JP2023035713A - X線診断装置及びx線診断装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】X線診断装置における撮影時のアームの振動を低減することである。【解決手段】本実施形態に係るX線診断装置は、X線発生部及びX線検出部のうち少なくともお一方を保持するアームと、前記アームを回転駆動する駆動部と、前記アームの振動を検出するセンサと、前記センサが検出した振動に基づいて、前記アームの振動を低減させつつ回転駆動を実行するように、前記駆動部による前記アームの回転駆動を制御する、駆動制御部と、を備える。【選択図】図1
Description
本明細書及び図面に開示の実施形態は、X線診断装置及びX線診断装置の制御方法に関する。
従来より、一端にX線発生装置、他端にX線検出器を互いに対向する位置で保持するアームを有するX線診断装置が知られている。このようなX線診断装置は、例えば、循環器の撮影に用いられている。この循環器の撮影に用いられるX線診断装置においては、3D-DSA(Digital Subtraction Angiography)撮影(3次元DSA撮影)が行われており、動作速度の高速化や撮影範囲の拡大のニーズが高まっている。
しかし、X線診断装置のアームは、片持ち構造であるため、アームの回転駆動に起因して、アームに振動が生じやすい。さらに、3D-DSA撮影における動作速度の高速化や撮影範囲の拡大は、アームの振動を増大させるため、振動に起因する画像アーチファクトが生じることとなり、撮影画像の画質が低下することがある。
また、これらの問題は、3D-DSA撮影のほか、R-DSA撮影(回転DSA撮影)その他の回転撮影や、2D-DSA撮影(2次元DSA撮影)等の種々の撮影においても生じている。さらに、これらの問題は、循環器を撮影するX線診断装置だけでなく、***を撮影するマンモグラフィ装置や、消化器等を撮影するX線テレビシステム等、他のX線診断装置においても、同様に生じている。このため、X線診断装置における撮影時のアームの振動を低減することが望まれている。
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、X線診断装置における撮影時のアームの振動を低減することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記の課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係るX線診断装置は、X線発生部及びX線検出部のうち少なくとも一方を保持するアームと、前記アームを回転駆動する駆動部と、前記アームの振動を検出するセンサと、前記センサが検出した振動に基づいて、前記アームの振動を低減させつつ回転駆動を実行するように、前記駆動部による前記アームの回転駆動を制御する、駆動制御部と、を備える。
以下、図面を参照しながら、X線診断装置及びX線診断装置の制御方法の実施形態について説明する。なお、以下の説明において実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行うこととする。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係るX線診断装置1の外観を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態に係るX線診断装置1は、Cアーム11a、11b(以下、特に区別しない場合は、単にCアーム11という)と、Cアーム支持部13a、13b(以下、特に区別しない場合は、単にCアーム支持部13という)と、寝台15とを備える。
図1は、第1実施形態に係るX線診断装置1の外観を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態に係るX線診断装置1は、Cアーム11a、11b(以下、特に区別しない場合は、単にCアーム11という)と、Cアーム支持部13a、13b(以下、特に区別しない場合は、単にCアーム支持部13という)と、寝台15とを備える。
なお、本実施形態では、説明便宜のため、寝台15の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対して水平な方向をX軸方向とする。X軸方向は、寝台の短手方向に対応する。また、Z軸方向に直交し、床面に対して垂直な方向をY軸方向とする。
Cアーム11は、X線発生装置19、X線検出器21等を保持する。Cアーム11は、後述の処理回路による制御の下、回転及び/又はスライドする。また、Cアーム11aとCアーム11bとは、それぞれ別個に回転及び/又はスライド可能である。なお、天井から懸下されたCアーム11bは、ΩアームまたはΩ型アームとも呼ばれる。図1では、X線診断装置1が2本のCアーム11を備えるバイプレーンの例を図示しているが、X線診断装置1は、1本のCアーム11を備えるシングルプレーンの構成であってもよい。Cアーム11は本実施形態におけるアームに相当している。
Cアーム支持部13は、Cアーム11を回転及び/又はスライド自在に支持する。Cアーム支持部13aは、Cアームホルダ131aと、支柱部132aと、床旋回部133aとを備える。Cアームホルダ131aは、Cアーム11aの円弧方向、すなわち図1に示される矢印a1の方向に対してスライド自在にCアーム11aを保持している。また、Cアームホルダ131aは、例えば、Z軸に対して平行な軸である回転軸a2に対して回転自在に、支柱部132aに取り付けられている。なお、Cアームホルダ131aの回転軸a2周りの回転に伴い、Cアーム11aも回転軸a2周りに回転する。
支柱部132aは、例えば、Y軸に対して平行な軸である回転軸a3周りに回転自在に、床旋回部133aに取り付けられている。床旋回部133aは、例えば、一方の端部において、Y軸に対して平行な軸である回転軸a4周りに回転自在に、床面に取り付けられている。床旋回部133aは、他の端部において、支柱部132aを支持している。
Cアーム支持部13bは、Cアームホルダ131bと、支柱部132bとを備えている。Cアームホルダ131bは、Cアーム11bの円弧方向、すなわち図1に示される矢印b1の方向に対してスライド自在にCアーム11bを保持している。また、Cアームホルダ131bは、例えば、Y軸に対して平行な軸である回転軸b2周りに回転自在に、支柱部132bに取り付けられている。なお、Cアームホルダ131bの回転軸b2周りの回転に伴い、Cアーム11bも回転軸b2周りに回転する。
支柱部132bは、Z軸方向に移動自在に取り付けられている。なお、支柱部132bのZ軸方向の移動に伴い、Cアーム11b及びCアームホルダ131bもZ軸方向に移動する。
寝台15は、被検体を載置させるベッドであり、天板15aと、基台15bとを備える。天板15aは、被検体が載置される板である。また、基台15bは、天板15aを支持する筐体である。
図1では、X線診断装置1が2本のCアーム11を備えるバイプレーンの例に挙げて説明しているが、本実施形態は、1本のCアーム11を備えるシングルプレーンのX線診断装置にも適用可能である。このため、以下の説明では、X線診断装置1における1本のCアーム11aに着目して、本実施形態の詳細を説明する。
図2は、本実施形態に係るX線診断装置1の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、Cアーム11aと、寝台15と、X線高電圧装置17と、X線発生装置19と、X線検出器21と、センサ23と、駆動部25と、処理回路27と、入力インターフェース29と、出力インターフェース31と、ディスプレイ33と、記憶回路35とを備える。なお、寝台15の説明は、図1と同様であるため省略する。
