JP2022046901A - 同時2軸延伸装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリップリンクの走行負荷を低減しながら、延伸条件を自由に設定することができる同時2軸延伸装置を提供する。
【解決手段】同時2軸延伸装置において、制御部は、光電センサ(第1の検出部)が、メインステム(クリップリンク)の端部に設置された永久磁石(磁性体)が電磁石から第1の距離の位置を通過したことを検出した場合に、電磁石の励磁状態を、電磁石の近傍にあるメインステムに設置された永久磁石が電磁石から反発される第1の状態に制御する。また、制御部は、近接センサ(第2の検出部)が、メインステムに設置された永久磁石が電磁石から第2の距離の位置を通過したことを検出した場合に、電磁石の励磁状態を、メインステムに設置された永久磁石が電磁石に吸引される第2の状態に制御する。
【選択図】図5
【解決手段】同時2軸延伸装置において、制御部は、光電センサ(第1の検出部)が、メインステム(クリップリンク)の端部に設置された永久磁石(磁性体)が電磁石から第1の距離の位置を通過したことを検出した場合に、電磁石の励磁状態を、電磁石の近傍にあるメインステムに設置された永久磁石が電磁石から反発される第1の状態に制御する。また、制御部は、近接センサ(第2の検出部)が、メインステムに設置された永久磁石が電磁石から第2の距離の位置を通過したことを検出した場合に、電磁石の励磁状態を、メインステムに設置された永久磁石が電磁石に吸引される第2の状態に制御する。
【選択図】図5
Description
本発明は、シートやフィルム等の薄膜状の延伸対象物を延伸させる同時2軸延伸装置に関する。
従来、同時2軸延伸装置として、無端に連結されたチェーンリンクにシートやフィルム等の薄膜状の延伸対象物を把持するクリップを、平面視で左右対称に配置して、当該クリップのクリップ間距離を、ガイドレールによって徐々に拡大して、レールを横切る方向に横延伸を行うと同時に、リンクを伸縮させて、レールの進行方向にクリップ間距離を広げることによって縦延伸を行う装置が知られている。
このような同時2軸延伸装置は、パンタグラフ状のリンク機構を有するため、走行抵抗や延伸負荷によるリンクテンションによって、クリップの軌道用の走行ベアリングとレールとの間、およびクリップ間隔をコントロールする走行ベアリングとレールとの間には、リンクテンションに応じた押付力が発生する。この押付力は、それに比例した走行抵抗となるため、隣接するリンクには、走行抵抗が加算されたリンクテンションが掛かることになる。リンク式の同時2軸延伸装置は、多数のリンクを連結しているため、駆動スプロケットに近い部分のリンクには、過大なリンクテンションが掛かり、当該リンクテンションを超える大きな駆動力が必要になっていた。
このような課題に対して、例えば、特許文献1では、駆動スプロケットとは別の駆動スプロケットや駆動チェーンを設けて、補助的な駆動力を与えることによって、走行経路におけるクリップリンクの走行負荷を低減させていた。
しかしながら、特許文献1では、固定ピッチの駆動スプロケットや駆動チェーンを用いるため、必要となるクリップ間隔に合わせた駆動スプロケットや駆動チェーンを用意する必要があった。そのため、走行経路におけるクリップリンクの走行負荷を低減しながら、同時2軸延伸装置の延伸条件を自由に設定することができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、クリップリンクの走行負荷を低減しながら、延伸条件を自由に設定することができる同時2軸延伸装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る同時2軸延伸装置は、延伸対象物の幅方向両端をクリップで把持する、連接した一対の把持機構を、一対の無端ループで形成された移動経路にガイドされたローラによって移動させながら、対向及び隣接する前記クリップの間隔を変更して、前記延伸対象物を、前記幅方向及び前記移動経路方向に延伸させるクリップリンクを備える同時2軸延伸装置において、前記クリップリンクの端部に設置された磁性体と、前記クリップリンクが移動する際に、前記クリップリンクの端部と対向する位置に設置された電磁石と、前記クリップリンクが、前記電磁石から第1の距離の位置を通過したことを検出する第1の検出部と、前記クリップリンクが、前記電磁石から第2の距離の位置を通過したことを検出する第2の検出部と、前記第1の検出部が前記クリップリンクの通過を検出した場合に、前記電磁石の励磁状態を、前記電磁石の近傍のクリップリンクに設置された前記磁性体が、前記電磁石から反発される、または前記磁性体と前記電磁石との間に力が働かない第1の状態に制御して、前記第2の検出部が前記クリップリンクの通過を検出した場合に、前記電磁石の励磁状態を、前記電磁石の近傍のクリップリンクに設置された前記磁性体が、前記電磁石に吸引される第2の状態に制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る同時2軸延伸装置は、クリップリンクの走行負荷を低減しながら、延伸条件を自由に設定することができるという効果を奏する。
以下に、本開示に係る同時2軸延伸装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
(第1の実施形態)
[同時2軸延伸装置の概略構成の説明]
まず、図1を用いて第1の実施形態における同時2軸延伸装置10aの全体構成について説明する。図1は、第1の実施形態の同時2軸延伸装置の全体概要図である。
[同時2軸延伸装置の概略構成の説明]
まず、図1を用いて第1の実施形態における同時2軸延伸装置10aの全体構成について説明する。図1は、第1の実施形態の同時2軸延伸装置の全体概要図である。
同時2軸延伸装置10aは、平面視で、左右両側に、シート状部材Sを把持する多数のクリップ20を有する無端ループ10Rと無端ループ10Lとを左右対称に有する。延伸対象のシート状部材Sは、入口1aから送り込まれて、延伸した状態で出口1bから排出される。なお、延伸対象のシート・フィルムの入口1a側から見て右側の無端ループを右側無端ループ10R、左側の無端ループを左側無端ループ10Lと呼ぶことにする。なお、シート状部材Sは、例えば、熱可塑性を有する樹脂フィルム等である。
クリップ20は、各々、長方形状のメインステム30の長手方向の一端部(入口1aと出口1bとの間で、互いに向かい合う位置)に取り付けられる。すなわち、向かい合う一対のクリップ20が、シート状部材Sの幅方向両端に配置されて、延伸対象物であるシート状部材Sを把持する把持装置として機能する。即ち、シート状部材Sは、本開示における延伸対象物の一例である。また、メインステム30は、本開示におけるクリップリンクの一例である。
