は電圧印加などによ
り、透過率が高い状態と低い状態に切り替え可能な素子であるが、透過率が高い状態では
通常、無色透明が好ましいとされている。しかし、液晶調光素子にブルーライト吸収フィ
ルターを併用してしまうと、常にブルーライトの波長帯域の光を吸収しているので、透過
率が高い状態で黄色に着色して見えてしまうという問題である。
本発明は、太陽光に対する安定性及びブルーライトの遮光性を両立でき、中庸な色調で
意匠性の優れた液晶組成物を提供すること、また、該液晶組成物を用いた調光素子を提供
すること、更には、該調光素子を備える調光窓、スマートウィンドウを提供することを目
的とする。
本発明者らは、前記課題に鑑みて鋭意検討の結果、以下の液晶組成物によれば、上記課
題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1] (A)液晶成分及び(B)色素を含有する液晶組成物であって、
標準光源D65における色度(x、y)が0.3000≦x≦0.3300及び0.3
200≦y≦0.3500の範囲内であり、
波長380~420nmの範囲における光学濃度の最大値が、波長550nmおける光
学濃度の1.5倍以上であることを特徴とする液晶組成物。
[2] 前記(B)色素として、下記一般式(I)で表され、芳香環が4つ以下であるア
ントラキノン系色素を少なくとも4種以上含む[1]に記載の液晶組成物。
Figure 2023154634000001
〔式(I)中、Rは、-NHR、又は-SRを示し、R、R、及びRは各
々独立して、水素原子、-NHR、-SR、又は-OR10を示す。R~R10
各々独立して、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、置換基を有していてもよ
いシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していても
よい複素環残基を示す。
但し、R~Rのうち、1つが-NHである場合、他の3つは-NHではない。
また、R~R10のシクロアルキル基、アリール基、及び複素環残基が有する置換基は
連結環構造を含まない。
、R、及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状若しくは分岐
鎖状アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリ
ールオキシ基、-SR(Rは前記と同様である。)、又は-COYR11(Yは、酸
素原子、硫黄原子、又は-NHR(Rは前記と同様である。)を示す。R11は、直
鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基
を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を
有していてもよい複素環残基を示す。
但し、R~Rのうち、1つが-NHである場合、R~Rの少なくとも1つは
水素原子ではない。また、R~Rは3環以上の連結環構造を有さない。〕
[3] [1]又は[2]に記載の液晶組成物からなる層を備える、調光素子。
[4] 透明電極が対向するように配置された1対の透明電極付き基板と、前記1対の透
明電極付き基板の間に液晶組成物からなる層が挟持されている、[3]に記載の調光素子

[5] 自動車用である[3]に記載の調光素子。
[6] 建材用である[3]に記載の調光素子。
[7] [3]に記載の調光素子を備える調光窓。
[8] [3]に記載の調光素子を備えるスマートウィンドウ。
本発明によれば、太陽光に対する安定性及びブルーライトの遮光性を両立でき、中庸な
色調で意匠性に優れた液晶組成物を提供することができる。さらに、本発明の液晶組成物
を用いた液晶素子、本発明の液晶素子を備える調光窓、スマートウィンドウを提供するこ
とができる。
図1は、実施例1の分光スペクトル図である。 図2は、比較例1の分光スペクトル図である。 図3は、比較例2の分光スペクトル図である。
以下に本発明について詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施の形態の一例で
あり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
[1]液晶組成物
本発明の液晶組成物は、(A)液晶成分及び(B)色素を含有し、標準光源D65にお
ける色度(x、y)が0.3000≦x≦0.3300及び0.3200≦y≦0.35
00の範囲内であり、波長380~420nmの範囲における光学濃度の最大値が、波長5
50nmおける光学濃度の1.5倍以上である。
以下、液晶組成物の各成分について詳述する。
[1-1](A)液晶成分
本発明において、(A)液晶成分に公知の液晶性物質を用いる場合には、例えば、日本
学術振興会第142委員会編;「液晶デバイスハンドブック」日本工業新聞社(1989
年)第152頁~第192頁や液晶便覧編集委員会編;「液晶便覧」丸善株式会社(20
