JP2022118545A - 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用カバーテープの製造方法、および電子部品包装体 - Google Patents

電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用カバーテープの製造方法、および電子部品包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP2022118545A
JP2022118545A JP2021015134A JP2021015134A JP2022118545A JP 2022118545 A JP2022118545 A JP 2022118545A JP 2021015134 A JP2021015134 A JP 2021015134A JP 2021015134 A JP2021015134 A JP 2021015134A JP 2022118545 A JP2022118545 A JP 2022118545A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover tape
sealant layer
resin
electronic component
packaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021015134A
Other languages
English (en)
Inventor
啓太 山口
Keita Yamaguchi
祥司 上村
Shoji Uemura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2021015134A priority Critical patent/JP2022118545A/ja
Publication of JP2022118545A publication Critical patent/JP2022118545A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Packaging Frangible Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】帯電防止性、経時でのピール強度の維持、およびタック低減のバランスに優れた電子部品包装用カバーテープを提供する。【解決手段】基材層1と、中間層2と、シーラント層3と、をこの順に備える電子部品包装用カバーテープであって、シーラント層3は、樹脂(A)および帯電防止剤(B)を含有し、樹脂(A)と当該帯電防止剤(B)の合計量を100質量%としたときに、樹脂(A)の含有量は、60~98質量%であり、シーラント層3の厚みは、60nm以上450nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品包装用カバーテープ(以下、単に「カバーテープ」ということがある)に関する。
従来、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子レジスタ等の電子部品は、電子機器の製造現場において、当該電子部品を収納することが可能なポケットが連続的に形成されたキャリアテープと、上記キャリアテープにシールするカバーテープとからなる包装体に収容して熱シール処理を施した後、紙製或いはプラスチック製のリールに巻かれた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送されている。そして、かかる電子部品は、上述した作業領域内で上記包装体のカバーテープを剥離した後、キャリアテープに形成された上記ポケットから取り出され、電子回路基板等に表面実装される。
カバーテープには、パッケージングされた包装体が輸送される工程においてカバーテープと電子部品とが摩擦することにより生じる静電気、キャリアテープからカバーテープを剥離する際に生じる静電気、または付着した埃や内容物から発生する静電気等により、包装体内に収容している電子部品が故障(静電破壊)するのを抑制できる程度に必要な帯電防止性を有していることが求められる。
カバーテープの帯電防止性に関して、例えば、特許文献1では、帯電防止剤として、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリチオフェンのうちの少なくとも1種を含むカバーテープが開示されている。
特開2019-172281号公報
カバーテープには、帯電防止性以外にも、種々の特性が要求される。たとえば、カバーテープには、輸送時や保管中の環境変化を経た後も、安定したピール強度を維持することが要求される。また、カバーテープが埃などによっての汚染、内容物である電子部品と付着されることを防止する等の理由から、カバーテープには、タック(べたつき)の低減も要求される。