メインステム30は、基準レール100に案内されてループ状に巡回移動する。右側無端ループ10Rは時計廻りに巡回移動し、左側無端ループ10Lは反時計廻りに巡回移動する。具体的には、メインステム30が備える駆動ローラ28(図4参照)が、駆動用スプロケット11、12に選択的に係合し、各メインステム30を巡回経路に沿って走行させる。つまり、駆動用スプロケット11、12は、各メインステム30の駆動ローラ28と選択的に係合し、電動モータによって回転駆動されて、各メインステム30を巡回経路に沿って走行させる。具体的には、駆動用スプロケット12は、非図示の減速機によって減速された、電動モータ14の回転駆動力によって駆動される。2個の駆動用スプロケット11は、非図示の電動モータの回転駆動力を、非図示の2台の減速機で、それぞれ逆方向に減速した回転駆動力によって駆動される。
右側無端ループ10Rの基準レール100と、左側無端ループ10Lの基準レール100との間隔が大きくなると、シート状部材Sは横方向(X軸方向)に延伸される。
隣接するメインステム30同士は、複数のリンクで構成されたクリップリンク機構90によって接続される。クリップリンク機構90は、ピッチ設定レール120に案内されて、メインステム30を連れ添ってループ状に巡回移動する。
クリップリンク機構90は、基準レール100とピッチ設定レール120との間隔に応じて、隣接するメインステム30の間隔(以下、クリップ間隔と呼ぶ)を設定する。クリップ間隔が大きくなるほど、シート状部材Sは、幅方向と直交する方向、すなわち、メインステム30の移動方向である縦方向(Y軸方向)に延伸される。なお、図1は、入口1aから送り込まれたシート状部材Sが、縦横2軸方向に延伸される様子を示している。図面をわかり易くするため、シート状部材Sを不連続に描いているが、実際は、シート状部材Sは、入口1aから出口1bに亘って連続している。
同時2軸延伸装置10aは、シート状部材Sの入口1a側から出口1b側へ向けて、予熱ゾーンAと、延伸ゾーンBと、熱処理ゾーンCとを備える。
予熱ゾーンAでは、左側無端ループ10Lと右側無端ループ10Rの基準レール100同士の間隔(離間距離)が横延伸初期幅相当に設定されて、全域に亘って左側無端ループ10Lと右側無端ループ10Rとが互いに平行に配置される。なお、左側無端ループ10Lと右側無端ループ10Rにおいて、基準レール100とピッチ設定レール120との間隔は、縦延伸初期ピッチ相当である。
延伸ゾーンBでは、予熱ゾーンAの側から熱処理ゾーンCに向かうに従って左側無端ループ10Lと右側無端ループ10Rの離間距離が徐々に拡大され、左側無端ループ10Lと右側無端ループ10Rとが非平行に配置される。延伸ゾーンBにおける左側無端ループ10Lと右側無端ループ10Rの離間距離は、延伸開始端(予熱ゾーンAとの接続端)では横延伸初期幅相当になっており、延伸終了端(熱処理ゾーンCとの接続端)では横延伸最終幅相当に設定されている。すなわち、延伸ゾーンBでは、予熱ゾーンAの側から熱処理ゾーンCに向かうに従って、左側無端ループ10Lの基準レール100と、右側無端ループ10Rの基準レール100との間隔が徐々に拡大される。各基準レール100の間隔は、延伸開始端(予熱ゾーンAとの接続端)では横延伸の初期幅相当になっており、延伸終了端(熱処理ゾーンCとの接続端)では横延伸の最終幅相当になっている。
さらに、延伸ゾーンBでは、予熱ゾーンAの側から熱処理ゾーンCに向かうに従って、左側無端ループ10Lにおける基準レール100とピッチ設定レール120との間隔が徐々に縮小される。そして、右側無端ループ10Rにおける基準レール100とピッチ設定レール120との間隔も同様に、徐々に縮小される。基準レール100とピッチ設定レール120との間隔は、延伸開始端(予熱ゾーンAとの接続端)では縦延伸初期ピッチ相当になっており、延伸終了端(熱処理ゾーンCとの接続端)では縦延伸最終ピッチ相当になっている。すなわち、同時2軸延伸装置10は、延伸ゾーンBにおいて、シート状部材Sに対して、縦延伸と横延伸とを同時に行う。
熱処理ゾーンCでは、左側無端ループ10Lと右側無端ループ10Rの離間距離が横延伸最終幅相当に設定されて、全域に亘って左側無端ループ10Lと右側無端ループ10Rとが互いに平行に配置される。また、基準レール100とピッチ設定レール120との間隔は、縦延伸最終ピッチ相当に設定されて、全域に亘って基準レール100とピッチ設定レール120とは互いに平行な配置になっている。
[クリップの構造の説明]
次に、図2を用いて、クリップ20の概略構造を説明する。図2は、第1の実施形態の同時2軸延伸装置に用いられるクリップの概略構造の一例を示す側面図である。左側無端ループ10Lと右側無端ループ10Rが備える複数のクリップ20は、各々、メインステム30の長手方向の一端部に取り付けられる。クリップ20は、シート状部材Sを係脱可能に把持するものであり、ヨーク形状のクリップ本体21と、クリップ本体21に固定装着された下側固定クリップ部材22と、ピン23によってクリップ本体21に回動可能に取り付けられた可動レバー24と、可動レバー24の下端にピン25によって揺動可能に取り付けられた上側可動クリップ部材26とを有し、下側固定クリップ部材22と上側可動クリップ部材26とで、シート状部材Sの側縁を挟み込んで把持する。これにより、クリップ20は、シート状部材Sを挟んで支持したり、その支持状態を解放させたりすることが可能となる。
次に、図2を用いて、クリップ20の概略構造を説明する。図2は、第1の実施形態の同時2軸延伸装置に用いられるクリップの概略構造の一例を示す側面図である。左側無端ループ10Lと右側無端ループ10Rが備える複数のクリップ20は、各々、メインステム30の長手方向の一端部に取り付けられる。クリップ20は、シート状部材Sを係脱可能に把持するものであり、ヨーク形状のクリップ本体21と、クリップ本体21に固定装着された下側固定クリップ部材22と、ピン23によってクリップ本体21に回動可能に取り付けられた可動レバー24と、可動レバー24の下端にピン25によって揺動可能に取り付けられた上側可動クリップ部材26とを有し、下側固定クリップ部材22と上側可動クリップ部材26とで、シート状部材Sの側縁を挟み込んで把持する。これにより、クリップ20は、シート状部材Sを挟んで支持したり、その支持状態を解放させたりすることが可能となる。
[クリップリンク機構の説明]
