JP2022182255A - 電動車の試験装置、電動車の試験方法、及びプログラム - Google Patents

電動車の試験装置、電動車の試験方法、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2022182255A
JP2022182255A JP2021089722A JP2021089722A JP2022182255A JP 2022182255 A JP2022182255 A JP 2022182255A JP 2021089722 A JP2021089722 A JP 2021089722A JP 2021089722 A JP2021089722 A JP 2021089722A JP 2022182255 A JP2022182255 A JP 2022182255A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power consumption
electric vehicle
vehicle
measured
test
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021089722A
Other languages
English (en)
Inventor
健也 田中
Kenya Tanaka
康平 岡本
Kohei Okamoto
幸治 清水
Koji Shimizu
勲 宮崎
Isao Miyazaki
忍 山口
Shinobu Yamaguchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2021089722A priority Critical patent/JP2022182255A/ja
Publication of JP2022182255A publication Critical patent/JP2022182255A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】製造ライン上の完成した電動車を試験することが可能な電動車の試験装置、電動車の試験方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】電動車の試験装置は、予測装置、計測装置、及び提示装置を備える。予測装置は、電力消費が正常であることが確認できている電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む走行データと、消費電力と、を教師データとする機械学習により生成された消費電力予測モデルを用いて、消費電力を予測する。計測装置は、試験対象の電動車(試験車両C)についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む実測走行データと、実測消費電力とを計測する。予測装置は、計測装置から得られた実測走行データを入力値として、予測消費電力を出力値として得る。提示装置は、予測消費電力と実測消費電力との差分が所定の値よりも大きい場合には、試験対象の電動車の消費電力が異常であることを提示する。【選択図】図1

Description

本開示は、電動車の試験装置、電動車の試験方法、及びプログラムに関する。
特許文献1には、電動車の電費を測定するための試験装置が記載されている。特許文献1に記載の試験装置では、目標車速パターンに従って測定車両のモータ及び負荷モータを制御して、走行シーンの変化によるEngine Control Unitが電費に与える影響を測定している。
特開2016-090343号公報
電費の試験のためには目標車速パターンや車両の暖機状態などの走行環境を管理する必要があるが、製造ライン上においては、走行パターン、走行環境がばらつくため、製造ライン上の完成車両を試験するのは困難であった。なお、特許文献1に記載の技術でもこのような問題を解決できない。
本開示は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、製造ライン上の完成した電動車を試験することが可能な電動車の試験装置、電動車の試験方法、及びプログラムを提供することにある。
本開示の第1の態様に係る電動車の試験装置は、電力消費が正常であることが確認できている電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む走行データと、消費電力と、を教師データとする機械学習により生成された消費電力予測モデルを用いて、消費電力を予測する予測装置と、試験対象の電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む実測走行データと、実測消費電力とを計測する計測装置と、提示装置と、を備え、前記予測装置は、前記計測装置から得られた前記実測走行データを入力値として、予測消費電力を出力値として得、前記提示装置は、前記予測消費電力と前記実測消費電力との差分が所定の値よりも大きい場合には、前記試験対象の電動車の消費電力が異常であることを提示する、ものである。上記試験装置は、このような構成により、製造ライン上の完成した電動車を試験することが可能になる。
