JP2022098784A - 粒状物印刷装置および粒状物印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粒状物に対して、1種類のインクで複数の色の印刷を行うことができる技術を提供する。【解決手段】粒状物印刷装置1は、搬送コンベヤ40と、印刷ヘッド61と、レーザ照射器65と、照射制御部113とを有する。搬送コンベヤ40は、錠剤9を所定の搬送方向D1に搬送する。印刷ヘッド61は、変色誘起酸化物を含むインクを吐出する複数のノズルを有する。印刷ヘッド61は、複数のノズルから搬送コンベヤ40が搬送する錠剤9の表面に向けてインクを吐出する。レーザ照射器65は、印刷ヘッド61よりも搬送方向D1の下流側において、錠剤9に付着したインクを変色させるレーザ光を照射する。照射制御部113は、レーザ照射器65を制御することによって、錠剤9に対するレーザ光の照射条件を変更する。【選択図】図1
Description
本発明は、インクジェット印刷を行う粒状物印刷装置および粒状物印刷方法に関する。
特許文献1には、粒状物である錠剤に、インクジェット方式で印刷を行う装置が開示されている。具体的には、所定方向に搬送される錠剤の表面に向けて、インクジェットヘッドからインクを吐出することによって、錠剤の表面に画像が形成される。
例えば、医薬品である錠剤の場合、有効成分の含有量の違いにより人体に与える影響が異なる場合が多いため、錠剤の種類ごとの識別性を高める必要がある。このため、印刷する画像の色を変えたい場合がある。しかしながら、従来技術の装置の場合、異なる色で印刷するためには、インクを交換するか、もしくは、インクを吐出するインクジェットヘッドを増設する必要があった。このため、装置コストが増大してしまうとともに、装置サイズが拡大してしまう。
本発明の目的は、粒状物に対して、1種類のインクで複数の色の印刷を行うことができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1態様は、粒状物印刷装置であって、粒状物を所定の搬送方向に搬送する搬送機構と、変色誘起酸化物を含むインクを吐出する複数のノズルを有し、前記複数のノズルから前記搬送機構が搬送する粒状物の表面に向けて前記インクを吐出する印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドよりも搬送方向下流側において、前記粒状物に付着した前記インクを変色させるレーザ光を照射するレーザ照射器と、前記レーザ照射器を制御することによって、前記粒状物に対する前記レーザ光の照射条件を変更する照射制御部とを備える。
第2態様は、第1態様の粒状物印刷装置であって、前記粒状物の表面は、第1印刷エリアと第2印刷エリアとを含み、前記印刷ヘッドは、前記第1印刷エリアと前記第2印刷エリアとに向けて、前記インクを吐出し、前記照射制御部は、前記第1印刷エリアと前記第2印刷エリアとの間で、単位面積当たりの前記レーザ光の照射時間が異なるように、前記レーザ照射器を制御する。
第3態様は、第2態様の粒状物印刷装置であって、前記レーザ光照射器は、前記レーザ光の走査速度を変更できるように構成されている。
第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか1つの粒状物印刷装置であって、前記印刷ヘッドよりも搬送方向上流側に位置し、前記搬送装置が搬送する前記粒状物を撮像する第1カメラと、前記第1カメラが撮像した画像を処理することによって、前記粒状物の表面のうち、画像が形成された第3印刷エリアと、前記第3印刷エリアの周囲に位置する第4印刷エリアとを検出する印刷エリア検出部と、をさらに備え、前記印刷ヘッドは、前記粒状物の前記第4印刷エリアに前記インクを塗布し、前記照射制御部は、前記レーザ照射器が、前記第3印刷エリアには前記レーザ光を照射せずに、第4印刷エリアに前記レーザ光を照射するように、前記レーザ照射器を制御する。
