JP2023070052A - 鋼板の板プロフィル判定方法、処置工程設定方法、製造方法、及び板プロフィル判定モデルの生成方法 - Google Patents

鋼板の板プロフィル判定方法、処置工程設定方法、製造方法、及び板プロフィル判定モデルの生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ばらつきの少ない板プロフィルの合否判定を行い、後工程でのエッジビルドアップや表面疵の発生を抑制可能な鋼板の板プロフィル判定方法、処置工程設定方法、製造方法、及び板プロフィル判定モデルの生成方法を提供すること。【解決手段】本発明に係る鋼板の板プロフィル判定方法は、鋼板の板プロフィル情報を入力データ、鋼板の板プロフィルに関する合否判定情報を出力データとした機械学習により学習された板プロフィル判定モデルを用いて、判定対象の鋼板の板プロフィルの合否を判定するステップを含む。【選択図】図9

Description

本発明は、鋼板の板プロフィル判定方法、処置工程設定方法、製造方法、及び板プロフィル判定モデルの生成方法に関する。
鋼板は、熱延ラインにおいて板厚0.8~10mm程度の鋼帯として製造される場合が多い。具体的には、熱延ラインでは、まず、鋼片素材であるスラブが、加熱炉により1200℃程度に加熱された後、粗圧延機群により熱間圧延される。これにより、おおよそ30~50mm程度の板厚の粗バーと呼ばれる半製品の被圧延材が製造される。次に、被圧延材は、クロップシャーにより先端部が切断された後、5~7スタンドの仕上げ圧延機により仕上げ圧延される。これにより、板厚0.8~10mm程度の熱延鋼板が製造される。そして、熱延鋼板は、ランアウトテーブルの冷却装置によって冷却された後、巻取装置によって巻き取られる。なお、以下では、コイル状に巻かれた鋼帯を鋼帯コイルと呼ぶ場合がある。
鋼板の寸法精度は品質管理の対象であり、鋼板の板プロフィルもその対象となる。板プロフィルとは、鋼板の幅方向の板厚分布のことをいう。鋼板の幅方向における板厚分布としては、「板クラウン」や「エッジドロップ」と呼ばれる指標が用いられることも多い。これらは、鋼板の幅方向における予め設定された箇所の板厚差であり、板プロフィルを表す指標となる。板プロフィルは、鋼板の幅方向で比較的なだらかな分布を示すのが通常である。しかしながら、板プロフィルは、圧延機におけるワークロールのたわみ変形や偏平変形、ワークロールの熱膨張(サーマルクラウン)や摩耗、被圧延材である鋼板の3次元的な塑性流動等が複合して形成されるため、局所的に異常な板プロフィルが生じることがある。局所的に異常な板プロフィルは、「エッジピーク」、「板厚ピーク」、「エッジアップ」等と呼ばれる。
鋼板の板プロフィルの一部に局所的な異常が生じると、鋼帯コイルとして巻かれている状態では、鋼板の幅方向の一部に局所的な凸部(「エッジビルドアップ」とも呼ばれる)が生じることがある。エッジビルドアップが生じると、冷延工程以降の鋼帯コイルの搬送過程や払出し過程において鋼板に表面疵が発生しやすくなり、製品としての表面品質に問題が生じる。このような観点から、局所的に異常な板プロフィルの発生を抑制する必要があり、以下の技術が提案されている。
特許文献1には、局所的に異常な板プロフィルの発生を抑制すために、圧延機の上下ワークロール間のロールギャップ分布を2次曲線形状からの偏差量として鋼板の幅方向の各位置について算出し、その偏差量の分布と圧延機の入側において測定された被圧延材の板プロフィルとを用いて、圧延機の出側における鋼板の板プロフィルを予測する方法が記載されている。この方法によれば、特許文献1の図6(a)に記載されているような局所的に異常な板プロフィルの発生を抑制することができる。
特許文献2には、鋼板の幅方向端部付近に複数の板厚評価点を設け、圧延前に各板厚評価点における圧延後の板厚を予測すると共に、予測した板厚が幅方向端部に近い板厚評価点ほど小さくなるように、圧延機における板プロフィルの制御アクチュエータを設定する方法が記載されている。この方法では、鋼板の幅方向端部に近い位置で板厚が局所的に厚くなる板プロフィルを「板厚ピーク」と呼称し、その形態を特許文献2の図8に例示している。
特許文献3には、仕上げ圧延機の最終スタンドに対して、鋼板の幅方向端部における板プロフィルが許容範囲になるように、予測される圧延荷重(線荷重)と形状制御アクチュエータの設定を調整し、その調整結果に基づいて上流スタンドのパススケジュールを決定する方法が記載されている。この方法によれば、板プロフィルの異常である「エッジアップ現象」の発生を抑制することができる。また、特許文献3の図5や図8には板プロフィルの異常である「エッジアップ」が例示されている。
特開昭63-16805号公報 特開2003-285113号公報 特開2017-213592号公報
特許文献1に記載の方法は、鋼板の幅方向における上下ワークロール間のロールギャップ分布がなだらかな曲線形状から外れる偏差量と、圧延機の入側における被圧延材の板プロフィルから異常プロフィルを予測するものである。しかしながら、図6(a)に例示される板プロフィルについて、なだらかな曲線形状からどの程度の偏差が生じる場合を異常プロフィルと判断するかは記載されていない。このため、品質管理においては、検査者が、熱延鋼板の板プロフィルの測定結果に基づいて異常プロフィルの合否判定を行う必要があるために、板プロフィルの合否判定結果にばらつきが生じる。
特許文献2に記載の方法は、鋼板の板プロフィルが鋼板の幅方向端部に近いほど薄くなるように、圧延機の制御アクチュエータを設定するものである。しかしながら、鋼板の幅方向端部の近傍に他に比べて板厚が厚い部分があっても、エッジビルドアップや表面疵が発生しないことも多い。このため、圧延機の制御アクチュエータの許容範囲(設定の自由度)が狭められる点で改善の余地がある。また、最終的には、検査者が、鋼板の板プロフィルの測定結果に基づいて異常プロフィルの合否判定を行う場合があるために、板プロフィルの合否判定結果にばらつきが生じる。
