JP2022127132A - 電子写真機器用帯電ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】放電特性の均一性に優れる電子写真機器用帯電ロールを提供する。【解決手段】弾性体層14の外周面に軸方向に沿って規則的に螺旋を描く溝部22が形成され、溝幅wが4μm以上280μm以下、溝深さdが2μm以上30μm以下、弾性体層14の外周面のうち溝部22の底面221の面積aと平面部24の面積bとの面積比a/bが0.3以上2.4以下であり、表層16はバインダーポリマー16aおよび粗さ形成用粒子18を含み、粗さ形成用粒子18は平面部24上および溝部22上にそれぞれ配置され、溝部22上の領域Mにおける表層16の表面粗さRzが2μm以上16μm以下、表層16全体の表面粗さRzが5μm以上26μm以下であり、平面部24上の粗さ形成用粒子18bを覆っているバインダーポリマー16aの厚みt2よりも溝部22上の粗さ形成用粒子18aを覆っているバインダーポリマー16aの厚みt1が厚い帯電ロール10とする。【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器において好適に用いられる電子写真機器用帯電ロールに関するものである。
電子写真機器の帯電ロールとしては、芯金などの軸体の外周面上にゴム弾性を有する弾性体層を有し、その弾性体層の外周面上に表層を有するものが知られている。また、帯電ロールでは、例えば荷電特性などから、表層のバインダーポリマーに粗さ形成用粒子を添加することがある。
国際公開2018/025870
しかしながら、表層に添加された粗さ形成用粒子は凝集しやすいことから、粗さ形成用粒子を添加する粗さ形成方法においては表面粗さの均一性が低下しやすい。特に、粒径の異なる2種以上の粗さ形成用粒子を用いて表面凹凸を形成しようとすると、粒径の異なる粒子ごとに凝集するため、表面粗さの均一性が特に低下しやすい。表面粗さの均一性が低下すると、帯電ロールの放電特性の均一性が低下するおそれがある。
本発明が解決しようとする課題は、放電特性の均一性に優れる電子写真機器用帯電ロールを提供することにある。
本発明に係る電子写真機器用帯電ロールは、軸体と、前記軸体の外周面上に形成された弾性体層と、前記弾性体層の外周面上に形成された表層と、を備え、前記弾性体層の外周面には、軸方向に沿って規則的に螺旋を描く溝部が形成されており、前記溝部の溝幅が4μm以上280μm以下であり、前記溝部の溝深さが2μm以上30μm以下であり、前記弾性体層の外周面のうち、前記溝部の底面の面積aと、前記溝部以外の部分である平面部の面積bと、の面積比a/bが、0.3以上2.4以下であり、前記表層は、バインダーポリマーおよび粗さ形成用粒子を含んでおり、前記粗さ形成用粒子は、前記弾性体層の前記平面部上および前記溝部上にそれぞれ配置されており、前記溝部上の領域における前記表層の表面粗さRzが、2μm以上16μm以下であり、前記表層全体の表面粗さRzが、5μm以上26μm以下であり、前記平面部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みよりも、前記溝部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みが厚いものである。
前記粗さ形成用粒子は、1種類の粒子で構成されているとよい。前記粗さ形成用粒子の材質は、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂のうちのいずれか1種であるとよい。前記粗さ形成用粒子の平均粒子径は、3μm以上32μm以下であるとよい。前記平面部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みと、前記溝部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みの差は、4μm以上16μm以下であるとよい。前記弾性体層は、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴムのうちのいずれか1種以上を含むとよい。前記表層のバインダーポリマーは、ポリウレタン、ポリアミドのうちのいずれか1種であるとよい。前記弾性体層の外周面には、軸方向に沿って規則的に右ねじ様に螺旋を描く溝部と軸方向に沿って規則的に左ねじ様に螺旋を描く溝部とが交差する網目状の溝部が形成されているとよい。
本発明に係る電子写真機器用帯電ロールによれば、軸体と、前記軸体の外周面上に形成された弾性体層と、前記弾性体層の外周面上に形成された表層と、を備え、前記弾性体層の外周面には、軸方向に沿って規則的に螺旋を描く溝部が形成されており、前記溝部の溝幅が4μm以上280μm以下であり、前記溝部の溝深さが2μm以上30μm以下であり、前記弾性体層の外周面のうち、前記溝部の底面の面積aと、前記溝部以外の部分である平面部の面積bと、の面積比a/bが、0.3以上2.4以下であり、前記表層は、バインダーポリマーおよび粗さ形成用粒子を含んでおり、前記粗さ形成用粒子は、前記弾性体層の前記平面部上および前記溝部上にそれぞれ配置されており、前記溝部上の領域における前記表層の表面粗さRzが、2μm以上16μm以下であり、前記表層全体の表面粗さRzが、5μm以上26μm以下であり、前記平面部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みよりも、前記溝部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みが厚いことから、放電特性の均一性に優れる。
前記粗さ形成用粒子が1種類の粒子で構成されていると、弾性体層の凹凸形状を帯電ロールの表面凹凸に反映しやすいため、帯電ロールの表面凹凸を制御しやすい。また、粗さ形成用粒子の凝集を制御しやすいため、表面粗さの均一性を向上することができる。さらに、粗さ形成用粒子を覆うバインダーポリマーの厚みを調整しやすいため、放電特性の均一性を向上することができる。
前記粗さ形成用粒子の材質が、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂のうちのいずれか1種であると、誘電率の高い材料で前記粗さ形成用粒子が構成されるため、ロール表面の帯電性が向上する。
前記粗さ形成用粒子の平均粒子径が3μm以上32μm以下であると、適切な凹凸が形成されやすい。これにより、放電特性の均一性を向上することができる。
前記平面部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みと前記溝部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みの差が4μm以上であると、平面部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの表面の電荷量が相対的に大きくなり、黒点画像が発生しない環境幅が広がる。また、上記厚みの差が16μm以下であると、適切な厚みに維持されるため、適切な凹凸が形成されやすい。これにより、放電特性の均一性を向上することができる。
前記弾性体層がイソプレンゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴムのうちのいずれか1種以上を含むと、圧縮永久歪が小さく、帯電ロールのセット時における変形部に対応するスジ画像の発生が抑えられる。
前記表層のバインダーポリマーが、ポリウレタン、ポリアミドのうちのいずれか1種であると、誘電率の高い材料で前記バインダーポリマーが構成されるため、ロール表面の帯電性が向上する。また、圧縮永久歪が小さく、帯電ロールのセット時における変形部に対応するスジ画像の発生が抑えられる。
