JP2023065585A - 作業車 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却装置のメンテナンス作業を容易に行えるようにすることが可能な作業車を提供する。【解決手段】作業車は、ラジエータと、ラジエータに送風するファンと、ラジエータを支持するラジエータフレーム26と、ラジエータに送られる風から塵埃を除去する防塵部と、ラジエータと防塵部との間に配置される冷却装置40と、冷却装置40を支持するフレーム41と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、作業車に関する。
特許文献1に記載されたコンバインにおいては、多孔状の空気取り入れ部が備えられた防塵ケースを通して、冷却ファンによる通風によって外気を吸引してラジエータを冷却するように構成されている。そして作動油を冷却するオイルクーラが、吸気される外気の通過箇所に位置する状態で、エンジンボンネットに固定状態で取り付けられている。またエンジンボンネットは、原動部の全体を覆う略箱状に設けられ、上部に運転座席が支持される構成となっている。原動部のメンテナンス作業を行うときは、エンジンボンネット全体を前後向き軸芯周りで回動させて原動部の上方を開放させるように構成されている。
上記の従来構成では、冷却装置(オイルクーラ等)がエンジンボンネットに固定状態で取り付けられている。従って、冷却装置に対する塵埃の除去や修理点検等のメンテナンス作業を行う場合には、エンジンボンネットを回動させて冷却装置を外方に露出させる必要がある。また、冷却装置の表面及び裏面を清掃するためには、冷却装置をエンジンボンネットから取り外さなければならず、煩わしい手間がかかる不利があった。因みに、冷却装置をエンジンボンネットに固定状態で取り付ける場合には、少なくとも4箇所以上の多数箇所にて連結して強固に取付けられることになるので、冷却装置をエンジンボンネットから取り外す作業は煩わしいものとなる。
本発明の目的は、冷却装置のメンテナンス作業を容易に行えるようにすることが可能な作業車を提供する点にある。
上記目的を達成するための作業車の特徴構成は、ラジエータと、前記ラジエータに送風するファンと、前記ラジエータを支持するラジエータフレームと、前記ラジエータフレームに揺動開閉可能な状態で支持されると共に前記ラジエータに送られる風から塵埃を除去する防塵部と、前記ラジエータと前記防塵部との間に配置される第1冷却装置と、前記第1冷却装置を支持するフレームと、を備え、前記フレームは、ヒンジ部を介して前記ラジエータフレームに揺動可能な状態で支持されると共に、前記ヒンジ部において前記ラジエータフレームに対して着脱可能である点にある。
上記の特徴構成によれば、フレームを揺動させて第1冷却装置を移動させることが可能になると共に、フレームをラジエータフレームから脱離させて第1冷却装置を移動させることが可能になる。従って、第1冷却装置のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
本発明においては、前記フレームは1つの前記ヒンジ部を介して前記ラジエータフレームに支持されていると好適である。
上記の特徴構成によれば、フレームをラジエータフレームから容易に脱離させることができる。従って、第1冷却装置のメンテナンス作業を更に容易に行うことができる。
本発明においては、前記第1冷却装置に接続されるホースを備え、前記ホースは、前記第1冷却装置から前記フレームの延びる方向に沿って前記ヒンジ部に向けて延び、前記ヒンジ部の近傍を通されていると好適である。
上記の特徴構成によれば、ホースがヒンジ部の近傍を通されているので、フレームを揺動させる際にホースが邪魔になりにくい。また、フレームをラジエータフレームから脱離させる際にホースとフレームとを一体的に移動させることができ、ホースに過度の負荷をかけることを抑制することができる。
本発明においては、機体左右方向視で前記フレームと重複する状態で前記ラジエータと前記第1冷却装置との間に配置される第2冷却装置を備えると好適である。
上記の特徴構成によれば、フレーム及び第1冷却装置を揺動又は脱離させることにより、第2冷却装置のメンテナンスを容易化することができる。加えて、限られたスペースに複数の冷却装置を配置することができ、スペース効率を向上させることができる。
本発明においては、前記第2冷却装置は、前記フレームを前記ラジエータフレームから脱離させた状態において、前記ラジエータフレームよりも機体左右方向外側へ突出するように移動可能であると好適である。
上記の特徴構成によれば、第1冷却装置をラジエータフレームから脱離させてメンテナンスを容易化し、更に第2冷却装置をラジエータフレームより突出させてメンテナンスすることが可能となる。すなわち、第1冷却装置及び第2冷却装置のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
本発明においては、機体左右方向視で前記第1冷却装置と重複する状態で前記第1冷却装置と前記防塵部との間に配置される第3冷却装置を備えると好適である。
上記の特徴構成によれば、限られたスペースに複数の冷却装置を配置することができ、スペース効率を向上させることができる。
本発明においては、前記第3冷却装置は、前記ヒンジ部の揺動軸芯の延びる方向と交差する方向に延びる軸芯周りに揺動可能であると好適である。
上記の特徴構成によれば、第3冷却装置は第1冷却装置の揺動を阻害しない方向に揺動するので、第1冷却装置と第3冷却装置の両方のメンテナンスを容易に行うことができる。
本発明においては、前記ラジエータフレームは、前記第3冷却装置に接続される副ホースが通る貫通穴と、前記副ホースを押しつけ固定する固定部材と、を備えており、前記固定部材を前記ラジエータフレームから取り外した状態で前記第3冷却装置が揺動可能な状態となると好適である。
上記の特徴構成によれば、簡易な構成により副ホースの固定と第3冷却装置の揺動を実現することができる。
以下、本発明に係る作業車の実施形態を、作業車の一例としての普通型コンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
この実施形態では、各図に符号(F)で示す方向が機体前側、符号(B)で示す方向が機体後側、符号(L)で示す方向が機体左側、符号(R)で示す方向が機体右側である。
〔全体構成〕
図1、図2に、普通型コンバインを示している。このコンバインの走行機体には、機体フレーム1とクローラ走行装置2とが備えられている。走行機体の前方には、圃場の植立穀稈を収穫する収穫部3が設けられている。収穫部3には、植立穀稈を掻き込む掻込みリール4と、植立穀稈を切断する刈刃5と、刈取穀稈を刈幅方向に横送りして寄せ集めて後方に送り出すオーガ6と、が備えられている。
図1、図2に、普通型コンバインを示している。このコンバインの走行機体には、機体フレーム1とクローラ走行装置2とが備えられている。走行機体の前方には、圃場の植立穀稈を収穫する収穫部3が設けられている。収穫部3には、植立穀稈を掻き込む掻込みリール4と、植立穀稈を切断する刈刃5と、刈取穀稈を刈幅方向に横送りして寄せ集めて後方に送り出すオーガ6と、が備えられている。
