JP2023083999A - 車両制御装置、車両制御方法、制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】始動判定用の通信機に故障が生じた場合であっても、ユーザの利便性が損なわれる恐れを低減可能な車両制御装置、車両制御方法、制御プログラムを提供する。【解決手段】スマートECUは、車内に設定されている始動エリア内にユーザの携帯デバイスが存在することを条件として走行用電源をオンに切り替える。スマートECUは、通常時は、車内に配置された特定のBLE通信機である第1通信機における携帯デバイスからの信号の受信強度によって始動エリアに携帯デバイスが存在するか否かを判断する。ただし、スマートECUは、第1通信機に不具合を検出した場合には、代理機として予め設定されている別のBLE通信機である第2通信機での受信強度が所定値以上である場合に、携帯デバイスは始動エリアに存在すると判定する。【選択図】図8
Description
本開示は、ユーザによって携帯される携帯デバイスから送信される無線信号の受信状況に基づいて走行用電源をオンに切り替える車両制御を実施する技術に関する。
特許文献1には、携帯デバイスからの信号の複数の車載アンテナでの受信強度をもとに携帯デバイスが車室内に存在すると判定している場合、車両に設けられたスタートボタンが押下されたことをトリガに、エンジンを始動する車載装置が開示されている。なお、特許文献1には、携帯デバイスが実際には車室外に存在するにも関わらず、車室内に存在すると誤判定することの抑制を意図して、車外アンテナの故障を検知した場合には、車内アンテナの通信エリアを縮小する制御態様について言及されている。
特許文献1では車内アンテナに相当する通信機である室内機が故障した場合については何ら言及されていない。携帯デバイスとの通信状況に基づいて携帯デバイスの位置を判定するシステムにおいては、室内機が故障してしまうと、車室内の始動エリア内に携帯デバイスが存在するか否かが判定困難となりうる。ここでの始動エリアとは、エンジンやモータといった車両を走行させるための駆動源の始動を許可するためのエリアを指す。始動エリアは、1つの局面においては走行用の電源をオンに設定することを許可するエリアと解することもできる。
特定の室内機の故障により、始動エリアに携帯デバイスが存在するか否かが判定不能となると、ユーザはいつもと同じ手順では車両を走行させることができなくなる。ここでのいつもと同じ手順とは、室内機が正常に動作している場合の手順であって、例えばブレーキペダルを押下した状態でのスタートボタンの押下などを指す。特定の室内機とは、始動判定用の通信機、すなわち、携帯デバイスが始動エリアに存在するか否かの判断に使用される室内機を指す。特定の室内機の故障により始動エリアに携帯デバイスが存在するか否かが判定不能である場合、ユーザは、例えばメカニカルキーなどを用いて走行用電源を指導させる必要が生じうる。その結果、ユーザの利便性が低下しうる。
本開示は、上記の検討又は着眼点に基づいて成されたものであり、その目的の1つは、始動判定用の通信機に故障が生じた場合であっても、ユーザの利便性が損なわれる恐れを低減可能な車両制御装置、車両制御方法、制御プログラムを提供することにある。
ここに開示される第1の車両制御装置は、車両のユーザによって携帯される携帯デバイスと無線通信可能に構成された、何れも同一の通信帯域を用いる複数の通信機と接続されて使用される車両制御装置であって、複数の通信機には、車内に設置されている特定の通信機である第1通信機と、第1通信機以外の特定の通信機である第2通信機とが含まれており、複数の通信機の動作を制御するとともに、複数の通信機における携帯デバイスからの無線信号の受信状況を示すデータを取得する通信制御部(F2)と、第1通信機からの入力信号、又は、第1通信機から信号が入力されていないことに基づいて第1通信機の不具合を検出する診断部(F22)と、走行用電源のオンオフ状態を切り替える車両制御部(F6)と、を備え、車両制御部は、診断部にて第1通信機の不具合が検出されていない場合には、第1通信機での携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータが特定の通常エリア判定条件を充足していることに基づいて走行用電源をオンに切り替えることを許可する一方、診断部にて第1通信機の不具合が検出されている状況においては、第2通信機での携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータが、通常エリア判定条件とは異なる所定の臨時エリア判定条件を充足していることに基づいて走行用電源をオンに切り替えることを許可するように構成されている。
上記の車両制御装置によれば、第1通信機に不具合が生じた場合であっても、第2通信機が正常に動いている場合には、ユーザはいつもと同じ操作手順で走行用電源をオンに設定可能となる。つまり、始動エリアに携帯デバイスが存在するか否かを判定するための通信機に故障が生じた場合であっても、ユーザの利便性が損なわれる恐れを低減可能となる。車両制御方法及び制御プログラムについても同様である。
また、本開示の第2の車両制御装置は、車両のユーザによって携帯される携帯デバイスと無線通信可能に構成された、何れも同一の通信帯域を用いる複数の通信機と接続されて使用される車両制御装置であって、複数の通信機には、車内に設置されている特定の通信機である第1通信機と、第1通信機以外の特定の通信機である第2通信機とが含まれており、複数の通信機の動作を制御するとともに、複数の通信機における携帯デバイスからの無線信号の受信状況を示すデータを取得する通信制御部(F2)と、第1通信機からの入力信号、又は、第1通信機から信号が入力されていないことに基づいて第1通信機の不具合を検出する診断部(F22)と、第1通信機又は第2通信機での携帯デバイスからの受信状況に基づいて車両に対する携帯デバイスの位置を判定する位置判定部(F3)と、を備え、位置判定部は、診断部にて第1通信機の不具合が検出されていない場合には、第1通信機での携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータが特定の通常エリア判定条件を充足している場合に、車室内の始動エリアに携帯デバイスが存在すると判定する一方、診断部にて第1通信機の不具合が検出されている状況においては、第2通信機での携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータが、通常エリア判定条件とは異なる所定の臨時エリア判定条件を充足している場合に、始動エリアに携帯デバイスが存在すると見なすように構成されている。
ここに開示される車両制御方法は、少なくとも1つのプロセッサ(41)によって実行される、車両の走行用電源をオンに切り替えるための車両制御方法であって、車両のユーザによって携帯される携帯デバイスと無線通信可能に構成された第1通信機から、携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータを取得することと、第1通信機と同一の通信帯域を用いて無線通信を実施可能に構成された、第1通信機とは異なる位置に配置されている第2通信機から、携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータを取得することと、第1通信機からの入力信号、又は、第1通信機から信号が入力されていないことに基づいて第1通信機の不具合を検出することと、第1通信機の不具合が検出されていない場合には、第1通信機での携帯デバイスからの信号の受信状況が特定の通常エリア判定条件を充足していることに基づいて走行用電源をオンに切り替えることを許可することと、第1通信機の不具合が検出されている状況においては、第2通信機での携帯デバイスからの信号の受信状況が、通常エリア判定条件とは異なる所定の臨時エリア判定条件を充足していることに基づいて走行用電源をオンに切り替えることを許可することと、を含む。
ここに開示される制御プログラムは、少なくとも1つのプロセッサ(41)に、車両のユーザによって携帯される携帯デバイスと無線通信可能に構成された第1通信機から、携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータを取得することと、第1通信機と同一の通信帯域を用いて無線通信を実施可能に構成された、第1通信機とは異なる位置に配置されている第2通信機から、携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータを取得することと、第1通信機からの入力信号、又は、第1通信機から信号が入力されていないことに基づいて第1通信機の不具合を検出することと、第1通信機の不具合が検出されていない場合には、第1通信機での携帯デバイスからの信号の受信状況が特定の通常エリア判定条件を充足していることに基づいて走行用電源をオンに切り替えることを許可することと、第1通信機の不具合が検出されている状況においては、第2通信機での携帯デバイスからの信号の受信状況が、通常エリア判定条件とは異なる所定の臨時エリア判定条件を充足していることに基づいて走行用電源をオンに切り替えることを許可することと、を実行させる命令を含む。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
以下、本開示の実施形態について図を用いて説明する。図1は、車両用電子キーシステムの概略的な構成の一例を示す図である。図1に示すように車両用電子キーシステムは、車載システム1と、携帯デバイス2と、を含む。車載システム1は、車両Hvに搭載されているシステムである。携帯デバイス2は、車両Hvのユーザによって携帯されるデバイスである。携帯デバイス2は、複数存在しうる。
<前置き>
以下の説明における車両Hvは、一例として個人によって所有される4輪自動車である。車両Hvのユーザとは、所有者(オーナー)や、その家族などを指す。車両Hvは、会社組織が保有する社用車や、公的機関が保有する公用車であってもよい。車両Hvが社用車や公用車である場合には、当該車両Hvを管理する組織に属する人物がユーザとなりうる。車両Hvは、貸出サービスに供される車両(いわゆるレンタカー)であってもよいし、カーシェアリングサービスに供される車両(いわゆるシェアカー)であってもよい。車両Hvが上記サービスに供される車両(以下、サービス車両)である場合には、それらのサービスの利用契約を行っており、且つ、サービスの利用予約等に基づき、一時的に当該車両Hvを利用する権限を有する人物がユーザとなりうる。
以下の説明における車両Hvは、一例として個人によって所有される4輪自動車である。車両Hvのユーザとは、所有者(オーナー)や、その家族などを指す。車両Hvは、会社組織が保有する社用車や、公的機関が保有する公用車であってもよい。車両Hvが社用車や公用車である場合には、当該車両Hvを管理する組織に属する人物がユーザとなりうる。車両Hvは、貸出サービスに供される車両(いわゆるレンタカー)であってもよいし、カーシェアリングサービスに供される車両(いわゆるシェアカー)であってもよい。車両Hvが上記サービスに供される車両(以下、サービス車両)である場合には、それらのサービスの利用契約を行っており、且つ、サービスの利用予約等に基づき、一時的に当該車両Hvを利用する権限を有する人物がユーザとなりうる。
車両Hvは例えばエンジン車である。エンジン車は駆動源としてエンジンのみを備える車両を指す。エンジン車にはディーゼル車も含まれる。他の態様として車両Hvは、電動車であってもよい。電動車の概念には、電気自動車の他、ハイブリッド車や、燃料電池車も含まれる。電気自動車は、モータのみを駆動源として備える車両である。ハイブリッド車は動力源としてエンジンとモータを備える車両である。ハイブリッド車には、プラグインハイブリッド車も含まれる。また、車両Hvは運転席用のドアが設けられた車両であればよく、トレーラや、タンクローリー、オープンカーなど、道路上を走行可能な多様な車両に搭載可能である。
車両Hvは、右側に運転席が設けられた車両である。他の態様として、車両Hvは左側に運転席が設けられた車両でも良い。以下の説明における前後、左右、上下の各方向は、基準方向に関する注釈がない場合には(つまり基本的には)、車両Hvを基準として規定される。本開示に示す種々のフローチャートは何れも一例であって、フローチャートを構成するステップの数や、処理の実行順は適宜変更可能である。その他、以下の説明は、車両Hvが使用される地域の法規及び慣習に適合するように適宜変更して実施可能である。
<全体概要>
車載システム1及び携帯デバイス2は何れも近距離通信可能に構成されている。ここでの近距離通信とは、実質的な通信可能距離が例えば5mから30m、最大でも100m程度となる所定の近距離無線通信規格に準拠した通信を指す。ここでの近距離通信の規格としては、例えばBluetooth(登録商標)や、Wi-Fi(登録商標)等を採用することができる。Bluetooth規格は、Bluetooth Classicでもよいし、BLE(Bluetooth Low Energy)でもよい。Wi-Fi規格としても、IEEE802.11nや、IEEE802.11ac、IEEE802.11ax(いわゆるWi-Fi6)など、多様な規格を採用可能である。尚、IEEE(登録商標)は、Institute of Electrical and Electronics Engineersの略であり、米国電気電子学会を指す。その他、車載システム1と携帯デバイス2との通信方式、換言すれば、近距離通信方式としては、UWB-IR(Ultra Wide Band - Impulse Radio)も採用可能である。さらに、車載システム1と携帯デバイス2は、125kHzや134kHzなどのLF(Low Frequency)帯の電波を用いて無線通信可能に構成されていても良い。
