JP2000336366A - 二色性色素組成物、これを用いたゲストホスト型液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

二色性色素組成物、これを用いたゲストホスト型液晶組成物および液晶表示素子

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JP2000336366A
JP2000336366A JP11151284A JP15128499A JP2000336366A JP 2000336366 A JP2000336366 A JP 2000336366A JP 11151284 A JP11151284 A JP 11151284A JP 15128499 A JP15128499 A JP 15128499A JP 2000336366 A JP2000336366 A JP 2000336366A
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carbon atoms
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Masami Kadowaki
雅美 門脇
Hideki Sato
秀樹 佐藤
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 二色性ないしはオーダーパラメーターの高い
ゲストホスト型液晶組成物を得るとともに、優れたコン
トラスト特性と駆動特性を有するゲストホスト型液晶素
子を実現する。 【解決手段】 一般式I−1、例えばNo.I−1−2
および一般式II、例えばNo.II−2のアントラキ
ノン系二色性色素を各々少なくとも1種ずつ含む二色性
色素組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表示素子などに用いられ
る液晶組成物およびこれを用いた液晶素子に関し、より
詳細には反射型液晶表示素子に使用されるゲストホスト
型液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および本発明が解決しようとする課題】二
色性色素をホスト液晶材料に混合したゲストホスト型液
晶組成物を用いたゲストホスト型液晶素子は、必ずしも
偏光子を必要としないことなどから視野角あるいは明る
さに優れ、特に携帯情報機器に用いられる反射型表示用
として注目されている。
【0003】このゲストホスト型液晶素子のコントラス
トなどの表示品質は、使用するゲストホスト型液晶組成
物に含有される二色性色素の二色性ないしはオーダーパ
ラメーター、さらには二色性色素の着色濃度等と直接的
に相関するために、高いオーダーパラメーターを示し、
かつ高着色濃度のゲストホスト型液晶組成物が要求され
ている。特に最近ではアクティブ駆動用液晶表示装置な
どに使用できるフッ素系などのホスト液晶組成物を用い
た高オーダーパラメーター、高着色濃度を示すゲストホ
スト型液晶組成物が求められている。
【0004】一方、バックライトを用いることなく、外
部から入射した周辺光を反射させて表示を行う、反射型
液晶表示装置には、屋外での使用を考慮し、特に直射日
光等の光に対する耐久性が必須であり、アクティブ駆動
における高い電荷保持特性すなわち電圧保持率等の電気
的特性が求められている。また、反射型液晶表示装置で
はバックライト光源を用いないため、分光分布の異な
る、例えば蛍光灯下と白熱電球下等の周辺光の異なる環
境下においても、色の見え方の変化が少ない、即ち安定
した演色が求められ、特に無彩色のブラックでは、その
要求が高い。このような、光源を変えても物体色の見え
方が変わらないという色覚恒常の現象に対しては、一般
に分光分布のなめらかな光源で分光反射率のなめらかな
物体色を照明すれば良いとされているが、反射型液晶表
示装置では前述の通り、光源を限定することは不可能で
あるため、分光反射率のなめらかな、即ち二色性色素の
吸収が平滑な二色性色素組成物およびゲストホスト型液
晶組成物が必要となる。
【0005】しかし、従来ゲストホスト型液晶組成物に
用いられていたアゾ系色素は、一般的に高いオーダーパ
ラメーター及び平滑な吸収を示すが、アントラキノン系
二色性色素と比較して光に対する安定性に劣るため、実
用上可能なアゾ系色素は非常に限定される等の問題があ
った。また、アントラキノン系色素は光に対する電気特
性等はアゾ系色素より優れるものの、色素単独のオーダ
ーパラメーターがアゾ系色素より劣る傾向にあり、更
に、所要のコントラストを得るためには色素の着色力等
の問題からアゾ系二色性色素より高い添加濃度すなわち
溶解性が要求されるなどの問題があった。
【0006】特に、アクティブマトリックス駆動に広く
用いられるフッ素系化合物を主体としたホスト液晶材料
や誘電異方性が負のホスト液晶材料に対しては、アント
ラキノン系二色性色素の溶解性および二色性が著しく低
下するため、高いコントラスト特性を実現するために必
須の高二色性とホスト液晶材料に対する高い溶解性を両
立することは困難であった。
【0007】さらに、アントラキノン系二色性色素はア
ゾ系二色性色素に比べ吸収スペクトルの吸収幅が狭く、
吸収ピークも急峻であるため、アントラキノン系色素の
みで構成される組成物において、演色の優れた平滑な吸
収スペクトルを達成することは困難であった。それゆ