次に、図3と図4を用いて、本実施形態に係る同時2軸延伸装置10aのクリップリンク機構90の詳細構造について説明する。図3は、同時2軸延伸装置に用いられるクリップリンク機構の上面図である。図4は、図3のA-A断面図である。なお、図3に示すクリップリンク機構90は、右側無端ループ10R側に備えられるものである。左側無端ループ10L側が備えるクリップリンク機構90は、図3の左右を反転した構造を有する。以後の説明は、簡単のために、右側無端ループ10Rが備えるクリップリンク機構90についてのみ行う。
次に、図3と図4を用いて、本実施形態に係る同時2軸延伸装置10aのクリップリンク機構90の詳細構造について説明する。図3は、同時2軸延伸装置に用いられるクリップリンク機構の上面図である。図4は、図3のA-A断面図である。なお、図3に示すクリップリンク機構90は、右側無端ループ10R側に備えられるものである。左側無端ループ10L側が備えるクリップリンク機構90は、図3の左右を反転した構造を有する。以後の説明は、簡単のために、右側無端ループ10Rが備えるクリップリンク機構90についてのみ行う。
図3に示すように、クリップリンク機構90は、最小の構成要素として、メインステム30と、第1のリンク部材34aと、第2のリンク部材34bとを備える。そして、クリップリンク機構90は、複数のメインステム30と、第1のリンク部材34aと、第2のリンク部材34bとが、クリップ間隔Hを変更可能に接続されている。
メインステム30のX軸正側の端部には、本開示における磁性体の一例である永久磁石40が設置される。永久磁石40の機能については後述する。
第1のリンク部材34aの一方の端部は、メインステム30の第1の軸部材32aに回動可能に接続される。そして、第1のリンク部材34aの他方の端部は、隣接するメインステム30に形成された長孔31にスライド可能に設置されたスライダ33に、第2の軸部材32bによって回動可能に接続される。
第2のリンク部材34bの一方の端部は、第1のリンク部材34aの中央付近に、第3の軸部材32cによって回動可能に接続される。そして、第2のリンク部材34bの他方の端部は、メインステム30の第1の軸部材32aに回動可能に接続される。
図4に示すように、メインステム30は、X軸方向正側の端部に、自重受ローラ37aを備える。自重受ローラ37aは、第3の軸部材35aによって、YZ平面上で回転可能に軸支される。また、メインステム30は、X軸方向負側の端部に自重受ローラ37bを備える。自重受ローラ37bは、第4の軸部材35bによって、YZ平面上で回転可能に軸支される。
自重受ローラ37aは、クリップリンク機構90の自重を支えて、基台110の上部を転動しながら移動する。また自重受ローラ37bは、クリップリンク機構90の自重を支えて、基台110の上部を転動しながら移動する。
第1の軸部材32aの上端には、前記した駆動用スプロケット11、12と係合することによって、クリップリンク機構90に駆動力を与える駆動ローラ28が設置される。
また、第1の軸部材32aの下端には、案内ローラ36aが設置される。案内ローラ36aは、第1の軸部材32aに回動可能に設置される。案内ローラ36aは、クリップリンク機構90が移動する際に、基準レール100に沿って移動する。
第2の軸部材32bの下端には、案内ローラ36bが設置される。案内ローラ36bは、第2の軸部材32bに回動可能に設置される。案内ローラ36bは、クリップリンク機構90が移動する際に、ピッチ設定レール120に沿って移動する。
[メインステムの位置検出機構の説明]
次に、図5,図6,図7を用いて、本実施形態に係る同時2軸延伸装置10aが、メインステム30の位置を検出する機構を説明する。図5は、第1の実施形態の同時2軸延伸装置が備える光電センサと近接センサと電磁石の配置状態を示す概要図である。図6は、図5のB-B矢視図である。図7は、図5のC-C矢視図である。
次に、図5,図6,図7を用いて、本実施形態に係る同時2軸延伸装置10aが、メインステム30の位置を検出する機構を説明する。図5は、第1の実施形態の同時2軸延伸装置が備える光電センサと近接センサと電磁石の配置状態を示す概要図である。図6は、図5のB-B矢視図である。図7は、図5のC-C矢視図である。
図5は、図3に示したクリップリンク機構90が、同時2軸延伸装置10aに備えられた様子を示している。なお、図面を簡単にするため、図3に示した第1のリンク部材34aと第2のリンク部材34bは、記載を簡略化している。
図5に示すように、同時2軸延伸装置10aは、隣接するメインステム30のクリップ間隔Hが等しい区間、即ち、シート状部材Sの縦延伸を行わない区間に、メインステム30の通過を検出する光電センサ80と近接センサ82、および電磁石84が、それぞれ1組設置される。また、同時2軸延伸装置10aは、光電センサ80と近接センサ82の出力に基づいて、電磁石84の励磁状態を制御する制御部89aを備える。
光電センサ80は、投光部80aから照射された赤外光や可視光を、受光部80bで検出する。そして、投光部80aから照射された光が受光部80bで検出されないこと、即ち、光が遮断されたことを検出することによって、投光部80aと受光部80bとの間に、遮光性のある物体が存在することを検出する。
近接センサ82は、物体に接触することなく、当該物体が近接センサ82に接近したことを検出する。近接センサ82には、物体とセンサとの間の静電容量の変化を検出する静電容量型のセンサや、センサが備えるコイルに交流磁界を発生させて、検出物体(金属)に生じる渦電流によるインピーダンスの変化を検出する誘導型のセンサが知られている。
図5の例では、光電センサ80によって、メインステム30(30a)に備えられた駆動ローラ28が、電磁石84から距離D1の位置を通過したことが検出される(図6参照)。また、近接センサ82によって、メインステム30(30b)が、電磁石84から距離D2の位置を通過したことが検出される。なお、光電センサ80は、本開示における第1の検出部の一例であり、距離D1は、本開示における第1の距離の一例である。また、近接センサ82は、本開示における第2の検出部の一例であり、距離D2は、本開示における第2の距離の一例である。
制御部89aは、光電センサ80(第1の検出部)がメインステム30aの通過を検出した場合に、電磁石84の励磁状態を、電磁石84の近傍のメインステム30bに設置された永久磁石40が、電磁石84から反発される状態(第1の状態)に制御する。また、制御部89aは、近接センサ82(第2の検出部)がメインステム30bの通過を検出した場合に、電磁石84の励磁状態を、消磁状態、即ち電磁石84の近傍のメインステム30aに設置された永久磁石40が電磁石84に吸引される状態(第2の状態)に制御する。即ち、本実施形態の場合、制御部89aは、永久磁石40と電磁石84との間に反発力が働く第1の状態と、永久磁石40と電磁石84との間に吸引力が働く、第1の状態とは異なる第2の状態とを交互に切り替える。
