JP7468481B2 - 鋼板の蛇行量推定モデルの生成方法、蛇行量推定方法、及び製造方法 - Google Patents

鋼板の蛇行量推定モデルの生成方法、蛇行量推定方法、及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板の蛇行量推定モデルの生成方法、蛇行量推定方法、及び製造方法に関する。
鋼板の製造過程では、鋼板は途中工程において鋼板をコイル状に巻き取った鋼帯コイルとして次工程に搬送される場合が多い。その場合、搬送された鋼帯コイルは、鋼板の製造ラインのペイオフリールから払出され、加工、熱処理、塗布、検査等の各種処理工程が施された後に巻取機により再び鋼帯コイルとされる。ペイオフリールから巻取機までの間では、鋼板は、鋼板を1対のロールで保持するピンチロール、所定区間において鋼板に張力を付加するブライドルロール、鋼板の進行方向を調整するデフレクターロール、及び鋼板の処理タイミングを調整するルーパーロール等の種々のロールと接触しながら連続的に搬送される。このような設備を連続搬送設備と呼ぶ。このとき、鋼板の幅方向中心位置が製造ラインの幅方向中心位置(ラインセンター)からずれ、鋼板がロールの幅方向端部側へ移動する蛇行現象が発生することがある。蛇行現象が発生した場合、鋼板の通板性が不安定になるため、鋼板の処理速度が低下し、製造ラインの生産能率が低下する場合がある。
特に鋼板の連続搬送設備では、鋼板がロールに接触してから次のロールに接触するまでの区間が長い場合、ロールの幅方向端部側への鋼板の移動をロールによって拘束する効果が低下するため、蛇行現象が発生しやすい傾向にある。ここで、蛇行現象が問題となる製造ラインとしては、連続焼鈍ラインや連続式溶融亜鉛めっきラインを例示できる。連続焼鈍ラインや連続式溶融亜鉛めっきラインでは、冷間圧延工程で加工硬化した鋼板の材質を調整するための熱処理が行われる。連続搬送設備における熱処理は、鋼板の昇温、高温保持、冷却といった鋼板の温度変化を伴うものであり、その際に鋼板に付加される張力は比較的小さい。そして、搬送ロール間の距離が長いことから、蛇行現象がより発生しやすい条件にある。
蛇行現象の発生を抑制して鋼板を安定的に製造するためには、連続搬送設備における鋼板の蛇行量を精度よく測定し、測定した蛇行量に基づいて蛇行量を適切に制御する必要がある。ここで、蛇行量の制御方法としては、搬送ロールの傾斜角度を変更(ステアリングとよぶ)する方法を例示できる。また、蛇行量の測定方法としては、鋼板の上方に走査型の検出器を設置し、鋼板の下方側に光源を設けたバックライト方式により、鋼板の幅方向端部位置(以下、エッジ位置ともいう)を検出する方法がある。一方、2次元CCDカメラを用いた蛇行量の測定方法も提案されている。例えば特許文献1には、熱延ラインの粗圧延工程における鋼板のキャンバー(板曲がり)の測定方法に関するものであるが、粗圧延機の出側上方にCCDカメラ等の二次元撮像素子を設け、取得した画像に対してラインスキャニングを実行することにより鋼板の蛇行量を算出する方法が記載されている。
また、特許文献2には、連続焼鈍炉内での鋼板の蛇行量を測定する手段が記載されている。具体的には、特許文献2には、連続焼鈍炉内のロールと鋼板を視野に含む画像をカメラにより撮影し、撮影した画像データを画像処理装置に送ることが記載されている。また、その際の画像処理方法として、例えばモノクロの画像データを8ビット程度のデジタルデータに変換し、ノイズ除去処理をした後に2値化処理を実行し、エッジ位置等の特徴量を抽出する方法が記載されている。また、2値化処理を実行した後の鋼板画像と炉内ロール画像との位置関係に基づいてラインセンターとエッジ位置との間の距離を計測し、鋼板の板幅を考慮して蛇行量を算出することが記載されている。
特開平4-167911号公報 特開平5-331555号公報
しかしながら、特許文献1に記載の蛇行量の測定方法は、鋼板の搬送方向の一箇所で鋼板の幅方向1走査線分のラインスキャニングを実行してエッジ位置を特定し、その結果に基づいて蛇行量を算出するものである。このため、鋼板の周囲に霧状水滴やヒュームが存在するとエッジ位置を特定できない場合があり、蛇行量の測定結果として異常な値が出力される可能性がある。一方、特許文献2に記載された蛇行量の測定方法は、画像データの2値化処理を行うために、予め2値化処理を実行するための閾値(上記の例では8ビットのデジタルデータを2値化するための境界値)を適切に設定しなければならない。しかしながら、適切な閾値は、カメラにより画像データを取得する際の照明の条件、撮像対象の鋼板の明るさや色調、周囲に存在する蒸気や外乱の有無、及び画像データの取得環境等に応じて変化する。このため、撮影環境の変化に応じて人が閾値を細かく調整する必要がある。さらに、カメラのレンズの汚れ、鋼板の背景として撮像される設備等の色調の変化、及び熱処理過程における鋼板の色調変化等により、撮影される画像にばらつきが生じ、必ずしもエッジ位置を明瞭に抽出できない場合がある。以上のことから、鋼板の蛇行量を精度よく推定可能な技術の提供が期待されていた。
本発明は、以上の問題を解決すべくなされたものであり、鋼板の蛇行量を精度よく推定する蛇行量推定モデルを生成可能な鋼板の蛇行量推定モデルの生成方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、鋼板の蛇行量を精度よく推定可能な鋼板の蛇行量推定方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、鋼板の蛇行による製造トラブルの発生を抑制して歩留まりよく鋼板を製造可能な鋼板の製造方法を提供することにある。
本発明に係る鋼板の蛇行量推定モデルの生成方法は、移動する鋼板を撮影することによって取得した鋼板の画像データと、前記画像データに対応する鋼板の蛇行量の測定データとを取得するデータ取得ステップと、前記データ取得ステップにおいて取得した画像データを入力実績データ、前記画像データに対応する鋼板の蛇行量の測定データを出力実績データとした、複数の学習用データを用いた畳み込みニューラルネットワークの手法による機械学習によって、前記鋼板の蛇行量を推定する蛇行量推定モデルを生成するモデル生成ステップと、を含む。
