JP2022190755A - 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法 - Google Patents

室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な耐スランプ性、硬化性、接着性を有すると共に、UV照射に対する変色が殆どないシリコーンゴム硬化物を与えることができる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法の提供。【解決手段】(A)オルガノポリシロキサン、(B)加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、(C)無機充填剤、及び、(D)アミノ官能性基含有加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法であって、予め(A)成分、(B)成分の一部又は全部、及び(D)成分の一部又は全部を混合して均一な混合物を調製した後、該混合物に(C)成分及び残余の(B)成分及び残余の(D)成分を添加、混合して組成物を調製する工程を有する、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、大気中の湿気(水分)により室温(23℃±15℃)において硬化してシリコーンゴム硬化物(シリコーンエラストマー弾性体)を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法であって、特定のアミノ官能性基含有加水分解性オルガノシラン化合物を特定の工程において組成物中に配合することによって、良好な耐スランプ性、硬化性、接着性を有すると共に、UV照射に対する変色が殆どないシリコーンゴム硬化物を与えることができる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法に関する。
湿気により架橋・硬化する室温硬化性(RTV)シリコーンゴム組成物は、その取り扱いが容易な上、耐候性や電気特性に優れているため、建材用のシーリング材、電気電子分野での接着剤などの様々な用途を有している。一般的な室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、分子鎖末端にシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)やアルコキシシリル基を有するジオルガノポリシロキサン(ベースポリマー)、硬化剤、アミノアルキル基含有アルコキシシラン及び硬化触媒を含み、難燃性や熱伝導性、引張り強度等を付与するため、必要に応じて各種フィラーが添加される。
ところで、室温硬化性(RTV)シリコーンゴムを工業用または建築、構造用などのシーリング材として用いる場合には、施工されたシーリング材が垂れ落ちないこと(耐スランプ性)が重要である。そのため、一般的にはシリコーンとの分散性に優れ、補強性を付与することができる煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)が使用される。一般的に、シリカは表面にシラノール基が存在することで経時による水分の付着が多いため、ジクロロジメチルシランやヘキサメチルジシラザンなどのシラン化合物で表面処理される。処理されたシリカは、表面が疎水化されるため水分の吸着が抑えられることに加えて、シリコーンとの分散性にも優れるため、建材用のシーリング材や電気電子分野の接着剤などの様々な用途で使用される室温硬化性(RTV)シリコーンゴムに汎用的に添加されている。
一般的な建築、構造用シーリング材として知られる脱オキシム型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化性、耐久性、各種被着体に対する接着性を有することで汎用的に用いられているが、得られる硬化物が長期間の紫外線に曝露される環境下においてUV照射に対するゴム物性変化の点では耐候性に問題はないものの、変色が顕著であり意匠性が悪くなることが知られている。
また、建築、構造用シーリング材としては脱酢酸型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物も汎用的に使用されており、硬化性、接着性に優れ、かつUV照射に対する変色も僅かであることが知られているが、硬化中に発生する酢酸のため作業性が悪い。
一方、脱アルコール型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、上記脱オキシム型や脱酢酸型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物と比べると調製方法が容易ではない。ベースポリマーとして分子鎖両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンを使用した場合、シラノール基をアルコキシシリル化する(アルコキシシリル基で末端封鎖する)必要が有るが、その反応速度は上記脱オキシム型や脱酢酸型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物と比べて遅いことが、脱アルコール型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の調製方法が容易ではない理由として挙げられる。また、ベースポリマーとして予め分子鎖両末端がアルコキシシリル化されたオルガノポリシロキサンを使用する方法も知られているが、両末端シラノール基のものと比べてコストが高くなるため、該方法は汎用性にかける。
分子鎖両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンを末端封鎖する手法として、特開昭63-83166号公報及び特開昭63-83167号公報(特許文献1~2)には、末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンに、アルコキシ基含有シランと特定のアミノ基含有シランを末端封鎖触媒として配合することで、組成物の製造工程中に末端封鎖し、錫触媒を用いることなく、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が得られることが開示されている。
