JP2022181257A - 自動車用ルーフパネル構造 - Google Patents

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豊 藥師神
Yutaka Yakushigami
隆一 西村
Ryuichi Nishimura
靖典 澤
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Abstract

【課題】軽量でありながらも優れた静粛性を発揮可能な自動車用ルーフパネル構造を提供する。【解決手段】本開示に係る自動車用ルーフパネル構造は、板状のアウタパネル部材と、前記アウタパネル部材の内面に対向して配置され、前記アウタパネル部材の面内方向における一方向である第一方向に沿って延在するインナ部材と、材料が樹脂であり、前記アウタパネル部材の前記内面に接合される樹脂部材と、を有し、前記インナ部材の少なくとも一部が前記樹脂部材に埋められていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用ルーフパネル構造に関する。
現在、自動車を軽量化する技術が求められている。自動車を構成するルーフのアウタパネルを高強度化することができれば、アウタパネルを薄くしても十分な強度を維持することができると考えられている。そこで、自動車の軽量化のために、ルーフのアウタパネルを高強度化する技術の開発が進められている。
しかし、ルーフのアウタパネルを薄くすると、上空からの雨粒による加振音や走行時の風切り音といった不快な音が車内に侵入しやすくなるため、静粛性不足の問題が顕在化する。
遮音性と軽量化に着目した技術として、例えば特許文献1には、パネルの裏面全面に粘着性を有する熱硬化型補強シートを貼り付け、パネル表面の塗装焼き付け時に補強シートを発泡硬化させる技術が開示されている。
特開平9-104365号公報
特許文献1の技術によれば、パネル部品の剛性を向上させ、かつ遮音性、軽量化に優れた自動車用パネルが提供できるとされている。しかしながら、特許文献1の技術を用いても上述のような静粛性不足の問題は解決されず、これが自動車の軽量化を妨げる要因にもなっていた。
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的とするところは、軽量でありながらも優れた静粛性を発揮可能な自動車用ルーフパネル構造を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
(1)本発明の一態様は、板状のアウタパネル部材と、前記アウタパネル部材の内面に対向して配置され、前記アウタパネル部材の面内方向における一方向である第一方向に沿って延在するインナ部材と、材料が樹脂であり、前記アウタパネル部材の前記内面に接合される樹脂部材と、を有し、前記インナ部材の少なくとも一部が前記樹脂部材に埋められている自動車用ルーフパネル構造である。
(2)上記(1)に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記第一方向に垂直な断面部であって、前記インナ部材の全体が前記樹脂部材に埋められている断面部を有してもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記インナ部材を複数有し、複数の前記インナ部材が、前記アウタパネル部材の内面に沿い且つ前記第一方向に垂直な方向である第二方向に離間して平行に配置されてもよい。
(4)上記(3)に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記複数のインナ部材のうち、前記第二方向に隣り合う一対のインナ部材のそれぞれの少なくとも一部が、単一の前記樹脂部材に埋められてもよい。
(5)上記(1)~(4)のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記アウタパネル部材における、前記第一方向の一対の端縁のそれぞれに、前記アウタパネル部材の内面に沿い且つ前記第一方向に垂直な方向である第二方向に沿って延在する一対のサイドフレームが設けられ、前記インナ部材の前記第一方向の両端が前記一対のサイドフレームに接続され、前記樹脂部材は前記インナ部材における前記第一方向の両端に設けられてもよい。
(6)上記(1)~(5)のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記樹脂部材が熱硬化性樹脂であってもよい。
(7)上記(1)~(5)のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記樹脂部材が熱可塑性樹脂であってもよい。
(8)上記(7)に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記樹脂部材の発泡倍率が5倍~50倍であってもよい。
(9)上記(1)~(8)のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記樹脂部材を複数有し、複数の前記樹脂部材が前記アウタパネル部材の面内方向に沿って互いに接続されていてもよい。
