JP2022018941A - エレベータの軸受振動データ取得装置 - Google Patents

エレベータの軸受振動データ取得装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エレベータの軸受の振動診断のために取得した振動データが振動診断に不適性なデータであることを操作員に知らせることが可能なエレベータの軸受振動データ取得装置を提供する。【解決手段】軸受振動データ取得装置を、軸受が設けられた筐体の振動を拾う振動ピックアップから出力される振動データを取得する取得手段(ステップS4)と、取得した振動データを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された振動データが、前記軸受で支持された回転軸の等速回転中に取得されたものか否かを判断し(ステップS5~S7)、等速回転中に取得されたものでないと判断した場合(ステップS7でNO)、当該振動データは不適性データと判定する判定手段(ステップS7)と、振動データが不適性データであると判定された場合、不適性データである旨、表示する表示手段(ステップS8)と、を有する構成とした。【選択図】図3

Description

本発明は、エレベータの軸受振動データ取得装置に関し、特に、エレベータに設置された軸受の振動診断に供する振動データを取得する軸受振動データ取得装置に関する。
エレベータの保守・点検の一環として、エレベータの各所に設けられた軸受に異常がないかどうかの診断が行われる(特許文献1)。
この診断には、振動法による軸受診断(振動診断)が多く用いられている。例えば、機械室に設置された巻上機の主シーブの回転軸を支持する軸受の場合、当該軸受が取り付けられている筐体の振動データに基づいて振動診断が行われる。
振動データの取得は、軸受振動データ取得装置を用い、機械室において操作員によってなされる。操作員は、軸受振動データ取得装置の振動ピックアップを前記筐体の所定位置にセッティングし、乗りかごを昇降させた状態、すなわち、主シーブを回転させた状態で、軸受振動データ取得装置によりデータを取得する。
この場合、振動診断には、乗りかごが等速で昇降する区間、すなわち、主シーブが等速で回転する区間で取得された振動データが必要となる。軸受振動データ取得装置の操作員は、主シーブおよび主シーブの回転動力となる原動機を含む巻上機等の稼働音等から等速区間を見きわめて、振動データを取得する。取得された振動データは、例えば、保守センターで解析されて、軸受の異常の有無が判断される。振動データは、保守センターへ操作員が持ち帰るか、あるいは、電子メールに添付して送信される。
特開平9-136776号公報
しかしながら、誤って、加速区間や減速区間を含む区間で、振動データが取得されてしまう場合がある。特に、昇降行程が短いエレベータでは、等速区間が比較的短いため、加速区間や減速区間を含む区間で取得されてしまう事態が生じている。
加速区間や減速区間を含む区間で取得された不適性な振動データでなされた振動診断では正しい結果が得られない。場合によっては、操作員が、再度、現場に出向いて、振動データ取得作業のやり直しを余儀なくされる場合がある。
本発明は、上記した課題に鑑み、取得した振動データが振動診断に不適性なデータであることを操作員に知らせることが可能なエレベータの軸受振動データ取得装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るエレベータの軸受振動データ取得装置は、エレベータに設置された軸受の振動診断に供する振動データを取得するための軸受振動データ取得装置であって、前記軸受が設けられた筐体の振動を拾う振動ピックアップと、前記振動ピックアップから出力される振動データを取得する取得手段と、取得した前記振動データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記振動データが、前記軸受で支持された回転軸の等速回転中に取得されたものか否かを判断し、前記等速回転中に取得されたものでないと判断した場合、当該振動データは不適性データと判定する判定手段と、前記判定手段により、前記振動データが不適性データであると判定された場合、当該振動データは不適性データである旨、表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
また、前記判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記振動データで形成される振動波形の包絡線を演算により求める包絡線演算部と、前記包絡線演算部で求められた包絡線を1次関数に近似する近似部と、前記近似部により近似された1次関数の傾きが、実質的に水平であるか否かを判断する傾き判断部と、を有し、前記傾き判断部が、前記1次関数の傾きが実質的に水平でないと判断すると、前記記憶手段に記憶された振動データは前記等速回転中に取得されたものではないと判断することを特徴とする。
