JP2022100503A - デバイスチップの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラック等の損傷のない高品質なデバイスチップを製造するデバイスチップの製造方法を提供する。【解決手段】互いに交差する複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスが形成されたデバイス形成領域と、該デバイス形成領域を囲繞する外周余剰領域1dと、が表面に形成されたウエーハ1を分割して個々のデバイスチップを製造するデバイスチップの製造方法であって、該外周余剰領域1dで該デバイス形成領域を取り囲むように該ウエーハ1を切削し、リング状のハーフカット溝13を形成するハーフカット溝形成工程と、ハーフカット溝13よりも外側で該ウエーハ1を切削してリング状の分断溝15を形成し、外周余剰領域1dを分断する分断工程と、分断工程の後、ウエーハ1を分割予定ラインに沿って切削して個々のデバイスチップに分割するデバイスチップ製造工程と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、半導体等の材料で形成されたウエーハを切削して分割し、デバイスチップを製造するデバイスチップの製造方法に関する。
携帯電話やパソコン等の電子機器に使用されるデバイスチップの製造工程では、まず、半導体等の材料からなるウエーハの表面に互いに交差する複数の分割予定ライン(ストリート)を設定する。そして、分割予定ラインで区画される各領域にIC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integration)等のデバイスを形成する。その後、ウエーハを裏面側から研削して薄化し、分割予定ラインに沿って分割すると、個々のデバイスチップが形成される。
ウエーハの分割は、例えば、円環状の切削ブレードが装着された切削装置で実施される。切削装置は、被加工物となるウエーハを保持するチャックテーブルと、切削ブレードを備えチャックテーブルに保持されたウエーハを切削する切削ユニットと、を備える。切削装置は、ウエーハを切削ブレードで切削して分割溝を形成する。
ウエーハの表面は、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が被覆される場合がある。例えば、WLP(Wafer Level Package)のプロセスフローでは、デバイスが形成されたウエーハの表面が封止樹脂で覆われる(特許文献1等参照)。ただし、ウエーハの表面を樹脂で被覆すると樹脂からウエーハに応力がかかるため、ウエーハに反りが生じる。そして、反りが生じている状態でウエーハを切削ブレードで分割すると、形成される分割溝の周囲で多くのクラック等の損傷が発生し、製造されるデバイスチップの品質が低下する。
特開2000-173954号公報
そこで、製造されるデバイスチップに影響のない外周余剰領域を事前に切除し、ウエーハにかかる応力を低減させることが考えられる。すなわち、ウエーハを分割する前に、デバイス形成領域を囲むように切削ブレードで円環状にウエーハを切削する。この場合、切除された領域で生じていた応力がデバイス形成領域に伝達されなくなるため、ウエーハにかかる応力が緩和される。
しかしながら、反りが生じたウエーハの外周余剰領域を切削すると切削溝の周囲でクラックが生じ、このクラックがデバイス形成領域にまで進行し、製造されるデバイスチップに致命的な損傷を与えることがある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クラック等の損傷のない高品質なデバイスチップを製造するデバイスチップの製造方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、互いに交差する複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスが形成されたデバイス形成領域と、該デバイス形成領域を囲繞する外周余剰領域と、が表面に形成されたウエーハを分割して個々のデバイスチップを製造するデバイスチップの製造方法であって、該外周余剰領域で該デバイス形成領域を取り囲むように該ウエーハを切削し、リング状のハーフカット溝を形成するハーフカット溝形成工程と、該ハーフカット溝よりも外側で該ウエーハを切削してリング状の分断溝を形成し、該外周余剰領域を分断する分断工程と、該分断工程の後、該ウエーハを該分割予定ラインに沿って切削して個々のデバイスチップに分割するデバイスチップ製造工程と、を備えることを特徴とするデバイスチップの製造方法が提供される。
