JP2022050987A - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】蛍光増白剤を含む記録媒体に形成されたカラー画像が紫外光を含む光源下で観察されると、カラー画像の色再現範囲が縮小する。【解決手段】入力された画像データに対し色分解を行う。色分解後の画像データを基に、蛍光増白剤を含む記録媒体にカラー画像を形成する際に用いる複数の記録材による記録を制御する。記録の制御は、蛍光増白剤を含む記録媒体に記録されたテストパターンを、紫外光を含む光源で照射した際と、紫外光を含まない光源で照射した際とのそれぞれで測定して得た色情報から求められる測色データに基づき、複数の記録材のうちの特定の記録材に対応する色領域に対して色再現範囲の縮小を抑制するように行われる。【選択図】図1
Description
本開示は、画像の色再現性を向上させるための技術に関する。
記録媒体にインクやトナー等の色材を用いて画像を形成する装置として、インクジェットプリンタや電子写真プリンタ等の画像形成装置が知られている。
近年、大判インクジェットプリンタを用いて、太陽光源下の屋外あるいは公共交通機関や商業施設等の半屋外での掲示を目的としたサイネージ向けのプリント物を出力する機会が増えてきている。プリント物を得る際、インクが記録される表面に、蛍光増白剤が添加されたインク受容層を持つ記録媒体が用いられることがある。記録媒体のインク受容層に添加された蛍光増白剤に対し観察光源に含まれる紫外光が照射されると、蛍光が発生してプリント物の白さを増すことが知られている。一方、蛍光増白剤による蛍光がプリント物からの通常の反射光と混色するためプリント物上のカラー画像の色が変化する。プリント物からの蛍光の発生量は、蛍光増白剤の添加量や紫外光の照射量等に依存する。カラー画像の色再現性を向上させる技術は種々開発されている。特許文献1は、蛍光増白剤の添加量の異なる記録媒体毎に色彩値を補正するためのルックアップテーブル(以下、LUTと称す)を作成し、作成したLUTを用いて、印刷用の画像データの色彩値を補正する技術を開示している。
蛍光増白剤を含む記録媒体に形成したカラー画像を、紫外光を含む光源下で観察すると、発生する蛍光の色の補色に近い分光特性を持つ色材で形成された画像領域では色再現範囲が小さくなる。例えば、ブルー系の色成分を有する蛍光の色である場合、その補色の関係にある色がイエローである。そのため、イエローインクの色味が蛍光の色で打ち消されて、観察者が視認する色の彩度が低下すると推察される。このような紫外光を含む光源下で観察される場合、紫外光の量が多くなるほど蛍光が多く発生し、それに応じて補色の関係にある色の彩度が低下する。また、画像領域の形成に使用されるインクのインク量が少なくなるほど、インクで記録媒体を被覆する割合(被覆率)が低下することになる。インクによる被覆率が低下すると、記録媒体のインク受容層中の蛍光増白剤がより多く露出されるため、画像領域の形成に使用されるインクの色は、蛍光の色味の影響を受け易くなる。
この点、特許文献1に開示の技術でも生じ得る課題である。
本開示は、蛍光増白剤を含む記録媒体に形成されたカラー画像が紫外光を含む光源下で観察されても、カラー画像の色再現範囲の縮小を抑制する技術を提供する。
上記課題を解決する、本開示の一態様に係る画像処理装置は、蛍光増白剤を含む記録媒体にカラー画像を形成するための処理を行う画像処理装置であって、入力された画像データの色空間を複数の記録材に対応する色空間に変換する色分解を行う色分解手段と、色分解後の前記画像データを基に、前記カラー画像を形成する際に用いる前記複数の記録材による記録を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、蛍光増白剤を含む記録媒体に記録されたテストパターンを、紫外光を含む光源で照射した際と、紫外光を含まない光源で照射した際とのそれぞれで測定して得た色情報から求められる測色データに基づき、前記複数の記録材のうちの特定の記録材に対応する色領域に対して色再現範囲の縮小を抑制するように前記記録を制御することを特徴とする。
本開示によれば、蛍光増白剤を含む記録媒体に形成されたカラー画像が紫外光を含む光源下で観察されても、カラー画像の色再現範囲の縮小を抑制することができる。
以下、本実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は本発明を必ずしも限定するものではない。また、本実施形態において説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[第1実施形態]
<画像処理装置のハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図であり、図1(a)に画像処理装置のハードウェア構成例を示し、図1(b)に画像処理装置の機能構成例を示す。図1(a)において、画像処理装置1は、例えばコンピュータ等である。画像処理装置1は、CPU101、ROM102、RAM103、汎用インターフェース(I/F)104、シリアルATA(SATA)I/F105、ビデオI/F106を有する。CPU101は、RAM103をワークメモリとして、ROM102、ハードディスクドライブ(HDD)15、各種記録メディアに格納されたオペレーティングシステム(OS)や各種プログラムを実行し、システムバス107を介して、各ブロックを制御する。なお、CPU101が実行するプログラムには、後述の処理を実行するプログラムが含まれる。
<画像処理装置のハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図であり、図1(a)に画像処理装置のハードウェア構成例を示し、図1(b)に画像処理装置の機能構成例を示す。図1(a)において、画像処理装置1は、例えばコンピュータ等である。画像処理装置1は、CPU101、ROM102、RAM103、汎用インターフェース(I/F)104、シリアルATA(SATA)I/F105、ビデオI/F106を有する。CPU101は、RAM103をワークメモリとして、ROM102、ハードディスクドライブ(HDD)15、各種記録メディアに格納されたオペレーティングシステム(OS)や各種プログラムを実行し、システムバス107を介して、各ブロックを制御する。なお、CPU101が実行するプログラムには、後述の処理を実行するプログラムが含まれる。
汎用I/F 104は、例えば、USB等のシリアルバスインターフェースであり、汎用I/F104には、シリアルバス11を介して、マウスやキーボード等の入力デバイス12やプリンタ13が接続される。SATA I/F105には、シリアルバス14を介して、HDD15や各種記録メディアの読み書きを行う汎用ドライブ16が接続される。CPU101は、HDD15や汎用ドライブ16にマウントされた各種記録メディアをデータの格納場所として読み書きに利用する。
ビデオI/F106は、例えば、ビデオカード(VC)であり、ビデオI/F106には、ディスプレイ17が接続される。CPU101は、プログラムが提供するユーザインターフェース(UI)をディスプレイ17に表示し、入力デバイス12を介して、ユーザ指示を含むユーザ入力を受け付ける。なお、画像処理装置1は、プリンタ13に含まれていてもよい。
<プリンタの構成>
図2は、プリンタ13のハードウェア構成例を示すブロック図である。プリンタ13は、記録媒体と記録ヘッドとを複数回、相対的に走査させることで記録媒体にカラー画像を形成したプリント物を生成する、マルチパス方式のインクジェットプリンタである。プリンタ13は、画像処理装置1から受け取ったデータ(印刷データ)に基づいて、蛍光増白剤を含む記録媒体にインクを吐出してカラー画像を形成してプリント物を生成する。なお、以降の説明においては、単に「記録媒体」と記載してある場合であっても、「蛍光増白剤を含む記録媒体」のことを表すものとする。
図2は、プリンタ13のハードウェア構成例を示すブロック図である。プリンタ13は、記録媒体と記録ヘッドとを複数回、相対的に走査させることで記録媒体にカラー画像を形成したプリント物を生成する、マルチパス方式のインクジェットプリンタである。プリンタ13は、画像処理装置1から受け取ったデータ(印刷データ)に基づいて、蛍光増白剤を含む記録媒体にインクを吐出してカラー画像を形成してプリント物を生成する。なお、以降の説明においては、単に「記録媒体」と記載してある場合であっても、「蛍光増白剤を含む記録媒体」のことを表すものとする。
ヘッドカートリッジ201には、複数の吐出口からなる記録ヘッドと、記録ヘッドに対してインクを供給するインクタンクと、記録ヘッドの各吐出口を駆動する信号を受信するためのコネクタとが設けられている。インクタンクには、カラーインク層(カラー層)形成用のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ホワイト(W)の色インクの計5種類のインクをそれぞれ収容したインク用タンクが独立に設けられている。これらインクは水性顔料インクである。
ヘッドカートリッジ201は、キャリッジ202に交換可能な形態で搭載されている。キャリッジ202には、コネクタを介してヘッドカートリッジ201に駆動信号等を伝達するためのコネクタホルダが設けられている。キャリッジ202は、ガイドシャフト203に沿って往復移動可能に構成される。具体的には、キャリッジ202は、主走査モータ204を駆動源として、モータプーリ205、従動プーリ206、タイミングベルト207等の駆動機構を介して駆動されるとともに、その位置及び移動が制御される。なお、キャリッジ202のガイドシャフト203に沿った移動を「主走査」といい、移動方向を「主走査方向」という。プリント用の記録媒体208は、オートシートフィーダ(ASF)210に載置されている。記録媒体208に画像を形成する際、給紙モータ211の駆動に伴いピックアップローラ212が回転し、ASF210から記録媒体208が一枚ずつ分離され、給紙される。さらに、記録媒体208は、搬送ローラ209の回転によりキャリッジ202上のヘッドカートリッジ201の吐出口面と対向する記録開始位置に搬送される。搬送ローラ209は、ラインフィードモータ213を駆動源としてギアを介して駆動される。記録媒体208が供給されたか否かの判定と給紙時位置の確定は、記録媒体208がエンドセンサ214を通過した時点で行われる。キャリッジ202に搭載されたヘッドカートリッジ201は、吐出口面がキャリッジ202から下方へ突出して記録媒体208と平行になるように保持されている。動作制御部220は、CPUや記憶部等から構成されており、外部から印刷データを受け取り、受け取ったデータに基づいて各パーツの動作を制御する。