前記弾性体層の外周面に、軸方向に沿って規則的に右ねじ様に螺旋を描く溝部と軸方向に沿って規則的に左ねじ様に螺旋を描く溝部とが交差する網目状の溝部が形成されていると、表面粗さの均一性が向上する。これにより、放電特性の均一性を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る電子写真機器用帯電ロールの外観模式図(a)と、そのA-A線断面図(b)である。 弾性体層の外周面に形成された溝部の形状を示す弾性体層の外観模式図である。 表層の拡大断面図である。 弾性体層の外周面に形成された溝部の形状の変形例を示す弾性体層の外観模式図である。
本発明に係る電子写真機器用帯電ロール(以下、単に帯電ロールということがある。)について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子写真機器用帯電ロールの外観模式図(a)と、そのA-A線断面図(b)である。図2は、弾性体層の外周面に形成された溝部の形状を示す弾性体層の外観模式図である。図3は、表層の拡大断面図である。
帯電ロール10は、軸体12と、軸体12の外周面上に形成された弾性体層14と、弾性体層14の外周面上に形成された表層16と、を備える。弾性体層14は、帯電ロール10のベースとなる層(基層)である。表層16は帯電ロール10の表面に現れる層となっている。なお、特に図示しないが、必要に応じて、抵抗調整層等の中間層が、弾性体層14と表層16の間に形成されていてもよい。
軸体12は、導電性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。軸体12の表面には、必要に応じて、接着剤、プライマーなどを塗布しても良い。つまり、弾性体層14は、接着剤層(プライマー層)を介して軸体12に接着されていてもよい。接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行っても良い。
図2に示すように、弾性体層14の外周面には、軸方向に沿って規則的に螺旋を描く溝部22が形成されている。より具体的には、弾性体層14の外周面には、軸方向に沿って規則的に右ねじ様に螺旋を描く溝部22aと軸方向に沿って規則的に左ねじ様に螺旋を描く溝部22bとが交差する網目状の溝部22が形成されている。規則的とは、軸方向に一定の間隔で溝部22が形成されていることをいう。弾性体層14の外周面において、溝部22以外の部分は平面部24である。図3に示すように、平面部24は、溝部22の底面221よりも径方向外側に突出している。弾性体層14は、相対的に径方向内側に配置される溝部22の底面221と相対的に径方向外側に配置される平面部24とにより、外周面に表面凹凸が形成されたものとなっている。そして、溝部22が軸方向に沿って規則的に螺旋を描くように形成されているため、弾性体層14の外周面には、均一な表面凹凸が形成されている。また、軸方向に沿って規則的に右ねじ様に螺旋を描く溝部22aと左ねじ様に螺旋を描く溝部22bとが交差する網目状の溝部22が形成されているため、網目状ではない溝部のものと比較して、弾性体層14の外周面には、より均一な表面凹凸が形成されている。
溝部22の溝幅wは、4μm以上280μm以下である。また、溝部22の溝深さdは、2μm以上30μm以下である。そして、弾性体層14の外周面のうち、溝部22の底面221の面積aと平面部24の面積bとの面積比a/bは、0.3以上2.4以下である。
溝部22の溝幅wが4μm未満であると、溝幅wが小さすぎて、粗さ形成用粒子18が溝部22に入らなくなる。このため、平面部24上の粗さ形成用粒子18bに起因する表面粗さRzと溝部22上の粗さ形成用粒子18aに起因する表面粗さRzの差が小さくなり、帯電不足による横スジが発生する。小さい溝幅wに収まる大きさの粗さ形成用粒子18を用いると、十分な放電を確保する粗さが形成できなくなる。また、この観点から、溝部22の溝幅wは、用いる粗さ形成用粒子18の平均粒子径の大きさに合わせて、5μm以上、10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm以上、50μm以上などにするとよい。
溝部22の溝幅wが280μm超であると、溝幅wが大きすぎて、粗さ形成用粒子18を溝部22に均一に配置できなくなる。大きい溝幅wに合う大きさの粗さ形成用粒子18を用いると、粗さ形成用粒子18に起因する凸部が大きくなりすぎて、表面粗さが大きくなりすぎ、適切な表面粗さにすることができない。これにより、均一な放電特性が得られない。また、溝幅wが大きすぎると、溝部22上の粗さ形成用粒子18を覆うバインダーポリマー16aが感光体に接触しやすくなるため、平面部24上の粗さ形成用粒子18bを覆うバインダーポリマー16aおよびその下の粗さ形成用粒子18bの摩耗だけでなく溝部22上の粗さ形成用粒子18aを覆うバインダーポリマー16aおよびその下の粗さ形成用粒子18aの摩耗も発生するため、耐久時に表層16の表面全体が摩耗し、画像にムラが発生する。また、この観点から、溝部22の溝幅wは、用いる粗さ形成用粒子18の平均粒子径の大きさに合わせて、250μm以下、200μm以下、150μm以下、100μm以下などにするとよい。
溝部22の溝深さdが2μm未満であると、溝深さdが小さすぎて、平面部24上の粗さ形成用粒子18bに起因する表面粗さRzと溝部22上の粗さ形成用粒子18aに起因する表面粗さRzの差が小さくなりすぎて、帯電不足による横スジが発生する。小さい溝深さdに合わせて小さい粗さ形成用粒子18を用いると、十分な放電を確保する粗さが形成できなくなる。また、この観点から、溝部22の溝深さdは、用いる粗さ形成用粒子18の平均粒子径の大きさに合わせて、3μm以上、5μm以上、10μm以上などにするとよい。
溝部22の溝深さdが30μm超であると、溝深さdが大きすぎて、溝部22に配置する粗さ形成用粒子18によって溝部22上に表面粗さを形成することができない。このため、耐久後の画像に黒点(カブリ)が発生する。大きい溝深さdに合わせて大きい粗さ形成用粒子18を用いると、平面部24上の粗さ形成用粒子18bに起因する表面粗さRzと溝部22上の粗さ形成用粒子18aに起因する表面粗さRzの差が大きくなりすぎて、放電しにくくなる。また、この観点から、溝部22の溝深さdは、用いる粗さ形成用粒子18の平均粒子径の大きさに合わせて、25μm以下、20μm以下などにするとよい。
溝部22の底面221の面積aと平面部24の面積bとの面積比a/bが0.3未満であると、あるいは2.4超であると、底面221の面積aと平面部24の面積bのバランスが悪くなり、表面凹凸の均一性が低下する。これにより、耐久後にムラ画像が発生しやすい。また、底面221の面積aと平面部24の面積bのバランスが悪くなると、弾性体層14と表層16の密着性が低下する。また、この観点から、面積比a/bは、0.5以上、0.7以上などにするとよい。また、2.0以下、1.8以下、1.5以下などにするとよい。
溝部22の溝幅wは、弾性体層14の外周面をレーザー顕微鏡にて撮影し、撮影した画像に観察される溝部22の100点の溝幅wの平均から算出する。溝部22の溝深さdは、弾性体層14の径方向の断面をレーザー顕微鏡にて撮影し、撮影した画像に観察される溝部22の100点の溝深さdの平均から算出する。溝部22の底面221の面積aと平面部24の面積bとの面積比a/bは、弾性体層14の外周面の任意の5か所をレーザー顕微鏡にて撮影し、撮影した画像の所定の範囲(0.1mm×0.1mm)に観察される溝部22の底面221の面積aと平面部24の面積bをそれぞれ算出し、その比の平均から算出する。
