JP5634167B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置における画像形成方法において、試料の正反射光の色付きと光沢を制御する方法に関する。
近年、インクジェット記録装置において写真光沢紙に画像を記録する、いわゆる写真印刷処理が普及している。この写真印刷処理に用いられるインクとして、水に溶解しやすい染料を色材として用いた染料インクが広く利用されている。染料インクは溶媒中に溶解した色材が記録媒体の繊維質の内部に浸透し易い。従って、画像記録後も記録媒体の表面形状が維持されやすいため、記録画像の光沢として記録媒体自体の光沢が維持される。つまり、光沢に優れた記録媒体に対して染料インクによる記録を行えば、光沢に優れた記録画像を得ることが可能である。従って、染料インクを用いたインクジェット記録装置では、記録媒体自体の光沢を向上させることにより画像への光沢付与の実現が可能であった。
一方、印刷物(以下、試料)の耐光性や耐水性の向上への要求が高まっている。上述した染料インクは一般に耐光性が低いことが知られており、色材の染料分子が光により分解しやすいため、記録画像の褪色が発生してしまう。また、染料インクで印刷した試料は、一般に耐水性が低いことが知られており、水に濡れると繊維質に浸透した染料分子が水に溶解するため、記録画像において滲みが発生しやすい。
染料インクで発生する耐光性や耐水性の問題を解決するために、近年では、色材に顔料を用いた顔料インクの利用が増えている。顔料インクの色材は、それが分子として存在する染料と異なり、数十ナノメートルから数ミクロンの大きさの粒子として溶剤中に存在している。一般に、顔料インクは色材粒子のサイズが染料インクと比べて大きいため、顔料インクの方が染料インクよりも耐光性の高い試料を得られることが知られている。
しかしながら、顔料インクを用いて記録を行うと、染料インクを用いて記録を行った場合と異なり、記録媒体表面に顔料インクが堆積しやすい。そのため、顔料インクが多く記録される画像領域では表面形状が粗くなり、画像表面で光の乱反射が生じやすくなる。その結果として、画像の光沢、特に写像性(JIS K 7150に記載の「像鮮明度」に相当)が低下してしまい、写真印刷では好ましくない画像として認識されやすい。
顔料インクを用いたインクジェット記録装置においては、再現される色や階調によってインク記録量が異なることから、試料の表面の構造や材質が異なる。すると、このように色毎あるいは階調毎に表面形状が異なることで光沢むらが発生し、画像の位置によって異なった光沢が観察されるため、画像観察者に違和感を与えてしまう。
印刷画像の写像性低下は、顔料インクを用いたインクジェット記録装置に限定された問題ではなく、トナーを記録媒体上に定着させて記録を行う、電子写真方式の記録装置でも同様の問題が発生する。電子写真方式における写像性は、トナーの記録量、定着温度、定着速度などに依存して変化することが知られている。
さらに、上述した写像性低下の課題の他に、インクおよびトナーによって記録媒体に記録を行う記録装置においては、以下のような課題が挙げられる。
使用されるインクやトナーの種類によっては、試料の表面に露出している材料の特性により波長分散のある反射をする、いわゆるブロンズ現象が発生することがある。ブロンズ現象が発生した場合、試料からの正反射光(および、正反射近傍に拡散する光)が色味を帯びる。ブロンズ現象が発生すると、試料に映り込んだ照明の像の色が、照明本来の色味と異なる色味として観察されるため、写真印刷では好ましくない画像として認識されてしまうことが多い。
顔料インクやトナーで画像を形成する記録装置においては、再現される色や階調によって試料の表面の構造や材質が異なる。ブロンズ現象は、試料の表面の材質に依存しているとともに、該表面の構造によっても発生度合が異なる。この表面構造とは、例えば記録媒体表面を占めるインクの被覆率である。つまり、色毎あるいは階調毎に表面が異なる構造や材質で構成される試料においては、色毎あるいは階調毎に正反射色の色味が異なる。このような試料においては、複数の色によって構成される画像領域の正反射色が、画像の位置によって異なった色味として観察されるため、観察者に違和感を与えてしまう。
上述した課題を解決するために、種々の技術が提案されている。例えば、まず光沢性低下を抑制するために、有色インクの記録されていない領域にクリアインクまたは白色インクを記録する技術や、記録領域全域にクリアインクをオーバーコートする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、ブロンズ現象を抑制するために、画像にイエローインクをオーバーコートする技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−132350号公報 特開2004−181688号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、以下のような課題があった。まず、上述した特許文献1に記載の技術によれば、有色インクの記録されていない領域にクリアインクまたは白色インクを記録することで、鏡面光沢度(JIS Z 8741に記載)を色や階調によらず均一化する効果はある。しかしながら該技術では写像性低下を抑制する効果は低く、さらに、ブロンズ現象の発生する有色インクが露出するため、ブロンズ抑制効果についても期待できない。また、記録領域全域にクリアインクをオーバーコートした場合には、ブロンズ現象を抑制する効果はあるものの、クリアインクの堆積により表面凹凸が発生しやすくなるため、結果として写像性が低下してしまうという。
また、上記特許文献2に記載の技術によれば、例えばシアン色を再現する際にもイエローインクを使用する必要があり、本来の色再現には不要であるはずのインク色を混色して記録するため、彩度が低下してしまうという課題がある。
そこで本発明では、顔料色材を含む有色インクを用いて形成された画像において、光沢の低下を極力抑えた上で、正反射光の色付きを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するための一手段として、本発明の画像形成装置は以下の構成を備える。
すなわち、顔料色材を含む複数色の有色インクと、第1の無色インクおよび該第1の無色インクよりも前記有色インクに対する浸透性が高い第2の無色インクを含む少なくとも2種類の無色インクを用いて画像形成を行う画像形成装置であって、入力画像の画素ごとに、色分解テーブルを用いた色分解処理によって前記有色インクと前記第1および第2の無色インクについてのインク値を取得する色分解手段と、前記画素ごとに、前記色分解手段により得られた前記有色インクと前記第1および第2の無色インクのインク値による記録を行うことで記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成手段と、を有し、前記色分解テーブルは、正反射光に色付きが発生しやすい色材を含む有色インクを抑制対象インクとして、該抑制対象インクのインク値が増加するほど前記第1の無色インクのインク値が増加するように設定され、該抑制対象インク以外の有色インクのインク値が増加するほど前記第2の無色インクのインク値が増加するように設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、顔料色材を含む有色インクを用いて形成された画像において、光沢の低下を極力抑えた上で、正反射光の色付きを抑制することが可能となる。
