JP2023091211A - デバイスチップの製造方法、及び板状物 - Google Patents

デバイスチップの製造方法、及び板状物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023091211A
JP2023091211A JP2021205836A JP2021205836A JP2023091211A JP 2023091211 A JP2023091211 A JP 2023091211A JP 2021205836 A JP2021205836 A JP 2021205836A JP 2021205836 A JP2021205836 A JP 2021205836A JP 2023091211 A JP2023091211 A JP 2023091211A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
plate
cutting
resin layer
cassette
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021205836A
Other languages
English (en)
Inventor
茂 石井
Shigeru Ishii
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Disco Corp
Original Assignee
Disco Abrasive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Disco Abrasive Systems Ltd filed Critical Disco Abrasive Systems Ltd
Priority to JP2021205836A priority Critical patent/JP2023091211A/ja
Publication of JP2023091211A publication Critical patent/JP2023091211A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Dicing (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)

Abstract

【課題】テープを使用せず、ウェーハを分割してデバイスチップを製造する。【解決手段】交差する複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスを有するウェーハを分割するデバイスチップの製造方法であって、該ウェーハの該分割予定ラインに対応する位置に形成された溝を備えると共に該溝によって区画された領域にそれぞれ吸引孔を備えた治具チャックテーブルで該ウェーハを保持し、該治具チャックテーブルで保持された該ウェーハを該分割予定ラインに沿って回転する切削ブレードで切削して該ウェーハを個々のデバイスチップに分割し、分割された該ウェーハの上面を吸引パッドで吸引保持し、該治具チャックテーブルから該ウェーハを搬出し、該吸引パッドで吸引保持された該ウェーハを、保持力を有する有機樹脂層が表面に配設された板状物の該有機樹脂層に載置し、該ウェーハが載置された該板状物をカセットに収容する。【選択図】図7

Description

本発明は、切削装置において切削ブレードでウェーハを切削して分割し、ウェーハをカセットに収容して切削装置から搬出するデバイスチップの製造方法と、該デバイスチップの製造方法に使用可能な板状物に関する。
携帯電話やコンピュータ等の電子機器に使用されるデバイスチップは、表面に複数のデバイスが配設されたウェーハをデバイス毎に分割することで形成される。半導体等の材料で構成されるウェーハを分割する際には、例えば、環状の切り刃(砥石部)を外周に有する切削ブレードを備える切削装置が使用される。切削装置のチャックテーブルで被加工物を保持し、高速に回転する切削ブレードを被加工物に対して切り込ませながら切削ブレードと被加工物とを相対的に移動させることで、被加工物を切削できる。
切削装置に搬入されて切削されるウェーハは、このウェーハよりも径の大きな開口を有するリングフレームと、この開口を塞ぐようにリングフレームに貼られたテープと、と一体化され、予めフレームユニットが形成される。ウェーハがテープを介してリングフレームに支持されているとウェーハが衝撃等から保護され、搬送中に損傷が生じにくい。また、ウェーハが切削されて形成されたデバイスチップはそのままテープに支持されるため、デバイスチップの取り扱いも容易となる。複数のデバイスチップを含むフレームユニットは、カセットに収容されて切削装置から搬出される。