そこで、本発明者らは、ピール強度の維持およびタックの低減に着目し、検討を行ったところ、カバーテープのシーラント層の厚みを一定以下にすることで、経時でのピール強度が維持されることを見出した。さらに、本発明者らは、シーラント層の厚みを一定以上にすることで、タックが低減されることを見出した。その結果、本発明者らは、シーラント層の厚みを一定の範囲に調整することで、経時でのピール強度の維持とタック低減とを両立できることを見出した。
本発明の目的の一つは、帯電防止性、経時でのピール強度の維持、およびタック低減のバランスに優れた電子部品包装用カバーテープを提供することである。
本発明者らは、以下に提供される発明を完成させ、上記課題を解決した。
本発明によれば、
基材層と、中間層と、シーラント層と、をこの順に備える電子部品包装用カバーテープであって、
上記シーラント層は、樹脂(A)および帯電防止剤(B)を含有し、
上記樹脂(A)と上記帯電防止剤(B)の合計量を100質量%としたときに、上記樹脂(A)の含有量は、60~98質量%であり、
上記シーラント層の厚みは、60nm以上450nm以下である、電子部品包装用カバーテープ
が提供される。
また、本発明によれば、
基材層と、中間層と、シーラント層と、をこの順に備える電子部品包装用キャリアテープの製造方法であって、
樹脂(A)の水分散体と、帯電防止剤(B)の水分散体とを混合して、シーラント層形成用組成物を作成する工程と、
上記シーラント層形成用組成物を用いて、上記シーラント層を形成する工程と、
を有し、
上記樹脂(A)と上記帯電防止剤(B)の合計量を100質量%としたときに、上記樹脂(A)の含有量は、60~98質量%であり、
上記シーラント層の厚みは、60nm以上450nm以下である、電子部品包装用カバーテープの製造方法
が提供される。
さらに、本発明によれば、
電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、
上記したカバーテープと、を有し、
上記電子部品を封止するように上記シーラント層が上記キャリアテープに接着された電子部品包装体
が提供される。
本発明によれば、帯電防止性、経時でのピール強度の維持、およびタック低減のバランスに優れた電子部品包装用カバーテープが提供される。
本実施形態に係るカバーテープの構成を示す断面図である。 本実施形態に係る電子部品包装用カバーテープをキャリアテープにシールした状態の一例を示す図である。 実施例2のシーラント層表面の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
(1)電子部品包装用カバーテープ
図1は、本実施形態の電子部品包装用カバーテープの一例を、模式的に表したものである。
本実施形態の電子部品包装用カバーテープ10は、基材層1と、中間層2と、シーラント層3とを、この順番で備える電子部品包装用カバーテープであって、
シーラント層3は、樹脂(A)および帯電防止剤(B)を含有し、
樹脂(A)と帯電防止剤(B)の合計量を100質量%としたときに、樹脂(A)の含有量は、60~98質量%であり、
シーラント層3の厚みは、60nm以上450nm以下である。
本実施形態のカバーテープ10は、帯電防止性、経時でのピール強度の維持、およびタック低減のバランスに優れる。
カバーテープ10が、帯電防止性、経時でのピール強度の維持、およびタック低減のバランスに優れるメカニズムの詳細は明らかではないが、シーラント層3の厚みが小さいほど、シーラント層3の表面が不均一になりやすく、中間層が露出する、このことがタック増大の原因になると推測される。一方、シーラント層3の厚みが大きいほど、シーラント層3が経時により受ける影響が大きくなり、経時でのピール強度の維持が困難になると考えられる。
なお、各層は複数の層から構成されていてもよい。
電子部品包装用カバーテープ10は、通常、シーラント層3がキャリアテープと接着される。換言すると、通常、図1における上面側がキャリアテープと接着される。カバーテープ10の使用方法について図2を参照して説明すると、カバーテープ10は、電子部品の形状に合わせて凹状のポケット21が連続的に設けられたキャリアテープ20の蓋材として用いられる。具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着(例えば、ヒートシール)させて使用する。なお、後述においては、カバーテープ10と、キャリアテープ20とを接着して得られた構造体のことを、電子部品包装体100と称する。
〔基材層〕
基材層1は、電子部品包装用カバーテープ10の加工時、キャリアテープ20へのヒートシール時、使用時などに加わる外力に耐えうる機械的強度およびヒートシール時の熱に耐えうる耐熱性があれば、種々の材料を加工したフィルムを用いることができる。
基材層1を構成する材料の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタアクリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、およびABS樹脂から選択される1種または2種以上が挙げられる。
