JP2023006206A - シート - Google Patents
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Abstract
【課題】基材の発熱量を極力抑制し、隠蔽性に優れ、壁紙または壁紙用裏打ち紙として使用された際に壁から多大な力を必要とせず容易に完全剥離できるシートを提供することを課題とする。【解決手段】パルプおよびポリエステル系繊維を含む基材が剥離層を備えており、パルプとポリエステル系繊維の含有割合が質量比で90:10~60:40であり、前記剥離層がアルキルケテンダイマーを含むシートとすることで上記課題を解決する。【選択図】なし
Description
本発明は、壁紙用裏打ち紙の原紙として用いられるシート、または化粧層を有しないダイレクトタイプの壁紙用のシートに関する。
近年リフォームや模様替えにおいて、手軽に貼り替えが出来る壁紙の需要が生まれている。従来の壁紙の特徴として、壁から剥離させる際、裏打ち紙の一部が壁側に残ってしまう問題がある。特に頻繁に壁紙が貼り替えられると、壁側に不均一な凹凸が形成されてしまい次に貼る壁紙の仕上がりに影響を及ぼし、また有機物が壁に堆積していくため防火の観点からも良くない。さらに特殊建築物や大型建築物といった非住宅物件においては基材自体の発熱量を抑えることが防火として求められている。
これまでに壁から完全に剥離させる壁紙はいくつかの発明が開示されている。特許文献1は、ポリエステル系繊維とパルプを混抄したものにポリビニルアルコールやアクリル系のバインダー樹脂を含浸させた壁紙用の不織布が開示されている。樹脂を含浸させることで基材の層間強度が上がり、壁からの剥離時に基材破壊は起こらないと考えるが、樹脂を含浸し紙の空隙を埋めて、不透明度が低下することで壁紙としての隠蔽性が損なわれるおそれがある。また、ポリビニルアルコールやアクリル系樹脂はパルプよりも発熱量が高く、不燃性能に問題がある。
特許文献2には、ポリビニルアルコール溶液、分散剤、Tクレー及び耐水・撥水剤の配合物から構成された剥離層を有する壁紙が開示されている。しかし、特許文献1や特許文献2には剥離強度についての記載がなく、ポリビニルアルコールのような成分は、壁紙施工時に使用される糊(以下「壁糊」と呼ぶことがある)との親和性が高く、剥離強度が高くなる傾向にある。そのため、壁からの剥離は容易ではなく、多大な力を必要とする可能性がある。
本発明は、基材の発熱量を極力抑制し、隠蔽性に優れ、壁から容易に完全剥離できる壁紙または壁紙用裏打ち紙等の用途に好適なシートを提供することを課題とする。
本発明者は、このような壁紙または壁紙用裏打ち紙に特有の課題を解決するべく鋭意検討した結果、剥離層と壁糊との相性に着目し、アルキルケテンダイマーを用いて剥離性を向上させることによって、前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、パルプおよびポリエステル系繊維を含む基材が剥離層を備えており、前記剥離層がアルキルケテンダイマーを含むシートに関する。
前記基材におけるパルプとポリエステル系繊維の含有割合が質量比で90:10~60:40であることが好ましい。
本発明を用いたシートによれば、アルキルケテンダイマーが壁糊との適度な親和性を有することで、剥離強度を抑えることができ、併せて、紙にサイズ効果を付与することで壁糊が壁紙または裏打ち紙の内部に浸透することを抑える効果を奏するため、多大な力を要せずとも壁から容易に完全剥離をすることができる。また、樹脂バインダーの量を抑えることで不透明度を下げることなく隠蔽性に優れたシートとすることができ、さらには壁紙または壁紙用裏打ち紙としての発熱量を抑えることで不燃性を併せ持つシートを提供することが出来る。
本発明のシートは、パルプおよびポリエステル系繊維を含む基材が剥離層を備える。基材はパルプおよびポリエステル系繊維を主体とし、それら以外の繊維を含んでもよい。例えばアクリル系、ポリオレフィン系、ナイロン系等の繊維を含んでも良い。基材全体におけるパルプおよびポリエステル系繊維の合計の含有量は70質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。
