JP2022073921A - シート空調装置 - Google Patents

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Sukenori Makita
晃 小森
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健 塩谷
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Abstract

【課題】空調効率の低下を抑制することができるシート空調装置を提供する。【解決手段】シート空調装置3は、送風機34と、送風機34によってシート1の人が着座するための座部10に設けられる第1吸気口31aから吸いこまれた空気を導く第1通風路31と、送風機34によって第1通風路31に導かれた空気をシート1に設けられる第1吐出口32aから吐出するための第2通風路32と、第2通風路32と異なる通風路であり第1通風路31に導かれた空気をシート1に設けられる第2吐出口33aから吐出するための第3通風路33と、送風機34よりも第1吐出口32a及び第2吐出口33a側に設けられ、第1通風路31に導かれた空気を第2通風路32及び第3通風路33のうちの少なくとも1以上の通風路を選択して切替える吐出通風路選択切替部35とを備え、第1吸気口31aは、第1吐出口32a及び第2吐出口33aよりも鉛直下方に配置されている。【選択図】図2

Description

本開示は、シートに着座する人に送風するシート空調装置に関する。
特許文献1には、従来の車両用シート空調装置が開示されている。車両用シート空調装置は、車両用シートに設けられ、シートバックのシート通風路とシートクッションのシート通風路とに分配する分配ダクトと、車室内を空調する車室内空調ユニットからの空調風を空気吸入口から吸い込んで空気吹出口から吹き出して分配ダクトに導く送風機とを備えている。
特開2015-89682号公報
例えば、従来の車両用シート空調装置として用いられる多くのシート空調装置では、車室内を空調するための車室内空調ユニットが吐出した空気の一部をシートに設けられた送風機が吸い込んでいる。しかし、特に車室内空調ユニットが本来車室内を空調するための冷気の一部は、炎天下で熱せられたシートの熱容量で消費されてしまうため、車室内全体を十分に空調することができなくなる場合がある。つまり、車室内全体の冷房効率及び暖房効率といった空調効率が低下することで、車室内全体の温度調節を適切に行うことができなくなりがちになる。例えば、車両の温度が高くなる夏の場合、車両に熱がこもりがちになるため、シートに吸い込む空気も車室内空調ユニットの起動時点では熱く、シートに対して冷風を供給することは困難である。
そこで、本開示では、空調効率の低下を抑制することができるシート空調装置を提供する。
本開示の一態様に係るシート空調装置は、シートに用いられるシート空調装置であって、送風機と、前記送風機によって前記シートの人が着座するための座部に設けられる第1吸気口から吸いこまれた空気を導く第1通風路と、前記送風機によって前記第1通風路に導かれた空気を、前記シートに設けられる第1吐出口から吐出するための第2通風路と、前記第2通風路と異なる通風路であり、前記送風機によって前記第1通風路に導かれた空気を前記シートに設けられる第2吐出口から吐出するための第3通風路と、前記送風機よりも前記第1吐出口及び前記第2吐出口側に設けられ、前記第1通風路に導かれた空気を前記第2通風路及び前記第3通風路のうちの少なくとも1以上の通風路を選択して切替える吐出通風路選択切替部とを備え、前記第1吸気口、前記第1通風路、前記送風機、前記吐出通風路選択切替部、前記第2通風路、前記第1吐出口、前記第3通風路、及び、前記第2吐出口が前記シートに内蔵され、前記第1吸気口は、前記第1吐出口及び前記第2吐出口よりも鉛直下方に配置されているとともに、前記座部に人が着座する側の面である座面から空気を吸気し、前記第1通風路は、前記座部に設けられ、前記第1吸気口から前記送風機を介して前記吐出通風路選択切替部に至っている。
なお、この包括的又は具体的な態様は、システム、方法又は集積回路等の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示のシート空調装置は、空調効率の低下を抑制することができる。
図1は、実施の形態におけるシート空調装置が備えられたシートの外観を示す斜視図である。 図2は、図1のII-II線におけるシート空調装置が備えられたシートの外観を示す斜視図及びそのシートの断面図である。 図3は、実施の形態におけるシート空調装置を示すブロック図である。 図4は、シートバックを正面から見た場合のシート空調装置を示す平面図、及び、座部を上面から見た場合のシート空調装置を示す上面図である。 図5は、実施の形態におけるシート空調装置の処理を示すフローチャートである。 図6は、第1モードを実行したときのシートバックにおける空気の流路を示す模式平面図、座部における模式上面図及びシートにおける模式側面図である。 図7は、第2モードを実行したときのシートバックにおける空気の流路を示す模式平面図、座部における模式上面図及びシートにおける模式側面図である。 図8は、第3モードを実行したときのシートバックにおける空気の流路を示す模式平面図、座部における模式上面図及びシートにおける模式側面図である。 図9は、実施の形態の変形例1におけるシート空調装置が備えられたシートの外観を示す斜視図及びそのシートの断面図である。 図10は、実施の形態の変形例2におけるシート空調装置が備えられたシートの外観を示す斜視図である。 図11は、実施の形態の変形例3におけるシート空調装置が備えられたシートの外観を示す斜視図及びそのシートの断面図である。 図12は、実施の形態の変形例4におけるシート空調装置の処理を示すフローチャートである。
本開示の一態様に係るシート空調装置は、シートに用いられるシート空調装置であって、送風機と、前記送風機によって前記シートの人が着座するための座部に設けられる第1吸気口から吸いこまれた空気を導く第1通風路と、前記送風機によって前記第1通風路に導かれた空気を、前記シートに設けられる第1吐出口から吐出するための第2通風路と、前記第2通風路と異なる通風路であり、前記送風機によって前記第1通風路に導かれた空気を前記シートに設けられる第2吐出口から吐出するための第3通風路と、前記送風機よりも前記第1吐出口及び前記第2吐出口側に設けられ、前記第1通風路に導かれた空気を前記第2通風路及び前記第3通風路のうちの少なくとも1以上の通風路を選択して切替える吐出通風路選択切替部とを備え、前記第1吸気口、前記第1通風路、前記送風機、前記吐出通風路選択切替部、前記第2通風路、前記第1吐出口、前記第3通風路、及び、前記第2吐出口が前記シートに内蔵され、前記第1吸気口は、前記第1吐出口及び前記第2吐出口よりも鉛直下方に配置されているとともに、前記座部に人が着座する側の面である座面から空気を吸気し、前記第1通風路は、前記座部に設けられ、前記第1吸気口から前記送風機を介して前記吐出通風路選択切替部に至っている。
これによれば、送風機によってシートに設けられた第1吸気口から空気を吸い込むことができる、つまり、シートの周囲に対流している空気を吸い込むことができる。例えば車両に適用された従来のシート空調装置のように、車両の空調装置が空調した冷気又は暖気の一部を直接的にシートに供給する場合に比べて、本開示では、シート空調装置が直接的に吐出する冷気又は暖気がシートで消費され難くなる。このため、空調装置によって車室内全体が空調された空気を第1吸気口から吸気し、吸気した空気を少なくとも第1吐出口又は第2吐出口から吐出してシートに着座する人に吹き付けることで、人の身体を冷ましたり暖めたりすることができる。
したがって、このシート空調装置では、空調効率の低下を抑制することができる。
特に、第1吸気口は第1吐出口及び第2吐出口よりも鉛直下方に配置されているため、例えば人の下肢と対応する個所に第1吸気口を設け、人の上半身と対応する個所に第1吐出口及び第2吐出口を設けることもできる。この場合、人の身体近傍の座面に設けた第1吸気口から空気を吸い込むことで身体近傍に気流を発生させるとともに、吸気した空気を少なくとも第1吐出口又は第2吐出口から吐出することで人に空気を吹き付けることができる。これにより、人の身体を包み込むような気流を生み出すことができるため、シートに着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで快適な空調環境を提供することができる。より具体的には、シートの座面に形成された第1吸気口から空気を吸気することができるため、座面と接している人の臀部及び大腿部の発汗による蒸れを抑制することができる。また、第1吐出口及び第2吐出口は第1吸気口よりも鉛直上方に配置されているため、人の上半身側に空気を吹き付けることができる。つまり、人の上半身側から臀部及び大腿部に対応する個所に向かう気流を生み出すことができるため、シートに着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
さらに、夏場において、発汗した状態で人が車両に乗り込んだ場合、特に臀部においては、第1吸気口が第1吐出口及び第2吐出口よりシートの鉛直下方に配置されるため、臀部からの空気の吐出が行われない。その結果、発汗した臀部を不要に冷却することによる人の不快感を抑制することができる。
加えて、従来の車両用シート空調装置は、車室内空調ユニットが吐出した空気を吸い込んでいる。しかし、夏場において、人が車両に乗り込んだ直後は、車室内空調ユニットが十分に立ち上がっておらず、冷風を吐出していない状態の温かい空気を吸い込むので、いわば温風が人に向かって吐出されることとなる。したがって、人が不快に感じることがある。これに対し、本開示の一態様に係るシート空調装置は、エアコンディショナ(車室内空調ユニット)の吐出空気を直接吸い込む構成ではないため、温風を吐出することによる人の不快感を抑制することができる。
さらに、シートにはシート空調装置を構成する第1吸気口、第1通風路、送風機、吐出通風路選択切替部、第2通風路、第1吐出口、第3通風路、及び、第2吐出口が内蔵されるので、構成を簡素化することができる。
また、本開示の他の態様に係るシート空調装置において、前記第1吐出口は、前記第2吐出口よりも鉛直下方に配置されている。
これによれば、例えば人の上半身と対応する個所に第1吐出口及び第2吐出口を設けることで、第1吐出口によって人の上半身における下方側に空気を吹き付けたり、第2吐出口によって人の上半身における上方側に空気を吹き付けたりすることができる。このため、人の身体の所定部分に空気を吹き付けることができるため、部分的に冷ましたり暖めたりすることで、シートに着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
また、本開示の他の態様に係るシート空調装置において、前記吐出通風路選択切替部は、前記第1通風路に導かれた空気を前記第2通風路のみに導くことで前記第1吐出口から空気を吐出する第1モードを有する。
これによれば、例えば人の臀部及び腰部等の上半身における下方側に空気を吹き付ける、言い換えれば、人の頭部及び首等の上半身における上方側に空気を吹き付けないようにすることができる。第1吐出口から吐出されることで人の上半身における下方側に吹き付けられた空気は、座面の第1吸気口から吸気される、つまり、第1吐出口からシートに着座している人の上半身における下方側を介して第1吸気口に吸気される。このため、人の上半身における下方側から臀部及び大腿部までを包み込むような気流を生み出すことができる。
具体例を挙げると、人が長時間シートに着座しているとき、シートの周囲を空調するためのエアコンディショナの暖房時にシートヒータをONにしているとき等では、第1モードを実行することで人がシートと接触している部分が蒸れないようにすることができる。また別の例として、シートが温かい状態のときに人がシートに着座した直後、人が発汗状態のときにエアコンディショナを起動した直後等では、第2吐出口から空気を吐出しないモードである第1モードを実行することで、温かい人の頭部及び首等に吹き付けないようにして冷え過ぎの不快感を抑制することもできる。このため、シートに着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