前記畳み込みニューラルネットワークは、畳み込み層よりも上流側に1以上の平均プーリング層を含むとよい。
前記平均プーリング層のチャンネル数は、前記蛇行量推定モデルの入力データである画像データのチャンネル数と同数であるとよい。
本発明に係る鋼板の蛇行量推定方法は、本発明に係る鋼板の蛇行量推定モデルの生成方法によって生成された蛇行量推定モデルに対して、移動する鋼板を撮影することによって取得した画像データを入力することにより鋼板の蛇行量を推定するステップを含む。
本発明に係る鋼板の製造方法は、本発明に係る鋼板の蛇行量推定方法を用いて連続焼鈍設備における鋼板の蛇行量を制御するステップを含む。
本発明に係る鋼板の蛇行量推定モデルの生成方法によれば、鋼板の蛇行量を精度よく推定する鋼板の蛇行量推定モデルを生成することができる。また、本発明に係る鋼板の蛇行量推定方法によれば、鋼板の蛇行量を精度よく推定することができる。また、本発明に係る鋼板の製造方法によれば、鋼板の蛇行による製造トラブルの発生を抑制して歩留まりよく鋼板を製造することができる。
図1は、本発明の一実施形態である鋼板の連続搬送設備の構成を示す模式図である。 図2は、鋼板の画像データ及びカメラの設置位置の一例を示す図である。 図3は、データ取得部及び蛇行量推定モデル生成部の構成を示すブロック図である。 図4は、畳み込みニューラルネットワークの構成を示す模式図である。 図5は、フィルターの構成例を示す図である。 図6は、フィルタリング処理を説明するための図である。 図7は、プーリング層に最大プーリングを適用した例を示す図である。 図8は、第1ドロップアウト層の機能を説明するための図である。 図9は、図4に示す畳み込みニューラルネットワークの変形例の構成を示す模式図である。 図10は、平均プーリング処理を説明するための図である。 図11は、本発明の一実施形態である鋼板の蛇行制御システムの構成を示す模式図である。 図12は、本発明例及び比較例における蛇行量の推定誤差を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
〔鋼板の連続搬送設備〕
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態である鋼板の連続搬送設備の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である鋼板の連続搬送設備の構成を示す模式図である。図に示すように、本発明の一実施形態である鋼板の連続搬送設備(以下、連続搬送設備と略記)1は、図の左側から右側に向かって鋼板Sを連続的に搬送する設備である。鋼板Sは、連続搬送設備1によって連続的に搬送されながら鋼板Sに対して各種処理を施す処理設備2を通過する。処理設備2は、例えば連続焼鈍ラインにおいては熱処理炉であり、予熱帯、加熱帯、均熱帯、及び冷却帯等の熱処理炉を複数の区画に分けた一部の区画であってもよい。例えば処理設備2が連続焼鈍ラインの冷却帯である場合、熱処理対象の鋼板Sは所定の温度(600~900℃程度)に均熱された状態で処理設備2に装入される。そして、処理設備2に装入された鋼板Sは、複数の搬送ロール3によって処理設備2の出口から搬出されるまでの間に所定の温度まで冷却される。
ここで、鋼板Sの冷却手段としては、ガスジェット冷却、ロール冷却、水冷却(ウォータークエンチ)等を例示することができる。ガスジェット冷却は、ノズルから鋼板Sの表面に気体を吹き付ける冷却手段である。ロール冷却は、鋼板Sを水冷ロールに接触させて冷却する冷却手段である。水冷却は、処理設備2の一部に設置された不図示の水冷槽に鋼板Sを浸漬させて冷却する冷却手段である。これらの冷却手段によって鋼板Sの温度が変化すると、鋼板Sの剛性(縦弾性率)が変化し、蛇行現象が発生する場合がある。また、処理設備2の搬送ロール3を通過する毎に鋼板Sの温度が変化して通板性が不安定となり、蛇行現象が発生する場合がある。また、鋼板Sの温度変化に伴って熱収縮や相変態等により鋼板Sの内部に応力や歪が発生し、鋼板Sの平坦度が乱れて蛇行現象が発生する場合もある。
〔データ取得部〕
図1は、鋼板Sを連続的に搬送する際に処理設備2の上流側において鋼板Sの蛇行量を測定する実施形態を示す。図1に示すように、処理設備2には、移動する鋼板Sの画像を撮影して鋼板Sの画像データを取得するカメラ4及び鋼板Sの蛇行量を測定可能な蛇行量測定装置(蛇行計)5が配置されている。カメラ4及び蛇行量測定装置5は処理設備2の任意の位置に配置してよい。また、カメラ4と蛇行量測定装置5は処理設備2の入口部の上流側や出口部の下流側のように必ずしも処理設備2内に配置する必要はない。なお、本実施形態では、カメラ4と蛇行量測定装置5は概ねの同一の位置に配置されている。概ね同一の位置とは、隣り合う2つの搬送ロール間にカメラ4と蛇行量測定装置5とが配置されていることをいう。連続する搬送ロール間であれば、カメラ4が鋼板Sの画像データを取得する位置と蛇行量測定装置5が鋼板Sの蛇行量を測定する位置とでは、鋼板Sの蛇行量は大きく変化しないからである。
また、隣り合う2つの搬送ロール間にカメラ4を設置する場合に、鋼板Sがいずれかの搬送ロールに巻き付く位置に蛇行量測定装置5を配置するとよい。一方、鋼板Sが搬送ロールに巻き付く位置にカメラ4を設置する場合には、蛇行量測定装置5は、その搬送ロールから5m以内の位置にあるとよい。鋼板Sの板幅は概ね500~2500mm程度の範囲であり、測定対象の鋼板Sの板幅に対して2~10倍程度離れた位置までは鋼板Sの蛇行量は大きく変化しないと考えられるからである。但し、カメラ4が鋼板Sの画像データを取得する位置と同一の位置において蛇行量測定装置5を用いた蛇行量の測定を行うのがより好ましい。