特許文献3に記載の方法は、仕上げ圧延機の最終スタンドで形成されるエッジアップの発生を抑制するものである。しかしながら、エッジアップが生じていてもエッジビルドアップや表面疵が発生しない場合もある。このため、圧延機の制御アクチュエータや圧延荷重の許容範囲が狭められる点で問題がある。また、最終的には、検査者がエッジアップの合否を判定する必要があるために、板プロフィルの合否判定結果にばらつきが生じる。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、ばらつきの少ない板プロフィルの合否判定を行い、後工程でのエッジビルドアップや表面疵の発生を抑制可能な鋼板の板プロフィル判定方法、処置工程設定方法、製造方法、及び板プロフィル判定モデルの生成方法を提供することにある。
本発明に係る鋼板の板プロフィル判定方法は、鋼板の板プロフィル情報を入力データ、前記鋼板の板プロフィルに関する合否判定情報を出力データとした機械学習により学習された板プロフィル判定モデルを用いて、判定対象の鋼板の板プロフィルの合否を判定するステップを含む。
前記板プロフィル情報は、前記鋼板の板プロフィルの2次元画像データであるとよい。
前記入力データは、前記鋼板の製品規格情報を含むとよい。
本発明に係る鋼板の処置工程設定方法は、本発明に係る鋼板の板プロフィル判定方法を用いて板プロフィルが不合格と判定された鋼板の処置工程を設定するステップを含む。
本発明に係る鋼板の製造方法は、本発明に係る鋼板の処置工程設定方法を用いて設定された処置工程により鋼板を製造するステップを含む。
本発明に係る鋼板の板プロフィル判定モデルの生成方法は、鋼板の板プロフィル情報の実績データを入力実績データ、前記鋼板の板プロフィルに関する合否判定情報の実績データを出力実績データとした、複数の学習用データを用いた機械学習によって、判定対象の鋼板の板プロフィルの合否を判定する板プロフィル判定モデルを生成するステップを含む。
前記機械学習としてニューラルネットワークの手法を用いるとよい。
本発明に係る鋼板の板プロフィル判定方法、処置工程設定方法、製造方法、及び板プロフィル判定モデルの生成方法によれば、ばらつきの少ない板プロフィルの合否判定を行い、後工程でのエッジビルドアップや表面疵の発生を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態である熱延ラインの構成を示す模式図である。 図2は、マルチ検出器型プロフィル計の構成例を示す模式図である。 図3は、板プロフィルの一例を示す図である。 図4は、合格及び不合格と判定された板プロフィルの一例を示す図である。 図5は、板プロフィル合否判定情報の実績データの取得方法の一例を示す図である。 図6は、本発明の一実施形態である板プロフィル判定モデル生成部の構成を示すブロック図である。 図7は、ニューラルネットワークの構成例を示す模式図である。 図8は、畳み込みニューラルネットワークの構成例を示す模式図である。 図9は、本発明の一実施形態である板プロフィル判定部の動作を説明するための図である。 図10は、本発明の他の実施形態である板プロフィル判定モデル生成部の構成を示すブロック図である。 図11は、畳み込みニューラルネットワークの構成例を示す模式図である。 図12は、検査者が判定した鋼板の板プロフィル情報の一例を示す図である。 図13は、実施例における板プロフィル判定部の構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である鋼板の板プロフィル判定方法、処置工程設定方法、製造方法、及び板プロフィル判定モデルの生成方法について説明する。
〔熱延ラインの概要〕
まず、図1を参照して、板プロフィルの判定対象となる熱延鋼板を製造するための熱延ラインの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である熱延ラインの構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である熱延ライン1は、加熱炉2、デスケーリング装置3、幅圧下装置4、粗圧延機5、仕上げ圧延機6、水冷装置7、及びコイラー8を備えている。この熱延ライン1では、不図示の鋳造スラブは、加熱炉2に装入された後、所定の設定温度まで加熱され、熱間スラブとして加熱炉2から抽出される。加熱炉2から抽出されたスラブは、デスケーリング装置3によって表面に形成された1次スケールが除去された後、幅圧下装置4によって所定の設定幅まで幅圧下される。そして、幅圧下されたスラブは、粗圧延機5(可逆式圧延機5a及び非可逆式圧延機5b)において所定厚さまで圧延されることで粗バーとして仕上げ圧延機6に搬送される。仕上げ圧延機6では、粗バーは、5から7スタンドの連続式圧延機により製品厚さまで圧延される。仕上げ圧延機6の下流側にはランアウトテーブルと呼ばれる設備に水冷装置7が備えられており、熱延鋼板は、水冷装置7によって所定の温度まで冷却された後、コイラー8によってコイル状に巻き取られる。
仕上げ圧延機6の下流側には、熱延鋼板の板プロフィルを測定する板プロフィル計9が配置されている。板プロフィル計9としては、仕上げ圧延機6を通過した鋼板が搬送される過程で放射線(X線、γ線)を利用して鋼板の板厚を測定する板厚計を用いることができる。板厚計は、放射線源と検出器を備え、放射線の透過線量が鋼板の板厚に応じて変化する性質を利用して非接触で鋼板の板厚を測定する。鋼板の幅方向の板厚分布を測定する板厚計としては、1対の放射線源と検出器を備えるフレーム部を鋼板の幅方向に走査させる走査型プロフィル計や1つの放射線源に対して複数の検出器を配置して放射線が扇状に広がるようにして測定するマルチ検出器型プロフィル計が代表的である。
マルチ検出器型プロフィル計では、例えば図2(a),(b)に示すように、鋼板Sの上下を挟むように設置されたコ字状フレーム10の上腕部にX線源11が設置され、コ字状フレーム10の下腕部に検出器アレイ12が設置されている。検出器アレイ12はコ字状フレーム10の下腕部に沿って直線状に配列された複数の検出器13を備え、各検出器13はX線源11から扇状に放射されたX線を受光する。その際、各検出器13が受光するX線透過線量からは鋼板Sの板厚方向に対して傾いた状態での鋼板Sの厚みT’が算出される。このため、各検出器13とX線源11とを結ぶ直線が板厚方向に対してなす角度θを用いて鋼板Sの板厚T(=T’cosθ)を算出する。これにより、検出器アレイ12を構成する各検出器13の位置での鋼板Sの板厚を測定し、鋼板Sの板プロフィルを測定することができる。