アミノ基含有シランを、末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンと事前に混合する方法としては、特開2000-129130号公報(特許文献3)に、微粉末シリカと共存条件下で混合することで、流動性、セルフレベリング性などに優れる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を製造する方法が開示されている。
また特定のアミノ基含有シランと末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンとを事前に混合することにより系中で末端封鎖する手法が、特許第5888112号公報(特許文献4)に開示されている。
これら従来の方法は、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造工程中においてベースポリマーの末端を封鎖できるため、コスト面等で非常に有用な手段であるが、反応により発生するアルコールが系中に残存することにより保存安定性が問題となる場合がある。また末端封鎖触媒として酸触媒を使用する場合は、塩基性の接着性付与剤が中和されるため、接着性が不良となる可能性がある。さらに、これら従来の技術により調製される室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は良好な硬化特性は示すものの、得られる硬化物の変色耐性や劣化については言及されていなかった。
特開昭63-83166号公報 特開昭63-83167号公報 特開2000-129130号公報 特許第5888112号公報
そこで本発明の目的は、良好な耐スランプ性、硬化性、接着性を有すると共に、UV照射に対する変色が殆どないシリコーンゴム硬化物を与えることができる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、分子鎖両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンをベースポリマーの出発原料とし、特定のアミノ官能性基含有加水分解性オルガノシラン化合物を末端封鎖触媒として使用すると共に、該特定のアミノ官能性基含有加水分解性オルガノシラン化合物(末端封鎖触媒)を特定の工程において組成物中に配合することによって、良好な耐スランプ性、硬化性、接着性を有すると共に、得られる硬化物のUV照射に対する変色が殆どないシリコーンゴム硬化物を与えることができる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を製造することができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法を提供するものである。
[1]
(A)下記一般式(1)
Figure 2022190755000001
(式(1)中、R1は独立に炭素数1~10の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、mは10以上の数である)で示されるオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)下記一般式(2)
Figure 2022190755000002
(式(2)中、R2は、炭素数1~10の非置換一価炭化水素基であり、OR3は加水分解性基であり、aは3又は4である)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 0.1~30質量部、
(C)無機充填剤 1~200質量部、及び、
(D)1分子中に窒素原子を3個以上有するアミノ官能性基含有加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 0.5~3質量部、
を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法であって、
予め(A)成分、(B)成分の一部又は全部((B)成分全体の10~100質量%)、及び(D)成分の一部又は全部((D)成分全体の50~100質量%)を混合して均一な混合物を調製した後、該混合物に(C)成分及び残余の(B)成分((B)成分全体の0~90質量%)及び残余の(D)成分((D)成分全体の0~50質量%)を添加、混合して組成物を調製する工程を有する、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法。

[2]
(D)成分が、下記一般式(3)又は一般式(3)’で示されるアミノ官能性基含有加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物である[1]に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法。
Figure 2022190755000003
(各式中、Yは、その構造中に窒素原子を2個以上含有する炭素数1~15の1価又は2価炭化水素基を示し、Zは、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~10の非置換又は置換の2価炭化水素基を示す。Rは、炭素数1~6の加水分解性基及び炭素数1~6の1価炭化水素基から選ばれる1種又は2種以上の1価の基であり、ケイ素原子に結合する3個のRのうち、少なくとも2個のRは加水分解性基である。)
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法は、ベースポリマーである(A)成分中の分子鎖両末端のシラノール基が、末端封鎖触媒(縮合触媒)である(D)成分との共存による塩基性条件下において、架橋剤・硬化剤である(B)成分から誘導される加水分解性シリル基で効果的に末端封鎖されることによって、得られる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物が、長期間の紫外線照射条件下に晒された場合であっても、各種基材に対して良好な接着性を発現すると同時に、なおかつ優れたUV照射に対する変色耐性が得られる。