車載システム1及び携帯デバイス2は何れも近距離通信可能に構成されている。ここでの近距離通信とは、実質的な通信可能距離が例えば5mから30m、最大でも100m程度となる所定の近距離無線通信規格に準拠した通信を指す。ここでの近距離通信の規格としては、例えばBluetooth(登録商標)や、Wi-Fi(登録商標)等を採用することができる。Bluetooth規格は、Bluetooth Classicでもよいし、BLE(Bluetooth Low Energy)でもよい。Wi-Fi規格としても、IEEE802.11nや、IEEE802.11ac、IEEE802.11ax(いわゆるWi-Fi6)など、多様な規格を採用可能である。尚、IEEE(登録商標)は、Institute of Electrical and Electronics Engineersの略であり、米国電気電子学会を指す。その他、車載システム1と携帯デバイス2との通信方式、換言すれば、近距離通信方式としては、UWB-IR(Ultra Wide Band - Impulse Radio)も採用可能である。さらに、車載システム1と携帯デバイス2は、125kHzや134kHzなどのLF(Low Frequency)帯の電波を用いて無線通信可能に構成されていても良い。
本実施形態では車載システム1、及び、携帯デバイス2はそれぞれ、BLE規格に準拠した無線通信(以降、BLE通信)を実施可能に構成されている場合を例にとって各部の作動を説明する。以下におけるBLE通信との記載は、近距離通信と置き換え可能である。通信接続や暗号通信の開始などといった、通信シーケンスの細部はBLE規格に従って実施される。
なお、以下では車載システム1が携帯デバイス2との通信におけるマスターとして振る舞い、携帯デバイス2がスレーブとして振る舞うように設定されている場合について説明する。車載システム1は携帯デバイス2からのアドバタイズ信号を受信することで、携帯デバイス2との通信接続を確立し、車載システム1の周辺に携帯デバイス2(ひいてはユーザ)が存在することを検出する。アドバタイズ信号は、自分自身の存在を他のデバイスに通知(すなわちアドバタイズ)するための信号である。他の態様として、携帯デバイス2が車載システム1との通信におけるマスターとして動作するように設定されていても良い。
<携帯デバイス2について>
携帯デバイス2は、BLE通信機能を備えた、携帯可能かつ汎用的な情報処理端末である。携帯デバイス2としては、例えば、スマートフォンや、ウェアラブルデバイス等など、多様な通信端末を採用することができる。ウェアラブルデバイスは、ユーザの身体に装着されて使用されるデバイスであって、リストバンド型、腕時計型、指輪型、メガネ型、イヤホン型など、多様な形状のものを採用可能である。なお、本開示の携帯デバイス2は、スマートフォンなどの母艦(主機)と、ウェアラブルデバイスとに分けて実現されていても良い。
携帯デバイス2は、BLE通信機能を備えた、携帯可能かつ汎用的な情報処理端末である。携帯デバイス2としては、例えば、スマートフォンや、ウェアラブルデバイス等など、多様な通信端末を採用することができる。ウェアラブルデバイスは、ユーザの身体に装着されて使用されるデバイスであって、リストバンド型、腕時計型、指輪型、メガネ型、イヤホン型など、多様な形状のものを採用可能である。なお、本開示の携帯デバイス2は、スマートフォンなどの母艦(主機)と、ウェアラブルデバイスとに分けて実現されていても良い。
携帯デバイス2は、ディスプレイや、BLE通信モジュール、及びデバイス制御部を備える。ディスプレイは、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。ディスプレイはデバイス制御部からの入力信号に応じた画像を表示する。BLE通信モジュールは、BLE通信を実施するための通信モジュールである。
デバイス制御部は、種々の演算処理を実行する構成である。デバイス制御部は、例えばプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ストレージ等を備えた、コンピュータとして構成されている。デバイス制御部は、アドバタイズ信号を所定の送信間隔でBLE通信モジュールに送信させる。また、BLE通信モジュールが車載システム1からの接続要求を受信したことに基づいて、車載システム1との通信接続処理を実施する。
当該携帯デバイス2は、所定の鍵情報を用いて車両Hvの電子キーとして機能するように構成されている。ここでの鍵情報とは、後述する認証処理で使用されるデータである。鍵情報は、車両Hvにアクセスしようとしている人物がユーザであること、つまり、車両Hvにアクセスしようとしている人物の正当性を証明するためのデータである。鍵情報は、認証鍵や、暗号鍵、鍵コードと呼ぶことができる。鍵情報は、例えばユーザが設定したパスワードを所定のハッシュ関数に入れて暗号化した文字列(値)とすることができる。鍵情報は、デバイスIDをもとに生成されても良い。デバイスIDは、携帯デバイス2ごとに割り当てられる識別番号である。
携帯デバイス2は、車載システム1との通信接続が確立したことに基づいて、無線通信による認証処理を実施する。例えばデバイス制御部は、BLE通信モジュールがチャレンジコードを受信すると、当該チャレンジコードと鍵情報をもとに所定の手順/関数を用いてレスポンスコードを生成する。そして、デバイス制御部はBLE通信モジュールとの協働により、レスポンスコードを含む無線信号であるレスポンス信号を車載システム1に返送する。
なお、携帯デバイス2は、車両Hvの電子キーとしての専用デバイスであるスマートキーであってもよい。スマートキーは、車両Hvの購入時に、車両Hvとともにオーナに譲渡されるデバイスである。スマートキーは車両Hvの付属物の1つと解することができる。スマートキーは、扁平な直方体型や、扁平な楕円体型(いわゆるフォブタイプ)、カード型など、多様な形状を採用可能である。スマートキーは、車両用携帯機、キーフォブ、キーカード、アクセスキーなどと呼ばれうる。
<車載システム1の構成について>
ここでは、車載システム1の構成及び作動について述べる。車載システム1は、図1に示すように、スマートECU4、複数のドアボタン5、スタートボタン6、及び、複数のBLE通信機7を備える。また、車載システム1は、電源ECU11、ボディECU12、ボディ系アクチュエータ13、ボディ系センサ14、ディスプレイ15、入力装置16、及び生体認証装置17を備える。部材名称中のECUは、Electronic Control Unitの略であり、電子制御装置を意味する。
ここでは、車載システム1の構成及び作動について述べる。車載システム1は、図1に示すように、スマートECU4、複数のドアボタン5、スタートボタン6、及び、複数のBLE通信機7を備える。また、車載システム1は、電源ECU11、ボディECU12、ボディ系アクチュエータ13、ボディ系センサ14、ディスプレイ15、入力装置16、及び生体認証装置17を備える。部材名称中のECUは、Electronic Control Unitの略であり、電子制御装置を意味する。
スマートECU4は、ドアボタン5、スタートボタン6、及びBLE通信機7のそれぞれと専用の信号線で接続されている。また、スマートECU4は、電源ECU11やボディECU12などと、車両内ネットワークNwを介して相互通信可能に接続されている。車両内ネットワークNwは、車両Hv内に構築されている通信ネットワークである。車両内ネットワークNwの規格としては、多様な規格を採用可能である。図1に示す装置同士の接続形態は一例であって、具体的な装置同士の接続態様は適宜変更可能である。
スマートECU4は、BLE通信機7等との協働により、車両Hvに対するデバイス位置を判定するとともに、デバイス位置の判定結果に応じた車両制御を実施するECUである。本開示でのデバイス位置とは、携帯デバイス2の位置を意味する。スマートECU4が車両制御装置に相当する。携帯デバイス2は、ユーザに対応するものであるため、デバイス位置を判定することは、ユーザの位置を判定することに相当する。スマートECU4は、インストゥルメントパネル内に配置されている。スマートECU4は、右側又は左側のCピラーの室内側面に取り付けられていてもよい。Cピラーは、車両Hvが備えるピラーのうち、前から3番目のピラーを指す。
スマートECU4は、コンピュータを用いて実現されている。すなわち、スマートECU4は、プロセッサ41、RAM42、ストレージ43、I/O44、及びこれらの構成を接続するバスラインなどを備えている。本実施形態のスマートECU4は、1つのBLE通信機7を筐体内に備える。
プロセッサ41はRAM(Random Access Memory)42と結合された演算処理のためのハードウェア(換言すれば演算コア)である。プロセッサ41は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ41は、RAM42へのアクセスにより、後述する各機能部の機能を実現するための種々の処理を実行する。RAM42は揮発性の記憶媒体である。ストレージ43は、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含む構成である。ストレージ43には、プロセッサ41によって実行される制御プログラムが格納されている。プロセッサ41が制御プログラムを実行することは、当該制御プログラムに対応する車両制御方法が実行されることに相当する。I/O44は、他装置と通信するための回路モジュールである。 ストレージ43には、携帯デバイス2毎のデバイスIDが登録されている。また、ストレージ43には、各BLE通信機7の車両Hvにおける搭載位置を示す通信機設定データが格納されている。各BLE通信機7の搭載位置は、例えば、車両Hvの任意の位置を中心とし、車両Hvの幅方向及び前後方向の両方に平行な2次元座標系である車両座標系上の点として表現されうる。車両座標系を形成するX軸は車幅方向に平行に設定し、Y軸は車両の前後方向に平行に設定可能である。座標系の中心としては、例えば、車体の中心、スマートECU4の取り付け位置など任意の箇所を採用可能である。スマートECU4の詳細については別途後述する。
ドアボタン5は、ユーザが車両Hvのドアを開錠及び施錠するためのスイッチである。ドアボタン5は、各ドアに設けられている外側ドアハンドルに設けられている。外側ドアハンドルとは、ドアの外側面に設けられた、ドアを開閉するための把持部材を指す。ドアボタン5は、ユーザによって押下されると、その旨を示す電気信号を、スマートECU4に出力する。なお、ユーザの開錠指示及び施錠指示の少なくとも何れか一方を受け付けるための構成としては、タッチセンサを採用することもできる。タッチセンサはドアボタン5の代わりに、又は、ドアボタン5とともに外側ドアハンドルに設けられうる。
スタートボタン6は、ユーザが走行用電源をオン/オフを切り替えるためのプッシュスイッチである。走行用電源は、車両Hvが走行するための電源であって、車両がエンジン車である場合にはイグニッション電源を指す。車両Hvが電気自動車やハイブリッド車である場合、走行用電源とはシステムメインリレーを指す。スタートボタン6は駆動源(例えばエンジン)を始動させるためのスイッチと解釈されうる。スタートボタン6は、ユーザによってプッシュ操作がされると、その旨を示す電気信号をスマートECU4に出力する。
BLE通信機7は、BLE規格に則って携帯デバイス2と無線通信を実施するための通信モジュールである。各BLE通信機7は、図2に示すようにアンテナ71、送受信部72、及び通信マイコン73を備える。アンテナ71は、BLE通信に用いられる周波数帯、すなわち2.4GHz帯の電波を送受信するための金属体である。アンテナ71は送受信部72と電気的に接続されている。アンテナ71は複数のアンテナ素子を並べてなるアレーアンテナとして構成されていても良い。
送受信部72は、アンテナ71で受信した信号を復調し、通信マイコン73に提供する。また、送受信部72は通信マイコン73を介してスマートECU4から入力された信号を変調して、アンテナ71に出力し、電波として放射させる。送受信部72は、通信マイコン73と相互通信可能に接続されている。送受信部72は、変復調回路の他に、受信強度検出部721を備える。受信強度検出部721は、アンテナ71で受信した信号の強度を逐次検出する構成である。受信強度検出部721が検出する受信強度を示す信号又はその測定値そのものは、RSSI(Received Signal Strength Indicator/Indication)とも呼ばれうる。受信強度検出部721が検出した受信強度は、受信信号の送信元を示すデバイスID及び受信信号の周波数情報とともに通信マイコン73に向けて出力される。
通信マイコン73は、スマートECU4とのデータの受け渡しを制御するマイクロコンピュータである。通信マイコン73は、CPUやRAM、ROM(Read Only Memory)等を用いて実現されている。通信マイコン73は、送受信部72から入力された受信データを順次又はスマートECU4からの要求に基づいてスマートECU4に提供する。通信マイコン73は、スマートECU4からの要求に基づいて、又は自発的に、受信強度検出部721が検出した受信強度を示すデータをスマートECU4に出力する。
BLE通信機7は、車両Hvに複数設けられている。本実施形態の車載システム1は一例として、図3に示すように、BLE通信機7として、BLE通信機7a、7b、7c、7p、及び7xを備える。BLE通信機7xはスマートECU4に内蔵されている一方、他のBLE通信機7はスマートECU4の外部に配置されている。スマートECU4の外部に設けられている各BLE通信機7は、専用の通信線又は車両内ネットワークNwを介してスマートECU4と相互通信可能に接続されている。
各BLE通信機7は、スマートECU4からの制御信号に基づいて動作する。また、各BLE通信機7は受信データや、携帯デバイス2からの信号の受信状況に関するデータをスマートECU4に提供する。本開示では、携帯デバイス2からの信号のことを、デバイス信号とも記載する。各BLE通信機7には固有の通信機番号が設定されている。通信機番号は、複数のBLE通信機7を識別するための情報として機能する。ストレージ43には、通信機設定データとして、各BLE通信機7の設置位置が通信機番号と対応付けられて保存されている。各BLE通信機7の搭載位置やその役割分担については別途後述する。
電源ECU11は、車両Hvに搭載された走行用電源のオンオフ状態を制御するECUである。例えば電源ECU11は、例えばスマートECU4からの指示信号に基づき、走行用電源をオフからオンに切り替える。なお、車両Hvがエンジン車である場合には、電源ECU11はスマートECU4からの指示信号に基づきエンジンを始動させる。