また、本開示の他の態様に係るシート空調装置において、前記吐出通風路選択切替部は、前記第1通風路に導かれた空気を前記第3通風路のみに導くことで前記第2吐出口から空気を吐出する第2モードを有する。
これによれば、例えば人の頭部及び首等の上半身における上方側に空気を吹き付ける、言い換えれば、人の臀部及び腰部等の上半身における下方側に空気を吹き付けないようにすることができる。第2吐出口から吐出されることで人の上半身における上方側に吹き付けられた空気は、座面の第1吸気口から吸気される、つまり、第2吐出口からシートに着座している人の上半身における上方側を介して第1吸気口に吸気される。このため、人の上半身における上方側と、臀部及び大腿部とを包み込むような気流を生み出すことができる。
具体例を挙げると、エアコンディショナによってシートの周囲の温度を低下させることで、シートに残っていた熱が冷まされても、人の背部及び腰部が汗で濡れている場合がある。この場合では、第2モードを実行することで人の背部及び腰部を過度に冷やさないようにしつつ、肩峰、首、頭部等を冷やすことができる。このため、シートに着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
また、本開示の他の態様に係るシート空調装置において、前記吐出通風路選択切替部は、前記第1通風路に導かれた空気を前記第2通風路及び前記第3通風路へ同時に導くことで前記第1吐出口及び前記第2吐出口から同時に空気を吐出する第3モードを有する。
これによれば、第1吐出口及び第2吐出口から吐出されることで人に吹き付けられた空気は、座面の第1吸気口から吸気される、つまり、第1吐出口及び第2吐出口からシートに着座している人を介して第1吸気口に吸気される。このため、人の上半身全体から臀部及び大腿部までを含め、実質的に人の全身を包み込むような気流を生み出すことができる。
具体例を挙げると、エアコンディショナによってシートの周囲の温度を低下させることで、シートに残っていた熱が排出されても、日射量が多いとき、長時間着座しているとき等では人の身体に熱がこもっている場合がある。この場合では、第3モードを実行することで人の全身を冷やすことができる。また、エアコンディショナの消費エネルギーを抑えたい場合、第3モードを実行することで人の全身を冷やすこともできる。このため、シートに着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、より快適な空調環境を提供することができるとともに、エアコンディショナを含めたシステムの消費エネルギーを抑制することもできる。
また、本開示の他の態様に係るシート空調装置において、前記送風機及び前記吐出通風路選択切替部を制御する制御部を備え、前記吐出通風路選択切替部は、前記第1通風路に導かれた空気を前記第2通風路のみに導くことで前記第1吐出口から空気を吐出する第1モードと、前記第1通風路に導かれた空気を前記第3通風路のみに導くことで前記第2吐出口から空気を吐出する第2モードと、前記第1通風路に導かれた空気を前記第2通風路及び前記第3通風路へ同時に導くことで前記第1吐出口及び前記第2吐出口から同時に空気を吐出する第3モードとを有し、前記制御部は、前記第1モード、前記第2モード及び前記第3モードのうちからいずれかのモードを選択することで、前記吐出通風路選択切替部のモードを切替える。
これによれば、制御部は、第1モード、第2モード及び第3モードのうちからいずれかのモードを選択することができるため、人の状態及び要望に応じて適切に冷ましたり暖めたりすることができる。
また、本開示の他の態様に係るシート空調装置において、温度センサ及び湿度センサのうちの少なくとも一方を備え、前記制御部は、前記温度センサが検知した温度を示す情報、及び、前記湿度センサが検知した湿度を示す情報に基づいて、前記吐出通風路選択切替部のモードを切替える。
これによれば、シート近傍における温度及び湿度を検知することができるため、人が快適と感じる空気の流れを生成するように吐出通風路選択切替部のモードを切替えることができる。また、例えば、エアコンディショナに温度及び湿度を検知した結果を出力することができる。このため、エアコンディショナは、温度及び湿度を検知した結果に基づいて空調することができる。
また、本開示の他の態様に係るシート空調装置において、前記温度センサ及び前記湿度センサのうちの少なくとも一方は、前記第1通風路又は前記吐出通風路選択切替部に配置されている。
これによれば、シート表面における温度及び湿度、具体的にはシートに着座している人の臀部及び大腿部に相当する温度、及び、臀部及び大腿部と座面との間に相当する湿度を精度よく検知することができる。したがって、より一層、人が快適と感じる空気の流れを生成するように吐出通風路選択切替部のモードを切替えることができる。
また、本開示の他の態様に係るシート空調装置において、前記第1通風路は、前記第1吸気口と異なる吸気口である第2吸気口と連通し、前記第2吸気口は、前記シートの前記座面以外の面に形成されている。
これによれば、第1通風路は第1吸気口だけでなく第2吸気口と連通しているため、座面と人との間の第1吸気口から吸い込んだ空気と、座面以外に形成されている第2吸気口から吸い込んだ空気とを混合することができる。このように、シートの周囲の空気を積極的に取り込むことができるため、シートに着座している人に対してより快適な空調環境を提供することができる。
また、本開示の他の態様に係るシート空調装置において、前記第1吐出口は、人の背部、及び腰部のうちの少なくとも1以上の個所と対応する位置に配置され、前記第2吐出口は、人の頭部、首、及び肩峰のうちの少なくとも1以上の個所と対応する位置に配置されている。
これによれば、第1吐出口から空気が吐出されれば、人の背部、及び腰部のうちの少なくとも1以上の個所に空気を吹き付けることができ、第2吐出口から空気が吐出されれば、人の頭部、首、及び肩峰のうちの少なくとも1以上の個所に空気を吹き付けることができる。このため、人の身体を部分的に冷ましたり暖めたりすることができ、実質的に人の全身を冷ましたり暖めたりすることもできる。このため、シートに着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
また、本開示の他の態様に係るシート空調装置において、前記制御部は、前記送風機を駆動する際に、前記吐出通風路選択切替部を、まず前記第1モードに切替え、次に前記第2モードに切替え、次に前記第3モードに切替える。
これによれば、特に夏場に人が車両に乗り込んだ直後からエアコンディショナの冷房が進捗するまでの間において、刻々と変化する車室内環境の変化に適応したモードでシート空調が実行されるので、シートに着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
また、本開示の他の態様に係るシート空調装置において、前記制御部は、温度センサが検知した前記温度を示す情報、及び、湿度センサが検知した前記湿度を示す情報の少なくとも一方の情報に基づいて、前記温度及び前記湿度の少なくとも一方が所定範囲内で安定すると、前記吐出通風路選択切替部を前記第1モードに切替える。
これによれば、エアコンディショナによる冷房が安定している状態において、空気は背部、及び腰部から吐出され、頭部、首、及び肩峰には吐出されないため、頭部、首、及び肩峰の冷え過ぎを抑制するとともに、背部、及び腰部から脚部にかけて包み込まれる空気流を維持することで、快適な空調環境を保つことができる。
また、本開示の他の態様に係る車両用シート空調装置において、前記第1吸気口は、前記座面の中央部、及び、外縁部に形成されている。
これによれば、臀部及び大腿部と座面との間において、座面の中央部に形成されている第1吸気口から空気を吸気することで、人の臀部及び大腿部の蒸れを抑制することができる。また、座面の外縁部に形成されている第1吸気口は、人の臀部及び大腿部に覆われ難い位置に形成されているため、シート周囲の空気を吸気することができる。例えば、座面の中央部に形成されている第1吸気口から空気を吸気することができなくても、座面の外縁部に形成されている第1吸気口から空気を吸気することができるため、第1、第2吐出口から空気を吐出することができる。
また、本開示の他の態様に係る車両用シート空調装置において、前記外縁部は、前記座面の奥部、および、前端部の少なくともいずれかである。
これによれば、座面の外縁部でも、特に座面の奥部、および、前端部は、人の臀部及び大腿部にさらに覆われ難い。したがって、第1吸気口から空気を吸気できる確度がさらに高まる。
また、本開示の他の態様に係る車両用シート空調装置において、前記第1吸気口とは異なる位置に配置された第2吸気口と、前記第2吸気口に接続される第4通風路と、前記第1通風路、および前記第4通風路と接続される吸気通風路選択切替部を備え、前記吸気通風路選択切替部は前記制御部に接続され、前記送風機は前記吸気通風路選択切替部と前記吐出通風路選択切替部との間に接続され、前記吸気通風路選択切替部は、前記第1通風路を前記送風機に接続する第4モードと、前記第4通風路を前記送風機に接続する第5モードと、前記第1通風路及び前記第4通風路を前記送風機に接続する第6モードとを有し、前記制御部は、前記第4モード、前記第5モード及び前記第6モードのうちからいずれかのモードを選択することで、前記吸気通風路選択切替部のモードを切替える。
これによれば、座面と人との間の第1吸気口から吸い込んだ空気と、座面以外に形成されている第2吸気口から吸い込んだ空気とを選択、および混合することができる。第2吸気口から吸い込んだ空気の温度が第1吸気口から吸い込んだ空気の温度と異なる場合、これらを選択、および混合することで、よりきめ細かい温度調節が可能となるので、シートに着座している人に対してより快適な空調環境を提供することができる。
また、本開示の他の態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、(1)前記吸気通風路選択切替部を前記第4モードに、前記吐出通風路選択切替部を前記第1モードに切り替え、(2)前記吸気通風路選択切替部を前記第5モードに、前記吐出通風路選択切替部を前記第2モードに切り替え、(3)前記吸気通風路選択切替部を前記第6モードに切り替え、(4)前記吸気通風路選択切替部を前記第4モードに切り替え、(5)前記吐出通風路選択切替部を前記第3モードに切り替える、動作手順を有する。
これによれば、例えば人が真夏に車内に乗り込んだ時に、エアコンディショナから冷風が出せなくても、まず(1)の動作により、人の腰、背中にのみ送風して、汗による気化熱で冷感を与えることができる。この時、ぬるい風が当たらないように、首、肩には吹き出さない。次に(2)の動作により、エアコンディショナから冷風が出始めると、その冷風を第2吸気口から積極的に取り込むとともに、汗で濡れた腰、背中への送風を止め(冷え過ぎ抑制)、首、肩から吹出して冷やす。次に(3)の動作により、座面の第1吸気口からも吸気を行い、人を包み込む気流の発生を開始することで心地よさを向上する。次に(4)の動作により、人を包み込む気流のみを発生させ、冷えすぎないようにエアコンディショナからの冷風取り込みを停止する。次に(5)の動作により、首、肩だけでなく、腰、背中へも送風して、長時間乗車による腰、背中の熱のこもりを抑制する。制御部の制御の中で、このような動作手順を有することにより、特に真夏に乗車した場合の快適性を向上することができる。
また、本開示の他の態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、前記吸気通風路選択切替部が第1所定期間に亘り前記第4モードまたは前記第6モードを継続している際に、第2所定期間に亘り、前記吸気通風路選択切替部を前記第5モードに切り替えるとともに前記吐出通風路選択切替部を前記第1モードと前記第2モードとに交互に切り替える。
これによれば、人を包み込む気流の発生が継続し、特に運転者の緊張が緩む状態であるときに、座面(第1吸気口)とは温度の異なるエアコンディショナの空気を第2吸気口のみから吸気するとともに、運転者の腰、背中と首、肩への吹き出しを交互に行うことにより運転者に注意喚起を行うことができる。