<プリンタによる画像形成動作>
動作制御部220によって制御される各パーツの画像形成動作について説明する。先ず、カラー層を形成するために、記録媒体208が記録開始位置に搬送されると、キャリッジ202がガイドシャフト203に沿って記録媒体208上を移動する。その移動の際に記録ヘッドの吐出口よりシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ホワイト(W)の各色インク(CMYKWインク)が吐出される。キャリッジ202がガイドシャフト203の一端まで移動すると、搬送ローラ209が所定量だけ記録媒体208をキャリッジ202の走査方向に直交する(交差する)方向に搬送する。記録媒体208の搬送を「紙送り」又は「副走査」といい、この搬送方向を「紙送り方向」又は「副走査方向」という。記録媒体208を所定量だけ副走査方向に搬送し終えると、キャリッジ202は再度ガイドシャフト203に沿って移動する。このように記録ヘッドのキャリッジ202による走査と紙送りとを繰り返すことで、拡散色を制御するカラー層が記録媒体208上の全体に形成される。説明を簡易にするため、プリンタ13の記録ヘッドは、インク滴を吐出するか否かの二値で制御され、所定解像度の画像データ1画素領域にてインク滴の吐出をすべてオンにした状態をインク量100%として扱う。なお、インクの吐出量が変調可能な記録ヘッドが一般的に使用されているが、上述の二値化処理を変調可能な複数レベルへの多値化処理に拡張すれば適用可能であり、二値化に限定されるものではない。
動作制御部220によって制御される各パーツの画像形成動作について説明する。先ず、カラー層を形成するために、記録媒体208が記録開始位置に搬送されると、キャリッジ202がガイドシャフト203に沿って記録媒体208上を移動する。その移動の際に記録ヘッドの吐出口よりシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ホワイト(W)の各色インク(CMYKWインク)が吐出される。キャリッジ202がガイドシャフト203の一端まで移動すると、搬送ローラ209が所定量だけ記録媒体208をキャリッジ202の走査方向に直交する(交差する)方向に搬送する。記録媒体208の搬送を「紙送り」又は「副走査」といい、この搬送方向を「紙送り方向」又は「副走査方向」という。記録媒体208を所定量だけ副走査方向に搬送し終えると、キャリッジ202は再度ガイドシャフト203に沿って移動する。このように記録ヘッドのキャリッジ202による走査と紙送りとを繰り返すことで、拡散色を制御するカラー層が記録媒体208上の全体に形成される。説明を簡易にするため、プリンタ13の記録ヘッドは、インク滴を吐出するか否かの二値で制御され、所定解像度の画像データ1画素領域にてインク滴の吐出をすべてオンにした状態をインク量100%として扱う。なお、インクの吐出量が変調可能な記録ヘッドが一般的に使用されているが、上述の二値化処理を変調可能な複数レベルへの多値化処理に拡張すれば適用可能であり、二値化に限定されるものではない。
<画像処理装置の論理構成>
画像処理装置1の論理構成について、図1(b)を用いて説明する。画像処理装置1は、入力画像データ取得部111、カラーマッチング処理部112、色変化取得部113、判定部114、色分解テーブル作成部115、色分解処理部116、ハーフトーン処理部117、マスク作成部118、印字制御部119を有する。
画像処理装置1の論理構成について、図1(b)を用いて説明する。画像処理装置1は、入力画像データ取得部111、カラーマッチング処理部112、色変化取得部113、判定部114、色分解テーブル作成部115、色分解処理部116、ハーフトーン処理部117、マスク作成部118、印字制御部119を有する。
入力画像データ取得部111は、プリント用の入力画像データ121を取得する。入力画像データ121は、R、G、B各8ビットのカラー画像データであり、汎用I/F104を介した入力デバイス12、SATA I/F105を介したHDD15等から取得される。
カラーマッチング処理部112は、入力画像データ取得部111で取得した入力画像データR、G、Bの色再現範囲を、プリンタ13の色再現範囲に合わせる色変換処理を入力画像データに対し実行する。入力画像データに対する色変換処理を実行することによって、カラーマッチング処理部112は、色変換後の画像データ(R’G’B’カラー画像データ)を生成する。色変換処理は、例えば、予め作成され、色変換テーブルであるルックアップテーブル(LUT)を用いた処理である。プリンタ13の色再現範囲と合わせる際には、色変換処理後に行われる機能部116、117、119の各処理が行われた印刷データを基にプリンタ13でカラー画像が記録媒体に形成されて得たプリント物を用いて、色が合わせられる。なお、色変換処理は、LUTを用いた処理に限定されず、例えば、マトリクス変換や数式変換等の公知のカラーマッチング処理であってもよい。
色変化取得部113は、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発する蛍光の色による色の変化を示す色変化情報を取得する。色変化情報の取得では、先ず、複数のカラーパッチからなるテストパターン(テストチャートともいう)を記録媒体に記録したプリント物を作成する。作成したプリント物に対し、紫外光を含まない光源で照射した際と、紫外光を含む光源で照射した際とで各カラーパッチの色を測定し、記録媒体情報122としてそれぞれの光源下での色情報を取得する。そして、これら色情報の差分を求めることで前記色変化情報を測色データとして取得する。測定される色はLab値であり、プリント物の拡散反射成分を測色器や分光放射輝度計を用いて測定される。
判定部114は、色変化取得部113で取得した色変化情報に基づき、色分解テーブルにおける格子点間の各ライン(色分解テーブルの枠)に位置する色が蛍光の発生の影響によって色再現範囲がどのように変化するかを判定する。判定部114による判定処理では、紫外光を含む光源下での色再現範囲が、紫外光を含まない光源下での色再現範囲よりも小さくなるか、大きくなるか、あるいは同じであるかが判定される。
色分解テーブル作成部115は、判定部114による判定結果に従い、色分解処理部116で使用する色分解テーブルを作成する。色分解テーブルは、LUT形式であり、例えば、17×17×17の格子点を持つ3次元LUTである。なお、色分解テーブルは、詳細につき後述する通り、入力された画像データにおける色空間を複数の色インクにおける色空間に対応させるテーブルであるともいえる。
色分解処理部116は、カラーマッチング処理部112で生成した色変換後の画像データ(R’G’B’カラー画像データ)を入力として受け取り、色分解テーブルを用いて、プリンタ13に搭載される色インク(記録材)の量を示す記録材データに変換する。プリンタ13にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ホワイト(W)の5色のインク(記録材)が搭載されている場合には、色変換後の画像データとして、CMYKWの各色インクの量を8ビットで表す記録材データが生成される。なお、色変換後の画像データは、色分解後の画像データであるともいえる。
ハーフトーン処理部117は、ディザ法を用いて、色分解処理部116から受け取った記録材データに対しハーフトーン処理を実行して、プリンタ13でのドットのON/OFFを表す2値データC’、M’、Y’、K’、W’に変換する。ハーフトーン処理は、ディザ法を用いた処理に限定されるものではなく、誤差拡散法等の公知の方法を用いた処理でもよい。
マスク作成部118は、判定部114での判定結果に従い、印字制御部119で使用されるパスマスク(記録順制御マスク)を作成する。
印字制御部119は、マスク作成部118で作成した記録順制御マスクを用いて、ハーフトーン処理部117で生成した2値データを処理することで、プリンタ13にてカラー画像を形成する際の各記録走査データを作成する。なお、各記録走査データは、プリンタ13にて、複数の色インクを用いた記録媒体への記録によるカラー画像の形成に用いられる印刷データであり、プリンタ13に送られる。
<画像処理装置の動作>
画像処理装置が実行する処理の流れについて、図を用いて説明する。図3は、画像処理装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。なお、図3に示されるフローチャートによる処理は、ROM102に格納されたプログラムコードがRAM103に展開され、CPU101によって実行される。図3に示されるフローチャートは、ユーザが入力デバイス12を操作して指示を入力し、CPU101が入力された指示を受け付けることにより開始する。なお、フローチャートの説明における記号「S」は、ステップを表すものとする。この点、以下のフローチャートの説明においても同様とする。
画像処理装置が実行する処理の流れについて、図を用いて説明する。図3は、画像処理装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。なお、図3に示されるフローチャートによる処理は、ROM102に格納されたプログラムコードがRAM103に展開され、CPU101によって実行される。図3に示されるフローチャートは、ユーザが入力デバイス12を操作して指示を入力し、CPU101が入力された指示を受け付けることにより開始する。なお、フローチャートの説明における記号「S」は、ステップを表すものとする。この点、以下のフローチャートの説明においても同様とする。
先ず、S301では、入力画像データ取得部111は、外部から入力された入力画像データである、R、G、B各8ビットのカラー画像データを取得する。
S302では、カラーマッチング処理部112は、入力画像データR、G、Bの色再現範囲をプリンタ13の色再現範囲に合わせるためのLUTを用いて、S302で取得した入力画像データに対し色変換処理(カラーマッチング処理)を実行する。この色変換処理により、RGBの入力画像データが8ビットのR’G’B’カラー画像データに変換される。
