JP2022185178A - 歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法 - Google Patents

歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022185178A
JP2022185178A JP2021092670A JP2021092670A JP2022185178A JP 2022185178 A JP2022185178 A JP 2022185178A JP 2021092670 A JP2021092670 A JP 2021092670A JP 2021092670 A JP2021092670 A JP 2021092670A JP 2022185178 A JP2022185178 A JP 2022185178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mouthpiece
digital
dentition
tooth
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021092670A
Other languages
English (en)
Inventor
錦宏 梁
Jim H Liang
義成 楊
Yi-Cheng Yang
建徳 何
jian-de He
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hangzhou Jianya Medical Equipment Co Ltd
Skynet Electronic Co Ltd
Original Assignee
Hangzhou Jianya Medical Equipment Co Ltd
Skynet Electronic Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hangzhou Jianya Medical Equipment Co Ltd, Skynet Electronic Co Ltd filed Critical Hangzhou Jianya Medical Equipment Co Ltd
Priority to JP2021092670A priority Critical patent/JP2022185178A/ja
Publication of JP2022185178A publication Critical patent/JP2022185178A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dental Tools And Instruments Or Auxiliary Dental Instruments (AREA)

Abstract

【課題】歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法を提供する。【解決手段】患者の歯顎のデジタルオリジナル歯列モデルを取得し、次にクリンチェックソフトウェア上で理想なデジタルセットアップモデルを並べて、各ステップにおける歯に必要な移動量、回転角を定義し、前記クリンチェックソフトウェアによって計算された後に複数のデジタルステップバイステップ歯列モデルを得て、專用ソフトウェアで各デジタルステップバイステップ歯列モデルの歯の表面の厚さを定義して、シェル状のステップアップマウスピース画像を取得し、前記シェル状のマウスピース画像をデジタル制御コマンドに変換して、多軸彫刻機を制御し、前記多軸彫刻機が高分子硬質ブロックから複数のハードタイプの目立たないマウスピースを彫刻する。【選択図】図7

Description

本発明は、歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法に関し、特に、歯冠エナメル質の硬度に近似するブロックで彫刻されたハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法に関する。
最も初期の歯列矯正方法は、複数の歯冠に接着されたブラケットにアーチワイヤー(すなわちスチールワイヤー)を引き締めて固定して前記歯冠に応力を形成し、歯牙を所定の位置まで徐々に移動させることであった。図1を参照すると、歯10の外に露出した部分は、歯冠11と呼ばれ、内部にある部分が歯根12と呼ばれる。歯冠11の表面は、一層の硬度が非常に高いエナメル質13である。歯10を支えるのが象牙質から成る歯の主体14である。その上に歯肉15が付着し、静脈16、動脈17及び歯の神経18が歯根管19を経由して歯髄120に入る。歯の主体14と歯槽骨121との間が歯根膜122であり、その間に靭帯123が伸びる。靭帯123が歯10を歯槽内に繋ぎ止める重要組織である。