第1実施形態における画像形成装置の構成を表すブロック図、 第1実施形態における色分解LUTを作成するための構成を示すブロック図、 色分解LUT生成処理を示すフローチャート、 ブロンズ情報の作成方法を説明する図、 各有色インクにおけるブロンズ値の例を示す図、 有色インクの上に無色インクが記録された場合の断面構造を表す概念図、 試料からの反射光強度の角度依存性を示す概念図、 無色インクを記録しない場合、第1の無色インクを記録した場合、第2の無色インクを記録した場合のそれぞれの光沢特性を示すグラフ、 入力信号値に応じた各インク値および総記録量、記録媒体における記録可能な総インク量、を示すグラフ、 第2実施形態における中間調処理部104の詳細構成を示すブロック図、 ドット配置パターン例を示す図、 Cインクのマスクパターン例を示す図、 インクジェットプリンタにおける記録ヘッドの概念図、 Yインクのマスクパターン例を示す図、 各インクのドット配置パターン例を示す図、 記録媒体上に有色インクが重なった際の断面を示す模式図、 記録媒体上に有色インクと無色インクが重なった際の断面を示す模式図、 第2実施形態で作成される無色インクのマスクパターン例を示す図、 第3実施形態における無色インクのマスクパターン例を示す図、 入力信号値に応じてマスクパターンを切り替える例を示す図、 本発明における2種類の無色インクについての組成例を示す図、である。
以下、本発明に係る実施例について図面を用いて詳細に説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<第1実施形態>
本実施形態では、顔料色材を含む複数色の有色インクにより形成される画像に対し、無色透明の顔料材料を含み、該有色インクに対する浸透性が互いに異なる複数種類の無色インクを重畳することで、正反射光の色付きおよび画像の光沢低下を抑制する例を示す。以下では、2種類の無色インクを用いる場合を例として説明を行う。
●無色インクの組成
本実施形態で使用される2種類の無色インク(第1および第2の無色インク)について、具体的に説明する。本実施形態で使用される2種類の無色インクは、互いにその浸透性が異なることを特徴とする。図21(a)に、本実施形態における2種類の無色インクに共有の溶剤の組成を示す。図21(a)に記載の溶剤に対し、図21(b)に示すように組成の異なる2種類のポリマー(ポリマーA,B)のそれぞれをアルカリ(水酸化カリウム水溶液等)で中和した樹脂水溶液を添加する。この操作により、ポリマーAに対しては浸透性が比較的高く(言い換えれば、色材内部に浸透しやすく)、かつ色材を含まない無色インクが作成される。またポリマーBに対しては浸透性が比較的低く(言い換えれば、色材表面に堆積しやすく)、かつ色材を含まない無色インクが作成される。以下、このポリマーBによる無色インクを第1の無色インク、ポリマーAによる無色インクを第2の無色インクとして、以下説明する。
尚、上記ポリマーA、Bに、例えば一般的なカーボンブラックを色材として少量含有させ、薄いグレーインクとしても良い。この場合の色材の含有率は、例えば、黒インクが3.5%のカーボンブラックを含有する場合に対して、薄いグレーインクは0.2%以下の含有率とすれば良い。薄いグレーインクとして使用する場合には、周知の同一色相の濃淡インクを搭載したプリンタにおける淡インクと同様に用いる。また、薄いグレーインクについての色材の含有率はこの数値に限らず、該グレーインクを下地の上に重ねて印字した際に、下地の色が濁らない程度の含有率であれば良い。なお、カーボンブラック等の色材の増減分は、純水を増減させることで調整する。
●システム構成
図1は、本実施形態における画像形成システムの機能構成を示すブロック図である。画像入力部101にて、印刷対象となる画像が入力される。ここで、本実施形態の画像形成システムは、例えば顔料インクを搭載したインクジェット方式のプリンタ等の記録装置と、該記録装置を制御するPC等のホスト装置が所定のインタフェースによって接続されることで構成される。しかしながら図1においては該システムの機能構成のみを示し、各機能がいずれの装置側に含まれるかについては特に限定しない。通常、ホスト装置のオペレーティングシステム(OS)上でプリンタドライバが稼動し、画像入力部101は該プリンタドライバのユーザインタフェース(UI)として実装される。画像入力部101はまた、プリンタドライバとは別のアプリケーションで画像の編集や加工を行った後、該アプリケーションからプリンタドライバを参照して印刷命令を実行する構成であっても構わない。
カラーマッチング処理部102では、画像入力部101から入力された入力画像の画像信号に対して、色変換テーブルを用いるなどして、カラーマッチング処理が行われる。一般に、ディスプレイなどの表示装置で再現できる色再現範囲と、プリンタなどの記録装置で再現できる色再現範囲は異なる。また、記録装置によって再現できる色再現範囲も異なる。そのため、カラーマッチング処理部102では例えば、入力画像の画像信号であるRGB値から、記録装置に対応した別のRGB値への変換が行われる。なおカラーマッチング処理部102では、入力画像の解像度が画像出力部105のプリンタで扱えない解像度であった場合には、これを所定の解像度に変換してから、実際のカラーマッチング処理を行う。
色分解処理部103では、カラーマッチング処理後の入力画像(RGB値)に対し、色分解テーブル(LUT)保持部106を参照して、画像出力部105のプリンタに搭載されている各色材色の信号値(例えばCMYK値。以下、インク値と称する)、および無色インクの信号値への変換を行う。次に中間調処理部104では、カラーマッチング後に得られたインク値を、画像出力部105で処理可能な階調数(ビット数)に変換する。このビット変換処理に先立って、記録媒体に印刷された画像の階調を良好にするための明度変換処理(γ補正処理)を実施しても良い。中間調処理部104にてビット数が変換された画像データが、画像出力部105においてプリンタにより記録媒体に印刷され、カラー画像が形成される。
●色分解LUT作成処理
本実施形態においては、RGB値等の入力信号値と有色インクの各インク値との関係を示す色分解LUTにおいて、さらに該入力信号値と無色インクのインク値との関係も保持することを特徴とする。したがって色分解処理部103において色分解LUT保持部106を参照することで、無色インクを含めたインク値への変換が行われることを特徴とする。この色分解LUTは色分解処理部103において作成され、色分解LUT保持部106へ格納される。以下、色分解処理部103において色分解LUTを作成する構成を図2に示し、その作成処理について詳細に説明する。
図2において、色分解LUT生成部201は、色材ブロンズ情報格納部202に予め格納されている各インクのブロンズ情報に基づいて色分解LUTを生成し、これを色分解LUT保持部106に格納する。なお色分解LUT保持部106には、入力信号値と有色インクのインク値との関係を保持した色分解LUTが予め保持されている。すなわち色分解LUT生成部201では、有色インクの色分解LUTに基づき、入力信号値と無色インク値との関係を示す無色インク用の色分解LUTを作成し、これを色分解LUT保持部106に格納する。なお本実施形態のプリンタにおいては説明を簡単にするために、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の基本4色を有色インクとして用いる例を示す。近年のプリンタにおいては、CMYKの4色のインクに加えて、淡いシアン、淡いマゼンタ、グレー等の淡インク、および、レッド、オレンジ、グリーン、ブルー、バイオレットなどの特色インクが用いられることがある。プリンタにおいて上記淡インクや特色インクが使用される場合であっても、本実施形態は同様に適用可能である。