え、これまで複数のアントラキノン系二色性色素を配合
した液晶組成物は、例えば特開平2−173090号公
報、特開平2−178390号公報等により公知である
が、性能としては不十分であるため改善が求められてい
た。
【0008】本発明は、特に視認性の良好なモノカラー
表示やマイクロカラーフィルター等の併用によりマルチ
カラーやフルカラー等の多色表示を行う目的にブラッ
ク、ブラウンおよびダークブルー等の色相を有するゲス
トホスト型液晶組成物を用いる場合、高いコントラスト
特性および高い耐久性、特にブラックの色相を有する場
合は演色の優れたゲストホスト型液晶組成物を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決しようとするための手段】本発明者らは、
ゲストホスト液晶組成物において上記の諸問題を解決す
べく鋭意検討した結果、特定の2種のアントラキノン系
二色性色素の組み合わせにおいて得られるゲストホスト
型液晶組成物が、良好なコントラスト特性を有し、かつ
耐久性、演色が優れているという知見を見いだし本発明
を完成したものである。
【0010】すなわち本発明の要旨は、二色性色素組成
物において、下記一般式[I−1]および一般式[II]
で示される二色性色素を各々少なくとも1種ずつ含むこ
とを特徴とする二色性色素組成物に存する。下記一般式
[I−1]で表されるアントラキノン系二色性色素
【0011】
【化4】
【0012】を表し、R1 、R2 はそれぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜
12のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよ
い炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換
されていてもよい炭素数2〜12のアルコキシアルキル
基またはハロゲン原子を表す。) 下記一般式[II]で表されるアントラキノン系二色性色
【0013】
【化5】
【0014】を表し、R3 、R4 はそれぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜
12のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよ
い炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換
されていてもよい炭素数2〜12のアルコキシアルキル
基またはハロゲン原子を表わす。) 本発明の第2の要旨は、二色性色素組成物において、前
記一般式[I−1]、前記一般式[II]および下記一般
式[I−2]で示される二色性色素を各々少なくとも1
種ずつ含むことを特徴とする二色性色素組成物に存す
る。
【0015】
【化6】
【0016】を表し、R5 、R6 はそれぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜
12のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよ
い炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換
されていてもよい炭素数2〜12のアルコキシアルキル
基またはハロゲン原子を表す。) さらに本発明の別の要旨は、上記二色性色素組成物およ
びホスト液晶を用いることを特徴とするゲストホスト型
液晶組成物、および上記ゲストホスト型液晶組成物を用
いることを特徴とする液晶表示素子に存する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の二色性色素組成物および
ゲストホスト液晶組成物はブラック、ダークブルー、ブ
ラウン等の色相を有するものであり、本発明で用いられ
る色素は上記のように示された二色性色素の組み合わせ
により効果を奏するもので、各色素は公知である。前記
一般式[I−1]で示される色素は例えば特開昭57−
172971号公報に、一般式[II]で示される色素は
例えば特開昭59−4650号公報に、また、一般式
[I−2]で示される色素は例えば特開昭62−101
658号公報等に記載されているが、これらのアントラ
キノン系色素は色素単独ではオーダーパラメータが不十
分である。
【0018】次に、本発明で用いられる色素について詳
細に説明する。すなわち、本発明の二色性色素組成物
は、一般式[I−1]から1種以上、一般式[II]から
1種以上の二色性色素を含むことを特徴とする二色性色
素組成物である。本発明の二色性色素組成物は、一般式
[I−1]から1種以上、一般式[II]から1種以上、
一般式[I−2]から1種以上の二色性色素を含むこと
を特徴とする二色性色素組成物である。
【0019】本発明で用いられる前記一般式[I−1]
で表される二色性色素におけるR1、R2 としては、そ
れぞれ独立に水素原子;メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基又はノニル基等の炭素数1〜12のアルキル基;メト
キシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロ
ポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等上記アル