また歯10に応力がかかると、靭帯123にも応力がかかる。靭帯123の引き締められた部分は歯槽骨121が増殖し、靭帯123の緩んだ部分は、破骨細胞が歯槽骨121を吸収し、応力を受けて移動された歯10を張力バランスのとれた靭帯123によって新しい歯槽に固定させ、他の組織もその後徐々についてくる。これが、歯10が移動されて矯正できる原理である。ブラケット及びアーチワイヤーで歯牙を矯正する方法は、前述の原理を応用している。ただし前述の矯正方法を運用するのは、歯の構造を理解している経験豊富な歯科矯正医のみが実施することで、問題が生じない。歯科矯正医がブラケット及びアーチワイヤーを取り付けるのに長い時間がかかる。
簡単に説明すると、まずブラケットを取り付ける必要のある歯の表面を、弱酸でエッチングして粗造にすることで、ブラケットをしっかりと接着させることができ、ブラケットを装着してからアーチワイヤーを通していく。アーチワイヤーには、太いもの、細いもの、曲がったもの、真っ直ぐなものがあるため、装着が簡単ではない。このため、患者は痛みを感じ、耐え難くなる。何年にもわたって計算された長い矯正過程では、歯科医にブラケットとアーチワイヤーを調整してもらうため、頻繁に歯科医院に通院する必要がある。さらにブラケット及びアーチワイヤーを取り付けた口腔は、審美性に劣るだけではなく、食後に、ブラケットとアーチワイヤーに絡まったり、くっついた食べ残しが取り除き難いことで細菌が増殖しやすく、同時にアーチワイヤーが唇や舌に容易に擦れることで傷ができる可能性がある。これらの問題は、生活上の長期的な不便を引き起こしており、患者もやむを得ない場合においてこの方法を受け入れて歯を矯正している。
最近、目立たないマウスピースが歯列矯正の新しい選択肢となり、1997年に米国Align Technology社が設立され、Invisalign『インビザライン』の名前で目立たないマウスピースを推進して以来、このステップバイステップで歯列を矯正する方法は徐々に普及している。米国の『インビザライン』に加え、中国の『時代天使』、『正雅』、ドイツの『K Clear』、日本の『アソアライナー』などの非常に代表的なブランドがあり、これらのブランドは市場上に個別ケースに応じてオーダーメイド及び販売サービスを提供している。これらの目立たないマウスピースの製造方法は、大同小異で、材料として均一な厚さのシート状のソフトタイプの透明プラスチックを使用し、材料として3Dプリント製歯列を型とし、次に型を加熱真空吸引装置に入れて、透明な目立たないマウスピースを形成する。前述の方法は多くのプラスチック材料の加工と成形に適用され、熱吸い込み法(Suck Down)と呼ばれる。
このような透明な目立たないマウスピースで歯を矯正する方法は、実際、1945年H.D.Kesling氏によって提案されたステップ変位法に由来する。彼の考え方が実験によって実証されたが当時の歯科技工技術によれば、マウスピースを完成させるのは手間と時間がかかり、量産はほとんど不可能であった。このステップ変位法は、非常に魅力的であるため製造方法が絶え間なく改善され続け、商用できると期待されているが、実現が困難であった。コンピュータや関連技術の急速な発展の後、Align Technology社は、ステップ変位法をコンピュータのハードウェアとソフトウェアの助けを借りて初めて市場に発信した。Align Technologyの特許が満期となった後、他のブランドが雨後の竹ノ子のように相次いで誕生した。各自研究開発された靭性及び厚さの異なる軟性透明プラスチックを使用して差別化を生じさせていることを除き、製造では熱吸い込み法を用い、ステップは大同小異であり、基本的に6つの工程がある。
工程1:患者のデジタルオリジナル歯列モデル30(図3A)として口腔内スキャン法で患者の上顎歯列20、下顎歯列21(図2A)及び上下顎歯列の適正な咬合態樣22(図2B)のデジタル画像を取得し;
工程2:クリンチェックソフトウェアで前記デジタルオリジナル歯列モデル30を理想的なデジタルセットアップモデル31(図3B)として並べ;
工程3:患者の年齢及び歯顎の健康状態に応じて、クリンチェックソフトウェア上で各ステップにおける歯の移動量、回転角及びその他のパラメータを定義し、クリンチェックソフトウェアによって計算された後デジタルオリジナル歯列モデル30からデジタルセットアップモデル31への複数のデジタルステップアップ歯列モデルを得て;
工程4:3Dプリンタを使用して、各デジタルステップアップ歯列モデルに従って、光硬化樹脂を用いて各ステップアップ物理的な歯型41を印刷し;
工程5:真空熱成形プラスチックシート40を取り、それを加熱し、模型として物理的な歯型41に押し当てて(図4A)、押し当てている時に強力な真空吸引を使用して成形させ、冷却後、歯型を有するシート42(図4B)を取り外してから、ホットナイフまたは鋭利なはさみで、歯肉ラインに沿って加工成形シート42から辺材を除去して、ソフトタイプの目立たないマウスピース43を得て(図4C);