ボディECU12は、スマートECU4やユーザからの要求に基づいて、ボディ系アクチュエータ13を制御するECUである。ボディECU12は、種々のボディ系アクチュエータ13や、種々のボディ系センサ14と通信可能に接続されている。ここでのボディ系アクチュエータ13とは、例えば、各ドアのロック機構を構成するドアロックモータである。ボディ系センサ14には、ドア毎に配置されているカーテシスイッチなどが含まれる。カーテシスイッチは、ドアの開閉を検出するセンサである。ボディECU12は、例えばスマートECU4からの要求に基づいて、車両Hvの各ドアに設けられたドアロックモータに所定の制御信号を出力することで各ドアを施錠したり開錠したりする。
ディスプレイ15は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである。ディスプレイ15はスマートECU4からの入力信号に応じた画像を表示する。ディスプレイ15は、例えばインストゥルメントパネルの車幅方向の中央領域、又は、運転席の正面領域に配置されている。ディスプレイ15が車載ディスプレイに相当する。
入力装置16は、スマートECU4に対するユーザの指示操作を受け付けるための装置である。入力装置16としては、例えばディスプレイ15に積層されたタッチパネルを採用可能である。入力装置16はステアリングホイールやインストゥルメントパネル等に設けられた機械的スイッチであっても良い。入力装置16は、当該装置に対してユーザが行った操作に対応する電気信号を操作信号としてスマートECU4に出力する。入力装置16が出力する操作信号は、ユーザの操作内容を示す。ディスプレイ15及び入力装置16は、ユーザがスマートECU4に対して所定のパスコードなどを入力するためのインターフェースに相当する。ディスプレイ15及び入力装置16をまとめて、車載HMIとも称する。HMIはヒューマンマシンインターフェース(Human Machine Interface)の略である。
生体認証装置17は、ユーザの生体情報、例えば指紋や顔画像などを用いて、ユーザを認証する装置である。生体認証装置17は、手や指の静脈パターンや、虹彩パターンを用いてユーザを認証する装置であってもよい。また生体認証装置17は、例えば声紋など、発話音声の特徴を用いてユーザを識別する装置であってもよい。生体認証装置17は例えばスマートECU4からの指示に基づき駆動する。生体認証装置17は、ユーザの認証結果をスマートECU4に出力する。なお、生体認証装置17は、ユーザ認証に使用する生体情報を取得するだけのもの(つまり読み取り機)であってもよい。その場合、スマートECU4が、生体認証装置17が取得した生体情報と、事前登録されている生体情報との比較によるユーザ認証処理を実施する。
<BLE通信機の搭載位置及び役割について>
ここでは各BLE通信機7について、その搭載位置及び役割について図3を参照しながら説明する。前述の通り、本実施形態の車載システム1はBLE通信機7a、7b、7c、7p、及び7xを備える。なお、BLE通信機7a、7b、7c、7p、及び7xは何れも同一の通信規格に準拠した通信機、換言すれば同一の通信帯域を使用する通信機に相当する。
ここでは各BLE通信機7について、その搭載位置及び役割について図3を参照しながら説明する。前述の通り、本実施形態の車載システム1はBLE通信機7a、7b、7c、7p、及び7xを備える。なお、BLE通信機7a、7b、7c、7p、及び7xは何れも同一の通信規格に準拠した通信機、換言すれば同一の通信帯域を使用する通信機に相当する。
BLE通信機7aは運転席用の外側ドアハンドルに設けられたBLE通信機7である。BLE通信機7aは右側通信機と呼ぶことができる。BLE通信機7bは助手席用の外側ドアハンドルに設けられたBLE通信機7である。BLE通信機7bは左側通信機と呼ぶことができる。BLE通信機7cはトランクドア付近に設けられたBLE通信機7である。BLE通信機7cは後方通信機と呼ぶことができる。BLE通信機7a、7b、及び7cは、車両Hvに外面部に配置されたBLE通信機7である室外機に相当する。
BLE通信機7a、7b、及び7cはそれぞれ車室外の所望の位置に施開錠エリアEAを形成するように配置されている。施開錠エリアEAとは、当該エリア内に携帯デバイス2が存在することに基づいて、車載システム1がドアの施錠や開錠といった所定の車両制御を実行するためのエリアである。施開錠エリアEAは、室外作動エリアの一種であって、パッシブエントリエリアと呼ぶこともできる。例えば、運転席用のドア、助手席用のドア、及びトランクドアのそれぞれに設けられた外側ドアハンドルから所定の作動距離以内となる範囲が施開錠エリアEAに設定されている。施開錠エリアEAの大きさを規定する作動距離は、例えば1.5mである。もちろん、作動距離は1mであってもよいし、0.7mであってもよい。作動距離は、セキュリティの観点から2mよりも小さく設定されている。BLE通信機7a、7b、及び7cは施開錠エリア形成機に相当する。
BLE通信機7pは、車室内に配置されたBLE通信機7である。BLE通信機7pは、運転席周りに始動エリアSAを形成するように、インストゥルメントパネルの車幅方向中央部又は運転席正面部に配置されている。BLE通信機7pは室内機と呼ぶことができる。特に、BLE通信機7pは、前方室内機と呼ぶことができる。
始動エリアSAは、当該エリア内に携帯デバイス2が存在することに基づいて、車載システム1が走行用電源をオフからオンに切り替える車両制御を実施するためのエリアである。始動エリアSAは、換言すれば、駆動源の始動を許可するためのエリアである。始動エリアSAは、室内作動エリアの一種であって、パッシブスタートエリアと呼ぶこともできる。例えば室内のうちインストゥルメントパネルの車幅方向中央部から0.5m以内が始動エリアSAに設定されている。スマートECU4は、BLE通信機7pから一定距離以内となる室内領域を始動エリアとして取り扱うように構成されていても良い。
なお、BLE通信機7pは、シフトレバー付近や、スタートボタン6付近、センターコンソールに配置されていてもよい。スタートボタン6付近とはスタートボタン6の裏側やスタートボタン6の内部も含まれる。BLE通信機7pは、ステアリングコラムカバー付近や、運転席の足元に配置されていても良い。BLE通信機7pは、運転席用のドアの車内側面、例えばドアポケットや、運転席側のBピラーの付け根などに配置されていても良い。Bピラーは、車両Hvが備えるピラーのうち、前から2番目のピラーを指す。Bピラーはセンターピラーとも呼ばれうる。Bピラーの付け根とは、床から0.2m以内となる部分を指す。
本開示ではBLE通信機7pのように始動エリアSAを形成するBLE通信機7のことを、始動エリア形成機とも称する。BLE通信機7pは第1通信機に相当する。また、本実施形態では、BLE通信機7a及び7bは、代理機に設定されている。代理機は、始動エリア形成機に不具合が生じている場合にのみ、仮の始動エリアを形成するBLE通信機7である。例えば、始動エリア形成機以外のBLE通信機のうち、始動エリア形成機から最も近いBLE通信機7が代理機に設定される。代理機は複数でも良く、ここではBLE通信機7a、7bが代理機に設定されている。代理機としてのBLE通信機7a、7bが第2通信機に相当する。
BLE通信機7xは、スマートECU4に内蔵されているBLE通信機7である。BLE通信機7xは、携帯デバイス2とのデータ通信に使用される。本開示では携帯デバイス2とのデータ通信に使用される通信機をゲートウェイ通信機とも称する。ゲートウェイ通信機は、代表機、中心機、データ通信機などと言い換えることもできる。なお、BLE通信機7xはスマートECU4の筐体外に配置されていても良い。ゲートウェイ通信機の設定はスマートECU4によって動的に変更されても良い。例えばスマートECU4は、BLE通信機7xの不具合を検知している場合、BLE通信機7pをゲートウェイ通信機として機能させてもよい。始動エリア形成機とゲートウェイ通信機は同一のBLE通信機7であってもよい。
BLE通信機7xは、携帯デバイス2からのアドバタイズ信号を受信すると、保存済みのデバイス情報を用いて自動的に携帯デバイス2との通信接続を確立する。通信接続確立後、スマートECU4は携帯デバイス2と暗号化されたデータ通信を開始する。なお、BLE通信機7xは、携帯デバイス2との通信接続を確立すると、通信接続している携帯デバイス2のデバイスIDを接続デバイス情報としてプロセッサ41に提供する。
スマートECU4は、BLE通信機7x以外のBLE通信機7を、デバイス位置を判定するための(つまり位置判定用の)通信機として使用する。位置判定用のBLE通信機7とは、1つの局面においては、携帯デバイス2との距離を測定するためのBLE通信機7に相当する。位置判定用のBLE通信機7のことを本開示では観測機とも称する。本実施形態ではBLE通信機7a、BLE通信機7b、BLE通信機7c、及びBLE通信機7pが観測機に相当する。なお、観測機は、測距機、あるいはサテライト通信機と呼ぶこともできる。もちろん、他の態様として、スマートECU4は、複数のBLE通信機7のそれぞれに携帯デバイス2とデータ通信させても良い。
なお、BLE通信では、デバイス間の通信接続が確立している状態では、37個のチャンネルを逐次変更しながらデータの送受信を実施する。すなわち、コネクション確立後のデータ通信時は周波数ホッピングが行われる。そのため、通常は、通信接続しているBLE通信機7xしか携帯デバイス2からのデータ信号を捕捉できない。観測機はデバイス信号を観測できなくなる。
そのような事情に対応する構成として、本実施形態のBLE通信機7xは、スマートECU4に対して、携帯デバイス2との通信に使用するチャンネルを示す情報(以降、チャンネル情報)を逐次提供する。チャンネル情報は、具体的なチャンネル番号であっても良いし、使用チャンネルの遷移規則を示すパラメータ(いわゆるhopIncrement)であってもよい。HopIncrementは、通信接続時にランダムに決定される5から16までの数字である。チャンネル情報は、現在のチャンネル番号と、HopIncrementを含むことが好ましい。
スマートECU4は、BLE通信機7xから取得したチャンネル情報及びデバイスIDを、各観測機に参照情報として配信する。各観測機は、参照情報に示されるチャンネル情報によって、BLEで使用可能な多数のチャンネルのうち、何れのチャンネルを受信すれば、デバイス信号を受信できるのかを認識可能となる。その結果、観測機は、通信接続せずともデバイス信号の受信強度等を検出及び報告可能となる。
携帯デバイス2からゲートウェイ通信機に向けて送られた信号の観測機での受信状況に基づいてデバイス位置を判定する方式を、本開示ではスニッフィング方式とも称する。スニッフィング方式によれば、携帯デバイス2が通信接続するBLE通信機7を最小で1台に抑制可能となるため、携帯デバイス2での消費電力を抑制可能となる。また、スニッフィング方式によれば複数のBLE通信機7から携帯デバイス2までの距離を示す指標を並列的に収集可能となるため、携帯デバイス2を所持したユーザの接近に対するシステム応答性を高めることができる。もちろん、他の態様としては、各BLE通信機7が個別に携帯デバイス2と双方向通信を実施し、受信強度などの情報をスマートECU4に提供してもよい。
<スマートECU4の機能について>
ここでは図4を用いてスマートECU4の機能及び作動について説明する。スマートECU4は、ストレージ43に保存されているプログラムを実行することにより、図5に示す種々の機能ブロックに対応する機能を提供する。すなわち、スマートECU4は機能部として、車両情報取得部F1、通信制御部F2、位置判定部F3、無線認証部F4、追加認証部F5、及び車両制御部F6を備える。通信制御部F2はサブ機能部として、強度収集部F21及び診断部F22を備える。また、スマートECU4は、キー情報記憶部M1を備える。
ここでは図4を用いてスマートECU4の機能及び作動について説明する。スマートECU4は、ストレージ43に保存されているプログラムを実行することにより、図5に示す種々の機能ブロックに対応する機能を提供する。すなわち、スマートECU4は機能部として、車両情報取得部F1、通信制御部F2、位置判定部F3、無線認証部F4、追加認証部F5、及び車両制御部F6を備える。通信制御部F2はサブ機能部として、強度収集部F21及び診断部F22を備える。また、スマートECU4は、キー情報記憶部M1を備える。
キー情報記憶部M1は、車両Hvの電子キーとして利用される携帯デバイス2の情報を保存するための記憶媒体である。キー情報記憶部M1には少なくとも1つの携帯デバイス2についての情報が保存されている。キー情報記憶部M1には、携帯デバイス2毎の鍵情報が、キーIDや、デバイスID、ユーザIDなどと対応づけられて保存されている。ユーザIDは複数のユーザを識別するための識別子であってユーザごとに設定される。鍵情報には有効期限や、権限、シートポジションなどの情報が紐付けられて保存されていてもよい。キー情報記憶部M1は、ストレージ43が備える記憶領域の一部を用いて実現されている。なお、キー情報記憶部M1は、ストレージ43とは物理的に独立した不揮発性の記憶媒体を用いて実現されていても良い。キー情報記憶部M1はプロセッサ41によるデータの書き込み、読出、削除等が実施可能に構成されている。
車両情報取得部F1は、車両Hvに搭載されたセンサやECU、スイッチなどから、車両Hvの状態、及び、車両Hvに対するユーザの操作を示す種々の車両情報を取得する。車両情報には、例えば走行用電源の状態(オン/オフ)や、各ドアの開閉状態、各ドアの施錠/開錠状態、ドアボタン5及びスタートボタン6の押下状態、シフトポジション等が含まれる。ブレーキペダルの踏込量/踏込力を検出するブレーキセンサの出力値や、パーキングブレーキの作動状態を示す信号もまた車両情報に該当しうる。なお、ドアボタン5やスタートボタン6からの電気信号を取得することは、これらのボタンに対するユーザ操作を検出することに相当する。車両情報取得部F1は、1つの局面においてドアボタン5の押下や、ドアの開閉、スタートボタン6の押下などといった、車両Hvに対するユーザの操作を検出する構成に相当する。
