JP2022070113A - 水系インク - Google Patents

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Abstract

【課題】再分散性に優れ、普通紙印刷における画像濃度が高く、専用紙印刷における光沢性、定着性に優れた水系インクを提供する。【解決手段】顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)、ポリマーエマルジョン(B)、水溶性有機溶剤(C)を含有する水系インクであって、前記粒子(A)を構成するカルボキシ基を有する水不溶性ポリマー(a)がエポキシ化合物で架橋されてなり、前記ポリマー(a)の酸価が180~320mgKOH/g、ポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマー(b)の酸価が5~60であり、更に下記式で表される質量比mが0.05~0.38、下記式で表される質量比yが0.55~0.82である水系インクである。m=〔ポリマー(a)の質量+エポキシ化合物(e)の質量〕/〔ポリマー(a)の質量+エポキシ化合物(e)の質量+ポリマー(b)の質量〕y=〔顔料の質量〕/〔架橋ポリマー粒子(A)の質量+ポリマー(b)の質量〕【選択図】なし

Description

本発明は、水系インクに関する。
インクジェット記録方式は、微細なノズルからインク液滴を直接吐出し、記録媒体に付着させて、文字や画像が記録された記録物を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易でかつ安価であり、記録媒体として普通紙が使用可能で、記録媒体に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。近年特に、記録物の耐候性や耐水性の観点から、着色剤に顔料を用いるものが広く用いられている。
ところで、顔料を用いるインクジェット記録用インクは、被印刷物が普通紙である場合にはインク液滴が着弾した後、顔料が紙繊維中に浸透するため、染料を用いるインクと比較すると、画像濃度が低くなるという問題があった。
これらの問題点を改善するインクジェット記録用水系インクとして、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、印字濃度を維持しつつ、吐出安定性(吐出の回復性)、画像堅牢性に優れた水系インクとして、顔料を含有する水不溶性架橋ポリマー粒子(A)と、ポリマーエマルジョン(B)を含有する水系インクであって、架橋ポリマー粒子(A)を構成する水不溶性架橋ポリマーが、酸価が200mgKOH/g以上のカルボン酸モノマー由来の構成単位と疎水性モノマー由来の構成単位とを有するポリマーをエポキシ化合物で架橋してなり、ポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマーが、カルボン酸モノマー由来の構成単位と疎水性モノマー由来の構成単位とを含有する、水系インクが開示されている。
特開2019-14883号公報
特許文献1の水系インクは、再分散性と、コート紙に印刷した際の画像堅牢性は向上しているが、普通紙での画像濃度については改善の余地があった。
本発明は、再分散性に優れ、普通紙印刷における画像濃度が高く、専用紙印刷における光沢性、定着性に優れた水系インクを提供することを課題とする。
ここで、再分散性とは、水系インク中で沈降した顔料を再び分散させる場合の顔料の分散のし易さ、ないしインクが乾燥した後、再度液体成分と接したときの流動性し易さをいう。特にインクジェット記録においては、インク液滴を吐出するノズル孔周辺に付着し乾燥したインクが、インク中に再溶解又は再分散することが求められる。
本発明者らは、顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)、ポリマーエマルジョン(B)、有機溶媒(C)、及び水を含有する水系インクにおいて、ポリマーの酸価と、ポリマーとエポキシ化合物の合計質量比、及び顔料の質量比を特定の範囲に調整することにより、上記の課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)、ポリマーエマルジョン(B)、有機溶媒(C)、及び水を含有する水系インクであって、
顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)を構成するカルボキシ基を有する水不溶性ポリマー(a)がエポキシ化合物(e)で架橋されてなり、前記ポリマー(a)の酸価が180mgKOH/g以上320mgKOH/g以下であり、ポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマー(b)の酸価が5以上60以下であり、
更に下記〔条件1〕及び〔条件2〕を満たす、水系インクを提供する。
〔条件1〕:下記式(1)で表される、水系インク中の前記ポリマーとエポキシ化合物(e)の合計質量比mが、0.05以上0.38以下である。
m=〔水系インク中のポリマー(a)由来成分の質量+水系インク中のエポキシ化合物(e)由来成分の質量〕/〔水系インク中のポリマー(a)由来成分の質量+水系インク中のエポキシ化合物(e)由来成分の質量+水系インク中のポリマー(b)の質量〕 (1)
〔条件2〕:下記式(2)で表される、水系インク中の顔料の質量比yが、0.55以上0.82以下である。
y=〔水系インク中の顔料の質量〕/〔水系インク中の架橋ポリマー粒子(A)の質量+水系インク中のポリマー(b)の質量〕 (2)
本発明によれば、再分散性に優れ、普通紙印刷における画像濃度が高く、専用紙印刷における光沢性、定着性に優れた水系インクを提供することができる。
[水系インク]
本発明の水系インクは、顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)、ポリマーエマルジョン(B)、有機溶媒(C)、及び水を含有する水系インク(以下、「本発明インク」ともいう)であって、
顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)(以下、単に「架橋ポリマー粒子(A)」ともいう)を構成するカルボキシ基を有する水不溶性ポリマー(a)(以下、単に「ポリマー(a)」ともいう)がエポキシ化合物(e)で架橋されてなり、前記ポリマー(a)の酸価が180mgKOH/g以上320mgKOH/g以下であり、ポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマー(b)の酸価が5以上60以下であり、
更に下記〔条件1〕及び〔条件2〕を満たす。
〔条件1〕:下記式(1)で表される、水系インク中の前記ポリマーとエポキシ化合物(e)の合計質量比mが、0.05以上0.38以下である。
m=〔水系インク中のポリマー(a)由来成分の質量+水系インク中のエポキシ化合物(e)由来成分の質量〕/〔水系インク中のポリマー(a)由来成分の質量+水系インク中のエポキシ化合物(e)由来成分の質量+水系インク中のポリマー(b)の質量〕 (1)
〔条件2〕:下記式(2)で表される、水系インク中の顔料の質量比yが、0.55以上0.82以下である。
y=〔水系インク中の顔料の質量〕/〔水系インク中の架橋ポリマー粒子(A)の質量+水系インク中のポリマー(b)の質量〕 (2)
なお、本明細書において「水系」とは、顔料を分散させる媒体中で、水が質量比で最大割合を占めていることを意味する。
また、「記録」とは、文字や画像を印字、印刷することを意味する。
本発明インクは、インクジェット記録用インク、グラビア印刷用インキ、フレキソ印刷用インキ等に好適に用いられるが、特に再分散性に優れることから、インクジェット記録用インクとして用いることが好ましい。
本発明インクは、再分散性に優れ、普通紙印刷における画像濃度が高く、専用紙印刷における光沢性、定着性に優れている。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明インクは、顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)を含有するが、該架橋ポリマー粒子(A)は、酸価の高いポリマーを必要最低量用いて顔料を被覆した後、架橋して、顔料にポリマーを固定化している。さらに、写真用紙への定着性や光沢性を高める定着ポリマーとしてポリマーエマルジョン(B)も特定量含有している。これらにより、印刷後にインクが乾燥し、インク中の溶剤比率が高くなった場合においても、ポリマーが膨潤しにくく、顔料に固着したポリマーの脱離が起こりにくいだけでなく、顔料に固着したポリマーが親水的であるため、再分散性が優れるものになっていると考えられる。
一方で、普通紙の画像濃度は、インクが紙面上で乾燥した際に、顔料からのポリマーの脱離を促進し、不安定化させることが重要であると考えられてきた。しかし、本発明者らは、ポリマーを顔料から脱離させなくても、紙面に微量に含まれるカルシウム塩への安定性を下げることで画像濃度を高めることができることを見出した。すなわち、顔料粒子の電荷反発力を弱めるために、顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)及びポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマーの量を、前記〔条件1〕及び〔条件2〕を充足するように、できるだけ少なくしたことで、画像濃度を高めることができたと考えられる。
<顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)>
本発明において顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)とは、顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)を構成するポリマー(以下、単に「架橋ポリマー(A)」ともいう)が顔料を包含する形態、架橋ポリマー(A)からなる粒子の表面に顔料の一部が露出している形態、架橋ポリマー(A)が顔料の一部に吸着している形態、架橋ポリマー(A)の粒子に顔料が付着している形態等のいずれか、またこれらの混合物を意味する。
〔顔料〕
本発明に用いられる顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよく、有機顔料にはレーキ顔料、蛍光顔料も含まれる。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロム等の金属酸化物、真珠光沢顔料等が挙げられる。特に黒色インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、アゾレーキ顔料、不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料類;フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンツイミダゾロン顔料、スレン顔料等の多環式顔料類等が挙げられる。
色相は特に限定されず、ホワイト、ブラック、グレー等の無彩色顔料;イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、レッド、オレンジ、グリーン等の有彩色の有機顔料をいずれも用いることができる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・オレンジ、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンから選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
上記の顔料は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
顔料は、水系インクの再分散性及び画像濃度を向上させる観点から、カルボキシ基を有する水不溶性ポリマー(a)がエポキシ化合物(e)で架橋された架橋構造を有する架橋ポリマー、すなわち架橋ポリマー(A)により水系インク中に分散されている。
〔ポリマー(a)〕
ポリマー(a)は、(a-1)カルボキシ基含有ビニルモノマー(以下、「(a-1)成分」ともいう)由来の構成単位と、(a-2)疎水性ビニルモノマー(以下、「(a-2)成分」ともいう)由来の構成単位とを有することが好ましい。ポリマー(a)は、更に(a-3)ノニオン性モノマー(以下、「(a-3)成分」ともいう)由来の構成単位、更にはマクロモノマー由来の構成単位を含有していてもよい。
〔(a-1)カルボキシ基含有ビニルモノマー〕
(a-1)カルボキシ基含有ビニルモノマーは、本発明インクにおいて、顔料の分散安定性を発現させる源として、ポリマー(a)のモノマー成分として用いられる。
(a-1)成分としては、カルボン酸ビニルモノマーが挙げられる。
カルボン酸ビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2-メタクリロイルオキシメチルコハク酸等から選ばれる1種以上が挙げられるが、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる1種以上が好ましい。
〔(a-2)疎水性ビニルモノマー〕
(a-2)疎水性ビニルモノマーは、顔料の分散安定性を向上させ、水系インクの再分散性及び画像濃度を向上させる観点から、ポリマー(a)のモノマー成分として用いられる。
ここで「疎水性」とは、モノマーを25℃のイオン交換水100gへ飽和するまで溶解させたときに、その溶解量が10g未満であることをいう。疎水性モノマー(a-2)の前記溶解量は、ポリマーの顔料への吸着性の観点から、好ましくは5g以下、より好ましくは1g以下である。
(a-2)成分としては、炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数6以上22以下のアリール基を有するアルキル(メタ)アクリレート又は芳香族基含有モノマーが好ましく挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、好ましくは炭素数1以上18以下、より好ましくは炭素数1以上10以下のアルキル基を有するものが好ましい。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる1種以上を意味する。以下における「(メタ)」も同義である。
芳香族基含有モノマーとしては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6以上22以下の芳香族基を有するビニルモノマーが好ましく、スチレン系モノマー、芳香族基含有(メタ)アクリレートがより好ましい。芳香族基含有モノマーの分子量は、500未満が好ましい。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン、及びジビニルベンゼン等から選ばれる1種以上が好ましく、スチレン及びα-メチルスチレンから選ばれる1種以上がより好ましい。
また、芳香族基含有(メタ)アクリレートとしては、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等から選ばれる1種以上が好ましく、ベンジル(メタ)アクリレートがより好ましい。
(a-2)成分は、前記のモノマーを2種以上使用してもよく、その場合は、スチレン系モノマーを2種以上とすることが好ましく、スチレンとα-メチルスチレンを併用することがより好ましい。
〔(a-3)ノニオン性モノマー〕
(a-3)ノニオン性モノマーは、顔料の分散安定性を調整する観点から、ポリマー(a)のモノマー成分として用いることができる。
(a-3)ノニオン性モノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコール(n=2~30、nはオキシプロピレン基の平均付加モル数を示す。以下のnは当該オキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2~30)(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール(n=1~30)(メタ)アクリレート;フェノキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(n=1~30、その中のエチレングリコール:n=1~29)(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、ポリプロピレングリコール(n=2~30)(メタ)アクリレート、フェノキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合)(メタ)アクリレートが好ましく、ポリプロピレングリコール(n=2~30)(メタ)アクリレートがより好ましい。
(a-3)成分の市販品例としては、新中村化学工業株式会社のNKエステルMシリーズ、日油株式会社のブレンマーPE、PME、PP、APシリーズや、50PEP-300、50POEP-800B、43PAPE-600B等が挙げられる。
以上の観点から、ポリマー(a)は、(a-1)成分がアクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる1種以上であり、(a-2)成分がスチレン及びα-メチルスチレンから選ばれる1種以上であることが好ましく、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸共重合体であることがより好ましい。
ポリマー(a)製造時における、モノマー混合物中における各成分の含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)又はポリマー(a)中における各成分に由来する構成単位の含有量は、顔料の分散安定性を向上させ、水系インクの再分散性及び画像濃度を向上させる観点から、次のとおりである。
(a-1)成分の含有量は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、そして、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
(a-2)成分の含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。
(a-3)成分を含有する場合、(a-3)成分の含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下である。
