JP4035115B2 - トナー漏出防止用などのパイル状シート材 - Google Patents

トナー漏出防止用などのパイル状シート材 Download PDF

Info

Publication number
JP4035115B2
JP4035115B2 JP2004094420A JP2004094420A JP4035115B2 JP 4035115 B2 JP4035115 B2 JP 4035115B2 JP 2004094420 A JP2004094420 A JP 2004094420A JP 2004094420 A JP2004094420 A JP 2004094420A JP 4035115 B2 JP4035115 B2 JP 4035115B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pile
sheet material
layer
fibers
toner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004094420A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005283729A (ja
Inventor
一英 稲田
英雄 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujico Co Ltd
Original Assignee
Fujico Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujico Co Ltd filed Critical Fujico Co Ltd
Priority to JP2004094420A priority Critical patent/JP4035115B2/ja
Publication of JP2005283729A publication Critical patent/JP2005283729A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4035115B2 publication Critical patent/JP4035115B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ、ワードプロセッサのような電子写真画像形成プロセスにおいて、感光ドラム、ハウジングや現像ローラの両端部に適用してトナー微粒子の漏出を防止し、感光ドラムから付着トナーを掻き取るために用いるパイル状シート材に関する。また、本発明は、トナーカートリッジのトナー供給シャッタ部などにおいて、トナーの漏出を防止するために用いるパイル状シート材に関する。
電子複写機やレーザビームプリンタなどの電子写真画像形成プロセスは、図6に示すように、感光ドラム1および他の基材を一体的にカートリッジ化して着脱自在にすることにより、現在では該プロセスのメンテナンスを使用者自身で行う方式が一般的である。この方式は操作性が良いので広く用いられ、このプロセスカートリッジでは、クリーニング機構で生じた廃トナーをクリーニング容器内へ排出し、該カートリッジの交換時に同時に廃棄する。
前記のクリーニング機構は、一次転写後に感光ドラム表面から残トナーを掻き取っている。このクリーニング機構では、感光ドラムに対向させてクリーニングブレードおよびクリーニング容器の開口部の両端部にシール材を取り付けることにより、残トナーが容器両側部から漏出することを防いでいる。このようなクリーニング機構は、通常のプロセスカートリッジにおいて広く実施されている。
電子写真画像形成プロセスにおいて、感光ドラム1や現像ローラ2(図8参照)の周辺は通常180〜200℃になり、機器の起動時には一時的に220〜230℃に達する。このため、感光ドラムや現像ローラの付近では、シール材として摺動性および耐熱性が優れたテトラフルオロエチレン繊維(PTFE繊維)のフェルトを使用することが一般的である。また、これらのシール材は、スムースな回転と高い密着性を要求されるため、感光ドラムなどに接触するフェルト層と、弾性を付与するクッション層との2層構造が有利であり、該クッション層にはウレタン発泡体や羊毛フェルトを用いている。
トナー漏出防止用のシール材の公知例として、特開昭61−129664号、特開平4−134374号、登録実用新案第2537613号が存在し、PTFE繊維フェルトには、ニードルパンチフェルト、植毛シートまたは平滑処理フェルトが例示できる。このPTFE繊維は、単純なフェルトであると高いシール性を発現させるために相当に厚くしているが、近年においてトナー微粒子がいっそう微細化するうえに重合トナー粒子などの出現により、たとえPTFE繊維フェルトを厚くしても十分なシール性を発現させることが不可能になっている。このため、特開平2003−223047号のように、パイル状繊維のシール材を適用することが提案されている。