00年)第260頁~第330頁に記載されているような、ビフェニル系、フェニルシク
ロヘキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、ハロゲン化アルキル系、トラン系等の
各種低分子系の化合物又は混合物を使用することができる。
本発明において、(A)液晶成分のネマチックアイソトロピック相転移温度(Tni)
は80℃以上であることが好ましい。相転移温度が低すぎると、使用できる温度範囲が狭
まり高温域で調光機能をなさなくなり、高すぎると室温付近の粘度が高くなり、室温での
駆動が困難な傾向となる。尚、相転移温度は、相転移温度測定装置を用いて、相転移に伴
う透過光強度変化を測定する等により評価することができる。
本発明において、(A)液晶成分の誘電率異方性の値(Δε)は正および負どちらでも
よいが、調光素子の駆動電圧低減の観点から、その絶対値は3以上であることが好ましく
、5以上であることがより好ましい。
本発明において、(A)液晶成分がカイラル剤を含む場合は、色素配合後の液晶成分の
捩れピッチ長(p)は、1~5μmであることが好ましい。具体的には、捩れピッチ長(
p)と調光素子のセル厚(d)との関係であるd/p値が1~5を満たすことが好ましい
液晶成分が含んでもよいカイラル剤としては、商品名CB-15(CAS RN:63
799-11-1)、S-1011(CAS RN:165660-09-3)、R-1
011(CAS RN:154102-21-3)、S-2011(CAS RN:18
5207-90-3)、R-2011(CAS RN:159077-75-5)、S-
5011(CAS RN:693227-30-4)、R-5011(CAS RN:9
44537-61-5)などが挙げられる。特に捻じれ誘起力(HTP)の大きなS-1
011、R-1011、S-5011、R-5011が少ない配合量で大きな捻じれ量を
得ることができるため好ましい。
これらの観点から、液晶成分としては、例えば、特開2018-28655号公報や国
際公開第2020/158038号に記載の調光素子用液晶材料が特に好ましい。
[1-2](B)色素
本発明おいて、(B)色素は、特に限定されないが、ブルーライトの遮光に用いる色素
(B-1)を含有することが好ましい。色素(B-1)としては、下記一般式(Ia)で
表されるアントラキノン系色素、日本学術振興会第142委員会編;「液晶デバイスハン
ドブック」日本工業新聞社(1989年)第728頁、特開昭61-98768号公報や
特開昭61-145285号公報に記載されているようなアゾ系色素、特開昭61-53
361号公報に記載されているようなキノフタロン系色素、特開昭57-63377号公
報に記載されているようなペリレン系色素の化合物、又はこれらの混合物を使用すること
ができる。
この中でも分子吸光係数が大きなアゾ系色素、キノフタロン系色素が好ましい。
Figure 2023154634000002
式(Ia)中、R12は、炭素数が1~5の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又は
炭素数が1~6の直鎖状アルキル基を置換基として有するシクロアルキル基を示す。
、R 、R 、R 、R 、及びR は各々独立して、水素原子、炭
素数が1~5の直鎖状アルキル基、炭素数が1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基
を置換基として有していてもよいフェニルチオ基、ピリジルチオ基、又は炭素数が1~6
の直鎖状アルキル基を置換基として有するシクロヘキシルカルボキシ基を示す。
上記式(Ia)において、ブルーライトの遮光性及びホスト液晶に対する溶解の観点か
ら、R12はエチル基、プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、4-メチルシクロヘ
キシル基、又は4-n-ブチルシクロヘキシル基が好ましく、R は水素原子、フェニ
ルチオ基、4-メチルフェニルチオ基、又はピリジルチオ基が好ましく、R 、R
、R 、R 及びR は水素原子が好ましい。
前記一般式(Ia)で表されるアントラキノン系黄色色素の好適なものとして、具体的
に以下のものが挙げられる。
Figure 2023154634000003
本発明おいて、(B)色素は、色素(B-1)以外の色素(B-2)を含有することも
好ましい。
色素(B-2)としては、例えば、下記一般式(I)で表され、芳香環が4つ以下であ
るアントラキノン系色素が挙げられる。
Figure 2023154634000004
式(I)中、Rは、-NHR、又は-SRを示し、R、R及びRは各々独
立して、水素原子、-NHR、-SR、又は-OR10を示す。R~R10は各々
独立して、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、置換基を有していてもよいシ
クロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい
複素環残基を示す。
但し、R~Rのうち、1つが-NHである場合、他の3つは-NHではない。
また、R~R10のシクロアルキル基、アリール基、及び複素環残基が有する置換基は
連結環構造を含まない。
、R及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状若しくは分岐鎖
状アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリー
ルオキシ基、-SR(Rは前記と同様である。)、又は-COYR11(Yは、酸素
原子、硫黄原子、又は-NHR(Rは前記と同様である。)を示す。R11は、水素
原子、直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基
、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は
置換基を有していてもよい複素環残基を示す。
但し、R~Rのうち、1つが-NHである場合、R~Rの少なくとも1つは
水素原子ではない。また、R~Rは3環以上の連結環構造を有さない。
上記式(I)において、中庸な色調及びホスト液晶に対する溶解の観点から、Rは、
置換基を有していてもよいアミノ基、又は置換基を有していてもよいフェニルチオ基が好
ましく、R、R及びRは各々独立して、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有して
いてもよいアミノ基、又は置換基を有していてもよいフェニルチオ基が好ましい。R
及びRは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいカルボニル基、又は
置換基を有していてもよいカルボキシ基が好ましい。
前記一般式(I)で表され、芳香環が4つ以下であるアントラキノン系色素において、
より好ましい赤色色素としては、以下の一般式(Ib)、(Ic)、(Id)で表される
ものが挙げられる。
Figure 2023154634000005
式(Ib)中、R は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数が1~8の直鎖状若しくは
分岐鎖状アルキル基を置換基として有するフェニルチオ基、又は炭素数が1~8の直鎖状
アルキル基を置換基として有するシクロヘキシル基を置換基として有するフェニルチオ基
を示す。
は、炭素数が1~8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基を置換基として有する
カルボキシ基、炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するシクロヘキシル
カルボキシ基、炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するフェニルカルボ
キシ基、又は炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するフェノキシ基を示
す。
は、水素原子、炭素数が1~8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基を置換基と
して有するカルボキシ基、炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するシク
ロヘキシルカルボキシ基、炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するフェ
ニルカルボキシ基、又は炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するシクロ
ヘキシル基を置換基として有するフェニルカルボキシ基を示す。
上記式(Ib)において、中庸な色調及びホスト液晶に対する溶解の観点から、R
はヒドロキシ基、又はメチル基を置換基として有するフェニルチオ基が好ましく、R
は炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するフェニルカルボキシ基が好ま
しい。R は水素原子、又は炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有する
シクロヘキシルカルボキシ基が好ましい。
Figure 2023154634000006
式(Ic)中、R13は、メチル基、炭素数が1~8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキ
ル基、又は炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するシクロヘキシル基を
示し、R14は、炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するフェニル基、
又は炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するシクロヘキシルフェニル基