なお、本実施の形態において、人の首、及び肩峰との記載は、いずれも首近傍、及び肩峰近傍の上背部を含むものとして説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略矩形等の表現を用いている。例えば、略矩形は、完全に矩形状であることを意味するだけでなく、実質的に矩形状である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略矩形状は、本開示による効果を奏し得る範囲において矩形状という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
以下の説明において、シートの前後方向をX軸方向と称し、シートの上下方向をZ軸方向と称す。さらに、シートの左右方向、すなわちX軸方向及びZ軸方向のそれぞれに垂直な方向をY軸方向と称す。また、X軸方向における、シートの前側をプラス方向側と称し、シートの後側をマイナス方向側と称す。また、Y軸方向における、シートの左側(図1を見て右手前側)をプラス方向側と称し、その反対側をマイナス方向側と称す。また、右側とは、シートに人が着座したとき、車両の進行方向に対して人の右側であり、Y軸マイナス方向である。また、左側とは、シートに人が着座したとき、車両の進行方向に対して人の左側であり、Y軸プラス方向である。また、Z軸方向における、シートの上側をプラス方向側と称し、シートの下側をマイナス方向側と称す。図2以降においても、同様に適用する。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態)
<構成:シート1>
図1は、実施の形態におけるシート空調装置3が備えられたシート1の外観を示す斜視図である。図2は、図1のII-II線におけるシート空調装置3が備えられたシート1の外観を示す斜視図及びそのシートの断面図である。図3は、実施の形態におけるシート空調装置3を示すブロック図である。
図1~図3に示すように、例えば車両等に装備されているシート1は、人の上半身に空気を吹き付けることで、シート1に着座する人を冷やしたり暖めたりする。具体的には、シート1は、シート1に着座する人の頭部、首、肩峰、背部、及び腰部等に空気を吹き付けることで人の身体を冷やしたり暖めたりすることが可能である。また、臀部及び大腿部に対応する個所から空気を吸い込むことで気流を発生させ、臀部及び大腿部とシート1との間の蒸れを抑制したりすることも可能である。このようなシート1は、人が着座するための座部10と、シートバック13と、ヘッドレスト15と、シート空調装置3と、電源部70とを備える。
[座部10]
図1及び図2に示すように、座部10は、シート1に着座する人の臀部及び大腿部等を支えるシートクッションである。座部10は、クッション材に相当する第1シートパッド11aと、その第1シートパッド11aを覆う第1シートカバー11bとを有する。
第1シートパッド11aは、例えばウレタンフォーム等からなり、座部本体を構成する。第1シートパッド11aは、厚みのある略矩形の板状であり、X-Y平面と略平行な姿勢で配置される。第1シートパッド11aは、着座する人の臀部及び大腿部等を支える。
第1シートパッド11aには、第1シートカバー11bのZ軸プラス方向側の面である座面11cの第1通気口12aから吸気した空気を導くための第1通風路31が設けられている。また、第1シートパッド11aの直下には、シート空調装置3の構成要素である第1通風路31、第2通風路32の一部、第3通風路33の一部、送風機34及び吐出通風路選択切替部35等が設けられている。これらは、具体的には、第1シートパッド11aの直下にあるバネに固定されるが、図2ではバネの記載を省略している。なお、シート空調装置3の構成要素は、バネに固定される構成に限定されるものではなく、第1シートパッド11aの前部にあるシートフレームに固定される構成としてもよい。送風機34の駆動によって、第1シートパッド11a内の第1通風路31に空気が流入する。第1シートパッド11aに形成された第1通風路31は、第1シートパッド11aに形成された単なる貫通穴であってもよく、通気ダクトで構成されていてもよい。
第1シートカバー11bは、第1シートパッド11aを覆うカバーである。第1シートカバー11bは、例えば革カバー、繊維カバー等である。
第1シートカバー11bには、空気を吸気するための第1通気口12aが形成されている。第1通気口12aは、座部10に人が着座する側の面(Z軸プラス方向側の面)である座面11cであり、シート空調装置3の第1吸気口31aと対応する位置に形成されている。本実施の形態では、第1通気口12aは、第1シートカバー11bに対してX軸方向に沿って複数形成され、かつ、Y軸方向に並ぶ複数の列が形成されている。図1では、実線の矢印が第1通気口12aに対応している。
第1通気口12aから吸い込まれた空気は、シート空調装置3の第1吸気口31aに導かれ、第1吸気口31aから吸気されて第1通風路31に導かれる。このため、第1通気口12aは、シート空調装置3の駆動による第1吸気口31aからの吸引力によって、座面11c上に対流する空気を吸引する吸気口ともなる。なお、第1通気口12aは、第1通風路31の一部であってもよい。この場合、第1通気口12aは第1吸気口の一例となる。
[シートバック13]
シートバック13は、シート1に着座する人の肩峰、背部及び腰部を支える背もたれ部である。シートバック13は、Z軸方向に沿って長尺であり、座部10に対して立上るように配置される。シートバック13は、クッション材に相当する第2シートパッド13aと、その第2シートパッド13aを覆う第2シートカバー13bとを有する。
第2シートパッド13aは、例えばウレタンフォーム等からなり、シートバック13の下部に、姿勢に応じてY軸を中心に背もたれ角度を調整できる構成を有している。第2シートパッド13aは、着座する人の肩峰、背部及び腰部等を支える。
第2シートパッド13aには、第1通気口12aから吸気された空気を吐出するための第2通風路32の一部及び第3通風路33の一部等が設けられている。第2シートパッド13aには、送風機34の駆動によって第1シートパッド11a内の第1通風路31に流入した空気が、第2通風路32の第1吐出口32a及び第3通風路33の第2吐出口33aのうちの少なくとも一方から吐出される。第2シートパッド13aに形成された第2通風路32及び第3通風路33は、第1シートパッド11aに形成された単なる貫通穴であってもよく、通気ダクトで構成されていてもよい。
第2シートカバー13bは、第2シートパッド13aを覆うカバーである。第2シートカバー13bは、例えば革カバー、繊維カバー等である。
第2シートカバー13bには、吸気された空気を吐出するための第2通気口12b及び第3通気口12cが形成されている。第2通気口12bは、座部10に着座した人と対向する面(X軸プラス方向側の面)であり、第2通風路32の第1吐出口32aと対応する位置に形成されている。また、第3通気口12cは、座部10に着座した人と対向する面であり、第3通風路33の第2吐出口33aと対応する位置に形成されている。第3通気口12cは、第2通気口12bよりも鉛直上方、つまりZ軸プラス方向側に配置されている。本実施の形態では、第2通気口12b及び第3通気口12cは、第2シートカバー13bに対してそれぞれ複数形成されている。図1では、破線の矢印が第2通風路32に対応し、一点鎖線の矢印が第3通風路33に対応している。
具体的には、複数の第2通気口12bは3つの群に分けられ、3つの群のうちの第1の群は、第2シートカバー13bのY軸方向における中央部分に形成され、残りの2つの第2の群及び第3の群は、当該中央部分に対してY軸プラス方向及びY軸マイナス方向の両側に配置されるように第2シートカバー13bに形成されている。つまり、第1の群は、人の背部、及び腰部のうちの少なくとも1以上の個所と対応する第2シートカバー13bの部分に形成され、第2の群及び第3の群は、両腕又は両脇に対応する位置に形成されている。
また、複数の第3通気口12cも3つの群に分けられ、3つの群のうちの第4の群は、第2シートカバー13bのY軸方向における中央部分に形成され、残りの2つの第5の群及び第6の群は、当該中央部分に対してY軸プラス方向及びY軸マイナス方向の両側に配置されるように第2シートカバー13bに形成されている。例えば、第4の群は、人の頭部、首、及び肩峰のうちの少なくとも1以上の個所と対応する第2シートカバー13bの部分に形成され、第5の群及び第6の群は、両耳又は肩峰に対応する位置に形成されている。
複数の第2通気口12bは、第1通風路31及び第2通風路32に導かれて第1吐出口32aから吐出された空気が通過する。つまり、シート空調装置3の駆動によって第1通風路31及び第2通風路32に導かれた空気が第1吐出口32aから吐出されると、当該空気が第2通気口12bに導かれる。このため、第2通気口12bは、シート1の外部に空気を吐出する吐出口ともなる。なお、第2通気口12bは、第2通風路32の一部であってもよい。この場合、第2通気口12bは第1吐出口の一例となる。
また、複数の第3通気口12cも、第1通風路31及び第3通風路33に導かれて第2吐出口33aから吐出された空気が通過する。つまり、シート空調装置3の駆動によって第1通風路31及び第3通風路33に導かれた空気が第2吐出口33aから吐出されると、当該空気が第3通気口12cに導かれる。このため、第3通気口12cは、シート1の外部に空気を吐出する吐出口ともなる。なお、第3通気口12cは、第3通風路33の一部であってもよい。この場合、第3通気口12cは第2吐出口の一例となる。
[ヘッドレスト15]
ヘッドレスト15は、シート1に着座する人の頭部を支える頭あて部である。ヘッドレスト15は、シートバック13のZ軸プラス方向側の端部に固定されている。
なお、第3通気口12cは、ヘッドレスト15に形成されていてもよい。つまり、第3通風路33の一部がヘッドレスト15に設けられていてもよい。
[シート空調装置3]
シート空調装置3は、シート1に用いられ、シート1に着座した人に向けて、人の後ろから空気を吹き付けることができる空調装置である。シート空調装置3は、シート1の周囲に対流する空気を吸い込み、吸い込んだ空気を吹き付けることで、送風を実行する。このため、シート1の周囲の温度が常温よりも高ければ温風となり、常温よりも低ければ冷風となる。なお、シート空調装置3には、暖房及び冷房を実行できるエアコンディショナが搭載されていてもよい。
図4は、シートバック13を正面から見た場合のシート空調装置3を示す平面図、及び、座部10を上面から見た場合のシート空調装置3を示す上面図である。
図2~図4に示すように、シート空調装置3は、送風機34と、第1通風路31と、第2通風路32と、第3通風路33と、吐出通風路選択切替部35と、センサ50と、制御部60とを備える。
送風機34は、シート1の第1シートカバー11bに形成された第1通気口12aから空気を吸気し、吸気した空気を第2シートパッド13aに形成された第2通気口12b及び第3通気口12cから吐出することができる。具体的には、送風機34は、制御部60と電気的に接続され、制御部60に駆動制御されることで、第1通気口12aを介して第1吸気口31aから空気を吸気し、吸気した空気を第1通風路31、吐出通風路選択切替部35及び第2通風路32を経由して第1吐出口32aから吐出したり、吸気した空気を第1通風路31、吐出通風路選択切替部35及び第3通風路33を経由して第2吐出口33aから吐出したりする。
送風機34は、第1シートカバー11bの第1吸気口31aから空気を吸気するため、第1シートパッド11aの内部(本実施の形態では第1シートパッド11aの直下)に配置されている。なお、本実施の形態では、送風機34は、第1通風路31上に配置されているが、第1通風路31の第1吸気口31aから吐出通風路選択切替部35に空気が流れる流路を形成できれば、第1通風路31の外側に配置されていてもよい。送風機34は、第1シートパッド11aの外側に配置されてもよく、配置位置は特に限定されない。