この中でも、機械的強度向上の観点から、ポリエステル系樹脂およびポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンがより好ましい。
また、ポリアミド系樹脂を選択する場合、機械的強度、柔軟性を向上させることができるという観点から、ナイロンを用いることが好ましい。
基材層1を構成する材料の形態は、特に限定されないが、加工が容易であるという観点から、フィルム状に加工されたものであることが好ましい。また、機械的強度向上の観点から、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであることが好ましい。
基材層1の厚みは、例えば、6μm以上であり、好ましくは7μm以上、より好ましくは8μm以上である。基材層1の厚みが上記範囲を下回ると、カバーテープ10の機械的強度が不十分となるおそれがある。
また、基材層1の厚みは、例えば、35μm以下であり、好ましくは33μm以下、より好ましくは30μm以下である。基材層1の厚みが上記範囲を上回ると、カバーテープ10の剛性が高くなりすぎてしまい、シール後のキャリアテープ20に対して捻り応力がかかった際に、カバーテープ10がキャリアテープ20の変形に追従し、剥離してしまうおそれがある。
基材層1は、単層であってもよいし、複数の層から構成されていてもよい。基材層1が複数の層から構成される場合、それぞれの層の合計の厚みが「基材層1の厚み」となる。
基材層1は帯電防止剤を含んでもよい。その態様は特に限定されない。たとえば、基材層1における中間層2が設けられた面とは反対側の面に、基材層1のうちの一層として、帯電防止剤を含有する帯電防止層が設けられていてもよい。
基材層1の表面は、キャリアテープ20と電子部品包装用カバーテープ10とからなる包装体に電子部品を収容し、これらを複数個積み重ねて搬送する際に、上に積み重ねられた包装体のキャリアテープ20の底面と接触する。基材層1が帯電防止剤を含む場合、上に積み重ねられた包装体のキャリアテープ20の底面との接触により帯電する静電気の量が低減される。
〔中間層〕
中間層2は、基材層1とシーラント層3の間に設けられる。中間層2により、カバーテープ10全体の柔軟性を調整しクッション性を向上させるとともに、接着対象であるキャリアテープ20との密着性を向上させることができ、また、基材層1とシーラント層3の接着強度を強固にすることができる。
中間層2は、電子部品包装用カバーテープ10にクッション性を付与できれば、材料は特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリル酸エステル誘導体、ポリ酢酸ビニル誘導体、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、および環状オレフィン樹脂、ならびにこれらの共重合体から選択される1種または2種以上が挙げられる。これらの中でも、オレフィン系樹脂が好ましく、エチレン系樹脂がより好ましい。
シール時の電子部品包装用カバーテープ10とキャリアテープ20との密着性を向上させる観点から、中間層2の厚みは、典型的には10μm以上50μm以下、好ましくは15μm以上45μm以下である。
〔シーラント層〕
シーラント層3は、樹脂(A)および帯電防止剤(B)を含み、中間層2の基材層1に接する面とは反対側の面側に設けられる層であり、電子部品包装用カバーテープ10をキャリアテープ20にシール(例えば、ヒートシール)した際に、キャリアテープ20と接触する層である。
シーラント層3はヒートシール性を有し、キャリアテープ20に対して接着させられるものであり、使用時に容易に剥がすことのできる程度の剥離性を示すものである。
樹脂(A)と帯電防止剤(B)の合計量を100質量%としたときに、樹脂(A)の含有量は、60~98質量%であり、好適には70~97質量%である。
また、シーラント層3全体を100質量%としたときに、樹脂(A)の含有量は、好ましくは10~99質量%、より好ましくは15~99質量%である。
樹脂(A)としては、シーラント性を有する樹脂が用いられ、その具体例としては、ポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体(SB)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、水素添加スチレンブロック共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS;High Impact Polystyrene)、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS;General Purpose Polystyrene)等のスチレン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、およびエチレン-ブテン-1ランダム共重合体等のポリオレフィン系樹脂;アクリル-ポリエステル-スチレン共重合体、アクリル-スチレン共重合体等のアクリル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ウレタン系樹脂;およびこれらの変性物から選択される1種または2種以上が挙げられる。