また、本発明の製造方法は、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造工程中においてベースポリマーの末端を封鎖できるため、コスト面等で非常に有利である。また、塩基性の接着性付与剤を組成物中に配合する場合であっても、本発明は酸触媒を使用しないため、塩基性の接着性付与剤が中和され、接着性が不良となることはない。
したがって、本発明の製造方法で製造された室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、建材用のシーリング材、電気・電子用の接着剤として有用である。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法は、予め下記(A)成分、(B)成分の一部又は全部(通常、組成物に配合する(B)成分全体の10~100質量%、好ましくは15~80質量%、より好ましくは20~60質量%)及び(D)成分の一部又は全部(通常、組成物に配合する(D)成分全体の50~100質量%、好ましくは75~100質量%、より好ましくは80~100質量%)を混合して均一な混合物を調製する工程(第1工程)、及び、
第1工程の後、該混合物に(C)成分及び残余の成分として、(B)成分の残余分(通常、(B)成分全体の0~90質量%、好ましくは20~85質量%、より好ましくは40~80質量%)、(D)成分の残余分(通常、(D)成分全体の0~50質量%、好ましくは0~25質量%、より好ましくは0~20質量%)、並びに必要に応じてその他の任意成分を添加、混合する工程(第2工程)
を有する。
上記の第1工程及び第2工程において、各成分は減圧下で混合されてもよい。
[(A)成分]
(A)成分は、下記一般式(1)で示される分子鎖両末端がシラノール基(ケイ素原子に結合した水酸基)で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであり、本発明の組成物の主剤(ベースポリマー)として作用するものである。
Figure 2022190755000004
式(1)中、R1は独立に炭素数1~10の置換又は非置換の一価の炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などの環状アルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;およびこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子で置換された基、例えば3,3,3-トリフルオロプロピル基等が挙げられる。これらの中では、特にメチル基が好ましい。
1は同一の基であっても異種の基であってもよく、またmは10以上の数、好ましくは10~2,000の数、より好ましくは50~1,500の数、更に好ましくは100~1,000の数であり、特に該ジオルガノポリシロキサンの23℃における粘度が25~500,000mPa・s、好ましくは50~100,000mPa・s、より好ましくは100~50,000mPa・sとなる数である。なお、本発明において、粘度は回転粘度計(例えば、BL型、BH型、BS型、コーンプレート型、レオメータ)等による23℃での測定値であり、ジオルガノポリシロキサン中の主鎖を構成する繰り返し単位((R12SiO2/2)の繰り返し数mの値(又は重合度)は、例えば、トルエン等を展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めた値である。
(A)成分は1種単独でも又は2種以上を併用してもよい。
[(B)成分]
(B)成分は、下記一般式(2)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物であり、本発明の組成物の架橋剤・硬化剤として作用するものであると共に、(B)成分の一部は、上記(A)成分の分子鎖両末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンの末端シラノール基を、加水分解性シリル基で封鎖するためのシリル化剤としても作用するものである。
本発明において、「部分加水分解縮合物」とは、加水分解性(オルガノ)シラン化合物を部分的に加水分解・縮合して生成する分子中に残存加水分解性基を3個以上有する(オルガノ)シロキサンオリゴマーを意味する。
Figure 2022190755000005
式(2)中、R2は、炭素数1~10の非置換一価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;及びこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子で置換された基、例えば3,3,3-トリフルオロプロピル基等が挙げられる。これらの中では、メチル基、エチル基、ビニル基が好ましく、メチル基、ビニル基が特に好ましい。aは3又は4である。R2は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(2)中のOR3は加水分解性基であり、該加水分解性基は、炭素数1~4のアルコキシ基、炭素数2~4のケトオキシム基、炭素数2~4のアルケニルオキシ基、炭素数2又は3のアシロキシ基及び炭素数2~4のジアルキルアミノキシ基からなる群から選択される基であることが好ましい。該加水分解性基(OR3)としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~4、特に炭素数1又は2のアルコキシ基、エチルメチルケトオキシム基等の炭素数2~4のケトオキシム基、イソプロペノキシ基等の炭素数2~4のアルケニルオキシ基、アセトキシ基等の炭素数2又は3のアシロキシ基、ジメチルアミノキシ基等の炭素数2~4のジアルキルアミノキシ基等が挙げられ、ケトオキシム基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基が好ましく、アルコキシ基、イソプロペノキシ基が特に好ましい。OR3は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