弾性体層14は、架橋ゴムを含有する。弾性体層14は、未架橋ゴムを含有する導電性ゴム組成物により形成される。架橋ゴムは、未架橋ゴムを架橋することにより得られる。未架橋ゴムは、極性ゴムであってもよいし、非極性ゴムであってもよい。
極性ゴムは、極性基を有するゴムであり、極性基としては、クロロ基、ニトリル基、カルボキシル基、エポキシ基などを挙げることができる。極性ゴムとしては、具体的には、ヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、アクリルゴム(アクリル酸エステルと2-クロロエチルビニルエーテルとの共重合体、ACM)、クロロプレンゴム(CR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などを挙げることができる。極性ゴムのうちでは、体積抵抗率が特に低くなりやすいなどの観点から、ヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)がより好ましい。
ヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリンの単独重合体(CO)、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン-アリルグリシジルエーテル二元共重合体(GCO)、エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)などを挙げることができる。
ウレタンゴムとしては、分子内にエーテル結合を有するポリエーテル型のウレタンゴムを挙げることができる。ポリエーテル型のウレタンゴムは、両末端にヒドロキシル基を有するポリエーテルとジイソシアネートとの反応により製造できる。ポリエーテルとしては、特に限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。ジイソシアネートとしては、特に限定されるものではないが、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。
非極性ゴムとしては、シリコーンゴム(Q)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)などが挙げられる。非極性ゴムのうちでは、低硬度でへたりにくい(弾性回復性に優れる)などの観点から、シリコーンゴムがより好ましい。
弾性体層14は、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴムのうちのいずれか1種以上を含むとよい。弾性体層14がイソプレンゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴムのうちのいずれか1種以上を含むと、圧縮永久歪が小さく、帯電ロール10のセット時における変形部に対応するスジ画像の発生が抑えられる。
架橋剤としては、硫黄架橋剤、過酸化物架橋剤、脱塩素架橋剤を挙げることができる。これらの架橋剤は、単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
硫黄架橋剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、塩化硫黄、チウラム系加硫促進剤、高分子多硫化物などの従来より公知の硫黄架橋剤を挙げることができる。
過酸化物架橋剤としては、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ケトンパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ジアシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイドなどの従来より公知の過酸化物架橋剤を挙げることができる。
脱塩素架橋剤としては、ジチオカーボネート化合物を挙げることができる。より具体的には、キノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-メチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-イソプロピルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、5,8-ジメチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネートなどを挙げることができる。
架橋剤の配合量としては、ブリードしにくいなどの観点から、未架橋ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1~2質量部の範囲内、より好ましくは0.3~1.8質量部の範囲内、さらに好ましくは0.5~1.5質量部の範囲内である。
架橋剤として脱塩素架橋剤を用いる場合には、脱塩素架橋促進剤を併用しても良い。脱塩素架橋促進剤としては、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7(以下、DBUと略称する。)もしくはその弱酸塩を挙げることができる。脱塩素架橋促進剤は、DBUの形態として用いても良いが、その取り扱い面から、その弱酸塩の形態として用いることが好ましい。DBUの弱酸塩としては、炭酸塩、ステアリン酸塩、2-エチルヘキシル酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩、フェノール樹脂塩、2-メルカプトベンゾチアゾール塩、2-メルカプトベンズイミダゾール塩などを挙げることができる。
脱塩素架橋促進剤の含有量としては、ブリードしにくいなどの観点から、未架橋ゴム100質量部に対して、0.1~2質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.3~1.8質量部の範囲内、さらに好ましくは0.5~1.5質量部の範囲内である。
弾性体層14には、導電性付与のため、導電剤を配合することができる。導電剤としては、電子導電剤、イオン導電剤が挙げられる。電子導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、導電性金属酸化物が挙げられる。導電性金属酸化物としては、導電性チタン酸化物、導電性亜鉛酸化物、導電性スズ酸化物などが挙げられる。イオン導電剤としては、4級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤などが挙げられる。また、弾性体層14には、必要に応じて、各種添加剤を適宜添加しても良い。添加剤としては、滑剤、加硫促進剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などを挙げることができる。
弾性体層14は、架橋ゴムの種類、イオン導電剤の配合量、電子導電剤の配合などにより、所定の体積抵抗率に調整することができる。弾性体層14の体積抵抗率は、用途などに応じて10~1010Ω・cm、10~10Ω・cm、10~10Ω・cmの範囲などに適宜設定すればよい。
弾性体層14の厚みは、特に限定されるものではなく、用途などに応じて0.1~10mmの範囲内などで適宜設定すればよい。
表層16は、バインダーポリマー16aと、粗さ形成用粒子18と、を含む。