(10)上記(9)に記載の自動車用ルーフパネル構造では、複数の前記樹脂部材が接着剤により互いに接続されていてもよい。
(11)上記(9)又は(10)に記載の自動車用ルーフパネル構造では、複数の前記樹脂部材が嵌合により互いに接続されていてもよい。
(12)上記(1)~(11)のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記アウタパネル部材と前記樹脂部材とを接合する接着部と、前記アウタパネル部材と前記インナ部材とを接合する接着部とが同じ材質であってもよい。
(13)上記(1)~(12)のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記アウタパネル部材は、引張強さが440MPa以上であってもよい。
(14)上記(1)~(13)のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記アウタパネル部材は、板厚が0.30mm以上0.55mm以下であってもよい。
(15)上記(1)~(14)のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造では、前記樹脂部材のうち、前記アウタパネル部材の面内方向に垂直な方向の寸法が最大となる部位の厚さが3mm以上60mm以下であってもよい。
上記の自動車用ルーフパネル構造によれば、樹脂部材がインナ部材に強固に保持された状態でアウタパネル部材の内面に接合されるため、アウタパネル部材の剛性を向上させ、高周波の振動が減衰し易くなるような振動特性に改善することができる。従って、軽量でありながらも優れた静粛性を発揮することができる。
本開示の一実施形態に係るルーフパネル構造を車外側から見た斜視図である。 ルーフパネル構造を車内側から見た斜視図である。 ルーフパネル構造のインナ部材の断面図である。 ルーフパネル構造における部材同士の位置関係を示す模式図である。 (a)は図4におけるA矢視断面図であり、(b)は図4におけるB矢視断面図である。 第一変形例に係るルーフパネル構造における部材同士の位置関係を示す模式図である。 (a)は図6におけるC矢視断面図であり、(b)は図6におけるD矢視断面図である。 第二変形例に係るルーフパネル構造における部材同士の位置関係を示す模式図である。 (a)は図8におけるE矢視断面図であり、(b)は図8におけるF矢視断面図である。 第三変形例に係るルーフパネル構造における部材同士の位置関係を示す模式図である。 第四変形例に係るルーフパネル構造における部材同士の位置関係を示す模式図である。 第五変形例に係るルーフパネル構造における部材同士の位置関係を示す模式図である。 第六変形例に係るルーフパネル構造における部材同士の位置関係を示す模式図である。 図13におけるF矢視断面図である。 ルーフパネル構造の適用例を説明するための自動車の模式図である。
(第一実施形態)
以下、本開示の第一実施形態に係る自動車用ルーフパネル構造100(以下、単にルーフパネル構造100と呼称する)について説明する。
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。なお、図面において、車両前方向を矢印Frで示す。
本実施形態に係るルーフパネル構造100は、図17に示す自動車1000のルーフに適用されるルーフパネル構造である。
図1は、ルーフパネル構造100を車外側から見た状態を示す斜視図であり、図2はルーフパネル構造100を車内側から見た状態を示す斜視図である。
ルーフパネル構造100は、図1及び図2に示すように、アウタパネル部材110と、アウタパネル部材110の内面に対向して配置されるインナ部材120と、アウタパネル部材110の内面に接合される樹脂部材130とを有する。
(アウタパネル部材110)
アウタパネル部材110は、車外側に向けて凸の曲面を有する板状の部材である。本開示においては、車外側の面を外面、車内側の面を内面と呼称する場合がある。
アウタパネル部材110は、鋼板などの金属板をプレス成形することにより形成される。
アウタパネル部材110の引張強度は、耐デント性の観点から、440MPa以上であることが好ましく、590MPa以上であることがより好ましい。
アウタパネル部材110の板厚は、軽量化の観点から、0.55mm以下であることが好ましく、0.50mm以下であることがより好ましい。
アウタパネル部材110の板厚は、過度に薄い場合には、アウタパネル部材110が高周波の振動で共振しやすくなる。このため、上空からの雨粒による加振音や走行時の風切り音といったような不快な音が車内に侵入しやすくなり、静粛性の低下が顕在化する。従って、優れた静粛性を確実に発揮するためには、アウタパネル部材110の板厚は0.30mm以上であることが好ましく、0.35mm以上であることがより好ましい。