第1通風路31は、送風機34によって、シート1の座部10に設けられる第1吸気口31aから吸いこまれた空気を導く。つまり第1通風路31内では、空気が流れる。第1通風路31は、例えば通気ダクトで構成されている。第1通風路31の一端は第1吸気口31aを形成し、他端は送風機34を介して吐出通風路選択切替部35に接続されている。つまり、第1通風路31は、第1吸気口31aから送風機34を介して吐出通風路選択切替部35に至っている。第1吸気口31aは、座部10に人が着座する側の面(座面11c)から空気を吸気することが可能であり、第1シートカバー11bの第1通気口12aと対応している。Z軸方向に沿って見た場合に、第1吸気口31aは、第1通気口12aと重なっている。本実施の形態では、第1吸気口31aは、第1通気口12aを介して空気を吸い込むが、直接的に空気を吸い込む構成であってもよい。
第2通風路32は、送風機34によって、第1通風路31に導かれた空気が第2通風路32内を流れて、シート1のシートバック13に設けられる第1吐出口32aから吐出する。第2通風路32は、例えば通気ダクトで構成されている。第2通風路32の一端は第1吐出口32aを形成し、他端は吐出通風路選択切替部35に接続されている。第1吐出口32aは、第2シートカバー13bの第2通気口12bと対応している。X軸方向に沿って見た場合に、第1吐出口32aは、第2通気口12bと重なっている。本実施の形態では、第1吐出口32aは、第2通気口12bを介して空気を吐出するが、直接的に空気を吐出する構成であってもよい。
第2通風路32は、吐出通風路選択切替部35から第1吐出口32aに至っている。本実施の形態では、第2通風路32は、第1シートパッド11a内の吐出通風路選択切替部35から第2シートパッド13aまで延びている。また、本実施の形態では、第2通風路32は、第2シートカバー13bにおけるY軸方向の中央部分に形成されている第2通気口12b(第1の群)近傍まで延び、当該第1の群近傍からY軸プラス方向及びY軸マイナス方向の両側に延びた略Y字状の構造体である。第1吐出口32aは、当該第1の群と対応する第2通風路32の部分と、当該両側に延びたそれぞれの第2通風路32の先端とにそれぞれ形成されている。つまり、第1吐出口32aは、人の背部、及び腰部のうちの少なくとも1以上の個所と対応する位置に配置されている。
第3通風路33は、第2通風路32と異なる通風路であり、送風機34によって第1通風路31に導かれた空気が第3通風路33内を流れて、シート1のシートバック13に設けられる第2吐出口33aから吐出する。第3通風路33は、例えば通気ダクトで構成されている。第3通風路33の一端は第2吐出口33aを形成し、他端は吐出通風路選択切替部35に接続されている。第2吐出口33aは、第2シートカバー13bの第3通気口12cと対応している。X軸方向に沿って見た場合に、第2吐出口33aは、第3通気口12cと重なっている。本実施の形態では、第2吐出口33aは、第3通気口12cを介して空気を吐出するが、直接的に空気を吐出する構成であってもよい。
第3通風路33は、吐出通風路選択切替部35から第2吐出口33aに至っている。本実施の形態では、第3通風路33は、第1シートパッド11a内の吐出通風路選択切替部35から第2シートパッド13aまで延びている。また、本実施の形態では、第3通風路33は、第2シートカバー13bにおけるY軸方向の中央部分に形成されている第3通気口12c(第4の群)近傍まで延び、当該第4の群近傍からY軸プラス方向及びY軸マイナス方向の両側に延びた略Y字状の構造体である。第2吐出口33aは、当該第4の群と対応する第3通風路33の部分と、当該両側に延びたそれぞれの第3通風路33の先端とにそれぞれ形成されている。つまり、第2吐出口33aは、人の頭部、首、及び肩峰のうちの少なくとも1以上の個所と対応する位置に配置されている。
このような第1通風路31、第2通風路32及び第3通風路33の構成により、第1吸気口31a、第1吐出口32a及び第2吐出口33aは、以下の関係がある。第1吸気口31aは、第1吐出口32a及び第2吐出口33aよりも鉛直下方に配置されている。また、第1吐出口32aは、第2吐出口33aよりも鉛直下方に配置されている。これにより、人の臀部及び大腿部に対応する個所から吸気した空気を、人の頭部、首、肩峰、背部及び腰部等に対応する個所から吐出することで、シート1に着座した人を包み込む気流を生み出す。
吐出通風路選択切替部35は、送風機34よりも第1吐出口32a及び第2吐出口33a側に設けられ、第1通風路31に導かれた空気を第2通風路32及び第3通風路33のうちの少なくとも1以上の通風路を選択して切替える。吐出通風路選択切替部35は、ダンパ等で構成され、空気の流路つまり通風路を切替えることができる。第1通風路31に導かれる空気において、吐出通風路選択切替部35は、送風機34よりも下流側に配置されている。吐出通風路選択切替部35は、第1通風路31に導かれた空気を、第2通風路32のみ、第3通風路33のみ、第2通風路32及び第3通風路33の両方同時のいずれかに選択的に導くことが可能である。
具体的には、吐出通風路選択切替部35は、第1モードと、第2モードと、第3モードとを有する。第1モードは、第1通風路31に導かれた空気を第2通風路32のみに導くことで第1吐出口32aから空気を吐出する。第2モードは、第1通風路31に導かれた空気を第3通風路33のみに導くことで第2吐出口33aから空気を吐出する。第3モードは、第1通風路31に導かれた空気を第2通風路32及び第3通風路33へ同時に導くことで第1吐出口32a及び第2吐出口33aから同時に空気を吐出する。吐出通風路選択切替部35は、制御部60と電気的に接続され、制御部60に駆動制御されることで、第1モード、第2モード、及び、第3モードのいずれかのモードが選択される。
[センサ50]
センサ50は、シート1に関する状態、シート1に着座している人の状態を検知する。
具体的には、センサ50は、シート1に関する状態として、第1通風路31に導かれた空気の温度及び湿度の少なくとも一方を検知する。センサ50は、温度センサ51及び湿度センサ52である。本実施の形態のシート空調装置3では、センサ50として、温度センサ51及び湿度センサ52の両方が用いられている。本実施の形態では、シート空調装置3は、温度センサ51及び湿度センサ52の少なくとも一方を備えていればよい。ここでは、湿度センサ52は相対湿度を計測して出力する構成のものとする。
温度センサ51及び湿度センサ52は、第1通風路31又は吐出通風路選択切替部35に配置されている。これにより、温度センサ51及び湿度センサ52は、シート1に着座している人の臀部及び大腿部に相当する温度、及び、臀部及び大腿部と座面11cとの間に相当する湿度を精度よく検知することができる。温度センサ51及び湿度センサ52は、当該温度を示す情報及び当該湿度を示す情報を検知した結果として制御部60に出力する。
また、センサ50は、人の状態を検知する。人の状態は、人の発汗状態、着座期間等である。例えば、センサ50は、シート1に着座した人の着座期間を検知するセンサを含んでいてもよく、人を撮像する撮像装置を含んでいてもよい。着座期間を検知するセンサ50は、例えば車両の起動期間に基づいて着座期間を検知してもよく、人の存在を検知し続けている期間である着座期間を検知してもよい。当該センサ50は、着座期間を示す情報を検知した結果として制御部60に出力してもよい。また、センサ50は、人を撮像することで、人の発汗状態を検知してもよい。センサ50は、人の発汗状態を示す情報を検知した結果として制御部60に出力してもよい。
[制御部60]
制御部60は、送風機34及び吐出通風路選択切替部35を制御する。制御部60は、送風機34及び吐出通風路選択切替部35に流す電流をオンオフしたり、電流値を変更することで送風機34の出力を制御したりするマイクロコンピュータである。
制御部60は、第1モード、第2モード及び第3モードのうちからいずれかのモードを選択することで、吐出通風路選択切替部35のモードを切替える。また、制御部60は、温度センサ51が検知した温度を示す情報、及び、湿度センサ52が検知した湿度を示す情報の少なくとも一方に基づいて、吐出通風路選択切替部35のモードを切替えてもよい。
例えば、制御部60は、センサ50が検知した検知結果に応じて吐出通風路選択切替部35のモードを切替えてもよい。具体的には、制御部60は、撮像装置等のセンサ50を用いて人の状態を撮像して検知した人の発汗状態に基づいて、吐出通風路選択切替部35のモードを切替える制御を実行してもよい。また、人がシート1に着座した際における、シート1の周囲の温度等に基づいて、制御部60は、吐出通風路選択切替部35のモードを切替える制御を実行してもよい。
さらに、制御部60は、車両に搭載されるエアコンディショナの制御部(以下、エアコン制御部61)と通信する機能を有していてもよい。この場合、制御部60はセンサ50の検知結果をエアコン制御部61に送信したり、エアコンディショナの動作状態を受信したりすることができる。本実施の形態では、図3に示すように、制御部60がエアコン制御部61と電気的に接続される構成として説明する。
[電源部70]
電源部70は、制御部60等を介して、送風機34及び吐出通風路選択切替部35に電力を供給する電源回路である。ここでは、電源部70は図示しないバッテリから供給される直流電源である。電源部70は、制御部60によって制御されることで、送風機34及び吐出通風路選択切替部35に供給する電流を調節する。
<処理>
図5は、実施の形態におけるシート空調装置3の処理を示すフローチャートである。
まず、図5に示すように、センサ50は、シート1に関する状態、シート1に着座している人の状態を検知する(S11)。具体的には、センサ50は、シート1に関する状態として、シート1の温度を示す情報、シート1の湿度を示す情報等を制御部60に出力したり、シート1に着座している人の状態として、人の発汗状態を示す情報、着座期間を示す情報等を制御部60に出力したりする。以下では、主に温度を示す情報について説明する。
制御部60は、センサ50から取得した結果として、シート1に関する状態、及び、シート1に着座している人の状態に基づいて、第1条件を満たしているか否かを判定する(S12)。
例えば、シート1の温度を示す情報に基づいて、シート1の温度が所定温度以上(例えば20℃以上)であれば、シート1内の温度が高く、シート1に熱が残っていると考えられる。この場合、第2吐出口33aから空気を吹き出せば、温かい空気が人の頭部、首及び肩峰等に吹き付けられることとなり、人は不快に感じることがある。また、周囲の温度が安定した後に、冷たい空気が人の頭部、首及び肩峰等に吹き付けられても、人は不快に感じることがある。そこで、制御部60は、判定項目として第1条件を満たしているか否かを判定する。第1条件を満たす場合は、例えば、人がシート1に着座した直後(具体的には、人が車両に乗車した直後)、人が発汗状態のとき、長時間シート1に着座しているとき、シート1の周囲を空調するためのエアコンディショナの暖房時にシートヒータをONにしているときにエアコンディショナを起動した直後等である。エアコンディショナの起動直後等の状態を示す情報は、制御部60がエアコン制御部61との通信により受信する。このとき、制御部60は、エアコンディショナの動作が冷房であるか暖房であるかを示す情報を受信してもよい。以下、第2条件、及び第3条件においても同様である。なお、制御部60は、湿度を示す情報に基づいて、判定項目として第1条件を満たしているか否かを判定してもよい。例えば第1条件として第1湿度以上(湿度が90%以上)である場合も上述と同様に、第1条件を満たしていると判定してもよい。
制御部60は、第1条件を満たしていると判定した場合(S12でYES)、第1モードを選択して吐出通風路選択切替部35のモードを切替え、吐出通風路選択切替部35に第1モードを実行させる(S13)。