本開示の第2の態様に係る電動車の試験方法は、試験対象の電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む実測走行データと、実測消費電力とを計測し、電力消費が正常であることが確認できている電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む走行データと、消費電力と、を教師データとする機械学習により生成された消費電力予測モデルを用いて、前記実測走行データを入力値として予測消費電力を出力値として得て、前記予測消費電力と前記実測消費電力との差分が所定の値よりも大きい場合には、前記試験対象の電動車の消費電力が異常であることを提示する、ものである。上記試験方法は、このような構成により、製造ライン上の完成した電動車を試験することが可能になる。
本開示の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータに、試験対象の電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む実測走行データと、実測消費電力とを計測し、電力消費が正常であることが確認できている電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む走行データと、消費電力と、を教師データとする機械学習により生成された消費電力予測モデルを用いて、前記実測走行データを入力値として予測消費電力を出力値として得て、前記予測消費電力と前記実測消費電力との差分が所定の値よりも大きい場合には、前記試験対象の電動車の消費電力が異常であることを提示する、処理を実行させるためのプログラムである。上記プログラムは、このような構成により、製造ライン上の完成した電動車を試験することが可能になる。
本開示により、製造ライン上の完成した電動車を試験することが可能な電動車の試験装置、電動車の試験方法、及びプログラムを提供することができる。
本実施の形態に係る電動車の試験装置の一構成例と試験車両の一例とを示す概略説明図である。 図1の試験装置における予測モデルの生成過程の一例を説明するための模式図である。 図2に続く、図1の試験装置における予測モデルの生成過程の一例を説明するための模式図である。 図1の試験装置における予測モデルを用いた予測処理の一例を説明するための模式図である。 図1の試験装置における試験処理の一例を説明するための模式図である。 図1の試験装置における試験結果の提示例を示す模式図である。 図1の試験装置における試験処理の一例を説明するためのフロー図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施の形態に限定するものではない。また、実施の形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。
(実施の形態)
図1~図7を参照して、本実施の形態に係る電動車(電動車両)の試験装置(以下、本試験装置という)の一構成例について説明する。図1は、本試験装置の一構成例と試験車両の一例とを示す概略説明図である。図2は、図1の試験装置における予測モデルの生成過程の一例を説明するための模式図で、図3は、図2に続く、図1の試験装置における予測モデルの生成過程の一例を説明するための模式図である。また、図4は、図1の試験装置における予測モデルを用いた予測処理の一例を説明するための模式図である。図5は、図1の試験装置における試験処理の一例を説明するための模式図で、図6は、図1の試験装置における試験結果の提示例を示す模式図である。
本試験装置は、図1で例示するように、バッテリ11及びバッテリ11を動力源とするモータ12とを備えた電動車(電気自動車)である試験車両Cの消費電力が異常であるか正常であるかを判定することが可能な装置である。
本試験装置は、例えば、ECU情報送信器13、ECU情報受信器14、予測PC(Personal Computer)15、及び判定器16を備えることができる。ECUは、Electronic Control Unitの略で、車両に搭載される電子制御装置の一例である。なお、車両に搭載される電子制御装置はECM(Engine Control Module)と称されることもある。
ECU情報送信器13は、被検査車両(試験車両)Cに内蔵されたECUが取り扱う情報(ECU情報)の信号(車両信号)をECUから読み出して無線で送信する機器である。ここで送受されるECU情報は、インラインテスタで検査員Uが試験車両Cを走行させた状態でECUが得た、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む実測走行データと、そのときの実測消費電力を含むことができる。
実測走行データは、例えば、モータ12の温度、トルク、モータ12の回転数を含むことができ、この回転数は走行速度の代わりとして選定されることができる。また、実測消費電力は、例えばECU内で得られるバッテリ11の出力電流や出力電圧等から算出することができる。但し、この出力電流や出力電圧等そのものを実測消費電力として取り扱うこともできる。その場合には、後述する予測の結果としての消費電力も同じ種類の値としておけば比較が容易である。
ここで、インラインテスタは、試験対象の電動車を走行可能に設置するためにタイヤの回転に合わせて回転する回転ドラムなどを含み、その電動車が一定負荷の元で検査できる検査設備とすることができ、インラインテスタは製造ラインに組み込まれることができる。また、実測走行データ等の取得は、インラインテスタにてメータ検査等と同時に行うこともできる。
ECU情報受信器14は、ECU情報送信器13から送信されたECU情報を受信する。無論、ECU情報送信器13が能動的にECU情報を逐次送信するようにしてもよいし、ECU情報受信器14側からの要求によりECU情報送信器13がECU情報を逐次返信するようにしてもよい。
