JP2022137835A - 重合性化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】LED光源等の紫外線のエネルギー量が少ない光源を用いても高い反応率で硬化させることができ、且つ、低収縮性である新規な重合性化合物を提供する。【解決手段】式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)、TIFF2022137835000088.tif3497(式(1)中、R1はそれぞれ独立してHまたはCH3を表し、R2は炭素数1~12のアルキレンを表し、nは1または2を表す。)ダイマージアミン(B)、およびジイソシアネート(C)が重付加し、尿素結合を形成しており、ジイソシアネート(C)の少なくとも一部がトリイソシアネート(D)に置き換わり、分岐構造を有していてもよい、ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物、およびそれを含む硬化性組成物等。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、表示素子や、プリント配線板、フレキシブル配線板、半導体パッケージ基板および太陽電池基板などの電子回路基板の製造に好適に用いられる重合性化合物に関する。
従来、建築資材や電気・電子分野などで用いられる各種樹脂板、ガラス板、金属板などの基材表面に皮膜を形成し、基材を傷付きや汚染などから守ることを目的としたコーティング剤の研究が種々行われている。コーティング剤としては熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が用いられるが、光硬化性樹脂を用いた場合には、表面硬度の高い硬化物が得られることが多く、また光照射により瞬時に硬化し生産性が高いことから、有機基材の表面保護用として光硬化性樹脂がしばしば使用されている。しかし、光硬化性樹脂を用いた硬化物は、一般に無機基材に対する密着性が十分ではないことが多い。そこで、無機基材に対する密着性を向上させることが種々検討されている。
例えば、特許文献1には、特定の単官能重合性モノマー成分(A)と、多官能重合性モノマー(B)と、重合開始剤(C)とが、それぞれ所定の量で含まれる光硬化性インクジェットインクが記載されている。当該光硬化性インクジェットインクを用いることにより、無機基材に対する密着性が良好な硬化物を形成することができる。
しかし、電子部品の薄型化、小型化に伴い、特許文献1に記載の光硬化性インクジェットインクを用いた硬化膜によっては、十分ではない場合が生じてきた。例えば、EMIシールドと金属配線とを絶縁する、膜厚10μm程度の硬化膜を特許文献1の光硬化性インクジェットインクを用いて形成した場合、信頼性試験時にイオンマイグレーションが発生することが分かった。ここで、イオンマイグレーションとは、配線や電極として使用された金属がイオン化して、移動し成長する現象であり、電子部品の短絡の原因となる。このため、イオンマイグレーションを防ぐことは、電子部品の信頼性の観点から重要である。
また、一般に、電子機器などに用いられるプリント配線板において、不必要な部分にはんだが付着するのを防止すると共に、回路の導体が露出して酸化や湿気により腐食されるのを防ぐために、回路パターンの形成された基板上の接続孔を除く領域にソルダーレジストが形成される。
基板上に所望のパターンのソルダーレジストを形成する方法の一つとして、フォトリソグラフィ技術を利用した形成方法が用いられている。例えば、アルカリ現像型の光硬化性樹脂組成物からなる感光性ソルダーレジストを、パターンマスクを通して露光した後、アルカリ現像することにより、露光部と非露光部とに生じたアルカリ現像液への溶解性の差を利用してパターンを形成することができる。
ソルダーレジストの形成にあたって、光および熱硬化の少なくとも何れか一方によって収縮し寸法が変化するとソルダーレジストと基板との密着性等が損なわれ、クラックや剥がれが発生し易いことから、材料樹脂組成物には低硬化収縮性が求められている。このような特性を改良するために、従来のソルダーレジストは、低硬化収縮性を発現させるためシリカ等のフィラーを充填し、硬化物の熱膨張係数を低下させていた(例えば、特許文献2、3)。
しかしながら、より高い効果を得るためにフィラーを高充填すると、硬化物の可撓性や下地に対する密着性が低下する場合があることから、フィラーの配合以外でも、材料樹脂組成物の低硬化収縮性を改良する手段が求められていた。
国際特許公開2013/015125号 特開2001-053448号公報 特開2002-236363号公報
本発明は、LED光源等の紫外線のエネルギー量が少ない光源を用いても高い反応率で硬化させることができ、且つ、低収縮性である新規な重合性化合物を提供することを目的とする。本発明の重合性化合物およびこれを含む組成物を用いることにより、プリント配線板や半導体パッケージ基板等の電子部品における絶縁膜の材料等として好適な可撓性、低反り性、イオンマイグレーション耐性が良好な硬化物を形成することができる。
本発明者らは、前記問題点を解決すべく検討した結果、ダイマージアミンから誘導される構造単位を有する新規なポリウレア-(メタ)アクリレート化合物を用いることにより、LED光源等の紫外線のエネルギー量が少ない光源を用いても高い反応率で硬化させることができ、低収縮で、且つ電子部品における絶縁膜の材料等として好適な、可撓性、低反り性、イオンマイグレーション耐性が良好な硬化皮膜が得られるという新たな知見に基づいており、以下の構成を備えている。
[1] 式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)、
Figure 2022137835000001
(式(1)中、Rはそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Rは炭素数1~12のアルキレンを表し、nは1または2を表す。)
およびダイマージアミン(B)が重付加し、尿素結合を形成しているポリウレア-(メタ)アクリレート化合物。
[2] 式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)、
Figure 2022137835000002
(式(1)中、Rはそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Rは炭素数1~12のアルキレンを表し、nは1または2を表す。)
ダイマージアミン(B)、および
ジイソシアネート(C)
が重付加し、尿素結合を形成しており、ジイソシアネート(C)の少なくとも一部がトリイソシアネート(D)に置き換わり、分岐構造を有していてもよい、ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物。
[3] ダイマージアミン(B)が、式(2)および式(3)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、[1]または[2]項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物。
Figure 2022137835000003
(式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、aおよびbはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数と、aおよびbの合計は38以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
Figure 2022137835000004
(式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、cおよびdはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数と、cおよびdの合計は42以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
[4] ジイソシアネート(C)が、式(4)~(11)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含む、[2]または[3]項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物。
Figure 2022137835000005
Figure 2022137835000006
(式(4)~(7)中、R~R10は、それぞれ独立して水素または炭素数が1~7のアルキルであり、Xは、それぞれ独立して、炭素数が1~7のアルキレンであり;
Yは、酸素、硫黄、炭素数が1~7のアルキレン、-C(CF-または-SO-である。)
Figure 2022137835000007
Figure 2022137835000008
(式(10)中、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、eおよびfはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつR11およびR12に含まれる各炭素数と、eおよびfの合計は38以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
Figure 2022137835000009
(式(11)中、R13およびR14はそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、gおよびhはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつR13およびR14に含まれる各炭素数と、gおよびhの合計は42以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
[5] トリイソシアネート(D)が、トリフェニルメタントリイソシアネートおよび式(12)~式(14)のいずれかの構造を有する化合物から選ばれる少なくとも1種を含む、[2]~[4]項のいずれか1項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物。
Figure 2022137835000010
(式(12)中、nは0または1~20の整数を表す。)
Figure 2022137835000011
(式(13)中、R15は、それぞれ独立して炭素数2~6の炭化水素基を表す。)
Figure 2022137835000012
(式(14)中、R16は、それぞれ独立して炭素数2~6の炭化水素基を表す。)
[6] 式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)、
Figure 2022137835000013
(式(1)中、Rはそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Rは炭素数1~12のアルキレンを表し、nは1または2を表す。)
およびダイマージアミン(B)が重付加し、尿素結合を形成しているポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
[7] 式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)、
Figure 2022137835000014
(式(1)中、Rはそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Rは炭素数1~12のアルキレンを表し、nは1または2を表す。)
ダイマージアミン(B)、および
ジイソシアネート(C)
を重付加反応させ、尿素結合を形成しており、ジイソシアネート(C)の少なくとも一部がトリイソシアネート(D)に置き換わり、分岐構造を有していてもよい、ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
[8] ダイマージアミン(B)が、式(2)および式(3)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、[6]または[7]項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造方法。