前記パルプは、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプ;他、麻、竹、藁、ケナフ、三椏、楮、木綿等の非木材パルプ;カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ;レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に木材パルプがパルプ全体の90質量%以上であることが好ましい。パルプの叩解度は300~500ml内に収めることが好ましい。300ml以下では寸法安定性が不十分であり、500ml以上では強度が不足し、紙切れなどの原因になる。
前記ポリエステル系繊維は、構成する成分がポリエステルの繊維であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、又は、これらの組合せが挙げられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及び、これらの組合せが好ましい。ポリエステル系繊維の融点は180℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。融点が低いと抄造の乾燥時に一部が溶融し、シートからの毛羽立ちやドライヤーを汚す原因となる可能性があるばかりでなく、その後の加工先での使用温度も限定されてしまい、壁紙の意匠性を付与する面において選択の幅が狭まる。また、ポリエステル系繊維の繊度は0.3~3.3dtexが好ましく、0.6~2.2dtexがより好ましい。繊維長は3~10mmが好ましく、4~7mmがより好ましい。繊度が低すぎたり繊維長が長すぎたりすると分散不良を起こし紙の地合いが悪化し、目的とする強度や寸法安定性が得られなくなる原因となり、繊度が高すぎたり繊維長が短すぎたりすると、目的とする寸法安定性が得られないためである。
パルプとポリエステル系繊維の配合比は90:10~60:40の範囲内にすることが好ましく、80:20~70:30の範囲内にすることがより好ましい。上記範囲内に収めることで紙の横目方向における浸水伸度を1.0%以下に抑えることができる。浸水伸度はJAPAN TAPPI No.27「紙及び板紙の浸水伸度試験方法」に準ずる測定であり、壁紙施工時に水系糊が付与された際に、この値が低いほど紙のカールや伸びを抑えられる。よって本発明のシートは、浸水伸度1.0%以下が好ましく、0.9%以下がさらに好ましく、0.8%以下がより好ましい。また、ポリエステル系繊維の配合量が少なすぎると寸法安定性が得られず、多すぎると強度が落ちるばかりでなく高コストとなり、さらには基材全体の燃焼熱も高くなるおそれがある。
また、パルプとポリエステル系繊維を含む繊維原料には内添薬品として乾燥紙力剤、湿潤紙力剤、サイズ剤、填料、歩留まり向上剤、その他助剤等使用することができる。例えば、ポリアクリルアミドおよび澱粉等の乾燥紙力剤、ポリアミド・エピクロロヒドリン系樹脂およびポリビニルアミン系樹脂等の湿潤紙力剤、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤が挙げられる。填料は炭酸カルシウム、クレー、シリカ、カオリン、水酸化アルミニウム等の公知のものが使用でき、特に不透明度向上の効果がある二酸化チタンを使用することが好ましい。
本発明の基材を製造する方法は特に限定されるものではなく、長網式抄紙機や円網式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機等の公知の抄紙機等を使用することができる。
本発明は、剥離層と壁糊との相性という従来には無かった視点に着目して検討を進めることで課題の解決に至った。壁糊として一般的に使われるメチルセルロース系の糊と剥離層との親和性について様々な樹脂やサイズ剤を検討した結果、原理は定かではないが、アルキルケテンダイマーを主とした剥離層が低コストで最も剥離性に効果を発揮することが本発明で初めて明らかとなった。剥離層の基材への付与方法としては、サイズプレスや、ゲートロール等のオンマシンコーターによって塗工することが製造効率の観点で好ましいが、含浸装置や、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターといったオフマシンコーターを用いてもよい。剥離層の配合量は基材全体の質量に対して固形分で0.5~6質量%となるよう塗工することが好ましく、1~5質量%がさらに好ましく、1~4質量%がより好ましい。0.5質量%未満では壁からの剥離性が不十分のため、剥離強度が高く剥離が困難になってしまったり、基材が破壊されたりしてしまう。6質量%以上では効果が無意味な上、壁紙または壁紙用裏打ち紙として用いた際の発熱量が高くなり、さらには高コストとなってしまう。また、剥離層には隠蔽性や剥離性能を損なわない程度に強度向上のためのバインダー等の樹脂や各種助剤を入れても良い。剥離層全体におけるアルキルケテンダイマーの比率は質量比で90質量%以上が好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、98質量%以上がより好ましい。