工程6:その他のデジタルステップアップ歯列モデルは、矯正治療に必要なマウスピースを完成させるため、工程5に従って各ソフトタイプの目立たないマウスピース43を次々に成形する。
真空熱成形プラスチック材料で作製されたソフトタイプの目立たないマウスピース43は、歯のエナメル質よりも柔らかく、滑らかな表面を有するので、歯に対するソフトタイプの目立たないマウスピース43の保持力(retain force)は不十分であり、かつ、ソフトタイプの目立たないマウスピース43と歯との間の摩擦力も不十分であるため、ソフトタイプの目立たないマウスピース43による複根臼歯の矯正結果は、期待どおりにいかない。
ソフトタイプの目立たないマウスピース43の保持力(retain force)は不十分であるため、数日着用するとソフトタイプの目立たないマウスピース43が脱落する可能性がある。前述の問題点を解決するため、Aligner Technologyg社は、まずアタッチメント(attachment)またはポッチと呼ばれる要素を用い、それを歯に接着させ、矯正能力を強めさせると公言している。しかし、前記アタッチメントを歯に接着する技術が容易ではない。まず歯を並べる前に異なる形状のアタッチメント画像50(図5A)をデジタルオリジナル歯列モデル30に配置する必要がある。各物理的な歯型の3Dプリントが完了した時、アタッチメント模型がすでに歯型の上にあるため、以後完成した各マウスピースの外部に突起が見られ、内側から見ると、アタッチメント形状の溝である。歯に物理的なアタッチメントをしっかりと接着させるため、歯医者は先に歯の表面を少し酸性処理すると共に洗浄する。次に0ステップのマウスピース上の各溝に光硬化型エポキシ樹脂を塗布し、マウスピースを装着してエポキシ樹脂を光硬化させた後0ステップのマウスピースを取り外し、臨床の物理的なアタッチメント51を歯に残す(図5B)ことで、患者に1ステップのマウスピースを装着させてステップバイステップ歯列矯正を開始できる。
米国特許出願公開第2008/0254402A1号明細書 米国特許出願公開第2006/0093982A1号明細書
この種のソフトタイプのマウスピースは、少なくとも1日22時間以上装着する必要があり、食事、歯磨きの時のみにマウスピースを外す。マウスピースを外すため力を加えたときに、あるアタッチメントが緩んで落下した場合、このアタッチメントを再度接着させるため歯医者のサポートを求める必要がある。
ソフトタイプのマウスピースは、滑らかで硬度が足りないため、マウスピースと歯との間の摩擦力が不十分である。また、マウスピースは、先にプラスチックを加熱してから真空で強く吸引することによって成形されるため、マウスピースの厚さが不均一になり、かつ歯と歯の間の位置ではマウスピースが常に弧形を呈するため、歯に対するマウスピースの被覆面が減り、矯正応力も伴に低減する。以上が原因でソフトタイプのマウスピースが複根臼歯を矯正することはほぼ不可能である。
ソフトタイプの目立たないマウスピースは、切歯の矯正に非常に成功しているが、犬歯や小臼歯などの他の単根歯の場合、矯正はしばしば期待通りではないので、矯正途中で口腔内スキャン、歯並べ、3Dプリントを行って新しいマウスピースセットを再度作製する必要があり、矯正時間が長くなり、患者の忍耐力が失われる。このため新しいマウスピースセットを再度作製する場合、一部のメーカーは補償として無料サービスを提供している。
また、3Dプリント製の物理的な歯型の原材料は、光硬化型エポキシ樹脂であり、リサイクルすることはできず、一度使用すると、廃棄物になる。ステップアップマウスピースが多いほど、廃棄物が多くなる。ソフトタイプの目立たないマウスピースは、避けられない環境保全の問題を引き起こす。
真空熱成形プラスチック材料でマウスピースを製造する方法に加えて、特許文献1は、CNC彫刻方法で軟質材料からマウスピースを製造しているが、欠点は真空熱成形で製造されたマウスピースと同じである。特許文献2では、歯列弓模型を取った後、マウスピース模型をCNCで製造し、次にこのマウスピース模型をいくつかのエレメントに分解し、さらにマウスピースエレメントをCNCで製造し、最後にマウスピースエレメントを歯列矯正用のマウスピースとして再接続する。ただしこの方法は、面倒すぎ、マウスピースエレメントの再接続箇所の応力が失われ、歯を効果的に矯正することができない。
これに着目し、面倒で予測不可能なアタッチメント作業の免除などの前述の目立たないマウスピース(ソフトタイプのマウスピース)の欠陥を効果的に改善でき、歯に対する目立たないマウスピース(ソフトタイプのマウスピース)の保持力、摩擦力を強化できると共にマウスピース模型の廃棄物等を減少させることで、目立たないマウスピース(ソフトタイプのマウスピース)の矯正効果をいかに完全に期待通りにさせるかは、現在の歯列矯正業者が改善を望んでいる重要な課題であり、また、本発明が解決しようとする課題となっている。