図3に、色分解LUT生成処理のフローチャートを示す。まずS301で色材ブロンズ情報格納部202から、各有色インクについての色材ブロンズ情報を取得する。次にS302で色分解LUT保持部106から、有色インクについての色分解LUTを取得する。そしてS303で、S301で取得した色材ブロンズ情報とS302で取得した有色インクの色分解LUTとに基づいて、無色インクの色分解LUTを生成する。
S301で取得される、色材ブロンズ情報格納部202が保持するブロンズ情報は、不図示の制御装置において予め作成されているが、以下、その作成方法について図4を用いて説明する。図4において401は測定試料であり、画像出力部105のプリンタによって、測定対象の有色インクが記録媒体上に印刷されたものである。なお、測定試料の記録媒体としては、乾燥した有色インクによるブロンズの大きさを測定できれば特に限定されるものではなく、OHPシート等、任意のシート状媒体でも構わない。また測定試料としては、シート状媒体の表面がインクで皮膜されれば良いため、該インクが必ずしもプリンタによって記録されなくても良い。より好適には、実際に印刷対象とする記録媒体上に、画像出力部105のプリンタを用いて、所定の記録量で単色インクを記録することが好ましい。
光源402によって所定の角度から測定試料401を照射したときの測定試料401からの正反射光が、受光器403によって検出される。受光器403では該正反射光が、CIE XYZ表色系における三刺激値XxYxZxとして検出される。制御部には、ブロンズの発生しない試料の三刺激値XsYsZsが基準値として予め保持されている。そして、上記検出値XxYxZxと基準値XsYsZsから、CIE LCh表色系の彩度C*を求め、この彩度C*を、ブロンズの大きさを表す指標値(以下、ブロンズ値)として扱う。このように、各有色インクについてのブロンズ値が取得されると、これを色材ブロンズ情報として色材ブロンズ情報格納部202に保持される。
なお、ブロンズの発生しない試料とは、例えば、屈折率の波長分散が小さい黒色研磨硝子板など、正反射光の色が略無彩色となる試料である。またブロンズ値としては、ブロンズの大きさを示す指標値であれば、上記C*に限定されるものではない。例えば、黒色研磨硝子板等の基準試料からの正反射光の分光特性Ps(λ)を基準として、評価対象とする試料からの正反射光の分光特性Px(λ)の平均二乗誤差を算出し、これをブロンズ値としても良い。さらに、基準試料を用いなくても、光源自体の分光特性を直接検出することで取得した値を、上記基準値XsYsZsやPs(λ)としても構わない。
上述したようにS302では、色分解LUT保持部106に予め保持されている有色インクの色分解LUTを取得するが、このとき、S301で取得された各有色インクの色材ブロンズ情報に基づいて、ブロンズを抑制すべき有色インクを決定する。ここで図5に、上記S301で取得された、CMYKの各インクにおける色材ブロンズ情報、すなわち実測されたブロンズ値の例を示す。図中のブロンズ値は、値が大きいほどブロンズの発生が大きいことを示す。501はブロンズ抑制対象インクの判定用に予め設定された閾値であり、ブロンズ値が該閾値を上回るとブロンズの大きいインクと判定され、該閾値を下回るとブロンズの小さいインクと判定される。図5に示す例では、Cインクのブロンズ値のみが閾値を上回っているため、この場合、ブロンズを抑制すべきインクはCインクのみであると判定される。なおS302においては、ブロンズ抑制の対象となるCインクを含めた全ての有色インクについての色分解LUTを取得する。この有色インクについての色分解LUTは、色再現範囲や粒状性、階調性等、光沢やブロンズ以外の画質項目を良化させるように、有色インクについて予め作成されたLUTである。
●無色インク用色分解LUT作成処理
以下、S303における無色インク用の色分解LUTの作成処理について、詳細に説明する。ここでLUT作成処理を説明するに先立ち、上述した図21を用いて説明したように特性の異なる2種類の無色インク(第1,第2の無色インク)のそれぞれを、有色インクの上に記録した場合の特徴的な現象について、図6〜図8を用いて説明する。なお本実施形態の画像形成においては、まず有色インクによる記録がなされた後に、無色インクが重なるように記録されることを前提とする。
図6(a)は、有色インクの上に比較的堆積しやすい第1の無色インクが記録された場合の断面構造を表す概念図である。記録媒体601の上に有色インク層602が堆積しており、その上に第1の無色インク層603が堆積している様子を示している。図中の黒丸は有色インクの顔料粒子を示している。図6(a)に示すように第1の無色インク層603は有色インク層602の上に堆積して凹凸を形成する。この例では、ブロンズの大きい有色インクの表面をブロンズの小さい無色インクが覆い隠すため、ブロンズを抑制することが可能になる。しかしながら、画像表面に形成された凹凸により光が乱反射することで、印刷画像の写像性は低下してしまう。
図6(b)は、有色インク内部に比較的浸透しやすい第2の無色インクが記録された場合の断面構造を表す概念図である。記録媒体701の上に有色インク層702が堆積しており、該有色インク層702の内部に第2の無色インク層703が浸透している様子を示している。図6(a)と同様に、図中の黒丸は有色インクの顔料粒子を示している。図6(b)に示すように第2の無色インクは有色インク内部に浸透しやすいため、表面凹凸が形成されにくい。この場合、図6(a)の場合と比較して画像表面の凹凸が小さいため、画像表面での光の乱反射は小さく、印刷画像の写像性低下を抑制することが可能となる。しかしながら、浸透性の高い第2の無色インクでは有色インクの顔料粒子を全て被覆することが困難となるため、顔料粒子自体のブロンズが残ってしまう。
ここで図7に、ブロンズの発生要因となる反射光強度の角度依存特性を示す。図7において、801は図6(a)に示す印刷画像における反射光強度の角度依存特性を示し、802は図6(b)に示す印刷画像における反射光強度の角度依存特性を示している。特性801は特性802と比較して正反射近傍で光が広がっていることが分かる。これは上述したように、図6(a)に示す画像表面の方が、図6(b)に示す画像表面よりも凹凸が大きいため、画像表面での光の乱反射を生じやすいことによる。特性801のように正反射近傍での光の広がりが大きいほど、写像性は低下してしまう。
例えば図8(a)に、Cインクで形成された画像の上に、無色インクを記録しない場合と、第1の無色インクを記録した場合(図6(a)に該当)、および第2の無色インクを記録した場合(図6(b)に該当)、のそれぞれの写像性測定結果の例を示す。図中のCL1およびCL2はそれぞれ、第1の無色インクおよび第2の無色インクを示している。すなわち、図中のC+CL1が図7に示す特性801に対応し、同じくC+CL2が特性802に対応する。図8(a)によれば、図7の特性801でも説明したように有色インクの上に第1の無色インクを記録した場合には、無色インクを記録しない場合や第2の無色インクを記録した場合と比較して、写像性が低下していることが分かる。
同様に図8(b)に、Cインクで形成された画像の上に、無色インクを記録しない場合と、第1の無色インクを記録した場合(図6(a)に該当)、および第2の無色インクを記録した場合(図6(b)に該当)、のそれぞれのブロンズ値測定結果の例を示す。図8(b)によれば、有色インクの上に第1の無色インクを記録した場合には、無色インクを記録しない場合や第2の無色インクを記録した場合と比較して、ブロンズの発生が抑制されていることが分かる。
