JP2022041041A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用感やフィット感が良好で、吸収性能に優れた吸収性物品の提供。【解決手段】トップシート10と吸収体20とバックシート30とを備え、吸収体20は、複数の起毛繊維11xが立設された起毛面11a及び非起毛面11bを有する基体不織布11と、起毛繊維11x間に固着担持された高吸収性ポリマー12と、これを覆う親水性シート13とを備える高吸収性シート16を有し、高吸収性シート16は、幅方向途中部で長手方向に沿ってかつ基体不織布11の非起毛面11bを内側にして折り曲げられた、第1シート部A、第2シート部B、第3シート部C及び第4シート部Dを含む3層疑似積層構造を有し、第1シート部A、第2シート部B、及び第4シート部Dの各SAP固着担持領域が厚み方向に部分的に重なり合い、高吸収性シート16の幅方向両端16a、16b付近を固定する第1接着部14及び第2接着部15をさらに備える吸収性物品50。【選択図】図3

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
吸収性物品は、一般に、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置された吸収体と、を備え、トップシートを透過した尿等の体液を、吸収体で吸収及び保持するものである。吸収性物品には、成人用又は幼児用を問わず、テープタイプの紙おむつ、パンツタイプの紙おむつ、尿取りパッド、軽失禁パッド等、用途に応じて様々な種類が存在する。
従来から、吸収体としては、フラッフパルプと高吸収性ポリマー(Super Absorbent Polymer、以下「SAP」ともいう)とを組み合わせたフラッフパルプ吸収体が一般的に使用されている。しかしながら、吸収性物品の着用感、外観、肌触り等の一層の向上や、尿等の体液の逆戻りのさらなる低減等を目的として、2枚の不織布と、これらの間に配置され、ホットメルト接着剤により固定されたSAP粒子と、を含む高吸収性シート(以下「SAPシート」ともいう)を吸収体として用いた吸収性物品が種々提案されている。
特許文献1には、対向配置され、それぞれの対向面が接着剤塗布面である第1、第2不織布と、第1、第2不織布の各接着剤塗布面の間に長手方向に延びてストライプ状に配置された複数のSAP層と、を備え、第2不織布の接着剤塗布面におけるSAP層との対面領域では接着剤が間欠的に塗布され、かつSAP層の幅方向両側でSAP層を介さずに直接対向する第1、第2不織布の各接着剤塗布面には接着剤が長手方向に連続的に塗布されたSAPシートが開示されている。
特許文献2には、トップシートとバックシートとの間で幅方向の一方及び他方に配設された第1、第2吸収体を備え、第1、第2吸収体は、それぞれ、2枚の不織布と、その間に配置されたSAP粒子と含むSAPシートであり、かつ長手方向に延びて幅方向に対向する第1、第2の折り目で折り返された積層構造を有する、吸収性物品が開示されている。さらに、特許文献2には、2枚の不織布とその間に配置されたSAP粒子とを含む第3吸収体を更に備え、第3吸収体が第1、第2吸収体の着用者肌側に配置された吸収性物品が開示されている。
特開2006-158676号公報 特開2013-42882号公報(請求項1、請求項5)
特許文献1、2やその他多くの吸収性物品で用いられるSAPシートは、厚み方向の圧縮性に乏しいことから、着用者がSAP粒子やホットメルト接着剤の硬化体のゴツゴツした硬い感触を肌で感じ易く、着用感、フィット感が大きく低下し、着用時の違和感が大きくなる。また、多くのSAPシートは、不織布にホットメルト接着剤でSAP粒子を固定することにより、その表面にSAP粒子が高密度で存在し、結果としてSAP粒子が体液を吸収して膨張するための空間が少なくなる。このため、従来のSAPシートは、体液の拡散性や吸収速度(特に繰り返し吸収した後の吸収速度)ひいては吸収性の点で、十分満足できるものではない。
本発明の目的は、高吸収性シートを備え、着用感やフィット感が良好で、体液の拡散性、及び吸収速度に優れた吸収性物品を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、所定の構造を有するSAPシートを幅方向に折り曲げて、従来にはない3層疑似積層構造とした吸収体を用いることで、目的に叶う吸収性物品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は下記吸収性物品に係る。
(1)液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置された吸収体と、を備える吸収性物品であって、
前記吸収体は、
複数の起毛繊維が立設された起毛面、及び非起毛面を有する基体不織布と、
前記基体不織布の前記起毛面の前記起毛繊維間に固着担持された高吸収性ポリマーと、
前記基体不織布の前記高吸収性ポリマーが固着担持された前記起毛面を覆う親水性シートと、を備える高吸収性シートを有し、
前記高吸収性シートは、
幅方向途中部で長手方向に沿ってかつ前記基体不織布の前記非起毛面を内側にして折り曲げられた第1から第4の4つのシート部を含む積層構造を有し、
前記第1シート部は、着用者の最も肌側に位置し、幅方向一端が前記高吸収性シートの幅方向一端であり、
前記第2シート部は、前記着用者の最も非肌側に位置して前記第1シート部と厚み方向に対向し、幅方向一端及び他端がそれぞれ前記第4シート部及び前記第3シート部に繋がり、
前記第3シート部は、前記第2シート部の幅方向他端から厚み方向に立ち上がって前記第1シート部の幅方向他端に繋がり、