従来のソフトタイプのマウスピースには、依然として欠陥があることに着目し、研究と実験を積み重ね、歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法を開発し、前述の問題点を効果的に解決することが求められている。
本発明の一目的は、歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法を提供することである。前記製造方法は、それぞれデジタルオリジナル歯列モデルとして、患者の上顎歯列、下顎歯列及び上下顎歯列の適正な咬合のデジタル画像をスキャンおよび構築し;次に、クリンチェックソフトウェアを介して各前記デジタルオリジナル歯列モデルを読み取り、理想的なデジタルセットアップモデルをそれぞれ並べ、各ステップにおける歯に必要な移動量、回転角を定義し、クリンチェックソフトウェアによって計算された後、各前記デジタルオリジナル歯列モデルから前記デジタルセットアップモデルへの複数のデジタルステップバイステップ歯列モデルを得て;さらに、專用ソフトウェアで各前記デジタルステップバイステップ歯列モデル及び各前記デジタルセットアップモデルの歯の表面の厚さをそれぞれ定義して、シェル状のマウスピース画像を取得し;最後に、各前記シェル状のマウスピース画像を各々デジタル制御コマンドに変換し、それで多軸彫刻機を制御し高分子硬質ブロックから複数のステップアップマウスピースを彫刻してハードタイプの目立たないマウスピースセットを形成させる。このような本発明の製造方法により前記ハードタイプの目立たないマウスピースセットを迅速に製造することができ、かつ患者は、事前に計画された期間に従って各ステップアップマウスピースを歯に装着するだけで、歯列矯正の効果を奏することができる。
以下に本発明の目的の技術的特徴及び効果を更に認識、理解してもらうため、実施例及び添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
歯の構造を示す模式図である。 患者の元の上顎歯列と下顎歯列を示す模式図である。 患者の元の上下顎歯列の適正な咬合態樣を示す模式図である。 デジタルオリジナル歯列モデルを示す模式図である。 デジタルセットアップモデルを示す図である。 真空成形プラスチックシート及び物理的な歯型を示す模式図である。 真空成形プラスチックシート成形後のシートを示す模式図である。 ソフトタイプの目立たないマウスピースを示す模式図である。 アタッチメントを付けた場合のアタッチメント画像を示す図である。 臨床の物理的なアタッチメントを付けた歯を示す模式図である。 硬質ブロックを示す模式図である。 彫刻を完了したブロックを示す模式図である。 ステップアップマウスピースを示す模式図である。 本発明の製造方法のフローチャートである。 ハードタイプの目立たないマウスピースの上がくり抜かれる様子を示す図である。 ハードタイプの目立たないマウスピースに物理的な歯の位置を設けた様子を示す図である。 短いタイプのマウスピースを示す模式図である。
本発明の目的、技術的内容及び利点をより明確にするため、以下では具体的実施形態と併せて、添付の図面を参照しつつ本発明で開示される「歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法」の実施形態をさらに詳細に説明する。当業者は、本明細書に開示された内容から本発明の利点及び効果を理解することができ、かつ本発明は他の異なる具体的実施例を通じて実施又は応用することができる。本明細書内の詳細は、異なる視点と応用に基づき、本発明の技術的思想から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができる。なお、本発明の図面は、単なる概略図であり、実物大で描かれていないことをあらかじめ述べておく。以下の実施形態では、本発明に関連する技術的内容をさらに詳細に説明するが、開示された内容は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。
本発明者は、義歯、ナイトガードなどの歯科用品を彫刻するためのCNC多軸彫刻機の設計および製造における長年の経験に基づいて、歯科矯正医の要求および指導の下で、義歯を彫刻するための硬質PMMAブロック60(図6A)をマウスピース彫刻の材料として選択してマウスピースを彫刻し、製造、改良及びテストを重ね、ついに保持力が強く、摩擦力が十分なハードタイプの目立たないマウスピース(すなわち、以後の実施例において称するステップアップマウスピース62)を完成した。なお本発明の製造方法において3Dプリント技術で先に物理的な歯型をプリントする必要はない。