Cアーム11aは、X線発生装置19と、X線検出器21とを被検体Pを挟んで対向するように保持する。例えば、Cアーム11aは、処理回路27から受け付けた制御信号に応じて駆動電圧を駆動部25に印加することにより、X線発生装置19及びX線検出器21を被検体Pに対して回転及び/又はスライドさせ、撮影位置及び撮影角度を制御する。
X線高電圧装置17は、処理回路27による制御の下、X線発生装置19に高電圧を供給する。例えば、X線高電圧装置17は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線発生装置19に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線発生装置19が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。なお、高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。
X線発生装置19は、X線を発生させる。具体的には、X線発生装置19は、被検体Pに対してX線を照射するX線管19aと、X線の照射野を限定したり、照射野のうちの一部についてX線を減衰させたりする機能を有するX線絞り19bとを備えている。なお、本実施形態におけるX線発生装置19は、X線発生部の一例である。
X線管19aは、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。X線管19aは、X線高電圧装置17から供給される高電圧を用いて、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することにより、X線を発生する。例えば、X線管19aには、回転する陽極に熱電子を照射することで、X線を発生する回転陽極型のX線管がある。
X線絞り19bは、鉛板等の金属板で構成される。X線絞り19bは、X線管19aが発生したX線の絞りを行い、被検体Pに照射するX線の範囲を制御する。すなわち、X線絞り19bの絞りを絞ることにより、X線の照射範囲を狭くすることができ、逆に、X線絞り19bの絞りを開くことにより、X線の照射範囲を広くすることができる。なお、X線絞り19bは、コリメータと呼ばれる場合もある。
X線検出器21は、例えば、マトリクス状に配列された検出素子を有するX線平面検出器(Flat Panel Detector:FPD)である。X線検出器21は、X線発生装置19から照射されて被検体Pを透過したX線を検出して、検出したX線量に対応した検出信号を処理回路27へと出力する。なお、X線検出器21は、グリッド、シンチレータアレイ及び光センサアレイを有する間接変換型の検出器であってもよいし、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であってもよい。なお、本実施形態におけるX線検出器21は、X線検出部の一例である。
センサ23は、Cアーム11aの振動を検出するセンサであり、例えば、加速度センサやジャイロセンサ等である。センサ23は、X線診断装置1による回転駆動が実行されている際のCアーム11aの振動を検出して、処理回路27へと出力する。
なお、図2では、X線発生装置19にセンサ23が設けられている例を示しているが、センサ23が設けられる箇所は、これに限られない。センサ23は、X線検出器21又は支柱部132a等のCアーム支持部13aに設けられてもよく、X線発生装置19、X線検出器21又はCアーム支持部13aの近傍に、例えば、Cアーム11aに、設けられてもよい。さらに、センサ23は1箇所に設けられる場合に限られず、複数箇所に設けられてもよい。すなわち、センサ23の数は任意であり、X線発生装置19、X線検出器21及びCアーム支持部13a並びにそれらの近傍の少なくとも1箇所に設けられてもよい。
駆動部25は、処理回路27からの駆動信号を読み込んで、Cアーム11aを回転駆動させたり、スライドさせたりするモータやアクチュエータ等により構成される。本実施形態における駆動部25は、駆動機構の一例である。
処理回路27は、このX線診断装置1の全体的な制御を行う制御回路である。また、処理回路27は、各種の演算を行う演算回路であり、例えば、CPUやGPU等のプロセッサにより構成される。本実施形態に係る処理回路27は、例えば、駆動部25を制御したり、Cアーム11aの姿勢を検出したりする。
このため、本実施形態に係る処理回路27は、駆動制御機能27aと、姿勢検出機能27bと、報知機能27cとを有する。駆動制御機能27aは本実施形態における駆動制御部に相当しており、姿勢検出機能27bは本実施形態における姿勢検出部に相当しており、報知機能27cは本実施形態における報知部に相当している。
入力インターフェース29は、例えば、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路27に出力する。例えば、入力インターフェース29は、被検体Pに関する情報の入力や被検体Pを撮影する際の撮影条件等の撮影情報等を受け付ける。この入力インターフェース29は、例えば、マウスやキーボード、トラックボール、手動スイッチ、フットスイッチ、ボタン、ジョイスティック等により実現される。なお、入力インターフェース29は、X線診断装置1本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
出力インターフェース31は、例えば、処理回路27から供給された信号を出力する。この出力インターフェース31は、例えば、ランプ等のインジケータや音声を出力するスピーカー等により実現される。
ディスプレイ33は、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等であり、各種の情報を表示する。ディスプレイ33は、例えば、入力インターフェース29を介してユーザから各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。なお、ディスプレイ33は、デスクトップ型でもよいし、X線診断装置1の本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしてもよい。
記憶回路35は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。本実施形態においては、例えば、記憶回路35は、X線診断装置1に含まれる回路で実行されるプログラムやセンサ23が検出した回転駆動によるCアーム11aの振動を記憶する。記憶回路35は本実施形態における記憶部に相当している。
図3及び図4は、本実施形態に係るX線診断装置1で実行されるアーム駆動制御処理の内容を説明するフローチャート図である。このアーム駆動制御処理では、センサ23が検出した振動に基づいて、Cアーム11aの振動を低減させるタイミングで回転駆動を開始したり、回転駆動開始後のCアーム11aの回転駆動を制御したりする。例えば、このアーム駆動制御処理は、入力インターフェース29を介してユーザが選択した撮影情報を取得した場合に実行される処理である。
図3に示すように、まず、X線診断装置1は、撮影情報を取得する(ステップS11)。この撮影情報を取得する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、ユーザが入力インターフェース29を介して選択した撮影情報を取得する。
撮影情報とは、X線診断装置1によって行われる撮影に関する情報である。撮影情報は、例えば、R-DSA撮影や3D-DSA撮影、2D-DSA撮影等の実行される回転撮影に関する情報や、撮影部位及び撮影方向に関する情報等を含んでいる。以下、本実施形態におけるアーム駆動制御処理の説明では、3D-DSA撮影を実行する場合を例に挙げて説明する。