よって、本発明のシートは剥離層としてアルキルケテンダイマーを含む。アルキルケテンダイマーは、下記一般式(1)で表される。
上記アルキル基としては、例えば、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、例えば、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、エイコセニル基等が挙げられる。
基材に備えるアルキルケテンダイマーは基材全体の0.5~6質量%であることが好ましく、1~5質量%であることがより好ましく、1~4質量%であることがさらに好ましい。
本発明の剥離層は、基材の少なくとも一方の表面に備えられ、壁面に接する側に剥離層が備えられることが好ましい。剥離層は完全な「層」を形成している必要はなく、基材の表面との接触面の少なくとも一部が混和していてもよい。例えば、剥離層の一部が基材の内部に含まれてよく、剥離層の一部と基材との界面が明確になっていなくてもよい。ただし、剥離層の一部が基材の内部に含まれる量は少ない方が好ましく、換言すれば剥離層の一部が基材の表面に存在する量が多い方が好ましい。前記剥離層は基材の両面に備えてもよい。また、基材と剥離層は接触していなくてもよく、その間に別の層を設けてもよい。
本発明のシートの坪量は特に限定されるものではなく用途によって適宜決定すればよい。例えば、壁紙として使用する場合は、坪量が120g/m2以上180g/m2以下であることが好ましく、130g/m2以上170g/m2以下であることがさらに好ましく、140g/m2以上160g/m2以下であることがより好ましい。また、壁紙用裏打ち紙の原紙として使用する場合は、50g/m2以上100g/m2以下であることが好ましく、60g/m2以上90g/m2以下であることがさらに好ましく、70g/m2以上85g/m2以下であることがより好ましい。
本発明のシートは、壁紙として用いられる場合は隠蔽性を備えるために、JIS P8138に準拠した不透明度が92%以上であることが好ましく、93%以上であることがさらに好ましく、94%以上であることがより好ましい。また、壁紙用裏打ち紙の原紙として用いられる場合は、壁紙用裏打ち紙としての不透明度が88%以上であることが好ましく、89%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがより好ましい。
本発明のシートは、壁紙または壁紙用裏打ち紙として壁糊を介して壁に貼り付ける場合、その剥離強度は後述する評価方法において1.0~5.0N/3cmであることが好ましく、1.2~4.0N/3cmであることがさらに好ましく、1.5~3.5N/3cmであることがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
〔実施例1〕
パルプとしてNBKP(叩解度c.s.f.400ml)30質量部とLBKP(叩解度c.s.f.400ml)70質量部を混合してパルプスラリーを調製した。前記パルプ100質量部に対して固形分換算で、ポリエステル系繊維(帝人社製、製品名「TT04N」1.7dtex×5mm)が25質量部となるように混合して繊維原料を準備した。また、前記繊維原料には、パルプの固形分100質量部に対して、二酸化チタン(テイカ社製、製品名「JA-1」)が5質量部、アルキルケテンダイマー系サイズ剤(荒川化学工業社製、製品名「サイズパインK287」)0.1質量部、カチオン化澱粉(日本食品化工社製、製品名「TSスターチL1」)5質量部、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、製品名「WS4024」)1質量部、ポリビニルアミン(星光PMC社製、製品名「カチオファストVSH」)0.1質量部を添加して抄紙原料を作成した。次に前記抄紙原料を用いて、長網抄紙機にて基材を抄紙する際、サイズプレスコーターを用いて、アルキルケテンダイマー(星光PMC社製、製品名「表面サイズ剤SE2380」)を基材全体の3質量%となるように塗工、乾燥を行い、坪量150g/m2のシートを得た。