尚、本実施形態に係るルーフパネル構造100によれば、後述する構成によりアウタパネル部材110の剛性を向上させ、高周波の振動が減衰し易くなるような振動特性に改善することができ、静粛性を高めることができる。このため、アウタパネル部材110の板厚を薄くしながらも優れた静粛性を発揮することができる。
(インナ部材120)
インナ部材120は、ルーフパネル構造100を補強する役割を有する部材であって、アウタパネル部材110の内面に対向して配置される長尺部材である。インナ部材120は、アウタパネル部材110の面内方向における一方向に沿って延在する態様で配置される。インナ部材120は、その長手方向が車幅方向(第一方向)に一致する態様でアウタパネル部材110に取り付けられる。つまり、ルーフパネル構造100が適用された自動車1000においては、インナ部材120の長手方向が自動車の車幅方向(第一方向)と一致している。
図3は、インナ部材120の長手方向に垂直な断面を示す断面図である。
図3に示すように、インナ部材120は、天板部121と、天板部121の両端部から屈曲して延びる一対の側壁部123,123と、一対の側壁部123,123における天板部121とは反対側の端部から外方に屈曲して延びる一対のフランジ部125,125とからなる略ハット型形状の断面部を有する。
尚、本開示において、インナ部材120の幅方向は、インナ部材120の長手方向に垂直な方向のうち、天板部121に平行な方向を意味する。
インナ部材120は、例えば、鋼板などの金属板をプレス成形することにより得ることができる。
(樹脂部材130)
図1及び図2に示すように、一対の樹脂部材130,130は、インナ部材120の一部を埋める態様で、アウタパネル部材110の内面に接合されている。
尚、本開示において「インナ部材の少なくとも一部が樹脂部材に埋められる」とは、インナ部材の少なくとも一部が樹脂部材に入り込み、面接触した状態で保持されていることを意味する。
樹脂部材130のうち、アウタパネル部材110の面内方向に垂直な方向の寸法が最大となる厚さ最大部位の厚さは3mm以上60mm以下であることが好ましい。
樹脂部材130の厚さ最大部位の厚さが3mm以上であれば、インナ部材120をより強固に保持することができるため、アウタパネル部材110の薄肉化に伴う剛性不足を補うことができるため好ましい。
一方、樹脂部材130の厚さ最大部位の厚さが60mm超であっても効果が飽和するため、60mm以下であることが好ましい。
樹脂部材130の材料は樹脂であればよく、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のいずれも使用することができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、並びにビニルエステル樹脂等があげられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)およびその酸変性物、ナイロン6およびナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタラートおよびポリブチレンテレフタラート等の熱可塑性芳香族ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテルおよびその変性物、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、塩化ビニル、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、並びにフェノキシ樹脂等があげられる。
なお、樹脂は、複数種類の樹脂材料により形成されていてもよい。
また、樹脂部材130を形成する樹脂材料が発泡剤を含有している場合、樹脂部材130を取り付ける際の作業効率が向上する点で好ましい。
発泡剤としては、N,N´-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、4,4´-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、炭酸水素塩、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
樹脂材料に発泡剤を含有させる場合、発泡倍率が5倍以上50倍以下となるように発泡剤の含有量を調整することが好ましい。
発泡倍率が5倍以上である場合、より確実にインナ部材120の一部を樹脂部材130に埋めることができるため、静粛性の向上効果を確実に発揮することができる。
発泡倍率が50倍超であってもその効果は飽和するため、上限は50倍であることが好ましい。
以下、アウタパネル部材110、インナ部材120、及び樹脂部材130の位置関係について図4及び図5に基づき説明する。
図4は、ルーフパネル構造100を車内側から見た状態における部材同士の位置関係を説明するための模式図である。図4に示すように、一対の樹脂部材130,130は、インナ部材120の長手方向中央において、インナ部材120の一部を埋める態様で配置されている。
図5の(a)は図4のA矢視断面図である。すなわち、図5の(a)は、ルーフパネル構造100における、インナ部材120の長手方向に垂直な断面部のうち、インナ部材120の長手方向中央における断面部を示す。
図5の(a)に示すように、インナ部材120の長手方向中央においては、インナ部材120の一対のフランジ部125,125の幅方向端部は、一対の樹脂部材130,130の側面から一対の樹脂部材130,130の内部に入り込んでいる。すなわち、インナ部材120の一部が樹脂部材130に埋められている。
更に、一対の樹脂部材130,130の上面は、接着部150を介してアウタパネル部材110の内面に接合されている。
接着部150は、接着剤であればよい。接着部150の材料として、合成ゴムを主成分とするマスチック接着剤を用いる場合、アウタパネル部材110に、高周波の振動が減衰し易くなる振動特性を付与することができ、アウタパネル部材110の静粛性をより一層高めることができるため好ましい。
接着部150は、樹脂部材130の上面の全体に設けられてもよく、一部のみに設けられてもよい。
樹脂部材130を形成する樹脂材料が発泡剤を含有する場合、樹脂材料をアウタパネル部材110及び/又はインナ部材120にスプレー塗布し、加熱することにより発泡させることで、樹脂部材130を形成することができる。この場合においては、樹脂部材130の上面がアウタパネル部材110に直接接合するため、接着部150を省略することができる。
図5の(b)は図4のB矢視断面図である。すなわち、図5の(b)は、ルーフパネル構造100における、インナ部材120の長手方向に垂直な断面部のうち、インナ部材120の長手方向端部側における断面部を示す。
図5の(b)に示すように、インナ部材120の長手方向端部側においては、一対の樹脂部材130,130は配置されておらず、インナ部材120の一対のフランジ部125,125が接着部160を介してアウタパネル部材110に接合されている。
接着部160は、接着剤であればよい。接着部160の材料として、合成ゴムを主成分とするマスチック接着剤を用いる場合、アウタパネル部材110に、高周波の振動が減衰し易くなる振動特性を付与することができ、アウタパネル部材110の静粛性をより一層高めることができるため好ましい。
接着部160は、インナ部材120の長手方向端部側にのみ設けられているが、長手方向中央部にも設けられてもよい。接着部160をインナ部材120の長手方向中央部にも設ける場合、接着部160は、インナ部材120の長手方向に沿って連続的に設けられてもよく、インナ部材120の長手方向に沿って所定ピッチで断続的に設けられてもよい。
アウタパネル部材110と樹脂部材130とを接合する接着部150と、アウタパネル部材110とインナ部材120とを接合する接着部160とは、同じ材質であることが、アウタパネル部材110にインナ部材120と樹脂部材130とを取り付ける際の作業効率を向上させる観点から好ましい。
ルーフパネル構造100を得る方法としては、
・樹脂部材を形成した後に組み付けを行うパターンAと、
・樹脂部材を形成する前に組み付けを行うパターンBと、
のいずれかを採用することができる。詳細について以下に説明する。
(パターンA)
第一工程A11として、インナ部材120の所定の部位を取り囲むように成型金型を設置し、成型金型の内部に樹脂材料を注入して固めることにより、インナ部材120と一対の樹脂部材130,130を一体化させる。
第二工程A12として、一体化させたインナ部材120と一対の樹脂部材130,130とを接着剤等によりアウタパネル部材110に取り付ける。
第一工程A11で用いる樹脂材料としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれも採用できる。また、樹脂材料は発泡剤を含有してもよい。
第一工程A11においては、先に成型金型の内部に樹脂材料を注入して固めることにより、一対の樹脂部材130,130の中間品を成型し、それぞれの中間品にスリット加工を行い、スリットにインナ部材120のフランジ部125を挿し込むことで一体化させてもよい。
(パターンB)
第一工程B11として、アウタパネル部材110及び/又はインナ部材120に発泡剤を含む樹脂材料をスプレー塗布する。
第二工程B12として、インナ部材120の一対のフランジ部125,125を接着剤等によりアウタパネル部材110に取り付ける。
第三工程B13として、樹脂材料を発泡させ、インナ部材120の一対のフランジ部125,125を埋めた状態の樹脂部材130を形成する。
第一工程B11においてスプレー塗布する樹脂材料には、熱硬化性樹脂を用いる。
第一工程B11と第二工程B12は順序が逆であってもよい。
第三工程B13においては、発泡倍率が5倍以上50倍以下となるように発泡剤の含有量を調整することが好ましい。発泡倍率が5倍以上である場合、より確実にインナ部材120のフランジ部125を樹脂部材130に埋めることができるため、静粛性の向上効果を確実に発揮することができる。一方、発泡倍率が50倍以下である場合、樹脂部材130の密度が過度に低下することを防ぐことができるため、振動特性を改善し、静粛性の向上効果を確実に発揮することができる。
第三工程B13においては、電着塗装時の熱を利用して発泡してもよい。
上記のルーフパネル構造100によれば、インナ部材120の一部が一対の樹脂部材130,130に埋められている。従って、一対の樹脂部材130,130がインナ部材120に強固に保持された状態で、アウタパネル部材110の内面に接合されている。
従って、樹脂部材130を単にアウタパネル部材110とインナ部材120との間のみに配置する場合に比べ、アウタパネル部材110の振動特性を改善し、静粛性を向上させることができる。
このように、静粛性を向上させることができるため、アウタパネル部材110を薄肉化して軽量化する際に顕在化する静粛性の低下を防ぐことができる。
従って、上記のルーフパネル構造100によれば、軽量でありながらも優れた静粛性を発揮することができる。
以下、第一実施形態で説明したルーフパネル構造100の変形例について説明する。ルーフパネル構造100と実質的に同じ部材については同じ符号を用いて説明を省略する。
(第一変形例)
上記の第一実施形態に係るルーフパネル構造100は、一対の樹脂部材130を有する構成であった。しかし、第一変形例に係るルーフパネル構造100Aは、単一の樹脂部材130Aを有する構成である。
図6は、第一変形例に係るルーフパネル構造100Aを車内側から見た状態における部材同士の位置関係を説明するための模式図である。図7の(a)は図6のC矢視断面図であり、図7の(b)は図6のD矢視断面図である。
このルーフパネル構造100Aにおいては、単一の樹脂部材130Aにより、インナ部材120の一対のフランジ部125,125と、一対の側壁部123の一部が埋められている。
このルーフパネル構造100Aによれば、インナ部材120におけるより広い部位を樹脂部材130Aにより保持することができる。さらには、一対のフランジ部125,125の間の領域にも樹脂部材130Aが存在するため、アウタパネル部材110の広い部位を樹脂部材130Aに接合させることができる。
従って、アウタパネル部材110の振動特性を改善し、静粛性を更に高めることができる。
尚、単一の樹脂部材130Aは、複数に分割された樹脂部材を接続することにより構成されていてもよい。
(第二変形例)
更には、第二変形例に係るルーフパネル構造100Bのように、インナ部材120の全体が単一の樹脂部材130Bにより埋められる断面部を有していてもよい。
図8は、第二変形例に係るルーフパネル構造100Bを車内側から見た状態における部材同士の位置関係を説明するための模式図である。図9の(a)は図8のE矢視断面図であり、図9の(b)は図8のF矢視断面図である。
このルーフパネル構造100Bでは、図9の(a)に示すように、インナ部材120の長手方向中央における断面部において、インナ部材120の全体(すなわち、天板部121、一対の側壁部123,123、及び一対のフランジ部125,125)が単一の樹脂部材130Bにより埋められている。
このルーフパネル構造100Bによれば、インナ部材120の全体が単一の樹脂部材130Bに埋められている断面部を有するため、インナ部材120におけるより広い部位を樹脂部材130Bにより保持することができる。さらには、一対のフランジ部125,125の間の領域にも樹脂部材130Bが存在するため、アウタパネル部材110の広い部位を樹脂部材130Bに接合させることができる。
従って、アウタパネル部材110の振動特性を改善し、静粛性を更に高めることができる。
尚、単一の樹脂部材130Bは、複数に分割された樹脂部材を接続することにより構成されていてもよい。
第一変形例に係るルーフパネル構造100A又は第二変形例に係るルーフパネル構造100Bを得る方法としても、ルーフパネル構造100を得る方法と同様、
・樹脂部材を形成した後に組み付けを行うパターンAと、
・樹脂部材を形成する前に組み付けを行うパターンBと、
のいずれかを採用することができる。
尚、パターンBにおいて、第一工程B11と第二工程B12は順序を逆とする場合(すなわち、インナ部材120を接着剤等によりアウタパネル部材110に取り付けた後に、発泡剤を含む樹脂材料をスプレー塗布する場合)においては、フランジ部125とアウタパネル部材110との間の隙間からスプレー塗布すればよい。ただし、その隙間が狭い場合には、インナ部材120の天板部121又は側壁部123に、スプレー塗布のための孔を形成してもよい。
(第三変形例)
上記の第一実施形態に係るルーフパネル構造100においては、単一のインナ部材120を有する構成であったが、複数のインナ部材120を有する構成であってもよい。
図10は、第三変形例に係るルーフパネル構造100Cを車内側から見た状態における部材同士の位置関係を説明するための模式図である。
このルーフパネル構造100Cにおいては、第一のインナ部材120C1と第二のインナ部材120C2が、車両の前後方向(第二方向)に離間する態様で配置されている。より具体的には、第一のインナ部材120C1の長手方向と、第二のインナ部材120C2の長手方向とが平行となる態様で第一のインナ部材120C1と第二のインナ部材120C2が配置されている。