板プロフィル計9は、鋼板の長手方向における任意の位置における板プロフィルを測定できる。例えば鋼板の先端部、中央部、尾端部といったように鋼板の長手方向に対して3箇所程度板プロフィルを測定することがある。あるいは、鋼板の長手方向に対して予め設定された時間又は長さの間隔で鋼板の板プロフィルを測定してもよい。この場合、鋼板の板プロフィルとしては、板プロフィル計9による測定結果の代表値を用いることができる。例えば鋼板の先端部から予め設定された位置で取得された鋼板の板プロフィルを代表値としてもよい。あるいは鋼板の先端部、中央部、尾端部のように複数個所で測定した板プロフィルについて、クラウンやエッジドロップが最も大きい位置での測定結果を代表値としてもよい。さらには、鋼板の長手方向において複数箇所で測定された板プロフィルの数値情報を用いて、鋼板の幅方向の位置毎に板厚の平均値を算出し、算出した各位置での平均値を板プロフィルとしてもよい。いずれにしても、鋼板の板プロフィル測定結果を代表する測定データを代表値として板プロフィルとすることができる。
図3(a),(b)に板プロフィル計9により測定された板プロフィルの一例を示す。図3(a),(b)は、鋼板の幅方向の一方の端部(DS)から他方の端部(OP)の方向に沿って鋼板の板厚分布を測定した結果である。但し、縦軸は、鋼板の幅方向中央部の板厚を基準とした板厚の偏差量を表すものである。ここで、板クラウンとは、図3(a),(b)に示すような板プロフィルの幅方向中央部の板厚と幅方向端部から予め設定された距離(例えば50mm)での板厚との差によって表されるものである。但し、板クラウンは、必ずしも幅方向中央部を基準とする必要はなく、鋼板の幅方向における任意の位置での板厚を基準として幅方向端部近傍で予め設定された距離における板厚との差によって定義してもよい。また、エッジドロップは、幅方向端部に近い2点での板厚差として定義され、例えば幅方向端部から150mmの位置と50mmの位置での板厚差によって表されてもよい。本実施形態における板プロフィル情報とは、鋼板の板プロフィルの特徴を代表する情報を指す。板プロフィル情報には、板クラウンやエッジドロップのように板厚分布を特定のパラメータによって代表させた情報が含まれる。板クラウンやエッジドロップが過大又は過小になっている場合には、板プロフィルにも局所的な異常が生じている場合があるからである。また、板プロフィル情報は、鋼板の幅方向の位置毎の板厚の値をデータとして含む数値列の情報であってよい。さらに、図3(a),(b)に示すように、板プロフィル情報は、鋼板の幅方向の位置毎の板厚の値をチャートにプロットすることにより得られる2次元画像であってよい。板プロフィルの異常は、板厚分布の全体的な形状の中で局所的に生じている異常な板厚分布として判定される場合があり、画像を用いて視覚によって判断できるからである。
〔板プロフィルに関する合否判定情報〕
本実施形態における鋼板の板プロフィルに関する合否判定情報とは、鋼板の板プロフィルに異常が生じることにより、熱延工程以降の生産工程や検査工程あるいは鋼板製品に品質上の欠陥を生じさせるものであるかどうかについて判定された情報をいう。鋼板の板プロフィルとして、検査者によって合格と判定されたものと不合格と判定されたものの一例を図4(a),(b)に示す。図4(a)は板プロフィルが合格と判定された例であり、鋼板の幅方向における板厚分布は幅方向端部に向かうにつれてなだらかに減少している。一方、図4(b)は板プロフィルが不合格と判定された例であり、幅方向両端部(DS側とOP側)には幅方向端部に近い位置であっても板厚が増加する部分がある。図4(b)に示す例では、DS側でもピーク状の凸部がみられるが、その大きさは僅かであるためにDS側の凸部は異常とは判定されていない。これに対して、OP側では板厚の局所的な増加が顕著に表れており、この部分が不合格(NG判定)とされた。図4(b)に示す例では、OP側でNG判定された部分は、熱延工程以降の生産工程を経て製品となるまでの間に表面疵を発生させると判断されたために不合格の判定がなされた。
なお、鋼板の板プロフィルと同様に、品質管理の対象として鋼板の形状の合否判定が行われることがある。鋼板の形状とは、平坦度の意味であり、主として耳波や中伸びといった形状不良が合否判定の対象となる。鋼板の形状は、鋼板の長手方向の線分長さが鋼板の幅方向に分布していることにより生じるものであり、鋼板の幅方向の長さの差を伸び差率という単位を用いて評価する場合や急峻度によって評価する場合がある。しかしながら、鋼板の板プロフィルと形状とでは、前者が鋼板の製造工程における下流工程まで影響を与えるのに対して、後者は下流工程に対する影響が限定的であるという点で相違する。すなわち、熱延ラインで形成される鋼板の板プロフィルは、酸洗ライン、冷延ライン、焼鈍ライン等の下流工程を経ても、鋼板の幅方向端部の近傍を除いてその特徴が維持される。一方、鋼板の形状は、酸洗ラインに配置される形状矯正設備や冷延ラインの圧延機を通過することにより変化し、鋼板の形状の影響が消滅する。例えば圧延理論によれば、圧延機の入側の板プロフィルは出側の板プロフィルに「遺伝する」が、鋼板の入側形状は出側形状に「遺伝しない」。このように、熱延ラインで形成される板プロフィルと形状とでは、鋼板が製品となるまでに処理される下流工程への影響度が異なる。そのため、熱延ラインで形成される鋼板の板プロフィルの合否判定では、形状の合否安定とは異なり、酸洗ライン、冷延ライン、焼鈍ライン、めっきライン等の多数の下流工程における影響を考慮した判定が必要となっていた。
このように、従来は検査者が、板プロフィルの実績データに基づいて、熱延工程以降の生産工程で鋼板製品として出荷されるまでの間に表面疵となるか否かを判定して板プロフィルの合否判定を行っていた。そして、合格と判定された鋼帯コイルは、当初の製造計画通り次工程へ送られ、鋼板製品の製造が行われた。一方、不合格と判定された鋼帯コイルについては、適宜処置工程が設定されていた。ここで、処置工程とは、鋼板の板プロフィルの異常について再検査を行う検査工程や、板プロフィルの異常部分を切除するリコイル工程等、当初の製造計画と異なる工程をいう。また、鋼板の板プロフィルの異常が顕著である場合には、鋼帯コイルをスクラップ処理したり、品質基準が緩やかな鋼板製品への生産計画の変更が行われたりする。
本実施形態では、鋼板の板プロフィルに関する合否判定情報の実績データには、上記のように検査者が判定した合否情報が含まれる。検査者は、検査対象の鋼帯コイルが熱延工程以降の生産工程において、鋼板の品質欠陥を生じさせるものであるか否かについての知見を有しており、このような情報を板プロフィルに関する合否判定情報として用いるとよい。一方、他の方法として、熱延ラインで板プロフィル情報が取得された鋼帯コイルについて、熱延工程以降の生産工程において、鋼板の品質欠陥が生じたか否かの情報を取得し、これを板プロフィルに関する合否判定情報の実績データとして用いてもよい。鋼板の製造工程では鋼板の表面欠陥計が設置されている場合も多く、表面欠陥計により表面疵と判定された品質情報に基づいて、板プロフィルに関する合否判定情報の実績データを取得してもよい。具体的には、表面欠陥計は欠陥を検出した鋼帯の面内の位置を特定しているので、予め取得した板プロフィル情報で異常プロフィルが生じている幅方向の位置と、表面欠陥計が判定した幅方向の位置とが一致している場合に、その表面欠陥は異常プロフィルに起因したものとして板プロフィルに関する合否判定情報を「不合格」としてもよい。
表面欠陥計により表面疵と判定された品質情報に基づいて、板プロフィルに関する合否判定情報の実績データを取得する形態について、図5を用いて説明する。図5は、熱延ラインで取得される鋼板の板プロフィル情報と、下流工程に設置される板プロフィルに起因した鋼板の表面欠陥情報(板プロフィル欠陥情報)とに基づいて板プロフィル合否判定情報の実績データを取得する例を示している。図5に示す例は、熱延ラインで製造された鋼帯コイルが、酸洗ライン及び冷延ラインを経た後、連続焼鈍ラインA又は連続式溶融亜鉛めっきBのいずれかを経て鋼板製品とされる工程を表している。この場合、連続焼鈍ラインA及び連続式溶融亜鉛めっきBの下流側には表面欠陥計が設置されている。表面欠陥計は、鋼板表面の欠陥を検出する機能と共に、欠陥の種別を判別する機能を有している。そして、表面欠陥計により鋼板の異常な板プロフィルが原因となって発生する表面欠陥(鋼帯コイルの層間でのすり疵など)であると判別された場合、板プロフィル欠陥情報が生成される。表面欠陥計が生成する板プロフィル欠陥情報には、鋼帯コイルのコイル番号等の識別情報が付されている。これにより、鋼板の板プロフィルが不合格である旨の板プロフィル合否判定情報が生成される。生成された板プロフィル合否判定情報は、鋼帯コイルの識別情報により熱延ラインで取得された鋼板の板プロフィル情報と対応付けられ、板プロフィル判定モデル生成部20のデータベース部21(図6参照)に蓄積される。なお、表面欠陥計により鋼板の板プロフィルが不合格と判定されなかった鋼帯コイルについては、板プロフィル合否判定情報が「合格」であるという実績データとしてデータベース部21(図6参照)に蓄積してよい。
〔板プロフィル判定モデルの生成方法〕
本実施形態では、板プロフィル計測手段により取得した鋼板の板プロフィル情報の実績データを入力実績データ、鋼板の板プロフィルに関する合否判定情報の実績データを出力実績データとした、複数の学習用データを用いた機械学習によって、鋼板の板プロフィルの合否を判定する板プロフィル判定モデルを生成する。以下、本発明の一実施形態である板プロフィル判定モデル生成部について図6を用いて説明する。
図6に示すように、本実施形態の板プロフィル判定モデル生成部20は、データベース部21と機械学習部22を備えている。データベース部21は、熱延ラインの板プロフィル計9の測定結果に基づいて取得される板プロフィル情報の実績データと、熱延工程以降の生産工程であって鋼板製品として出荷されるまでの間に表面疵を生じさせるものであるかどうかについて判定された情報である板プロフィルに関する合否判定情報の実績データを蓄積する。この場合、板プロフィル情報の実績データは、熱延ラインを制御するための制御用計算機、又は制御用計算機に製造指示を与える上位計算機を通じて板プロフィル判定モデル生成部20に送られる。また、板プロフィルに関する合否判定情報の実績データは、検査者が合否を判定する場合には、熱延ラインや鋼板の検査ライン等の上位計算機や、品質管理用の計算機等に対する入力を受け付け、入力された板プロフィルに関する合否判定情報が板プロフィル判定モデル生成部20に送られる。また、表面欠陥計による検査結果に基づいて板プロフィルに関する合否判定情報が生成される場合には、表面欠陥計の動作を統括する計算機から板プロフィル判定モデル生成部20に送られてよい。いずれの場合にも、判定対象となる鋼板には、製品を識別する製品番号や生産管理を行うためのコイル番号等に基づいて、鋼板の板プロフィル情報の実績データと板プロフィルに関する合否判定情報の実績データとの対応付けが行われたデータセットとしてデータベース部21に蓄積される。
なお、板プロフィル判定モデル生成部20は、熱延ラインを制御するための制御用計算機に設けることができる。また、板プロフィル判定モデル生成部20は、制御用計算機に製造指示を与える上位計算機に設けてもよく、他の機器と通信可能である独立の計算機に設けてもよい。また、板プロフィル判定モデル生成部20は、データベース部21に蓄積されたデータセットを受信可能な装置を用いてデータベース部21とは別の装置に構成してもよい。
データベース部21には、100個以上のデータセットが蓄積される。好ましくは500個以上、より好ましくは1000個以上である。データベース部21に蓄積されるデータについては、必要に応じてスクリーニングが行われる場合がある。板プロフィル計で測定されるデータには、熱延ラインで発生する水蒸気等が外乱となって測定誤差が生じる場合があるからであり、信頼性の高いデータを蓄積することにより板プロフィル判定モデルの合否判定精度が向上するからである。一方、データベース部21に蓄積されるデータセットは、一定のデータセット数を上限として、その上限内でデータベース部21に蓄積されるデータセットを適宜更新してもよい。