近年、BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)といったパッケージ技術が開発されている。これらの技術では、縦横に並べて配設された複数のデバイスチップを封止樹脂で封止してパッケージ基板を形成し、このパッケージ基板を切削してパッケージ化されたデバイスチップを製造する。パッケージ基板はウェーハよりも取り扱いが容易であるため、予めテープ及びリングフレームと一体化してフレームユニットを形成する必要性が低い。
テープを介さずにチャックテーブルに被加工物を載せて固定し、被加工物を切削して形成されたデバイスチップに直接接触して搬送し、デバイスチップを洗浄して所定のケースに収容する切削装置が知られている。この切削装置では、チャックテーブルがパッケージ基板の保持に適した構造を有する(特許文献1参照)。または、パッケージ基板の支持及び搬送に繰り返し使用可能な搬送トレイが使用される(特許文献2参照)。テープを使用せずにデバイスチップを製造すると、工程に要するコストが大幅に低減される。
特開2015―109325号公報 特開2012―144261号公報
最近、WLP(Wafer level package)と呼ばれるパッケージ技術が開発されている。この技術では、ウェーハの形態でパッケージの最終工程まで処理が進められるため、従来のウェーハと同等に慎重な取り扱いが必要となり、テープを使用しないプロセスの採用が難しい。
特に、個片化された後のデバイスチップの取り扱いに注意が必要であるものの、有効なデバイスチップの搬送方法が未だ確立されていない。製造された複数のデバイスチップをそのままカセットに収容することもできない。そのため、従来の切削装置を使用してテープを使用した従来の方法にてデバイスチップを製造しなければならず、デバイスチップの製造コストの増大に繋がっていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、テープを使用せず、製造されたデバイスチップの取り扱いが容易なデバイスチップの製造方法、及び該製造方法に使用可能な板状物を提供することである。
本発明の一態様によれば、交差する複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスを有するウェーハを分割するデバイスチップの製造方法であって、該ウェーハの該分割予定ラインに対応する位置に形成された溝を備えると共に該溝によって区画された領域にそれぞれ吸引孔を備えた治具チャックテーブルで該ウェーハを保持する保持ステップと、該治具チャックテーブルで保持された該ウェーハを該分割予定ラインに沿って回転する切削ブレードで切削して該ウェーハを個々のデバイスチップに分割する切削ステップと、該切削ステップで分割された該ウェーハの上面を吸引パッドで吸引保持し、該治具チャックテーブルから該ウェーハを搬出する搬出ステップと、該吸引パッドで吸引保持された該ウェーハを、保持力を有する有機樹脂層が表面に配設された板状物の該有機樹脂層に載置する載置ステップと、該ウェーハが載置された該板状物をカセットに収容するカセット収容ステップと、を備えるデバイスチップの製造方法が提供される。
好ましくは、該板状物は、該有機樹脂層よりも外側で該有機樹脂層の設けられていない露出領域を該表面に有し、該カセット収容ステップでは、該板状物の該露出領域を吸引または把持した状態で該カセットに該板状物を収容する。
また、本発明の他の一態様によれば、ウェーハを支持できカセットに収容できる板状物であって、該ウェーハの幅よりも大きく、該カセットの収容空間の幅よりも小さい幅を有し、保持力を有する有機樹脂層を表面に有する板状物が提供される。
好ましくは、該有機樹脂層よりも外側で該有機樹脂層の設けられていない露出領域を該表面に有する。
本発明の一態様に係るデバイスチップの製造方法では、保持力を有する有機樹脂層が表面に配設された板状物が使用される。切削されてデバイスチップに分割されたウェーハを板状物の有機樹脂層の上に載置すると、ウェーハがこの有機樹脂層に保持される。このとき、個々のデバイスチップが有機樹脂層を介して板状物に安定的に支持される。そして、ウェーハを保持する板状物をカセットに収容し、カセットを搬送することでデバイスチップを容易に搬送できる。
このように、保持力を有する有機樹脂層が表面に配設された板状物を使用すると、リングフレームに貼られるテープを使用する必要がない。また、板状物からウェーハ(デバイスチップ)を取り外すと、板状物は次のウェーハの保持に再利用可能である。そのため、テープを1度の使用で使い捨てる場合とは異なり、テープに要していた大きなコストがかからない。さらに、従来使用されてきたカセットに板状物を収容できると、板状物を収容するための新たなカセットを準備する必要がない。
したがって、本発明の一態様によると、テープを使用せず、製造されたデバイスチップの取り扱いが容易なデバイスチップの製造方法、及び該製造方法に使用可能な板状物が提供される。