特開昭61−129664号公報 特開平4−134374号公報 登録実用新案第2537613号公報 特開2003−223047号公報
特開2003−223047号におけるパイル状繊維のシール材は、モケット織のパイル長が3mmというように長いことにより、その裏面にウレタン発泡体や羊毛フェルトを貼着しなくても、PTFE繊維フェルトに比べてクッション性が高くて十分なシール性を発揮する。このシール材は、パイル糸を2層の地経糸および地緯糸に織り込んで毛抜けを防ぐことにより、単に表面を高熱プレスで平滑処理しただけではPTFE繊維フェルトの脱毛を防止できないという問題も解決している。
この反面、このパイル状繊維シール材は、2層の地経糸および地緯糸を組み合わせるため、4本の地経糸と2本の地緯糸を同時に織機に送り込むことを要し、この織機は汎用機ではなくて特注機となって非常に高価であるうえに、使用糸量も倍になって製造コストが高くなる。また、仮にパイル糸の目付をフルゲージの総詰めとしても、起毛処理後のパイル糸の基部には空隙が残存しているので、この個所からトナー微粒子が一部漏出することは回避できない。
本発明は、従来のパイル状繊維シール材およびPTFE繊維フェルトに関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、汎用の織機や編機によって織編成できる通常のパイル織編物を用い、近年におけるトナー微粒子や重合トナー粒子などの漏出をほぼ完璧に防止できる安価なパイル状シート材を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、種々のトラブルの要因になりやすい繊維の脱毛がいっそう少ないパイル状シート材を提供することである。
本発明に係るパイル状シート材は、電子写真画像形成プロセスにおける感光ドラムや現像ローラからのトナー微粒子の漏出防止などに用いる。このパイル状シート材は、カットパイルを捌いて起毛させたパイル織編層と、比較的細い合成繊維を主体として構成する下側のフェルト層と、該フェルト層の裏側からのニードルパンチングによってフェルト層から起毛パイル糸の基部へ入り込んだ多数本の突入繊維とからなる。このシート材では、多数本の突入繊維が起毛パイル糸の基部における空隙内で密に充填されることにより、パイル織編層でトナー微粒子が漏出することを防ぐ。
本発明のパイル状シート材は、カットパイルを捌いて起毛させたパイル織編層と、比較的細い合成繊維を主体として構成する下側のフェルト層と、シート材を所定の位置に固定するための粘着層とを有していてもよい。このシート材において、パイル織編層のパイル長は1〜7mmであり、フェルト層からパイル織編層へ入り込んだ突入繊維の繊度は0.1〜3.0デニールであると好ましい。このシート材には、パイル織編層の表面にスプレーまたはコーティングなどによってフッ素樹脂加工を施すことも可能である。
本発明を図面によって説明すると、図1には、本発明のパイル状シート材3(図4)に用いるパイル織編物5を例示する。パイル織編物5では、一般に、地糸組織4にパイル糸を織り込むかまたは編み込んでいる。パイル織編物5には、モケットやテレンプのようにパイルを長く出したビロード織物であるプラッシュ織、タフテッドカーペット地、ウィルトンカーペット地、ダブルラッセル機で編成した縦編地などが例示でき、ループパイルはシャーリング機によって先端を切ってカットパイルとし、二重織編組織ではナイフでセンターカットする。起毛パイル糸6(図2)のパイル長は、1〜7mmであると好ましく、さらに好ましくは2〜4mmであり、また、通常のビロード織のパイル糸よりも長いことが望ましい。
パイル織編物5は、多数本のカットパイル糸7を有し、プラッシュ織のように針金についたナイフを引き抜く時にパイル立てを切って毛羽を立てても、別個のブラッシング機で毛捌き処理した後にシャーリングやポリッシャなどを用いて起毛加工してもよい。パイル織編物5において、たとえ起毛パイル糸6の目付をフルゲージの総詰めにしても、各パイル糸の基部8に多数の空隙9が残存する(図2参照)。
図3に示すように、パイル織編物5の下側には、比較的細い合成繊維で構成するウェブ10を重合させ、該ウェブの裏側からの垂直方向のニードルパンチング11によって両者を一体化すると、該ウェブから入り込む突入繊維12が形成され、図4に示すパイル状シート材3を得る。ウェブ10には、比較的安価なポリエステル繊維を使用することが多く、一部に反毛(回収再生綿)を用いてもよい。ウェブ10には、ポリエステルに加えて、芳香族ポリアミド、アクリル、ナイロン、ポリプロピレンなどの合成繊維、羊毛、木綿などの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの化学繊維などを混綿してもよい。ウェブ10の繊度は一般にかなり細く、例えば0.5〜3.0デニールであると好ましい。
