JP2017019748A - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャンプー洗髪後の髪に適用し、洗い流すことにより、濡れた髪を絡まりなくばらけさせることで短時間に乾燥させることができる毛髪化粧料を提供する。【解決手段】(A)揮発性シリコーン 0.1質量%以上10質量%以下、(B)アミノ変性シリコーン 0.1質量%以上5質量%以下、(C)カチオン性界面活性剤 0.1質量%以上10質量%以下、(D)炭素数が12〜28である高級アルコール 1質量%以上10質量%以下、(E)25℃での蒸気圧が0.08mmHg以上の香料成分 0.03質量%以上2質量%以下、および、水を含有する、毛髪化粧料。【選択図】なし
Description
本発明は、毛髪化粧料に関する。
シャンプー後に用いられる、ヘアリンス、ヘアコンディショナー等の毛髪化粧料は、カチオン界面活性剤等を主成分とし、毛髪にしっとり感やまとまりを付与して毛髪の状態を整えるために用いられる。
たとえば、特許文献1(特開2004−83521号公報)には、特定の第四級アンモニウムアルキル硫酸塩と複数の特定のシリコーン類とを組み合わせた毛髪化粧組成物について記載されており、かかる組成物により、毛髪に塗布し易く、毛髪にしっとり感及びまとまり感を十分に付与することができるとされている。
特許文献2(特開2007−186464号公報)には、少なくとも1種の高級アルコール、カチオン性界面活性剤、及び水性担体を含むゲル中に、植物油及び揮発性シリコーンを含む油剤相が油滴粒子として存在する毛髪化粧料を用いることで、ダメージを受けた毛髪に対しても柔らかでしっとりとした仕上がり感を付与し、毛髪を健やかな状態に保つ効果に優れる上、良好な使用感が得られると記載されている。
また、特許文献3(特開2004−131423号公報)には、アミノ変性シリコーン及び/又はアンモニウム変性シリコーンと、ジメチルシリコーン及びまたは環状シリコーンとを特定の配合比率で混合したシリコーンオイルをO/Wエマルションとして配合することにより、優れたしっとり感、柔らかさ、滑らかさを与える効果を有する化粧料が得られることが記載されている。
ところで、ダメージを受けて親水化した毛髪は、洗髪後、乾きにくくなり、ドライヤーなどによる乾燥に長時間要することとなり、消費者の体力的負担になっている。また、濡れて柔らかくなったダメージ毛は絡まりやすく、ドライヤー乾燥中に生じるひっかかりは更なるダメージの蓄積と消費者の心理的負担になっている。
この点、前述した特許文献1〜3に記載の技術では、毛髪に残留した油剤によって、しっとり感等が得られる一方、濡れた髪を早く乾燥させ、洗髪後の使用者の利便性を高める効果を得るという点では改善の余地があった。
従って本発明は、シャンプー洗髪後の髪に適用し、洗い流すことにより、濡れた髪を絡まりなくばらけさせることで短時間に乾燥させることができる毛髪化粧料を提供する。
本発明は、次の成分(A)〜(E)および水を含有する、毛髪化粧料を提供するものである。
(A)揮発性シリコーン 0.1質量%以上10質量%以下
(B)アミノ変性シリコーン 0.1質量%以上5質量%以下
(C)カチオン性界面活性剤 0.1質量%以上10質量%以下
(D)炭素数が12〜28である高級アルコール 1質量%以上10質量%以下
(E)25℃での蒸気圧が0.08mmHg以上の香料成分 0.03質量%以上2質量%以下
(A)揮発性シリコーン 0.1質量%以上10質量%以下
(B)アミノ変性シリコーン 0.1質量%以上5質量%以下
(C)カチオン性界面活性剤 0.1質量%以上10質量%以下
(D)炭素数が12〜28である高級アルコール 1質量%以上10質量%以下
(E)25℃での蒸気圧が0.08mmHg以上の香料成分 0.03質量%以上2質量%以下
また、本発明は、上記本発明における毛髪化粧料を毛髪に適用し、水で洗い流す毛髪処理方法を提供するものである。
本発明によれば、シャンプー洗髪後の髪に適用し、洗い流すことにより、濡れた髪を絡まりなくばらけさせることで短時間に乾燥させることができる毛髪化粧料を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、各成分の具体例を挙げて説明する。なお、各成分はいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(成分(A))
成分(A)の揮発性シリコーンとしては、鎖状または環状のシリコーン油が挙げられる。このうち、鎖状シリコーンの具体例として、下記一般式(1)で表される鎖状シリコーン、メチルトリメチコン等が挙げられる。また、環状シリコーンの具体例として、下記一般式(2)で表される環状シリコーン等が挙げられる。
成分(A)の揮発性シリコーンとしては、鎖状または環状のシリコーン油が挙げられる。このうち、鎖状シリコーンの具体例として、下記一般式(1)で表される鎖状シリコーン、メチルトリメチコン等が挙げられる。また、環状シリコーンの具体例として、下記一般式(2)で表される環状シリコーン等が挙げられる。
(上記一般式(1)中、xは0〜5の整数を示す。)
また、成分(A)のうち、メチルトリメチコンは、化学式[(CH3)3SiO]3SiCH3で表され、「M3T」とも称されるシリコーンである。メチルトリメチコンは毛髪の絡まりをほぐしながら、毛髪間の接着を抑制し、乾燥過程においてフワッと軽い感触を与える観点から好ましい。メチルトリメチコンの市販品としては、たとえば、信越化学工業社製のTMF−1.5が挙げられる。
成分(A)は、毛髪の乾かしやすさを高める観点から、好ましくはトリシロキサン、メチルトリメチコンおよびケイ素原子の数が4〜6の環状シリコーンからなる群から選択される一種以上である。このうち、ケイ素原子の数が4〜6の環状シリコーンとしては、より好ましくはオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン(以下、「シクロペンタシロキサン」とも呼ぶ。)、ヘキサメチルジシロキサンおよびオクタメチルトリシロキサンからなる群から選択される一種以上が挙げられる。これらの中でさらに好ましくはケイ素原子の数が5の環状シリコーンであるデカメチルシクロペンタシロキサンとメチルトリメチコンが挙げられ、さらにより好ましくはメチルトリメチコンが挙げられる。