本実施形態では、カメラ4として2次元カメラ(エリアカメラ)を用いる。但し、カメラ4は、カラーカメラであっても、モノクロカメラであってもよい。処理設備2が熱処理炉等の場合、カメラ4は必ずしも処理設備2の内部に配置する必要はない。処理設備2に画像データ取得用の窓を設け、例えばガラス等を通じて鋼板Sの画像データを取得してもよい。また、カメラ4は赤外線の波長成分を選択的に撮像する赤外線カメラであってもよい。カメラ4として2次元カメラを用いた場合に取得される鋼板Sの画像データの例を図2(a)に示す。図2(a)に示す鋼板Sの画像データはカラーカメラにより取得された鋼板Sの画像データであり、図2(c)に示すカメラ4Aの位置から撮影した鋼板Sの画像(以下、画像Aと表記)である。
画像Aは処理設備2の下側から処理設備2の下流側の方向に向けて撮影した例であり、鋼板Sが複数の搬送ロールの巻き付いている様子が撮影されている。図2(a)において画像Aに付記した3本の破線は、搬送ロールの下部の位置を表している。また、図2(a)には、鋼板Sが最も上流側(手前側)の搬送ロールに巻き付いている状態でのエッジ部の位置を付記している。このとき蛇行量測定装置5を用いて最も上流側の搬送ロールの位置で鋼板Sの蛇行量を測定すると、後述する畳み込みニューラルネットワークを用いた学習により、画像Aの上方に見える最上流側のエッジ部についての特徴量が抽出され、測定される蛇行量と対応付けられる。画像Aにおいて鋼板Sが最上流側の搬送ロールに巻き付く位置でのエッジ部の画像が最も大きく撮影されているためである。このため、下流側の搬送ロール3により搬送される鋼板Sの画像が含まれていても最上流側のエッジ部の位置情報を抽出する際に大きな阻害要因とはならない。
一方、図2(b)は、図2(c)に示すカメラ4Bによって撮影される鋼板Sの画像(以下、画像Bと表記)を模式図で示したものである。搬送ロールと次の搬送ロールとの中間位置で鋼板Sの画像を撮影する場合には、画像Bのように比較的単純な画像が取得される。このような画像についても、鋼板Sのエッジ部に関する位置情報が抽出され、鋼板Sの蛇行量を推定できる。鋼板Sの画像データは、鋼板Sの幅方向両端部が撮像されていることが好ましい。また、鋼板Sの長手方向の撮像範囲は、鋼板Sの板幅Wに対して0.1~10.0Wの搬送方向の長さが含まれているのが好ましい。搬送方向の撮像範囲が0.1Wよりも短い場合、鋼板Sの搬送方向にわたって得られるエッジ部の位置情報が少なくなるからである。また、搬送方向の撮像範囲が10.0Wを超えると、1枚の画像データの範囲内で鋼板Sの蛇行量が変化し、エッジ部の位置を精度よく認識するのが難しくなるからである。より好ましくは0.15~5.0Wの範囲である。
本実施形態では、鋼板Sの画像データとして、鋼板Sの幅方向両端部を含み、一つの画像データ内では搬送方向には蛇行量が概ね変化していないものを用いる。なお、本実施形態の鋼板Sの画像データには、鋼板Sの他に搬送ロール3等の処理設備2内で位置が固定された構造物が含まれていてもよい。撮像された構造物と鋼板Sとの相対的な位置関係に基づき蛇行量の推定精度が向上するからである。また、カメラ4により取得される複数の画像データは、固定した位置から撮影されるものであることが好ましい。撮影された鋼板Sの画像内での位置により鋼板Sの蛇行状態を特定しやすくなるからである。
図1に戻る。蛇行量測定装置5としては、バックライト方式により鋼板Sのエッジ位置を検出する装置や、レーダー方式、カメラ画像を画像処理する方式(ITV方式)、電磁波式の蛇行量測定装置等、従来技術として蛇行量の計測に使用されてきたものを用いることができる。ここで、電磁波式の蛇行量測定装置とは、鋼板Sのエッジに向けて電磁波を射出し、反射波の伝搬時間から鋼板Sのエッジ位置を検出し、これを蛇行量に換算する装置である。少なくとも測定環境について外乱の少ない条件を選択すれば、鋼板Sの蛇行量についての正確な測定データを取得できる。また、蛇行量測定装置5は処理設備2の操業中に常時用いるものでなくてよく、仮設の計測装置でよい。鋼板Sの熱処理炉のような処理設備2では、熱や雰囲気等の環境がセンサーに悪影響を与えるため、長期間の操業に使用できない場合があるが、一時的に使用して学習用データを収集する目的であれば、十分な精度と耐久性を備える蛇行計を選択できるからである。
データ取得部10は、カメラ4によって鋼板Sを撮影することにより取得した鋼板Sの画像データと、鋼板Sの画像データを取得したタイミングと同期して蛇行量測定装置5により取得した鋼板Sの蛇行量の測定データとを、データセットとして対応付ける。但し、同一の鋼板Sについて、カメラ4によって鋼板Sを撮影するタイミングと蛇行量測定装置5により鋼板Sの蛇行量を測定するタイミングとを完全に一致させる必要はない。例えば、図1に示す例では、鋼板Sの搬送方向に対してカメラ4が蛇行量測定装置5よりも上流側の位置に配置されている。この場合、カメラ4により鋼板Sの画像データを取得するタイミングと蛇行量測定装置5により蛇行量の測定データを取得するタイミングは同時であっても良いが、蛇行量測定装置5により蛇行量の測定データを取得するタイミングを鋼板Sがカメラ4の位置から蛇行量測定装置5の位置まで搬送される時間だけ遅らせてもよい。すなわち、鋼板Sの蛇行状態が変化しないと想定される範囲で、カメラ4により鋼板Sの画像データを取得するタイミングと蛇行量測定装置5により蛇行量の測定データを取得するタイミングとの間にずれがあってもよい。
また、カメラ4により取得した画像データと蛇行量測定装置5により取得した蛇行量の測定データは、鋼板Sの長手方向の複数の位置において取得したデータセットとすることができる。鋼板Sの蛇行量は、鋼板Sの長手方向で変化する場合があるからである。また、鋼板Sの先端部又は尾端部において、他の鋼板Sとの接合部のように鋼板Sの長手方向における特定の位置で学習用データを取得してもよい。また、鋼板Sの先端部から尾端部までの全長に対して、一定の周期(例えば、1~10sec)で学習用データを取得してもよい。以上のようにして取得した鋼板Sの画像データとその画像データと対応付けられた蛇行量の測定データは蛇行量推定モデル生成部20(図3参照)に送られる。