を示す。
上記式(Ic)において、中庸な色調及びホスト液晶に対する溶解の観点から、R13
は炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を有するシクロヘキシル基が好ましく、R14は炭
素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するフェニル基が好ましい。
Figure 2023154634000007
式(Id)中、R15、R16、R17及びR18は、各々独立に水素原子、炭素数が
1~8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又は炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を
置換基として有するシクロヘキシル基を示す。
上記式(Id)において中庸な色調及びホスト液晶に対する溶解の観点から、R15
16、R17及びR18は、各々独立に水素原子、メチル基、プロピル基、ペンチル基
、又はt-ブチル基が好ましい。
前記一般式(Ib)、(Ic)、(Id)で表されるアントラキノン系赤色色素の好適
なものとして、具体的に以下のものが挙げられる。
Figure 2023154634000008
前記一般式(I)で表され、芳香環が4つ以下であるアントラキノン系色素において、
より好ましい色素としては、以下の一般式(Ie)で表されるものが挙げられる。
Figure 2023154634000009
式(Ie)中、R は、アミノ基、炭素数が1~8の直鎖状アルキルチオ基、炭素数
が1~8の直鎖状アルキル基若しくは弗素原子を置換基として有するフェニルアミノ基、
又は炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有するフェニルチオ基を示し、R
、R 、及びR は各々独立して、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数が1~8の
直鎖状アルキルチオ基、又は炭素数が1~13の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基を置
換基として有するフェニルチオ基を示し、R は、水素原子、炭素数が1~8の直鎖状
若しくは分岐鎖状アルキル基を置換基として有するカルボキシ基、炭素数が1~8の直鎖
状アルキル基を置換基として有するシクロヘキシルカルボキシ基、又は炭素数が1~8の
直鎖状アルキル基若しくは弗素原子を置換基として有するフェニルカルボキシ基を示し、
19は、水素原子、炭素数が1~8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又は弗素原
子若しくは塩素原子を置換基として有するフェニル基を示す。
上記式(Ie)において、中庸な色調及びホスト液晶に対する溶解の観点から、R
は、アミノ基、炭素数が1~8の直鎖状アルキルチオ基、炭素数が1~8の直鎖状アルキ
ル基又は弗素原子を置換基として有するフェニルアミノ基、又は炭素数が1~8の直鎖状
アルキル基を置換基として有するフェニルチオ基が好ましく、R は水素原子又は炭素
数が1~8の直鎖状アルキルチオ基が好ましい。R 、R 及びR19は水素原子が
好ましく、R は、炭素数が1~8の直鎖状アルキル基若しくは弗素原子を置換基とし
て有するフェニルカルボキシ基、炭素数が1~8の直鎖状アルキル基を置換基として有す
るシクロヘキシルカルボキシ基が好ましい。
前記一般式(Ie)で表されるアントラキノン系青色色素の好適なものとして、具体的
に以下のものが挙げられる。
Figure 2023154634000010
本発明においては、中庸な色調及び調光ダイナミックレンジの観点から、波長500n
mから800nmの吸光特性がフラットになることが好ましいため、(B)色素は、色素
(B-2)を少なくとも4種以上含むことが好ましく、一般式(I)で表され、芳香環が
4つ以下であるアントラキノン系色素を少なくとも4種以上含むことがより好ましい。
前記一般式(I)で表されるアントラキノン系色素は、例えば、特開昭56-5547
9号公報、特開昭58-53954号公報等に記載される従来公知の方法を組み合わせて
合成することができる。
本発明において、(B)色素は、必要に応じて紫外線吸収色素や近赤外吸収色素など色
素(B-1)、前記式(I)で表され芳香環が4つ以下であるアントラキノン系色素以外
の色素を含有していてもよい。
本発明の液晶組成物は、標準光源D65における色度(x、y)が0.3000≦x≦
0.3300及び0.3200≦y≦0.3500の範囲内であり、波長380~420
nmの範囲における光学濃度の最大値が、波長550nmおける光学濃度の1.5倍以上
である。
標準光源D65における色度(x、y)は、0.3000≦x≦0.3400及び0.
3200≦y≦0.3600の範囲内であり、0.3000≦x≦0.3400及び0.