切削装置を模式的に示す斜視図である。 切削装置の治具チャックテーブルを模式的に示す平面図である。 図3(A)は、保持ステップを模式的に示す断面図であり、図3(B)は、切削ステップを模式的に示す断面図である。 搬出ステップを模式的に示す断面図である。 板状物を模式的に示す斜視図である。 載置ステップを模式的に示す断面図である。 カセット収容ステップを模式的に示す斜視図である。 デバイスチップの製造方法の各ステップの流れを示すフローチャートである。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。本実施形態に係るデバイスチップの製造方法では、交差する複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスを有するウェーハを切削装置で切削してデバイスチップを製造する。図7には、被加工物として切削装置で切削され分割されたウェーハ11を模式的に示す斜視図が含まれている。また、図3(A)には、分割される前のウェーハ11を模式的に示す断面図が含まれている。
切削装置で切削されるウェーハ11は、例えば、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(ガリウムナイトライド)、GaAs(ヒ化ガリウム)、若しくは、その他の半導体等の材料から形成される。ウェーハ11の表面11aには、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等の複数のデバイスが形成されている。
ウェーハ11は、例えば、各デバイスが図示しないモールド樹脂で封止されたパッケージ基板でもよい。パッケージ基板であるウェーハ11をデバイス毎に分割すると、パッケージされたデバイスチップ15を形成できる。ただし、切削装置2で切削されるウェーハ11はこれに限定されない。
ウェーハ11には互いに交差する複数の分割予定ライン13が設定され、分割予定ライン13によって区画された各領域にデバイスが形成される。そして、切削装置2で分割予定ライン13に沿ってウェーハ11を切削して加工溝13aを形成すると、ウェーハ11が個々のデバイスチップ15に分割される。
次に、本実施形態に係るデバイスチップの製造方法で使用される切削装置2について説明する。図1は、切削装置2を模式的に示す斜視図である。切削装置2は、各構成要素を支持する基台4を備える。基台4の中央には、X軸方向(加工送り方向)に沿って長い開口4aが形成されている。
開口4aには、被加工物であるウェーハ11を吸引保持できる治具チャックテーブル10と、治具チャックテーブル10をX軸方向に沿って移動できるX軸移動機構(不図示)と、X軸移動機構を覆い保護する防塵防滴カバー8と、が設けられている。X軸移動機構(加工送りユニット)は、後述のY軸移動機構及びZ軸移動機構と同様にボールねじ式の移動機構により構成される。ただし、X軸移動機構はこれに限定されない。
防塵防滴カバー8は、治具チャックテーブル10の下方の領域を覆うカバー6に一端が固定されており、治具チャックテーブル10の移動に伴ってカバー6が移動したときに伸縮する。防塵防滴カバー8及びカバー6は、ウェーハ11が切削される際にウェーハ11等に供給される切削水やウェーハ11等から生じる加工屑が下方の領域に進入するのを防止する機能を有する。
図1には、治具チャックテーブル10を模式的に示す斜視図が含まれている。図2は、治具チャックテーブル10を模式的に示す平面図である。図3(A)、図3(B)、図4には、治具チャックテーブル10を模式的に示す断面図が含まれている。治具チャックテーブル10の上面12は、被加工物であるウェーハ11が載せられる保持面となる。
治具チャックテーブル10の上面12には、加工溝13aが形成されるウェーハ11の分割予定ライン13に対応する位置に形成された溝36を備える。溝36は、治具チャックテーブル10で保持されたウェーハ11を後述の切削ブレード46で切削する際に、切削ブレード46が切り込む領域に形成された逃げ溝である。
後述の通りウェーハ11に加工溝13aを形成してウェーハ11を分割する際、ウェーハ11を確実に分割するために、切削ブレード46の下端を治具チャックテーブル10の上面12よりも低い位置に到達させる。溝36は、このときに切削ブレード46が治具チャックテーブル10に接触しないことを目的として、治具チャックテーブル10の上面12に設けられる。
治具チャックテーブル10は、溝36と共に、上面12の溝36によって区画された領域にそれぞれ吸引孔38を備える。図3(A)等に示される通り治具チャックテーブル10の内部には吸引路40が形成されており、吸引路40の一端は治具チャックテーブル10の外部に設けられた吸引源(不図示)に接続される。吸引路40の末端側は、分岐して各吸引孔38に接続される。
治具チャックテーブル10の上面12にウェーハ11を載せ、該吸引源を作動させると、吸引路40及び吸引孔38を通じてウェーハ11に負圧が作用し、ウェーハ11が治具チャックテーブル10に吸引保持される。この状態で分割予定ライン13に沿ってウェーハ11を分割したとき、製造される個々のデバイスチップ15がそれぞれ対応する吸引孔38を通じて吸引され続ける。