[(a-1)成分/(a-2)成分]の質量比は、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.35以上、より更に好ましくは0.38以上であり、そして、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0.8以下である。
〔ポリマー(a)の製造〕
ポリマー(a)は、前記(a-1)と(a-2)成分、及び必要に応じて更に(a-3)成分を含むモノマー混合物を塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
また、ポリマー(a)として市販品を使用することもできる。市販品の具体例としては、BASF社製のジョンクリル等が挙げられる。
ポリマー(a)の酸価はカルボキシ基に由来するが、その酸価は、水系インクの保存安定性、再分散性及び画像濃度を向上させる観点から、180mgKOH/g以上であり、好ましくは200mgKOH/g以上、より好ましくは220mgKOH/g以上であり、そして、320mgKOH/g以下であり、好ましくは300mgKOH/g以下、より好ましくは280mgKOH/g以下である。酸価が前記の範囲であれば、カルボキシ基の量は十分であり、顔料の分散安定性が確保される。
ポリマー(a)の酸価は、実施例に記載の方法により測定することができる。また、構成するモノマーの質量比から算出することもできる。
ポリマー(a)の重量平均分子量は、好ましくは4,000以上、より好ましくは6,000以上、更に好ましくは8,000以上であり、そして、好ましくは80,000以下、より好ましくは50,000以下、更に好ましくは30,000以下、より更に好ましくは20,000以下である。顔料への吸着を高めて保存安定性を発現させる観点から、ポリマー(a)の重量平均分子量は前記の範囲であることが好ましい。
なお、前記重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定される。
〔中和〕
ポリマー(a)のカルボキシ基の少なくとも一部は、水系インクの再分散性及び画像濃度を向上させる観点から、アルカリ金属化合物によって中和されていることが好ましい。
アルカリ金属化合物は、本発明の水系顔料分散体の調製時に、水や、水を含む媒体中でアルカリ金属イオンを生じる化合物の形態で用いられる。
アルカリ金属イオンを生じる化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸二カリウム等の炭酸のアルカリ金属塩、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸のアルカリ金属塩等から選ばれる1種以上が挙げられる。アルカリ金属化合物は、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中では、アルカリ金属水酸化物が好ましく、金属としては、ナトリウム、カリウムが好ましく、ナトリウムがより好ましい。すなわち、アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
本発明においては、水溶性アミン化合物、アンモニアを用いないことが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、水溶性アミン化合物、アンモニアを用いることができる。水溶性アミン化合物、アンモニアを用いた場合においても、ポリマーの中和度を算出する際は、アルカリ金属化合物の量のみを使用し、水溶性アミン化合物、アンモニアの使用量は算入しない。
なお、本発明インクには、水溶性アミン化合物が配合されていてもよい。
ポリマー(a)の中和度は、エポキシ化合物と反応させる前の分散安定性を確保する観点から、好ましくは15モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上であり、そして、好ましくは180モル%以下、より好ましくは160モル%以下、更に好ましくは140モル%以下、より更に好ましくは120%以下である。
ここでポリマー(a)の中和度(モル%)は、下記式により算出される。
ポリマー(a)の中和度(モル%)=〔(本発明インク中のアルカリ金属化合物のモル数-本発明インクにおいてエマルジョンBから持ち込まれるアルカリ金属化合物のモル数)/本発明インク中のポリマー(a)のカルボキシ基のモル数〕×100
〔エポキシ化合物(e)〕
本発明において、ポリマー(a)は、エポキシ化合物(e)と架橋反応して架橋構造を形成する。この架橋構造により、ポリマーが顔料表面に強固に吸着又は固定化され、水系インク中での顔料の凝集が抑制され、更にポリマーの膨潤も抑制されるため、保存安定性、再分散性が向上すると考えられる。
エポキシ化合物(e)(架橋剤)は、水溶性でも水不溶性でもよいが、水を主体とする媒体中でより効率的にポリマー(a)のカルボキシ基と架橋反応させる観点から、水不溶性であることが好ましい。水不溶性エポキシ化合物を用いる場合、その水溶率(質量%)は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。ここで、水溶率(質量%)とは、室温25℃にて水90質量部にエポキシ化合物10質量部を溶解したときの溶解率(質量%)をいう。
エポキシ化合物(e)は、好ましくは多官能エポキシ化合物であり、より好ましくは分子中にエポキシ基を2以上有する化合物、更に好ましくはグリシジルエーテル基を2以上有する化合物、より更に好ましくは炭素数3以上8以下の炭化水素基を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物である。
エポキシ化合物(e)の分子量は、架橋反応の効率性、得られる水系インクの保存安定性及び再分散性を向上させる観点から、好ましくは120以上、より好ましくは150以上、更に好ましくは200以上であり、そして、好ましくは2,000以下、より好ましくは1,000以下、更に好ましくは800以下である。
エポキシ化合物(e)のエポキシ当量は、上記と同様の観点から、好ましくは90以上、より好ましくは100以上、更に好ましくは110以上であり、そして、好ましくは300以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは170以下である。
エポキシ化合物(e)のエポキシ基の数は、上記と同様の観点から、1分子あたり2以上であり、そして、1分子あたり好ましくは6以下であり、市場入手性の観点から、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
エポキシ化合物(e)の具体例としては、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
これらの中では、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、及びペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルから選ばれる1種以上が好ましく、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルがより好ましい。
〔ポリマー(a)の架橋〕
顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)を構成する架橋ポリマー(A)は、エポキシ化合物(e)による架橋構造を有している。その架橋構造は、ポリマー(a)と、エポキシ化合物(e)とが、エポキシ化合物のエポキシ基の開環反応によりエステル基を形成して両者が結合し、このときポリマー(a)が分子中に複数のカルボキシ基を有することから、二次元構造であるポリマー(a)がエポキシ化合物(e)との架橋によって三次元構造となったものと考えられる。
なお、ポリマーは水溶性でも水不溶性でもよいが、架橋することにより水不溶性ポリマーとなる。ここで、「水不溶性」とは、ポリマーを水と混合した場合に、(i)不溶分が目視で確認できること、(ii)不溶分が微小で目視で確認できない場合でもレーザー光や通常光による観察でチンダル現象が認められること、又は(iii)実施例に記載のレーザー粒子解析システムによる測定で平均粒径が観測されることをいう。
(顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)の製造)
顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)は、下記工程1~3を含む方法により効率的に製造することができる。
工程1:水不溶性ポリマー(a)のカルボキシ基の少なくとも一部をアルカリ金属化合物で中和して、該水不溶性ポリマー(a)の水分散液を得る工程
工程2:工程1で得られた水不溶性ポリマー(a)の水分散液と顔料とを分散処理して、顔料が水不溶性ポリマー(a)で分散された顔料水分散体(i)を得る工程
工程3:工程2で得られた顔料水分散体(i)にエポキシ化合物(e)を添加し、架橋処理して、水系顔料分散体(I)を得る工程
工程1における中和は、pHが7以上11以下になるように行うことが好ましい。中和に用いるアルカリ金属化合物及びポリマー(a)の中和度は、前記のとおりである。
工程2における分散処理は、剪断応力による本分散だけで顔料粒子を所望の粒径となるまで微粒化することもできるが、均一な顔料水分散体を得る観点から、顔料混合物を予備分散した後、更に本分散することが好ましい。予備分散に用いる分散機としては、アンカー翼、ディスパー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。