好ましくは、該分断工程よりも前に、該ウエーハを収容できる形状の開口部を中央に備えたリングフレームの該開口部に該ウエーハを位置づけて、該ウエーハ及び該リングフレームをダイシングテープで一体化し、該ダイシングテープを介して該ウエーハを該リングフレームで支持するフレーム支持工程が含まれる。
また、好ましくは、該ウエーハの該表面上には、樹脂膜が設けられている。
本発明の一態様に係るデバイスチップの製造方法よると、ウエーハにリング状のハーフカット溝を形成した後、該ハーフカット溝よりも外側でウエーハを分断する。この場合、ウエーハを分断してクラックが生じたとき、該ハーフカット溝の形成位置でクラックの進行が止められるため、デバイス形成領域にクラックが進行しない。そのため、その後にウエーハを分割予定ラインに沿って分割したとき、損傷の残らない高品質なデバイスチップが得られる。
したがって、本発明の一態様によると、クラック等の損傷のない高品質なデバイスチップを製造するデバイスチップの製造方法が提供される。
フレーム支持工程を模式的に示す斜視図である。 切削装置を模式的に示す斜視図である。 ハーフカット溝形成工程を模式的に示す斜視図である。 分断工程を模式的に示す斜視図である。 ハーフカット溝及び分断溝が形成されたウエーハを拡大して模式的に示す断面図である。 デバイスチップ製造工程を模式的に示す斜視図である。 デバイスチップ製造工程を模式的に示す斜視図である。 デバイスチップの製造方法の各工程の流れを示すフローチャートである。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係るデバイスチップの製造方法について説明する。本実施形態に係るデバイスチップの製造方法では、半導体等の材料で形成されたウエーハを加工する。
まず、被加工物となるウエーハについて説明する。図1には、ウエーハ1を模式的に示す斜視図が含まれている。ウエーハ1は、例えば、シリコン、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)等の半導体等の材料で形成された円板状のウエーハである。なお、ウエーハ1は、サファイア、ガラス、石英等の材料で形成されてもよい。
ウエーハ1の表面1aには、ストリートと呼ばれる互いに交差する複数の分割予定ライン3が設定されている。ウエーハ1の表面1aの分割予定ライン3により区画された各領域には、IC、LSI等のデバイス5が形成されている。ウエーハ1が分割予定ライン3に沿って分割されると、複数のデバイスチップが製造される。
ウエーハ1の表面1aのデバイス5が形成される領域はデバイス形成領域1cと呼ばれており、デバイス5が形成されていない外周部は外周余剰領域1dと呼ばれている。外周余剰領域1dは、デバイス形成領域1cを囲繞する。ただし、両者の境界は必ずしも明確ではない。ウエーハ1の表面1aには、バンプと呼ばれる金属製の突起(不図示)や、デバイス5を覆うポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂膜(不図示)が形成されてもよい。以下、各図においても樹脂膜等が省略される。
ここで、該樹脂膜は、ウエーハ1の表面1aの外周余剰領域1dの一部または全部、及びデバイス形成領域1cの全域を覆い、該ウエーハ1に対して径方向内側に向く応力を印加する。そのため、ウエーハ1には、表面1aが内側となるような反りが生じる。反りが生じた状態のウエーハ1を分割予定ライン3に沿って切削すると形成される切削溝の周囲にクラックが生じるため、形成されるデバイスチップの品質を低下させる要因となる。
特に、デバイス5が形成されていない外周余剰領域1dにおいて、該樹脂膜が厚くなりやすい傾向にある。すなわち、外周余剰領域1dに設けられた樹脂膜がウエーハ1に反りを与える大きな要因となる。そこで、ウエーハ1を分割予定ライン3に沿って切削する前に、予めデバイス形成領域1cを囲むように外周余剰領域1dにおいてウエーハ1を切削し、リング状の分断溝を形成することでウエーハ1にかかる応力を低減することが考えられる。