治具チャックテーブル10の上方には、環状の切削ブレード46によってウェーハ11を切削する切削ユニット14が配設される。基台4の上面には、切削ユニット14を支持するための支持構造16が配置されている。支持構造16は、開口4aを渡るように伸長した腕部を上部に備える。
支持構造16の前面上部には、切削ユニット14をY軸方向(割り出し送り方向)に移動させるY軸移動機構(割り出し送りユニット)及びZ軸方向(上下方向)に移動させるZ軸移動機構(切り込み送りユニット)で構成される移動ユニット18が設けられる。
Y軸移動機構は、支持構造16の前面にY軸方向に沿って伸長した一対のY軸ガイドレール20を備える。一対のY軸ガイドレール20には、Y軸移動プレート22がスライド可能に装着されている。Y軸移動プレート22の裏面側(後面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはY軸ガイドレール20に平行なY軸ボールネジ24が螺合されている。
Y軸ボールネジ24の一端部には、Y軸パルスモータ(不図示)が連結されている。Y軸パルスモータによってY軸ボールネジ24を回転させることにより、Y軸移動プレート22がY軸ガイドレール20に沿ってY軸方向に移動する。
Y軸移動プレート22の表面(前面)には、Z軸移動機構が設けられる。Z軸移動機構は、Z軸方向に沿った一対のZ軸ガイドレール26をY軸移動プレート22の表面に備える。一対のZ軸ガイドレール26にはZ軸移動プレート28がスライド可能に取り付けられている。
Z軸移動プレート28の裏面側(後面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはZ軸ガイドレール26に平行な方向に沿うように設けられたZ軸ボールネジ30が螺合されている。Z軸ボールネジ30の一端部にはZ軸パルスモータ32が連結されており、このZ軸パルスモータ32によってZ軸ボールネジ30を回転させることにより、Z軸移動プレート28がZ軸ガイドレール26に沿ってZ軸方向に移動する。
Z軸移動プレート28の下部には切削ユニット14が固定されている。図3(B)に示す通り、切削ユニット14は、Y軸方向に沿ったスピンドル44と、スピンドル44の基端側を回転可能に収容するスピンドルハウジング42と、を備える。スピンドルハウジング42には、スピンドル44を回転させるモータ等の回転駆動源が配設される。
スピンドル44の先端には円環状の切り刃(砥石部)を有する切削ブレード46の貫通孔が挿通され、切削ブレード46がスピンドル44に固定されている。回転駆動源を作動させてスピンドル44を回転させると、切削ブレード46が回転する。
図1に示す通り、切削ユニット14に隣接する位置には、治具チャックテーブル10によって吸引保持されたウェーハ11を撮像し、分割予定ライン13の位置を検出するための撮像ユニット34が設けられている。撮像ユニット34は、CCDセンサーまたはCMOSセンサー等の撮像素子を備え、ウェーハ11の上面を撮像できる。移動ユニット18により切削ユニット14及び撮像ユニット34のY軸方向及びZ軸方向における位置が制御される。
基台4の上面の開口4aに隣接する位置には開口4bが形成されており、開口4bには切削後のウェーハ11を洗浄するための洗浄ユニット48が配置されている。洗浄ユニット48は、ウェーハ11を保持しながら回転するスピンナテーブルと、スピンナテーブルに保持されたウェーハ11に上方から洗浄水を噴射する噴射ノズルと、を備える。
基台4の前端部58の上面には、カセット載置台60が配設された開口4cが形成されている。基台4のカセット載置台60の下方には図示しない昇降機構が配設されており、昇降機構によりカセット載置台60は昇降可能である。カセット載置台60には、切削後の複数のウェーハ11を収容するカセット62が載置される。図1では、説明の便宜のため、カセット62の輪郭が二点鎖線で示されている。
また、図7には、カセット62を模式的に示す斜視図が含まれている。カセット62は、複数のウェーハ11を被収容物として収容できる。カセット62は、例えば、一つの側面が開いた箱形形状を有し、被収容物が収容される収容空間66を内部に有する。この側面には被収容物の搬出入口となる開口64が形成されており、開口64を通して収容空間66に被収容物が搬出入される。
カセット62の内部の開口64に隣接する両内壁には、被収容物を支持する複数の支持レール68が配設されている。左右の内壁には同じ高さで各支持レール68が配設されており、左右の同じ高さの一対の支持レール68に被収容物が載せられて該被収容物が支持レール68に支持される。
さらに、切削装置2は、切削後のウェーハ11を治具チャックテーブル10から搬出するための搬出ユニット50(図4参照)を備える。搬出ユニット50は、吸引パッド52を備え、切削され個々のデバイスチップ15に分割されたウェーハ11を上方から吸引保持する機能を有する。