バインダーポリマー16aは、表層16を構成するベースポリマーである。バインダーポリマー16aとしては、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ブチラール樹脂(PVB)、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素ゴム、フッ素樹脂、フッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物、シリコーン樹脂、シリコーングラフトアクリルポリマー、アクリルグラフトシリコーンポリマー、ニトリルゴム、ウレタンゴムなどを挙げることができる。
バインダーポリマー16aは、ポリウレタン、ポリアミドのうちのいずれか1種が好ましい。表層16のバインダーポリマー16aがポリウレタン、ポリアミドのうちのいずれか1種であると、誘電率の高い材料でバインダーポリマー16aが構成されるため、ロール表面の帯電性が向上する。また、圧縮永久歪が小さく、帯電ロール10のセット時における変形部に対応するスジ画像の発生が抑えられる。ポリウレタンには、ウレタン樹脂、ウレタンゴム、ウレタンエラストマーが含まれる。ポリアミドは、変性されたものであってもよい。変性ポリアミドとしては、N-メトキシメチル化ナイロンなどのアルコキシ化ポリアミドなどを挙げることができる。
粗さ形成用粒子18は、表層16の表面に粗さを付与するための粒子である。つまり、表層16の表面に凹凸を付与するための粒子である。図3に示すように、粗さ形成用粒子18は、弾性体層14の平面部24上および溝部22上にそれぞれ配置されている。弾性体層14の平面部24と溝部22の底面221との間の段差により、平面部24上の粗さ形成用粒子18b(平面部24上に配置される粗さ形成用粒子18b)と溝部22上の粗さ形成用粒子18a(溝部22上に配置される粗さ形成用粒子18a)とは、同じ粒子径であっても、径方向外側への突出度合が異なっている。弾性体層14の平面部24と溝部22の底面221との間の段差により、平面部24上の粗さ形成用粒子18bが溝部22上の粗さ形成用粒子18aよりも径方向外側に突出している。
径方向外側により突出している、平面部24上の粗さ形成用粒子18bに起因する凸部が感光体に接触する部分となり、径方向のより内側にある、溝部22上の粗さ形成用粒子18aに起因する凸部は感光体に接触しない部分となる。溝部22上の粗さ形成用粒子18aに起因する凸部は、放電の起点となる。表層16は、平面部24上の粗さ形成用粒子18bを含むことで、感光体と帯電ロール10との間に適切な放電空間が確保される。また、表層16は、溝部22上の粗さ形成用粒子18aを含むことで、放電の起点が確保される。このように、表層16の表面凹凸は、感光体と帯電ロール10との間における放電空間を増加させ、放電を促す。これにより、帯電性を向上させ、横スジやムラなどの画像不具合を抑えることができる。本発明に係る帯電ロール10では、弾性体層14の平面部24と溝部22の底面221との間に段差があることで、表層16に含まれる粗さ形成用粒子18が同じ粒子径であっても、容易に感光体と帯電ロール10との間に適切な放電空間と放電の起点を形成することができる。
溝部22上の領域Mにおける表層16の表面粗さRzは、2μm以上16μm以下とする。また、表層16全体の表面粗さRzは、5μm以上26μm以下とする。これにより、感光体と帯電ロール10との間に適切な放電空間と放電の起点を形成することができる。
溝部22上の領域Mにおける表層16の表面粗さRzが2μm未満であると、この表面粗さRzが小さすぎて放電の起点が不十分であり、放電が不十分となって、耐久後の画像において黒点(カブリ)が抑えられない。また、この観点から、この表面粗さRzは、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。一方、溝部22上の領域Mにおける表層16の表面粗さRzが16μm超であると、表層16全体の表面粗さRzが大きくなりすぎて、放電しにくくなり、耐久後の画像において黒点(カブリ)が抑えられない。また、この観点から、この表面粗さRzは、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは12μm以下である。
表層16全体の表面粗さRzが5μm未満であると、この表面粗さRzが小さすぎて放電の起点が不十分であり、放電が不十分となって、耐久後の画像において黒点(カブリ)が抑えられない。また、この観点から、この表面粗さRzは、より好ましくは7μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。一方、表層16全体の表面粗さRzが26μm超であると、この表面粗さRzが大きくなりすぎて、放電しにくくなり、耐久後の画像において黒点(カブリ)が抑えられない。また、この観点から、この表面粗さRzは、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
表面粗さRzは、10点平均粗さであり、JIS B0601(1994)に準拠して、任意の5か所で測定された値の平均値である。表層16全体の表面粗さRzは、レーザー顕微鏡(例えばキーエンス製「VK-9510」など)を用いて観察することにより測定することができる。400倍で撮影した画像において、解析プログラム(プログラム名 KEYENCE VK Analyzer解析アプリケーション)における面粗さモードにて算出された値を表層16全体の表面粗さRzとすることができる。溝部22上の領域における表層16の表面粗さRzは、レーザー顕微鏡(例えばキーエンス製「VK-9510」など)を用いて観察することにより測定することができる。撮影した画像において、解析プログラム(プログラム名 KEYENCE VK Analyzer解析アプリケーション)における面粗さモードにて溝部0.01mmを選択して算出された値を溝部22上の領域における表層16の表面粗さRzとすることができる。
表層16の表面粗さRzは、溝部22の溝幅w、溝深さd、溝部22の底面221と平面部24の面積比a/b、粗さ形成用粒子18の粒子径、バインダーポリマー16aの厚みなどを調整することにより調整することができる。
粗さ形成用粒子18としては、樹脂製粒子、無機粒子など、帯電ロールの表層16に添加される粗さ形成用粒子18として用いられる粒子が用いられる。粗さ形成用粒子18の材質は、特に限定されるものではない。粗さ形成用粒子18の材質としては、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂のうちのいずれか1種が好ましい。粗さ形成用粒子18の材質がポリウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂のうちのいずれか1種であると、誘電率の高い材料で粗さ形成用粒子18が構成されるため、ロール表面の帯電性が向上する。
粗さ形成用粒子18の大きさは、特に限定されるものではないが、適切な凹凸が形成され、放電特性の均一性を向上することができるなどの観点から、平均粒子径3μm以上32μm以下が好ましい。より好ましくは平均粒子径5μm以上30μm以下、さらに好ましくは平均粒子径10μm以上30μm以下が好ましい。粗さ形成用粒子18の平均粒子径は、表層16の表面をレーザー顕微鏡にて観察し、表面観察時に見える粗さ形成用粒子18の直径を粒径とし、任意の20点の平均で表す。