また、樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、0~150℃であることが好適である。
柔軟性が高く接着に好適であるという観点から、樹脂(A)はスチレン系樹脂を含むことが好ましい。
スチレン系樹脂の具体例としては、例えばポリスチレン、スチレン・ブタジエン共重合体(SB)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、水素添加スチレンブロック共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS;High Impact Polystyrene)、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS;General Purpose Polystyrene)等が含まれ、これらを2種以上組合せて用いてもよい。
この中でも、透明性が高く、また、耐付着性と剥離強度とをバランスよく向上させるという観点から、ポリスチレンおよびスチレン・ブタジエン共重合体(SB)を用いることが好ましい。
ポリスチレンの市販品としては、例えばL-8900(旭化成社製)等が挙げられる。スチレン・ブタジエン共重合体の市販品としては、例えば、L-7708、A-7755、L-2301、L-7532(いずれも旭化成社製)等が挙げられる。
帯電防止剤(B)の例としては、例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系帯電防止剤;ポリオキシエチレンアルキルアミン、第四級アンモニウム、アルキルスルホネート等の界面活性剤;ポリチオフェン、ポリアニリンもしくはポリピロール、またはこれらの誘導体、カーボンナノチューブ等の導電性高分子;等を挙げることができる。
帯電防止剤(B)は、樹脂(A)中で良好な相溶性を有するという観点から、導電性高分子を含むことが好ましく、ポリチオフェン又はポリチオフェン誘導体を含むことがより好ましい。 ポリチオフェン又はポリチオフェン誘導体の具体例としては、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)などを挙げることができ、PEDOT/PSSの市販品としては、Clevios P 1000(ヘレウス社製、PEDOT/PSSの水分散体、固形分1%)を挙げることができる。
シーラント層3中の樹脂(A)と帯電防止剤(B)の合計を100質量部としたときに、帯電防止剤(B)の含有量は、好適には2~40質量%であり、より好適には3~30質量%である。
シーラント層3は、水溶性高分子および/または水に分散可能な高分子を含むことが好ましい。このような高分子としては、フリーカルボン酸オリゴマー等を挙げることができる。
シーラント層3は、その他添加剤として、帯電防止剤の分散性を良好とするための分散剤、シリカゾル、レベリング剤、導電助剤等を含んでもよい。
シーラント層3の厚みは、60nm以上450nm以下であり、好適には60nm以上430nm以下であり、より好適には60nm以上400nm以下である。なお、シーラント層の厚みは、主骨格が炭素からなる材料は密度が1g/cmであると仮定し、その他の材料は各材料の密度の値を用い、塗工量(重量)を塗工面積で割ることにより算出する。
シーラント層3において、樹脂(A)は、粒子状の形状で存在し、且つシーラント層3の厚みは、樹脂(A)のメジアン径D50の50%以上300%以下であることが好ましく、55%以上280%以下であることがより好ましく、60%以上250%以下であるであることがさらに好ましい。
シーラント層3の厚みが上記範囲を上回ると、経時でのピール強度が維持されないおそれがある。また、シーラント層3の厚みが上記範囲を下回ると、カバーテープ10のタックが増大するおそれがある。
シーラント層3における樹脂(A)の形状は、カバーテープ10の表面を顕微鏡観察することにより確認できる。
〔その他の層〕
電子部品包装用カバーテープ10は、基材層1、中間層2およびシーラント層3の間に、その他の層を有してもよい。
たとえば、接着層(図示せず)を設けてもよい。この接着層によれば、各層の間の接着性を向上させることができる。接着層を形成する材料としては、ウレタン系のドライラミネート用接着樹脂あるいはアンカーコート用接着樹脂が挙げられ、一般に、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールなどのポリエステル組成物とイソシアネート化合物とを組み合わせたものが挙げられる。
また、接着層以外に、たとえばフィルム全体の強度を向上させるための層、水蒸気バリア層等を設けていてもよい。
〔電子部品包装用カバーテープ〕
カバーテープ10の厚みは、フィルム強度担保の観点から、40μm以上65μm以下であることが好ましく、45μm以上60μm以下であることがより好ましい。