第一のインナ部材120C1及び第二のインナ部材120C2のそれぞれについて、一対のフランジ部125,125を埋める一対の第一の樹脂部材130C1,130C1と一対の第二の樹脂部材130C2,130C2が設けられている。
第一のインナ部材120C1及び第二のインナ部材120C2は、インナ部材120と同様の構成であり、第一の樹脂部材130C1と第二の樹脂部材130C2は、樹脂部材130と同様の構成であるため、説明を省略する。
第三変形例に係るルーフパネル構造100Cによれば、アウタパネル部材110の寸法が大きい場合にも振動特性を改善し、静粛性を高めることができる。
尚、アウタパネル部材110の形状や寸法に応じて、3つ以上のインナ部材120が設けられてもよく、長手方向が互いに交差する態様で複数のインナ部材120が設けられてもよい。
また、図10に示す例では、第一の樹脂部材130C1と第二の樹脂部材130C2とが、車両の前後方向の中央で互いに離間して配置されているが、互いに一体化されていてもよい。すなわち、車両の前後方向に隣り合う一対のインナ部材120のそれぞれの少なくとも一部が、単一の(共通の)樹脂部材130に埋められている構成であってもよい。
(第四変形例)
上記の第一実施形態に係るルーフパネル構造100においては、一対の樹脂部材130,130のそれぞれの樹脂部材130が単一の部材で構成されているが、それぞれの樹脂部材130は複数に分断された部材がアウタパネル部材110の面内方向に沿って接続された構成であってもよい。
図11は、第四変形例に係るルーフパネル構造100Dを車内側から見た状態における部材同士の位置関係を説明するための模式図である。このルーフパネル構造100Dにおいては、アウタパネル部材110の面内方向においてインナ部材120の長手方向である車幅方向(第一方向)に二つに分断された第一の樹脂部材130D1及び第二の樹脂部材130D2を有する。そして、第一の樹脂部材130D1及び第二の樹脂部材130D2は、第一の樹脂部材130D1の端面131D1と第二の樹脂部材130D2の端面131D2とが接着剤で接合されることによって接続されている。
第一の樹脂部材130D1及び第二の樹脂部材130D2は、樹脂部材130と同様の構成であるため説明を省略する。
第四変形例に係るルーフパネル構造100Dによれば、アウタパネル部材110の寸法が大きい場合にも振動特性を改善し、静粛性を高めることができる。
更に、図12は、第五変形例に係るルーフパネル構造100Eを車内側から見た状態における部材同士の位置関係を説明するための模式図である。このルーフパネル構造100Eにおいては、アウタパネル部材110の面内方向においてインナ部材120の長手方向である車幅方向(第一方向)に二つに分断された第一の樹脂部材130E1及び第二の樹脂部材130E2を有する。そして、第一の樹脂部材130E1及び第二の樹脂部材130E2は、第一の樹脂部材130E1の端面131E1と第二の樹脂部材130E2の端面131E2とが互いに嵌合されることによって接続されている。具体的には、第一の樹脂部材130E1と第二の樹脂部材130E2は、互いに向き合う端面131E1と端面131E2のそれぞれが凸部と凹部とを交互に有し、端面131E1の凸部と凹部が端面131E2の凹部と凸部に嵌合することによって、第一の樹脂部材130E1と第二の樹脂部材130E2が接続されている。
第一の樹脂部材130E1及び第二の樹脂部材130E2は、樹脂部材130と同様の構成であるため重複する説明を省略する。
第五変形例に係るルーフパネル構造100Dによれば、アウタパネル部材110の寸法が大きい場合にも振動特性を改善し、静粛性を高めることができる。また、第四変形例に係るルーフパネル構造100のように端面同士を接着剤で接合することが必須ではないため、取り付け時の作業性が向上する。ただし、凸部と凹部との嵌合部位を接着剤で接合する場合には、第一の樹脂部材130E1と第二の樹脂部材130E2が脱落することをより確実に防止することができる点で好ましい。
(第六変形例)
図13は第六変形例に係るルーフパネル構造100Fにおける部材同士の位置関係を示す模式図である。
図14は図13におけるG矢視断面図である。
このルーフパネル構造100Fにおいては、一対のサイドフレーム170,170が車両の前後方向(第二方向)に延在する態様でアウタパネル部材110の車両幅方向端縁の近傍に設けられている。
サイドフレーム170は、例えば、鋼板などの金属板から形成された中空の長尺部材であればよい。
このルーフパネル構造100Fにおいては、インナ部材120が、その長手方向の両端部が一対のサイドフレーム170,170に溶接等により固定されている。
更に、インナ部材120の長手方向の両端部は、図14に示すように、樹脂部材130Fに埋められている。
この態様によれば、一対の樹脂部材130,130は、その両端部が一対のサイドフレーム170,170に固定されたインナ部材120に強固に保持された状態で、アウタパネル部材110の内面に接合される。
従って、アウタパネル部材110の振動特性を改善し、静粛性を更に向上させることができる。
(その他変形例)