以上、図6〜図8を用いて説明したように、第1の無色インクはブロンズの発生を抑制しやすい一方、写像性低下を引き起こしやすい。また第2の無色インクは写像性低下を引き起こしにくい一方、ブロンズ抑制効果が不十分である。そこで本実施形態では、ブロンズの発生を抑制した上で、写像性の劣化を最低限に留めるように、再現する色に応じてそれぞれの無色インクの記録量を適切に調整する。以下、図9を用いて、本実施形態における無色インクの記録量制御について説明する。
図9(a)は、入力信号値に応じた有色インクの記録量(インク値)を示すグラフである。ここでは入力信号値としてRGB値を例に説明するが、例えば画像の色信号であれば、CMYK値等、他の色空間信号であっても構わない。図9(a)は、イエロー(R,G,B=255,255,0)からグリーン(同、0,255,0)を通るシアン(同、0,255,255)までの階調変化を示している。1101はCインクのインク値、1102はYインクのインク値を示し、1103は有色インクの総記録量(C+Y)を示している。すなわち、図9(a)に示すC,Yインクのインク値1101,1102が、有色インクの色分解LUTにおけるC,Yインクについての色分解結果に対応する。
上述したように、ブロンズの発生を抑制するためには、ブロンズの発生しやすい有色インクの上に第1の無色インクを記録することが望ましいが、第1の無色インクを使用すると写像性の低下が発生してしまう。そこで本実施形態では、ブロンズの発生の小さい有色インクで記録される画像領域については、第2の無色インクによる記録を行うように制御する。
図9(b)は、図9(a)に示す有色インクの記録量に対応して本実施形態で設定した、無色インクの記録量(インク値)を示すグラフである。図9(b)において、1201は第1の無色インクのインク値、1202は第2の無色インクのインク値であり、1203は無色インクの総記録量である。図9(a),(b)によれば、ブロンズの発生しやすいCインクには第1の無色インクが重なり、ブロンズの発生しにくいYインクの上には第2の無色インクが重なるように記録されることが分かる。すなわち、図9(b)に示す第1、第2の無色インクのインク値1201,1202が、無色インクの色分解LUTにおける各無色インクについての色分解結果となる。言い換えれば無色インクの色分解LUTは、ブロンズの抑制対象インクであるCインク値が増加するほど第1の無色インクのインク値が増加するように設定されている。また、抑制対象インク以外の有色インク値(この場合Yインク値)が増加するほど第2の無色インクのインク値が増加するように設定されている。
図9(b)に示す無色インク値1201,1202の増減は、図9(a)に示す有色インク値1101,1102の増減に対応しているものの、それらは同値ではなく、互いに比例関係をなすように設定されている。これは、一般に記録媒体には、記録可能なインク量の上限が予め定められているためである。図9(c)に、有色インクの総記録量1103、無色インクの総記録量1203、両者を合計した総インク記録量1301、および、対象の記録媒体において記録可能なインク量上限値1302を示した。すなわち本実施形態における無色インクの総記録量1203は、総インク記録量1301の最大値がインク量上限値1302を超えることが無いように、設定される。
図9(a)〜(c)では、イエローからグリーンを通るシアンまでの階調を例として説明したが、本実施形態ではその他の階調についても同様に、各RGB値に対応する各無色インクの記録量を決定する。このように決定された各RGB値に対する各無色インクの記録量が、各無色インク用の色分解LUTとして設定され、色分解LUT保持部106に格納される。なお、各無色インク用の色分解LUTは、有色インク用の色分解LUTとは互いに独立したLUTして保持することも可能であるが、有色インク用の色分解LUTと合成して1つのLUTとして保持されることが望ましい。
なお、全ての入力信号値に対して無色インク記録量を決定するには、RGB値の刻み幅(ビット数)にもよるが、相当数の測定値を必要とする。そのため、各プライマリカラー間において無色インク記録量を求めておき、その他のRGB値については、四面体補間等の周知の補間処理によって、対応する無色インク記録量を算出するようにしても良い。なおプライマリカラーとは例えば、レッド、グリーン、ブルー、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイトである。
以上説明したように本実施形態によれば、再現する色に応じて、有色インクに重なる第1および第2の無色インクのそれぞれの記録量を適切に調整するように、無色インク用の色分解LUTを作成する。この色分解LUTを用いて無色インクの記録量を決定することで、ブロンズすなわち正反射光の色付き発生を抑制しながら、写像性の劣化を最低限に留めることができる。
<第2実施形態>
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、ブロンズと写像性を両立させるように、再現する色に応じて第1、第2の無色インクのそれぞれの記録量を適切に調整するための色分解LUTを作成する例を示した。第2実施形態ではブロンズと写像性を両立させるためのさらに好適な方法として、形成画像の最表面に存在するインク種に応じて、記録位置毎に記録する無色インクを設定するためのマスクパターンを生成する例を示す。
●マルチパス記録方式
第2実施形態におけるマスクパターン生成処理の説明に先立ち、インクジェット記録方式のプリンタにおけるマルチパス記録方式について説明する。
インクジェット記録方式における記録ヘッドには、その記録形式としてライン型のものとシリアル型のものがある。ライン型のものは、印刷領域幅分の記録ヘッドを用いて、記録媒体のみを副走査方向に移動させることにより記録する方式である。また、シリアル型のものは、ライン型に比べ短い幅の記録ヘッドからインクを吐出させながら、記録主走査と副走査とを交互に繰り返すことにより記録媒体上に順次画像を形成していくものである。記録主走査とは記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体に対して移動走査させることであり、1回の記録主走査を1パスとも言う。また副走査とは、記録主走査と直行する方向に記録媒体を所定量ずつ搬送することである。この場合、記録ヘッドを構成している複数のインク吐出口(以下、「記録素子」と称する)の配列密度と数によって、1回の記録主走査で記録される領域の幅が決まる。よって、その幅に対する記録主走査とその幅相当の副走査を繰り返すことで記録を進めていくのが、最も短時間で画像を形成させる方法である。
しかしながら、記録媒体上のある領域に対し、1回の記録走査のみによって記録を行うと、インクを吐出させるノズルの製造誤差や、記録ヘッドの記録主走査による気流等から、インクの記録位置にばらつきが発生し、画像品位が劣化してしまう。また、各記録主走査間の境界に濃度や色の差異等、いわゆる「つなぎすじ」が発生してしまう。そこで実際には、より画像品位を高めるために、マルチパス記録方式を採用することが多い。
マルチパス記録方式においては、1回の記録主走査(1パス)で記録可能な画像領域に対し、N回(N≧2)の記録走査を実行する。各記録主走査の間に行われる副走査の量は、記録ヘッドに配列する複数の記録素子をN個のブロックに分割した際の、各ブロックに含まれる記録素子の記録幅相当となる。すなわち、記録媒体上の同一の領域に対し、N個のブロックに含まれる記録素子によるN回の記録主走査を行うことで、画像が形成される。