前記第4シート部は、前記第1シート部と前記第2シート部との厚み方向の間に位置し、幅方向他端が前記高吸収性シートの幅方向他端であり、
前記第1シート部の前記高吸収性ポリマーの前記固着担持領域と、前記第2シート部の前記高吸収性ポリマーの前記固着担持領域と、前記第4シート部の前記高吸収性ポリマーの前記固着担持領域とが、厚み方向に重なり合う重なり領域と、
前記第1シート部と前記第4シート部とを、前記高吸収性シートの幅方向一端付近で固定する第1接着部と、
前記第2シート部と前記第4シート部とを、前記高吸収性シートの幅方向他端付近で固定する第2接着部と、をさらに備えることを特徴とする吸収性物品。
(2)前記重なり領域の幅方向寸法は、前記第2シートの幅方向寸法の10%以上95%以下である、上記(1)の吸収性物品。
(3)前記親水性シートの坪量が15g/m以上80g/m以下である、上記(1)又は(2)の吸収性物品。
(4)前記親水性シートの曲げこわさが0.015gf・cm/cm以上0.080gf・cm/cm以下である、上記(1)~(3)のいずれかの吸収性物品。
(5)前記基体不織布の坪量が20g/m以上80g/m以下である、上記(1)~(4)のいずれかの吸収性物品。
(6)前記基体不織布がエアスルー不織布であり、前記エアスルー不織布を構成する繊維の太さが1.6dtex以上14dtex以下である、上記(1)~(5)のいずれかの吸収性物品。
(7)前記高吸収性シートにおける前記高吸収性ポリマーの坪量が100g/m以上600g/m以下である、上記(1)~(6)のいずれかの吸収性物品。
本発明によれば、高吸収性シートを備え、着用感やフィット感が良好で、体液の拡散性、及び吸収速度に優れた吸収性物品が提供される。
第1実施形態に係る吸収性物品の構成を示す模式平面図である。 図1に示すX-X切断線における幅方向の模式断面図である。 図1に示す吸収性物品中、吸収体の構成を示す模式断面図である。 別の実施形態の吸収体の構成を示す模式断面図である。 吸収体中、基体不織布の構成を示す模式斜視図である。 吸収体中、高吸収性シートの構成を示す模式断面図である。
本明細書において、吸収性物品の着用とは、体液の吸収前後を問わず、吸収性物品を身体に装着した状態をいう。吸収性物品において、長手方向とは吸収性物品を身体に着用したときに着用者の股間部を介して身体の前後に亘る、図中Yで示す方向であり、幅方向とは長手方向に対して直交する、図中Xで示す方向であり、厚み方向とは各構成部材を積層する、図中Zで示す方向である。肌側面とは、吸収性物品を着用したときに、着用者の肌に当接する表面及び肌を臨む表面であり、非肌側面とは、着用者の衣服に接触する表面又は衣服を臨む表面である。体液とは、尿や血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。
<吸収性物品>
以下、図面を参照しつつ、第1実施形態に係る吸収性物品50について説明する。図1及び図2は、吸収性物品50を示す。図3及び図4は、それぞれ吸収体20、20Aを示す。図5は基体不織布11を示す。図6は、高吸収性シート16を示す。これらの図面は吸収性物品50中の各構成部材の形状や寸法、大小関係等を規定するものではない。
本実施形態の吸収性物品50は、ベビー用及び成人用の種々の吸収性物品として使用でき、例えば、軽失禁パッド、尿吸収パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつ等が挙げられる。アウターとしての各種紙おむつと、インナーとしての吸収性物品50とを組み合わせてもよい。吸収性物品50の、長手方向の寸法、及び幅方向の寸法はいずれも特に限定されないが、例えば、100mm以上800mm以下の範囲、及び50mm以上500mm以下の範囲である。吸収性物品50の寸法を前記の範囲に調整すると、種々の形態の吸収性物品が容易に得られる。
図1及び図2に示す吸収性物品50は、肌側に位置する、液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向配置され、非肌側に位置する液不透過性のバックシート30と、トップシート10とバックシート30との間に配置された吸収体20と、トップシート10の肌側表面に設けられた一対の立体ギャザー40と、を備える。
本実施形態によれば、第1に、複数の起毛繊維11xが立設された起毛面11aを有する基体不織布11と、起毛繊維11x間に高吸収性ポリマー12を固着担持したSAP固着担持層17と、SAP固着担持層17を覆う親水性シート13とを備え、フラッフパルプを含有しない高吸収性シート16を折り曲げて、所定の3層疑似積層構造とすることで、3層分に相当する量の、体液拡散性及びクッション性に優れた基体不織布11と、体液拡散性に優れた親水性シート13とが体液を拡散させ、ゲルブロッキングを抑制するため、体液を複数回吸収した後でも、体液の吸収速度が体液を初めて吸収したときと同程度の高水準に維持される。
第2に、高吸収性シート16を所定の3層疑似積層構造とした上で、高吸収性シート16の幅方向両端16a、16b付近に第1接着部14及び第2接着部15を設けることで、SAP固着担持層17が封止され、SAP固着担持層17中の高吸収性ポリマー12の脱落が防止される。その結果、SAP固着担持層17中の高吸収性ポリマー12の固着担持に必要なホットメルト接着剤の量が低減され、より柔らかい吸収体20となる。
第3に、一枚の高吸収性シート16を折り曲げた3層疑似積層構造は、高吸収性シート16の製造設備1台で製造でき、操業スピード等の操業性が良好である。これに対し、オンラインでSAPシート3層を積層するには、層毎に別々の設備を要し、コスト的にも設置場所的にも操業スピード等の操業性にも課題が多い。