S303では、色分解テーブル及び記録順制御マスクが作成済みであるか否かが判定される。色分解テーブル及び記録順制御マスクが作成済みではないとの判定結果が得られた場合(S303のNO)、処理がS304に移行される。S304からS307の一連の処理が実行されることで、色分解テーブル及び記録順制御マスクが作成される。一方、色分解テーブル及び記録順制御マスクが作成済みであるとの判定結果が得られた場合(S303のYES)、S304からS307がスキップされて、処理がS308に移行される。なお、S303では、色分解テーブル及び記録順制御マスクが作成済であるか否かの判定処理が同時に行われるが、色分解テーブル及び記録順制御マスクが作成済であるか否かの判定が別々に行われてもよい。色分解テーブル及び記録順制御マスクのいずれか一方が作成済みである場合、未作成のもののみを作成するような手順であってもよい。
S304では、色変化取得部113は、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響による色変化を示す色変化情報を取得する。先ず、テストチャートである複数のカラーパッチを記録媒体に記録したプリント物を作成する。作成したプリント物に対し、紫外光を含まない光源で照射した際と紫外光を含む光源で照射した際とで各カラーパッチの色を表すLab値を測定し、それぞれの光源下の色情報を取得する。そして、これら色情報の差分を求めることで前記色変化情報を取得する。カラーパッチは、例えば、計8色分の入力値のパッチを含む。図4に示すような、色分解テーブルの8つの頂点であるR、G、B、C、M、Y、K、Wをそれぞれ入力値とするパッチである。なお、パッチでの各入力値は、R(255、0、0)、G(0、255、0)、B(0、0、255)、C(0、255、255)、M(255、0、255)、Y(255、255、0)、K(0、0、0)、W(255、255、255)である。ここでは、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響によってカラーパッチの色味がどのような色に変化するかを示す色変化情報を取得できればよく、色相差、Lab以外のXYZ等の色の測色値、色を表す色名等であってもよい。紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響によって色再現範囲が変化する例については後述する。
S305では、判定部114は、S304で取得した各カラーパッチの色変化情報を基に、色分解テーブルにおける格子点間の各ライン(色分解テーブルの8本の枠)に位置する色に対応する色再現範囲が蛍光の発生の影響でどのように変化するかを判定する。色再現範囲変化の判定例については後述する。
S306では、色分解テーブル作成部115は、S305での判定部114による判定結果を基に、色分解テーブルを作成する。色分解テーブルの作成処理の詳細については後述する。
S307では、マスク作成部118は、S305での判定部114による判定結果に従い、印字制御部119で使用されるパスマスク(記録順制御マスク)を作成する。記録順制御マスクの詳細については後述する。
S308では、色分解処理部116は、S306で作成された色分解テーブルを用いて、カラーマッチング処理部112から入力として受け取った色変換後の画像データに対して色分解処理を実行する。色分解処理が実行されることで、受け取った色変換後の画像データは、プリンタに搭載されるCMYKWの各色インクの量を8ビットで表す記録材データに変換される。色分解テーブルには、17×17×17点に間引いた格子点上にC、M、Y、K、Wの5色分のインク値(8ビット)が格納されており、格子点間の値は線形補間により算出される。なお、色分解テーブル及び記録順制御マスクが予め作成されてROM102やHDD15等の記憶装置に格納されている場合、作成済みの色分解テーブル及び記録順制御マスクが記憶装置から読み出される。プリンタで画像形成を行う際にプリント物を得るまでの時間がなるべく早いことが要求されるため、画像形成に使用する記録媒体が予め定まっている場合には、次のように処理を行ってもよい。すなわち、プリンタ及び画像処理装置の製品設計時に色分解テーブル及び記録順制御マスクを作成して記憶装置に格納しておき、使用時に記憶装置から前記色分解テーブル及び記録順制御マスクを読み出してもよい。
S309では、ハーフトーン処理部117は、色分解処理部116から入力として受け取った記録材データに対して、ディザ法を用いたハーフトーン処理を実行する。ハーフトーン処理では、記録材データは、プリンタで用いられる、プリンタのドットのON/OFFを表す2値データC’、M’、Y’、K’、W’に変換される。なお、ハーフトーン処理は、ディザ法を用いた処理に限定されるものではなく、誤差拡散法等の公知の方法を用いた処理でもよい。
S310では、印字制御部119は、S307で作成された記録順制御マスクを用いて、S309で作成された2値データC’、M’、Y’、K’、W’を各記録走査で形成するドットパターンに分解する印字制御を実行する。本実施形態の印字制御では、ドットパターンを示すデータとして、走査回数が4パスであるマルチパス方式でカラー画像を完成させるための各記録走査データが作成される。
最後に、S311では、S310で作成された各記録走査データが用いられ、プリンタ13によって、記録媒体上にカラー画像を形成したプリント物が作成されて、本フローの処理を終了する。
以上で画像処理装置1において実行される処理が完了する。
<蛍光の影響による色再現範囲の変化>
紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響(以下、蛍光の影響ともいう)による色再現範囲の変化について、図を用いて説明する。図5は、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響による色再現範囲の変化例を示す図であり、図5(a)にLab空間のうちのb-L平面を示し、図5(b)にLab空間のうちのab平面を示す。複数のカラーパッチからなるテストチャートを記録媒体にプリントし、紫外光を含まない光源で照射した際と、紫外光を含む光源で照射した際とで各カラーパッチの色を表すLab値を測定し、測定結果を基に、色再現範囲の変化が求められる。なお、記録媒体は、所定量の蛍光増白剤が添加されたものとし、紫外光を含む光源は、紫外光を所定量含むものとする。図5(a)、(b)にて、W0、K0、C0、M0、Y0、R0、G0、B0で示す白丸プロットは、それぞれホワイト、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーに対応し、紫外光を含まない光源下での各カラーパッチの測色値である。また、W1、K1、C1、M1、Y1、R1、G1、B1で示す黒丸プロットは、それぞれホワイト、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーに対応し、紫外光を含む光源下での各カラーパッチの測色値である。図5(a)、(b)において、白丸プロットを包含する、破線で囲まれた領域が、紫外光を含まない光源下で測定したときの色再現範囲に対応し、黒丸プロットを包含する、実線で囲まれた領域が、紫外光を含む光源下で測定したときの色再現範囲に対応する。
紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響(以下、蛍光の影響ともいう)による色再現範囲の変化について、図を用いて説明する。図5は、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響による色再現範囲の変化例を示す図であり、図5(a)にLab空間のうちのb-L平面を示し、図5(b)にLab空間のうちのab平面を示す。複数のカラーパッチからなるテストチャートを記録媒体にプリントし、紫外光を含まない光源で照射した際と、紫外光を含む光源で照射した際とで各カラーパッチの色を表すLab値を測定し、測定結果を基に、色再現範囲の変化が求められる。なお、記録媒体は、所定量の蛍光増白剤が添加されたものとし、紫外光を含む光源は、紫外光を所定量含むものとする。図5(a)、(b)にて、W0、K0、C0、M0、Y0、R0、G0、B0で示す白丸プロットは、それぞれホワイト、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーに対応し、紫外光を含まない光源下での各カラーパッチの測色値である。また、W1、K1、C1、M1、Y1、R1、G1、B1で示す黒丸プロットは、それぞれホワイト、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーに対応し、紫外光を含む光源下での各カラーパッチの測色値である。図5(a)、(b)において、白丸プロットを包含する、破線で囲まれた領域が、紫外光を含まない光源下で測定したときの色再現範囲に対応し、黒丸プロットを包含する、実線で囲まれた領域が、紫外光を含む光源下で測定したときの色再現範囲に対応する。
このとき、斜線パターンで示された部分(ハッチングが付された部分)は、蛍光の影響によって、紫外光を含む光源下で測定したときの色再現範囲が、紫外光を含まない光源下で測定したときの色再現範囲よりも小さくなる色の領域(色領域)である。一方、点パターンで示された部分(ドットが付された部分)は、蛍光の影響によって、紫外光を含む光源下で測定したときの色再現範囲が、紫外光を含まない光源下で測定したときの色再現範囲よりも大きくなる色の領域(色領域)である。このように、紫外光を含む光源の照射を受けたときに発生する色の変化、すなわち色再現範囲の違いが、カラーパッチの色によって異なる。
本実施形態では、上述のような色再現範囲が異なる現象に着目し、蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色領域に対しては、色再現範囲の縮小が抑制されるように画像処理及び画像形成を行う。すなわち、該当する色領域を判定し、判定された色領域においては、記録媒体の表面ができるだけ露出されないように色分解テーブル及び記録順制御マスクを作成し、作成した色分解テーブル及び記録順制御マスクを用いて記録媒体にカラー画像を形成する。