Figure 2022137835000015
(式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、aおよびbはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数と、aおよびbの合計は38以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
Figure 2022137835000016
(式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、cおよびdはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数と、cおよびdの合計は42以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
[9] ジイソシアネート(C)が、式(4)~(11)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含む、[7]または[8]項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
Figure 2022137835000017
Figure 2022137835000018
(式(4)~(7)中、R~R10は、それぞれ独立して水素または炭素数が1~7のアルキルであり、Xは、それぞれ独立して、炭素数が1~7のアルキレンであり;
Yは、それぞれ独立して、酸素、硫黄、炭素数が1~7のアルキレン、-C(CF-または-SO-である。)
Figure 2022137835000019
Figure 2022137835000020
(式(10)中、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、eおよびfはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつR11およびR12に含まれる各炭素数と、eおよびfの合計は38以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
Figure 2022137835000021
(式(11)中、R13およびR14はそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、gおよびhはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつR13およびR14に含まれる各炭素数と、gおよびhの合計は42以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
[10] トリイソシアネート(D)が、トリフェニルメタントリイソシアネートおよび式(12)~式(14)の構造を有する化合物から選ばれる少なくとも1種を含む、[7]~[9]項のいずれか1項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
Figure 2022137835000022
(式中、nは0または1~20の整数を表す。)
Figure 2022137835000023
(式中、R15は、それぞれ独立して炭素数2~6の炭化水素基を表す。)
Figure 2022137835000024
(式中、R16は炭素数2~6の炭化水素基を表す。)
[11] [1]~[5]項のいずれか1項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物(A)を含む硬化性組成物。
[12] (成分I)[1]~[5]項のいずれか1項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物(A)、
(成分II)式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)以外の(メタ)アクリロイル含有化合物、および
(成分III)重合開始剤
を含む硬化性組成物。
[13] [11]または[12]項に記載の硬化性組成物を含有する、活性エネルギー線硬化型インク組成物。
[14] [11]または[12]項に記載の硬化性組成物、または[13]項に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物のいずれかを硬化することで得られる硬化物。
[15] [14]項に記載の硬化物を含む電子部品。
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物を用いることにより、エネルギー量の小さいLED光源等を用いて高い反応率で硬化させることができる。当該ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物を含有する組成物を用いることにより、プリント配線板や半導体パッケージ基板等の電子部品の絶縁膜等の材料として好適な、低収縮、低反り、イオンマイグレーション耐性が良好な硬化皮膜を得ることができる。また、ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の構造を最適化することにより、組成物の粘度や硬化皮膜の可撓性を調整することが可能である。
本発明の実施形態について、以下、具体的に説明する。
1.ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物は、下記の2種類~4種類の化合物の重付加により形成される尿素結合(ポリウレア構造)を有するポリウレア-(メタ)アクリレート化合物である。
式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)、
Figure 2022137835000025
(式(1)中、Rはそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Rは炭素数1~12のアルキレンを表し、nは1または2を表す。)
ダイマージアミン(B)、および
ジイソシアネート(C)。
ただし、ジイソシアネート(C)の少なくとも一部がトリイソシアネート(D)に置き換わり、分岐構造を有していてもよい。
なお、本明細書で「(メタ)アクリロイル」という場合、アクリロイルおよびメタクリロイルのいずれかの基であることを意味する。「(メタ)アクリレート」も場合も同様で、アクリレートおよびメタクリレートのいずれかの化合物を意味する。本発明のウレア(メタ)アクリレート化合物中の(メタ)アクリロイルは、アクリロイルおよびメタクリロイルのいずれでもよいが、アクリロイルを選択した場合は、本発明の光硬化性組成物の硬化速度は速くなり、メタクリロイルを選択した場合は遅くなる、という傾向を示す。したがって、この選択により、本発明の光硬化性組成物の硬化速度を調節することができる。
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物を用いることにより、高圧水銀照射装置に比べて紫外線のエネルギー量が低いUV-LED照射搬送装置を用いた場合にも、高い反応率で硬化皮膜(硬化物)を作製することができる。このため、硬化皮膜を作製する際のエネルギー効率が向上する。
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物は、末端に式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)を構造単位として有し、ダイマージアミン(B)のアミノ基と重付加した尿素結合を形成している。ダイマージアミン(B)両端のアミノ基がイソシアネート化合物(A)と重付加していてもよく、ダイマージアミン(B)の片方のアミノ基がイソシアネート化合物(A)と重付加し、もう片方のアミノ基がさらにジイソシアネート(C)と重付加していてもよい。このジイソシアネート(C)の少なくとも一部は、トリイソシアネート(D)に置き換えられていてもよく、その場合は分岐構造が形成される。式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)と、ジイソシアネート(C)およびトリイソシアネート(D)の間をつなぐ構造単位として、ダイマージアミン(B)を用いることは、低収縮、低反り性、可撓性に優れる硬化物を得る観点から、有利な選択である。
(1-1)イソシアネート化合物(A)
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の末端構造単位として使用されるイソシアネート化合物(A)は、アクリロイルを持った化合物でもあり、式(1)の構造を有している。
Figure 2022137835000026
(式(1)中、Rはそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Rは炭素数1~12のアルキレンを表し、nは1または2を表す。)
式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)としては、例えば式(15)または(16)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022137835000027
Figure 2022137835000028
(式中、R17はHまたはCHを表し、R18は炭素数2~13の炭化水素基を表す。)
式(15)または(16)中、R17=Hの場合、本発明の化合物は、分子末端にアクリロイルを有することを意味する。また、R17=CHの場合、分子末端にメタクリロイルを有することを意味する。式(15)または(16)中のR18は、本発明の光硬化性組成物の硬化速度を速くするという観点から、炭素数2~8の炭化水素基であることが好ましく、さらに好ましくは、炭素数2~6の炭化水素基である。
式(15)の化合物を用いた場合、本発明の化合物は、分岐構造を持たない場合は分子末端に2つのアクリロイルを有する2官能ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物となり、分岐構造を持つ場合は分岐鎖が増えるに応じて3官能、4官能・・・と官能基数が増える。また、式(16)の化合物を用いた場合、本発明の化合物は、分岐構造を持たない場合は分子末端に4つのアクリロイルを有する4官能ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物となり、分岐構造を持つ場合は分岐鎖が増えるに応じて6官能、8官能・・・と官能基数が増える。また、式(15)の化合物と式(16)の化合物を併用してもよく、官能基数を調整することができる。
式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)の市販品としては、例えば、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズ(登録商標)AOI)、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズ(登録商標)MOI)、2-(2-メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズ(登録商標)MOI-EG)、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズ(登録商標)BEI)等が挙げられる。
(1-2)ダイマージアミン(B)
本発明の化合物に使用される、ダイマージアミン(B)は、ダイマー酸またはそのエステルを還元的にアミノ化することで得られるジアミンを意味するが、まず、「ダイマー酸」について説明する。
一般に「ダイマー酸」とは、不飽和脂肪酸の分子間重合反応によって得られる二塩基酸であり、例えば、炭素数が11~22の不飽和脂肪酸を粘土触媒等にて二量化して得られる二塩基酸であり、炭素数36の二塩基酸を主成分としたものがよく知られている。工業的に得られるダイマー酸には、炭素数36程度の二塩基酸の他、精製の度合いに応じ任意量のトリマー酸、モノマー酸も含有する。ダイマー酸の市販品としては、例えば、Pripol(登録商標)1009、1025、1004(いずれもクローダ社製)やEMPOL(登録商標)1008(BASF社)等を挙げることができる。
ダイマージアミン(B)としては、上述のダイマー酸および/またはその低級アルコールエステルを還元的アミノ化反応して得られるジアミンを主成分としたもの、あるいは、該ダイマー酸のカルボン酸部分をアミノ化して得られるジアミンを主成分としたものが包含される。
ダイマージアミン(B)の具体例として、炭素数36のジアミンを主成分としたものが市販品としてよく知られている。この製造方法は、例えば、アンモニアおよび触媒を使用する還元法等、公知の方法(例:特開平9-12712号公報)によって行うことができる。ここで主成分とは、50質量%以上存在することを意味し、炭素数36のジアミン以外にも、炭素数22~44で炭素数36ではないジアミンが存在する場合が知られている。本明細書における「ダイマージアミン」には、ダイマー酸のカルボン酸部分をアミノ化した炭素数36のものを主成分としたジアミンのみならず、ダイマー酸由来の炭素-炭素2重結合を水素化した水添ダイマージアミンも含まれるものと定義する。本発明におけるダイマージアミンとしては、ダイマー酸由来の炭素-炭素2重結合を水素化した水添ダイマージアミンが特に好ましい。
ダイマージアミン(B)の代表的な化合物の構造としては、例えば以下の式(2)および式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022137835000029
(式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、aおよびbはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数と、aおよびbの合計は38以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
Figure 2022137835000030
(式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、cおよびdはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数と、cおよびdの合計は42以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
ダイマージアミン(B)の市販品としては、例えば、Priamine(登録商標)1074等(クローダ社製)やバーサミン551(商品名、BASFジャパン(株))、バーサミン552(商品名、BASFジャパン(株))を挙げることができる。
(1-3)ジイソシアネート(C)
ジイソシアネート(C)は、1分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はない。ジイソシアネート(C)として、式(4)~(11)のいずれかで表される化合物を挙げることができる。
Figure 2022137835000031
Figure 2022137835000032
(式(4)~(7)中、R~R10は、それぞれ独立して水素または炭素数が1~7のアルキルであり、Xは、それぞれ独立して、炭素数が1~7のアルキレンであり;