粗さ形成用粒子18は、1種類の粒子で構成されていてもよいし、2種類以上の粒子で構成されていてもよい。1種類の粒子とは、第1に、材質の同じ粒子をいう。材質が同じであるとは、ポリマー製の粒子において、広い範囲で、例えばポリウレタンに含まれるものどうしを同じものといってもよいし、狭い範囲で、モノマーの構成が同じものを同じものといってもよい。より好ましくは、狭い範囲で、モノマーの構成が同じものを同じものとするとよい。また、1種類の粒子とは、第2に、粒子径の同じ粒子をいう。粒子径が同じであるとは、粒子径が均一であることをいう。例えば、任意の位置の50か所について、粗さ形成用粒子18の直径を測定し、その平均をμとし、その偏差をσとし、μ/σが4.97以下である場合をいう。粗さ形成用粒子18の直径は、レーザー顕微鏡(例えばキーエンス製「VK-9510」など)を用いて粒子の直径を観察することにより測定することができる。
粗さ形成用粒子18は、好ましくは1種類の粒子で構成されているとよい。粗さ形成用粒子18が材質や粒子径の異なる2種類以上の粒子で構成されていると、粗さ形成用粒子18の材質や粒子径による放電特性への影響の違いをさらに考慮して粗さ形成用粒子18を覆うバインダーポリマー16aの厚みを調整する必要が生じる。粗さ形成用粒子18が材質や粒子径の面で1種類の粒子で構成されていると、粗さ形成用粒子18を覆うバインダーポリマー16aの厚みを調整しやすい。これにより、放電特性の均一性を向上することができる。また、粒子径の大きく異なる2種類の粒子を含む場合、大きさの異なる粒子それぞれが凝集しやすく分散性が低下しやすい。粗さ形成用粒子18が粒子径の面で1種類の粒子で構成されていると、粗さ形成用粒子18の凝集を制御しやすいため、表面粗さの均一性を向上することができる。また、粗さ形成用粒子18が粒子径の面で1種類の粒子で構成されていると、弾性体層14の凹凸形状を帯電ロールの表面凹凸に反映しやすいため、帯電ロールの表面凹凸を制御しやすい。
表層16において、バインダーポリマー16aの厚みは、所定の厚みとする。溝部22上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの厚みt1は、平面部24上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの厚みt2よりも厚くしている。こうすることで、溝部22上の粗さ形成用粒子18の上での放電量と平面部24上の粗さ形成用粒子18の上での放電量を同じに調整し、放電特性の均一性を向上することができる。これにより、黒点画像の発生を抑えることができる。これは、平面部24上の粗さ形成用粒子18の存在する部分は感光体と接地することで溝部22上の粗さ形成用粒子18の存在する部分よりも放電量に劣るため、各位置で放電量を同じにするためには、溝部22上の粗さ形成用粒子18の存在する部分よりも平面部24上の粗さ形成用粒子18の存在する部分の膜厚を薄くして静電容量を大きくし、表面の電荷量を多くする必要があるからである。
溝部22上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの厚みt1と平面部24上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの厚みt2の差(t1-t2)は、4μm以上16μm以下であることが好ましい。上記厚みの差(t1-t2)が4μm以上であると、平面部24上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの表面の電荷量が相対的に大きくなり、黒点画像が発生しない環境幅が広がる。この観点から、上記厚みの差(t1-t2)は、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは6μm以上である。また、上記厚みの差(t1-t2)が16μm以下であると、適切な厚みに維持されるため、適切な凹凸が形成されやすい。これにより、放電特性の均一性を向上することができる。この観点から、上記厚みの差(t1-t2)は、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは12μm以下である。
溝部22上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの厚みt1は、5μm以上20μm以下であることが好ましい。上記厚みt1が5μm以上であると、放電箇所の抵抗が均一となりやすく、放電特性が均一になりやすい。また、この観点から、上記厚みt1は、より好ましくは6μm以上、さらに好ましくは7μm以上である。そして、上記厚みt1が20μm以下であると、溝部22上の表層16の表面に適度な粗さが確保され、放電領域を確保することができる。また、この観点から、上記厚みt1は、より好ましくは18μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。
平面部24上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの厚みt2は、1.0μm以上4.0μm以下であることが好ましい。上記厚みt2が1.0μm以上であると、放電箇所の抵抗が均一となりやすく、放電特性が均一になりやすい。また、この観点から、上記厚みt2は、より好ましくは1.5μm以上、さらに好ましくは2.0μm以上である。そして、上記厚みt2が4.0μm以下であると、表層16の表面に適度な粗さが確保され、放電領域を確保することができる。また、この観点から、上記厚みt2は、より好ましくは3.5μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下である。
バインダーポリマー16aの厚みt1,t2は、レーザー顕微鏡(例えばキーエンス製「VK-9510」など)を用いて断面を観察することにより測定することができる。例えば、溝部22上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの任意の位置の5か所について、バインダーポリマー16aの厚みを測定し、その平均によってt1を表すことができる。また、平面部24上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの任意の位置の5か所について、バインダーポリマー16aの厚みを測定し、その平均によってt2を表すことができる。
溝部22上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの厚みt1を平面部24上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの厚みt2よりも厚くするには、溝部22上の粗さ形成用粒子18が持つ表面エネルギーの不安定さと、溝部22のベースゴムが持つエネルギーの不安定さの両方を利用するとよい。すなわち、溝部22上の粗さ形成用粒子18がバインダーポリマー16aを多くまとって安定化しようとする点と、溝部22のベースゴムがバインダーポリマー16aを多くまとって安定化しようとする点を利用するとよい。
粗さ形成用粒子18の表層16における含有量は、特に限定されるものではないが、粗さ形成用粒子18の分散性が向上し、均一な帯電性を確保しやすいなどの観点から、表層16のバインダーポリマー16a100質量部に対し、3質量部以上50質量部以下であることが好ましい。より好ましくは5質量部以上30質量部以下である。
表層16には、導電性付与のため、導電剤を配合することができる。導電剤としては、電子導電剤、イオン導電剤が挙げられる。電子導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、導電性金属酸化物が挙げられる。導電性金属酸化物としては、導電性チタン酸化物、導電性亜鉛酸化物、導電性スズ酸化物などが挙げられる。イオン導電剤としては、4級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤などが挙げられる。また、表層16には、必要に応じて、各種添加剤を適宜添加しても良い。添加剤としては、可塑剤、レベリング剤、充填剤、加硫促進剤、加工助剤、離型剤などを挙げることができる。