ECU情報送信器13は、試験車両Cに具備されたECUに有線で接続されること、あるいは試験車両Cに具備されたECUに元々具備されるものを利用することができる。なお、ECU情報送信器13とECU情報受信器14とは、無線で接続されることを前提として説明しているが、有線で接続され、有線通信によりECU情報の送受を行う構成を採用することもできる。
試験車両Cに内蔵されたECU、ECU情報送信器13、及びECU情報受信器14は、その試験車両Cについての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む実測走行データと、実測消費電力とを計測する計測装置の一例となる。この実測走行データと実測消費電力とを、以下、実測車両データと称する。
予測PC15は、次のような予測装置の一例である。この予測装置は、消費電力予測モデルを用いて消費電力を予測する。予測PC15は、消費電力予測モデルを記憶しておき、そのモデルを用いた消費電力の予測を行うことになる。具体的には、予測PC15は、計測装置から得られた実測走行データを消費電力予測モデルへの入力値として、予測消費電力を消費電力予測モデルからの出力値として得る。予測PC15は、記憶された消費電力予測モデルを用いた予測処理を実行するプログラムが実行可能に格納されたコンピュータとすることができる。
この消費電力予測モデルは、電力消費が正常であることが確認できている電動車(以下、マスタ車Mと称する)についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む走行データと、消費電力(マスタ車Mの消費電力)と、を教師データとする機械学習により生成されたモデルである。この機械学習に用いるアルゴリズム等は問わない。ここで、マスタ車Mは、基本的に試験車両Cと同機種の電動車とするが、試験車両Cと一部の仕様が異なる電動車を含めることもできる。
この消費電力予測モデルの生成に用いる学習データは、次のようにして収集することができる。即ち、図2に示すように、例えば監査工場において電力消費を測定してそれが正常であることが確認済みのマスタ車Mを用意し、そのマスタ車Mを様々な条件で走行させて、走行データと消費電力とを収集する。以下、学習のために収集される走行データ及び消費電力を、学習車両データと称する。また、学習車両データの取得は、マスタ車Mのメータ検査等と同時に行うこと、つまりメータ検査時の車両データを学習車両データとすることもできる。
ここで、上記様々な条件は、例えば環境温度、電池温度、インバータ温度、アクセル開度、暖機、加減速を変えたような様々な走行パターンなどとすることができ、条件のうち少なくとも1つを変更して走行させることで、異なる走行条件での学習車両データを得て、消費電力予測モデルの生成に利用することができる。但し、同じ走行条件で得た複数回の学習車両データも消費電力予測モデルの生成に利用することができる。なお、図2では、3回の走行について図示しているが、正確なモデルが生成できるような条件、回数だけ、学習車両データの収集のための走行が行われる。
収集された学習車両データは、目的変数(実測消費電力の例である実電力消費量)とその他の情報である説明変数(モータ温度等の温度、速度(代替としてモータ回転数)、トルク等)とに分けることができる。例えば、学習車両データは、図3の左側のグラフ群で示すような説明変数(この例では便宜上、速度のみ図示)と、図3の右側のグラフ群で示すような目的変数(消費電力の値)と、に分けることができる。なお、説明変数は、上述した条件によりその数を変えることができる。
また、予測モデルを生成する場合の学習車両データの取得に使用するマスタ車Mについても、試験車両Cについて説明した同様の検査設備上で走行させて、上記の計測装置又は同様の計測装置で走行データや消費電力を取得することができる。即ち、ECU情報受信器14と同様の受信器が、ECU情報として、マスタ車Mについての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む走行データと消費電力とを、ECU情報送信器13と同様の送信器から受信して、収集することができる。
消費電力予測モデルは、インラインテスタ等で実測された学習車両データに基づき、AI(Artificial Intelligence)学習用のPC等のコンピュータを利用して生成されることができる。このコンピュータは、未学習モデルを記憶し、上述のようにして説明変数と目的変数とに分けた教師データをその未学習モデルに入力して機械学習を実行する。
なお、このコンピュータは、予測PCとは異なるコンピュータとすることができるが、予測PC15とすることもできる。即ち、予測PC15は、消費電力予測モデルの生成処理及びそのモデルを用いた予測処理を実行するプログラムが実行可能に格納されたコンピュータとすることもできる。
判定器16は、試験(検査)の運用段階で使用されることができる。
ECU情報受信器14が、試験車両Cに対しインラインテスタで走行させた状態で実測車両データを取得し、判定器16に出力する。判定器16は、それを説明変数と目的変数とに分け、説明変数を予測PC15に出力して消費電力予測モデルでの予測処理を実行させて予測消費電力を得る。例えば、図4に示すように、試験車両Cの試験がモータ温度が35℃等の条件下でなされた場合には、図4の左側に示す実測された走行速度などの説明変数を消費電力予測モデルに入力することで、図4の右側に示すような予測消費電力を得ることができる。