図6のaは、第1モードを実行したときのシートバック13における空気の流路を示す模式平面図、及び、座部10における模式上面図であり、図6のbは、シート1における模式側面図である。図6のa及び図6のbに示すように、吐出通風路選択切替部35が第1モードを実行した場合、シート1の座面11cの第1通気口12aから吸気された空気は、第1吸気口31aに導かれ、第1吸気口31aから吸気されて第1通風路31に導かれ、吐出通風路選択切替部35に至った後に第2通風路32に導かれて第1吐出口32aから吐出され、第2通気口12bを通過してシート1の外部に吹き出される。これにより、例えば人の頭部、首及び肩峰等に温かい空気を吹き付けず、人の背部及び腰部等に空気を吹き付けることで、人の上半身における下方側から人の臀部及び大腿部までを包み込むような気流を生み出すことができる。また、人の頭部、首及び肩峰等が発汗しているときに第1吐出口32aから冷たい空気が吐出されなくても、汗の気化熱によって人の頭部、首及び肩峰等を冷やすことが期待できる。また、人がシート1に長時間着座しているとき、シート1にシートヒータが搭載されている場合においてエアコンディショナの暖房時にシートヒータをONにしているとき等では、第1モードを実行することで人がシート1と接触している部分が蒸れないようにすることもできる。制御部60は処理を終了する。そして、制御部60はステップS11から処理を繰り返す。
また、制御部60は、第1条件を満たしていないと判定した場合(S12でNO)、センサ50から取得した結果として、シート1に関する状態、シート1に着座している人の状態に基づいて、第2条件を満たしているか否かを判定する(S14)。
例えば、シート1の温度を示す情報に基づいて、シート1の温度が所定温度未満(例えば20℃未満)であれば、シート1内の温度が低いと考えられる。例えば、人の背部及び腰部等が汗で濡れている場合、第1吐出口32aから空気を吹き出せば、冷たい空気が人の背部及び腰部等に吹き付けられることとなり、背部及び腰部を過度に冷やしてしまうことがある。そこで、制御部60は、判定項目として第2条件を満たしているか否かを判定する。第2条件を満たす場合は、例えば、シート1の周囲を空調するためのエアコンディショナによってシート1の周囲の温度が低くなり、かつ、背部及び腰部等が汗で濡れているとき等である。なお、制御部60は、湿度を示す情報に基づいて、判定項目として第2条件を満たしているか否かを判定してもよい。例えば第1湿度未満第2湿度以下(湿度90%未満70%以上)である場合も上述と同様に、第2条件を満たしていると判定してもよい。
制御部60は、第2条件を満たしていると判定した場合(S14でYES)、第2モードを選択して吐出通風路選択切替部35のモードを切替え、吐出通風路選択切替部35に第2モードを実行させる(S15)。
図7のaは、第2モードを実行したときのシートバック13における空気の流路を示す模式平面図、及び、座部10における模式上面図であり、図7のbは、シート1における模式側面図である。図7のa及び図7のbに示すように、吐出通風路選択切替部35が第2モードを実行した場合、シート1の座面11cの第1通気口12aから吸気された空気は、第1吸気口31aに導かれ、第1吸気口31aから吸気されて第1通風路31に導かれ、吐出通風路選択切替部35に至った後に第3通風路33に導かれて第2吐出口33aから吐出され、第3通気口12cを通過してシート1の外部に吹き出される。これにより、例えば背部及び腰部等に冷たい空気を吹き付けず、人の頭部、首及び肩峰等に空気を吹き付けることで、人の上半身における上方側と、臀部及び大腿部とを包み込むような気流を生み出すことができる。また、人の頭部、首及び肩峰等に空気を吹き付けることで、シート1に着座している人の自立神経活動の交感神経を抑制し、副交感神経を活性化させることが期待できるため、人をリラックスさせることができる。制御部60は処理を終了する。そして、制御部60はステップS11から処理を繰り返す。
また、制御部60は、第2条件を満たしていないと判定した場合(S14でNO)、センサ50から取得した結果として、シート1に関する状態、シート1に着座している人の状態に基づいて、第3条件を満たしていると判定する。
例えば、シート1の温度を示す情報に基づいて、シート1の温度が所定温度未満(例えば20℃未満)であれば、シート1内の温度が低いと考えられる。例えば、日射量が多いとき及び長時間着座しているとき等では、人の身体に熱がこもることで背部及び腰部等が蒸れており、人の全身を冷ましたい場合がある。また、エアコンディショナの消費エネルギーを抑えたい場合もある。制御部60は、判定項目として第3条件を満たしているか否かを判定してもよい。第1条件及び第2条件を満たさない場合、つまり、第3条件となる場合は、例えば、エアコンディショナによってシート1の周囲の温度が低くなっている場合であり、人の身体に熱がこもることで背部等が蒸れているとき、エアコンディショナの消費エネルギーを抑えたいとき等である。なお、制御部60は、湿度を示す情報に基づいて、判定項目として第3条件を満たしているか否かを判定してもよい。例えば第3条件として第2湿度未満(湿度70%未満)である場合も同様に、第3条件を満たしていると判定してもよい。
制御部60は、第3条件を満たしていると判定した場合、第3モードを選択して吐出通風路選択切替部35のモードを切替え、吐出通風路選択切替部35に第3モードを実行させる(S16)。
図8のaは、第3モードを実行したときのシートバック13における空気の流路を示す模式平面図、及び、座部10における模式上面図であり、図8のbは、シート1における模式側面図である。図8のa及び図8のbに示すように、吐出通風路選択切替部35が第3モードを実行した場合、シート1の座面11cの第1通気口12aから吸気された空気は、第1吸気口31aに導かれ、第1吸気口31aから吸気されて第1通風路31に導かれ、吐出通風路選択切替部35に至った後に第2通風路32及び第3通風路33に導かれて第1吐出口32a及び第2吐出口33aから吐出され、第2通気口12b及び第3通気口12cを通過してシート1の外部に吹き出される。これにより、例えば人の頭部、首、肩峰、背部及び腰部等に空気を吹き付けることで、人の上半身全体から臀部及び大腿部までを包み込むような気流を生み出すことができる。また、人の上半身全体に空気を吹き付けることで、人の全身を冷ましたり、背部及び腰部等の蒸れを抑制したり、エアコンディショナの消費エネルギーを抑えたりすることができる。制御部60は処理を終了する。そして、制御部60はステップS11から処理を繰り返す。
なお、本処理例について、シート1の温度と湿度とでは、温度を湿度よりも優先してもよい。
制御部60は、以上に述べた処理を繰り返すことにより、シート1に関する状態、人の状態が変化したときに、第1モードから第3モードまでを自在に切替えることができる。
ここで、制御部60が、送風機34を駆動する際に、吐出通風路選択切替部35を、まず第1モードに切替え、次に第2モードに切替え、次に第3モードに切替える例を説明する。
制御部60は、夏場に人が車両に乗り込んだ直後であることをエアコン制御部61からの情報により判定すると、まず第1条件が満たされると判定して吐出通風路選択切替部35を第1モードに切替えて実行する。エアコン制御部61からの当該情報は、例えば、エアコン制御部61の起動を示す情報、エアコンディショナの操作部への入力操作を示す情報等である。その結果、まず第1吐出口32aから人の背部、及び腰部に空気が吐出されるので、発汗している背部、及び腰部を汗の気化熱で冷やすことができる。
次に、制御部60は、エアコンディショナによる冷房が効き始めたことをエアコン制御部61からの情報により判定すると、第2条件が満たされると判定して吐出通風路選択切替部35を第2モードに切替えて実行する。エアコン制御部61からの当該情報は、例えば、エアコンディショナの送風口近傍の温度を示す情報、車室内の温度を示す情報等である。その結果、第2吐出口33aから人の頭部、首、及び肩峰から空気が吐出されるが、冷房が効き始めているので、吐出空気も冷やされている状態となる。この空気を頭部、首、及び肩峰に吐出することで、効率よく冷却できるとともに、背部、及び腰部の冷え過ぎを抑制する。
次に、制御部60は、エアコンディショナによる冷房の効果が進展したことをエアコン制御部61からの情報により判定すると、第3条件が満たされると判定して、吐出通風路選択切替部35を第3モードに切替えて実行する。エアコン制御部61からの当該情報も、例えば、エアコンディショナの送風口近傍の温度を示す情報、車室内の温度を示す情報等である。その結果、第1吐出口32aと第2吐出口33aの両方から空気を吐出することで、車室内空気を人の全身に包み込むように吐出できるので、シートに着座している人に対してより快適な空調環境を提供することができる。
さらに、制御部60は、温度センサ51が検知した温度を示す情報、及び、湿度センサ52が検知した湿度を示す情報の少なくとも一方の情報に基づいて、温度及び湿度の少なくとも一方が所定範囲内で安定すると、吐出通風路選択切替部35を第1モードに切替えるようにしてもよい。具体的には、第1条件として、温度が所定範囲である25℃±1℃であること、及び、湿度(相対湿度)が所定範囲である70%±5%であることの少なくとも一方が成立すると、制御部60は、吐出通風路選択切替部35を第1モードに切替えて実行する。つまり、所定範囲内で安定とは、所定期間内において、温度センサ51が検知した温度に対して±数℃の誤差の範囲内に留まっていること、及び、湿度センサ52が検知した湿度に対して±数%の誤差の範囲内に留まっていることを意味する。
その結果、温度、及び湿度の少なくとも一方が所定範囲内で安定すると、エアコンディショナによる冷房が安定している状態となるので、この際に吐出通風路選択切替部35を第1モードに切替えると、空気は背部、及び腰部から吐出され、頭部、首、及び肩峰には吐出されない。したがって、頭部、首、及び肩峰の冷え過ぎを抑制するとともに、背部、及び腰部から脚部にかけて包み込まれる空気流を維持することで、快適な空調環境を保つことができる。
<作用効果>
次に、本実施の形態におけるシート空調装置3の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態のシート空調装置3は、シート1に用いられるシート空調装置3であって、送風機34と、送風機34によってシート1の人が着座するための座部10に設けられる第1吸気口31aから吸いこまれた空気を導く第1通風路31と、送風機34によって第1通風路31に導かれた空気を、シート1に設けられる第1吐出口32aから吐出するための第2通風路32と、第2通風路32と異なる通風路であり、送風機34によって第1通風路31に導かれた空気をシート1に設けられる第2吐出口33aから吐出するための第3通風路33と、送風機34よりも第1吐出口32a及び第2吐出口33a側に設けられ、第1通風路31に導かれた空気を第2通風路32及び第3通風路33のうちの少なくとも1以上の通風路を選択して切替える吐出通風路選択切替部35とを備える。そして、第1吸気口31a、第1通風路31、送風機34、吐出通風路選択切替部35、第2通風路32、第1吐出口32a、第3通風路33、及び、第2吐出口33aはシート1に内蔵される。そして、第1吸気口31aは、第1吐出口32a及び第2吐出口33aよりも鉛直下方に配置されているとともに、座部10に人が着座する側の面である座面11cから空気を吸気し、第1通風路31は、座部10に設けられ、第1吸気口31aから送風機34を介して吐出通風路選択切替部35に至っている。
これによれば、送風機34によってシート1に設けられた第1吸気口31aから空気を吸い込むことができる、つまり、シート1の周囲に対流している空気を吸い込むことができる。例えば車両に適用された従来のシート空調装置のように、車両の空調装置が空調した冷気又は暖気の一部を直接的にシートに供給する場合に比べて、本実施の形態では、シート空調装置3が直接的に吐出する冷気又は暖気がシート1で消費され難くなる。このため、空調装置によって車室内全体が空調された空気を第1吸気口31aから吸気し、吸気した空気を少なくとも第1吐出口32a又は第2吐出口33aから吐出してシート1に着座する人に吹き付けることで、人の身体を冷ましたり暖めたりすることができる。
したがって、このシート空調装置3では、空調効率の低下を抑制することができる。