しかしながら、反りの生じたウエーハ1の外周余剰領域1dを切削して分断溝を形成する際にもウエーハ1にクラックが生じてしまう。そして、このクラックがデバイス形成領域1cに進行する場合があり、製造されるデバイスチップに致命的な損傷が生じるおそれがある。そこで、本実施形態に係るデバイスチップの製造方法では、外周余剰領域1dに分断溝を形成した際にクラックがデバイス形成領域1cに到達するのを抑制し、デバイスチップの品質の低下を防止する。
本実施形態に係るデバイスチップの製造方法は、主に、図2に示す切削装置2で実施される。次に、切削装置2について説明する。図2は、切削装置2を模式的に示す斜視図である。切削装置2は、円環状の切削ブレード34を備える切削ユニット32と、ウエーハ1を保持するチャックテーブル20と、チャックテーブル20に保持されたウエーハ1を撮影して分割予定ライン3の位置を検出する撮像ユニット30と、を備える。
ウエーハ1を切削装置2に搬入する際には、例えば、ウエーハ1の裏面1b側に該ウエーハ1よりも大きな径を有するダイシングテープ9を貼着する。ダイシングテープ9は、可撓性を有するフィルム状の基材層と、該機材層の一方の面に設けられた接着層(糊層)と、を備える。
ダイシングテープ9の外周部には、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属で形成されたリングフレーム7が貼り付けられる。リングフレーム7は、ウエーハ1の径よりも大きな径の開口部7aを有する。リングフレーム7にダイシングテープ9を貼り、リングフレームの開口部7a中で露出したダイシングテープ9をウエーハ1の裏面1b側に貼り付けると、フレームユニット11が形成される。
切削装置2の基台4の角部には、カセット6aが載置されるカセットテーブル6が設けられている。カセットテーブル6は、昇降機構(不図示)により上下方向(Z軸方向)に昇降可能である。図2では、カセットテーブル6に載置されたカセット6aの輪郭を二点鎖線で示している。
基台4の上面のカセットテーブル6に隣接する位置には、Y軸方向(左右方向、割り出し送り方向)に平行な状態を維持しながら互いに接近、離隔される一対のガイドレール8を含む仮置きテーブル10が設けられている。また、基台4の上面の仮置きテーブル10に隣接する位置には、カセットテーブル6に載置されたカセット6aに収容されたフレームユニット11をカセット6aから搬出する搬出ユニット12が設けられている。搬出ユニット12は、リングフレーム7を把持できる把持部を前面に有する。
カセット6aに収容されたフレームユニット11を搬出する際には、搬出ユニット12をカセット6aに向けて移動させ、該把持部でリングフレーム7を把持し、その後、搬出ユニット12をカセット6aから離れる方向に移動させる。すると、カセット6aからフレームユニット11が仮置きテーブル10に引き出される。このとき、一対のガイドレール8をX軸方向に互い近接する方向に連動させて移動させ、該一対のガイドレール8でリングフレーム7を挟み込むと、フレームユニット11を所定の位置に位置付けられる。
基台4の上面のカセットテーブル6に隣接する位置には、X軸方向(前後方向、加工送り方向)に長い開口4aが形成されている。開口4a内には、図示しないボールねじ式のX軸移動機構(加工送りユニット)と、X軸移動機構の上部を覆う蛇腹状の防塵防滴カバー26と、が配設されている。
X軸移動機構は、X軸移動テーブル16の下部に接続されており、このX軸移動テーブル16をX軸方向に移動させる機能を有する。例えば、X軸移動テーブル16は、カセットテーブル6に近接する搬出入領域と、後述の切削ユニット32の下方の加工領域と、の間を移動する。
X軸移動テーブル16上には、テーブルベース18と、該テーブルベース18に載るチャックテーブル20と、が設けられている。チャックテーブル20の上部には、ポーラス板(不図示)が設けられており、該ポーラス板には、チャックテーブル20内に形成された吸引路(不図示)の一端が接続されている。吸引路の他端には、吸引源(不図示)が接続されている。吸引源を動作させると、ポーラス板の表面に負圧が生じる。これにより、ポーラス板の表面は、ウエーハ1を吸引して保持する保持面22として機能する。