吸引パッド52は、ウェーハ11の上方を覆うことのできる平面形状を有する。吸引パッド52の下面には、複数の吸引孔54が形成されている。各吸引孔54は、ウェーハ11から形成されるデバイスチップ15の配列に対応した配列で吸引パッド52に設けられている。すなわち、治具チャックテーブル10の吸引孔38と同様の配列で吸引孔54が吸引パッド52に設けられている。
図4等に示される通り吸引パッド52の内部には吸引路56が形成されており、吸引路56の一端は吸引パッド52の外部に設けられた吸引源(不図示)に接続される。吸引路56の末端側は、分岐して各吸引孔54に接続される。治具チャックテーブル10で吸引保持されたウェーハ11に吸引パッド52を載せ、該吸引源を作動させると、吸引路56及び吸引孔54を通じてウェーハ11に負圧が作用し、ウェーハ11が吸引パッド52に吸引保持される。
この状態で治具チャックテーブル10によるウェーハ11の吸引保持を解除し、吸引パッド52を上昇させると、各デバイスチップ15が持ち上げられ、すなわち、切削後のウェーハ11を搬送できる。
また、切削装置2は、カセット載置台60に載せられたカセット62に被収容物を搬出入する搬出入ユニット70(図7参照)を備える。搬出入ユニット70は、本体74と、本体74の一側面から上下に分かれて突出した2つの爪部から構成される把持部72と、を備える。把持部72の2つの爪部の間に被収容物を挿し入れ、2つの爪部を互いに近づけることで被収容物が把持部72に把持される。この状態で本体74を所定の方向に移動すると、被収容物を移動できる。
次に、本実施形態に係るデバイスチップの製造方法の各ステップについて説明する。このデバイスチップの製造方法は、主に切削装置2で実施される。図8は、このデバイスチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。
まず、保持ステップS10を実施する。図3(A)は、保持ステップS10を模式的に示す断面図である。保持ステップS10では、ウェーハ11の分割予定ライン13に対応する位置に形成された溝36を備えると共に該溝36によって区画された領域にそれぞれ吸引孔38を備えた治具チャックテーブル10でウェーハ11を保持する。
保持ステップS10では、まず、ウェーハ11のすべての分割予定ライン13と、各分割予定ライン13に対応する溝36と、が重なるように位置及び向きを調整してウェーハ11を治具チャックテーブル10の上面12に載せる。このとき、例えば、表面11aを上方に向け、裏面11bを治具チャックテーブル10の上面12に対面させる。なお、本実施形態に係るデバイスチップの製造方法では、ウェーハ11の裏面11bにテープを貼り付けず、ウェーハ11を直接的に治具チャックテーブル10に接触させる。
治具チャックテーブル10の上面12にウェーハ11を載せた後、治具チャックテーブル10の吸引源を作動させて治具チャックテーブル10でウェーハ11を吸引保持する。これにより、切削されるウェーハ11を所定の位置及び向きで治具チャックテーブル10に固定できる。
次に、治具チャックテーブル10で保持されたウェーハ11を分割予定ライン13に沿って回転する切削ブレード46で切削してウェーハ11を個々のデバイスチップ15に分割する切削ステップS20を実施する。図3(B)は、切削ステップS20を模式的に示す断面図である。
切削装置2で被加工物を切削する際、まず、治具チャックテーブル10を上面12に概略垂直な軸の周りに回転させて、ウェーハ11の分割予定ライン13の向きをX軸方向(加工送り方向)に合わせる。
また、切削ユニット14及び治具チャックテーブル10を相対的に移動させ、切削ブレード46を一つの分割予定ライン13の延長線上方に配置する。そして、切削ブレード46の最下端が治具チャックテーブル10の上面12よりも低い位置に達するように切削ユニット14の高さを調整しつつ、切削ブレード46を高速で回転させる。
その後、治具チャックテーブル10をX軸方向(加工送り方向)に沿って移動させ、分割予定ライン13に沿って切削ブレード46をウェーハ11に切り込ませ、ウェーハ11を分割する。このとき、切削ブレード46の最下端は、治具チャックテーブル10の溝36に入るため、治具チャックテーブル10が切削ブレード46で切削されることはない。
次に、切削ユニット14をY軸方向(割り出し送り方向)に沿って移動させ、他の分割予定ライン13に沿ってウェーハ11を同様に切削する。そしてウェーハ11の一つの方向に沿ったすべての分割予定ライン13に沿ってウェーハ11を切削した後、治具チャックテーブル10を回転させ、他の方向に沿った分割予定ライン13に沿って同様にウェーハ11を切削する。そして、ウェーハ11に設定されたすべての分割予定ライン13に沿ってウェーハ11が切削されると、切削ステップS20が終了する。
切削ステップS20でウェーハ11が分割予定ライン13に沿って切削されて分割されると、個々のデバイスチップ15が製造される。このときに個々のデバイスチップ15は、治具チャックテーブル10のそれぞれ対応する吸引孔38から吸引されるため、引き続き治具チャックテーブル10に吸引保持される。