Yは、それぞれ独立して、酸素、硫黄、炭素数が1~7のアルキレン、-C(CF-または-SO-である。)
Figure 2022137835000033
Figure 2022137835000034
(式(10)中、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、eおよびfはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつR11およびR12に含まれる各炭素数と、eおよびfの合計は38以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
Figure 2022137835000035
(式(11)中、R13およびR14はそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、gおよびhはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつR13およびR14に含まれる各炭素数と、gおよびhの合計は42以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
ジイソシアネート(C)の具体例としては、例えば、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、リシントリイソシアネート、リシンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサンメチレンジイソシアネートおよびノルボルナンジイソシアネート等を挙げることができる。
上記具体例の中でも、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートは溶解性が高く好ましい。さらに、耐熱性が求められる場合は、1,4-キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネートが特に好ましく用いることができる。
上記式(10)および(11)で表される化合物は、前述の式(2)および式(3)で表されるダイマージアミン(B)をイソシアネート化した構造を有しており、例えばCAS番号23119-03-1の下記式のジイソシアネートが販売されている。
Figure 2022137835000036
(1-4)トリイソシアネート(D)
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物において、上記ジイソシアネート(C)の少なくとも一部がトリイソシアネート(D)に置き換わった分岐構造を有していてもよい。トリイソシアネート(D)は、1分子中に3個のイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はない。トリイソシアネート(D)として、トリフェニルメタントリイソシアネートまたは下記式(12)~式(14)のいずれかの構造を有する化合物を例示することができる。
Figure 2022137835000037
(式中、nは0または1~20の整数を表す。)
Figure 2022137835000038
(式中、R15は、それぞれ独立して炭素数2~6の炭化水素基を表す。)
Figure 2022137835000039
(式中、R16は炭素数2~6の炭化水素基を表す。)
トリイソシアネート(D)の例として挙げられるトリフェニルメタントリイソシアネートの構造は、下記式(15)の通りである。
Figure 2022137835000040
トリイソシアネート(D)の例として挙げられるもう一つの例は、「PDIイソシアヌレート」として販売されている下記式(16)の化合物である。
Figure 2022137835000041
(1-5)ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物
本発明の化合物は、末端に(メタ)アクリロイルを導入したポリウレア-(メタ)アクリレート化合物である。上記イソシアネート化合物(A)およびダイマージアミン(B)を重付加させて尿素結合を形成させることにより、本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。上記イソシアネート化合物(A)、ダイマージアミン(B)に加えて、ジイソシアネート(C)を重付加させて尿素結合を形成させることにより、本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。また、ジイソシアネート(C)の少なくとも一部をトリイソシアネート(D)に置き換えて同様に重付加させることにより、分岐構造を有した本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。
重付加は、イソシアネート化合物(A)およびジイソシアネート(C)のイソシアネート基(トリイソシアネート(D)に置き換えた場合は、トリイソシアネート(D)のイソシアネート基も含めて)と、ダイマージアミン(B)のアミノ基の反応で尿素結合が形成されることにより行われる。
尿素結合を有することにより、本発明の光硬化性組成物の反応性を高くすることができる。例えば、少ない露光量で、短時間で硬化物を得ることが可能となる。さらに、硬化物中の未反応アクリロイルを低減することができ、硬化物のイオンマイグレーション耐性を高くすることができる。これは、尿素構造の水素結合による凝集により、アクリロイルが集まりやすくなることで、ラジカル重合の反応性が高くなるためであると考えられる。
また、尿素結合を有することによりことにより、本発明の組成物の粘度を高くすることができる。組成物を塗布する際に、例えば、ダイコート法やジェッティング法などの塗布方法に適した粘度に調整することが可能となる。これは、尿素構造の水素結合による凝集により、組成物の粘度が高くなるものと考えられる。
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物は、イソシアネート化合物(A)、ダイマージアミン(B)、ジイソシアネート(C)およびトリイソシアネート(D)の構造単位をそれぞれ模式的に<A>、<B>、<C>および<D>で表すと、例えば以下に示すような構造になる(各構造単位間の結合は、尿素結合である。また、式中繰り返しの数をn、mおよびlで示し、一般的な値はそれぞれ独立して1~10である。)。
直鎖構造(1) <A>と<B>を用いた場合
Figure 2022137835000042
直鎖構造(2) <A><B><C>を用いた場合
Figure 2022137835000043
分岐構造(3) <A><B><D>を用いた場合
Figure 2022137835000044
分岐構造(4) <A><B><C><D>を用いた場合
Figure 2022137835000045
製造方法
以下、本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造方法について説明する。
重付加反応や重縮合反応において、2種類のモノマーの仕込比(モル比)を変化させることで、前記モノマー構造に対応した末端基を有する交互共重合体を得ることもできるし、任意に分子量を制御することもできる。これは、Billmeyer.F.W.; Step-Reaction (Condensation) Polymerization. In Textbook of Polymer Science; John Wiley & Sons; Singapore, 1994; pp35-39.に記載されている。
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造において、イソシアネート基の当量の和((A)、(C)、(D)のNCO基の総和)とアミノ基の当量((B)のアミノ基の総数)の比率を10/5~10/10となるように調整することが好ましい。このように調整することで、末端がイソシアネート化合物(A)であるポリウレア-(メタ)アクリレート化合物を製造することができる。
反応溶媒
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造において、反応溶媒を用いてもよい。反応溶媒中でイソシアネート基とアミノ基を反応させることで、尿素結合を形成する速度を調整することができる。反応溶媒を用いて反応速度を下げることにより、精製した尿素結合の凝集やゲル化を抑えることが可能となり、反応液中に溶解された状態で均一な反応を進めることができる。
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物を製造する際に用いられる溶媒は、これらが合成できれば特に限定されるものではない。反応溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、1,3-ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール、エチルラクテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル(1-ブトキシ-2-プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(1-エトキシ-2-プロパノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1-メトキシ-2-プロパノール)、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、1-ビニル-2-ピロリドン、1-ブチル-2-ピロリドン、1-エチル-2-ピロリドン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリドン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1-アセチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルプロピオンアミド、N-メチル-ε-カプロラクタム、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、γ-ブチロラクトン、4-メチル-2-ペンタノン、メチルエチルケトン、アセトン、トルエン、テトラヒドロフラン、乳酸エチル、3-メトキシN,N-ジメチルプロパンアミド、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、N,N-ジメチルプロピオンアミド、テトラメチルウレア、およびジメチルスルホキシドを挙げることができる。
これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1-メトキシ-2-プロパノール)、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、4-メチル-2-ペンタノン、N,N-ジメチルプロピオンアミド、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシドを用いると、ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の溶解性がよく均一に重合がすすむので好ましい。
これらの反応溶媒は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。さらに、上記反応溶媒以外に他の溶媒を混合して用いることもできる。
さらに、反応溶媒として、反応性希釈剤を用いてもよい。
ここで、反応性希釈剤とは、紫外線硬化の過程において、同様に(共)重合し、従ってポリマーネットワークに組み込まれ、NCO基に対して不活性である化合物を示す。反応性希釈剤を用いることで、本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物を含む硬化性組成物を硬化させる際に、溶媒を除去する工程を必要としない為、好ましい。
反応性希釈剤として、アクリル酸またはメタクリル酸、好ましくはアクリル酸と、単官能性または多官能性アルコールとのエステルであってよい。適当なアルコールの例としては、ブタノール(各種異性体)、ペンタノール(各種異性体)、ヘキサノール(各種異性体)、ヘプタノール(各種異性体)、オクタノール(各種異性体)、ノナノール(各種異性体)およびデカノール(各種異性体)、並びに脂環式アルコール(例えば、イソボルノール(isobornol)、シクロヘキサノールおよびアルキル化シクロヘキサノール、ジシクロペンタノール)、芳香脂肪族アルコール(例えば、フェノキシエタノールおよびノニルフェニルエタノール)、並びにテトラヒドロフルフリルアルコールがある。更に、これらのアルコールのアルコキシル化誘導体を使用することができる。適当な二価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサン-1,6-ジオール、2-エチルヘキサンジオールおよびトリプロピレングリコールのようなアルコール、またはこれらのアルコールのアルコキシル化誘導体である。好ましい二価アルコールは、ヘキサン-1,6-ジオール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールである。適当な三価アルコールは、グリセロールまたはトリメチロールプロパン或いはそれらのアルコキシル化誘導体である。四価アルコールは、ペンタエリスリトールまたはそのアルコキシル化誘導体である。
これらの中でも、イソボニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ベンジルアクリレートを用いると、ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の溶解性がよく、低粘度化でき、均一に重合がすすむので好ましい。
反応希釈剤を用いる場合、イソシアネート基とアミノ基の反応の際に、系内のアクリル基がラジカル重合をおこして、ゲル化をおこすことを防ぐ目的として、ラジカル重合禁止剤を用いてもよい。
ラジカル重合禁止剤としては、ラジカル重合の禁止のためにラジカルを捕捉する化合物であれば特に限定されるものではないが、例として、フェノチアジン、フェノール、パラ-メトキシフェニル、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノンまたは2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール等が挙げられる。
上記の反応溶媒(反応希釈剤を含む)は、ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物100重量部に対し30重量部以上使用すると、反応がスムーズに進行するので好ましい。反応は0℃~150℃で、0.2~20時間反応させるのが好ましい。
2.硬化性組成物
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物は、硬化性組成物の成分として使用することができる(以下、硬化性組成物のことを「本発明の組成物」という)。本発明の組成物として例示できる組成は、例えば下記の(成分I)~(成分III)からなる組成物である。
(成分I)本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物、