図3に示すように、データ取得部10は、鋼板Sの蛇行量の測定データとして誤差が大きいデータセットを除去するためのスクリーニング処理部11を備えるとよい。スクリーニング処理部11は、鋼板Sの蛇行量の測定データが撮影環境に対する外乱の影響を受けたものであるか否かを判定する。そして、蛇行量の測定データへの外乱の影響が大きい場合、スクリーニング処理部11は、その蛇行量の測定データと鋼板Sの画像データのデータセットを蛇行量推定モデル生成部20の学習用データから除外する。ここで、撮影環境に対する外乱とは、鋼板Sの色ムラ等の色調の変動、鋼板Sの周囲に存在する霧状水滴、撮影に用いるカメラ4のレンズの汚れ、画像の背景色の変化等、一時的又は経時的に鋼板Sの画像データに対してノイズとなるものをいう。例えば、鋼板Sの長手方向に連続的に取得した蛇行量の測定データの変動幅が予め設定した閾値よりも大きい場合、スクリーニング処理部11は、蛇行量の測定データと対応する鋼板Sの画像データを取り除く。また、カメラ4により取得した画像データの輝度値が鋼板Sの長手方向で変動する変動幅が予め設定した閾値よりも大きい場合、スクリーニング処理部11は、蛇行量の測定データと対応する鋼板Sの画像データを取り除いてもよい。
〔蛇行量推定モデル生成部〕
図3に示すように、蛇行量推定モデル生成部20は、データ取得部10で取得され、必要に応じてスクリーニング処理が施された鋼板Sの画像データと、その画像データに対応する鋼板Sの蛇行量の測定データとを取得し、それらを対応付けしてデータセットとしてデータベース部21に蓄積する。蛇行量推定モデル生成部20では、機械学習部23が、データベース部21に蓄積された学習用データを用いて鋼板Sの蛇行量を推定する蛇行量推定モデルMを生成する。蛇行量推定モデル生成部20は、連続搬送設備1による鋼板Sの製造工程を統括する制御用計算機の内部にあってもよく、制御用計算機とは別個のハードウエアにより構成してもよい。また、後述する蛇行量推定部30(図11参照)に配置してもよい。
データベース部21に蓄積するデータセットの数は、5、000個以上、好ましくは10、000個以上、より好ましくは50、000個以上である。また、鋼板Sの板幅等の属性情報に基づきデータセットを区分して、それらの区分に応じて蛇行量推定モデルMを生成してもよい。データベース部21に蓄積されるデータセットは、一定のデータセット数を上限として、その上限内で適宜更新してもよい。蛇行量推定モデル生成部20は、データベース部21に学習用データが蓄積された後、蛇行量推定モデルMを生成する機械学習を実行する前に、必要に応じてデータベース部21に蓄積されたデータセットに対して予備処理を実行する予備処理部22を備えている。予備処理部22で実行する予備処理は、例えば画像データのデータ圧縮や、画像データや蛇行量の測定データの規格化、データシャッフル等である。
(1)データ圧縮
近年のカメラの解像度の向上は顕著であるが、鋼板Sの蛇行量を推定する上では鋼板Sの画像データに含まれる全ての情報を入力実績データに使用して機械学習するのは計算機のメモリと計算時間の観点から効率的でない場合がある。このため、2次元画像の横方向(x方向)及び縦方向(y方向)共に画素数を予め圧縮するとよい。具体的には、鋼板Sの画像データの画素数をx方向、y方向共に50~100程度まで圧縮するのが好ましい。
(2)規格化
予備処理部22は、データベース部21に蓄積した入力実績データである画像データと、出力実績データである鋼板Sの蛇行量の測定データに対して規格化を行ってもよい。規格化は、機械学習中の重み係数の更新を効率的に行うためであり、機械学習に際して勾配消失問題を回避する上で有効である。入力データ及び出力データの規格化に際しては、各データの最小値及び最大値を特定し、0~1の範囲で規格化するのが好ましい。また、変数の平均値を算出して、-1~+1の範囲で規格化してもよい。
(3)データシャッフル
データベース部21には、入力実績データである画像データと出力実績データである蛇行量の測定データから構成されるデータセットがデータを取得した順番で蓄積される。これに対して、データベース部21に蓄積されたデータセットの順番をランダムに並べ替えるデータシャッフルを行ってもよい。時系列に取得したデータセットの順番を変更することにより、蛇行量推定モデルMの汎化性能を向上させ、過学習を抑制できる。
(4)データ分割
データベース部21に蓄積したデータセットを学習用データとテスト用データに分割してもよい。学習用データは、全データセットの70~80%として機械学習用とする。一方、残りのデータセットは、機械学習部23による機械学習が完了して得られる蛇行量推定モデルMがテスト用データに対しても良好に性能を発揮できるか確認するために使用する。
機械学習部23は、データベース部21に蓄積されたデータセットを用いて、画像データを入力実績データ、鋼板Sの蛇行量の測定データを出力実績データとした、複数の学習用データを用いた機械学習によって、鋼板Sの画像データから蛇行量を推定する蛇行量推定モデルMを生成する。蛇行量推定モデルMを生成するための機械学習モデルは、実用上十分な蛇行量の推定精度が得られれば、いずれの機械学習モデルでもよい。例えば、一般的に用いられるニューラルネットワーク、決定木学習、ランダムフォレスト、サポートベクター回帰等を用いることができる。また、複数のモデルを組み合わせたアンサンブルモデルを用いてもよい。しかしながら、本実施形態は、機械学習の手法として畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いる点に特徴を有する。
畳み込みニューラルネットワークとは、畳み込み層とプーリング層を含むニューラルネットワークであり、画像を判別する機能に優れる。ここで、図4を参照して、本実施形態の畳み込みニューラルネットワークの構成について説明する。鋼板Sの画像データがカラーである場合、画像データは、RGBの3チャンネルに対応してチャンネル毎に輝度値を例えば0~255の数値情報に変換できる。すなわち、カラーの画像データから取得した画像情報は、画像の縦方向ピクセル数×横方向ピクセル数×輝度値×チャンネル数の情報となる。図4に示す例では、チャンネル毎に縦方向ピクセル数×横方向ピクセル数×輝度値の配列情報が記載されている。