本実施形態の毛髪化粧料における成分(A)の含有量は、濡れた毛髪をばらけさせる観点から、毛髪化粧料全体に対して0.1質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.7質量%以上である。また、すすぎ時のきしみ抑制、乾燥後のべたつき抑制の観点から、成分(A)の含有量は、毛髪化粧料全体に対して10質量%以下であり、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
(成分(B))
成分(B)は、アミノ変性シリコーンである。成分(B)として、たとえば下記一般式(3)または(4)で表されるものが挙げられる。
成分(B)は、アミノ変性シリコーンである。成分(B)として、たとえば下記一般式(3)または(4)で表されるものが挙げられる。
(上記一般式(3)中、R1は、それぞれ独立してメチル基またはヒドロキシル基を表し、R2はそれぞれ独立して炭素数1〜30のアルキル基、ヒドロキシル基またはR3を表す。R3はR4Z1で表されるアミノ基またはアンモニウム基を有する置換基を表し、aおよびbはそれぞれ0または1から3000までの整数を表す。また、R4は炭素数3〜6の2価の炭化水素基を表す。Z1は−NR5 2、−NR5(CH2)cNR5 2、および−NR5(CH2)cNR5C=O(R6)からなる群より選ばれる1価の基を表す。ここで、R5は水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R6は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、cは2〜6の整数を表す。)
(上記一般式(4)中、R7は、水素原子または炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示す。R8はR7またはEのいずれかを示す。Eは−R9−Z2(ここでR9は直接結合手、炭素数1〜20の2価の炭化水素基または炭素数1〜20の2価の炭化水素基に−(OCH2CH2)h−基(hは0〜6の整数を示す。)が連結した2価の基を示し、Z2は1〜3級アミノ基含有基またはアンモニウム基含有基を示す。)で表される反応性官能基を示す。dは1以上1000以下の数を示す。eは0.1以上50以下の数を示す。なお、複数個のR7、R8およびEは同一でも異なっていてもよい。nは2〜10の数を示し、f個のnは同一でも異なっていてもよい。fは4以上の数を示す。gは2以上の数を示す。Yは炭素−珪素原子によって、隣接珪素原子に、酸素原子によってポリオキシアルキレンブロック鎖に結合している2価の有機基を示す。)
これらのうち、上記一般式(3)に示したアミノ変性シリコーンとして、たとえばアモジメチコン、アミノプロピルジメチコン、ビスアミノプロピルジメチコンおよびビスセテアリルアモジメチコンからなる群から選択される一種以上が挙げられる。これらは、さらに具体的には、下記一般式に示される。
(上記一般式中、Meはメチル基であり、a、b、cおよびR4は、それぞれ一般式(3)におけるa、b、cおよびR4と同じである。)
また、上記一般式(4)に示したアミン変性シリコーンにおいて、Z2は、下記一般式(5)または(6)で表されるアミノ基含有基またはアンモニウム基含有基であることが好ましい。
(上記一般式(5)および(6)中、R11およびR12は水素原子または1価の炭化水素基を示し、それぞれのR11およびR12は同一でも異なっていてもよい。T-はハロゲンイオンまたは有機アニオンを示す。iは0〜6の整数を示す。)
また、上記一般式(4)において、好ましいE基は、−(CH2)3−NH2、−(CH2)3−N(CH3)2、−(CH2)3−NH−(CH2)2−NH2、−(CH2)3−NH−(CH2)2−N(CH3)2、−(CH2)3−N+(CH3)3Cl-であり、さらに好ましくは、−(CH2)3−NH−(CH2)2−NH2である。T-の具体例としては、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲンイオン;メトサルフェート、エトサルフェート、メトフォスフェート、エトフォスフェート等の有機アニオンが挙げられる。
上記一般式(4)に示したアミン変性シリコーンとして、たとえば下記一般式に示される(ビスイソブチルPEG−15/アモジメチコン)コポリマーが挙げられる。
(上記一般式中、dおよびeは、それぞれ一般式(4)におけるdおよびeと同じであり、f1およびf2は、f1+f2が4以上となる数を示す。gは2以上の数を示す。)
本実施形態の毛髪化粧料における成分(B)の含有量は、濡れた毛髪の絡みを抑制する観点から、毛髪化粧料全体に対して0.1質量%以上であり、好ましくは0.15質量%以上である。また、すすぎ時のきしみ抑制、毛髪の速乾性を向上させる観点から、成分(B)の含有量は、毛髪化粧料全体に対して5質量%以下であり、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。
(成分(C))
成分(C)は、カチオン性界面活性剤である。成分(C)は、1種または2種以上を用いてもよい。
成分(C)としては、たとえば、第3級アミン化合物またはその塩および第4級アンモニウム塩が挙げられる。
成分(C)は、カチオン性界面活性剤である。成分(C)は、1種または2種以上を用いてもよい。
成分(C)としては、たとえば、第3級アミン化合物またはその塩および第4級アンモニウム塩が挙げられる。
このうち、第3級アミン化合物またはその塩として、たとえば下記一般式(7)で表されるものが挙げられる。
(上記一般式(7)中、R13は総炭素数8〜35の−O−、−OCO−、−COO−もしくは−CONH−で表される官能基で分断または−OHで置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、または脂肪族アシルオキシ(ポリエトキシ)エチル基を示し、R14およびR15は炭素数1〜22のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、または合計付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、R14およびR15は同一でも異なってもよい。)