一般的に言えば、それがソフトタイプ又はハードタイプの目立たないマウスピースであるかどうかにかかわらず、歯の健康状態を判断するための患者のパノラマエックス線写真(一般的に「panoフィルム」と通称する)を先に取得する必要がある。不健康な歯を先に治療し、インプラントなどの人工歯根なら動かせない。本発明のハードタイプの目立たないマウスピースの製造工程は、ソフトタイプのマウスピースの製造工程と比較して、アタッチメント接着の面倒な手順もなく、先にすべての物理的な歯型を3Dでプリントする必要もなく、真空熱成形機でマウスピースを成形する必要もなく、多軸彫刻機による辺材の取り除きの必要もない。本発明の製造方法は以下のとおりである。図7を参照されたい。
工程(801):3Dスキャン技術(例:3Dレーザー口腔内スキャナー)で患者の歯列をスキャンして、患者の上顎歯列20、下顎歯列21(図2A)及び上下顎歯列の適正な咬合態様22のデジタル画像(図2B)を取得することで、前記患者のデジタルオリジナル歯列モデル30(図3A)とし;
工程(802):クリンチェックソフトウェアで各前記デジタルオリジナル歯列モデルを読み取り、各前記デジタルオリジナル歯列モデル30を理想なデジタルセットアップモデル31(図3B)として並べ;
工程(803):患者の年齢及び歯顎の状態に応じて、クリンチェックソフトウェア上で各ステップにおける歯の移動量、回転角及びその他のパラメータを定義し、クリンチェックソフトウェアによって計算された後、デジタルオリジナル歯列モデル30からデジタルセットアップモデル31への複数のデジタルステップバイステップ歯列モデルを得て;
工程(804):專用ソフトウェア(例:CADソフトウェア)で上下歯列に対応する各デジタルステップバイステップ歯列モデルの歯の表面に各面の厚さを設定して、各ステップアップマウスピースのシェル状マウスピース画像を形成し;
工程(805):CAMソフトウェアによりステップアップマウスピースのシェル状マウスピース画像をデジタル彫刻機で読み取ることができるデジタル制御コマンド(例:NCコード)に変換し、それをデジタル彫刻機のコントローラに送信し、デジタル彫刻機に硬質PMMAブロック60(図6A)を入れ、デジタル彫刻機にマウスピースの彫刻を実行させ、彫刻が完了したら、彫刻されたブロック61(図6B)を取り出し、マウスピースを切り取り、微細加工や仕上げを経た後、一対のステップアップマウスピース62(図6C)を完成させ;
工程(806):工程(805)を繰り返すことで、他のステップアップマウスピース62を完成させ、ハードタイプの目立たないマウスピースセットを形成する。
上記のステップで必要とされるソフトウェアは、すべて市場で入手可能である。ステップ(801)で使用される3Dレーザー口腔内スキャナーには、3shape社製のTrios、Sirona社製のOmnicam、Carestream社製のCS3600等が挙げられ;工程(802)及び工程(803)で使用されるクリンチェックソフトウェアは、3shape社製のOrtho Analyzer、INTEWARE社製のOrtho Analysis、exocad社製のOrtho等が挙げられ;工程(804)で使用されるCADソフトウェアには、3shape社製のOrtho System、exocad社製のDental CAD、INTEWARE社製のEZCAD、angelalign社製のiOtho等が挙げられ;工程(805)で使用されるCAMソフトウェアには、CIMsystem社製のMillBox、Autodesk社製のPower Mill、INTEWARE社製のEZCAM等が挙げられる。
上記のステップで使用される多軸彫刻機は、精度±20μmで、台湾亜力士電脳機械股▲ふん▼有限公司(ARIX CNC MACHINES CO.,LTD.)によって製造された一時的な義歯彫刻機である。使用される硬質PMMAブロック60は、日本YAMAHACHI DENTAL MFG.,COの中国無錫工場によって製造され、硬度がショア硬さ75~85の範囲で、歯冠エナメル質の硬度に近く、靭性を持つため破片に破砕されない。
上記をまとめると、本発明の製造方法は、後記の特徴及び効果を有することができる。まず、PMMAは、Poly(Methyl MethAcrylate)の略称であり、日本語ではポリメチルメタクリレートで、有機ガラスも呼ばれ、長鎖高分子であり、この種の有機ガラスは、弾丸で衝突した後も破片に破砕せず、防弾ガラスとして使用でき、高い透明性、低価格、機械加工容易性などの利点があり、医療グレードの素材であり、靭性を持つ硬質材料であり、硬度が低下することはなく、保持力(retain force)を常に維持でき、ハードタイプの目立たないマウスピース(ステップアップマウスピース62)に彫刻すると、歯にポッチを接着する時のフラストレーションと不便性を避けることができる。
次に、彫刻法でハードタイプの目立たないマウスピースを作る場合、内面をざらざら面に彫刻することで、歯冠に対するハードタイプの目立たないマウスピースの摩擦力を大幅に増加させることができ、硬度が十分であることに加え、ハードタイプの目立たないマウスピースが大臼歯を簡単に動かすことができ、全ての歯を矯正できるようになり、顔立ちとしての前歯を美しくするだけでなく、食物を咀嚼するための臼歯が正常な咬合となり、十分に噛まれた食物が消化器系への負担を軽減するだけでなく、より良い消化と吸収を得ることもでき、体がより健康になる。