キル基に対応した炭素数1〜12のアルコキシ基;メト
キシメチル基、メトキシエチル基、メトキシブチル基、
エトキシメチル基、エトキシエチル基又はエトキシブチ
ル基等の炭素数2〜12のアルコキシアルキル基;フッ
素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ジフル
オロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロ
ペンチル基等の炭素数1〜12のアルキル基にフッ素原
子等のハロゲン原子が置換されたハロゲン置換アルキル
基;トリフルオロエトキシ基、ジフルオロエトキシ基等
の炭素数1〜12のアルコキシ基にフッ素原子等のハロ
ゲン原子が置換されたハロゲン置換アルコキシ基;炭素
数1〜12のアルコキシアルキル基にフッ素原子等のハ
ロゲン原子が置換されたハロゲン置換アルコキシアルキ
ル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜10の直鎖状ア
ルキル基が挙げられ、さらに好ましくは炭素数3〜8の
直鎖状アルキル基である。−Y1 −および−Y2 −とし
ては、
【0020】
【化7】
【0021】が挙げられる。前記一般式[II]で表され
る二色性色素におけるR3 、R4 としては、それぞれ独
立に水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、
iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基又はノ
ニル基等の炭素数1〜12のアルキル基;メトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ
基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等上記アルキル基
に対応した炭素数1〜12のアルコキシ基;メトキシメ
チル基、メトキシエチル基、メトキシブチル基、エトキ
シメチル基、エトキシエチル基又はエトキシブチル基等
の炭素数2〜12のアルコキシアルキル基;フッ素原
子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ジフルオロ
メチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロペン
チル基等の炭素数1〜12のアルキル基にフッ素原子等
のハロゲン原子が置換されたハロゲン置換アルキル基;
トリフルオロエトキシ基、ジフルオロエトキシ基等の炭
素数1〜12のアルコキシ基にフッ素原子等のハロゲン
原子が置換されたハロゲン置換アルコキシ基;炭素数1
〜12のアルコキシアルキル基にフッ素原子等のハロゲ
ン原子が置換されたハロゲン置換アルコキシアルキル基
が挙げられ、好ましくは炭素数2〜10の直鎖状アルキ
ル基が挙げられ、さらに好ましくは炭素数3〜8の直鎖
状アルキル基が挙げられ、−X−としては、−NH−、
−S−が挙げられ、−Y3 −および−Y4 −としては、
それぞれ独立に
【0022】
【化8】
【0023】が挙げられる。前記一般式[I−2]で表
される二色性色素におけるR5 、R6 としては、それぞ
れ独立に水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基
又はノニル基等の炭素数1〜12のアルキル基;メトキ
シ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポ
キシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等上記アルキ
ル基に対応した炭素数1〜12のアルコキシ基;メトキ
シメチル基、メトキシエチル基、メトキシブチル基、エ
トキシメチル基、エトキシエチル基又はエトキシブチル
基等の炭素数2〜12のアルコキシアルキル基;フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ジフルオ
ロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロペ
ンチル基等の炭素数1〜12のアルキル基にフッ素原子
等のハロゲン原子が置換されたハロゲン置換アルキル
基;トリフルオロエトキシ基、ジフルオロエトキシ基等
の炭素数1〜12のアルコキシ基にフッ素原子等のハロ
ゲン原子が置換されたハロゲン置換アルコキシ基;炭素
数1〜12のアルコキシアルキル基にフッ素原子等のハ
ロゲン原子が置換されたハロゲン置換アルコキシアルキ
ル基が挙げられ、好ましくは炭素数2〜10の直鎖状ア
ルキル基が挙げられ、さらに好ましくは炭素数3〜8の
直鎖状アルキル基が挙げられ、−Y5 −および−Y6
としては、
【0024】
【化9】
【0025】が挙げられる。本発明の二色性色素組成物
は、好ましくは前記一般式[I−1]で表される色素を
1種以上含み、かつ前記一般式[II]で表される色素に
おいて、−X−が、−NH−、−S−で表される色素を
各々1種以上含む組成物である。さらに好ましくは、前
記一般式[I−1]および一般式[I−2]で表される
色素を各々1種以上含み、かつ前記一般式[II]で表さ
れる色素において、−X−が、−NH−、−S−で表さ
れる色素を各々1種以上含む組成物である。
【0026】本発明の二色性色素組成物における一般式