(成分II)式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)以外の(メタ)アクリロイル含有化合物
(成分III)重合開始剤
(2-1) 式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)以外の(メタ)アクリロイル含有化合物
(成分II)として使用される(メタ)アクリロイル含有化合物としては、単官能アクリルモノマー(E)、多官能アクリルモノマー(F)、水酸基含有アクリルモノマー(G)等が挙げられる。
(2-11) 単官能アクリルモノマー(E)
本発明の組成物は、組成物の成分の重量の和100重量%に対して10~80重量%の単官能アクリルモノマー(E)を含有してもよい。
本発明の組成物をインクとして用いた場合の塗工性を良好にし、耐熱性および基板に対する密着性、およびイオンマイグレーション耐性等にバランス良く優れる硬化物を形成する観点から、単官能アクリルモノマー(E)の含有量は、組成物100重量%に対し、20~80重量%であることが好ましく、30~80重量%であることがより好ましい。
耐熱性および基板、特にガラス基板やシリコン基板やこれらの基板上に金属配線、電極などの導体が形成された基板との密着性およびイオンマイグレーション耐性を良好にする観点から、単官能アクリルモノマー(E)は、縮合環式炭化水素基、多環式炭化水素基および単環式炭化水素基からなる群のうち一または複数を有する(メタ)アクリレートを含有していることが好ましい。好ましい単官能アクリルモノマー(E)としては、縮合環式炭化水素基または多環式炭化水素基を有する単官能アクリルモノマー(E-1)や単環式炭化水素基を有する単官能重合性モノマー(E-2)を挙げることができる。
(2-12) 縮合環式炭化水素基または多環式炭化水素基を有する単官能アクリルモノマー(E-1)
縮合環式炭化水素基または多環式炭化水素基を有する単官能アクリルモノマー(E-1)としては、特に制限されないが、縮合環式炭化水素基または多環式炭化水素基を有する炭素数7~50の有機基を含む単官能アクリルモノマーであることが好ましく、縮合環式炭化水素基または多環式炭化水素基を有する炭素数7~30の有機基を含む単官能アクリルモノマーであることがさらに好ましい。
なお、「単官能アクリルモノマー」とは、1分子中に1つの(メタ)アクリロイルを有するモノマーのことをいう。
また、「縮合環式炭化水素基」とは、環を2つ以上有する炭化水素(炭素原子と水素原子とからなる)基であり、ある環を構成し、同時に他の環をも構成する炭素原子を少なくとも1つ有する炭化水素基のことをいい、「多環式炭化水素基」とは、環を2つ以上有する炭化水素基であり、ある環と他の環とが単結合または炭素数1~10のアルキレンで結合した炭化水素基のことをいう。
さらに、「前記縮合環式炭化水素基または多環式炭化水素基を有する炭素数7~50の有機基」とは、例えば、式(17)で表される化合物における、(メタ)アクリロイル以外のn個の繰り返し単位およびR12を含む基のことをいう。
Figure 2022137835000046
(式(17)中、R17は水素またはメチルであり、R18は縮合環式炭化水素基、多環式炭化水素基または単環式炭化水素基を有する炭素数4~30の1価の有機基であり、nは0~10の整数である。)
前記モノマー(E-1)としては、式(17)で表される化合物を用いることが、耐熱性および基板との密着性およびイオンマイグレーション耐性に優れる硬化物が得られる等の点から好ましい。
式(17)中、R18は、好ましくは、非極性であり、縮合環式炭化水素基または多環式炭化水素基を有する炭素数4~30の1価の有機基であり、より好ましくは、式(18)~(21)のいずれか1つで表される基である。また、nとしては0または1が好ましい。
Figure 2022137835000047
(式(18)~(21)中、R19は、それぞれ独立に水素または炭素数1~6のアルキルであり、*は結合手である。)
前記式(18)~(21)中、R19しては水素が好ましい。なお、*は結合手であり、前記式(17)の右末端のO-と結合する。
前記モノマー(E-1)としては、さらに下記化合物群(I)から選ばれる少なくとも一種の化合物を例示することもできる(これらの化合物の一部は、上記の式(18)~(21)以外の構造を含むものがある)。
Figure 2022137835000048
これらの中でも、得られる硬化物の基板との密着性、耐熱性およびイオンマイグレーション耐性を考慮すると以下の化合物(101)~(110)がより好ましく、化合物(101)および(107)がさらに好ましい。
Figure 2022137835000049
Figure 2022137835000050
Figure 2022137835000051
Figure 2022137835000052
Figure 2022137835000053
Figure 2022137835000054
前記モノマー(E-1)は上述した化合物等から選ばれる一種の化合物であってもよく、またこれらの二種以上の混合物であってもよい。化合物(101)と(107)の混合物が好ましく、両者を併用する場合、化合物(101):化合物(107)の重量比は、5:10~10:5が好ましく、7:10~10:7がより好ましく、9:10~10:9がさらに好ましい。
前記モノマー(E-1)としては、公知の方法で製造した化合物を用いてもよいし、また、ジシクロペンタニルアクリレート(商品名;ファンクリルFA-513AS:日立化成工業(株))、ジシクロペンタニルメタクリレート(商品名;ファンクリルFA-513M:日立化成工業(株))、ジシクロペンテニルアクリレート(商品名;ファンクリルFA-511AS:日立化成工業(株))、ジシクロペンテニルメタクリレート(商品名;ファンクリルFA-511M:日立化成工業(株))、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(商品名;ファンクリルFA-512AS:日立化成工業(株))、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(商品名;ファンクリルFA-512M:日立化成工業(株))、イソボルニルアクリレート(商品名;IB-XA:共栄社化学(株))、イソボルニルメタクリレート(商品名;IBXMA:共栄社化学(株))、および1-アダマンチルメタクリレート(商品名;アダマンテートM-104:出光興産(株))等の市販品を用いてもよい。
(2-13) 単環式炭化水素基を有する単官能重合性モノマー(E-2)
「単環式炭化水素基」とは、環(芳香環を含む)を1つ有する炭化水素基のことをいう。
前記モノマー(E-2)としては、公知の方法で製造した化合物を用いてもよいし、また、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート(商品名;V#155:大阪有機化学工業(株))、シクロヘキシルメタクリレート(商品名;ライトエステルCH:共栄社化学(株))等の市販品を用いてもよい。
(2-14) 多官能アクリルモノマー(F)
本発明の組成物は、組成物100重量%に対し10~30重量%の多官能アクリルモノマー(F)を含有していてもよい。「多官能アクリルモノマー」とは、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイルを有するモノマーのことをいう。
前記モノマー(F)の具体例としては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、ならびに下記式(22)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022137835000055
(式(22)中、R20はそれぞれ独立に水素またはメチルであり、R21は縮合環式炭化水素基、多環式炭化水素基または単環式炭化水素基を有する炭素数4~30の2価の有機基であり、nはそれぞれ独立に0~10の整数である。)
組成物により形成される硬化物のイオンマイグレーション耐性を良好にする観点から、前記式(22)中のR21が下記式(23)~(26)のいずれか1つで表される基である化合物が好ましく、前記式(22)で表される基であることがより好ましい。また、nとしては0または1が好ましい。
Figure 2022137835000056
(式(23)~(26)中、*は結合手である。)
前記モノマー(F)は上述した化合物等から選ばれる一種の化合物であってもよく、またこれらの二種以上の混合物であってもよい。
光硬化性に優れる組成物が得られ、また、耐熱性および基板に対する密着性およびイオンマイグレーション耐性にバランス良く優れる硬化物が得られるため、本発明の組成物において、前記モノマー(F)の含有量は、組成物100重量%に対し、5~50重量%が好ましく、5~30重量%がより好ましく、8~25重量%がさらに好ましい。
(2-15) 水酸基含有アクリルモノマー(G)
本発明の組成物は、水酸基含有アクリルモノマー(G)を含有してもよい。ここで、水酸基含有アクリルモノマー(G)は、一種または二種以上の混合物として用いてもよい。
本発明の組成物は、例えば、水酸基を有さない単官能アクリルモノマー(E)および水酸基を有さない多官能アクリルモノマー(F)に加えて、水酸基含有アクリルモノマー(G)を配合して、組成物全体の水酸基価を調整してもよい。この場合、イオンマイグレーション耐性が良好な硬化物を形成する観点から、水酸基含有アクリルモノマー(G)の含有量は、組成物100重量%に対して0.1~30重量%が好ましく、0.3~25重量%がより好ましく、0.5~20重量%がさらに好ましい。
上述した好ましい配合量で組成物の水酸基価を所定の範囲に調整することが容易であることから、水酸基含有アクリルモノマー(G)の水酸基価は、100~300mgKOH/gが好ましく、150~250mgKOH/gがより好ましい。前記、水酸基含有アクリルモノマー(G)の具体例として、OT-2503;アクリルオリゴマー(アロニックスOT-2503;商品名、東亜合成(株)、重量平均分子量1000、水酸基価172mgKOH/g、Tg94℃)、M305;ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびペンタエリスリトールテトラアクリレート(アロニックスM305;商品名、東亜合成(株)、重量平均分子量323、水酸基価116mgKOH/g、Tg107℃)、EA-5422LC;ジシクロペンタジエンジメタノールグリシジルエーテルアクリル酸付加物(商品名;NKオリゴEA-5422LC、新中村化学工業(株)、水酸基価248mgKOH/g)等が挙げられる。
本発明に、水酸基含有アクリルモノマー(G)を用いた場合は、組成物の水酸基価を1~100mgKOH/gとしているから、インクジェット用インクとして用いる場合の吐出性、光硬化性に優れ、かつ、耐熱性および基板、特にシリコン基板やガラス基板やこれらの基板上に金属配線、電極などの導体が形成された基板との密着性およびイオンマイグレーション耐性に優れる硬化物を形成することができる。イオンマイグレーション耐性に優れる硬化物とする観点から、組成物の水酸基価は、2~40mgKOH/gであることがより好ましく、5~40mgKOH/gであることがさらに好ましい。
(2-2) 重合開始剤(H)
本発明の組成物は、さらに、重合開始剤(H)を含有していてもよい。
重合開始剤は、本発明の組成物が含有するモノマー成分の重合を開始し得る、紫外線、可視光線、電磁波等の照射によってラジカルを発生する化合物であればよく、一般に用いられるものを使用できる。光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4′-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-エチルアントラキノン、アセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-4′-イソプロピルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1′-(メチレン-ジ-4,1-フェニレン)ビス(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパノン)、カンファーキノン、ベンズアントロン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-(4-メチルベンジル)-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1,4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4′-ジ(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4′-トリ(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2-(4′-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(3′,4′-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(2′,4′-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(2′-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4′-ペンチルオキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-[p-N,N-ジ(エトキシカルボニルメチル)]-2,6-ジ(トリクロロメチル)-s-トリアジン、1,3-ビス(トリクロロメチル)-5-(2′-クロロフェニル)-s-トリアジン、1,3-ビス(トリクロロメチル)-5-(4′-メトキシフェニル)-s-トリアジン、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2-(p-ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、3,3′-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)、2-(o-クロロフェニル)-4,4′,5,5′-テトラフェニル-1,2′-ビイミダゾール、2,2′-ビス(2-クロロフェニル)-4,4′,5,5′-テトラキス(4-エトキシカルボニルフェニル)-1,2′-ビイミダゾール、2,2′-ビス(2,4-ジクロロフェニル)-4,4′,5,5′-テトラフェニル-1,2′-ビイミダゾール、2,2′-ビス(2,4-ジブロモフェニル)-4,4′,5,5′-テトラフェニル-1,2′-ビイミダゾール、2,2′-ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)-4,4′,5,5′-テトラフェニル-1,2′-ビイミダゾール、3-(2-メチル-2-ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6-ビス(2-メチル-2-モルホリノプロピオニル)-9-n-ドデシルカルバゾール、ビス(η5-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム、3,3′,4,4′-テトラ(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′-テトラ(tert-ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′-ジ(メトキシカルボニル)-4,4′-ジ(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4′-ジ(メトキシカルボニル)-4,3′-ジ(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4′-ジ(メトキシカルボニル)-3,3′-ジ(tert-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどである。市販品として、例えば、BASF製、製品名:Irgacure379EG、Irgacure127、Irgacure184、IGMResinsB.V.製、製品名:Omnirad379EG、Omnirad127、Omnirad184などが挙げられる。これらの中でも、2-(4-メチルベンジル)-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オンが好ましい。