一方、蛍光の影響によって色再現範囲が大きくなる色領域に対しては、蛍光による色再現範囲の拡大を活かすように画像処理及び画像形成を行う。すなわち、該当する色領域を判定し、判定された色領域においては、記録媒体の表面ができるだけ露出されるように色分解テーブル及び記録順制御マスクを作成し、作成した色分解テーブル及び記録順制御マスクを用いて記録媒体にカラー画像を形成する。
これらを実現するために、蛍光の影響による色再現範囲の変化を色領域毎に測定及び判定し、判定結果に応じた色分解テーブル及び記録順制御マスクを作成し、作成したデータを用いて次のようなカラー画像を形成したプリント物を生成する。すなわち、プリント物のカラー画像に対応する色領域では、紫外光を含む光源の照射を受けてプリント物から発生する蛍光の色の影響による色再現範囲の縮小を抑制又は色再現範囲を拡大させるように、記録媒体の表面をインクで被覆する被覆率を異ならせる。ただし、この記録媒体は、蛍光増白剤を含む。
<色再現範囲変化の判定>
色再現範囲変化の判定について、図を用いて説明する。図6は、色再現範囲変化の判定例を説明する図である。図6に示す立方体は色分解テーブルを表しており、図4と同様、各格子点の色名を示している。色再現範囲変化の判定では、取得した色変化情報に基づき、入力された画像データに対応するカラー画像を記録媒体に記録するプリンタ13に搭載されるインクで表現可能な色再現範囲の変化が判定される。太実線で示す部分は、蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色間ラインである。本実施形態では、図5に示す色再現範囲の変化に基づいて、色間ラインW-Y、R-Y、R-K、Y-Gの4ラインが、蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色領域に対応すると判定される。
色再現範囲変化の判定について、図を用いて説明する。図6は、色再現範囲変化の判定例を説明する図である。図6に示す立方体は色分解テーブルを表しており、図4と同様、各格子点の色名を示している。色再現範囲変化の判定では、取得した色変化情報に基づき、入力された画像データに対応するカラー画像を記録媒体に記録するプリンタ13に搭載されるインクで表現可能な色再現範囲の変化が判定される。太実線で示す部分は、蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色間ラインである。本実施形態では、図5に示す色再現範囲の変化に基づいて、色間ラインW-Y、R-Y、R-K、Y-Gの4ラインが、蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色領域に対応すると判定される。
一方、破線で示す部分は、蛍光の影響によって色再現範囲が大きくなる色間ラインである。本実施形態では、図5に示す色再現範囲の変化に基づいて、色間ラインW-C、M-R、M-B、B-Cの4ラインが、蛍光の影響によって色再現範囲が大きくなる色領域に対応すると判定される。
また、上記以外のその他色間ラインである、W-M、K-G、K-B、G-Cについては、蛍光の影響によって色再現範囲が変化しない色領域に対応すると判定される。
このように、色分解テーブルの色領域によって、蛍光の影響による色再現範囲の変化が判定される。
<色分解テーブルの作成処理>
S306の色分解テーブルの作成処理の詳細な流れについて、図を用いて説明する。図7は、S306の色分解テーブルの作成処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
S306の色分解テーブルの作成処理の詳細な流れについて、図を用いて説明する。図7は、S306の色分解テーブルの作成処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
先ず、S701では、色分解テーブル作成部115は、C、M、Y、K、Wについてそれぞれ8ビットで表される0~255の値を16等分した値の組合せについて、予め、プリンタでパッチをプリントし、それらを測色しそれぞれの測色値を取得して保持する。
S702では、色分解テーブル作成部115は、色分解テーブルの頂点に当たる8つの格子点の格子点データ(色分解データ)を設定する。例えば、頂点Wは(C、M、Y、K、W)=(0、0、0、0、255)、頂点Yは(C、M、Y、K、W)=(0、0、255、0、0)、頂点Cは(C、M、Y、K、W)=(255、0、0、0、0)のように設定する。また、頂点Mは(C、M、Y、K、W)=(0、255、0、0、0)、頂点Kは(C、M、Y、K、W)=(0、0、0、255、0)のように設定する。
S703では、色分解テーブル作成部115は、複数の色インクのうち、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる、特定の色インクに対応する色間ラインの色分解テーブルを設計する。S703にて設計対象となる色間ラインは、S305での色再現範囲変化の判定処理で蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなると判定された、色間ラインW-Y、R-Y、R-K、Y-Gである。各色間ラインにおいて、それぞれのライン上にある格子点の格子点データ(色分解データ)を以下のように求め、これら格子点に関する色分解テーブルを作成する。より具体的には、例えば、頂点W、頂点Yを結ぶラインにおいては、頂点W、頂点Yについて、次のようにパッチの測色値を得る。すなわち、S702にて設定された頂点Wに対応する(C、M、Y、K、W)=(0、0、0、0、255)と、頂点Yに対応する(C、M、Y、K、W)=(0、0、255、0、0)の値の組に基づいてそれぞれプリントされたパッチの測色値を得る。そして、均等色空間上で上記2つの測色値を結ぶライン上で均等に分布するように格子点を規定する。これら均等に分布した格子点の測色値とそれぞれ最も近い測色値のパッチを出力したデータ(C、M、Y、K、W)の値をそれぞれの格子点の格子点データとして求める。
W-Yラインの色分解テーブルについて、図を用いて説明する。図8は、W-Yラインの色分解テーブル例を示す図であって、図8(a)に本実施形態の色分解テーブル例を示し、図8(b)に従来の色分解テーブル例を示す。図8(b)に示すように、従来の色分解テーブルでは、イエローの階調がW(最小階調)からY(最大階調)に変化する際に、イエローインク803のインク量をWにて0%からYに変化するにつれて増加させていき、Yにて100%となるように設計される。しかしながら、この場合、Wに近いほど、記録媒体の表面がより多く露出することから、ブルー系の蛍光色がより多く発生し、イエローインクの色味が蛍光の色で相殺されて白色となる。つまり、観察者が視認する色の彩度が低下することになる。
そこで、本実施形態では、S703にて設計対象となる色間ラインに対しては、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響ができるだけ少なくなるように、各色インクのデータの値を定める。ここでは、画像形成時に記録媒体の表面をできるだけ露出させないように、蛍光の色味のブルー系と補色の関係にある色の色インクであるイエロー(Y)インク、及び、記録媒体の本来の色に近い色を再現可能なインクであるホワイト(W)インクの量を設計する。図8(a)に示すように、本実施形態の色分解テーブルでは、イエローの階調がW(最小階調)からY(最大階調)に変化する際に、イエローインク801およびホワイトインク802のインク量が次に示すように設計される。すなわち、イエローの階調が最小階調から最大階調に亘って、イエローインク801のインク量を一定量の100%(所定値)で満たすように設計される。また、ホワイトインク802のインク量を最小階調で100%(最大値)から階調の大きさに応じて減少させ、最大階調で0%(最小値)となるように設計される。このように色分解テーブルを作成することで、W-Yラインのどの格子点においても、イエローインクとホワイトインクのインク総量が100%以上となり、画像形成時に記録媒体の表面がインクで被覆されることになる。その結果、記録媒体の表面が露出しないため、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響により色再現範囲が小さくなることが抑制される。よって、本実施形態では、従来の色分解テーブルの使用により生じる彩度の低下を抑制することができる。このように、ホワイトインクのインク量で、イエローの階調を調整していることから、ホワイトインクは、蛍光の色を吸収する色であるイエローの階調を調整するインクであり、記録媒体の色に近い色を再現可能なインクであるともいえる。
S704では、色分解テーブル作成部115は、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響によって色再現範囲が大きくなる色間ラインの色分解テーブルを設計する。S704にて設計対象となる色間ラインは、S305での色再現範囲変化の判定処理で蛍光の影響によって色再現範囲が大きくなると判定された、色間ラインW-C、M-R、M-B、B-Cである。各色間ラインにおいて、S703と同様の方法で、それぞれのライン上にある格子点の格子点データ(色分解データ)を以下のように求め、これら格子点に関する色分解テーブルを作成する。より具体的には、例えば、頂点W、頂点Cを結ぶラインにおいては、頂点W、頂点Cについて、次のようにパッチの測色値を得る。すなわち、S702にて設定された頂点Wに対応する(C、M、Y、K、W)=(0、0、0、0、255)と、頂点Cに対応する(C、M、Y、K、W)=(255、0、0、0、0)の値の組に基づいてそれぞれプリントされたパッチの測色値を得る。そして、均等色空間上で上記2つの測色値を結ぶライン上で均等に分布するように格子点を規定する。これら均等に分布した格子点の測色値とそれぞれ最も近い測色値のパッチを出力したデータ(C、M、Y、K、W)の値をそれぞれの格子点の格子点データとして求める。
S704にて設計対象となる色間ラインに対しては、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響をできるだけ活かすように、各色インクのデータの値を定める。ここでは、画像形成時に記録媒体の表面をできるだけ露出させるように、ホワイト(W)インクの量を設計する。