表層16の体積抵抗率は、帯電性などの観点から、半導電領域に設定するとよい。具体的には、例えば、1.0×10~1.0×1010Ω・cmの範囲内に設定するとよい。体積抵抗率は、JIS K6911に準拠して測定することができる。
弾性体層14は、例えば、次のようにして形成することができる。まず、軸体12をロール成形金型の中空部に同軸的に設置し、未架橋の導電性ゴム組成物を注入して、加熱・硬化(架橋)させた後、脱型するか、あるいは、軸体12の表面に未架橋の導電性ゴム組成物を押出成形するなどにより、軸体12の外周に弾性体層14を形成する。
弾性体層14の外周面に溝部22を形成する方法としては、研磨、型成形などが挙げられる。いずれの方法においても、弾性体層14の外周面に規則的な溝部22を形成することができる。研磨による場合には、例えば、弾性体層14を有するロール体を軸中心に一定速度で回転させながら、弾性体層14の外周面に接触させた砥石を一定速度で一方の軸方向に移動させることにより、弾性体層14の外周面に軸方向に沿って規則的に螺旋を描く溝部22を形成することができる。また、例えば、上記砥石が一方の軸方向に移動した後、他方の軸方向に移動することにより、弾性体層14の外周面に軸方向に沿って規則的に右ねじ様に螺旋を描く溝部22aと軸方向に沿って規則的に左ねじ様に螺旋を描く溝部22bとが交差する網目状の溝部22を形成することができる。
表層16は、表層16の形成材料を用い、これを弾性体層14の外周面に塗工し、乾燥処理などを適宜行うことにより形成することができる。表層16の形成材料は、希釈溶媒を含んでもよい。希釈溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK),メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、イソプロピルアルコール(IPA),メタノール,エタノールなどのアルコール系溶媒、ヘキサン,トルエンなどの炭化水素系溶媒、酢酸エチル,酢酸ブチルなどの酢酸系溶媒、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、水などが挙げられる。
以上の構成の帯電ロール10によれば、弾性体層14の外周面に軸方向に沿って規則的に螺旋を描く溝部22が形成され、その溝部22の溝幅w・溝深さdおよび溝部22の底面221と平面部24の面積割合a/bが特定範囲にあることで、粗さ形成用粒子18を弾性体層14の平面部24上および溝部22上の両方に均一にバランスよく配置でき、所望の表面粗さを形成して弾性体層14の平面部24上と溝部22上の間に所望の粗さ差を形成して、適切な放電量に調整することができる。さらに、溝部22上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの厚みを平面部24上の粗さ形成用粒子18を覆っているバインダーポリマー16aの厚みよりも厚くしていることで、放電量を均一にすることができる。このため、放電特性の均一性に優れる。
本発明に係る帯電ロール10は、全体的に平坦な弾性体層の外周面に大きさの異なる大小2種類の粗さ形成用粒子を配置することで帯電ロールに表面凹凸を形成するのではなく、弾性体層14の外周面に所定の凹凸形状を形成しておき、そこに所定の大きさの比較的均一な粗さ形成用粒子18を配置することで帯電ロール10に表面凹凸を形成するものである。粗さ形成用粒子18は、弾性体層14の溝部22上だけでなく平面部24上にも配置する。これにより、弾性体層14の表面凹凸の段差が帯電ロール10の表面凹凸として現れる。粗さ形成用粒子18が比較的均一であると、弾性体層14の表面凹凸が帯電ロール10の表面に反映されやすい。弾性体層14の溝部22上だけでなく平面部24上にも粗さ形成用粒子18を配置するには、粗さ形成用粒子18の大きさに対し、溝部22の溝幅wが大きすぎても小さすぎてもよくない。溝部22の溝幅wが所定の大きさであることで、溝部22上だけでなく平面部24上にも確実に均一に粗さ形成用粒子18を配置することができる。同様に、平面部24の幅が大きすぎても小さすぎてもよくない。平面部24上にも確実に均一に粗さ形成用粒子18を配置するには、所定の面積比であるとよい。そして、本発明では、弾性体層14の外周面に所定の凹凸形状を形成しているが、これにより、全体的に平坦な弾性体層の外周面と比較して、弾性体層の外周面の表面積をより大きくすることができる。これにより、放電しやすさが向上する。これは、例えば弾性体層14の溝部22が表層16のバインダーポリマー16aによって埋まっていても発揮される効果である。この効果は、これまでにはない知見である。この点からも、本発明の構成による利点がある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
例えば上記実施形態では、弾性体層14の外周面には、軸方向に沿って規則的に右ねじ様に螺旋を描く溝部22aと軸方向に沿って規則的に左ねじ様に螺旋を描く溝部22bとが交差する網目状の溝部22が形成されているが、弾性体層14の外周面に形成される溝部22は、右ねじ様に螺旋を描く溝部22aと左ねじ様に螺旋を描く溝部22bのいずれか一方であってもよい。例えば、図4に示すように、左ねじ様に螺旋を描く溝部22bのみを有する溝部22であってもよい。いずれか一方よりも網目状の溝部22のほうが、粗さの均一性の面でより有利である。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
<導電性ゴム組成物の調製>
イソプレンゴム100質量部に対し、カーボンブラック30質量部、酸化亜鉛6質量部、ステアリン酸2質量部、硫黄1質量部、チアゾール系加硫促進剤0.5質量部、チラウム系加硫促進剤0.5質量部、重質炭酸カルシウム50質量部を配合し、50℃ に温度調節した密閉型ミキサーを用いて10分間混練し、導電性ゴム組成物を調製した。
導電性ゴム組成物の材料として、以下の材料を準備した。
・イソプレンゴム(IR):JSR製「JSR IR2200」
・カーボンブラック:キャボットジャパン製「ショウブラックN762」
・酸化亜鉛:堺化学工業製「酸化亜鉛2種」
・ステアリン酸:日本油脂製「ステアリン酸さくら」
・硫黄:鶴見化学工業製「粉末硫黄」
・チアゾール系加硫促進剤:大内新興化学工業製「ノクセラーDM」
・チラウム系加硫促進剤:大内新興化学工業製「ノクセラーTRA」
・重質炭酸カルシウム:白石カルシウム製「ホワイトンB」、平均粒子径3.6μm
<弾性体層の作製>
成形金型(パイプ状)に芯金(直径8mm)をセットし、上記組成物を注入し、180℃で30分加熱した後、冷却、脱型して、芯金の外周に、厚さ1.9mmの導電性ゴム弾性体からなる弾性体層を成形した。次いで、弾性体層を有するロール体を軸中心に一定速度で回転させながら、弾性体層の外周面に接触させた砥石を一定速度で一方の軸方向に移動させ、引き続き、弾性体層の外周面に接触させた砥石を一定速度で他方の軸方向に移動させることにより、図2に示すような、弾性体層の外周面に軸方向に沿って規則的に右ねじ様に螺旋を描く溝部と軸方向に沿って規則的に左ねじ様に螺旋を描く溝部とが交差する網目状の溝部を形成した。各条件は以下のとおりである。
ロール体の回転速度・・・500rpm
砥石の移動速度・・・0.05m/s
砥石の周速度・・・72m/s
砥石粒度・・・#1500
溝のピッチ・・・0.3mm
<表層の作製>