(B)成分の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、エチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン等のケトオキシムシランメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシランメチルトリイソプロペノキシシラン、エチルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリイソプロペノキシシラン等のイソプロペノキシ基含有シランメチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアセトキシシラン、並びにこれらシランの部分加水分解縮合物が挙げられる。(B)成分は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1~30質量部、好ましくは0.5~20質量部、より好ましくは1~15質量部の範囲である。0.1質量部未満では、十分な架橋性が得られず、目的とするゴム弾性を有するシリコーンゴム硬化物を得ることができない場合がある。また30質量部を超えると、得られるシリコーンゴム硬化物は機械特性が低下したり、組成物の硬化速度も遅くなる場合がある。
[(C)成分]
(C)成分は、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化して得られるシリコーンゴム硬化物の機械的強度等の物性を向上させるための無機充填剤であり、例えば、粉砕シリカ、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)、湿式シリカ、結晶性シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、ベーマイト、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラック、ガラスビーズ、ガラスバルーンなどが挙げられ、単独で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせてもよい。これらの無機充填剤は、表面処理されていなくても、公知の処理剤で表面処理されていてもよい。公知の処理剤としては例えば、特開2000-256558号公報に記載の加水分解性基含有ポリシロキサンが好ましいが、これに限定されるものではない。これらの中では、粉砕シリカ、煙霧質シリカ、湿式シリカ、結晶性シリカ等のシリカ系充填剤が好ましく、煙霧質シリカ、湿式シリカが特に好ましい。
(C)成分で使用するシリカの比表面積(BET法)は、通常、50~300m2/gが好ましく、50~250m2/gがより好ましく、50~200m2/gが特に好ましい。比表面積が50m2/g未満の場合、良好なチキソトロピー性を有する組成物が得られず、目的とするゴム強度やゴム弾性を有する硬化物が得難い場合がある。また300m2/gを超えると、オルガノポリシロキサンに対して添加できる量が限られ、汎用性に富む室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製するのが困難となる場合がある。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して1~200質量部、好ましくは1~100質量部、特に好ましくは1~50質量部である。1質量部未満では、良好なチキソトロピー性を有する組成物が得られず、目的とするゴム強度やゴム弾性を有する硬化物が得難い場合がある。また200質量部を超えると、前記(A)成分との混練が困難となり、良好な室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製するのが難しい場合がある。
[(D)成分]
(D)成分は、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物において、上記(A)成分の分子鎖両末端シラノール基封鎖ジオルガノポリシロキサンの末端シラノール基を(B)成分から誘導される加水分解性シリル基で封鎖する((A)成分の分子鎖両末端を加水分解性シロキシ化する)ために作用するための末端封鎖触媒(縮合触媒)として働く重要な化合物であり、具体的には、1分子中に窒素原子を3個以上、好ましくは3~6個、より好ましくは3~5個有するアミノ官能性基含有加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物であり、特には、下記一般式(3)又は一般式(3)’で示される、触媒機能を発現する1価又は2価の塩基性部位(Y)を有するアミノ基含有加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物である。
Figure 2022190755000006
式(3)及び(3)’中、Yは、その構造中に窒素原子を2個以上含有する炭素数1~15の1価又は2価炭化水素基を示し、Zは、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~10の非置換又は置換の2価炭化水素基を示す。Rは、炭素数1~6の加水分解性基及び炭素数1~6の1価炭化水素基から選ばれる1種又は2種以上の1価の基であり、ケイ素原子に結合する3個のRのうち、少なくとも2個のRは加水分解性基である。
一般式(3)又は一般式(3)’において、触媒機能を発現する1価又は2価の塩基性部位(Y)は、その構造中に窒素原子を2個以上、好ましくは2~5個、より好ましくは2~4個有する炭素数1~15の1価又は2価炭化水素基を示し、塩基性部位(Y)のうち、1価の基としては、例えば、下記式(4)で示される1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンから誘導される基など、2価の基としては、例えば、下記式(5)で示されるN-置換又は非置換のグアニジル基等が挙げられる。なお、下記式(4)及び(5)において、波線部は、式(3)又は式(3)’の窒素原子との結合部位を示す。
Figure 2022190755000007
式(5)中のR4~R7はそれぞれ、水素原子又は炭素数1~10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等の環状アルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基などが挙げられる。これらの中では、メチル基、エチル基、フェニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。また、R4~R7は同じであっても、異なっていてもよい。