以下、シート状又は板状の各構成部材について、トップシート10、吸収体20、バックシート30及び立体ギャザー40の順でさらに詳しく説明する。これらの構成部材は、シート状及び板状以外の立体形状を有していてもよい。
<トップシート>
トップシート10は、吸収体20に向けて体液を速やかに通過させる液透過性のシート状部材であり、吸収体20を挟んで、バックシート30に対向して配置される。トップシート10は、着用者の肌に当接する場合あることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えない基材が好ましい。該基材としては、例えば、親水性シート、同種又は異種の親水性シートの積層体である複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム等が挙げられる。親水性シートとしては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂からなる合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維等を用いて作製された、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布等が挙げられる。
トップシート10には、液透過性を向上させる観点から、公知の方法に従ってエンボス加工や穿孔加工を表面に施してもよい。トップシート10には、肌への刺激を低減させる観点から、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等の1種又は2種以上を含有させてもよい。トップシート10の坪量は、強度、加工性及び液戻り量の観点から、例えば、15g/m以上40g/m以下の範囲である。トップシート10の形状は特に制限されず、漏れがないように体液を吸収体20へと誘導するために必要とされる、吸収体20の一部又は全部を覆う形状であればよい。
<吸収体の第1実施形態>
吸収体20はトップシート10とバックシート30との間に挟まれ、例えば、トップシート10を透過してきた尿等の体液を吸収及び保持する。吸収体20は、図3、図4等に示すように、フラッフパルプ等の吸収性繊維を含有しない、高吸収性シート(以下「SAPシート」ともいう)16を用いて構成される。
高吸収性シート16は、図6等に示すように、複数の起毛繊維11xが立設された起毛面11a、及び起毛繊維11xが立設されない非起毛面11bを有する基体不織布11と、基体不織布11の起毛面11aの起毛繊維11x間に固着担持され、SAP固着担持層(以下「SAP層」ともいう)17を形成する高吸収性ポリマー12と、基体不織布11及びSAP層17を覆う親水性シート13と、を含む。
吸収体20において、高吸収性シート16は、図3等に示すように、幅方向の3つの途中部で長手方向に沿ってかつ基体不織布11の非起毛面11bを内側にして折り曲げられ、第1シート部A、第2シート部B、第3シート部C、及び第4シート部Dという4つのシート部を含む3層疑似積層構造に構成されている。高吸収性シート16の折り目になる幅方向の3つの途中部は、幅方向に互いに離隔する位置にある。本実施形態では、第1シート部A、第3シート部C、第2シート部B、及び第4シート部Dの順で幅方向に繋がって、一つの高吸収性シート16になる。
第1シート部Aは、着用者の最も肌側に位置し、幅方向一端が高吸収性シート16の幅方向一端16aであり、幅方向他端が第3シート部Cに繋がる。第2シート部Bは、着用者の最も非肌側に位置して第1シート部Aと吸収体20の厚み方向に対向し、幅方向一端及び他端がそれぞれ第4シート部D及び第3シート部Cに繋がる。第3シート部Cは、第2シート部Bの幅方向他端から吸収体20の厚み方向に立ち上がり、第1シート部Aの幅方向他端に繋がる。第3シート部Cを前述の構成とすることで、折り曲げという方法による3層疑似積層構造が実現される。第4シート部Dは、第1シート部Aと第2シート部Bとの厚み方向の間に位置し、幅方向他端が高吸収性シート16の幅方向他端16bである。こうして、第1シートA、第4シートD、及び第2シートBが、厚み方向にこの順に積層された、3層疑似積層構造が得られる。なお、図3において、幅方向一端及び他端とは、それぞれ、紙面に対して左側及び右側の端部である。
また、第1シート部A、第2シート部B、第3シート部C、及び第4シート部Dの各幅方向寸法は、親水性シート13の幅と吸収体20の折り幅等に応じて適宜選択できる。ここで、各シート部の幅方向寸法を、各シート部のSAPの固着担持領域(SAP層17の一部)の幅方向寸法に置き換えてもよい。本実施形態では、第1シート部A、第2シート部B、第4シート部Dは、次の関係を有する。
本実施形態の3層疑似積層構造において、第1シート部A中のSAPの固着担持領域(SAPシート16の幅方向一端16a付近のSAP層17の一部)と、第2シート部B中のSAPの固着担持領域(SAPシート16の幅方向途中部付近のSAP層17の一部)と、第4シート部DのSAPの固着担持領域(SAPシート16の幅方向他端16b付近のSAP層17の一部)とが、厚み方向に重なり合う、重なり領域が存在する(図3)。該重なり領域の幅方向寸法(最大幅)Xは、第2シート部B(又は第2シート部B中のSAPの固着担持領域)の幅方向寸法Yの10%以上95%以下の範囲又は50%以上95%以下の範囲である。以下、幅方向寸法Xと幅方向寸法Yとの比(X/Y)を重なり比ともいう。重なり比が10%未満では、吸収体20中央部のSAP量が少なく吸収量が低下する傾向があり、95%を超えると、吸収体20のSAPシート16の幅方向の端を固着するスペースが不足しSAPが脱落する傾向がある。ここで、幅方向寸法Xは、3層疑似積層構造を上面から透視し、SAPシート16の一端16a及び他端16bを同一平面(仮想面)上に置いたときの、一端16aから他端16bまでの幅方向寸法である。幅方向寸法Yは、第2シート部Bの幅方向寸法であり、より厳密には第4シート部Dとの折り目から第3シート部Bとの折り目までの幅方向寸法である。
本実施形態の3層疑似積層構造を有する吸収体20は、図3に示すように、主にホットメルト接着剤からなる第1接着部14及び第2接着部15を有する。
第1接着部14は、第1シート部Aの非肌側面と第4シート部Dの肌側面とを、高吸収性シート16の幅方向一端16a付近で固定する。好ましい実施形態では、第1接着部14は、第1シート部Aの親水性シート13の非肌側面と、第4シート部Dの親水性シート13の肌側面とを、SAP層17を塞ぐように、高吸収性シート16の幅方向一端16a付近で固定する。
第2接着部15は、第2シート部Bの肌側面と第4シート部Dの非肌側面とを、高吸収性シート16の幅方向他端16b付近で固定する。好ましい実施形態では、第2接着部15は、第2シート部Bの基体不織布11の非肌側面と、第4シート部Dの親水性シート13の非肌側面とを、SAP層17を塞ぐように、高吸収性シート16の幅方向他端16b付近で固定する。
すなわち、第4シート部Dの幅方向両端に対し、一端では第1シート部Aを固定し、他端では第2シート部Bを固定するように第1接着部14及び第2接着部15という接着構造を設けている。3層疑似積層構造にこの接着構造を設けることで、上述の効果が得られるとともに、3層疑似積層構造の構造強度が向上し、体液を保持する能力が一層向上する。また、3層疑似積層構造であることから、SAP層17内で高吸収性ポリマー12が一か所に偏在することが少なく、全体にほぼ均一に分散してゲルブロッキングを起こしにくい状態を保ちやすい。
第1接着部14及び第2接着部15に用いられるホットメルト接着剤としては、融点が100℃以上180℃以下のものを特に限定なく使用でき、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレン系共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン系共重合体等の合成ゴム系ホットメルト接着剤、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系ホットメルト接着剤等が挙げられる。第1接着部14及び第2接着部15は、ホットメルト接着剤を用い、ノズルから溶融状態のホットメルト接着剤を非接触式で塗布するカーテンコート法やスパイラル法、接触式で塗布するスロット法等の、公知の方法を利用して形成できる。
<吸収体の第2実施形態>
吸収体20Aは、吸収体20の変形例の一つであり、吸収体20の作製に用いた高吸収性シート16よりも幅長の高吸収性シート16を用い、折り目の数を3から4に変更し、第3シート部Cが第2シート部Bとの折り目から斜め方向に立ち上がる以外は、吸収体20と同じ構成を有している。
吸収体20Aでは、第1シート部Aと第3シート部Cとの間の、及び第2シート部Bと第3シート部Cとの間の各折り曲げ角度を適宜選択すると、吸収体20Aの内部を長手方向に延びる空間(図4)が形成されやすくなる。この空間はスリット様の機能を有し、吸収体20Aの長手方向への体液の拡散を促進し、また、一時的な体液貯留空間になって体液戻りを抑制する。
吸収体20Aでも、第1シート部AのSAP固着担持領域と、第2シート部BのSAP固着担持領域と、第4シート部DのSAP固着担持領域とが、厚み方向に部分的に重なり合う、重なり領域が存在する。このとき、重なり領域の幅方向寸法Xの、第2シート部Bの幅方向寸法Yに対する重なり比(X/Y)は、吸収体20と同様に、10%以上95%以下の範囲又は50%以上95%以下の範囲である。また、重なり領域の幅方向寸法X及び第2シート部Bの幅方向寸法Yは、前述したとおりである。
吸収体20及び吸収体20Aを構成する高吸収性シート16(図3、図4、図6)について、基体不織布11、高吸収性ポリマー12、親水性シート13の順で説明する。
(基体不織布)
図5に示すように、基体不織布11の片側表面11aには、基体不織布11を構成する繊維が起毛した起毛繊維11xが複数立設されている。そのため、不織布本来の嵩高さに加えて、高吸収性シート16に適度な厚みとやわらかさが付与され、良好なむクッション性が発生し、着用時のフィット感が向上する。また、基体不織布11を起毛させると、起毛繊維11x間に高吸収性ポリマー12を分散させて固着担持させることができる。基体不織布11の片側表面11aを起毛させる方法としては、回転ノコ刃、ニードルパンチ等を用いる方法が挙げられ、インラインでの生産性やコストの観点から回転ノコ刃を用いる方法が好ましい。
基体不織布11における起毛の程度は特に限定されず、目視で起毛を確認できればよいが、例えば、起毛の程度としての起毛率が5%以上90%以下の範囲、又は8%以上80%以下の範囲である。起毛率とは、起毛加工による基体不織布11の厚さの増加率を意味する。起毛前の基体不織布11の厚さをT1、起毛後の基体不織布11の厚さをT2としたとき、起毛率(%)=[(T2―T1)/T1]×100である。厚さT1、T2は、ハイトゲージ((株)ミツトヨ製)を用いて無荷重下で測定される。また、基体不織布11の非起毛面11bでも、繊維を起毛させてもよい。