以上、一実施形態及びその変形例に基づき本開示のルーフパネル構造を説明したが、本開示のルーフパネル構造はこれのみに限定されるものではない。上記以外にも種々の変形例を採用することができる。
例えば、インナ部材120としてハット型断面の部材を用いているが、U字型断面の部材やT字型断面の部材であってもよい。
また、樹脂部材130はインナ部材120の長手方向の一部にのみ設ける構成とされているが、樹脂部材130はインナ部材120の長手方向の全長に亘って設ける構成とされてもよい。例えば、インナ部材120の全体に樹脂材料のスプレー塗布することにより、インナ部材120を完全に包囲して埋める態様で樹脂部材130を設けることができる。
100 自動車用ルーフパネル構造
110 アウタパネル部材
120 インナ部材
130 樹脂部材
150 接着部
160 接着部
170 サイドフレーム
1000 自動車

Claims (15)

  1. 板状のアウタパネル部材と、
    前記アウタパネル部材の内面に対向して配置され、前記アウタパネル部材の面内方向における一方向である第一方向に沿って延在するインナ部材と、
    材料が樹脂であり、前記アウタパネル部材の前記内面に接合される樹脂部材と、
    を有し、
    前記インナ部材の少なくとも一部が前記樹脂部材に埋められている
    ことを特徴とする自動車用ルーフパネル構造。
  2. 前記第一方向に垂直な断面部であって、前記インナ部材の全体が前記樹脂部材に埋められている断面部を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  3. 前記インナ部材を複数有し、
    複数の前記インナ部材が、前記アウタパネル部材の内面に沿い且つ前記第一方向に垂直な方向である第二方向に離間して平行に配置される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  4. 前記複数のインナ部材のうち、前記第二方向に隣り合う一対のインナ部材のそれぞれの少なくとも一部が、単一の前記樹脂部材に埋められている
    ことを特徴とする請求項3に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  5. 前記アウタパネル部材における、前記第一方向の一対の端縁のそれぞれに、前記アウタパネル部材の内面に沿い且つ前記第一方向に垂直な方向である第二方向に沿って延在する一対のサイドフレームが設けられ、
    前記インナ部材の前記第一方向の両端が前記一対のサイドフレームに接続され、
    前記樹脂部材は前記インナ部材における前記第一方向の両端に設けられる
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  6. 前記樹脂部材が熱硬化性樹脂である
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  7. 前記樹脂部材が熱可塑性樹脂である
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  8. 前記樹脂部材の発泡倍率が5倍~50倍である
    ことを特徴とする請求項7に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  9. 前記樹脂部材を複数有し、
    複数の前記樹脂部材が前記アウタパネル部材の面内方向に沿って互いに接続されている
    ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  10. 複数の前記樹脂部材が接着剤により互いに接続されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  11. 複数の前記樹脂部材が嵌合により互いに接続されている
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  12. 前記アウタパネル部材と前記樹脂部材とを接合する接着部と、前記アウタパネル部材と前記インナ部材とを接合する接着部とが同じ材質である
    ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  13. 前記アウタパネル部材は、引張強さが440MPa以上である
    ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  14. 前記アウタパネル部材は、板厚が0.30mm以上0.55mm以下である
    ことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造。
  15. 前記樹脂部材のうち、前記アウタパネル部材の面内方向に垂直な方向の寸法が最大となる部位の厚さが3mm以上60mm以下である
    ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の自動車用ルーフパネル構造。
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