ウェブ10は分割繊維であってもよく、この場合には分割後の繊度が0.1〜0.5デニールであると好ましい。この分割繊維は、ニードルパンチング11などの機械的作用、加熱作用または溶媒による化学的処理によって、所定の縦方向の筋目に沿って割繊されて8本、16本または24本などになる。例えば、分割繊維として、ポリアミド/ポリエステルからなる16分割タイプ繊維を用いると、1本当たりの繊度が0.1〜0.5デニールとなる。したがって、得たシート材3(図4)において、フェルト層16からパイル織編層14へ入り込んだ突入繊維12の繊度は0.1〜3.0デニールであり、3.0デニールを超えるとシート材3の柔軟性を阻害するおそれがある。
この分割繊維は、少なくとも2成分以上の非相溶性の繊維形成性樹脂で構成され、例えば、一方の樹脂が低融点且つ他方の樹脂が高融点である2成分系からなる。この分割繊維に熱または圧力を作用させると、2成分以上の熱可塑性樹脂における少なくとも1成分が軟化・溶融する。低融点の樹脂と高融点の樹脂との組み合わせとして、ポリオレフィン/ポリアミド、ポリオレフィン/ポリエステル、ポリアミド/ポリエステルなどが例示でき、この組み合わせ以外の任意の組み合わせを採用できる。
図3において、パイル織編物5に対して下側のウェブ10からニードルパンチし、このニードルパンチング11でウェブ10から多数本の繊維12(図4)を起毛パイル糸6の基部8へ突き入れる。したがって、ウェブ10は、ある程度の厚みと密度を有することを要し、好ましくは厚み0.8〜4.0mm、目付200〜800g/m程度である。このニードルパンチングは、多数本のニードルをウェブ10の裏面から表面へ向けて突き入れる処理であり、各ニードルに引っ掛けられたウェブ10の繊維は、ウェブ10の表面に突出して起毛パイル糸6の基部8の空隙9内に突入する。
ニードルパンチング用のニードルには、針先端でウェブ10の繊維を引っ掛けて表側に突出できるように、針先端がフォーク状になったフォーク型ニードル(図示しない)や先端に刺のようなバーブを持つクラウン型ニードル(図示しない)を使用すると好ましい。また、このニードルとして、刺のようなバーブを持つレギュラー型ニードルを使用してもよく、この際にはウェブ10の繊維は表側へ突出するよりも、繊維相互間の交絡の方が進行して突入繊維12が少なくなる傾向がある。このため、このニードルパンチングでは、フォーク型やクラウン型ニードルのみを用いることは少なく、レギュラー型ニードル単独またはフォーク型ニードルなどとレギュラー型ニードルとを混在させてパンチするのが一般的である。例えば、フォーク型やクラウン型ニードルによって、深さ1〜10mm、パンチ密度400〜1000本/cmでパンチングすると、高さ1〜10mmの突入繊維12を一面に形成できる。
得たパイル状シート材3は、図4に示すように、パイル織編層14と下側のフェルト層16とで構成され、該フェルト層からの突入繊維12がパイル織編層14の起毛パイル糸の基部における空隙内に密に充填されている。シート材3は、加熱後での常温ロールプレス(図示しない)または100〜180℃に加熱したロールプレスを通すことにより、パイル織編層14の起毛パイル糸を一方向に寝かして斜毛パイル層17(図5)を形成し、斜毛パイル状シート材18を得ることも可能である。
所望に応じて、パイル織編層14の表面には、スプレーまたはコーティングなどの通常用いられる手段によってフッ素樹脂加工を施してもよい。この樹脂加工に用いるフッ素樹脂は、PTFE粒子の粒径0.10〜0.35μm、濃度約60重量%の水性ディスパージョンであり、通常、非イオン界面活性剤を加えて安定化させている。このフッ素樹脂は、PTFE樹脂のほかに、潤滑性と非粘着性を有するフッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)やテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの樹脂でもよい。フッ素樹脂の塗布量は、5〜200g/mであり、好ましくは10〜50g/mである。
パイル状シート材3または18は、フェルト層16の下面に、さらに粘着層19を設けることにより、電子写真画像形成プロセスにおける適当な部位に取り付けることができる。粘着層19としては、両面粘着テープを用いてもよいし、粘着剤をスプレーなどの通常の方法で塗布してもよい。また、パイル織編物5と下側のウェブ10との間に、両者を固着するための接着シート(図示しない)を介在させておくと、該接着シートで起毛パイル糸の繊維がより強固に固定され、繊維の脱毛がいっそう低下するので好ましい。この接着シートは、例えば熱融着シートであり、ポリアミド、ポリプロピレンなどの単独または共重合体ポリマーの不織布や樹脂シートである。この接着シートとして、両面粘着テープを用いることも可能であり、両面粘着テープは圧着によって繊維の脱毛を阻止することができる。