基体不織布11を構成する基材としては、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等の不織布や、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布積層体、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布積層体等の複合不織布等が挙げられる。これらの不織布の中でも、嵩を高くする観点等から、エアスルー不織布が好ましい。
基体不織布11の厚さは特に限定されないが、着用感及び吸収性能のバランスの観点から、0.3mm以上11.0mm以下の範囲、0.5mm以上5.0mm以下の範囲又は0.5mm以上2.0mm以下の範囲である。また、基体不織布11の坪量は特に限定されないが、例えば、20g/m以上200g/m以下の範囲、20g/m以上160g/m以下の範囲、又は20g/m以上80g/m以下の範囲である。
基体不織布11としてエアスルー不織布を用いる場合、エアスルー不織布の坪量が15g/m以上80g/m以下の範囲であり、エアスルー不織布を構成する繊維の太さが1.6dtex以上14dtex以下の範囲、1.8dtex以上9.0dtex以下の範囲又は2.0dtex以上6.0dtex以下の範囲である。エアスルー不織布を構成する繊維の太さを上述の範囲に調整することにより、エアスルー不織布の起毛繊維11x間に高吸収性ポリマー12を分散させて固着担持させやすくなり、起毛面11aにおける高吸収性ポリマー12の均一分散性が向上する。
(高吸収性ポリマー)
高吸収性ポリマー12としては、尿を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸塩、ポリアスパラギン酸塩、(デンプン・アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸・ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン・無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等が挙げられる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸塩が好ましく、ポリアクリル酸ナトリウムがより好ましい。高吸収性シート16のSAP層17における高吸収性ポリマー12の坪量は、例えば、100g/m以上600g/m以下の範囲である。
粉体としての流動性が悪い微粉末の高吸収性ポリマー12の使用を避けると、吸収速度や吸収量等の吸収性能を高め、ごつごつとした触感の発生を低減できる。したがって、中位粒子径を有する粒子状の高吸収性ポリマー12が好ましい。中位粒子径は、例えば、50μm以上600μm以下の範囲又は100μm以上500μm以下の範囲である。
好ましい実施形態では、高吸収性ポリマー12は、ホットメルト接着剤により、起毛繊維11x間に固着担持される。ホットメルト接着剤は、基体不織布11の坪量が比較的低いとき等に、高吸収性ポリマー12の固着担持を補強する。ホットメルト接着剤の含有量は、高吸収性ポリマー12の吸収性及び着用時の肌触りを損なわない観点から、例えば10g/m以下の範囲である。ホットメルト接着剤としては、第1の接着剤層14及び第2の接着剤層15と同じものを使用でき、塗布方法も前述の塗布方法を利用できる。
(親水性シート)
基体不織布11のSAP層17を覆う親水性シート13は、例えば、SAP層17全体に体液を拡散させる。親水性シート13は、ホットメルト接着剤や熱エンボス加工等により、SAP層17の表面に固定される。好ましい実施形態では、親水性シート13は、高吸収性シート16の強度と、クッション性や柔らかさ等とをバランスよく両立させる観点から、曲げこわさが0.015gf・cm/cm以上0.080gf・cm/cm以下の範囲である。曲げこわさが0.015gf・cm/cm未満では、親水性シート13が柔らかすぎて操業性が悪くなる傾向があり、また、吸収体20も柔らかいため、着用時によれて漏れが生じやすくなる傾向がある。曲げこわさが0.080gf・cm/cmを超えると、吸収体20が固くなり着用時の柔らかさやフィット感が低下する傾向がある。曲げこわさの測定方法は後述する。
親水性シート13としては、この分野で常用されるものをいずれも使用でき、例えば、ティシュペーパー、吸収紙、親水性不織布等が挙げられる。親水性不織布としては、例えば、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布パルプ含有不織布等が挙げられる。これらの中でも、入手性やコスト等の観点から、ティシュペーパー、親水性不織布等が好ましく、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、パルプ含有不織布等の親水性不織布がより好ましく、エアスルー不織布、パルプ含有不織布等がさらに好ましい。
ここで、パルプ含有不織布とは、スパンボンド不織布と、スパンボンド不織布の少なくとも一方の表面にパルプ繊維ウェブを一体化した不織布である(例えば、米国特許第5284703号明細書)。パルプ含有不織布は、例えば、スパンボンド不織布に水流交絡法によりパルプ繊維を高圧水流下に打ち付けることにより製造される。この方法で得られたパルプ含有不織布は、スパンボンド不織布の繊維と、パルプ繊維ウェブのバルブパルプ繊維とが絡み合い、かつパルプ繊維の一部がスパンボンド不織布を厚み方向に貫通することで、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブとを強固に一体化したものである。