パルプとしてNBKP(叩解度c.s.f.400ml)30質量部とLBKP(叩解度c.s.f.400ml)70質量部を混合してパルプスラリーを調製した。前記パルプ100質量部に対して固形分換算で、ポリエステル系繊維(帝人社製、製品名「TT04N」1.7dtex×5mm)が25質量部となるように混合して繊維原料を準備した。また、前記繊維原料には、パルプの固形分100質量部に対して、二酸化チタン(テイカ社製、製品名「JA-1」)が5質量部、アルキルケテンダイマー系サイズ剤(荒川化学工業社製、製品名「サイズパインK287」)0.1質量部、カチオン化澱粉(日本食品化工社製、製品名「TSスターチL1」)5質量部、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、製品名「WS4024」)1質量部、ポリビニルアミン(星光PMC社製、製品名「カチオファストVSH」)0.1質量部を添加して抄紙原料を作成した。次に前記抄紙原料を用いて、長網抄紙機にて基材を抄紙する際、サイズプレスコーターを用いて、アルキルケテンダイマー(星光PMC社製、製品名「表面サイズ剤SE2380」)を基材全体の3質量%となるように塗工、乾燥を行い、坪量150g/m2のシートを得た。
〔実施例2〕
実施例1において、サイズプレスコーターを用いて塗工するアルキルケテンダイマーの量を基材全体の5質量%となるように変更した以外は実施例と同様にしてシートを得た。
実施例1において、サイズプレスコーターを用いて塗工するアルキルケテンダイマーの量を基材全体の5質量%となるように変更した以外は実施例と同様にしてシートを得た。
〔実施例3〕
実施例1において、内添によるサイズ剤を入れなかった点以外は実施例1と同様にしてシートを得た。
実施例1において、内添によるサイズ剤を入れなかった点以外は実施例1と同様にしてシートを得た。
〔実施例4〕
実施例1において、内添サイズ剤におけるアルキルケテンダイマーをスチレン・アクリル系(東邦化学工業社製、製品名「NS-18S」)に変更した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。
実施例1において、内添サイズ剤におけるアルキルケテンダイマーをスチレン・アクリル系(東邦化学工業社製、製品名「NS-18S」)に変更した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。
〔実施例5〕
実施例1において、坪量を150g/m2から65g/m2とした以外は実施例1と同様にしてシートを得た。この実施例5のシートを壁紙用裏打ち紙の塗工原紙として用い、この片面の表層に顔料塗工層用の塗料として、二酸化チタン(社製、製品名「A-220」)と、第二顔料としてアラゴナイト柱状炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、製品名「TP123-CS」)を70:30の割合で混合し、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(日本食品化工社製、製品名「MS4600」)5質量%およびアクリルエマルジョン(三井化学社製、製品名「ボンロンS-415」)15質量%を添加し、固形分濃度が55%となるよう水で希釈して調製した。次にこの塗料を前記塗工原紙へエアーナイフコーターにて固形分が10g/m2となるように塗工、乾燥し、坪量75g/m2の壁紙用裏打ち紙を得た。
実施例1において、坪量を150g/m2から65g/m2とした以外は実施例1と同様にしてシートを得た。この実施例5のシートを壁紙用裏打ち紙の塗工原紙として用い、この片面の表層に顔料塗工層用の塗料として、二酸化チタン(社製、製品名「A-220」)と、第二顔料としてアラゴナイト柱状炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、製品名「TP123-CS」)を70:30の割合で混合し、バインダーとしてリン酸エステル化澱粉(日本食品化工社製、製品名「MS4600」)5質量%およびアクリルエマルジョン(三井化学社製、製品名「ボンロンS-415」)15質量%を添加し、固形分濃度が55%となるよう水で希釈して調製した。次にこの塗料を前記塗工原紙へエアーナイフコーターにて固形分が10g/m2となるように塗工、乾燥し、坪量75g/m2の壁紙用裏打ち紙を得た。
〔比較例1〕
実施例1において、サイズプレスコーターにおけるアルキルケテンダイマーをオレフィン系ポリマー(星光PMC社製、製品名「表面サイズ剤SS2550」)に変更した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。