また、上記式(3)又は(3)’において、Rは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基等のアルコキシ基、ビニロキシ基、アリロキシ基、プロペノキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケニルオキシ基、ジメチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等のケトオキシム基、アセトキシ基等のアシルオキシ基などの炭素数1~6、好ましくは炭素数1~4の加水分解性基(即ち、ケイ素原子に結合してSi-O-C結合を形成し得る基)、及び、メチル基、エチル基等のアルキル基、ビニル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基などの炭素数1~6、好ましくは炭素数1~4の1価炭化水素基から選ばれる1種又は2種以上の1価の基であり、ケイ素原子に結合する3個のRのうち、少なくとも2個、好ましくは3個のRは加水分解性基である。
また、上記式(3)又は(3)’において、加水分解性シリル基(-SiR3)としては、例えば、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ビニルジメトキシシリル基、フェニルジメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のアルコキシシリル基;トリイソプロペノキシシリル基、メチルジイソプロペノキシシリル基、エチルジイソプロペノキシシリル基、ビニルジイソプロペノキシシリル基、フェニルジイソプロペノキシシリル基等のイソプロペノキシシリル基;トリス(ジメチルケトオキシム)シリル基、トリス(ジエチルケトオキシム)シリル基、トリス(エチルメチルケトオキシム)シリル基等のケトオキシムシリル基などが挙げられる。
上記式(3)又は(3)’において、Zは、酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子を含んでもよい、炭素数1~10、特には炭素数3~6の、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基等又はこれらが組み合わされた基などの非置換又は置換の2価炭化水素基を示す。Zとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、2-メチルプロピレン基等のアルキレン基;フェニレン基等のアリーレン基、これらアルキレン基とアリーレン基が結合した基、ケトン、エステル、アミド等が介在した上記アルキレン基などが挙げられるが、好ましくはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、アミド結合を介したプロピレン基等であり、特に好ましくはトリメチレン基である。
一般式(3)又は一般式(3)’で示されるアミノ基含有加水分解性オルガノシランの具体例としては、下記一般式(6)~(11)に示されるもの等を挙げることができる。なお、Me、Et、Phはそれぞれ、メチル基、エチル基、フェニル基を示す。
Figure 2022190755000008
上記一般式(6)~(11)のうち、式(6)、式(7)又は式(8)で示される、特には、式(8)で示される、N-メチル置換のグアニジル基含有トリメトキシシラン(例えば、γ-(N,N’-ジメチルグアニジル)プロピルトリメトキシシラン)等の、N-メチル置換グアニジル基含有トリアルコキシシランが好ましい。
(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.5~3質量部であり、0.5~2質量部が好ましく、0.5~1.5質量部がより好ましい。0.5質量部未満では、目的とする末端封鎖触媒としての機能を果たさない場合がある。3質量部を超えると、末端封鎖には有利に働くが、コスト的に不利となるため好ましくない。
[その他の成分]
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法は、上述の(A)成分~(D)成分に加えて、必要に応じて任意成分を組成物に配合する工程を有していてもよい。該工程は、上記第1工程後であってもよいし、上記第2工程中であってもよいし、上記第2工程後であってもよい。
該組成物の硬化物の各種被着体への接着性をさらに向上させるために、必要に応じて配合できる任意成分として、シランカップリング剤(1分子中に、窒素、硫黄及び酸素から選ばれるヘテロ原子を含有する官能性基(但し、グアニジル基を除く)を有する1価炭化水素基を有するアルコキシシラン等の加水分解性シラン化合物、又はいわゆるカーボンファンクショナルシラン化合物)を接着性付与剤として組成物に配合してもよい。シランカップリング剤としては、加水分解性基として、アルコキシシリル基又はアルケノキシシリル基を有するシラン化合物が挙げられ、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N-β-(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(N-アミノメチルベンジルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N,N’-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリイソプロペノキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、(メタ)アクリルシランとアミノシランの反応物、エポキシシランとアミノシランの反応物等、アミノシランとハロゲン化アルキル基含有シランとの反応物などが例示される。特にはアミノ基を1分子内に少なくとも1つ有するシランカップリング剤の使用が好ましい。
シランカップリング剤を配合する場合、その配合量は、(A)成分100質量部当たり、通常、0.1~20質量部、好ましくは0.1~10質量部、特に好ましくは0.1~5質量部である。0.1質量部未満では十分な接着性が得られない場合があり、20質量部を超えると良好な機械特性が得られなかったり、また価格的に不利となる場合がある。