親水性シート13の坪量は、例えば15g/m以上80g/m以下の範囲である。本実施形態の3層積層体の中では、複数層の親水性シート13が厚み方向に重ね合わされるが、親水性シート13の坪量を前述の範囲から選択すると、吸収体20や吸収体20A全体としての体液拡散性が高水準に維持される。また、親水性シート13の坪量を前述の範囲にすると、その厚みを薄くすることが可能になり、吸収体20や吸収体20Aが必要以上に嵩高になることが防止される。その結果、吸収性物品50の良好な着用感が維持される。
(吸収体の寸法、形状)
吸収体20、20Aは、長さが例えば100mm以上800mm以下の範囲、150mm以上500mm以下の範囲、又は270mm以上500mm以下の範囲であり、幅が例えば50mm以上500mm以下の範囲、60mm以上400mm以下の範囲、又は90mm以上190mm以下の範囲である。また、吸収体20、20Aの平面視形状が砂時計型である場合は、長さが180mm以上480mm以下の範囲、着用者の腹部及び背部にそれぞれ当接する腹側部及び背側部の幅がともに60mm以上160mm以下の範囲であり、着用者の股下部に当接する股部の幅が50mm以上140mm以下の範囲である。また、吸収体20、20Aの全面又は一部にエンボス加工を施してもよい。吸収体20、20Aの平面視形状としては、例えば、砂時計型、Iの字状、長方形、4角が丸まった角丸四角形、長円等が挙げられる。
また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体20、20Aの形状のさらなる安定化を図るために、吸収体20、20Aをキャリアシートで包んでもよい。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュー、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布等が挙げられる。キャリアシートを複数備える場合は、複数のキャリアシートの基材は同一でも異なるものでもよい。
<吸収体の製造方法>
吸収体20や吸収体20Aの製造方法としては、特に制限はないが、以下の方法が一例として挙げられる。基体不織布11の片側表面を回転ノコ刃又はニードルパンチを用いて、起毛させる。その後、高吸収性ポリマー12をホットメルト接着剤等により、基体不織布11の起毛面11aの起毛繊維11x間に固着担持させ、SAP層を形成する。その後、基体不織布11のSAP層17と親水性シート13とをホットメルト接着剤等で接着し、高吸収性シート16を作成する。この高吸収性シート16を、幅方向の所定の途中部で所定の折り曲げ角度で折り曲げると、吸収体20や吸収体20Aが得られる。吸収体20や吸収体20Aでは、各折り曲げ部分の折り目は、滑らかな弧を描くように構成しているが、角張るように構成してもよい。
<バックシート>
バックシート30には、吸収体20が保持する体液が衣類を濡らさないような液不透過性を有する基材を用いる。該基材としては、例えば、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体である複合シート等が挙げられる。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布の積層体である複合不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布の積層体である複合不織布、これらの2種以上の積層体である複合材料等が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン等のフィルム、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合フィルム等が挙げられる。
バックシート30の坪量は、例えば強度及び加工性の点から、15g/m以上40g/m以下の範囲である。また、着用時の蒸れを防止する観点から、通気性を有するバックシート30が好ましい。バックシート30に通気性を付与するには、例えば、樹脂フィルムにフィラーを配合する方法、バックシート30に穿孔のためにエンボス加工を施す方法等を利用できる。ここで、フィラーとしては炭酸カルシウムが挙げられ、フィラーを公知の方法に従って配合できる。
<立体ギャザー>
立体ギャザー40は、例えば、使用者の***した体液の横漏れを防止するために、トップシート10の肌側面の両端付近に長手方向に沿って設けられる。本実施形態の立体ギャザー40は、幅方向一端がバックシート30の肌側面の両端付近に固定され、幅方向途中部がトップシート10の肌側面の両端付近に固定され、幅方向他端はトップシート10に固定されない自由端40aである。自由端40a付近には弾性伸縮部材(不図示)が長手方向に沿って配設され、自由端40aに起立性を付与し、着用者の体型に合わせて変形可能にする。
立体ギャザー40の幅方向一端の固定位置は、本実施形態に限定されず、例えば、バックシート30の非肌側面の幅方向両端付近、トップシート10とバックシート30との各縁辺を部分的又は全体的に接合し、内部に吸収体20を収納した袋体の幅方向両端付近、トップシート10の肌側面の幅方向両端付近等が挙げられる。なお、吸収性物品50は、立体ギャザー40を含まない実施形態をも包含する。
立体ギャザー40を構成するシート基材としては、疎水性繊維にて形成された撥水性及び/又は液不透過性の不織布を特に限定なく使用でき、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布の積層体である複合不織布等が挙げられる。弾性伸縮部材としては、この分野での常用品を特に限定なく使用でき、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状又は帯状の天然ゴム等が挙げられる。立体ギャザー40を構成する不織布の坪量は、例えば、13g/m以上20g/m以下の範囲である。