収穫部3の後方に運転部7が設けられている。運転部7はキャビン8により覆われている。運転部7の後方に、脱穀処理して得られた穀粒を貯留する穀粒タンク9が備えられている。刈取穀稈の全稈を脱穀処理する脱穀装置10が穀粒タンク9と横並び状態で備えられている。収穫部3と脱穀装置10とに亘って、刈取穀稈の全稈を脱穀装置10に向けて搬送するフィーダ11が備えられている。運転部7には、運転座席12と、各種の操作具を備えた操作パネル13とが備えられている。運転部7の下方に原動部15が備えられている。
〔原動部〕
図1、図2、図4、図5に示すように、原動部15には、エンジン16、エンジン冷却用のラジエータ17、外気を引き込んでラジエータ17に送風し冷却する冷却ファン18(ファンの一例)、ラジエータ17から冷却ファン18へ外気を導くファンシュラウド19等が備えられている。
図1、図2、図4、図5に示すように、原動部15には、エンジン16、エンジン冷却用のラジエータ17、外気を引き込んでラジエータ17に送風し冷却する冷却ファン18(ファンの一例)、ラジエータ17から冷却ファン18へ外気を導くファンシュラウド19等が備えられている。
図2に示すように、エンジン16の上方を覆ってエンジンルーム20を形成するエンジンルームボンネット21が備えられている。エンジンルームボンネット21は、運転座席12を下側から支持し、かつ、横外方に向けて開放されている。ラジエータ17は、エンジンルーム20において、エンジン16の横外側に設けられている。冷却ファン18は、エンジンルーム20において、ラジエータ17の横内側に設けられている。
エンジンルーム20の機体横外側は、ラジエータ17に対して機体外側に位置する防塵ケース22(防塵部の一例)により覆われている。防塵ケース22の横外側面には、通気を許容すると共に塵埃の通過を阻止する防塵網23(図1)が備えられている。すなわち防塵ケース22は、ラジエータ17に送られる風から塵埃を除去する。
防塵ケース22は、ラジエータフレーム26に縦軸芯Y1周りで揺動開閉可能な状態で支持される。防塵ケース22は、縦軸芯Y1周りで揺動することにより、エンジンルーム20の機体外側を覆う閉じ姿勢(図2の実線)と、エンジンルーム20の機体外側を開放する開き姿勢(図2の仮想線)とに亘って揺動可能である。
冷却ファン18は閉じ姿勢の防塵ケース22を通して外気を引き込んでラジエータ17を冷却する。ラジエータ17と冷却ファン18との間には、冷却ファン18による冷却風が効率よくラジエータ17を通過するように案内するファンシュラウド19が備えられている。ファンシュラウド19は、冷却ファン18とラジエータ17との間の吸気用空間の外周を囲う状態で冷却ファン18とラジエータ17とに亘るように設けられている。
ラジエータ17は、ラジエータフレーム26に支持されている。ラジエータフレーム26は、ラジエータ17と防塵ケース22との間の吸気用空間を覆い、防塵ケース22を通過した外気がラジエータ17に案内されるように、ラジエータ17の外周に沿う枠状に形成されている。すなわち、ラジエータフレーム26は、図3等に示すように、下部の下枠状部26a、前下部の前枠状部26b、前上部の斜枠状部26c上部の上枠状部26d、及び後部の後枠状部26eを有して、ラジエータ17の外周に沿うように設けられている。ラジエータフレーム26の底部は、機体フレーム1に支持されている。
ラジエータ17と防塵ケース22との間の空間(吸気用空間)に、コンデンサ40(第1冷却装置の一例)と、オイルクーラ60(第2冷却装置の一例)と、インタークーラ80(第3冷却装置の一例)と、が配置されている。
〔コンデンサ(第1冷却装置)〕
コンデンサ40は、運転部7に配置されたエアコン(図示省略)の冷媒を冷却し、冷媒を凝縮させる。コンデンサ40の上端部を支持するフレーム41が設けられている。コンデンサ40は、前後の支持部41aを介して、フレーム41に支持されている。なおコンデンサ40の下端部は、前後の支持部40aを介して、ラジエータフレーム26の下枠状部26aに対して着脱可能な状態で取り付けられている。
コンデンサ40は、運転部7に配置されたエアコン(図示省略)の冷媒を冷却し、冷媒を凝縮させる。コンデンサ40の上端部を支持するフレーム41が設けられている。コンデンサ40は、前後の支持部41aを介して、フレーム41に支持されている。なおコンデンサ40の下端部は、前後の支持部40aを介して、ラジエータフレーム26の下枠状部26aに対して着脱可能な状態で取り付けられている。
フレーム41は、機体前後方向に沿って延びる板状の部材である。フレーム41は、1つのヒンジ部Aを介してラジエータフレーム26に揺動可能な状態で支持されると共に、ヒンジ部Aにおいてラジエータフレーム26に対して着脱可能である。
図3~図8を参照して、フレーム41について更に説明する。フレーム41の前端部は、ブラケット42を介してラジエータフレーム26の前枠状部26bに支持されている。詳しくは、フレーム41の前端部の貫通穴(図示省略)及びブラケット42の後端部の貫通穴(図示省略)に、ボルト42aが挿通されている。ボルト42aにより、フレーム41がブラケット42に対して縦軸芯Y2周りに揺動可能な状態で、フレーム41の前端部がブラケット42の後端部に取り付けられている。ブラケット42の前端部は、3本のボルト42bにより、ラジエータフレーム26の前枠状部26bに着脱可能な状態で取り付けられている。
フレーム41の後端部は、ブラケット43を介してラジエータフレーム26の後枠状部26eに支持されている。詳しくは、フレーム41の後端部は、ボルト43aにより、ブラケット43の前端部に着脱可能な状態で取り付けられている。ブラケット43の後端部は、ボルト43b等により、ラジエータフレーム26の後枠状部26eに取り付けられている。
フレーム41及びコンデンサ40の揺動について説明する。フレーム41及びコンデンサ40は、図3、図6に示される固定状態から、図7に示される揺動状態へ、縦軸芯Y2周りに機体前方へ揺動可能である。揺動に際しては、まず、ボルト43aによる固定を解除して、フレーム41の後端部をブラケット43から脱離させる。そして、支持部40aによる固定を解除して、コンデンサ40の下端部をラジエータフレーム26(下枠状部26a)から脱離させる。そうすると、フレーム41及びコンデンサ40を縦軸芯Y2周りに機体前方へ揺動させることができる。ボルト42a、及びブラケット42により、フレーム41の縦軸芯Y2周りの揺動を実現させるヒンジ部Aが構成されている。