実施例1において、サイズプレスコーターにおけるアルキルケテンダイマーをオレフィン系ポリマー(星光PMC社製、製品名「表面サイズ剤SS2550」)に変更した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。
〔比較例2〕
実施例1において、サイズプレスコーターにおけるアルキルケテンダイマーをスチレンアクリレート系ポリマー(星光PMC社製、製品名「表面サイズ剤SE2012」)に変更した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。
実施例1において、サイズプレスコーターにおけるアルキルケテンダイマーをスチレンアクリレート系ポリマー(星光PMC社製、製品名「表面サイズ剤SE2012」)に変更した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。
〔比較例3〕
実施例1において、サイズプレスコーターにおけるアルキルケテンダイマーをアクリル系ポリマー(星光PMC社製、製品名「紙加工用塗工剤XP8813」)に変更した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。
実施例1において、サイズプレスコーターにおけるアルキルケテンダイマーをアクリル系ポリマー(星光PMC社製、製品名「紙加工用塗工剤XP8813」)に変更した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。
〔比較例4〕
実施例5において、サイズプレスコーターにおけるアルキルケテンダイマーをアクリル系ポリマー(星光PMC社製、製品名「紙加工用塗工剤XP8813」)に変更した以外は実施例5と同様にしてシートを得た。そして、このシートを壁紙用裏打ち紙の塗工原紙として用いて、実施例5と同様にして壁紙用裏打ち紙を得た。
実施例5において、サイズプレスコーターにおけるアルキルケテンダイマーをアクリル系ポリマー(星光PMC社製、製品名「紙加工用塗工剤XP8813」)に変更した以外は実施例5と同様にしてシートを得た。そして、このシートを壁紙用裏打ち紙の塗工原紙として用いて、実施例5と同様にして壁紙用裏打ち紙を得た。
〔評価方法〕
実施例および比較例で得たシートの評価は以下に従って行った。
・不透明度
不透明度の測定方法はJIS P8138に基づいて行い、壁紙は92%以上を合格とし、壁紙用裏打ち紙は90%以上を合格とした。実施例5および比較例4は、壁紙用裏打ち紙を測定した。
・剥離強度
3cm幅に切ったシートにメチルセルロース系壁糊(メチラン社製、製品名「AGスペシャル」)5%希釈液を約150g/m2塗布し、石膏ボードに貼り付ける。室温23℃、湿度50%の条件下で48時間乾燥後、90°で300mm/秒の剥離強度試験を行い、1水準に対して3検体行い、その平均値が1~5N/3cmであれば合格とした。
実施例および比較例で得たシートの評価は以下に従って行った。
・不透明度
不透明度の測定方法はJIS P8138に基づいて行い、壁紙は92%以上を合格とし、壁紙用裏打ち紙は90%以上を合格とした。実施例5および比較例4は、壁紙用裏打ち紙を測定した。
・剥離強度
3cm幅に切ったシートにメチルセルロース系壁糊(メチラン社製、製品名「AGスペシャル」)5%希釈液を約150g/m2塗布し、石膏ボードに貼り付ける。室温23℃、湿度50%の条件下で48時間乾燥後、90°で300mm/秒の剥離強度試験を行い、1水準に対して3検体行い、その平均値が1~5N/3cmであれば合格とした。
実施例1~4のシートをダイレクトタイプの壁紙として用いた際に良好な不透明度と剥離強度を具備することができた。また、実施例5のシートを壁紙用裏打ち紙として用いた場合も同様に、良好な不透明度と剥離強度を具備することが判った。一方で、比較例1~4のシートは剥離剤の影響により剥離強度が高くなり、比較例1は基材の破壊が生じた。
以上より、本発明のシートにより、頻繁に貼り替えが必要な場合においても綺麗な仕上がりが期待でき、壁紙または壁紙用裏打ち紙として用いた際に必要な隠蔽性を満たすシートを実現することが出来る。
Claims (2)
- パルプおよびポリエステル系繊維を含む基材が剥離層を備えており、前記剥離層がアルキルケテンダイマーを含むシート。
- パルプとポリエステル系繊維の含有割合が質量比で90:10~60:40である、請求項1に記載のシート。
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