図4に示すように、本実施形態の畳み込みニューラルネットワークは、これらの画像データ(入力データ)に対して、第1畳み込み層、第2畳み込み層、プーリング層、全結合層、及び出力層をこれらの順に備える。また、全結合層の上流側及び下流側にそれぞれ第1ドロップアウト層及び第2ドロップアウト層を備える。この畳み込みニューラルネットワークにおいて、第1畳み込み層及び第2畳み込み層は、入力データに対してカーネルと呼ばれるフィルターを用いたフィルタリング処理を施して特徴マップを生成する。畳み込みとは、入力データにフィルターを適用して、特徴マップと呼ばれる出力を生成する演算処理をいう。フィルタリング処理に用いるフィルターは、例えば図5に示すような縦方向3ピクセル×横方向3ピクセルのフィルターである。このフィルター内の9つのピクセル位置には重み係数ωij(iはフィルター内の行番号、jはフィルター内の列番号を指す)が割り当てられており、フィルターをかける入力画像の各ピクセル位置での輝度値と重み係数との積を求め、これらの総和を求める。算出されたフィルター内での総和に対しては、バイアスを設け、活性化関数により出力値を算出し、この値を特徴マップのピクセル位置に割り当てる。なお、フィルターサイズの数値は、画像の縦方向と横方向のピクセル数に対応する。例えばフィルターサイズ3とは、図5に示すように、縦方向3ピクセル×横方向3ピクセルのフィルターをいう。本実施形態の畳み込み層には、活性化関数として非線形関数を用いるのが好ましく、学習時の勾配消失問題が抑制できるようRelu関数を用いるのが好ましい。
以上のようなフィルターは、図6(a)~(f)に示すように、画像内でフィルターの位置を縦方向及び横方向に移動させながら各位置での出力値を求めることにより、1つの入力画像に対応した特徴マップを生成する。フィルターの位置を移動させる際の移動量をストライドと呼び、設定するストライドの数によって第1特徴マップのサイズが変化する。なお、ストライド1とは、フィルターの位置を1ピクセルずつ移動させることを意味する。特徴マップを生成するためのフィルターは複数用いることができ、複数のフィルターを組み合わせて判別した方が識別性能が向上する。これにより、1つの入力画像に対して使用するフィルターの数に対応する複数の特徴マップが生成される。なお、特徴マップを生成する際には、入力画像の周辺を0で埋めるパディングを行ってもよい。元画像の端部の情報の不足を防ぐことができるからである。
畳み込みニューラルネットワークでは、この畳み込み層によって、画像データの中における鋼板Sのエッジ位置を特定することができる。また、カメラ4により取得された鋼板Sの画像の中に固定構造物が含まれている場合には、画像データ内の鋼板Sと固定構造物との相対的な位置関係を反映した画像の特徴量が抽出されるので、カメラ4により取得される複数の画像データが異なる位置から撮影された画像であっても鋼板Sの蛇行量を推定できる。
本実施形態では、畳み込みニューラルネットワークの入力となる画像データに対して、第1畳み込み層により第1特徴マップを生成し、さらに第2畳み込み層により第2特徴マップを生成する。本実施形態の画像データは、鋼板Sのように平面的で比較的単純な画像を対象としているので畳み込み層を2層設けることにより、画像が有する特徴量を効率的に抽出し、過学習を抑制することができる。ここで、第1特徴マップを生成する第1畳み込み層の好ましい形態を例示すると、フィルター数32~128、フィルターサイズ3~5、ストライド1の畳み込み層である。また、第2特徴マップを生成する第2畳み込み層の好ましい形態を例示すると、フィルター数64~256、フィルターサイズ3~5、ストライド1の畳み込み層である。
本実施形態で取得する鋼板Sの画像データは、図2(b)に示すように、鋼板Sの長手方向が縦方向になるように撮像され、鋼板Sの左右のエッジ部が画像の上下方向になるように撮影されるとよい。この場合、1枚の画像内では鋼板の左右のエッジ部は直線として認識される。そのため、入力となる画像データに対して、左右方向にのみ畳み込み処理を実行しても、画像内の鋼板Sのエッジ位置を特定することは可能と考えられる。しかしながら、本実施形態では、入力となる画像データに対して左右方向及び上下方向に畳み込み処理を実行する。上下方向にも畳み込み処理を行うことによって、画像の一部にノイズが含まれていても、画像内の縦方向からエッジ位置の平均的な位置情報を特定することになるため、安定したエッジ位置の識別が可能となる。特に、鋼板の連続搬送設備1内には、水蒸気等の撮影環境に対する外乱が含まれる場合があり、2次元の畳み込み処理が有効となる。なお、本発明で撮影する鋼板Sの画像データは、鋼板Sの長手方向が横方向になるように撮像され、鋼板の左右のエッジ部が画像の上下方向になるように撮影されても同様の効果が得られる。また、図2(a)に示した例のように、鋼板の長手方向が縦方向に撮影され、蛇行量を特定するための鋼板の画像が全体の画像の中で一部のみ撮影されていてもよい。
第2畳み込み層で生成された第2特徴マップの情報はプーリング層で集約され、第3特徴マップが生成される。プーリング層は第2特徴マップの情報を圧縮する役割を有する。図7はプーリング層に最大プーリングを適用した例を示す(ストライド2の例である)。最大プーリングとは、プーリング層の入力となる第2特徴マップを一定の領域(プールサイズ)で区切って(図7の例では3行×3列)、その中の最大値を抽出して新たな特徴マップとして出力する処理である。但し、プーリング層に用いるフィルターは、最大値を抽出するものでなく、平均値を抽出するものであってもよい。このようなプーリング層により、入力画像の特徴を維持しながら情報量を削減し、次元圧縮された第3特徴マップを生成できる。プーリング層は、情報を圧縮する機能により、入力画像内に撮影環境に対する外乱が含まれていても鋼板Sのエッジ位置に関する特徴量を検知できる。プーリング層に用いるフィルターの大きさとしては複数のものを適用でき、この場合、フィルターの種類に対応した数の第3特徴マップが生成される。第3特徴マップを生成するプーリング層の好ましい形態を例示すると、ストライド2、プーリングサイズ3(3行×3列)の最大プーリングである。但し、プーリング層は画像が有する特徴量を残しつつ出力データのサイズを縮小することを目的としているので、出力データの周囲を0で埋めるパディングは行わない。