重合開始剤(H)は、イオンマイグレーション耐性の良好な硬化物を形成する観点から、組成物100重量%に対し5~15重量%が好ましく、7~12重量%がより好ましい。重合開始剤(H)は、一種の化合物であっても、二種以上の化合物の混合物であってもよい。
3. 活性エネルギー線硬化型インク組成物
本発明は、本発明の組成物を含有する活性エネルギー線硬化型インク組成物として、実施することもできる。ここで活性エネルギー線とは、活性種を発生する化合物を分解して活性種を発生させることのできるエネルギー線をいう。このような活性エネルギー線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線、電子線などの光エネルギー線が挙げられる。
本発明の組成物をインクジェット用組成物として用いる場合、吐出性を良好にする観点から、25℃における粘度が1~100mPa・sであることが好ましく、3~70mPa・sであることがより好ましい。
本発明の組成物は、各種特性を向上させるために、難燃剤、フェノール性水酸基を含有する樹脂、メラミン樹脂、エポキシ化合物、オキセタン化合物、硬化剤、界面活性剤、着色剤、重合禁止剤および溶媒などのその他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で含んでもよい。
4.硬化物
本発明の硬化物は、本発明の組成物または本発明の組成物を含有する活性エネルギー線硬化型インク組成物を硬化させることで得られる。
硬化物の形成は、例えば、組成物を基板に塗布することによって行うことができる。塗布する方法は、特に制限されないが、インクジェット法、ジェッティング法、スピンコート法、ロールコート法、スリットコート法、ディッピング法、スプレーコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、キスコート法、リバースキスコート法、エアナイフコート法、カーテンコート法などが利用できる。
また、前記基板としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)などからなるポリエステル系樹脂基板;ポリエチレンおよびポリプロピレンなどからなるポリオレフィン樹脂基板;ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネートおよびポリイミドなどからなる有機高分子フィルム;セロハン;金属箔;ポリイミドと金属箔との積層フィルム;目止め効果があるグラシン紙、パーチメント紙、ポリエチレン、クレーバインダー、ポリビニルアルコール、でんぷんまたはカルボキシメチルセルロース(CMC)などで目止め処理した紙;シリコン基板;およびガラス基板を挙げることができる。
本発明の組成物は、本発明の組成物を含有するインクジェット用インク組成物、またインクジェット用インク組成物を含有する活性エネルギー線硬化型インク組成物として使用し、それらを硬化物とすることもできる。
本発明の組成物をインクジェット用インクとして用いる場合、以下の工程1および2を含む方法により硬化物を製造することができる。
(工程1)インクジェット法により本発明の組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程
(工程2)工程1で得られた塗膜に光を照射して塗膜を硬化し、基板上に硬化物を形成する工程
前記インクジェット法としては、特に制限されず、公知のインクジェット法を用いることができる。前記基板は、本発明のインクが塗布される対象となり得るものであれば特に限定されず、その形状は平板状に限られず、曲面状等であってもよい。
インクジェット法を用いることにより、本発明の組成物を含有するインクを予め定められたパターン状に容易に塗布することができ、均一なパターンを大きな基板上に形成することができる。
インクジェット塗布装置で吐出する際の温度は、好ましくは10~120℃である。該温度における本発明のインクの粘度は1~100mPa・sであることが好ましく、3~70mPa・sであることがより好ましい。
25℃における粘度が30mPa・sを超えるインクを使用する場合は、インクジェットヘッドを加熱して吐出時のインクの粘度を下げることで、より安定した吐出が可能になる。インクジェットヘッドを加熱してジェッティングを行う場合は、加熱温度は40~120℃が好ましい。インクジェットヘッドを加熱する場合は、溶媒を含まないインクを用いることが好ましい。
得られる塗膜の厚みは所望の用途に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは1~50μmであり、より好ましくは5~30μmである。
紫外線や可視光線等を照射する場合、照射する露光量は、本発明の組成物の組成に応じて適宜調節すればよいが、Opsytec社製UVモニター(「UV―Pad」、波長:UV-A(315-400nm))を用いて測定した場合、100~10,000mJ/cm程度が好ましく、150~5000mJ/cm程度がより好ましく、180~3000mJ/cm程度がさらに好ましく、200~2000mJ/cm程度が特に好ましい。また、照射する紫外線や可視光線等の波長は、200~500nmが好ましく、300~450nmがより好ましい。
なお、光を照射する際には露光機を用いればよく、露光機としては、UV-LEDランプ、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、またはブラックライトランプ等を搭載し、200~500nmの範囲で、紫外線や可視光線等を照射する装置であることが好ましい。
また、必要に応じて、光の照射により硬化した硬化物をさらに加熱・焼成してもよい。通常80~250℃で10~60分間加熱・焼成することによって、より強固な硬化物を得ることができる。
本発明の硬化物の厚みは所望の用途に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは1~50μmであり、より好ましくは5~30μmである。
本発明の硬化物は、耐熱性、基板との密着性およびイオンマイグレーション耐性に優れる硬化物であるため、液晶表示素子またはEL表示素子などの表示素子や、プリント配線板、フレキシブル配線板、半導体パッケージ基板および太陽電池基板などの電子回路基板における保護膜、絶縁膜として好適に用いられる。さらに、本発明の硬化物は所定の回路パターンをなす金属配線、電極等の導体を保護するカバーレイフィルムやソルダーレジストなどに好適に用いられる。
5.電子部品
本発明の電子部品は、前記本発明の硬化物を含み、前記工程1および工程2を含む方法で製造されることが好ましい。本発明の硬化物は耐熱性および基板との密着性、イオンマイグレーション耐性等に優れるため、本発明の電子部品は、電気特性および長期信頼性等に優れる電子部品となる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において、以下の成分を用いた。適宜、以下に示す略号を用いて、各成分を示す。
[単官能アクリルモノマー(E)]
FA-513AS;ジシクロペンタニルアクリレート、(商品名;ファンクリルFA-513AS、日立化成工業(株)、水酸基価0mgKOH/g、ホモポリマーのガラス転移点(Tg)120℃)
IB-XA;イソボルニルアクリレート(商品名;IB-XA;共栄社化学(株)、水酸基価0mgKOH/g、Tg97℃)
[多官能アクリルモノマー(F)]
IRR214-K;トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(水酸基価0mgKOH/g、Tg190℃)
[水酸基含有アクリルモノマー(G)]
EA-5422LC;ジシクロペンタジエンジメタノールグリシジルエーテルアクリル酸付加物(商品名;NKオリゴEA-5422LC、新中村化学工業(株)、水酸基価248mgKOH/g)
[重合開始剤(H)]
Irg379;2-(4-メチルベンジル)-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン(IRGACURE379;商品名、BASFジャパン(株))
[合成例1]
[ポリウレア-アクリレート化合物A]※AOI(IBXA)
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを装着した三口フラスコ(100mL)に、ダイマージアミン(クローダジャパン社製;Priamine 1074、21、3g、43mmol)、IBXA(24g、108mmоl)、フェノチアジン(0.3g、1.5mmоl、関東化学(株)製)を投入した。氷浴上で5℃に冷却した後、AOI(2-イソシアナトエチルアクリラート、昭和電工(株)製;カレンズAOI、14.7g、95mmol)を滴下ロートに導入し、撹拌反応溶液に30分間の過程にわたって、内部温度T<20℃を維持しながら滴下した。その後、氷浴を外して室温に戻したのち、50℃に加熱し、1時間撹拌した。その後、モルフォリン(1.5g、17mmol、関東化学(株)製)を加え30分攪拌し、フラスコをバスアップすることで室温まで冷却することで、ポリウレア-アクリレート化合物Aを60wt%含む溶液を得た。IR分析による同定により目的物の生成を確認した。
得られた溶液は透明であり、GPC分析により求めたウレアジ(メタ)アクリレート化合物の重量分子量は1,200、分子量分布は1.1であった。得られた溶液のE型粘度計(東機産業(株)TV-22、以下同じ)より求めた25℃における粘度は、8,930mPa・sであった。ポリウレア-アクリレートAを以下に示す。
Figure 2022137835000057
[合成例2]
[ポリウレア-アクリレート化合物B]※BEI
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを装着した三口フラスコ(100mL)に、ダイマージアミン(クローダジャパン社製;Priamine 1074、17,4g、35mmol)、IBXA(24g、108mmоl)、フェノチアジン(0.3g、1.5mmоl、関東化学(株)製)を投入した。氷浴上で5℃に冷却した後、BEI(1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、昭和電工(株)製;カレンズBEI、18.6g、78mmol)を滴下ロートに導入し、撹拌反応溶液に30分間の過程にわたって、内部温度T<20℃を維持しながら滴下した。その後、氷浴を外して室温に戻したのち、50℃に加熱し、1時間撹拌した。その後、モルフォリン(1.2g、14mmol、関東化学(株)製)を加え30分攪拌し、フラスコをバスアップすることで室温まで冷却することで、ポリウレア-アクリレート化合物Bを60wt%含む溶液を得た。IR分析による同定により目的物の生成を確認した。
得られた溶液は透明であり、GPC分析により求めたウレアジ(メタ)アクリレート化合物の重量分子量は1,300、分子量分布は1.1であった。得られた溶液のE型粘度計(東機産業(株)TV-22、以下同じ)より求めた25℃における粘度は、8,980mPa・sであった。ポリウレア-アクリレート化合物Bを以下に示す。
Figure 2022137835000058
[合成例3]
[ポリウレア-アクリレート化合物C]※ウレア/ウレタン混合
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを装着した三口フラスコ(100mL)に、ダイマージアミン(クローダジャパン社製;Priamine 1074、22.3g、45mmol)、ダイマージオール(クローダジャパン社製;Pripol 2033、22.3g、45mmol)を投入した。氷浴上で5℃に冷却した後、AOI(2-イソシアナトエチルアクリラート、昭和電工(株)製;カレンズAOI、15.4g、99mmol)を滴下ロートに導入し、撹拌反応溶液に30分間の過程にわたって、内部温度T<20℃を維持しながら滴下した。その後、氷浴を外して室温に戻したのち、50℃に加熱し、1時間撹拌した。その後、モルフォリン(1.6g、18mmol、関東化学(株)製)を加え30分攪拌し、フラスコをバスアップすることで室温まで冷却することで、前記ポリウレア-アクリレート化合物AとウレタンアクリレートFを含む混合物(ポリウレア-アクリレート化合物Cとする)を得た。IR分析による同定により、目的物であるポリウレア-アクリレート化合物Aと、ウレタンアクリレートの生成を確認した。
得られた溶液は透明であり、GPC分析により求めたポリウレア-アクリレート化合物Cの重量分子量は1,200、分子量分布は1.1であった。得られた溶液のE型粘度計(東機産業(株)TV-22、以下同じ)より求めた25℃における粘度は、4,740mPa・sであった。
[合成例4]
[ポリウレア-アクリレート化合物D]※HXDI
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを装着した三口フラスコ(100mL)に、ダイマージアミン(クローダジャパン社製;Priamine 1074、13.4g、27mmol)、DEF(N,N-ジエチルホルムアミド、東京化成工業(株)製、80.0g、790mmol)を投入した。氷浴上で5℃に冷却した後、HXDI(1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、三井化学(株)製、製品名;タケネート600、3.5g、18.1mmol)を滴下ロートに導入し、撹拌反応溶液に30分間の過程にわたって、内部温度T<20℃を維持しながら滴下した。その後、氷浴を外して室温に戻したのち、50℃に加熱し、1時間撹拌した。
続いて、AOI(2-イソシアナトエチルアクリラート、昭和電工(株)製;カレンズAOI、3.1g、19.9mmol)を滴下ロートに導入し、撹拌反応溶液に30分間の過程にわたって、内部温度T<20℃を維持しながら滴下した。その後、氷浴を外して室温に戻したのち、50℃に加熱し、1時間撹拌した。その後、モルフォリン(0、2g、1.8mmol、関東化学(株)製)を加え30分攪拌し、フラスコをバスアップすることで室温まで冷却することで、ポリウレア-アクリレート化合物Dを得た。IR分析による同定により、目的物であるポリウレア-アクリレート化合物Dの生成を確認した。ポリウレア-アクリレート化合物Dを以下に示す。