特に、第1吸気口31aは第1吐出口32a及び第2吐出口33aよりも鉛直下方に配置されているため、例えば人の下肢と対応する個所に第1吸気口31aを設け、人の上半身と対応する個所に第1吐出口32a及び第2吐出口33aを設けることもできる。この場合、人の身体近傍の座面11cに設けた第1吸気口31aから空気を吸い込むことで身体近傍に気流を発生させるとともに、吸気した空気を少なくとも第1吐出口32a又は第2吐出口33aから吐出することで人に空気を吹き付けることができる。これにより、人の身体を包み込むような気流を生み出すことができるため、シート1に着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで快適な空調環境を提供することができる。より具体的には、シート1の座面11cに形成された第1吸気口31aから空気を吸気することができるため、座面11cと接している人の臀部及び大腿部の発汗による蒸れを抑制することができる。また、第1吐出口32a及び第2吐出口33aは第1吸気口31aよりも鉛直上方に配置されているため、人の上半身側に空気を吹き付けることができる。つまり、人の上半身側から臀部及び大腿部に対応する個所に向かう気流を生み出すことができるため、シート1に着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
さらに、夏場において、発汗した状態で人が車両に乗り込んだ場合、特に臀部においては、第1吸気口31aが第1吐出口32a及び第2吐出口33aよりシート1の鉛直下方に配置されるため、臀部からの空気の吐出が行われない。その結果、発汗した臀部を不要に冷却することによる人の不快感を抑制することができる。
加えて、従来の車両用シート空調装置は、車室内空調ユニットが吐出した空気を吸い込んでいる。しかし、夏場において、人が車両に乗り込んだ直後は、車室内空調ユニットが十分に立ち上がっておらず、冷風を吐出していない状態の温かい空気を吸い込むので、いわば温風が人に向かって吐出されることとなる。したがって、人が不快に感じることがある。これに対し、本実施の形態のシート空調装置3は、エアコンディショナの吐出空気を直接吸い込む構成ではないため、温風を吐出することによる人の不快感を抑制することができる。
さらに、シート1にはシート空調装置3を構成する第1吸気口31a、第1通風路31、送風機34、吐出通風路選択切替部35、第2通風路32、第1吐出口32a、第3通風路33、及び、第2吐出口33aが内蔵されるので、構成を簡素化することができる。
また、本実施の形態のシート空調装置3において、第1吐出口32aは、第2吐出口33aよりも鉛直下方に配置されている。
これによれば、例えば人の上半身と対応する個所に第1吐出口32a及び第2吐出口33aを設けることで、第1吐出口32aによって人の上半身における下方側に空気を吹き付けたり、第2吐出口33aによって人の上半身における上方側に空気を吹き付けたりすることができる。このため、人の身体の所定部分に空気を吹き付けることができるため、部分的に冷ましたり暖めたりすることで、シート1に着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
また、本実施の形態のシート空調装置3において、吐出通風路選択切替部35は、第1通風路31に導かれた空気を第2通風路32のみに導くことで第1吐出口32aから空気を吐出する第1モードを有する。
これによれば、例えば人の臀部及び腰部等の上半身における下方側に空気を吹き付ける、言い換えれば、人の頭部及び首等の上半身における上方側に空気を吹き付けないようにすることができる。第1吐出口32aから吐出されることで人の上半身における下方側に吹き付けられた空気は、座面11cの第1吸気口31aから吸気される、つまり、第1吐出口32aからシート1に着座している人の上半身における下方側を介して第1吸気口31aに吸気される。このため、人の上半身における下方側から臀部及び大腿部までを包み込むような気流を生み出すことができる。
具体例を挙げると、人が長時間シート1に着座しているとき、シート1の周囲を空調するためのエアコンディショナの暖房時にシートヒータをONにしているとき等では、第1モードを実行することで人がシート1と接触している部分が蒸れないようにすることができる。また別の例として、シート1が温かい状態のときに人がシート1に着座した直後、人が発汗状態のときにエアコンディショナを起動した直後等では、第2吐出口33aから空気を吐出しないモードである第1モードを実行することで、温かい人の頭部及び首等に吹き付けないようにして冷え過ぎの不快感を抑制することもできる。このため、シート1に着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
また、本実施の形態のシート空調装置3において、吐出通風路選択切替部35は、第1通風路31に導かれた空気を第3通風路33のみに導くことで第2吐出口33aから空気を吐出する第2モードを有する。
これによれば、例えば人の頭部及び首等の上半身における上方側に空気を吹き付ける、言い換えれば、人の臀部及び腰部等の上半身における下方側に空気を吹き付けないようにすることができる。第2吐出口33aから吐出されることで人の上半身における上方側に吹き付けられた空気は、座面11cの第1吸気口31aから吸気される、つまり、第2吐出口33aからシート1に着座している人の上半身における上方側を介して第1吸気口31aに吸気される。このため、人の上半身における上方側と、臀部及び大腿部とを包み込むような気流を生み出すことができる。
具体例を挙げると、エアコンディショナによってシート1の周囲の温度を低下させることで、シート1に残っていた熱が冷まされても、人の背部及び腰部が汗で濡れている場合がある。この場合では、第2モードを実行することで人の背部及び腰部を過度に冷やさないようにしつつ、肩峰、首、頭部等を冷やすことができる。このため、シート1に着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
また、本実施の形態のシート空調装置3において、吐出通風路選択切替部35は、第1通風路31に導かれた空気を第2通風路32及び第3通風路33へ同時に導くことで第1吐出口32a及び第2吐出口33aから同時に空気を吐出する第3モードを有する。
これによれば、第1吐出口32a及び第2吐出口33aから吐出されることで人に吹き付けられた空気は、座面11cの第1吸気口31aから吸気される、つまり、第1吐出口32a及び第2吐出口33aからシート1に着座している人を介して第1吸気口31aに吸気される。このため、人の上半身全体から臀部及び大腿部までを含め、実質的に人の全身を包み込むような気流を生み出すことができる。
具体例を挙げると、エアコンディショナによってシート1の周囲の温度を低下させることで、シート1に残っていた熱が排出されても、日射量が多いとき、長時間着座しているとき等では人の身体に熱がこもっている場合がある。この場合では、第3モードを実行することで人の全身を冷やすことができる。また、エアコンディショナの消費エネルギーを抑えたい場合、第3モードを実行することで人の全身を冷やすこともできる。このため、シート1に着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、より快適な空調環境を提供することができるとともに、エアコンディショナを含めたシステムの消費エネルギーを抑制することもできる。
また、本実施の形態のシート空調装置3において、送風機34及び吐出通風路選択切替部35を制御する制御部60を備え、吐出通風路選択切替部35は、第1通風路31に導かれた空気を第2通風路32のみに導くことで第1吐出口32aから空気を吐出する第1モードと、第1通風路31に導かれた空気を第3通風路33のみに導くことで第2吐出口33aから空気を吐出する第2モードと、第1通風路31に導かれた空気を第2通風路32及び第3通風路33へ同時に導くことで第1吐出口32a及び第2吐出口33aから同時に空気を吐出する第3モードとを有し、制御部60は、第1モード、第2モード及び第3モードのうちからいずれかのモードを選択することで、吐出通風路選択切替部35のモードを切替える。
これによれば、制御部60は、第1モード、第2モード及び第3モードのうちからいずれかのモードを選択することができるため、人の状態及び要望に応じて適切に冷ましたり暖めたりすることができる。
また、本実施の形態のシート空調装置3において、温度センサ51及び湿度センサ52のうちの少なくとも一方を備える。制御部60は、温度センサ51が検知した温度を示す情報、及び、湿度センサ52が検知した湿度を示す情報の少なくとも一方に基づいて、吐出通風路選択切替部35のモードを切替える。
これによれば、シート近傍における温度及び湿度を検知することができるため、人が快適と感じる空気の流れを生成するように吐出通風路選択切替部のモードを切替えることができる。また、例えば、エアコンディショナに温度及び湿度を検知した結果を出力することができる。このため、エアコンディショナは、温度及び湿度を検知した結果に基づいて空調することができる。
また、本実施の形態のシート空調装置3において、温度センサ51及び湿度センサ52のうちの少なくとも一方は、第1通風路31又は吐出通風路選択切替部35に配置されている。
これによれば、シート表面における温度及び湿度、具体的にはシート1に着座している人の臀部及び大腿部に相当する温度、及び、臀部及び大腿部と座面11cとの間に相当する湿度を精度よく検知することができる。したがって、より一層、人が快適と感じる空気の流れを生成するように吐出通風路選択切替部35のモードを切替えることができる。
また、本実施の形態のシート空調装置3において、第1吐出口32aは、人の背部、及び腰部のうちの少なくとも1以上の個所と対応する位置に配置され、第2吐出口33aは、人の頭部、首、及び肩峰のうちの少なくとも1以上の個所と対応する位置に配置されている。
これによれば、第1吐出口32aから空気が吐出されれば、人の背部、及び腰部のうちの少なくとも1以上の個所に空気を吹き付けることができ、第2吐出口33aから空気が吐出されれば、人の頭部、首、及び肩峰のうちの少なくとも1以上の個所に空気を吹き付けることができる。このため、人の身体を部分的に冷ましたり暖めたりすることができ、実質的に人の全身を冷ましたり暖めたりすることもできる。このため、シート1に着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
また、本実施の形態のシート空調装置3において、制御部60は、送風機34を駆動する際に、吐出通風路選択切替部35を、まず第1モードに切替え、次に第2モードに切替え、次に第3モードに切替える。
これによれば、特に夏場に人が車両に乗り込んだ直後からエアコンディショナの冷房が進捗するまでの間において、刻々と変化する車室内環境の変化に適応したモードでシート空調が実行されるので、シート1に着座している人に対して周囲に空調空気を留めることができ、最小限の空調エネルギーで、より快適な空調環境を提供することができる。
また、本実施の形態のシート空調装置3において、制御部60は、温度センサ51が検知した温度を示す情報、及び、湿度センサ52が検知した湿度を示す情報の少なくとも一方の情報に基づいて、温度及び湿度の少なくとも一方が所定範囲内で安定すると、吐出通風路選択切替部35を第1モードに切替える。
これによれば、エアコンディショナによる冷房が安定している状態において、空気は背部、及び腰部から吐出され、頭部、首、及び肩峰には吐出されないため、頭部、首、及び肩峰の冷え過ぎを抑制するとともに、背部、及び腰部から脚部にかけて包み込まれる空気流を維持することで、快適な空調環境を保つことができる。
(実施の形態の変形例1)
本変形例では、第1通風路131にはさらに第2吸気口31bと連通している点で、実施の形態のシート空調装置3と相違する。本変形例おける他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
図9は、実施の形態の変形例におけるシート空調装置3aが備えられたシート1の外観を示す斜視図及びそのシートの断面図である。
図9に示すように、第1通風路131は、第1吸気口31aと異なる吸気口である第2吸気口31bと連通している。具体的には、第1通風路131は、第2吸気口31bを形成する連通孔31cを有する。本実施の形態では、連通孔31cは、第2吸気口31bからZ軸方向に沿って延び、第1通風路131と接続されている。第2吸気口31bは、シート1の座面11c以外の面に形成されている。本実施の形態では、第2吸気口31bは、座面11cと反対側の面(座部10のZ軸マイナス方向側の面)に形成され、シート1の底部周囲の空気を吸気することができる。第1吸気口31aと第2吸気口31bとから吸気された空気は、第1吸気口31a及び第2吸気口31bから吐出通風路選択切替部35に至るまでの間で混合され、第2通風路32及び第3通風路33のうちの少なくとも1以上の通風路に導かれる。