図4に戻る。本実施形態の畳み込みニューラルネットワークには、上記プーリング層で生成した第3特徴マップを変換するための全結合層と出力層が接続される。全結合層は、第3特徴マップの値を一列に配置して、プーリング層からの出力をまとめるために配置されている。全結合層の構造は、通常のニューラルネットワークの中間層と同様である。全結合層の好ましい形態を例示すると、ノード数512~2048の全結合層である。出力層は画像内における鋼板Sのエッジ部の位置情報、又は、鋼板Sの蛇行量を出力とする。鋼板Sの蛇行量は、画像内の鋼板Sのエッジ部の位置情報が特定され、取得する画像内での連続搬送設備1の幅方向中央部の位置情報と、画像内での2点間距離と実空間での距離との関係が予め分かっていれば算出できるため、蛇行量推定モデルMの出力としてはいずれでも構わない。例えば鋼板Sの画像内に設備の固定構造物が撮影されていれば、実空間では連続搬送設備1の幅方向中央部の位置と撮像された固定構造物の位置関係が既知となる。また、鋼板Sの板幅が予めわかっていれば、画像内での2点間距離と実空間での距離との関係も既知となる。一方、出力層は、ソフトマックス関数により入力画像に含まれる鋼板Sの画像データが対応する蛇行量の測定データに合致する確率を計算し、最も確率の高い蛇行量の情報を出力してよい。また、全結合層を入力とするサポートベクトルマシンを用いた分類器により区分された蛇行量の情報を出力してもよい。なお、全結合層に用いる活性化関数は、出力層において回帰計算を行う必要があるため、恒等関数を用いるのが好ましい。
本実施形態では、上記の畳み込みニューラルネットワークにおいて、上記プーリング層と全結合層の間に第1ドロップアウト層を備えている。また、全結合層と出力層との間にも第2ドロップアウト層を備えている。なお、第1ドロップアウト層及び第2ドロップアウト層は配置しなくてもよい。第1ドロップアウト層は、上記プーリング層と全結合層との間の接続の一部をランダムに切断するものである。また、第2ドロップアウト層は、全結合層と出力層との間の接続の一部をランダムに切断する。これにより、過学習を防止することができる。第1ドロップアウト層は、図8に例示するように、第3特徴マップに対してフィルター(図8の例では3行×3列)を適用する際に、フィルター内でランダムに選択された部分の重み係数をゼロとすることにより、プーリング層と全結合層との間の接続の一部を切断して第4特徴マップとして出力する。重み係数をゼロにする部分の選択は、計算機により出力した疑似乱数に基づいて決定する。また、本実施形態の第1ドロップアウト層の好ましい形態は、確率0.4のドロップアウト層である。また、第2ドロップアウト層の好ましい形態は、確率0.4のドロップアウト層である。ドロップアウト層の確率とは、上記で疑似乱数に基づいて重み係数をゼロにする部分の数の全重み係数の数に対する割合を意味する。
以上のような畳み込みニューラルネットワークの手法を用いる場合に、本実施形態で使用する畳み込み層とプーリング層の数や組合せについては任意に選択してよい。また、ネットワーク構造として、一般に用いられるネットワークとして、LeNet、AlexNet、VGG(Visual Geometry Group)等を用いてもよい。さらに、より複雑なネットワーク構造として、GoogleNet、MobileNet、EfficientNet等を用いてもよい。なお、本実施形態における入力画像としては、カラーの画像データに対して、そのまま畳み込み処理を施してもよいが、入力画像をグレースケールやR値のみ等の1チャンネルの情報に変換した後に、そのような入力画像に対して畳み込み処理を施してもよい。
機械学習部での機械学習方法としては、データベース部21に蓄積されたデータセットを訓練データとテストデータに分けて学習を行うことにより蛇行量の推定精度を向上させることができる。例えば訓練データを用いて畳み込みニューラルネットワークの重み係数の学習を行い、テストデータでの蛇行量の正解率が高くなるように、畳み込みニューラルネットワークの構造(畳み込み層やプーリング層の数、フィルターサイズ等)を適宜変更しながら蛇行量推定モデルMを得てもよい。重み係数の更新には、誤差伝播法を用いることができる。なお、蛇行量推定モデルMは、例えば1ヶ月毎又は1年毎に再学習により新たなモデルに更新してもよい。データベース部21に保存されるデータが増えるほど、精度の高い蛇行量推定が可能となるからであり、最新のデータに基づいて蛇行量推定モデルMを更新することにより、経時的な操業条件の変化を反映した蛇行量推定モデルMを生成できる。
さらに、本実施形態は、上記の畳み込みニューラルネットワークにおいて、第1畳み込み層の上流側であって第1畳み込み層に結合した、平均プーリング層を用いるのが好ましい。図9に示した例では、第1畳み込み層の上流側に設けた平均プーリング層を第1プーリング層、第2畳み込み層の下流側であって第2畳み込み層に結合したプーリング層を第2プーリング層と呼ぶ。本実施形態において、平均プーリング層を第1プーリング層として設けることにより、畳み込みニューラルネットワークの畳込み層に対する入力(第1畳込み層に対する入力)を「ぼやけた」画像に変換するのと同様の効果を得ることができる。これにより、撮影される鋼板Sの周囲に撮影環境等による外乱がある状態(例えば霧状水滴等)を一定程度再現することになり、鋼板Sの撮影環境に外乱(ノイズ)があっても出力の変動が小さい畳み込みニューラルネットワークを構成できる。また、本実施形態の鋼板Sの画像は図2(a)や図2(b)に示したような比較的単純な画像であるため、平均プーリング層を第1プーリング層に設けても、鋼板Sのエッジ部の位置(鋼板の蛇行量)に関する特徴量が失われることもない。