なお、光電センサ80は、図6に示すように、基台110のX軸方向両端に設置されたブラケット81に、X軸に沿って取り付けられる。より具体的には、投光部80aはブラケット81aに設置されて、受光部80bはブラケット81bに設置される。なお、投光部80aと受光部80bは、駆動ローラ28と同じZ軸方向の高さ位置に設置される。
また、図7に示すように、近接センサ82は、基台110のX軸方向正側の端部付近に設置されたブラケット83に、Z軸方向負側に向けて取り付けられる。そして、近接センサ82の先端は、メインステム30の上面と近接する位置に保持される。
光電センサ80と近接センサ82は、いずれを用いてもよい。即ち、第1の検出部として近接センサ82を用いてもよく、第2の検出部として光電センサ80を用いてもよい。これらのセンサを設置するためには、クリップリンク機構90の移動経路にセンサを設置するスペースが必要であるため、クリップリンク機構90のサイズやセンサの設置に必要なスペースの大きさ等に応じて、使用するセンサを選定すればよい。
なお、第1の検出部および第2の検出部の具体的な設置位置については後述する。
[電磁石の機能の説明]
次に、図8と図9を用いて、電磁石84の機能を説明する。図8は、図5のD-D矢視図である。図9は、電磁石の動作を説明する図である。
次に、図8と図9を用いて、電磁石84の機能を説明する。図8は、図5のD-D矢視図である。図9は、電磁石の動作を説明する図である。
同時2軸延伸装置10aは、図8に示すように、メインステム30bのX軸正側端部に設置された永久磁石40と対向する位置に、電磁石84を備える。電磁石84は、所定のタイミングで直流電流を流すことによって励磁されて、永久磁石40を反発させる反発力を発生する。また、電磁石84は、所定のタイミングで直流電流を停止することによって消磁されて、永久磁石40を引き寄せる吸引力を発生する。また、後述する変形例として、電磁石84は、所定のタイミングで、前記したのと逆方向の直流電流を流すことによって前記とは逆方向に励磁されて、永久磁石40を引き寄せる吸引力を発生する。
電磁石84は、基台110のX軸方向正側の端部付近に設置されたブラケット85に、X軸に沿って取り付けられる。
図9(a)に示すように、電磁石84は、鉄心86にコイル87が巻回されて構成される。そして、直流電源88によってコイル87に電流iを流すことによって、鉄心86のX軸方向負側がN極、X軸正方向側がS極になるように励磁された状態になる。このように励磁された電磁石84のN極の近傍に、Y軸正方向に向かって移動しているメインステム30の端部に設置された永久磁石40が接近すると、永久磁石40には、電磁石84から反発される反発力Faが発生する。なお、永久磁石40は、電磁石84側がN極、メインステム30側がS極になるように磁極配置されているものとする。そして、この反発力Faによって、メインステム30は、Y軸正方向に移動する駆動力を得る。
図9(b)に示すように、直流電源88を切断して、コイル87に流れる電流iを停止すると、電磁石84は、励磁されていない消磁状態となる。このとき、電磁石84に、Y軸正方向に向かって移動しているメインステム30の端部に設置された永久磁石40が接近すると、永久磁石40には、電磁石84に吸引される吸引力Fbが発生する。この吸引力Fbによって、メインステム30は、Y軸正方向に移動する駆動力を得る。
そして、同時2軸延伸装置10aは、図9(b)の状態と、図9(a)の状態とを交互に発生させることによって、メインステム30は、Y軸正方向に移動する駆動力を得る。
なお、永久磁石40の磁極配置は、図9に示す方向に限定されない。即ち、永久磁石40を、電磁石84側がS極、メインステム30側がN極になるように励磁してもよい。なお、この場合、図9に示すのと同じ向きの反発力Faを得るためには、電磁石84に流す電流iの向きを逆転させればよい。
図9(c)は、電磁石84を逆方向に励磁した状態を示す図であるが、詳しくは、第1の実施形態の変形例で説明する。
[センサの設置位置の説明]
次に、図10と図11を用いて、光電センサ80と近接センサ82の設置位置について説明する。図10は、第1の実施形態の同時2軸延伸装置が備えるセンサの設置位置を説明する図である。図11は、第1の実施形態の同時2軸延伸装置が備える電磁石の励磁状態を制御するタイミングチャートの一例を示す図である。
次に、図10と図11を用いて、光電センサ80と近接センサ82の設置位置について説明する。図10は、第1の実施形態の同時2軸延伸装置が備えるセンサの設置位置を説明する図である。図11は、第1の実施形態の同時2軸延伸装置が備える電磁石の励磁状態を制御するタイミングチャートの一例を示す図である。
図10に示すように、光電センサ80(80a,80b)は、電磁石84の中心位置から、クリップリンク機構90の移動方向の上流側に距離D1だけ離れた位置に設置される。また、近接センサ82は、電磁石84の中心位置から、クリップリンク機構90の移動方向の下流側に距離D2だけ離れた位置に設置される。
メインステム30bが移動して、消磁状態の電磁石84に接近すると、メインステム30bのX軸正側端部に設置された永久磁石40が、電磁石84の鉄心86(図9参照)に引き付けられる。これにより、クリップリンク機構90には、永久磁石の吸引力による駆動力が加えられる。
そして、光電センサ80がメインステム30aの通過を検出した際に、メインステム30aの下流側に隣接するメインステム30bは、電磁石84の中心位置から、距離ΔD1だけ、クリップリンク機構90の移動方向の上流側に位置する。この状態にあるとき、同時2軸延伸装置10aの制御部89aは、図9(a)に示すように電磁石84に直流電流を流して励磁する。
これにより、永久磁石40は、電磁石84から反発力を受ける。この反発力により、クリップリンク機構90には、クリップリンク機構90の移動方向に沿う駆動力が加えられる。
そして、近接センサ82がメインステム30bの接近を検出すると、同時2軸延伸装置10aの制御部89aは、図9(b)に示すように電磁石84を消磁状態に制御する。
第1の検出部である光電センサ80の具体的な設置位置、即ち距離D1は、同時2軸延伸装置10aの仕様、即ちメインステム30の長さ、クリップ間隔H、永久磁石40と電磁石84の性能とサイズ等に基づいて決められる。また、第2の検出部である近接センサ82の具体的な設置位置、即ち距離D2は、電磁石84が永久磁石40を反発しきった位置から、光電センサ80が次のメインステム30を検出するまでの間に、反発された永久磁石40を備えるメインステム30が近接センサ82を通過するように決められる。