また、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法は、必要に応じて配合できる任意成分として、上記(D)成分以外の硬化触媒(縮合触媒)を組成物に配合する工程を有していてもよい。この(D)成分以外の硬化触媒は、金属系縮合触媒や非金属系縮合触媒を好適に使用することができ、1種を単独で使用しても2種以上の混合物として使用してもよい。(D)成分以外の硬化触媒(縮合触媒)としては、例えば、錫、チタン、ジルコニウム、鉄、アンチモン、ビスマス、マンガン等の金属の有機カルボン酸塩及びアルコキサイド;有機チタン酸エステル;有機チタンキレート化合物が例示され、より具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレートエステル、ジメチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジオクチル錫ジネオデカノエート、スタナスオクトエート等の錫化合物;テトラブチルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等のチタン化合物などの金属系縮合触媒;ジブチルアミン、ラウリルアミン等のアミン化合物及びその塩;ヘキサメチルジシラザン等のオルガノシラザン化合物などの非金属系縮合触媒等が例示される。本発明の製造方法で製造される室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、速硬化性や深部硬化性などの硬化特性が優れることから、有機錫化合物を添加することが好ましく、中でも、ジアルキル錫ジアルコキサイド、ジアルキル錫ジカルボン酸塩であることが特に好ましい。
(D)成分以外の硬化触媒(縮合触媒)を配合する場合、その添加量は、(A)成分100質量部に対して、0.001~20質量部、好ましくは0.01~5質量部、特に好ましくは0.03~3質量部である。0.001質量部未満では、充分な架橋性(硬化性)が得られない場合があり、20質量部を超えると、価格的に不利になる場合や硬化速度が低下するなどの不都合が生じる場合がある。
また、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法は上記成分以外に、各種の添加剤を任意成分として配合する工程を有していてもよい。該工程は、上記第1工程後であってもよいし、上記第2工程中であってもよいし、上記第2工程後であってもよい。
添加剤としては、公知の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。例えば、ウェッターやチキソトロピー向上剤としてのポリエーテル化合物、可塑剤としての非反応性ジメチルシリコーンオイル(分子鎖両末端トリアルキルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン)、イソパラフィン、架橋密度向上剤としてのトリメチルシロキシ単位〔(CH33SiO1/2単位〕とSiO2単位とからなる三次元網状構造のオルガノポリシロキサンレジン等が挙げられる。
更に、必要に応じて、顔料、染料、蛍光増白剤等の着色剤;防かび剤;抗菌剤;非反応性フェニルシリコーンオイル(分子鎖両末端トリアルキルシリル基封鎖メチルフェニルポリシロキサン)、フルオロシリコーンオイル(分子鎖両末端トリアルキルシリル基封鎖メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ポリシロキサン)等のブリードオイル;シリコーンと非相溶性である有機液体等の表面改質剤;及びトルエン、キシレン、溶剤揮発油、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、低沸点イソパラフィン等の溶剤も添加してよい。
本発明の製造方法により製造された本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、湿分を避けた雰囲気下で保存することができ、これを室温(23℃±15℃)で、空気雰囲気下に放置すると、空気中の水分により通常5分~1週間で硬化する。
以下、本発明を具体的に説明する実施例及び比較例を示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、実施例において、粘度は23℃における回転粘度計による測定値であり、重合度は、トルエンを展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析におけるポリスチレン換算の数平均重合度を示す。なお、Meはメチル基を示す。
実施例1
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖され23℃における粘度が50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン(一般式(1)において、R1=メチル基、m=約970に相当するもの)60質量部、メチルトリメトキシシラン3.0質量部、γ-(N,N’-ジメチルグアニジル)プロピルトリメトキシシラン1.0質量部を減圧下にて60分混合して均一な混合物を調製した。次いで、該混合物に比表面積が130m2/gの煙霧質シリカ9.0質量部を減圧下にて30分混合した後、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され23℃における粘度が100mPa・sのジメチルポリシロキサン25質量部を減圧下にて15分混合した。最後に、メチルトリメトキシシラン3.0質量部、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン1.0質量部、ヘキサメチルジシラザン0.5質量部、ジオクチル錫ジラウレート0.2質量部を減圧下にて15分混合して組成物1を得た。
実施例2