フレーム41及びコンデンサ40の脱離について説明する。フレーム41及びコンデンサ40は、図3、図6に示される固定状態から、図8に示される脱離状態へ、状態変化が可能である。脱離に際しては、まず、上述の揺動と同様にボルト43aによる固定を解除してフレーム41の後端部をブラケット43から脱離させ、支持部40aによる固定を解除してコンデンサ40の下端部をラジエータフレーム26(下枠状部26a)から脱離させる。そして、3つのボルト42bによるブラケット42のラジエータフレーム26(前枠状部26b)への固定を解除する。そうすると、図8に示されるように、コンデンサ40、フレーム41、及びブラケット42を一体の状態で、ラジエータフレーム26から脱離させることができる。
コンデンサ40の前端部には、冷媒(流体)が通流するホースである上冷媒管44、及び下冷媒管45が接続されている。上冷媒管44及び下冷媒管45は、運転部7に設けられたエアコン(冷却対象装置、図示省略)に接続されている。上冷媒管44は、コンデンサ40への接続部から機体前後方向に沿って前へ延び、ボルト42aの近傍を通り、ラジエータフレーム26の前枠状部26bの貫通穴(図示省略)を通って吸気用空間の外へ延びている。すなわち上冷媒管44は、フレーム41の延びる方向に沿ってヒンジ部Aに向けて延び、前記ヒンジ部の近傍を通されている。下冷媒管45は、コンデンサ40への接続部から上へ延び、機体前後方向に沿って前へ延び、平面視でボルト42aの近傍を通り、ラジエータフレーム26の前枠状部26bの貫通穴(図示省略)を通って吸気用空間の外へ延びている。すなわち下冷媒管45は、フレーム41の延びる方向に沿ってヒンジ部Aに向けて延び、前記ヒンジ部の近傍を通されている。
フレーム41及びコンデンサ40がラジエータフレーム26から脱離した状態(図8)では、上冷媒管44及び下冷媒管45がフレーム41及びコンデンサ40を支持する。上冷媒管44及び下冷媒管45は可撓性を有しており、フレーム41及びコンデンサ40を任意の位置へ移動させることができるので、コンデンサ40のメンテナンスを容易に行うことができる。また、上冷媒管44及び下冷媒管45をラジエータフレーム26の前枠状部26bの貫通穴(図示省略)から引き出して、フレーム41及びコンデンサ40の可動範囲を拡大することが可能である。
〔オイルクーラ(第2冷却装置)〕
オイルクーラ60は、トランスミッション(図示省略)の作動油を冷却する。オイルクーラ60は、図3に示されるように、オイルクーラ60の下部が機体左右方向視でフレーム41と重複する状態で、ラジエータ17とコンデンサ40との間に配置されている。
オイルクーラ60は、トランスミッション(図示省略)の作動油を冷却する。オイルクーラ60は、図3に示されるように、オイルクーラ60の下部が機体左右方向視でフレーム41と重複する状態で、ラジエータ17とコンデンサ40との間に配置されている。
オイルクーラ60は、ボルトを用いた前後上下の4つの取付部60aにより、着脱可能な状態でフレーム61、62に取り付けられている。フレーム61、62は、上下方向に延びる板状の部材であって、それらの下端がラジエータフレーム26の下枠状部26aに固定されている。フレーム61の上端が、ラジエータフレーム26の斜枠状部26cに固定されている。フレーム62の上端が、ラジエータフレーム26の上枠状部26dに固定されている。
オイルクーラ60の前端部には、作動油(流体)が通流するホースである上作動油管63、及び下作動油管64が接続されている。上作動油管63及び下作動油管64は、運転部7の下方に設けられたトランスミッション(冷却対象装置、図示省略)に接続されている。上作動油管63は、オイルクーラ60への接続部から機体前後方向に沿って前へ延び、ラジエータフレーム26の斜枠状部26cの貫通穴26f(図9)を通って吸気用空間の外へ延びている。下作動油管64は、オイルクーラ60への接続部から機体前後方向に沿って前へ延び、ラジエータフレーム26の前枠状部26bの貫通穴(図示省略)を通って吸気用空間の外へ延びている。
オイルクーラ60は、図10に示されるように、フレーム41及びコンデンサ40をラジエータフレーム26から脱離させた状態(図8)において、ラジエータフレーム26よりも機体左右方向外側へ突出するように移動可能である。すなわちオイルクーラ60は、図9に示される固定状態から、図10に示される脱離状態へ、状態変化が可能である。脱離に際しては、4つの取付部60aによる固定を解除して、オイルクーラ60をフレーム61、62から脱離させる。上作動油管63及び下作動油管64は可撓性を有しており、オイルクーラ60を任意の位置に移動させることができる。特に、オイルクーラ60の後端部(自由端側)がラジエータフレーム26よりも機体左右方向外側へ突出するように(図10)、上作動油管63及び下作動油管64を曲げながらオイルクーラ60を機体前方へ揺動させることができる。
〔インタークーラ(第3冷却装置)〕
インタークーラ80は、冷却風を利用してエンジン16に供給される燃焼用空気を冷却する。インタークーラ80は、図3に示されるように、その下部が機体左右方向視でコンデンサ40と重複する状態で、コンデンサ40と防塵ケース22との間に配置される。
インタークーラ80は、冷却風を利用してエンジン16に供給される燃焼用空気を冷却する。インタークーラ80は、図3に示されるように、その下部が機体左右方向視でコンデンサ40と重複する状態で、コンデンサ40と防塵ケース22との間に配置される。
インタークーラ80の上部は、ボルトを用いた前後の2つの上取付部80aにより、着脱可能な状態で、ラジエータフレーム26の上枠状部26dに取り付けられている。インタークーラ80の下部は、ボルトを用いた前後の2つの下取付部80bにより、着脱可能な状態で、フレーム41に取り付けられている。
インタークーラ80の上端部には、燃焼用空気(流体)が通流するホースである前空気管81(副ホースの一例)、及び後空気管82(副ホースの一例)が接続されている。前空気管81及び後空気管82は、エンジン16(冷却対象装置)に接続されている。前空気管81及び後空気管82は、インタークーラ80への接続部から上へ延び、続いて右へ延び、ラジエータフレーム26の上枠状部26dの貫通穴26gを通って吸気用空間の外へ延びている。
ラジエータフレーム26の上枠状部26dは、貫通穴26gと、前空気管81及び後空気管82を押しつけ固定する固定部材27と、を備えている。図12に示されるように、固定部材27は、板状の部材であって、ボルトにより着脱可能な状態で上枠状部26dに取り付けられている。固定部材27の下端部に形成された凹部27aと上枠状部26dに形成された凹部26hとが組み合わされて、貫通穴26gが形成されている。貫通穴26gは、インタークーラ80に接続される前空気管81及び後空気管82が通る貫通穴である。固定部材27の凹部27aに、パッキン27bが設けられている。上枠状部26dの凹部26hに、パッキン26jが設けられている。
固定部材27がラジエータフレーム26の上枠状部26dに取り付けられた状態(図11の実線、図12)では、固定部材27が前空気管81及び後空気管82を上枠状部26dの上端部に押し付けて、前空気管81及び後空気管82を固定している。固定部材27をラジエータフレーム26の上枠状部26dから取り外した状態(図11の仮想線、図13)では、前空気管81及び後空気管82が可撓性を有することにより、インタークーラ80が上方へ揺動可能な状態(図11の仮想線)となる。詳しくは、図11に仮想線で示されるように、インタークーラ80は、機体前後方向(ヒンジ部Aの揺動軸芯である縦軸芯Y2の延びる方向と交差する方向)に延びる軸芯Y3周りに揺動可能である。