[I−1]で表される二色性色素、一般式[II]で表さ
れる二色性色素の重量比は、目的とする液晶組成物の色
相によっても異なるが、ダークブルー、ダークグレー、
ブラウンでは通常25〜75:75〜25好ましくは5
0〜70:50〜30である。本発明の二色性色素組成
物における一般式[I−1]で表される二色性色素、一
般式[I−2]で表される二色性色素、一般式[II]で
表される二色性色素の重量比は、目的とする液晶組成物
の色相によっても異なるが、ダークブルー、ダークグレ
ー、ブラウン、ブラックでは通常5〜70:10〜7
0:20〜75好ましくは20〜50:20〜50:3
0〜50である。
【0027】また、本発明の二色性色素組成物には本発
明の効果を損なわない範囲でその他の二色性色素を含ん
でいてもよい。これら本願発明で使用される二色性色素
の具体例としては以下に示す表−1に記載した色素が挙
げられる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】本発明に用いるホスト液晶材料としては、
以下に示す構造式[III ]で表される誘電異方性が正の
液晶化合物を主成分とするフッ素系液晶材料、又は構造
式[IV]および構造式[V]で表される誘電異方性が負
の液晶化合物を主成分とするフッ素系およびシアノ系液
晶材料、又は構造式[VI]および構造式[VII ]で表さ
れる液晶化合物を主成分とするシアノ系液晶材料が挙げ
られる。
【0031】
【化10】
【0032】(各式中、環Aは、シクロヘキサン環、ベ
ンゼン環、ジオキサン環、ピリミジン環を表し、nは1
〜3の整数を表す。−Z−は、単結合,−COO−,−
CH2 CH2 −,−CH=CH−又は−C≡C−を示
す。一般式[III ]におけるR7 、R9 はそれぞれ独立
に水素原子;フッ素基、塩素基等のハロゲン原子を表
し、R8 はフッ素基、塩素基等のハロゲン原子;フッ素
基、塩素基等のハロゲン原子を置換基として有する炭素
数1〜7の置換アルキル基、置換アルコキシ基または置
換アルケニル基;これらの置換アルキル基、置換アルコ
キシ基、置換アルケニル基を置換基として有する置換シ
クロヘキシル基又は置換フェニル基を表す。
【0033】一般式[IV]におけるR12、R13はそれぞ
れ独立にシアノ基;フッ素基、塩素基等のハロゲン原子
を表す。一般式[III ]におけるR10、一般式[IV]に
おけるR11、R14、一般式[V]におけるR15、R16
一般式[VI]におけるR17および一般式[VII ]におけ
るR18はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアル
コキシアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基
を表す。)
【0034】これらのうち、一般式[III ]におけるR
8 がフッ素原子またはフッ素の置換基であるフッ素系液
晶および一般式[IV]におけるR12、R13がフッ素原子
であるフッ素系液晶がアクティブ駆動における電荷保持
特性の点で好ましく用いられる。本発明のゲストホスト
型液晶組成物には、各種の紫外線吸収剤や酸化防止剤お
よびカイラルドーパントとしてコレステリックナノエー
トなどのステロイド系液晶および前述の液晶性化合物等
の末端置換基に光学活性アルキル基や光学活性アルコキ
シ基等を導入したカイラルネマティック液晶をゲストホ
スト型液晶組成物の通常0.1〜10重量%程度まで添
加してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で
他の二色性色素を含んでいてもよい。 本発明のゲスト
ホスト型液晶組成物における二色性色素の添加濃度とし
ては、ホスト液晶材料に対し通常0.1〜15重量%、
好ましくは0.5〜5重量%である。
【0035】本発明のゲストホスト型液晶組成物は、液
晶組成物と二色性色素および各種添加剤を振とう等の操
作により混合、溶解させることによって容易に得ること
ができる。このように調製されたゲストホスト型液晶組
成物は、TNモードやSTNモードさらには日本学術振
興会第142委員会編;「液晶デバイスハンドブック」
日本工業新聞社(1989)、p315〜329および
p367〜370などに記載のHeilmeier型ゲ
ストホスト等の各種ゲストホストモード等の電気光学効
果が得られるように処理を施した少なくとも一方が透明
な電極基板間に挟持させ、日本学術振興会第142委員
会編;「液晶デバイスハンドブック」日本工業新聞社
(1989)、p387〜434などに記載されている
各種直接駆動方式や薄膜トランジスタやMIMなどの能
動素子によるアクティブ駆動方式を組み合わせることに
より各種表示素子を得ることができる。このようにして
得られた本発明の液晶組成物は、オーダーパラメーター
が高く、着色濃度も高いので液晶表示ディスプレイを構
成した際に高いコントラスト比を達成することが可能で
あり、アクティブ駆動に適する。
【0036】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
制約されるのではない。 [実施例1]前記の表−1に記載の下記構造式の二色性
色素を商品名MLC−2039(E.MERCK社製)
として市販されているフッ素系化合物を主成分とする誘
電異方性が負の液晶混合物1gに混合、溶解させて液晶