ここで、前記包絡線演算部は、前記振動波形を所定の時間間隔で区切り、当該時間間隔毎に振幅の絶対値の最大値を求め、当該最大値を順次結ぶことにより前記包絡線を求めることを特徴とする。
また、前記判定手段は、さらに、前記記憶手段に記憶された前記振動データに、前記回転軸の定常回転中には認められない、突発振動データが含まれているか否かを判断し、前記突発振動データが含まれていると判断した場合、当該振動データは不適性データと判定することを特徴とする。
ここで、前記判定手段は、前記記憶手段に記憶された前記振動データで形成される振動波形の波高率を演算により求める波高率演算部と、前記波高率演算部により演算された波高率が所定の閾値以下であるか否かを判断する波高率判断部と、を有し、前記波高率判断部が、前記波高率が前記閾値未満ではないと判断すると、前記記憶手段に記憶された振動データに前記突発振動データが含まれていると判断することを特徴とする。
さらに、操作員からの振動データ取得指示を受け付ける受付手段を有し、前記取得手段は、前記受付手段が前記振動データ取得指示を受け付けると、前記振動データの取得を開始することを特徴とする。
上記の構成からなる本発明に係るエレベータの軸受振動データ取得装置によれば、回転軸を支持する軸受が設置された筐体から取得された振動データが、前記回転軸が等速回転中に取得されたものでないと判断された場合、当該振動データは不適性データであると判定されて、その旨が表示されるため、軸受振動データ取得装置の操作員は、取得した振動データが不適性なものであると認識することができる。
振動診断の対象となる軸受が設置されたエレベータの概略構成を示す図である。 上記振動診断に供する振動データを取得するための、実施形態に係るエレベータの軸受振動データ取得装置の概略構成を示すブロック図である。 上記軸受振動データ取得装置(のCPU)で実行される振動データ取得プログラムの内容を示すフローチャートである。 (a)は、上記軸受振動データ取得装置で取得された振動データの振動波形の一例を示す図である。(b)は、(a)に前記振動波形の包絡線を記入した図である。(c)は、(a)に、前記包絡線を1次関数で近似した近似式で表されるグラフを記入した図である。 上記軸受振動データ取得装置で取得された振動データの振動波形の一例を示す図である。
以下、本発明に係るエレベータの軸受振動データ取得装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1に、実施形態に係るエレベータの軸受振動データ取得装置100(図2)によって取得される振動データに基づく振動診断の対象となる軸受が各所に設置されたエレベータ10の概略構成を示す。
エレベータ10は、昇降路12よりも上部の機械室14に設置された巻上機16を有する。巻上機16は回転軸18に軸支された主シーブ20を含む。回転軸18は、筐体22に取り付けられた転がり軸受24(以下、単に「軸受24」と言う)に支持されている。主シーブ20には主ロープ26が掛けられている。主ロープ26の一端部にはかご28が、他端部にはカウンタウエイト30が連結されている。
主ロープ26と平行して、無端状のガバナロープ32が、調速装置34のガバナシーブ36とテンションシーブ38とで張架されている。ガバナシーブ36は、筐体40に取り付けられた転がり軸受42(以下、単に「軸受42」と言う)に支持された回転軸44に軸支されている。ガバナロープ32の中間部には、かご28に付設された公知の非常止め装置(不図示)を作動させるための非常止めレバー46が固定されている。
上記の構成を有するエレベータ10において、不図示の制御装置によって回転制御される不図示の電動機からの回転動力が不図示の動力伝達機構を介し、軸受24に支持された回転軸18に伝達されて、主シーブ20が回転駆動されると、主シーブ20に掛けられた主ロープ26に連結されているかご28が、不図示のガイドレールに案内されて、昇降路12内を昇降する。
これに伴い、非常止めレバー46が固定されているガバナロープ32が走行し、軸受42で支持された回転軸44に軸支されているガバナシーブ36は、かご28の昇降速度と同じ速度(周速)で回転される。調速装置34は、かご28の速度が異常に増大したとき、これを検出してブレーキ(不図示)を作動させたり、前記非常止め装置を作動させたりするために用いられる公知の装置であるので、これ以上の説明については省略する。
エレベータ10の保守・点検の一環として、軸受24,42の異常の有無を調べる振動診断が行われる。振動診断は、軸受24,42が設けられた筐体22,40から拾った振動データに基づいてなされる。振動診断は、最初のステップとして、振動データで形成される振動波形をFFT解析し、FFT解析後の特定の周波数帯の各周波数成分の大きさの総和であるPOA(パーシャルオーバーオール値)と、正常な振動データから求められたPOAとを比較し、その差分が正常の範囲内かどうかにより、軸受24、42の診断(正常か異常かの診断)を行うものである。