3200≦y≦0.3500が好ましく、0.3200≦x≦0.3400及び0.33
00≦y≦0.3500がより好ましい。
上記範囲内であれば、中庸な色調を実現可能である。
波長380~420nmの範囲における光学濃度の最大値が、波長550nmおける光
学濃度の1.5倍以上であり、1.6倍以上が好ましい。また、上限値は特に限定されな
いが、1.8倍以下であることが好ましい。
上記下限値以上であれば、ブルーライトの遮光に優れ、上記上限値以下であれば、中庸
な色調を実現可能となる。
前記色度の範囲や、前記光学濃度の比率を満たすためには、例えば、色素(B-1)、
色素(B-2)を適宜組み合わせることで調整することができる。
本発明の液晶組成物における(B)色素の含有量は、(A)液晶成分100質量部に対
して3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。また、20質量部以下が好
ましく、15質量部以下がより好ましい。前記上限値と下限値は任意に組み合わせること
ができ、例えば、(A)液晶成分100質量部に対して、(B)色素の含有量は3~20
質量部が好ましく、5~15重量部であるのが特に好ましい。(B)色素の含有量が、前
記下限値以上であれば、十分なブルーライトの遮光効果が得られる傾向がある。また、前
記上限値以下であれば、液晶組成物中での色素の析出を抑制できる傾向がある。
本発明の液晶組成物は、(A)液晶成分及び(B)色素以外に、必要に応じてその他の
添加剤を含有してもよい。
本発明の液晶組成物は、(A)液晶成分及び(B)色素を公知の方法で混合することに
より、液晶組成物を調製することができる。具体的には、例えば、(A)液晶成分及び(
B)色素を入れた容器を振とう、混合することで調製することができる。
[2]調光素子
本発明の調光素子は、本発明の液晶組成物からなる層を備えるものであり、透明電極が
対向するように配置された1対の透明電極付き基板と、前記1対の透明電極付き基板の間
に本発明の液晶組成物からなる層が挟持されている構成を備えることが好ましい。
本発明の調光素子の動作温度範囲は0℃~60℃が好ましく、-10℃~80℃がより
好ましい。調光素子の可視光(波長380~780nm)の透過率は、駆動電圧により任
意に調整可能であることが好ましく、その範囲は可視光透過率1%~40%が好ましく、
1%~70%がより好ましい。ヘイズは10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい
。これらの素子特性は液晶組成物に用いる液晶成分の物性や調光素子のセル厚、調光素子
の積層枚数などにより適宜選択することができる。
本発明の調光素子の透明電極の基板としては、特に限定されないが、ガラス板、アクリ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の各種合成樹脂板が
好適に用いられる。基板上に形成される透明電極層としては、特に限定されないが、酸化
インジウム、酸化インジウムスズ(ITO、IZO)等の金属酸化物からなるものやPE
DOT/PSS等の導電性ポリマーが好適に用いられる。透明電極層の液晶に接する表面
は、必要に応じて配向処理を施すことができる。該配向処理の方法としては、例えばオク
タデシルジメチル〔3-(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド等を
塗布して垂直配向する方法、ポリイミドを塗布して平行配向する方法、光配向膜等の公知
の方法を適宜用いることができる。
2枚の電極付基板は互いに配向処理面が対向するように配置され、スペーサー等を介し
て一体化することで、2枚の電極付基板間にその間隔が例えば1~30μm、好ましくは
3~10μmとなるように空間を設けた素子(セル)を形成し、この空間の中に液晶を封
入する。
[3]調光窓、スマートウィンドウ
本発明の調光素子の用途は、特に限定されないが、可視光を効率よく調光することが可
能なので、例えば、自動車用、建材用の調光窓、スマートウィンドウとして好適に用いら
れる。本発明の調光素子を特開平6-18856号公報、特開2007-102210号
公報、特開2020-126240号公報などに記載の公知の方法により合わせガラスや
湾曲ガラスなどの調光窓、スマートウィンドウに加工できる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以
下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ホスト液晶成分として、捩れピッチ長が4μmに調整されたネマチック液晶(Shan