なお、図10では、電磁石84に対して、クリップリンク機構90の移動方向の上流側に光電センサ80を設置して、電磁石84に対して、クリップリンク機構90の移動方向の下流側に近接センサ82を設置する例を説明したが、各センサの設置位置は、これに限定されるものではない。即ち、距離D1,D2を保った状態であれば、クリップリンク機構90の移動方向の上流側に近接センサ82を設置してもよい。また、クリップリンク機構90の移動方向の下流側に光電センサ80を設置してもよい。なお、光電センサ80の代わりに近接センサ82を使用してもよく、近接センサ82の代わりに光電センサ80を使用してもよいことは、前記した通りである。
前記した処理の流れをタイミングチャートで表すと、図11のようになる。即ち、同時2軸延伸装置10aの制御部89aは、光電センサ80がメインステム30aを検出した時刻t1,t3において、電磁石84に電流iを流して励磁する。このとき、電磁石84の近傍にあるメインステム30bが備える永久磁石40は、電磁石84から反発力を受けて、Y軸正方向に向かって反発される(第1の状態)。そして、同時2軸延伸装置10aの制御部89aは、近接センサ82がメインステム30bを検出した時刻t2,t4において、電磁石84に流していた電流iを止めて消磁する。このとき、電磁石84に接近しているメインステム30aが備える永久磁石40は、電磁石84の鉄心86に吸引される(第2の状態)。したがって、メインステム30aは、Y軸正方向に向かう力を受ける。以後、同時2軸延伸装置10aは、同じ処理を繰り返す。これによって、クリップリンク機構90は、Y軸正方向に向かう補助駆動力を得る。
以上説明したように、第1の実施形態の同時2軸延伸装置10aにおいて、制御部89aは、光電センサ80(第1の検出部)が、メインステム30a(クリップリンク)の端部に設置された永久磁石40(磁性体)が、電磁石84から距離D1(第1の距離)の位置を通過したことを検出した場合に、電磁石84の励磁状態を、電磁石84の近傍にあるメインステム30bに設置された永久磁石40が電磁石84から反発される第1の状態に制御する。また、制御部89aは、近接センサ82(第2の検出部)が、メインステム30bに設置された永久磁石40が、電磁石84から距離D2(第2の距離)の位置を通過したことを検出した場合に、電磁石84の励磁状態を、メインステム30aに設置された永久磁石40が、電磁石84に吸引される第2の状態に制御する。したがって、電磁石84と永久磁石40との間に発生する磁力によって、クリップリンク機構90を移動させる補助駆動力が得られるため、クリップリンク機構90の走行負荷を低減することができる。そして、同時2軸延伸装置10aは、クリップ間隔Hが一定の区間において補助駆動力を得るため、得られた補助駆動力によって、クリップ間隔Hが一定でない区間においても、クリップリンク機構90の走行負荷を低減することができる。これによって、シート状部材Sの延伸条件を自由に設定することができる。
また、第1の実施形態の同時2軸延伸装置10aにおいて、メインステム30(クリップリンク)の端部に設置される磁性体は、永久磁石40である。したがって、メインステム30と電磁石84との間に、より大きな反発力を発生させることができる。
また、第1の実施形態の同時2軸延伸装置10aにおいて、制御部89aは、光電センサ80(第1の検出部)がメインステム30の通過を検出した場合に、電磁石84の励磁状態を、永久磁石40(磁性体)が電磁石84から反発されるように制御して、近接センサ82(第2の検出部)がメインステム30の通過を検出した場合に、電磁石84を消磁状態に制御する。したがって、永久磁石40を電磁石84に吸引する場合には、電磁石84を励磁する必要がないため、電磁石84の消費電力を低減することができる。
また、第1の実施形態の同時2軸延伸装置10aにおいて、第1の検出部および第2の検出部は、光電センサ80または近接センサ82で構成される。したがって、同時2軸延伸装置10aのメインステム30の位置検出等のために従来から使用されていたセンサを、そのまま流用することができる。
(第1の実施形態の変形例)
次に、図12と図13を用いて、第1の実施形態の変形例を説明する。図12は、第1の実施形態の変形例の同時2軸延伸装置が備えるセンサの設置位置を説明する図である。図13は、第1の実施形態の変形例の同時2軸延伸装置が備える電磁石の励磁状態を制御するタイミングチャートの一例を示す図である。
次に、図12と図13を用いて、第1の実施形態の変形例を説明する。図12は、第1の実施形態の変形例の同時2軸延伸装置が備えるセンサの設置位置を説明する図である。図13は、第1の実施形態の変形例の同時2軸延伸装置が備える電磁石の励磁状態を制御するタイミングチャートの一例を示す図である。
第1の実施形態の変形例の同時2軸延伸装置10aは、制御部89aが、電磁石84に流す電流iの方向を、時刻とともに逆転させることによって、励磁方向を切り替える。即ち、図9(a)の状態と図9(c)の状態とを交互に生成する。これにより、メインステム30は、電磁石84を消磁した場合に電磁石84の鉄心86が永久磁石40を吸引する吸引力と比較して、より大きい吸引力を得る。なお、励磁方向を切り替えるために、電磁石84に電力を供給する電源には、交流電源を用いる。
図12に示すように、第1の実施形態の変形例の同時2軸延伸装置10aにおいて、光電センサ80(80a,80b)は、電磁石84の中心位置から、クリップリンク機構90の移動方向の上流側に距離D3だけ離れた位置に設置される。また、近接センサ82は、電磁石84の中心位置から、クリップリンク機構90の移動方向の下流側に距離D4だけ離れた位置に設置される。なお、距離D3は、本開示における第1の距離の一例である。また、距離D4は、本開示における第2の距離の一例である。なお、光電センサ80がメインステム30aの通過を検出した際に、メインステム30aの下流側に隣接するメインステム30bは、電磁石84の中心位置から、距離ΔD2だけ、クリップリンク機構90の移動方向の上流側に位置しているものとする。なお、距離D3,D4,ΔD2は、同時2軸延伸装置10aの仕様、即ちメインステム30の長さ、クリップ間隔H、永久磁石40と電磁石84の性能とサイズ等に基づいて決められる。
クリップリンク機構90が移動して、光電センサ80がメインステム30aを検出すると、制御部89aは、電磁石84の励磁方向を逆転させる。これにより、メインステム30bが備える永久磁石40は、電磁石84から反発される向きの力を受ける。