第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか1つの粒状物印刷装置であって、前記レーザ光が赤外線である。
第6態様は、粒状物印刷方法であって、(a)所定の搬送方向に搬送される粒状物の表面に向けて、印刷ヘッドから変色誘起酸化物を含むインクを吐出する工程と、(b)前記インクが吐出された前記粒状物の表面に、前記インクを変色させるレーザ光を照射する工程とを含む。
第1から第5態様の粒状物印刷装置によると、粒状物に付与されたインクに対するレーザ光の照射条件を変えることによって、インクの発色を変えることができる。したがって、1種類のインクで、容易に複数の色の印刷を行うことができる。
第2態様の粒状物印刷装置によると、1つの粒状物における第1印刷エリアと第2印刷エリアとの間で単位時間当たりのレーザ光の照射時間を変えることにより、第1印刷エリアのインクが呈する色と、第2印刷エリアのインクが呈する色を異ならせることができる。これにより、多色印刷を実現できる。
第3態様の粒状物印刷装置によると、第1印刷エリアと第2印刷エリアとの間で、レーザ光の走査速度を変えることによって、単位面積当たりのレーザ光の照射時間を変更できる。
第4態様の粒状物印刷装置によると、粒状物の表面のうち、第3印刷エリアの周囲に位置する第4印刷エリアに印刷を行うことができる。
第5態様の粒状物印刷装置によると、赤外線を照射することによって、粒状物に付与されたインクの乾燥を促進できる。
第6態様の粒状物印刷方法によると、粒状物に付与されたインクに対するレーザ光の照射条件を変えることによって、インクの発色を変えることができる。したがって、1種類のインクで、容易に複数の色の印刷を行うことができる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
<1. 実施形態>
図1は、実施形態の粒状物印刷装置1の構成を示す図である。粒状物印刷装置1は、複数の錠剤9を搬送しつつ、各錠剤9の表面に印刷情報を印刷する。印刷情報は、例えば、製品名、製品コード、会社名、ロゴマーク、重量、製造年月日、使用期限、製造工場、含有成分等である。以下、粒状物印刷装置1において、錠剤9が供給機構10から排出機構900に向かって進む方向を、「搬送方向D1」とする。搬送方向D1の下流側を単に「下流側」と称し、搬送方向D1の上流側を単に「上流側」と称する。また、重力方向の下側を、単に「下側」と称し、重力方向の上側を、単に「上側」と称する。
図1は、実施形態の粒状物印刷装置1の構成を示す図である。粒状物印刷装置1は、複数の錠剤9を搬送しつつ、各錠剤9の表面に印刷情報を印刷する。印刷情報は、例えば、製品名、製品コード、会社名、ロゴマーク、重量、製造年月日、使用期限、製造工場、含有成分等である。以下、粒状物印刷装置1において、錠剤9が供給機構10から排出機構900に向かって進む方向を、「搬送方向D1」とする。搬送方向D1の下流側を単に「下流側」と称し、搬送方向D1の上流側を単に「上流側」と称する。また、重力方向の下側を、単に「下側」と称し、重力方向の上側を、単に「上側」と称する。
錠剤9は、粒状物の一例である。錠剤9は、素錠(裸錠)であってもよいし、糖衣錠またはフィルムコーティング錠などコーティング錠であってもよい。錠剤9は、硬カプセル錠または軟カプセル錠であってもよい。「粒状物」は、医薬品のほか、健康食品、または、錠菓(ラムネなど)であってもよい。
粒状物印刷装置1は、供給機構10、第1ドラム20、第2ドラム30、搬送コンベヤ40、第1カメラ50、印刷部60、レーザ照射器65、第2カメラ70、乾燥機構80、排出機構900、および制御部100を備える。
供給機構10は、粒状物印刷装置1に投入された錠剤9を、第1ドラム20へ供給可能である。供給機構10は、ボウルフィーダ11、第1シュート12、供給コンベヤ13(搬送部)、第2シュート14を有する。
ボウルフィーダ11は、複数の錠剤9を受けるトラフ110を有する。ボウルフィーダ11は、トラフ110を振動させることにより、複数の錠剤9を第1シュート12へ供給する。トラフ110は、錠剤9を排出する排出口を有する。第1シュート12は、トラフ110の排出口と供給コンベヤ13との間に位置し、円弧状を有する。
第1シュート12は、複数の搬送路を有する。ボウルフィーダ11が第1シュート12の各搬送路へ錠剤9を供給することによって、多数の錠剤9が複数の列に整列される。すなわち、搬送方向D1に並ぶ錠剤9の列が、幅方向D2(搬送方向D1に直交しかつ水平な方向)に複数列形成される。そして、整列された錠剤9が、第1シュート12から供給コンベヤ13へ供給される。なお、図1では、1つの列の錠剤9のみが示されている。
供給コンベヤ13は、第1シュート12から第2シュート14へ、錠剤9を水平かつ直線状に搬送する。供給コンベヤ13は、2つのプーリ131、供給ベルト132を有する。供給ベルト132は、2つのプーリ131に掛け渡されている。2つのプーリ131は、それぞれ幅方向D2に延びる回転軸を中心として回転可能である。2つのプーリ131のうち一方は、モータ(不図示)に接続される。モータが一方のプーリ131を回転させると、供給ベルト132が動くとともに、他方のプーリ131が回転する。これにより、供給ベルト132が、図1中、矢印で示す方向に回転する。
供給コンベヤ13は、複数の仕切プレート(不図示)を有する。複数の仕切プレートは、供給ベルト132の上側に位置する。複数の仕切プレートは、幅方向D2において等間隔に位置する。第1シュート12から供給された錠剤9は、複数の仕切プレートによって、複数の列に整列された状態を維持しつつ、回動する供給ベルト132によって搬送される。
第2シュート14は、供給コンベヤ13と第1ドラム20の間に位置する。第2シュート14は、直線状に延びる。第2シュート14は、幅方向D2に並ぶ複数の搬送路を有する。供給コンベヤ13は、複数の錠剤9を、第2シュート14の各搬送路へ移動させる。第2シュート14の各搬送路内の錠剤9は、供給コンベヤ13によって搬送される後続の錠剤9に押されることによって下流側へ移動する。そして、錠剤9は、第2シュート14の下流側端部から第1ドラム20へ移動する。
第1ドラム20は、複数の錠剤9を、搬送方向D1において一定の間隔をあけつつ搬送する。第1ドラム20の外周面は、幅方向D2に延びる第1軸O1を中心とする略円筒状を有する。第1ドラム20には、モータ(不図示)が接続される。モータは、第1軸O1を中心として第1ドラム20を回転させる。第1ドラム20は、上端部付近の第1受渡位置P1から、第2ドラム30に近い第2受渡位置P2まで、錠剤9を搬送する。
第1ドラム20は、ドラム本体21および複数の保持リング22を有する。複数の保持リング22は、ドラム本体21の外周面に位置する。複数の保持リング22は、幅方向D2に並ぶ。複数の保持リング22は、幅方向D2に並ぶ錠剤9の複数の列に対して、1対1対応で位置する。保持リング22は、例えば、ポリアセタール等の樹脂により形成される。各保持リング22の外周面は、複数の凹状のポケット23を有する。複数のポケット23は、第1軸O1を中心とする周方向において、一定間隔で設けられている。各ポケット23は、錠剤9を吸着するための吸着孔24を有する。吸着孔24は、ポケット23の底部に位置する。
第1ドラム20は、吸引機構(不図示)と接続される。吸引機構は、第1軸O1を中心とする第1受渡位置P1から第2受渡位置P2までの円弧の範囲内に位置する第1ドラム20の内部空間から、気体を吸い出す。これにより、第1ドラム20の内部空間が、大気圧よりも低い負圧となる。第1ドラム20は、負圧によって、第2シュート14から供給された錠剤9を、吸着孔24を介して吸着しつつ保持する。
ポケット23は、第2シュート14から供給される錠剤9を1つずつ収容可能である。ポケット23は、吸着孔24を介して、ポケット23の内側に収容された1つの錠剤9を、吸着しつつ保持可能である。搬送方向D1における、第1ドラム20に保持された複数の錠剤9の間隔は、周方向におけるポケット23の間隔に対応した大きさとなる。
ポケット23内に保持された錠剤9は、第1ドラム20の回転によって、第1受渡位置P1から第2受渡位置P2まで搬送される。錠剤9が第2受渡位置P2を通過すると、吸着孔24を介した錠剤9の吸着が解除される。吸着が解除されることにより、錠剤9が、第1ドラム20から第2ドラム30へ移動する。
押圧機構25は、第1受渡位置P1の錠剤9を押圧し、保持リング22のポケット23へ誘導する。錠剤9は、詰まりや割れが抑制された状態で、各ポケット23に収容される。
第2ドラム30は、錠剤9を、搬送コンベヤ40まで搬送する。第2ドラム30は、幅方向D2に延びる第2軸O2を中心とする略円筒状の外周面を有する。第1ドラム20と第2ドラム30の外径は、ほぼ同じであるが、異なっていてもよい。第2ドラム30には、不図示のモータが接続される。モータは、第2ドラム30を、第2軸O2を中心として、第1ドラム20とは反対向きに回転させる。第2ドラム30は、第1ドラム20に近接する第2受渡位置P2から、搬送コンベヤ40に近接する第3受渡位置P3まで、錠剤9を搬送する。第3受渡位置P3は、第1受渡位置P1および第2受渡位置P2よりも上方に位置する。
図1に示すように、第2ドラム30は、ドラム本体31および保持リング32を有する。保持リング32は、ドラム本体31の外周面に位置する。保持リング32の外周面は、複数の吸着孔34を有する。第2ドラム30は、不図示の吸引機構と接続される。吸引機構は、第2軸O2を中心とする第2受渡位置P2から第3受渡位置P3までの円弧の範囲内に位置する第2ドラム30の内部空間から、気体を吸い出す。これにより、第2ドラム30の内部空間が、大気圧よりも低い負圧となる。第2ドラム30は、負圧によって、第1ドラム20から供給された錠剤9を、吸着孔34を介して吸着しつつ保持する。
吸着孔34を介して吸着された錠剤9は、第2ドラム30の回転によって、第2受渡位置P2から第3受渡位置P3まで移動する。錠剤9は、第3受渡位置P3を通過すると、吸着が解除される。これにより、錠剤9が、第2ドラム30から搬送コンベヤ40へ移動する。
搬送コンベヤ40は、複数の錠剤9を、吸着によって保持しつつ搬送する。搬送コンベヤ40は、2つのプーリ41と、2つのプーリ41に掛け渡された環状の搬送ベルト42とを有する。2つのプーリ41は、それぞれ幅方向D2に延びる回転軸を中心として回転可能である。2つのプーリ41のうち一方には、モータ(不図示)が接続される。モータが一方のプーリ41を回転させると、搬送ベルト42が動くとともに、他方のプーリ41が回転する。これにより、搬送ベルト42が、2つのプーリ41の周りにおいて、図1中、矢印で示す方向に移動する。
搬送ベルト42の外周面は、複数の吸着孔421を有する。複数の吸着孔421は、搬送方向D1および幅方向D2において、等間隔に位置する。搬送コンベヤ40は、搬送ベルト42の内側の空間から、気体を吸い出す吸引機構(不図示)を有する。吸引機構は、搬送ベルト42の内側空間を、大気圧よりも低い負圧にする。搬送ベルト42は、各吸着孔421に発生する負圧によって、錠剤9を吸着する。搬送ベルト42が2つのプーリ41の周りを移動することによって、吸着された錠剤9が移動する。
搬送コンベヤ40は、ブロー機構44を有する。ブロー機構44は、エアを吹き出す吹出口を有する。吹出口は、搬送ベルト42内に位置する。吹出口は、搬送ベルト42を介して後述する排出シュート910と対向する。ブロー機構44は、搬送ベルト42の複数の吸着孔421のうち、排出シュート910と対向する位置の吸着孔421に対して、気体を吹き付ける。気体の吹付によって、吸着孔421を介した錠剤9の吸着が解除される。吸着が解除された錠剤9は、搬送ベルト42から排出シュート910へ移動する。排出シュート910に移動した錠剤9は、排出コンベヤ(不図示)へ移動する。
第1カメラ50は、印刷前の錠剤9を撮像する処理部である。第1カメラ50は、搬送ベルト42によって搬送される錠剤9を撮像する。第1カメラ50は、第3受渡位置P3よりも下流側に位置し、かつ、印刷部60よりも上流側に位置する。第1カメラ50は、例えば、ライセンサを有する。ラインセンサは、幅方向D2に並ぶCCDまたはCMOSなどの複数の撮像素子を有する。第1カメラ50は、撮影した画像を、制御部100へ送信する。
印刷部60は、搬送ベルト42により搬送される錠剤9の表面に対して、インクジェット方式で画像を印刷する。印刷部60は、例えば、1つの印刷ヘッド61を有する。印刷ヘッド61は、搬送ベルト42の上方に位置する。印刷ヘッド61は、インク滴を吐出する複数のノズル(不図示)を有する。複数のノズルは、例えば、幅方向D2および搬送方向D1において、所定の間隔をあけて配列されている。錠剤9は、印刷ヘッド61の下方において、水平方向に搬送される。印刷ヘッド61は、錠剤9に向けて、複数のノズルからインク滴を吐出する。
印刷ヘッド61から吐出されるインクは、具体的には、可食性インクである。インクは、変色誘起酸化物を含む。変色誘起酸化物は、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、または、三二酸化鉄のうち少なくとも1つを含む。インクは、好ましくは無色透明である。
レーザ照射器65は、印刷部60の印刷ヘッド61よりも下流側に位置する。レーザ照射器65は、搬送コンベヤ40が搬送する錠剤9にレーザ光を照射する。レーザ照射器65は、例えば、レーザ発振器と走査機構と光学系とを有する。走査機構は、例えばガルバノミラーを有する。ガルバノミラーは、レーザ発振器が出射したレーザ光を反射する。ガルバノミラーを反射したレーザ光は、光学系のレンズで集光された後、錠剤9の表面に入射する。また、ガルバノミラーは、レーザ光の光路を幅方向D2に移動させる。これにより、錠剤9の表面が、レーザ光で走査される。錠剤9の表面に付着したインクにレーザ光が照射されると、インクに含まれる変色誘起酸化物が活性化し、インクが変色する。なお、レーザ照射器65は、錠剤9に対するレーザ光の照射をオンオフする機構を備えている。
レーザ照射器65が出射するレーザ光の波長は、変色誘起酸化物を凝集させて変色させることができるように、適宜設定される。レーザ照射器65は、好ましくは、波長が200nm~1100nmのレーザ光を出射する。レーザ光が赤外線(例えば、波長が720nm~1100m)である場合、インクに熱を与えることができるため、インクの乾燥を促進できる。
第2カメラ70は、印刷後の錠剤9を撮影する処理部である。第2カメラ70は、搬送ベルト42によって搬送される錠剤9を撮影する。第2カメラ70は、印刷部60よりも下流側に位置し、かつ、乾燥機構80よりも上流側に位置する。第1カメラ50と同様に、第2カメラ70は、例えばラインセンサを有する。第2カメラ70は、撮影した画像を、制御部100へ送信する。
乾燥機構80は、錠剤9に付着したインクを乾燥させる。乾燥機構80は、搬送方向D1において、印刷部60と排出シュート910との間に位置する。乾燥機構80は、搬送ベルト42に保持された錠剤9に熱風を吹き付けることにより、錠剤9の表面に付着したインクの乾燥を促進する。
排出機構900は、錠剤9を外部に排出する。排出機構900は、排出シュート910と、排出コンベヤ(不図示)とを有する。排出シュート910は、乾燥機構80よりも下流側に位置する。
図2は、制御部100のハードウェア構成を示す図である。制御部100は、粒状物印刷装置1の動作を制御する。制御部100は、プロセッサ101と、RAM102と、記憶部103と、機器インターフェース104とを備える。プロセッサ101は、バス配線を介して、RAM102、記憶部103および機器インターフェース104と電気的に接続されている。プロセッサ101は、例えばCPUまたはGPUで構成される。RAM102は、読み書き自在のメモリであって、プロセッサ101が処理する各種情報を記憶する。記憶部103は、ハードディスクドライブなどの非一過性の記録媒体であって、プログラムPを記憶する。
図2に示すように、制御部100は、機器インターフェース104を介して、ディスプレイ17および入力デバイス18と電気的に接続される。また、制御部100は、第1カメラ50、印刷ヘッド61、レーザ照射器65、および第2カメラ70と電気的に接続される。ディスプレイ17は、各種情報を表示する。入力デバイス18は、マウスまたはキーボードで構成される。なお、ディスプレイ17をタッチパネルで構成することによって、ディスプレイ17を入力デバイスとして機能させてもよい。
図3は、制御部100の機能を示すブロック図である。図3に示す、検出部111、吐出制御部112、照射制御部113、および検査部114は、制御部100のプロセッサ101がプログラムPに従って動作することにより実現される機能である。なお、制御部100の機能のうちいくつかの機能は、ASIC(特定用途向け集積回路)などの専用回路によって、ハードウェア的に実現されてもよい。
検出部111は、第1カメラ50が撮像した画像に基づいて、吸着孔421における錠剤9の有無、錠剤9の位置、または錠剤9の姿勢を検出する。また、検出部111は、第1カメラ50が撮像した画像に基づいて、錠剤9の欠陥(欠け、汚れの付着など)を検出してもよい。第1カメラ50が撮像した画像に対してエッジ検出を行うことにより、錠剤9を特定する。エッジ検出には、例えばキャニー法が適用可能である。
吐出制御部112は、印刷ヘッド61の動作を制御する。具体的には、吐出制御部112は、印刷ヘッド61の各ノズルからのインクの吐出を制御する。吐出制御部112は、検出部111が検出した錠剤9の位置と、印刷する画像データとに基づいて、各ノズルからのインクの吐出を制御する。
照射制御部113は、レーザ照射器65によるレーザ光の照射を制御する。照射制御部113は、レーザ照射器65のレーザ光の照射条件を変更する。レーザ光の照射条件は、例えば、錠剤9に対する単位面積当たりのレーザ光の照射時間である。照射制御部113は、印刷すべき画像データに基づいて、照射条件を変更する。
検査部114は、第2カメラ70が撮像した画像に基づいて、錠剤9に印刷された画像を検査する。検査部114は、例えば、錠剤9に印刷された画像の形または色を検査する。
図4は、第1の印刷例を示す図である。図4に示す印刷例は、錠剤9の上面に、第1印刷エリアA1として「40」という文字列からなる画像と、第2印刷エリアA2として「AABB」という文字列からなる画像とを印刷するものである。第2印刷エリアA2は、第1印刷エリアA1とは異なる位置に設定されている。
図4に示す印刷を行う場合、まず、吐出制御部112が印刷ヘッド61を制御することによって、錠剤9の第1印刷エリアA1と第2印刷エリアA2とに、それぞれインクを吐出する(吐出工程S1)。これにより、第1印刷エリアA1と第2印刷エリアA2とに目的とする画像(潜像)がインクで形成される。
続いて、照射制御部113がレーザ照射器65を制御することによって、第1印刷エリアA1と第2印刷エリアA2に、レーザ光を照射する(照射工程S2)。このとき、照射制御部113は、レーザ照射器65が第1印刷エリアA1と第2印刷エリアA2との間で、単位面積当たりのレーザ光の照射時間を異ならせつつ、レーザ光を照射する。照射制御部113は、第1印刷エリアA1に対する走査速度V1(cm/sec)を、第2印刷エリアA2に対する走査速度V2(cm/sec)と異ならせてもよい。走査速度を小さくするほど、照射時間を相対的に長くなり、走査速度を大きくするほど、照射時間を長くすることができる。なお、照射制御部113は、搬送コンベヤ40による錠剤9の搬送速度を変更することによって、レーザ光の照射時間を長くしてもよい。
第1印刷エリアA1および第2印刷エリアA2にレーザ光が照射されることによって、第1印刷エリアA1および第2印刷エリアA2に、所定の色を呈する画像を形成できる。また、第1印刷エリアA1と第2印刷エリアA2との間でレーザ光の照射時間を異ならせることによって、インクに含まれる変色誘起酸化物の発色を異ならせることができる。これにより、第1印刷エリアA1と第2印刷エリアA2とを、互いに異なる色に変色させることができる。