機械学習部22は、データベース部21に蓄積されたデータセットを用いて、鋼板の板プロフィル情報の実績データを入力実績データ、板プロフィルに関する合否判定情報の実績データを出力実績データとした、複数の学習用データを用いた機械学習により、鋼板の板プロフィルの合否を判定する板プロフィル判定モデルMを生成する。板プロフィル判定モデルMを生成するための機械学習モデルは、実用上十分な合否判定情報の予測精度が得られれば、いずれの機械学習モデルでもよい。例えば、一般的に用いられるニューラルネットワーク(深層学習や畳み込みニューラルネットワーク等を含む)、決定木学習、ランダムフォレスト、サポートベクター回帰等を用いればよい。また、複数のモデルを組み合わせたアンサンブルモデルを用いてもよい。また、k―近傍法やロジスティック回帰のような分類モデルを用いてもよい。
例えば、板プロフィル情報として板クラウンやエッジドロップを指標とする場合や、板プロフィル情報を鋼板の幅方向の位置毎に配列した1次元の数値データとする場合には、図7に示すような一般的なニューラルネットワークを用いた機械学習により板プロフィル判定モデルMを生成することができる。なお、図7中の符号L1,L2,L3はそれぞれ入力層、中間層、及び出力層を示す。特に深層学習を用いると多重共線性の問題を考慮せず鋼板の板プロフィル情報以外の入力も自由に選択できるため、板プロフィルに関する合否判定情報の予測精度を高めることができる。例えばニューラルネットワークの中間層は3層、ノード数は5個ずつとし、活性化関数としてシグモイド関数を用いたものを用いることができる。
一方、板プロフィル情報として図4に例示したような画像で表した2次元画像データを用いる場合には、図8に示すような畳み込みニューラルネットワークを用いた機械学習により板プロフィル判定モデルMを生成するのが好ましい。この場合、図8に示すように、板プロフィルの2次元画像データDを入力として、入力層L4、畳み込み層L5、プーリング層L6、全結合層L7、及び出力層L8を備える畳み込みニューラルネットワークを用いるとよい。これにより、板プロフィル情報が有する特徴量を維持しながら画像データを圧縮して合否判定情報と対応付けることができる。これにより、検査者が鋼板の板プロフィルについてのチャートを視覚により判定するのと類似する方法によって板プロフィルの合否判定ができる。
この場合、板プロフィル情報の2次元画像データDがカラー画像である場合には、2次元画像データDをRGBのチャンネル毎の画像データ(画像の輝度値を0~255の数値情報に変換したデータ)に変換し、3チャンネルの板プロフィル情報として入力層L4に入力してもよい。但し、板プロフィル情報の2次元画像データDは板厚分布を表す比較的単純な画像であるため、板プロフィル情報の2次元画像データDをグレースケールの画像に変換し、1チャンネルの板プロフィル情報が入力されるようにしてもよい。また、画像の輝度値は必ずしも0~255の数値情報で表す必要はなく、画像の輝度値を0~15程度の区分まで圧縮してから入力層L4に入力してもよい。さらに、板プロフィル情報の2次元画像データDに対してデータ圧縮処理を行い、横方向及び縦方向の画素数を圧縮してから入力層L4に入力してもよい。
入力層L4の下流側に配置される畳み込み層L5は、入力データに対してカーネルと呼ばれるフィルターを用いたフィルタリング処理を施して第1特徴マップを生成する。畳み込みとは、入力データにフィルターを適用して特徴マップと呼ばれる出力を生成する演算処理をいう。畳み込み層L5に用いるフィルターは、例えば縦方向3ピクセル×横方向3ピクセルのフィルターとし、フィルターの位置を画像内で移動させるストライドを1とすると共に、画像データの周辺を0で埋めるパディングを適用するのが好ましい。また、畳み込み層L5の活性化関数としては、非線形関数を用いることが好ましく、学習時の勾配消失問題が抑制できるようRelu関数を用いるとよい。
プーリング層L6は、畳み込み層L5が出力した第1特徴マップを入力として、第1特徴マップの情報を圧縮する。圧縮処理には最大プーリング又は平均プーリングを適用することができる。最大プーリングとは、プーリング層L6の入力となる第1特徴マップを一定の領域(プールサイズ)で区切って、その中の最大値を抽出して新たな特徴マップとして出力する処理である。平均プーリングとは、最大値ではなく平均値を抽出するものである。このようなプーリング層L6により、入力される板プロフィル情報の2次元画像データDの特徴を維持しながら情報量を削減して第2特徴マップを生成することができる。プーリング層L6に用いるフィルターの大きさとしては、例えば縦方向3ピクセル×横方向3ピクセルのものを用いることができる。プーリング層L6は画像が有する特徴量を残しつつ出力データのサイズを縮小することを目的としているので、出力データの周囲を0で埋めるパディングは行わない。
全結合層L7は、プーリング層L6で生成した第2特徴マップを変換するものであり、第2特徴マップの値を一列に配置して、プーリング層L6からの出力をまとめるために配置される。全結合層L7の好ましい形態を例示すると、ノード数16~2048の全結合層である。なお、図8に示す畳み込みニューラルネットワークの構成においては、畳み込み層L5とプーリング層L6を複数配置し、入力層L4から入力される板プロフィル情報をより圧縮するように構成してもよい。
出力層L8では、全結合層L7により伝達されたニューロンの情報が結合され、最終的な板プロフィルに関する合否判定情報が出力される。すなわち、出力層L8では、板プロフィルの合否判定結果(「合格」又は「不合格」)が出力される。また、出力層L8は、ソフトマックス関数により「不合格」と判定される確率を出力してもよい。
機械学習部22は、データベース部21に蓄積されたデータセットを訓練データとテストデータに分けて学習を行うことにより板プロフィルに関する合否判定情報の推定精度を向上させてもよい。例えば機械学習部22は、訓練データを用いてニューラルネットワークの重み係数の学習を行い、テストデータでの板プロフィルに関する合否判定情報の正解率が高くなるようにニューラルネットワークの構造(畳み込み層やプーリング層の数、フィルターサイズ等)を適宜変更しながら板プロフィル判定モデルMを生成してもよい。重み係数の更新には、誤差伝播法を用いることができる。なお、板プロフィル判定モデルMは、例えば6ヶ月毎又は1年毎に再学習により新たなモデルに更新してもよい。データベース部21に保存されるデータが増えるほど、精度の高い板プロフィルの合否判定が可能となるからであり、最新のデータに基づいて板プロフィル判定モデルMを更新することにより、品質判定基準の変化を反映した板プロフィル判定モデルを生成できる。
〔板プロフィルの合否判定方法〕
本発明の一実施形態である板プロフィル判定部は、以上のようにして生成された板プロフィル判定モデルMを用いて板プロフィルの合否を判定する。板プロフィル判定部は、熱延ラインを制御するための制御用計算機に設けることができる。また、板プロフィル判定部は、制御用計算機に製造指示を与える上位計算機に設けてもよく、他の機器と通信可能である独立の計算機に設けてもよい。また、板プロフィル判定部は、データベース部21に蓄積されたデータセットを受信可能な装置を用いて、データベース部21とは別の装置に構成してもよい。以下、図9を参照して、本発明の一実施形態である板プロフィル判定部の動作について説明する。
図9に示す板プロフィル判定部30の動作は、熱延ラインにおいて合否判定の対象となる鋼板について、板プロフィル計9による板プロフィル測定が行われた後であって、鋼帯コイルとして次工程での処理が開始される前に実行される。測定された板プロフィル情報は、板プロフィル判定部30に送られ、上記方法により生成された板プロフィル判定モデルMの入力データとなる。そして、板プロフィル判定部30は、鋼板の板プロフィルに関する合否判定情報である「合格」又は「不合格」の情報を出力する。なお、板プロフィル判定モデルMの出力として「不合格」となる確率を出力する場合には、板プロフィル判定部30は、予めしきい値を設定し、そのしきい値を基準として板プロフィルの「合格」又は「不合格」を判定してもよい。
以上のようにして出力される鋼板の板プロフィルに関する合否判定情報は、板プロフィル判定部30に接続されたモニター等に表示されるようにしてよい。板プロフィル判定部30が出力する板プロフィルに関する合否判定情報の出力表示に基づき、オペレータが不合格となった板プロフィルを改めて確認し、鋼帯コイルに対する追加の処置工程を設定することができる。これにより、鋼板の製造工程において、異常プロフィルによる鋼板の表面疵の発生を未然に抑制し、鋼板製品の品質レベルを向上させることができる。また、板プロフィルに関する合否判定情報の出力結果が不合格であった場合に、予め設定された処置工程を自動的に追加する処置工程設定部40を設けてもよい。その場合、処置工程設定部40から上位計算機に対して鋼帯コイルの製造工程の変更指示が送られ、鋼帯コイルに対する処置工程が実行される。処置工程設定部40が追加する処置工程には、鋼板の板プロフィルの異常について再検査を行う検査工程、板プロフィルの異常部分を切除するリコイル工程、鋼板に対して圧延機を用いた軽圧下を行うことにより板プロフィルの異常を緩和させるスキンパス圧延工程を含むようにしてよい。鋼帯コイルをスクラップ処理するスクラップ工程を含めるようにしてもよい。この場合、処置工程設定部40は、予め板プロフィル情報と処置工程に関する過去の実績をデータベース(処置工程データベース)に保存しておく。そして、処置工程設定部40は、板プロフィル判定モデルMの入力とした鋼板の板プロフィル情報と最も類似する過去の板プロフィル情報を抽出し、抽出した過去の板プロフィル情報に対応する処置工程を追加するようにしてよい。板プロフィル情報として、2次元画像データを用いる場合の類似判定は、画像の類似度を判定する手法を適用することができる。類似度とは、比較対象の画像データがどれだけ似ているかを数値化した指標をいう。例えば、比較する画像同士の対応する各画素における輝度値の差分二乗和を用いる方法、差分絶対値和を用いる方法、正規化相互相関を用いる方法等が適用できる。また、深層学習によって学習済の類似画像検索のツールが一般にも利用できるので、このような公知の類似度の評価手法を適用してもよい。
以上により、熱延ラインで製造された鋼板の異常プロフィルに起因した表面疵が製品として出荷されるまでの間に発生することを未然に抑制できるので、表面疵のない鋼板を製造することができる。
〔他の実施形態〕
本発明の他の実施形態として、上記の板プロフィル判定モデルMの入力データとして鋼板の製品規格情報を含む実施形態について説明する。
本実施形態における製品規格情報とは、鋼板が複数の生産工程を経て製品として出荷される段階における、製品規格(JIS、ASTM、DIN等の鋼帯製品として適合することが要求される規格)、出荷先(鋼板製品の客先、鋼板製品の出荷委託先等)、鋼板の寸法情報(板厚、板幅、長さ、重量等)等、鋼板の製品出荷時に要求される情報を指す。但し、製品規格情報には、板プロフィルの合否判定の対象となる鋼板が製品として出荷される段階までに通過する生産工程に関する情報を含んでもよい。生産工程に関する情報とは、板プロフィルの合否判定の対象となる鋼板が製品になるまでに通過する製造ラインのルート、数、識別記号等である。本実施形態では、以上のような鋼板の製品規格情報の中から選択した少なくとも1つの製品規格情報を板プロフィル判定モデルMの入力データに含む。
板プロフィル判定モデルMの入力データとして鋼板の製品規格情報を含むのは、鋼板の製品規格によって許容される異常プロフィルの程度が異なるからである。また、生産工程に関する情報や鋼板の寸法情報を含むのは、熱延ラインで製造された鋼板の板プロフィルに起因して発生する表面疵は、熱延工程以降に通過する生産ラインによって顕在化する場合とそうでない場合があるからである。例えば、熱延工程後の鋼板の幅方向端部に板プロフィルの凸部が生じた場合において、冷間圧延工程、焼鈍工程、めっき工程等の複数の工程を経る場合、鋼板が減厚されるほど及び板幅が広いほど異常プロフィルに起因した表面疵が発生しやすい傾向がある。鋼板の板厚が薄いほど、鋼帯コイルの巻き数が増加することにより、鋼帯コイルを処理する製造ラインで鋼帯の払出を行う際に鋼帯コイルの層間でこすれが生じて表面疵となる場合があるからである。また、鋼帯コイルの重量が大きい場合にも鋼帯コイルの巻き数が多くなることで同様の傾向がある。また、鋼板の材質が軟質であるほど、鋼帯コイルの層間で生じる相対すべりにより表面疵が発生しやすくなる。特に缶用鋼板であるブリキ等の極薄材では異常プロフィルに起因した表面疵が発生しやすいことが知られている。さらに、生産工程としてバッチ焼鈍を含む場合には、板厚が局所的に厚い部分で鋼帯コイルの層間での接触圧力が局所的に高くなり、その部分で圧着が生じて表面欠陥になる場合がある。一方、板プロフィル判定モデルMの入力データとして鋼板製品の出荷先の情報を含むのは、鋼板製品の出荷先によって許容される異常プロフィルの程度が異なるからである。