そして、クリップリンク機構90がさらに移動して、近接センサ82がメインステム30bを検出すると、制御部89aは、電磁石84の励磁方向を逆転させる。これにより、メインステム30aが備える永久磁石40は、電磁石84に吸引される向きの力を受ける。
前記した処理の流れをタイミングチャートで表すと、図13のようになる。即ち、同時2軸延伸装置10aは、光電センサ80がメインステム30aを検出した時刻t5,t7,t9において、電磁石84に電流iを流して励磁する。このとき、電磁石84の近傍にあるメインステム30bが備える永久磁石40は、電磁石84から反発力を受けて、Y軸正方向に向かって反発される(第1の状態)。そして、同時2軸延伸装置10aは、近接センサ82がメインステム30bを検出した時刻t6,t8において、電磁石84に流していた電流iの向きを逆転させる。このとき、電磁石84に接近しているメインステム30aが備える永久磁石40は、電磁石84から吸引力を受けて、Y軸正方向に向かって吸引される(第2の状態)。したがって、メインステム30aは、Y軸正方向に向かう力を受ける。以後、同時2軸延伸装置10aは、同じ処理を繰り返す。これによって、クリップリンク機構90は、Y軸正方向に向かう補助駆動力を得る。
以上説明したように、第1の実施形態の変形例の同時2軸延伸装置10aにおいて、制御部89aは、光電センサ80(第1の検出部)がメインステム30(クリップリンク)の通過を検出した場合と、近接センサ82(第2の検出部)がメインステム30の通過を検出した場合とで、電磁石84の励磁方向を逆転させる。したがって、メインステム30は、電磁石84を消磁した場合に電磁石84の鉄心86が永久磁石40を吸引する吸引力と比較して、より大きい吸引力を得ることができる。これにより、クリップリンク機構90は、例えば第1の実施形態に対して、より大きい補助駆動力を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、図14を用いて、第2の実施形態の同時2軸延伸装置10bについて説明する。図14は、第2の実施形態の同時2軸延伸装置が備える第1の検出部と第2の検出部と電磁石の配置状態を示す概要図である。
次に、図14を用いて、第2の実施形態の同時2軸延伸装置10bについて説明する。図14は、第2の実施形態の同時2軸延伸装置が備える第1の検出部と第2の検出部と電磁石の配置状態を示す概要図である。
図14に示すように、同時2軸延伸装置10bは、隣接するメインステム30のクリップ間隔Hが等しい区間、即ち、シート状部材Sの縦延伸を行わない区間に、メインステム30の通過を検出する光電センサ80と近接センサ82、および複数の電磁石84(84a,84b,84c,84d)が、それぞれ設置される。また、同時2軸延伸装置10bは、光電センサ80と近接センサ82の出力に基づいて、電磁石84の励磁状態を制御する制御部89bを備える。
光電センサ80および近接センサ82の作用は、第1の実施形態で説明した通りである。そして、制御部89bは、光電センサ80または近接センサ82がメインステム30の通過を検出した際に、複数の電磁石84(84a,84b,84c,84d)の励磁状態を同時に制御する。
より具体的には、制御部89bは、光電センサ80(第1の検出部)がメインステム30の通過を検出した場合に、電磁石84(84a,84b,84c,84d)の励磁状態を、永久磁石40が電磁石84から反発される状態(第1の状態)に制御する。また、制御部89bは、近接センサ82(第2の検出部)がメインステム30の通過を検出した場合に、電磁石84(84a,84b,84c,84d)の励磁状態を、消磁状態、即ち永久磁石40が電磁石84(鉄心86)に吸引される状態(第2の状態)に制御する。
このように、第2の実施形態の同時2軸延伸装置10bの制御部89bは、複数の電磁石84(84a,84b,84c,84d)を同じタイミングで等しい励磁状態に制御する。したがって、クリップリンク機構90は、第1の実施形態の同時2軸延伸装置10aに対して、より大きい補助駆動力を得る。
以上説明したように、第2の実施形態の変形例の同時2軸延伸装置10bにおいて、制御部89bは、一つの光電センサ80(第1の検出部)が検出したメインステム30(クリップリンク)の通過タイミングで、隣接するクリップ間隔Hが同一である区間に設置された複数の電磁石84(84a,84b,84c,84d)の励磁状態を、同時に、永久磁石40(磁性体)が電磁石84から反発される状態(第1の状態)に制御する。また、制御部89bは、一つの近接センサ82(第2の検出部)が検出したメインステム30の通過タイミングで、隣接するクリップ間隔Hが同一である区間に設置された複数の電磁石84(84a,84b,84c,84d)の励磁状態を、同時に、永久磁石40が電磁石84に吸引される状態(第2の状態)に制御する。したがって、同時2軸延伸装置10bは、第1の実施形態の同時2軸延伸装置10aに対して、より大きい補助駆動力を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、図15を用いて、第3の実施形態の同時2軸延伸装置10cについて説明する。図15は、第3の実施形態の同時2軸延伸装置が備える第1の検出部と第2の検出部と電磁石の配置状態を示す概要図である。
次に、図15を用いて、第3の実施形態の同時2軸延伸装置10cについて説明する。図15は、第3の実施形態の同時2軸延伸装置が備える第1の検出部と第2の検出部と電磁石の配置状態を示す概要図である。
図15に示すように、同時2軸延伸装置10cは、隣接するメインステム30のクリップ間隔Hが異なる区間、即ち、シート状部材Sの縦延伸を行う区間に、メインステム30の通過を検出する1組の光電センサ80A(投光部80a-1,受光部80b-1)と1個の近接センサ82(82a)、および1個の電磁石84(84a)の組が複数組設置される。
より具体的には、図15に示す同時2軸延伸装置10cは、光電センサ80と近接センサ82と電磁石84の組を4組備えている。
即ち、同時2軸延伸装置10cは、光電センサ80Aと近接センサ82aと電磁石84aの組を備える。また、同時2軸延伸装置10cは、光電センサ80B(投光部80a-2,受光部80b-2)と近接センサ82bと電磁石84bの組を備える。また、同時2軸延伸装置10cは、光電センサ80C(投光部80a-3,受光部80b-3)と近接センサ82cと電磁石84cの組を備える。そして、同時2軸延伸装置10cは、光電センサ80D(投光部80a-4,受光部80b-4)と近接センサ82dと電磁石84dの組を備える。