カバーテープ10において、以下<ピール強度の測定>により測定されるピール強度P1と、カバーテープ10を40℃90%RHに14日間静置した後、以下<ピール強度の測定>により測定されるピール強度P2と、から算出される(P2/P1)×100の値は、50%以上150%以下であり、好ましくは55%以上145%以下、より好ましくは60%以上140%以下である。
<ピール強度の測定>
(1)当該電子部品包装用カバーテープを幅5.5mmの寸法にする。
(2)当該電子部品包装用カバーテープのシーラント層側と、幅8mmの寸法の、凹凸面の平均表面粗さ(Ra)が0.25μmであるポリスチレン製フィルムの凹凸面側とを合わせる。
(3)片刃が幅0.4mm、長さ28mmの寸法の二本刃アイロンを用いて、シール温度180℃、荷重5kgf、シール時間60ミリ秒間、キャリアテープ送りピッチ4mmの条件でヒートシールする。
(4)上記の条件でヒートシールした際の、上記ポリスチレン製フィルムに対する当該電子部品包装用カバーテープのピール強度を、剥離速度300mm/min、測定温度25℃、剥離角度170°の条件にて測定する。
(P2/P1)×100の値を上記範囲内とすることで、輸送時や保管中の環境変化を経た後も、安定したピール強度を維持できる。
安定したピール強度を担保するという観点から、P1は、0.3N以上であることが好ましく、0.31N以上であることがより好ましく、0.32N以上であることがさらに好ましい。一方で、ピール強度が過度に大きいと剥離が困難になるおそれがあるので、P1は、0.9N以下であることが好ましく、0.8N以下であることがより好ましく、0.7N以下であることがさらに好ましい。
カバーテープ10において、以下<タック力の測定>にて測定されるタック力は、0N/cm以上6.0N/cm以下であり、好ましくは0N/cm以上5.5N/cm以下であり、より好ましくは0N/cm以上5.0N/cm以下である。
<タック力の測定>
接触面積20mmのSUSを、接触速さ30mm/分で当該カバーテープのシーラント層3に押し付け、測定温度60℃、接触荷重25Nで20秒間保持した後に600mm/分の速度で引き剥がす際の単位面積あたりの荷重を測定する。
タック力の値を上記範囲内とすることで、カバーテープ10のタック(べたつき)が低減され、カバーテープ10が埃などによって汚染されるのを防止できる。
カバーテープ10のシーラント層3側の表面抵抗値は、種々の要因により発生した静電気を効率よく外部に放出させる観点から、25℃50%RH環境下において、好ましくは1.0×10Ω以上であり、より好ましくは1.0×10Ω以上であり、さらに好ましくは1.0×10Ω以上であり、好ましくは1.0×1012Ω以下であり、より好ましくは1.0×1011Ω以下であり、さらに好ましくは1.0×1010Ω以下である。
(2)電子部品包装用カバーテープの製造方法
本実施形態におけるカバーテープの製造方法は、基材層1と、中間層2と、シーラント層3と、をこの順に備える電子部品包装用キャリアテープの製造方法であって、
樹脂(A)の水分散体と、帯電防止剤(B)の水分散体とを混合して、シーラント層3形成用組成物を作成する工程と、
シーラント層3形成用組成物を用いて、シーラント層3を形成する工程と、
を有し、
樹脂(A)と帯電防止剤(B)の合計量を100質量%としたときに、樹脂(A)の含有量は、60~98質量%であり、
シーラント層3の厚みは、60nm以上450nm以下である、電子部品包装用カバーテープの製造方法である。
本実施形態のカバーテープの製造方法により製造されたカバーテープは、帯電防止性、経時でのピール強度の維持、およびタック低減のバランスに優れる。
樹脂(A)および帯電防止剤(B)としては、上述したものと同様のものを用いることができる。また、混合は、公知の方法を用いることができる。
樹脂(A)の水分散体粒子のメジアン径D50(以下単に「D50」ということがある)は、50nm以上250nm以下であることが好ましく、70nm以上250nm以下であることがより好ましい。樹脂(A)の水分散体粒子のD50は、例えば、レーザー回折・散乱法にて求めた原理上の体積分布におけるD50として求めることができる。
樹脂(A)の水分散体を用いてシーラント層3を形成することで、シーラント層3には、樹脂(A)の水分散体由来の樹脂(A)の粒子が含まれるようになる。したがって、樹脂(A)の水分散体のメジアン径D50が、シーラント層3中の樹脂(A)のメジアン径D50に対応するようになる。
経時でのピール強度維持、およびタック性低減の観点から、本実施形態のカバーテープの製造方法においては、シーラント層3において、樹脂(A)は、粒子状の形状であり、且つシーラント層3の厚みは、樹脂(A)のメジアン径D50の50%以上300%以下であることが好ましい。
前述のとおり、樹脂(A)の水分散体のメジアン径D50が、シーラント層3中の樹脂(A)のメジアン径D50に対応するため、シーラント層3中の樹脂(A)のメジアン径D50を調整するには、樹脂(A)の水分散体における樹脂(A)のメジアン径D50を調整すればよい。