表に記載の配合組成(質量部)となるように粗さ形成用粒子とバインダーポリマーと、導電剤としてカーボンブラックを配合し、メチルエチルケトン(MEK)200質量部を加え、所定の攪拌速度で混合攪拌することにより、表層形成用の液状組成物を調製した。次いで、攪拌を続けながら、この液状組成物を弾性体層の外周面にロールコートし、熱処理を施すことにより、弾性体層の外周に厚さ1.0μmの表層を形成した。これにより、実施例1の帯電ロールを作製した。
(実施例2)
<導電性ゴム組成物の調製>
NBR100質量部に対し、ステアリン酸0.7質量部、酸化亜鉛5質量部、ハイドロタルサイト2質量部、過酸化物架橋剤3質量部、カーボン20質量部を配合し、これらを攪拌機により撹拌、混合して、導電性ゴム組成物を調製した。
導電性ゴム組成物の材料として、以下の材料を準備した。
・NBR:日本ゼオン製「Nipol 1041」
・ステアリン酸:日油製「ステアリン酸さくら」
・酸化亜鉛:堺化学工業製「酸化亜鉛2種」
・ハイドロタルサイト:協和化学工業製「DHT4A」
・過酸化物架橋剤:日油製「パークミルD40」
・カーボン:ケッチェンブラックインターナショナル製「ケッチェンブラックEC300J」
<弾性体層の作製>
加熱温度を170℃に変更し、実施例1と同様にして、導電性ゴム弾性体からなる弾性体層を成形した。次いで、実施例1と同様にして、研磨により弾性体層の外周面に網目状の溝部を形成した。
<表層の作製>
実施例1と同様にして、弾性体層の外周に厚さ1.0μmの表層を形成した。これにより、実施例2の帯電ロールを作製した。
(実施例3)
<導電性ゴム組成物の調製>
ヒドリンゴム100質量部に対し、加硫助剤を5質量部、カーボンを10質量部、加硫促進剤を0.5質量部、硫黄を2質量部、充填剤を50質量部添加し、これらを攪拌機により撹拌、混合して導電性ゴム組成物を調製した。
導電性ゴム組成物の材料として、以下の材料を準備した。
・ヒドリンゴム(ECO、日本ゼオン製「Hydrin H1100」)
・加硫助剤(酸化亜鉛、三井金属製「酸化亜鉛2種」)
・カーボン(ケッチェンブラックインターナショナル製「ケッチェンブラックEC300J」)
・加硫促進剤(2-メルカプトベンゾチアゾール、大内新興化学工業社製「ノクセラーM-P」)
・硫黄(鶴見化学工業社製、「サルファックスPTC」)
・充填剤(炭酸カルシウム、白石工業製「白艶華CC」)
<弾性体層の作製>
実施例1と同様にして、導電性ゴム弾性体からなる弾性体層を成形した。次いで、実施例1と同様にして、研磨により弾性体層の外周面に網目状の溝部を形成した。
<表層の作製>
実施例1と同様にして、弾性体層の外周に厚さ1.0μmの表層を形成した。これにより、実施例3の帯電ロールを作製した。
(実施例4,5,7,8)
表層材料を変更し、実施例3と同様にして、実施例4,5,7,8の帯電ロールを作製した。
(実施例6)
図4に示すような、弾性体層の外周面に軸方向に沿って規則的に左ねじ様に螺旋を描く溝部を形成し、実施例3と同様にして、実施例6の帯電ロールを作製した。
(比較例1~8)
表層材料を変更し、実施例3と同様にして、比較例1~8の帯電ロールを作製した。
表層材料として用いた材料は以下の通りである。
・バインダーポリマー(PA):鉛市製「ファインレジンFR-101」
・バインダーポリマー(PU):根上工業製「ART Resin UN-333」
・粗さ形成用粒子(PU<1>):根上工業製「アートパールTK-100TR」平均粒子径2μm
・粗さ形成用粒子(PU<2>):根上工業製「アートパールC-1000透明」平均粒子径3μm
・粗さ形成用粒子(PU<3>):根上工業製「アートパールC-300透明」平均粒子径22μm
・粗さ形成用粒子(PU<4>):根上工業製「アートパールC-200透明 分級品」平均粒子径32μm
・粗さ形成用粒子(PU<5>):根上工業製「アートパールC-200透明 分級品」平均粒子径35μm
・粗さ形成用粒子(PA):東レ製「TR-2」平均粒子径22μm
・粗さ形成用粒子(PMMA):根上工業製「アートパールGR-200透明」平均粒子径22μm
・カーボンブラック:東海カーボン製「シースト9H」
帯電ロールの研磨した弾性体層の表面分析および断面分析を行い、溝部の溝幅、溝部の溝深さ、溝部の底面の面積aと平面部の面積bとの面積比a/bを算出した。また、作製した帯電ロールについて、表面粗さRzおよび表層のバインダーポリマーの厚みを測定した。
(弾性体層の凹凸形状)
溝部の溝幅は、弾性体層の外周面をレーザー顕微鏡にて撮影し、撮影した画像に観察される任意の溝部100点の溝幅の平均から算出した。溝部の溝深さは、弾性体層の径方向の断面をレーザー顕微鏡にて撮影し、撮影した画像に観察される任意の溝部100点の溝深さの平均から算出した。溝部の底面の面積aと平面部の面積bとの面積比a/bは、弾性体層の外周面の任意の5か所をレーザー顕微鏡にて撮影し、撮影した画像の所定の範囲(0.1mm×0.1mm)に観察される溝部の底面の面積aと平面部の面積bをそれぞれ算出し、その比の平均から算出した。
(表面粗さRz)
表面粗さRzは、10点平均粗さであり、JIS B0601(1994)に準拠して、任意の5か所で測定された値の平均値である。表層全体の表面粗さRzは、レーザー顕微鏡(キーエンス製「VK-9510」)を用いて観察することにより測定した。400倍で撮影した画像において、解析プログラム(プログラム名 KEYENCE VK Analyzer解析アプリケーション)における面粗さモードにて算出された値を表層全体の表面粗さRzとした。溝部上の領域における表層の表面粗さRzは、レーザー顕微鏡(キーエンス製「VK-9510」)を用いて観察することにより測定した。撮影した画像において、解析プログラム(プログラム名 KEYENCE VK Analyzer解析アプリケーション)における面粗さモードにて溝部0.01mmを選択して算出された値を溝部の表面粗さRzとした。
(バインダー厚)
レーザー顕微鏡(キーエンス製「VK-X100」)を用いて表層の径方向断面を400倍で観察することにより測定した。図2に示すように、溝部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚み(バインダー厚t1)と、平面部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚み(バインダー厚t2)と、を測定した。それぞれ任意の位置の5箇所において測定し、それぞれその平均によって表した。
(画像評価:ムラ)
作製した帯電ロールを実機(RICOH製「MP C6004」)のユニット(ブラック)に取り付け、10℃×10%RH環境下にて25%濃度ハーフトーンにて画出しを行い、50万枚耐久後の評価を行った。画像にムラがなかったものを良好「〇」、画像にムラが生じたものを不良「×」とした。
(画像評価:横スジ)
作製した帯電ロールを実機(RICOH製「MP C6004」)のユニット(ブラック)に取り付け、10℃×10%RH環境下にて25%濃度ハーフトーンにて画出しを行い、50万枚耐久後の評価を行った。画像に横スジがなかったものを特に良好「○」、画像に横スジが現れ、画像の影響が大きかったものを不良「×」とした。
(画像評価:セットスジ)
作製した帯電ロールを実機(RICOH製「MP C6004」)のユニット(ブラック)に取り付け、50℃×95%RH環境下にて1週間放置した。その後、その帯電ロールを実機(RICOH製「MP C6004」)のユニット(ブラック)に取り付けたまま、10℃×10%RH環境下にて25%濃度ハーフトーンにて画出しを行った。画像にセットスジがなかったものを特に良好「○」、画像にセットスジが現れ、画像の影響が大きかったものを不良「×」とした。
(画像評価:黒点(カブリ))