ここで、図10を参照して、本実施形態における板プロフィル判定モデル生成部について説明する。図10に示すように、本実施形態における板プロフィル判定モデル生成部20は、上記実施形態と同様にデータベース部21と機械学習部22を備えている。データベース部21に蓄積される鋼板の板プロフィル情報の実績データと板プロフィルに関する合否判定情報の実績データの取得方法は上記実施形態と同様である。一方、鋼板の製品規格情報は、熱延ラインを制御するための制御用計算機や、制御用計算機に製造指示を与える上位計算機から取得できるため、これらからデータベース部21に送られる。この場合、板プロフィルの合否判定対象となる鋼板には、製品を識別する製品番号や生産管理を行うためのコイル番号等が付されており、これらは製品規格情報、板プロフィル情報、及び板プロフィルに関する合否判定情報が対応付けられたデータセットとしてデータベース部21に蓄積される。
データベース部21には、鋼板製品の需要家(向け先)や鋼板の用途に関する情報を蓄積し、需要家や用途毎に区分したデータベースを構築してもよい。板プロフィルとして許容される異常プロフィルの程度は需要家や用途によって異なる場合があるからであり、需要家や用途毎にデータベースを構築することで、細やかな品質管理ができるからである。データベース部21には、鋼帯の製品規格情報として、同一の区分に分類できる製品規格毎に50個以上のデータセットが蓄積される。好ましくは100個以上、より好ましくは500個以上である。
機械学習部22は、データベース部21に蓄積されたデータセットを用いて、鋼板の板プロフィル情報の実績データと、鋼板の製品規格情報から選択された少なくとも1つの製品規格データを入力実績データ、板プロフィルに関する合否判定情報の実績データを出力実績データとした、複数の学習用データを用いた機械学習によって、板プロフィル判定モデルMを生成する。板プロフィル判定モデルMを生成するための機械学習モデルは、実用上十分な合否判定情報の予測精度が得られれば、いずれの機械学習モデルでもよい。但し、本実施形態に適用する機械学習手法は、ニューラルネットワーク構造に畳み込みニューラルネットワークを含むものであることが好ましい。
図11を用いて、本実施形態に好適な畳み込みニューラルネットワークについて説明する。なお、本例では、鋼板の板プロフィル情報として2次元画像データを用いている。本例では、畳み込みニューラルネットワークは、板プロフィルの2次元画像データDを入力として、第1入力層L9、畳み込み層L10、プーリング層L11、全結合層L12、第2入力層L13、中間層L14、及び出力層L15を備えている。板プロフィル計9により測定された鋼板の板プロフィル情報は、予め画像データのチャンネル数や解像度を落として画像データに含まれる情報量を圧縮してから第1入力層L9に入力してもよい。また、画像の横方向及び縦方向の画素数を圧縮してから第1入力層L9に入力してもよい。そして、畳み込み層L10、プーリング層L11、及び全結合層L12により、板プロフィル情報が有する特徴量を維持しながら画像データを圧縮して1次元情報とすることができる。そして、全結合層L12によって1次元情報に圧縮されたデータは第2入力層L13に入力される。第2入力層L13には、板プロフィル情報に基づくデータと共に、鋼板の製品規格情報が入力され、通常のニューラルネットワークと同様に中間層L14及び出力層L15に接続される。
畳み込み層L10及びプーリング層L11は、図8に示す畳み込みニューラルネットワークと同様の構成をとることができる。具体的には、第1入力層L9の下流側に配置される畳み込み層L10は、入力データに対してカーネルと呼ばれるフィルターを用いたフィルタリング処理を施して第1特徴マップを生成する。畳み込み層L10に用いるフィルターは、例えば縦方向3ピクセル×横方向3ピクセルのフィルターとし、フィルターの位置を画像内で移動させるストライドを1とすると共に、画像データの周辺を0で埋めるパディングを適用するのが好ましい。また、畳み込み層L10には、活性化関数として非線形関数を用いるのが好ましく、学習時の勾配消失問題が抑制できるようRelu関数を用いるのがよい。
プーリング層L11は、畳み込み層L10が出力した第1特徴マップを入力として、第1特徴マップの情報を圧縮する。圧縮処理には最大プーリング又は平均プーリングを適用することができる。プーリング層L11により、入力される板プロフィル情報の2次元画像データDの特徴を維持しながら情報量を削減し、次元圧縮された第2特徴マップを生成することができる。プーリング層L11に用いるフィルターの大きさとしては、例えば縦方向3ピクセル×横方向3ピクセルのものを用いることができる。プーリング層L11では出力データの周囲を0で埋めるパディングは行わない。
全結合層L12は、プーリング層L11で生成した第2特徴マップを変換するものであり、第2特徴マップの値を一列に配置してプーリング層L11からの出力をまとめるために配置される。全結合層L12の好ましい形態を例示すると、ノード数16~2048の全結合層である。なお、畳み込み層L10とプーリング層L11を複数配置し、第1入力層L9から入力される板プロフィル情報をより圧縮するように構成してもよい。
このようにして全結合層L12により1次元情報に圧縮されたデータは、鋼板の製品規格情報と共に第2入力層L13に入力される。第2入力層L13と出力層L15との間に配置される中間層L14は、通常のニューラルネットワークを構成する複数のニューロンを備えている。中間層L14は複数の隠れ層により構成され、各々の隠れ層には複数のニューロンが配置されている。中間層L14内に構成される隠れ層の数は特に限定されないが、隠れ層の数が多すぎると予測精度が低下することがあることから3層以下であることが好ましい。また、各隠れ層に配置されるニューロンの数は、好ましくは第2入力層L13に入力されるデータ数の1~10倍の範囲の数とすることが好ましい。中間層L14において、あるニューロンから続く隠れ層へのニューロンの伝達は、重み係数による変数の重み付けと共に、活性化関数を介して行われる。活性化関数にはシグモイト関数やハイパボリックタンジェント関数、あるいはランプ関数を用いることができる。