(3)電子部品包装体
本実施形態の電子部品包装体100は、図2に示すように、電子部品が凹部21に収容されたキャリアテープ20と、
カバーテープ10と、を有し、
電子部品を封止するようにシーラント層3がキャリアテープ20に接着されたものである。
本実施形態の電子部品包装体100は、帯電防止性、および経時でのピール強度の維持に優れている。また、カバーテープ10のタックが低減されているため、埃などの混入が低減されている。
電子機器の製造現場においては、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容し、次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10を接着することで、電子部品が収容された包装体100が作製される。
包装体100は、上述のように、紙製あるいはプラスチック製のリールに包装体100を巻いた状態で、電子回路基板等に表面実装を行う作業領域まで搬送される。電子部品の表面実装工程において、カバーテープ10がキャリアテープ20から剥離されて、電子部品がパッケージから自動的に取出され、電子回路基板上に実装される。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔基材層および中間層の作製〕
基材層となる 厚さ12μmの帯電防止ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(製品名:E7455、東洋紡株式会社製、厚み12μm)に、アンカーコート剤をグラビアコーティングでウエット4μm塗布し、100℃乾燥後、低密度ポリエチレン(製品名:スミカセンL705、住友化学社製)を37μm厚で押し出しラミネートし、冷却ロール(表面温度20℃)にて冷却して基材層および中間層からなる積層フィルムを作製した。
得られた積層フィルムの中間層側の面上に、SBラテックス L7708(製品名、旭化成社製、スチレン・ブタジエンを主成分とする樹脂の水分散体、メジアン径(D50)150nm)およびClevios P 1000(製品名、ヘレウス社製、PEDOT/PSSの水分散体、固形分1%)を含有するシーラント層を、グラビアコーティング法により、表1に示す厚みで製膜し、カバーテープを得た。
なお、シーラント層の厚みは、主骨格が炭素からなる材料は密度が1g/cmであると仮定し、その他の材料は各材料の密度の値を用い、塗工量(重量)を塗工面積で割ることにより算出した。
表1に示す樹脂(A)および帯電防止剤(B)の含有量(質量%)は、樹脂(A)と帯電防止剤(B)の合計量に対する各成分の含有量である。また、樹脂(A)と帯電防止剤(B)の量は、いずれも固形分としての含有量である。
シーラント層には、樹脂(A)の水分散体由来の樹脂(A)の粒子が含まれるため、樹脂(A)の水分散体における樹脂(A)のメジアン径D50が、そのままシーラント層中での樹脂(A)のメジアン径D50に対応する。したがって、表1には、樹脂(A)のメジアン径D50として、樹脂(A)の水分散体における樹脂(A)のメジアン径D50を記載した。
〔ポリスチレン製フィルムに対する170°ピール強度〕
上記で得られたカバーテープを幅5.5mmの寸法にして、当該カバーテープのシーラント層側と、幅8mmの寸法の、凹凸面の平均表面粗さ(Ra)が0.25μmであるポリスチレン製フィルム(住友ベークライト社製、製品名:CEL-E980A)の上記凹凸面側とを重ね合わせた。
次いで、片刃が幅0.4mm、長さ28mmの寸法の二本刃アイロンを用いて、シール温度180℃、荷重5kgf、シール時間60ミリ秒間、キャリアテープ送りピッチ4mm、2列・7度打ちの条件でヒートシール機(東京ウエルズ社製、型番:TWA-6621)を用いてヒートシールし、サンプルを調製した。
調整したサンプルのピール強度について、剥離試験機(EPI社製、型番:PTS-5000)により、剥離速度300mm/min、剥離角度170°、測定温度25℃の条件で測定されたピール強度をP1(N)とした。
また、上記で得られたカバーテープを40℃90%RH環境に14日間置いた後、上記と同じ条件で測定されたピール強度をP2(N)とした。
P1、P2および(P2/P1)×100の値を表1に示す。
〔タック力〕
接触面積20mmのステンレス鋼材(SUS304)を、接触速さ30mm/分でカバーテープのシーラント層に押し付け、測定温度60℃、接触荷重25Nで20秒間保持した後に600mm/分の速度で引き剥がす際の単位面積あたりの荷重を、タック測定装置(RHESCA社製、TAC0-1000)により測定した。
結果を表1に示す。
〔表面抵抗値〕
上記で得られたカバーテープについて、シーラント層表面における表面抵抗値を、SIMCO社製の表面抵抗測定器(SIMCO社製 「ST-3」)を用いて、25℃50%RH環境下にて測定した。
結果を表1に示す。表1における記載について説明すると、たとえば実施例1の「1E+8」は、「1×10」を表す。
Figure 2022118545000002