〔他の実施形態〕
(1)本実施形態では、図15に示されるように、オイルクーラ60の後方に副オイルクーラ90が配置されている。副オイルクーラ90は、オイルクーラ60と同様にトランスミッション(冷却対象装置、図示省略)の作動油を冷却する。副オイルクーラ90は、ラジエータ17とコンデンサ40との間に配置されている。
(1)本実施形態では、図15に示されるように、オイルクーラ60の後方に副オイルクーラ90が配置されている。副オイルクーラ90は、オイルクーラ60と同様にトランスミッション(冷却対象装置、図示省略)の作動油を冷却する。副オイルクーラ90は、ラジエータ17とコンデンサ40との間に配置されている。
副オイルクーラ90は、ボルトを用いた前後上下の4つの取付部90aにより、着脱可能な状態でフレーム91及びラジエータフレーム26の後枠状部26eに取り付けられている。フレーム91は、上下方向に延びる板状の部材であって、その上端が、ラジエータフレーム26の上枠状部26dに固定されて、その下端が、ラジエータフレーム26の下枠状部26aに固定されている。
副オイルクーラ90の前端部には、作動油(流体)が通流するホースである上作動油管93、及び下作動油管94が接続されている。上作動油管93及び下作動油管94は、運転部7の下方に設けられたトランスミッション(図示省略)に接続されている。上作動油管93及び下作動油管94は、副オイルクーラ90への接続部から機体前後方向に沿って前へ延びている。
本実施形態では、オイルクーラ60の上作動油管63、及び副オイルクーラ90の上作動油管93は、ラジエータフレーム26の斜枠状部26cに設けられた貫通部Bを通って吸気用空間の外へ延びている。オイルクーラ60の下作動油管64は、ラジエータフレーム26の前枠状部26bに設けられた貫通部Cを通って吸気用空間の外へ延びている。副オイルクーラ90の下作動油管94は、ラジエータフレーム26の前枠状部26bに設けられた貫通部Dを通って吸気用空間の外へ延びている。
〔貫通部B〕
斜枠状部26cの貫通部Bは、図16、図17に示されるように、斜枠状部26cに形成された開口26kと、板状部材95と、により構成されている。板状部材95は、ボルトにより着脱可能な状態で斜枠状部26cに取り付けられている。
斜枠状部26cの貫通部Bは、図16、図17に示されるように、斜枠状部26cに形成された開口26kと、板状部材95と、により構成されている。板状部材95は、ボルトにより着脱可能な状態で斜枠状部26cに取り付けられている。
斜枠状部26cにおける開口26kに臨む端部に、凹部26m、26nが形成されている。板状部材95の端部に、凹部95a、95bが形成されている。凹部26mと凹部95aとが組み合わされて、オイルクーラ60の上作動油管63が通る貫通穴が形成されている。凹部26nと凹部95bとが組み合わされて、副オイルクーラ90の上作動油管93が通る貫通穴が形成されている。斜枠状部26cにおいて、凹部26mにパッキン26pが設けられ、凹部26nにパッキン26qが設けられている。板状部材95において、凹部95aにパッキン95cが設けられ、凹部95bにパッキン95dが設けられている。
板状部材95がラジエータフレーム26の斜枠状部26cに取り付けられることにより、上作動油管63及び上作動油管93が斜枠状部26cに対して固定されている。板状部材95を斜枠状部26cから取り外すと、上作動油管63及び上作動油管93の斜枠状部26cに対する固定が解除され、斜枠状部26cの開口26kを通じて上作動油管63及び上作動油管93を吸気用空間へ引き出すことが可能となる。これにより、オイルクーラ60及び副オイルクーラ90の固定を解除してメンテナンスを行うときに、オイルクーラ60及び副オイルクーラ90の移動の自由度が高められ、メンテナンスが更に容易になる。
図16に示されるように、オイルクーラ60の上作動油管63は、可撓管63aと剛体管63bとを備えている。剛体管63bの先端部が可撓管63aに挿入されており、剛体管63bの先端部は、吸気用空間の外(斜枠状部26cよりも前側)から吸気用空間の内側(斜枠状部26cよりも後側)まで延びている。これにより、上作動油管63の斜枠状部26cに対する固定が確実に行われると共に、オイルクーラ60を揺動させる際(図10)に上作動油管63の可撓管63aに過大な負荷がかかることが抑制される。
〔貫通部C〕
前枠状部26bの貫通部Cは、図18、図19に示されるように、前枠状部26bに形成された開口26rと、継手部材96と、により構成されている。継手部材96は、ボルトにより着脱可能な状態で前枠状部26bに取り付けられている。
前枠状部26bの貫通部Cは、図18、図19に示されるように、前枠状部26bに形成された開口26rと、継手部材96と、により構成されている。継手部材96は、ボルトにより着脱可能な状態で前枠状部26bに取り付けられている。
継手部材96は、板状部位96aと、管状部位96b、96cと、を備えている。図18に示されるように、継手部材96が前枠状部26bに取り付けられた状態において、板状部位96aは、前枠状部26bの後面(吸気用空間の側の面)に沿う姿勢にて、ボルトにより前枠状部26bに固定されている。管状部位96bは、吸気用空間の内部へ突出しており下作動油管64の内側部位64aが接続されている。管状部位96cは、吸気用空間の外部へ突出しており、下作動油管64の外側部位64bが接続されている。
継手部材96がラジエータフレーム26の前枠状部26bに取り付けられることにより、下作動油管64が前枠状部26bに対して固定されている。継手部材96を前枠状部26bから取り外すと、下作動油管64の前枠状部26bに対する固定が解除され、前枠状部26bの開口26rを通じて下作動油管64を吸気用空間へ引き出すことが可能となる。これにより、オイルクーラ60の固定を解除してメンテナンスを行うときに、オイルクーラ60の移動の自由度が高められ、メンテナンスが更に容易になる。
貫通部Dの構成については貫通部Cの構成と同様であるため説明を省略する。
(2)上記の実施形態では、揺動可能且つラジエータフレーム26から脱離可能なフレーム41にコンデンサ40が支持される例が説明されたが、他の冷却装置(例えばオイルクーラ、インタークーラ等)が、揺動可能且つラジエータフレーム26から脱離可能なフレームに支持される形態も可能である。
(3)フレーム41が2つ以上のヒンジ部を介してラジエータフレーム26に支持されてもよい。
(4)コンバインの原動部15に、コンデンサ40、オイルクーラ60、及びインタークーラ80の3つの冷却装置が備えられてもよいし副オイルクーラ90を加えた4つの冷却装置が備えられてもよいし、5つ以上の冷却装置が備えられてもよい。
(5)コンバイン(作業車)のトランスミッションがHST(静油圧式無段変速機構)を備え、オイルクーラ60(及び/又は副オイルクーラ90)が当該HSTの作動油を冷却するよう構成されてもよい。
本発明は、普通型コンバインや自脱型コンバイン等の収穫機、及び、トラクタや田植機等の農用作業車に適用でき、農用作業車だけでなく建設機械等の作業車にも適用できる。
17 :ラジエータ
18 :冷却ファン(ファン)
22 :防塵ケース(防塵部)
26 :ラジエータフレーム
26g :貫通穴
27 :固定部材
40 :コンデンサ(第1冷却装置)
41 :フレーム
60 :オイルクーラ(第2冷却装置)
80 :インタークーラ(第3冷却装置)
A :ヒンジ部
Y3 :軸芯
18 :冷却ファン(ファン)
22 :防塵ケース(防塵部)
26 :ラジエータフレーム
26g :貫通穴
27 :固定部材
40 :コンデンサ(第1冷却装置)
41 :フレーム
60 :オイルクーラ(第2冷却装置)
80 :インタークーラ(第3冷却装置)
A :ヒンジ部
Y3 :軸芯
本発明は、作業車に関する。
特許文献1に記載されたコンバインにおいては、多孔状の空気取り入れ部が備えられた防塵ケースを通して、冷却ファンによる通風によって外気を吸引してラジエータを冷却するように構成されている。そして作動油を冷却するオイルクーラが、吸気される外気の通過箇所に位置する状態で、エンジンボンネットに固定状態で取り付けられている。またエンジンボンネットは、原動部の全体を覆う略箱状に設けられ、上部に運転座席が支持される構成となっている。原動部のメンテナンス作業を行うときは、エンジンボンネット全体を前後向き軸芯周りで回動させて原動部の上方を開放させるように構成されている。
上記の従来構成では、冷却装置(オイルクーラ等)がエンジンボンネットに固定状態で取り付けられている。従って、冷却装置に対する塵埃の除去や修理点検等のメンテナンス作業を行う場合には、エンジンボンネットを回動させて冷却装置を外方に露出させる必要がある。また、冷却装置の表面及び裏面を清掃するためには、冷却装置をエンジンボンネットから取り外さなければならず、煩わしい手間がかかる不利があった。因みに、冷却装置をエンジンボンネットに固定状態で取り付ける場合には、少なくとも4箇所以上の多数箇所にて連結して強固に取付けられることになるので、冷却装置をエンジンボンネットから取り外す作業は煩わしいものとなる。
本発明の目的は、冷却装置のメンテナンス作業を容易に行えるようにすることが可能な作業車を提供する点にある。
上記目的を達成するための作業車の特徴構成は、走行機体に設けられたラジエータと、前記ラジエータに対して前記走行機体外側に位置し、前記ラジエータに送られる風から塵埃を除去する防塵部と、前記ラジエータと前記防塵部との間に設けられた冷却装置と、が備えられ、前記冷却装置は、前記ラジエータに近接した使用状態と、前記ラジエータから離間したメンテナンス状態とに切替可能に構成されている点にある。
本発明においては、前記冷却装置は、揺動することで、前記使用状態と前記メンテナンス状態とに切り替えられると好適である。
本発明においては、前記冷却装置は、前記走行機体の上下方向に沿って延びる揺動軸芯周りで揺動することで、前記使用状態と前記メンテナンス状態とに切り替えられると好適である。
本発明においては、前記冷却装置は、前記使用状態において前記走行機体に固定されていると好適である。
本発明においては、前記冷却装置である第1冷却装置と、前記冷却装置であり、前記第1冷却装置と前記防塵部との間に設けられた第2冷却装置と、が備えられ、前記第1冷却装置は、第1方向に動くことで、前記使用状態から前記メンテナンス状態に切り替えられ、前記第2冷却装置は、前記第1方向とは異なる第2方向に動くことで、前記使用状態から前記メンテナンス状態に切り替えられると好適である。
本発明においては、前記冷却装置であり、前記ラジエータと前記第1冷却装置との間に設けられた第3冷却装置が備えられていると好適である。
本発明においては、前記第3冷却装置は、水平面内に揺動可能に構成されていると好適である。
本発明においては、前記第3冷却装置は、前記走行機体の左右方向視で、前記第1冷却装置の少なくとも一部と前記第2冷却装置の少なくとも一部と重複していると好適である。
以下、本発明に係る作業車の実施形態を、作業車の一例としての普通型コンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
この実施形態では、各図に符号(F)で示す方向が機体前側、符号(B)で示す方向が機体後側、符号(L)で示す方向が機体左側、符号(R)で示す方向が機体右側である。
〔全体構成〕
図1、図2に、普通型コンバインを示している。このコンバインの走行機体には、機体フレーム1とクローラ走行装置2とが備えられている。走行機体の前方には、圃場の植立穀稈を収穫する収穫部3が設けられている。収穫部3には、植立穀稈を掻き込む掻込みリール4と、植立穀稈を切断する刈刃5と、刈取穀稈を刈幅方向に横送りして寄せ集めて後方に送り出すオーガ6と、が備えられている。
図1、図2に、普通型コンバインを示している。このコンバインの走行機体には、機体フレーム1とクローラ走行装置2とが備えられている。走行機体の前方には、圃場の植立穀稈を収穫する収穫部3が設けられている。収穫部3には、植立穀稈を掻き込む掻込みリール4と、植立穀稈を切断する刈刃5と、刈取穀稈を刈幅方向に横送りして寄せ集めて後方に送り出すオーガ6と、が備えられている。
収穫部3の後方に運転部7が設けられている。運転部7はキャビン8により覆われている。運転部7の後方に、脱穀処理して得られた穀粒を貯留する穀粒タンク9が備えられている。刈取穀稈の全稈を脱穀処理する脱穀装置10が穀粒タンク9と横並び状態で備えられている。収穫部3と脱穀装置10とに亘って、刈取穀稈の全稈を脱穀装置10に向けて搬送するフィーダ11が備えられている。運転部7には、運転座席12と、各種の操作具を備えた操作パネル13とが備えられている。運転部7の下方に原動部15が備えられている。
〔原動部〕
図1、図2、図4、図5に示すように、原動部15には、エンジン16、エンジン冷却用のラジエータ17、外気を引き込んでラジエータ17に送風し冷却する冷却ファン18、ラジエータ17から冷却ファン18へ外気を導くファンシュラウド19等が備えられている。
図1、図2、図4、図5に示すように、原動部15には、エンジン16、エンジン冷却用のラジエータ17、外気を引き込んでラジエータ17に送風し冷却する冷却ファン18、ラジエータ17から冷却ファン18へ外気を導くファンシュラウド19等が備えられている。
図2に示すように、エンジン16の上方を覆ってエンジンルーム20を形成するエンジンルームボンネット21が備えられている。エンジンルームボンネット21は、運転座席12を下側から支持し、かつ、横外方に向けて開放されている。ラジエータ17は、エンジンルーム20において、エンジン16の横外側に設けられている。冷却ファン18は、エンジンルーム20において、ラジエータ17の横内側に設けられている。