切削ステップS20を実施した後、切削ステップS20で分割されたウェーハ11を治具チャックテーブル10から搬出する搬出ステップS30を実施する。図4は、搬出ステップS30を模式的に示す断面図である。搬出ステップS30は、切削装置2の搬出ユニット50により実施される。搬出ステップS30では、ウェーハ11の上面(表面11a)を吸引パッド52で吸引保持し、治具チャックテーブル10からウェーハ11を搬出する。
まず、吸引パッド52をウェーハ11の上方に位置付ける。このとき、吸引パッド52の各吸引孔54が各デバイスチップ15の位置に合うように、吸引パッド52の位置及び向きを調整する。その後、吸引パッド52を下降させてウェーハ11の上面に接触させ、搬出ユニット50の吸引源を作動させて、各デバイスチップ15を吸引パッド52で吸引保持する。その後、治具チャックテーブル10の吸引源を停止させ、治具チャックテーブル10によるウェーハ11の吸引保持を停止させる。
この状態で搬出ユニット50を上昇させると、分割されたウェーハ11が持ち上がる。搬出ユニット50を移動させると、ウェーハ11が治具チャックテーブル10から搬出される。
搬出ステップS30の次に、分割されたウェーハ11の以後の取り扱いを容易にするために、載置ステップS40を実施する。載置ステップS40では、ウェーハ11が図5に示す板状物21に載置され、板状物21に支持される。図6は、載置ステップS40を模式的に示す断面図である。ここで、板状物21について説明する。
板状物21は、ウェーハ11の幅よりも大きく、カセット62の収容空間66(図7参照)の幅よりも小さい幅を有する板状の部材である。板状物21は、ステンレス鋼(SUS)等の金属、ガラス、セラミックス等の硬質の材料により構成される。
一般的に、切削装置2で切削される被加工物は、被加工物よりも大きい開口を有するリングフレームの該開口を閉じるように貼られたテープに貼着されて切削装置2に搬入される。すなわち、被加工物と、テープと、リングフレームと、が一体化されてフレームユニットが形成され、切削装置2にフレームユニットが搬入される。そして、切削された被加工物を含むフレームユニットは、カセット62に収容されて切削装置2から搬出される。
本実施形態に係るデバイスチップの製造方法で使用される板状物21の平面形状は、従来使用されていたリングフレームの平面形状と同様であることが好ましい。特に板状物21の外周の形状がリングフレームの外周の形状と同様であると、従来フレームユニットの収容に使用されていたカセット62に板状物21を収容できるため、従来使用されていたカセット62を流用できる。ただし、リングフレームとは異なり、板状物21には表裏に貫通する開口が形成されない。
そして、板状物21は、保持力を有するシート状の有機樹脂層23を表面21aに有する。有機樹脂層23は、ウェーハ11にタック力または粘着力等に起因する保持力を作用する部材により構成される。タック力を有する有機樹脂層23としては、アクリル重合体が架橋剤で架橋された部材を使用でき、例えば、新タック化成株式会社が製造販売する商品名「セパレス」または「ハンデコタック」を用いることができる。ただし、有機樹脂層23はこれに限定されない。
なお、有機樹脂層23は板状物21の表面21aの全域に設けられる必要はなく、板状物21は、有機樹脂層23よりも外側で有機樹脂層23の設けられていない露出領域25を表面21aの外周部に有しても良い。また、有機樹脂層23は、板状物21の裏面21b側にも配設されない。
載置ステップS40でウェーハ11が載置される板状物21が予め置かれる位置には、特に制限はない。切削装置2に板状物21が準備されるためだけの領域が存在していてもよく、切削装置2の特定の機能を有する構成要素に板状物21が置かれていてもよい。例えば、洗浄ユニット48(図1参照)のスピンナテーブルに板状物21が準備さてもよい。
載置ステップS40では、図6に示す通り、所定の位置に置かれた板状物21上に吸引パッド52で吸引保持されたウェーハ11を搬送し、保持力を有する有機樹脂層23が表面21aに配設された板状物21の有機樹脂層23にウェーハ11を載置する。そして、搬出ユニット50の吸引源を停止し、吸引パッド52によるウェーハ11の吸引保持を停止する。そして、吸引パッド52を板状物21の上方から移動させる。すると、有機樹脂層23の保持力が作用してウェーハ11が板状物21に保持される。
次に、ウェーハ11が載置された板状物21をカセットに収容するカセット収容ステップS50を実施する。図7は、カセット収容ステップS50を模式的に示す斜視図である。カセット収容ステップS50では、搬出入ユニット70で板状物21を把持し、カセット62の収容空間66に板状物21を搬入する。