車両情報取得部F1は、上述した種々の情報に基づいて、車両Hvの現在の状態を取得する。例えば車両情報取得部F1は、走行用電源がオフであり、全てのドアが施錠されている場合に、車両Hvは駐車されていると判定する。車両Hvが駐車されていると判定する条件は適宜設計されればよく、多様な判定条件を適用可能である。なお、本開示における「取得」には、他の装置/センサから入力されたデータなどを元に内部演算によって生成/検出/判定することも含まれる。システム内の機能配置は適宜変更であるためである。
通信制御部F2は、BLE通信機7の動作を制御する。通信制御部F2は、例えばユーザの登録時などにおいて、BLE通信機7xを用いて、携帯デバイス2と鍵交換プロトコルの実行(いわゆるペアリング)を実施する。ペアリングによって取得した携帯デバイス2についての情報であるデバイス情報は、ストレージ43に保存されるとともに、各BLE通信機7の通信マイコン73が備える不揮発性のメモリにも保存される。デバイス情報とは、例えば、ペアリングによって交換した鍵や、デバイスIDなどである。
通信制御部F2は、BLE通信機7xから、通信接続している携帯デバイス2のデバイスIDを取得する。スマートECU4は、受信したデバイスIDに基づいて車両Hv周辺に存在するユーザを特定する。なお、車両Hvが複数のユーザによって共用される場合には、各ユーザが保有する携帯デバイス2のそれぞれについてのデバイス情報が保存される。また、車両Hvがサービスカーである場合、スマートECU4は、鍵情報を発行するデジタルキーサーバから利用予約しているユーザに対応するデバイス情報を事前に取得して所定の記憶媒体に一時的保管しても良い。
通信制御部F2は、BLE通信機7xを介して携帯デバイス2から送信されてくる信号、例えばアドバタイズ信号を受信することで、携帯デバイス2が車載システム1と近距離通信可能な範囲内に存在することを検出する。つまりBLE通信機7xは、パッシブスキャン方式にて車両周辺に存在する携帯デバイス2を検出する。なお、車載システム1は、スキャン要求の送信を伴うアクティブスキャン方式によって携帯デバイス2を探索しても良い。2種類のスキャン方式はシーンによって使い分けられても良い。例えば駐車中の待機シーンにおいてはパッシブスキャン方式を採用する一方、ドアボタン5の押下などの所定の照合イベント発生時にはアクティブスキャン方式が採用されても良い。
通信制御部F2は、BLE通信機7xを用いて携帯デバイス2とデータ通信を実施する。例えば通信制御部F2は、通信接続している携帯デバイス2宛のデータを生成し、BLE通信機7xに出力する。これにより、所望のデータに対応する信号を電波として送信させる。また、通信制御部F2は、BLE通信機7xが受信した携帯デバイス2からのデータを受信する。
通信制御部F2は、車両Hvが駐車されている間、ゲート通信機としてのBLE通信機7xに関してはデバイス信号を受信可能な状態(いわゆる待受状態)を維持する一方、観測機に関しては休止状態に移行させる。休止状態は、例えば信号の受信機能を停止している状態である。休止状態には、電源がオフになっている状態も含まれる。これにより駐車中の暗電流を抑制可能となる。
その他、通信制御部F2は、各BLE通信機7から、デバイス信号の周波数ごとの受信強度を取得する。周波数ごと、通信機ごとの受信強度を取得する構成が強度収集部F21に相当する。通信制御部F2は、携帯デバイス2の位置判定のために、ゲートウェイ通信機を一時的に変更するように構成されていても良い。
また、通信制御部F2は、サブ機能部として診断部F22を備える。診断部F22は、診断対象とするBLE通信機7が正常に動作しているか否か、換言すれば不具合が生じているかを判定する。通信制御部F2は、例えばBLE通信機7xが正常に動作しているかに関しては定期的に判定する。また、BLE通信機7pなどの観測機に関しては、定期的に、又は、BLE通信機7xが携帯デバイス2とのコネクションを確立したことをトリガとして診断する。もちろん、診断部F22は、観測機に関しても定期的に診断しても良い。スマートECU4が例えばプロセッサを複数備える場合など、複数の演算処理を並列的に実行可能に構成されている場合、診断部F22は複数のBLE通信機7を同時に(並列的に)診断してもよい。
なお、BLE通信機7pに不具合が生じている場合には、BLE通信機7pの内部回路や通信マイコン73に異常が生じている場合のほか、BLE通信機7pとスマートECU4とを繋ぐ通信線に、断線や接続不良などが生じている場合も含まれる。BLE通信機7pとスマートECU4とをつなぐ通信線の断線やコネクタの接続不良なども、BLE通信機7pに不具合が生じている場合に相当する。他のBLE通信機7の不具合についても同様である。スマートECU4と正常に通信できないBLE通信機7が、不具合が生じているBLE通信機7に相当する。
診断部F22は、例えばウォッチドッグタイマ方式や宿題回答方式などといった、多様な方法を用いてBLE通信機7の不具合を検出可能である。ウォッチドッグタイマ方式とは、スマートECU4が備えるウォッチドッグタイマがBLE通信機7から入力されるウォッチドッグパルスによってクリアされずに満了した場合に、BLE通信機7に不具合が生じていると判定する方式である。ウォッチドッグタイマはBLE通信機7毎に用意されていれば良い。
また、宿題回答方式とは、スマートECU4が、所定の監視用信号を診断対象機に送るとともに、診断対象機から返送されてきた回答が正解であるか否かによって診断対象機が正常であるか否かを判定する方式である。診断対象機とは診断対象とするBLE通信機7を指す。宿題回答方式において診断対象機としてのBLE通信機7は、スマートECU4から入力された監視用信号に応じた回答データを生成してスマートECU4に返送する。診断部F22は、診断対象機から返送されてきた回答データが、送信した監視用信号に対応する正解データと異なる場合、あるいは所定の制限時間内でスマートECU4から応答信号が返送されてこない場合に、診断対象機は正常に動作していないと判定する。宿題回答方式は疎通確認の一種に相当する。
その他、診断部F22は、BLE通信機7xと、診断対象とする観測機とに無線通信を実施させることによって得られる受信強度やラウンドトリップ時間(RTT:Round-Trip Time)などに基づいて、観測機の不具合を検出しても良い。RTTは、診断対象に向けて応答要求信号を送信してから応答信号を受信するまでの時間である。診断部F22は、観測機で観測されたゲートウェイ通信機からの信号の受信強度が事前に登録されている正常範囲を逸脱していることや、RTTが所定値以上であることに基づいて観測機の不具合を検出してもよい。また、各BLE通信機7は、自己診断機能を有しており、内部エラーを検出した場合にはエラー信号を出力するように構成されていても良い。その場合、診断部F22は、或るBLE通信機7からエラー信号が入力されたことに基づいて、当該BLE通信機7に不具合が生じていると判定しても良い。診断部F22は、BLE通信機7からの入力信号がないことに基づいて、当該通信機に不具合が生じていると判定しても良い。
本実施形態の診断部F22は一例として、各観測機及びゲートウェイ通信機のそれぞれを診断するが、これに限らない。診断部F22は始動エリア形成機としてのBLE通信機7pのみ診断するように構成されていても良い。診断対象を絞ることによりスマートECU4の処理負荷を低減可能となる。
本実施形態のスマートECU4は、走行用電源のオンオフ制御にかかる動作モードとして、通常モードと臨時モードを備える。臨時モードは、診断部F22にて始動エリア形成機としてのBLE通信機7pに不具合が検出されている場合の動作モードである。通常モードは、BLE通信機7pに不具合が検出されていない場合の動作モードである。スマートECU4は診断部F22にてBLE通信機7pの不具合が検出された場合に通常モードから臨時モードに移行する。また、診断部F22にてBLE通信機7pが正常に動作していることが確認された場合に、臨時モードから通常モードに復帰する。
通常モードと臨時モードは、携帯デバイス2が始動エリアSA内に存在するか否かの判定に使用するデータ(材料)/アルゴリズムが相違する。臨時モードは、BLE通信機7pに不具合が生じている場合であっても、代理機でのデバイス信号の受信状況が所定の臨時エリア判定条件が充足することに基づいて、スタートボタン6の押下による走行用電源のオンを許可する動作モードに相当する。通常モード時、及び臨時モード時のスマートECU4の動作については別途後述する。
位置判定部F3は、各BLE通信機7でのデバイス信号の受信状況に基づいて、デバイス位置を判定する。位置判定部F3は、室外機で観測されるデバイス信号の受信強度に基づいて、携帯デバイス2が施開錠エリアEA内に存在するか否かを判定する。また、位置判定部F3は、通常モード時においてはBLE通信機7pで観測されるデバイス信号の受信強度に基づいて、携帯デバイス2が始動エリアSAに存在するか否かを判定する。位置判定部F3は、臨時モード時においてはBLE通信機7p以外の所定のBLE通信機7で観測されるデバイス信号の受信強度に基づいて、携帯デバイス2が始動エリアSAに存在するか否かを判定する。
なお、携帯デバイス2が始動エリアに存在すると判定することは、駆動源を始動する条件である始動条件のうちの、デバイス位置にかかる条件であるデバイス位置条件が充足されていると判定することに対応する。始動条件は、デバイス位置条件の他、携帯デバイス2/ユーザの認証が成功していることや、車両状態にかかる条件である車両状態条件を含む。始動条件を構成する車両状態条件は、例えば、ブレーキペダルが踏み込まれていること、及び、シフトポジションがパーキング又はニュートラルに設定されていることなどである。
無線認証部F4は、BLE通信機7xと連携して、通信相手が携帯デバイス2であることを確認(換言すれば認証)する処理を実施する。認証のための通信は、暗号化されて実施される。認証処理自体は、チャレンジ-レスポンス方式など多様な方式を用いて実施されればよい。例えば無線認証部F4は、所定の/ランダムに生成されるチャレンジコードを携帯デバイス2に向けて送信する。また、当該チャレンジコードに、通信相手のデバイスID/キーIDに応じた鍵情報を用いて所定の手順により検証用コードを生成する。そして、通信相手から返送されてきたレスポンスコードと検証用コードとを照らし合わせ、両者が一致していることに基づいて認証成功と判定する。このような認証処理は、鍵情報を元に携帯デバイス2で生成されたレスポンスコードと、スマートECU4が保持又は動的に生成した検証コードとを照合する処理を伴うため、照合処理と言い換えることもできる。携帯デバイス2の認証が成功したということは、車両Hvにアクセスしようとしている人物が正規のユーザであると判定することに相当する。
無線認証部F4が認証処理を実施するタイミングは、例えばBLE通信機7と携帯デバイス2との通信接続が確立したタイミングとすることができる。無線認証部F4は、BLE通信機7と携帯デバイス2とが通信接続している間、所定の周期で認証処理を実施するように構成されていても良い。また、スマートECU4は、ユーザによってドアボタン5が押下されたことや、スタートボタン6が押下されたことなど、車両Hvに対する所定のユーザ操作をトリガとして認証処理のための通信を実施しても良い。
追加認証部F5は、無線認証以外の方法にて、乗車者が正当なユーザであることを認証する構成である。無線認証部F4による認証、すなわち携帯デバイス2との無線通信による認証を1段階目の認証処理とすると、追加認証部F5は、2段階目の認証を行う構成に相当する。本開示では追加認証部F5による認証処理を追加認証処理とも称する。追加認証部F5は、臨時モードが適用されており、且つ、ユーザが車両Hvをアンロックして乗車したことを検知した場合に、追加認証処理を実施する。追加認証処理は、例えば生体認証装置17との協働により実現される。具体的には追加認証処理は、ディスプレイ15に生体認証を実施するように要求する認証要求画面を表示することと、生体認証装置17を起動することを含む。追加認証部F5は、生体認証装置17からユーザの認証結果を取得する。なお、生体認証の実施要求は、スピーカから所定の音声メッセージの出力によって実現されてもよい。
また、追加認証処理は、パスコードの入力によって、ユーザの正当性を判断する処理であってもよい。例えば追加認証部F5は、臨時モードが適用されており、且つ、ユーザが車両Hvをアンロックして乗車したことを検知した場合に、ユーザに所定のパスコードの入力を要求する。パスコードは、動的に生成されるものでも良いし、事前にユーザが登録しておいたコードでもよい。パスコードは、ユーザ登録時に設定したコード(いわゆるパスワード)であってもよい。
例えば追加認証部F5は、臨時モードとなったことに基づいて、1回限り有効なパスコードであるワンタイムパスコードを動的に生成し、BLE通信にて携帯デバイス2に送信する。そして、ディスプレイ15に当該ワンタイムパスコードの入力画面を表示させる。追加認証部F5は、ユーザに入力されたパスコードを用いて乗車者の正当性を判断しても良い。
車両制御部F6は、少なくとも無線認証部F4による携帯デバイス2の認証が成功していることを条件として、携帯デバイス2(換言すればユーザ)の位置及び車両Hvの状態に応じた車両制御を、ボディECU12等と協働して実行する構成である。例えば車両制御部F6は、位置判定部F3によって携帯デバイス2は施開錠エリアEAに存在すると判定されており、かつ、ドアボタン5がユーザによって押下されたことを検出した場合には、ボディECU12と協働してドアを開錠する。また、車両制御部F6は、位置判定部F3によって携帯デバイス2は始動エリアSAに存在すると判定されており、かつ、スタートボタン6がユーザによって押下されたことを検出した場合には、電源ECU11と連携して走行用電源をオフからオンに切り替える。
以上で述べたスマートECU4は、以下に説明するように、開錠制御処理や、動作モード制御処理、始動制御処理を実施する。
<開錠制御処理について>
ここでは図5に示すフローチャートを用いてスマートECU4が実施する開錠制御処理について説明する。開錠制御処理は、ユーザによるドアボタン5に反応して車両Hvの全ドア又は特定のドアを開錠するための処理である。開錠制御処理は、パッシブエントリー機能を提供するためのシーケンスに相当する。