作製した帯電ロールを実機(RICOH製「MP C6004」)のユニット(ブラック)に取り付け、10℃×10%RH環境下にて25%濃度ハーフトーンにて画出しを行い、50万枚耐久後の評価を行った。画像に黒点がなかったものを良好「○」、1点でも発見された場合を不良「×」とした。
Figure 2022127132000002
Figure 2022127132000003
比較例1は、溝幅が小さすぎて、粗さ形成用粒子が溝部に入らない。このため、平面部上の粗さ形成用粒子に起因する表面粗さと溝部上の粗さ形成用粒子に起因する表面粗さの差が小さく、帯電不足による横スジが発生している。なお、小さい溝幅に収まる大きさの粗さ形成用粒子を用いると、十分な放電を確保する粗さが形成できなくなる。比較例2は、溝幅が大きすぎて、粗さ形成用粒子を溝部に均一に配置できていない。このため、耐久後のムラが発生した。なお、大きい溝幅に合う大きさの粗さ形成用粒子を用いると、粗さ形成用粒子に起因する凸部が大きくなりすぎて、表面粗さが大きくなりすぎ、適切な表面粗さにすることができない。これにより、均一な放電特性が得られない。また、比較例2は、溝幅が大きすぎて、溝部上の粗さ形成用粒子を覆うバインダーポリマーが感光体に接触しやすくなるため、平面部上の粗さ形成用粒子を覆うバインダーポリマーおよびその下の粗さ形成用粒子の摩耗だけでなく溝部上の粗さ形成用粒子を覆うバインダーポリマーおよびその下の粗さ形成用粒子の摩耗も発生し、耐久時に表層の表面全体が摩耗し、画像にムラが発生している。
比較例3は、溝深さが小さすぎて、平面部上の粗さ形成用粒子に起因する表面粗さと溝部上の粗さ形成用粒子に起因する表面粗さの差が小さく、帯電不足による横スジが発生している。なお、小さい溝深さに合わせて小さい粗さ形成用粒子を用いると、十分な放電を確保する粗さが形成できなくなる。比較例4は、溝深さが大きすぎて、溝部に配置する粗さ形成用粒子によって溝部上に表面粗さを形成することができていない。このため、耐久後の画像に黒点(カブリ)が発生している。なお、大きい溝深さに合わせて大きい粗さ形成用粒子を用いると、平面部上の粗さ形成用粒子に起因する表面粗さと溝部上の粗さ形成用粒子に起因する表面粗さの差が大きくなりすぎて、放電しにくくなる。
比較例5,6は、溝部の底面の面積aと平面部の面積bとの面積比a/bが所定の範囲内に入っておらず、いずれか一方の割合が大きくなりすぎている。このため、表面凹凸の均一性が低下し、耐久後にムラ画像が発生する。
比較例7は、表層全体の表面粗さRzが小さすぎて、十分な放電を確保する粗さが形成できていない。このため、帯電不足による横スジが発生している。比較例8は、表層全体の表面粗さRzおよび溝部上の領域における表層の表面粗さRzが大きすぎて、放電しにくくなっている。このため、耐久後の画像に黒点(カブリ)が発生している。
一方、実施例は、弾性体層の外周面に軸方向に沿って規則的に螺旋を描く溝部が形成されており、その溝部の溝幅・溝深さおよび溝部の底面と平面部の面積割合a/bが特定範囲にあり、表層はバインダーポリマーおよび粗さ形成用粒子を含んでおり、粗さ形成用粒子は弾性体層の平面部上および溝部上にそれぞれ配置されており、溝部上の領域における表層の表面粗さRzおよび表層全体の表面粗さRzが特定範囲にあり、平面部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みよりも溝部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みが厚い。このため、実施例は、画像評価において、耐久後のムラ、横スジ、黒点(カブリ)の問題が抑えられており、放電特性の均一性に優れることがわかる。また、画像においてセットスジの発生もなく、耐久後の表層の剥がれも観察されなかった。
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上記実施形態・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
10 帯電ロール
12 軸体
14 弾性体層
16 表層
18 粗さ形成用粒子
22 溝部
24 平面部
16a バインダーポリマー
18a 溝部上の粗さ形成用粒子
18b 平面部上の粗さ形成用粒子
221 溝部の底面
22a 右ねじ様に螺旋を描く溝部
22b 左ねじ様に螺旋を描く溝部
w 溝幅
d 溝深さ
M 溝部上の領域

Claims (8)

  1. 軸体と、前記軸体の外周面上に形成された弾性体層と、前記弾性体層の外周面上に形成された表層と、を備え、
    前記弾性体層の外周面には、軸方向に沿って規則的に螺旋を描く溝部が形成されており、
    前記溝部の溝幅が4μm以上280μm以下であり、
    前記溝部の溝深さが2μm以上30μm以下であり、
    前記弾性体層の外周面のうち、前記溝部の底面の面積aと、前記溝部以外の部分である平面部の面積bと、の面積比a/bが、0.3以上2.4以下であり、
    前記表層は、バインダーポリマーおよび粗さ形成用粒子を含んでおり、
    前記粗さ形成用粒子は、前記弾性体層の前記平面部上および前記溝部上にそれぞれ配置されており、
    前記溝部上の領域における前記表層の表面粗さRzが、2μm以上16μm以下であり、
    前記表層全体の表面粗さRzが、5μm以上26μm以下であり、
    前記平面部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みよりも、前記溝部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みが厚い、電子写真機器用帯電ロール。
  2. 前記粗さ形成用粒子は、1種類の粒子で構成されている、請求項1に記載の電子写真機器用帯電ロール。
  3. 前記粗さ形成用粒子の材質が、ポリウレタン、ポリアミド、アクリル樹脂のうちのいずれか1種である、請求項1または請求項2に記載の電子写真機器用帯電ロール。
  4. 前記粗さ形成用粒子の平均粒子径が、3μm以上32μm以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子写真機器用帯電ロール。
  5. 前記平面部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みと、前記溝部上の粗さ形成用粒子を覆っているバインダーポリマーの厚みの差が、4μm以上16μm以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子写真機器用帯電ロール。
  6. 前記弾性体層が、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴムのうちのいずれか1種以上を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子写真機器用帯電ロール。
  7. 前記表層のバインダーポリマーが、ポリウレタン、ポリアミドのうちのいずれか1種である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子写真機器用帯電ロール。
  8. 前記弾性体層の外周面には、軸方向に沿って規則的に右ねじ様に螺旋を描く溝部と軸方向に沿って規則的に左ねじ様に螺旋を描く溝部とが交差する網目状の溝部が形成されている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電子写真機器用帯電ロール。
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