次いで、判定器16は、試験車両Cについて実測された実測消費電力(目的変数)と消費電力予測モデルを用いた予測消費電力との比較による判定を実行する。無論、図5で模式的に示したように、予測PC15は、説明変数をECU情報受信器14から得て予測結果を判定器16に出力するようにしてもよい。
そして、判定器16は、予測消費電力と実測消費電力との差分が所定の値よりも大きい場合には、その試験車両Cの消費電力が異常であることを提示する。ここで、消費電力が異常であった場合、電費、航続距離、バッテリ11の電池パック等の異常が原因であることが推測される。上記の所定の値、つまり判定の閾値は、事前に予測のバラつきを評価しておき、その評価に合わせるように設定しておくことができる。
判定器16は、上述したような処理を行うとともに結果の提示を行う提示装置の一例である。この提示装置は、例えば図6に示す表示画像のように、判定結果を表示させる(図6の例では正常であり「OK」と表示)表示装置を備えることができる。図6の例では、判定結果が異常であった場合には例えば「NG」と表示させることができる。図6では、判定結果そのものだけでなく、実測値(実測消費電力)、予測値(予測消費電力)、及びECU情報が示すモータ回転数(実測する車速の代わり)を、時系列グラフ化し、実測値と予測値の平均値とその一致率も提示する例を挙げている。このような詳細な情報も挙げることで、検査員はより判定結果を詳細に検討することなどができる。
また、上記の提示装置は、このような表示装置、判定結果を音声出力する音声出力装置、判定結果を指定された宛先に通知する送信装置の少なくとも1つを備えた装置とすることができる。この表示装置は、単に正常と異常とを色などで区別して表示する1又は複数のランプとすることもできる。
また、判定器16は、例えば判定にかかるプログラムを実行可能な制御コンピュータとすること又はそのような制御コンピュータを搭載することができる。例えば、判定器16は、その全体を制御する制御部を備えることができ、その制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、作業用メモリ、及び少なくとも判定及び提示にかかるプログラムを記憶した不揮発性の記憶装置などでなる制御コンピュータによって実現することができる。また、この制御部は、例えば集積回路(Integrated Circuit)を含んで実現することもできる。また、この制御部は予測PC15及びECU情報受信器14を含む本試験装置の全体を制御する制御部として機能させることもできる。また、判定器16と予測PC15とは一体で構成されることもできる。ECU情報受信器14は判定器16等と一体で構成することもできる。
次に、図7を参照しながら、本試験装置における試験方法について説明する。図1の本試験装置における試験方法では、次に例示するような予測モデル生成処理(学習段階)及び検査処理(運用段階)が実行される。図7は、図1の試験装置における試験処理の一例を説明するためのフロー図である。
図7に示すように、まず、予測モデル生成処理では、監査などの整えられた環境で合格と判定されたマスタ車Mを用意する(ステップS1)。次いで、インラインテスタでマスタ車Mを様々な条件で走行させて、その際の各種情報が含まれる車両データ(学習車両データ)を取得し(ステップS2)、その学習車両データを説明変数と目的変数(実電力消費量)に分別する(ステップS3)。そして、分別した学習車両データを同様にして蓄積していき、それらを教師データ(正解データ)としてAI学習用のPCで機械学習を実行し、消費電力予測モデルを生成する(ステップS4)。
ここで、この予測モデルの正しさ(予測精度)は、ステップS2で取得される学習車両データの評価を様々な車両、様々な条件で走行させて検証を行うとよい。このとき汎用的な予測モデルを構築するために、試験車両Cと仕様が異なる車両をマスタ車Mに含めることもできる。
このようにして消費電力予測モデルが生成された状態で、運用段階に入る。まず、試験車両Cをインラインテスタで走行させて車両データ(実測車両データ)を取得し(ステップS5)、取得した実測車両データを説明変数と目的変数(実電力消費量)に分別する(ステップS6)。この走行は、その場の成り行きの環境で実施することができる。
次いで、ステップS6で得た実測車両データの説明変数を消費電力予測モデルに入力することで予測値である予測消費電力を算出し、その予測値とステップS6で得た実測車両データの目的変数とを比較する(ステップS7)。ステップS7ではさらに、両者の比較により得られた差が所定の値より大きいか否かを判定することで、試験車両Cの消費電力が異常(NG)であるか正常(OK)であるかを判定する。そして、その判定結果が検査員U又は他の検査員などに提示され(ステップS8)、処理が終了する。
以上のような構成により、本試験装置では、試験車両Cがどのような状態で試験されたとしても、学習した消費電力予測モデルに試験車両Cの走行時の車両データ(速度、温度等)を説明変数として与えることで、この予測モデルの目的変数である電力消費量が出力され、結果として、正常時の消費電力が予測(推定)できる。そして、本試験装置では、このような予測(推定)の結果との比較により、試験車両Cの消費電力の実測値が異常であるか正常(適正)であるのかを判定し、その判定結果を提示することができる。
また、電費測定や航続距離の測定は監査等の整えられた環境で行われていたが、上述の消費電力予測モデルは様々な環境での走行データで学習しているため、整えられていないインラインのテスタでも消費電力の予測が精度良く可能となり、インラインでの電費の全数検査が可能となる。つまり、本試験装置では、製造ライン上でも上記正常時の消費電力を推定でき、試験車両Cの消費電力の異常/正常を判定することができる。