図4または図5に示すようなパイル状シート材3,18は、図6と図7に例示するように、レーザビームプリンタに着脱可能に収納するプロセスカートリッジ20の一部に適用できる。カートリッジ20は、例えば4色フルカラープリンタ(図示しない)用であり、感光ドラム1と、帯電ローラ22と、クリーニング機構24とをフレームによって一体化している。カートリッジ20をプリンタ側面から水平に収納すると、該カートリッジの上方には、レーザービームを照射してドラム表面に静電潜像を形成する露光機構、下方には、現像したトナー像を一次転写する転写機構が位置する。また、カートリッジ前方には、4色トナーを個別に収納した4個の現像器が回動し、静電潜像に応じてトナー像を形成する現像機構が位置する。
このプリンタにおいて、感光ドラム1は反時計向きに回転され、該ドラムは、その回転に従って、順次、ドラム表面を一様に帯電させる帯電ローラ22、前記の露光機構、現像機構さらに転写機構、ついで転写後の残トナーを除去するクリーニング機構24と近接する。カートリッジ20において、感光ドラム1には、外光や接触からドラム表面を保護するドラムシャッター25(図6)を取り付ける。一方、クリーニング機構24は、現像機構でドラム表面に形成されたトナー像を一時転写した後に、ドラム表面に残ったトナーを除去して内部のクリーニング容器26の中に蓄積する。
クリーニング機構24は、感光ドラム1をクリーニング容器26の開口部30と対向させ、該開口部の縁部にウレタンゴム製などのクリーニングブレード32を設置することにより、該ブレードのエッジを感光ドラム1に圧接し、一次転写後に感光ドラム表面から残トナーを掻き取り、掬いシート28によってクリーニング容器26の内部へ送り込む。クリーニング機構24では、クリーニングブレード32の形状に合わせてその両端部および開口部30の縁部にパイル状シート材3,3を取り付け、該シール材は感光ドラム1の表面両端部とも接触する。
本発明のパイル状シート材3,18は、クリーニングブレード32およびクリーニング容器26の開口部30の両端部に取り付けられ、回収した残トナーが容器開口部30の両側から漏出することを防いでいる。クリーニング機構24は、パイル状シート材3,3の存在によってトナーの除去能力が優れ、プロセスカートリッジ20において広く適用可能である。
本発明のパイル状シート材3,18は、図8に示すようなモノクロ複写機用のトナーカートリッジ33にも適用できる。カートリッジ33では、その下方両側壁に円弧状の切り欠き部34を形成し、該切り欠き部に現像ローラ2を回転自在に設置するとともに、カートリッジ内にトナー36を収納する。現像ローラ2の両端部は、両側壁の切り欠き部34まで延設され、パイル状シート材3を介して切り欠き部34内に回転自在に取り付ける。トナー供給口38の上方には、帯電用ブレード40が現像ローラ2の表面に押圧された状態で保持されている。
現像ローラ2は、アルミニウム製の円筒体であり、その表面にトナーの薄層が付着して回転し、複写機の感光ドラム42と対向配置されている。感光ドラム42が矢印方向に回転し、それに応じて現像ローラ2が反時計方向に回転すると、ドラム表面の潜像の電荷によって形成される電界の強さに応じて、トナーが現像ローラ2の表面から離脱し、ドラム表面の帯電部分に付着して現像が行われる。パイル状シート材3は、カートリッジ33において現像ローラ2に付着したトナーが側壁の外側に漏出することを効果的に防いでいる。
本発明のパイル状シート材3,18は、トナーカートリッジのトナー供給シャッタ部などにおいて、トナーの漏出を防止するためのトナーカートリッジ用シール材としても好ましく用いられる。この用途では、パイル面の摺動性が要求される場合があるが、この場合には、パイル糸としてナイロンやフッ素樹脂繊維などの摺動性の良い繊維を用いることができる。
本発明に係るパイル状シート材は、下側のフェルト層からパイル織編層へ入り込んだ多数本の突入繊維が起毛パイル糸の基部に残存する空隙を密に閉塞することにより、このシート材からトナー微粒子や重合トナー粒子が漏出することを十分に防止する。本発明のパイル状シート材は、パイル織編層の起毛パイル糸が長く、しかも下側にクッション性の高いフェルト層が存在するから、通常のPTFE繊維フェルトはもとより、公知のパイル状繊維のシール材に比べてもクッション性が高くて良好なシール性を発揮する。
本発明のパイル状シート材では、パイル織編層の起毛パイル糸と下側のフェルト層の多数本の突入繊維とが絡み合うことにより、種々のトラブルの要因になりやすい起毛パイル糸の脱毛が少なくなる。一般に、PTFE繊維のパイル状の織編物は繊維が脱毛しやすく、この脱毛は表面を高熱プレスで平滑処理しただけでは回避できないのに対し、本発明のパイル状シート材は、脱毛繊維による製造トラブルが殆ど無く、製品組み立て後においても電子写真の画像不良を解消できる。