実施例1~5にかかるカバーテープは、帯電防止性、経時でのピール強度の維持、およびタック低減のバランスに優れるものであった。一方、シーラント層の厚みが小さな比較例1は、タック(べたつき)が大きかった。また、シーラント層の厚みが大きな比較例2は、経時でのピール強度の維持が不十分であった。
[シーラント層表面の電子顕微鏡観察]
実施例2のカバーテープのシーラント層表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で、20000倍で観察した。実施例2のカバーテープのシーラント層表面の電子顕微鏡写真(図3)によると、シーラント層において、樹脂(A)が粒子状の形状で存在していることがわかる。
1 基材層
2 中間層
3 シーラント層
10 カバーテープ
20 キャリアテープ
21 ポケット
100 電子部品包装体

Claims (11)

  1. 基材層と、中間層と、シーラント層と、をこの順に備える電子部品包装用カバーテープであって、
    前記シーラント層は、樹脂(A)および帯電防止剤(B)を含有し、
    前記樹脂(A)と前記帯電防止剤(B)の合計量を100質量%としたときに、前記樹脂(A)の含有量は、60~98質量%であり、
    前記シーラント層の厚みは、60nm以上450nm以下である、電子部品包装用カバーテープ。
  2. 前記シーラント層において、前記樹脂(A)は、粒子状の形状であり、且つ前記シーラント層の厚みは、前記樹脂(A)のメジアン径D50の50%以上300%以下である、請求項1に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  3. 前記樹脂(A)はスチレン系樹脂を含む、請求項1又は2に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  4. 前記シーラント層は水溶性高分子および/または水に分散可能な高分子を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  5. 以下<ピール強度の測定>により測定されるピール強度P1と、
    当該電子部品包装用カバーテープを40℃90%RHに14日間静置した後、以下<ピール強度の測定>により測定されるピール強度P2と、
    から算出される(P2/P1)×100の値が50%以上150%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
    <ピール強度の測定>
    (1)当該電子部品包装用カバーテープを幅5.5mmの寸法にする。
    (2)当該電子部品包装用カバーテープのシーラント層側と、幅8mmの寸法の、凹凸面の平均表面粗さ(Ra)が0.25μmであるポリスチレン製フィルムの凹凸面側とを合わせる。
    (3)片刃が幅0.4mm、長さ28mmの寸法の二本刃アイロンを用いて、シール温度180℃、荷重5kgf、シール時間60ミリ秒間、キャリアテープ送りピッチ4mmの条件でヒートシールする。
    (4)上記の条件でヒートシールした際の、当該ポリスチレン製フィルムに対する当該電子部品包装用カバーテープのピール強度を、剥離速度300mm/min、測定温度25℃、剥離角度170°の条件にて測定する。
  6. 以下<タック力の測定>にて測定されるタック力が、0N/cm以上6.0N/cm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
    <タック力の測定>
    接触面積20mmのステンレス鋼材を、接触速さ30mm/分で当該電子部品包装用カバーテープのシーラント層に押し付け、測定温度60℃、接触荷重25Nで20秒間保持した後に600mm/分の速度で引き剥がす際の単位面積あたりの荷重を測定する。
  7. 帯電防止剤(B)は、導電性高分子を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  8. 帯電防止剤(B)は、ポリチオフェン又はポリチオフェン誘導体を含む、請求項7に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  9. 基材層と、中間層と、シーラント層と、をこの順に備える電子部品包装用キャリアテープの製造方法であって、
    樹脂(A)の水分散体と、帯電防止剤(B)の水分散体とを混合して、シーラント層形成用組成物を作成する工程と、
    前記シーラント層形成用組成物を用いて、前記シーラント層を形成する工程と、
    を有し、
    前記樹脂(A)と前記帯電防止剤(B)の合計量を100質量%としたときに、前記樹脂(A)の含有量は、60~98質量%であり、
    前記シーラント層の厚みは、60nm以上450nm以下である、電子部品包装用カバーテープの製造方法。
  10. 前記シーラント層において、前記樹脂(A)は、粒子状の形状であり、且つ前記シーラント層の厚みは、前記樹脂(A)のメジアン径D50の50%以上300%以下である、請求項9に記載の電子部品包装用カバーテープの製造方法。