また、第2吸気口31bは、車両に搭載されるエアコンディショナの送風口と対向するように配置されていてもよい。つまり、第2吸気口31bには、当該エアコンディショナが排出した冷たい空気又は温かい空気を吸い込むことで、第1通風路131を流れる空気と混合されてもよい。
このような、本変形例のシート空調装置3aにおいて、第1通風路131は、第1吸気口31aと異なる吸気口である第2吸気口31bと連通し、第2吸気口31bは、シート1の座面11c以外の面に形成されている。
これによれば、第1通風路131は第1吸気口31aだけでなく第2吸気口31bと連通しているため、座面11cと人との間の第1吸気口31aから吸い込んだ空気と、座面11c以外に形成されている第2吸気口31bから吸い込んだ空気(ここではシート1の底部周囲の空気)とを混合することができる。このように、シート1の周囲の空気を積極的に取り込むことができるため、シート1に着座している人に対してより快適な空調環境を提供することができる。
本変形例においても上述と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態の変形例2)
本変形例では、第1吸気口31aが座面11cの中央部、及び、外縁部に形成されており、特に外縁部として座面11cの奥部11d、前端部11e、および、両サイド部11fに第1吸気口31aが形成されている点で、実施の形態のシート空調装置3と相違する。本変形例おける他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
図10は、実施の形態の変形例2におけるシート空調装置3bが備えられたシート1の外観を示す斜視図である。
図10に示すように、第1吸気口31aは、座面11cの中央部と外縁部とに形成されている。ここで、外縁部には座面11cの奥部11d、前端部11e、および、両サイド部11fが含まれる。なお、ここでは外縁部が奥部11d、前端部11e、および、両サイド部11fの全てであるとしたが、これは、外縁部が少なくとも奥部11d、および、前端部11eの少なくともいずれかであればよい。したがって、中央部と外縁部の両方に設けられた第1吸気口31aにより、空気が第1通風路31に導かれる。
これによれば、臀部及び大腿部と座面11cとの間において、座面11cの中央部に形成されている第1吸気口31aから空気を吸気することで、人の臀部及び大腿部の蒸れを抑制することができる。また、座面11cの外縁部(奥部11d、前端部11e、および、両サイド部11f)に形成されている第1吸気口31aのうち、特に座面11cの奥部11d、および、前端部11eに形成されている第1吸気口31aは、人の臀部及び大腿部にさらに覆われ難い位置に形成されているため、シート周囲の空気を吸気することができる。例えば、座面11cの中央部に形成されている第1吸気口31aから空気を吸気することができなくても、座面11cの外縁部に形成されている第1吸気口31aから空気を吸気することができるため、第1吐出口32a、第2吐出口33aから空気を吐出することができる。
(実施の形態の変形例3)
本変形例では、第1吸気口31aとは異なる位置に配置された第2吸気口31bと、第2吸気口31bに接続される第4通風路31c1と、第1通風路31および第4通風路31c1と接続される吸気通風路選択切替部36とをシート空調装置3cがさらに備える点で、実施の形態のシート空調装置3と相違する。本変形例おける他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
図11は、実施の形態の変形例3におけるシート空調装置3cが備えられたシート1の外観を示す斜視図及びそのシート1の断面図である。
図11に示すように、第2吸気口31bは、第1吸気口31aとは異なる位置に配置される。本変形例では図9と同様に、座部10のZ軸マイナス方向側の面に形成され、シート1の底部周囲の空気を吸気することができる。なお、第2吸気口31bは図11の位置に限定されるものではなく、例えばシートバック13の側面や裏面に配置されてもよい。また、第2吸気口31bは車両に搭載される空調装置(図示せず)に接続されていてもよい。第2吸気口31bは第4通風路31c1に接続され、第4通風路31c1は吸気通風路選択切替部36に接続される。同様に、第1吸気口31aに接続される第1通風路31も吸気通風路選択切替部36に接続される。
吸気通風路選択切替部36は、第1通風路31および第4通風路31c1の少なくとも一方を選択する機能を有する。吸気通風路選択切替部36は送風機34に接続されるので、選択された通風路からの空気が送風機34により吸気される。吸気通風路選択切替部36は制御部60と電気的に接続されるので、制御部60により、第1通風路31および第4通風路31c1の少なくとも一方を選択することができる。
このような構成から、送風機34は吸気通風路選択切替部36と吐出通風路選択切替部35との間に接続される。
ここで、吸気通風路選択切替部36の選択モードを次のように定義する。まず、第1通風路31を送風機34に接続するモードを第4モードと定義する。次に、第4通風路31c1を送風機34に接続するモードを第5モードと定義する。次に、第1通風路31及び第4通風路31c1を両方とも送風機34に接続するモードを第6モードと定義する。したがって、制御部60は、第4モード、第5モード及び第6モードのうちからいずれかのモードを選択することで、吸気通風路選択切替部36のモードを切替える。この構成により、制御部60は、第1吸気口31aおよび第2吸気口31bの少なくとも一方から空気を吸気し、第1吐出口32aおよび第2吐出口33aの少なくとも一方から空気を吹き出す制御を行うことができる。
次に、本変形例のシート空調装置3cの動作について説明する。通常、制御部60は、実施の形態で述べたように、例えば温度センサ51、湿度センサ52の出力に基づいて、第1モードから第3モードのいずれかを制御する。それと同時に、制御部60は、第4モードから第6モードのいずれかを制御する。この制御については、例えば、温度センサ51、湿度センサ52の出力が所定の閾値を超えていれば、エアコンディショナの温度調節された空気を積極的に取り込むために、吸気通風路選択切替部36が第5モードになるように制御する。そして、温度センサ51、湿度センサ52の出力が所定の閾値を下回る傾向になれば、座面11cの空気を取り込んで人を包み込む気流を発生させるために、吸気通風路選択切替部36が第6モードになるように制御する。そして、温度センサ51、湿度センサ52の出力が所定の閾値を下回り、かつ、安定したならば、人を包み込む気流のみを発生させるために、吸気通風路選択切替部36が第4モードになるように制御する。そして、制御部60は、温度センサ51、湿度センサ52の出力が変動すれば、所定の閾値と比較することにより、上記した最適なモードになるように吸気通風路選択切替部36を制御すればよい。
これによれば、座面11cと人との間の第1吸気口31aから吸い込んだ空気と、座面11c以外に形成されている第2吸気口31bから吸い込んだ空気とを選択、および混合することができる。第2吸気口31bから吸い込んだ空気の温度が第1吸気口31aから吸い込んだ空気の温度と異なる場合、これらを選択、および混合することで、よりきめ細かい温度調節が可能となるので、シート1に着座している人に対してより快適な空調環境を提供することができる。
次に、例えば人が真夏に車内に乗り込んだ時の動作について説明する。制御部60は、例えば車両が非使用状態からドアの開錠がなされ、かつ、エアコンディショナからの車室内温度が閾値(一例として30℃)以上のであることを判断すると、次の動作を行う。
制御部60は、まず(1)吸気通風路選択切替部36を第4モード(座面11cのみから吸気)に、吐出通風路選択切替部35を第1モード(腰及び背中のみに向けて吐出)に切り替える。(1)の動作により、車両の使用開始直後でエアコンディショナから冷風が出せないとき、人の腰、背中にのみ送風して、汗による気化熱で冷感を与えることができる。この時、ぬるい風が当たらないように、首、肩には吹き出さない。
次に、制御部60は(2)吸気通風路選択切替部36を第5モード(座面11c以外から吸気)に、吐出通風路選択切替部35を第2モード(首及び肩のみに向けて吐出)に切り替える。(2)の動作により、エアコンディショナから冷風が出始めると、その冷風を第2吸気口31bから積極的に取り込むとともに、汗で濡れた腰、背中への送風を止め(冷え過ぎ抑制)、首、肩から吹出して冷やす。
次に、制御部60は(3)吸気通風路選択切替部36を第6モード(座面11cと、座面11c以外の両方から吸気)に切り替える。吐出通風路選択切替部35は第2モード(首及び肩のみに向けて吐出)のままである。(3)の動作により、座面11cの第1吸気口からも吸気を行い、人を包み込む気流の発生を開始することで心地よさを向上する。
次に、制御部60は(4)吸気通風路選択切替部36を第4モード(座面11cのみから吸気)に切り替える。吐出通風路選択切替部35は第2モード(首及び肩のみに向けて吐出)のままである。(4)の動作により、人を包み込む気流のみを発生させ、冷えすぎないようにエアコンディショナからの冷風取り込みを停止する。
次に、制御部60は(5)吐出通風路選択切替部35を第3モード(腰及び背中と、首及び肩との両方に向けて吐出)に切り替える。吸気通風路選択切替部36は第4モード(座面11cのみから吸気)のままである。(5)の動作により、首及び肩だけでなく、腰及び背中へも送風して、長時間乗車による腰及び背中の熱のこもりを抑制する。
なお、制御部60による(1)~(5)の切替は、乗車からの経過時間や温度センサ51、湿度センサ52の出力に基づいて行われる。
これによれば、制御部60の制御の中で、このような動作手順を有することにより、特に真夏に乗車した場合の快適性を向上することができる。
(実施の形態の変形例4)
本変形例では、制御部60は、吸気通風路選択切替部36が第1所定期間に亘り第4モードまたは第6モードを継続している際に、第2所定期間に亘り、吸気通風路選択切替部36を第5モードに切り替えるとともに吐出通風路選択切替部35を第1モードと第2モードとに交互に切り替える点で、変形例3のシート空調装置3cと相違する。本変形例おける他の構成は、特に明記しない場合は、変形例3と同様であり、同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
図12は、実施の形態の変形例4におけるシート空調装置3cの処理を示すフローチャートである。
本変形例のシート空調装置3cの構造は、変形例3で説明した図11と同じであるので、以下、本変形例で特徴となる動作について図12を用いて説明する。
制御部60は、車両の使用中に図12のフローチャートによる動作を繰り返し実行する。図12のフローチャートが実行されると、制御部60は、現在、吸気通風路選択切替部36が第4モード(座面11cのみから吸気)または第6モード(座面11cと、座面11c以外との両方から吸気)であるかを判断する(ステップS21)。もし、いずれのモードでもない、すなわち第5モード(座面11c以外から吸気)であれば(S21でNO)、例えば車両使用直後で車内が暑く、エアコンディショナの冷気を積極的に吐出していると想定されるため、運転者の注意力が維持されていると判断できる。そのため、制御部60は、図12のフローチャートを終了する。
一方、第4モードまたは第6モードであれば(S21でYES)、制御部60は、図12のフローチャートを実行してから第1所定期間が経過したかを判断する(ステップS22)。なお、第1所定期間は、第4モードまたは第6モードによる人を包み込む心地よい状態の継続により運転者の緊張が途切れるまでの期間として、例えば30分である。もし、第1所定期間が経過していなければ(S22でNO)、ステップS21に戻り、制御部60はステップS21以下の動作を繰り返す。
一方、第1所定期間が経過すれば(S22でYES)、運転者の緊張が途切れていると想定されるので、制御部60は、運転者への注意喚起のための以下の動作を実行する。