一般式(7)で表される第3級アミン化合物としては、第3級アミンを有機酸によって塩としたものを用いてもよいし、本実施形態の毛髪化粧料に酸を配合して、pH調整剤と共に組成物中で塩を形成させてもよい。かかる酸としては、たとえば、炭素数1〜5であるアルキル基を有するアルキルリン酸、アルキルスルホン酸、アルキル硫酸等の短鎖アルキル基を有する酸;L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;ピログルタミン酸;安息香酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族酸;グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、パントテン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ酸;その他酢酸、コハク酸などが挙げられる。中でも毛髪に対する保湿および柔軟化効果をもたらす点から、有機酸が好ましく、殊に、酸性アミノ酸、ピログルタミン酸、ヒドロキシ酸が好ましく、ヒドロキシ酸がより好ましい。
本実施形態において、有機酸の含有量は、毛髪の潤滑性を維持する観点から、成分(C)のアミン当量に対して、好ましくは1〜10モル倍であり、より好ましくは1〜6モル倍である。
本実施形態において、有機酸の含有量は、毛髪の潤滑性を維持する観点から、成分(C)のアミン当量に対して、好ましくは1〜10モル倍であり、より好ましくは1〜6モル倍である。
成分(C)のより具体的な例としては、以下の(i)〜(iii)の第3級アミン化合物およびその塩等の少なくともいずれか1つが挙げられる。
(i)ヒドロキシエーテルアルキルアミンまたはその塩
たとえば下記一般式(8)で表される化合物およびその塩が挙げられる。
たとえば下記一般式(8)で表される化合物およびその塩が挙げられる。
(上記一般式(8)中、R16は、炭素数6〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、R17およびR18は、同一または相異なって炭素数1〜6のアルキル基または−(AO)kH(Aは炭素数2〜4のアルキレン基、kは1〜6の数を示し、k個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である)を示す。jは1〜5の数を示す。)
具体的には、ヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンおよびその塩、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンおよびその塩が挙げられる。
(ii)エーテルアミンまたはその塩
たとえば下記一般式(9)で表される化合物またはその塩が挙げられる。
たとえば下記一般式(9)で表される化合物またはその塩が挙げられる。
(上記一般式(9)中、R19は、炭素数6〜24の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、R20およびR21は、同一または相異なって炭素数1〜6のアルキル基または−(AO)lH(Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、lは1〜6の数を示し、l個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である。)を示す。)
具体的には、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミンおよびその塩、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン(以下、「ステアロキシプロピルジメチルアミン」とも呼ぶ。)およびその塩が挙げられる。
(iii)アルキルアミドアミンまたはその塩
たとえば下記一般式(10)で表される化合物またはその塩が挙げられる。
たとえば下記一般式(10)で表される化合物またはその塩が挙げられる。
(上記一般式(10)中、R22は炭素数11〜23の脂肪族炭化水素基を示し、R23およびR24は同一または異なって、炭素数1〜4のアルキル基を示し、mは2〜4の数を示す。)
これらの中で、R22は炭素数18の脂肪族炭化水素基を有するものが好ましい。また、一般式(10)で表されるものの具体例として、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミドおよびその塩、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド(以下、「ステアラミドプロピルジメチルアミン」とも呼ぶ。)およびその塩が挙げられる。
上記の第3級アミン化合物類から選ばれる好ましい成分(C)としては、塗布時、すすぎ時の滑らかさの観点から(iii)アルキルアミドアミンまたはその塩が好ましい。
また、成分(C)として用いられる第4級アンモニウム塩の具体例として、(iv)アルキルトリメチルアンモニウム塩、(v)アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、および、(vi)ジアルキルジメチルアンモニウム塩、が挙げられる。以下、上記(iv)〜(vi)の具体例を示す。
(iv)アルキルトリメチルアンモニウム塩
アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、たとえば下記一般式(11)で表されるものが挙げられる。
R25−N+(CH3)3X− (11)
(上記一般式(11)中、R25は炭素数12〜22のアルキル基を示し、X−は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオンまたはメトサルフェート、エトサルフェート、メトフォスフェート、エトフォスフェート等の有機アニオンを示す。)
具体的には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(以下、「セトリモニウムクロリド」とも呼ぶ。)、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート等が挙げられる。
アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、たとえば下記一般式(11)で表されるものが挙げられる。
R25−N+(CH3)3X− (11)
(上記一般式(11)中、R25は炭素数12〜22のアルキル基を示し、X−は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオンまたはメトサルフェート、エトサルフェート、メトフォスフェート、エトフォスフェート等の有機アニオンを示す。)