本分散に用いる分散機としては、ロールミル、ニーダー等の混練機、マイクロフルイダイザー等の高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ビーズミル等のメディア式分散機が挙げられる。これらの中でも、顔料を小粒子径化する観点から、高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。
高圧ホモジナイザーを用いて分散処理を行う場合、処理圧力やパス回数の制御により、顔料水分散体(i)中の顔料粒子の平均粒径を調整することができる。
処理圧力は、生産性及び経済性の観点から、好ましくは60MPa以上300MPa以下であり、パス回数は、好ましくは3以上30以下である。
得られる顔料水分散体(i)の不揮発成分濃度(固形分濃度)は、水系インクの調製を容易にする観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
なお、顔料水分散体の固形分濃度は、実施例に記載の方法により測定される。
顔料水分散体(i)における下記式(3)で表される顔料比率x’は、再分散性及び画像濃度を向上させる観点から、好ましくは0.68以上、より好ましくは0.70以上、更に好ましくは0.75以上であり、そして、好ましくは0.99以下、より好ましくは0.98以下、更に好ましくは0.97以下である。
顔料比率x’=[顔料水分散体(i)中の顔料の質量/(顔料水分散体(i)中の顔料の質量+顔料水分散体(i)中のポリマー(a)の質量] (3)
顔料水分散体(i)のキュムラント平均粒径は、粗大粒子を低減し、再分散性及び画像濃度を向上させる観点から、好ましくは60nm以上、より好ましくは80nm以上、更に好ましくは100nm以上であり、また、好ましくは200nm以下、より好ましくは160nm以下、更に好ましくは150nm以下である。
なお、キュムラント平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
工程3では、顔料水分散体(i)中で、顔料を分散させているポリマー(a)がエポキシ化合物によって架橋されて架橋ポリマーが形成され、顔料を含有する架橋ポリマーの粒子(A)が水系媒体に分散された形態の水系顔料分散体(I)を得ることができる。
好ましいエポキシ化合物は前述のとおりである。
架橋処理の温度は、架橋反応の完結と経済性の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましは70℃以上であり、そして、好ましくは95℃以下、より好ましくは92℃以下である。また、架橋処理の時間は、上記と同様の観点から、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上であり、そして、好ましくは10時間以下、より好ましくは6時間以下である。
得られる水系顔料分散体(I)の不揮発成分濃度(固形分濃度)は、水系インクの調製を容易にする観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
水系顔料分散体(I)における下記式(4)で表される顔料比率xは、水系インクの再分散性及び画像濃度を向上させる観点から、好ましくは0.80以上、より好ましくは0.84以上、更に好ましくは0.88以上であり、そして、好ましくは0.98以下、より好ましくは0.97以下、更に好ましくは0.95以下である。
顔料比率x=[水系顔料分散体(I)中の顔料の質量/(水系顔料分散体(I)中の顔料の質量+水系顔料分散体(I)中のポリマー(a)の質量+水系顔料分散体(I)中のエポキシ化合物(e)の質量] (4)
本発明においてポリマー(a)の架橋度は、再分散性、画像濃度等を向上させる観点から、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好ましくは35モル%以上であり、そして、好ましくは80モル%以下、より好ましくは78モル%以下、更に好ましくは75モル%以下である。
ここで、ポリマー(a)の架橋度(モル%)は、「(本発明インク中のエポキシ化合物(e)由来のエポキシ基に相当するモル数/本発明インク中のポリマー(a)由来のカルボキシ基のモル数)×100」で算出される。
水系顔料分散体(I)中の架橋ポリマー粒子(A)の平均粒径は、粗大粒子を低減し、再分散性、画像濃度等を向上させる観点から、好ましくは60nm以上、より好ましくは70nm以上、更に好ましくは80nm以上であり、そして、好ましくは200nm以下、より好ましくは160nm以下、更に好ましくは150nm以下である。
なお、平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
<ポリマーエマルジョン(B)>
ポリマーエマルジョン(B)は、本発明インクの再分散性、普通紙印刷における画像濃度、専用紙印刷における光沢性、定着性を高レベルで両立させるために用いられる。
ポリマーエマルジョン(B)に特に制限はないが、上記の性能を発現させる観点から、コアシェル型ポリマー粒子を含むことが好ましい。
また、ポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマーは、架橋剤で架橋された架橋構造を有していることが好ましい。
〔コアシェル型ポリマー粒子〕
コアシェル型ポリマー粒子は、シェル部樹脂がコア部樹脂を内包した構造を有する樹脂粒子である。コアシェル型ポリマー粒子は3相以上からなるものであってもよく、この場合、最外殻以外にある樹脂をコア部樹脂とし、最外核にある樹脂をシェル部樹脂とする。
(シェル部樹脂)
コアシェル型ポリマー粒子のシェル部樹脂としては、ビニル系ポリマーの他、ポリエステル及びポリウレタン等の縮合系樹脂等が挙げられる。
これらの中では、得られる記録物の定着性及び光沢性を向上させる観点から、ビニル単量体(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物)の付加重合により得られるビニル系ポリマーが好ましく、カルボキシ基を有する水不溶性ポリマーがより好ましく、アクリル系ポリマーが更に好ましい。ビニル系ポリマーは適宜合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
シェル部樹脂がビニル系ポリマー、特にアクリル系ポリマーである場合、該シェル部樹脂は、(s-1)カルボキシ基含有ビニルモノマー由来の構成単位と、(s-2)疎水性ビニルモノマー由来の構成単位とを有することが好ましい。シェル部樹脂は、更に(s-3)ノニオン性モノマー由来の構成単位、更にはマクロモノマー由来の構成単位を含有していてもよい。
上記(s-1)成分、(s-2)成分、(s-3)成分は、前記ポリマー(a)について説明した(a-1)成分、(a-2)成分、(a-3)成分の具体例、好適例と同じであり、ポリマー(a)の製造方法、その製造時におけるモノマー混合物中の各成分の含有量又はポリマー中における各成分に由来する構成単位の含有量、重量平均分子量も同じであるので、それらの説明を省略する。
本発明においてはポリマーエマルジョン(B)がコアシェル型ポリマー粒子を含み、該コアシェル型ポリマー粒子を構成するポリマーのシェル部樹脂が、本発明で用いられる顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)を構成するポリマー(a)と同一であることが好ましい。
本発明において「構成するポリマーが同一」とは、重量平均分子量、ポリマーを構成するモノマー種、各モノマー種の組成比が全て同じであることを意味する。なお、ポリマーを中和して用いる場合、また架橋構造を形成させる場合においては、中和度、架橋度が相違していても、中和に用いるアルカリ金属化合物、架橋剤が同じであれば同一とみなす。
シェル部樹脂の酸価は、定着性及び光沢性を向上させる観点から、好ましくは100mgKOH/g以上、より好ましくは120mgKOH/g以上、更に好ましくは150mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは280mgKOH/g以下、より好ましくは260mgKOH/g以下、更に好ましくは250mgKOH/g以下、より更に好ましくは200mgKOH/g以下である。
シェル部樹脂の酸価は、該シェル部樹脂を構成するモノマーの質量比から算出することができる。
また、シェル部樹脂の中和度、重量平均分子量等も、前記ポリマー(a)と同じであるので、それらの説明を省略する。
(コア部樹脂)
コア部樹脂は、得られる記録物の定着性及び光沢性を向上させる観点から、炭素数1以上18以下の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル(c-1)由来の構成単位を含むことが好ましい。
コア部樹脂に用いられる(メタ)アクリル酸エステル(c-1)の炭化水素基は、酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。前記炭化水素基の炭素数は、定着性及び光沢性を向上させる観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、そして、好ましくは12以下、より好ましくは8以下である。