光電センサ80と近接センサ82と電磁石84の組は、予め決められた位置関係で設置されている。即ち、光電センサ80A(投光部80a-1,受光部80b-1)は、電磁石84aから、クリップリンク機構90の移動方向の上流側に距離D1a離れた位置に設置される。また近接センサ82aは、電磁石84aから、クリップリンク機構90の移動方向の下流側に距離D2a離れた位置に設置される。
また、光電センサ80B(投光部80a-2,受光部80b-2)は、電磁石84bから、クリップリンク機構90の移動方向の上流側に距離D1b離れた位置に設置される。また近接センサ82bは、電磁石84bから、クリップリンク機構90の移動方向の下流側に距離D2b離れた位置に設置される。
そして、光電センサ80C(投光部80a-3,受光部80b-3)は、電磁石84cから、クリップリンク機構90の移動方向の上流側に距離D1c離れた位置に設置される。また近接センサ82cは、電磁石84cから、クリップリンク機構90の移動方向の下流側に距離D2c離れた位置に設置される。
さらに、光電センサ80D(投光部80a-4,受光部80b-4)は、電磁石84dから、クリップリンク機構90の移動方向の上流側に距離D1d離れた位置に設置される。また近接センサ82dは、電磁石84dから、クリップリンク機構90の移動方向の下流側に距離D2d離れた位置に設置される。
なお、図15において、クリップリンク機構90は、移動方向の下流側ほど、クリップ間隔が広くなっている。即ち、図15において、クリップ間隔H1<クリップ間隔H2<クリップ間隔H3<クリップ間隔H4<クリップ間隔H5になっている。なお、各クリップ間隔は、基準レール100とピッチ設定レール120との間隔に応じた値に設定される。
また、同時2軸延伸装置10cは、光電センサ80と近接センサ82の出力に基づいて、電磁石84の励磁状態を制御する制御部89c(非図示)を備える。
光電センサ80および近接センサ82の作用は、第1の実施形態で説明した通りである。そして、制御部89cは、光電センサ80または近接センサ82がメインステム30の通過を検出した際に、当該光電センサ80または近接センサ82と関連付けられた電磁石84、即ち、光電センサ80および近接センサ82と組をなす電磁石84の励磁状態を制御する。
より具体的には、制御部89cは、光電センサ80A(第1の検出部)がメインステム30の通過を検出した場合に、電磁石84aの励磁状態を、永久磁石40と電磁石84aとの間に反発力が働く状態(第1の状態)に制御する。また、制御部89cは、近接センサ82a(第2の検出部)がメインステム30の通過を検出した場合に、電磁石84の励磁状態を消磁状態、即ち永久磁石40と電磁石84a(鉄心86)との間に吸引力が働く状態(第2の状態)に制御する。
このように、第3の実施形態の同時2軸延伸装置10cの制御部89cは、光電センサ80A,80B,80C,80Dおよび近接センサ82a,82b,82c,82dと、それぞれ関連付けられた電磁石84a,84b,84c,84dの励磁状態をそれぞれ制御する。したがって、異なるクリップ間隔Hの区間にそれぞれ設置された光電センサと近接センサと電磁石の組によって、クリップリンク機構90に対して補助駆動力を与えることができる。
以上説明したように、第3の実施形態の変形例の同時2軸延伸装置10cにおいて、制御部89cは、複数の光電センサ80A,80B,80C,80D(第1の検出部)がそれぞれ検出したメインステム30(クリップリンク)の通過タイミングで、各光電センサ80A,80B,80C,80Dとそれぞれ関連付けられた、隣接するメインステム30のクリップ間隔Hが異なる区間に設置された複数の電磁石84a,84b,84c,84dの励磁状態を、永久磁石40が電磁石84a,84b,84c,84dから反発される状態(第1の状態)に制御する。また、制御部89cは、複数の近接センサ82a,82b,82c,82d(第2の検出部)がそれぞれ検出したメインステム30の通過タイミングで、各近接センサ82a,82b,82c,82dとそれぞれ関連付けられた、隣接するメインステム30のクリップ間隔Hが異なる区間に設置された複数の電磁石84a,84b,84c,84dの励磁状態を、消磁状態、即ち永久磁石40と電磁石84a,84b,84c,84d(鉄心86)との間に吸引力が働く状態(第2の状態)に制御する。したがって、クリップ間隔Hが異なる区間において、クリップリンク機構90に対して補助駆動力を与えることができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態の同時2軸延伸装置10d(非図示)について説明する。第4の実施形態の同時2軸延伸装置10aは、第1の実施形態の同時2軸延伸装置10aにおいて、各メインステム30の端部に設置された永久磁石40を、一時磁石41(非図示)としたものである。なお、一時磁石41とは、磁場の中にあるときのみ磁気を帯びる物質である。具体的には、鉄、ニッケル等の磁石に引きつけられる物質が一時磁石41である。
次に、第4の実施形態の同時2軸延伸装置10d(非図示)について説明する。第4の実施形態の同時2軸延伸装置10aは、第1の実施形態の同時2軸延伸装置10aにおいて、各メインステム30の端部に設置された永久磁石40を、一時磁石41(非図示)としたものである。なお、一時磁石41とは、磁場の中にあるときのみ磁気を帯びる物質である。具体的には、鉄、ニッケル等の磁石に引きつけられる物質が一時磁石41である。
同時2軸延伸装置10dは、同時2軸延伸装置10a(図5参照)において、永久磁石40を一時磁石41に置き換えた構成を有する。そして、制御部89aの機能は、同時2軸延伸装置10aと同じである。
具体的には、制御部89aは、光電センサ80(第1の検出部)がメインステム30の通過を検出した場合に、電磁石84の励磁状態を、消磁状態(第1の状態)に制御する。また、制御部89aは、近接センサ82(第2の検出部)がメインステム30の通過を検出した場合に、電磁石84の励磁状態を、一時磁石41が電磁石84に吸引される状態(第2の状態)に制御する。即ち、本実施形態の場合、制御部89aは、一時磁石41と電磁石84との間に力が働かない第1の状態と、一時磁石41と電磁石84との間に吸引力が働く、第1の状態とは異なる第2の状態とを交互に切り替える。
なお、第1の状態、即ち電磁石84が消磁された状態にあるとき、一時磁石41と電磁石84との間には力が働かないため、クリップリンク機構90は補助駆動力を得ない。しかし、第2の状態に切り替わったタイミングで、一時磁石41には電磁石84に吸引される吸引力が働くため、クリップリンク機構90は、図5のY軸正方向に向かって移動する補助駆動力を得る。