さらに、彫刻法でハードタイプの目立たないマウスピースを製造する場合、ハードタイプの目立たないマウスピースの各位置と歯型との間の厚さを、コンピュータソフトウェア(專用ソフトウェア)上で定義することができ、彫刻機がコマンドに従って彫刻するため、ハードタイプの目立たないマウスピースを各歯と歯との間にフィン状に彫刻することができる。前記フィンは、ハードタイプの目立たないマウスピースを装着している時歯と歯との間に挟まれ、歯に対するマウスピースの保持力を確保して、脱落しにくく、同時に歯全体がより大きい面積のハードタイプの目立たないマウスピースで覆われているため、ハードタイプの目立たないマウスピースから各歯冠に加えられる力は面状であり、かつ応力が均一であることで、歯根の移動が歯冠の移動と平行になり、歯全体の移動が可能になる。歯の生体力学によれば、加える力が均一でない場合、歯根と歯冠が反対方向に移動する可能性があることで、歯根が歯槽骨から外れる危険がある。
歯間部のフィンが保持力を確保し、かつPMMAブロック60をハードタイプの目立たないマウスピース彫刻の材料として選択するため、ハードタイプの目立たないマウスピース(ステップアップマウスピース62)の着用期間にハードタイプの目立たないマウスピースの保持力は低下せず、ハードタイプの目立たないマウスピースのざらざらな内面によって引き起こされる摩擦力を加え、各ハードタイプの目立たないマウスピース(すなわち、ステップアップマウスピース62)による大臼歯を含む歯の移動が予想通りであるため、遠隔地で歯医者に着用の現況を報告するだけで、異常がなければ定期的にマウスピースを交換できるので、歯の矯正期間に歯科医院に通院する必要がない。これは、辺鄙な地域の患者又はよく遠く出張や旅行する者にとって特に便利である。
なお、最近の研究では、乳歯から永久歯に生えかわる子供の混合歯列期に子供の歯を矯正するのが最も適していることが指摘されている。特定の永久歯の成長速度が非常に速い場合、この歯の咬合面のハードタイプの目立たないマウスピース(ステップアップマウスピース62)の上がくり抜かれる(すなわち、図8Aの破線の円で囲まれた場所のような開口部70を形成する)ことで、歯が妨げられることなく自由に成長できる。これは、従来のソフトタイプのマウスピースが製造されるときに実現できないことであり、マウスピースの接合面にくり抜けるという方法も必要に応じて他の場合にも適している。また、歯が抜けて人工歯植え込み前に、成人の歯列が異常である場合は、できれば先に歯を矯正する。この時ハードタイプの目立たないマウスピース(ステップアップマウスピース62)をこの歯の位置(すなわち、前記抜けた歯)に物理的な歯の位置71(図8Bの破線の円で囲まれた箇所)から彫刻され、隣接する2本の歯が内側に傾くことなく支持される。前記物理的な歯の位置71がない場合、マウスピース(ステップアップマウスピース62)は歯を矯正できなくなる。これは、ソフトタイプのマウスピースが製造されるときにも実現できないことである。
患者の要矯正歯が数本しかない場合、ハードタイプの目立たないマウスピースの保持力と摩擦力が十分に強いため、近くの歯が丈夫で固定源として使用できる場合、短いタイプのマウスピース72に彫刻することができる。例えば患者が中切歯のみを矯正する必要がある場合、小臼歯と犬歯を矯正時の固定源として、中切歯及び犬歯の上がくり抜かれる短いタイプのマウスピース72のみを使用できる。すなわち、前記短いタイプのマウスピース72は、患者の上顎歯列又は下顎歯列の歯の総数に完全に対応せず、前記上顎歯列又は下顎歯列の歯数よりも少なくなり、かつ前記短いタイプのマウスピース72は、患者がより快適に着用できるようになる。
最後に、彫刻法でマウスピースを製造するには3Dプリント製の物理的な歯型を使用する必要がなく、プラスチック真空熱成形機を使用する必要もなく、使い捨てる大量の物理的な歯型廃棄物が発生せず、 PMMAから削り出された屑や辺材は、化学的作用による材料の変化がないため、リサイクルが可能であり、環境保全の問題はない。
上記は本発明の好ましい実施形態にすぎないが、本発明によって請求される権利の範囲はこれに限定されない。当業者が本発明に開示している技術内容に基づいて、容易に想到できる種々均等範囲内での変化は、均しく本発明の保護範囲に含まれるものことは勿論である。
10 歯
11 歯冠
12 歯根
120 歯髄
121 歯槽骨
122 歯根膜
123 靭帯
13 エナメル質
14 歯の主体
15 歯肉
16 静脈
17 動脈
18 歯の神経
19 歯根管
20 上顎歯列
21 下顎歯列
22 上下顎歯列の適正な咬合態樣
30 デジタルオリジナル歯列モデル
31 デジタルセットアップモデル
40 真空熱成形プラスチックシート
41 物理的な歯型
42 シート
43 ソフトタイプの目立たないマウスピース
50 アタッチメント画像
51 臨床の物理的なアタッチメント
60 PMMAブロック
61彫刻されたブロック
62 ステップアップマウスピース
70 開口部
71 物理的な歯の位置
72 短いタイプのマウスピース
801~806 工程(ステップ)

Claims (5)

  1. それぞれデジタルオリジナル歯列モデルとして、3Dスキャン技術で患者の上顎歯列、下顎歯列及び上下顎歯列の適正な咬合のデジタル画像を取得する工程と、
    クリンチェックソフトウェアで各前記デジタルオリジナル歯列モデルを読み取り、理想なデジタルセットアップモデルをそれぞれ並べ、各ステップにおける歯に必要な移動量、回転角を定義し、前記クリンチェックソフトウェアによって計算された後、各前記デジタルオリジナル歯列モデルから前記デジタルセットアップモデルへの複数のデジタルステップバイステップ歯列モデルを得る工程と、
    專用ソフトウェアで各前記デジタルステップバイステップ歯列モデル及び各前記デジタルセットアップモデルの歯の表面の厚さをそれぞれ定義して、シェル状のマウスピース画像を取得する工程と、
    各前記シェル状のマウスピース画像を各々デジタル制御コマンドに変換して、多軸彫刻機を制御し、前記多軸彫刻機が高分子硬質ブロックから複数のステップアップマウスピースを彫刻してハードタイプの目立たないマウスピースセットを形成する工程と、
    を含む歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法。
  2. 前記高分子硬質ブロックの材料は、ポリメチルメタクリレートである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 少なくとも1つの前記ステップアップマウスピース上の局所位置が前記患者の状況によってくり抜ける態樣である請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記ステップアップマウスピース内には、前記患者の状況によって少なくとも1箇所の物理的な歯の位置が残されている請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記ステップアップマウスピースが、前記患者の状況によって前記患者の前記上顎歯列又は前記下顎歯列の歯数より少なくなるように彫刻されて、短いタイプのマウスピースを形成する請求項1に記載の製造方法。
JP2021092670A 2021-06-02 2021-06-02 歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法 Pending JP2022185178A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021092670A JP2022185178A (ja) 2021-06-02 2021-06-02 歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021092670A JP2022185178A (ja) 2021-06-02 2021-06-02 歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022185178A true JP2022185178A (ja) 2022-12-14

Family

ID=84438782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021092670A Pending JP2022185178A (ja) 2021-06-02 2021-06-02 歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022185178A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002526155A (ja) * 1998-10-08 2002-08-20 アライン テクノロジー,インコーポレーティド. 歯を配置するためのシステムおよび方法
US20060093982A1 (en) * 2004-11-02 2006-05-04 Huafeng Wen Method and apparatus for manufacturing and constructing a dental aligner
JP2010506628A (ja) * 2006-10-16 2010-03-04 ジャック キース ヒリアード Cncフライス盤による歯科矯正器具の製造システム
JP2012106013A (ja) * 2000-04-25 2012-06-07 Align Technology Inc 歯科治療計画のためのシステムおよび方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002526155A (ja) * 1998-10-08 2002-08-20 アライン テクノロジー,インコーポレーティド. 歯を配置するためのシステムおよび方法