実際、電費の試験のためには目標車速パターンや車両の暖機状態などの走行環境を管理する必要があり、製造ライン上においては、走行パターン、走行環境がばらつくことが想定されるが、本実施の形態ではこのようなばらつきを事前に予測により考慮していることになるため、製造ライン上の完成車両を試験することができ、全ての車両について試験を実施することもできる。
また、本実施の形態では、上述のような消費電力予測モデルを用いた予測処理と、消費電力の予測結果と実測結果との比較処理とにより、検査を行うことができるため、短時間で1台の試験車両Cの検査が終了することから、短時間で、出荷させる全台数の電動車を試験車両Cとして電費・航続距離や電池パック等の全数検査が可能となる。
このような効果を更に説明するために比較例を挙げる。
比較例として、走行した際に消費する電力量の実績から将来を予測することも考えられる。しかし、この比較例では、そもそも消費電力の実績が無い状態から消費電力を予測することができないため、例えば車両の検査ラインにおいて、該当車両の電力消費量が正しいのか、正しくないのかの判定ができるものではない。特に、電費計測や航続距離の計測は抜取り検査となっており、多くの車両が電費検査無しで出荷されることもあるため、バッテリ(電池パック)やその他の構成要素において、消費電力が想定より多いような不具合があった場合にも検出できない。
これに対し、本実施の形態では容易に且つ短時間で製造ライン上での試験が可能であるため、全車に対して容易に試験を実施することができ、上述のような不具合をもった車両が流通してしまう恐れを低減させることができる。
(その他)
上述した本試験装置における処理の一部は、判定器16や予測PC15についてプログラムを実行可能な制御コンピュータを例示したように、コンピュータプログラムとして実現可能である。このプログラムは、コンピュータに、次のような処理Aを実行させるためのプログラムである。上記処理Aは、試験対象の電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む実測走行データと、実測消費電力とを計測する処理を含む。上記処理Aは、電力消費が正常であることが確認できている電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む走行データと、消費電力と、を教師データとする機械学習により生成された消費電力予測モデルを用いて、実測走行データを入力値として予測消費電力を出力値として得る処理を含む。上記処理Aは、予測消費電力と実測消費電力との差分が所定の値よりも大きい場合には、上記試験対象の電動車の消費電力が異常であることを提示する。上記プログラムは、このような構成により、製造ライン上の完成した電動車を試験することが可能になる。
このプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、本試験装置の構成は例示したものに限らず、その機能が果たせればよい。本試験装置は、図示した例に限らず、一部の複数の機器が物理的に単一の装置として構成することや、また、図示した例以外で機能を複数の装置に分散させて構成することもできる。
また、検査員Uは人ではなくロボットであってもよいし、また、検査員Uを必要としないような自動運転車両が試験車両Cとなっても同様に検査可能である。
また、上述した検査に使用する実測走行データ及び上述した予測モデルの生成に使用する走行データの少なくとも一方は、車速について、対象となる電動車のタイヤに位置するように配置された回転ドラム(回転ローラ)とその回転数(回転速度)を検知する回転数計又はエンコーダ等の回転検出手段とを備えた検査器で取得することもできる。
また、本試験装置の試験対象である電動車は、モータのみで移動するような車両に限らず、エンジンを備えたハイブリッド車両とすることもできる。
C 試験車両
U 検査員
11 バッテリ
12 モータ
13 ECU情報送信器
14 ECU情報受信器
15 予測PC
16 判定器

Claims (3)

  1. 電力消費が正常であることが確認できている電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む走行データと、消費電力と、を教師データとする機械学習により生成された消費電力予測モデルを用いて、消費電力を予測する予測装置と、
    試験対象の電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む実測走行データと、実測消費電力とを計測する計測装置と、
    提示装置と、
    を備え、
    前記予測装置は、前記計測装置から得られた前記実測走行データを入力値として、予測消費電力を出力値として得、
    前記提示装置は、前記予測消費電力と前記実測消費電力との差分が所定の値よりも大きい場合には、前記試験対象の電動車の消費電力が異常であることを提示する、
    電動車の試験装置。
  2. 試験対象の電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む実測走行データと、実測消費電力とを計測し、
    電力消費が正常であることが確認できている電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む走行データと、消費電力と、を教師データとする機械学習により生成された消費電力予測モデルを用いて、前記実測走行データを入力値として予測消費電力を出力値として得て、