Figure 2022137835000059
[合成例5]
[ポリウレア-アクリレート化合物E]※トリイソシアネート
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを装着した三口フラスコ(100mL)に、ダイマージアミン(クローダジャパン社製;Priamine 1074、12.1g、24mmol)、DEF(N,N-ジエチルホルムアミド、東京化成工業(株)製、80.0g、790mmol)を投入した。氷浴上で5℃に冷却した後、
PDIイソシアヌレート(1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、三井化学(株)製、製品名;スタビオD-370N、3.8g、8.2mmol)を滴下ロートに導入し、撹拌反応溶液に30分間の過程にわたって、内部温度T<20℃を維持しながら滴下した。その後、氷浴を外して室温に戻したのち、50℃に加熱し、1時間撹拌した。
続いて、AOI(2-イソシアナトエチルアクリラート、昭和電工(株)製;カレンズAOI、4.2g、26.9mmol)を滴下ロートに導入し、撹拌反応溶液に30分間の過程にわたって、内部温度T<20℃を維持しながら滴下した。その後、氷浴を外して室温に戻したのち、50℃に加熱し、1時間撹拌した。その後、モルフォリン(0、2g、1.8mmol、関東化学(株)製)を加え30分攪拌し、フラスコをバスアップすることで室温まで冷却することで、ポリウレア-アクリレート化合物Dを得た。IR分析による同定により、目的物であるポリウレア-アクリレート化合物Eの生成を確認した。ポリウレア-アクリレート化合物Eを以下に示す。
Figure 2022137835000060
[合成例6]
[ウレタンアクリレート]※ウレタン
ダイマージオールから誘導させるウレタンジ(メタ)アクリレート化合物(D-1)は、以下の方法にて合成した。
窒素雰囲気下、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを装着した三口フラスコ(100mL)に、ダイマージオール(クローダジャパン社製;Pripol 2033、23、7g、48mmol)を80℃に加熱を行った後に、AOI(2-イソシアナトエチルアクリラート、昭和電工(株)製;カレンズAOI、16.3g、105mmol)を滴下ロートに導入し、速やかに滴下し、反応を開始し、同温度で3時間攪拌した。その後、MEOH(3.1g、96mmol、関東化学(株)製)を加え30分攪拌し、フラスコをバスアップすることで室温まで冷却することで、ウレタンアクリレートを得た。IR分析による同定により目的物の生成を確認した。
得られた反応液は透明であり、GPC分析により求めた重量分子量は1,200、分子量分布は1.0であり、E型粘度計(東機産業(株)TV-22、以下同じ)より求めた25℃における粘度は、540mPa・sであった。
[合成例7]
[アルキルアクリレート]※エステル
ダイマージオール(クローダジャパン社製;Pripol 2033、284.4g、500mmol)を、メカニカルスターラーと、滴下ロートとを備えた1リットルの 三つ口フラスコ中の乾燥アセトン(450ml)中に窒素下にて溶解させた。トリエチルアミン(101.2g、1 mol)をこの溶液に加え、溶液を氷浴上で4℃に冷却した。乾燥アセトン(100ml)中で溶媒和したアクリロイルクロリド(90.5g、1mol)を滴下ロート中に投入し、撹拌反応溶液に60分間の過程にわたって、内部温度T<10℃を維持しながら滴下した。この溶液を氷上でさらに2時間撹拌した後、温度を室温に戻し、4時間撹拌させた。大部分の溶媒をエバポレーターによって除去し、残留する残渣をCH2Cl2(1リット ル)中で溶媒和させた。更に、この溶液を5%HCl水溶液 (800ml)とH2O(1200ml)とによって洗浄させた。単離させた有機物質を無水MgSO4上で乾燥させて濾過し、エバポレーターにより溶媒除去した後、アルキルアクリレートを得た。E型粘度計(東機産業(株)TV-22、以下同じ)より求めた25℃における粘度は、126mPa・sであった。
[実施例1]
<光硬化性組成物の調製>
合成例(1)で得られたポリウレア-アクリレート化合物Aを20g、単官能アクリルモノマーとして、FA-513ASを35gおよびIB-XAを35gと、多官能(二官能)アクリルモノマーとして、IRR214-Kを20gと、水酸基含有アクリルモノマーとして、EA-5422LCを10gと、光重合開始剤として、Irg379を12gとを混合し、溶液を得た後、孔径0.2μmの超高分子量ポリエチレン(疎水性)製のメンブレンフィルター(日本インテグリス(株))でろ過し、ろ液(「光硬化性組成物1」として使用する)を得た。E型粘度計(東機産業(株)TV-22、以下同じ)を用い、25℃における光硬化性組成物の粘度を測定した結果、182mPa・sであった。
[実施例2~4]
表1に示す材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、光硬化性組成物2~4を調製した。E型粘度計(東機産業(株)TV-22、以下同じ)を用い、25℃における光硬化性組成物の粘度を測定した結果を表2に示した。なお、表中の成分の含有量を表す数値は、すべて重量%である。
[比較例1~4]
表1に示す材料を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、光硬化性組成物5~8を調製した。E型粘度計(東機産業(株)TV-22、以下同じ)を用い、25℃における光硬化性組成物の粘度を測定した結果、を表2に示した。なお、表中の成分の含有量を表す数値は、すべて重量%である。
<硬化物の形成>
得られた光硬化組成物1~8を、10cm角のアルミ箔上に2.5mL滴下し、バーコータ(ロッドNо.75)を用いて均一な膜厚の塗膜を作成した。得られた塗膜に、UV-LEDランプ「LSS-08aAUV」光源:UV-LED(シーシーエス社製、ランプ波長:365nm)を用いて、波長365nmの紫外線を2000mJ/cmのUV露光量(Opsytec社製UVモニター(「UV-Pad」)で測定、波長:UV-A(315-400nm))で照射することで塗膜を光硬化し、クリーンオーブンDT-610(ヤマト科学(株)製)200℃で60分間加熱焼成することで、厚さ約50μmの硬化膜1~8を得た。
<硬化膜単体の評価>
得られた硬化膜1~8をアルミ箔から剥離し、硬化膜単体1~8を得た。得られた硬化膜単体の破断伸度およびガラス転移温度の評価を行った。
各試験方法および評価基準は以下のとおりであり、評価結果を表2に示す。
(引張試験)
硬化膜単体を幅5mm長さ50mmの短冊状に切り出し、引張試験機(島津製作所製)を用い、一対のチャックで試料の両端部を把持し、25℃-50%RHの雰囲気下、引張速度50mm/分の条件で測定を実施し、試料が破断したときの長さを求め、下記式より破断伸度を求めた。なお、初期長さは15mm(試験開始時の一対のチャック間距離)である。
(破断伸度)=((破断した時の長さ)-(初期長さ))/(初期長さ)
(ガラス転移温度の測定)
硬化膜単体を幅5mm長さ50mmの短冊状に切り出し、粘弾性測定装置を用い、一対のチャックで試料の両端部を把持し、昇温スピード10℃/分、周波数1Hzの条件で動的粘弾性の測定を実施した。ガラス転移温度は、粘弾性測定で得られる貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”の比で表されるtanδのピーク位置の中で、最もピーク強度が大きいtanδの温度を読み取った値である。なお、tanδは下記式より求めることができる。
(tanδ)=((貯蔵弾性率E’)/(損失弾性率E”))
<IMG評価基板の作製>
得られた光硬化組成物1~8を、対向くし型電極パターン付基板(レイテック(株)製、L/S=18μm/18μm)上に塗布し、回転数1,000~3,000rpmでスピンコートし、くし型電極の重ね代を覆う塗膜を得た。得られた基板に、UV-LEDランプ「LSS-08aAUV」(シーシーエス社製、ランプ波長:365nm)を用いて、波長365nmの紫外線を2000mJ/cmのUV露光量(Opsytec社製UVモニター(「UV-Pad」)で測定、波長:UV-A(315-400nm))で照射することで塗膜を光硬化し、クリーンオーブンDT-610(ヤマト科学(株)製)200℃で60分間加熱焼成することで、銅電極上の塗膜の厚さが約10μmのIMG評価基板1~8を得た。
<密着性評価基板の作製>
得られた光硬化組成物1~8を、フレキシブル銅張積層板(コネクテックジャパン(株)製、以後銅基板と呼ぶ)上に塗布し、回転数1,000~3,000rpmでスピンコートし、塗膜を得た。得られた銅基板に、UV-LEDランプ「LSS-08aAUV」(シーシーエス社製、ランプ波長:365nm)を用いて、波長365nmの紫外線を2,000mJ/cmのUV露光量(Opsytec社製UVモニター(「UV-Pad」)で測定、波長:UV-A(315-400nm))で照射することで塗膜を光硬化し、クリーンオーブンDT-610(ヤマト科学(株)製)200℃で60分間加熱焼成することで、塗膜の厚さが約10μmの密着性評価基板1~8を得た。
<膜応力評価基板の作製>
得られた光硬化組成物1~8を、4cm×4cmのガラス(EagleXG)上に塗布し、回転数1,000~3,000rpmでスピンコートし、塗膜を得た。得られた基板に、UV-LEDランプ「LSS-08aAUV」(シーシーエス社製、ランプ波長:365nm)を用いて、波長365nmの紫外線を2,000mJ/cmのUV露光量(Opsytec社製UVモニター(「UV-Pad」)で測定、波長:UV-A(315-400nm))で照射することで塗膜を光硬化し、クリーンオーブンDT-610(ヤマト科学(株)製)200℃で60分間加熱焼成することで、硬化膜の厚さが約10μmの膜応力評価基板1~8を得た。
<硬化基板の評価>
上記で得られたIMG評価基板1~8、密着性評価基板1~8および膜応力評価基板1~8を用いて、それぞれイオンマイグレーション耐性、銅基板対する密着性および膜応力を評価した。
各試験方法および評価基準は以下のとおりであり、評価結果を表2に示す。
(イオンマイグレーション耐性試験)
上記で得られたIMG評価基板1~8について、イオンマイグレーション耐性を以下の方法により評価した。
得られたMG評価基板とイオンマイグレーションテスターMIG-87(IMV(株)製)を配線にて接続し、HASTチャンバーEHS-411M(エスペック(株)製)内に設置した後、130℃×85%の環境下、30Vの直流電圧を100時間印加した。
(評価基準)
IMG評価基板の各4個について上記試験を行い、100時間の印加終了時、抵抗値が1×10以上を示した試料をパスした試料とした。試験をパスした試料の個数によりイオンマイグレーション耐性を評価した。
X/4:IMG試料4個のうち、試験をパスしたものがX個
(密着性:碁盤目剥離試験)
密着性評価基板上に得られた硬化物を、1mm×1mmの正方形状(碁盤目)状にクロスカットして、切り目に囲まれた100個の領域を作製した。その領域の上から粘着性のある剥離用のテープを貼り付けて、剥がした時の剥がれた領域の数により評価を行った。その結果を下記評価基準にのっとり評価した。剥離用のテープは、Scotch#610(製品名、スリーエム社製)、402N/100mm(縦方向)を使用した。
(評価基準)
◎:100個の領域のうち1個も剥がれない
〇:欠損エリア(剥がれた領域)が5%以下
△:欠損エリアが5%を超えて50%以下
×:欠損エリアが51%を超える
(膜応力の測定)
膜応力評価基板の塗膜形成前のガラスおよび硬化膜形成後の基板表面について、段差計(P-16+;ケーエルエー・テンコール(株)製)を用いて、基板の対角線上(4cm)のプロファイルを計測した。得られたプロファイルより、硬化膜形成前後の曲率半径を算出し、下記式(X1)より膜応力を、下記式(X2)からガラスの反り変化量を求めた。
Figure 2022137835000061