図10は平均プーリング処理の一例を示したものである。平均プーリング処理とは、第1プーリング層の入力データとなる画像データを一定の領域で区切って(図10に示す例では3行×3列)、その中の平均値を抽出して新たな特徴マップを出力する処理である。本実施形態における第1プーリング層の好ましい形態は、ストライドが1、プールサイズが3行×3列である。さらに、上記第1プーリング層のチャンネル数は蛇行量推定モデルMの入力データである画像データのチャンネル数と同数であることが好ましい。例えば鋼板Sの画像データがカラーである場合には、入力データのチャンネル数は3(R、G、B)となり、第1プーリング層のチャンネル数も3とするのがよい。一方、鋼板Sの画像データがグレースケールの場合には、入力データのチャンネル数は1であり、第1プーリング層のチャンネル数も1とするのが好ましい。入力となる画像データの色毎に平均プーリング処理を実施することによって、鋼板Sの温度が変化により取得する鋼板の画像データの色調が変化しても、出力となる鋼板Sのエッジ部の位置情報(鋼板の蛇行量)の変動が少ない畳み込みニューラルネットワークを構成できる。
〔鋼板の蛇行量推定方法〕
本実施形態では、機械学習部23が生成した蛇行量推定モデルMを用いて、鋼板Sの蛇行量を推定する。図11に、連続搬送設備に蛇行量推定部を含む鋼板の蛇行制御システムの構成例を示す。鋼板Sの画像データを取得するカメラ4は、蛇行量推定モデルMを生成する際に使用したカメラと同一のものを用いても、異なるものであってもよい。学習用データの元となった画像データと、必ずしも同一の視野で鋼板Sを撮像した画像でなくても、蛇行量推定モデルMにより画像データ内での鋼板Sの位置情報を含む特徴量が抽出され得るからである。また、学習用データの元となった画像データに含まれる固定構造物が同一の位置に設置された状態であれば、画像データ内の鋼板Sと固定構造物との相対的な位置関係が特徴量として抽出されて、鋼板Sの蛇行量を精度よく推定できる。鋼板Sの画像データを取得するカメラは、蛇行量推定モデルMを生成する際に使用したカメラと、必ずしも同じ解像度のものでなくてよい。蛇行量推定モデル生成部20が予備処理としてデータ圧縮を行う場合には、圧縮した画像データと同程度の解像度よりも高い解像度で鋼板Sの画像データが取得されればよい。一方、カメラ4の設置位置としては、蛇行量推定モデルMを生成する際に使用したカメラ4と異なる位置に設定してよい。但し、カメラ4と鋼板Sとの間の距離や鋼板Sに対向する角度が同一であるのが好ましい。
図11に示す蛇行量推定モデル生成部20における学習用データとなる蛇行量を測定する蛇行量測定装置5については、蛇行量推定モデルMを生成する学習用データの取得に必要な設備であるが、カメラ4を用いて蛇行量推定部30により鋼板Sの蛇行量を推定する場合には必須ではない。従って、蛇行量測定装置5は蛇行量推定モデルMを生成する学習用データを取得する際にのみ使用する仮設の蛇行計でよい。鋼板Sの熱処理炉のような連続搬送設備では、熱や雰囲気等の環境がセンサーに悪影響を与えるため、長期間の操業では使用することができないものの、一時的に使用して学習用データを収集する目的であれば、十分な精度と耐久性を備える蛇行計を選択できるからである。
図11に示す処理設備2における鋼板Sの処理条件は、学習用データの元となった画像データを取得する際の処理条件と同一でなくてもよい。すなわち、鋼板Sの成分組成や製品強度が異なることにより鋼板Sの熱処理温度や冷却条件が学習用データを取得する際のものと異なっていても構わない。連続搬送設備において、霧状水滴やヒュームによる外乱影響が少ない条件の下で学習用データを取得したとしても、蛇行量推定モデルMとして畳み込みニューラルネットワークに第1プーリング層を設けることにより、鋼板Sの熱処理温度や冷却条件等の測定環境が変化しても、撮影環境に対する外乱に強い畳み込みニューラルネットワークを生成できるからである。
また、機械学習により生成した蛇行量推定モデルMは、カメラ4により撮像された画像データを入力すれば、複雑な画像処理やそれに伴う演算処理を行うことなく、蛇行量の推定値を出力するので、鋼板Sが高速で搬送される条件であっても、鋼板の蛇行量を即座に出力できる。蛇行量の推定値は表示装置31に出力するとよい。表示装置31を連続搬送設備1の操作室に設置することにより、オペレータは処理設備2における鋼板Sの蛇行状態を随時確認することができるので、鋼板Sの蛇行量が増大して搬送トラブルが生じないように連続搬送設備1の操業条件を修正することができるからである。また、蛇行量推定モデルMは、図11に示すように、処理設備2がステアリングロール6等の鋼板Sの蛇行修正装置を備える場合に、例えば100~1000msec程度の制御周期毎に蛇行量推定部30において推定した鋼板Sの蛇行量を出力できる。蛇行制御部40が推定した蛇行量に応じてステアリングロール6の操作量を変更することにより、搬送中の鋼板Sの蛇行量を効果的に低減することができる。また、蛇行量が低減することにより、安定した鋼板Sの処理が可能となり、鋼板Sの生産能率を向上させることができる。
以下、本実施形態を鋼帯の連続焼鈍設備に適用した実施例について説明する。本実施例では、まず蛇行量推定モデルを生成した。連続焼鈍炉の入側の炉内観察用窓の外側に、焼鈍炉内を移動する鋼板を撮像可能なカラーカメラを設置した。カメラは、鋼板が連続搬送設備内を上方から下方へ移動する位置であって、鋼板の幅方向両端部が撮像されるように撮影倍率とレンズを選択した。カメラによって撮像した画像データは、データ取得部に送られ、鋼板の画像データとして蓄積した。ここで、カメラによって取得される画像データに対しては、鋼板の幅方向をx方向、長手方向をy方向と定義した。使用したカメラはフレームレートが30fpsのビデオカメラである。また、カメラによって撮影される画像は、x方向の画素数480、y方向の画素数320、チャンネル数が3の画像である。