W-Cラインの色分解テーブルについて、図を用いて説明する。図9は、本実施形態に係るW-Cラインの色分解テーブル例を示す図である。本実施形態の色分解テーブルでは、シアンの階調がW(最小階調)からC(最大階調)に変化する際に、シアンインク901およびホワイトインク902のインク量が次に示すように設計される。すなわち、シアンの階調が最小階調から最大階調の範囲にて、シアンインク901のインク量を最小階調で0%(最小値)から階調の大きさに応じて増加させ、最大階調で100%(最大値)となるように設計される。一方、ホワイトインク902のインク量を、最小階調で100%(最大値)とし、階調の大きさに応じて急激に減少させ、所定の階調(所定の格子点)から最大階調にて0%(最小値)となるように設計される。このように色分解テーブルを作成することで、W-Cラインにおいて、シアンの階調が最大階調に近づくほど、ホワイトインクのインク量が少なくなり、画像形成時に記録媒体の表面が被覆される面積が減少することになる。その結果、記録媒体の表面が露出するため、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響によりブルー系の色を有するパッチの色再現範囲がより大きくなる。
S705では、色分解テーブル作成部115は、その他ラインの色分解テーブルを作成する。S705にて設計対象となる色間ラインは、S305での色再現範囲変化の判定処理で蛍光の影響によって色再現範囲が変化しないと判定された、色間ラインW-M、K-G、K-B、G-Cである。S705で作成される各色間ラインの色分解テーブルについては、特に設計の制限はなく、所望の色が再現されるように任意の色分解テーブルとすることができる。
このように、S703からS705では、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響の違いに応じて、各色間ラインに対応する色分解テーブルが設計される。ホワイトインクに着目すると、次のような色分解テーブルが設計されることなる。係る色分解テーブルは、蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色ではホワイトインクの使用量がより多くなり、色再現範囲が大きくなる、または変化しない色ではホワイトインクの使用量が少なくなるように設計されることになる。
S706では、色分解テーブル作成部115は、S703からS705で作成した各ライン上の格子点の格子点データに基づいて内部補間処理を行い、上記ライン以外の格子点について格子点データを求める。
最後に、S707では、色分解テーブル作成部115は、以上のように求めた格子点データについて平滑化処理を行う。この平滑化処理は、色分解テーブルにおけるインク量の変化が滑らかとなるように、R、G、B軸方向のそれぞれに対する3×3×3のローパスフィルタを順次、格子点を変えながらS706で求めた格子点データに対してフィルタリングを行う。
以上で色分解テーブルの作成処理が完了する。
<記録順制御マスク>
記録順制御マスクについて、図を用いて説明する。先ず、記録順制御マスクの適用方法について説明した後、記録順制御マスクについて説明する。図10は、ハーフトーン処理部117で生成した2値データに対する記録順制御マスクの適用例を記録走査毎に示す図である。本実施形態に係る記録順制御マスクは、いわゆるパスマスクで実現される。ここでは、各色インクを用いて記録媒体に記録する順番を制御するためのパスマスクのことを、特に、記録順制御マスクと表している。
記録順制御マスクについて、図を用いて説明する。先ず、記録順制御マスクの適用方法について説明した後、記録順制御マスクについて説明する。図10は、ハーフトーン処理部117で生成した2値データに対する記録順制御マスクの適用例を記録走査毎に示す図である。本実施形態に係る記録順制御マスクは、いわゆるパスマスクで実現される。ここでは、各色インクを用いて記録媒体に記録する順番を制御するためのパスマスクのことを、特に、記録順制御マスクと表している。
図10に示すように、2値データに対して記録順制御マスクを各パスの記録幅分、すなわち、記録ヘッドのノズル列の長さをパス数で割った距離だけ移動させつつ記録順制御マスクを用いたドット間引き処理を行うことで走査データを生成する。走査データは、互いに補完の関係にあり、全ノズル群のパターンを重ね合わせると全領域の記録パターンとなる。なお、一般的なパスマスクは、できるだけ各記録走査の記録率が偏らないようにパスマスクが設計される。すなわち、スジムラ等の画質劣化を抑制するため、記録走査の回数に対して記録率が均等となるようにする。あるいは、記録ヘッドの端部でのドット位置ずれを抑制するために、先行パス及び後続パス側の記録率をやや低くするグラデーション状にする等が行われる。それに対し、本実施形態で生成される記録順制御マスクは、特に蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色領域の印字制御をする場合、色インクの記録順を制御するため、各色インクに対応するパスマスクで、各記録走査の記録順を偏らせる。
続いて、記録順制御マスクについて、図を用いて説明する。図11は、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色領域に対して適用される記録順制御マスク例を示す図である。図11に示すように、イエローインク用の記録順制御マスク1101は、1パス目と2パス目とのそれぞれで記録率が50%であり、合計が100%となるように、1パス目と2パス目とで互いに補完の関係となるように設計される。さらに、イエローインク用の記録順制御マスク1101は、3パス目と4パス目とでともに記録率が0%であり記録が行われないように設計される。
また、ホワイトインク用の記録順制御マスク1102は、3パス目と4パス目とのそれぞれで記録率が50%であり、合計が100%となるように、3パス目と4パス目とで互いに補完の関係となるように設計される。さらに、ホワイトインク用の記録順制御マスク1102は、1パス目と2パス目とでともに記録率が0%であり記録が行われないように設計される。
このようにそれぞれの色インクの記録順制御マスクを設計することで、先行パス側(1パス目及び2パス目)でイエローインクを形成し、後続パス側でホワイトインクを形成するようにしている。このように設計した記録順制御マスクを用いることによって、イエローインクが下層側、ホワイトインクが上層側に形成されるようにインクの記録順を制御することができる。先に述べた、色分解テーブルの設計と合わせて、記録順制御マスクを設計することで、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響が生じても、蛍光の影響がないときの色再現範囲を維持することができる。
なお、以上説明したような極端に記録率を先行パスと後続パスとに分け合うような記録順制御マスクではなくてもよい。イエローインクがホワイトインクよりも、総じて先行パス側で記録されるように、それぞれ4パス内で連続的に記録率を偏らせたような記録順制御マスクであってもよい。
一方、蛍光の影響によって色再現範囲が大きくなる色領域に対し、先に述べた、色分解テーブルの設計にて、所定のインク量を設計することで、記録媒体の表面を露出するように制御できるため、色インク毎の記録順を制御する必要性は特にない。そのため、例えば、パス毎の記録率が一定のパスマスク等、任意のパスマスク1103を用いて各記録走査データを作成する。同様に、蛍光の影響によって色再現範囲が変化しない色領域についても、色インク毎の記録順を制御する必要がないため、任意のパスマスクを用いて各記録走査データを作成する。
<プリント物の像構造>
プリント物の像構造について説明する。紫外光を含む光源下で、紫外光を含まない光源下よりも色再現範囲が小さくなる色間ラインの階調で像を形成したプリント物について、図を用いて説明する。図12は、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色間ラインの階調で像を形成したプリント物の断面を模式的に表した図である。図12では、色間ラインW-Yについて、i=1からi=8までの8階調分を示している。
プリント物の像構造について説明する。紫外光を含む光源下で、紫外光を含まない光源下よりも色再現範囲が小さくなる色間ラインの階調で像を形成したプリント物について、図を用いて説明する。図12は、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色間ラインの階調で像を形成したプリント物の断面を模式的に表した図である。図12では、色間ラインW-Yについて、i=1からi=8までの8階調分を示している。
図12に示すように、プリント物は、蛍光増白剤を含むインク受容層1201と、インク受容層1201を支持する基紙層1202とを有する記録媒体にインクが記録されたものである。iの数値が大きくなっていくと、Yの階調に近づいていき、iが最大値の8になると、Yの階調となるように、インク受容層1201の表面1203には次の各ドットがそれぞれ所望のインク量及び記録順の基、形成されている。インク受容層1201の表面1203に形成されるドットには、イエローインクの吐出で形成されるイエロードット1204と、ホワイトインクの吐出で形成されるホワイトドット1205とが含まれる。
i=1からi=8までの各階調でのドットの形成位置を見て分かるように、いずれの階調においても、イエロードット1204が、インク受容層1201の全面を被覆するようにホワイトドット1205よりも下層側に層状に形成されている。これにより、蛍光の色と補色の関係にある色であり、蛍光色を吸収できる色であるインクのイエロードットによって、記録媒体の表面が覆われるため、記録媒体からの蛍光が紙面上に発生することが抑制される。そして、その上層側に対して、記録媒体の色と近い色を再現可能な色のインクのホワイトドット1205が階調の所望の色になるように離散的に形成されて、紙面上での色が合わせられる。
上述のように、イエロードット及びホワイトドットのそれぞれのドットの発数は、色分解テーブルで定まり、イエロードット及びホワイトドットのそれぞれの記録順は、記録順制御マスクで定まる。色分解テーブルと記録順制御マスクをともに考慮してそれぞれ設計することで、上述のような層状の像構造を作成することができる。