<トランスファシート>
吸収性物品50は、トランスファシート(不図示)を備えていてもよい。トランスファシーは、例えば、トップシート10と吸収体20(又は吸収体20A)との間に配置される。トランスファシートとしては透液性を有する基材であれば特に限定されないが、例えば、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド不織布/スパンボンド不織布積層体等の同種又は異種の不織布を積層した複合不織布、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等からなる発泡フィルム、これらの2種以上の積層体である複合シート等が挙げられる。これらの中でも、体液の立体ギャザー40への移行を防止する観点から、エアスルー不織布が好ましい。トランスファシートの坪量は例えば20g/m以上の範囲又は20g/m以上60g/m以下の範囲である。
<吸収性物品の製造方法>
吸収性物品50は、公知の製造方法により製造できるが、例えば、吸収体20又は吸収体20Aをトップシート10とバックシート30との間に配置する工程と、トップシート10とバックシート30とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定する工程と、バックシート30及びトップシート10の所定位置に立体ギャザー40を設置する工程と、を含む製造方法が挙げられる。そして、吸収性物品50が尿取りパッドや軽失禁パッドである場合は、これを包装体に個別包装した後、長手方向に3つ折りにして折りたためばよい。また、吸収性物品50の用途や形態に応じて、レッグギャザー、ウエストギャザー、サイドフラップ等が適宜設けられる。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本実施形態の一例をより具体的に説明する。
(実施例1~4、比較例1、2)
まず、基体不織布として表1に示す各物性、寸法を有したエアスルー不織布を用意し、基体不織布の片側表面を回転ノコ刃で物理的に起毛させて、高吸収性ポリマーを分散させ(坪量240g/m)、ホットメルト接着剤(10g/m)により、基体不織布の起毛した部分の繊維間に固着担持させた。さらに、親水性シートとして表1に示す各物性、寸法を有したエアスルー不織布(曲げこわさgf・cm/cm、実施例1:0.019、実施例2:0.031、比較例1:0.012、比較例2:0.085)を用意し、基体不織布の起毛面側と、ホットメルト接着剤を塗布した親水性シートとを接着し、高吸収性シートを得た。次に、基体不織布の非起毛面が内側を向くようにして高吸収性シートを図3に示す3層疑似積層構造に折り曲げ、高吸水性シートの幅方向両端付近で各シート部をホットメルト接着剤で固定した。こうして実施例1~4、比較例1、2の吸収体を作製した。
次に、トップシートとしてエアスルー不織布(坪量25g/m)を用い、トランスファシートとしてエアスルー不織布(坪量30g/m)を用い、実施例1~4、比較例1、2の吸収体を第1シート部がトップシート側に位置するように用い、液不透過性のバックシートとして通気性ポリエチレンシート(坪量30g/m)を用い、立体ギャザーとしてスパンボンド不織布/メルトブローン不織布/スパンボンド不織布の積層体である複合不織布(坪量15g/m)を用いて、実施例1~4、比較例1、2の吸収性物品を作製した。
(比較例3)
基体不織布として表1に示す各物性、寸法を有したエアスルー不織布を用意し、基体不織布の片側表面を回転ノコ刃で物理的に起毛させて、高吸収性ポリマーを分散させ(坪量360g/m)、ホットメルト接着剤により、基体不織布の起毛した部分の繊維間に固着担持させた。さらに、親水性シートとして表1に示す各物性、寸法を有したエアスルー不織布を用意し、基体不織布の起毛面側と、ホットメルト接着剤を塗布した親水性シートとを接着し、高吸収性シートを得た。次に、基体不織布の起毛面が外側を向くように高吸収性シートを配し、中央部60mmを残し、左右を中央に向けてC折りし、中央部で重なる親水性シート同士をホットメルト接着剤で固定し、SAP層が厚み方向に重なり合わない吸収体を用いる以外は、実施例1と同様にして比較例3の吸収性物品を作製した。
(比較例4)
エアスルー不織布(坪量20g/m)/高吸収性ポリマー(坪量240g/m)/エアスルー不織布(坪量20g/m)を積層して得られた高吸収性シート(幅方向の寸法はすべて60mm)を3層重ねて吸収体として用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を作製した。なお、比較例4で用いたエアスルー不織布については、実施例1で用いた基体不織布のような起毛処理は行わなかった。
[測定項目]
実施例1~4及び比較例1~4で得られた吸収性物品を用いて吸収速度を測定し、その結果を表1に示した。
(吸収速度)
実施例1~4及び比較例1~4の各吸収性物品に、46g/cm2の加圧下で、内径30mmの筒から0.9質量%の生理食塩水(37℃)40mlを注水し、生理食塩水が吸収体表面へ吸収されるまでの時間(秒)を吸収速度1回目として計測する。3分経過後、0.9質量%の生理食塩水(37℃)40mlを再度注水し、生理食塩水が吸収体表面へ吸収されるまでの時間(秒)を吸収速度2回目として計測する。数値が小さいほど、吸収性に優れることを意味する。
さらに、実施例1~4及び比較例1~4の各吸収性物品について、操業性評価、及び官能評価を実施し、以下の評価基準で評価した。結果を表1に示した。
(操業性)
〇:操業のスピードを低下させることなく、通常の生産が可能であった。