次に、図3に示すように、X線診断装置1は、Cアーム11aを撮影開始位置へ移動する(ステップS13)。このCアーム11aを撮影開始位置へ移動する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS11において取得した撮影情報に基づいて、駆動部25を駆動制御し、Cアーム11aを3D-DSA撮影の開始位置へ移動する。
次に、図3に示すように、X線診断装置1は、撮影開始位置におけるCアーム11aの姿勢を検出する(ステップS15)このCアーム11aの姿勢を検出する処理は、処理回路27における姿勢検出機能27bにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS11において取得した撮影情報及び/又はステップS13におけるCアーム11aの駆動制御に関する情報から、撮影開始位置におけるCアーム11aの姿勢を検出する。
なお、X線診断装置1は、ステップS11において取得した撮影情報及び/又はステップS13におけるCアーム11aの駆動制御に関する情報から、撮影開始位置におけるCアーム11aの姿勢を検出したが、X線診断装置1は、Cアームの姿勢を検出する姿勢検出器により、撮影開始位置におけるCアーム11aの姿勢を検出してもよい。姿勢検出器は、例えば、回転角や移動量を検出するポテンショメータや、位置検出センサであるエンコーダ、加速度センサ、ジャイロセンサ等である。
次に、図3に示すように、X線診断装置1は、Cアーム11aの振動を検出するセンサ23を選択する(ステップS17)。このセンサ23を選択する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。すなわち、X線診断装置1は、複数のセンサ23を備えている。そして、X線診断装置1は、ステップS15において検出したCアーム11aの姿勢に基づいて、Cアーム11aの振動を検出するセンサ23を選択する。
図5乃至図7は、本実施形態に係るX線診断装置1において、Cアーム11aの振動を検出するセンサ23の選択を説明する説明図である。まず、図5に基づき、X線診断装置1における撮影画像の収集方法について説明する。X線診断装置1は、ステップS11において取得した撮影情報に基づいて、駆動制御機能27aから駆動信号が入力された駆動部25により、Cアーム11aをa1方向にスライドさせる。これによりCアーム11aの撮影方向を決定する。そして、ユーザが入力インターフェース29を介して3D-DSA撮影の開始を指示入力した場合、X線診断装置1は、回転軸a2を中心にCアームホルダ131a及びCアーム11aを回転駆動させて、X線を照射しつつ、X線検出器21により、複数の角度における撮影画像を収集する。
次に、Cアーム11aの振動を検出するセンサ23の選択について説明する。図5に示すX線診断装置1は、X線検出器21に設けられたセンサ23Aと、X線発生装置19に設けられたセンサ23Bと、支柱部132aに設けられたセンサ23Cとを備えている。図5に示すX線診断装置1は、Cアーム11aがa1方向にスライドしていない状態、つまりホームポジションにある状態を示している。Cアーム11aがa1方向にスライドしていない状態では、Cアームホルダ131aがCアーム11aを支持する箇所から、センサ23A及びセンサ23Bまでの距離はおおよそ等しい。
そのため、センサ23A及びセンサ23Bに作用するモーメント荷重の差は小さく、X線発生装置19における振動状態とX線検出器21における振動状態は略同じ傾向を示す。したがって、ステップS17において、Cアーム11aがスライドしていない場合、Cアーム11aの振動を検出するセンサとして、X線検出器21に設けられたセンサ23A又はX線発生装置19に設けられたセンサ23Bのいずれかを選択する。
なお、ステップS17において、Cアーム11aがスライドしていない場合、Cアーム11aの振動を検出するセンサとして、X線検出器21に設けられたセンサ23A及びX線発生装置19に設けられたセンサ23Bの両方を選択するようにしてもよい。また、ステップS17において、Cアーム11aがスライドしていない場合、Cアーム11aの振動を検出するセンサとして、X線検出器21に設けられたセンサ23A又はX線発生装置19に設けられたセンサ23Bに代えて、支柱部132aに設けられたセンサ23Cを選択してもよい。
図6に示すX線診断装置1は、図5に示すX線診断装置1と同様に、X線検出器21に設けられたセンサ23Aと、X線発生装置19に設けられたセンサ23Bと、支柱部132aに設けられたセンサ23Cとを備えている。図6に示すX線診断装置1は、Cアーム11aをa1方向の反時計回りに、つまりX線検出器21を突き出す方向に、90度スライドした状態である。Cアーム11aを反時計回りに90度スライドした状態では、センサ23Bが設けられたX線発生装置19は、Cアームホルダ131aがCアーム11aを支持する箇所に近づくため、Cアームホルダ131aがCアーム11aを支持する箇所からセンサ23Bまでの距離が小さくなる。
そのため、X線発生装置19に設けられたセンサ23Bに作用するモーメント荷重は小さくなり、3D-DSA撮影において回転軸a2周りにCアーム11aが回転駆動した場合、X線発生装置19における振動状態も小さくなる。
一方、センサ23Aが設けられたX線検出器21は、Cアームホルダ131aがCアーム11aを支持する箇所から突き出た状態となるため、Cアームホルダ131aがCアーム11aを支持する箇所からセンサ23Aまでの距離が大きくなる。そのため、X線検出器21に設けられたセンサ23Aに作用するモーメント荷重は大きくなり、3D-DSA撮影において回転軸a2周りにCアーム11aが回転駆動した場合、X線検出器21における振動状態は大きくなる。
したがって、ステップS15において検出したCアーム11aの姿勢が、Cアーム11aを反時計回りに90度スライドした状態である場合、X線診断装置1は、X線検出器21に設けられたセンサ23Aを選択する。これにより、Cアーム11aの振動を容易に検出することができ、選択されたセンサ23Aにより検出されたCアーム11aの振動を駆動制御に活用することができる。
なお、図6において、X線診断装置1がCアーム11aを反時計回りに90度スライドした状態を説明したが、反時計回りにスライドする角度は、0度より大きく90度以下であってもよく、Cアーム11aを反時計回りに0度より大きく90度以下でスライドした状態において、センサ23Aを選択するようにしてもよい。また、X線診断装置1がCアーム11aを反時計回りに90度スライドした状態において、センサ23Aに代えて、センサ23Cを選択するようにしてもよい。
図7に示すX線診断装置1は、図5及び図6に示すX線診断装置1と同様に、X線検出器21に設けられたセンサ23Aと、X線発生装置19に設けられたセンサ23Bと、支柱部132aに設けられたセンサ23Cとを備えている。図7に示すX線診断装置1は、Cアーム11aをa1方向の時計回りに、つまりX線発生装置19を突き出す方向に、90度スライドした状態である。この場合、センサ23Aが設けられたX線検出器21は、Cアームホルダ131aがCアーム11aを支持する箇所に近づくため、Cアームホルダ131aがCアーム11aを支持する箇所からセンサ23Aまでの距離が小さくなる。
そのため、X線検出器21に設けられたセンサ23Aに作用するモーメント荷重は小さくなり、3D-DSA撮影において回転軸a2周りにCアーム11aが回転駆動した場合、X線検出器21における振動状態も小さくなる。