(式中のσfは膜応力(MPa)、Esはガラス基板の弾性率、tsは硬化膜の膜厚、tfは硬化膜の膜厚、νsはガラスのポアソン比、R1は硬化膜形成後基板の曲率半径、R0はガラス基板の曲率半径を表す。)
(反り変化量)=(塗布後基板の反り量)-(塗布前基板の反り量) 式(X2)
(インクの吐出性試験)
各実施例および比較例で得られた光硬化性組成物1~8の吐出性を評価した。光硬化性組成物1~8をインクジェットカートリッジDMC-11610(FUJIFILM社製)に注入し、これをインクジェット装置(FUJIFILM社のDMP-2831)に装着し、吐出電圧(ピエゾ電圧)17~25V、ヘッド温度32~70℃、駆動周波数5kHz、塗布回数1回の吐出条件で評価基準は以下のとおりである。評価結果を表2に示す。
〇:連続した12以上のノズルの吐出が良好
△:連続した4~11のノズルの吐出が良好
×:連続した4以下のノズルの吐出が良好
(光硬化性試験)
得られた光硬化組成物1~8を、4cm×4cmのガラス(EagleXG)上に塗布し、回転数1,000~3,000rpmでスピンコートし、光硬化性試験用塗膜1~7を作製した。得られた塗膜に、UV-LEDランプ「LSS-08aAUV」(シーシーエス社製、ランプ波長:365nm)を用いて、波長365nmの紫外線を2,000mJ/cmのUV露光量(Opsytec社製UVモニター(「UV-Pad」)で測定、波長:UV-A(315-400nm))で照射した。塗膜表面を指で接触し、タック性の有無を評価した。
(評価基準)
◎:タック性なし
〇:タック性あり
×:液状(未硬化)
Figure 2022137835000062
Figure 2022137835000063
表1、2に示すように、ダイマージアミンから誘導された構造単位を有し末端に(メタ)アクリロイルを有するポリウレア-(メタ)アクリレート化合物を含有した組成物は、光硬化性が良く、また、得られた硬化物の膜応力が小さい。この結果から、ダイマー酸の構造により硬化収縮による応力を緩和させ、硬化膜の膜応力と反り量を低減させたと考えられる。
また、ダイマージアミンから誘導された構造単位を有し末端に(メタ)アクリロイルを有する化合物を含有したポリウレア-(メタ)アクリレート組成物は、光硬化性組成物の粘度を高くすることが可能であり、アプリケーターやジェットディスペンサーを使用した塗布方法を想定したインクとして好適に使用することができる。
本発明のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物は、シリコン基板、ガラス基板、ポリイミド基板やこれらの基板上に金属配線、電極などの導体が形成された基板との密着性およびイオンマイグレーション耐性および低反り性に優れる硬化物の形成に利用することができる。