JP2012106013A (ja) * 2000-04-25 2012-06-07 Align Technology Inc 歯科治療計画のためのシステムおよび方法
US20060093982A1 (en) * 2004-11-02 2006-05-04 Huafeng Wen Method and apparatus for manufacturing and constructing a dental aligner
JP2010506628A (ja) * 2006-10-16 2010-03-04 ジャック キース ヒリアード Cncフライス盤による歯科矯正器具の製造システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5662681B2 (ja) Cncフライス盤による歯科矯正器具の製造システム
US10383706B2 (en) Method and apparatus for orthodontic attachment fabrication and placement
JP5123526B2 (ja) 改良された歯科矯正アライナーの自動製造方法
US20060177789A1 (en) Orthodontic system
WO2018153219A1 (zh) 用于矫治牙合干扰的壳状牙科器械
JP2020521517A (ja) 歯科補綴物作製に使用される位置調整装置
Graf et al. Direct printed removable appliances: A new approach for the Twin-block appliance
CN111497248A (zh) 一种用于下颌骨异常重定位的矫治器制备方法
Agnini et al. Digital dental workflow for a smile makeover restoration
JPWO2020033528A5 (ja)
CN207270396U (zh) 用于矫治牙合干扰的壳状牙科器械
TWI805958B (zh) 對齒列進行步進式矯正的硬質隱形牙套組之製法
JP2022185178A (ja) 歯列をステップバイステップで矯正するハードタイプの目立たないマウスピースセットの製造方法
KR20190093789A (ko) 저온 플라즈마 멸균 디지털 투명 교정 방법
TW202002909A (zh) 用於植牙和修復的綜合矯正方法
Parnia et al. A Time-saving method for transferring occlusal vertical dimension and centric relation of complete denture to a full arch implant prosthesis
Aalam et al. Surgical template stabilization with transitional implants in the treatment of the edentulous mandible: a technical note.
US20220323180A1 (en) Method for making hard clear aligner set for stepwise orthodontic treatment
CN216702673U (zh) 儿童颌面部三维生长引导矫正器
Turkyilmaz Alternative Method to Fabricating an Immediately Loaded Mandibular Hybrid Prosthesis Without Impressions: A Clinical Report.
TWI739497B (zh) 數位活動假牙模組製造工法
CN220695367U (zh) 一种结合数字化口扫的正畸咬合记录装置
CN217566376U (zh) 一种抑制上前牙伸长复发的新型透明保持器
Rebhi et al. Evaluation of Poly-ether-ether-ketone (PEEK) mandibular two implant retained overdenture on zirconium oxide bar retained with heat cured soft liner
Lahoti Management of Maxillary Flabby Tissue & Highly Resorbed Mandibular Ridges

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220607

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221227