一方、センサ23Bが設けられたX線発生装置19は、Cアームホルダ131aがCアーム11aを支持する箇所から突き出た状態となるため、Cアームホルダ131aがCアーム11aを支持する箇所からセンサ23Bまでの距離が大きくなる。そのため、X線発生装置19に設けられたセンサ23Bに作用するモーメント荷重は大きくなり、3D-DSA撮影において回転軸a2周りにCアーム11aが回転駆動した場合、X線発生装置9における振動状態は大きくなる。
したがって、ステップS15において検出したCアーム11aの姿勢が、Cアーム11aを時計回りに90度スライドした状態である場合、X線診断装置1は、X線検出器21に設けられたセンサ23Bを選択する。これにより、Cアーム11aの振動を容易に検出することができ、選択されたセンサ23Bにより検出されたCアーム11aの振動を駆動制御に活用することができる。
なお、図7において、X線診断装置1がCアーム11aを時計回りに90度スライドした状態を説明したが、時計回りにスライドする角度は、0度より大きく90度以下であってもよく、Cアーム11aを時計回りに0度より大きく90度以下でスライドした状態において、センサ23Bを選択するようにしてもよい。また、X線診断装置1がCアーム11aを反時計回りに90度スライドした状態において、センサ23Bに代えて、センサ23Cを選択するようにしてもよい。
図3に戻り、X線診断装置1は、センサ23によるCアーム11aの振動の検出を開始する(ステップS19)。このセンサ23によるCアーム11aの振動の検出を開始する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS17で選択したセンサ23によるCアーム11aの振動の検出を開始する。
次に、図3に示すように、X線診断装置1は、マスク像撮影を開始する(ステップS21)。このマスク像撮影を開始する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、駆動制御機能27aから駆動部25へ駆動信号を出力し、マスク像撮影におけるCアーム11aの回転駆動を開始する。
マスク像撮影とは、3D-DSA撮影において造影剤注入前に行う撮影である。マスク像撮影は、例えば、3D-DSA撮影の開始位置から回転軸a2周りにCアーム11aを200度回転駆動しつつ、X線発生装置19及びX線検出器21により撮影画像を収集することである。
次に、図3に示すように、X線診断装置1は、マスク像撮影を終了する(ステップS23)。このマスク像撮影を終了する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、マスク像撮影を開始後、回転軸a2周りにCアーム11aを例えば200度回転駆動することにより、Cアーム11aの回転駆動を終了する。なお、マスク像撮影において、Cアーム11aの回転駆動を行う角度は任意である。例えば、Cアーム11aの回転駆動を行う角度は、180度以上200度より小さい角度でもよく、さらには200度以上の角度であってもよい。
次に、図3に示すように、X線診断装置1は、マスク像撮影時における回転駆動によるCアーム11aの振動を記憶回路35に格納する(ステップS25)。この記憶回路35に格納する処理は、駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、センサ23が検出したCアーム11aの振動のうち、マスク像撮影の開始からマスク像撮影の終了までの振動について、回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データとして記憶回路35に格納する。このセンサ23が検出した振動は、マスク像撮影の開始から終了まで、順次、記憶回路35に格納するようにしてもよいし、或いは、マスク像撮影が終了してから、一括して、記憶回路35に格納するようにしてもよい。
図8は、本実施形態に係るX線診断装置1において、記憶回路35に格納される回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データの一例を説明する説明図である。この図8に示す波形は、Cアーム11aが回転駆動を開始してから停止するまでの振動状態を示す。
図8に示すように、Cアーム11aの駆動開始後、Cアーム11aが一定の速度に立ち上がるまでの起動時、及びCアーム11aが減速を開始して停止するまでの停止時において、Cアーム11aに加速度が作用するため、Cアーム11は大きく振動している。また、Cアーム11aが一定の速度で回転駆動している駆動中において、Cアーム11aに加速度が作用しないため、起動時及び停止時と比較して、Cアーム11は小さく振動している。
次に、図3に示すように、X線診断装置1は、回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データを記憶回路35から取得する(ステップS27)。この振動データを記憶回路35から取得する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS25において格納した回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データを取得する。
なお、図3及び図4に示すアーム駆動制御処理においては、マスク像撮影の都度、回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データをセンサ23により収集することしたが、必ずしも、マスク像撮影の都度、この振動データを収集する必要はない。例えば、1日に1回、1週間に1回というような頻度で、マスク像撮影を行った際の回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データを収集し、記憶回路35に格納しておくようにしてもよい。これは、回転駆動によるCアーム11aの振動の傾向は、およそ定常的なものであり、マスク像撮影の都度、振動データを収集する必要はないという考えに基づいている。この場合、ステップS25は省略することが可能である。そして、ステップS27においては、ステップS25で格納した回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データに代えて、事前に収集されて既に記憶回路35に記憶されている回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データを取得する。
次に、図3に示すように、X線診断装置1は、センサ23によりリアルタイムで検出される振動と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データを比較する(ステップS29)。このセンサ23がリアルタイム検出している振動と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データを比較する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS19において振動の検出を開始したセンサ23によりリアルタイムで検出される振動と、ステップS27において取得した回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データを比較する。
次に、図3に示すように、X線診断装置1は、センサ23がリアルタイムで検出している振動の位相と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とが逆位相になっているか否かの判定を行う(ステップS31)。このセンサ23がリアルタイムで検出している振動の位相と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とが逆位相になっているか否かの判定する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。