エンジンルーム20の機体横外側は、ラジエータ17に対して機体外側に位置する防塵ケース22(防塵部の一例)により覆われている。防塵ケース22の横外側面には、通気を許容すると共に塵埃の通過を阻止する防塵網23(図1)が備えられている。すなわち防塵ケース22は、ラジエータ17に送られる風から塵埃を除去する。
防塵ケース22は、ラジエータフレーム26に縦軸芯Y1周りで揺動開閉可能な状態で支持される。防塵ケース22は、縦軸芯Y1周りで揺動することにより、エンジンルーム20の機体外側を覆う閉じ姿勢(図2の実線)と、エンジンルーム20の機体外側を開放する開き姿勢(図2の仮想線)とに亘って揺動可能である。
冷却ファン18は閉じ姿勢の防塵ケース22を通して外気を引き込んでラジエータ17を冷却する。ラジエータ17と冷却ファン18との間には、冷却ファン18による冷却風が効率よくラジエータ17を通過するように案内するファンシュラウド19が備えられている。ファンシュラウド19は、冷却ファン18とラジエータ17との間の吸気用空間の外周を囲う状態で冷却ファン18とラジエータ17とに亘るように設けられている。
ラジエータ17は、ラジエータフレーム26に支持されている。ラジエータフレーム26は、ラジエータ17と防塵ケース22との間の吸気用空間を覆い、防塵ケース22を通過した外気がラジエータ17に案内されるように、ラジエータ17の外周に沿う枠状に形成されている。すなわち、ラジエータフレーム26は、図3等に示すように、下部の下枠状部26a、前下部の前枠状部26b、前上部の斜枠状部26c上部の上枠状部26d、及び後部の後枠状部26eを有して、ラジエータ17の外周に沿うように設けられている。ラジエータフレーム26の底部は、機体フレーム1に支持されている。
ラジエータ17と防塵ケース22との間の空間(吸気用空間)に、コンデンサ40(冷却装置及び第1冷却装置の一例)と、オイルクーラ60(冷却装置及び第3冷却装置の一例)と、インタークーラ80(冷却装置及び第2冷却装置の一例)と、が配置されている。
〔コンデンサ(第1冷却装置)〕
コンデンサ40は、運転部7に配置されたエアコン(図示省略)の冷媒を冷却し、冷媒を凝縮させる。コンデンサ40の上端部を支持するフレーム41が設けられている。コンデンサ40は、前後の支持部41aを介して、フレーム41に支持されている。なおコンデンサ40の下端部は、前後の支持部40aを介して、ラジエータフレーム26の下枠状部26aに対して着脱可能な状態で取り付けられている。
コンデンサ40は、運転部7に配置されたエアコン(図示省略)の冷媒を冷却し、冷媒を凝縮させる。コンデンサ40の上端部を支持するフレーム41が設けられている。コンデンサ40は、前後の支持部41aを介して、フレーム41に支持されている。なおコンデンサ40の下端部は、前後の支持部40aを介して、ラジエータフレーム26の下枠状部26aに対して着脱可能な状態で取り付けられている。
フレーム41は、機体前後方向に沿って延びる板状の部材である。フレーム41は、1つのヒンジ部Aを介してラジエータフレーム26に揺動可能な状態で支持されると共に、ヒンジ部Aにおいてラジエータフレーム26に対して着脱可能である。
図3~図8を参照して、フレーム41について更に説明する。フレーム41の前端部は、ブラケット42を介してラジエータフレーム26の前枠状部26bに支持されている。
詳しくは、フレーム41の前端部の貫通穴(図示省略)及びブラケット42の後端部の貫通穴(図示省略)に、ボルト42aが挿通されている。ボルト42aにより、フレーム41がブラケット42に対して縦軸芯Y2周りに揺動可能な状態で、フレーム41の前端部がブラケット42の後端部に取り付けられている。ブラケット42の前端部は、3本のボルト42bにより、ラジエータフレーム26の前枠状部26bに着脱可能な状態で取り付けられている。
詳しくは、フレーム41の前端部の貫通穴(図示省略)及びブラケット42の後端部の貫通穴(図示省略)に、ボルト42aが挿通されている。ボルト42aにより、フレーム41がブラケット42に対して縦軸芯Y2周りに揺動可能な状態で、フレーム41の前端部がブラケット42の後端部に取り付けられている。ブラケット42の前端部は、3本のボルト42bにより、ラジエータフレーム26の前枠状部26bに着脱可能な状態で取り付けられている。
フレーム41の後端部は、ブラケット43を介してラジエータフレーム26の後枠状部26eに支持されている。詳しくは、フレーム41の後端部は、ボルト43aにより、ブラケット43の前端部に着脱可能な状態で取り付けられている。ブラケット43の後端部は、ボルト43b等により、ラジエータフレーム26の後枠状部26eに取り付けられている。
フレーム41及びコンデンサ40の揺動について説明する。フレーム41及びコンデンサ40は、図3、図6に示される固定状態から、図7に示される揺動状態へ、縦軸芯Y2周りに機体前方へ揺動可能である。揺動に際しては、まず、ボルト43aによる固定を解除して、フレーム41の後端部をブラケット43から脱離させる。そして、支持部40aによる固定を解除して、コンデンサ40の下端部をラジエータフレーム26(下枠状部26a)から脱離させる。そうすると、フレーム41及びコンデンサ40を縦軸芯Y2周りに機体前方へ揺動させることができる。ボルト42a、及びブラケット42により、フレーム41の縦軸芯Y2周りの揺動を実現させるヒンジ部Aが構成されている。
フレーム41及びコンデンサ40の脱離について説明する。フレーム41及びコンデンサ40は、図3、図6に示される固定状態から、図8に示される脱離状態へ、状態変化が可能である。脱離に際しては、まず、上述の揺動と同様にボルト43aによる固定を解除してフレーム41の後端部をブラケット43から脱離させ、支持部40aによる固定を解除してコンデンサ40の下端部をラジエータフレーム26(下枠状部26a)から脱離させる。そして、3つのボルト42bによるブラケット42のラジエータフレーム26(前枠状部26b)への固定を解除する。そうすると、図8に示されるように、コンデンサ40、フレーム41、及びブラケット42を一体の状態で、ラジエータフレーム26から脱離させることができる。
コンデンサ40の前端部には、冷媒(流体)が通流するホースである上冷媒管44、及び下冷媒管45が接続されている。上冷媒管44及び下冷媒管45は、運転部7に設けられたエアコン(冷却対象装置、図示省略)に接続されている。上冷媒管44は、コンデンサ40への接続部から機体前後方向に沿って前へ延び、ボルト42aの近傍を通り、ラジエータフレーム26の前枠状部26bの貫通穴(図示省略)を通って吸気用空間の外へ延びている。すなわち上冷媒管44は、フレーム41の延びる方向に沿ってヒンジ部Aに向けて延び、前記ヒンジ部の近傍を通されている。下冷媒管45は、コンデンサ40への接続部から上へ延び、機体前後方向に沿って前へ延び、平面視でボルト42aの近傍を通り、ラジエータフレーム26の前枠状部26bの貫通穴(図示省略)を通って吸気用空間の外へ延びている。すなわち下冷媒管45は、フレーム41の延びる方向に沿ってヒンジ部Aに向けて延び、前記ヒンジ部の近傍を通されている。