チャックテーブル20の下方には、チャックテーブル20を所定の回転軸の周りに回転させる回転駆動機構(不図示)が設けられている。また、チャックテーブル20の径方向外側には、リングフレーム7を把持するクランプ24が設けられている。チャックテーブル20は、上述したX軸移動機構によってX軸方向に移動する。
仮置きテーブル10からチャックテーブル20へのフレームユニット11の搬送は、基台4の上面の仮置きテーブル10及び開口4aに隣接する位置に設けられた第1の搬送ユニット14により実施される。第1の搬送ユニット14は、基台4の上面から上方に突き出た昇降可能であるとともに回転可能な軸部と、軸部の上端から水平方向に伸長した腕部と、腕部の先端下方に設けられた保持部と、を有する。
第1の搬送ユニット14で仮置きテーブル10からチャックテーブル20へフレームユニット11を搬送する際には、X軸移動テーブル16を移動させてチャックテーブル20を搬出入領域に位置付ける。そして、仮置きテーブル10に仮置きされているフレームユニット11のリングフレーム7を該保持部で保持し、フレームユニット11を持ち上げて、該軸部を回転させてフレームユニット11をチャックテーブル20の上方に移動させる。
その後、フレームユニット11を下降させてチャックテーブル20の保持面22に載せる。そして、クランプ24でリングフレーム7を固定するとともに、チャックテーブル20でフレームユニット11のダイシングテープ9を介してウエーハ1を吸引保持する。
切削装置2は、X軸移動テーブル16の搬出入領域から加工領域への移動経路の上方に、開口4aを横切るように配設された支持構造28を備える。そして、支持構造28には下方に向いた撮像ユニット30が設けられている。撮像ユニット30は、例えば、CMOSセンサまたはCCDセンサを備えるカメラである。撮像ユニット30は、チャックテーブル20に吸引保持されたウエーハ1を上方から撮像し、表面1aに設定された分割予定ライン3の位置及び向きを検出する。
ウエーハ1の切削が実施される加工領域には、チャックテーブル20に保持されたフレームユニット11のウエーハ1を切削する切削ユニット32が設けられている。切削ユニット32は、円環状の切り刃を外周に備える切削ブレード34と、先端部に切削ブレード34が装着され該切削ブレード34の回転軸となるY軸方向に沿ったスピンドル36と、を備える。
スピンドル36の基端側には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、スピンドル36の一端部に装着された切削ブレード34は、この回転駆動源が生じる力によって回転する。切削ブレード34は、アルミニウム等で形成された環状の基台と、該基台の外周部に固定された環状の切り刃と、を備える。切り刃は、例えば、ダイヤモンド等の砥粒を樹脂や金属等の結合材で固定することによって形成される。
また、切削装置2は、加工送り方向(X軸方向)に直交する割り出し送り方向(Y軸方向)に沿って切削ユニット32を移動させる割り出し送りユニット(不図示)を支持構造28の内部に備える。加工送りユニットと、割り出し送りユニットと、を作動させるとウエーハ1を吸引保持するチャックテーブル20と、切削ユニット32と、を相対的に移動できる。
チャックテーブル20で保持されたフレームユニット11に含まれるウエーハ1に回転する切削ブレード34を切り込ませると、ウエーハ1が切削されて裏面1bに達する分割溝が形成される。すべての分割予定ライン3に沿ってウエーハ1を切削すると、ウエーハ1が分割されて個々のデバイスチップが形成される。その後、チャックテーブル20は、X軸移動機構により搬出入領域に移動される。
基台4の上面の仮置きテーブル10及び開口4aに隣接する位置には開口4bが形成されており、開口4bには加工後のフレームユニット11を洗浄する洗浄ユニット38が収容されている。洗浄ユニット38は、フレームユニット11を保持するスピンナテーブルを備えている。
切削装置2は、搬出入領域に位置付けられたチャックテーブル20から洗浄ユニット38にフレームユニット11を搬送する第2の搬送ユニット40を備える。第2の搬送ユニット40は、Y軸方向に沿って移動可能な腕部と、腕部の先端下方に設けられた保持部と、を有する。
第2の搬送ユニット40でチャックテーブル20から洗浄ユニット38へフレームユニット11を搬送する際には、まず、フレームユニット11を該保持部で保持する。そして、腕部をY軸方向に沿って移動させ、フレームユニット11を洗浄ユニット38のスピンナテーブルの上に載せる。その後、スピンナテーブルでフレームユニット11を保持してウエーハ1を洗浄する。
洗浄ユニット38でウエーハ1を洗浄する際には、スピンナテーブルを回転させながらウエーハ1の表面1aに向けて洗浄用の流体(代表的には、水とエアーとを混合した混合流体)を噴射する。そして、洗浄ユニット38で洗浄されたフレームユニット11は、カセットテーブル6に載るカセット6aに収容される。
カセット6aにフレームユニット11を収容する際には、第1の搬送ユニット14を使用して洗浄ユニット38から仮置きテーブル10にフレームユニット11を搬送する。そして、搬出ユニット12をカセット6aに向けて移動させてフレームユニット11をカセット6aに押し入れる。
このように、切削装置2では、カセット6aからフレームユニット11が搬出され、フレームユニット11がチャックテーブル20で吸引保持され、フレームユニット11に含まれるウエーハ1が切削ユニット32で切削される。その後、フレームユニット11が洗浄ユニット38で洗浄されてカセット6aに再び収容される。切削装置2では、カセット6aから次々にフレームユニット11が搬出され、チャックテーブル20上において切削ユニット32で次々にウエーハ1が切削される。
次に、本実施形態に係るデバイスチップの製造方法の各工程について説明する。図8は、本実施形態に係るデバイスチップの製造方法の各工程の流れを示すフローチャートである。
まず、本実施形態に係るデバイスチップの製造方法では、切削装置2にウエーハ1を搬入する前に、ウエーハ1と、リングフレーム7と、ダイシングテープ9と、を一体化するフレーム支持工程S10を実施してもよい。フレーム支持工程S10は、後述の分断工程S30よりも前に実施される。図1は、フレーム支持工程S10を模式的に示す斜視図である。
フレーム支持工程S10では、ウエーハ1を収容できる形状の開口部7aを中央に備えたリングフレーム7の該開口部7aにウエーハ1を位置づける。このとき、予めリングフレーム7の裏面側に該開口部7aを塞ぐようにダイシングテープ9を貼着しておく。すると、ウエーハ1の裏面1b側にダイシングテープ9が貼着され、ウエーハ1及びリングフレーム7がダイシングテープ9で一体化される。すると、ダイシングテープ9を介してウエーハ1がリングフレーム7で支持されたフレームユニット11が形成される。
または、フレーム支持工程S10では、ウエーハ1を収容できる形状の開口部7aを中央に備えたリングフレーム7の該開口部7aにウエーハ1を位置づける。このとき、ウエーハ1の裏面1b側を上方に向けておく。そして、該リングフレーム7の上面及び該ウエーハ1の裏面1bに上方からダイシングテープ9を貼着する。すると、ウエーハ1及びリングフレーム7がダイシングテープ9で一体化され、ダイシングテープ9を介してウエーハ1がリングフレーム7で支持されたフレームユニット11が形成される。
次に、外周余剰領域1dでデバイス形成領域1cを取り囲むようにウエーハ1を切削し、リング状のハーフカット溝を形成するハーフカット溝形成工程S20を実施する。ハーフカット溝形成工程S20は、切削装置2で実施される。
例えば、ウエーハ1は、カセット6aに収容されて切削装置2に搬入される。切削装置2では、ウエーハ1が搬出ユニット12及び第1の搬送ユニット14等によりカセット6aからチャックテーブル20上に搬送される。そして、チャックテーブル20の吸引源を作動させ、ダイシングテープ9を介してウエーハ1をチャックテーブル20で吸引保持する。このとき、ウエーハ1の表面1a側が上方に露出する。
そして、チャックテーブル20を切削ユニット32の下方に移動させる。このとき、撮像ユニット30でウエーハ1の表面1aを撮像し、分割予定ライン3の位置及び向きやデバイス形成領域1c及び外周余剰領域1dの位置等を検出するとよい。そして、切削ブレード34でウエーハ1にハーフカット溝を形成する。
図3は、ハーフカット溝形成工程S20を模式的に示す斜視図である。ハーフカット溝形成工程S20では、まず、ウエーハ1の表面1aの外周余剰領域1dの上方に切削ユニット32を位置付ける。より詳細には、ハーフカット溝13の形成予定位置のY軸方向における端部の上方に切削ブレード34を位置付ける。ここで、図3、図4、図6、及び図7では、切削ブレード34の輪郭が二点鎖線で示されており、切削ユニット32のその他の構成やチャックテーブル20等が省略されている。