ben社製、Sb-412010 ネマチックアイソトロピック相転移温度:96℃、誘
電異方性Δε:+10.77)1g、ブルーライト遮光成分の色素成分-1として二色性
色素(三井化学ファイン社製、S-428)20.5mg、さらに色素成分-2として、
特開昭57-158262号公報の例1に記載された方法で得られた、下記一般式(Id
’)で表される赤色アントラキノン色素の混合物38.5mg、
Figure 2023154634000011
式(Id’)中、R15、R16、R17及びR18のうち、n個が水素原子であり、
(4-n)個がtert-ブチル基を表す。nは0~4の整数を表す。
下記一般式(III)で表される赤色アントラキノン色素 6.0mg、
Figure 2023154634000012
下記一般式(IV)で表される赤色アントラキノン色素 18.6mg、
Figure 2023154634000013
下記一般式(V)で表される青色アントラキノン色素 48.4mg、
Figure 2023154634000014
計4種のアントラキノン色素を混合、溶解させて液晶組成物-Iを調製した。
この液晶組成物-Iを、ポリイミド系樹脂を塗布硬化後ラビングしてホモジニアス配向
処理された透明電極付きガラス板からなり、その配向処理面を対向させるように構成され
たギャップ12μmのセルに封入して調光素子-Iを作製した。作製したセルの透過吸収
スペクトルを分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U-4100)で測定し、標準光
源D65における色度x、yを算出した。図1に分光スペクトル、表1に色度の測定結果
を示す。
更に、作製したセルの表面に透過限界波長が380nmであるトリアセチルセルロース
製シャープカットフィルターを配し、キセノン耐候性試験機(アトラス社製、Ci400
0)による光照射試験(キセノン曝露試験)(照射強度0.55W/m 波長340n
m)を240時間行った後に再度、透過吸収スペクトルを測定した。測定結果を表2に示
す。
実施例1記載の組成物は図1に示すように、ブルーライトの波長域である380nmか
ら420nmにおける光学濃度の最大値が波長550nmおける光学濃度の1.71倍で
あり、高いブルーライトの遮光性を有し、かつ、表1示すように色度x、yが0.300
0≦x≦0.3300 かつ 0.3200≦y≦0.3500で中庸な色調であった。
更にキセノン曝露試験後の色度も表2に示すように高い堅牢度を示し、曝露試験前後の色
差(ΔE)は0.265と非常に良好であった。
なお、曝露試験前後の色差(ΔE)は、下記式から算出でき、色差が小さいほど、堅
牢度が高く、耐光性に優れることを示す。
Figure 2023154634000015
ここで、L 240、a 240、b 240はキセノン曝露試験240時間後のCI
E(1976)色度を示し、L 0、 、b はキセノン曝露試験前のCIE(1
976)色度を示す。
[比較例1]
ブルーライト遮光成分の色素成分-1成分を含まないこと以外は実施例1のホスト液晶
成分と色素成分-2と同じ配合組成比で液晶組成物-IIを調製した。この液晶組成物-
IIを実施例1と同様な方法によりセルに封入し、調光素子-IIを作製した。図2に分
光スペクトル、表1に色度の測定結果を示す。さらに実施例1と同様な方法により、調光
素子-IIの光照射試験後での特性を測定した結果を表2に示す。
比較例1記載の組成物は図2に示すように、ブルーライトの波長域である380nmか
ら420nmにおける光学濃度の最大値は波長550nmおける光学濃度よりも0.43
倍と低く、すなわち1.0倍未満のため、ブルーライトの遮光性が低く、表1に示すよう
に色度x、yも青味な色調であった。更にキセノン曝露試験後の色度も表2に示すように
曝露試験前後の色差(ΔE)が0.635と実施例1に比べて劣る結果であった。
[比較例2]
ホスト液晶成分として、捩れピッチ長が4μmのネマチック液晶(Shanben社製
、Sb-412010)1gと特開平11-5980号公報に記載の下記色素計6種を混
合、溶解させて液晶組成物-IIIを調製した。この液晶組成物-IIIを実施例1と同
様な方法によりセルに封入し、調光素子-IIIを作製した。図3に分光スペクトル、表
1に色度の測定結果を示す。さらに実施例1と同様な方法により、調光素子-IIIの光
照射試験後での特性を測定した結果を表2に示す。
下記式(VI)、(VII)において、C17はオクチル基を、C15はヘプ