組成物−Iを調製した。 [I−1−2] 15.5 mg [II−2] 3.3 mg [II−6] 13.4 mg [I−2−2] 8.8 mg
【0037】この液晶組成物−Iを、ポリイミド系樹脂
を塗布硬化後、ラビングしてホモジニアス配向処理され
た透明電極付きガラス板からなり、その配向処理面がア
ンチパラレルとなるよう対向させたセルに注入し、ゲス
トホスト型液晶素子−I−1を作製した。この素子に、
ラビング方向と平行な偏光および垂直な偏光をそれぞれ
照射し、透過光スペクトル(A平行およびA垂直)を測
定した。これらの値を用い下式によりオーダーパラメー
ターを算出した。
【0038】オーダーパラメーター(S値)=(A平行
−A垂直)/(A平行+2×A垂直) 各波長におけるオーダーパラメーター値は下記表−2に
示す通り、液晶組成物−1は550nmにおけるS値が
0.79であり、良好なコントラスト特性を示した。ま
た、図−1に示したA平行およびA垂直の相対吸収スペ
クトルチャートの通り、本組成物は反射型液晶表示素子
に適したなめらかな分光特性を示した。
【0039】
【表3】
【0040】さらに、液晶組成物−Iを、ポリイミド系
樹脂を塗布硬化してホメオトロピック配向処理された透
明電極付きガラス板からなるセルに注入し、ゲストホス
ト型液晶素子−I−2を作製した。この素子の電圧保持
率を下記条件で測定した結果、98.2%とアクティブ
駆動に適した駆動特性を示した。
【0041】(電圧保持率測定条件) フレーム周波数:33Hz 印加電圧:5V ON時間:60μsec 測定温度:25℃
【0042】[実施例2]商品名MLC−2039
(E.MERCK社製)として市販されているフッ素系
化合物を主成分とする誘電異方性が負の液晶混合物1g
に下記二色性色素を混合、溶解させて液晶組成物−IIを
調製した。 [I−1−2] 25.2 mg [II−2] 5.4 mg [II−7] 24.0 mg [I−2−5] 14.7 mg
【0043】この液晶組成物−IIを前記実施例1と同様
な方法によりホモジニアス配向セルに注入し液晶表示素
子−II−1を作製した。この液晶表示素子−IIの透過光
スペクトル(A平行およびA垂直)を実施例1と同様な
方法により測定した。これらの値を用いてオーダーパラ
メーターを算出した。表−3に各波長におけるオーダー
パラメーターを示す。また、A平行およびA垂直の相対
吸収スペクトルチャートを図−2に示す。
【0044】
【表4】
【0045】さらに、液晶組成物−IIを前記実施例1と
同様な方法によりホメオトロピック配向セルに注入し液
晶表示素子−II−2を作製した。この素子の電圧保持率
を実施例1と同様な条件で測定した結果、98.7%と
良好な駆動特性を示した。
【0046】[実施例3]商品名ZLI−4792
(E.MERCK社製)として市販されているフッ素系
化合物を主成分とする誘電異方性が正の液晶混合物1g
に下記二色性色素を混合、溶解させて液晶組成物−III
を調製した。 [I−1−5] 24.9 mg [II−3] 6.6 mg [II−6] 25.7 mg [I−2−3] 14.7 mg
【0047】この液晶組成物−III を前記実施例1と同
様な方法によりセルに注入し液晶表示素子−III を作製
した。この液晶表示素子−III の透過光スペクトル(A
平行およびA垂直)を実施例1と同様な方法により測定
した。これらの値を用いてオーダーパラメーターを算出
した。表−4に各波長におけるオーダーパラメーターを
示す。また、A平行およびA垂直の相対吸収スペクトル
チャートを図−3に示す。
【0048】
【表5】
【0049】さらに、この液晶素子−III の電圧保持率
を下記条件で測定した結果、98.1%と良好な駆動特
性を示した。 (電圧保持率測定条件) フレーム周波数:33Hz 印加電圧:5V ON時間:60μsec 測定温度:70℃
【0050】[実施例4]商品名ZLI−4792
(E.MERCK社製)として市販されているフッ素系
化合物を主成分とする液晶混合物1gに下記二色性色素
を混合、溶解させて液晶組成物−IVを調製した。 [I−1−2] 15.7 mg [II−3] 3.7 mg [II−7] 15.7 mg [I−2−1] 7.4 mg
【0051】この液晶組成物−IVを前記実施例1と同様
な方法によりセルに注入し液晶表示素子−IVを作製し
た。この液晶表示素子−IVの透過光スペクトル(A平行
およびA垂直)を実施例1と同様な方法により測定し
た。これらの値を用いてオーダーパラメーターを算出し
た。表−5に各波長におけるオーダーパラメーターを示
す。また、A平行およびA垂直の相対吸収スペクトルチ
ャートを図−4に示す。
【0052】
【表6】
【0053】さらに、この液晶素子−IVの電圧保持率を
実施例3と同様な条件で測定した結果、98.5%と良
好な駆動特性を示した。 [比較例1]特開平2−173090号公報に記載の、
以下構造式で示される色素
【0054】
【化11】
【0055】を商品名ZLI−1565(E.MERC
K社製)として市販されているフェニルシクロヘキサン
系化合物を主成分とする液晶混合物100gに混合、溶
解させた液晶組成物は、前記実施例と同様な方法で測定
したオーダーパラメーター値が、0.74(580n
m),0.72(540nm),0.70(468n
m)であり、本発明の液晶組成物に比べ充分なコントラ
スト特性を得ることができなかった。 [比較例2]特開平2−178390号公報に記載の、
以下構造式で示される色素