    前記予測消費電力と前記実測消費電力との差分が所定の値よりも大きい場合には、前記試験対象の電動車の消費電力が異常であることを提示する、
    電動車の試験方法。
  3. コンピュータに、
    試験対象の電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む実測走行データと、実測消費電力とを計測し、
    電力消費が正常であることが確認できている電動車についての、暖機状態及び走行パターンの少なくとも1つを含む走行データと、消費電力と、を教師データとする機械学習により生成された消費電力予測モデルを用いて、前記実測走行データを入力値として予測消費電力を出力値として得て、
    前記予測消費電力と前記実測消費電力との差分が所定の値よりも大きい場合には、前記試験対象の電動車の消費電力が異常であることを提示する、
    処理を実行させるためのプログラム。
JP2021089722A 2021-05-28 2021-05-28 電動車の試験装置、電動車の試験方法、及びプログラム Pending JP2022182255A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021089722A JP2022182255A (ja) 2021-05-28 2021-05-28 電動車の試験装置、電動車の試験方法、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021089722A JP2022182255A (ja) 2021-05-28 2021-05-28 電動車の試験装置、電動車の試験方法、及びプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022182255A true JP2022182255A (ja) 2022-12-08

Family

ID=84328128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021089722A Pending JP2022182255A (ja) 2021-05-28 2021-05-28 電動車の試験装置、電動車の試験方法、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022182255A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6549892B2 (ja) 車両試験システム、試験管理装置、試験管理プログラム及び車両試験方法
JP5538475B2 (ja) 外部診断装置、車両診断システム及び車両診断方法
US9945759B2 (en) Vehicle test system, test condition data generation apparatus, and vehicle test method
JP6557110B2 (ja) 状態診断装置及びプログラム
JP2018119924A (ja) 診断装置
JP6796545B2 (ja) 鉄道車両機器診断装置および鉄道車両機器診断方法
JP2007058344A (ja) 車両診断システム、車両情報送信装置、及び車両情報送信方法
KR20170076131A (ko) 차량 고장 진단 분석을 위한 주행 데이터 모니터링 시스템 및 방법
JP2019206247A (ja) 故障予測装置および故障予測方法
Ahsan et al. Prognostics of automotive electronics with data driven approach: A review
CN108973544B (zh) 一种利用电流检测轮胎气压的设备
CN114379570A (zh) 车辆数据操纵和机械故障的自动检测
JP2022182255A (ja) 電動車の試験装置、電動車の試験方法、及びプログラム
KR20150071223A (ko) 새시 다이나모 자동화 제어장치
CN111751729B (zh) 用于确定车辆的可反复充电电池的状态的方法
CN103508303B (zh) 异常诊断方法、异常诊断装置以及具有异常诊断装置的乘客传送设备
RU2451299C1 (ru) Устройство диагностирования в реальном времени системы электродвижения судна
JP2013088413A (ja) 車両診断方法及び外部診断装置
US11354945B2 (en) Diagnostic method, diagnostic system and motor vehicle
JP5112730B2 (ja) タイヤ耐久力性能予測方法、タイヤ耐久力性能予測装置、及びタイヤ耐久力性能予測プログラム
CN113516023A (zh) 设备振动异常诊断方法和***
JP6796562B2 (ja) 代表データ選択装置、機器診断装置、プログラム及び代表データ選択方法
KR20130050618A (ko) 차량용 전기 모터의 이상 진단 장치 및 그 진단 방법
JP5413399B2 (ja) 車両搭載機器の故障診断装置
RU2719507C1 (ru) Способ оценки технического состояния потребителя-регулятора на основе нейросетевого диагностирования