その後、切削ブレード34を回転させ、該切削ブレード34をウエーハ1に向けて下降させる。そして、回転する切削ブレード34がウエーハ1に接触すると、ウエーハ1が切削される。このとき、切削ブレード34の下端がウエーハ1の表面1a及び裏面1bの間の高さ位置に達するときに切削ブレード34の下降を終了する。
そして、チャックテーブル20(図2参照)を保持面22に垂直な軸の周りに1回転させると、外周余剰領域1dでデバイス形成領域1cを取り囲むように該ウエーハ1が切削され、リング状のハーフカット溝13がウエーハ1に形成される。ここで、ウエーハ1に形成されるハーフカット溝13の深さ、表面1aにおける形成位置等について、詳細は後述する。
ハーフカット溝形成工程S20を実施した後、ハーフカット溝13よりも外側でウエーハ1を切削してリング状の分断溝を形成し、外周余剰領域1dを分断する分断工程S30を実施する。図4は、分断工程S30を模式的に示す斜視図である。分断工程S30では、まず、ウエーハ1の表面1aの外周余剰領域1dの上方に切削ユニット32を位置付ける。より詳細には、分断溝15の形成予定位置のY軸方向における端部の上方に切削ブレード34を位置付ける。
その後、切削ブレード34を回転させ、該切削ブレード34をウエーハ1に向けて下降させる。そして、回転する切削ブレード34がウエーハ1に接触すると、ウエーハ1が切削される。このとき、切削ブレード34の下端がウエーハ1の裏面1bよりも下方に達し、切削ブレード34がダイシングテープ9の上部に切り込むときに該切削ブレード34の下降を終了する。
そして、チャックテーブル20(図2参照)を保持面22に垂直な軸の周りに1回転させると、外周余剰領域1dでハーフカット溝13を取り囲むように該ウエーハ1が切削され、リング状の分断溝15がウエーハ1に形成される。図5は、ハーフカット溝13及び分断溝15が形成されたウエーハ1を拡大して模式的に示す断面図である。
ここで、ウエーハ1を切削ブレード34で表面1aから裏面1bまで切削すると、ウエーハ1に大きな加工負荷が加わる。そして、ウエーハ1に反りを与えるほどの大きな応力がかかるウエーハ1にこの大きな加工負荷が加わると、図5に示すように、形成される分断溝15の周囲においてクラック19等の損傷が生じる。そして、このクラック19がデバイス形成領域1cに向かって進行する。
しかしながら、本実施形態に係るデバイスチップの製造方法では、形成される分断溝15よりも内周側に予めハーフカット溝13が形成されている。そして、ウエーハ1に分断溝15を形成する際に該ウエーハ1にかかる衝撃等により、ハーフカット溝13の底部からウエーハ1の裏面1bに達するクラック17が伸長する。
そのため、分断溝15を形成する際に生じるクラック19は、ハーフカット溝13及びクラック17により進行が阻まれるため、ウエーハ1のデバイス形成領域1cに進行することはない。すなわち、ウエーハ1を分割して製造されるデバイスチップにクラック17が残ることはない。
ここで、ハーフカット溝13の形成位置及び深さ、分断溝15の形成位置等は、分断工程S30においてハーフカット溝13からウエーハ1の裏面1bに到達するクラック17が該ウエーハ1に確実に形成されるように設定されることが好ましい。
例えば、ハーフカット溝13が浅すぎると、分断工程S30で該ハーフカット溝13の底部から裏面1bに到達するクラック17が形成されにくくなる。その一方で、ハーフカット溝13が深すぎると、ハーフカット溝13を形成する際にウエーハ1に加わる加工負荷が大きくなり、該ハーフカット溝13からデバイス形成領域1cに伸長するクラックがウエーハ1に形成されてしまう。
そこで、ウエーハ1が厚さ約125μmのシリコンウエーハである場合、ハーフカット溝13の底部の高さ位置は、ウエーハ1の裏面1bからの高さが30μmよりも大きく、80μmよりも小さい高さ位置とされることが好ましい。さらに、ハーフカット溝13の底部の高さ位置は、ウエーハ1の裏面1bからの高さが50μm以上60μm以下である高さ位置とされることがより好ましい。
ただし、ハーフカット溝13の底部の高さ位置はこれに限定されず、ウエーハ1の材質や厚さ、分断溝15の形成位置、切削ブレード34の刃厚、分断溝15の形成時の切削条件等に応じて適宜最適条件を設定できる。したがって、ハーフカット溝13の深さは、ウエーハ1の半分である必要はない。