本発明のパイル状シート材は、プラッシュ織のような普及品のパイル織編物に加えて、比較的細い合成繊維で構成するフェルトを用いるだけであるから安価に製造できる。このシート材では、パイル織編物は普及品でよく、使用糸量も通常であるからコストダウンを図ることが可能であり、組込本体である電子複写機やレーザビームプリンタが現況の厳しい経済情勢から販売価格が低迷することに柔軟に対応できる。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
パイル織編物5として、パイル長3mmのモケットであるプラッシュ織を用い、織機において針金についたナイフを引き抜く時にパイル立てを切って毛羽を立てる。図3に示すように、パイル織編物5の下側には、繊度2デニールのポリエステル100%からなるウェブ10を重合させ、該ウェブは、厚さ2mm、目付400g/m2である。
パイル織編物5に対して下側のウェブ10からニードルパンチし、このニードルパンチング11でウェブ10から多数本の繊維12を起毛パイル糸6の基部8へ突入させ、該パイル糸と絡合させる。このニードルパンチングでは、フォーク型やクラウン型ニードルを用い、パンチ密度600本/cm、突入繊維の平均高さは約2mmである。次に、加熱炉に通して約200℃で熱処理し、常温のロールプレスによって起毛パイル糸を一方向に寝かして斜毛パイル層17(図5)を形成し、斜毛パイル状シート材18を得る。得た斜毛パイル状シート材18において、フェルト層16の下面に粘着層19として両面粘着テープを接着する。
図6と図7に示すように、実施例1で製造した斜毛パイル状シート材18をレーザビームプリンタに着脱可能に収納するプロセスカートリッジ20の一部に適用する。カートリッジ20において、クリーニング機構24は、現像機構(図示しない)でドラム表面に形成されたトナー像を一時転写した後に、ドラム表面に残ったトナーを除去して内部のクリーニング容器26の中に蓄積する。
斜毛パイル状シート材18,18は、パイル長3mmである斜毛パイル層17を有し、下側の粘着層19によってクリーニングブレード32およびクリーニング容器26の開口部30の両端部に貼着され、回収した残トナーが容器開口部30の両側から漏出することを防いでいる。クリーニング機構24は、両側端のパイル状シート材18における斜毛パイル層17の存在によって、クリーニングブレード32および容器開口部30がドラム表面に軽く密着できる。
また、斜毛パイル層17が感光ドラム1の表面と接触し、パイル長が3mmというように厚いのて両側端におけるシール性が高く、パイル層17のパイル糸が寝ていることで摩擦抵抗も小さい。したがって、斜毛パイル状シート材18を取り付けたクリーニング機構24は、トナーの除去能力が優れ且つ耐久性が高いため、プロセスカートリッジ20において広く適用可能である。
実施例1で得たプラッシュ織のパイル織編物5に対して、ウェブ10として、ポリアミド/ポリエステルからなる2デニールの16分割タイプ繊維(商品名:タイリリン、南亜プラスチック製)を用い、これを下側から重合する。ウェブ10は、16分割タイプ繊維100%からなり、厚さ2mm、目付400g/m2である。
パイル織編物5に対して下側のウェブ10からニードルパンチし、このニードルパンチング11でウェブ10から多数本の繊維12を起毛パイル糸6の基部8へ突入させる。このニードルパンチングでは、フォーク型やクラウン型ニードルを用い、パンチ密度600本/cmである。次に、加熱炉に通して約200℃で熱処理し、常温のロールプレスによって起毛パイル糸を一方向に寝かして斜毛パイル層17(図5)を形成し、斜毛パイル状シート材18を得る。
ウェブ10の分割繊維は、ニードルパンチング11および加熱処理によって、所定の縦方向の筋目に沿って16本に割繊され、1本当たりの繊度が0.15デニールとなる。得た斜毛パイル状シート材18において、フェルト層16の下面には、さらに粘着層19として両面粘着テープを接着する。
図8に示すように、斜毛パイル状シート材18をモノクロ複写機用のトナーカートリッジ33に適用する。カートリッジ33では、その下方両側壁に形成した円弧状の切り欠き部34に沿って、斜毛パイル状シート材18の粘着層19を貼り付ける。現像ローラ2の両端部を切り欠き部34に嵌入すると、その両端部はパイル長3mmであるプラッシュ織の斜毛パイル層17と接触し、回転自在に設置することができる。
複写機の感光ドラム42が矢印方向に回転し、それに応じて現像ローラ2が反時計方向に回転するとトナーが現像ローラ2の表面から離脱し、ドラム表面の帯電部分に付着して現像が行われる。この際に、両側端の斜毛パイル状シート材18は、長いパイル長の斜毛パイルの存在によって現像ローラ2の表面に密着でき、且つ斜毛パイル層17によって、現像ローラ2に付着したトナーが側壁の外側に漏出することを効果的に防いでいる。
パイル織編物5として、ダブルラッセル機で編成した縦編地を用い、該縦編地の二重組織をナイフでセンターカットする。得た片面編地をブラッシング機で毛捌き処理した後にシャーリングおよびポリッシャによって起毛加工すると、起毛パイル糸6のパイル長は3mmである。パイル織編物5の下側には、実施例1と同様のウェブ10を重合させ、下側のウェブ10からニードルパンチする。