このように、蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色領域に対しては、蛍光を発生させる記録媒体の表面が露出されないように、色分解テーブル及び記録順制御マスクを作成し、それらを用いてカラー画像を形成する。このとき、記録媒体と同系色のホワイトインクを用いることで、蛍光増白剤の影響を少なくしつつ、色間ラインにて色を合わせることができる。ホワイトインクとしては、例えば、蛍光増白剤を含まないインクであり、蛍光の影響による色の変化が少ないインクが用いられる。
これらにより、記録媒体の表面が露出されないため、ブルー系の蛍光色が発生し、イエローインクと色味が相殺され彩度が低下してしまうようなことがなく、蛍光の影響による色再現範囲の縮小を抑制することができる。
また、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の色の影響を極力排除するように、ホワイトインクを記録媒体の全面に被覆させた像構造を形成する。そのため、観察光源に含まれる紫外光の量や記録媒体への蛍光増白剤の添加量が記録媒体毎に異なるような場合でも、その都度、色分解テーブル及び記録順制御マスクを変更する必要はなく、プリント物に形成されたカラー画像の色再現範囲の縮小を抑制できる。
一方、紫外光を含む光源下で、紫外光を含まない光源下よりも色再現範囲が大きくなる色間ラインの階調で像を形成したプリント物について、図を用いて説明する。図13は、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響によって色再現範囲が大きくなる色間ラインの階調で像を形成したプリント物の断面を模式的に表した図である。図13では、色間ラインW-Cについて、i=1からi=8までの8階調分を示している。
図13に示すように、プリント物は、蛍光増白剤を含むインク受容層1201と、インク受容層1201を支持する基紙層1202とを有する記録媒体にインクが記録されたものである。iの数値が大きくなっていくと、Cの階調に近づいていき、iが最大値の8になると、Cの階調となるように、インク受容層1201の表面1203には次の各ドットがそれぞれ所望のインク量及び記録順の基、形成されている。インク受容層1201の表面1203に形成されるドットには、シアンインクの吐出で形成されるシアンドット1301と、ホワイトインクの吐出で形成されるホワイトドット1205とが含まれる。
シアンドット1301の発数がCに近づくにつれて増加する。このとき、シアンドット1301は離散的に配置され、記録媒体の表面ができるだけ露出されるように、ホワイトドット1205が形成されている。
このように、蛍光の影響によって色再現範囲が大きくなる色領域に対して、蛍光による色再現範囲の拡大を活かすように画像処理及び画像形成を行う。すなわち、該当する色領域を判定し、判定された色領域においては、記録媒体の表面ができるだけ露出されるように、色分解テーブル及び記録順制御マスクを作成し、それらを用いて記録媒体にカラー画像を形成する。これにより、蛍光の影響によって色再現範囲が大きくなる色において、プリント物に形成されるカラー画像の色再現範囲を大きくすることができる。
以上説明したように、本実施形態では、蛍光増白剤を含む記録媒体に形成したプリント物に対し紫外光を含む光源で照射した際の記録媒体から発生する蛍光の影響による色変化情報を取得する。そして、色変化情報を基に色再現範囲の変化を判定し、判定結果に応じて色分解テーブル及び記録順制御マスクを作成し、それらを用いて画像を形成する。これにより、蛍光増白剤を含む記録媒体の表面の被覆率が色毎に制御される。特に、蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色において、観察光源に含まれる紫外光の量や記録媒体への蛍光増白剤の添加量が異なっても、プリント物に形成されるカラー画像の色再現範囲の縮小を抑制することができる。さらに、蛍光の影響によって色再現範囲が大きくなる色において、プリント物に形成されるカラー画像の色再現範囲を大きくすることができる。
[第2実施形態]
続いて、蛍光の色と補色の関係にある色の濃淡インクの色分解テーブルを用いる態様について、第2実施形態として説明する。紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の色は、第1実施形態と同様のブルー系であるとの前提の下、ブルー系とは補色の関係にある色のイエローのインクについて、イエローの濃インクと淡インクの2種類の濃淡インクを用いる例を説明する。以降、第1実施形態と共通の内容については説明を省略し、第1実施形態と異なる、濃淡インクの色分解テーブルを中心に説明する。
続いて、蛍光の色と補色の関係にある色の濃淡インクの色分解テーブルを用いる態様について、第2実施形態として説明する。紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の色は、第1実施形態と同様のブルー系であるとの前提の下、ブルー系とは補色の関係にある色のイエローのインクについて、イエローの濃インクと淡インクの2種類の濃淡インクを用いる例を説明する。以降、第1実施形態と共通の内容については説明を省略し、第1実施形態と異なる、濃淡インクの色分解テーブルを中心に説明する。
<プリンタの構成>
本実施形態に係るプリンタの構成であって、濃淡インクを用いることに伴い、第1実施形態のプリンタに追加された構成について説明する。本実施形態のプリンタ13が有するインクタンクには、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色インクに加え、淡イエロー(LY)の色インクを追加した計5種類のインクをそれぞれ収容したインク用タンクが独立に設けられる。淡イエローインクはイエローインクよりもインク濃度が薄いインクである。淡イエローインクは、例えば、顔料濃度を相対的に1/2に希釈したインクとする。以降の説明では、通常のイエローインクを濃イエローインクと表記する。
本実施形態に係るプリンタの構成であって、濃淡インクを用いることに伴い、第1実施形態のプリンタに追加された構成について説明する。本実施形態のプリンタ13が有するインクタンクには、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色インクに加え、淡イエロー(LY)の色インクを追加した計5種類のインクをそれぞれ収容したインク用タンクが独立に設けられる。淡イエローインクはイエローインクよりもインク濃度が薄いインクである。淡イエローインクは、例えば、顔料濃度を相対的に1/2に希釈したインクとする。以降の説明では、通常のイエローインクを濃イエローインクと表記する。
<画像処理装置の論理構成>
また、本実施形態に係る画像処理装置1は、第1実施形態の画像処理装置と同じ論理構成を有する。本実施形態では、カラーマッチング処理部112、色分解テーブル作成部115、色分解処理部116、ハーフトーン処理部117、マスク作成部118、印字制御部119において、追加された淡イエローのデータについてもそれぞれの処理が適用される。
また、本実施形態に係る画像処理装置1は、第1実施形態の画像処理装置と同じ論理構成を有する。本実施形態では、カラーマッチング処理部112、色分解テーブル作成部115、色分解処理部116、ハーフトーン処理部117、マスク作成部118、印字制御部119において、追加された淡イエローのデータについてもそれぞれの処理が適用される。
<色分解テーブルの作成処理>
本実施形態に係る色分解テーブル作成部115による色分解テーブルの作成処理について説明する。第1実施形態にて図6を用いて説明したように、イエロー(Y)は、紫外光を含む光源下で、紫外光を含まない光源下よりも色再現範囲が小さくなる色間ラインに存在する。そこで、本実施形態では、図7のS703の処理である、蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなると判定される色間ラインの色分解テーブルを設計する処理において、次のような色分解テーブルを設計する。すなわち、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響ができるだけ少なくなるように、蛍光の色を吸収する色のインクである濃淡イエローインクに対応する色分解テーブルを設計する。以下、濃淡イエローインクに対応して設計される色分解テーブルのうち、W-Yラインの色分解テーブルを例として説明する。
本実施形態に係る色分解テーブル作成部115による色分解テーブルの作成処理について説明する。第1実施形態にて図6を用いて説明したように、イエロー(Y)は、紫外光を含む光源下で、紫外光を含まない光源下よりも色再現範囲が小さくなる色間ラインに存在する。そこで、本実施形態では、図7のS703の処理である、蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなると判定される色間ラインの色分解テーブルを設計する処理において、次のような色分解テーブルを設計する。すなわち、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響ができるだけ少なくなるように、蛍光の色を吸収する色のインクである濃淡イエローインクに対応する色分解テーブルを設計する。以下、濃淡イエローインクに対応して設計される色分解テーブルのうち、W-Yラインの色分解テーブルを例として説明する。
W-Yラインに適用した色分解テーブルについて、図を用いて説明する。図14は、W-Yラインの色分解テーブル例を示す図であって、図14(a)に濃イエローインク及び淡イエローインクの両方に対応して設計される場合を示し、図14(b)に濃イエローインクのみに対応して設計される場合を示す。
図14(b)に示すように、W-Yラインの色分解テーブル例では、濃イエローインク1402のみが用いられる。濃イエローインク1402のインク量は、イエローの階調がY(最大階調)にて100%であり、YからW(最小階調)に向かうに従い減少していき、Wにて0%となっている。この場合、Wに近いほど少なく記録媒体の表面がより多く露出することから、ブルー系の蛍光色がより多く発生し、イエローインクの色味が蛍光の色で相殺されて白色となる。つまり、観察者が視認する色の彩度が低下することになる。