記録ヘッド上の記録素子配列をN個のブロックに分割する際、各ブロックに含まれる記録素子の数は同数であることが一般的であるが、特に同数に限定されない。例えば、記録素子の総数がNで割り切れない場合には、(N−1)番目までのブロックについては該割り算の商に対応するM個の記録素子で構成し、最後のN番目のブロックについては、割り切れなかった余りであるL個の記録素子を用いても良い。また、任意のM個、L個を順に繰り返してブロック分割を行うことで、往方向(奇数番走査)での記録幅と復方向(偶数番走査)での記録幅を一定にする等の方法を採っても良い。さらに、例えば、10個の記録素子を有する記録ヘッドについて、2個、6個、2個から構成される3つの記録素子ブロックに分割し、両端に位置する2つの記録素子で記録される領域だけを2回のマルチパス記録方式による記録としても良い。この場合、中央に位置する6個の記録素子によって記録される領域については1回の記録主走査で画像が形成されることになり、マルチパス数としては、N=1.5回と表現することも可能である。
このようにマルチパス記録方式では、異なるブロックによる複数回の記録主走査によって画像が完成されるため、1回の記録主走査だけでは記録可能な画像データの全てを記録することはできない。ここで、画像データをパス毎のブロックに振り分けるために用いられるのが、いわゆるマスクパターンである。このマスクパターンは、画像信号とは独立して決定されることが多く、例えばマスクパターンと各記録素子における画像信号との論理積演算を行うアンド回路を設置しておくことで、各記録走査で与えられた画像信号を記録するか否かを決定するように構成される。したがって個々の画像データから見れば、1回の記録主走査で記録される確率がこのマスクパターンによって決定されることになる。すなわち、記録されるべき画像データが、マスクパターンによってある程度間引かれ、その間引く確率を本明細書では以下「間引き率」と称する。この「間引き率」はすなわち、各記録主走査において記録される確率(以下、「記録率」と称する)とは逆の意味を有することになる。
ここで、以上説明したマルチパス記録方式の具体例を挙げる。100個の記録素子を用いて4回のマルチパス記録を行う場合、記録素子を25個ずつの4つのブロックに分割する。各記録主走査間に行われる副走査量は、25個の記録素子相当となる。また、各記録主走査で各ブロックに対応するマスクパターンは、間引き率が75%で記録率が25%となる。このマスクパターンは4つのブロックで互いに補完し合う関係にあり、4つのマスクパターンをそれぞれ重ね合わせることにより、100%の記録が行われるように構成されている。なお、ここでは一例として、記録素子の総数100がマルチパス数N=4によって等分される例を示したが、マルチパス記録方式におけるブロック分割は無論このような方法に限定されるものではない。先にも述べたように、マルチパス記録におけるパス数Nは記録素子の総数に対し、割り切れる値でなくても良い。同一の画像領域に対し、異なる複数のブロックによって記録主走査が行われる構成であれば、マルチパス記録方式は成立する。
上述したように、マルチパス記録方式を採用する理由は画像品位を良化させることにあるが、この方式によれば、各インク色に対するマスクパターンを制御することによって、インク記録順を制御することが可能になる。
●システム構成
第2実施形態における画像形成システムの構成は、基本的に上述した第1実施形態と同様であるが、画像出力部105のインクジェットプリンタにおいてマルチパス記録方式による記録を行う。そのために、中間調処理部104において有色インクの各色に対し、そのドット配置に対して予め用意されたマスクパターンを適用したマスクデータを生成する。第2実施形態では中間調処理部104においてさらに、該有色インクのマスクデータに応じて無色インクに対するマスクパターンを作成し、適用することを特徴とする。
●中間調処理
図10に、第2実施形態における中間調処理部104の詳細構成を示し、その動作について説明する。なお、以下の説明において、複数ビットで表される多値データを処理する画像処理の対象となる最小の構成単位を画素と称し、当該画素に対応するデータを画素データと称するとする。複数ビットで表される多値データの画像処理とは、例えば色分解処理部103にて行われる色分解処理が該当する。なお第2実施形態における色分解処理においては、RGBの8ビットデータを、色分解LUTを用いてプリンタが搭載した有色インクに対応したCMYKそれぞれの8ビットデータに変換する処理を行う。
図10において、ハーフトーン処理部1401では、色分解処理部103にて有色インク値に色分解されたCMYKの各8ビットデータを、CMYKの各4ビットデータに量子化する処理を行う。なお、量子化に係る各ビット数は特に限定されるものではなく、例えばCMYKの各16ビットデータをCMYKの各5ビットデータに量子化しても構わない。以下、ハーフトーン処理部1401では8ビットデータから4ビットデータへの量子化を行うとして説明する。
ドット配置パターン化処理部1402では、ハーフトーン処理部1401で4ビットに量子化されたCMYKのデータを、さらに1ビットにまでレベル数を下げる。この理由として、第2実施形態の画像出力部105におけるインクジェットプリンタにて記録を行うためには、インクを記録するか否かの2値(1ビット)の情報が必要となるためである。ドット配置パターン化処理部1402では、ハーフトーン処理部1401からの出力値であるレベル0〜8の4ビットデータで表現される各画素に対し、その画素の階調レベル(レベル0〜8)に対応したドット配置パターンを割り当てる。これにより、1画素内の複数のエリア毎にドット配置のオン・オフを定義し、「1」または「0」の1ビットの吐出データを配置する。
ここで図11に、ドット配置パターン化処理部1402で有色インクに対して割り当てられる、入力レベル0〜8のそれぞれに対する出力パターン例を示す。ドット配置パターン化処理部1402はすなわち、この出力パターンデータを内部に保持している。図中左端に示した各レベル値は、ハーフトーン処理部1401からの出力値であるレベル0〜8に相当する。また、図中右側に配列した縦2エリア×横4エリアで構成される各マトリクスの領域は、ハーフトーン処理後の1画素の領域に対応する。なお、1画素内の各エリアは、ドットのオン・オフが定義される最小単位に相当し、丸印を記入したエリアがドットの記録を行う(ドットオン)エリアを示している。図11によれば、レベル数が上がるに従って、記録するドット数も1つずつ増加していることが分かる。このようにレベル数に応じて配置するドットの数を制御することで、印刷後の画像にオリジナル画像の濃度情報が反映される。また、図中上端に示した(4n)〜(4n+3)は、変数nに1以上の整数を代入することにより、入力画像の左端からの横方向の画素位置を示しており、同一の入力レベルについても、画素位置に応じて互いに異なる複数のパターンが用意されている。すなわち、同一のレベルが入力された場合にも、記録媒体上では(4n)〜(4n+3)に示した4種類のドット配置パターンが巡回されて割当てられることになる。
図11においては、縦方向を記録ヘッドの吐出口の配列方向、横方向を記録ヘッドの走査方向としている。よって、上述のように同一レベルに対して様々なドット配列で記録できる構成とすることで、ドット配置パターンの上段に位置するノズルと下段に位置するノズルとで吐出回数を分散させたり、記録装置特有の様々なノイズを分散させる効果が得られる。
ドット配置パターン化処理部1402において、以上説明したドット配列パターン化処理が終了した段階で、記録媒体に対する有色インク(CMYK)のドット配置(有色ドット配置)が全て決定される。
次に、マスクデータ変換処理部1403における処理について説明する。上述したドット配置パターン化処理により、記録媒体上の各エリアに対する有色インクのドットの有無が決定されたので、この情報をそのまま記録ヘッドの駆動回路に入力すれば、所望の画像を記録することは可能である。しかしながら、第2実施形態のインクジェットプリンタにおいてはマルチパス記録方式が採用されているため、各色のドット配置パターンをブロックごとのデータに変換する必要がある。この変換には、予めマスクパターン保持部1405に保持されている各色用のマスクパターンが用られ、該変換後にブロックごとのマスクデータが得られる。
一般にインクジェットプリンタは数百個のノズルを有するが、ここでは説明を簡単にするため、第2実施形態のインクジェットプリンタが16個のノズルを有するものとする。これらのノズルが、例えば図12に示すように第1〜第4の4つのノズル群に分割され、各ノズル群には4つのノズルが含まれる。各ノズル群によってそれぞれのマスクパターン適用後に記録されるパターンは互いに補完の関係にあり、これらを重ね合わせると4×4のエリアに対応した領域の記録が完成される。各記録走査が終了するたびに、記録媒体がノズル群の幅分ずつ搬送(副走査)される。よって、記録媒体の同一領域(各ノズル群の幅に対応する領域)については、4回の記録走査(4パス)によって初めて画像が完成される。このように、記録媒体の各同一領域が複数回の走査で複数のノズル群によって形成されることは、ノズル特有のばらつきや記録媒体の搬送精度のばらつき等を低減させる効果がある。
無色インク用マスクパターン生成部1404では、有色インク用のマスクパターンと、有色インクのドット配置とに基づいて、第1および第2の無色インク用のマスクパターンを生成する。以下、この無色インク用マスクパターンの生成処理について、詳細に説明する。
●マスクパターン生成処理
上述したように、有色インクのそれぞれに対しノズル群ごとのマスクパターンを設定することで、その記録順を制御することが可能である。第2実施形態においては、入力画像に応じて決定される有色インクのマスクデータに応じて無色インクについてのマスクパターンを生成することで、各画素における有色インクの上に記録する無色インクを制御することを特徴とする。
以下、無色インク用マスクパターン生成部1404における無色インク用のマスクパターンの生成処理について詳細に説明する。なお、現在普及しているプリンタでは記録速度を向上させるために、記録主走査の往方向と復方向で記録を行う所謂双方向印刷も採用されているが、説明を簡単にするために、以下では往方向のみで印刷を行う場合を例として説明する。
図13は、第2実施形態のインクジェットプリンタにおける記録ヘッドの概念図であり、記録主走査方向に対して、対応インクがC,M,Y,K,CL1,CL2となるように並んでおり、すなわち、C,M,Y,K,CL1,CL2の順に記録が行われる。尚、CL1およびCL2は第1実施形態と同様に、有色インクの上に比較的堆積しやすい第1の無色インク、および有色インク内部に比較的浸透しやすい第2の無色インク、をそれぞれ示している。また、やはり第1実施形態と同様に、Cインクのみ、そのブロンズ量が閾値を上回っており、したがってブロンズ抑制対象インクとしてCインクのみが設定されているものとする。
上述した図12に示すマスクパターンAは、ブロンズ量の大きいCインクに対するマスクパターンである。また図14に、ブロンズ量の小さいYインクのマスクパターンBを示す。これらのマスクパターンA,Bは、予めマスクパターン保持部1405に保持されている。以下、これらのマスクパターンA,Bを適用して、図15に示すドット配置パターンを記録する場合を考える。図15(a)はCインクのドット配置パターン、図15(b)はYインクのドット配置パターンを示している。ここで図15(c)に、図15(a),(b)に示す各エリアのアドレスをA〜Pで示し、以下、各エリアをこのアドレスで示す。例えば、アドレスAの位置にあるエリアをエリアAと称する。また図16に、記録媒体上に有色インクが重なった際の断面を示す。図16(a)〜(d)において、2101は記録媒体、2102、2106、2107はCインク、2103、2104、2105はYインクである。
上述したように、C,Yの各インクにより、図15(a),(b)に示す各ドット配置パターンを、図12,図14にそれぞれ示したマスクパターンを適用して4パスで記録する。すると、ドット配置パターン内の各エリア、すなわちドット位置ごとのインクの重なり順はマスクパターンによって制御され、例えばエリアEでは図16(a)に示すC→Yの順となる。また、エリアB,L,Oでは図16(c)に示すY→Cの順となる。そして、エリアD,F,K,Mはドット配置パターンからも明らかなように図16(b)に示すYのみとなり、同様にエリアA,C,G,H,I,J,N,Pは図16(d)に示すCのみとなる。したがってこの例では、エリアA,B,C,G,H,I,J,L,N,O,Pについては最表面がCインクとなり、エリアD,E,F,K,Mについては最表面がYインクとなる。
第1実施形態でも説明したように、ブロンズ発生を抑制しつつ、写像性の低下を極力抑制するには、ブロンズ量の大きい有色インクを比較的堆積しやすい第1の無色インクで被覆し、その他の領域には比較的浸透しやすい第2の無色インクを記録する必要がある。そこで第2実施形態では、ブロンズ量の大きいCインクの上にはCL1が、ブロンズ量の小さいYインクの上にはCL2が記録されるように、無色インクの記録位置を制御するためのマスクパターンを生成する。
ここで図17に、第2実施形態における無色インクの記録位置制御に応じて、記録媒体上に形成された有色インクの上に無色インクが重なった際の断面を示す。図17(a)〜(d)は図16(a)〜(d)に対応しており、2201は記録媒体、2202、2206、2207はCインク、2203、2204、2205はYインクである。また、斜線で表した2208、2209はCL2インク、網点で示した2210、2211はCL1インクである。図17(a),(b)によればYインクの上にはCL2インクが重ねられ、図17(c),(d)によればCインクの上にはCL1インクが重ねられていることが分かる。
図18(a)に、第2実施形態において適用される、C,Y,CL1,CL2のそれぞれのマスクパターンの例を示す。同図において、マスクパターンA,Bはそれぞれ図12,図14にも示したCインク用、Yインク用であり、予めマスクパターン保持部1405に保持されている。また、マスクパターンCはCL2インク用、マスクパターンDはCL1インク用であり、これらは無色インク用マスクパターン生成部1404において生成され、マスクパターン保持部1405に格納される。無色インク用マスクパターン生成部1404においては、有色インクのドット配置とそのマスクパターンから、各エリアの最表面にくる有色インクの種類を判定し、該有色インク種に応じて、それに重ねるCL1とCL2のマスクパターンC,Dを適宜作成する。そして、CL1,CL2をマスクパターンC,Dを適用して記録することで、図17に示す通りの重なり順による記録が可能となる。
なお、第2実施形態では無色インク用のマスクパターンC,Dを作成するとして説明したが、マスクデータ変換処理部1403において例えばマスクパターンCは、第1の無色インクの、全エリアがドットオンであるドット配置パターンに対して適用される。同様にマスクパターンDも、第2の無色インクの、全エリアがドットオンであるドット配置パターンに対して適用されるものとする。すなわち、第2実施形態において作成される無色インク用のマスクパターンC,Dは、実質的には無色インクのマルチパス用のドット配置パターンそのもの(有色インクのマスクデータに相当)と同等である。