このニードルパンチングでは、フォーク型やクラウン型ニードルとレギュラー型ニードルとが混在するニードルマシーンを用い、そのパンチ密度は600本/cmである。次に、フェルト層16の下面に粘着層19として両面粘着テープを接着すると、パイル状シート材3を得る。
比較例1
実施例1において、フェルト層を用いず、パイル織編物のみを用いて斜毛パイルシート材を製造したが、容器開口部30からのトナーの漏出防止が不十分であった。
比較例2
実施例1において、パイル織編物を用いず、フェルト層のみを用いて斜毛パイルシート材を製造したが、トナー除去能力および摺動性が不十分であり、さらに容器開口部30からのトナーの漏出防止が不十分であった。
比較例3
実施例1において、パイル織編物5とウェブ10をニードルパンチングを用いずに接着剤で貼り合わせた以外は実施例1と同様にして斜毛パイルシート材を製造したが、やはり容器開口部30からのトナーの漏出防止が不十分であった。
本発明で用いるパイル状の織編物を拡大して示す概略断面図である。 起毛させた状態のパイル状の織編物を示す概略断面図である。 パイル状の織編物とウェブとを重合して一体化する状態を断面で示す概略説明図である。 本発明に係るパイル状シート材を示す概略断面図である。 起毛パイル糸が寝た斜毛パイル状シート材を示す概略断面図である。 パイル状シート材の一適用例であるプロセスカートリッジの概略断面図である。 図6のカートリッジから感光ドラムを外した状態の概略正面図である。 パイル状シート材の別の適用例であるトナーカートリッジの概略断面図である。
符号の説明
1 感光ドラム
2 現像ローラ
3 パイル状シート材
5 パイル状の織編物
6 起毛パイル糸
8 パイル糸の基部
10 ウェブ
14 パイル織編層
16 フェルト層
19 粘着層

Claims (8)

  1. 電子写真画像形成プロセスにおける感光ドラムや現像ローラからのトナー微粒子の漏出防止などに用いるパイル状シート材であって、カットパイルを捌いて起毛させたパイル織編層と、比較的細い合成繊維を主体として構成する下側のフェルト層と、該フェルト層の裏側からのニードルパンチングによってフェルト層から起毛パイル糸の基部へ入り込んだ多数本の突入繊維とからなり、多数本の突入繊維が起毛パイル糸の基部における空隙内で密に充填されることにより、パイル織編層からトナー微粒子が漏出することを防ぐパイル状シート材。
  2. 電子写真画像形成プロセスにおける感光ドラムや現像ローラからのトナー微粒子の漏出防止などに用いるパイル状シート材であって、カットパイルを捌いて起毛させたパイル織編層と、比較的細い合成繊維を主体として構成する下側のフェルト層と、シート材を所定の位置に固定するための粘着層とを有し、該フェルト層から多数本の突入繊維が起毛パイル糸の基部へ入り込み、これらの突入繊維が起毛パイル糸の基部における空隙内で密に充填されることにより、パイル織編層でトナー微粒子が漏出することを防ぐパイル状シート材。
  3. フェルト層を構成する繊維が分割型繊維である請求項1または2記載のパイル状シート材。
  4. パイル織編層のパイル長は1〜7mmである請求項1または2記載のパイル状シート材。
  5. フェルト層からパイル織編層へ入り込んだ突入繊維において、その繊度が0.1〜3.0デニールを主体としてなる請求項1または2記載のパイル状シート材。
  6. パイル織編層の表面にフッ素樹脂加工を施す請求項1または2記載のパイル状シート材。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のパイル状シート材を用いてなる電子写真形成プロセス用トナーシール材。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のパイル状シート材を用いてなるトナーカートリッジ用シール材。
JP2004094420A 2004-03-29 2004-03-29 トナー漏出防止用などのパイル状シート材 Expired - Fee Related JP4035115B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004094420A JP4035115B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 トナー漏出防止用などのパイル状シート材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004094420A JP4035115B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 トナー漏出防止用などのパイル状シート材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005283729A JP2005283729A (ja) 2005-10-13