なお、吐出工程S1において、レーザ光が照射されるエリアよりも広い領域に、インクが吐出されてもよい。例えば、第1印刷エリアA1を包含する所定形状のエリアにインクが吐出されてもよい。この場合、錠剤9の上面全体に、インクが吐出されてもよい。
図5は、第2の印刷例を示す図である。図4の印刷例では、第2印刷エリアA2が、錠剤9の上面のうち、第1印刷エリアA1を除いた残りのエリアの一部である。これに対して、図5の印刷例では、第2印刷エリアA2が、錠剤9の上面のうち、第1印刷エリアA1を除いた残りのエリアの全部としている。このように、第1印刷エリアA1および第2印刷エリアA2が設定されることによって、錠剤9の上面全体を着色することができる。
図6は、第3の印刷例を示す図である。図6の印刷例は、印刷がすでに施された錠剤9に対して粒状物印刷装置1がさらに印刷を行うものである。具体的には、錠剤9の上面の一部の第3印刷エリアA3に、すでに「40」という文字の画像が印刷されている。粒状物印刷装置1は、この錠剤9の上面のうち、第3印刷エリアA3の周囲に位置する第4印刷エリアA4に印刷を行う。第4印刷エリアA4は、ここでは、錠剤9の上面から第3印刷エリアA3を除いた残りのエリアである。なお、第4印刷エリアA4は、第2印刷エリアA2のように、文字列や図形などからなる所定の形状を有していてもよい。
第4印刷エリアA4に印刷を行う場合、検出部111は、第1カメラ50が撮像した画像に基づいて、第3印刷エリアA3を検出する。そして、制御部100は、検出部111が検出した第3印刷エリアA3に基づいて、第4印刷エリアA4を特定する。続いて、吐出制御部112は、印刷ヘッド61に、特定された第4印刷エリアA4に対してインクを吐出させる(吐出工程S1a)。これにより、第4印刷エリアA4にインクが付与される。
続いて、照射制御部113は、レーザ照射器65を制御することによって、検出部111が検出した第3印刷エリアA3にはレーザ光を照射させず、かつ、第4印刷エリアA4にレーザ光を照射させる(照射工程S2a)。このレーザ光の照射によって、第4印刷エリアA4のインクが変色する。また、第3印刷エリアA3にレーザ光を照射されないため、第3印刷エリアA3の画像の改変が抑制される。
なお、吐出工程S1aにおいて、第4印刷エリアA4だけでなく、第3印刷エリアA3にもインクが付与されてもよい。この場合、錠剤9の上面全体にインクが付与されてもよい。この場合であっても、第3印刷エリアA3にレーザ光を照射しないことによって、第3印刷エリアA3に付着したインクの変色が抑制できる。したがって、第3印刷エリアA3の画像の改変が抑制される。
以上のように、レーザ光の照射時間を変更することによって、インクを異なる色に変色させることができる。このため、粒状物印刷装置1によれば、1種類のインクを用いつつ、錠剤9ごとに、異なる色の印刷ができる。また、粒状物印刷装置1によれば、1つの錠剤9に対して多色印刷を行うことができる。さらに、錠剤9の上面全体に着色することも容易に実現できる。
<2. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、制御部100は、印刷ヘッド61に印刷エリアのとおりにインクを吐出させるとともに、レーザ照射器65に印刷エリアより広い範囲にレーザ光を照射させてもよい。
上記実施形態では、印刷部60が印刷ヘッド61を1つだけ備えるとしているが、これは必須ではない。例えば、印刷部60は、搬送方向D1に配置された複数の印刷ヘッド61を備えていてもよい。この場合、複数の印刷ヘッド61が、互いに種類が異なるインクを吐出するようにしてもよい。
搬送コンベヤ40の搬送経路上であって、印刷部60の下流側に、錠剤9の上下を反転させる反転機構が設けられてもよい。また、反転機構によって反転した錠剤9に印刷を行う印刷部が設けられてもよい。これにより、錠剤9の両面に印刷できる。