(メタ)アクリル酸エステル(c-1)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、好ましくはブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上であり、より好ましくはイソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはブチル(メタ)アクリレートである。
コア部樹脂は、前記(メタ)アクリル酸エステル(c-1)由来の構成単位の他に、コアシェル型ポリマー粒子の分散安定性を向上させる観点から、イオン性モノマー(c-2)由来の構成単位を含有することができ、更に、(メタ)アクリルアミド系モノマー由来の構成単位等を含有することもできる。
イオン性モノマー(c-2)としては、アニオン性モノマーが好ましい。
アニオン性モノマーとしては、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマー、リン酸モノマー等が挙げられるが、カルボキシ基を有するカルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2-メタクリロイルオキシメチルコハク酸等がより好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる1種以上が更に好ましい。
(コア部樹脂モノマー中の各成分の含有量又はコア部樹脂中の各構成単位の含有量)
コア部樹脂における、コア部樹脂モノマー中の含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)、又はコア部樹脂を構成する全構成単位中の各成分に由来する構成単位の含有量は、定着性及び光沢性を向上させる観点から、次のとおりである。
(メタ)アクリル酸エステル(c-1)の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
コア部樹脂がイオン性モノマー(c-2)由来の構成単位を含む場合、該イオン性モノマー(c-2)の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、よりさらに好ましくは2質量%以下であり、最も好ましくは0質量%である。
(メタ)アクリル酸エステル(c-1)及びイオン性モノマー(c-2)の合計含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
コア部樹脂の酸価は、定着性及び光沢性を向上させる観点から、好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは45mgKOH/g以下、更に好ましくは40mgKOH/g以下であり、最も好ましくは0mgKOH/gである。
コア部樹脂の酸価は、該コア部樹脂を構成するモノマーの質量比から算出することができる。
(ポリマーエマルジョン(B)の製造)
ポリマーエマルジョン(B)は、公知の重合法により製造することができる。それらの中では乳化重合法が好ましく、シェル部樹脂を含むエマルジョンの存在下で、コア部樹脂を形成するコア部樹脂モノマーを重合して、コアシェル型ポリマー粒子を含むポリマーエマルジョンの形態で製造することがより好ましい。
具体的には、(メタ)アクリル酸エステル(c-1)を含むコア部樹脂モノマーを、(s-1)カルボキシ基含有ビニルモノマー由来の構成単位と、(s-2)疎水性ビニルモノマー由来の構成単位を含むシェルポリマーの水分散液と水系媒体とを混合し、次いでコア部樹脂を形成するコア部樹脂モノマーを添加し、撹拌しながら昇温し、重合開始剤、乳化剤等の存在化で重合させることにより、シェルポリマーをシード粒子として、該エマルジョン中で該シード粒子内部にコア部樹脂モノマーを速やかに吸収させ、該コア部樹脂モノマーの重合を行い、コアシェル型ポリマー粒子を形成して、ポリマーエマルジョン(B)を得ることができる。
反応開始後、反応容器内の色相の変化等により、粒子核の形成を確認した後、さらにコア部樹脂モノマーを滴下して反応を続けることで、目的とするコアシェル型ポリマー粒子を得ることができる。
シェルポリマーは水性媒体中で保護コロイドとして働き、生成する粒子核(コア部)を安定化する。また、コア部樹脂モノマーの組成を適宜段階的に変更することで、複数相からなるコア部や最内核から連続的に組成が変化するコア部を製造することができる。
重合開始剤としては、乳化重合を行う水系媒体に可溶であるものを用いるのが好ましい。すなわち本発明インクを構成するポリマーエマルジョン(B)は水系媒体に可溶な重合開始剤由来の成分を含有するものであることが好ましい。重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等のアゾ系開始剤、レドックス開始剤等の公知のものを使用することができる。
重合条件は、重合開始剤の種類等により適宜調整しうるが、重合温度は好ましくは50℃以上90℃以下、重合時間は好ましくは1時間以上20時間以下である。また、重合雰囲気は、不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
ポリマーエマルジョン(B)を製造する場合、ポリマー粒子表面にはカルボキシル基が存在するためpHが酸性側に傾き、粘度上昇や凝集が起こり易いため、必要に応じて中和することができる。
得られるポリマーエマルジョン(B)の固形分濃度は、本発明インクを調製する際の簡便性から、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上に調整し、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下に調整することが望ましい。
固形分濃度は、実施例に記載の方法により測定される。
(コアシェル型ポリマー粒子中のシェル部樹脂とコア部樹脂の合計量に対するコア部樹脂の質量比)
本発明インクを構成するポリマーエマルジョン(B)がコアシェル型ポリマー粒子を含有する場合、コアシェル型ポリマー粒子中のシェル部樹脂とコア部樹脂の合計量に対するコア部樹脂の質量比[コア部樹脂/(コア部樹脂+シェル部樹脂)]は、得られる記録物の定着性及び光沢性を向上させる観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.7以上であり、そして、好ましくは1.2以下、より好ましくは1以下、更に好ましくは0.9以下である。
(コアシェル型ポリマー粒子の酸価)
本発明インクを構成するポリマーエマルジョン(B)がコアシェル型ポリマー粒子を含有する場合、コアシェル型ポリマー粒子の酸価は、コア部及びシェル部を構成する樹脂全体としての酸価であり、上記と同様の観点から、好ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは25mgKOH/g以上、更に好ましくは30mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは100mgKOH/g以下であり、より好ましくは90mgKOH/g以下、更に好ましくは80mgKOH/g以下、より更に好ましくは60mgKOH/g以下である。
コアシェル型ポリマー粒子の酸価は、構成するモノマーの質量比から算出することができる。また、適当な有機溶剤(例えば、メチルエチルケトン)にコアシェル型ポリマー粒子を溶解又は膨潤させ、JIS K0070の中和滴定法に従い測定することができる。
(ポリマーエマルジョン(B)の架橋構造)
本発明インクを構成するポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマー(b)は、架橋剤で架橋された架橋構造を有していることが好ましい。
ポリマー(b)に架橋構造を形成させるために用いられる架橋剤は、ポリマー(a)を架橋するための前記エポキシ化合物(e)と同様であり、炭素数3以上8以下の炭化水素基を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物が好ましい。前記ポリグリシジルエーテル化合物の説明は、前記エポキシ化合物(e)と同様であるので、その説明を省略する。
しかし、ここで用いる架橋剤は水溶性であることが好ましく、前記定義によるその水溶率は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
本発明インクを構成するポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマー(b)の架橋度は、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは15モル%以上であり、そして、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下、更に好ましくは60モル%以下である。
なお、ポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマー(b)の架橋度は、下記式により算出される。
ポリマー(b)の架橋度(モル%)=「(ポリマーエマルジョン(B)中の架橋剤由来のエポキシ基のモル数/ポリマーエマルジョン(B)中の架橋前のポリマーエマルジョン(B)のカルボキシ基のモル数)×100」
ポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマー(b)に架橋構造を形成させた場合の酸価は、前述のコアシェル型ポリマー粒子の酸価から架橋剤と反応した酸価を減じて算出される。ポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマー(b)に架橋構造を形成させた場合の酸価は、好ましくは8mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上、更に好ましくは15mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは70mgKOH/g以下、より好ましくは60mgKOH/g以下、更に好ましくは50mgKOH/g以下、より更に好ましくは40mgKOH/g以下、更に好ましくは30mgKOH/g以下である。
ポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマー(b)に架橋構造を有させた場合の酸価は、構成するモノマーの質量比及びポリマー(b)架橋度から算出することができる。また、適当な有機溶剤(例えば、メチルエチルケトン)にコアシェル型ポリマー粒子を溶解又は膨潤させ、JIS K0070の中和滴定法に従い測定することができる。
本発明インクを構成するポリマーエマルジョン(B)のキュムラント平均粒径は、得られる記録物の定着性及び光沢性を向上させる観点から、好ましくは30nm以上、より好ましくは40nm以上、更に好ましくは50nm以上であり、そして、好ましくは150nm以下、より好ましくは120nm以下、更に好ましくは100nm以下である。
キュムラント平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
(ポリマーエマルジョン(B)中のコアシェル型ポリマー粒子の割合)
本発明インクを構成するポリマーエマルジョン(B)はコアシェル型ポリマー粒子を含むことが好ましいが、その含有比率は、コアシェル型ポリマー粒子がポリマーエマルジョン(B)全体に対して50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、95質量%以上であることがより更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
<水溶性有機溶剤(C)>
本発明インクは水溶性有機溶剤(C)を含有するが、この「水溶性」とは、水と任意の割合で混合できる性質を意味する。
水溶性有機溶剤(C)の沸点は、加重平均値で、好ましくは90℃以上、より好ましくは150℃以上、更に好ましくは180℃以上であり、そして、好ましくは250℃以下、より好ましくは240℃以下、更に好ましくは230℃以下である。
水溶性有機溶剤(C)としては、多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル、含窒素複素環化合物、アミド、アミン、含硫黄化合物等が挙げられる。これらの中では、得られる記録物の画像濃度、光沢性、定着性を向上させる観点から、多価アルコール及び多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種以上が好ましい。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらの中では、プロピレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、トリエチレングリコール、及びグリセリンから選ばれる1種以上が好ましい。
多価アルコールアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソブチルエーテル等が挙げられる。これらの中では、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及びジエチレングリコールモノイソブチルエーテルから選ばれる1種以上が好ましい。
水溶性有機溶剤(C)の中では、多価アルコールとして1,2-ヘキサンジオール、多価アルコールアルキルエーテルとしてジエチレングリコールモノブチルエーテルを併用することが好ましい。
〔水系インクの製造方法〕
本発明インクは、顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)の水系顔料分散体と、ポリマーエマルジョン(B)と、水溶性有機溶剤(C)と、水と、必要に応じて、界面活性剤等の各種添加剤とを混合することにより製造することができる。各成分の混合方法に特に制限はない。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。これらの中では、非イオン性界面活性剤が好ましい。
本発明インクの製造方法に用いられるその他の添加剤としては、保湿剤、湿潤剤、浸透剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等が挙げられる。
本発明インク中の各成分の含有量、条件等は、水系インクの保存安定性を維持し、再分散性及び画像濃度を向上させ、必要なインク性能を付与する観点から、以下のとおりである。
(顔料の含有量)
本発明インク中の顔料の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましく8質量%以下である。
(架橋ポリマー粒子(A)の含有量)
本発明インク中の架橋ポリマー粒子(A)の含有量は、水系インク中の固形分として、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、そして、好ましくは18質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下である。
(ポリマーエマルジョン(B)の含有量)
本発明インク中のポリマーエマルジョン(B)の含有量は、水系インク中の固形分として、好ましくは0.5量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。
〔条件1〕:下記式(1)で表される、本発明インク中の前記ポリマーとエポキシ化合物(e)の合計質量比mは、0.05以上0.38以下である。
m=〔水系インク中のポリマー(a)由来成分の質量+水系インク中のエポキシ化合物(e)由来成分の質量〕/〔水系インク中のポリマー(a)由来成分の質量+水系インク中のエポキシ化合物(e)由来成分の質量+水系インク中のポリマー(b)の質量〕 (1)
前記合計質量比mは、好ましくは0.08以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.12以上であり、そして、好ましくは0.36以下、より好ましくは0.35以下、更に好ましくは0.3以下である。
〔条件2〕:下記式(2)で表される、本発明インク中の顔料の質量比yは、0.55~0.82である。
y=〔水系インク中の顔料の質量〕/〔水系インク中の架橋ポリマー粒子(A)の質量+水系インク中のポリマー(b)の質量〕 (2)
前記質量比yは、好ましくは0.58以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.62以上であり、そして、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.78以下、更に好ましくは0.7以下である。
(水溶性有機溶剤(C)の含有量)
本発明インク中の水溶性有機溶剤(C)の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましく20質量%以下である。
本発明インク中の水の含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
(水系インク物性)
本発明インクの32℃の粘度は、保存安定性、画像濃度を向上させる観点から、好ましくは2mPa・s以上、より好ましくは3mPa・s以上、更に好ましくは5mPa・s以上であり、そして、好ましくは12mPa・s以下、より好ましくは9mPa・s以下、更に好ましくは7mPa・s以下である。水系インクの粘度は、E型粘度計を用いて測定できる。
本発明インクのpHは、保存安定性、画像濃度を向上させる観点から、好ましくは7.0以上、より好ましくは7.2以上、更に好ましくは7.5以上である。また、部材耐性、皮膚刺激性の観点から、pHは、好ましくは11以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは9.5以下である。水系インクのpHは、常法により測定できる。
以下の調製例、製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。
なお、各種の物性の測定は、以下の方法で行った。
(1)水不溶性ポリマー(a)の重量平均分子量の測定
N,N-ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲル浸透クロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製、GPC装置(HLC-8320GPC)、東ソー株式会社製カラム(TSKgel SuperAWM-H、TSKgel SuperAW3000、TSKgel guardcolum Super AW-H)、流速:0.5mL/min〕により、標準物質として分子量既知の単分散ポリスチレンキット〔PStQuick B(F-550、F-80、F-10、F-1、A-1000)、PStQuick C(F-288、F-40、F-4、A-5000、A-500)、東ソー株式会社製〕を用いて測定した。