チル基を、C11はペンチル基を表す。
下記一般式(VI)で表される黄色アゾ色素 10.0mg
Figure 2023154634000016
下記一般式(VII)で表される黄色アゾ色素 10.0mg
Figure 2023154634000017
下記一般式(VIII)で表される赤色アントラキノン色素 15.0mg
Figure 2023154634000018
実施例1で用いた一般式(Id’)で表される赤色アントラキノン色素の混合物 20
.0mg
前記一般式(IV)で表される赤色アントラキノン色素 18.0mg
前記一般式(V)で表される青色アントラキノン色素 40.0mg
比較例2記載の組成物は図3に示すように、ブルーライトの波長域である380nmか
ら420nmにおける光学濃度の最大値が波長550nmおける光学濃度よりも0.81
倍と低く、すなわち1.0倍程度のため、ブルーライトの遮光性は不充分であった。また
、キセノン曝露試験後の色度は表1及び表2に示すように、初期は中庸な色度であったが
、曝露試験前後の色差(ΔE)が0.711と実施例1に比べて劣る結果であった。
Figure 2023154634000019
Figure 2023154634000020
以上述べたように本発明によって、ブルーライトの遮光性の優れたゲストホスト液晶組
成物による調光素子が可能となり、耐光性も改善されるという効果を有する。

Claims (8)

  1. (A)液晶成分及び(B)色素を含有する液晶組成物であって、
    標準光源D65における色度(x、y)が0.3000≦x≦0.3300及び0.3
    200≦y≦0.3500の範囲内であり、
    波長380~420nmの範囲における光学濃度の最大値が、波長550nmおける光
    学濃度の1.5倍以上であることを特徴とする液晶組成物。
  2. 前記(B)色素として、下記一般式(I)で表され、芳香環が4つ以下であるアントラ
    キノン系色素を少なくとも4種以上含む請求項1に記載の液晶組成物。
    Figure 2023154634000021
    〔式(I)中、Rは、-NHR、又は-SRを示し、R、R、及びRは各々
    独立して、水素原子、-NHR、-SR、又は-OR10を示す。R~R10は各
    々独立して、水素原子、直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、置換基を有していてもよい
    シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよ
    い複素環残基を示す。
    但し、R~Rのうち、1つが-NHである場合、他の3つは-NHではない。
    また、R~R10のシクロアルキル基、アリール基、及び複素環残基が有する置換基は
    連結環構造を含まない。
    、R、及びRは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状若しくは分岐
    鎖状アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリ
    ールオキシ基、-SR(Rは前記と同様である。)、又は-COYR11(Yは、酸
    素原子、硫黄原子、又は-NHR(Rは前記と同様である。)を示す。R11は、直
    鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基
    を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を
    有していてもよい複素環残基を示す。
    但し、R~Rのうち、1つが-NHである場合、R~Rの少なくとも1つは
    水素原子ではない。また、R~Rは3環以上の連結環構造を有さない。〕
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液晶組成物からなる層を備える、調光素子。
  4. 透明電極が対向するように配置された1対の透明電極付き基板と、前記1対の透明電極
    付き基板の間に液晶組成物からなる層が挟持されている、請求項3に記載の調光素子。
  5. 自動車用である請求項3に記載の調光素子。
  6. 建材用である請求項3に記載の調光素子。
  7. 請求項3に記載の調光素子を備える調光窓。
  8. 請求項3に記載の調光素子を備えるスマートウィンドウ。
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