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖され23℃における粘度が50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン(一般式(1)において、R1=メチル基、m=約970に相当するもの)60質量部、メチルトリメトキシシラン3.0質量部、γ-(N,N’-ジメチルグアニジル)プロピルトリメトキシシラン1.0質量部を減圧下にて60分混合して均一な混合物を調製した。次いで、該混合物に比表面積が130m2/gの煙霧質シリカ9.0質量部を減圧下にて30分混合した後、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され23℃における粘度が100mPa・sのジメチルポリシロキサン25質量部を減圧下にて15分混合した。最後に、メチルトリメトキシシラン3.0質量部、N-β-(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン1.0質量部、ヘキサメチルジシラザン0.5質量部、ジオクチル錫ジラウレート0.2質量部を減圧下にて15分混合して組成物2を得た。
実施例3
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖され23℃における粘度が50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン(一般式(1)において、R1=メチル基、m=約970に相当するもの)60質量部、メチルトリメトキシシラン3.0質量部、γ-(N,N’-ジメチルグアニジル)プロピルトリメトキシシラン1.0質量部を減圧下にて60分混合して均一な混合物を調製した。次いで、該混合物に比表面積が130m2/gの煙霧質シリカ9.0質量部を減圧下にて30分混合した後、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され23℃における粘度が100mPa・sのジメチルポリシロキサン25質量部を減圧下にて15分混合した。最後に、ビニルトリメトキシシラン3.0質量部、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン1.0質量部、ヘキサメチルジシラザン0.5質量部、ジオクチル錫ジラウレート0.2質量部を減圧下にて15分混合して組成物3を得た。
実施例4
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖され23℃における粘度が50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン(一般式(1)において、R1=メチル基、m=約970に相当するもの)60質量部、メチルトリメトキシシラン3.0質量部、γ-(N,N’-ジメチルグアニジル)プロピルトリメトキシシラン1.0質量部を減圧下にて60分混合して均一な混合物を調製した。次いで、該混合物に比表面積が130m2/gの煙霧質シリカ9.0質量部を減圧下にて30分混合した後、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され23℃における粘度が100mPa・sのジメチルポリシロキサン25質量部を減圧下にて15分混合した。最後に、23℃における粘度が5mPa・sであるメチルトリメトキシシランのオリゴマー(信越化学工業(株)製 KC-89E)を2.0質量部、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン1.0質量部、ヘキサメチルジシラザン0.5質量部、ジオクチル錫ジラウレート0.2質量部を減圧下にて15分混合して組成物4を得た。
比較例1
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖され23℃における粘度が50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン(一般式(1)において、R1=メチル基、m=約970に相当するもの)60質量部、メチルトリメトキシシラン3.0質量部、下記式(12)で示される1分子中にアミノ基を2個有するアミノ官能性基含有加水分解性オルガノシラン化合物1.0質量部を減圧下にて60分混合して均一な混合物を調製した。次いで、該混合物に比表面積が130m2/gの煙霧質シリカ9.0質量部を減圧下にて30分混合した後、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され23℃における粘度が100mPa・sのジメチルポリシロキサン25質量部を減圧下にて15分混合した。最後に、メチルトリメトキシシラン3.0質量部、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン1.0質量部、ヘキサメチルジシラザン0.5質量部、ジオクチル錫ジラウレート0.2質量部を減圧下にて15分混合して組成物5を得た。
Figure 2022190755000009

Meはメチル基を示す。
比較例2
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖され23℃における粘度が50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン(一般式(1)において、R1=メチル基、m=約970に相当するもの)60質量部、メチルトリメトキシシラン3.0質量部、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン1.0質量部を減圧下にて60分混合して均一な混合物を調製した。次いで、該混合物に比表面積が130m2/gの煙霧質シリカ9.0質量部を減圧下にて30分混合した後、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され23℃における粘度が100mPa・sのジメチルポリシロキサン25質量部を減圧下にて15分混合した。最後に、メチルトリメトキシシラン3.0質量部、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン1.0質量部、ヘキサメチルジシラザン0.5質量部、ジオクチル錫ジラウレート0.2質量部を減圧下にて15分混合して組成物6を得た。
比較例3