JP4035115B2 true JP4035115B2 (ja) 2008-01-16

Family

ID=35182204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004094420A Expired - Fee Related JP4035115B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 トナー漏出防止用などのパイル状シート材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4035115B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5027402B2 (ja) * 2005-10-24 2012-09-19 株式会社フジコー 微粉粒体の漏出防止用のシール材
JP5580526B2 (ja) * 2008-12-01 2014-08-27 三和テクノ株式会社 伸縮性を規制した編物からなる粉体シール材
JP2011067585A (ja) * 2009-05-22 2011-04-07 Tsuchiya Tsco Co Ltd 摺接部材
JP6421002B2 (ja) * 2014-09-18 2018-11-07 株式会社フジコー 2層構造のフェルト材とその製造法
WO2017216975A1 (ja) * 2016-06-18 2017-12-21 三和テクノ株式会社 カットパイル織物からなるシール材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005283729A (ja) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6115566A (en) Seal member for impeding leakage of toner in a printing apparatus
JP3913347B2 (ja) 粉粒体の漏れ防止用のシール材
US6907207B2 (en) Sealing material for rotary body, usage of the same, and developing apparatus
JP5027402B2 (ja) 微粉粒体の漏出防止用のシール材
JP4035115B2 (ja) トナー漏出防止用などのパイル状シート材
US6739161B2 (en) Cleaning material and sealing material for microscopic particles
JP4314317B2 (ja) 粉粒体の漏れ防止用のシール材の製造方法
US20030091365A1 (en) Sealing member for preventing escape of micro particles
JP2003117496A (ja) 微細粉粒体のクリーニング材及びシール材
JP5169799B2 (ja) 潤滑剤塗布装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP3112862U (ja) トナーシール材
JP3967001B2 (ja) トナーを用いる電子写真装置用のトナーの漏れを防止するためのシール材及びその製造方法
JP2008282006A (ja) クリーニング部材
JP2005141263A (ja) 微細粉粒体のクリーニング材及びシール材
KR20040095206A (ko) 도전성 브러시 및 전자사진 복사장치
JP5102942B2 (ja) 写真画像形成プロセス用などのフェルト材
US7844195B2 (en) Cleaning member
JP6161245B2 (ja) クリーニングユニット、プロセスカートリッジ、画像形成装置
JP4332252B2 (ja) 画像形成装置用のブラシ及びその製造方法
JP3910433B2 (ja) ベロア材
JP3122466U (ja) トナーシール材
JP6421002B2 (ja) 2層構造のフェルト材とその製造法
JP6647446B1 (ja) トナーシール材
JP6712434B2 (ja) クリーニングブラシ
JP2010069819A (ja) 微細粉粒体シール用部材および微細粉粒体シール材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071026

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4035115

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131102

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees