JP2022190635A - 粉体シール材 - Google Patents

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康之 大原
Yasuyuki Ohara
旭 加藤
Asahi Kato
洋平 橘田
Yohei Kitta
一幸 長坂
Kazuyuki Nagasaka
勝 中山
Masaru Nakayama
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【課題】紛体の外部への漏出を抑制することができる粉体シール材を提供する。【解決手段】互いに交差する方向に延びる複数本の経糸及び緯糸を織り上げて得られる基布上に起毛された複数本のパイル糸からなる粉体シール材であって、経糸が、緯糸に織り込まれたパイル糸に緯糸方向で接触する領域で、緯糸を跨いで基布の表側に表出するように織り込まれ、少なくともパイル糸が織り込まれた緯糸及び該緯糸に隣接する緯糸に織り込まれることなく基布の表側に表出している。【選択図】図2

Description

本発明は、粉体シール材に関する。
微細粉粒体に接触する移動体に対向する支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みして得られる編布より形成された基布と、該基布上に起毛され、移動体に摺接してその表面に付着した微細粉粒体を掻き取ることにより移動体表面をクリーニングするパイル糸とを備える微細粉粒体のクリーニング材が知られている(特許文献1)。
微細粉粒体に接触する可動体と該可動体のハウジングとの所定の隙間を、可動体あるいはハウジング面に接着して該可動体の可動を妨げることなく前記粉粒体のもれをシールするシール材であって、摺動する羽毛となるパイル糸とそれを支える平織地組織の基布から構成されたパイル織物を主体とし、羽毛のパイル糸が単糸繊度6デニール以上の低摩擦係数と耐摩耗性を有する合成樹脂繊維であり、かつ羽毛の高さが1.5mm以上で羽毛の立毛密度が4万本/In以上であり、基布裏面に羽毛の抜けを防ぐコーティング層を有し、さらにパイル糸が加熱により一定方向に毛倒しされてなる微細粉粒体のもれ防止用のシール材も知られている(特許文献2)。
特開2005-141263号公報 特開2005-37955号公報
本発明は、粉体の外部への漏出を抑制することができる粉体シール材を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1記載の粉体シール材は、
互いに交差する方向に延びる複数本の経糸及び緯糸を織り上げて得られる基布上に起毛された複数本のパイル糸からなる粉体シール材であって、
前記経糸が、前記緯糸に織り込まれた前記パイル糸に前記緯糸方向で接触する領域で、前記緯糸を跨いで前記基布の表側に表出するように織り込まれている、
ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の粉体シール材において、
前記経糸は、少なくとも前記パイル糸が織り込まれた前記緯糸及び前記緯糸に隣接する緯糸に織り込まれることなく前記基布の表側に表出している、
ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の粉体シール材において、
前記経糸は、前記パイル糸の前記緯糸方向における両側から前記パイル糸に接触する、
ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粉体シール材において、
前記パイル糸に接触する前記経糸は、前記パイル糸に接触しない経糸よりも太い、
ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粉体シール材において、
前記パイル糸は、単糸繊度3~15デニールで繊度が150デニール以上1000デニール以下である低摩擦係数と耐摩耗性を有する合成樹脂繊維である、
ことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の粉体シール材において、
前記パイル糸は、前記経糸と平行する方向に毛倒しされている、
ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、粉体の外部への漏出を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、パイル糸根元における緯糸方向の隙間を減少させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、パイル糸根元における緯糸方向の隙間を減少させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、パイル糸根元における緯糸方向の隙間を減少させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、単位当たりの糸密度を増加させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、紛体の摺接部への侵入を抑制することができる。
粉体シール材の基布の織構成と基布上の各パイルの立設状態を示す簡略斜視図である。 (a)は粉体シール材の拡大断面模式図、(b)は粉体シール材の基布の織構成と基布上の各パイルの配置状態と示す簡略平面図である。 (a)は変形例1に係る粉体シール材の拡大断面模式図、(b)は変形例1に係る粉体シール材の基布の織構成と基布上の各パイルの配置状態と示す簡略平面図である。 (a)は変形例2に係る粉体シール材の拡大断面模式図、(b)は変形例2に係る粉体シール材の基布の織構成と基布上の各パイルの配置状態と示す簡略平面図である。 (a)は毛倒しされた粉体シール材の拡大断面模式図、(b)はヒートローラによる毛倒しの工程を説明する模式図である。 (a)は本実施形態に係る粉体シール材におけるパイル糸に対する経糸の配置とトナーの侵入を説明する模式図、(b)は比較例の粉体シール材におけるパイル糸に対する経糸の配置とトナーの侵入を説明する模式図である。 (a)はトナーを用いて画像形成を行う画像形成装置の現像装置の断面模式図、(b)は粉体シール材の粉体シール機能を説明する模式図である。 (a)は実施例の粉体シール材の拡大断面写真、(b)は比較例の粉体シール材の拡大断面写真である。 比較例に係る粉体シール材の基布の織構成と基布上の各パイルの立設状態を示す簡略斜視図である。 (a)は比較例に係る粉体シール材の拡大断面模式図、(b)は比較例に係る粉体シール材の基布の織構成と基布上の各パイルの配置状態と示す簡略平面図である。
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
(1)粉体シール材の構成
図1は粉体シール材1の基布10の織構成と基布10上の各パイル糸20の立設状態を示す簡略斜視図、図2(a)は粉体シール材1の拡大断面模式図、(b)は粉体シール材1の基布10の織構成と基布10上の各パイル糸20の配置状態と示す簡略平面図である。
以下本実施形態に係る粉体シール材1の構成と機能について図面を参照しながら説明する。
(1.1)粉体シール材の全体構成
粉体シール材1は、互いに交差する方向に延びる複数本の経糸11及び緯糸12を織り上げて得られる基布10上に起毛された複数本のパイル糸20からなり、図1に示すように、経糸11が、緯糸12に略U字状をなすように織り込まれたパイル糸20に緯糸12方向で接触する領域(図1中 Rで示す)で、緯糸12を跨いで基布10の表側10aに表出するように織り込まれて構成されている。尚、図1の簡略斜視図においては、基布10の織組織を分かりやすくするために、経糸11及び緯糸12は隙間を空けて示している。
粉体シール材1は、図2(a)に示すように、基布10の裏面には合成樹脂製のコーティング剤によって構成されたコーティング層13が設けられており、コーティング層13により各パイル糸20の根元と基布10とが強固に接合されている。コーティング層13の裏面には貼付層30が設けられており、この貼付層30により粉体シール材1が粉体を使用する例えば画像形成装置に貼着されるようになっている。
(1.2)基布
基布10は、互いに交差する方向に延びる複数本の経糸11及び緯糸12を織り上げて得られる織布である。
経糸11及び緯糸12には耐久性、柔軟性の高い糸が用いられており、このような糸としてはフィラメント糸、紡績糸等が挙げられる。
経糸11及び緯糸12を形成する繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリエステル、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等よりなる合成繊維、レーヨン等よりなる半合成繊維、綿等よりなる天然繊維等が挙げられる。
経糸11及び緯糸12の形態としては、特に限定されないが、本実施形態においては経糸11は、ポリエチレンテレフタレート(PET)のマルチフィラメント糸を用いている。
また、経糸11は、図2(b)に示すように、緯糸12に織り込まれて経糸11方向(図2中 A方向)に沿ってそれぞれ並んで立設された複数本のパイル糸20に緯糸12方向における両側からパイル糸20に接触する第1の経糸11Aと、パイル糸20に接触しない第2の経糸11Bからなる。
第1の経糸11Aは、緯糸12に織り込まれたパイル糸20に接触する領域(図1、図2中 Rで示す)で、緯糸12を跨いで基布10の表側10aに表出するように織り込まれている。具体的には、パイル糸20が織り込まれた緯糸12aと、緯糸12aとその両側で隣接し、パイル糸20を挟み込む緯糸12b、12bの3本の緯糸12を跨いで基布10の表側10aに表出するように織り込まれている。
第2の経糸11Bは、第1の経糸11Aで両側から挟まれるように緯糸12に織り込まれたパイル糸20で構成されるパイル列21同士の間で、パイル糸20とは第1の経糸11Aで離隔されて緯糸12に交互に織り込まれている。
また、第1の経糸11Aは、パイル糸20に接触しない第2の経糸11Bに比べて、その太さが太くなっている。これにより、パイル糸20の根元における緯糸12方向の隙間を減少させることができる。
また、第2の経糸11Bは、第1の経糸11Aよりも細く、第1の経糸11Aが、その太さが334T(デシテックス)/96F(フィラメント)(96本のマルチフィラメント全体で334dtex)である場合、その太さとしては235T(デシテックス)/48F(フィラメント)(48本のマルチフィラメント全体で235dtex)であることが好ましい。本実施形態においては、その太さが235T/48Fという細い第2の経糸11Bをパイル列21同士の間で、緯糸12に交互に織り込むことで、それぞれのパイル列21の間に織り込まない場合に比べて、基布10の経糸密度が高くなり、パイル列21間の間隙は広がっている。このように、第2の経糸11Bが、パイル列21同士の間で緯糸12に交互に織り込まれることで、緯糸12を保持し基布10を形成している。
緯糸12には、その太さが500デニール以下の合成繊維を用いている。一例として、その太さが英式綿番手ST20/1となるように形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)の紡績糸を用いている。緯糸12は、その太さが235T/48Fという第1の経糸11Aに合わせて、その太さが英式綿番手ST20/1という細い紡績糸を用いているために、パイル糸20の締め付け力が弱くなり、後述するようにパイル糸20の毛倒れ処理が容易になっている。
(1.3)パイル糸
パイル糸20は、図2(a)に模式的に示すように、基布10上に起毛するように緯糸12に略U字状に織り込まれて経糸11方向(図2中 A方向)に沿うパイル列21を形成している。パイル列21は、図2(b)に示すように、複数本のパイル糸20の互いに緯糸12方向に隣り合うパイル糸20が千鳥状の関係となるように互い違いに経糸11方向(図2中 A方向)に沿って配列されている。
パイル糸20は、単糸繊度3~15デニールで繊度が150デニール以上1000デニール以下である低摩擦係数と耐摩耗性を有する合成樹脂繊維が用いられている。単糸繊度が3デニールより細く繊度150デニール未満では、パイル糸20として強度が不足し、単糸繊度が15デニールより太く繊度1000デニールを超える場合は、後述するパイル糸20の毛倒れ処理が困難になる。
低摩擦係数と耐摩耗性を有する合成樹脂繊維としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等が挙げられる。
本実施形態においては、パイル糸20として、単糸繊度5.6デニールで繊度が250T(デシテックス)/40F(フィラメント)(40本のマルチフィラメント全体で250dtex)となるように形成されたテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)のマルチフィラメント糸を用いてパイル列21を構成する一束を細くすることにより緻密に植毛している。
「変形例1」
図3(a)は変形例1に係る粉体シール材1Aの拡大断面模式図、(b)は変形例1に係る粉体シール材1Aの基布の織構成と基布上の各パイルの配置状態と示す簡略平面図である。
図3に示すように、第1の経糸11Aは、パイル糸20が織り込まれた緯糸12aと、緯糸12aとその両側で隣接し、パイル糸20を挟み込む緯糸12b、12b、及び緯糸12b、12bに隣接する緯糸12c、12cの5本の緯糸12を跨いで基布10の表側10aに表出するように織り込まれている。
第2の経糸11Bは、第1の経糸11Aで両側から挟まれるように緯糸12に織り込まれたパイル糸20で構成されるパイル列21同士の間で、パイル糸20とは第1の経糸11Aで離隔されて緯糸12に交互に織り込まれている。
このように、経糸11が、パイル糸20が織り込まれた緯糸12aを含んで、その両側の2本の緯糸12b、12cを跨いで基布10の表側10aに表出するように織り込まれて構成されることで、パイル糸20の根元における緯糸12方向の隙間をより減少させることができる。
「変形例2」
図4(a)は変形例2に係る粉体シール材1Bの拡大断面模式図、(b)は変形例2に係る粉体シール材1Bの基布の織構成と基布上の各パイルの配置状態と示す簡略平面図である。
図4に示すように、パイル糸20は、3本の緯糸12a、12b、12bに略W字状をなすように織り込まれ、第1の経糸11Aは、緯糸12に織り込まれたパイル糸20に接触する領域(図1、図2中 Rで示す)で、パイル糸20が織り込まれた3本の緯糸12a、12b、12bとその両側で隣接し、パイル糸20を挟み込む緯糸12c、12cの5本の緯糸12を跨いで基布10の表側10aに表出するように織り込まれている。
第2の経糸11Bは、第1の経糸11Aで両側から挟まれるように緯糸12に織り込まれたパイル糸20で構成されるパイル列21同士の間で、パイル糸20とは第1の経糸11Aで離隔されて緯糸12に交互に織り込まれている。
このように、経糸11が、パイル糸20が略W字状に織り込まれた3本の緯糸12a、12b、12bを含んで、その両側の緯糸12c、12cを跨いで基布10の表側10aに表出するように織り込まれて構成されることで、W織されたパイル糸20の根元における緯糸12方向の隙間をより減少させることができる。
(1.3)斜毛
図5(a)は毛倒しされた粉体シール材1の拡大断面模式図、(b)はヒートローラによる毛倒しの工程を説明する模式図である。
図5(a)に模式的に示すように、パイル糸20は基布10に対し経糸11と平行する方向(図5(a)中 A方向)に毛倒しされている。毛倒しは図5(b)に示すように、パイル織した織物すなわち図2(a)に示す直立のパイル糸20を有する基布10を、加熱した一対のヒートローラ50に通すことによりなされる。例えば、100~150℃に加熱した上ロ-ラ-51と、80~120℃に加熱した下ロ-ラ-52の間に、パイル糸20側を上ロ-ラ-51側にして通すことにより毛倒しされたパイル糸20を有する基布10に加工することができる。
(1.4)コーティング層
コーティング層13としては、硬化した層が柔軟性を有する、ゴム系溶剤型接着剤、ホットメルト型接着剤、あるいは接着性樹脂等が使用される。本実施形態においては、水溶性の合成樹脂エマルジョンにより形成されたコーティング層13が設けられている。
水溶性の合成樹脂エマルジョンとしては、素材との接着性、汎用性等の観点から、アクリル合成樹脂系エマルジョンもしくは酢酸ビニル合成樹脂系エマルジョンよりなるコーティング剤が好適に用いられ、基布10を形成する経糸11と緯糸12の間に含浸されてほつれを防止するとともに、パイル糸20と基布10とを接合している。
基布10にコーティング剤を塗布する方法は特に限定されるものでなく、例えば、ナイフコーティング法、ロールコーティング法、スプレーコーティング法などを挙げることができる。次いで、熱処理することにより、コーティング層13を形成することができる。
(1.5)貼付層
貼付層30はフォーム材により形成され、粉体シール材1に弾力性を付与し、パイル糸20を回転体に隙間なく十分に接触させるように設けられている。特に、パイル糸20が斜毛された粉体シール材1は、全体の厚みが薄くなるとともに、パイル糸20による弾力性が低減し、特に曲面状に湾曲させた状態で回転体に接触させると隙間が形成されやすくなるためである。貼付層30を形成するフォーム材としては、弾力性及び耐熱性を有するとともに、変形(へたり)に対する耐久性が高く、接着剤で接着可能な材料より形成されたものを用いることが好ましい。
特に、フォーム材には、JIS K 6400の硬さ試験A法に準拠する25%圧縮荷重値が、0.3~3MPaであるものを使用することが好ましく、0.5~2MPaであるものを使用することがより好ましい。フォーム材の圧縮荷重値が0.3MPaより低い場合、回転体にパイル糸20を十分に摺接させることができなくなる。また、圧縮荷重値が3MPaよりも高い場合、回転体とパイル糸20との間で発生する摺接抵抗が大きくなり、回転体の回転が阻害される虞がある。このようなフォーム材としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の発泡樹脂、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム等の合成ゴム、あるいは天然ゴム、オレフィン系、スチレン系等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
(2)紛体シール材の作用
図6(a)は本実施形態に係る粉体シール材1におけるパイル糸20に対する経糸11の配置とトナーの侵入を説明する模式図、(b)は比較例の粉体シール材1Cにおけるパイル糸20に対する経糸11の配置とトナーの侵入を説明する模式図、図7(a)はトナーを用いて画像形成を行う画像形成装置の現像装置100の断面模式図、(b)は粉体シール材1の粉体シール機能を説明する模式図、図9は比較例に係る粉体シール材1Cの基布の織構成と基布上の各パイルの立設状態を示す簡略斜視図、図10(a)は比較例に係る粉体シール材1Cの拡大断面模式図、(b)は比較例に係る粉体シール材1Cの基布の織構成と基布上の各パイルの配置状態と示す簡略平面図である。
以下、本実施形態に係る粉体シール材1の作用について画像形成装置における現像装置100を利用例に説明する。
(2.1)現像装置
現像装置100は、図7に示すように、現像ハウジング101、感光体ドラム120に対向して配置された現像ローラ102、現像ハウジング101内の粉体の一例としてのトナーを現像ローラ102側へ供給する供給ローラ103、トナーの層厚を規制する層規制ブレード104、現像ハウジング101に設けられた開口の下縁部に貼り付けられたトナー飛散防止フィルム105、その内側縁1aが層規制ブレード104の両側端104aと突き合わされ(図7(b)参照)、パイル糸20が現像ローラ102の表面と接触して現像ハウジング101に貼り付けられた粉体シール材1で主要部が構成されている。
現像ハウジング101の開口部分には、層規制ブレード104、粉体シール材1及びトナー飛散防止フィルム105が現像ローラ102と接触して設けられ現像ハウジング101と連通する閉空間を形成し、現像ハウジング101内には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のいずれかのトナーが収容されている。
尚、現像ローラ102は、一例として外径が10~20mm程度の円筒状とされ、粉体シール材1は、回転する現像ローラ102のほぼ半周部分に接触するように屈曲して、現像ハウジング101に貼り付けられる(図7(a)参照)。
(2.2)粉体シール材の作用
現像ローラ102は、供給ローラ103により供給され層規制ブレード104で薄層コーティングされたトナーを感光体ドラム120へ搬送する。
そして、層規制ブレード104で規制された大半のトナーは供給ローラ103で現像ハウジング101内に回収されるが、層規制ブレード104の両側端104aにおいては、現像ローラ102の回転とともに横方向に流れ現像ハウジング101の外部へ漏れ出そうとする(図7(b)中 矢印R1参照)。
この状態で、粉体シール材1のパイル糸20が回転する現像ローラ102の表面と摺擦しながら接触して、横方向に流れて漏れ出そうとするトナーを繊維間で捕集するとともに堰き止めて現像ハウジング101の外部への漏出を抑制する。
比較例の粉体シール材1Cは、図9、図10に示すように、緯糸12に織り込まれて経糸11方向に沿ってそれぞれ並んで立設された複数本のパイル糸20からなるパイル列21と、それぞれのパイル糸20が千鳥状の関係となるように立設されたパイル列21からなる。尚、図9の簡略斜視図においては、図1と同様に、基布10の織組織を分かりやすくするために、経糸11及び緯糸12は隙間を空けて示している。
比較例の粉体シール材1Cは、図10に模式的に示すように、パイル糸20が緯糸12に略U字状をなすように織り込まれ、経糸11は、それぞれの緯糸12に対して交互に織り込まれている。そのために、基布10の表側10aには経糸11の織り込みによる凹凸が生じ、経糸11が基布10の表側10aに表出しない領域では、緯糸12に織り込まれたパイル糸20同士の間で緯糸12方向に隙間S2が発生している(図10(a)中 S2で示す)。
隙間S2は、パイル糸20を斜毛処理することで粉体シール材1Cの表面部分においては埋めることができるが、特にパイル糸20の根元においては、基布10の凹凸が解消されず、隙間が残ってしまう虞があった。
そのために、図6(b)に模式的に示すように、横方向に流れて漏れ出そうとするトナー(図中 矢印で示す)は、パイル列21の隙間S2を伝って現像ハウジング101の外部への漏出する虞があった。
本実施形態に係る粉体シール材1は、パイル糸20の両側に配置される第1の経糸11Aが、パイル糸20に接触する領域で緯糸12を跨いで基布10の表側10aに表出するように織り込まれ、基布10の表側10aにおける凹凸が小さくなっている。これにより、それぞれのパイル糸20の根元に発生しやすい隙間(図2(a)中 S1で示す)が比較例に比べて小さくなっている。
そのために、図6(a)に模式的に示すように、横方向に流れて漏れ出そうとするトナー(図中 矢印で示す)は、パイル糸20に接触する領域で緯糸12を跨いで基布10の表側10aに表出するように織り込まれた第1の経糸11Aで堰き止められ現像ハウジング101の外部への漏出が抑制されている。特に、パイル糸20の根元において発生しやすい隙間が小さくなり、トナーの現像ハウジング101の外部への漏出が抑制されている。
パイル糸20は、図5(a)に示すように、経糸11と平行する方向に毛倒しされている。また、現像ハウジング101への取り付けにおいては、図6(a)に示すように、このような毛倒し方向が現像ローラ102の回転軸102c(図7(b)参照)と交差する角度、例えば45度となるようにすることで、横方向に流れて漏れ出そうとするトナー(図6(a)中 矢印で示す)のパイル糸20への侵入が抑制されている。
図8(a)は実施例の粉体シール材1の拡大断面写真、(b)は比較例の粉体シール材1Cの拡大断面写真である。
以下実施形態をさらに具体化した実施例及び比較例について説明する。
(実施例)
第1の経糸11Aとしてその太さが334T(デシテックス)/96F(フィラメント)となるように形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)のマルチフィラメント糸と、第2の経糸11Bとしてその太さが235T(デシテックス)/48F(フィラメント)となるように形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)のマルチフィラメント糸と、緯糸12としてその太さが英式綿番手ST20/1となるように形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)の紡績糸を用いて基布10を製織した。
そして、この基布10にパイル糸20として単糸繊度5.6d(デニール)で繊度が500T(デシテックス)/80F(フィラメント)となるように形成されたテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)のマルチフィラメント糸を織り込んだ。
このとき、織組織としてパイル糸20は基布10上に起毛するように緯糸12に略U字状に織り込まれて経糸11方向に沿うパイル列21を形成するように配置した。また、パイル列21は、パイル糸20の互いに緯糸12方向に隣り合うパイル糸20が千鳥状の関係となるように互い違いに経糸11方向に沿って配列した。
第1の経糸11Aは、パイル糸20が織り込まれた緯糸12aと、緯糸12aとその両側で隣接し、パイル糸20を挟み込む緯糸12b、12bの3本の緯糸12を跨いで基布10の表側に表出するように織り込んだ。
第2の経糸11Bは、第1の経糸11Aで両側から挟まれるように緯糸12に織り込まれたパイル糸20で構成されるパイル列21同士の間で、パイル糸20とは第1の経糸11Aで離隔されて緯糸12に交互に織り込んだ。
このパイル糸20を織り込んだ基布10にコーティング及び毛倒し処理を行って貼付層30としてフォーム材を貼り合わせることにより粉体シール材を形成し、所定の大きさに切断したものを実施例とした。
(比較例)
実施例と同様の経糸11と緯糸12で織り込まれた基布10にパイル糸20として単糸繊度5.6d(デニール)で繊度が500T(デシテックス)/80F(フィラメント)となるように形成されたテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)のマルチフィラメント糸を織り込んだ。
このとき、織組織としてパイル糸20は緯糸12に対して経糸11方向に沿ってそれぞれ並んで織り込まれ、それぞれのパイル糸20が千鳥状の関係となるように立設し、経糸11はそれぞれの緯糸12に対して交互に織り込み、これを比較例とした。尚、この際にパイル糸20のフィラメントの単位面積当たりの本数は実施例に比べて30%程度多くなるように調整した。
上記実施例及び比較例について、パイル糸根元の隙間の大きさを評価した。隙間の評価は、粉体シール材を所定の厚さに圧縮した状態でマイクロスコープで観察することにより行った。実施例の結果を図8(a)に示し、比較例の結果を図8(b)に示す。
図8(a)、(b)に示すように、実施例においてはパイル糸根元の隙間(図中 矢印で示す)が比較例に比べて埋められていることが確認された。比較例においては、パイル糸根元の隙間(図中 破線丸印で示す)が明確に観察された。
以上の結果より、その太さが334T/96Fの第1の経糸11Aをパイル糸20が織り込まれた緯糸12と、その両側の緯糸12を跨いで基布10の表側10aに表出するように織り込むことで、比較例に比べて、パイル糸20の根元における隙間を減少させることができることが示された。
以上、本発明に係る実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で種々の変更を行うことが可能である。例えば、第1の経糸11Aは、緯糸12に織り込まれたパイル糸20に接触する領域(図1、図2中 Rで示す)で、パイル糸20に対して、緯糸12方向における片側から接触した状態で緯糸12を跨いで基布10の表側10aに表出するように織り込まれてもよい。この場合、第1の経糸11A側が現像ローラ102側になるように現像ハウジング101に貼り付けるのが好ましい。
また、本実施形態に係る粉体シール材は、微細粉体の薬剤を包装する包装機等の粉体送りローラに適用して、粉体送りローラとハウジングとの隙間から漏出する薬剤の漏出を抑制する粉体シール材として広く使用することができる。
1、1A、1B、1C・・・紛体シール材
10・・・基布
11・・・経糸
11A・・・第1の経糸
11B・・・第2の経糸
12・・・緯糸
13・・・コーティング層
20・・・パイル糸
21・・・パイル列
30・・・貼付層
100・・・現像装置
101・・・現像ハウジング
102・・・現像ローラ
104・・・層規制ブレード
S1、S2・・・隙間

Claims (6)

  1. 互いに交差する方向に延びる複数本の経糸及び緯糸を織り上げて得られる基布上に起毛された複数本のパイル糸からなる粉体シール部材であって、
    前記経糸が、前記緯糸に織り込まれた前記パイル糸に前記緯糸方向で接触する領域で、前記緯糸を跨いで前記基布の表側に表出するように織り込まれている、
    ことを特徴とする粉体シール材。
  2. 前記経糸は、少なくとも前記パイル糸が織り込まれた前記緯糸及び前記緯糸に隣接する緯糸に織り込まれることなく前記基布の表側に表出している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の粉体シール材。
  3. 前記経糸は、前記パイル糸の前記緯糸方向における両側から前記パイル糸に接触する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の粉体シール材。
  4. 前記パイル糸に接触する前記経糸は、前記パイル糸に接触しない経糸よりも太い、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粉体シール材。
  5. 前記パイル糸は、単糸繊度3~15デニールで繊度が150デニール以上1000デニール以下である低摩擦係数と耐摩耗性を有する合成樹脂繊維である、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粉体シール材。
  6. 前記パイル糸は、前記経糸と平行する方向に毛倒しされている、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の粉体シール材。
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