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖され23℃における粘度が50,000mPa・sのジメチルポリシロキサン(一般式(1)において、R1=メチル基、m=約970に相当するもの)60質量部、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖され23℃における粘度が100mPa・sのジメチルポリシロキサン25質量部、メチルトリメトキシシラン6.0質量部、γ-(N,N’-ジメチルグアニジル)プロピルトリメトキシシラン1.0質量部、比表面積が130m2/gの煙霧質シリカ9.0質量部、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン1.0質量部、ヘキサメチルジシラザン0.5質量部、ジオクチル錫ジラウレート0.2質量部を一括して同時に(同一工程中に)配合し、減圧下にて15分混合して組成物7を得た。
上記で調製した各組成物1~7について、それぞれ以下の特性を確認した。
・タックフリータイム
調製した組成物1から7のそれぞれを、JIS K 6249に記載の方法に従い、23℃/50%RH環境下にて指触によるタックフリータイム(分)を評価した。得られた結果を表1に示す。
・吐出性
組成物1から7のそれぞれを密閉可能容器(ポリカーボネート製330mlカートリッジ)に入れた後、先端にφ4.5mmの吐出口を開けたノズルを取り付け、0.2MPaの吐出圧にて5秒間各組成物を押し出す。5秒後、押し出された重さ(g)を測定し、吐出性を評価した。得られた結果を表1に示す。
・耐スランプ性
調製した組成物1から7のそれぞれを、JIS A 1439(建築用シーリング材の試験方法)に記載のスランプ試験の方法に従い、耐スランプ性の確認を行った。
・硬化性
調製した組成物1から7のそれぞれを、23℃/50%RH環境下にて厚さが3mmになるように7日放置し硬化させ、JIS K 6249に従い硬さ、伸び、引張り強度を測定した。
・接着性
調製した組成物1から7のそれぞれを、エタノールで表面を洗浄した表1に示す各種基材からなる被着体に、厚さが3mmになるように塗布し、23℃/50%RH環境下にて7日硬化させた。7日後、被着体からゴム(組成物の硬化物)を剥がし、接着性を確認し、下記の基準で評価した。
○:被着体とゴム界面に1cm程度の切込みを入れ、手でせん断方向に引張った際に、ゴムが被着体から剥離しない。
×:被着体とゴム界面に1cm程度の切込みを入れ、手でせん断方向に引張った際に、ゴムが被着体から剥離する。
・UV照射に対する変色耐性
調製した組成物1から7のそれぞれを、23℃/50%RH環境下にて厚さが3mmになるように7日放置し硬化させ、KONICA MINOLTA社製 色彩色差計CR-400にて色差を測定した。測定後、硬化物に254nmのUVを1日照射し、再度色差を測定した。UV照射前後の色差をΔEで算出した。
以下の基準により、UV照射に対する変色耐性を評価した。得られた結果を表1に示す。
○:ΔEが3.0未満である。
×:ΔEが3.0以上である。
Figure 2022190755000010
分子鎖両末端がシラノール基のポリジメチルシロキサンをγ-(N,N’-ジメチルグアニジル)プロピルトリメトキシシラン存在下、メチルトリメトキシシランで末端封鎖することで、耐スランプ性、硬化性、接着性が良好でかつ、UV照射に対する変色が少ない室温硬化性オルガノポリシロキサンとなることを確認した(組成物1~4)。
γ-(N,N’-ジメチルグアニジル)プロピルトリメトキシシランの代わりに、特定のアミノシランを配合するとUV照射に対する変色が大きいか、あるいは耐スランプ性、硬化性、接着性に乏しい室温硬化性オルガノポリシロキサンとなった(組成物5、6)。
実施例1と同じ成分を同じ量で全て同一工程中に同時に配合し混合した組成物では、混合中にゲル化してしまい、目的とする硬化物が得られなかった(組成物7)。

Claims (2)

  1. (A)下記一般式(1)
    Figure 2022190755000011
    (式(1)中、R1は独立に炭素数1~10の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、mは10以上の数である)で示されるオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)下記一般式(2)
    Figure 2022190755000012
    (式(2)中、R2は、炭素数1~10の非置換一価炭化水素基であり、OR3は加水分解性基であり、aは3又は4である)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 0.1~30質量部、
    (C)無機充填剤 1~200質量部、及び、
    (D)1分子中に窒素原子を3個以上有するアミノ官能性基含有加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 0.5~3質量部、
    を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法であって、
    予め(A)成分、(B)成分の一部又は全部((B)成分全体の10~100質量%)、及び(D)成分の一部又は全部((D)成分全体の50~100質量%)を混合して均一な混合物を調製した後、該混合物に(C)成分及び残余の(B)成分((B)成分全体の0~90質量%)及び残余の(D)成分((D)成分全体の0~50質量%)を添加、混合して組成物を調製する工程を有する、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法。
  2. (D)成分が、下記一般式(3)又は一般式(3)’で示されるアミノ官能性基含有加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物である請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法。
    Figure 2022190755000013
    (各式中、Yは、その構造中に窒素原子を2個以上含有する炭素数1~15の1価又は2価炭化水素基を示し、Zは、ヘテロ原子を含んでもよい炭素数1~10の非置換又は置換の2価炭化水素基を示す。Rは、炭素数1~6の加水分解性基及び炭素数1~6の1価炭化水素基から選ばれる1種又は2種以上の1価の基であり、ケイ素原子に結合する3個のRのうち、少なくとも2個のRは加水分解性基である。)
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