ここでは図5に示すフローチャートを用いてスマートECU4が実施する開錠制御処理について説明する。開錠制御処理は、ユーザによるドアボタン5に反応して車両Hvの全ドア又は特定のドアを開錠するための処理である。開錠制御処理は、パッシブエントリー機能を提供するためのシーケンスに相当する。
開錠制御処理は、車両Hvが施錠されている状態において、BLE通信機7xがデバイス信号を受信したことに基づいて実行されうる。また、開錠制御処理は、車両Hvが施錠されている状態において、デバイス信号を受信している限り、例えば200ミリ秒ごとに(定期的に)実施される。開錠制御処理は、一例としてステップS101~S108を備える。
S101は観測機を起動するステップである。すなわち、各観測機に対して所定の制御信号を入力することにより、休止状態から待受状態に移行させる。なお、観測機が既に起動済みである場合にはS101は省略されうる。また、開錠制御処理で起動させる観測機は室外機だけであっても良い。室内機に関しては休止状態を維持させても良い。
S102は各観測機からデバイス信号の受信強度を取得するステップである。図中のRSS_xは、室外機での受信強度である室外機観測強度を指す。プロセッサ41は、S102で取得した室外機ごとの受信強度を用いて、複数の室外機の中に、室外機観測強度(RSS_x)が所定の施開錠エリア判定値(Th_x1)以上である室外機が存在するか否かを判定する(S103)。
プロセッサ41は、室外機観測強度が施開錠エリア判定値以上である室外機が存在しない場合には、施開錠エリアフラグをオフに設定し、本フローを終了する(S104)。一方、室外機観測強度が施開錠エリア判定値以上である室外機が存在する場合には、施開錠エリアフラグをオンに設定する(S105)。施開錠エリアフラグは、携帯デバイス2が施開錠エリアEAに存在するか否かを示す処理上のフラグである。施開錠エリアフラグをオンに設定することは、施開錠エリアEAに携帯デバイス2が存在すると判定することに対応する。上記の処理は、受信強度が所定値以上である室外機が存在する場合に、携帯デバイス2は施開錠エリアEAに存在すると位置判定部F3が判定する処理に相当する。
S106は、プロセッサ41がドアボタン5からの入力信号に基づき、ドアボタン5が押下されたか否かを判定するステップである。ドアボタン5が押下された場合には、S107に移る。一方、ドアボタン5が押下されていない場合には、本フローを終了する。なお、施開錠エリアフラグがオフの状態でドアボタン5の押下を検知した場合、プロセッサ41はキー未検出画像をディスプレイ15に表示させても良い。キー未検出画像は、ドア付近に携帯デバイス2が見つかっていないことを示す画像である。
S107は、無線認証処理が成功しているか否かを判定するステップである。無線認証処理は、ドアボタン5の押下をトリガに実行しても良いし、携帯デバイス2との通信接続をトリガとしてドアボタン5の押下前に実施されていても良い。プロセッサ41は、無線認証処理が成功している場合には各ドアを開錠する(S108)。また、無線認証処理が成功していない場合には本フローを終了する。その際、プロセッサ41は認証失敗画像をディスプレイ15に表示させても良い。認証失敗画像は、ユーザ認証(無線認証)が失敗したことを示す画像である。
以上のフローで使用される施開錠エリア判定値(Th_x1)は、携帯デバイス2が施開錠エリアEAに存在すると判定するためのパラメータであって、その具体的な値は適宜設計されうる。施開錠エリア判定値との比較に使用される室外機ごとの受信強度は、同一の室内機において直近所定時間以内に観測されたデバイス信号の受信強度の平均値や中央値、又は最大値であってもよい。
<動作モード制御処理>
ここでは図6に示すフローチャートを用いてスマートECU4が実施する動作モード制御処理について説明する。動作モード制御処理は、通常モードから臨時モードに切り替えるための処理に相当する。動作モード制御処理は、例えば前述の開錠制御処理にて車両Hvのドアを開錠されたことに基づいて実行されうる。もちろん、動作モード制御処理は、携帯デバイス2からのアドバタイズを受信したことや、携帯デバイス2との通信接続が確立したこと、携帯デバイス2の無線認証処理が成功したことなどをトリガとして実行されても良い。動作モード制御処理の実行条件としては多様な条件を採用可能である。
ここでは図6に示すフローチャートを用いてスマートECU4が実施する動作モード制御処理について説明する。動作モード制御処理は、通常モードから臨時モードに切り替えるための処理に相当する。動作モード制御処理は、例えば前述の開錠制御処理にて車両Hvのドアを開錠されたことに基づいて実行されうる。もちろん、動作モード制御処理は、携帯デバイス2からのアドバタイズを受信したことや、携帯デバイス2との通信接続が確立したこと、携帯デバイス2の無線認証処理が成功したことなどをトリガとして実行されても良い。動作モード制御処理の実行条件としては多様な条件を採用可能である。
動作モード制御処理は、一例としてステップS201~S207を備える。S201は休止状態にある観測機を起動するステップである。なお、S201で起動させる観測機は始動エリア形成機としてのBLE通信機7pだけであっても良い。
S202はBLE通信機7pが正常に動作しているか否かを診断部F22が判定するステップである。BLE通信機7pが正常に動作しているか否かは、前述の通り、有線又は無線による疎通確認等、多様な方法によって判別されうる。S202での診断処理の結果、BLE通信機7pに不具合が検出されなかった場合には(S203 NO)、通常モードを適用する。なお、BLE通信機7pに不具合が検出されなかった場合とは、始動エリア形成機が正常に動作していることが確認できた場合に相当する。一方、S202での診断処理の結果、BLE通信機7pに不具合が検出された場合には(S203 YES)、プロセッサ41は臨時モードに移行する。
また、臨時モードに移行した場合、プロセッサ41は、不具合通知処理を実施する(S207)。不具合通知処理は、BLE通信機7pが正常に動作していないこと、あるいは臨時モードで動作することを示す画像である不具合通知画像をディスプレイ15に表示する処理である。不具合通知処理は、BLE通信機7pが正常に動作していないこと、あるいは臨時モードで動作する旨の音声メッセージをスピーカから出力する処理であってもよい。なお、不具合通知処理は、BLE通信でスマートECU4と接続中の携帯デバイス2のディスプレイに、所定の画像を表示させることを含んでいても良い。
さらに、不具合通知処理は、臨時モードになったことを示すメッセージである臨時モード適用通知を、センタ/サーバを介して、スマートECU4に事前登録されているデバイス/通知先に送信することを含んでもよい。臨時モード適用通知の送信先は、メールアドレス、電話番号、デバイスID、車両管理アプリのデバイストークンなどで表現されうる。車両管理アプリは、サーバなどとの連携により、車両Hvの状態を携帯デバイス2などの外部装置上で確認可能とするアプリケーションである。臨時モード適用通知の送信先として登録されているデバイスは、スマートECU4(ひいては車両Hv)と紐付けられているデバイスである車両連携デバイスに相当する。例えば車両管理アプリがインストールされてあって、スマートECU4/車両Hvとの紐付けが完了しているデバイスが車両連携デバイスである。
なお、コネクタの接触不良やノイズ等によって偶発的に(一時的に)、BLE通信機7pと通信不良となることもありうる。そのような事情から、プロセッサ41は、臨時モードで動作している間、定期的にBLE通信機7pを診断してもよい。定期的にBLE通信機7pを診断する構成によれば、仮にBLE通信機7pの不具合が偶発的なものである場合には、時間の経過に伴って通常モードに復帰可能となる。なお、プロセッサ41は、偶発的な理由による誤診断を抑制するために、BLE通信機7pとの通信失敗が所定回数連続して生じたことに基づいてBLE通信機7pに不具合が生じていると判断するように構成されていても良い。
<通常モード時における始動制御処理>
ここでは図7に示すフローチャートを用いてスマートECU4が実施する、通常モード時の始動制御処理について説明する。始動制御処理は、車両Hvを走行可能な状態に切り替える処理、すなわち走行用電源をオフからオンに切り替えるための処理に相当する。始動制御処理は、例えば前述の開錠制御処理にて車両Hvのドアを開錠したことに基づいて定期的に実行されうる。もちろん、始動制御処理は、ブレーキペダルが踏み込まれていることなどを条件として定期的に実行されても良い。
ここでは図7に示すフローチャートを用いてスマートECU4が実施する、通常モード時の始動制御処理について説明する。始動制御処理は、車両Hvを走行可能な状態に切り替える処理、すなわち走行用電源をオフからオンに切り替えるための処理に相当する。始動制御処理は、例えば前述の開錠制御処理にて車両Hvのドアを開錠したことに基づいて定期的に実行されうる。もちろん、始動制御処理は、ブレーキペダルが踏み込まれていることなどを条件として定期的に実行されても良い。
通常モード時の始動制御処理は、一例としてステップS301~S308を備える。S301は休止状態にある観測機を起動するステップである。なお、S301で起動させる観測機は始動エリア形成機としてのBLE通信機7pだけであっても良い。携帯デバイス2が始動エリアSAに存在すると判定する条件に応じて起動させる観測機は取捨選択されうる。
S302は、BLE通信機7pからデバイス信号の受信強度を取得するステップである。図中のRSS_dは、始動エリア形成機としてのBLE通信機7pでの受信強度を指す。プロセッサ41は、S302で取得したBLE通信機7pでの受信強度(RSS_d)が所定の始動エリア判定値(Th_d1)以上か否かを判定する(S303)。
プロセッサ41は、BLE通信機7pでの受信強度が始動エリア判定値未満である場合には、始動エリアフラグをオフに設定し、本フローを終了する(S304)。一方、プロセッサ41はBLE通信機7pでの受信強度が始動エリア判定値以上である場合には、始動エリアフラグをオンに設定する(S305)。
始動エリアフラグは、携帯デバイス2が始動エリアSAに存在するか否かを示す処理上のフラグである。始動エリアフラグをオンに設定することは、始動エリアSAに携帯デバイス2が存在すると判定することに対応する。上記の処理は、BLE通信機7pでの受信強度が所定値以上である場合に携帯デバイス2が始動エリアSAに存在すると位置判定部F3が判定する処理に相当する。
S306は、プロセッサ41がスタートボタン6からの入力信号に基づき、スタートボタン6が押下されたか否かを判定するステップである。スタートボタン6が押下された場合には、S307に移る。一方、スタートボタン6が押下されていない場合には(S306 NO)、本フローを終了する。
S307は、無線認証処理が成功しているか否かを判定するステップである。無線認証処理は、前述の通り、スタートボタン6の押下をトリガに実行しても良いし、携帯デバイス2との通信接続をトリガとして事前に実施されていても良い。プロセッサ41は、無線認証処理が成功している場合には走行用電源をオフからオンに切り替える(S308)。
S303の判定処理で使用される始動エリア判定値(Th_d1)は、BLE通信機7pでの受信強度に基づいて携帯デバイス2が始動エリアSAに存在すると判定するためのパラメータであって、その具体的な値は適宜設計されうる。始動エリア判定値との比較に使用されるBLE通信機7pでの受信強度は、BLE通信機7pにおいて直近所定時間以内に観測されたデバイス信号の受信強度の平均値や中央値、又は最大値であってもよい。また、周波数ごとの受信強度の平均値であってもよい。S306の判定処理は、ブレーキペダルが踏み込まれた状態でスタートボタン6が押下されたか否かを判定するものであっても良い。
<臨時モード時における始動制御処理>
ここでは図8に示すフローチャートを用いてスマートECU4が実施する、臨時モード時の始動制御処理について説明する。臨時モード時の始動制御処理は、一例としてステップS401~S409を備える。S401は、S301と同様に休止状態にある観測機を起動するステップである。なお、S401で起動させる観測機は、代理機のみ、具体的にはBLE通信機7a、7bだけであっても良い。
ここでは図8に示すフローチャートを用いてスマートECU4が実施する、臨時モード時の始動制御処理について説明する。臨時モード時の始動制御処理は、一例としてステップS401~S409を備える。S401は、S301と同様に休止状態にある観測機を起動するステップである。なお、S401で起動させる観測機は、代理機のみ、具体的にはBLE通信機7a、7bだけであっても良い。
S402は、代理機としてのBLE通信機7a、7bのそれぞれからデバイス信号の受信強度を取得するステップである。図中のRSS_aは、BLE通信機7aでの受信強度を指す。図中のRSS_bは、BLE通信機7bでの受信強度を指す。説明簡略化のため、ここではBLE通信機7aでの受信強度(RSS_a)のことを右側受信強度、BLE通信機7bでの受信強度(RSS_b)のことを左側受信強度とも記載する。プロセッサ41は、S302で取得した右側受信強度と左側受信強度の両方が臨時始動エリア判定値(Th_x2)以上であるかを判定する(S403)。本実施形態では、右側受信強度及び左側受信強度の両方が臨時始動エリア判定値以上であることが、臨時エリア判定条件に相当する。S403は、代理機でのデバイス信号の受信状況を示すデータが、臨時エリア判定条件を充足しているか否かを判定するステップに相当する。
プロセッサ41は、右側受信強度及び左側受信強度の少なくとも何れか一方が臨時始動エリア判定値未満である場合には、始動エリアフラグをオフに設定し、本フローを終了する(S404)。一方、プロセッサ41は右側受信強度及び左側受信強度の両方が臨時始動エリア判定値以上である場合には、始動エリアフラグをオンに設定する(S405)。
なお、S403での判定処理に使用されるBLE通信機7aでの受信強度は、BLE通信機7aにおいて直近所定時間以内に観測されたデバイス信号の受信強度の平均値や中央値、又は最大値であってもよい。BLE通信機7bでの受信強度についても同様である。
また、S403の判定処理で使用される臨時始動エリア判定値(Th_x2)は、代理機での受信強度に基づいて携帯デバイス2が始動エリアSAに存在すると判定するためのパラメータである。臨時始動エリア判定値は、図9に示すように施開錠エリア判定値(Th_x1)よりも小さい範囲において、その具体的な値は適宜設計されうる。例えば臨時始動エリア判定値(Th_x2)は、施開錠エリア判定値(Th_x1)よりも10dB~20dB程度小さい値に設定されている。
受信強度に対するエリア判定用の閾値を下げることは、図10に示すように判定対象とするエリアを拡大することに相当する。図10に示す二点鎖線は、受信強度が臨時始動エリア判定値以上となる範囲、すなわち臨時閾値超過エリアの概形を示している。臨時始動エリア判定値(Th_x2)は、本来の始動エリアの少なくとも一部を含むように設定される。
尚、BLE通信機7a及び7bでの受信強度がともに臨時始動エリア判定値以上となりうる場所は、図10においてBLE通信機7aが形成する臨時閾値超過エリアTA_aと、BLE通信機7bが形成する臨時閾値超過エリアTA_bとが重なる部分に相当する。本実施形態のプロセッサ41は、臨時閾値超過エリアTA_aと臨時閾値超過エリアTA_bが重なるエリアを、臨時モード時における始動エリアSAとして取り扱う。上記の処理は、BLE通信機7a及び7bでの受信強度がともに、施開錠エリア判定値よりも小さい所定の臨時始動エリア判定値以上である場合に、携帯デバイス2が始動エリアSAに存在すると位置判定部F3が判定する処理に相当する。臨時モード時の始動エリアSAは臨時始動エリアと呼ぶこともできる。
S406は、プロセッサ41がスタートボタン6からの入力信号に基づき、スタートボタン6が押下されたか否かを判定するステップである。スタートボタン6が押下された場合には、S407に移る。一方、スタートボタン6が押下されていない場合には(S406 NO)、本フローを終了する。S406の判定処理は、ブレーキペダルが踏み込まれた状態でスタートボタン6が押下されたか否かを判定するものであっても良い。
S407は無線認証処理が成功しているか否かを判定するステップである。プロセッサ41は、無線認証処理が成功している場合には、S408に移り追加認証処理が成功しているか否かを判定する。追加認証処理における認証要求画面の表示は、スタートボタン6の押下をトリガに実行しても良いし、携帯デバイス2との通信接続をトリガとして事前に実施されていても良い。また、臨時モードが適用されている状態でドアが開錠された場合や、ブレーキペダルが踏み込まれたタイミングで、追加認証の実施要求を実施しても良い。
プロセッサ41は、追加認証処理が成功している場合には(S408 YES)、S409に移り走行用電源をオフからオンに切り替える。一方、追加認証処理が失敗した場合には、所定の始動不可通知を実施した上で本フローを終了する。始動不可通知は、走行用電源をオンにする条件が充足していないため、始動不能であることを画像表示又は音声メッセージの出力にてユーザに通知する処理である。始動不可通知で出力する情報には、例えば、所定エリア内に携帯デバイス2が見つからないことや、BLE通信機7pに不具合が生じていること、追加認証に失敗したことなど、走行用電源をオンに設定できない理由が含まれていても良い。
<効果等>
上記のプロセッサ41は、BLE通信機7pに不具合が検出されていない場合には、通常モードとして動作する。すなわち、位置判定部F3としてのプロセッサ41は、BLE通信機7pで観測されるデバイス信号の受信強度が所定値以上である場合に携帯デバイス2が始動エリアSAに存在すると判定する。また、携帯デバイス2が始動エリアSAに存在すると判定していること及び無線認証処理が成功していることを条件として、ユーザによるスタートボタン6の押下をトリガに走行用電源をオンに切り替える。
上記のプロセッサ41は、BLE通信機7pに不具合が検出されていない場合には、通常モードとして動作する。すなわち、位置判定部F3としてのプロセッサ41は、BLE通信機7pで観測されるデバイス信号の受信強度が所定値以上である場合に携帯デバイス2が始動エリアSAに存在すると判定する。また、携帯デバイス2が始動エリアSAに存在すると判定していること及び無線認証処理が成功していることを条件として、ユーザによるスタートボタン6の押下をトリガに走行用電源をオンに切り替える。
一方、BLE通信機7pに不具合が検出されている場合には、プロセッサ41は臨時モードとして動作する。すなわち、予め代理機に設定されているBLE通信機7での携帯デバイス2との通信状況を示すデータが、所定の臨時エリア判定条件を充足している場合に、位置判定部F3は携帯デバイス2が始動エリアSA内に存在すると判定する。具体的には、本来は施開錠エリアEAを形成するためのBLE通信機7a、7bでの受信強度がともに所定値以上である場合に、位置判定部F3は携帯デバイス2が始動エリアSA内に存在すると判定する。
このような構成によれば本来の始動エリアSAを形成するBLE通信機7pに不具合が生じている場合であっても、携帯デバイス2が始動エリアSAに存在することを検出可能となる。ひいては本来の始動エリア形成機に不具合が生じている場合であっても、ユーザは車両Hvを走行させることが可能となる。その結果、ディーラショップや修理工場まで車両Hvを走行させ、BLE通信機7pを修理可能となる。
なお、上記臨時モード時の動作は、通常モード時には始動エリアSAに存在するか否かの判定に使用しないBLE通信機7を用いて、携帯デバイス2が始動エリアSAに存在するかどうかを判定することに相当する。換言すれば、上記構成は、通常モード時と臨時モード時とで、走行用電源をオンに切り替えるためのデバイス位置条件を変更する構成に相当する。
ところで、臨時モード時の始動エリアSAは、臨時エリア判定条件の設定によっては、本来の始動エリアSAよりも広くなりうる、つまり、臨時モード時において形成される仮の始動エリアは、本来の始動エリアほどの厳密性を有さないことがある。それに伴い、臨時モード時におけるデバイス位置の判定精度や信頼性は、通常モード時よりも劣化しうる。
当該課題に対し、上記実施形態においてプロセッサ41は、臨時モード時には、携帯デバイス2が始動エリアSAに存在すると判定していること、及び、無線認証処理の成功に加え、追加認証処理も成功していることを条件として、走行用電源オンを許可する。このように臨時モード適用時には、始動条件に、追加認証処理が成功していることを含めることにより、セキュリティを高めることができる。追加認証処理は、ユーザ本人による車両操作が必要であるためである。本実施形態の構成によれば、始動エリア形成機に不具合が生じている場合でも、ユーザでは人物である第3者が不正に走行用電源をオンにする恐れを低減できる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば下記の種々の補足や変形例などは、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。なお、以上で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については上記説明を適用することができる。
[変形例(1)]
プロセッサ41は、診断部F22がBLE通信機7pの不具合を検出した場合以外にも、例えば、ユーザの特定行動を検出した場合に臨時モードに移行しても良い。ここでの特定行動とは、短期間に始動操作を所定回数繰り返す行動を指す。例えばプロセッサ41は、10秒以内に始動操作が3回以上実施されたことを検出した場合、臨時モードを適用しても良い。始動操作とは、走行用電源をオンに設定するための操作であって、例えばブレーキペダルを踏みながらスタートボタン6を押下する操作である。始動操作の具体的な内容は適宜変更可能である。
プロセッサ41は、診断部F22がBLE通信機7pの不具合を検出した場合以外にも、例えば、ユーザの特定行動を検出した場合に臨時モードに移行しても良い。ここでの特定行動とは、短期間に始動操作を所定回数繰り返す行動を指す。例えばプロセッサ41は、10秒以内に始動操作が3回以上実施されたことを検出した場合、臨時モードを適用しても良い。始動操作とは、走行用電源をオンに設定するための操作であって、例えばブレーキペダルを踏みながらスタートボタン6を押下する操作である。始動操作の具体的な内容は適宜変更可能である。
図11は本変形例に対応する処理シーケンスの一例を示したフローチャートである。当該処理フローは、前述の種々の処理と並列的に、又は、組み合わせて実施可能である。図11に示すようにプロセッサ41は通常モード時において、スタートボタン6が複数回押下されたことを検出すると(S601 YES)、ブレーキペダルが踏み込まれているかどうかを判断する。ブレーキペダルが踏み込まれた状態でスタートボタン6が規定回数押下された場合には(S602 YES)、プロセッサ41は臨時モードに移行する(S603)。
また、プロセッサ41は、ブレーキペダルが踏み込まれていない状態でスタートボタン6が複数回押下されたことを検出した場合には(S602 NO)、ディスプレイ15に操作案内画面を表示する(S604)。操作案内画面は、規定の始動操作を示す画面である。例えばS604ではプロセッサ41は、ブレーキペダルを踏みながらスタートボタン6を押すことを示す画像をディスプレイ15に表示させる。
なお、BLE通信機7pに不具合が検出されておらず、かつ、スタートボタン6が複数回押下されたことを検出していない場合には通常モードを維持する(S610)。また、スタートボタン6が複数回押下された場合であっても、フットブレーキの踏み忘れなどが検出されている場合にも通常モードを維持する。
上記の構成は次の着想に基づくものである。すなわち、BLEなどで使用される高周波電波は、直進性が強いため回り込みが生じにくい。また、高周波電波は、人体によって減衰されやすい。故に、携帯デバイス2の所持態様や置き場所によっては、BLE通信機7pでのデバイス信号の受信状況が通常エリア判定条件を充足しないことが起こりうる。つまり、BLE通信機7pに不具合が生じていなくとも、通常エリア判定条件が充足せず、その結果として、ユーザが適正な始動操作を実施しても走行用電源がオンに切り替わらないことが起こりうる。
本変形例は上記の課題に着眼して創出されたものであって、ユーザの特定行動を検出した場合に臨時モードに移行する態様によれば、電波環境によってBLE通信機7pが携帯デバイス2とうまく通信できない場合でも、走行用電源をオンに設定可能となりうる。臨時モード時には、駆動源の指導に向けて通常モード時とは異なる判断材料(通信機)/アルゴリズムが適用されるためである。なお、本開示での高周波電波とは、1GHz以上の電波に限らず、920MHzなどのサブギガ帯の電波も含まれる。
<変形例(2)>
臨時モードを適用可能な回数には上限が設定されていても良い。臨時モードはあくまでも、修理工場等への走行を可能とするとための応急処置であるためである。また、臨時モードを無制限に実施可能とすると、BLE通信機7pの修理が先延ばしにされる恐れが高まる。BLE通信機7pの不具合に対してユーザが速やかに修理等の対応をとることを促すために、臨時モードで走行用電源をオンに切り替え可能な回数である臨時始動許可回数は、例えば3回など数回に制限されていることが好ましい。
臨時モードを適用可能な回数には上限が設定されていても良い。臨時モードはあくまでも、修理工場等への走行を可能とするとための応急処置であるためである。また、臨時モードを無制限に実施可能とすると、BLE通信機7pの修理が先延ばしにされる恐れが高まる。BLE通信機7pの不具合に対してユーザが速やかに修理等の対応をとることを促すために、臨時モードで走行用電源をオンに切り替え可能な回数である臨時始動許可回数は、例えば3回など数回に制限されていることが好ましい。
例えばプロセッサ41は、図12に示すように通常モードから臨時モードに移行したことに基づいて、臨時モードにおいて走行用電源をオンに切り替え可能な残りの回数である臨時始動残回数を1つ減らす(S701)。なお、臨時始動残回数は、臨時モード移行時ではなく、実際に、臨時モードにおいて走行用電源がオンに設定されたタイミングで更新されてもよい。そして、プロセッサ41は、臨時モードに切り替わった場合、臨時始動残回数をユーザに通知するための処理を実施する。臨時始動残回数は、例えば前述の不具合通知処理として表示/音声出力するメッセージに含めることができる。臨時始動残回数は、サーバなどを介して、車両連携デバイスに送信されても良い。臨時始動残回数は、ストレージ43などにユーザごとに区別して管理されてもよい。プロセッサ41は、BLE通信機7pが正常に動作していることが確認できたことに基づいて、ユーザごとの臨時始動残回数を、例えば3や5などの1以上の任意の初期値に戻す。
また、プロセッサ41は、BLE通信機7pに不具合を検出した場合に臨時始動残回数を確認し、臨時始動残回数が1以上であることを条件に、臨時モードに移行するように構成されていても良い。プロセッサ41は、臨時始動残回数が0回である場合には、臨時モードへは移行しないように構成されていても良い。
プロセッサ41は、BLE通信機7pに不具合を検出した場合に臨時始動残回数に応じて挙動を変更するように構成されていても良い。例えば図13に示すように、プロセッサ41はBLE通信機7pの不具合を検出した場合、臨時始動残回数を確認する。臨時始動残回数が2以上である場合には(S801 YES)、所定の態様で残回数を通知する(S802)。そして、プロセッサ41はS803として、臨時モードに移行する。
また、プロセッサ41は、BLE通信機7pの不具合を検出した場合において、臨時始動残回数が1である場合には(S804 YES)、最終警告処理を実施した上で(S805)、臨時モードに移行する(S803)。最終警告処理は、次回は臨時モードによる走行用電源オンを実施不能となることを、通常の通知態様よりも強い態様でユーザに通知する処理である。臨時始動残回数にかかる通常の通知態様とは、S802など、残回数が2以上の場合の通知態様を指す。