また、ハーフカット溝13のウエーハ1の表面1aにおける形成位置は、外周余剰領域1dのデバイス形成領域1cに近い位置に形成されることが好ましい。ハーフカット溝13がデバイス5にかかると該デバイス5に損傷が生じる。その一方で、ハーフカット溝13がデバイス形成領域1cから離れすぎると、該ハーフカット溝13よりも径方向外側で分断溝15を形成しにくくなる。その上、ウエーハ1から切り離される領域が小さくなり、外周部の切除によるウエーハ1にかかる応力の緩和の効果が小さくなる。
さらに、ウエーハ1の表面1aにおける分断溝15の形成位置は、ハーフカット溝13の形成位置に基づいて決定するとよい。分断溝15がハーフカット溝13に近すぎると、分断溝15の形成時、ハーフカット溝13の底部から裏面1bにクラック19が伸長するよりも早くクラック19が分断溝15からハーフカット溝13の下方に到達しやすくなる。この場合、クラック19がそのままデバイス形成領域1cに進行しやすい。
その一方で、分断溝15の形成位置がハーフカット溝13から離れすぎると分断溝15が形成されることでウエーハ1の中央部から切り離される外周部の領域が小さくなる。この場合、ウエーハ1に反りを与える応力を十分に低減できなくなる。そこで、分断溝15は、ハーフカット溝13よりも径方向外側に200μm以上500μm以下の距離で離れた位置に形成されることが好ましい。
なお、ハーフカット溝形成工程S20及び分断工程S30では、例えば、チャックテーブル20を2度/秒の回転速度で回転させ、切削ブレード34を毎分3万回転程度の速度で回転させることが好ましい。また、切削ブレード34の刃厚は、0.1mm程度であることが好ましい。
本実施形態に係るデバイスチップの製造方法では、分断工程S30を実施してウエーハ1にかかる応力を低減した後、ウエーハ1を分割予定ライン3に沿って切削して個々のデバイスチップに分割するデバイスチップ製造工程S40を実施する。図6は、デバイスチップ製造工程S40の途上におけるウエーハ1を模式的に示す斜視図であり、図7は、デバイスチップ製造工程S40の終了時におけるウエーハ1を模式的に示す斜視図である。
デバイスチップ製造工程S40は、分断工程S30に引き続き切削装置2で実施される。まず、撮像ユニット30によりウエーハ1の表面1aを撮像して得られた分割予定ライン3の位置及び向きに関する情報に基づいて、分割予定ライン3の向きが切削装置2における加工送り方向(X軸方向)に合うようにチャックテーブル20を回転させる。そして、一つの分割予定ライン3の延長線の上方に切削ブレード34を位置付ける。
その後、切削ブレード34の回転を開始し、切削ブレード34の下端がダイシングテープ9の上面と下面の間の高さ位置に位置付けられるように切削ブレード34を下降させる。その後、X軸移動機構(加工送りユニット)を作動させてチャックテーブル20をX軸方向に沿って加工送りすると、ウエーハ1が分割予定ライン3に沿って切削され、ウエーハ1に分割溝21が形成される。
そして、割り出し送りユニットを作動させて切削ユニット32をY軸方向に沿って割り出し送りし、他の分割予定ライン3に沿ってウエーハ1を同様に切削する。さらに、一つの方向に沿ったすべての分割予定ライン3に沿ってウエーハ1を切削した後、チャックテーブル20を回転させ、図7に示すように他の方向に沿った分割予定ライン3の向きを加工送り方向(X軸方向)に合わせる。そして、同様にウエーハ1の切削をくり返し、すべての分割予定ライン3に沿って分割溝21をウエーハ1に形成する。
ウエーハ1が分割溝21で分割されると、個々のデバイスチップが得られる。ここで、ウエーハ1の外周部は予めデバイス形成領域1cから切り離されているため、ウエーハ1にかかる応力が緩和されている。そのため、分割溝21を形成する際にウエーハ1にクラック等の損傷が生じにくい。
ウエーハ1に分割溝21が形成されデバイスチップが製造された後、フレームユニット11は切削装置2から搬出される。そして、エキスパンド装置により、リングフレーム7の開口部7a中でダイシングテープ9が径方向外向きに拡張される。すると、個々のデバイスチップの間隔が広がり、デバイスチップのピックアップが容易となる。ここで、ウエーハ1の外周余剰領域1dにおいても分割溝21が形成されるため、リング状の外周余剰領域1dによりダイシングテープ9の拡張が妨げられることもない。