具体的には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(以下、「セトリモニウムクロリド」とも呼ぶ。)、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート等が挙げられる。
(v)アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩
アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、たとえば下記一般式(12)で表されるものが挙げられる。
R26−O−R27−N+(CH3)3X− (12)
(上記一般式(12)中、R26は炭素数12〜22のアルキル基を示し、R27はヒドロキシ基が置換していてもよいエチレン基またはプロピレン基を示し、X−は上記と同じである。)
具体的には、ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、たとえば下記一般式(12)で表されるものが挙げられる。
R26−O−R27−N+(CH3)3X− (12)
(上記一般式(12)中、R26は炭素数12〜22のアルキル基を示し、R27はヒドロキシ基が置換していてもよいエチレン基またはプロピレン基を示し、X−は上記と同じである。)
具体的には、ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
(vi)ジアルキルジメチルアンモニウム塩
ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、たとえば下記一般式(13)で表されるものが挙げられる。
(R28)2N+(CH3)2X− (13)
(上記一般式(13)中、R28はそれぞれ独立して炭素数12〜22のアルキル基またはベンジル基を示し、X−は上記と同じである。)
具体的には、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、たとえば下記一般式(13)で表されるものが挙げられる。
(R28)2N+(CH3)2X− (13)
(上記一般式(13)中、R28はそれぞれ独立して炭素数12〜22のアルキル基またはベンジル基を示し、X−は上記と同じである。)
具体的には、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
上記の第4級アンモニウム塩から選ばれる好ましい成分(C)としては、炭素数22のアルキル基を有するものが挙げられる。より好ましくは、上記一般式(11)において、R25は、炭素数22のアルキル基であることが好ましく、さらに好ましくは、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩であり、さらに具体的にはベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートが挙げられる。
また、塗布時からドライ後までの毛髪の滑らかさを高める観点、および、濡れた毛髪の乾かしやすさの観点からは、成分(C)は、好ましくは、一般式(10)で表されるアルキルアミドアミンまたはその塩および一般式(11)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上であり、より好ましくは、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミドおよびその塩、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミドおよびその塩からなる群から選択される一種以上である。
成分(C)は1種単独で用いても2種以上を併用してもよく、またその毛髪化粧料中の含有量は、塗布時からドライ後までの滑らかさ、指通りの良さの観点から、毛髪化粧料全体に対して0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上であり、また、10質量%以下であり、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下である。
(成分(D))
成分(D)は、炭素数が12〜28である高級アルコールであり、水酸基の数が1であるものが挙げられる。
成分(D)は、好ましくは炭素数16〜24、より好ましくは炭素数16〜22のアルキル基、さらに好ましくは炭素数16または18のアルキル基を有するものであり、また、このアルキル基は直鎖アルキル基であるのが好ましい。
成分(D)は、炭素数が12〜28である高級アルコールであり、水酸基の数が1であるものが挙げられる。
成分(D)は、好ましくは炭素数16〜24、より好ましくは炭素数16〜22のアルキル基、さらに好ましくは炭素数16または18のアルキル基を有するものであり、また、このアルキル基は直鎖アルキル基であるのが好ましい。
成分(D)として、さらに具体的には、セチルアルコール(以下、「セタノール」とも呼ぶ。)、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられ、セチルアルコール、ステアリルアルコールがさらに好ましい。成分(D)の高級アルコールは、好ましくは水酸基を1つ含むものであり、水酸基を2以上含まない。
成分(D)の高級アルコールは、2種以上を併用してもよい。
成分(D)の含有量は、滑らかさ、使いやすさ、安定性等の向上の観点から、毛髪化粧料全体に対して1質量%以上であり、好ましくは3質量%以上、より好ましくは4質量%以上であり、また、10質量%以下であり、好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下である。
成分(D)の含有量は、滑らかさ、使いやすさ、安定性等の向上の観点から、毛髪化粧料全体に対して1質量%以上であり、好ましくは3質量%以上、より好ましくは4質量%以上であり、また、10質量%以下であり、好ましくは8質量%以下、より好ましくは7質量%以下である。
本実施形態の毛髪化粧料において、成分(C)に対する成分(D)のモル比((D)/(C))は、乾燥時の毛髪のばらけやすさを向上させる観点から、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは1以上であり、また、好ましくは3未満であり、より好ましくは2.5以下である。なお、成分(C)は、3級アミンとしての量で検討される。