フレーム41及びコンデンサ40がラジエータフレーム26から脱離した状態(図8)では、上冷媒管44及び下冷媒管45がフレーム41及びコンデンサ40を支持する。上冷媒管44及び下冷媒管45は可撓性を有しており、フレーム41及びコンデンサ40を任意の位置へ移動させることができるので、コンデンサ40のメンテナンスを容易に行うことができる。また、上冷媒管44及び下冷媒管45をラジエータフレーム26の前枠状部26bの貫通穴(図示省略)から引き出して、フレーム41及びコンデンサ40の可動範囲を拡大することが可能である。
〔オイルクーラ(第3冷却装置)〕
オイルクーラ60は、トランスミッション(図示省略)の作動油を冷却する。オイルクーラ60は、図3に示されるように、オイルクーラ60の下部が機体左右方向視でフレーム41と重複する状態で、ラジエータ17とコンデンサ40との間に配置されている。
オイルクーラ60は、トランスミッション(図示省略)の作動油を冷却する。オイルクーラ60は、図3に示されるように、オイルクーラ60の下部が機体左右方向視でフレーム41と重複する状態で、ラジエータ17とコンデンサ40との間に配置されている。
オイルクーラ60は、ボルトを用いた前後上下の4つの取付部60aにより、着脱可能な状態でフレーム61、62に取り付けられている。フレーム61、62は、上下方向に延びる板状の部材であって、それらの下端がラジエータフレーム26の下枠状部26aに固定されている。フレーム61の上端が、ラジエータフレーム26の斜枠状部26cに固定されている。フレーム62の上端が、ラジエータフレーム26の上枠状部26dに固定されている。
オイルクーラ60の前端部には、作動油(流体)が通流するホースである上作動油管63、及び下作動油管64が接続されている。上作動油管63及び下作動油管64は、運転部7の下方に設けられたトランスミッション(冷却対象装置、図示省略)に接続されている。上作動油管63は、オイルクーラ60への接続部から機体前後方向に沿って前へ延び、ラジエータフレーム26の斜枠状部26cの貫通穴26f(図9)を通って吸気用空間の外へ延びている。下作動油管64は、オイルクーラ60への接続部から機体前後方向に沿って前へ延び、ラジエータフレーム26の前枠状部26bの貫通穴(図示省略)を通って吸気用空間の外へ延びている。
オイルクーラ60は、図10に示されるように、フレーム41及びコンデンサ40をラジエータフレーム26から脱離させた状態(図8)において、ラジエータフレーム26よりも機体左右方向外側へ突出するように移動可能である。すなわちオイルクーラ60は、図9に示される固定状態から、図10に示される脱離状態へ、状態変化が可能である。脱離に際しては、4つの取付部60aによる固定を解除して、オイルクーラ60をフレーム61、62から脱離させる。上作動油管63及び下作動油管64は可撓性を有しており、オイルクーラ60を任意の位置に移動させることができる。特に、オイルクーラ60の後端部(自由端側)がラジエータフレーム26よりも機体左右方向外側へ突出するように(図10)、上作動油管63及び下作動油管64を曲げながらオイルクーラ60を機体前方へ揺動させることができる。
〔インタークーラ(第2冷却装置)〕
インタークーラ80は、冷却風を利用してエンジン16に供給される燃焼用空気を冷却する。インタークーラ80は、図3に示されるように、その下部が機体左右方向視でコンデンサ40と重複する状態で、コンデンサ40と防塵ケース22との間に配置される。
インタークーラ80は、冷却風を利用してエンジン16に供給される燃焼用空気を冷却する。インタークーラ80は、図3に示されるように、その下部が機体左右方向視でコンデンサ40と重複する状態で、コンデンサ40と防塵ケース22との間に配置される。
インタークーラ80の上部は、ボルトを用いた前後の2つの上取付部80aにより、着脱可能な状態で、ラジエータフレーム26の上枠状部26dに取り付けられている。インタークーラ80の下部は、ボルトを用いた前後の2つの下取付部80bにより、着脱可能な状態で、フレーム41に取り付けられている。
インタークーラ80の上端部には、燃焼用空気(流体)が通流するホースである前空気管81、及び後空気管82が接続されている。前空気管81及び後空気管82は、エンジン16(冷却対象装置)に接続されている。前空気管81及び後空気管82は、インタークーラ80への接続部から上へ延び、続いて右へ延び、ラジエータフレーム26の上枠状部26dの貫通穴26gを通って吸気用空間の外へ延びている。
ラジエータフレーム26の上枠状部26dは、貫通穴26gと、前空気管81及び後空気管82を押しつけ固定する固定部材27と、を備えている。図12に示されるように、固定部材27は、板状の部材であって、ボルトにより着脱可能な状態で上枠状部26dに取り付けられている。固定部材27の下端部に形成された凹部27aと上枠状部26dに形成された凹部26hとが組み合わされて、貫通穴26gが形成されている。貫通穴26gは、インタークーラ80に接続される前空気管81及び後空気管82が通る貫通穴である。固定部材27の凹部27aに、パッキン27bが設けられている。上枠状部26dの凹部26hに、パッキン26jが設けられている。
固定部材27がラジエータフレーム26の上枠状部26dに取り付けられた状態(図11の実線、図12)では、固定部材27が前空気管81及び後空気管82を上枠状部26dの上端部に押し付けて、前空気管81及び後空気管82を固定している。固定部材27をラジエータフレーム26の上枠状部26dから取り外した状態(図11の仮想線、図13)では、前空気管81及び後空気管82が可撓性を有することにより、インタークーラ80が上方へ揺動可能な状態(図11の仮想線)となる。詳しくは、図11に仮想線で示されるように、インタークーラ80は、機体前後方向(ヒンジ部Aの揺動軸芯である縦軸芯Y2の延びる方向と交差する方向)に延びる軸芯Y3周りに揺動可能である。
〔他の実施形態〕
(1)本実施形態では、図15に示されるように、オイルクーラ60の後方に副オイルクーラ90が配置されている。副オイルクーラ90は、オイルクーラ60と同様にトランスミッション(冷却対象装置、図示省略)の作動油を冷却する。副オイルクーラ90は、ラジエータ17とコンデンサ40との間に配置されている。
(1)本実施形態では、図15に示されるように、オイルクーラ60の後方に副オイルクーラ90が配置されている。副オイルクーラ90は、オイルクーラ60と同様にトランスミッション(冷却対象装置、図示省略)の作動油を冷却する。副オイルクーラ90は、ラジエータ17とコンデンサ40との間に配置されている。
副オイルクーラ90は、ボルトを用いた前後上下の4つの取付部90aにより、着脱可能な状態でフレーム91及びラジエータフレーム26の後枠状部26eに取り付けられている。フレーム91は、上下方向に延びる板状の部材であって、その上端が、ラジエータフレーム26の上枠状部26dに固定されて、その下端が、ラジエータフレーム26の下枠状部26aに固定されている。