【0056】
【化12】
【0057】を商品名ZLI−1565(E.MERC
K社製)として市販されているフェニルシクロヘキサン
系化合物を主成分とする液晶混合物100gに混合、溶
解させた液晶組成物は、前記実施例と同様な方法で測定
したオーダーパラメーター値が、0.74(575n
m),0.72(539nm),0.70(467n
m)であり、本発明の液晶組成物に比べ充分なコントラ
スト特性を得ることができなかった。
【0058】
【発明の効果】本発明により、二色性ないしはオーダー
パラメーターの高いアントラキノン系二色性色素を配合
したゲストホスト型液晶組成物が可能となり、優れたコ
ントラスト特性と駆動特性を有するゲストホスト型液晶
素子を実現することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるA平行およびA垂直の相対吸
収スペクトルチャート。
【図2】実施例2におけるA平行およびA垂直の相対吸
収スペクトルチャート。
【図3】実施例3におけるA平行およびA垂直の相対吸
収スペクトルチャート。
【図4】実施例4におけるA平行およびA垂直の相対吸
収スペクトルチャート。[図1]〜[図4]において、
実線がA平行の相対吸収スペクトルを、点線がA垂直の
相対吸収スペクトルを示す。
【図5】本発明に係わる液晶表示素子の例として相転移
モードの反射型液晶表示素子の略示的断面図。
【符号の説明】
1.入射光 2.ガラス基板 3.透明電極 4.配向
膜 5.二色性色素 6.液晶組成物 7.反射層 8.反
射光

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I−1]および一般式[I
    I]で示されるアントラキノン系二色性色素を各々少な
    くとも1種ずつ含むことを特徴とする二色性色素組成
    物。 【化1】 を表し、 R1 、R2 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子で
    置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハ
    ロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のア
    ルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素
    数2〜12のアルコキシアルキル基またはハロゲン原子
    を表す。) 【化2】 を表し、 R3 、R4 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子で
    置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハ
    ロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のア
    ルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素
    数2〜12のアルコキシアルキル基またはハロゲン原子
    を表わす。)
  2. 【請求項2】 前記一般式[I−1]、一般式[II]お
    よび下記一般式[I−2]で示されるアントラキノン系
    二色性色素を各々少なくとも1種ずつ含むことを特徴と
    する二色性色素組成物。 【化3】 を表し、 R5 、R6 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子で
    置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、ハ
    ロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12のア
    ルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素
    数2〜12のアルコキシアルキル基またはハロゲン原子
    を表す。)
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の二色性
    色素組成物およびホスト液晶を含むことを特徴とするゲ
    ストホスト型液晶組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のゲストホスト型液晶組
    成物において、ホスト液晶がフッ素系液晶化合物を主成
    分としたフッ素系液晶材料であることを特徴とするゲス
    トホスト型液晶組成物。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のゲストホスト型液晶組
    成物において、ホスト液晶が誘電異方性が負であるフッ
    素系液晶化合物を主成分としたフッ素系液晶材料である
    ことを特徴とするゲストホスト型液晶組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3、4または5に記載のゲストホ
    スト型液晶組成物を、少なくとも一方が透明な電極付き
    基板間に挟持したことを特徴とする液晶表示素子。
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