前記正常な振動データとは、軸受24、42に故障が認められず、かつ、回転軸18、44が等速で回転しているときに得られるデータである。よって、振動診断において、正常な振動データと比較すべき振動データも回転軸18、44が等速で回転しているときに取得したものである必要がある。
振動診断に供する振動データを取得するための軸受振動データ取得装置100を図2にブロック図で示す。軸受振動データ取得装置100は、本体110に振動ピックアップ120、受付部130、および表示部140が接続された構成を有している。
振動ピックアップ120は、振動を検知し(振動を拾い)電気信号(振動データ)に変換する機器である。振動ピックアップ120は、振動センサが内蔵された公知のピックアップであり、この振動センサには、例えば、圧電型加速度センサが用いられる。
本体110は、CPU112にROM114、RAM116が接続された構成を有する。CPU112は、ROM114に格納された各種プログラムを実行し、RAM116は、CPU112が前記プログラムを実行するために使用されるワークメモリとなる。
本体110、受付部130、および表示部140には、例えば、ノート型パソコンを用いることができる。この場合、キーボードやマウスが受付部130として機能し、ディスプレイが表示部140として機能する。ノート型パソコンではなく、タブレット型パソコンを用いても構わない。あるいは、本体110、受付部130、および表示部140を軸受振動データ取得装置のための専用装置として構成しても構わない。いずれも、携帯型の軸受振動データ取得装置100として構成される。
操作員は、例えば、軸受24(図1)の振動診断に供する振動データを取得するため、筐体22の適当な振動検出面に振動ピックアップ120を押し当て計測する。この他、(i)振動ピックアップ120をねじ込み式により前記振動検出面に固定しても、(ii)接着剤により固定しても、あるいは(iii)マグネットを用いて固定しても構わない。
上記のように振動ピックアップ120を前記振動検出面にセッティングすると、機械室に居る操作員が巻上機16を起動してかご28を昇降させるか、あるいは、かご28内に居る他の操作員に、電話等で指示してかご28を昇降させる。そして、かご28が等速で昇降している間に、軸受振動データ取得装置100を用いて振動データを取得する。等速で昇降中であることは、上述したように、操作員が巻上機16等の稼働音等から見極める。
軸受振動データ取得装置100(のCPU112)で実行される振動データ取得プログラムについて、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
振動データ取得プログラムは、操作員により受付部130を介して、取得指示がなされる(ステップS1でYES)ことを契機として起動される。取得指示を受け付けると(ステップS1でYES)、CPU112は、内部タイマ(不図示)をリセットした後スタートさせる(ステップS2)。
内部タイマをスタートさせると(ステップS2)、CPU112は、当該内部タイマが示す経過時間を参照し、所定時間が経過するまでの間(ステップS3でNO)、振動ピックアップ120から入力される振動データを取得して、ROM114に格納する(ステップS4)。ここで、ステップS4の処理は、振動ピックアップから出力される振動データを取得する取得手段として機能し、ROM114は、前記取得手段が取得した振動データを記憶する記憶手段として機能する。
前記所定時間は、例えば、2秒に設定される。振動診断は、高周波数帯の分析によるため、サンプリング周波数の高い振動データ(例えば、1秒当たり20,000点程度)が必要となる。このため、前記所定時間を徒に長くすると、当該振動データのファイルの容量(ROM114に占める記憶容量)を増大させてしまう。そこで、前記所定時間は、振動診断に必要最小限の時間(例えば、2秒)が設定される。
ROM114に記憶された振動データ(で形成される振動波形)の一例を図4、図5に示す。横軸は、振動データ取得開始からの経過時間を、縦軸は、振幅f(t)を示している。なお、図4と図5の間で、横軸および縦軸の尺度は異なっている。
図4、図5に示す振動データはいずれも不適性データである。適性データであれば、前記所定時間の全長に亘って一様な振幅の振動データとなるのであるが、図4に示すのは、かご28の昇降における減速区間(すなわち、回転軸18の減速区間)に取得されたデータであるため、不適性データである。なお、加速区間に取得されたデータも不適性データである。要は、前記所定時間の全長に亘り等速区間でない場合は、不適性データである。等速区間で取得された一様な振幅の振動データは、例えば、図5に示す、0秒から1.25秒の間に取得されたようなデータである。