まず、搬出入ユニット70の把持部72で板状物21を把持する。そして、搬出入ユニット70の本体74をカセット62に向けて移動させ、カセット62の開口64から板状物21を収容空間66に挿し入れる。このとき、予めカセット載置台60を昇降させ、カセット62の複数の支持レール68のうち板状物21の搬入が予定された支持レール68の高さを把持部72に把持された板状物21の高さに合わせておく。すると、ウェーハ11を保持する板状物21を所定の支持レール68に収容できる。
ここで、把持部72が板状物21を把持する際に把持部72に有機樹脂層23が接触すると、有機樹脂層23が把持部72に保持力を作用させてしまい、把持部72による板状物21の把持を解除した後も把持部72が板状物21から離れにくくなる。そのため、板状物21の搬送に支障が生じる。また、有機樹脂層23が形成されている領域で把持部72が板状物21を把持すると、有機樹脂層23に損傷が生じてしまう。
これに対して、板状物21の表面11aに有機樹脂層23が形成されない露出領域25が設けられている場合、搬出入ユニット70の把持部72は、この露出領域25を把持できる。そのため、把持部72に有機樹脂層23が接触しにくくなる。また、板状物21に露出領域25が設けられていると、フレームユニットのリングフレームに作用してフレームユニットを搬送する従来の搬送機構をそのまま板状物21に対しても使用可能となる。
なお、板状物21に保持された状態のウェーハ11は、カセット62に収容される前に洗浄ユニット48で洗浄されてもよい。このとき、個々のデバイスチップ15に分割されたウェーハ11は、板状物21の有機樹脂層23に保持される。
また、カセット62に収容されて切削装置2から搬出されたウェーハ11は、所定の領域でカセット62から引き出される。そして、ウェーハ11が分割されて形成された個々のデバイスチップ15をピックアップして、所定の実装対象にデバイスチップ15を実装する。ウェーハ11が取り外された板状物21は、繰り返し利用可能である。すなわち、切削装置2で切削されて分割された他のウェーハ11の保持に板状物21を使用可能である。
以上に説明した本実施形態に係るデバイスチップの製造方法では、治具チャックテーブル10、搬出ユニット50、及び板状物21を使用することで分割されたデバイスチップ15をまとめてウェーハ11の形態のまま扱える。このとき、テープを使用することなくウェーハ11及び製造されたデバイスチップ15を扱えるため、テープに要していたコストがかからない。
また、分割されたウェーハ11の保持に使用される板状物21は、デバイスチップ15がピックアップされた後に再利用可能である。そのため、一度の使用で廃棄されるテープを使用していた従来のデバイスチップの製造方法より本実施形態係るデバイスチップの製造方法は経済的であり、デバイスチップ15の製造コストを低く抑えられる。
なお、本発明は、上記実施形態の記載に制限されず種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、切削ステップS20において切削ブレード46がウェーハ11の表面11aから裏面11bに至る領域を切削し、表面11aから裏面11bを貫通する加工溝13aがウェーハ11に形成される場合について説明した。しかしながら、本発明の一態様に係るデバイスチップの製造方法はこれに限定されない。
すなわち、切削ブレード46は、ウェーハ11の裏面11bより僅かに高い位置までウェーハ11に切り込み、ウェーハ11を貫通しない加工溝13aがウェーハ11に形成されてデバイスチップ15が製造されてもよい。この場合、その後に加工溝13aを起点にウェーハ11を完全に分割し、個々のデバイスチップ15を分離させる。
その他、上記実施形態及び変形例に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 ウェーハ
11a,21a 表面
11b,21b 裏面
13 分割予定ライン
13a 加工溝
15 デバイスチップ
21 板状物
23 有機樹脂層
25 露出領域
2 切削装置
4 基台
4a,4b,4c 開口
6 カバー
8 防塵防滴カバー
10 治具チャックテーブル
12 上面
14 切削ユニット
16 支持構造
18 移動ユニット
20,26 ガイドレール
22,28 Y軸移動プレート
24,30 Y軸ボールネジ
32 パルスモータ
34 撮像ユニット
36 溝
38,54 吸引孔
40,56 吸引路
42 スピンドルハウジング
44 スピンドル
46 切削ブレード
48 洗浄ユニット
50 搬出ユニット
52 .吸引パッド
58 前端部
60 カセット載置台
62 カセット
64 開口
66 収容空間
68 支持レール
70 搬出入ユニット
72 把持部
74 本体

Claims (4)

  1. 交差する複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスを有するウェーハを分割するデバイスチップの製造方法であって、