そして、センサ23によりリアルタイムで検出される振動の位相と、回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とが逆位相になっていない場合(ステップS31:No)には、X線診断装置1は、ステップS29に戻り、このステップS29からの処理を繰り返して待機する。つまり、X線診断装置1は、これら2つの振動の位相が、逆位相になるタイミングを見計らう。
一方、ステップS31において、センサ23がリアルタイムで検出している振動の位相と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とが逆位相になっている場合(ステップS31:Yes)には、X線診断装置1は、リターン動作を開始する(ステップS33)。このリターン動作を開始する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。
具体的には、X線診断装置1は、センサ23が実際に検出している振動の位相と、予め取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とが逆位相となるタイミングで、駆動制御機能27aが駆動部25へ駆動信号を出力し、リターン動作におけるCアーム11aの回転駆動を開始する。ここで、リターン動作とは、マスク像撮影の終了位置から、マスク像撮影の開始位置と同じ位置であるコントラスト像撮影の開始位置へCアーム11aを回転駆動することである。
図9は、本実施形態に係るX線診断装置1において、リターン動作を開始するタイミングを説明する説明図である。この図9に示す波形は、ステップS27で取得した、マスク像撮影を開始してから終了するまでにセンサ23が検出したCアーム11aの振動状態を示す波形である。
図9において、回転駆動開始後、回転駆動によるCアーム11aの振動の振幅は谷から山に変化する。そのため、図9中に点線で示すように、マスク像撮影終了後、Cアーム11aの停止時において、例えば、センサ23によりリアルタイムで検出される振動が山となるタイミングで、振動加速度と逆方向の加速度が生じるリターン動作を開始する。リターン動作を開始しても、実際に、Cアーム11aの回転駆動で動き出すまでには、僅かなタイムラグがあるため、実際にCアームが動き出すまでの時間を加味したタイミングでリターン動作を開始し、振動の山とリターン動作の開始による逆方向の加速度が作用するタイミングが一致するように制御する。これにより、回転駆動によるCアーム11aの振動の山と、センサ23によりリアルタイムで検出される振動の山とが重ならず、Cアーム11aの振動を低減することができる。
次に、図4に示すように、X線診断装置1は、センサ23によりリアルタイムで検出される振動の位相と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相が強め合わない位相関係となるようにCアーム11aを制御する(ステップS35)。このCアーム11aを制御する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、リターン動作中において、センサ23によりリアルタイムで検出される振動の位相と、予め取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とを比較し、センサ23によりリアルタイムで検出される振動の振幅が山の時に、予め取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の振幅が山とならないようにCアーム11aの回転駆動を制御する。
次に、図4に示すように、X線診断装置1は、リターン動作を終了する(ステップS37)。このリターン動作を終了する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、Cアーム11aがステップS21におけるマスク像開始位置と同じ位置に配置されたとき、X線診断装置1は、リターン動作を終了する。
次に、図4に示すように、X線診断装置1は、センサ23がリアルタイムで検出している振動と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データを比較する(ステップS39)。このセンサ23が検出している振動と、回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データを比較する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、ステップS29と同様に、X線診断装置1は、ステップS19において振動の検出を開始したセンサ23が実際に検出している振動と、ステップS27において取得した回転駆動によるCアーム11aの振動に係る振動データを比較する。
次に、図4に示すように、X線診断装置1は、センサ23がリアルタイムで検出している振動の位相と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とが逆位相になっているか否かの判定を行う(ステップS41)。このセンサ23が検出している振動の位相と、回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とが逆位相になっているか否かの判定する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。
そして、センサ23が実際に検出している振動の位相と、予め取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とが逆位相になっていない場合(ステップS41:No)には、X線診断装置1は、ステップS39に戻り、ステップS39からの処理を繰り返して待機する。つまり、X線診断装置1は、これら2つの振動が、逆位相になるタイミングを見計らう。
一方、ステップS41において、センサ23が実際に検出している振動の位相と、予め取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とが逆位相になっている場合(ステップS41:Yes)には、X線診断装置1は、コントラスト像撮影を開始する(ステップS33)。このコントラスト像撮影を開始する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、駆動制御機能27aが駆動部25へ駆動信号を出力し、コントラスト像撮影におけるCアーム11aの回転駆動を開始する。
ここで、コントラスト像撮影とは、3D-DSA撮影において造影剤注入後に行う撮影である。コントラスト像撮影では、例えば、回転軸a2周りにCアーム11aを200度回転駆動しつつ、X線発生装置19及びX線検出器21により回転撮影を実行する。
次に、図4に示すように、X線診断装置1は、センサ23によりリアルタイムで検出される振動の位相と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相が強め合わない位相関係となるように制御する(ステップS45)。このセンサ23により検出される振動の位相と、回転駆動によるCアーム11aの振動の位相が強め合わない位相関係となるように制御する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、ステップS35と同様に、X線診断装置1は、コントラスト像撮影において、センサ23によりリアルタイムで検出される振動の位相と、予め取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とを比較し、センサ23によりリアルタイムで検出される振動の振幅が山の時に、回転駆動によるCアーム11aの振動の振幅が山とならないようにCアーム11aの回転駆動を制御する。
次に、図4に示すように、X線診断装置1は、コントラスト像撮影を終了する(ステップS23)。このコントラスト像撮影を終了する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、ステップS43においてコントラスト像撮影を開始してから、例えばCアーム11aを200度回転駆動することにより、Cアーム11aの回転駆動を終了して、コントラスト像撮影を終了する。
なお、コントラスト像撮影において、マスク像撮影と同様に、Cアーム11aの回転駆動を行う角度は任意である。例えば、Cアーム11aの回転駆動を行う角度は、180度以上200度より小さい角度でもよく、さらには200度以上の角度であってもよい。また、コントラスト像撮影におけるCアーム11aの回転駆動を行う角度と、マスク像撮影におけるCアーム11aの回転駆動を行う角度とは、一致していることが望ましいが、必ずしも一致している必要もない。
次に、図4に示すように、X線診断装置1は、センサ23によるCアーム11aの振動の検出を終了する(ステップS49)。このセンサ23によるCアーム11aの振動の検出を終了する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。このステップS49を実行することにより、本実施形態に係るアーム駆動制御処理を終了する。
次に、本実施形態におけるX線診断装置1が実行する、センサ23により検出されるCアーム11aの振動が収まったことをユーザに報知する報知処理について説明する。図10は、本実施形態に係るX線診断装置1で実行される報知処理の内容を説明するフローチャート図である。この報知処理では、Cアーム11aの回転駆動が終了したときに、センサ23により検出されるCアーム11aの振動が収まったことを、ユーザに報知する。本実施形態において、例えば、この報知処理は、Cアーム11aの回転駆動が開始した場合に実行される処理である。
図10に示すように、まず、X線診断装置1は、Cアーム11aの回転駆動が終了したか否かを判定する(ステップS51)。このCアーム11aの回転駆動が終了したか否かを判定する処理は、処理回路27における報知機能27cにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、Cアーム11aの回転駆動が終了していない場合(ステップS51:No)には、Cアーム11aの回転駆動が終了するまで、このステップS51の処理を繰り返して待機する。Cアーム11aの回転駆動が終了するとは、例えば、マスク像撮影やコントラスト像撮影、リターン動作などの一方向へのCアーム11aの回転駆動が終わった場合等である。
一方、ステップS51において、Cアーム11aの回転駆動が終了した場合(ステップS51:Yes)、X線診断装置1は、センサ23がリアルタイムで検出するCアーム11aの振動を取得する(ステップS53)。このセンサ23がリアルタイムで検出するCアーム11aの振動を取得する処理は、処理回路27における報知機能27cにより実現される。なお、複数のセンサ23がX線診断装置1に設けられている場合、複数のセンサ23の振動を取得するようにしてもよく、1箇所のセンサ23の振動を取得するようにしてもよい。
次に、図10に示すように、X線診断装置1は、Cアーム11aの振動が収まったか否かを判定する(ステップS55)。このCアーム11aの振動が収まったか否かを判定する処理は、処理回路27における報知機能27cにより実現される。具体的には、S53で取得した振動に基づいて、Cアーム11aの振動が収まっていない場合(ステップS55:No)には、X線診断装置1は、Cアーム11aの振動が収まったことを報知しない(ステップS57)。ここで、Cアーム11aの振動が収まったとは、センサ23が検出したCアーム11aの振動が無くなった状態に限られず、センサ23が検出したCアーム11aの振動の振幅が設定値以下となった状態を含んでいる。
但し、X線診断装置1は、Cアーム11aの振動が収まっていないことを報知するようにしてもよい。例えば、出力インターフェース31を介して、ユーザに対し、ランプを光らせたり、音声を出力したりして、Cアーム11aの振動が収まっていないことを報知してもよい。或いは、ディスプレイ33を介して、ユーザに対し、文字情報を表示して、Cアーム11aの振動が収まっていないことを報知してもよい。
一方、ステップS55において、Cアーム11aの振動が収まった場合(ステップS55:Yes)、X線診断装置1は、Cアーム11aの振動が収まったことを報知する(ステプS59)。例えば、出力インターフェース31を介して、ユーザに対し、ランプを光らせたり、音声を出力したりして、Cアーム11aの振動が収まったことを報知してもよい。或いは、ディスプレイ33を介して、ユーザに対し、文字情報を表示して、Cアーム11aの振動が収まったことを報知してもよい。
次に、図10に示すように、X線診断装置1は、Cアーム11aの駆動が開始されたか否かを判定する(ステップS61)。このCアーム11aの駆動が開始されたか否かの判定する処理は、処理回路27における報知機能27cにより実現される。そして、Cアーム11aの駆動が開始されていない場合(ステップS61:No)には、上述したステップS53に戻り、このステップS53からの処理を繰り返す。
一方、Cアーム11aの駆動が開始された場合(ステップS61:Yes)、本実施形態に係る報知処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係るX線診断装置1によれば、センサ23によりリアルタイムで検出されるCアーム11aの振動と、予め取得した回転駆動によるCアーム11aの振動とを比較して、センサ23によりリアルタイムで検出されるCアーム11aの振動と、予め取得した回転駆動によるCアーム11aの振動とが逆位相となるタイミングで、Cアーム11aの回転駆動を開始することとしたので、Cアーム11aの振動を低減させつつ回転駆動を実行することができる。すなわち、本実施形態においては、センサ23によりリアルタイムで検出されるCアーム11aの振動の振幅が山のタイミングで、Cアーム11aの回転駆動を開始するので、回転駆動によるCアーム11aの振動の振幅が山となるとき、センサ23により検出される実際の振動の振幅が谷となるため、Cアーム11aの振動が増大することなく、画像アーチファクトの発生を抑制することができる。
さらに、X線診断装置1は、Cアーム11aの回転駆動の動作中において、センサ23によりリアルタイムで検出されるCアーム11aの振動と、予め取得した回転駆動によるCアーム11aの振動とを比較して、センサ23によりリアルタイムで検出されるCアーム11aの振動と、予め取得した回転駆動によるCアーム11aの振動とが強め合わない関係となるようにCアーム11aを制御することとしたので、Cアーム11aの回転駆動の動作中においても、Cアーム11aの振動を低減させつつ回転駆動を実行することができる。
また、X線診断装置1は、Cアーム11aの振動が収まったことを、ユーザに対して報知するようにしたので、Cアーム11aの振動を低減させるタイミングをユーザは容易に把握することができる。すなわち、本実施形態においては、Cアーム11aの回転駆動が終わって、Cアーム11aが停止している状態で、Cアーム11aの振動を検出し続け、このCアーム11aの振動の振幅が所定値以下となった場合には、ユーザにCアーム11aの振動が収まったことを報知する。このため、ユーザは、マニュアル操作でも、Cアーム11aの回転駆動の開始のタイミングを容易に計ることができる。
〔第2実施形態〕
上述した第1実施形態に係るX線診断装置1においては、センサ23がリアルタイムで検出しているCアーム11aの振動と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動を比較して、センサ23がリアルタイムで検出している振動の位相と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とが逆位相となっているタイミングで、リターン動作やコントラスト像撮影を開始していたが、これに限られない。第2実施形態においては、センサ23がリアルタイムで検出しているCアーム11aの振動に基づいて、Cアーム11aの振動が収まっているタイミングで、リターン動作やコントラスト像撮影を開始するX線診断装置1を説明する。以下、上述した第1実施形態とは異なる部分を説明する。なお、本実施形態に係るX線診断装置1の構成は、図1及び図2と同等であるので説明を省略する。
上述した第1実施形態に係るX線診断装置1においては、センサ23がリアルタイムで検出しているCアーム11aの振動と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動を比較して、センサ23がリアルタイムで検出している振動の位相と、ステップS27で取得した回転駆動によるCアーム11aの振動の位相とが逆位相となっているタイミングで、リターン動作やコントラスト像撮影を開始していたが、これに限られない。第2実施形態においては、センサ23がリアルタイムで検出しているCアーム11aの振動に基づいて、Cアーム11aの振動が収まっているタイミングで、リターン動作やコントラスト像撮影を開始するX線診断装置1を説明する。以下、上述した第1実施形態とは異なる部分を説明する。なお、本実施形態に係るX線診断装置1の構成は、図1及び図2と同等であるので説明を省略する。
図11及び図12は、本実施形態に係るX線診断装置1で実行されるアーム駆動制御処理の内容を説明するフローチャート図であり、上述した第1実施形態における図3及び図4に対応する図である。このアーム駆動制御処理では、センサ23が検出した振動に基づいて、Cアーム11aの振動を低減させるタイミングで回転駆動を開始したり、回転駆動開始後のCアーム11aの回転駆動を制御したりする。例えば、このアーム駆動制御処理は、入力インターフェース29を介してユーザが選択した撮影情報を取得した場合に実行される処理である。
図11において示す本実施形態に係るアーム駆動制御処理において、ステップS11からステップS27までの処理は、上述した第1実施形態のアーム駆動制御処理と同様である。そして、ステップS27の後、本実施形態において、X線診断装置1は、Cアーム11aの振動が収まったか否かを判定する(ステップS101)。このCアーム11aの振動が収まったか否かを判定する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。
具体的には、X線診断装置1は、センサ23がリアルタイムで検出するCアーム11aの振動に基づいて、Cアーム11aの振動が収まっていないと判定した場合(ステップS101:No)、Cアーム11aの振動が収まるまで、このステップS101の処理を繰り返して待機する。ここで、Cアーム11aの振動が収まったとは、センサ23が検出したCアーム11aの振動が無くなった状態に限られず、センサ23が検出したCアーム11aの振動の振幅が設定値以下となった状態を含んでいる。
一方、ステップS101において、センサ23がリアルタイムで検出するCアーム11aの振動に基づいて、Cアーム11aの振動が収まっていると判定した場合(ステップS101:Yes)、リターン動作を開始する(ステップS33)。このステップS33以降のステップS33からステップS43までの処理は、上述した第1実施形態と同様である。
次に、図12に示すように、Cアーム11aの振動が収まったか否かを判定する(ステップS103)。このCアーム11aの振動が収まったか否かを判定する処理は、処理回路27における駆動制御機能27aにより実現される。具体的には、X線診断装置1は、センサ23がリアルタイムで検出するCアーム11aの振動に基づいて、Cアーム11aの振動が収まっていないと判定した場合(ステップS103:No)、Cアーム11aの振動が収まるまで、このステップS103の処理を繰り返して待機する。
一方、ステップS103において、センサ23がリアルタイムで検出するCアーム11aの振動に基づいて、Cアーム11aの振動が収まっていると判定した場合(ステップS103:Yes)、コントラスト像撮影を開始する(ステップS43)。このステップS33以降のステップS43からステップS49までの処理は、上述した第1実施形態と同様であり、ステップS49において、センサ23による振動の検出を終了した後、本実施形態に係るアーム駆動制御処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係るX線診断装置1においては、センサ23によりリアルタイムで検出されるCアーム11aの振動が収まったタイミングで、Cアーム11aの回転駆動を開始することとしたので、センサ23によりリアルタイムで検出されるCアーム11aの振動と、回転駆動によるCアーム11aの振動とが強め合うことなく、確実にCアーム11aの振動を低減することができる。すなわち、本実施形態においては、センサ23によりリアルタイムで検出されるCアーム11aの振動の振幅が、設定値以下に収まったタイミングで、Cアーム11aの回転駆動を開始するので、回転駆動によるCアーム11aの振動の振幅が山となるとき、センサ23によりリアルタイムで検出されるCアーム11aの振動の振幅が小さいため、Cアーム11aの振動が増大することなく、画像アーチファクトの発生を抑制することができる。
〔第1実施形態及び第2実施形態の変形例〕
上述した第1実施形態及び第2実施形態のX線診断装置1は、マスク像撮影終了後、コントラスト像撮影を開始することも可能である。この場合、リターン動作は省略されることとなる。このため、例えば、アーム駆動制御処理から、ステップS33からステップS41を省略することとなり、X線診断装置1が、ステップS31において、逆位相であると判定した場合には、ステップS43におけるコントラスト像撮影を開始するようにしてもよい。
上述した第1実施形態及び第2実施形態のX線診断装置1は、マスク像撮影終了後、コントラスト像撮影を開始することも可能である。この場合、リターン動作は省略されることとなる。このため、例えば、アーム駆動制御処理から、ステップS33からステップS41を省略することとなり、X線診断装置1が、ステップS31において、逆位相であると判定した場合には、ステップS43におけるコントラスト像撮影を開始するようにしてもよい。
また、X線診断装置1の1箇所にのみセンサ23が設けられていてもよい。この場合、Cアーム11aの姿勢を検出する処理、及びセンサ23を選択する処理は省略されることとなる。このため、例えば、アーム駆動制御処理からステップS15及びステップS17を省略することとなり、X線診断装置1は、ステップS13におけるCアーム11aが3D-DSA撮影の開始位置へ移動した後、ステップS19におけるセンサ23によるCアーム11aの振動の検出を開始するようにしてもよい。
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態のX線診断装置1では、Cアーム11aを備えたX線診断装置1を用いて説明を行ったが、Cアーム11bを備えたX線診断装置1にも、両実施形態は応用可能である。