まず、制御部60は、吸気通風路選択切替部36を第5モード(座面11c以外から吸気)に切り替える(ステップS23)。これにより、人を包み込む心地よい気流を中断する。次に、制御部60は、吐出通風路選択切替部35を第1モード(腰及び背中に向けて吐出)と第2モード(首及び肩に向けて吐出)とに交互に切り替える(ステップS24)。ここで、交互に切り替えるタイミングとして、例えば、運転者の注意喚起が可能と想定される30秒ごととする。このような動作により、運転者へは心地よい気流が中断され、かつ、腰、背中への空気の吹き出しと首、肩への空気の吹き出しが交互に繰り返されるので、空調に対する違和感を覚える。これにより、緊張が途切れたことに対する注意喚起を行うことができる。
次に、制御部60は、ステップS23の動作を最初に開始してから第2所定期間が経過したかを判断する(ステップS25)。ここで、第2所定期間は、例えば、上記した違和感を与えることにより運転者に注意喚起が可能と想定される5分とした。もし、第2所定期間が経過していなければ(S25でNO)、制御部60はステップS23に戻り、ステップS23以降の動作を繰り返す。
一方、第2所定期間が経過すれば(S25でYES)、運転者への注意喚起が完了したと想定されるため、制御部60は、図12のフローチャートを実行する直前のモード(元のモード)になるように、吸気通風路選択切替部36及び吐出通風路選択切替部35を切り替える(ステップS26)。そして、図12のフローチャートを終了する。
これによれば、人を包み込む気流の発生が継続し、特に運転者の緊張が緩む状態であるときに、座面(第1吸気口31a)とは温度の異なるエアコンディショナの空気を第2吸気口31bのみから吸気するとともに、運転者の腰及び背中と首及び肩とへの吹き出しを交互に行うことにより運転者に注意喚起を行うことができる。
(その他変形例等)
以上、本開示について、実施の形態及び実施の形態の変形例に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態及び実施の形態の変形例等に限定されるものではない。
例えば、上記各実施の形態及び実施の形態の変形例に係るシート空調装置3において、シート1には、シートヒータが備えられていてもよい。シートヒータは、車両等のシート1の座部10及びシートバック13の少なくとも一方に設けられ、発熱して加熱することで、人の背部、腰部、臀部及び大腿部等を温める。シートヒータは、加熱設定によりシート1を加熱し、非加熱設定によりシート1を加熱しない。シートヒータは、第1シートパッド11aと第1シートカバー11bとの間、第2シートパッド13aと第2シートカバー13bとの間に配置されてもよい。シートヒータは、基材と、ヒータ線とを有していてもよい。基材は、弾性、柔軟性及び延性を有する材質によってシート状に形成された不織布、布状のウレタン等の発泡性樹脂等であってもよい。ヒータ線は、ヒータ線に供給する電力を制御するための制御部60と電気的に接続され、制御部60で制御された電源部70からの電力によって、発熱する導電線であってもよい。制御部60は、ヒータ線に流す電流をオンオフしたり、電流値を変更することでヒータ線の発熱量を制御したりすることができてもよい。
また、上記各実施の形態及び実施の形態の変形例に係るシート空調装置において、制御部は、自動的に第1モード、第2モード及び第3モードのうちからいずれかのモードを選択することで、吐出通風路選択切替部のモードを切替えてもよく、人による操作によって手動的に当該吐出通風路選択切替部のモードを切替えてもよい。
また、上記各実施の形態及び実施の形態の変形例に係るシート空調装置において、制御部は、車両に搭載されている温度センサ、湿度センサ等から、車室内の温度を示す情報、湿度を示す情報等を取得し、かつ、シート空調装置のセンサである温度センサ、湿度センサ等から、車室内の温度を示す情報、湿度を示す情報等と合わせて、自動的に第1モード、第2モード及び第3モードのうちからいずれかのモードを選択してもよい。
また、上記各実施の形態及び実施の形態の変形例に係るシート空調装置に含まれる各処理部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
なお、上記各実施の形態及び実施の形態の変形例において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態及び実施の形態の変形例は例示された数字に制限されない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
その他、実施の形態及び実施の形態の変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び実施の形態の変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示は、例えば車両等の移動体用シート、ソファー等に利用可能である。
1 シート
3、3a、3b、3c シート空調装置
10 座部
31、131 第1通風路
31a 第1吸気口
31b 第2吸気口
31c1 第4通風路
32 第2通風路
32a 第1吐出口
33 第3通風路
33a 第2吐出口
34 送風機
35 吐出通風路選択切替部
36 吸気通風路選択切替部
51 温度センサ
52 湿度センサ
60 制御部

Claims (17)

  1. シートに用いられるシート空調装置であって、
    送風機と、
    前記送風機によって前記シートの人が着座するための座部に設けられる第1吸気口から吸いこまれた空気を導く第1通風路と、
    前記送風機によって前記第1通風路に導かれた空気を、前記シートに設けられる第1吐出口から吐出するための第2通風路と、
    前記第2通風路と異なる通風路であり、前記送風機によって前記第1通風路に導かれた空気を前記シートに設けられる第2吐出口から吐出するための第3通風路と、
    前記送風機よりも前記第1吐出口及び前記第2吐出口側に設けられ、前記第1通風路に導かれた空気を前記第2通風路及び前記第3通風路のうちの少なくとも1以上の通風路を選択して切替える吐出通風路選択切替部とを備え、
    前記第1吸気口、前記第1通風路、前記送風機、前記吐出通風路選択切替部、前記第2通風路、前記第1吐出口、前記第3通風路、及び、前記第2吐出口が前記シートに内蔵され、
    前記第1吸気口は、前記第1吐出口及び前記第2吐出口よりも鉛直下方に配置されているとともに、前記座部に人が着座する側の面である座面から空気を吸気し、
    前記第1通風路は、前記座部に設けられ、前記第1吸気口から前記送風機を介して前記吐出通風路選択切替部に至っている
    シート空調装置。
  2. 前記第1吐出口は、前記第2吐出口よりも鉛直下方に配置されている
    請求項1に記載のシート空調装置。
  3. 前記吐出通風路選択切替部は、前記第1通風路に導かれた空気を前記第2通風路のみに導くことで前記第1吐出口から空気を吐出する第1モードを有する
    請求項2に記載のシート空調装置。
  4. 前記吐出通風路選択切替部は、前記第1通風路に導かれた空気を前記第3通風路のみに導くことで前記第2吐出口から空気を吐出する第2モードを有する
    請求項2又は3に記載のシート空調装置。
  5. 前記吐出通風路選択切替部は、前記第1通風路に導かれた空気を前記第2通風路及び前記第3通風路へ同時に導くことで前記第1吐出口及び前記第2吐出口から同時に空気を吐出する第3モードを有する
    請求項2~4のいずれか1項に記載のシート空調装置。
  6. 前記送風機及び前記吐出通風路選択切替部を制御する制御部を備え、
    前記吐出通風路選択切替部は、
    前記第1通風路に導かれた空気を前記第2通風路のみに導くことで前記第1吐出口から空気を吐出する第1モードと、
    前記第1通風路に導かれた空気を前記第3通風路のみに導くことで前記第2吐出口から空気を吐出する第2モードと、
    前記第1通風路に導かれた空気を前記第2通風路及び前記第3通風路へ同時に導くことで前記第1吐出口及び前記第2吐出口から同時に空気を吐出する第3モードとを有し、
    前記制御部は、前記第1モード、前記第2モード及び前記第3モードのうちからいずれかのモードを選択することで、前記吐出通風路選択切替部のモードを切替える
    請求項1又は2に記載のシート空調装置。
  7. 温度センサ及び湿度センサのうちの少なくとも一方を備え、
    前記制御部は、前記温度センサが検知した温度を示す情報、及び、前記湿度センサが検知した湿度を示す情報に基づいて、前記吐出通風路選択切替部のモードを切替える
    請求項6に記載のシート空調装置。
  8. 前記温度センサ及び前記湿度センサのうちの少なくとも一方は、前記第1通風路又は前記吐出通風路選択切替部に配置されている
    請求項7に記載のシート空調装置。
  9. 前記制御部は、前記送風機を駆動する際に、前記吐出通風路選択切替部を、まず前記第1モードに切替え、次に前記第2モードに切替え、次に前記第3モードに切替える
    請求項6~8のいずれか1項に記載のシート空調装置。
  10. 前記制御部は、温度センサが検知した前記温度を示す情報、及び、湿度センサが検知した前記湿度を示す情報の少なくとも一方の情報に基づいて、前記温度及び前記湿度の少なくとも一方が所定範囲内で安定すると、前記吐出通風路選択切替部を前記第1モードに切替える
    請求項9に記載のシート空調装置。
  11. 前記第1通風路は、前記第1吸気口と異なる吸気口である第2吸気口と連通し、
    前記第2吸気口は、前記シートの前記座面以外の面に形成されている
    請求項1~10のいずれか1項に記載のシート空調装置。
  12. 前記第1吐出口は、人の背部、及び腰部のうちの少なくとも1以上の個所と対応する位置に配置され、
    前記第2吐出口は、人の頭部、首、及び肩峰のうちの少なくとも1以上の個所と対応する位置に配置されている
    請求項1~11のいずれか1項に記載のシート空調装置。
  13. 前記第1吸気口は、前記座面の中央部、及び、外縁部に形成されている
    請求項1~12のいずれか1項に記載の車両用シート空調装置。
  14. 前記外縁部は、前記座面の奥部、及び、前端部の少なくともいずれかである
    請求項13に記載の車両用シート空調装置。
  15. 前記第1吸気口とは異なる位置に配置された第2吸気口と、前記第2吸気口に接続される第4通風路と、前記第1通風路、及び前記第4通風路と接続される吸気通風路選択切替部を備え、
    前記吸気通風路選択切替部は前記制御部に接続され、
    前記送風機は前記吸気通風路選択切替部と前記吐出通風路選択切替部との間に接続され、
    前記吸気通風路選択切替部は、前記第1通風路を前記送風機に接続する第4モードと、前記第4通風路を前記送風機に接続する第5モードと、前記第1通風路及び前記第4通風路を前記送風機に接続する第6モードとを有し、
    前記制御部は、前記第4モード、前記第5モード及び前記第6モードのうちからいずれかのモードを選択することで、前記吸気通風路選択切替部のモードを切替える
    請求項6に記載の車両用シート空調装置。
  16. 前記制御部は、(1)前記吸気通風路選択切替部を前記第4モードに、前記吐出通風路選択切替部を前記第1モードに切り替え、(2)前記吸気通風路選択切替部を前記第5モードに、前記吐出通風路選択切替部を前記第2モードに切り替え、(3)前記吸気通風路選択切替部を前記第6モードに切り替え、(4)前記吸気通風路選択切替部を前記第4モードに切り替え、(5)前記吐出通風路選択切替部を前記第3モードに切り替える、動作手順を有する
    請求項15に記載の車両用シート空調装置。
  17. 前記制御部は、前記吸気通風路選択切替部が第1所定期間に亘り前記第4モードまたは前記第6モードを継続している際に、第2所定期間に亘り、前記吸気通風路選択切替部を前記第5モードに切り替えるとともに前記吐出通風路選択切替部を前記第1モードと前記第2モードとに交互に切り替える
    請求項15に記載の車両用シート空調装置。
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