(成分(E))
成分(E)の香料成分は、25℃での蒸気圧が0.08mmHg以上のものである。
毛髪同士のばらけ性を向上させて速乾性を高める観点から、成分(E)は、好ましくは、エチル2−メチルブチレート(25℃での蒸気圧:8.03mmHg)、マンザネート(2−メチルペンタン酸エチル、25℃での蒸気圧:2.88mmHg)、リモネン(25℃での蒸気圧:1.45mmHg)、シス−3−ヘキセニルアセテート(25℃での蒸気圧:1.14mmHg)、ベンズアルデヒド(25℃での蒸気圧:1.01mmHg)、シス−3−ヘキセノール(25℃での蒸気圧:0.937mmHg)、アフェルメート(α,3,3−トリメチルシクロヘキサンメタノールホルマート、25℃での蒸気圧:0.188mmHg)、ベンジルアセテート(25℃での蒸気圧:0.187mmHg)、リナロール(25℃での蒸気圧:0.0832mmHg)からなる群から選択される一種以上である。
成分(E)の香料成分は、25℃での蒸気圧が0.08mmHg以上のものである。
毛髪同士のばらけ性を向上させて速乾性を高める観点から、成分(E)は、好ましくは、エチル2−メチルブチレート(25℃での蒸気圧:8.03mmHg)、マンザネート(2−メチルペンタン酸エチル、25℃での蒸気圧:2.88mmHg)、リモネン(25℃での蒸気圧:1.45mmHg)、シス−3−ヘキセニルアセテート(25℃での蒸気圧:1.14mmHg)、ベンズアルデヒド(25℃での蒸気圧:1.01mmHg)、シス−3−ヘキセノール(25℃での蒸気圧:0.937mmHg)、アフェルメート(α,3,3−トリメチルシクロヘキサンメタノールホルマート、25℃での蒸気圧:0.188mmHg)、ベンジルアセテート(25℃での蒸気圧:0.187mmHg)、リナロール(25℃での蒸気圧:0.0832mmHg)からなる群から選択される一種以上である。
本実施形態の毛髪化粧料における成分(E)の含有量は、毛髪同士のばらけ性を向上させて速乾性を高める観点から、毛髪化粧料全体に対して0.03質量%以上であり、好ましくは0.1質量%以上であり、また、2質量%以下であり、好ましくは1質量%以下である。
本実施形態において、毛髪化粧料中の成分(A)に対する成分(E)の質量比((E)/(A))は、毛髪同士のばらけ性を向上させて速乾性を高める観点から、好ましくは0.02以上であり、より好ましくは0.1以上であり、また、好ましくは40以下であり、より好ましくは1以下である。また、同様の観点から、質量比((E)/(A))は、好ましくは0.02〜40であり、より好ましくは0.1〜40、さらに好ましくは0.1〜1である。
また、本実施形態において、毛髪化粧料中の成分(C)および(D)の含有量の合計に対する成分(A)および(E)の含有量の合計の質量比(((A)+(E))/((C)+(D)))は、毛髪同士のばらけ性を向上させて速乾性を高める観点から、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.1以上である。また、毛髪間の粘着性を抑制する観点から、質量比(((A)+(E))/((C)+(D)))は、好ましくは1以下であり、より好ましくは0.6以下である。
(水)
本実施形態の毛髪化粧料は、媒体として水を含有する。水としては、イオン交換水や蒸留水等を用いることができる。水の含有量は、たとえば毛髪化粧料中の成分(A)〜(E)およびその他成分の残量となる。
本実施形態の毛髪化粧料は、媒体として水を含有する。水としては、イオン交換水や蒸留水等を用いることができる。水の含有量は、たとえば毛髪化粧料中の成分(A)〜(E)およびその他成分の残量となる。
(その他の任意成分)
本実施形態の毛髪化粧料には、上述した成分以外の成分として、さらに、毛髪化粧料に一般に使用されるその他の成分を、目的に応じて配合することができる。
たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリシドール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の上述した成分(A)および(B)以外のシリコーン類;カチオン化セルロース、ヒドロキシ化セルロース、高重合ポリエチレンオキサイド等の高分子化合物;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド等の非イオン界面活性剤;スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2−エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸、イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどの油剤;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤;pH調整剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻または真珠から得られる蛋白質またはその加水分解物、シルクから得られる蛋白質またはその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、ツバキ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;雲母チタン等のパール粉体;メントール等の清涼剤:香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ(ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS))に記載されている成分等が挙げられる。
本実施形態の毛髪化粧料には、上述した成分以外の成分として、さらに、毛髪化粧料に一般に使用されるその他の成分を、目的に応じて配合することができる。
たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリシドール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の上述した成分(A)および(B)以外のシリコーン類;カチオン化セルロース、ヒドロキシ化セルロース、高重合ポリエチレンオキサイド等の高分子化合物;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド等の非イオン界面活性剤;スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2−エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸、イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどの油剤;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤;pH調整剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻または真珠から得られる蛋白質またはその加水分解物、シルクから得られる蛋白質またはその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、ツバキ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;雲母チタン等のパール粉体;メントール等の清涼剤:香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ(ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS))に記載されている成分等が挙げられる。
(pH)
本実施形態の毛髪化粧料のpHは、たとえば2以上であり、2.5以上が好ましく、また、6以下であり、5.5以下が好ましく、5以下がより好ましく、4.5以下がさらに好ましい。なお、本実施形態において、毛髪化粧料のpHは、水で20質量倍希釈したときの25℃における値をいう。
本実施形態の毛髪化粧料のpHは、たとえば2以上であり、2.5以上が好ましく、また、6以下であり、5.5以下が好ましく、5以下がより好ましく、4.5以下がさらに好ましい。なお、本実施形態において、毛髪化粧料のpHは、水で20質量倍希釈したときの25℃における値をいう。
次に、毛髪化粧料の製造方法を説明する。
本実施形態において、毛髪化粧料は、たとえば、成分(C)および(D)を含有する油相を準備し、成分(D)の融点以上に加熱する工程と、
成分(D)の融点以上に加熱した水相に、上記油相を均一混合し、乳化物を得る工程と、
成分(A)、(B)および(E)を、当該乳化物が室温まで冷却する過程で混合し、分散する工程と、
当該乳化物を室温まで冷却する工程と、
を含む。
本実施形態において、毛髪化粧料は、たとえば、成分(C)および(D)を含有する油相を準備し、成分(D)の融点以上に加熱する工程と、
成分(D)の融点以上に加熱した水相に、上記油相を均一混合し、乳化物を得る工程と、
成分(A)、(B)および(E)を、当該乳化物が室温まで冷却する過程で混合し、分散する工程と、
当該乳化物を室温まで冷却する工程と、
を含む。
本実施形態において得られる毛髪化粧料においては、成分(C)のカチオン性界面活性剤が毛髪に効率よく残留するとともに、成分(A)および(B)のシリコーンにより滑り性が向上する。
また、本実施形態においては、成分(A)〜(E)および水を組み合わせて用いるとともに、成分(A)〜(E)を特定の範囲で用いることにより、水で濡れた毛髪がタオルドライから乾燥の間に絡まることが抑えられて、毛髪間のばらけを促進し乾燥時間を短縮することができる。
また、本実施形態においては、成分(A)〜(E)および水を組み合わせて用いるとともに、成分(A)〜(E)を特定の範囲で用いることにより、水で濡れた毛髪がタオルドライから乾燥の間に絡まることが抑えられて、毛髪間のばらけを促進し乾燥時間を短縮することができる。
ここで、本発明者の検討によれば、洗髪後の髪の乾燥速度を高める因子としては、「髪のばらけ」が重要である。すなわち、髪がばらけることによって、タオルドライ時には髪とタオルとの接触面積が増大して髪の水分がタオルに速く吸収されることになる。またドライヤー乾燥時にはもちろんのこと、自然乾燥時にも、空気との接触面積が増大して髪の水分が速く蒸散することになる。
一方、ヘアコンディショナー等の毛髪化粧料において、コンディショニング成分を配合することにより、毛髪の潤滑性を向上させることができるため、毛髪の交叉やもつれ等を抑制し、絡まないようにする効果が向上する。ところが、コンディショニング成分の添加により、毛髪間の粘着性が向上するため、毛髪同士が離れてばらばらになることも抑制されて、毛髪の乾燥し易さは抑えられる。
つまり、毛髪化粧料に配合される潤滑成分は粘着性を有するため、潤滑成分による毛髪への潤滑性の付与と、毛髪間の粘着性の抑制とは、トレードオフの関係にあった。
そこで、本発明者は、毛髪への潤滑性の付与と、毛髪間の粘着性の抑制とを両立すべく検討したところ、成分(A)〜(E)を組み合わせて用いることにより、髪の絡まりをほぐしながら毛髪上の付着成分による粘着性を弱めることができ、処理後の濡れ髪が極めてばらけやすくなり、髪の絡まりが少なく乾燥速度を飛躍的に向上させることができることを見出した。
そこで、本発明者は、毛髪への潤滑性の付与と、毛髪間の粘着性の抑制とを両立すべく検討したところ、成分(A)〜(E)を組み合わせて用いることにより、髪の絡まりをほぐしながら毛髪上の付着成分による粘着性を弱めることができ、処理後の濡れ髪が極めてばらけやすくなり、髪の絡まりが少なく乾燥速度を飛躍的に向上させることができることを見出した。
すなわち、本実施形態により、毛髪への潤滑性の付与と非粘着性の付与とを両立させることができる。さらに具体的には、成分(A)および(E)を組み合わせて毛髪同士が離れやすいようにしつつ、成分(A)〜(E)を毛髪に最少限残留させることにより、タオルドライ時やドライヤー等による乾燥中等の濡れた毛髪の絡みを効果的に抑制することができるとともに、毛髪同士の粘着を好適に抑制して毛髪同士のばらけ性を向上させることができる。このため、たとえば使用者が実感できる速乾性と絡まり防止効果とを得ることが可能となる。
また、本実施形態の毛髪化粧料は、好ましくは毛髪に適用後、洗い流して使用されるものであり、たとえば、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック等の浴室内で使用されるものが挙げられる。