なお、図18(a)ではCL1,CL2を第5ノズル群のみで記録する例を示したが、Cインクが最表面にあるエリアにはCL1を、Yインクが最表面にあるエリアにはCL2を記録することができれば、マスクパターンはこの例に限らない。例えば、マスクパターンC,Dのドットオン部分を、第5ノズル群と第6ノズル群に分割して記録するように作成しても良い。また、有色インクの記録が既に完了したエリアについては第5ノズル群まで記録を待つ必要がないため、図18(b)に示すような第1〜第4ノズル群用のマスクパターンC,Dを作成しても構わない。図18(b)に示す例では、無色インクも含めて4パスで記録を完了することが可能になるため、より高速な記録が可能になる。
以上説明したように第2実施形態によれば、入力画像ごとに、その有色インクのドット配置とマスクパターンに応じてエリア毎の有色インクの重なり順を判定し、該判定結果に応じて第1および第2の無色インク用のそれぞれのマスクパターンを作成する。具体的には、ブロンズ量の大きいインクが最表面にあるエリアには第1の無色インクが記録され、それ以外のインクが最表面にあるエリアや記録媒体が露出しているエリアには第2の無色インクが記録されるように、それぞれのマスクパターンを作成する。入力画像に対し、このように作成された無色インク用のマスクパターンを用いて無色インクの記録を行うことで、ブロンズすなわち正反射光の色付き発生を抑制しながら、写像性の劣化を最低限に留めることができる。
<第3実施形態>
以下、本発明に係る第3実施形態について説明する。上述した第2実施形態では、ドット配置パターン化処理部1402において決定されるエリア毎の有色インクの重なり順を入力画像毎に判定して、無色インクのマスクパターンを生成する例を示した。これにより、ブロンズ量の大きいインクが最表面にあるエリアには必ずCL1が記録され、それ以外のインクが最表面にあるエリアや記録媒体が露出しているエリアには必ずCL2が記録されるため、より好ましい画質が得られる。しかしながら、入力画像毎にマスクパターンを新たに生成する必要があるため、所定のマスクパターンを用いた印刷を行う場合と比べ、印刷速度が遅くなる、もしくはより多くのメモリを要する、等の課題もある。そこで第3実施形態では、入力画像によっては必ずしもブロンズ量の大きいインクの上にCL1が、その他の画素にCL2が記録されるとは限らないものの、全ての入力画像に対して同一のマスクパターンを適用した画像形成を行う例を示す。
第3実施形態における画像形成システムの構成については、上述した第2実施形態とほぼ同様であるが、中間調処理部104の詳細構成において無色インク用マスクパターン生成部1404を備えない点が異なる。すなわち第3実施形態においては、マスクデータ変換処理部1403にて用いる無色インク用のマスクパターンとして、ドット配置パターン化処理部1402での処理結果によらず、予め用意された1種類を用いることを特徴とする。
図19(a)に、第3実施形態において使用されるマスクパターンの例を示す。上述した第2実施形態と同様に、マスクパターンAはCインク、マスクパターンBはYインク、マスクパターンCはCL2インク、マスクパターンDはCL1インクのマスクパターンである。同図によれば、ブロンズ量が大きいために抑制対象となるCインクに対する第4ノズル群のマスクパターンAと、比較的堆積しやすい第1の無色インクであるCL1インクのマスクパターンDが同一のパターンとなっている。これは、入力画像にも依存するが、同一エリアに対し、マルチパスの前半部分で記録されるインクの上には別のインクが記録される可能性が高く、後半部分で記録されるインクは比較的最表面に残りやすいことを考慮したためである。また、比較的浸透しやすい第2の無色インクであるCL2インクのマスクパターンCについては、CL1インクのマスクパターンDと排他の関係になっている。
また図19(b)に、ブロンズ量の大きいCインクに対する第3ノズル群と第4ノズル群の論理和をとったパターンと、CL1インクのマスクパターンDが同一のパターンとなっている例を示す。その理由は図19(a)に示した例と同様に、同一エリアに対するマルチパスの前半部分と後半部分とでインクが最表面に残る可能性の違いを考慮したためである。CL2インクのマスクパターンCが、CL1インクのマスクパターンDと排他の関係になっている点についても同様である。
また例えば、ブロンズ量の大きいCインクの記録量に伴い、図19(a),(b)に示すそれぞれのマスクパターンを切り替えるようにしても良い。図20は、入力信号値に応じた有色インクの記録量(インク値)を示すグラフである。同図は、イエロー(R,G,B=255,255,0)からグリーン(同、0,255,0)を通るシアン(同、0,255,255)までの階調変化を示しており、2701はCインクのインク値、2702はYインクのインク値である。C,Yインクのインク値が階調レベルに応じてこのように遷移する場合、例えばCインクの記録量に応じて、適用するマスクパターンを切り替える。すなわち、Cインクの記録量が比較的少ない領域Aでは図19(a)に示すマスクパターンを適用し、Cインクの記録量が比較的多い領域Bでは図19(b)に示すマスクパターンを適用するように制御する。これにより、入力画像信号に応じたブロンズ抑制が実現できる。
以上説明したように第3実施形態によれば、予め、有色インクのマスクパターンに応じて第1および第2の無色インク用のそれぞれのマスクパターンを作成しておく。具体的には、ブロンズ量の大きいインクが最表面となる可能性の高いエリアには第1の無色インクが記録され、それ以外のインクが最表面となるか、記録媒体が露出している可能性の高いエリアには第2の無色インクが記録されるように制御する。全ての入力画像に対し、このように作成された無色インク用のマスクパターンを共通に用いて無色インクの記録を行うことで、ブロンズすなわち正反射光の色付き発生を抑制しながら、写像性の劣化を最低限に留めることができる。
なお、上述した第1〜第3実施形態では、互いに浸透性の異なる2種類の無色インクを用いる例を示した。しかしながら本発明の画像形成装置において使用可能な無色インクは2種類に限定されず、第1の無色インクと、該第1の無色インクよりも有色インクに対する浸透性が高い第2の無色インクを含む少なくとも2種類の無色インクを搭載可能である。この場合にも、Cインク等のブロンズ抑制対象となる有色インクに第1の無色インクが重なり、他の有色インクに第2の無色インクが重なるように制御することで、上記実施形態と同等の効果が得られる。また、上述した第1実施形態と、第2または第3実施形態とを適宜組み合わせてもよい。
<その他の実施形態>
なお、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (9)

  1. 顔料色材を含む複数色の有色インクと、第1の無色インクおよび該第1の無色インクよりも前記有色インクに対する浸透性が高い第2の無色インクを含む少なくとも2種類の無色インクを用いて画像形成を行う画像形成装置であって、
    入力画像の画素ごとに、色分解テーブルを用いた色分解処理によって前記有色インクと前記第1および第2の無色インクについてのインク値を取得する色分解手段と、
    前記画素ごとに、前記色分解手段により得られた前記有色インクと前記第1および第2の無色インクのインク値による記録を行うことで記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成手段と、を有し、