一方、蛇行量の測定データは、図11に示すように、カメラ4によって撮影する位置から約3m下側の搬送ロールの下方から鋼板の蛇行量を測定可能なITVカメラ方式の蛇行量測定装置5により取得した。ITVカメラ方式の蛇行量測定装置5は、カメラにより撮像した画像から2値化処理により鋼板Sのエッジ部を抽出し、予め取得した画像内での位置情報と実設備の位置情報との対応関係から鋼板Sの蛇行量を測定する。ITVカメラ方式は、画像処理(2値化処理やエッジ部の抽出処理等)に一定の時間を要し、測定環境への外乱によって測定誤差が生じる場合もある。しかしながら、ITVカメラの画像を録画して測定誤差が小さいと判断できる画像を選択し、オフラインで上記画像処理を行うことにより、精度よく蛇行量を特定することは可能である。
蛇行量測定装置5による蛇行量の測定データとして、正しい測定値が得られたと判断した測定データについて、その測定タイミングと同期して取得した鋼板Sの画像データをデータセットとして蛇行量推定モデル生成部20のデータベース部21に送った。なお、データ取得部10では、取得した画像データ及び蛇行量のデータのいずれかに異常値が含まれる場合には、異常値を含むデータセット(画像データ及び蛇行量のデータの組)を学習用データから取り除くスクリーニング処理を行った。連続焼鈍炉内部は、鋼板Sを処理する際の炉内の露点を意図的に変更する場合があり、連続焼鈍条件によっては撮像される画像又は蛇行量測定装置による測定データに外乱の影響が含まれることがあるからである。なお、測定対象とした鋼板Sは、板厚0.4~2.4mm、板幅700~1850mmであり、普通鋼及び高強度鋼板を含むものを対象とした。
以上のようにして、鋼板の画像データと、対応する蛇行量の測定データとのデータセットを用いて、蛇行量推定モデル生成部20にて機械学習による蛇行量推定モデルMを生成した。蛇行量推定モデルMの生成に際しては、データベース部21に蓄積されたデータセットの中から、板厚1.2mm、板幅1040mmの低炭素鋼のデータを選択し、選択したデータから蛇行量推定モデルMを生成した。蛇行量推定モデル生成部20の予備処理部22では、データベース部21に蓄積された鋼板の画像データに対してデータ圧縮を行い、x方向及びy方向の画素数をそれぞれ50に圧縮した。また、データセットから異常値を取り除いた後にシャッフルを行い、学習用56160データ、テスト用14040データに分割した。
本実施例では、本発明例1として、図4に示す畳み込みニューラルネットワークの構成を用いて蛇行量推定モデルMを生成した。学習計算における損失関数としてはネットワークの予測値と実測値から計算される平均二乗誤差を用いて、最適化計算手法についてはAdam最適化を選択した。また、機械学習にあたってはミニバッチ学習(ミニバッチ勾配降下法)を用いて、バッチサイズ512、エポック回数500とした。但し、テストデータに対する損失関数が30エポック回以上にわたって改善しなかった場合には、学習率を1/10に低下させて学習を進めた。さらに、本発明例2として、図9に示す畳み込みニューラルネットワークの構成を用いて蛇行量推定モデルMを生成した。これは、第1畳み込み層の上流側に、入力画像のRGBの3チャンネルのそれぞれに対して平均プーリング処理を実行する第1プーリング層を追加したものである。なお、学習における損失関数や最適化計算手法については本発明例1と同じである。一方、比較例として、本発明例1,2と同じ学習用データを用いて、入力画像を1次元情報に変換して鋼板の蛇行量を推定する順伝播型ニューラルネットワークを構成した。使用したニューラルネットワークは、中間層を3層とし、ノード数は5個ずつとした。活性化関数はシグモイド関数を用いた。
図12にテストデータを用いた本発明例1,2及び比較例の推定誤差の評価結果を示す。比較例ではテストデータに対する標準偏差が約40mmであったのが、畳み込みニューラルネットワークを用いた本発明例1では18mmとなり、第1プーリング層を加えた本発明例2では4.4mmとなった。また、生成した蛇行量推定モデルを用いて、学習済モデルを生成してから6か月後及び1年後に新たに取得したテストデータに対する予測精度を評価した。その結果、6か月後及び1年後の誤差標準偏差は、比較例では44mm及び55mmまで悪化していた。これに対して、本発明例1ではそれぞれ15mm及び16.2mmと良好な精度が保たれていた。また、本発明例2では4.6mm及び4.77mmとなり、さらに良好な精度が維持されていた。
1 連続搬送設備
2 処理設備
3 搬送ロール
4,4A,4B カメラ
5 蛇行量測定装置
10 データ取得部
11 スクリーニング処理部
20 蛇行量推定モデル生成部
21 データベース部
22 予備処理部
23 機械学習部
30 蛇行量推定部
31 表示装置
40 蛇行制御部
M 蛇行量推定モデル
S 鋼板

Claims (4)

  1. 移動する鋼板を撮影することによって取得した鋼板の画像データと、前記画像データに対応する鋼板の蛇行量の測定データとを取得するデータ取得ステップと、
    前記データ取得ステップにおいて取得した画像データを入力実績データ、前記画像データに対応する鋼板の蛇行量の測定データを出力実績データとした、複数の学習用データを用いた畳み込みニューラルネットワークの手法による機械学習によって、前記鋼板の蛇行量を推定する蛇行量推定モデルを生成するモデル生成ステップと、
    を含
    前記畳み込みニューラルネットワークは、畳み込み層よりも上流側に1以上の平均プーリング層を含む、鋼板の蛇行量推定モデルの生成方法。
  2. 前記平均プーリング層のチャンネル数は、前記蛇行量推定モデルの入力データである画像データのチャンネル数と同数である、請求項に記載の鋼板の蛇行量推定モデルの生成方法。
  3. 請求項1又は2に記載の鋼板の蛇行量推定モデルの生成方法によって生成された蛇行量推定モデルに対して、移動する鋼板を撮影することによって取得した画像データを入力することにより鋼板の蛇行量を推定するステップを含む、鋼板の蛇行量推定方法。
  4. 請求項に記載の鋼板の蛇行量推定方法を用いて連続焼鈍設備における鋼板の蛇行量を制御するステップを含む、鋼板の製造方法。
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