    該ウェーハの該分割予定ラインに対応する位置に形成された溝を備えると共に該溝によって区画された領域にそれぞれ吸引孔を備えた治具チャックテーブルで該ウェーハを保持する保持ステップと、
    該治具チャックテーブルで保持された該ウェーハを該分割予定ラインに沿って回転する切削ブレードで切削して該ウェーハを個々のデバイスチップに分割する切削ステップと、
    該切削ステップで分割された該ウェーハの上面を吸引パッドで吸引保持し、該治具チャックテーブルから該ウェーハを搬出する搬出ステップと、
    該吸引パッドで吸引保持された該ウェーハを、保持力を有する有機樹脂層が表面に配設された板状物の該有機樹脂層に載置する載置ステップと、
    該ウェーハが載置された該板状物をカセットに収容するカセット収容ステップと、を備えることを特徴とするデバイスチップの製造方法。
  2. 該板状物は、該有機樹脂層よりも外側で該有機樹脂層の設けられていない露出領域を該表面に有し、
    該カセット収容ステップでは、該板状物の該露出領域を吸引または把持した状態で該カセットに該板状物を収容することを特徴とする請求項1に記載のデバイスチップの製造方法。
  3. ウェーハを支持できカセットに収容できる板状物であって、
    該ウェーハの幅よりも大きく、該カセットの収容空間の幅よりも小さい幅を有し、
    保持力を有する有機樹脂層を表面に有することを特徴とする板状物。
  4. 該有機樹脂層よりも外側で該有機樹脂層の設けられていない露出領域を該表面に有することを特徴とする請求項3に記載の板状物。
JP2021205836A 2021-12-20 2021-12-20 デバイスチップの製造方法、及び板状物 Pending JP2023091211A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021205836A JP2023091211A (ja) 2021-12-20 2021-12-20 デバイスチップの製造方法、及び板状物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021205836A JP2023091211A (ja) 2021-12-20 2021-12-20 デバイスチップの製造方法、及び板状物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023091211A true JP2023091211A (ja) 2023-06-30

Family

ID=86941806

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021205836A Pending JP2023091211A (ja) 2021-12-20 2021-12-20 デバイスチップの製造方法、及び板状物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023091211A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4846411B2 (ja) 半導体パッケージ用治具
KR101486104B1 (ko) 작업물 반송 방법 및 작업물 전달 기구를 갖는 장치
JP7483069B2 (ja) 基板搬送システム
TWI709168B (zh) 晶圓加工系統
TWI663644B (zh) 磨削裝置及保護膠帶貼著方法
JP2017152442A (ja) 加工方法
JP2011054808A (ja) ウエーハの加工方法及び該加工方法により加工されたウエーハ
JP2016154168A (ja) 被加工物の受け渡し方法
JP2011060841A (ja) 研削装置
JP7303635B2 (ja) ワークの保持方法及びワークの処理方法
JP2009170797A (ja) ウェーハ搬送装置および加工装置
JP6044986B2 (ja) 切削装置
JP2023091211A (ja) デバイスチップの製造方法、及び板状物
US11628515B2 (en) Processing apparatus for processing workpiece
CN105914164B (zh) 加工装置
JP6208587B2 (ja) 切削装置
JP7233813B2 (ja) 加工装置
JP7394664B2 (ja) 被加工物の加工方法及びチップ搬送用治具
JP7286233B2 (ja) チップの製造方法
JP2012039039A (ja) 加工方法
JP2023104445A (ja) ウェーハの加工方法
JP2022104193A (ja) 分割装置
JP2022100503A (ja) デバイスチップの製造方法
JP2020116719A (ja) 搬送機構、被加工物の搬送方法及び加工装置
US20100000384A1 (en) Method for cutting large-size wafer and apparatus for the same