測定サンプルは、ガラスバイアル中にポリマー0.1gを前記溶離液10mLと混合し、25℃で10時間、マグネチックスターラーで撹拌し、シリンジフィルター(DISMIC-13HP PTFE 0.2μm、アドバンテック株式会社製)で濾過したものを用いた。
(2)ポリマーの酸価の測定
JIS K0070において、測定溶媒を、エタノールとエーテルとの混合溶媒から、エタノールとトルエンとの混合溶媒〔エタノール:トルエン=1:1(容量比)〕に変更したこと以外は、JIS K0070に従って測定した。
(3)顔料分散体、ポリマーエマルジョンのキュムラント平均粒径の測定
レーザー粒子解析システム(大塚電子株式会社製、ELS-8000)を用いてキュムラント解析を行い、キュムラント平均粒径を測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。測定サンプルの濃度は、5×10-3%(固形分濃度換算)で行った。
なお、平均粒径の測定は、顔料分散体又は水系インクの調製後、1時間後に行った。
(4)顔料分散体、ポリマーエマルジョンの固形分濃度の測定
赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所製、FD-230)を用いて、測定試料5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分、水分量の変動幅0.05%)の条件にて乾燥させ、水分量(質量%)を測定した。固形分濃度(質量%)は次式により算出した。
固形分濃度(質量%)=100-水分量(質量%)
調製例1(水不溶性ポリマー(a)の調製)
アクリル酸(富士フイルム和光純薬株式会社製、試薬)30.8部、スチレン(富士フイルム和光純薬株式会社製 試薬)59.2部、α-メチルスチレン(富士フイルム和光純薬株式会社製、試薬)10.0部を混合し、原料モノマー混合物を調製した。
反応容器内に、メチルエチルケトン(MEK)10部、2-メルカプトプロピオン酸(重合連鎖移動剤)0.3部、及び前記原料モノマー混合物の10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行った。
一方、滴下ロートに、前記原料モノマー混合物の残りと、前記重合連鎖移動剤0.27部、MEK40部、及びアゾ系ラジカル重合開始剤(富士フイルム和光純薬株式会社製、V-501;4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸))1.1部の混合液を入れ、窒素雰囲気下、反応容器内の前記モノマー混合液を撹拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合液を3時間かけて滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、前記重合開始剤0.15部をMEK2.5部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、カルボキシ基を有する水不溶性ポリマー(a1)(重量平均分子量:11,800、酸価240mgKOH/g)の溶液を得た。
調製例2
調製例1において、表1に示すように原料モノマーの組成を変更した以外は、調製例1と同様にして、カルボキシ基を有する水不溶性ポリマー(a2)の溶液を得た。結果を表1に示す。
Figure 2022070113000001
製造例1-1(ポリマー水分散液(D1)の製造:工程1)
調製例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたカルボキシ基を有する水不溶性ポリマー(a1)80部にイオン交換水271部、中和剤として5N水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム固形分16.9%)48.6部を加え、水不溶性ポリマー(a1)のカルボキシ基のモル数に対する水酸化ナトリウムのモル数の割合が60モル%(中和度60モル%)になるように中和した。得られた水溶液を150rpmで撹拌しながら90℃で5時間加熱して、ポリマー水分散液(D1)(固形分濃度20%)を得た。
製造例1-2~1-3(ポリマー水分散液(D2)~(D3)の製造:工程1)
製造例1-1において、表2に示すように水不溶性ポリマー(a)の種類、水酸化ナトリウム水溶液の量、又はイオン交換水の量を変更した以外は、製造例1-1と同様にして、ポリマー水分散液(D2)~(D3)を得た。結果を表2に示す。
Figure 2022070113000002
製造例2-1(水不溶性架橋ポリマー粒子(A1)の水系顔料分散体(I-1)の製造)
(工程2:顔料水分散体(i-1)の製造)
製造例1-1で得られたポリマー水分散液(D1)26.3部に、イオン交換水352部、マゼンタ顔料(PV19:大日精化工業株式会社製、Pigment Violet 19)100部を加え、ディスパー(淺田鉄工株式会社製、ウルトラディスパー)を用いて、20℃でディスパー翼を7,000rpmで回転させる条件で60分間撹拌した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics社製、商品名)で200MPaの圧力で10パス分散処理し、顔料水分散体(i-1)を得た。
得られた顔料水分散体(i-1)における、前記式(3)で表される顔料比率x’は、0.95であり、顔料水分散体(i-1)のキュムラント平均粒径は121nmであった。
(工程3:水系顔料分散体(I-1)の製造)
得られた顔料水分散体(i-1)を固形分濃度が20%なるようにイオン交換水を加えて調整し、その100部をねじ口付きガラス瓶に取り、顔料水分散体中のポリマー(a1)が有する全カルボキシ基の55モル%が架橋されるように(架橋度55モル%)、エポキシ化合物としてシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(商品名:デナコールEX-216L、ナガセケムテックス株式会社製、エポキシ当量:150、水溶率:0%)0.35部を加えて密栓し、スターラーで撹拌しながら90℃で5時間加熱した。5時間経過後、室温まで降温し、孔径5μmのフィルター(Sartorius Stedim Biotech社製、ミニザルトシリンジフィルター、フィルター径:26mm、材質:セルロースアセテート)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去した後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20%になるように調整して、顔料を含有する形態である水不溶性架橋ポリマー粒子(A1)の水系顔料分散体(I-1)を得た。
得られた水系顔料分散体(I-1)における、前記式(4)で表される顔料比率xは、0.93であり、顔料水分散体(i-1)のキュムラント平均粒径は133nmであった。
製造例2-2~2-4、及び比較製造例2-1~2-2
製造例2-1において、表3に示すようにポリマー水分散液の種類、顔料の種類、又はイオン交換水の量を変更した以外は、製造例2-1と同様にして、水不溶性架橋ポリマー粒子(A2)~(A4)、(AC1)~(AC2)の水系顔料分散体(I-2)~(I-4)、(I-C1)~(I-C2)を得た。結果を表3に示す。
Figure 2022070113000003
製造例3-1(ポリマーエマルジョン(B1)の製造)
ブチルアクリレート(東京化成工業株式会社製、試薬)100部、製造例1-2で得られたポリマー水分散液(D2)(固形分濃度:20%)53.0部、イオン交換水91.8部、濃度1%の過硫酸カリウムの水溶液16.0部を混合し、原料モノマー混合物を調製した。
セパラブルフラスコに、前記ポリマー水分散液(D2)35.3部、イオン交換水83.3部、濃度1%の過硫酸カリウムの水溶液4.0部、及び前記で調製した原料モノマー混合物のうち13.0部を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行った。
一方、滴下ロートに、前記原料モノマー混合物の残りを入れ、窒素雰囲気下、反応容器内の前記モノマー混合液を撹拌しながら70℃まで昇温し、滴下ロート中の混合液を3時間かけて滴下した。滴下終了から80℃で3時間熟成させた後、固形分濃度が22%となるようにイオン交換水を添加し、架橋前のポリマーエマルジョン(B1’)を得た。
ポリマーエマルジョン(B1’)のコア部(b1)は、ブチルアクリレートが重合されてなるポリマー(酸価0mgKOH/g)であり、シェル部(b2)は、水不溶性ポリマー(a1)(酸価240mgKOH/g)であり、コアシェル型ポリマーの平均酸価は36mgKOH/g、質量比[コア部(b1)の質量/(コア部(b1)の質量+シェル部(b2)の質量)]=[100部/(100部+17.7部)]=0.85であった。