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態において、Cアーム11aがX線発生装置19及びX線検出器21の両方を保持するものとして説明したが、実施形態はこれに限られない。すなわち、両実施形態は、X線発生装置及びX線検出器のうち少なくとも一方を保持するアームについても、応用が可能である。例えば、マンモグラフィ装置やX線テレビシステムには、アームがX線発生装置のみを保持するものが存在するところ、このような装置にも両実施形態は応用可能である。
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することにより機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成して構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、プロセッサは、プロセッサ単一の回路として構成されている場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて、1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図2における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合して、その機能を実現するようにしてもよい。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置及び方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置及び方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲及びこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
1…X線診断装置、11a、11b…Cアーム、13a、13b…Cアーム支持部、15…寝台、17…X線高電圧装置、19…X線発生装置、21…X線検出器、23…センサ、25…駆動部、27…処理回路、29…入力インターフェース、31…出力インターフェース、33…ディスプレイ、35…記憶回路
Claims (11)
- X線発生部及びX線検出部のうち少なくとも一方を保持するアームと、
前記アームを回転駆動する駆動部と、
前記アームの振動を検出するセンサと、
前記センサが検出する振動に基づいて、前記アームの振動を低減させつつ回転駆動を実行するように、前記駆動部による前記アームの回転駆動を制御する、駆動制御部と、
を備えるX線診断装置。 - 前記駆動制御部は、前記センサが検出した振動に基づいて、前記アームの振動を低減させるタイミングで回転駆動を開始させる、請求項1に記載のX線診断装置。
- 前記駆動制御部は、回転駆動による前記アームの振動の位相と、前記センサによりリアルタイムで検出される前記アームの振動の位相とが、強め合わない位相関係となるように、前記アームの回転駆動を制御する、請求項2に記載のX線診断装置。
- 前記アームの振動を低減させるタイミングは、回転駆動による前記アームの振動の位相と、前記センサによりリアルタイムで検出される前記アームの振動の位相とが、逆位相となるタイミングである、請求項2又は請求項3に記載のX線診断装置。
- 前記アームの振動を低減させるタイミングは、前記センサによりリアルタイムで検出される前記アームの振動が収まったタイミングである、請求項2又は請求項3に記載のX線診断装置。
- 前記回転駆動は、マスク像撮影と、コントラスト像撮影を含み、
前記センサは、前記マスク像撮影において、回転駆動による前記アームの振動を検出し、
前記駆動制御部は、前記マスク像撮影時に検出された回転駆動による前記アームの振動と、前記センサによりリアルタイムで検出される前記アームの振動に基づいて、前記コントラスト像撮影を開始させるタイミングを制御する、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のX線診断装置。 - 前記アームの姿勢を検出する姿勢検出部を、更に備えているとともに、
前記センサは複数設けられており、
前記駆動制御部は、前記姿勢検出部が検出した前記アームの姿勢に基づいて、複数のセンサのうちの1又は複数のセンサを選択し、選択されたセンサにより検出された前記アームの振動の位相に基づいて、前記回転駆動を開始させるタイミングを制御する、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のX線診断装置。 - 前記センサが検出する振動に基づいて、前記アームの振動が収まったか否かを判定し、前記アームの振動が収まった場合に、前記アームの振動が収まったことを報知する報知部を更に備える、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のX線診断装置。
- 前記アームを支える支柱部を更に備え、
前記センサは、前記X線発生部、前記X線検出部及び前記支柱部並びにそれらの近傍の少なくとも1箇所に設けられる、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のX線診断装置。 - 前記センサが検出した回転駆動による前記アームの振動を記憶する記憶部を更に備え、
前記駆動制御部は、回転駆動による前記アームの振動を前記記憶部に格納する、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のX線診断装置。 - X線発生部及びX線検出部のうち少なくとも一方を保持するアームと、
前記アームを回転駆動する駆動部と、
前記アームの振動を検出するセンサと、
を備えるX線診断装置の制御方法であって、
前記センサにより前記アームの振動を検出するステップと、
前記センサにより検出された前記アームの振動に基づいて、前記アームの振動を低減させつつ回転駆動を実行するように、前記駆動部による前記アームの回転駆動を制御するステップと、
を備えるX線診断装置の制御方法。
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---|---|---|---|
JP2021142762A JP2023035713A (ja) | 2021-09-01 | 2021-09-01 | X線診断装置及びx線診断装置の制御方法 |
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JP2023035713A true JP2023035713A (ja) | 2023-03-13 |
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ID=85503934
Family Applications (1)
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JP2021142762A Pending JP2023035713A (ja) | 2021-09-01 | 2021-09-01 | X線診断装置及びx線診断装置の制御方法 |
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Country | Link |
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2021
- 2021-09-01 JP JP2021142762A patent/JP2023035713A/ja active Pending
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