さらに、プロセッサ41は、臨時始動残回数が0である場合には(S804 NO)、臨時モードへの移行を中止する(S806)。そして、プロセッサ41はその他の始動方法を案内する。例えば、車両Hvがメカニカルキーによって始動可能に構成されている場合、プロセッサ41はメカニカルキーによる始動方法を示す画像をディスプレイ15に表示する。また、車両Hvが携帯デバイス2とのNFC通信によって始動可能に構成されている場合、プロセッサ41は、NFC通信による始動方法を示す画像をディスプレイ15に表示してもよい。その他、プロセッサ41は、残回数が0である場合には案内画像として、ロードサービスの電話番号を表示しても良い。ここでのロードサービスとは、作業スタッフが車両Hvのもとに行き、整備工場までのレッカー移動又はその場での修理を行うサービスを指す。
<変形例(3)>
上述した実施形態では、BLE通信機7a、7bの両方を代理機として用いる態様について述べたが、代理機として使用するBLE通信機7の組み合わせはこれに限らない。代理機は、図14に示すようにBLE通信機7aだけであってもよい。換言すれば代理機は、運転席の施開錠エリアEAを形成するBLE通信機7だけであっても良い。
上述した実施形態では、BLE通信機7a、7bの両方を代理機として用いる態様について述べたが、代理機として使用するBLE通信機7の組み合わせはこれに限らない。代理機は、図14に示すようにBLE通信機7aだけであってもよい。換言すれば代理機は、運転席の施開錠エリアEAを形成するBLE通信機7だけであっても良い。
また、仮に図15に示すように、車載システム1がBLE通信機7p以外の室内機としてBLE通信機7qを備える場合、当該BLE通信機7qを代理機として採用しても良い。BLE通信機7qは例えば、後部座席の着座面や足元付近に配置された室内機である。前方室内機としてのBLE通信機7pとの区別のため、BLE通信機7qは後方室内機と呼ぶことができる。図15の2点鎖線はBLE通信機7qが形成する臨時閾値超過エリアTAを概念的に示している。なお、BLE通信機7qは、車内への携帯デバイス2の閉じ込め等を防止するために、携帯デバイス2が車内に存在するか否かを判定するためのBLE通信機7である。BLE通信機7qは、通常モード時においては始動エリア内に携帯デバイス2が存在するか否かの判定には使用されないBLE通信機7である。その他、プロセッサ41はゲートウェイ通信機としてのBLE通信機7xを代理機として使用するように構成されていても良い。
<変形例(4)>
前述の実施形態では、BLE通信機7pのみを用いて始動エリアを形成する態様について述べたがこれに限らない。車載システム1は、複数の室内機を用いて始動エリアSAを形成するように構成されていても良い。例えばBLE通信機7p、7qを用いて始動エリアを形成するように構成されていても良い。換言すれば、プロセッサ41は通常モード時、BLE通信機7p、7qにおけるデバイス信号の受信状況に基づいて携帯デバイス2が始動エリアSAに存在するか否かを判定するように構成されていてもよい。その場合、通常モードは、BLE通信機7p、7qの両方が正常に動作していることが確認できている場合の動作モードである。また、臨時モードは、BLE通信機7p、7qの何れか一方、又は、両方に不具合が検出されている場合の動作モードである。
前述の実施形態では、BLE通信機7pのみを用いて始動エリアを形成する態様について述べたがこれに限らない。車載システム1は、複数の室内機を用いて始動エリアSAを形成するように構成されていても良い。例えばBLE通信機7p、7qを用いて始動エリアを形成するように構成されていても良い。換言すれば、プロセッサ41は通常モード時、BLE通信機7p、7qにおけるデバイス信号の受信状況に基づいて携帯デバイス2が始動エリアSAに存在するか否かを判定するように構成されていてもよい。その場合、通常モードは、BLE通信機7p、7qの両方が正常に動作していることが確認できている場合の動作モードである。また、臨時モードは、BLE通信機7p、7qの何れか一方、又は、両方に不具合が検出されている場合の動作モードである。
<変形例(5)>
プロセッサ41は、BLE通信機7pでの受信状況だけでなく、室外機での受信状況も併用して、携帯デバイス2が始動エリアに存在するか否かを判定する。例えばプロセッサ41は、通常モード時においては、BLE通信機7pでの受信強度が始動エリア判定値以上であり、かつ、BLE通信機7a、7bでの受信強度がともに所定の閾値未満である場合に始動エリアSAに携帯デバイス2に存在すると判定してもよい。
プロセッサ41は、BLE通信機7pでの受信状況だけでなく、室外機での受信状況も併用して、携帯デバイス2が始動エリアに存在するか否かを判定する。例えばプロセッサ41は、通常モード時においては、BLE通信機7pでの受信強度が始動エリア判定値以上であり、かつ、BLE通信機7a、7bでの受信強度がともに所定の閾値未満である場合に始動エリアSAに携帯デバイス2に存在すると判定してもよい。
<変形例(6)>
上述した実施形態では、BLE通信機7pでの受信強度を用いてデバイス位置を判定する構成について述べたが、デバイス位置を判断するための材料(指標)はこれに限らない。プロセッサ41は、特定のBLE通信機7に携帯デバイス2と測距用の通信を実施させることにより生成されるToF(Time of Flight)関連値をもとに、デバイス位置を判定してもよい。ToF関連値は、携帯デバイス2から送信された信号がBLE通信機7で受信されるまでの信号の飛行時間を示すパラメータである。ToF関連値は、受信強度とは異なるパラメータである。ToF関連値とは、具体的には、RTTまたは2周波位相差である。測距用の通信とは、RTT又は2周波位相差を測定するための通信と言い換えることができる。RTTや2周波位相差は、携帯デバイス2までの距離の測定結果に相当するため、測距値と呼ぶことができる。
上述した実施形態では、BLE通信機7pでの受信強度を用いてデバイス位置を判定する構成について述べたが、デバイス位置を判断するための材料(指標)はこれに限らない。プロセッサ41は、特定のBLE通信機7に携帯デバイス2と測距用の通信を実施させることにより生成されるToF(Time of Flight)関連値をもとに、デバイス位置を判定してもよい。ToF関連値は、携帯デバイス2から送信された信号がBLE通信機7で受信されるまでの信号の飛行時間を示すパラメータである。ToF関連値は、受信強度とは異なるパラメータである。ToF関連値とは、具体的には、RTTまたは2周波位相差である。測距用の通信とは、RTT又は2周波位相差を測定するための通信と言い換えることができる。RTTや2周波位相差は、携帯デバイス2までの距離の測定結果に相当するため、測距値と呼ぶことができる。
なお、携帯デバイス2を通信相手とするRTTは、BLE通信機7が携帯デバイス2に向けた応答要求信号を送信してから、当該BLE通信機7が携帯デバイス2からの応答信号を受信するまでの時間として計測される。プロセッサ41は、実際に信号を送信してから受信するまでの経過時間に対して、携帯デバイス2で生じる応答処理時間の想定値などを減算するなどの所定の補正処理を施した値をRTTとして用いてもよい。
また、2周波位相差は、BLE通信機7と携帯デバイス2とが連続波(CW:Continuous Wave)信号を送受信することで特定されるパラメータであって、2つの周波数のそれぞれで観測された送受信位相差の差である。或る周波数での送受信位相差は、ターゲットに向けて送信した対象周波数のCW信号と、ターゲットから返ってくる対象周波数のCW信号の位相差に相当する。
送受信位相差は、単純に位相角とも呼ばれうる。送受信位相差は、例えばBLE通信機7と携帯デバイス2とがCW信号を互いに送受信し合うことで各々が送信信号と受信信号との位相差を検出し、両者で観測された位相差の平均値を求めることで特定可能である。プロセッサ41は、デバイス間での初期位相/ローカル発振器が同期していることを前提として、携帯デバイス2から送信されたCW信号の受信位相をそのまま送受信位相差として採用してもよい。デバイス間での初期位相/ローカル発振器の同期は、例えば所定の同期用信号を送信することで実現されうる。2周波位相差は、周波数の変化による送受信位相差の変位量に対応する。
各BLE通信機7は、プロセッサ41からの指示に基づき、携帯デバイス2と測距用の通信を実施し、ToF関連値を生成してプロセッサ41に報告する。プロセッサ41は、或るBLE通信機7で観測されたToF関連値をもとに、当該BLE通信機7から携帯デバイス2までの距離を算出する。なお、ToF関連値の生成(演算)は、プロセッサ41が実施しても良い。機能配置は適宜変更可能である。
本変形例におけるプロセッサ41は、通常モード時においては、BLE通信機7pに携帯デバイス2と測距用の通信を実施させることでBLE通信機7pから携帯デバイス2までの距離を算出する。そしてプロセッサ41はBLE通信機7pを起点とする測距値が所定の始動エリア判定値未満である場合に、携帯デバイス2が始動エリアに判定する。
一方、プロセッサ41は、臨時モード時においては、BLE通信機7a、7bのそれぞれに携帯デバイス2と測距用の通信を実施させることで、BLE通信機7a、7bから携帯デバイス2までの距離を算出する。つまり、プロセッサ41は臨時モード時においては代理機に測距用の通信を実施させることで少なくとも1つの代理機から携帯デバイス2までの測距値を取得する。そして、各代理機を起点とする測距値が所定の臨時始動エリア判定値未満である場合に、携帯デバイス2が始動エリアに判定する。
なお、プロセッサ41は測距値と受信強度を併用して携帯デバイス2が始動許可エリアに存在するか否か、ひいては、通常/臨時エリア判定条件を充足しているか否かを判定してもよい。例えば、プロセッサ41は通常モード時においてはBLE通信機7pを起点とする測距値が第1の所定値未満であり、且つ受信強度が第2の所定値以上である場合に携帯デバイス2が始動エリアに判定する。一方、プロセッサ41は臨時モード時においては所定の代理機を起点とする測距値が第3の所定値未満であり、且つ代理機での受信強度が第4の所定値以上である場合に携帯デバイス2が始動エリアに判定してもよい。測距値にかかる第1の所定値は例えば0.5mなどであり、第3の所定値は1.2mなどに設定されうる。また、受信強度にかかる第4の所定値は第2の所定値よりも15dB程度小さい値に設定されうる。
BLE通信機7におけるデバイス信号の受信状況を示すデータとしては、受信強度や、Tof関連値(測距値)の他、電波の到来方向なども採用可能である。例えばプロセッサ41は、デバイス信号の到来方向角と、測距値又は受信強度を併用して、デバイス位置を判定しても良い。
<変形例(7)>
本開示のBLE通信機7の配置数及び配置態様は一例であって適宜変更可能である。BLE通信機7a及びBLE通信機7bはBピラーやCピラーの外側面に配置されていてもよい。なお、車両Hvが備えるBピラーは、ドアモジュールが備えるドア側Bピラーと、車体の屋根部を備える支柱/フレームとしての車体側Bピラーに区分可能である。ドア側Bピラーは、前席用ドア又は後席用ドアにおいて車体側ピラーと当接する部分に相当する。室外機は、ドア側Bピラーのうち、サイドウインドウに隣接する部分、すなわちサイドウインドウの下端部よりも上側の部分を採用可能である。
本開示のBLE通信機7の配置数及び配置態様は一例であって適宜変更可能である。BLE通信機7a及びBLE通信機7bはBピラーやCピラーの外側面に配置されていてもよい。なお、車両Hvが備えるBピラーは、ドアモジュールが備えるドア側Bピラーと、車体の屋根部を備える支柱/フレームとしての車体側Bピラーに区分可能である。ドア側Bピラーは、前席用ドア又は後席用ドアにおいて車体側ピラーと当接する部分に相当する。室外機は、ドア側Bピラーのうち、サイドウインドウに隣接する部分、すなわちサイドウインドウの下端部よりも上側の部分を採用可能である。
また、室内機は複数存在しても良い。例えば車載システム1は図16に示すように室内機としてBLE通信機7p、7s、7s、7rを備えていても良い。BLE通信機7sは、車内の右側面、例えば右側Bピラーの室内側面や、運転席用ドアの室内側面に配置されているBLE通信機7である。BLE通信機7rは、車内の左側面、例えば左側Bピラーの室内側面や、助手席用ドアの室内側面に配置されているBLE通信機7である。BLE通信機7s、7rの取り付け位置としては、車体側Bピラーの室内面において、サイドウインドウの下端部よりも0.1m以上下側となる位置を採用可能である。
<変形例(8)>
プロセッサ41は、複数のBLE通信機7での測距値と各BLE通信機7の車両Hvにおける搭載位置を組み合わせることにより、車両Hvに対する位置座標を特定し、当該位置座標に基づいて携帯デバイス2が始動エリアに存在するか否かを判定しても良い。携帯デバイス2の位置座標は車両座標系などで表現されうる。携帯デバイス2の位置座標は三角測量あるいは三辺測量の原理により算出可能である。本開示ではデバイス位置座標を算出する処理のことを詳細位置推定処理とも称する。
プロセッサ41は、複数のBLE通信機7での測距値と各BLE通信機7の車両Hvにおける搭載位置を組み合わせることにより、車両Hvに対する位置座標を特定し、当該位置座標に基づいて携帯デバイス2が始動エリアに存在するか否かを判定しても良い。携帯デバイス2の位置座標は車両座標系などで表現されうる。携帯デバイス2の位置座標は三角測量あるいは三辺測量の原理により算出可能である。本開示ではデバイス位置座標を算出する処理のことを詳細位置推定処理とも称する。
例えばプロセッサ41は、室内機であるBLE通信機7p、7q、7r、7sの何れにも不具合が検出されていない場合には、通常モードとして動作する。すなわち、プロセッサ41はBLE通信機7p,7q、7r、7sでの測距結果を組み合わせ、車内における携帯デバイス2の位置座標を算出する。そして、プロセッサ41は、算出されたデバイス位置座標が始動エリア内に属する場合に携帯デバイス2が始動エリア内に存在すると判定する。当該構成は複数の室内機での測距値をもとに算出されるデバイス位置座標が始動エリア内であることを通常エリア判定条件として採用する構成に相当する。