副オイルクーラ90の前端部には、作動油(流体)が通流するホースである上作動油管93、及び下作動油管94が接続されている。上作動油管93及び下作動油管94は、運転部7の下方に設けられたトランスミッション(図示省略)に接続されている。上作動油管93及び下作動油管94は、副オイルクーラ90への接続部から機体前後方向に沿って前へ延びている。
本実施形態では、オイルクーラ60の上作動油管63、及び副オイルクーラ90の上作動油管93は、ラジエータフレーム26の斜枠状部26cに設けられた貫通部Bを通って吸気用空間の外へ延びている。オイルクーラ60の下作動油管64は、ラジエータフレーム26の前枠状部26bに設けられた貫通部Cを通って吸気用空間の外へ延びている。副オイルクーラ90の下作動油管94は、ラジエータフレーム26の前枠状部26bに設けられた貫通部Dを通って吸気用空間の外へ延びている。
〔貫通部B〕
斜枠状部26cの貫通部Bは、図16、図17に示されるように、斜枠状部26cに形成された開口26kと、板状部材95と、により構成されている。板状部材95は、ボルトにより着脱可能な状態で斜枠状部26cに取り付けられている。
斜枠状部26cの貫通部Bは、図16、図17に示されるように、斜枠状部26cに形成された開口26kと、板状部材95と、により構成されている。板状部材95は、ボルトにより着脱可能な状態で斜枠状部26cに取り付けられている。
斜枠状部26cにおける開口26kに臨む端部に、凹部26m、26nが形成されている。板状部材95の端部に、凹部95a、95bが形成されている。凹部26mと凹部95aとが組み合わされて、オイルクーラ60の上作動油管63が通る貫通穴が形成されている。凹部26nと凹部95bとが組み合わされて、副オイルクーラ90の上作動油管93が通る貫通穴が形成されている。斜枠状部26cにおいて、凹部26mにパッキン26pが設けられ、凹部26nにパッキン26qが設けられている。板状部材95において、凹部95aにパッキン95cが設けられ、凹部95bにパッキン95dが設けられている。
板状部材95がラジエータフレーム26の斜枠状部26cに取り付けられることにより、上作動油管63及び上作動油管93が斜枠状部26cに対して固定されている。板状部材95を斜枠状部26cから取り外すと、上作動油管63及び上作動油管93の斜枠状部26cに対する固定が解除され、斜枠状部26cの開口26kを通じて上作動油管63及び上作動油管93を吸気用空間へ引き出すことが可能となる。これにより、オイルクーラ60及び副オイルクーラ90の固定を解除してメンテナンスを行うときに、オイルクーラ60及び副オイルクーラ90の移動の自由度が高められ、メンテナンスが更に容易になる。
図16に示されるように、オイルクーラ60の上作動油管63は、可撓管63aと剛体管63bとを備えている。剛体管63bの先端部が可撓管63aに挿入されており、剛体管63bの先端部は、吸気用空間の外(斜枠状部26cよりも前側)から吸気用空間の内側(斜枠状部26cよりも後側)まで延びている。これにより、上作動油管63の斜枠状部26cに対する固定が確実に行われると共に、オイルクーラ60を揺動させる際(図10)に上作動油管63の可撓管63aに過大な負荷がかかることが抑制される。
〔貫通部C〕
前枠状部26bの貫通部Cは、図18、図19に示されるように、前枠状部26bに形成された開口26rと、継手部材96と、により構成されている。継手部材96は、ボルトにより着脱可能な状態で前枠状部26bに取り付けられている。
前枠状部26bの貫通部Cは、図18、図19に示されるように、前枠状部26bに形成された開口26rと、継手部材96と、により構成されている。継手部材96は、ボルトにより着脱可能な状態で前枠状部26bに取り付けられている。
継手部材96は、板状部位96aと、管状部位96b、96cと、を備えている。図18に示されるように、継手部材96が前枠状部26bに取り付けられた状態において、板状部位96aは、前枠状部26bの後面(吸気用空間の側の面)に沿う姿勢にて、ボルトにより前枠状部26bに固定されている。管状部位96bは、吸気用空間の内部へ突出しており下作動油管64の内側部位64aが接続されている。管状部位96cは、吸気用空間の外部へ突出しており、下作動油管64の外側部位64bが接続されている。
継手部材96がラジエータフレーム26の前枠状部26bに取り付けられることにより、下作動油管64が前枠状部26bに対して固定されている。継手部材96を前枠状部26bから取り外すと、下作動油管64の前枠状部26bに対する固定が解除され、前枠状部26bの開口26rを通じて下作動油管64を吸気用空間へ引き出すことが可能となる。これにより、オイルクーラ60の固定を解除してメンテナンスを行うときに、オイルクーラ60の移動の自由度が高められ、メンテナンスが更に容易になる。
貫通部Dの構成については貫通部Cの構成と同様であるため説明を省略する。
(2)上記の実施形態では、揺動可能且つラジエータフレーム26から脱離可能なフレーム41にコンデンサ40が支持される例が説明されたが、他の冷却装置(例えばオイルクーラ、インタークーラ等)が、揺動可能且つラジエータフレーム26から脱離可能なフレームに支持される形態も可能である。
(3)フレーム41が2つ以上のヒンジ部を介してラジエータフレーム26に支持されてもよい。
(4)コンバインの原動部15に、コンデンサ40、オイルクーラ60、及びインタークーラ80の3つの冷却装置が備えられてもよいし副オイルクーラ90を加えた4つの冷却装置が備えられてもよいし、5つ以上の冷却装置が備えられてもよい。
(5)コンバイン(作業車)のトランスミッションがHST(静油圧式無段変速機構)を備え、オイルクーラ60(及び/又は副オイルクーラ90)が当該HSTの作動油を冷却するよう構成されてもよい。
本発明は、普通型コンバインや自脱型コンバイン等の収穫機、及び、トラクタや田植機等の農用作業車に適用でき、農用作業車だけでなく建設機械等の作業車にも適用できる。
17 :ラジエータ
22 :防塵ケース(防塵部)
40 :コンデンサ(冷却装置、第1冷却装置)
60 :オイルクーラ(冷却装置、第3冷却装置)
80 :インタークーラ(冷却装置、第2冷却装置)
Y2 :軸芯
22 :防塵ケース(防塵部)
40 :コンデンサ(冷却装置、第1冷却装置)
60 :オイルクーラ(冷却装置、第3冷却装置)
80 :インタークーラ(冷却装置、第2冷却装置)
Y2 :軸芯
Claims (1)
- ラジエータと、
前記ラジエータに送風するファンと、
前記ラジエータを支持するラジエータフレームと、
前記ラジエータに送られる風から塵埃を除去する防塵部と、
前記ラジエータと前記防塵部との間に配置される冷却装置と、
前記冷却装置を支持するフレームと、を備える作業車。
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