そこで、本実施形態では、W-Yラインにて、イエローができるだけ小さい階調から、淡イエローインクや濃イエローインクで記録媒体の表面を被覆するように、各色インクのデータの値を定める。そのため、図14(a)に示すように、本実施形態の色分解テーブルでは、イエローの階調がW(最小階調)からY(最大階調)に変化する際に、淡イエローインク1401および濃イエローインク1402のインク量が次に示すように設計される。すなわち、イエローの階調が最小階調から所定階調の中間階調では、淡イエローインク1401のインク量が最小階調で0%(最小値)から階調の大きさに応じて増加し中間階調で100%(最大値)となるように設計される。また、イエローの階調が最小階調から所定階調の中間階調では、濃イエローインク1402のインク量が0%(最小値)となるように設計される。イエローの階調が中間階調から最大階調では、淡イエローインク1401のインク量が階調の大きさに応じて減少し最大階調にて0%(最小値)となる一方、濃イエローインク1402のインク量が増加し最大階調にて100%(最大値)となるように設計される。ここでは、同等の色を出すためにより多くのインク量を必要とする淡イエローインク1401を多く使用することで、画像形成時に記録媒体の表面が被覆される量を増やしている。このとき、淡イエローインク1401のインク量は必ずしも100%とする必要はなく、次に示すようなインク量であればよい。すなわち、淡イエローインク1401のみで記録媒体の表面が十分に被覆されるインク量、あるいは紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光をキャンセルできるインク量であればよい。濃イエローインク1402については、上述したように、淡イエローインク1401と入れ替わるように濃イエローインク1402を増加させた色分解テーブルを設計する。このように淡イエローインク1401をより多く使用した色分解テーブルを設計することで、画像形成時に記録媒体の表面がより多く被覆される。その結果、記録媒体の表面ができるだけ露出されないようになるため、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響により色再現範囲が小さくなることが抑制される。よって、本実施形態では、図14(a)の色分解テーブルを使用することで、図14(b)の色分解テーブルを使用で生じる、観察者が視認する色の彩度の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態において、淡イエローインクの顔料濃度の希釈率を小さくするほど、同じインク量でより多くの記録媒体の表面を被覆できるようになり、特にハイライト側の階調において、記録媒体から発生する蛍光の影響を抑制できる利点がある。ただし、淡イエローインクの顔料濃度の希釈率と、蛍光の影響を遮断する効果、インクの消費量とは互いに相関することから、淡イエローインクの顔料濃度の希釈率は、前記効果や前記消費量を考慮して決定される。
<ハーフトーン処理による2値データ>
本実施形態に係るハーフトーン処理による2値データについて説明する。図14に示すW-Yラインの色分解テーブルを用いてカラー画像を形成する際、記録媒体の表面ができるだけ被覆されるためには、インク色間のドットパターンの位置関係を互いに排他させる処理が効果的である。これを実現するためには、ハーフトーン処理部117において、インク色間のドットパターンを作成する際、所定の色間ラインにおいては、濃イエローインクのドットと淡イエローインクのドットが互いに排他となるようにハーフトーン処理を適用する。対象となる所定の色間ラインは、S703において、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響で色再現範囲が小さくなると判定される色間ラインである。そのため、本実施形態では、濃イエローインクと淡イエローインクのドットとが互いに排他関係となるように、ディザマトリクスが設計される。このように設計されるディザマトリクスは、例えば、淡イエローインクの閾値として、濃イエローインクの反転値(入力レンジの最大値-濃イエローインクの閾値)を用いることで、簡単に生成される。
本実施形態に係るハーフトーン処理による2値データについて説明する。図14に示すW-Yラインの色分解テーブルを用いてカラー画像を形成する際、記録媒体の表面ができるだけ被覆されるためには、インク色間のドットパターンの位置関係を互いに排他させる処理が効果的である。これを実現するためには、ハーフトーン処理部117において、インク色間のドットパターンを作成する際、所定の色間ラインにおいては、濃イエローインクのドットと淡イエローインクのドットが互いに排他となるようにハーフトーン処理を適用する。対象となる所定の色間ラインは、S703において、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響で色再現範囲が小さくなると判定される色間ラインである。そのため、本実施形態では、濃イエローインクと淡イエローインクのドットとが互いに排他関係となるように、ディザマトリクスが設計される。このように設計されるディザマトリクスは、例えば、淡イエローインクの閾値として、濃イエローインクの反転値(入力レンジの最大値-濃イエローインクの閾値)を用いることで、簡単に生成される。
<プリント物の像構造>
紫外光を含む光源下で、紫外光を含まない光源下よりも色再現範囲が小さくなる色間ラインの階調で像を形成したプリント物について、図を用いて説明する。図15は、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色間ラインの階調で像を形成したプリント物の断面を模式的に表した図である。図15では、色間ラインW-Yについて、i=1からi=8までの8階調分を示している。
紫外光を含む光源下で、紫外光を含まない光源下よりも色再現範囲が小さくなる色間ラインの階調で像を形成したプリント物について、図を用いて説明する。図15は、紫外光を含む光源の照射を受けて記録媒体から発生する蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色間ラインの階調で像を形成したプリント物の断面を模式的に表した図である。図15では、色間ラインW-Yについて、i=1からi=8までの8階調分を示している。
図15に示すように、プリント物は、蛍光増白剤を含むインク受容層1201と、インク受容層1201を支持する基紙層1202とを有する記録媒体にインクが記録されたものである。iの数値が大きくなっていくと、Yの階調に近づいていき、iが最大値の8になると、Yの階調(最大階調)となるように、インク受容層1201の表面1203には次の各ドットがそれぞれ所望のインク量及び記録順の基、形成されている。インク受容層1201の表面1203に形成されるドットには、淡イエローインクの吐出で形成される淡イエロードット1503と、濃イエローインクの吐出で形成される濃イエロードット1504とが含まれる。上記ハーフトーン処理で説明したように、蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなると判定される色間ラインであるW-Yラインにおいては、濃イエロードット1504と淡イエロードット1503とが互いに排他となっていることが分かる。図15では、プリント物の断面を示しているが、プリント物の2次元平面上においても、極力排他となるように、濃イエロードットと淡イエロードットとの位置が階調毎に制御される。
濃イエロードット1504と淡イエロードット1503とが互いに排他となるようにカラー画像を形成することで、第1実施形態で示したホワイトインクを用いる場合と同様に、画像形成時に蛍光増白剤を含む記録媒体の表面の露出を少なくできる。そのため、ブルー系の蛍光色が発生し、イエローインクと色味が相殺され彩度が低下してしまうようなことがなく、蛍光の影響による色再現範囲の縮小を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態では、蛍光増白剤を含む記録媒体に形成したプリント物に対し紫外光を含む光源で照射した際の記録媒体から発生する蛍光の影響による色変化情報を取得する。そして、色変化情報を基に色再現範囲の変化を判定し、判定結果に応じて、蛍光の色とは反対色の関係にある濃淡インクに対応する色分解テーブル及び記録順制御マスクを作成し、それらを用いて画像を形成する。これにより、蛍光増白剤を含む記録媒体の表面の被覆率が色毎に制御される。特に、記録媒体から発生する蛍光の影響によって色再現範囲が小さくなる色において、観察光源に含まれる紫外光の量や記録媒体への蛍光増白剤の添加量が記録媒体毎に異なっても、プリント物の色再現範囲の縮小を抑制することができる。さらに、第1実施形態と同様、蛍光の影響によって色再現範囲が大きくなる色において、プリント物の色再現範囲を大きくすることができる。
[その他の実施形態]
なお、第1実施形態及び第2実施形態で示した形態以外においても、様々な変形例を実施可能である。
なお、第1実施形態及び第2実施形態で示した形態以外においても、様々な変形例を実施可能である。
プリンタ13に搭載されるインクとして、ホワイトインクと淡インクを同時に使う構成でもよい。また、上述したインクに限定されない。例えば、レッド(R)インク、グリーン(G)インク、ブルー(B)インク等の特色インクや淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)、淡イエロー(LY)、クリアインク等を含む構成において、次のデータを設計できれば、どのような色のインクであってもよい。すなわち、紫外光を含む光源の照射を受けて、蛍光増白剤を含む記録媒体から発生する蛍光の色で色再現範囲の縮小が抑制されるように、色分解テーブル、ハーフトーン処理による2値データ、記録順制御マスクを設計できれば、どのような色のインクでもよい。
また、インクの種類として、蛍光増白剤を含む記録媒体にカラー画像を形成可能なインクであれば、任意のインクを用いることができる。例えば、水性染料インク、ラテックスインク、溶剤系インク等、画像を形成可能な種々のインクを用いることができる。
また、記録媒体は、蛍光を発生させる記録媒体であれば、パルプを原料とする紙以外の材質でもよい。あるいは、透明な記録媒体に対して、その下側に敷設される基材から蛍光が発生するような場合であってもよい。あるいは、記録媒体に対して、カラーインクの下地として形成される先がけインク等の特殊インクの中に蛍光増白剤が含まれる場合であってもよい。また、淡イエローインクの代わりに同様の分光特性をもつクリアインクを使用してもよい。