以上説明したように、第4の実施形態の同時2軸延伸装置10d(非図示)において、メインステム30(クリップリンク)の端部に設置される磁性体は、一時磁石41である。したがって、一時磁石41と電磁石84との間に吸引力を発生させることができるため、この吸引力によって、クリップリンク機構90は補助駆動力を得ることができる。
また、第4の実施形態の同時2軸延伸装置10d(非図示)において、制御部89aは、光電センサ80(第1の検出部)がメインステム30(クリップリンク)の通過を検出した場合に、一時磁石41(磁性体)と電磁石84との間に力が働かない第1の状態に制御する。そして、近接センサ82(第2の検出部)がメインステム30の通過を検出した場合に、電磁石84の励磁状態を、一時磁石41が電磁石84に吸引される第2の状態に制御する。したがって、クリップリンク機構90を移動させる補助駆動力が得られるため、クリップリンク機構90の走行負荷を低減することができる。
10a,10b,10c,10d…同時2軸延伸装置、10L…左側無端ループ、10R…右側無端ループ、11,12…駆動用スプロケット、20…クリップ、28…駆動ローラ、30,30a,30b…メインステム(クリップリンク)、31…長孔、32a…第1の軸部材、32b…第2の軸部材、32c…第3の軸部材、33…スライダ、34a…第1のリンク部材、34b…第2のリンク部材、35a…第3の軸部材、35b…第4の軸部材、36a,36b…案内ローラ、37a,37b…自重受ローラ、40…永久磁石(磁性体)、41…一時磁石(磁性体)、80,80A,80B,80C,80D…光電センサ(第1の検出部,第2の検出部)、80a,80a-1,80a-2,80a-3,80a-4…投光部、80b,80b-1,80b-2,80b-3,80b-4…受光部、81,81a,81b,83,85…ブラケット、82,82a,82b,82c,82d…近接センサ(第1の検出部,第2の検出部)、84,84a,84b,84c,84d…電磁石、86…鉄心、87…コイル、88…直流電源、89a,89b,89c…制御部、90…クリップリンク機構、100…基準レール、110…基台、120…ピッチ設定レール、D1,D1a,D1b,D1c,D1d,D3…距離(第1の距離)、D2,D2a,D2b,D2c,D2d,D4…距離(第2の距離)、ΔD1,ΔD2…距離、H,H1,H2,H3,H4,H5…クリップ間隔、S…シート状部材(延伸対象物)
Claims (9)
- 延伸対象物の幅方向両端をクリップで把持する、連接した一対の把持機構を、一対の無端ループで形成された移動経路にガイドされたローラによって移動させながら、対向及び隣接する前記クリップの間隔を変更して、前記延伸対象物を、前記幅方向及び前記移動経路方向に延伸させるクリップリンクを備える同時2軸延伸装置において、
前記クリップリンクの端部に設置された磁性体と、
前記クリップリンクが移動する際に、前記クリップリンクの端部と対向する位置に設置された電磁石と、
前記クリップリンクが、前記電磁石から第1の距離の位置を通過したことを検出する第1の検出部と、
前記クリップリンクが、前記電磁石から第2の距離の位置を通過したことを検出する第2の検出部と、
前記第1の検出部が前記クリップリンクの通過を検出した場合に、前記電磁石の励磁状態を、前記電磁石の近傍のクリップリンクに設置された前記磁性体が、前記電磁石から反発される、または前記磁性体と前記電磁石との間に力が働かない第1の状態に制御して、前記第2の検出部が前記クリップリンクの通過を検出した場合に、前記電磁石の励磁状態を、前記電磁石の近傍のクリップリンクに設置された前記磁性体が、前記電磁石に吸引される第2の状態に制御する制御部と、を備える、
同時2軸延伸装置。 - 前記制御部は、一つの前記第1の検出部が検出した前記クリップリンクの通過タイミングで、隣接するクリップの間隔が同一である区間に設置された複数の前記電磁石の励磁状態を、同時に、前記第1の状態に制御して、
一つの前記第2の検出部が検出した前記クリップリンクの通過タイミングで、隣接するクリップの間隔が同一である区間に設置された複数の前記電磁石の励磁状態を、同時に、前記第2の状態に制御する、
請求項1に記載の同時2軸延伸装置。 - 前記制御部は、複数の前記第1の検出部がそれぞれ検出した前記クリップリンクの通過タイミングで、隣接するクリップの間隔が異なる区間に設置された複数の前記電磁石のうち、前記第1の検出部と対応する電磁石の励磁状態を、前記第1の状態に制御して、
複数の前記第2の検出部がそれぞれ検出した前記クリップリンクの通過タイミングで、隣接するクリップの間隔が異なる区間に設置された複数の前記電磁石のうち、前記第2の検出部と対応する電磁石の励磁状態を、前記第2の状態に制御する、
請求項1に記載の同時2軸延伸装置。 - 前記磁性体は、永久磁石である、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の同時2軸延伸装置。 - 前記制御部は、前記第1の検出部が前記クリップリンクの通過を検出した場合に、前記電磁石の励磁状態を、前記電磁石の近傍のクリップリンクに設置された前記磁性体が、前記電磁石に吸引されるように制御して、前記第2の検出部が前記クリップリンクの通過を検出した場合に、前記電磁石を消磁状態に制御する、
請求項4に記載の同時2軸延伸装置。 - 前記制御部は、前記第1の検出部が前記クリップリンクの通過を検出した場合と、前記第2の検出部が前記クリップリンクの通過を検出した場合とで、前記電磁石の励磁方向を逆転させる、
請求項4に記載の同時2軸延伸装置。 - 前記磁性体は、一時磁石である、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の同時2軸延伸装置。 - 前記制御部は、前記第1の検出部が前記クリップリンクの通過を検出した場合に、前記電磁石の励磁状態を、前記電磁石の近傍のクリップリンクに設置された前記磁性体と前記電磁石との間に力が働かない第1の状態に制御して、前記第2の検出部が前記クリップリンクの通過を検出した場合に、前記電磁石の励磁状態を、前記電磁石の近傍のクリップリンクに設置された前記磁性体が前記電磁石に吸引される第2の状態に制御する、
請求項7に記載の同時2軸延伸装置。 - 前記第1の検出部および前記第2の検出部は、光電センサまたは近接センサである、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の同時2軸延伸装置。
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