本実施形態の毛髪化粧料を用いて毛髪のコンディショニング処理をおこなうには、本実施形態の毛髪化粧料を毛髪に塗布した後、水で洗い流せばよい。これにより、すすぎ後のタオルドライ時には毛束がばらけやすくなり、濡れた髪を短時間で乾燥させることができる。また、たとえば乾燥後の髪にさらさら感としっとり感を付与することも可能となる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
(実施例1〜16および比較例1〜5)
表1および2に示す組成のヘアコンディショナーを調製し、以下の方法および基準に従って、その評価をおこなった。
表1および2に示す組成のヘアコンディショナーを調製し、以下の方法および基準に従って、その評価をおこなった。
(ヘアコンディショナーの調製方法)
成分(C)および(D)を80℃で溶融混合し、油相を調製した。
そして、80℃に加温したイオン交換水に得られた油相を加えて均一混合し、乳化物を得た。
得られた乳化物を室温まで冷却する過程で、成分(A)、(B)および(E)または(E)'を添加して分散させた。
室温まで冷却後の乳化物にクエン酸を加えてpHを3.2〜4.5に調整し、ヘアコンディショナー組成物を得た。
成分(C)および(D)を80℃で溶融混合し、油相を調製した。
そして、80℃に加温したイオン交換水に得られた油相を加えて均一混合し、乳化物を得た。
得られた乳化物を室温まで冷却する過程で、成分(A)、(B)および(E)または(E)'を添加して分散させた。
室温まで冷却後の乳化物にクエン酸を加えてpHを3.2〜4.5に調整し、ヘアコンディショナー組成物を得た。
(pH測定方法)
pHは試料を精製水で20質量倍に希釈し、撹拌溶解したのち、東亜ディーケーケー社製のpH計(HM−30R型)を用い、25℃にて測定した。
pHは試料を精製水で20質量倍に希釈し、撹拌溶解したのち、東亜ディーケーケー社製のpH計(HM−30R型)を用い、25℃にて測定した。
(評価)
(乾燥過程の絡まりのなさ)
6cm×6cm角の範囲に200本/cm2の密度、生え角60°で、長さ30cmの日本人の直毛毛髪を植毛した毛髪トレスを、市販のブリーチ剤(リーゼプリティア 泡ブリーチ、花王社製、1剤と2剤の混合比:1対2)でブリーチ処理(毛髪の5質量倍のブリーチ剤を塗布し、30分間室温で処理)を2回行い、毛束のバラけやすさの評価に用いた。作製した毛髪トレスを後述する処方のプレーンシャンプーで2回洗ってから、表1および2に記載のヘアコンディショナー1gを塗布し、水道水ですすいだ。すすぎ後、含水量が10gとなるように調整した毛髪トレスの上下に、ペーパータオル(大王製紙社製、エリエールプロワイプ)、アクリル板、錘(アクリル板と錘の総重量1.3kg)を順に乗せ、余分な水分を除去した(処理時間は10秒)。
次に、毛髪トレスを下向きに設置し、ドライヤー(パナソニック社製 TURBODRY1300)の吹き出し口から毛髪中心部までの距離が25cmで、温風が約45°斜め上から当たるよう、ドライヤーと毛髪トレスを固定し、4秒に1回ずつ指を通しながらドライヤー乾燥を行った。この際、完全に乾燥するまでの「乾燥過程の絡まりのなさ」について研究員5名で官能評価を行った。評価は以下の基準とし、5名の評価ポイントの総合点で表した。
官能評価の基準は以下のとおり(表は5名の合計点)である。
絡まりにくい:5
やや絡まりにくい:4
どちらともいえない:3
やや絡まりやすい:2
絡まりやすい:1
(乾燥過程の絡まりのなさ)
6cm×6cm角の範囲に200本/cm2の密度、生え角60°で、長さ30cmの日本人の直毛毛髪を植毛した毛髪トレスを、市販のブリーチ剤(リーゼプリティア 泡ブリーチ、花王社製、1剤と2剤の混合比:1対2)でブリーチ処理(毛髪の5質量倍のブリーチ剤を塗布し、30分間室温で処理)を2回行い、毛束のバラけやすさの評価に用いた。作製した毛髪トレスを後述する処方のプレーンシャンプーで2回洗ってから、表1および2に記載のヘアコンディショナー1gを塗布し、水道水ですすいだ。すすぎ後、含水量が10gとなるように調整した毛髪トレスの上下に、ペーパータオル(大王製紙社製、エリエールプロワイプ)、アクリル板、錘(アクリル板と錘の総重量1.3kg)を順に乗せ、余分な水分を除去した(処理時間は10秒)。
次に、毛髪トレスを下向きに設置し、ドライヤー(パナソニック社製 TURBODRY1300)の吹き出し口から毛髪中心部までの距離が25cmで、温風が約45°斜め上から当たるよう、ドライヤーと毛髪トレスを固定し、4秒に1回ずつ指を通しながらドライヤー乾燥を行った。この際、完全に乾燥するまでの「乾燥過程の絡まりのなさ」について研究員5名で官能評価を行った。評価は以下の基準とし、5名の評価ポイントの総合点で表した。
官能評価の基準は以下のとおり(表は5名の合計点)である。
絡まりにくい:5
やや絡まりにくい:4
どちらともいえない:3
やや絡まりやすい:2
絡まりやすい:1
(乾いたと感じられるまでの時間)
上述したトレスを用い、乾燥過程の絡まりのなさの評価方法に準じてサンプル処理してペーパータオルにて余分な水分を除去した。
次に、毛髪トレスを下向きに設置し、ドライヤー(パナソニック社製 TURBODRY1300)の吹き出し口から毛髪中心部までの距離が25cmになるよう、ドライヤー(温風モード、風量:最弱)と毛髪トレスを固定し、4秒に1回ずつ指を通しながらドライヤー乾燥をおこなった。この際、ドライヤー乾燥開始から、毛髪が完全に乾いたと研究員が判断できるまでの時間を計測し、速乾性評価とした。
表1および表2に記載のヘアコンディショナーで処理した毛髪について、乾燥時間が300秒以下を合格とした。
上述したトレスを用い、乾燥過程の絡まりのなさの評価方法に準じてサンプル処理してペーパータオルにて余分な水分を除去した。
次に、毛髪トレスを下向きに設置し、ドライヤー(パナソニック社製 TURBODRY1300)の吹き出し口から毛髪中心部までの距離が25cmになるよう、ドライヤー(温風モード、風量:最弱)と毛髪トレスを固定し、4秒に1回ずつ指を通しながらドライヤー乾燥をおこなった。この際、ドライヤー乾燥開始から、毛髪が完全に乾いたと研究員が判断できるまでの時間を計測し、速乾性評価とした。
表1および表2に記載のヘアコンディショナーで処理した毛髪について、乾燥時間が300秒以下を合格とした。
プレーンシャンプーの処方(pH7.0)
25%ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 62.0質量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.3質量%