図5に示すのは、等速区間のデータではあるが、一部に突発的な振動のデータ(1.5秒前後に約0.25秒間、現れているデータ)が含まれているため、不適性データとなる例である。例えば、複数のエレベータが並設されている場合に、隣接するエレベータの巻上機に設けられている電磁ブレーキが締結された際に生じる衝撃(振動)を突発的な振動として拾ってしまう場合がある。この他にも、他の保守・点検員のハンマーによる打音検査の音(振動)を拾ってしまう場合もある。いずれも、突発的な振動は、軸受振動データ取得装置100の操作員の予期しないタイミングで生じる。
突発的な振動データを含むものが不適性である理由は、このような突発的な振動は、回転軸18の定常回転中には認められないものであり、軸受24の故障に起因するものではないため、正常な振動診断の妨げになるからである。
前記所定時間が経過すると(ステップS3でYES)、ROM114に記憶されている振動データが適性か否かの判定を行う。先ず、ステップS5、ステップS6、ステップS7の処理によって、振動データが等速区間で取得されたものか、加減速区間を含むものであるかの判定を行う。
この判定について、図4に示す振動データを例に説明する。CPU112は、最初に、図4に示す振動波形の包絡線を演算する(ステップ5)。包絡線は以下の手順で演算する。
(i)経過時間を一定時間間隔(例えば、0.16秒間隔)に区切り、時間間隔毎に、当該時間間隔における振幅の絶対値の最大値を求める。
(ii)上記最大値を順次線分で結ぶ。
上記(ii)の結果得られるのが、図4(b)に示す包絡線L1である。
次に、CPU112は、ステップS5で演算により求めた包絡線L1を1次関数に近似する(ステップS6)。図4(b)を、縦軸をY、横軸をt(経過時間)とする直交座標とし、前記1次関数の傾きを「a」、前記直交座標における切片を「b」とすると、当該1次関数は(数1)で表される。
Y=at+b …(数1)
図4(c)に、ステップS6で演算により求められた1次関数のグラフL2を示す。グラフL2は、減速区間で取得された振動データの振動波形に基づいているため、右下がりになっている。図示は省略するが、これとは反対に、加速区間で取得された振動データの振動波形に基づく1次関数のグラフは、右上がりになる。一方、等速区間で取得された振動データの振動波形に基づく1次関数のグラフは横軸(時間軸)に略平行となる。
すなわち、ステップS6で求めた1次関数の傾きaは、加速区間の場合は正の値をとなり、減速区間の場合は負の値をとなり、等速区間の場合は、0または0に近い値となる。
そこで、等速区間で取得した振動データに基づく1次関数の傾きであるとみなせる(すなわち、1次関数の傾きが実質的に水平(横軸に平行)であるとみなせる)下限値を「AL」、上限値を「AU」とする。
傾きaが、AL<a<AUの範囲にあれば、その1次関数の元である振動データ(ステップS4で取得した振動データ)は、等速区間で取得したものとみなすことができる。例えば、AL=-0.001、AU=0.001に設定される。「AL」と「AU」の値は、実験等により求め得る。
CPU112は、ステップS6で求めた1次式の傾きが(数2)で表される範囲内か範囲外かを判定する(ステップS7)。
AL<a<AU …(数2)
範囲外の場合(ステップS7でNO)、ステップS4で取得した振動データは、不適性データであると判定し、その旨(等速区間外で取得した振動データであるため不適性)を表示部140に表示して(ステップS8)、振動データ取得プログラムを終了する。これにより、操作員は、不適性データであることを知り、再取得の操作をすることとなる。
一方、範囲内の場合(ステップS7でYES)、ステップS9、ステップS10に進み、ステップS4で取得した振動データに、回転軸18の定常回転中には認められない突発的な振動データが含まれているか否かの判定を行う。以下、図5を参照しながら説明する。
先ず、ステップS9で波高率[=(最大値P)/(実効値Vrms)]を演算により求める。
波形の最大値Pは、(数3)で表される。
P=max(|f(t)|) …(数3)
すなわち、波形(f(t))の絶対値の最大値である。
f(t)は非周期信号であり、振動データ取得開始(t=0)から取得終了(t=T)の間の実効値Vrmsは、(数4)で求められる。本例では、T=2である。
Figure 2022018941000002
すなわち、波形(f(t))の二乗平均の平方根に相当する値である。
(数3)と(数4)とから、(数5)により波高率を求める
波高率=P/Vrms …(数5)
突発的な振動が含まれる場合、最大値Pが大きくなるため波高率が大きくなる。等速区間で取得された一様な振幅の振動データで形成される振動波形の場合(すなわち、適性データの場合)、最大値Pと実効値Vrmsは近い値となるため、波高率は1に近い値となる。