  11. 電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の電子部品包装用カバーテープと、を有し、
    前記電子部品を封止するように前記シーラント層が前記キャリアテープに接着された電子部品包装体。
JP2021015134A 2021-02-02 2021-02-02 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用カバーテープの製造方法、および電子部品包装体 Pending JP2022118545A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021015134A JP2022118545A (ja) 2021-02-02 2021-02-02 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用カバーテープの製造方法、および電子部品包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021015134A JP2022118545A (ja) 2021-02-02 2021-02-02 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用カバーテープの製造方法、および電子部品包装体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022118545A true JP2022118545A (ja) 2022-08-15

Family

ID=82840151

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021015134A Pending JP2022118545A (ja) 2021-02-02 2021-02-02 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用カバーテープの製造方法、および電子部品包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022118545A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8828535B2 (en) Cover tape
CN109790345B (zh) 树脂组合物、外封带及电子组件用包装体
US9338906B2 (en) Cover film
JP5695644B2 (ja) カバーテープ
JP5993850B2 (ja) カバーフィルム
US20160129675A1 (en) Cover tape for packaging electronic part
JP2002347831A (ja) キャリアテープ体
WO2005102860A1 (ja) カバーテープ及び電子部品包装用キャリアテープシステム
JP6117098B2 (ja) カバーテープ
JP7018173B2 (ja) 易剥離性フィルム
JP4307302B2 (ja) カバーテープ及びキャリアテープシステム
JP2022118545A (ja) 電子部品包装用カバーテープ、電子部品包装用カバーテープの製造方法、および電子部品包装体
JP5419329B2 (ja) 包装材用積層テープ
JP2019172281A (ja) カバーテープ、電子部品包装体およびカバーテープの製造方法
JPWO2020129740A1 (ja) カバーフィルムおよびそれを用いた電子部品包装体
JP2005306460A (ja) カバーテープ及び電子部品包装用キャリアテープシステム
WO2024085137A1 (ja) カバーテープ、カバーテープの製造方法、カバーテープの原反ロール、および電子部品包装体
TWI522239B (zh) 覆蓋膜
WO2022210158A1 (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび電子部品包装体
JP4084561B2 (ja) 電子部品搬送体用カバーテープ
JP7517378B2 (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび電子部品包装体
JP2024061650A (ja) カバーテープ、カバーテープの製造方法、カバーテープの原反ロール、および電子部品包装体
JP4766863B2 (ja) カバーテープ及び電子部品包装用キャリアテープシステム
JP2022158849A (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび電子部品包装体
JP2021138412A (ja) 電子部品包装用カバーテープおよび電子部品包装体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240625