得られた架橋前のポリマーエマルジョン(B1’)(固形分濃度:22%)100部をねじ口付きガラス瓶に取り、該ポリマーエマルジョン(B1’)の全カルボキシ基の55モル%が架橋されるように(架橋度:55モル%)、架橋剤としてジエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:デナコールEX-850L、エポキシ当量:145、水溶率:100%)1.1部を加えて密栓し、スターラーで撹拌しながら90℃で5時間加熱した。5時間経過後、室温まで降温し、孔径5μmのフィルター(Sartorius Stedim Biotech社製、ミニザルトシリンジフィルター、フィルター径:26mm、材質:セルロースアセテート)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、固形分濃度が20%になるようにイオン交換水を添加して、ポリマーエマルジョン(B1)を得た。
製造例3-2~3-10(ポリマーエマルジョン(B2)~(B10)の製造)
製造例3-1において、表4に示すように、コア部(b1)モノマーの種類、ポリマー水分散液の種類と量、エポキシ化合物の量、イオン交換水の量を変えた以外は、製造例3-1と同様にして、ポリマーエマルジョン(B2)~(B10)を得た。
なお、製造例3-8においては、反応容器内のモノマー混合液を撹拌しながら70℃まで昇温し、滴下ロート中の混合液を3時間かけて滴下する速度で滴下を進めたところ、2時間でセパラブルフラスコ内がゲル化し、ポリマーエマルジョンを得ることができなかった。結果を表4に示す。
Figure 2022070113000004
実施例1(水系インクの製造)
製造例2-1で得られた水不溶性架橋ポリマー粒子(A1)の水系顔料分散体(I-1)30.0部(水系インク中の顔料の含有量として5.6部)、製造例3-1で得られたポリマーエマルジョン(B1)8.1部、有機溶媒として1.2-ヘキサンジオール(東京化成工業株式会社製、試薬)5部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BTG:富士フイルム和光純薬株式会社製、試薬)5部、及びグリセリン5部、非イオン性界面活性剤(商品名:アセチレノールE100、川研ファインケミカル株式会社製、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのエチレンオキシド10モル付加物)0.5部に、イオン交換水を全量が100部になるように加えて、マグネチックスターラーで2時間撹拌してよく混合し、孔径1.2μmのフィルター(Sartorius Stedim Biotech社製、ミニザルトシリンジフィルター、フィルター径:26mm、材質:セルロースアセテート)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過して、水系インク1を得た。
実施例2~14、及び比較例1~6
実施例において、表5に示すように、条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、水系インク2~14、C1~C6を得た。
実施例及び比較例で得られた水系インクを用いて、以下の方法により、インクの再分散性、普通紙への印刷における画像濃度、写真用紙への印刷における光沢性、及び写真用紙への印刷における定着性を評価した。結果を表5に示す。
(水系インクの再分散性)
マイクロピペットを用いて、水系インクをスクリュー管No.5(株式会社マルエム製)の底の中央部に10μL滴下し、蓋をせずに40℃、25%RHの環境で24時間放置して、水系インクを蒸発乾固させた。
スクリュー管の底に残留した固形物に、イオン交換水10mLを添加し、150rpmで1分間攪拌し、前記固形物の再分散性を目視で観察し、下記の評価基準により、水系インクの再分散性を評価した。
(評価基準)
〇:固形物が均一に再分散した。
△:固形物が再分散したが、残渣があった。
×:固形物が再分散しなかった。
再分散性は「〇」評価以上が好ましい。
(普通紙印刷物の画像濃度)
インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型番:EW-M-660FT、ピエゾ式)に、水系インクをそれぞれ充填し、室温23℃、相対湿度50%の条件で、普通紙(富士ゼロックス株式会社製、商品名:P)に、印刷条件を、用紙種類:普通紙、印刷品質:標準とし、ベタ画像の印刷を行い、普通紙印刷物を得た。
普通紙印刷物の画像濃度の測定は、分光光度計(X-Rite社製、品番:Spectro Eye)を用い、測定条件を、観測光源D65、観測視野2度、濃度基準を DIN16536とし、各色の色濃度成分の数値を読み取って行った。測定回数は、測定する場所を変え、合計10点の平均値を求め、下記の評価基準により、普通紙印刷物の画像濃度を評価した。
(評価基準)
◎:1.00以上
〇:0.96以上1.00未満
△:0.93以上0.96未満
×:0.93未満
画像濃度は高い方が好ましいが、実使用上は、カラーインクにおいては「〇」評価以上であればよい。
(写真用紙の光沢性)
インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型番:EW-M-660FT、ピエゾ式)に、水系インクをそれぞれ充填し、室温23℃、相対湿度50%の条件で、写真用紙(セイコーエプソン株式会社製、商品名:写真用紙、型番:KA4100PSKR)に、印刷条件を、用紙種類:写真用紙、印刷品質:きれい とし、ベタ画像の印刷を行い、写真用紙印刷物を得た。
上記で得られた印刷物の60°光沢度を光沢計(日本電色工業株式会社製、商品名:HANDYGLOSSMETER、品番:PG-1)で5回測定し、平均値を求め、下記の評価基準により、写真用紙の光沢性を評価した。
(評価基準)
◎:55以上
〇:45以上55未満
△:35以上45未満
×:35未満
光沢性は高い方が好ましいが、実使用上は「△」評価以上であればよい。
(写真用紙の定着性)
上記の写真用紙の光沢性評価で得られた印刷物を、印刷10秒後に指でこすった後の印刷面と紙との境界部を目視で観察し、下記の評価基準により、写真用紙の定着性を評価した。
(評価基準)
〇:印刷物はとれず、印刷部の周りが汚れない。
△:印刷物が擦りとられ、周りが汚れ、指にも汚れが付着する。
×:印刷物がひどく擦りとられ、周りがひどく汚れ、指も相当汚れる。
定着性は高い方が好ましいが、実使用上は「〇」評価以上であればよい。
Figure 2022070113000005
表5から、実施例1~14で得られた水系インクは、比較例1~6で得られた水系インクに比べて、インクの再分散性、普通紙印刷における画像濃度、写真用紙印刷における光沢性、定着性が優れていることが分かる。

Claims (8)

  1. 顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)、ポリマーエマルジョン(B)、水溶性有機溶剤(C)、及び水を含有する水系インクであって、
    顔料を含有する架橋ポリマー粒子(A)を構成するカルボキシ基を有する水不溶性ポリマー(a)がエポキシ化合物(e)で架橋されてなり、前記ポリマー(a)の酸価が180mgKOH/g以上320mgKOH/g以下であり、ポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマー(b)の酸価が5以上60以下であり、
    更に下記〔条件1〕及び〔条件2〕を満たす、水系インク。
    〔条件1〕:下記式(1)で表される、水系インク中の前記ポリマーとエポキシ化合物(e)の合計質量比mが、0.05以上0.38以下である。
    m=〔水系インク中のポリマー(a)由来成分の質量+水系インク中のエポキシ化合物(e)由来成分の質量〕/〔水系インク中のポリマー(a)由来成分の質量+水系インク中のエポキシ化合物(e)由来成分の質量+水系インク中のポリマー(b)の質量〕 (1)
    〔条件2〕:下記式(2)で表される、水系インク中の顔料の質量比yが、0.55以上0.82以下である。
    y=〔水系インク中の顔料の質量〕/〔水系インク中の架橋ポリマー粒子(A)の質量+水系インク中のポリマー(b)の質量〕 (2)
  2. ポリマーエマルジョン(B)がコアシェル型ポリマー粒子を含む、請求項1に記載の水系インク
  3. コアシェル型ポリマー粒子中のシェル部樹脂とコア部樹脂の合計量に対するコア部樹脂の質量比[コア部樹脂/(コア部樹脂+シェル部樹脂)]が、0.5以上1.2以下である、請求項2に記載の水系インク。
  4. ポリマーエマルジョン(B)を構成するポリマー(b)が架橋剤で架橋されてなる、請求項1~3のいずれかに記載の水系インク。
  5. エポキシ化合物(e)の水溶率が、50質量%以下であるものである、請求項1~4のいずれかに記載の水系インク。
  6. エポキシ化合物(e)がシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、及び水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテルから選ばれる1種以上である、請求項1~5のいずれかに記載の水系インク。
  7. 水溶性有機溶剤(C)として、多価アルコール及び多価アルコールアルキルエーテルから選ばれる1種以上を、水系インク中5~20質量%含有する、請求項1~6のいずれかに記載の水系インク。
  8. インクジェット記録用である、請求項1~7のいずれかに記載の水系インク。
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