そこで、定常回転中には認められない突発的な振動データを含まない振動データに基づく波高率であるとみなせる上限値を「CU」とし、CPU112は、ステップS9で得た波高率が閾値CU未満か否かを判定する(ステップS10)。閾値CUは、例えば、「3」に設定される。閾値CUの具体的な値は、実験等に基づき定め得る。
波高率が閾値CU以上と判断した場合(ステップS10でNO)、すなわち、ステップS4で得た振動データが、回転軸18の定常回転中には認められない突発性の振動データを含むため、不適性であると判定した場合、その旨(突発性の振動データを含む振動データであるため不適性)を表示部140に表示して(ステップS11)、振動データ取得プログラムを終了する。これにより、操作員は、不適性データであることを知り、再取得の操作をすることとなる。
一方、波高率が閾値CU未満であると判断した場合(ステップS10でYES)、すなわち、ステップS4で得た振動データが適性であると判断した場合、取得した振動データは適性である旨を表示部140に表示して(ステップS12)、振動データ取得プログラムを終了する。
これにより、操作員は。取得した振動データが適性であることを知り、当該振動データを振動診断に供するため、振動データを保守センターへ持ち帰るか、あるいは、電子メールに添付して送信することとなる。
以上、実施形態に係るエレベータの軸受振動データ取得装置100によれば、回転軸44を支持する軸受24が設置された筐体22から取得された振動データが、回転軸44が等速回転中に取得されたものでないと判断された場合(ステップS7でNO)、当該振動データは不適性データであると判定されて、その旨が表示される(ステップS8)。
また、等速回転中に所得された振動データであっても(ステップS7でYES)、突発性の振動データを含むものである場合(ステップS10でNO)、当該振動データは不適性データであると判定されて、その旨が表示される(ステップS11)。
上記処理により、軸受振動データ取得装置100の操作員は、取得したデータが不適性であることを、現場(機械室14)で知ることができるため、直ちに、適性データを得るために再取得を試みることができる。これにより、一旦現場を離れた後に、再度、現場に出向いて、振動データの取得作業のやり直しをするといった事態を回避できる。再取得に際しては、表示部140に表示された不適性である理由(ステップS8、ステップS11)に注意して軸受振動データ取得装置100の操作をすること(取得指示のタイミングを図ること)ができるので、重ねて再取得する事態を可能な限り回避することができる。
以上、本発明に係るエレベータの軸受振動データ取得装置を、実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下の形態とすることもできる。
(1)上記実施形態では、軸受振動データ取得装置100による振動データの取得対象を巻上機16の構成要素である軸受24としたが、これに限らず他の軸受、例えば、調速装置34の構成要素である軸受42を取得対象としても構わない。要は、軸受振動データ取得装置100は、かご28の昇降中に回転される回転軸を支持する転がり軸受の振動診断に供する振動データの取得に好適に用いることができるのである。
(2)上記実施形態では、操作員による受付部130からに指示を契機として振動データの取得を開始し(図3のステップS1)、開始から内部タイマが所定時間を計時したタイミング(ステップS3でYES)で振動データの取得を終了したが、これに限らず、振動データの取得の終了も操作員による受付部130からの指示によっても構わない。
(3)上記実施形態では、取得した振動データが適性であるか不適性である旨の表示手段として、パソコンなどのディスプレイを用いたが、表示手段は、これに限らず、例えば、ランプを用いても良い。この場合、例えば、緑、赤、橙の三つのランプを用い、取得した振動データが、適性データの場合(図3のステップS12)は緑色ランプを点灯させ、等速区間外で取得したため不適性データである場合は(ステップS8)、赤色ランプを点灯させ、突発振動を含む振動データであるため不適性データである場合は(ステップS11)、橙色ランプを点灯させることとする。要は、表示手段は、取得した振動データが適性か不適性かを操作員に知らせることができるものであれば構わないのである。
(4)上記実施形態では、振動データが不適性である場合(図3ステップS7でNO、ステップS10でNO)だけでなく、適性である場合(ステップS10でYES)もその旨を表示部140(図2)に表示する(ステップS12)こととしたが、適性である場合(ステップS10でYES)は必ずしも、表示しなくても構わない(すなわち、ステップS12は省略しても構わない)。不適性であることが操作員に知れれば、当該不適性データで振動診断をしてしまうことを防止するといった所期の目的を達成できるからである。