    前記色分解テーブルは、正反射光に色付きが発生しやすい色材を含む有色インクを抑制対象インクとして、該抑制対象インクのインク値が増加するほど前記第1の無色インクのインク値が増加するように設定され、該抑制対象インク以外の有色インクのインク値が増加するほど前記第2の無色インクのインク値が増加するように設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記色分解テーブルは、前記抑制対象インクのインク値に対して前記第1の無色インクのインク値が比例関係となるように設定され、該抑制対象インク以外の有色インクのインク値に対して前記第2の無色インクのインク値が比例関係となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記色分解テーブルは、前記第1および第2の無色インクのそれぞれのインク値と前記有色インクの各色のインク値の合計が、前記記録媒体に記録可能なインク量の上限に対応する値を超えないように、前記第1および第2の無色インクのそれぞれのインク値が設定されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 顔料色材を含む複数色の有色インクと、第1の無色インクおよび該第1の無色インクよりも前記有色インクに対する浸透性が高い第2の無色インクを含む少なくとも2種類の無色インクを用いて、マルチパス記録方式による画像形成を行う画像形成装置であって、
    入力画像の画素ごとに、色分解処理によって前記有色インクの各色についてのインク値を取得する色分解手段と、
    前記画素ごとに、前記有色インクのインク値によって示される各色の階調レベルに応じて、前記有色インクの各色についてのドット配置パターンを設定する有色ドット配置手段と、
    前記有色インクの各色について、前記ドット配置パターンを前記マルチパス記録方式におけるパス毎に分割するためのマスクパターンを保持するマスクパターン保持手段と、
    前記有色インクの各色についての、前記有色ドット配置手段で設定されたドット配置パターンおよび前記マスクパターンにより、該有色インクの重なり順をドット位置ごとに判定し、該重なり順に応じて、前記第1および第2の無色インクのそれぞれについてのマスクパターンを生成するマスクパターン生成手段と、
    前記有色インクの各色については前記ドット配置パターンと前記マスクパターン保持手段に保持されたそれぞれのマスクパターンとに基づき前記マルチパス記録方式におけるパス毎のドット配置パターンを示すマスクデータに変換し、前記第1および第2の無色インクのそれぞれについては全てドットオンとしたドット配置パターンと前記マスクパターン生成手段で生成されたそれぞれのマスクパターンとに基づき前記マスクデータに変換するマスクデータ変換手段と、
    前記画素ごとに、前記有色インクの各色と前記第1および第2の無色インクのそれぞれについて、前記マスクデータ変換手段で変換されたマスクデータによるマルチパス記録を行うことで記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成手段と、を有し、
    前記マスクパターン生成手段は、正反射光に色付きが発生しやすい色材を含む有色インクを抑制対象インクとして、該抑制対象インクが最表面となるドットには前記第1の無色インクのドットが重なり、それ以外のドットには前記第2の無色インクのドットが重なるように、前記第1および第2の無色インクのそれぞれについてのマスクパターンを生成することを特徴とする画像形成装置。
  5. 顔料色材を含む複数色の有色インクと、第1の無色インクおよび該第1の無色インクよりも前記有色インクに対する浸透性が高い第2の無色インクを含む少なくとも2種類の無色インクを用いて、マルチパス記録方式による画像形成を行う画像形成装置であって、
    入力画像の画素ごとに、色分解処理によって前記有色インクの各色についてのインク値を取得する色分解手段と、
    前記画素ごとに、前記有色インクのインク値によって示される各色の階調レベルに応じて、前記有色インクの各色についてのドット配置パターンを設定する有色ドット配置手段と、
    前記有色インクの各色と前記第1および第2の無色インクのそれぞれについて、前記ドット配置パターンを前記マルチパス記録方式におけるパス毎に分割するためのマスクパターンを保持するマスクパターン保持手段と、
    前記有色インクの各色については前記ドット配置パターンと前記マスクパターン保持手段に保持されたそれぞれのマスクパターンとに基づき前記マルチパス記録方式におけるパス毎のドット配置パターンを示すマスクデータに変換し、前記第1および第2の無色インクのそれぞれについては全てドットオンとしたドット配置パターンと前記マスクパターン保持手段に保持されたそれぞれのマスクパターンとに基づき前記マスクデータに変換するマスクデータ変換手段と、
    前記画素ごとに、前記有色インクの各色および前記第1および第2の無色インクのそれぞれについて、前記マスクデータ変換手段で変換されたマスクデータによるマルチパス記録を行うことで記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成手段と、を有し、
    前記マスクパターン保持手段に保持された、前記第1および第2の無色インクのそれぞれについてのマスクパターンは、正反射光に色付きが発生しやすい色材を含む有色インクを抑制対象インクとして、該抑制対象インクのマルチパス記録における後半部分のパスで記録されるドットには前記第1の無色インクのドットが重なり、それ以外のドットには前記第2の無色インクのドットが重なるように作成されていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記抑制対象インクは、前記有色インクの各色によって形成された試料の正反射光の彩度に基づいて設定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記抑制対象インクは、前記有色インクの各色によって形成された試料の正反射光の分光特性についての、基準となる分光特性との平均二乗誤差に基づいて設定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 色分解手段および画像形成手段を有し、顔料色材を含む複数色の有色インクと、第1の無色インクおよび該第1の無色インクよりも前記有色インクに対する浸透性が高い第2の無色インクを含む少なくとも2種類の無色インクを用いて画像形成を行う画像形成装置における画像形成方法であって、
    前記色分解手段が、入力画像の画素ごとに、色分解テーブルを用いた色分解処理によって前記有色インクと前記第1および第2の無色インクについてのインク値を取得する色分解ステップと、
    前記画像形成手段が、前記画素ごとに、前記色分解ステップにおいて得られた前記有色インクと前記第1および第2の無色インクのインク値による記録を行うことで記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成ステップと、を有し、
    前記色分解テーブルは、正反射光に色付きが発生しやすい色材を含む有色インクを抑制対象インクとして、該抑制対象インクのインク値が増加するほど前記第1の無色インクのインク値が増加するように設定され、該抑制対象インク以外の有色インクのインク値が増加するほど前記第2の無色インクのインク値が増加するように設定されていることを特徴とする画像形成方法。
  9. コンピュータ装置で実行されることにより、該コンピュータ装置を請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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