以上に説明するように、本実施形態に係るデバイスチップの製造方法では、ウエーハ1の外周余剰領域1dに分断溝15を形成する前にハーフカット溝13を形成する。そのため、分断溝15を形成してウエーハ1にかかる応力を低減する際に、分断溝15の周囲で形成されるクラック19のデバイス形成領域1cへの進行が妨げられ、クラック19がデバイスチップに残ることもない。
そして、応力が低減された状態で分割予定ライン3に沿ってウエーハ1を切削してウエーハ1に分割溝21を形成できるため、クラック等の損傷のない高品質なデバイスチップが製造される。
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上述の実施形態においては、ウエーハ1の表面1a側に設けられた樹脂膜によりウエーハ1に反りを与えるような応力が働いている場合について説明した。しかしながら、本発明の一態様はこれに限定されない。
すなわち、本発明の一態様に係るデバイスチップの製造方法で加工されるウエーハはこれに限定されず、表面1aに樹脂膜が形成されていなくてもよく、他の理由によりウエーハ1に応力が働いていてもよい。また、ウエーハ1には、反りを与えるような強い応力が生じている必要はない。
例えば、ウエーハ1の裏面1bに金属膜が設けられ、該金属膜によりウエーハ1に反りを与える応力が働いていてもよい。この場合においても、本発明の一態様によると、ハーフカット溝13を分断溝15よりも先行してウエーハ1に形成することでウエーハ1を高品質に加工できる。本発明の一態様に係るデバイスチップの製造方法は、外周余剰領域1dに分断溝15を形成することでウエーハ1のデバイス形成領域1cにかかる応力を低減できるすべてのウエーハ1に適用可能である。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
1 ウエーハ
1a 表面
1b 裏面
1c デバイス形成領域
1d 外周余剰領域
3 分割予定ライン
5 デバイス
7 リングフレーム
7a 開口部
9 ダイシングテープ
11 フレームユニット
13 ハーフカット溝
15 分断溝
17,19 クラック
21 分割溝
2 切削装置
4 基台
4a,4b 開口
6 カセットテーブル
6a カセット
8 ガイドレール
10 仮置きテーブル
12 搬出ユニット
14,40 搬送ユニット
16 X軸移動テーブル
18 テーブルベース
20 チャックテーブル
22 保持面
24 クランプ
26 防塵防滴カバー
28 支持構造
30 撮像ユニット
32 切削ユニット
34 切削ブレード
36 スピンドル
38 洗浄ユニット

Claims (3)

  1. 互いに交差する複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスが形成されたデバイス形成領域と、該デバイス形成領域を囲繞する外周余剰領域と、が表面に形成されたウエーハを分割して個々のデバイスチップを製造するデバイスチップの製造方法であって、
    該外周余剰領域で該デバイス形成領域を取り囲むように該ウエーハを切削し、リング状のハーフカット溝を形成するハーフカット溝形成工程と、
    該ハーフカット溝よりも外側で該ウエーハを切削してリング状の分断溝を形成し、該外周余剰領域を分断する分断工程と、
    該分断工程の後、該ウエーハを該分割予定ラインに沿って切削して個々のデバイスチップに分割するデバイスチップ製造工程と、
    を備えることを特徴とするデバイスチップの製造方法。
  2. 該分断工程よりも前に、該ウエーハを収容できる形状の開口部を中央に備えたリングフレームの該開口部に該ウエーハを位置づけて、該ウエーハ及び該リングフレームをダイシングテープで一体化し、該ダイシングテープを介して該ウエーハを該リングフレームで支持するフレーム支持工程が含まれることを特徴とする請求項1記載のデバイスチップの製造方法。
  3. 該ウエーハの該表面上には、樹脂膜が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデバイスチップの製造方法。
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