出力層L15では、中間層L14により伝達されたニューロンの情報が結合され、最終的な板プロフィルに関する合否判定情報が出力される。すなわち、出力層L15では、鋼板の板プロフィルの合否判定情報として「合格」又は「不合格」を示す情報が出力される。また、出力層L15は、ソフトマックス関数により「不合格」と判定される確率を出力してもよい。
本実施形態は、鋼板の板プロフィル判定モデルMは、板プロフィル情報と鋼板の製品規格情報から選択された少なくとも1つの製品規格データを含むので、熱延ラインで製造された鋼板の板プロフィルに起因して、熱延工程以降に通過する生産ラインにおいて有害な表面疵となるか否かについて効果的な判定ができる。
本実施例では、図10に示す板プロフィル判定モデル生成部20により鋼板の板プロフィル判定モデルMを生成した。板プロフィル判定モデル生成部20のデータベース部21には、熱延ラインの板プロフィル計測手段により取得した鋼板の板プロフィル情報、鋼板の製品規格情報として選択した鋼板の板厚、降伏応力、鋼帯コイルの重量、及び検査者が判定した板プロフィルに関する合否判定情報に関する実績データを蓄積した。鋼板の板プロフィル情報としては、鋼帯の長手方向における定常部で測定した板プロフィルの2次元画像データを用いた。但し、取得した2次元画像データはカラー画像であり、予めグレースケールの画像に変換してデータベース部21に蓄積した。また、検査者が鋼板の板プロフィルについての2次元画像を目視によって判定した判定結果は「合格」又は「不合格」の2区分とした判定結果とした。
検査者が判定した鋼板の板プロフィル情報の例を図12(a)~(d)に示す。図12(a),(b)は、検査者が「合格」と判定した例を示し、図12(c),(d)は、検査者が「不合格」と判定した例を示している。なお、図12(a)~(d)に示す例は、板厚が比較的厚い鋼板を対象としており、鋼板が製品として出荷される段階までに通過する生産工程において欠陥が生じにくいものを対象として判定例である。図12(b)に示す例では、OP側(作業側)における鋼板の幅方向端部で板厚が局所的に厚くなっているものの、幅方向中央部の板厚に比べて薄いことから検査者が合格と判定した。一方、図12(d)に示す例では、OP側で局所的に板厚が厚くなっている部分が幅方向中央部の板厚に比べて厚いことから、下流工程において表面欠陥を発生させるおそれがあるため検査者が不合格と判定した。
本実施例では以上のデータセットをデータベース部21に1000個蓄積した段階で、板プロフィル判定モデル生成部20で機械学習による板プロフィル判定モデルMを生成した。機械学習のアルゴリズムはニューラルネットワークとし、図11に示すような畳み込みニューラルネットワークを含む構成とした。このとき、畳み込み層およびプーリング層は各1層として、プーリング層には最大プーリングを用いた。また、第2入力層には、第1入力層から板プロフィルの2次元画像の情報が圧縮された1次元配列データに加えて、鋼板の製品規格情報から選択された鋼板の板厚、降伏応力、及び鋼帯コイルの重量が入力されるようにした。また、中間層は3層、ノード数は5個ずつとし、活性化関数にはシグモイド関数を用いた。
このようにして生成した板プロフィル判定モデルMを、熱延ラインの上位計算機と通信可能な計算機に搭載して鋼板の板プロフィルの判定を行った。本実施例に用いた板プロフィル判定部の構成を図13に示す。板プロフィル判定モデルMの入力となる製品規格情報については、判定対象となる鋼板のコイル番号に基づいて上位計算機から取得した。鋼板の板プロフィル情報は、学習用データの取得に用いた熱延ラインの板プロフィル計測手段から、制御用計算機を経由して板プロフィル判定部30の入力に用いた。そして、板プロフィル判定部30の板プロフィル判定モデルMの出力として、鋼板の板プロフィルに関する「合格」又は「不合格」の合否判定情報が取得された。
一方、上記実施例と同一の板プロフィル情報に基づき、鋼帯コイル50個について検査者が鋼板の板プロフィル情報を判定し、上記実施例の合否判定情報と比較した。その結果、本実施例により「合格」とされた47コイルについては、検査者も「合格」と判定した。一方、「不合格」とされた3コイルについては、検査者も「不合格」と判定し、本実施例による合否判定と検査者による合否判定が一致した。これにより、鋼板の板プロフィルについての合否判定を自動化できることが確認された。
1 熱延ライン
2 加熱炉
3 デスケーリング装置
4 幅圧下装置
5 粗圧延機
6 仕上げ圧延機
7 水冷装置
8 コイラー
9 板プロフィル計
10 コ字状フレーム
11 X線源
12 検出器アレイ
13 検出器
20 板プロフィル判定モデル生成部
21 データベース部
22 機械学習部
30 板プロフィル判定部
40 処置工程設定部
M 板プロフィル判定モデル
S 鋼板

Claims (7)

  1. 鋼板の板プロフィル情報を入力データ、前記鋼板の板プロフィルに関する合否判定情報を出力データとした機械学習により学習された板プロフィル判定モデルを用いて、判定対象の鋼板の板プロフィルの合否を判定するステップを含む、鋼板の板プロフィル判定方法。
  2. 前記板プロフィル情報は、前記鋼板の板プロフィルの2次元画像データである、請求項1に記載の鋼板の板プロフィル判定方法。
  3. 前記入力データは、前記鋼板の製品規格情報を含む、請求項1又は2に記載の鋼板の板プロフィル判定方法。
  4. 請求項1に記載の鋼板の板プロフィル判定方法を用いて板プロフィルが不合格と判定された鋼板の処置工程を設定するステップを含む、鋼板の処置工程設定方法。
  5. 請求項4に記載した鋼板の処置工程設定方法を用いて設定された処置工程により鋼板を製造するステップを含む、鋼板の製造方法。
  6. 鋼板の板プロフィル情報の実績データを入力実績データ、前記鋼板の板プロフィルに関する合否判定情報の実績データを出力実績データとした、複数の学習用データを用いた機械学習によって、判定対象の鋼板の板プロフィルの合否を判定する板プロフィル判定モデルを生成するステップを含む、鋼板の板プロフィル判定モデルの生成方法。
  7. 前記機械学習としてニューラルネットワークの手法を用いる、請求項6に記載の鋼板の板プロフィル判定モデルの生成方法。
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