一方、プロセッサ41は、BLE通信機7p,7q、7r、7sの何れかに不具合が検出されている場合には臨時モードとして、不具合が検出されていない室内機での受信強度が所定値以上である場合に、携帯デバイス2が始動エリアに存在すると判定する。当該構成は、複数の室内機の何れかでの受信強度が始動エリア判定値以上であることを臨時エリア判定条件として採用する構成に相当する。もちろん、プロセッサ41は臨時モード時の臨時エリア判定条件は、受信強度が所定値以上である室内機が存在することの代わりに/並列的に、測距値が所定値未満である室内機が存在することであってもよい。
<付言>
本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。例えばプロセッサ41が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。プロセッサ(演算コア)としては、CPUや、MPU、GPU、DFP(Data Flow Processor)などを採用可能である。また、プロセッサ41が備える機能の一部又は全部は、複数種類の演算処理装置を組み合わせて実現されていてもよい。プロセッサ41が備える機能の一部又は全部は、システムオンチップ(SoC:System-on-Chip)や、FPGA、ASICなどを用いて実現されていても良い。FPGAはField-Programmable Gate Arrayの略である。ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略である。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に記憶されていてもよい。コンピュータプログラム(制御プログラム)の保存媒体としては、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を採用可能である。
本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。さらに、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。例えばプロセッサ41が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。或る機能をハードウェアとして実現する態様には、1つ又は複数のICなどを用いて実現する態様が含まれる。プロセッサ(演算コア)としては、CPUや、MPU、GPU、DFP(Data Flow Processor)などを採用可能である。また、プロセッサ41が備える機能の一部又は全部は、複数種類の演算処理装置を組み合わせて実現されていてもよい。プロセッサ41が備える機能の一部又は全部は、システムオンチップ(SoC:System-on-Chip)や、FPGA、ASICなどを用いて実現されていても良い。FPGAはField-Programmable Gate Arrayの略である。ASICはApplication Specific Integrated Circuitの略である。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に記憶されていてもよい。コンピュータプログラム(制御プログラム)の保存媒体としては、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を採用可能である。
1 車載システム、2 携帯デバイス、4 スマートECU(車両制御装置)、7 BLE通信機、7p 第1通信部、7a・7b・7q 第2通信部、41 プロセッサ、43 ストレージ、15 ディスプレイ(車載ディスプレイ)、17 生体認証装置、F1 車両情報取得部、F2 通信制御部、F21 強度収集部、F22 診断部、F3 位置判定部、F4 無線認証部、F5 追加認証部、F6 車両制御部、SA 始動エリア
Claims (13)
- 車両のユーザによって携帯される携帯デバイスと無線通信可能に構成された、何れも同一の通信帯域を用いる複数の通信機と接続されて使用される車両制御装置であって、
複数の前記通信機には、車内に設置されている特定の前記通信機である第1通信機と、前記第1通信機以外の特定の前記通信機である第2通信機とが含まれており、
複数の前記通信機の動作を制御するとともに、複数の前記通信機における前記携帯デバイスからの無線信号の受信状況を示すデータを取得する通信制御部(F2)と、
前記第1通信機からの入力信号、又は、前記第1通信機から信号が入力されていないことに基づいて前記第1通信機の不具合を検出する診断部(F22)と、
走行用電源のオンオフ状態を切り替える車両制御部(F6)と、を備え、
前記車両制御部は、
前記診断部にて前記第1通信機の不具合が検出されていない場合には、前記第1通信機での前記携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータが特定の通常エリア判定条件を充足していることに基づいて走行用電源をオンに切り替えることを許可する一方、
前記診断部にて前記第1通信機の不具合が検出されている状況においては、前記第2通信機での前記携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータが、前記通常エリア判定条件とは異なる所定の臨時エリア判定条件を充足していることに基づいて前記走行用電源をオンに切り替えることを許可するように構成されている車両制御装置。 - 前記走行用電源のオンオフ制御にかかる動作モードとして、前記第1通信機に不具合が検出されていない場合に適用される通常モードと、前記第1通信機に不具合が検出されている場合に適用される臨時モードと、を備える、請求項1に記載の車両制御装置であって、
前記第1通信機又は前記第2通信機での前記携帯デバイスからの受信状況に基づいて車両に対する前記携帯デバイスの位置を判定する位置判定部(F3)を備え、
前記車両制御部は、前記位置判定部にて前記携帯デバイスが車室内の始動エリア(SA)に存在すると判定されていることを条件として前記走行用電源をオンに切り替えるように構成されており、
前記位置判定部は、
前記通常モードが適用されている場合には、前記第1通信機での通信状況が前記通常エリア判定条件が充足している場合に前記始動エリアに前記携帯デバイスが存在すると判定する一方、
前記臨時モードが適用されている場合には、前記第2通信機での通信状況が前記臨時エリア判定条件を充足している場合に前記始動エリアに前記携帯デバイスが存在すると見なすように構成されている車両制御装置。 - 請求項2に記載の車両制御装置であって、
前記第2通信機は、ドアを開錠するためのエリアである開錠エリアを車室外に形成するための施開錠エリア形成機であって、
前記位置判定部は、
前記臨時モード時には、前記施開錠エリア形成機での受信強度が所定値以上である場合に、前記始動エリアに前記携帯デバイスが存在すると判定する車両制御装置。 - 前記第2通信機としての複数の前記通信機と接続されて使用される、請求項2又は3に記載の車両制御装置であって、
前記位置判定部は、前記臨時モード時には、複数の前記第2通信機での前記携帯デバイスとの通信状況を組み合わせることにより前記始動エリアに前記携帯デバイスが存在すると判定する車両制御装置。 - 請求項2から4の何れか1項に記載の車両制御装置であって、
前記携帯デバイスとの無線通信によって前記ユーザの正当性を判断する無線認証処理を実施する無線認証部(F4)と、
生体情報又はパスコードを用いて前記ユーザの正当性を判断する追加認証処理を実施する追加認証部(F5)と、を備え、
前記通常モード時には、前記携帯デバイスが前記始動エリアに存在し、且つ、前記無線認証処理が成功している場合に前記走行用電源をオンに切り替えることを許可する一方、
前記臨時モード時には、前記携帯デバイスが前記始動エリアに存在し、且つ、前記無線認証処理が成功していることに加えて、前記追加認証処理が成功している場合に前記走行用電源をオンに切り替えることを許可するように構成されている車両制御装置。 - 請求項2から5の何れか1項に記載の、少なくとも1つのプロセッサ(41)を備える車両制御装置であって、
前記プロセッサは、
前記走行用電源をオンに切り替えるためのボタンであるスタートボタンが押下されたか否かを示す入力信号に基づいて、前記ユーザが前記スタートボタンを所定時間以内に所定回数以上押下したか否かを判定することと、
前記ユーザが前記スタートボタンを所定時間以内に所定回数以上押下したことを検出した場合に、前記動作モードを前記臨時モードに切り替えるように構成されている車両制御装置。 - 請求項2から6の何れか1項に記載の、少なくとも1つのプロセッサ(41)を備える車両制御装置であって、
前記プロセッサは、前記臨時モードを適用している場合には、車載ディスプレイ(15)に、前記第1通信機に不具合が生じていることを示す画像を表示するように構成されている車両制御装置。 - 請求項2から7の何れか1項に記載の、少なくとも1つのプロセッサ(41)を備える車両制御装置であって、
前記プロセッサは、前記臨時モードが適用された場合には、事前に登録されているデバイス、メールアドレス、または電話番号に向けて、前記臨時モードに移行したことを示すメッセージを送信するように構成されている車両制御装置。 - 請求項2から8の何れか1項に記載の、少なくとも1つのプロセッサ(41)を備える車両制御装置であって、
前記臨時モードにおいて前記走行用電源をオンに設定可能な回数である臨時始動許可回数には上限が設定されており、
前記プロセッサは、
前記臨時モードで前記走行用電源をオンに設定可能な残り回数である臨時始動残回数が0である場合には、前記第1通信機に不具合が検出されている場合であっても、前記臨時モードには移行しないように構成されている車両制御装置。 - 請求項9に記載の車両制御装置であって、
前記プロセッサは、前記臨時モードで前記走行用電源をオンに設定するたびに、前記臨時始動残回数を更新することと、
前記臨時モードを適用するたびに、前記臨時始動残回数を前記ユーザに通知することと、を実施するように構成されている車両制御装置。 - 車両のユーザによって携帯される携帯デバイスと無線通信可能に構成された、何れも同一の通信帯域を用いる複数の通信機と接続されて使用される車両制御装置であって、
複数の前記通信機には、車内に設置されている特定の前記通信機である第1通信機と、前記第1通信機以外の特定の前記通信機である第2通信機とが含まれており、
複数の前記通信機の動作を制御するとともに、複数の前記通信機における前記携帯デバイスからの無線信号の受信状況を示すデータを取得する通信制御部(F2)と、
前記第1通信機からの入力信号、又は、前記第1通信機から信号が入力されていないことに基づいて前記第1通信機の不具合を検出する診断部(F22)と、
前記第1通信機又は前記第2通信機での前記携帯デバイスからの受信状況に基づいて車両に対する前記携帯デバイスの位置を判定する位置判定部(F3)と、を備え、
前記位置判定部は、
前記診断部にて前記第1通信機の不具合が検出されていない場合には、前記第1通信機での前記携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータが特定の通常エリア判定条件を充足している場合に、車室内の始動エリアに前記携帯デバイスが存在すると判定する一方、
前記診断部にて前記第1通信機の不具合が検出されている状況においては、前記第2通信機での前記携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータが、前記通常エリア判定条件とは異なる所定の臨時エリア判定条件を充足している場合に、前記始動エリアに前記携帯デバイスが存在すると見なすように構成されている車両制御装置。 - 少なくとも1つのプロセッサ(41)によって実行される、車両の走行用電源をオンに切り替えるための車両制御方法であって、
車両のユーザによって携帯される携帯デバイスと無線通信可能に構成された第1通信機から、前記携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータを取得することと、
前記第1通信機と同一の通信帯域を用いて無線通信を実施可能に構成された、前記第1通信機とは異なる位置に配置されている第2通信機から、前記携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータを取得することと、
前記第1通信機からの入力信号、又は、前記第1通信機から信号が入力されていないことに基づいて前記第1通信機の不具合を検出することと、
前記第1通信機の不具合が検出されていない場合には、前記第1通信機での前記携帯デバイスからの信号の受信状況が特定の通常エリア判定条件を充足していることに基づいて走行用電源をオンに切り替えることを許可することと、
前記第1通信機の不具合が検出されている状況においては、前記第2通信機での前記携帯デバイスからの信号の受信状況が、前記通常エリア判定条件とは異なる所定の臨時エリア判定条件を充足していることに基づいて前記走行用電源をオンに切り替えることを許可することと、を含む車両制御方法。 - 少なくとも1つのプロセッサ(41)に、
車両のユーザによって携帯される携帯デバイスと無線通信可能に構成された第1通信機から、前記携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータを取得することと、
前記第1通信機と同一の通信帯域を用いて無線通信を実施可能に構成された、前記第1通信機とは異なる位置に配置されている第2通信機から、前記携帯デバイスからの信号の受信状況を示すデータを取得することと、
前記第1通信機からの入力信号、又は、前記第1通信機から信号が入力されていないことに基づいて前記第1通信機の不具合を検出することと、
前記第1通信機の不具合が検出されていない場合には、前記第1通信機での前記携帯デバイスからの信号の受信状況が特定の通常エリア判定条件を充足していることに基づいて走行用電源をオンに切り替えることを許可することと、
前記第1通信機の不具合が検出されている状況においては、前記第2通信機での前記携帯デバイスからの信号の受信状況が、前記通常エリア判定条件とは異なる所定の臨時エリア判定条件を充足していることに基づいて前記走行用電源をオンに切り替えることを許可することと、を実行させる命令を含む制御プログラム。
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