△:操業のスピードは通常に比べて、1%以上10%以下低下した。
×:操業スピードは通常に比べて、10%を超えて低下した。
(官能評価)
8人のパネラーに実施例1~4及び比較例1~4の各吸収性物品を着用してもらい、着用感(フィット感、やわらかさ)と吸収性(吸収性物品外への漏れの有無)について、「良い」又は「悪い」の2択で官能評価を行った。着用者は8時間使用し、日常動作における評価を行い、その結果を表1に示した。
〇:「良い」を選んだ着用者が6人以上8人以下のとき
△:「良い」を選んだ着用者が3人以上5人以下のとき
×:「良い」を選んだ着用者が1人若しくは2人のとき、又は「良い」を選んだ着用者が1人もいないとき
なお、各シートの曲げこわさ(曲げ剛性)は、以下の方法で測定したものである。
(曲げこわさ)
曲げこわさ(曲げ剛性)は、曲げ試験機(商品名:KES-FB2、カトーテック(株)製)の固定チャックと移動チャックに試料(100mm×100mm)を差し込んでセットして測定した。移動チャックが正側の最大曲率+2.5cm-1まで移動し反転して曲率0を通過し、その後、負の最大曲率-2.5cm-1まで移動し反転して曲率0で測定が終了し、このようにして1サイクルの曲率に対する曲げモーメントの往復曲線が得られる。曲げモーメントの往復曲線において、曲率0.5cm-1と1.5cm-1の間の傾きと曲率-0.5cm-1と-1.5cm-1の間の傾きの平均値を曲げこわさとした。
Figure 2022041041000002
表1から、本実施形態によれば、吸収速度や吸収量等の吸収性能を高水準に維持したまま、柔らかさやフィット感に非常に優れ、着用感の良好で、生産性の高い吸収性物品が得られることがわかる。
10 トップシート
11 基体不織布
11a 起毛面
11b 非起毛面
11x 起毛繊維
12 高吸収性ポリマー
13 親水性シート
14 第1接着剤層
15 第2接着剤層
16 高吸収性シート
17 SAP層(SAP固着担持層)
20、20A 吸収体
30 バックシート
40 立体ギャザー
40a 自由端
50 吸収性物品
A 第1シート部
B 第2シート部
C 第3シート部
D 第4シート部

Claims (7)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置された吸収体と、を備える吸収性物品であって、
    前記吸収体は、
    複数の起毛繊維が立設された起毛面、及び非起毛面を有する基体不織布と、
    前記基体不織布の前記起毛面の前記起毛繊維間に固着担持された高吸収性ポリマーと、
    前記基体不織布の前記高吸収性ポリマーが固着担持された前記起毛面を覆う親水性シートと、を備える高吸収性シートを有し、
    前記高吸収性シートは、
    幅方向途中部で長手方向に沿ってかつ前記基体不織布の前記非起毛面を内側にして折り曲げられた第1から第4の4つのシート部を含む積層構造を有し、
    前記第1シート部は、着用者の最も肌側に位置し、幅方向一端が前記高吸収性シートの幅方向一端であり、
    前記第2シート部は、前記着用者の最も非肌側に位置して前記第1シート部と厚み方向に対向し、幅方向一端及び他端がそれぞれ前記第4シート部及び前記第3シート部に繋がり、
    前記第3シート部は、前記第2シート部の幅方向他端から厚み方向に立ち上がって前記第1シート部の幅方向他端に繋がり、
    前記第4シート部は、前記第1シート部と前記第2シート部との厚み方向の間に位置し、幅方向他端が前記高吸収性シートの幅方向他端であり、
    前記第1シート部の前記高吸収性ポリマーの前記固着担持領域と、前記第2シート部の前記高吸収性ポリマーの前記固着担持領域と、前記第4シート部の前記高吸収性ポリマーの前記固着担持領域とが、厚み方向に重なり合う重なり領域と、
    前記第1シート部と前記第4シート部とを、前記高吸収性シートの幅方向一端付近で固定する第1接着部と、
    前記第2シート部と前記第4シート部とを、前記高吸収性シートの幅方向他端付近で固定する第2接着部と、をさらに備えることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記重なり領域の幅方向寸法は、前記第2シートの幅方向寸法の10%以上95%以下である、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記親水性シートの坪量が15g/m以上80g/m以下である、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記親水性シートの曲げこわさが0.015gf・cm/cm以上0.080gf・cm/cm以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記基体不織布の坪量が20g/m以上80g/m以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記基体不織布がエアスルー不織布であり、前記エアスルー不織布を構成する繊維の太さが1.6dtex以上14dtex以下である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記高吸収性シートにおける前記高吸収性ポリマーの坪量が100g/m以上600g/m以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024106981A1 (ko) * 2022-11-16 2024-05-23 주식회사 엘지화학 흡수체의 제조방법

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