Claims (15)

  1. 式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)、
    Figure 2022137835000064

    (式(1)中、Rはそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Rは炭素数1~12のアルキレンを表し、nは1または2を表す。)
    およびダイマージアミン(B)が重付加し、尿素結合を形成しているポリウレア-(メタ)アクリレート化合物。
  2. 式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)、
    Figure 2022137835000065

    (式(1)中、Rはそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Rは炭素数1~12のアルキレンを表し、nは1または2を表す。)
    ダイマージアミン(B)、および
    ジイソシアネート(C)
    が重付加し、尿素結合を形成しており、ジイソシアネート(C)の少なくとも一部がトリイソシアネート(D)に置き換わり、分岐構造を有していてもよい、ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物。
  3. ダイマージアミン(B)が、式(2)および式(3)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項1または2に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物。
    Figure 2022137835000066

    (式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、aおよびbはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数と、aおよびbの合計は38以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
    Figure 2022137835000067

    (式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、cおよびdはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数と、cおよびdの合計は42以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
  4. ジイソシアネート(C)が、式(4)~(11)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2または3に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物。
    Figure 2022137835000068

    Figure 2022137835000069

    (式(4)~(7)中、R~R10は、それぞれ独立して水素または炭素数が1~7のアルキルであり、Xは、それぞれ独立して、炭素数が1~7のアルキレンであり;
    Yは、酸素、硫黄、炭素数が1~7のアルキレン、-C(CF-または-SO-である。)
    Figure 2022137835000070

    Figure 2022137835000071

    (式(10)中、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、eおよびfはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつR11およびR12に含まれる各炭素数と、eおよびfの合計は38以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
    Figure 2022137835000072

    (式(11)中、R13およびR14はそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、gおよびhはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつR13およびR14に含まれる各炭素数と、gおよびhの合計は42以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
  5. トリイソシアネート(D)が、トリフェニルメタントリイソシアネートおよび式(12)~式(14)のいずれかの構造を有する化合物から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2~4のいずれか1項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物。
    Figure 2022137835000073
    (式(12)中、nは0または1~20の整数を表す。)
    Figure 2022137835000074
    (式(13)中、R15は炭素数2~6の炭化水素基を表す。)
    Figure 2022137835000075
    (式(14)中、R16は炭素数2~6の炭化水素基を表す。)
  6. 式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)、
    Figure 2022137835000076

    (式(1)中、Rはそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Rは炭素数1~12のアルキレンを表し、nは1または2を表す。)
    およびダイマージアミン(B)が重付加し、尿素結合を形成しているポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
  7. 式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)、
    Figure 2022137835000077

    (式(1)中、Rはそれぞれ独立してHまたはCHを表し、Rは炭素数1~12のアルキレンを表し、nは1または2を表す。)
    ダイマージアミン(B)、および
    ジイソシアネート(C)
    を重付加反応させ、尿素結合を形成しており、ジイソシアネート(C)の少なくとも一部がトリイソシアネート(D)に置き換わり、分岐構造を有していてもよい、ポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
  8. ダイマージアミン(B)が、式(2)および式(3)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む、請求項6または7に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
    Figure 2022137835000078

    (式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、aおよびbはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数と、aおよびbの合計は38以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
    Figure 2022137835000079

    (式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、cおよびdはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつRおよびRに含まれる各炭素数と、cおよびdの合計は42以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
  9. ジイソシアネート(C)が、式(4)~(11)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項7または8に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
    Figure 2022137835000080

    Figure 2022137835000081

    (式(4)~(7)中、R~R10は、それぞれ独立して水素または炭素数が1~7のアルキルであり、Xは、それぞれ独立して、炭素数が1~7のアルキレンであり;
    Yは、それぞれ独立して、酸素、硫黄、炭素数が1~7のアルキレン、-C(CF-または-SO-である。)
    Figure 2022137835000082

    Figure 2022137835000083

    (式(10)中、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、eおよびfはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつR11およびR12に含まれる各炭素数と、eおよびfの合計は38以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
    Figure 2022137835000084

    (式(11)中、R13およびR14はそれぞれ独立して炭素数1以上のアルキルであり、gおよびhはそれぞれ独立して1以上の整数であり、かつR13およびR14に含まれる各炭素数と、gおよびhの合計は42以下であり、式中の任意のC-C間の結合が二重結合に置き換わっていてもよい。)
  10. トリイソシアネート(D)が、トリフェニルメタントリイソシアネートおよび式(12)~式(14)の構造を有する化合物から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項7~9のいずれか1項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
    Figure 2022137835000085
    (式中、nは0または1~20の整数を表す。)
    Figure 2022137835000086

    (式中、R15は、それぞれ独立して炭素数2~6の炭化水素基を表す。)
    Figure 2022137835000087

    (式中、R16は、それぞれ独立して炭素数2~6の炭化水素基を表す。)
  11. 請求項1~5のいずれか1項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物(A)を含む硬化性組成物。
  12. (成分I)請求項1~5のいずれか1項に記載のポリウレア-(メタ)アクリレート化合物(A)、
    (成分II)式(1)で表されるイソシアネート化合物(A)以外の(メタ)アクリロイル含有化合物、および
    (成分III)重合開始剤
    を含む硬化性組成物。
  13. 請求項11または請求項12に記載の硬化性組成物を含有する、活性エネルギー線硬化型インク組成物。
  14. 請求項11または12に記載の硬化性組成物、または請求項13に記載の活性エネルギー線硬化型インク組成物のいずれかを硬化することで得られる硬化物。
  15. 請求項14に記載の硬化物を含む電子部品。
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