レーザ照射器65は、出射するレーザ光の出力(W)の大きさを2段階以上の段階で変更できるように構成されていてもよい。そして、照射制御部113が、レーザ照射器65のレーザ光の出力を制御できるようにしてもよい。レーザ光の出力を変えることによって、インクの変色誘起酸化物に付与されるエネルギーが変化する。このため、レーザ光の出力に応じて、インクが異なる色に変色する。したがって、レーザ光の出力を変更することによって、1種類のインクで複数の色の印刷を行うことができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
1 粒状物印刷装置
111 検出部
112 吐出制御部
113 照射制御部
114 検査部
40 搬送コンベヤ(搬送機構)
50 第1カメラ
61 印刷ヘッド
65 レーザ照射器
9 錠剤(粒状物)
A1 第1印刷エリア
A2 第2印刷エリア
A3 第3印刷エリア
A4 第4印刷エリア
111 検出部
112 吐出制御部
113 照射制御部
114 検査部
40 搬送コンベヤ(搬送機構)
50 第1カメラ
61 印刷ヘッド
65 レーザ照射器
9 錠剤(粒状物)
A1 第1印刷エリア
A2 第2印刷エリア
A3 第3印刷エリア
A4 第4印刷エリア
Claims (6)
- 粒状物印刷装置であって、
粒状物を所定の搬送方向に搬送する搬送機構と、
変色誘起酸化物を含むインクを吐出する複数のノズルを有し、前記複数のノズルから前記搬送機構が搬送する粒状物の表面に向けて前記インクを吐出する印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドよりも搬送方向下流側において、前記粒状物に付着した前記インクを変色させるレーザ光を照射するレーザ照射器と、
前記レーザ照射器を制御することによって、前記粒状物に対する前記レーザ光の照射条件を変更する照射制御部と、
を備える、粒状物印刷装置。 - 請求項1に記載の粒状物印刷装置であって、
前記粒状物の表面は、第1印刷エリアと第2印刷エリアとを含み、
前記印刷ヘッドは、前記第1印刷エリアと前記第2印刷エリアとに向けて、前記インクを吐出し、
前記照射制御部は、前記第1印刷エリアと前記第2印刷エリアとの間で、単位面積当たりの前記レーザ光の照射時間が異なるように、前記レーザ照射器を制御する、粒状物印刷装置。 - 請求項2に記載の粒状物印刷装置であって、
前記レーザ光照射器は、前記レーザ光の走査速度を変更できるように構成されている、粒状物印刷装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の粒状物印刷装置であって、
前記印刷ヘッドよりも搬送方向上流側に位置し、前記搬送装置が搬送する前記粒状物を撮像する第1カメラと、
前記第1カメラが撮像した画像を処理することによって、前記粒状物の表面のうち、画像が形成された第3印刷エリアと、前記第3印刷エリアの周囲に位置する第4印刷エリアとを検出する印刷エリア検出部と、
をさらに備え、
前記印刷ヘッドは、前記粒状物の前記第4印刷エリアに前記インクを塗布し、
前記照射制御部は、前記レーザ照射器が、前記第3印刷エリアには前記レーザ光を照射せずに、第4印刷エリアに前記レーザ光を照射するように、前記レーザ照射器を制御する、粒状物印刷装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の粒状物印刷装置であって、
前記レーザ光が赤外線である、粒状物印刷装置。 - 粒状物印刷方法であって、
(a) 所定の搬送方向に搬送される粒状物の表面に向けて、印刷ヘッドから変色誘起酸化物を含むインクを吐出する工程と、
(b) 前記インクが吐出された前記粒状物の表面に、前記インクを変色させるレーザ光を照射する工程と、
を含む、粒状物印刷方法。
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JP2020212378A JP2022098784A (ja) | 2020-12-22 | 2020-12-22 | 粒状物印刷装置および粒状物印刷方法 |
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