エデト酸二ナトリウム 0.15質量%
安息香酸ナトリウム 0.5質量%
塩化ナトリウム 0.8質量%
75%リン酸 適量
香料、メチルパラベン 微量
精製水 残量
合計 100質量%
25%ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 62.0質量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.3質量%
エデト酸二ナトリウム 0.15質量%
安息香酸ナトリウム 0.5質量%
塩化ナトリウム 0.8質量%
75%リン酸 適量
香料、メチルパラベン 微量
精製水 残量
合計 100質量%
表1および表2中、各成分として以下のものを用いた。
*1 メチルトリメチコン:TMF−1.5、信越化学工業社製
*2 シクロペンタシロキサン:SH245、信越化学工業社製
*3 トリシロキサン:KF96 1cs、信越化学工業社製
*4 ステアラミドプロピルジメチルアミン:NIKKOL アミドアミンMPS、日光ケミカルズ社製
*5 ベヘントリモニウムメトサルフェート:インクロクアット ベヘニルTMS−50−PA−(MH)、Croda Inc.社製
*6 セトリモニウムクロリド:コータミン60W、花王社製
*7 ステアリルアルコール:カルコール8098、花王社製
*8 セタノール:カルコール6098、花王社製
*1 メチルトリメチコン:TMF−1.5、信越化学工業社製
*2 シクロペンタシロキサン:SH245、信越化学工業社製
*3 トリシロキサン:KF96 1cs、信越化学工業社製
*4 ステアラミドプロピルジメチルアミン:NIKKOL アミドアミンMPS、日光ケミカルズ社製
*5 ベヘントリモニウムメトサルフェート:インクロクアット ベヘニルTMS−50−PA−(MH)、Croda Inc.社製
*6 セトリモニウムクロリド:コータミン60W、花王社製
*7 ステアリルアルコール:カルコール8098、花王社製
*8 セタノール:カルコール6098、花王社製
各実施例においては、成分(A)〜(E)を特定の範囲で組み合わせて用いているため、各比較例のものに比べて、タオルドライ時に毛束がばらけやすく、ドライヤーによる乾燥中の髪の絡みを抑制するとともに、ドライヤーで乾くまでの時間を短縮することができた。
Claims (7)
- 次の成分(A)〜(E)および水を含有する、毛髪化粧料。
(A)揮発性シリコーン 0.1質量%以上10質量%以下
(B)アミノ変性シリコーン 0.1質量%以上5質量%以下
(C)カチオン性界面活性剤 0.1質量%以上10質量%以下
(D)炭素数が12〜28である高級アルコール 1質量%以上10質量%以下
(E)25℃での蒸気圧が0.08mmHg以上の香料成分 0.03質量%以上2質量%以下 - 当該毛髪化粧料中の前記成分(C)および(D)の含有量の合計に対する前記成分(A)および(E)の含有量の合計の質量比(((A)+(E))/((C)+(D)))が0.05以上1以下である、請求項1に記載の毛髪化粧料。
- 当該毛髪化粧料中の前記成分(A)に対する前記成分(E)の質量比((E)/(A))が0.02以上40以下である、請求項1または2に記載の毛髪化粧料。
- 前記成分(C)が、下記一般式(10)で表されるアルキルアミドアミンまたはその塩、または、一般式(11)で表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩からなる群から選択される一種以上を含む、請求項1乃至3いずれか一項に記載の毛髪化粧料。
R25−N+(CH3)3X− (11)
(上記一般式(11)中、R25は炭素数12〜22のアルキル基を示し、X−は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオンまたはメトサルフェート、エトサルフェート、メトフォスフェート、エトフォスフェート等の有機アニオンを示す。) - 前記成分(D)が、炭素数16または18のアルキル基を有する高級アルコールである、請求項1乃至4いずれか一項に記載の毛髪化粧料。
- 前記成分(C)が、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミドおよびその塩、N−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミドおよびその塩からなる群から選択される一種以上を含む、請求項1乃至5いずれか一項に記載の毛髪化粧料。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の毛髪化粧料を毛髪に適用し、水で洗い流す毛髪処理方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018212129A1 (ja) | 2017-05-17 | 2018-11-22 | 花王株式会社 | 多剤式毛髪処理剤 |
WO2019031143A1 (ja) * | 2017-08-10 | 2019-02-14 | 花王株式会社 | 毛髪化粧料 |
WO2021116986A1 (zh) | 2019-12-12 | 2021-06-17 | 日商花王股份有限公司 | 毛发清洁剂组合物、试剂盒及毛发清洁方法 |
-
2015
- 2015-07-10 JP JP2015138752A patent/JP2017019748A/ja active Pending
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WO2018212129A1 (ja) | 2017-05-17 | 2018-11-22 | 花王株式会社 | 多剤式毛髪処理剤 |
WO2019031143A1 (ja) * | 2017-08-10 | 2019-02-14 | 花王株式会社 | 毛髪化粧料 |
JP2019034928A (ja) * | 2017-08-10 | 2019-03-07 | 花王株式会社 | 毛髪化粧料 |
WO2021116986A1 (zh) | 2019-12-12 | 2021-06-17 | 日商花王股份有限公司 | 毛发清洁剂组合物、试剂盒及毛发清洁方法 |
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