また、プリンタ13は上述した動作及び記録方式に限定されるものではない。例えば、記録媒体の幅分の長さを有する記録ヘッドを色インク毎に設け、それらを固定した上で、記録媒体を1度のみ通紙させるフルライン方式のインクジェットプリンタであってもよい。あるいは、電子写真方式や、LEDや発熱体を使用するプリンタ等にも適用可能である。
また、特定の色インクに対する色領域に対して色再現範囲の縮小を抑制するために、記録媒体に記録する各色インクの記録順を制御できれば、記録順制御マスクを用いなくともよい。例えば、記録順を制御する前のハーフトーン処理部117で生成した2値データの各画素に対して、いずれのパスに割り当てるかを指定したデータファイルまたは数式から成る情報を参照し、各パスにドットを割り振ってもよい。あるいは、各画素に対して記録順が制御されるように確率的な演算処理を行い、各ドットをいずれのパスで形成するかを決めてもよい。あるいは、ハーフトーン処理前の多値データを、記録順が制御されるように各パスに分配し、各パスの多値データに対して配置の関係を考慮しつつハーフトーン処理を行ってもよい。
また、色分解は色分解テーブルを用いる方法に限られず、数式による関数変換等であってもよい。
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 画像処理装置
116 色分解処理部
119 印字制御部
116 色分解処理部
119 印字制御部
Claims (19)
- 蛍光増白剤を含む記録媒体にカラー画像を形成するための処理を行う画像処理装置であって、
入力された画像データの色空間を複数の記録材に対応する色空間に変換する色分解を行う色分解手段と、
色分解後の前記画像データを基に、前記カラー画像を形成する際に用いる前記複数の記録材による記録を制御する制御手段と
を有し、
前記制御手段は、蛍光増白剤を含む記録媒体に記録されたテストパターンを、紫外光を含む光源で照射した際と、紫外光を含まない光源で照射した際とのそれぞれで測定して得た色情報から求められる測色データに基づき、前記複数の記録材のうちの特定の記録材に対応する色領域に対して色再現範囲の縮小を抑制するように前記記録を制御する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記カラー画像を形成する際に用いる複数の記録材による前記記録を制御するための記録順制御マスクを作成する作成手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記記録順制御マスクと、色分解後の前記画像データとを基に、前記記録を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記作成手段は、前記特定の記録材に対応する色領域においては、前記記録媒体の表面をできるだけ露出させないようにする前記記録順制御マスクを作成する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記特定の記録材に対応する色領域は、前記色再現範囲が小さくなる色領域であり、
前記作成手段は、前記色再現範囲が小さくなる色領域において、前記複数の記録材のうち、前記紫外光を含む光源の照射を受けて前記記録媒体から発生する蛍光の色を吸収する色の記録材を前記記録媒体の上に層状に形成し、さらにその上に、前記複数の記録材のうち、前記蛍光の色を吸収する色の階調を調整する記録材を離散的に形成する、前記記録順制御マスクを作成する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記特定の記録材に対応する色領域は、前記色再現範囲が小さくなる色領域であり、
前記作成手段は、前記色再現範囲が小さくなる色領域において、前記複数の記録材のうち、前記紫外光を含む光源の照射を受けて前記記録媒体から発生する蛍光の色を吸収する色の記録材で前記記録媒体の表面を被覆する被覆率を増加させる前記記録順制御マスクであって、前記蛍光の色を吸収する色の記録材である濃インク及び淡インクのそれぞれに対応する前記記録順制御マスクを作成する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記色分解手段が用いる色分解テーブルは、前記特定の記録材に対応する色領域においては、前記記録媒体の表面をできるだけ露出させないように作成される
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記特定の記録材に対応する色領域は、前記色再現範囲が小さくなる色領域であり、
前記色分解テーブルは、前記色再現範囲が小さくなる色領域においては、
前記複数の記録材のうち、前記紫外光を含む光源の照射を受けて前記記録媒体から発生する蛍光の色を吸収する色の記録材の量が、前記蛍光の色を吸収する色の階調が最小階調から最大階調に亘って、所定値である一方、
前記複数の記録材のうち、前記蛍光の色を吸収する色の階調を調整する記録材の量が、前記蛍光の色を吸収する色の階調が最小階調で最大値であり、階調の大きさに応じて減少し、最大階調で最小値となるように作成される
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記特定の記録材に対応する色領域は、前記色再現範囲が小さくなる色領域であり、
前記色分解テーブルは、前記色再現範囲が小さくなる色領域においては、前記紫外光を含む光源の照射を受けて前記記録媒体から発生する蛍光の色を吸収する色の記録材である濃インク及び淡インクのそれぞれに対応し、
前記淡インクのインク量が、前記蛍光の色を吸収する色の階調が最小階調から中間階調までは当該階調の大きさに応じて増加し中間階調で最大値となり、前記中間階調から最大階調までは前記階調の大きさに応じて減少し最大階調で最小値となる一方、
前記濃インクのインク量が、前記蛍光の色を吸収する色の階調が最小階調から中間階調までは最小値となり、前記中間階調から前記最大階調までは前記階調の大きさに応じて増加し前記最大階調で最大値となるように作成される
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記蛍光の色を吸収する色の記録材は、前記蛍光の色と補色の関係にある色を再現可能な記録材である、ことを特徴とする請求項4、請求項5、請求項7または請求項8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記蛍光の色を吸収する色の記録材は、イエローインクである
ことを特徴とする請求項4、請求項5、請求項7、請求項8または請求項9のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記蛍光の色を吸収する色の階調を調整する記録材は、前記記録媒体の色に近い色を再現可能な記録材である
ことを特徴とする請求項4または請求項7に記載の画像処理装置。 - 前記蛍光の色を吸収する色の階調を調整する記録材は、ホワイトインクである
ことを特徴とする請求項4、請求項7または請求項11のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記作成手段は、前記複数の記録材のうちの他の特定の記録材に対応する色領域に対して色再現範囲を拡大させる前記記録順制御マスクを作成する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記他の特定の記録材に対応する色領域は、前記色再現範囲が大きくなる色領域であり、
前記作成手段は、前記色再現範囲が大きくなる色領域においては、前記記録媒体の表面をできるだけ露出させるような前記記録順制御マスクを作成する
ことを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。 - 前記他の特定の記録材に対応する色領域は、前記色再現範囲が大きくなる色領域であり、
前記色分解手段が用いる色分解テーブルは、前記色再現範囲が大きくなる色領域において、
前記複数の記録材のうち、前記記録媒体の表面に再現する色の記録材の量が、前記再現する色の階調が最小階調で最小値となり、当該階調の大きさに応じて増加し、最大階調で最大値となる一方、
前記複数の記録材のうち、前記記録媒体の色に近い色を再現可能な記録材の量が、前記再現する色の階調が最小階調で最大値となり、当該階調の大きさに応じて減少し、所定の階調で最小値となるように作成される
ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の画像処理装置。 - 前記記録媒体の表面に再現する色の記録材は、シアンインクである
ことを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。 - 前記記録媒体の色に近い色を再現可能な記録材は、ホワイトインクである
ことを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。 - コンピュータに、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載された画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
- 蛍光増白剤を含む記録媒体にカラー画像を形成するための処理を行う画像処理方法であって、
入力された画像データの色空間を複数の記録材に対応する色空間に変換する色分解を行う色分解ステップと、
色分解後の前記画像データを基に、前記カラー画像を形成する際に用いる前記複数の記録材による記録を制御する制御ステップと
を含み、
前記制御ステップでは、蛍光増白剤を含む記録媒体に記録されたテストパターンを、紫外光を含む光源で照射した際と、紫外光を含まない光源で照射した際とのそれぞれで測定して得た色情報から求められる測色データに基づき、前記複数の記録材のうちの特定の記録材に対応する色領域に対して色再現範囲の縮小を抑制するように前記記録が制御される
ことを特徴とする画像処理方法。
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