(5)上記実施形態における振動データ取得プログラムのステップS8(図3)では、不適性データである理由を「等速区間外」であるとのみ表示したが、「加速区間を含むため不適性である」か「減速区間を含むため不適性」であるかの表示を追加しても構わない。
すなわち、「ROM114に記憶された振動データ(ステップS4)が、軸受24で支持された回転軸18の加速回転中の振動データを含むため不適性」である旨の表示、または、「ROM114に記憶された振動データ(ステップS4)が、軸受24で支持された回転軸18の減速回転中の振動データを含むため不適性」である旨の表示を追加しても構わない。なお、ステップS6で求めた1次式の傾き「a」が、正の値のときは「加速区間」であると、負の値のときは「減速区間」であると判定される。
上記のように表示内容を追加することにより、操作者は、振動データの取得の開始タイミング(ステップS1)が、早過ぎたのか、あるいは遅過ぎたのかを知ることができるため、再取得に際し、一層、注意して取得指示のタイミングを図ることができるので、重ねて再取得する事態を可能な限り回避することができる。
本発明に係るエレベータの軸受振動データ取得装置は、エレベータに設置された軸受、例えば、主シーブの回転軸を支持する転がり軸受の振動診断に供する振動データを取得する装置として好適に利用可能である。
100 エレベータの軸受振動データ取得装置
110 本体
112 CPU
114 ROM
120 振動ピックアップ
140 表示部

Claims (6)

  1. エレベータに設置された軸受の振動診断に供する振動データを取得するための軸受振動データ取得装置であって、
    前記軸受が設けられた筐体の振動を拾う振動ピックアップと、
    前記振動ピックアップから出力される振動データを取得する取得手段と、
    取得した前記振動データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記振動データが、前記軸受で支持された回転軸の等速回転中に取得されたものか否かを判断し、前記等速回転中に取得されたものでないと判断した場合、当該振動データは不適性データと判定する判定手段と、
    前記判定手段により、前記振動データが不適性データであると判定された場合、当該振動データは不適性データである旨、表示する表示手段と、
    を有することを特徴とするエレベータの軸受振動データ取得装置。
  2. 前記判定手段は、
    前記記憶手段に記憶された前記振動データで形成される振動波形の包絡線を演算により求める包絡線演算部と、
    前記包絡線演算部で求められた包絡線を1次関数に近似する近似部と、
    前記近似部により近似された1次関数の傾きが、実質的に水平であるか否かを判断する傾き判断部と、
    を有し、
    前記傾き判断部が、前記1次関数の傾きが実質的に水平でないと判断すると、前記記憶手段に記憶された振動データは前記等速回転中に取得されたものではないと判断することを特徴とする請求項1記載のエレベータの軸受振動データ取得装置。
  3. 前記包絡線演算部は、
    前記振動波形を所定の時間間隔で区切り、当該時間間隔毎に振幅の絶対値の最大値を求め、当該最大値を順次結ぶことにより前記包絡線を求めることを特徴とする請求項2に記載のエレベータの軸受振動データ取得装置。
  4. 前記判定手段は、さらに、
    前記記憶手段に記憶された前記振動データに、前記回転軸の定常回転中には認められない、突発振動データが含まれているか否かを判断し、前記突発振動データが含まれていると判断した場合、当該振動データは不適性データと判定することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のエレベータの軸受振動データ取得装置。
  5. 前記判定手段は、
    前記記憶手段に記憶された前記振動データで形成される振動波形の波高率を演算により求める波高率演算部と、
    前記波高率演算部により演算された波高率が所定の閾値以下であるか否かを判断する波高率判断部と、
    を有し、
    前記波高率判断部が、前記波高率が前記閾値未満ではないと判断すると、前記記憶手段に記憶された振動データに前記突発振動データが含まれていると判断することを特徴とする請求項4に記載のエレベータの軸受振動データ取得装置。
  6. 操作員からの振動データ取得指示を受け付ける受付手段を有し、
    前記取得手段は、前記受付手段が前記振動データ取得指示を受け付けると、前記振動データの取得を開始することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のエレベータの軸受振動データ取得装置。
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